JP2019120758A - 基体処理装置および基体処理方法 - Google Patents

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部 将 人 岡
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Abstract

【課題】簡便な構造により、真空中において基体を保持することができる基体処理装置および基体処理方法を提供する。【解決手段】基体処理装置100は、筐体101と、筐体101内に形成される処理チャンバー102内を減圧する第1排気機構103と、処理チャンバー102内で基体30aを吸着する吸着チャック120であって、減圧可能に構成された吸着チャンバー121が形成された吸着チャック120と、吸着チャック120の吸着チャンバー121内を減圧する第2排気機構104と、を備えている。第1排気機構103および第2排気機構104は、独立して駆動可能に構成されており、吸着チャンバー121内の圧力は、処理チャンバー102内の圧力よりも低くなるように、動作する。【選択図】図3

Description

本発明は、基体処理装置および基体処理方法に関する。
光透過率を適応的に変えられる調光装置として、印加電圧に応じて光透過率を自在に制御できる調光セルを備える調光装置が注目されている。液晶の光配向性を利用した調光装置は、応答性能に優れるだけではなく、設置に関する自由度も高く、所望スペースにおいて平面或いは曲面を成すように設置可能である。また調光セルは色味を変えることなく光を透過することが可能であるため、周囲に設置される他の部材との間における色調和性にも優れている。
このような調光セルを作製する際には、例えば、ODF(One Drop Filling)法と呼ばれる手法が広く用いられるようになってきている。このODF法では、真空チャンバー内において、基体上に接着剤等のシール材料を枠状に塗工し、そのシール材料に囲まれた領域に、ディスペンサ等により液晶を滴下する。そして、真空中にてこれらの基体を貼り合わせ、大気解放後、加熱処理や光照射処理により接着剤を硬化させる。ここで、基体同士を貼り合わせる際には、例えば真空チャンバー内で各基体をチャックによってそれぞれ保持し、双方の基体を重ね合わせて加圧することで基体間のシール材料を押し潰すことにより、基体同士を貼り合わせる。
ところで、基体を保持する際に真空チャックを用いた場合、真空チャンバー内の真空度が上がるにつれて、真空チャック内の圧力とチャンバー内の圧力との差が小さくなる。そして、真空チャック内の圧力とチャンバー内の圧力との差が小さくなると、真空チャックが基体を保持することができなくなり、基体がチャックから落下するといった問題がある。
これに対して、基板を保持するチャックの表面に純水を噴霧し、この純水をチャックが基体を保持した後に凍らせることにより、基板をチャックに対して接着させる基板保持具が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2004−271820号公報
しかしながら、特許文献1に記載の基板保持具においては、純水を使用するため、冷却機構付のチャンバーを使用する必要があり、また純水の除去、噴霧など複雑なプロセスが必要になる。また、純水を凍らせ、その後にチャックから純水を除去する必要があるため、作業時間が長くなるといった問題がある。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、簡便な構造により、真空中において基体を保持することができる基体処理装置および基体処理方法を提供することを目的とする。
本発明は、
減圧下で、樹脂製基材を含む基体を処理する基体処理装置であって、
処理チャンバーを区画する筐体と、
前記処理チャンバー内を減圧する第1排気機構と、
前記処理チャンバー内で前記基体を吸着する吸着チャックと、を備え、
前記吸着チャックによる吸着力は、前記第1排気機構による前記処理チャンバー内の圧力調整から独立して調整される、基体処理装置である。
本発明による基体処理装置は、
前記吸着チャックに設けられた吸着チャンバー内を減圧する第2排気機構を、更に備え、
前記第1排気機構及び前記第2排気機構は、互いに独立して駆動されてもよい。
本発明による基体処理装置において、
前記吸着チャックは、吸着した前記基体と対面するように配置された吸着プレートを有し、
前記吸着プレートの前記基体と対面する面に、前記基体を前記吸着プレートに貼着する粘着部材が設けられていてもよい。
本発明による基体処理装置において、
前記吸着プレートは多孔質体を含むか、あるいは、前記吸着プレートに、前記基体と対面する面から、当該面の反対側に位置する面に至るまで延びる複数の貫通孔が形成されていてもよい。
本発明による基体処理装置において、
前記吸着プレートは、前記吸着チャック内に前記吸着チャンバーを少なくとも部分的に区画し、
前記吸着チャンバー内に、前記吸着プレートを支持し当該吸着プレートの変形を抑制する支持部材が設けられていてもよい。
本発明による基体処理装置は、
前記処理チャンバー内に配置され且つ周状となる領域に未硬化状態のシール材料を塗工された第2基体と、前記シール材料を介して、前記吸着チャックによって吸着した第1基体を減圧下で接合するための基体処理装置であって、
前記吸着プレートのうち、前記第2基体の前記周状の領域に対応する部分に、前記第2基体に向かって突出した吸着チャック凸部が形成されていてもよい。
本発明による基体処理装置は、
前記処理チャンバー内に配置され且つ周状となる領域に未硬化状態のシール材料を塗工された第2基体と、前記シール材料を介して、前記吸着チャックによって吸着した第1基体を減圧下で接合するための基体処理装置であって、
前記処理チャンバー内で前記第2基体を保持する保持チャックを更に備え、
前記保持チャックのうち、前記第2基体の前記周状の領域に対応する部分に、前記第2基体に向かって突出した保持チャック凸部が形成されていてもよい。
本発明による基体処理装置において、
前記第1基体にアライメントマークが形成され、
前記保持チャックは、前記吸着チャックに吸着された前記第1基体の前記アライメントマークの位置に基づいて、前記第1基体と前記第2基体との位置合わせを行うためのアライメント機構を有していてもよい。
本発明による基体処理装置において、
前記吸着チャンバー内の圧力と、前記処理チャンバー内の圧力との差が、10Pa以下になるように、動作してもよい。
本発明は、
減圧下で、樹脂製基材を含む基体を処理する基体処理方法であって、
処理チャンバー内で、吸着チャックにより基体を吸着する工程と、
前記吸着チャックにより前記基体が保持されている前記処理チャンバー内を減圧する工程と、を備え、
前記処理チャンバー内を減圧する工程において、前記処理チャンバー内の圧力は、前記吸着チャックによる吸着力から独立して調整される、基体処理方法である。
本発明による基体処理方法において、
前記吸着チャックによって吸着された前記基体を、減圧された前記処理チャンバー内で処理する工程を、さらに備えるようにしてもよい。
本発明による基体処理方法において、
前記吸着チャックは、吸着した前記基体と対面するように配置された吸着プレートを有し、
前記吸着プレートの前記基体と対面する面に、前記基体を前記吸着プレートに貼着する粘着部材が設けられ、
前記基体は、粘着部材によって前記吸着プレートに貼着されてもよい。
本発明による基体処理方法は、
前記処理チャンバー内に配置され且つ周状となる領域に未硬化状態のシール材料を塗工された第2基体と、前記シール材料を介して、前記吸着チャックによって吸着した第1基体を減圧下で接合するための基体処理方法であって、
前記処理チャンバー内において保持チャックにより前記第2基体を保持する工程と、
前記第2基体の上面における周状の領域に、未硬化状態のシール材料を塗工する工程と、
前記第2基体の前記周状の領域に塗工された前記シール材料によって取り囲まれる領域に、液晶材料を供給する工程と、
前記吸着チャックに吸着された前記第1基体と前記保持チャックに保持された前記第2基体とを接合する工程と、を更に備え、
前記第1基体と前記第2基体とを接合する工程は、前記処理チャンバー内を減圧する工程の後に行われてもよい。
本発明による基体処理方法において、
前記吸着プレートのうち、前記第2基体の前記周状の領域に対応する部分に、前記第2基体に向かって突出する吸着チャック凸部が形成され、
前記第1基体と前記第2基体とを接合する工程において、前記シール材料は、前記液晶材料よりも高い圧力で押圧されてもよい。
本発明による基体処理方法において、
前記保持チャックのうち、前記第2基体の前記周状の領域に対応する部分に、前記第2基体に向かって突出する保持チャック凸部が形成され、
