JP2019120098A - 免震装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】作用する軸力の大きさにかかわらず性能を安定的に維持できるとともに、コストを抑えることができる免震装置を提供する。【解決手段】上部構造体12の下側に連結され下部構造体11に設けられたすべり面5に沿って水平方向に転動可能なベアリング(転動部)21を備える転がり支承2と、転がり支承2と並列され、上部構造体12の下側に連結されすべり面5に沿って水平方向に摺動可能な摺動部31を有するすべり支承3と、を有し、上部構造体12から作用する軸力が所定の値以下の場合は、ベアリング21がすべり面5と当接してすべり面5を転動可能になるとともに、摺動部31がすべり面5と離間し、転がり支承2およびすべり支承3に作用する軸力が所定の値を超える場合は、ベアリング21がすべり面5と当接してすべり面5を転動可能になるとともに、摺動部31がすべり面5と当接してすべり面5を滑動可能にする。【選択図】図1

Description

本発明は、免震装置に関する。
下部構造体と上部構造体との間に設けられる転がり支承やすべり支承は、上部構造体からの軸力を支持しつつ下部構造体と上部構造体とを相対変位可能とすることができ、免震装置に広く用いられている(例えば、特許文献1および2参照)。
転がり支承は、球体やコロなどの転動部が下部構造体のすべり面を転がるように構成され、すべり面との摩擦係数μを非常に小さな値(例えば、μ≒0.005)で実現できる特徴がある。
すべり支承は、低摩擦材が設けられた摺動部が下部構造体のすべり面を滑るように構成され、積層ゴム支承と同等以上の大きな耐荷重を安価に実現できる特徴がある。
特開2017−110447号公報 特開2017−166518号公報
しかしながら、転がり支承は、一般的に耐荷重が小さく大きな軸力を支持できないという問題がある。また、転がり支承は、高精度の機械部品で構成されていることにより、耐荷重を大きくすることが容易ではなく、コストがかかるという問題がある。
一方、すべり支承は、一般的に耐荷重が大きく大きな軸力を支持可能であるが、すべり面との摩擦係数を、転がり支承とすべり面との摩擦係数のような小さな値にすることは困難である。
また、すべり支承の摩擦係数は、すべり面の面圧に依存する性質があり、支承に作用する軸力が小さく低面圧の場合には大きくなり、作用する軸力が大きく低面圧の場合には小さくなる性質がある。
例えば、現在市販されている低摩擦すべり支承の摩擦係数μは、基準面圧20MPa(20N/mm)の場合には0.014であるが、基準面圧が1/4の5MPaの場合には0.029となり、基準面圧20MPa(20N/mm)の場合と比べて約2倍となる。さらに、すべり支承の摩擦係数μは、基準面圧が1/20の1MPaの場合には0.07となって基準面圧20MPa(20N/mm)の場合と比べて約5倍となり、基準面圧が1/200の0.1MPaの場合には0.24となって基準面圧20MPa(20N/mm)の場合と比べて約17倍ともはや低摩擦とは言い難いものになってしまう。
このように、転がり支承は、耐荷重が小さく高軸力時の支持が困難であるという問題があり、すべり支承は、低軸力時にすべり面との摩擦係数が大きくなってしまうという問題がある。これらのことから、現状の転がり支承やすべり支承では、低軸力から高軸力まで安定した性能(低摩擦)の支承を合理的に構築することができない。
また、転がり支承は、高精度の機械部品で構成されているため、耐荷重を大きくしようとするとコスト高になるという問題もある。
そこで、本発明は、作用する軸力の大きさにかかわらず性能を安定的に維持できるとともに、コストを抑えることができる免震装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る免震装置は、水平方向に相対変位可能な下部構造体と、上部構造体との間に設けられる免震装置において、前記上部構造体の下側に連結され前記下部構造体に設けられたすべり面に沿って水平方向に転動可能な転動部を備える転がり支承と、前記転がり支承と並列され、前記上部構造体の下側に連結され前記すべり面に沿って水平方向に摺動可能な摺動部を有するすべり支承と、を有し、前記上部構造体から作用する軸力が所定の値以下の場合は、前記転動部が前記すべり面と当接して前記すべり面を転動可能になるとともに、前記摺動部が前記すべり面と離間し、前記転がり支承および前記すべり支承に作用する軸力が前記所定の値を超える場合は、前記転動部が前記すべり面と当接して前記すべり面を転動可能になるとともに、前記摺動部が前記すべり面と当接して前記すべり面を滑動可能にすることを特徴とする。
