JP2019117160A - 発熱組成物の良否判断方法及びその装置 - Google Patents

発熱組成物の良否判断方法及びその装置 Download PDF

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Abstract

【課題】発熱組成物の良否を簡単に判断できる発熱組成物の良否判断方法を提供することができる。
【解決手段】本発明の発熱組成物の良否判断方法は、所定角度に傾斜した状態で支持されている平面部2又は溝部5に、所定量の発熱組成物を供給する。次に、平面部2又は溝部5への供給位置20から下流側に離間した第1標点21に発熱組成物が到達してから、第1標点21下流側に離間した第2標点22に該発熱組成物が到達するまでの時間を測定する。そして測定された時間に基づいて発熱組成物の良否を判断する。
【選択図】図3

Description

本発明は、使い捨てカイロなどに用いられる発熱組成物の塗工性能の良否を判断する方法及びその装置に関する。
空気中の酸素と被酸化性金属との酸化反応に伴う発熱を利用した発熱体の製造方法に関する技術として、本出願人は、例えば、増粘剤溶液と、被酸化性の金属粒子と、炭素成分の水分散液とを投入・混合して発熱組成物の塗料を調製する調製槽である配合槽から、該塗布液を一時的に貯留可能な中継槽である供給槽を経由して塗布手段へ供給する発熱体の製造方法を提案した(特許文献1)。特許文献1に記載の発熱体の製造方法によれば、発熱体の製造中間体である塗料を効率良く製造することができる。このように製造された発熱組成物の塗料は、塗布手段を介して、フィルム状ないしシート状の基材に塗工され使用される。
これとは、別の技術として、特許文献2には、電子写真式プリンタや電子複写機などに用いる現像剤の流動性試験方法に関し、傾斜可能な現像剤載置台に所定量の現像剤を載置して徐々に傾斜させ、現像剤の流れ出す傾斜角度と流れ終わる傾斜角度とで流動性を判断する現像剤の流動性試験方法が開示されている。
また、特許文献3には、モルタル、コンクリートのような液状の建築・土木用材料の流動性を評価するための流動性試験方法に関し、所定容量の液状材料を、予め決められた所定角度で傾斜した樋状体の上端側から流下させ、樋状体の一定の距離に到着するまでの時間を測定し、この時間の長短をもって液状材料の流動性を評価する流動性試験方法が開示されている。
特開2013−100470号公報 特開平4−116449号公報 特開2000−356578号公報
特許文献1に記載の製造方法で製造された発熱組成物の塗料は、配合槽から供給槽へ移送するとき、又は供給槽から塗布手段へ移送するときに、塗料の物性によっては、配合槽の壁面又は供給槽の壁面に塗料が付着したり、塗布手段まで塗料を移送することができず、発熱体の品質低下を招くおそれがある。従来から、塗料の物性は、B型粘度計を用いてその粘度が測定され、その測定値から塗料の良否を判断することが行われている。
しかし、発熱組成物の塗料は、チキソ性を有していることが多く、チキソ性を有している場合には、配合槽又は供給槽の攪拌条件、或いは経時により粘性が変化してしまうため、測定の際に攪拌を伴うB型粘度計による粘度測定値では塗料の良否の見極めが難しかった。また、発熱組成物の塗料の外観とB型粘度計による粘度測定値との相関がとれず、塗料の良否の見極めが難しかった。そのため、B型粘度計に代わる、測定の際に攪拌を伴わずに塗料の良否を簡単に判断できる方法が求められていた。
特許文献2及び特許文献3に記載の試験方法は、チキソ性のある試料を試験するものではなく、特許文献2及び特許文献3には、発熱組成物の塗料を測定することに関して、何ら記載されていない。
したがって本発明は、発熱組成物の良否を簡単に判断できる発熱組成物の良否判断方法及びその装置を提供することにある。
本発明は、所定角度に傾斜した状態で支持されている平面部又は溝部に、所定量の発熱組成物を供給し、該平面部又は該溝部への供給位置から下流側に離間した該平面部又は該溝部の第1の位置に該発熱組成物が到達してから、該平面部又は該溝部の該第1の位置よりも下流側に離間した第2の位置に該発熱組成物が到達するまでの時間を測定し、測定された時間に基づいて発熱組成物の良否を判断する、発熱組成物の良否判断方法を提供するものである。
