以下、パチンコ遊技機に具体化した第1実施形態について説明する。本明細書における、上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10は、遊技球を発射させるときに操作される発射ハンドルHDを備えている。また、パチンコ遊技機10は、スピーカSpを備えている。スピーカSpは、楽曲や効果音などの音声を出力して行う演出(以下、音声演出と示す)を実行可能である。また、パチンコ遊技機10は、図示しない発光体を発光可能な装飾ランプLaを備えている。装飾ランプLaは、発光体を点灯、点滅、及び消灯することにより発光演出を実行可能である。
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技盤YBを備えている。遊技盤YBの前面側には、正面視において略円形の遊技領域YBaが画成されている。本実施形態において、遊技領域YBaには、発射ハンドルHDの操作により発射された遊技球が到達する。パチンコ遊技機10は、情報表示装置11を備えている。例えば、情報表示装置11は、遊技盤YBにおいて、遊技者から視認可能な位置に配設されている。情報表示装置11では、パチンコ遊技機10の制御状態を示す各種の情報が報知される。
情報表示装置11は、第1特別図柄表示部11aを備えている。第1特別図柄表示部11aは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に第1特別図柄を確定停止表示させる変動ゲームとしての第1特別図柄変動ゲームを実行可能である。以下の説明では、第1特別図柄変動ゲームを略して「第1特別ゲーム」と示す。情報表示装置11は、第2特別図柄表示部11bを備えている。第2特別図柄表示部11bは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に第2特別図柄を確定停止表示させる変動ゲームとしての第2特別図柄変動ゲームを実行可能である。以下の説明では、第2特別図柄変動ゲームを略して「第2特別ゲーム」と示す。また、第1特別ゲームと第2特別ゲームをまとめて「特別ゲーム」と示す。特別図柄は、後述する大当り判定(大当り抽選)の結果を報知するための図柄である。
本明細書において「変動表示」とは、表示されている図柄の種類が時間の経過とともに変化している状態を意味している。本明細書において「確定停止表示」とは、図柄が確定的に停止表示されており、表示されている図柄の種類が変化しない状態を意味している。本実施形態における特別図柄には、大当り表示結果としての大当り図柄と、はずれ表示結果としてのはずれ図柄とが少なくともある。特別ゲームにおいて大当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者は、大当りを認識可能である。特別ゲームにおいてはずれ図柄が確定停止表示された場合、遊技者は、はずれを認識可能である。
本実施形態において、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームは、同時に実行されない。本実施形態において、第2特別ゲームは、第1特別ゲームに優先して実行される。本実施形態では、大当り判定において大当りと判定された場合、特別ゲームにおいて大当り図柄が確定停止表示され、該特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与される。詳しくは後述するが、大当り遊技は、遊技者が多数の賞球やその他の特典を獲得し得るため、遊技者にとって極めて有利な状態である。
情報表示装置11は、第1特別保留表示部11cを備えている。第1特別保留表示部11cは、保留条件が成立したが未だ開始条件が成立していないことで、その実行が保留されている第1特別ゲームの回数を認識可能な情報を表示する。以下の説明では、保留中の第1特別ゲームの回数を「第1特別保留数」と示す。情報表示装置11は、第2特別保留表示部11dを備えている。第2特別保留表示部11dは、保留条件が成立したが未だ開始条件が成立していないことで、その実行が保留されている第2特別ゲームの回数を認識可能な情報を表示する。以下の説明では、保留中の第2特別ゲームの回数を「第2特別保留数」と示す。例えば、第1特別保留数及び第2特別保留数の最大値はそれぞれ「4」である。
情報表示装置11は、普通図柄表示部11eを備えている。普通図柄表示部11eは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に普通図柄を確定停止表示させる普通図柄変動ゲームを実行可能である。普通図柄は、後述する普通当り判定(普通当り抽選)の結果を報知するための図柄である。以下の説明では、普通図柄変動ゲームを略して「普通ゲーム」と示す。本実施形態における普通図柄には、普通当り図柄と、普通はずれ図柄とが少なくともある。普通ゲームにおいて普通当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者は、普通当りを認識可能である。普通ゲームにおいて普通はずれ図柄が確定停止表示された場合、遊技者は、普通はずれを認識可能である。
