以下、本発明の伝言メッセージ再生システム20の実施の形態について図面に基づいて説明する。
図1はその伝言メッセージ再生システム20が設けられた住宅10の一階部分11の概略を示す概略である。なお、本実施形態では、住宅10に、居住者として両親(父親及び母親)とその子供(二人)とが居住していることを想定している。
図1に示すように、一階部分11には、部屋として、玄関12、リビング13、ダイニング14、キッチン15、子供部屋16(子供用寝室)及び洗面室17が設けられている。玄関12には玄関口21が設けられており、その玄関口21には玄関ドア22が設けられている。玄関ドア22には、当該ドア22を施解錠する施錠装置23が設けられている。施錠装置23は、玄関ドア22を電気的に施解錠する電気錠からなる。施錠装置23は、居住者が所持する電子キー26(図2参照)による電子キー認証により施解錠することが可能となっている。電子キー認証のための構成として、通信装置25とコントローラ50(図2参照)とが設けられている。
通信装置25は、玄関ドア22付近の屋外側(玄関ドア22の屋外側の面でも可)に設けられている。通信装置25はコントローラ50と電気的に接続されている。通信装置25は、コントローラ50によりその出力電波が制御され、無線通信用の通信エリアが所定の範囲に制御される。図1に示されるように、通信装置25における無線通信用の通信エリアCAは、平面視において通信装置25を中心とする円形の所定エリアとなっている。
玄関ドア22の屋内側の面には、玄関ドア22の開閉を検知するための開閉検知センサ27が設けられている。
玄関12(玄関口21より屋内側)には、伝言メッセージの再生をするための再生端末31(例えば、玄関12の壁面)と、人感センサ41(例えば、玄関12の天井面)とが設けられている。人感センサ41は、玄関口21から住宅10内に入った位置に設けられ、玄関12付近(玄関口21より屋内側)における人の存在を検出するように構成されている。図1に示すように、玄関ドア22の閉鎖時においては、人感センサ41は住宅10の内側のみを検出エリアDA1とするように配置位置及び検出範囲が設定されている。
リビング13には、再生端末32(例えば、リビング13の壁面)と、人感センサ42(例えば、リビング13の天井)とが設置されている。人感センサ42は、リビング13に入った位置に設けられ、リビング13における人の存在を検出するように構成されている。図1に示すように、人感センサ42はリビング13を検出エリアDA2とするように配置位置及び検出範囲が設定されている。
キッチン15には、再生端末33(例えば、キッチン15の壁面)と、人感センサ43(例えば、キッチン15の天井)とが設置されている。人感センサ43は、キッチン15に入った位置に設けられ、キッチン15における人の存在を検出するように構成されている。図1に示すように、人感センサ43はキッチン15を検出エリアDA3とするように配置位置及び検出範囲が設定されている。
洗面室17には、再生端末34(例えば、洗面室17の壁面)と、人感センサ44(例えば、洗面室17の天井)とが設置されている。人感センサ44は、洗面室17に入った位置に設けられ、洗面室17における人の存在を検出するように構成されている。図1に示すように、人感センサ44は洗面室17を検出エリアDA4とするように配置位置及び検出範囲が設定されている。
図2は、伝言メッセージ再生システム20の実施形態における伝言メッセージの再生制御に関する構成を示す概略図である。
コントローラ50は、CPUやメモリ等を有するマイクロコンピュータを備えるものである。コントローラ50は、少なくとも、施解錠の制御や、伝言メッセージの再生を制御する制御部51と、電子キー認証のためのID情報、後述する音声認識のための音声情報、伝言メッセージに関する事項や各種センサ類からの検知結果等を記憶する記憶部52と、音声による居住者の識別や伝言メッセージシステムの操作を実施するための音声認識部53と、文字データからなる伝言メッセージを音声読み上げするための音声読み上げ部54と、時間を計測する場合に用いられるタイマ55とを有している。
記憶部52には、伝言メッセージに関する事項を記憶するための構成として、伝言メッセージの再生順序を決定するためのキーワードを記憶する重み付け記憶エリア521と、各種のメッセージデータからなる伝言メッセージテーブルTを格納するメッセージ記憶エリア522と、が備えられている。音声認識部53には、音声により個々の居住者を識別するための話者認識部531と、音声により伝言メッセージシステムを操作するための音声操作部532とが備えられている。音声読み上げ部54は、制御部51からの指示に基づいて、伝言メッセージテーブルTに記憶された文字データからなる伝言メッセージを音声に変換する。音声化された伝言メッセージは後述する複数の再生端末31,32,33,34のスピーカ312,322,332,342のいずれかより再生される。
電子キー26は、電子キー26毎に固有のID情報を記憶するメモリ(図示略)を備えており、コントローラ50からの要求に応じてID情報を送信する。ここで、通信装置25は、リクエスト信号を所定の時間周期で送信するのに対し、電子キー26は、通信装置25の通信エリアCAに進入してリクエスト信号を受信すると、そのリクエスト信号に応答してID情報を通信装置25に送信する。そして、ID情報が通信装置25により受信されると、当該ID情報が通信装置25からコントローラ50に入力される。コントローラ50は、通信装置25を介して電子キー26からのID情報が入力されると、当該ID情報と予め記憶部52に登録されたID情報との一致判定を行い、正規のキーであるか否かの認証を行う。
そして、玄関ドア22の屋外側の面に設けられたドアノブ(図示せず)にタッチセンサが内蔵され、上記ID情報によって電子キー26が正規認証されている状況において、電子キー26を携帯した居住者がドアノブに触れると施錠又は解錠が行われる。
例えば、当該形態における施錠装置23では、施錠装置23が解錠された状態で、電子キー26を携帯した居住者がドアノブに触れると、施錠装置23が施錠される。また、施錠装置23が施錠されている状態で、電子キー26を携帯した居住者がドアノブに触れると、施錠装置23は解錠される。タッチセンサは、例えば、静電容量タッチセンサである。電子キー26が正規のものに該当しない場合には、施錠装置23の施解錠は行われない。