前記第1基体と前記第2基体とを接合する工程において、前記シール材料は、前記液晶材料よりも高い圧力で押圧されてもよい。
本発明による基体処理方法において、
前記吸着チャックにより前記第1基体を吸着する際に、前記第1基体に形成されたアライメントマークの位置を読み取り、
前記処理チャンバー内を減圧する工程の前に、読み取られた前記アライメントマークの位置に基づいて、前記第1基体と前記第2基体との位置合わせを行ってもよい。
本発明による基体処理方法において、
前記処理チャンバー内を減圧する工程において、
前記吸着チャックに設けられた吸着チャンバー内の圧力と、前記処理チャンバー内の圧力との差が、10Pa以下になるように、動作してもよい。
本発明によれば、簡便な構造により、真空中において基体を保持することができる。
図1は、本発明の一実施の形態による基体処理装置を用いて作製される調光セルを備える調光装置の概略構成を示す縦断面図である。 図2は、本発明の一実施の形態による基体処理装置を用いて作製される調光セルの一例を示す縦断面図である。 図3は、本発明の一実施の形態による基体処理装置の概略構成を示す断面図である。 図4は、図3に示す吸着チャックを示す底面図(図3のIV方向矢視図)である。 図5は、本発明の一実施の形態による基体処理方法を説明するための図である。 図6は、本発明の一実施の形態による基体処理方法を説明するための図である。 図7は、本発明の一実施の形態による基体処理方法を説明するための図である。 図8は、本発明の一実施の形態による基体処理方法を説明するための図である。 図9は、本発明の一実施の形態による基体処理方法を説明するための図である。 図10は、本発明の一実施の形態による基体処理方法を説明するための図である。 図11は、本発明の一実施の形態による基体処理方法を説明するための図である。 図12は、本発明の一実施の形態による基体処理方法を説明するための図である。 図13は、基体処理装置の一変形例の概略構成を示す縦断面図である。 図14は、図13に示す吸着チャックを示す底面図(図13のXIV方向矢視図)である。 図15は、基体処理方法の一変形例を説明するための図である。 図16は、基体処理装置の他の変形例の概略構成を示す縦断面図である。 図17は、図16に示す吸着チャックを示す底面図(図16のXVII方向矢視図)である。 図18は、基体処理装置の更に他の変形例の概略構成を示す縦断面図である。 図19は、基体処理装置の更に他の変形例の概略構成を示す縦断面図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。また本明細書において、「板」、「シート」および「フィルム」の用語は、呼称の違いのみに基づいて互いから区別されるものではない。例えば「板」という用語は、シートやフィルムと呼ばれ得るような部材も含む概念である。また、本明細書において用いられる形状、幾何学的条件、およびそれらの程度を特定する用語(例えば「平行」、「直交」および「同一」等の用語や長さや角度の値等)は、厳密な意味に縛られず、実質的に同等および同様の機能を期待しうる程度の範囲を意味し得るものとして解釈される。
図1乃至図12は、本発明の一実施の形態を説明するための図である。このうち図1は、調光装置を模式的に示す図である。図2は、調光セルの概略構成を示す縦断面図である。図3は、基体処理装置を模式的に示す図である。図4は、吸着チャックを示す底面図である。図5乃至図12は、基体処理方法の一例を説明するための図である。
まず、図1により、本発明の一実施の形態による基体処理装置を用いて作製される調光セルを備える調光装置について説明する。
(調光装置)
図1に示すように、調光装置10は、一対の透光部材11と、一対の透光部材11間に配置される調光セル20とを備えている。また、一対の透光部材11と、調光セル20との間には、粘着層12が介在されており、調光セル20は、粘着層12によって、一対の透光部材11に貼り付けられている。
透光部材11は、光を透過させつつ調光セル20を外力から保護する。したがって透光部材11は、内側に配置される調光セル20を外部から加えられる力から守ることができる程度の強度、剛性および弾性を有する。典型的には、ガラスや熱可塑性プラスチック(例えば強化プラスチック等)によって透光部材11を構成することができるが、所望の機能を発揮しうる様々な材料(例えば透明ガラス繊維や紫外線吸収材等)を透光部材11は含んでいてもよい。また透光部材11は、典型的には透明だが、特定の波長域の光のみを透過可能な材料によって構成されてもよい。また透光部材11同士は、同一の組成を有してもよいし、互いに異なる組成を有してもよい。
調光セル20は、後述するように液晶層55(図2参照)を含み、印加される電圧に応じて光の透過率が変化する。調光セル20の具体的な構成例については、後述する。
また図示は省略するが、調光セル20には電極基板としてのFPC(Flexible Printed Circuits)が取り付けられている。このFPCは、調光セル20の電極33、43(図2参照)に接続されるとともに、外部に延びて調光コントローラ(図示省略)に接続される。
粘着層12は、上述したように、調光セル20を一対の透光部材11に貼り付ける役割を果たす。この粘着層12は、可視光線を透過可能な任意の粘着材料によって構成可能であり、例えばOCAフィルム(Optical Clear Adhesive Film)によって構成される。OCAフィルムは透明粘着シートによって構成され、基材を含まずに膜厚がほぼ一定の粘着剤のみよって構成可能であり、例えば透明性に優れるアクリル系粘着剤等によって構成される。このようなOCAフィルムは、剥離性に優れたシート(セパレーター(剥離材))によって粘着剤を挟み込むことで製造され、粘着剤およびセパレーターの積層体を所望形状に切り出し、セパレーターを取り除くことによって粘着層12として使用することができる。
このような調光装置10の適用対象は特に限定されず、典型的には窓およびドア等に対して調光セル20を適用することができる。とりわけ、スペーサ50(図2参照)を用いて第1基板30(図2参照)および第2基板40(図2参照)の相対位置を固定することで、振動等の外力が加えられる環境下に調光セル20を設置することも可能となる。したがって、建築物の窓やドアだけでなく、飛行機、船、電車、自動車等の乗り物の窓やドア等にも調光セル20を適用することができる。このような窓やドア等への適用において、調光セル20は、ガラス等の透明部材に貼合され、或いは、一対のガラス等の透明部材の間に挟持されて、用いられる。
(調光セル)
次に、調光セル20について説明する。図2に示すように、調光セル20は、第1基板30および第2基板40と、第1基板30および第2基板40の間に設けられた液晶層55と、第1基板30および第2基板40の間に配置された複数のスペーサ50と、第1基板30と第2基板40との間で液晶層55を周状に取り囲む枠状シール材51と、を有している。このうち、第1基板30および第2基板40の少なくとも一方が電極33、43を有している。第1基板30および第2基板40は、調光コントローラ(図示省略)からの電圧印加により、液晶層55をなす液晶材料56中に含まれる液晶分子の配向を変化させることを可能とする構成を有している。液晶分子の駆動方式は、特に限定されることなく、例えば、VA(Vertical Alignment)方式、TN(Twisted Nematic)方式、IPS(In Plane Switching)方式、GH(Guest Host)方式、或いはこれらの方式の応用方式を採用することができる。
第1基板30および第2基板40、並びに、液晶層55は、採用された液晶分子の駆動方式にともなって、適宜選択され得る。例えば、IPS方式が採用された場合、第1基板30および第2基板40の一方だけが、電極を有するようにすればよい。また、GH方式が採用された場合、液晶層55をなす液晶材料56は、液晶分子とともに二色性色素を含む。さらに、GH方式が採用された場合、第1基板30および第2基板40の一方或いは両方が、偏光板を含まなくてもよい。
ここで、図2は、VA方式を採用した調光セル20の具体的な構成例を示している。以下、図2に示された例を参照して、調光セル20の具体例について説明する。
図2に示された例において、第1基板30は、液晶層55に離間する側から順に、第1偏光板31と、第1基体30aとを含んでいる。このうち、第1基体30aは、液晶層55に離間する側から順に、第1樹脂製基材32と、第1電極33と、第1配向膜34と、を含んでいる。本実施の形態では、第1基体30aは、後述する基体処理装置100において、後述する吸着チャック120に吸着されるものである。また、この第1基体30aには、第1基体30aと後述する第2基体40aとを接合させる際の位置合わせに用いられる第1アライメントマークM1(図4参照)が設けられている。
