JP2019117161A - 被検体検出装置 - Google Patents

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Kenichiro Maki
謙一郎 牧
忠司 石井
Tadashi Ishii
忠司 石井
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Katsuhiko Nakamura
勝彦 中村
啓太 高橋
Keita Takahashi
啓太 高橋
中村 浩
Hiroshi Nakamura
浩 中村
誠 安田
Makoto Yasuda
誠 安田
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Abstract

【課題】ある観測位置から見て被検体が存在する方向を、より高い識別度で検出する被検体検出装置を提供する。【解決手段】被検体検出装置は、移動体に搭載された移動体搭載部1と、撮像部7と、処理・制御部15とを有する。移動体搭載部は、発光するマーカー2と、マーカーの光にマーカーの背景にある他物体の偏光方向に対して交差する第1の偏光方向の直線偏光特性を付与する偏光板3とを有する。撮像部は、マーカーと他物体を含む視野領域を対象に、第1の偏光方向の成分の第1の画像を撮影する第1のカメラ13と、視野領域を対象に第1の偏光方向に交差する第2の偏光方向の成分の第2の画像を撮像する第2のカメラ14とを有する。そして処理・制御部は、第1の画像と前記第2の画像との差分を求め、差分が最大の位置をマーカーの位置として判定し、このマーカーの位置をもとにマーカーの存在方向を算出する画像処理部18を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、ある観測位置から見た特定の被検体が存在する方向を自動で検出する被検体検出装置に関する。
ある観測位置から見た、飛行体、車などの目標移動体が存在する方向を撮像手段を用いて自動で検出する方法には、例えば、次のようなものがある。
(1.マーカー検出)
目標移動体にマーカー(目印)を付加し、観測位置から目標を含む領域を撮影し、マーカーの位置を特定することで、目標移動体の位置を検出する(特許文献1等)。
(2.テンプレートマッチング)
目標移動体の外観画像をテンプレートとして事前に取得し、観測位置から領域を撮影した画像中で、そのテンプレートと形状に相関がある部分に目標が存在すると推定する方法(特許文献2等)。
(3.背景差分法)
目標の存在が予定される領域を、その目標が存在しない状態で観測位置から撮影し、その後、目標が存在する状態での撮影画像との差分を計算することで、目標だけを浮かび上がらせて、その位置を特定する(特許文献3等)。
特開2004−226227号公報 特開2010−191593号公報 特許第3057004号
しかしながら、上記1の方式では、マーカーの撮影視野内にある他の物体の光学的特徴(色、明るさ等)が、マーカーのそれと同じ場合は、マーカーと他の物体を区別することが困難となり、目標移動体を検出できない。
上記2の方式では、観測位置と移動体との距離や、観測位置から見た移動体の姿勢が変化するような場合、その外観の形状、大きさも変わることになり、それらに対応するテンプレート画像を全て用意して比較すると、テンプレートが膨大な数になって、比較処理に長い時間が掛かってしまうと予想される。また、夜間の屋外や、照明が無い暗い室内に存在する移動体を検出する場合は、移動体が見えなくなり、検出が困難となってしまう。