開閉検知センサ27はコントローラ50へ接続され、コントローラ50には開閉検知センサ27から逐次検知結果が入力される。開閉検知センサ27からの検知結果に基づいて、玄関ドア22の開閉状態を判定し、玄関ドア22が開いてその後閉状態とされたと判定した場合に、帰宅した居住者が玄関12(玄関ドア22より屋内側)へ進入したと判断される。なお、玄関ドア22が閉状態とされたと判定した場合に施錠装置23により玄関ドア22が自動で施錠(オートロック)される。
玄関12に設けられた再生端末31は、少なくとも、伝言メッセージの録音のためのマイク311と、ガイドメッセージや伝言メッセージの再生のためのスピーカ312と、伝言メッセージの登録や再生の際に操作するための操作部313と、ガイドメッセージや伝言メッセージの表示や操作部313により選択・入力される事項の表示等のための表示部314と、を備えている。
リビング13に設けられた再生端末32、キッチン15に設けられた再生端末33及び洗面室17に設けられた再生端末34についても、再生端末31と同様に、それぞれマイク321,331,341、スピーカ322,332,342、操作部323,333,343と、表示部324,334,344と、が備えられている。
再生端末31,32,33,34には、伝言メッセージの再生を停止するための停止ボタン315,325,335,345、伝言メッセージを登録するための録音ボタン316,326,336,346、伝言メッセージがある場合に点滅して通知する表示灯317,327,337,347が設けられている。
本実施形態では、未再生の伝言メッセージがある場合、伝言メッセージがあることを通知するために表示灯317,327,337,347を点滅させる。なお、本実施形態では、伝言メッセージが登録されている場合、伝言メッセージの受信者に関係なく、表示灯317,327,337,347が点滅する。よって、その表示灯317,327,337,347の点滅を認識した居住者に、自己に向けた伝言メッセージがあるかどうかの確認を促すことができる(図6参照)。そして、その居住者への伝言メッセージがある場合は、居住者が伝言メッセージを再生するための音声コマンドを発することで伝言メッセージが再生される。伝言メッセージがすべて再生された場合は、表示灯317,327,337,347は消灯される。
再生端末31,32,33,34はコントローラ50へ接続され、制御部51からの指示に基づいて伝言メッセージの再生を実施する。また、コントローラ50には、再生端末31,32,33,34に設けられたマイク311,321,331,341から吹き込まれる音声情報、及び操作部313,323,333,343からの操作内容が逐次入力される。
人感センサ41,42,43,44はコントローラ50へ接続され、コントローラ50には人感センサ41,42,43,44から逐次検知結果が入力される。コントローラ50は、人感センサ41,42,43,44からの検知結果に基づいて、人感センサ41,42,43,44のそれぞれの検出エリアDA1,DA2,DA3,DA4内における人の存在の有無を判定する。
伝言メッセージ再生システム20では、住宅10の居住者が帰宅した際にまず玄関12で伝言メッセージが再生される。本実施形態では、玄関12における帰宅した居住者の識別には、予め記憶部52に登録された電子キー26の固有のID情報を利用する。すなわち、電子キー26の固有のID情報を、携帯する居住者に対応させてそれぞれコントローラ50に登録する。これにより、外出先から居住者が帰宅した際、玄関ドア22の解錠のために通信装置25を通じて実施される電子キー26の認証により、帰宅した居住者の特定が同時に実施される。
その後、帰宅した居住者は玄関12より住宅10内の各部屋へ移動する。居住者の住宅10内の移動に伴い、伝言メッセージが再生される場所も移動する。伝言メッセージ再生システム20では、住居内での居住者の位置を検知するための位置検知手段が設けられる。本実施形態では、位置検知手段として、伝言メッセージが再生される再生端末31,32,33,34を利用する。すなわち、居住者が再生端末31,32,33,34が設置された場所にいる場合、再生端末31,32,33,34(マイク311,321,331,341)に向かって、伝言メッセージを再生するための音声コマンド(例えば、「メッセージ 再生」)を発する。これにより、音声コマンドの入力された再生端末31,32,33,34の設置場所に居住者がいると判断され、伝言メッセージの再生場所が決定する。
本実施形態では、音声コマンドの入力の際に、同時に話者認証を行う。すなわち、再生端末31,32,33,34に設けられたマイク311,321,331,341により音声コマンドが吹き込まれると、話者認識部531はその音声コマンドの音声について記憶部52に予め登録された音声情報と一致判定を行い、音声コマンドの入力者の識別(認証)を行う。これにより、伝言メッセージの受信者が決定される。なお、本実施形態では、音声情報はIDコードに対応づけられているため、本実施形態ではIDコードで伝言メッセージを管理する。
伝言メッセージは、文字データ又は音声データのいずれかである。伝言メッセージは、再生端末31,32,33,34に設けられたマイク311,321,331,341への音声吹き込み、又は再生端末31,32,33,34に設けられた操作部313,323,333,343の操作により、後述の伝言メッセージテーブルT(図4(b)に図示)に登録される。なお、以下では、音声データからなる伝言メッセージを単に「音声メッセージ」、文字データからなる伝言メッセージを単に「文字メッセージ」と称する場合がある。
音声メッセージを登録する場合、再生端末31,32,33,34に設けられた録音ボタン316,326,336,346が押されることにより、伝言メッセージ登録モードの開始の操作として受け付けられる。
録音ボタン316,326,336,346を押した後に、操作された再生端末31,32,33,34のマイク311,321,331,341に音声を吹き込むと、吹き込まれた音声が記憶部52に登録された音声か否かが話者認識部531により認証されて、伝言メッセージの送信者が識別される。そして、録音開始時に受信者の登録名(例えば、「お父さん」、図4(a)を参照)を吹き込んだ場合、音声操作部532により音声コマンドとして受信者の認証が実施され、伝言メッセージの受信者が登録される。録音開始時に受信者となる登録名が吹き込まれなかった場合は、居住者全員が受信者とされる。
その後、吹き込まれた伝言メッセージは、認証された送信者及び受信者に対応させて、伝言メッセージテーブルTに登録される。