同様に、第2基板40は、液晶層55に離間する側から順に、第2偏光板41と、第2基体40aとを含んでいる。このうち、第2基体40aは、液晶層55に離間する側から順に、第2樹脂製基材42と、第2電極43と、第2配向膜44と、を含んでいる。本実施の形態では、第2基体40aは、後述する基体処理装置100において、上面における周状の領域に、第1基板30と第2基板40とを接合するための未硬化状態の後述するシール材料52が塗工されるものである。また、この第2基体40aには、第1基体30aと第2基体40aとを接合させる際の位置合わせに用いられる、図示しないアライメントマークが設けられている。
まず、第1偏光板31および第2偏光板41について説明する。偏光板31,41は、その吸収軸と平行な方向に振動する一方の直線偏光成分を選択的に吸収し且つ吸収軸と直交する透過軸と平行な方向に振動する他方の直線偏光成分を選択的に透過する偏光機能を有した層である。偏光板31,41は、具体的な構成として、偏光子と、偏光子を樹脂製基材32,42に貼合するための粘着層と、を有するようにしてもよい。偏光子は、所望の偏光機能を発揮し得るように構成され、典型的には、ヨウ素化合物がドープされたPVA(ポリビニルアルコール)を延伸することによって作られる。一般に、延伸によって偏光子が作られる場合、当該延伸の方向に応じて偏光子の吸収軸が定まり、同じ方向に延伸された偏光子は相互に同じ方向の吸収軸を持つ。第1偏光板31および第2偏光板41の配置態様として、第1偏光板31の吸収軸と第2偏光板41の吸収軸とが互いに平行である「パラレルニコル」と呼ばれる態様と、第1偏光板31の吸収軸と第2偏光板41の吸収軸とが互いに垂直である「クロスニコル」と呼ばれる態様とがある。VA方式では、第1偏光板31および第2偏光板41を「クロスニコル」で配置することにより、非透過状態での透過率をより確実に低下させることができる。
次に、第1樹脂製基材32および第2樹脂製基材42について説明する。樹脂製基材32,42は、シート状の樹脂からなる。ガラス製基材に代えて樹脂製基材32,42を使用することで、薄型軽量化を実現することができる。また、樹脂製基材32,42を用いることで、調光セル20に柔軟性を付与することができ、調光セル20を二次元曲面状だけでなく三次元曲面状とすることもできる。ここで、二次元曲面とは、単一の軸線を中心として二次元的に曲がった曲面、或いは、互いに平行な複数の軸線を中心として同一又は異なる曲率で二次元的に曲がった曲面のことである。一方、三次元曲面とは、互いに非平行な複数の軸線の各々を中心として、部分的に又は全体的に曲がっている面を意味する。
一具体例として、樹脂製基材32,42は、複数の樹脂層を含むようにしてよい。例えば、樹脂製基材32,42が、一対のハードコート層と、一対のハードコート層間に配置される主樹脂層と、を有するようにしてもよい。各ハードコート層は、隣接する主樹脂層を保護する役割を果たし、可視光線を透過可能な任意の材料によって構成可能である。ハードコート層は、例えばTAC(トリアセチルセルロース(Triacetylcellulose))やアクリルによって構成され、粘着層を介して主樹脂層に貼り付けられてもよい。また主樹脂層の表面上に、例えばシリコーン系の紫外線硬化樹脂を用いて微小粒子(例えば二酸化チタン等)を含む硬化皮膜を形成し、当該硬化皮膜をハードコート層として機能させてもよい。なお第1樹脂製基材32および第2樹脂製基材42の複数箇所に形成されるハードコート層は、配置位置に応じて異なる材料によって構成されてもよいし、同じ材料によって構成されてもよい。
次に、第1電極33および第2電極43について説明する。電極33,43は、ITO(Indium Tin Oxide(酸化インジウムスズ))等の各種材料によって透明電極として形成される。電極33,43は、例えばFPC等を介して、図示しない調光コントローラと接続される。第1電極33および第2電極43の配置態様は特に限定されず、パターニング形成によって所定箇所にのみ電極が配置されてもよいし、ベタ状に電極が配置されてもよい。第1電極33および第2電極43に印加される電圧に応じて、第1電極33と第2電極43との間に配置される液晶層55に作用する電界が形成され、液晶層55を構成する液晶材料56中の液晶分子の配向が調整される。
次に、第1配向膜34および第2配向膜44について説明する。配向膜34,44は、液晶層55に隣接する層であって、液晶層55中の液晶分子の配向を制御する。配向膜34,44の製法は、特に限定されない。任意の手法によって液晶配向能を有する第1配向膜34および第2配向膜44を作ることができる。例えば、ポリイミド等の樹脂層に対してラビング処理を施すことで配向膜34,44が作製されてもよいし、高分子膜に直線偏光紫外線を照射して偏光方向の高分子鎖を選択的に反応させる光配向法に基づいて配向膜34,44が作製されてもよい。このようなラビング処理による配向層、光配向層に代えて、ラビング処理により製造した微細なライン状凹凸形状を賦型処理により製造して配向層を製造してもよい。
第1配向膜34および第2配向膜44の間には、液晶層55が設けられている。液晶層55は、液晶材料56を含んでいる。図示された例では、VA方式が採用されており、液晶材料56は負の誘電率異方性を有するネマチック液晶を含んでいる。VA方式において、液晶分子の配向は、一対の電極33,43間に電圧が印加されていない状態において、配向膜34,44の配向能によって規制され、垂直配向となる。このとき、液晶層55を透過する光の偏光状態が維持される。一方、一対の電極33,43間に電圧が印加されると、電界に制御されて液晶分子が倒れる。このとき、液晶層55を透過することで一方の直線偏光成分が他方の直線偏光成分となる。すなわち、偏光板31,41をクロスニコルで配置すると、ノーマリーブラックとなり、印加状態で透過(白表示)且つ非印加状態で遮光(黒表示)となる。
次に、枠状シール材51について説明する。図1に示すように、一対の基板30,40間に枠状シール材51が設けられている。後述する図8に示すように、枠状シール材51は、液晶層55を周状に取り囲んでいる。すなわち、この枠状シール材51が、液晶材料56が充填されてなる液晶層55を区画している。枠状シール材51は、液晶層55を構成する液晶材料56の一対の基板30,40間からの漏出を防ぐ役割を果たすとともに、第1基板30(第1配向膜34)と第2基板40(第2配向膜44)に接着して両者を相互に固定する役割を果たす。
枠状シール材51は、一般的には、熱硬化性のエポキシ樹脂を用いて形成され得る。とりわけ、一対の基板30,40間への液晶材料56の充填方式が真空注入方式の場合にはエポキシ樹脂製の枠状シール材51を好適に用いることができる。なお液晶材料56の充填方式としてODF(One Drop Fill)方式が用いられる場合には、熱硬化性およびUV硬化性(紫外線硬化性)を併せ持つハイブリッドタイプの材料を枠状シール材51として好適に用いることができる。これは、液晶材料56が硬化前の枠状シール材51に触れることは外観上の不具合を誘発するためである。したがって枠状シール材51を構成するシール材料52(枠状シール材51の組成成分)に、例えば紫外線硬化型アクリル樹脂およびエポキシ樹脂が含まれることが好ましい。
次に、スペーサ50について説明する。スペーサ50は、第1基板30の第1樹脂製基材32と第2基板40の第2樹脂製基材42との間に配置されている。スペーサ50は、第1樹脂製基材32と第2樹脂製基材42との間に、スペースを確保する。このスペースに液晶材料56が充填されることで、液晶層55が形成されている。上述した液晶層55は、透過光の位相変調量を制御するものであり、したがって、一対の基板30,40間で或る程度一定の厚さを有している必要がある。また、複数のスペーサ50は、一対の樹脂製基材32,42間となる領域に、離散的に配置されている。各スペーサ50は、各種の樹脂材料によって構成可能であり、錐台(例えば円錐台や角錐台)等の形状を有していてもよいし、球状のビーズ形状を有していてもよい。柱形状のスペーサ50はフォトリソグラフィ技術を利用して所望箇所に形成可能であり、またビーズ形状のスペーサは予め作られて散布される。
(基体処理装置)
次に、図3および図4を参照して、本発明の一実施の形態による基体処理装置について説明する。この基体処理装置は、減圧下で、調光セル20の第1基体30aおよび第2基体40aを処理するものである。