摺動部は、上部構造体から作用する軸力が大きく、すべり面の面圧が大きくなるほど、すべり面での摩擦係数が小さくなり、上部構造体から作用する軸力が小さくすべり面の面圧が小さくなるほど、すべり面での摩擦係数が大きくなる性質がある。
本発明では、すべり支承は、上部構造体から作用する軸力が所定の値を上回る場合には、摺動部がすべり面を摺動可能とし、上部構造体から作用する軸力が所定の値以下で小さく、面圧が小さいため摺動部とすべり面との摩擦係数が大きいときには、摺動部がすべり面と離間する構成である。このため、すべり支承は、面圧が大きくすべり面との摩擦係数を小さく維持できる場合のみすべり面を摺動することになる。
一方、転動部は、上部構造体から作用する軸力の変化によるすべり面との摩擦係数の変化は小さいため、上部構造体から作用する軸力の大きさにかかわらず、すべり面との摩擦係数を略一定の小さい値に維持することができる。
上部構造体から作用する軸力が小さい場合は、すべり面との摩擦係数が小さい転がり支承のみが軸力を支持しながらすべり面を転動可能となり、上部構造体から作用する軸力が大きい場合は、すべり面との摩擦係数が小さい転がり支承と、すべり面に対する面圧が大きくなってすべり面との摩擦係数が小さくなったすべり支承とが軸力を支持しながらすべり面を転動可能となるため、上部構造体から作用する軸力の大きさにかかわらず、すべり面との摩擦係数を小さく維持することができる。これにより、上部構造体から作用する軸力の大きさにかかわらず、免震装置の性能を安定的に維持することができる。
また、転がり支承は、一般的に大きな軸力を支持する構造にしようとすると、コストが増大する傾向がある。
本発明では、上部構造体から作用する軸力が所定の値を超えて大きい場合には、転がり支承のみで軸力を支持しているが、上部構造体から作用する軸力が所定の値を超えて大きい場合には、転がり支承のみでなく転がり支承およびすべり支承の両方がその軸力を支持している。このため、上部構造体から作用する軸力が大きくなっても、その軸力を転がり支承およびすべり支承の両方で負担するため、転がり支承が負担する軸力を軽減させることができ、転がり支承にかかるコストを削減することができる。
また、本発明に係る免震装置では、前記転がり支承は、前記転がり支承と前記上部構造体とを互いに上下方向に離間するように付勢する付勢部材を介して前記上部構造体の下側に連結され、前記上部構造体から作用する軸力が前記所定の値以下の場合は、前記付勢部材の付勢力によって前記摺動部が前記転動部よりも上側に配置され前記すべり面から離間し、前記上部構造体から作用する軸力が前記所定の値を超える場合は、前記付勢部材が圧縮されて前記摺動部が前記転動部と同じ高さとなり前記すべり面と当接するようにしてもよい。
このような構成とすることにより、転動部のみがすべり面を摺動可能な状態と、転動部および摺動部の両方がすべり面を摺動可能な状態と、の切り替えを、上部構造体から作用する軸力によって容易に行うことができる。
本発明によれば、作用する軸力の大きさにかかわらず性能を安定的に維持できるとともに、コストを抑えた装置とすることができる。
本発明の実施形態による免震装置の一例を示す模式図で、作用する軸力が小さい場合を示す図である。 本発明の実施形態による免震装置の分解図である。 本発明の実施形態による免震装置の一例を示す模式図で、作用する軸力が大きい場合を示す図である。 転がり支承、すべり支承それぞれの軸力と摩擦係数との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態による免震装置について、図1乃至図4に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態による免震装置1は、上下方向に離間し水平方向に相対変位可能な下部構造体11と上部構造体12との間の免震層13に設けられている。本実施形態では、免震層13には複数の免震装置1が設けられている。