文字メッセージを登録する場合は、操作部313,323,333,343の操作により伝言メッセージ登録モードを開始させるための操作を受け付けた後、送信者及び受信者について、記憶部52に予め登録されているIDコードのいずれかを選択させる。
送信者及び受信者の選択の後、例えば、「伝言メッセージを入力してください」といったガイドメッセージを、操作された再生端末31,32,33,34の表示部314,324,334,344に表示させる。そして、該当する操作部313,323,333,343の操作により伝言メッセージの入力に対して待機し、その後、伝言メッセージが操作部313,323,333,343により入力されたときには、入力された伝言メッセージを予め選択されているIDコードに対応させて、伝言メッセージテーブルTに登録する。
そして、操作部313,323,333,343の操作により、伝言メッセージ登録モードの終了を指示するための操作を受け付けたときには、伝言メッセージ登録モードを終了する。
伝言メッセージ再生システム20において、コントローラ50は、ネットワークNを介して伝言メッセージサーバ80に接続されている。本実施形態では、伝言メッセージは、上述のように再生端末31,32,33,34を用いてコントローラ50の記憶部52に登録される他、携帯電話端末81や住宅10で利用しているパソコン端末82等からネットワークNを介して伝言メッセージサーバ80に登録される。
伝言メッセージサーバ80は、図示しない制御手段(CPU)、記憶手段(ROM、RAM、ハードディスク等)等を有するコンピュータであり、各種プログラムを実行することにより、少なくとも文字データ又は音声データのいずれかである伝言メッセージの送受信等の制御が行なわれる。そして、伝言メッセージサーバ80が携帯電話端末81又はパソコン端末82から送信された伝言メッセージを受信すると、伝言メッセージサーバ80によりその伝言メッセージはコントローラ50に対して送信される。伝言メッセージサーバ80により受信した伝言メッセージは、コントローラ50の記憶部52に設けられたメッセージ記憶エリア522に登録される。
伝言メッセージサーバ80にユーザである居住者等が携帯電話端末81又はパソコン端末82から送信するメッセージは、メッセージである文字データ又は音声データに加えて、送信者であるユーザのID情報及びメッセージの受信者であるユーザのID情報を含む。送信者及び受信者の各々のID情報は、携帯電話端末81又はパソコン端末82から直接タイプしてもよいが、メッセージ送信用の専用アプリ等を用いることにより、メッセージの送信作業を簡略化することが望ましい。
例えば、携帯電話端末81又はパソコン端末82に、住宅10の居住者等のユーザの氏名及びID情報等を予め記憶させておき、上述の専用アプリを起動すると、記憶しているユーザのリストが携帯電話端末81又はパソコン端末82の画面に表示され、表示されたリストから選択したユーザ(複数同時選択可)に対するメッセージを伝言メッセージサーバ80に登録できるようにしてもよい。
伝言メッセージサーバ80では、専用アプリを用いて送信されてきたメッセージから送信者のID情報及び受信者のID情報を抽出して、メッセージの文字又は音声データと対応付けて各種のメッセージデータからなる伝言メッセージテーブル(図示せず、コントローラ50の伝言メッセージテーブルTに対応するものである)として登録する。
コントローラ50は、ネットワークNを通じて伝言メッセージサーバ80にアクセスして、常に更新された伝言メッセージを、コントローラ50の記憶部52にアップロードして登録させる。なお、コントローラ50は、メッセージを受け取るユーザである居住者が施錠装置23を解錠し、玄関ドア22を開閉した際に、伝言メッセージサーバ80に登録されているメッセージをネットワークNを介して取得することにしてもよい。
また、伝言メッセージ再生システム20は、パソコン端末82のメールシステム83と連動して利用される。メールシステム83に受信されるメールのうち、伝言メッセージ再生システム20で再生されるメールが識別され、当該識別されたメールはネットワークNを介して伝言メッセージサーバ80に転送される。
図2のメールシステム83における父のメール受信箱84に示されるように、伝言メッセージ再生システム20で再生されるメールに対しては、件名に「[伝言]」と表記する。これにより、メールシステム83に受信されたメールのうち、件名に「[伝言]」と表記された未読メールが抽出される。図2のメールシステム83の父のメール受信箱84においては、「未読 [伝言]明日の持ち物」、「未読 [伝言]録音メッセージ」が転送される。送信者及び受信者のメールアドレスはそれぞれ対応するID情報を予め記憶させておき、対応するID情報が送信者及び受信者として伝言メッセージサーバ80に転送される。すでに確認した既読メールであっても受信者であるユーザが備忘録的に再生端末31,32,33,34で再生させたいメールがあった場合、メールシステム83にてメールの既読状態を未読状態としておくことで、伝言メッセージサーバ80に転送されるメールとして識別される。
伝言メッセージサーバ80では、メールシステム83から転送されてきたメールから送信者のID情報及び受信者のID情報を抽出して、文字データ又は音声データからなるメッセージと対応付けて、各種のメッセージデータからなる伝言メッセージテーブル(図示せず、前述のようにコントローラ50の伝言メッセージテーブルTに対応するものである)として登録する。コントローラ50は、ネットワークNを介して伝言メッセージサーバ80から上述のメールシステム83より転送された伝言メッセージを受信し、当該伝言メッセージを伝言メッセージテーブルTに登録させる。
伝言メッセージの再生の際には、「未読 [伝言]明日の持ち物」は文字データからなる伝言メッセージであるため音声読み上げ部54によりメール件名及びメール本文が読み上げられ、「未読 [伝言]録音メッセージ」は音声データからなる伝言メッセージであるため添付されていた音声データがそのまま再生される。
図3は、重み付け記憶エリア521の記憶内容を示す概念図である。重み付け記憶エリア521には、キーワードと、そのキーワードについて再生端末31,32,33,34が設置された各エリアでの重み付け値が設定されている。重み付け値は0〜5で設定され、「5」は優先度が最も高く、「0」は優先度が最も低い。再生場所に関係なく優先的に伝達したい伝言メッセージについては「最優先」となるキーワード(例えば、「大事」)を含めればよい。