図3に示すように、基体処理装置100は、処理チャンバー102を区画する筐体101と、処理チャンバー102内を減圧する第1排気機構103と、処理チャンバー102内で第1基体30aを吸着する吸着チャック120と、を備えている。また、基体処理装置100は、吸着チャック120に設けられた吸着チャンバー121内を減圧する第2排気機構104を備えている。
このうち、第1排気機構103は、筐体101に連結された第1排気路105と、第1排気路105の途中に設けられた第1開閉弁106と、を有している。また、第2排気機構104は、筐体101に連結された第2排気路107と、第2排気路の途中に設けられた第2開閉弁108と、を有している。第1排気機構103の第1排気路105および第2排気機構104の第2排気路107は、第3排気路109を介して互いに連結されている。また、第3排気路109の途中には第3開閉弁110が設けられ、第3開閉弁110の下流側には、排気または吸気を行うためのポンプ111が設けられている。これらの第1排気機構103および第2排気機構104は、独立して駆動可能に構成されている。すなわち、第1開閉弁106を開閉することにより、第1排気機構103によって、吸着チャック120の吸着チャンバー121内の圧力を制御することができ、第2開閉弁108を開閉することにより、第2排気機構104を駆動し、処理チャンバー102内の圧力を制御することができるように構成されている。このため、吸着チャック120により第1基体30aを吸着する吸着力は、第1排気機構103による処理チャンバー102内の圧力調整から独立して調整され得る。このような構成により、基体処理装置100は、吸着チャンバー121内の圧力が処理チャンバー102内の圧力よりも低くなるように、動作する。基体処理装置100は、吸着チャンバー121内の圧力と、処理チャンバー102内の圧力との差が、10Pa以下になるように、動作してもよい。なお、図示はしないが、第1排気機構103の第1排気路105および第2排気機構104の第2排気路107が、第3排気路109を介して互いに連結されることなく、第1排気路105および第2排気路107に、それぞれ排気または吸気を行うためのポンプが設けられていてもよい。また、第2排気機構104の第2排気路107は、例えば第3排気路109から分離可能に構成されていてもよい。この場合、後述するように、吸着チャック120の取り扱いを容易にすることができ、例えば、処理チャンバー102内に第1基体30aを吸着した吸着チャック120を配置する際の作業性を向上させることができる。
吸着チャック120は、吸着チャンバー121を少なくとも部分的に区画するとともに、吸着した第1基体30aと対面するように配置された吸着プレート122を含んでいる。この吸着プレート122は、吸着プレート122の面のうち、第1基体30aが吸着される側の第1面122aと、第1面122aの反対側に位置する第2面122bとの間に連続する空隙が内部に形成された多孔質体を含んでいてもよい。または、図3および図4に示すように、吸着プレート122に、第1面122aから第2面122bに至るまで延びる複数の貫通孔123が形成されていてもよい。この場合、貫通孔123は、吸着チャンバー121に通じており、吸着チャンバー121を処理チャンバー102に連通させる。吸着プレート122が多孔質体を含むか、または、吸着プレート122に、第1面122aから第2面122bに至るまで延びる複数の貫通孔123が形成されていることにより、吸着チャンバー121内を減圧させた際に、吸着チャンバー121内の圧力と吸着チャンバー121外の圧力との差圧により、吸着プレート122が第1基体30aを吸着して保持することができる。また、図4に示すように、吸着プレート122の底面形状は、略矩形状であり、第1基体30aの平面形状よりも大きくなっている。このため、第1基体30aを吸着した際に、第1基体30aの面のうち、吸着プレート122に吸着される側の面の全領域が、第1面122aに重なるようになっている。この吸着プレート122の底面形状のサイズは、例えば、800mm×1,000mmや1,100mm×1,300mmとすることができる。なお、図4においては、図面を明瞭にするために、第1基体30aを破線で示している。
また、図4に示すように、貫通孔123は、第1面122aにおいて、規則的に定められる位置に形成されており、例えば25mm間隔で形成されている。このような貫通孔123は、第1面122aの法線方向から見て、第1基体30aと重なる領域のみに形成されていることが好ましい。これにより、第2排気機構104によって吸着チャンバー121内の空気を排気させる際に、第1基体30aが貫通孔123を塞ぐことができ、吸着チャンバー121内を効果的に減圧させることができる。また、第1基体30aが貫通孔123を塞ぐことにより、吸着プレート122が第1基体30aを効果的に吸着することができる。なお、吸着プレート122が多孔質体を含む場合、多孔質体は、第1面122aの法線方向から見て、第1基体30aと重なる領域のみに配置されていることが好ましい。また、吸着プレート122に複数の貫通孔123が形成されている場合、第1基体30aの全体にわたって吸着力を均等に作用させる観点からは、複数の貫通孔123が、第1面122aにおいて規則的に定められる位置に形成されていることが好ましいが、貫通孔123は、不規則的に定められる位置に形成されていてもよい。
ここで、「規則的に定められる位置」とは、例えば隣り合う位置同士の間隔が規則的に定められている場合が該当し、典型的には、隣り合う位置同士の間隔が所定距離である場合が該当する。一方、「不規則的に定められる位置」とは、例えば隣り合う位置同士の間隔が不規則的に定められている場合が該当し、典型的には、隣り合う位置同士の間隔がランダムである場合が該当する。なお、不規則的に定められる位置に配置される貫通孔123は、必ずしも全ての貫通孔123の位置が不規則的に定められている必要はなく、複数の貫通孔123の一部のみが不規則的に定められる位置に配置されている場合も、複数の貫通孔123は全体として不規則的に定められる位置に配置されていると言える。したがって、例えば、複数の貫通孔123を所定の平面エリア毎に複数のグループに分類し、各グループに含まれる2以上の貫通孔123のうちの1以上の貫通孔123を不規則的に定められる位置に配置しつつ他の貫通孔123を規則的に定められる位置に配置する場合も、複数の貫通孔123は全体として不規則的に定められる位置に配置されていると言える。なお、例えば、規則的に定められる所定位置から所定距離の範囲内においてランダムに定められる位置は、「不規則的に定められる位置」に該当する。
また、貫通孔123の直径は、例えば0.5mm以上1.0mm以下とすることができ、一例として0.8mmであってもよい。なお、このような吸着プレート122は、例えば、アルミニウムから構成されていてもよい。
また、図3および図4に示すように、吸着プレート122の第1面122aには、第1基体30aを吸着プレート122に貼着する粘着部材124が設けられている。この粘着部材124としては、例えば、粘着フィルムであってもよい。また、図4に示すように、この粘着部材124は、吸着プレート122の第1面122aにおいて、規則的に定められる位置に複数設けられており、例えば100mm間隔で設けられている。また、各粘着部材124は、略正方形状に形成されており、この正方形の一辺は、例えば2mm以上10mm以下とすることができ、一例として5mmであってもよい。このような粘着部材124を吸着プレート122に設けることにより、後述するように、吸着チャック120により第1基体30aを吸着する際に、吸着チャンバー121内の圧力と吸着チャンバー121外の圧力との差圧により吸着プレート122が第1基体30aを吸着するだけでなく、粘着部材124によって第1基体30aを吸着プレート122に貼着することができる。なお、粘着部材124は、不規則的に定められる位置に設けられていてもよく、また任意の形状に形成されていてもよい。