また、本発明は、第1標点及び第2標点を有する平面部又は溝部と、前記平面部又は前記溝部を所定角度で傾斜するように支持する支持体と、発熱組成物を収容する供給容器とを備え、前記供給容器内に収容された所定量の発熱組成物を前記平面部又は前記溝部の上流側に供給し、該平面部又は該溝部への供給位置から下流側に離間した前記第1標点に該発熱組成物が到達してから、該第1標点よりも下流側に離間した前記第2標点に該発熱組成物が到達するまでの時間を測定し、測定された時間に基づいて発熱組成物の良否が判断できるようになっている発熱組成物の良否判断装置を提供するものである。
本発明によれば、発熱組成物の良否を簡単に判断できる。
図1は、本発明の発熱組成物の良否判断方法に用いる好ましい一実施形態の良否判断装置の概略図である。 図2は、図1に示す良否判断装置を側面視した状態の概略図である。 図3は、図1に示す良否判断装置を用いて発熱組成物の良否を判断している状態を説明する説明図である。 図4は、本発明の発熱組成物の良否判断方法に用いる好ましい他の実施形態の良否判断装置の概略図である。 図5は、第1標点からの距離を横軸にし、発熱組成物の到達時間を縦軸にした実施例1〜7の発熱組成物及び参考例1〜3の発熱組成物に関するグラフである。
本発明の良否判定方法の対象は、被酸化性の金属粒子及び水を含有する流動性の発熱組成物である。流動性の発熱組成物は、被酸化性の金属粒子、反応促進剤、増粘剤及び水を必須成分として含有するチキソ性のある被酸化性金属含有液である。発熱組成物は、金属粒子と空気中の酸素との酸化反応に伴う発熱を利用するものであり、典型的には、使い捨てカイロなどの発熱具における発熱体として使用される。発熱具は、その他、例えば、人体の腰部や肩などに装着させて全身の血行を促進させるために好適に用いられたり、目の上に装着させてリラックスするために好適に用いられる。
発熱具に使用される発熱体は、典型的には、金属粒子、反応促進剤、増粘剤及び水などを混合して塗料を調製し、この塗料を基材シートに塗工した後、さらに、その塗工された塗料に電解質を添加し、該塗料に他方の基材シートを重ねることで製造される。本発明の良否判定方法の対象となるのは、この塗料、即ち流動性の発熱組成物である。
このように、製品としての発熱体における発熱組成物中には通常、電解質が含有されるが、本発明の良否判定方法の対象となる発熱組成物は、塗料としての流動性のある発熱組成物、或いは塗料としてのスラリー状の発熱組成物であり、該塗料には通常、電解質は含有されない。その理由は、塗料たる発熱組成物の保管中における金属粒子の酸化を防止して発熱ロスを低減するためである。電解質としては、金属粒子の表面に形成された酸化物の溶解が可能なものが用いられ、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属又は遷移金属の硫酸塩、炭酸塩、塩化物又は水酸化物等が挙げられ、特に塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化第一鉄、塩化第二鉄が好ましく用いられる。
流動性の発熱組成物に含まれる被酸化性の金属粒子としては、例えば、鉄、アルミニウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム、カルシウム等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらの金属粒子の中でも、特に鉄が好ましく用いられる。
流動性の発熱組成物に含まれる反応促進剤としては、例えば、活性炭(椰子殻炭、木炭粉、暦青炭、泥炭、亜炭等)、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらの反応促進剤は、通常、粉体である。
流動性の発熱組成物に含まれる増粘剤は、主として、被酸化性の金属粒子の沈降を抑制し、流動液に適度な流動性を付与するために使用されるもので、例えば、セルロース系、デンプン系、ポリ(メタ)アクリル酸(塩、エステル)系、シロップ系、海藻類、植物粘質物、微生物による粘質物、タンパク質系、多糖類系、有機系、無機系、合成系等の高分子成型助剤等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらの増粘剤の中でも、特に多糖類系、とりわけキサンタンガムが好ましく用いられる。