図4(a)は、施錠装置23の施解錠の際に電子キー26の認証で用いられるIDコードについて、コントローラ50の記憶部52に登録されたIDコードの一例を示す図である。図4(a)に示されるように、それぞれのIDコードに対応させて、居住者の音声情報と、登録名とが登録されている。音声情報としては、規定ワードの音声(例えば、伝言メッセージを再生させるための音声コマンド(例:「メッセージ 再生」)等)を登録するとよい。伝言メッセージを再生させる際に再生端末31,32,33,34のマイク311,321,331,341に対して、その規定ワード(音声コマンド)を発することにより話者認証が実施される。登録名は、上述したように音声により伝言メッセージの録音を行う場合に受信者を指定する際などに使用される。音声情報及び登録名はIDコードに対応づけられているため、本実施形態ではIDコードで伝言メッセージを管理する。
図4(b)は、伝言メッセージ再生システム20で用いられる伝言メッセージテーブルTの構成の一例を示す図である。図4(b)に例示するように、伝言メッセージテーブルTでは、伝言メッセージは、IDコードの各々に対応させて、少なくとも、音声データ又は文字データのいずれかのデータ形式で登録されている。なお、図4(b)に例示するIDコードは、図4(a)の電子キー26の認証用として記憶部52に登録されているIDコードと同じである。
伝言メッセージテーブルTに登録された伝言メッセージは、制御部51により重み付け記憶エリア521に設定されたキーワードを含むか否かを判定される。伝言メッセージが設定されたキーワードを含んでいた場合は、伝言メッセージに対応させて、それぞれの再生場所における優先度を決定するための重み付け値が付けられる。
したがって、伝言メッセージテーブルTに登録された伝言メッセージにおいて、重み付け記憶エリア521に設定されたキーワードが含まれている場合、各再生場所での重み付け値が付されている。なお、「夕食のおかず」のように、「夕食」と「おかず」との2つのキーワードが含まれている場合は、最先のキーワードが優先される。そして、同じ重み付けの伝言メッセージがある場合はメッセージの登録された時間の早い方から優先される。
次に、コントローラ50の制御部51により実行される居住者の帰宅時における玄関12での伝言メッセージ再生の制御処理の内容について図5に基づいて説明する。図5は、制御処理の流れを示すフローチャートである。
図5に示すように、まずステップS11では、通信装置25を介して電子キー26より受信したID情報の認証処理を行う。この認証処理では、通信装置25からのリクエスト信号の応答として電子キー26より送信されるID情報が予め記憶されているID情報と一致しているか否かを認証(判定)する。認証処理の結果、電子キー26からのID情報が予め記憶されているID情報と一致していない場合、すなわち認証NGの場合には、ステップS11をNO判定して本処理を終了する。一方、電子キー26からのID情報が予め記憶されているID情報と一致している場合、すなわち認証OKの場合には、ステップS11をYES判定してステップS12に進む。
ステップS12では、電子キー26の認証後、一定時間以内に玄関ドア22が開いてその後閉じたか否かを判定する。タイマ55による時間計測に基づき一定時間以内に玄関ドア22が開いてその後閉じた場合、ステップS12をYES判定して、ステップS13に進む。一定時間以内に玄関ドア22が開閉されなかった場合、ステップS12をNO判定して本処理を終了する。なお、ステップS12をNO判定した場合には、施錠装置23の施錠処理が実行される。ステップS12で電子キー26の認証後の一定時間以内に玄関ドア22が開いてその後閉じたことが検知されることで、認証された居住者が玄関ドア22の屋内側に進入したと判断される。
ステップS13では、電子キー26により認証された居住者を受信者とする伝言メッセージがあるか否かを判定する。伝言メッセージテーブルTから認証された居住者のIDで受信者のソートをした結果、認証された居住者を受信者とする伝言メッセージの有無が判断される。伝言メッセージがある場合、ステップS13をYES判定して、ステップS14に進む。伝言メッセージがない場合、ステップS13をNO判定してステップS19へ進む。
ステップS19では、「伝言メッセージはありません」とのガイドメッセージがスピーカ312を通じて再生されて、居住者に伝言メッセージがないことが通知される。ガイドメッセージによる通知後、本処理を終了する。
ステップS14では、電子キー26により認証された居住者を受信者とする伝言メッセージについて、重み付け値により玄関12での伝言メッセージの再生順序を決定する。
例えば、帰宅した居住者が子Aの場合、図4(b)の伝言メッセージテーブルTに登録された伝言メッセージにおいて、子Aを受信者とする伝言メッセージは5件(番号2,3,4,5,7)ある。これらの伝言メッセージにおいて、玄関12での再生の重み付け値は、番号5が「4」であり、番号7が「3」であり、番号2,3が「2」であり、番号4が「1」である。よって、玄関12での再生順序としては、番号5,7,2,3,4の順で伝言メッセージが再生されることになる。
ステップS15では、ステップS14で決定した再生順序に従って、電子キー26により認証された居住者を受信者とする伝言メッセージの再生をスピーカ312を通じて開始する。この場合、音声データによる伝言メッセージは音声のまま、文字データによる伝言メッセージは音声読み上げ部54による音声データへの変換を行い、スピーカ312を通じて音声として再生される。この際、認証された居住者への伝言メッセージの一覧を表示部314に表示してもよい。
ステップS16では、玄関12(玄関ドア22の屋内側)に設けられた人感センサ41による検出信号に基づいて、人感センサ41により人の存在が検出されているか否かを判定する。人感センサ41により人の存在が検出されている場合、すなわち玄関12付近(玄関ドア22の屋内側)に電子キー26により認証された居住者が存在している場合、ステップS16をYES判定して、ステップS17に進む。人感センサ41により人の存在が非検出の場合、すなわち玄関ドア22付近に電子キー26により認証された居住者が存在していない場合、ステップS16をNO判定してステップS20へ進む。
ステップS20では、伝言メッセージの再生を中断し、ステップS21へ進む。
ステップS17では、再生端末31に設けられたメッセージを停止するための停止ボタン315が押されたか否かを判定する。停止ボタン315が押された場合、YES判定してステップS20へ進む。停止ボタン315が押されていない場合、NO判定して伝言メッセージの再生を継続し、ステップS18へ進む。