このような粘着部材124の粘着力は、吸着チャンバー121内の圧力と吸着チャンバー121外の圧力との差圧が、例えば10Pa以下の場合に、吸着プレート122に貼着された第1基体30aが自重により落下しない程度の粘着力を有することが好ましい。また、当該差圧が10Pa以下の場合であっても、吸着プレート122に貼着された第1基体30aが自重により落下しない程度の粘着力を有することが更に好ましい。また、このような粘着部材124の粘着力は、吸着チャンバー121内を減圧させ、吸着プレート122が第1基体30aを吸着した際に、第1基体30aを吸着プレート122に貼着し得る程度の粘着力であってもよい。すなわち、粘着部材124は、吸着チャンバー121内の圧力と吸着チャンバー121外の圧力との差圧により、第1基体30aが吸着プレート122に対して押し付けられた際に、第1基体30aを吸着プレート122に貼着し得る程度の粘着力を発現するものであってもよい。これにより、後述するように第1基体30aを吸着チャック120の吸着プレート122上に載置する際に、第1基体30aが、粘着部材124の粘着力により、吸着プレート122上の所望の位置以外に貼着されることを抑制することができる。なお、このような粘着部材124は、粘着部材124の面のうち、第1基体30aが粘着される側の面における粘着力は、第1基体30aが粘着される側の面の反対側に位置する面における粘着力よりも弱くなっている。これにより、第1基体30aを吸着プレート122から取り外した際に、吸着プレート122から取り外された第1基体30aに粘着部材124が粘着する不具合を抑制することができる。
また、図3に示すように、吸着チャック120の吸着チャンバー121内に、吸着プレート122を支持し吸着プレート122の変形を抑制する支持部材125が設けられている。この支持部材125は、例えばアルミ等の金属や樹脂から構成されていてもよい。このような支持部材125を設けることにより、吸着チャンバー121内を減圧させた際に、吸着チャンバー121、とりわけ吸着プレート122に歪みが発生することを抑制することができる。
また、このような吸着チャック120は、処理チャンバー102内から取り出し可能に構成されている。これにより、後述するように、処理チャンバー102外において、予め吸着チャンバー121内を減圧させ、吸着チャック120に第1基体30aを吸着させておくことができ、処理作業の作業時間を短縮させることができる。なお、吸着チャック120は、処理チャンバー102内において予め定められた所定の位置に設置されるように構成されており、吸着チャック120が処理チャンバー102内から取り出された場合であっても、吸着チャック120の位置合わせが容易に行われるようになっている。また、図4に示すように、この吸着チャック120には、第1基体30aを吸着する際の位置合わせに用いられる第2アライメントマークM2が設けられている。この第2アライメントマークM2および第1基体30aの第1アライメントマークM1は、図示しない制御装置に読み取られるように構成されており、第1アライメントマークM1および第2アライメントマークM2の位置に基づいて、後述する保持チャック130の位置合わせを行うようになっている。
また、基体処理装置100は、処理チャンバー102内で第2基体40aを保持する保持チャック130を更に備えている。この保持チャック130は、第2基体40aを保持する保持部131と、保持部131の下方に配置され、第1基体30aの第1アライメントマークM1の位置に基づいて第1基体30aと第2基体40aとの位置合わせを行うためのアライメント機構132とを有している。
このうち保持部131は、吸着チャック120のような真空チャック、または例えば静電チャックやメカ式チャックであってもよい。この保持部131には、第2基体40aを保持する際の位置合わせに用いられる図示しないアライメントマークが設けられている。このため、保持部131に設けられたアライメントマークと、第2基体40aに設けられたアライメントマークとによって、第2基体40aを保持する際の位置合わせが行われ、第2基体40aが保持部131によって所望の位置に保持されるようになっている。
アライメント機構132は、保持部131に保持された第2基体40aを移動させることにより、第1基体30aと第2基体40aとの位置合わせを行うためのものである。このアライメント機構132は、図3に示すX方向、およびX方向に垂直なY方向(図4参照)に移動可能に構成されている。また、アライメント機構132は、図3に示すZ方向に伸縮自在に構成されている。このアライメント機構132は、図示しない制御装置に接続されており、制御装置がアライメント機構132を制御することにより、アライメント機構132がX方向およびY方向に移動するとともに、Z方向に伸縮し、保持部131に保持された第2基体40aを処理チャンバー102内の任意の位置に配置することができるようになっている。なお、保持チャック130が、第1基体30aと第2基体40aとの位置合わせを行うアライメント機構132を有することにより、後述するように、吸着チャック120の吸着チャンバー121内の減圧状態を解消させることなく、第1基体30aと第2基体40aとの位置合わせを行うことができるため、作業時間を大幅に短縮することができる。
(基体処理方法)
次に、図5乃至図12を参照して、本発明の一実施の形態による基板処理方法について説明する。この基板処理方法は、減圧下で、樹脂製基材を含む基体を処理する基体処理方法であり、処理チャンバー内で吸着チャックにより基体を吸着する工程と、吸着チャックにより基体が保持されている処理チャンバー内を減圧する工程と、を含んでいる。ここで、処理チャンバー内で吸着チャックにより基体を吸着する工程では、処理チャンバー内で吸着チャックにより基体を保持するようにしてもよいし、或いは、以下に説明する具体例のように、処理チャンバー外で吸着チャックにより基体を吸着し、次に、吸着チャックが基体を吸着して保持した状態で処理チャンバー内に移動させられるようにしてもよい。とりわけ以下の例では、第1基体30aおよび第2基体40aを処理することにより、調光セル20を製造する調光セル20の製造方法を一例として説明する。
まず、図5に示すように、吸着チャンバー121を有する吸着チャック120により、第1基体30aを吸着する。この場合、まず、第1基体30aを用意する。第1基体30aは、例えば次のようにして作製することができる。まず。第1樹脂製基材32上に第1電極33をスパッタリング等により成膜する。次に、第1配向膜34をなすようになる組成物を第1配向膜34上に塗布する。その後にラビングや光配向等によって配向規制力を塗膜に付与し、第1配向膜34を作製することで、第1基体30aが得られる。
次に、吸着チャンバー121を処理チャンバー102外に取り出し、処理チャンバー102外において、吸着チャック120を反転させた状態で、吸着チャック120の吸着プレート122上に第1基体30aを載置する。
次いで、第2排気機構104により、吸着チャンバー121内を減圧する。この際、第2排気路107に設けられた第2開閉弁108および第3排気路109に設けられた第3開閉弁110を開き、第1排気路105に設けられた第1開閉弁106を閉じた状態でポンプ111を起動して、排気を行う。これにより、処理チャンバー102内の圧力を減圧させることなく、吸着チャンバー121内の圧力を減圧させることができる。ここで、吸着チャック120は、多孔質体を含む吸着プレート122を有しているか、あるいは、吸着プレート122に、第1面122aから第2面122bに至るまで延びる複数の貫通孔123が形成されている。本実施の形態においては、吸着プレート122に、第1面122aから第2面122bに至るまで延びる複数の貫通孔123が形成されており、第1基体30aが貫通孔123を塞ぐことにより、吸着チャンバー121内の圧力と吸着チャンバー121外の圧力との差圧により、第1基体30aは、吸着プレート122に吸着される。この際、吸着プレート122の第1面122aには、粘着部材124が設けられており、第1基体30aは、粘着部材124によって吸着プレート122に貼着される。そして、吸着チャンバー121内の圧力が所定の値にまで減圧された後、第2排気機構104の第2開閉弁108を閉じる。これにより、吸着チャンバー121内の圧力が減圧状態に保たれる。このように、処理チャンバー102外において、吸着プレート122によって第1基体30aを吸着することにより、後述するように吸着チャック120により第1基体30aを吸着する工程と、処理チャンバー102内において保持チャック130により第2基体40aを保持する工程と、を並行して行うことができる。このため、処理チャンバー102内において第1基体30aを吸着する場合と比較して、作業時間を短縮させることができる。なお、吸着チャンバー121内の圧力を所定の値にまで減圧させ、第2排気機構104の第2開閉弁108を閉じた後において、第2排気機構104の第2排気路107を、第3排気路109から分離してもよい。第2排気路107を、第3排気路109から分離することにより、吸着チャック120の取り扱いを容易にすることができ、例えば、処理チャンバー102内に第1基体30aを吸着した吸着チャック120を配置する際の作業性を向上させることができる。
また、吸着チャック120により第1基体30aを吸着する際、第1基体30aに設けられた第1アライメントマークM1と、吸着チャック120に設けられた第2アライメントマークM2との位置関係を、図示しない制御装置により読み取っておく。