流動性の発熱組成物に含まれる金属粒子及び反応促進剤のそれぞれの粒径は、好ましくは20μm以上、更に好ましくは30μm以上、そして、好ましくは150μm以下、更に好ましくは100μm以下、具体的には、好ましくは20μm以上150μm以下、更に好ましくは30μm以上100μm以下である。
流動性の発熱組成物に含まれる金属粒子の固形分の含有量は、塗布性(流動性)及び発熱特性の観点から、発熱組成物の全質量に対して、好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、そして、好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下、より具体的には、好ましくは40質量%以上80質量%以下、更に好ましくは50質量%以上70質量%以下である。
流動性の発熱組成物に含まれる反応促進剤の固形分の含有量は、塗布性(流動性)及び発熱特性の観点から、発熱組成物の全質量に対して、好ましくは2質量%以上、更に好ましくは4質量%以上、そして、好ましくは8質量%以下、更に好ましくは6質量%以下、より具体的には、好ましくは2質量%以上8質量%以下、更に好ましくは4質量%以上6質量%以下である。
流動性の発熱組成物に含まれる増粘剤の含有量は、発熱組成物の全質量に対して、好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.10質量%以上、そして、好ましくは0.25質量%以下、更に好ましくは0.20質量%以下、より具体的には、好ましくは0.05質量%以上0.25質量%以下、更に好ましくは0.10質量%以上0.20質量%以下である。
流動性の発熱組成物に含まれる水の含有量は、発熱組成物の全質量に対して、好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、そして、好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下、より具体的には、好ましくは20質量%以上50質量%以下、更に好ましくは30質量%以上40質量%以下である。
流動性の発熱組成物の粘度は、塗布性(流動性)及び発熱特性の観点から、23℃・50RHにおいて、好ましくは1000mPa・s以上、更に好ましくは2000mPa・s以上、そして、好ましくは20000mPa・s以下、更に好ましくは19000mPa・s以下、より具体的には、好ましくは1000mPa・s以上20000mPa・s以下、更に好ましくは2000mPa・s以上19000mPa・s以下である。粘度の測定には、B型粘度計の4号ローターを用いて測定する。
流動性の発熱組成物は、金属粒子、反応促進剤、増粘剤及び水に加えて更に、必要に応じ他の成分を含有させることができる。他の成分としては、例えば、pH調整剤、界面活性剤、保水剤等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
pH調整剤としては、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の弱酸性塩、水酸化物等を用いることができ、より具体的には、リン酸カリウム塩、リン酸ナトリウム塩等を用いることができる。pH調整剤の好ましい例として、例えば、水酸化カリウム、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、ピロリン酸カリウム、トリポリリン酸カリウム、メタリン酸カリウム等のリン酸カリウム塩が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。pH調整剤によって、流動性の発熱組成物のpHは、10.0以上に調整されることが好ましく、10.8以上に調整されることが更に好ましい。
図1には、本発明の発熱組成物の良否判断方法の実施に使用される発熱組成物の良否判断装置1の概略構成が示されている。良否判断装置1は、第1標点21及び第2標点22を有する平面部2と、平面部2を所定角度で傾斜するように支持する支持体3と、発熱組成物を収容する供給容器4とを備えている。平面部2は、平板状のものであり、平面視して長方形状に形成されており、長手方向Xの長さが405mm、幅方向Yの長さが300mm、厚みが10mmの寸法となっている。尚、平面部2を傾斜させた際に、平面部2に撓みが生じる場合には撓みを防止する補強部材を追加しても良い。