ステップS18では、電子キー26により認証された居住者を受信者とする伝言メッセージの再生が終了したか否かを判定する。伝言メッセージの再生が終了した場合、ステップS18をYES判定して、ステップS22へ進む。伝言メッセージの再生が終了していない場合、ステップS18をNO判定してステップS16へ戻り、ステップS16〜S18の各処理を繰り返す。
ステップS20で伝言メッセージの再生を中断した後、ステップS21へ進み、ステップS21では、電子キー26により認証された居住者を受信者とする伝言メッセージのうち、未再生の伝言メッセージがあるか否かを判定する。未再生の伝言メッセージがない場合、ステップS21をNO判定してステップS22へ進む。未再生の伝言メッセージがある場合、ステップS21をYES判定して、ステップS24に進む。
なお、本実施形態では、停止ボタン315,325,335,345を押して、又は再生場所(玄関12、リビング13、キッチン15、洗面室17)から居住者がいなくなって伝言メッセージの再生が停止した場合、中断された伝言メッセージは「未再生の伝言メッセージ」として区分される。したがって、上記ステップS16で玄関12から居住者が立ち去った場合、又はS17で停止ボタン315を押されて伝言メッセージの再生が停止した場合、その停止時に再生されていた伝言メッセージは「未再生の伝言メッセージ」とされる。
ステップS22では、伝言メッセージテーブルTに登録された伝言メッセージにおいて、未再生の伝言メッセージがあるか否かを判定する。なお、ステップS22では、受信者は特定されず、未再生の伝言メッセージの有無について判定する。未再生の伝言メッセージがない場合、ステップS22をNO判定してステップS23へ進む。未再生の伝言メッセージがある場合、ステップS22をYES判定して、ステップS24に進む。
ステップS23では、伝言メッセージがあることを通知するために点滅している表示灯317,327,337,347を消灯する。表示灯317,327,337,347を消灯させることにより、居住者は再生端末31,32,33,34を見るだけで伝言メッセージがないことが確認できる。表示灯317,327,337,347の消灯後、ステップS24へ進む。
未再生の伝言メッセージがまだある場合(ステップS21及びステップS22のYES判定)、又は表示灯317,327,337,347の消灯(ステップS23)後、ステップS24へ進む。ステップS24では、再生済みの伝言メッセージの削除処理を実施する。これにより、未再生の伝言メッセージがある場合に、一度聞いた伝言メッセージが再度再生されることを回避できる。再生済み伝言メッセージを削除した後、本処理を終了する。
すなわち、再生済みの伝言メッセージは、未再生の伝言メッセージと区分され、再生済みの伝言メッセージは伝言メッセージテーブルTより削除される。「未再生の伝言メッセージ」と区分された伝言メッセージは、次回の伝言メッセージ再生の際の再生対象である。
以上のように、電子キー26の認証により、帰宅した居住者が特定され、その後、帰宅した居住者は玄関12に進入する。したがって、重み付け記憶エリア521に設定された玄関12での再生における重み付けによる再生順序に従って、まず玄関12に設けられた再生端末31により伝言メッセージが再生される。そして、再生中、帰宅した居住者が移動して玄関12よりいなくなったり、停止ボタン315が押されると、伝言メッセージの再生が停止される。
そして、伝言メッセージの再生が停止された後、未再生の伝言メッセージがある場合は住居内の再生端末31,32,33,34に設けられた表示灯317,327,337,347が点滅したままとなるが、未再生の伝言メッセージがない場合は表示灯317,327,337,347が消灯される。そのため、居住者は移動した先に設けられた再生端末31,32,33,34の表示灯317,327,337,347を確認することで伝言メッセージの有無が確認できる。
次に、コントローラ50の制御部51により実行される玄関12、リビング13、キッチン15及び洗面室17における伝言メッセージ再生の制御処理の内容について図6に基づいて説明する。図6は、制御処理の流れを示すフローチャートである。なお、居住者は玄関12から立ち去った後、再び玄関12へ戻ってきて伝言メッセージを聞く場合もあるため、図6のフローチャートは玄関12の再生端末31の制御処理も含まれる。
図6に示すように、まずステップS31では、マイク311,321,331,341(再生端末31,32,33,34)を通じて伝言メッセージを再生させるための音声コマンド(例えば「メッセージ 再生」)が入力されたか否かが判定される。音声コマンドが入力された場合、YES判定してステップS32へ進む。音声コマンドが入力されていない場合、NO判定して本処理を終了する。
ステップS32では、音声コマンドの音声に基づいて話者認証処理を行う。この話者認証処理では、マイク311,321,331,341により吹き込まれた音声コマンドの音声が予め記憶されている音声情報と一致しているか否かを認証(判定)する。認証処理の結果、音声コマンドの音声が予め記憶されている音声情報と一致していない場合、すなわち認証NGの場合には、ステップS32をNO判定して本処理を終了する。一方、音声コマンドの音声が予め記憶されている音声情報と一致している場合、すなわち認証OKの場合には、ステップS32をYES判定してステップS33に進む。
ステップS33では、音声コマンドの入力先に基づき、伝言メッセージの再生場所が決定される。すなわち、ステップS31における音声コマンドが入力された再生端末31,32,33,34の設けられた場所が伝言メッセージの再生場所として判断される。
ステップS34では、音声により認証された居住者を受信者とする伝言メッセージ(未再生)があるか否かを判定する。伝言メッセージテーブルTから認証された居住者のIDで受信者のソートをした結果、認証された居住者を受信者とする未再生の伝言メッセージの有無が判断される。未再生の伝言メッセージがある場合、ステップS34をYES判定して、ステップS35に進む。未再生の伝言メッセージがない場合、ステップS34をNO判定してステップS40に進む。
ステップS40では、「伝言メッセージはありません」とのガイドメッセージが、音声コマンドの入力された再生端末31,32,33,34のスピーカ312,322,332,342より再生されて、居住者に伝言メッセージがないことが通知される。ガイドメッセージによる通知後、本処理を終了する。