本実施形態では、普通当り判定において普通当りと判定された場合、普通ゲームにおいて普通当り図柄が確定停止表示され、該普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。詳しくは後述するが、普通当り遊技は、遊技者が特別ゲームの保留条件を成立させ易くなることから、遊技者にとって有利な状態である。
情報表示装置11は、普通保留表示部11fを備えている。普通保留表示部11fは、保留条件が成立したが未だ開始条件が成立していないことで、その実行が保留されている普通ゲームの回数を認識可能な情報を表示する。以下の説明では、保留中の普通ゲームの回数を「普通保留数」と示す。例えば、普通保留数の最大値は4である。
パチンコ遊技機10は、演出表示装置12を備えている。演出表示装置12は、例えば、液晶ディスプレイ型の表示装置である。なお、演出表示装置12は、有機ELディスプレイ型の表示装置であってもよく、プロジェクタとスクリーンとを含んで構成された表示装置であってもよい。演出表示装置12は、画像が表示される画像表示部GHを備えている。演出表示装置12は、演出の1つとして、所定のキャラクタや文字を模した画像(絵柄)を表示する演出(以下、表示演出と示す)を実行可能である。
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBにおいて演出表示装置12の下方に、遊技領域YBaに開口している入賞口としての第1始動口13を備えている。第1始動口13は、常時、遊技球を入球(入賞)させることができるように開口されている。パチンコ遊技機10は、第1始動口13に入球した遊技球を検知する第1始動センサSE1を備えている(図4に示す)。例えば、第1始動センサSE1は、第1始動口13に入球した遊技球が通過する図示しない通路に設けられている。本実施形態では、遊技球が第1始動センサSE1で検知されると、第1特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、賞球の払出条件が成立する。
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBにおいて第1始動口13の右方に、遊技領域YBaに開口している入賞口としての第2始動口14を備えている。また、パチンコ遊技機10は、遊技盤YBにおいて、許容状態(開状態)と、規制状態(閉状態)と、に動作が可能な第1可変部材15を備えている。許容状態は、遊技球を第2始動口14へ入球させることができる、又は入球させ易い状態である。規制状態は、遊技球を第2始動口14へ入球させることができない、又は入球させ難い状態である。パチンコ遊技機10は、第1可変部材15を動作させる第1アクチュエータA1を備えている(図4に示す)。第1可変部材15は、普通当り遊技において、許容状態に動作される。
また、パチンコ遊技機10は、第2始動口14に入球した遊技球を検知する第2始動センサSE2を備えている(図4に示す)。例えば、第2始動センサSE2は、第2始動口14に入球した遊技球が通過する図示しない通路に設けられている。本実施形態では、遊技球が第2始動センサSE2で検知されると、第2特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、賞球の払出条件が成立する。
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBにおいて、演出表示装置12の右下方に、遊技領域YBaに開口している大入賞口16を備えている。パチンコ遊技機10は、遊技盤YBにおいて、許容状態(開状態)と、規制状態(閉状態)と、に動作が可能な第2可変部材17を備えている。第2可変部材17は、所謂大入賞口扉である。許容状態は、遊技球を大入賞口16へ入球させることができる、又は入球させ易い状態である。規制状態は、遊技球を大入賞口16へ入球させることができない、又は入球させ難い状態である。パチンコ遊技機10は、第2可変部材17を動作させる第2アクチュエータA2を備えている(図4に示す)。第2可変部材17は、大当り遊技において、許容状態に動作される。
パチンコ遊技機10は、大入賞口16に入球した遊技球を検知するカウントセンサSE3を備えている(図4に示す)。例えば、カウントセンサSE3は、大入賞口16に入球した遊技球が通過する図示しない通路に設けられている。本実施形態では、遊技球がカウントセンサSE3で検知されると、賞球の払出条件が成立する。
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBにおいて、大入賞口16の上方に、遊技球が通過(入球)可能なゲート18を備えている。ゲート18は、ゲート18を通過する遊技球を検知するゲートセンサSE4を備えている(図4に示す)。本実施形態では、遊技球がゲートセンサSE4で検知されると、普通ゲームの保留条件が成立し得る。