平面部2は、試験状況によって適宜材質を選択することができるが、流動性の発熱組成物である塗料の流動性を可視化する観点から、塗料を攪拌する配合槽又は供給槽の材質と同じ金属で形成されていることが好ましく、ステンレス鋼で形成されていることが更に好ましい。ステンレス鋼の中でもオーステナイト系のステンレス鋼を使用することが好ましく、具体的にはSUS304を用いることが好ましい。平面部2は、同様の観点から、塗料が供給される側の上面を表面仕上げしていることが好ましく、バフ♯400相当によって研磨仕上げしていることが好ましい。
平面部2は、図1に示すように、長手方向Xに間隔を空けて配された第1標点21及び第2標点22を有している。第1標点21と第2標点22との間隔は、任意に設定することができるが、良否判断装置1では、150mmに設定されている。また、平面部2は、第1標点21及び第2標点22以外に、少なくとも1つの別標点23を有している。平面部2は、良否判断装置1では、第1標点21から長手方向Xに等間隔を空けて別標点23を有している。該等間隔は、任意に設定することができるところ、良否判断装置1では、50mmに設定されている。その為、良否判断装置1では、第1標点21と第2標点22との間に二つの別標点231,232が配され、第2標点22よりも下流側に更に二つの別標点233,234が配されている。平面部2には、その上面に、第1標点21、第2標点22及び四つの別標点231〜234に対応する位置に、目盛りが付されている。
支持体3は、図1に示すように、平面部2を配置する水平な面を有する基台31と、基台31から垂直に延びる支柱32とを有している。平面部2は、基台31の水平な面上に傾斜させて配置され、長手方向Xの一方の端部を支柱32で支持して、傾斜角度を所定の角度に調整可能となっている。基台31の水平な面に対する平面部2の傾斜角度は、チキソ性のある流動性の発熱組成物を測定する場合には、前記傾斜角度が大きく発熱組成物の平面部2との接触が十分でないことにより、すべり抵抗が得られないため低粘度の物性のものには差が出にくいといった観点、及び前記傾斜角度が小さく測定する時間が長い場合、発熱組成物の分離が起き易くなることや水分の蒸発が考えられ、測定精度が得られないといった観点から適切な測定時間を決定すると、30度以上60度以下に調整できることが好ましく、40度以上50度以下に調整できることが更に好ましく、良否判断装置1では、図2に示すように、45度に調整されている。支持体3は、支柱32の上端側に、平面部2の幅方向Yに平行に延びる軸部33を有し、軸部33の先端に発熱組成物を収容する供給容器4が取り付けられている。軸部33は、軸部33の軸方向を中心に回転可能に、支柱32に取り付けられており、軸部33の先端に取り付けられた供給容器4が、軸部33の回転に伴って所定の速度で回動するようになっている。
供給容器4は、発熱組成物を収容するものであり、流動性の発熱組成物が容器の中に残留しないようにする観点から、帯電防止剤が付与された容器であることが好ましい。供給容器4は、注ぎ口が尖った形状のトレイであり、流動性の発熱組成物を1.0g以上〜150g以下程度収容できるものである。このようなトレイとしては、アズワン株式会社製の商品名「バランストレイ」品番「1−5239−02」を用いることができる。上述したように、供給容器4は軸部33の軸方向を中心に所定の速度で回動するようになっており、供給容器4の注ぎ口の先端が平面部2に接する位置、言い換えれば、発熱組成物の平面部2への供給位置20が、傾斜して配置された平面部2の第1標点21よりも長手方向X上流側に間隔を空けた位置に一致するようになっている。供給位置20は、良否判断装置1では、第1標点21よりも長手方向X上流側に25mm間隔を空けた位置となっている。
次に、本発明の発熱組成物の良否判断方法の一実施形態について、上述した良否判断装置1を用いる発熱組成物の良否判断方法を例に挙げて説明する。