上記3の方式では、差分対象の2画像が、それぞれ異なる時刻に取得されることから、これらの時刻で目標以外の物体にも変化が生じる場合は、その変化分も差分結果に表れてしまい、目標と区別することが困難となり、位置特定精度が低下すると予想される。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、ある観測位置から見た特定の被検体が存在する方向を、より高い識別度で検出することのできる被検体検出装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る被検体検出装置は、第1の偏光方向の直線偏光特性を有するマーカーと、前記マーカーと異なる偏光特性を有する他物体とを有する被検体と、前記マーカーと前記他物体を含む視野領域を対象に、前記第1の偏光方向の成分の第1の画像を撮影する第1の撮像部と、前記視野領域を対象に前記第1の偏光方向に交差する第2の偏光方向の成分の第2の画像を撮像する第2の撮像部と、前記第1の画像および前記第2の画像に基づいて、前記マーカーの位置を判定する画像処理部とを有する。
前記被検体検出装置は、前記他物体の偏光方向を認識する他物体偏光測定部と、前記他物体偏光測定部により認識された前記他物体の偏光方向をもとに前記第1の偏光方向を決定する第1の偏光方向決定部とをさらに具備するものであってよい。
さらに、前記被検体検出装置は、前記マーカーに直線偏光特性を付与する偏光板と、前記第1の偏光方向決定部により決定された前記第1の偏光方向の直線偏光特性を付与するように前記偏光板および前記被検体のいずれか一方を回転させるように構成されてもよい。
また、前記被検体検出装置は、前記第1の撮像部および前記第2の撮像部への入射光の偏光方向を回転させる波長板と、前記第1の偏光方向決定部により決定された前記第1の偏光方向に前記第1の撮像部の偏光方向を一致させるように前記波長板を回転させる波長板制御部とをさらに具備するものであってよい。
本発明によれば、ある観測位置から見た特定の被検体が存在する方向を、より高い識別度で検出することができる。
本発明に係る一実施形態である被検体検出装置の構成を示すブロック図である。 本実施形態の被検体検出装置の全体的な動作の手順を示すフローチャートである。 マーカー方向検出の参考例において、撮影視野の無偏光撮影画像を示す図である。 マーカー方向検出の参考例において、撮影視野の無偏光撮影画像の1次元画素値分布を示す図である。 本実施形態の被検体検出装置によるマーカー方向検出の第1のケースにおいて、撮影視野の像を示す図である。 上記第1のケースでの2つの画像の差分計算を示す図である。 本実施形態の被検体検出装置によるマーカー方向検出の第2のケースにおいて、撮影視野の像を示す図である。 上記第2のケースでの2つの画像の差分計算を示す図である。 本実施形態の被検体検出装置の実験装置の構成を示す図である。 2つのカメラによる2つの撮影画像とこれらの差分画像を、マーカーと他物体の偏光方向を平行にした場合と直交させた場合のそれぞれについて示した図である。 移動体搭載部の偏光板回転と撮像部の波長板回転の制御の流れを説明するための図である。 波長板の効果を説明するための図である。 マーカーと第1のカメラとの偏光方向が互いに平行である場合の、波長板の回転角度に対する差分画像の最大画素値を計測した実験結果を示すグラフである。 マーカーと第1のカメラとの偏光方向が互いに直交する場合の、波長板の回転角度に対する差分画像の最大画素値を計測した実験結果を示すグラフである。 他物体の偏光方向の測定方法について説明するための図である。 図11の撮影視野を示す図である。
以下、本発明に係る実施形態を説明する。
(被検体検出装置の構成)
図1は、本発明に係る一実施形態である被検体検出装置の構成を示すブロック図である。
この被検体検出装置は、被検体に含まれる移動体に搭載される移動体搭載部1と、撮像部7と、処理・制御部15とで構成される。
移動体搭載部1は、マーカー2と、偏光板3と、移動体姿勢検出部4と、偏光板回転部5と、無線通信部6などを含む。
マーカー2は、移動体に設けられ、例えばLED(light emitting diode)などの光源からなる。偏光板3は、マーカー2の出射光のうち特定の直線偏光成分の光を透過させるものである。すなわち、マーカー2と偏光板3により偏光生成部として機能する。偏光板回転部5は、偏光板3を回転させることによって偏光板3を透過するマーカー光の偏光方向を調整するためのものである。すなわち、偏光板回転部5は、無線通信部6を使って処理・制御部15より受信したマーカー偏光指示方向と、移動体姿勢検出部4により検出された移動体姿勢をもとに、マーカー偏光方向を適切な方向にするように偏光板3を回転させる。