図1および図2に示すように、免震装置1は、並列に配置された転がり支承2と、すべり支承3と、を有している。本実施形態では、すべり支承3が上下方向に貫通する筒状に形成され、転がり支承2がすべり支承3の内側に配置されてすべり支承3に囲まれている。
転がり支承2は、上部構造体12の下側に圧縮ばね(付勢部材)4を介して連結され、下部構造体11の上面11aを転動可能に構成されている。すべり支承3は、上部構造体12の下側に連結され、下部構造体11の上面11aを滑動可能に構成されている。
下部構造体11の上面11aは、水平面に形成され、例えばステンレスの板材などが設けられ、すべり面5が構成されている。
転がり支承2は、すべり面5を転動可能な鋼球やコロなどのベアリング(転動部)21と、ベアリング21を支持し圧縮ばね4を介して上部構造体12と連結されるベアリング支持部22と、を有している。
ベアリング支持部22は、ベアリング21の上方に設けられ、ベアリング21を上側から転動可能に支持している。ベアリング支持部22の側部には下部側および外側(すべり支承3側)に開口する切欠き部23が形成されている。切欠き部23を構成する面のうち、下側を向く面を下向き面23aとする。下向き面23aは、略水平面に形成されている。
圧縮ばね4は、ベアリング支持部22と上部構造体12との間に設けられ、ベアリング支持部22と上部構造体12とを上下方向に離間する向きに付勢している。圧縮ばね4が伸縮することによって、上部構造体12の下面12aからベアリング21の下端部21aまでの寸法が変化するように構成されている。圧縮ばね4としては、図2に示す皿ばねやコイルばねや板ばねが好適である。
本実施形態では、転がり支承2に作用する耐荷重(支持軸力)がNの場合、ベアリング21とすべり面5との摩擦係数μがμ≦0.006となるように設定されている。
すべり支承3は、すべり面5を摺動可能な摺動部31と、摺動部31を支持し上部構造体12と連結される摺動部支持部32と、を有している。
摺動部支持部32の下面は、水平面に形成され、この下面に沿って摺動部31が設けられている。摺動部31は、摺動部支持部32の下面にテフロン(登録商標)のコーティングを施したり、テフロン(登録商標)テープを貼りつけたりすることで形成されている。摺動部31は、摺動部支持部32の下面の略全体に形成されている。
摺動部支持部32の下部側には、内側(転がり支承2側)に突出する顎部33が形成されている。顎部33の上面33aは、略水平面に形成されている。顎部33は、ベアリング支持部22の切欠き部23の内部に設けられていて、顎部33の上面33aが切欠き部23の下向き面23aの下側に上下方向に対向するように配置されている。
転がり支承2が圧縮ばね4の伸縮によって上部構造体12に対して上下方向に変位すると、すべり支承3は上部構造体12に対して上下方向に変位しないため、切欠き部23の下向き面23aが顎部33の上面33aに対して上下方向に変位する。
このため、圧縮ばね4が伸長し、転がり支承2が上部構造体12と離間するように下方に変位すると、切欠き部23の下向き面23aが顎部33の上面33aに近接し、圧縮ばね4が圧縮し、転がり支承2が上部構造体12と近接するように上方に変位すると、切欠き部23の下向き面23aが顎部33の上面33aと離間する。
顎部33の上面33aと切欠き部23の下向き面23aとは、近接すると当接し、離間すると間に隙間が形成される。
上部構造体12の下面12aから摺動部31の下面31aまでの寸法は、常に一定の値hとなるように設定されている。
本実施形態では、すべり支承3に作用する耐荷重(支持軸力)がNの場合、摺動部31とすべり面5との摩擦係数μが0.01≦μ≦0.1となるように設定されている。基準面圧σで摺動部31とすべり面5との接触面積をAとしたときの耐荷重Nは、N=A・σ>10Nとしている。このように、すべり支承3の耐荷重を転がり支承2の耐荷重と比較して桁違いに大きく設定している。