良否判断装置1を用いる発熱組成物の良否判断方法は、23℃・50RHの測定環境下で試験する。まず、試験を開始する前に、試料Sとして、塗料としての流動性のある発熱組成物を調整しておく。具体的には、配合槽の攪拌手段による攪拌下に、流動性の発熱組成物の成分である被酸化性の金属粒子、反応促進剤、増粘剤及び水の所定量を配合槽に投入し、各成分を混合して、塗料である流動性の発熱組成物を調整する。調整された流動性の発熱組成物は、その後、23℃・50RHの測定環境下で静置して、流動性の発熱組成物の温度を測定環境の温度に合わせる。
次いで、試料Sとして、所定量の流動性の発熱組成物を供給容器4内に収容する。次いで、供給容器4を軸部33の軸方向を中心に回動させ、45度に傾斜した状態で支持されている平面部2に、試料Sを供給する。そして、平面部2への供給位置20から下流側に離間した平面部2の第1の位置である第1標点21に試料Sの先端が到達してから、平面部2の第1標点21よりも下流側に離間した第2の位置である第2標点22に試料Sの先端が到達するまでの時間を測定する。そして、測定された時間に基づいて、試料Sの発熱組成物としての良否を判断する。発熱組成物の良否は、測定された時間と、第1標点21及び第2標点22の区域で測定された基準時間とを比較することによって判断できる。基準時間は、発熱組成物の成分を配合槽で調整した後、配合槽から発熱組成物を移送して基材シートに塗工できた流動性の良好な複数の標準試料を、予め良否判断装置1を用いて実施して求められた時間のうち、上限時間と下限時間とを有する範囲のある時間である。測定された時間が基準時間の範囲内であれば、試料Sは、発熱組成物として良と判断できる。そして、測定された時間が基準時間の上限時間よりも遅ければ、例えば、ポンプなどで移送する際の圧力が高くなるので離水を起こし易く、発熱組成物として不良と判断できる。測定された時間が基準時間の下限時間よりも早ければ、例えば、金属粒子等が沈降し易く、発熱組成物として不良と判断できる。また、供給された試料Sが平面部2上を流れるときの試料Sの流れ易さを可視化できる。
また、第1標点21に試料Sの先端が到達してから第1の位置である第1標点21よりも下流側に離間した別の位置である別標点231に試料Sの先端が到達するまでの時間、第1標点21に試料Sの先端が到達してから別標点231よりも下流側に離間した別標点232に試料Sの先端が到達するまでの時間、第1標点21に試料Sの先端が到達してから別標点232よりも下流側に離間した第2の位置である第2標点22に試料Sの先端が到達するまでの時間を、それぞれ測定する。また、第1標点21に試料Sの先端が到達してから第2標点22よりも下流側に離間した別標点233に試料Sの先端が到達するまでの時間、第1標点21に試料Sの先端が到達してから別標点233よりも下流側に離間した別標点234に試料Sの先端が到達するまでの時間を、それぞれ測定する。そして、第1標点21及び別標点231の区域で測定された時間、第1標点21及び別標点232の区域で測定された時間、第1標点21及び第2標点22の区域で測定された時間、第1標点21及び別標点233の区域で測定された時間、第1標点21及び別標点234の区域で測定された時間を、それぞれ、各区域で測定された基準時間と比較することによって、試料Sの発熱組成物としての良否を判断する。このように、各区域で測定された基準時間と比較することによって、試料Sが発熱組成物として良か不良かを更に詳細に判断できる。
また、平面部2に試料Sを供給し、平面部2の第1標点21に到達したときの試料Sの広がり幅と平面部2の第2標点22の位置に到達したときの試料Sの広がり幅を比較して、発熱組成物の良否を判断する。チキソ性のある流動性の発熱組成物を測定する場合、供給位置から下方へ移動した試料が拡散されないので、発熱組成物の良否を目視にて判断することができる。塗料が均一な場合は、供給位置から下方へ移動する試料Sはほぼ一直線上に平面上を滑っていき、直線性がある。この場合、発熱組成物としての試料Sが良い状態である。塗料が不均一な場合は、試料Sは一直線上に平面上を滑っては行かず、流れ方向が変化したり、枝分かれしたりして、描かれた軌跡がランダムウォーク状になっている。この場合、試料Sは悪い状態である。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。