移動体姿勢検出部4は、移動体の姿勢を検出する。移動体姿勢検出部4は、例えば、慣性計測装置(IMU:inertial measurement unit)などを用いて構成され得る。
無線通信部6は、処理・制御部15との無線通信のためのモジュールである。
撮像部7は、波長板8、波長板回転機9、虹彩絞り10、レンズ11、偏光分離器12、第1のカメラ13、第2のカメラ14を備える。虹彩絞り10は、入射光の光量を調整する光学部品である。レンズ11は、第1のカメラ13および第2のカメラ14の各撮像素子に集光する撮像用のレンズである。偏光分離器12は、入射光を互いに直交する2つの偏光成分の光に分離して、第1のカメラ13および第2のカメラ14にそれぞれ導く。第1のカメラ13は、偏光分離器12により分離された一方の偏光成分の第1の画像を撮像する。第2のカメラ14は、偏光分離器12により分離された他方の偏光成分の第2の画像を撮像する。波長板8は、偏光分離器12へ入射させる光の偏光方向を回転させるための光学素子である。波長板回転機9は、波長板8を回転させるためのメカである。波長板回転機9は、後述する波長板回転機制御部24とともに、波長板制御部として機能する。
処理・制御部15は、画像取得部16、トリガー信号発生部17、画像処理部18、検出方向角度出力部19、他物体偏光測定部20、マーカー偏光方向決定部21、撮像部姿勢検出部22、波長板角度計算部23、波長板回転機制御部24、無線通信部25を備える。
トリガー信号発生部17は、撮像部7の2つのカメラ13、14に同時に撮影を行われるように2つのカメラ13、14に対して撮影タイミングトリガー信号を送出する。
画像取得部16は、撮像部7の2つのカメラ13、14によって撮影された2つの画像を取得して画像処理部18に供給する。
画像処理部18は、画像取得部16によって取得された2つの画像同士の差分を算出し、求めた差分の値が最も高い領域をマーカー位置として求め、求めたマーカー位置をもとに観測地点から見たマーカー2の検出方向角度を算出する。
検出方向角度出力部19は、画像処理部18より算出された移動体検出方向角度を、他の処理に出力する。
他物体偏光測定部20は、画像中のマーカー2の背景にある他物体の偏光特性を測定する。他物体は、より具体的には空などが挙げられる。他物体の偏光特性の測定方法については後で説明する。
マーカー偏光方向決定部21は、他物体偏光測定部20により測定された他物体の偏光特性をもとにマーカー偏光指示方向を決定する。
無線通信部25は、マーカー偏光方向決定部21により決定されたマーカー偏光指示方向を移動体搭載部1に無線通信する。
波長板角度計算部23は、マーカー偏光方向決定部21により決定されたマーカー偏光指示方向と撮像部姿勢検出部22により検出された撮像部7の姿勢から波長板8の適切な回転角度を計算する。
波長板回転機制御部24は、撮像部7の波長板8の回転角度を、波長板角度計算部23により決定された回転角度に合わせるように、撮像部7の波長板回転機9を制御する。
(被検体検出装置の動作)
図2は、被検体検出装置の全体的な動作の手順を示すフローチャートである。
まず、処理・制御部15が、他物体偏光測定部20にて他物体の偏光特性を測定する(ステップS01)。次に、マーカー偏光方向決定部21にて、他物体の偏光特性をもとにマーカー偏光指示方向を決定し(ステップS02)、決定されたマーカー偏光指示方向の情報を無線通信部25を使って移動体搭載部1に無線通信する(ステップS03)。
移動体搭載部1は、ステップS03で処理・制御部15から送信され、無線通信部6にて受信したマーカー偏光指示方向の情報を受信し、偏光板回転部5に供給する。偏光板回転部5は、マーカー偏光指示方向と、移動体姿勢検出部4にて検出された移動体の姿勢との相対関係から偏光板3の適切な回転角度を算出し(ステップS04)、偏光板3を回転させることによって、マーカー2の出射光に例えば他物体の偏光方向に対して直交する方向などの直線偏光特性をもたせる(ステップS05)。
