JP2019115982A - 複合成形体 - Google Patents
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Abstract
Description
1.板状植物繊維基材部と、前記板状植物繊維基材部の端面に接合された、板状熱可塑性樹脂基材部とを備える複合成形体において、
前記板状植物繊維基材部が、前記板状熱可塑性樹脂基材部の側へと拡幅され、前記板状熱可塑性樹脂基材部が幅狭とされている箇所を備えることを特徴とする複合成形体。
2.前記板状植物繊維基材部の前記端面が、前記板状植物繊維基材部の両端部側から中央部へと徐々に前記板状熱可塑性樹脂基材部の側へと傾斜している前記1.に記載の複合成形体。
3.前記板状熱可塑性樹脂基材部の長さ方向において幅広となっている幅広部で、前記板状植物繊維基材部が前記板状熱可塑性樹脂基材部の側へとV字状又は弧状に拡幅されている前記1.に記載の複合成形体。
4.前記板状熱可塑性樹脂基材部の前記板状植物繊維基材部の前記端面に接合された一方の端面とは反対側の他方の端面は略平坦面である前記1.乃至3.のうちのいずれか1項に記載の複合成形体。
5.前記板状植物繊維基材部を構成する植物繊維がケナフ繊維である前記1.乃至4.のうちのいずれか1項に記載の複合成形体。
6.前記植物繊維同士が、熱可塑性樹脂及び酸変性熱可塑性樹脂により結着されている前記1.乃至5.のうちのいずれか1項に記載の複合成形体。
7.車両用内装材である前記1.乃至6.のうちのいずれか1項に記載の複合成形体。
また、繊維基材部の端面が、繊維基材部の両端部側から中央部へと徐々に樹脂基材部の側へと傾斜している場合は、樹脂基材部が全長さに亘って繊維基材部によって幅狭とされているため、樹脂基材部の繊維基材部の端面に接合された端面とは反対側の端面を、全長さに亘ってより平坦な面とすることができる。
更に、樹脂基材部の長さ方向において幅広となっている幅広部で、繊維基材部が樹脂基材部の側へとV字状又は弧状に拡幅されている場合は、樹脂基材部の特に変形し易い個所での変形を十分に抑えることができ、樹脂基材部の繊維基材部の端面に接合された端面とは反対側の端面を、全長さに亘ってより平坦な面とすることができる。
また、樹脂基材部の繊維基材部の端面に接合された一方の端面とは反対側の他方の端面が略平坦面である場合は、例えば、車両用内装材等の複合成形体を、他部材に容易に組み込むことができ、パネル等に容易に取り付けることができる。
更に、繊維基材部を構成する植物繊維がケナフ繊維である場合は、二酸化炭素排出量削減及び二酸化炭素の固定化等の観点で、より有用な複合成形体とすることができる。
また、植物繊維同士が、熱可塑性樹脂及び酸変性熱可塑性樹脂により結着されている場合は、優れた曲げ剛性等を有する複合成形体とすることができる。
更に、複合成形体が車両用内装材である場合は、他の内装材への組み付け、パネルへの取り付けなどが容易な内装材とすることができる。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
本発明の複合成形体10では、繊維基材部1が、樹脂基材部2の側へと拡幅され、樹脂基材部2が幅狭とされている箇所を備える。即ち、繊維基材部1と樹脂基材部2との合計幅が同じであって、繊維基材部1が拡幅されることで、樹脂基材部2が幅狭とされている箇所を備える。
樹脂基材部2は繊維基材部1と比べて熱収縮率が大きく、成形後の冷却過程及び冷却後の養生過程において、樹脂基材部2は幅方向、長さ方向ともに寸法変化が大きい。一方、繊維基材部1は幅方向、長さ方向ともに寸法変化が小さい。特に、樹脂基材部2の長さ方向の寸法が幅方向の寸法と比べて大きい、例えば、樹脂基材部2が長方形に近似の形状である場合、長さ方向の熱収縮(Ls)が大きく、長さ方向の両端部側における幅方向の熱収縮(Es)はLsと比べて相当に小さく、長さ方向の中央部における幅方向の熱収縮(Cs)はEsと比べて大きくなる。