また、吸着チャック120により、第1基体30aを吸着することと並行して、処理チャンバー102内において保持チャック130により第2基体40aを保持する。この際、まず、図6に示すように、第2基体40aを用意する。第2基体40aは、例えば上述した第1基体30aと同様にして作製することができる。
次に、保持チャック130の保持部131上に第2基体40aを載置し、保持部131により第2基体40aを保持する。この際、保持部131に設けられた図示しないアライメントマークと、第2基体40aに設けられた図示しないアライメントマークとによって、第2基体40aを保持する際の位置合わせが行われ、第2基体40aが保持部131によって所望の位置に保持される。
また、保持部131により第2基体40aが保持された後、図示しない制御装置により読み取られた第1基体30aの第1アライメントマークM1と、吸着チャック120の第2アライメントマークM2との位置に基づいて、第1基体30aと第2基体40aとの位置合わせを行う。この場合、まず、制御装置が、第1基体30aの第1アライメントマークM1と、吸着チャック120の第2アライメントマークM2との位置に基づいて、第1基体30aが吸着チャック120によって所望の位置に吸着されているか否かを判断する。制御装置が、第1基体30aが吸着チャック120によって所望の位置に吸着されている、と判断した場合、制御装置は、アライメント機構132を移動させることにより、保持部131を予め定められた所定の位置に移動させる。ここで、吸着チャック120は、処理チャンバー102内において予め定められた所定の位置に設置されるように構成されているため、保持部131を予め定められた所定の位置に移動させることにより、吸着チャック120の吸着プレート122に吸着された第1基体30aと、保持チャック130の保持部131に保持された第2基体40aとの位置合わせが容易に行われる。一方、制御装置が、第1基体30aが吸着チャック120によって所望の位置に吸着されていない、と判断した場合、制御装置は、第1基体30aの第1アライメントマークM1と吸着チャック120の第2アライメントマークM2の位置に基づいて、保持部131が設置されるべき位置を決定する。そして、制御装置は、アライメント機構132を移動させることにより、この決定された位置に保持部131を移動させる。これにより、第1基体30aと第2基体40aとの位置合わせが容易に行われる。このように、保持チャック130が、第1基体30aと第2基体40aとの位置合わせを行うアライメント機構132を有することにより、第1基体30aが吸着チャック120によって所望の位置に吸着されていない場合であっても、吸着チャック120の吸着チャンバー121内の減圧状態を解消させることなく、第1基体30aと第2基体40aとの位置合わせを行うことができる。このため、作業時間を大幅に短縮することができる。
次に、図7に示すように、第2基体40aの上面における周状の領域に、未硬化状態のシール材料52を塗工する。このシール材料52は、接着性または粘着性を有した材料である。また、シール材料52は、硬化することで枠状シール材51を形成するようになる。また、ビーズ形状のスペーサ50を、第2基体40aの周状の領域に塗工されたシール材料52によって取り囲まれる領域に、散布する。その後、図8に示すように、第2基体40aの周状の領域に塗工されたシール材料52によって取り囲まれる領域に、液晶分子を含んだ液晶材料56を供給する。なお、スペーサ50は、例えばフォトリソグラフィ技術を用いて作製されてもよい。
次いで、図9に示すように、処理チャンバー102内に、第1基体30aを吸着した吸着チャック120を配置する。次に、図5を用いて説明したように、第2排気機構により、吸着チャンバー121内を所定の値にまで更に減圧する。
次に、吸着チャック120が配置された処理チャンバー102内を減圧する。この際、第1排気路105に設けられ第1開閉弁106および第3排気路109に設けられた第3開閉弁110を開き、第2排気路107に設けられた第2開閉弁108を閉じた状態でポンプ111を起動して、排気を行う。これにより、処理チャンバー102内の圧力を減圧させることができる。
この際、基体処理装置100は、吸着チャンバー121内の圧力が、処理チャンバー102内の圧力よりも低くなるように、動作する。これにより、吸着チャンバー121内の圧力と、処理チャンバー102内の圧力との差圧により、吸着チャック120が第1基体30aを落下させることなく、吸着することができる。また、基体処理装置100は、吸着チャンバー121内の圧力と、処理チャンバー102内の圧力との差が、10Pa以下になるように、動作してもよい。ここで、吸着チャック120の吸着プレート122には、粘着部材124が設けられており、第1基体30aは、粘着部材124によって吸着プレート122に貼着されている。このため、吸着チャンバー121内の圧力と、処理チャンバー102内の圧力との差が、10Pa以下になった場合においても、第1基体30aが吸着チャック120から落下することなく、吸着チャック120に貼着される。
次に、図10に示すように、第1基体30aと第2基体40aとを接触させる。この際、例えばアライメント機構132がZ方向に伸長することにより、第2基体40aを保持している保持部131を上昇させ、第1基体30aと第2基体40aとを接触させる。その後、シール材料52が変形し、第1基体30aおよび第2基体40aが貼り合わされる。なお、第1基体30aと第2基体40aとを接触させる際に、第1基体30aを吸着している吸着チャック120を第2基体40aに向かって降下させることにより、第1基体30aと第2基体40aとを接触させてもよい。
次いで、図11に示すように、貼り合わされた第1基体30aおよび第2基体40aを吸着チャック120から取り外す。この場合、まず、例えば、吸着チャック120の吸着チャンバー121内を加圧する。この際、第2排気路107に設けられた第2開閉弁108および第3排気路109に設けられた第3開閉弁110を開き、第1排気路105に設けられた第1開閉弁106を閉じた状態でポンプ111を起動して、給気を行う。これにより、吸着チャンバー121内に空気が供給される。ここで、吸着プレート122に、第1面122aから第2面122bに至るまで延びる複数の貫通孔123が形成されているため、吸着チャンバー121内の空気は、吸着プレート122の貫通孔123を通過し、貫通孔123を通過した空気が第1基体30aに対して吹き付けられる。そして、粘着部材124によって吸着プレート122に貼着されていた第1基体30aが空気によって吸着プレート122から取り外される。なお、粘着部材124の面のうち、第1基体30aが粘着される側の面における粘着力は、第1基体30aが粘着される側の面の反対側に位置する面における粘着力よりも弱くなっている。これにより、第1基体30aを吸着プレート122から取り外した際に、吸着プレート122から取り外された第1基体30aに粘着部材124が貼着する不具合を抑制することができる。なお、吸着プレート122が多孔質体を含む場合であっても、吸着チャンバー121内の空気が吸着プレート122を通過し、当該空気によって、吸着プレート122に貼着されていた第1基体30aを吸着プレート122から取り外すことができる。
その後、図12に示すように、貼り合わされ第1基体30aおよび第2基体40aを処理チャンバー102から取り出す。次に、シール材料52を硬化させることで、枠状シール材51を形成し、この枠状シール材51を介して第1基体30aおよび第2基体40aを接合する。なお、シール材料52の第1基体30aおよび第2基体40aに対する接着方式は特に限定されず、例えばシール材料52の構成に応じて加熱、光照射(例えば紫外線照射)及び/又は電子線照射等によって接着が行われてもよい。
その後、第1偏光板31を第1基体30aに貼合し、第2偏光板41を第2基体40aに貼合することで、図2に示す調光セル20が得られる。
このようにして得られた調光セル20では、図示しない調光コントローラから電極33,43への電圧印加により、液晶層55内の液晶分子の配向を制御することができる。液晶分子の配向の変更により、液晶層55内を透過する際における光の位相変調量が変化する。これにより、第1基体30a、液晶層55および第2基体40aを透過する光の透過率を変化させることができる。