さらに、ステップS02で処理・制御部15において、マーカー偏光方向決定部21にて決定されたマーカー偏光指示方向は波長板角度計算部23にも与えられる。波長板角度計算部23は、マーカー偏光指示方向をもとに、波長板8の適切な回転角度を算出し(ステップS06)、波長板8をその回転角度まで回転させるように波長板回転機9に制御信号を供給する(ステップS07)。
以上のようにして偏光板3および波長板8の調整が完了した後、撮像部7が、処理・制御部15のトリガー信号発生部17から与えられる撮影タイミングトリガー信号に従って、移動体に設けられたマーカー2を含む同一視野の2つの画像を、撮影対象の偏光方向が互いに直交する第1のカメラ13と第2のカメラ14で同時に撮影する(ステップS08)。第1のカメラ13と第2のカメラ14でそれぞれ撮影された2つの画像は処理・制御部15に供給される。処理・制御部15は、画像取得部16にて2つの画像を取得し、画像処理部18で、2つの画像の差分画像からマーカー2の位置を算出し(ステップS09)、マーカー2の位置をもとに、観測地点から見てマーカー2が存在する方向を算出し(ステップS10)、その結果を検出方向角度出力部19に出力する(ステップS11)。
(マーカー方向検出原理)
次に、本実施形態の被検体検出装置によるマーカー方向検出原理を説明する。
図3Aおよび図3Bはマーカー方向検出の参考例を示す図である。
この参考例では、図3Aに示すように、撮影視野31の中に、それぞれ無偏光の特性をもつマーカー32とその背景の他物体33が存在することとする。この撮影視野31を無偏光のカメラで撮影して得られた画像34には無偏光の特性を有するマーカー32と他物体33の各像がそのまま写る。いま、他物体33の像と比較してマーカー32の像の方がやや明るい場合を想定したとき、図3Bの1次元画素値分布35に示すように、他物体33の画素値37よりマーカー32の画素値36の方が高くなる。よって、画像中で最も高い画素値の位置を抽出することでマーカー位置を特定できる。なお、符号38は、このときの他物体33の画素値37とマーカー32の画素値36との差である。
次に、本実施形態の被検体検出装置によるマーカー方向検出の第1のケースを説明する。
図4Aに示すように、撮影視野40の中に縦偏光の特性が与えられたマーカー41と無偏光の他物体42が存在するものとする。この撮影視野40を、縦偏光の光のみが画像として生成される第1のカメラ13で撮影すると、図4Bに示すように、撮影された画像43にマーカー41と他物体42の両方が写り、同時に横偏光の光のみが画像として生成される第2のカメラ14で撮影すると、その画像44には無偏光である他物体42のみが画像として生成される。この2つの画像43、44を画像処理する(例えば、縦偏光画像から横偏光画像を引いて差分値を算出する)と、差分画像45には縦横偏光画像の両方に写った他物体42の像やノイズは打ち消し合って無くなり、マーカー41の像のみが残る。よって、この差分画像45中の画素値が最大になる位置を抽出することでマーカー位置を特定できる。
このとき、参考例と比較して、マーカー2に直線偏光成分を持たせたことでその光放射量が低下するため、マーカー41の像の画素値も低下すると予想されるが、2つの画像43、44の差分がとられることによって画像43、44中の他物体42の像は互いに打ち消されるので、図4Bに示すように、マーカー41の像の画素値と他物体42の像の画素値との差48は参考例のそれ(符号38)よりも充分大きくなり、この結果、マーカー2の識別度が向上する。
なお、2つの画像43、44からマーカー位置を特定する画像処理方法は、縦偏光画像と横偏光画像との差分をとる方法のみならず、2つの画像43、44から結果的にマーカー41の像のみを生成することができれば、どのような方法を用いてもよい。
次に、本実施形態の被検体検出装置によるマーカー方向検出の第2のケースを説明する。