ステップS35では、音声コマンドの入力先に基づき、伝言メッセージの再生順序が決定される。すなわち、音声により認証された居住者を受信者とする伝言メッセージについて、音声コマンドが入力された再生端末31,32,33,34を再生場所として、伝言メッセージの再生順序を重み付け値により決定する。
ステップS36では、ステップS35で決定した再生順序に従って、ステップS33で決定された再生場所に設置された再生端末31,32,33,34(音声コマンドが入力された再生端末31,32,33,34)で、音声により認証された居住者を受信者とする伝言メッセージの再生を開始する。例えば、音声コマンドの入力先が再生端末34であった場合は再生端末34のスピーカ342を通じて伝言メッセージが再生される。
この場合、音声データによる伝言メッセージは音声のまま、文字データによる伝言メッセージは音声読み上げ部54による音声データへの変換を行い、スピーカ312,322,332,342を通じて音声として再生される。この際、伝言メッセージを再生している再生端末31,32,33,34の表示部314,324,334,344において、認証された居住者への伝言メッセージの一覧を表示してもよい。
ステップS37では、伝言メッセージの再生されている場所に設けられた人感センサ41,42,43,44による検出信号に基づいて、人感センサ41,42,43,44により人の存在が検出されているか否かを判定する。例えば、再生端末34で伝言メッセージが再生されている場合は、人感センサ44による検出結果により判定される。人感センサ41,42,43,44により人の存在が検出されている場合、すなわち再生場所付近には音声により認証された居住者が存在している場合、ステップS37をYES判定して、ステップS38に進む。人感センサ41,42,43,44により人の存在が非検出の場合、すなわち再生場所付近に音声により認証された居住者が存在していない場合、ステップS37をNO判定してステップS41へ進む。
ステップS41では、伝言メッセージの再生を中断し、ステップS42へ進む。
ステップS38では、伝言メッセージが再生されている再生端末31,32,33,34に設けられた停止ボタン315,325,335,345が押されたか否かを判定する。停止ボタン315,325,335,345が押された場合、YES判定してステップS41へ進む。停止ボタン315,325,335,345が押されていない場合、NO判定して伝言メッセージの再生を継続し、ステップS39へ進む。
ステップS39では、音声により認証された居住者を受信者とする伝言メッセージの再生が終了したか否かを判定する。伝言メッセージの再生が終了した場合、ステップS39をYES判定して、ステップS43へ進む。伝言メッセージの再生が終了していない場合、ステップS39をNO判定してステップS37へ戻り、ステップS37〜S39の各処理を繰り返す。
ステップS41で伝言メッセージの再生を中断した後ステップS42へ進み、ステップS42では、音声により認証された居住者を受信者とする伝言メッセージのうち、未再生の伝言メッセージがあるか否かを判定する。未再生の伝言メッセージがない場合、ステップS42をNO判定してステップS43へ進む。未再生の伝言メッセージがある場合、ステップS42をYES判定して、ステップS45に進む。
ステップS43では、伝言メッセージテーブルTに登録された伝言メッセージにおいて、未再生の伝言メッセージがあるか否かを判定する。なお、ステップS43では、受信者は特定されず、未再生の伝言メッセージの有無について判定する。未再生の伝言メッセージがない場合、ステップS43をNO判定してステップS44へ進む。未再生の伝言メッセージがある場合、ステップS43をYES判定して、ステップS45に進む。
ステップS44では、伝言メッセージがあることを通知するために点滅している表示灯317,327,337,347を消灯する。表示灯317,327,337,347を消灯させることにより、居住者は再生端末31,32,33,34を見るだけで伝言メッセージがないことが確認できる。表示灯317,327,337,347の消灯後、ステップS45へ進む。
未再生の伝言メッセージがまだある場合(ステップS42及びステップS43のYES判定)、又は表示灯317,327,337,347の消灯(ステップS44)後、ステップS45へ進む。ステップS45では、再生済みの伝言メッセージの削除処理を実施する。これにより、未再生の伝言メッセージがある場合に、一度聞いた伝言メッセージが再度再生されることを回避できる。再生済み伝言メッセージを削除した後、本処理を終了する。
すなわち、ステップS31のマイク311,321,331,341を通じた音声コマンドの入力により、続くステップS32及びS33で伝言メッセージの受信者(音声コマンドの入力者)及び再生場所が特定される。そして、重み付け記憶エリア521に設定されたその再生場所における重み付けにより再生順序が決定され、その再生場所に設けられた再生端末31,32,33,34により伝言メッセージが再生される。そして、再生中、音声認証された居住者が移動して、その再生場所よりいなくなったり、停止ボタン315,325,335,345が押されると、伝言メッセージの再生が停止される。
そして、伝言メッセージの再生が停止された後、未再生の伝言メッセージがある場合は住居内の再生端末31,32,33,34に設けられた表示灯317,327,337,347が点滅したままとなるが、未再生の伝言メッセージがない場合は表示灯317,327,337,347が消灯される。そのため、居住者は移動した先に設けられた再生端末31,32,33,34の表示灯317,327,337,347を確認することで伝言メッセージの有無が確認できる。
図6のフローチャートについて、上述した玄関12での子Aへの伝言メッセージの再生が子Aの移動により中断されたとして説明をする。
玄関12において子Aに対する伝言メッセージは、番号5が再生され、2件目の番号7の伝言メッセージの再生が中断されたとする。この場合、番号7,2,3,4の伝言メッセージが未再生として認識される。
子Aは玄関12から移動した後、洗面室17にて再生端末34に対して音声コマンドの入力を実施したとする。これら4件の伝言メッセージにおいて、洗面室17での再生の重み付け値は、番号4が「4」であり、番号7が「2」であり、番号2及び3が「1」である。よって、洗面室17での再生順序としては、番号4,7,2,3の順で伝言メッセージが再生されることになる。