以上に説明した一実施の形態において、基体処理装置100は、処理チャンバー102内を減圧する第1排気機構103と、処理チャンバー102内で第1基体30aを吸着する吸着チャック120と、吸着チャック120の吸着チャンバー121内を減圧する第2排気機構104と、を備えている。また、第1排気機構103および第2排気機構104が、独立して駆動可能に構成されており、吸着チャンバー121内の圧力が、処理チャンバー102内の圧力よりも低くなるように、動作する。これにより、真空下であっても、吸着チャック120が第1基体30aを吸着することができる。このため、真空下であっても、吸着チャック120が第1基体30aを保持することができる。
また、吸着チャック120が、吸着チャンバー121の一部を構成するとともに、第1基体30aが吸着される吸着プレート122を含み、吸着プレート122の面のうち、第1基体30aが吸着される側の第1面122aに、第1基体30aを吸着プレート122に貼着する粘着部材124が設けられている。これにより、第1基体30aを吸着プレート122に貼着させることができる。このため、吸着チャンバー121内の圧力と、処理チャンバー102内の圧力との差が小さくなった場合においても、第1基体30aが吸着プレート122から落下することなく、吸着チャック120が第1基体を保持することができる。
また、吸着チャンバー121内に、吸着プレート122を支持する支持部材125が設けられている。これにより、吸着チャンバー121内を減圧させた際に、吸着チャンバー121、とりわけ吸着プレート122に歪みが発生することを抑制することができる。
さらに、保持チャック130は、吸着チャック120に吸着された第1基体30aに設けられた第1アライメントマークM1の位置に基づいて、第1基体30aと第2基体40aとの位置合わせを行うためのアライメント機構132を有している。これにより、吸着チャック120の吸着チャンバー121内の減圧状態を解消させることなく、第1基体30aと第2基体40aとの位置合わせを行うことができる。このため、作業時間を大幅に短縮することができる。
以上、本発明を図示する一実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上述の一実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形が加えられた各種態様も含み得るものであり、本発明によって奏される効果も上述の事項に限定されない。したがって、本発明の技術的思想および趣旨を逸脱しない範囲で、特許請求の範囲および明細書に記載される各要素に対して種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
例えば上述した一実施の形態において、吸着プレート122の第1面122aが平坦に形成されている一例を示したが、この例に限られない。例えば、図13および図14に示すように、吸着チャック120のうち、シール材料52が塗工される第2基体40aの周状の領域に対応する部分に、第2基体40aに向かって延びる吸着チャック凸部126が形成されていてもよい。すなわち、吸着チャック120のうち、第1基体30aと第2基体40aとを接触させる際に、吸着チャック120および保持チャック130の相対移動方向(Z方向(図13参照))において、シール材料52が塗工される第2基体40aの周状の領域と重なる部分に、第2基体40aに向かって延びる吸着チャック凸部126が形成されていてもよい。この場合、吸着チャック凸部126の高さ(Z方向における長さ)は、例えば0.05mm以上1.0mm以下とすることができ、一例として0.1mmであってもよい。このような吸着チャック凸部126は、吸着プレート122と一体に形成されていてもよく、あるいは互いに別部材により構成されていてもよい。
吸着チャック120に吸着チャック凸部126が形成されることにより、図15に示すように、第1基体30aと第2基体40aとを接触させた際に、シール材料52が、吸着チャック凸部126により、液晶材料56よりも高い圧力で押圧される。これにより、第1基体30aと第2基体40aとを接触させた際に、シール材料52を効率良く変形させることができる。ところで、未硬化状態のシール材料52や液晶は流動性を有するため、当該流動性に起因して、液晶材料56が未硬化状態のシール材料52内に混入する場合や、未硬化状態のシール材料52が液晶材料56内に混入する場合がある。例えば液晶材料56が未硬化状態のシール材料52内に混入した場合、シール材料52を硬化させた枠状シール材51の強度が低下する可能性がある。また、未硬化状態のシール材料52が液晶材料56内に混入した場合、液晶材料56中に含まれる液晶分子の配向を変化させる際の応答性能が低下するおそれがある。これに対して、本変形例においては、第1基体30aと第2基体40aとを接触させた際に、シール材料52を効率良く変形させることができる。これにより、液晶材料56の流動性に起因して液晶材料56がシール材料52に接触する前に、第1基体30aおよび第2基体40aを処理チャンバー102から取り出し、シール材料52を硬化させることができる。このため、枠状シール材51の強度を好適に保ちつつ、液晶分子の配向を変化させる際の応答性能を好適に保つことができる。
また、図16および図17に示すように、吸着チャック凸部126は、吸着プレート122の第1面122aの法線方向から見て、吸着プレート122の外縁に至るまで延びていてもよい。この場合においても、第1基体30aと第2基体40aとを接触させ際に、シール材料52が、吸着チャック凸部126により、液晶材料56よりも高い圧力で押圧される。これにより、第1基体30aと第2基体40aとを接触させた際に、シール材料52を効率良く変形させ、シール材料52が未硬化状態のシール材料52に液晶材料56が接触することを抑制することができる。
また、図18に示すように、保持チャック130のうち、シール材料52が塗工される第2基体40aの周状の領域に対応する部分に、第2基体40aに向かって延びる保持チャック凸部133が形成されていてもよい。すなわち、保持チャック130のうち、Z方向において、シール材料52が塗工される第2基体40aの周状の領域と重なる部分に、第2基体40aに向かって延びる吸着チャック凸部126が形成されていてもよい。この場合、保持チャック凸部133の高さ(Z方向における長さ)は、例えば0.05mm以上1.0mm以下とすることができ、一例として0.1mmであってもよい。このような保持チャック凸部133は、保持チャック130の保持部131と一体に形成されていてもよく、あるいは互いに別部材により構成されていてもよい。この場合においても、第1基体30aと第2基体40aとを接触させ際に、シール材料52が、保持チャック凸部133により、液晶材料56よりも高い圧力で押圧される。これにより、第1基体30aと第2基体40aとを接触させた際に、シール材料52を効率良く変形させ、シール材料52が未硬化状態のシール材料52に液晶材料56が接触することを抑制することができる。
また、図19に示すように、保持チャック凸部133は、吸着プレート122の第1面122aの法線方向から見て、保持チャック130の保持部131の外縁に至るまで延びていてもよい。
また、上述した本発明の一実施の形態においては、調光セル20を製造する際に、基体処理装置100が第1基体30aおよび第2基体40aを処理する一例を示したが、この例に限られない。例えば、基体処理装置100は、図1に示す調光装置10を製造する際に用いられてもよい。すなわち、調光セル20を、粘着層12によって、透光部材11に貼り付ける際に用いられてもよい。
さらに、上述した本発明の一実施の形態においては、吸着チャック120に吸着チャンバー121が設けられている一例を示したが、この例に限られない。例えば、吸着チャック120に吸着チャンバー121が形成されることなく、第2排気機構104の第2排気路107と、吸着プレート122の貫通孔123とを連通する流路のみが形成されていてもよい。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図3および図4を参照して説明した基体処理装置を用いて、第1基体30aおよび第2基体40aを実際に処理した。この際、第1基体30aおよび第2基体40aの第1樹脂製基材32および第2樹脂製基材42としては、400〔mm〕×400〔mm〕のポリカーボネートフィルムを使用した。
また、吸着プレート122をアルミニウムにより作製した。この吸着プレート122には、直径が約0.8mmの貫通孔123を25mm間隔で形成した。また、吸着プレート122に、一辺が5mmの正方形状の粘着部材124を100mm間隔で設けた。
第1基体30aおよび第2基体40aを処理した際、まず、吸着チャック120により第1基体30aを吸着した後、吸着チャック120の吸着チャンバー121を更に減圧した。次に、処理チャンバー102内を減圧することにより、吸着チャンバー121内の圧力と、処理チャンバー102内の圧力との差圧を徐々に小さくし、吸着チャック120から第1基体30aが落下するか否かについて観察した。この結果を表1に示す。