第2のケースでは、図5Aに示すように、撮影視野50の中に横偏光の特性を有する他物体52と、縦偏光の特性を有するマーカー51が存在する。この撮影視野50を、縦偏光の光のみが画像として生成される第1のカメラ13で撮影すると、図5Bに示すように、撮影された画像53に縦偏光の特性を有するマーカー51が写り、同時に横偏光の光のみが画像として生成される第2のカメラ14で撮影すると、その画像54には横偏光の特性を有する他物体52のみが画像として生成される。この2つの画像53、54の差分(縦偏光画像から横偏光画像を引く)を計算すると、差分画像55には縦偏光の特性を有するマーカー51と横偏光の特性を有する他物体52の両方が画像として生成される。
このとき、マーカー51の像の画素値は正の値であり、他物体52の像の画素値は負の値であるから、差分画像55の中の最大画素値の領域をマーカー位置として特定することができる。また、図5Bに示すように、マーカー41の像の画素値と他物体42の像の画素値との差57は第1のケースのそれ(符号48)よりも充分大きくなるため、マーカー2の識別度がさらに向上する。
次に、本実施形態のマーカー方向検出による識別度向上を実験装置において確認した結果について説明する。
図6は実験装置の構成を示す図である。この実験装置60では、移動体121の地上面側にマーカー2と偏光板3を配置した。偏光板3の偏光方向を回転させるために、移動体121は回転ステージ122を介して飛行体支持構造体123に支持した。他物体として、空を模擬する液晶モニター124が使用され、これを撮影視野内の背景としている。撮像部7は移動体121を下から観測可能な位置に配置される。
図7は、上記の実験装置60において、2つのカメラ13、14による2つの撮影画像とこれらの差分画像を、マーカーと他物体の偏光方向を平行にした場合と直交させた場合のそれぞれについて示した図である。
図7において、上段はマーカーの偏光方向と背景の偏光方向が互いに一致(平行)する場合、下段はマーカーの偏光方向と背景の偏光方向が互いに直交する場合を示し、各々の段について、左側から、第1のカメラ13の偏光方向を背景の偏光方向に対して直交させた場合の撮影画像、第2のカメラ14の偏光方向を背景像の偏光方向と一致(平行)させた場合の撮影画像、および各画像の差分画像を示している。
上段の条件では、第1のカメラ13の偏光方向がマーカーおよび背景の偏光方向に対して直交するため、この第1のカメラ13の撮影画像70にはマーカーおよび背景はいずれも写らない。一方、第2のカメラ14の偏光方向はマーカーおよび背景の偏光方向と一致しているため、第2のカメラ14の撮影画像71にはマーカー76が写り、背景78も明るく写っており、移動体構造物の一部が影77として現れている。そして、第2のカメラ14による撮影画像71から第1のカメラ13の撮影画像70を差し引いた差分画像72では、マーカー79の位置の画素値が最大となっている。
下段の条件では、第1のカメラ13の撮影画像73にマーカー80が現れており、第2のカメラ14の撮影画像74には明るい背景81と移動体構造体の一部の影が映っている。そして第1のカメラ13の撮影画像73から第2のカメラ14による撮影画像74を差し引いた差分画像75では、マーカー82の位置の画素値が最大となる。
上記2つの差分画像72、75を比較すると、マーカー79、82の画素値はほぼ同じであるのに対して、背景83の画素値については、下段の条件の差分画像75の方が低い(暗い)ことがわかる。これは、差分画像75における背景83は負の画素値として現れたためである。したがって、差分画像75において、背景83の画素値とマーカー82の画素値との差が大きくなることから、マーカー82と背景83との識別度がより向上する。要するに、マーカーの偏光方向と背景の偏光方向とが互いに一致(平行)する場合よりもマーカーの偏光方向と背景の偏光方向とが互いに直交する場合の方が、マーカーの識別度が高くなる。
(移動体搭載部1の偏光板回転と撮像部7の波長板回転の制御の流れ)