そして、洗面室17で番号4の伝言メッセージのみを聞いた後、キッチン15へ移動して、キッチン15に設けられた再生端末33に音声コマンドの入力を実施したとする。この場合、未再生として残された伝言メッセージは、番号7,2,3の3件である。これらの伝言メッセージにおいて、キッチン15での再生の重み付け値は、番号2及び3が「4」であり、番号7が「1」である。したがって、キッチン15での再生順序としては、番号2,3,7の順で伝言メッセージが再生されることになる。
または、子Aが玄関12から移動した後、リビング13にて再生端末32に対して音声コマンドの入力を実施した場合は、番号7(重み付け値「4」),2(重み付け値「3」),3(重み付け値「3」),4(重み付け値「2」)の順で伝言メッセージが再生される。
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
本実施形態によれば、居住者の住居内の位置に基づいて伝言メッセージの再生順序が自動で並び替わる。伝言メッセージの内容によっては、住居内の特定の位置で伝達されることがより有効な伝達方法という場合がある。例えば、食器洗いに関する伝言メッセージであればキッチン15で伝えられることが好ましく、洗濯物に関する伝言メッセージであれば洗濯機の設けられた洗面室17で伝えられることが好ましく、郵便物に関する伝言メッセージであれば玄関12付近で伝えられることが好ましく、テレビの録画に関する伝言メッセージであればテレビの設けられたリビング13で伝えられることが好ましい。
本実施形態では、住居内の場所に関係するキーワードが複数設定されており、キーワードごとに住居内の再生場所の優先度(重み)が設定されている。これにより、居住者の住居内での位置に基づき、伝言メッセージの内容と照らし合わせて伝言メッセージの再生順序を並べ変えることができる。
すなわち、本実施形態では、居住者の住居内での位置と伝言メッセージの内容(キーワードにより判別)とに基づいて、伝言メッセージの再生順序が並び替えられ、その位置で伝達した方がより効果的であると判断される伝言メッセージから優先的に伝達される。これにより、伝言メッセージを伝達された居住者が伝達された事項をすぐにその場で実行できるため作業性に優れ、時間の節約にもなりうる。また、例えば玄関12で伝言メッセージを聞いた場合、その後住居内を移動しているうちに伝言メッセージで依頼された事項を忘れてしまうということがありうる。本実施形態によれば、伝言メッセージの内容に関係する場所で伝言メッセージが伝達されうるため、このような依頼事項の物忘れを回避できることが期待でき、備忘録的な役割を果たすこともできる。
本実施形態によれば、施錠装置23の施解錠のための電子キー認証と、話者認証とにより、個々の居住者に対応する伝言メッセージが登録でき、居住者が帰宅した際の玄関及び住居内の特定の場所で、その居住者に対応する伝言メッセージが再生され伝達される。
本実施形態によれば、話者認証のための音声を再生端末31,32,33,34に設けられたマイク311,321,331,341に入力することで、居住者の識別が実施されるとともに、音声の入力された再生端末31,32,33,34の設置場所に居住者が存在していることが判断されうる。すなわち、話者認証のための音声入力により住居内での人の位置が判断できるため、再生端末31,32,33,34は音声認識と同時に位置検知手段として作用しうる。よって、話者認証により居住者の認証と、居住者の位置検知との2つが同時に実施されるため、利便性に優れる。
さらに本実施形態によれば、話者認証のための音声入力が伝言メッセージの再生を促す音声コマンド(例えば、「伝言メッセージ 再生」)であるため、話者認証により再生リクエストを実施することができる。よって、話者認証により、居住者の認証と居住者の位置検知とに加えて、再生リクエストも実施でき、本実施形態によればこれらの3つが同時に実施されうる。これにより、住居内で個人を特定するための電子キー26を携帯しなくても、居住者が音声コマンドを発するだけで伝言メッセージが適切に再生できる。居住者が自身で判断して音声コマンドを発するため、居住者が再生をしたくない状況下では再生されず、状況に応じて伝言メッセージの再生を実施できることも利点である。
本実施形態によれば、伝言メッセージがその場にいる居住者に対して再生されている途中で、居住者がその場から立ち去った場合、伝言メッセージの再生が停止する。また、再生済みの伝言メッセージは再生の対象から除外され、伝言メッセージの再生時には、未再生の伝言メッセージを対象とした伝言メッセージの再生順序が決定されて、その再生順序に従って未再生の伝言メッセージが再生される。これにより、次の伝言メッセージの再生時において、伝言メッセージの重複した再生が回避できるだけでなく、その場で伝達するのが最適である伝言メッセージが再生されやすくなる。
例えば、再生対象の伝言メッセージが複数ある場合において、ある再生場所で、その場の優先度(重み付け値)の高い伝言メッセージがまず再生され、その次にその場での優先度が比較的低い伝言メッセージが再生される。居住者が優先度の高い伝言メッセージだけを聞いてその再生場所を立ち去った場合、伝言メッセージの再生は停止され、比較的優先度の低い伝言メッセージは「未再生の伝言メッセージ」として区分される。そして、その場で比較的優先度の低かった伝言メッセージは次の再生場所において優先度(重み付け値)の高い伝言メッセージとなる場合がある。この場合、この伝言メッセージは先の再生場所よりも次の再生場所で伝達される方が居住者にとって有効性が高いといえる。
このように、本実施形態によれば、居住者が伝言メッセージの再生場所から立ち去った場合、伝言メッセージの再生を停止し、再生済みの伝言メッセージについては再生対象から除外する。これにより、次の再生場所において伝言メッセージを重複して聞くことなく、その場で伝達されるのに適切な伝言メッセージが再生されやすい。また、居住者が再生場所を立ち去った場合には伝言メッセージの再生が停止し、次の再生場所で伝言メッセージが伝達されるため、伝言メッセージを確実に居住者に伝達しやすいという利点もある。
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)上記実施形態では、居住者の帰宅時における玄関12での認証を電子キー26で実施しているが、帰宅時の玄関12においても、リビング13、キッチン15及び洗面室17と同様にして、再生端末31のマイク311を通じた話者認証で居住者の識別を実施して伝言メッセージの再生をしてもよい。また、電子キー認証及び話者認証ではなく、指紋認証や顔認証等のその他の認証により居住者の識別を行ってもよく、認証方法は特に制限されない。