転がり支承2と、すべり支承3とは、図1に示すように、圧縮ばね4が伸長し切欠き部23の下向き面23aと、すべり支承3の顎部33の上面33aとが当接すると、転がり支承2のベアリング21の下端部21aが、すべり支承3の摺動部31の下面31aよりも下側に配置される。このときの上部構造体12の下面12aから転がり支承2のベアリング21の下端部21aまでの寸法hは、上部構造体12の下面12aからすべり支承3の摺動部31の下面31aまでの寸法hよりも大きくなっている。
ベアリング支持部22の切欠き部23の下向き面23aは、圧縮ばね4が伸長してすべり支承3の顎部33の上面33aに当接すると、顎部33の上面33aよりも下側は変位できないように構成されている。このため、上部構造体12の下面12aから転がり支承2のベアリング21の下端部21aまでの寸法は、最大でhとなる。このとき、伸長した圧縮ばね4に付勢される力はN´である。
このような免震装置1は、上方から受ける軸力Nが所定の値N´以下の場合(N≦N´)には、圧縮ばね4の付勢力によってベアリング支持部22の切欠き部23の下向き面23aがすべり支承3の顎部33の上面33aに当接した状態で保たれ、上部構造体12の下面12aと下部構造体11の上面11a(すべり面5の上面5a)との間隔が上記のhに維持されるように構成されている。
これに対し、上方から受ける軸力Nが所定の値N´よりも大きい場合(N>N´)には、図3に示すように、圧縮ばね4が上方から受ける軸力Nが所定の値N´以下の場合よりも圧縮されてベアリング支持部22の切欠き部23の下向き面23aがすべり支承3の顎部33の上面33aから離間し、すべり支承3の摺動部31の下面31aがすべり面5と当接するまで上部構造体12が下部構造体11に近接する。すべり支承3の摺動部31の下面31aがすべり面5と当接すると、上部構造体12の下面12aと下部構造体11の上面11aとの間隔が、上部構造体12の下面12aから摺動部31の下面31aまでの寸法と同じhとなるとともに、圧縮ばね4が圧縮されて、上部構造体12の下面12aから転がり支承2のベアリング21の下端部21aまでの間隔もhとなる。
このように、上方から受ける軸力Nが所定の値N´以下の場合(N≦N´)は、上部構造体12の下面12aと下部構造体11の上面11aとの間隔がhとなるため、ベアリング21の下端部21aはすべり面5と当接するが、摺動部31の下面31aはすべり面5と離間する。このときのすべり支承3の摺動部31の下面31aと下部構造体11のすべり面5との間隔は、例えば、0.2〜0.5mm程度となるように設定されている。
この状態で上部構造体12と下部構造体11とが水平方向に相対変位すると、ベアリング21がすべり面5を転動し、摺動部31は、すべり面5を滑動しないことになる。
これにより、免震装置1とすべり面5との摩擦抵抗力は、転がり支承2のベアリング21とすべり面5との摩擦抵抗力だけとなるため、摩擦係数μ(μ≦0.006)によるものとなる。
このときの上方から受ける軸力N、摩擦抵抗力Q、摩擦係数μ、見かけ上の摩擦係数μの関係は、下記の式(1)となる。
Figure 2019120098
これに対し、上方から受ける軸力Nが所定の値N´よりも大きい場合(N>N´)は、上部構造体12の下面12aと下部構造体11の上面11aとの間隔がhとなり、転がり支承2のベアリング21の下端部21aがすべり面5と当接し、すべり支承3の摺動部31の下面31aもすべり面5と当接する。このとき転がり支承2の圧縮ばね4が縮むが、圧縮量がわずかであるため圧縮ばね4から転がり支承2に付勢される力N´はほとんど変化しない。
この状態で上部構造体12と下部構造体11とが水平方向に相対変位すると、ベアリング21がすべり面5を転動し、摺動部31がすべり面5を滑動することになる。
これにより、免震装置1とすべり面5との摩擦抵抗力は、転がり支承2のベアリング21とすべり面5との摩擦抵抗力およびすべり支承3の摺動部31とすべり面5との摩擦抵抗力となるため、摩擦係数μ(μ≦0.006)、および摩擦係数μ(0.01≦μ≦0.1)によるものとなる。