本実施形態の被検体検出装置では、移動体搭載部1において、処理・制御部15から通信されたマーカー偏光指示方向と移動体の姿勢との相対関係から、マーカー2の偏光方向をその背景にある他物体の偏光方向に対して直交するように偏光板3を回転させる制御と、そのマーカー2の偏光方向に第1のカメラ13の偏光方向を合わせるように撮像部7の波長板8を回転させる制御が行われる。この一連の制御の流れを、図8および図2を参照して次に説明する。
図8の(a)において、101は図2のステップS01で処理・制御部15の他物体偏光測定部20により測定された他物体の偏光方向を示す。処理・制御部15は、測定された他物体の偏光方向をもとにマーカー偏光方向決定部21によってマーカー偏光指示方向を決定し(ステップS02)、これを無線通信部25を用いて移動体搭載部1に送信する(ステップS03)。
移動体搭載部1の無線通信部6は、処理・制御部15より送信されたマーカー偏光指示方向の情報を受信し、これを偏光板回転部5に供給する。図8の(b)に示すように、偏光板回転部5は、移動体姿勢検出部4により検出された移動体軸方向102から特定される現在の偏光板3の偏光方向103を算出し、図8(c)に示すように、現在の偏光板3の偏光方向103からマーカー偏光指示方向104までの回転角度θ1を算出し(ステップS04)、偏光板3をこの回転角度θ1だけ回転させて、マーカー2の偏光方向をマーカー偏光指示方向104に一致させる(ステップS05)。
次に、処理・制御部15は、撮像部姿勢検出部22にて第1のカメラ13の偏光方向105を検出し、この第1のカメラ13の偏光方向105がマーカー偏光指示方向104と平行となるように波長板8の回転角度θ2を波長板角度計算部23で計算する(ステップS06)。この計算結果は波長板回転機制御部24に供給される。波長板回転機制御部24は、算出された回転角度θ2だけ波長板8を回転させることによって、第1のカメラ13の偏光方向105をマーカー偏光指示方向104に一致させる(ステップS07)。
(波長板利用の効果)
次に、波長板8を用いた場合の効果について図9を用いて説明する。
移動体自体が回転した場合、マーカー2の偏光方向が回転することで、マーカー2の偏光方向と各カメラ13、14で撮影すべき偏光方向との関係も変化する。これにより、撮像部7の2つのカメラ13、14への入射光量が変化し、マーカー2の識別度が低下するおそれがある。
本実施形態では、撮像部7に、波長板8とこの波長板8の回転角度を調整する波長板回転機9を設け、マーカー偏光指示方向と撮像部7の姿勢から波長板8を適切な回転角度に回転させることによって、マーカー2の偏光方向と各カメラ13、14の偏光方向との関係を維持することとした。特に、本実施形態では第1のカメラ13に、より多くの光を入射させて、第1のカメラ13で撮影された像が差分画像で高い画素値となるように、第1のカメラ13に入射する光の偏光方向を波長板8を利用して調整する。
波長板8としては、例えば半波長タイプのものなどが用いられる。これらは位相差板とも呼ばれており、ある方向に直線偏光を持つ光が波長板8を透過すると、波長板8の軸方向との相対角度によって、偏光方向を任意に回転させることができる光学素子である。
図9において、符号90は、処理・制御部15のマーカー偏光方向決定部21により決定された第1のカメラ13から見たマーカーの偏光方向とする。ケース(ア)は波長板8を使用しない場合、ケース(イ)は波長板8を使用して入射光の偏光方向の角度を調整した場合を示している。
波長板8を使用しないケース(ア)では、第1のカメラ13に入射する光の偏光方向91は、第1のカメラ13から見たマーカー偏光方向90と同一となる。このため第1のカメラ13に入射する光の振幅92が減少するだけではなく、第2のカメラ14に入射する光の振幅成分の方が大きくなってしまう。一方、波長板8を使用するケース(イ)では、波長板8を適切な角度93に設定することで、第1のカメラ13に入射する光の偏光方向を、縦方向94に一致させることができる。このため、第1のカメラ13に入射する光の偏光方向95も縦方向となって、全ての振幅96の成分を第1のカメラ13に取り込むことができる。この結果、第1のカメラ13で撮影された像の画素値が高くなる。