[実施例2]
吸着プレート122に、粘着部材124を設けなかったこと、以外は、上述した実施例1と同様にして、第1基体30aおよび第2基体40aを処理した。この際、上述した実施例1と同様に、処理チャンバー102内を減圧することにより、吸着チャンバー121内の圧力と、処理チャンバー102内の圧力との差圧を徐々に小さくし、吸着チャック120から第1基体30aが落下するか否かについて観察した。この結果を表1に示す。
Figure 2019120758
(効果)
実施例1および実施例2の基体処理装置100では、吸着チャンバー121内の圧力と処理チャンバー102内の圧力との差圧が80Pa程度の小さい状態においても、吸着チャック120が第1基体30aを保持することができることが確認された。また、吸着プレート122に粘着部材124を設けた実施例1においては、吸着チャンバー121内の圧力と処理チャンバー102内の圧力との差圧が10Pa以下の非常に小さい状態においても、吸着チャック120が第1基体30aを保持することができることが確認された。
上記実施の形態および変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施の形態および変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
10 調光装置
11 透光部材
12 粘着層
20 調光セル
30 第1基板
30a 第1基体
31 第1偏光板
32 第1樹脂製基材
33 第1電極
34 第1配向膜
40 第2基板
40a 第2基体
41 第2偏光板
42 第2樹脂製基材
43 第2電極
44 第2配向膜
50 スペーサ
51 枠状シール材
52 シール材料
55 液晶層
56 液晶材料
100 基体処理装置
101 筐体
102 処理チャンバー
103 第1排気機構
104 第2排気機構
105 第1排気路
106 第1開閉弁
107 第2排気路
108 第2開閉弁
109 第3排気路
110 第3開閉弁
111 ポンプ
120 吸着チャック
121 吸着チャンバー
122 吸着プレート
122a 第1面
122b 第2面
123 貫通孔
124 粘着部材
125 支持部材
126 吸着チャック凸部
130 保持チャック
131 保持部
132 アライメント機構
133 保持チャック凸部
M1 第1アライメントマーク
M2 第2アライメントマーク

Claims (16)

  1. 減圧下で、樹脂製基材を含む基体を処理する基体処理装置であって、
    処理チャンバーを区画する筐体と、
    前記処理チャンバー内を減圧する第1排気機構と、
    前記処理チャンバー内で前記基体を吸着する吸着チャックと、を備え、
    前記吸着チャックによる吸着力は、前記第1排気機構による前記処理チャンバー内の圧力調整から独立して調整される、基体処理装置。
  2. 前記吸着チャックに設けられた吸着チャンバー内を減圧する第2排気機構を、更に備え、
    前記第1排気機構及び前記第2排気機構は、互いに独立して駆動される、請求項1に記載の基体処理装置。
  3. 前記吸着チャックは、吸着した前記基体と対面するように配置された吸着プレートを有し、
    前記吸着プレートの前記基体と対面する面に、前記基体を前記吸着プレートに貼着する粘着部材が設けられている、請求項2に記載の基体処理装置。
  4. 前記吸着プレートは多孔質体を含むか、あるいは、前記吸着プレートに、前記基体と対面する面から、当該面の反対側に位置する面に至るまで延びる複数の貫通孔が形成されている、請求項3に記載の基体処理装置。
  5. 前記吸着プレートは、前記吸着チャック内に前記吸着チャンバーを少なくとも部分的に区画し、
    前記吸着チャンバー内に、前記吸着プレートを支持し当該吸着プレートの変形を抑制する支持部材が設けられている、請求項3または4に記載の基体処理装置。
  6. 前記処理チャンバー内に配置され且つ周状となる領域に未硬化状態のシール材料を塗工された第2基体と、前記シール材料を介して、前記吸着チャックによって吸着した第1基体を減圧下で接合するための基体処理装置であって、
    前記吸着プレートのうち、前記第2基体の前記周状の領域に対応する部分に、前記第2基体に向かって突出した吸着チャック凸部が形成されている、請求項3乃至5のいずれか一項に記載の基体処理装置。
  7. 前記処理チャンバー内に配置され且つ周状となる領域に未硬化状態のシール材料を塗工された第2基体と、前記シール材料を介して、前記吸着チャックによって吸着した第1基体を減圧下で接合するための基体処理装置であって、
    前記処理チャンバー内で前記第2基体を保持する保持チャックを更に備え、
    前記保持チャックのうち、前記第2基体の前記周状の領域に対応する部分に、前記第2基体に向かって突出した保持チャック凸部が形成されている、請求項3乃至6のいずれか一項に記載の基体処理装置。
  8. 前記第1基体にアライメントマークが形成され、
    前記保持チャックは、前記吸着チャックに吸着された前記第1基体の前記アライメントマークの位置に基づいて、前記第1基体と前記第2基体との位置合わせを行うためのアライメント機構を有する、請求項7に記載の基体処理装置。
  9. 前記吸着チャンバー内の圧力と、前記処理チャンバー内の圧力との差が、10Pa以下になるように、動作する、請求項2乃至8のいずれか一項に記載の基体処理装置。
  10. 減圧下で、樹脂製基材を含む基体を処理する基体処理方法であって、
    処理チャンバー内で、吸着チャックにより基体を吸着する工程と、
    前記吸着チャックにより前記基体が保持されている前記処理チャンバー内を減圧する工程と、を備え、
    前記処理チャンバー内を減圧する工程において、前記処理チャンバー内の圧力は、前記吸着チャックによる吸着力から独立して調整される、基体処理方法。
  11. 前記吸着チャックは、吸着した前記基体と対面するように配置された吸着プレートを有し、
    前記吸着プレートの前記基体と対面する面に、前記基体を前記吸着プレートに貼着する粘着部材が設けられ、
    前記基体は、粘着部材によって前記吸着プレートに貼着される、請求項10に記載の基体処理方法。
  12. 前記処理チャンバー内に配置され且つ周状となる領域に未硬化状態のシール材料を塗工された第2基体と、前記シール材料を介して、前記吸着チャックによって吸着した第1基体を減圧下で接合するための基体処理方法であって、
    前記処理チャンバー内において保持チャックにより前記第2基体を保持する工程と、
    前記第2基体の上面における周状の領域に、未硬化状態のシール材料を塗工する工程と、
    前記第2基体の前記周状の領域に塗工された前記シール材料によって取り囲まれる領域に、液晶材料を供給する工程と、
    前記吸着チャックに吸着された前記第1基体と前記保持チャックに保持された前記第2基体とを接合する工程と、を更に備え、
    前記第1基体と前記第2基体とを接合する工程は、前記処理チャンバー内を減圧する工程の後に行われる、請求項11に記載の基体処理方法。
  13. 前記吸着プレートのうち、前記第2基体の前記周状の領域に対応する部分に、前記第2基体に向かって突出する吸着チャック凸部が形成され、
    前記第1基体と前記第2基体とを接合する工程において、前記シール材料は、前記液晶材料よりも高い圧力で押圧される、請求項12に記載の基体処理方法。
  14. 前記保持チャックのうち、前記第2基体の前記周状の領域に対応する部分に、前記第2基体に向かって突出する保持チャック凸部が形成され、
    前記第1基体と前記第2基体とを接合する工程において、前記シール材料は、前記液晶材料よりも高い圧力で押圧される、請求項12または13に記載の基体処理方法。
  15. 前記吸着チャックにより前記第1基体を吸着する際に、前記第1基体に形成されたアライメントマークの位置を読み取り、
    前記処理チャンバー内を減圧する工程の前に、読み取られた前記アライメントマークの位置に基づいて、前記第1基体と前記第2基体との位置合わせを行う、請求項12乃至14のいずれか一項に記載の基体処理方法。
  16. 前記処理チャンバー内を減圧する工程において、
    前記吸着チャックに設けられた吸着チャンバー内の圧力と、前記処理チャンバー内の圧力との差が、10Pa以下になるように、動作する、請求項11乃至15のいずれか一項に記載の基体処理方法。
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