このとき上方から受ける軸力N、摩擦抵抗力Q、摩擦係数μ、摩擦係数μ、見かけ上の摩擦係数μの関係は、下記の式(2)となる。
Figure 2019120098
すべり支承3の摩擦係数μは、すべり面5からの圧縮応力度が増加すると摩擦係数μが低下するという面圧依存性がある。すべり面5とすべり材との接触面積A、基準面圧σ=20MPa(20N/mm)の摩擦係数μ=0.014とすると、面圧σでの摩擦係数μは、下記の式(3)で表される。
Figure 2019120098
ここで、すべり支承3の基準面圧に対する耐荷重N=A・σ、転がり支承2に作用する軸力N´=N/20とする。転がり支承2の摩擦係数μ=0.006とし、支承(免震装置1)全体への作用軸力N=αNとすると、下記の式(4)が成りたつ。
Figure 2019120098
また、見かけ上の摩擦係数μは下記の式(5)、(6)となる。
Figure 2019120098
一方、免震装置1をすべり支承3だけで構成した場合はσ/σ=αより軸力によらず下記の式(7)となる。
Figure 2019120098
図4に本実施形態の転がり支承2およびすべり支承3の両方(転がりすべり支承)で構成された免震装置1と、すべり支承のみで構成された従来の免震装置とを比較した結果を示す。
図4では以下のように定義している。
μ:支承全体の摩擦係数=支承全体の摩擦抵抗力Q/支承に作用する全軸力N
α :軸力比=支承に作用する全軸力N/すべり支承の基準面圧時耐力N
=A・σ
σ:基準面圧(本実施形態では20MPa)
A :摺動部のすべり材との接触面積
従来のすべり支承のみで構成された免震装置は、低軸力であると摩擦係数が大きくなる。これに対し、本実施形態の転がり支承2およびすべり支承3の両方で構成された免震装置1は、軸力が小さくても過大な摩擦係数が生じることがなく、軸力によらず摩擦係数を小さくすることができる。
軸力比α≦1/20=0.05の場合は、転がり支承2のみがすべり面5を転動し、すべり支承3はすべり面5を摺動しないため、摩擦係数μは、μ=0.006となり一定の値となる。
軸力比α>1/20=0.05の場合は、転がり支承2がすべり面5を転動するとともに、すべり支承3もすべり面5を摺動するため、摩擦係数は増加するが、軸力比によらず摩擦係数μは、μ<0.04となる。
なお、免震装置1に転がり支承2を併用せずにすべり支承3のみを用いる場合は、軸力比α≦0.1では、摺動部31とすべり面5との摩擦係数が軸力の低下とともに急激に増大してしまうが、軸力比α>0.2であれば、免震装置1に転がり支承2およびすべり支承3の両方を用いる場合とほぼ同等の摩擦係数になることがわかる。
次に、上述した本実施形態による免震装置1の作用・効果について図面を用いて説明する。
摺動部31は、上部構造体12から作用する軸力が大きく、すべり面5に対する面圧が大きくなるほど、すべり面5との摩擦係数が小さくなり、上部構造体12から作用する軸力が小さくすべり面5に対する面圧が小さくなるほど、すべり面5との摩擦係数が大きくなる性質がある。
本発明の実施形態によるすべり支承3は、上部構造体12から作用する軸力が所定の値を超えて大きく、この軸力に対する摺動部31とすべり面5との摩擦係数が小さくなる場合には、摺動部31がすべり面5を摺動可能とし、上部構造体12から作用する軸力が所定の値以下で小さく、この軸力に対する摺動部31とすべり面5との摩擦係数が大きくなる場合には、摺動部31がすべり面5と離間するため摺動しない構成である。このため、すべり支承3は、支承全体の摩擦係数を小さく維持できる場合のみすべり面5を摺動することになる。
一方、ベアリング21は、上部構造体12から作用する軸力の変化によるすべり面5との摩擦係数の変化は小さいため、上部構造体12から作用する軸力の大きさにかかわらず所定の値以下の軸力を支持し、すべり面5との摩擦係数を略一定の小さい値に維持することができる。
上部構造体12から作用する軸力が小さい場合は、すべり面5との摩擦係数が小さい転がり支承2のみがすべり面5を転動可能となり、上部構造体12から作用する軸力が大きい場合は、すべり面5との摩擦係数が小さい転がり支承2と、すべり面5に対する面圧が大きくなってすべり面5との摩擦係数が小さくなったすべり支承3とがすべり面5を転動可能となるため、上部構造体12から作用する軸力の大きさにかかわらず、すべり面5との摩擦係数を小さく維持することができる。これにより、上部構造体12から作用する軸力の大きさにかかわらず、免震装置1の性能を安定的に維持することができる。