(2)上記実施形態では、4つの所定の再生場所と、複数のキーワード及び各キーワードの再生場所についての重み付け値とを例示したが、再生場所、キーワード及び重み付け値はこれに制限されない。すなわち、本発明の特徴としては、居住者の住居内での位置と伝言メッセージの内容(キーワードにより判別)とに基づいて、伝言メッセージの再生順序が自動で並び替えられ、その位置で伝達した方がより効果的であると判断される伝言メッセージから優先的に伝達できることである。そのため、住居内での場所及びキーワードは特に限定されず、適宜設定及び追加することができる。
例えば、帰宅後にリビング13やキッチン15に立ち寄らずに部屋へ行く居住者に対しては、その居住者の部屋に再生端末を設置することもできる。
上記実施形態ではリビング13に再生端末32を設けているが、例えば、リビング13ではなくダイニング14側に再生端末を設けてもよい。または、リビング13に設けられた人感センサ42の検知エリアをダイニング14部分まで広げて、リビング13だけでなくダイニング14にいる場合も伝言メッセージの再生を継続するようにしてもよい。
上記実施形態では複数の再生端末31,32,33,34を設けたが、例えば、居住者の住居内での位置が検知できれば、玄関12又はリビング13等に再生端末が一つ設置されるだけでもよい。この場合、住居内の居住者のいる場所に応じて伝言メッセージが並び替えられて、再生音量を大きくする等により、居住者に聞こえるように伝言メッセージが再生されればよい。
(3)上記実施形態では、位置検知手段として住居内の各場所に設置された再生端末31,32,33,34を用いたが、例えば、人感センサ41,42,43,44を位置検知手段としてもよい。この場合、居住者を識別する手段として、例えば、指紋認証や顔認証等を実施する装置を伝言メッセージの再生場所に設置すれば、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
(4)上記実施形態では、伝言メッセージを登録するための録音ボタン316,326,336,346を用いたが、例えば、マイク311,321,331,341に向かって伝言メッセージを録音するための音声コマンド(例えば、「メッセージ 録音」)を発する等の音声操作により伝言メッセージの登録を開始させてもよい。当該実施形態では、両手がふさがっていても伝言メッセージの録音ができる。
(5)上記実施形態では、伝言メッセージの再生を停止するための停止ボタン315,325,335,345を設け、これにより伝言メッセージの再生が中断可能であるとしたが、例えば、マイク311,321,331,341に向かって伝言メッセージを停止するための音声コマンド(例えば、「メッセージ ストップ」)を発する等の音声操作により伝言メッセージの再生を中断させてもよい。当該実施形態では、両手がふさがっていても伝言メッセージの再生を中断させることができる。
(6)上記実施形態では、停止ボタン315,325,335,345を押した場合、及び伝言メッセージの再生場所から居住者がいなくなった場合、伝言メッセージの再生がすぐに停止している。すなわち、メッセージの途中であった場合でも即座に停止されているが、例えば、伝言メッセージの中断は伝言メッセージ単位としてもよい。具体的には、再生中の伝言メッセージはメッセージの最後まで再生し、次の順番である伝言メッセージの再生から停止する方法である。
伝言メッセージ単位で伝言メッセージを停止する場合において、停止ボタン315,325,335,345が押されたり、居住者が立ち去った際に再生されていた伝言メッセージを「再生済み」又は「未再生」に区分するかは特に制限されない。例えば、停止ボタン315,325,335,345が押されたり、居住者が立ち去った際に再生されていた伝言メッセージを「未再生の伝言メッセージ」として取り扱ってもよい。又は、停止ボタン315,325,335,345が押されたり、居住者が立ち去った際に再生されている伝言メッセージが、その再生時間の4分の3未満の再生時であった場合は「未再生の伝言メッセージ」とし、その再生時間の4分の3が再生された以降であった場合は「再生済みの伝言メッセージ」としてもよい。
(7)上記実施形態では、再生済みの伝言メッセージを伝言メッセージテーブルTより削除したが、例えば、伝言メッセージは伝言メッセージテーブルTにおいて、再生済みの伝言メッセージと未再生の伝言メッセージとを区分すればよく、再生済みの伝言メッセージは必ずしも削除しなくてもよい。この場合、再生済み伝言メッセージを再生対象から除外し、伝言メッセージを再生する場合には未再生の伝言メッセージのみを対象として実施するようにすればよい。
(8)上記実施形態では、伝言メッセージの有無を示すために表示灯317,327,337,347の点滅を用いたが、例えば、伝言メッセージがある場合に再生端末31,32,33,34にそれぞれ設けられた表示部314,324,334,344のバックライトが点滅したり、伝言メッセージの有無によってバックライトの色を変える等により居住者に対して伝言メッセージの有無について通知できるようにすればよい。
上記実施形態では、表示灯317,327,337,347の点滅により伝言メッセージの有無のみを通知したが、例えば表示灯317,327,337,347が4色で光ることができ、居住者ごとに色を割り当て、伝言メッセージのある居住者の色を順に点滅させることで、居住者ごとに伝言メッセージの有無が確認できるようにしてもよい。
(9)上記実施形態では、住宅10の居住者同士の伝言メッセージ再生システム20として説明したが、携帯電話端末81及びパソコン端末82から伝言メッセージサーバ80を介して伝言メッセージを登録できるため、その登録者は特に限定されない。また、上記実施形態では伝言メッセージの受信者が特定の一人となっているが、受信者を複数とする伝言メッセージも登録されうる。
(10)上記実施形態では、パソコンのメールシステム83においてメールを未読にすることで伝言メッセージサーバ80へ送信されることを述べた。例えば伝言メッセージ再生システム20の他の機能として、登録された伝言メッセージについて、登録有効期間や再生有効回数を予め設定しておき、登録有効期間を経過した場合や、再生有効回数だけ再生された場合には、該伝言メッセージを自動消去してもよい。
また、居住者が伝言メッセージを登録するだけでなく、予め登録された定型の伝言メッセージの複数のうち、いずれか選択された伝言メッセージを再生するようにしてもよい。