樹脂基材部2が、図8のように、長さ方向の一部において他部の幅狭部23と比べて幅広となっている幅広部25を有する場合、前記(a)に記載したような熱収縮の相関によって、樹脂基材部の幅広部25において、樹脂基材部の他方の端面が、長さ方向の幅広部25の中央部において弧状に変形し(変形部3参照)、破線による仮想線で表す平坦面から離間することになる。このように端面が変形すると、複合成形体20を他の部材に組み付けたり、固定したりするときの作業性が低下するという問題がある。
繊維基材部1となる成形体は、植物繊維の原綿とポリオレフィン樹脂繊維の原綿とを混綿してウェブを形成し、その後、植物繊維と樹脂繊維とを交絡させ、繊維マットを形成し、次いで、繊維マットを熱プレスして形成することができる。
樹脂基材部2となる成形体は、前記(2)のようにして成形された繊維基材部1となる成形体を加熱し、その後、成形型のキャビティにインサートし、加圧するとともに、繊維基材部1となる成形体の端面に向けて熱可塑性樹脂を射出し、次いで、冷却することにより成形することができる。また、これにより繊維基材部1と樹脂基材部2とを備える複合成形体10を製造することができる。
複合成形体10の用途は特に限定されないが、例えば、自動車、鉄道車両、船舶及び飛行機等の内装材などとして用いることができる。これらのうち、自動車用としては、ドアトリム、ルーフトリム、パッケージトレー、ピラーガーニッシュ等が挙げられる。更に、複合成形体10は、建築物の内装材として用いることもできる。例えば、ドア内装材、及び机、椅子、棚、箪笥等の各種家具などの表装材等として用いることができる。その他、緩衝材等の保護用部材及びパーティション部材等として用いることもできる。
実施例1
ケナフ繊維と、ポリプロピレン繊維と無水マレイン酸変性ポリプロピレン繊維とを混綿したものとを、合計を100質量%とした場合に、ケナフ繊維が50質量%、ポリプロピレン繊維が48.5質量%、無水マレイン酸変性ポリプロピレン繊維が1.5質量%の質量割合となるように混綿してウェブを形成し、その後、ニッドルパンチ法によって各々の繊維を交絡させて繊維マットを形成した。次いで、この繊維マットを210℃、300MPaの条件で加熱加圧し、その後、室温(20〜23℃程度)にまで冷却させ、繊維基材部となる成形体を形成した。
実施例1における繊維基材部となる成形体の、樹脂基材部となる成形体を形成するための熱可塑性樹脂を射出し、接合させる端面を裁断せず、図5のように、平坦面のままとした他は、実施例1と同様にして複合成形体を製造した。
Claims (7)
- 板状植物繊維基材部と、前記板状植物繊維基材部の端面に接合された、板状熱可塑性樹脂基材部とを備える複合成形体において、
前記板状植物繊維基材部が、前記板状熱可塑性樹脂基材部の側へと拡幅され、前記板状熱可塑性樹脂基材部が幅狭とされている箇所を備えることを特徴とする複合成形体。 - 前記板状植物繊維基材部の前記端面が、前記板状植物繊維基材部の両端部側から中央部へと徐々に前記板状熱可塑性樹脂基材部の側へと傾斜している請求項1に記載の複合成形体。
- 前記板状熱可塑性樹脂基材部の長さ方向において幅広となっている幅広部で、前記板状植物繊維基材部が前記板状熱可塑性樹脂基材部の側へとV字状又は弧状に拡幅されている請求項1に記載の複合成形体。
- 前記板状熱可塑性樹脂基材部の前記板状植物繊維基材部の前記端面に接合された一方の端面とは反対側の他方の端面は略平坦面である請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の複合成形体。
- 前記板状植物繊維基材部を構成する植物繊維がケナフ繊維である請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の複合成形体。
- 前記板状植物繊維基材部を構成する植物繊維同士が、熱可塑性樹脂及び酸変性熱可塑性樹脂により結着されている請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の複合成形体。
- 車両用内装材である請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の複合成形体。
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