図10A、図10Bに波長板8の回転角度に対する差分画像の最大画素値を計測した実験結果を示す。図10Aはマーカー2と第1のカメラ13との偏光方向が互いに平行である条件の場合、図10Bは直交する場合である。波長板8の角度はその軸角度が第1のカメラ13の偏光方向と一致するときに0°としている。
図10Aのように、マーカー2と第1のカメラ13との偏光方向が互いに平行の場合、波長板8の角度が0°のときに差分画素の最大値が最も高くなっている。図10Bのように、直交する場合は約45°のときに差分画素の最大値が最も高い値になっている。これは、第1のカメラ13の偏光方向に対してマーカー2の偏光方向がどの角度であっても、波長板8の回転角度を調整することで、差分画像におけるマーカー位置の画素値を最大化できることを意味している。
(他物体の偏光特性測定)
次に、他物体偏光測定部20による他物体の偏光方向の測定方法について、図11および図12を参照して説明する。
ここでは他物体が空である場合について説明する。太陽光が大気で散乱して地上に光が届く際、光の波長よりも小さい大気分子での散乱(レイリー散乱)が起こる。この散乱には偏光特性があり、その偏光方向130は太陽を中心とする同心円状となる。他物体偏光測定部20は、例えば、移動体121と太陽との位置関係などから撮影視野132内の空の偏光方向130を認識し、この空の偏光方向130に対して直交する方向をマーカー偏光指示方向131として算出する。
太陽の位置を計測する方法としては、例えば、観測地点から見た太陽の方向をカメラ映像などから計測する方法などを用いることができる。あるいは、年月日と時刻と装置設置位置の緯度経度から算出してもよい。その際、装置がどの方向を向いているかという情報が必要であるため、3軸地磁気センサーを用いてもよい。
<その他の変形例>
上記の実施形態では、移動体搭載部1の偏光板3の向きを背景の偏光方向に対して直交させるように回転させる第1の制御と、その偏光板3の偏光方向に第1のカメラ13の偏光方向を合わせるように波長板8を回転させる第2の制御が行われるが、それぞれの制御は、単独に採用してもかまわない。例えば、移動体の向きが固定される場合には、第1の制御を行わずに、単に偏光板3の偏光方向に第1のカメラ13の偏光方向を合わせるように波長板8を回転させるようにしてもよい。
上記の実施形態では、処理・制御部15の他物体偏光測定部20にて、他物体の偏光特性を測定して、マーカー偏光指示方向を決定することとしたが、移動体搭載部1の移動体姿勢検出部4(慣性計測装置(IMU:inertial measurement unit)など)によって検出された移動体の姿勢情報を無線通信によって処理・制御部15が取得することによってマーカー偏光指示方向を決定してもよい。
以上、マーカー2の偏光方向と他物体の偏光方向との関係を直交させることとしたが、本発明は、これらの方向の関係を完全に直交させない場合も含む。すなわち、マーカー2の偏光方向と他物体の偏光方向との関係は交差であってもよい。同様に、2つの光の偏光方向を平行(一致)させる場合も、本発明は、これらの方向の関係を完全に平行(一致)にはしない場合も含む。
上記の実施形態では、第1のカメラ13の撮影画像から第2のカメラ14の撮影画像を差し引いて差分画像を生成したが、逆に、第2のカメラ14の撮影画像から第1のカメラ13の撮影画像を差し引いて差分画像を生成してもよい。この際、2つの撮影画像からマーカーの像を生成することができれば、差分以外の方法を用いてもよい。
上記の実施形態では、移動体搭載部1の偏光板3を回転させてマーカー2の偏光方向を回転させることとしたが、移動体自体の姿勢を回転させてマーカー2の偏光方向を回転させてもよい。
また、撮像部7において、波長板8を回転させる構成したが、撮像部7自体を回転させてもよい。
マーカー2と偏光板3に代えて、偏光生成部として、コヒーレント光を生成する光源(例えば、低出力レーザー光源)を使用することができる。この場合移動体搭載部1は、偏光板回転部3に代えて、光源そのものを回転させる光源回転部を有することになる。