例えば、良否判断装置は、図1に示す良否判断装置1以外に、図4に示す良否判断装置1であってもよい。図1に示す良否判断装置1は、平面部2を備えているが、平面部2の代わりに、図4に示す良否判断装置1は溝部5を備えている。図4に示す良否判断装置1については、図1に示す良否判断装置1と異なる構成部分を主として説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない構成部分は、図1に示す良否判断装置1についての説明が適宜適用される。
溝部5は、図4に示すように、長手方向Xに長い矩形状の板状体25の上面に長手方向Xに連続して延びており半円筒状に形成されている。板状体25は、図1に示す平面部2と同様に構成されており、板状体25の上面に、第1標点21、第2標点22及び四つの別標点231〜234に対応する位置に、目盛りが付されている。半円筒状の溝部5は、断面が半径10mm〜50mmの半円形に形成されている。図4に示す良否判断装置1を使用する発熱組成物の良否判断方法は、図1に示す良否判断装置1を使用する発熱組成物の良否判断方法と同様にして、溝部5に発熱組成物を供給して、測定された時間に基づいて、該発熱組成物の良否を判断することができる。特に、溝部5に発熱組成物を供給して該発熱組成物の良否を判断する方法は、測定の再現性が高まる効果を奏する。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明の範囲は斯かる実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〕
被酸化性の金属粒子、反応促進剤、増粘剤及び水の所定量を配合槽に投入し、各成分を混合して得られた流動性の発熱組成物である塗料を、実施例1の発熱組成物として使用した。被酸化性の金属粒子として鉄粉(DOWA IPクリエイション株式会社製、RKH、メジアン粒径59.8μm)、反応促進剤として活性炭(大阪ガスケミカル株式会社製、カルボラフィン)、増粘剤(PSP五協フード&ケミカル株式会社製、ラボールガムGS−C)、pH調整剤(和光純薬工業株式会社製、リン酸三カリウム)、(関東化学株式会社製、48%水酸化カリウム水溶液)を用いた。発熱組成物の全質量に対し、鉄粉58.12質量%、活性炭4.63質量%、増粘剤0.14質量%、pH調整剤1.31質量%(リン酸三カリウム:1.04質量%、48%水酸化カリウム水溶液:0.27質量%)、水35.80質量%であった。実施例1で得られた塗料は移送不良が発生しなかった。調整された塗料は、その後、23℃・50RHの測定環境下で静置して、塗料の温度を測定環境の温度に合わせた。また、実施例1の発熱組成物は、B型粘度計を用いて測定した粘度が8200mPa・sであった。
〔実施例2〜7〕
活性炭のロット変更があったときに、移送不良が発生しなかった6例を実施例1と同様に塗料を調整し、実施例2〜7の発熱組成物とした。実施例2〜7の発熱組成物は、活性炭のロット変更以外の変更はなかった。実施例2〜7の発熱組成物の粘度を、実施例1と同様に測定した結果、実施例2〜7の発熱組成物の粘度は、それぞれ、順に、9700mPa・s、8400mPa・s、7100mPa・s、6800mPa・s、5600mPa・s、4300mPa・sであった。
〔参考例1〜3〕
活性炭のロット変更があったときに、移送不良が発生した3例を実施例1と同様に塗料を調整し、参考例1〜3の発熱組成物とした。参考例1〜3の発熱組成物の粘度を、実施例1と同様に測定した結果、参考例1〜3の発熱組成物の粘度は、それぞれ、順に、14200mPa・s、8800mPa・s、2800mPa・sであった。
〔評価〕
図1に示す良否判断装置1と基本構成が同じ良否判断装置を用いて、実施例1〜7の発熱組成物及び参考例1〜3の発熱組成物の良否を判断した。具体的には、5.0gの実施例1〜7の発熱組成物及び参考例1〜3の発熱組成物を、それぞれ、試料Sとして供給容器4内に収容した。次いで、供給容器4を回動させ、45度に傾斜した平面部2に、試料Sを供給した。そして、平面部2への供給位置20から下流側に離間した平面部2の第1標点21に試料Sの先端が到達してから、別標点231、別標点232、第2標点22、別標点233、及び別標点234に、それぞれ、試料Sの先端が到達するまでの時間を測定し、得られた結果を図5に示した。図5は、実施例1〜7の発熱組成物及び参考例1〜3の発熱組成物に関し、第1標点21からの距離を横軸にし、各発熱組成物の到達時間を縦軸にしたグラフである。尚、図5に示す破線で囲まれた領域は、発熱組成物として良好であった標準試料を予め図1に示す良否判断装置1を用いて求めた基準時間の範囲である。