パチンコ遊技機10は、所定の動作が可能な特定の可動体としての右可動体80を備えている。例えば、本実施形態の右可動体80は、星型の部材である。右可動体80は、右可動体80の原位置P1aから演出位置P1bの範囲内で動作可能に構成されている。本実施形態において、右可動体80は、該右可動体80を用いた演出が行われていない場合には、原位置P1aに位置している。即ち、本実施形態において、原位置P1aは、右可動体80の初期位置としても把握できる。なお、右可動体80は、演出位置P1bに動作する場合、遊技者から見て演出表示装置12の前面側に動作する。パチンコ遊技機10は、右可動体80を動作させる右可動体アクチュエータKA1を備えている(図4に示す)。本実施形態において、右可動体80が原位置P1aに位置している状態は、特定の状態に相当する。
また、パチンコ遊技機10は、右可動体80が原位置P1aに位置していることを検知可能な原位置センサGS(図4に示す)を備えている。原位置センサGSは、右可動体80が原位置P1aに位置している場合に右可動体80を検知可能な位置に配設されている。なお、原位置センサGSは、右可動体80が原位置P1aに位置していない場合に右可動体80を検知可能な位置に配設されてもよい。この場合、原位置センサGSは、右可動体80を検知していないことにより、右可動体80が原位置P1aに位置していることを検知可能である。
また、パチンコ遊技機10は、所定の動作が可能な特別の可動体としての左可動体90を備えている。例えば、本実施形態の左可動体90は、丸型の部材である。左可動体90は、左可動体90の原位置P2aから演出位置P2bの範囲内で動作可能に構成されている。本実施形態において、左可動体90は、該左可動体90を用いた演出が行われていない場合には、原位置P2aに位置している。即ち、本実施形態において、原位置P2aは、左可動体90の初期位置としても把握できる。なお、左可動体90は、演出位置P2bに動作する場合、遊技者から見て演出表示装置12の前面側に動作する。パチンコ遊技機10は、左可動体90を動作させる左可動体アクチュエータKA2を備えている(図4に示す)。
本実施形態において、右可動体80及び左可動体90は、動作可能な範囲の一部が重複している。具体的に、右可動体80及び左可動体90は、それぞれが演出位置に動作しようとする場合、互いに干渉するように構成されている。言い換えれば、右可動体80及び左可動体90は、両方が同時には演出位置に動作し得ないように構成されている。また、本実施形態において、右可動体80の原位置P1aは、左可動体90が動作可能な範囲外の位置である。即ち、右可動体80及び左可動体90は、右可動体80が原位置P1aに位置している場合、左可動体90が原位置P2aから演出位置P2bの間で動作したとしても、互いに干渉しないように構成されている。同様に、本実施形態において、左可動体90の原位置P2aは、右可動体80が動作可能な範囲外の位置である。即ち、右可動体80及び左可動体90は、左可動体90が原位置P2aに位置している場合、右可動体80が原位置P1aから演出位置P1bの間で動作したとしても、互いに干渉しないように構成されている。
次に、パチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機10は、大当り確率が異なる遊技状態として、低確率状態と高確率状態とを備えている。大当り確率は、大当り判定において大当りと判定される確率である。高確率状態は、低確率状態と比較して大当り確率が高い遊技状態である。高確率状態では、大当り判定に大当りと判定される確率が低確率状態に比して高まることから、遊技者にとって有利な遊技状態となる。高確率状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」である。
また、パチンコ遊技機10は、遊技球の発射個数に対する賞球個数の割合が異なる遊技状態として、低ベース状態と高ベース状態とを備えている。本実施形態の高ベース状態は、低ベース状態に比して、遊技球が第2始動口14に入球する確率が高い遊技状態である。本実施形態の高ベース状態は、遊技球が第2始動口14に入球する確率が高まり、第2始動口14の遊技球の入球が容易になることから、遊技者にとって有利な遊技状態(入球容易状態)となる。即ち、本実施形態における高ベース状態は、所謂「電サポ状態」であり、低ベース状態は、所謂「非電サポ状態」である。
例えば、高ベース状態は、次に説明する3つの制御のうち任意に選択された1の制御を行うことにより、又は複数の制御を組み合わせて行うことにより実現できる。第1の制御は、普通ゲームの変動時間を、低ベース状態のときよりも短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。第2の制御は、普通図柄の当り判定において普通当りと判定される確率(普通当り確率)を、低ベース状態のときよりも高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。第3の制御は、1回の普通当り遊技における第1可変部材15の合計開放時間を、低ベース状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。なお、開放時間延長制御としては、1回の普通当り遊技における第1可変部材15の開放回数を、低ベース状態のときよりも多くする制御、及び普通当り遊技における第1可変部材15の1回の開放時間を、低ベース状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方の制御を行うとよい。本実施形態では、低ベース状態における普通当り確率は0に設定されている。このため、第1可変部材15は、低ベース状態において、許容状態に動作されない。