本実施の形態では、被検体は移動体とし、処理・制御部15で移動体搭載部1に設けられたマーカー2の位置を検出するものとしたが、処理・制御部15を移動体に載置して、非移動に固定されたマーカー2の担持体を被検体とすることも可能である。また、処理・制御部15を移動体に載置して、被検体である他の移動体に搭載されたマーカー2の位置を検出することもできる。
本実施形態の本実施形態の被検体検出装置は、既に述べた効果の他、先行文献に挙げた各技術に対して、次のような優位性を有している。
(1)特許文献1の技術に対比して、マーカーよりも明るい他物体が存在しても、偏光差分処理を行うことによりその影響を抑えてマーカーを特定することができる。
(2)特許文献2の技術に対比して、大量のテンプレート画像を使用する必要がないため、処理が速く、移動体を追従する場合などにも充分高い速度で対応できる。
(3)特許文献3の技術は、異なる時刻の画像を撮影してその差をとるため、目標以外にも動きが生じる場合は、目標を誤認識してしまう可能性があるが、本実施形態の装置では同時刻で撮影された2画像の差をとるので、その影響を受けない。
(その他)
本実施形態の被検体検出装置は、例えば地上から飛行体への無線給電を行う装置において、飛行体の位置を高い識別度で検出し、その飛行体に高い指向性での無線給電を実現するための手段として利用可能である。例えば、火星探査用の飛行体に無線給電を行うために、その火星探査用の飛行体の位置を検出する場合にも利用可能である。
1…移動体搭載部
2…マーカー
3…偏光板
4…移動体姿勢検出部
5…偏光板回転部
6…無線通信部
7…撮像部
8…波長板
9…波長板回転機
11…レンズ
12…偏光分離器
13…第1のカメラ
14…第2のカメラ
15…処理・制御部
16…画像取得部
17…トリガー信号発生部
18…画像処理部
19…検出方向角度出力部
20…他物体偏光測定部
21…マーカー偏光方向決定部
22…撮像部姿勢検出部
23…波長板角度計算部
24…波長板回転機制御部
25…無線通信部

Claims (4)

  1. 第1の偏光方向の直線偏光特性を有するマーカーと、前記マーカーと異なる偏光特性を有する他物体とを有する被検体と、
    前記マーカーと前記他物体を含む視野領域を対象に、前記第1の偏光方向の成分の第1の画像を撮影する第1の撮像部と、
    前記視野領域を対象に前記第1の偏光方向に交差する第2の偏光方向の成分の第2の画像を撮像する第2の撮像部と、
    前記第1の画像および前記第2の画像に基づいて、前記マーカーの位置を判定する画像処理部とを有する
    被検体検出装置。
  2. 請求項1に記載の被検体検出装置であって、
    前記他物体の偏光方向を認識する他物体偏光測定部と、
    前記他物体偏光測定部により認識された前記他物体の偏光方向をもとに前記第1の偏光方向を決定する第1の偏光方向決定部とをさらに具備する
    被検体検出装置。
  3. 請求項2に記載の被検体検出装置であって、
    前記マーカーに直線偏光特性を付与する偏光板と、
    前記第1の偏光方向決定部により決定された前記第1の偏光方向の直線偏光特性を付与するように前記偏光板および前記被検体のいずれか一方を回転させるように構成された
    被検体検出装置。
  4. 請求項2に記載の被検体検出装置であって、
    前記第1の撮像部および前記第2の撮像部への入射光の偏光方向を回転させる波長板と、
    前記第1の偏光方向決定部により決定された前記第1の偏光方向に前記第1の撮像部の偏光方向を一致させるように前記波長板を回転させる波長板制御部とをさらに具備する
    被検体検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021111779A1 (ja) * 2019-12-02 2021-06-10 ソニーグループ株式会社 情報処理装置と情報処理方法およびプログラム

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