図5に示す結果から、実施例1〜7の発熱組成物は、平面部2の第1標点21に試料Sの先端が到達してから第2標点22に試料Sの先端が到達するまでの時間が、基準時間の範囲内であり、発熱組成物として良と判断できた。また、図5に示す結果から、参考例1〜2の発熱組成物は、平面部2の第1標点21に試料Sの先端が到達してから第2標点22に試料Sの先端が到達するまでの時間が、基準時間の上限時間よりも遅く、発熱組成物として不良と判断できた。また、図5に示す結果から、参考例3の発熱組成物は、平面部2の第1標点21に試料Sの先端が到達してから第2標点22に試料Sの先端が到達するまでの時間が、基準時間の下限時間よりも早く、発熱組成物として不良と判断できた。よって、図1に示す良否判断装置1を用いれば、発熱組成物の良否を簡単に判断できる。
尚、参考例2の発熱組成物は、その粘度が8800mPa・sであり、粘度が9700mPa・sである実施例2の発熱組成物と、粘度が8400mPa・sである実施例3の発熱組成物との間に位置する粘度を有する発熱組成物である。以上のことから、B型粘度計を用いて測定した粘度からは発熱組成物として良と判断されていたものが、図1に示す良否判断装置1を用いれば発熱組成物として不良と判断できた。よって、図1に示す良否判断装置1を用いれば、B型粘度計を用いて測定した粘度よりも正確に、発熱組成物の良否の判断を容易に行うことが期待できる。
1 良否判断装置
2 平面部
20 供給位置
21 第1標点
22 第2標点
23 別標点
3 支持体
31 基台
32 支柱
33 軸部
4 供給容器
5 溝部
25 板状体
S 試料

Claims (7)

  1. 所定角度に傾斜した状態で支持されている平面部又は溝部に、所定量の発熱組成物を供給し、該平面部又は該溝部への供給位置から下流側に離間した該平面部又は該溝部の第1の位置に該発熱組成物が到達してから、該平面部又は該溝部の該第1の位置よりも下流側に離間した第2の位置に該発熱組成物が到達するまでの時間を測定し、測定された時間に基づいて発熱組成物の良否を判断する、発熱組成物の良否判断方法。
  2. 前記平面部又は前記溝部の前記第1の位置に前記発熱組成物が到達してから、該第1の位置から下流側に離間した前記第2の位置以外の少なくとも1つの別の位置に到達するまでの時間を測定し、測定された時間に基づいて発熱組成物の良否を判断する、請求項1に記載の発熱組成物の良否判断方法。
  3. 供給容器内に前記発熱組成物を収容しておき、該供給容器を回動することによって、前記平面部又は前記溝部に該発熱組成物を供給する、請求項1又は2に記載の発熱組成物の良否判断方法。
  4. 前記平面部に前記発熱組成物を供給し、該平面部の前記第1の位置に到達したときの該発熱組成物の広がり幅と該平面部の前記第2の位置に到達したときの該発熱組成物の広がり幅を比較して、発熱組成物の良否を判断する、請求項1〜3の何れか1項に記載の発熱組成物の良否判断方法。
  5. 第1標点及び第2標点を有する平面部又は溝部と、
    前記平面部又は前記溝部を所定角度で傾斜するように支持する支持体と、
    発熱組成物を収容する供給容器とを備え、
    前記供給容器内に収容された所定量の発熱組成物を前記平面部又は前記溝部の上流側に供給し、該平面部又は該溝部への供給位置から下流側に離間した前記第1標点に該発熱組成物が到達してから、該第1標点よりも下流側に離間した前記第2標点に該発熱組成物が到達するまでの時間を測定し、測定された時間に基づいて発熱組成物の良否が判断できるようになっている発熱組成物の良否判断装置。
  6. 前記平面部又は前記溝部は、前記第1標点及び前記第2標点以外に少なくとも1つの別標点を有しており、
    前記第1標点に該発熱組成物が到達してから、該第1標点よりも下流側に離間した前記別標点に到達するまでの時間を測定し、測定された時間に基づいて発熱組成物の良否が判断できるようになっている、請求項5に記載の発熱組成物の良否判断装置。
  7. 前記供給容器は、所定の速度で回動するようになっている、請求項5又6に記載の発熱組成物の良否判断装置。
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