また、転がり支承2は、一般的に大きな軸力を支持する構造にしようとすると、コストが増大する傾向がある。
本発明では、上部構造体12から作用する軸力が所定の値以下で小さい場合には、転がり支承2のみで軸力を支持しているが、上部構造体12から作用する軸力が所定の値を超えて大きい場合には、転がり支承2のみでなく転がり支承2およびすべり支承3の両方でその軸力を支持している。このため、上部構造体12から作用する軸力が大きくなっても、その軸力を転がり支承2およびすべり支承3の両方で負担するため、転がり支承2が負担する軸力を頭打ちさせることができ、転がり支承2にかかるコストを削減することができる。
また、本実施形態による免震装置1では、転がり支承2は、転がり支承2と上部構造体12とを互いに上下方向に離間するように付勢する圧縮ばね4を介して上部構造体12の下側に連結され、上部構造体12から作用する軸力が所定の値以下の場合は、圧縮ばね4の付勢力によって摺動部31がベアリング21よりも上側に配置され、上部構造体12から作用する軸力が所定の値を超える場合は、圧縮ばね4が圧縮されて摺動部31がベアリング21と同じ高さとなる。
このような構成とすることにより、ベアリング21のみがすべり面5を摺動可能な状態と、ベアリング21および摺動部31の両方がすべり面5を摺動可能な状態と、の切り替えを、上部構造体12から作用する軸力によって容易に切り替えることができる。
以上、本発明による免震装置1の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、免震層13には複数の免震装置1が設けられているが、免震層13に1つの免震装置1のみが設けられていてもよいし、転がり支承やすべり支承のみで構成される免震装置と併用してもよい。
また、上記の実施形態では、ベアリング21のみがすべり面5を摺動可能な状態と、ベアリング21および摺動部31の両方がすべり面5を摺動可能な状態と、の切り替え機構に圧縮ばね4が用いられているが、圧縮ばね4以外の部材を用いた機構としてもよい。
1 免震装置
2 転がり支承
3 すべり支承
4 圧縮ばね(付勢部材)
5 すべり面
11 下部構造体
12 上部構造体
21 ベアリング(転動部)
31 摺動部

Claims (2)

  1. 水平方向に相対変位可能な下部構造体と、上部構造体との間に設けられる免震装置において、
    前記上部構造体の下側に連結され前記下部構造体に設けられたすべり面に沿って水平方向に転動可能な転動部を備える転がり支承と、
    前記転がり支承と並列され、前記上部構造体の下側に連結され前記すべり面に沿って水平方向に摺動可能な摺動部を有するすべり支承と、を有し、
    前記上部構造体から作用する軸力が所定の値以下の場合は、前記転動部が前記すべり面と当接して前記すべり面を転動可能になるとともに、前記摺動部が前記すべり面と離間し、
    前記転がり支承および前記すべり支承に作用する軸力が前記所定の値を超える場合は、前記転動部が前記すべり面と当接して前記すべり面を転動可能になるとともに、前記摺動部が前記すべり面と当接して前記すべり面を滑動可能にすることを特徴とする免震装置。
  2. 前記転がり支承は、前記転がり支承と前記上部構造体とを互いに上下方向に離間するように付勢する付勢部材を介して前記上部構造体の下側に連結され、
    前記上部構造体から作用する軸力が前記所定の値以下の場合は、前記付勢部材の付勢力によって前記摺動部が前記転動部よりも上側に配置され前記すべり面から離間し、前記上部構造体から作用する軸力が前記所定の値を超える場合は、前記付勢部材が圧縮されて前記摺動部が前記転動部と同じ高さとなり前記すべり面と当接することを特徴とする請求項1に記載の免震装置。
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