また、高ベース状態は、次に説明する第4の制御を組み合わせて実現してもよい。第4の制御は、特別ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)を、低ベース状態のときよりも短くする特別図柄の変動時間短縮制御である。特別図柄の変動時間短縮制御を行う場合、高ベース状態は、特別図柄についての、所謂「変動時間短縮状態(時短状態)」となる。これに対して、低ベース状態は、特別図柄についての、所謂「非変動時間短縮状態(非時短状態)」となる。
以下の説明では、低確率状態且つ低ベース状態である遊技状態を「低確低ベース状態」と示し、高確率状態且つ低ベース状態である遊技状態を「高確低ベース状態」と示す。また、低確率状態且つ高ベース状態である遊技状態を「低確高ベース状態」と示し、高確率状態且つ高ベース状態である遊技状態を「高確高ベース状態」と示す。
次に、パチンコ遊技機10における大当りについて説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、複数種類の大当り図柄を備えている。複数種類の大当り図柄には、それぞれ大当りの種類が定められている。
大当りとなる場合、特別ゲームにおいて大当り図柄が導出された後、大当り図柄に応じた種類の大当り遊技が付与される。大当り遊技では、最初に、予め定めたオープニング時間にわたって、所定の演出が行われる。本実施形態では、所定の演出として、例えば、大当り遊技の開始を報知するオープニング演出が行われる。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口16を開放するラウンド遊技が行われる。ラウンド遊技は、予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球する第1終了条件、又は予め定めた上限時間が経過する第2終了条件が成立することによって終了される。ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めたエンディング時間にわたって、所定の演出が行われる。本実施形態では、所定の演出として、例えば、大当り遊技の終了を報知するエンディング演出が行われる。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
本実施形態の大当り図柄には、特定大当りが定められた大当り図柄と、非特定大当りが定められた大当り図柄と、がある。特定大当りは、大当り遊技の終了後から次の大当り抽選に当選するまで高確率状態及び高ベース状態を付与する大当りである。非特定大当りは、大当り遊技の終了後に高確率状態を付与しない一方で、予め定めた上限回数の特別ゲームを上限として高ベース状態を付与する大当りである。
次に、パチンコ遊技機10において、演出表示装置12で実行可能な演出の1つである演出図柄変動ゲームについて説明する。
演出図柄変動ゲームは、演出表示装置12において演出図柄が複数列で変動表示され、最終的に演出図柄の組み合わせが導出させる変動ゲームである。以下の説明では、演出図柄変動ゲームを略して「演出ゲーム」と示す。演出図柄は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄(飾り図柄)であって、表示演出を多様化させるためのものである。本実施形態において、演出ゲームは、第1列、第2列、及び第3列の図柄列をそれぞれ所定の方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。
演出ゲームは、特別ゲームの開始に伴って開始され、特別ゲームの終了に伴って終了される。そして、演出ゲームでは、特別ゲームにて導出された特別図柄に応じた演出図柄の組み合わせが導出される。特別ゲームで大当り図柄(大当り表示結果)が導出される場合には、演出ゲームでも、演出図柄による大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果)が導出される。例えば、演出図柄による大当りの図柄組み合わせは、全列の演出図柄が同一となる図柄組み合わせである。また、特別ゲームではずれ図柄(はずれ表示結果)が導出される場合には、演出ゲームでも、演出図柄によるはずれの図柄組み合わせ(はずれ表示結果)が導出される。例えば、演出図柄によるはずれの図柄組み合わせは、少なくとも一部列の演出図柄が他列の演出図柄とは異なる図柄組み合わせである。
また、本実施形態の演出ゲームでは、リーチ演出を実行可能である。本実施形態のリーチ演出は、演出ゲームにおいて全図柄列のうち特定列に同一の演出図柄を一時停止表示させた状態(所謂、リーチ状態)で行われる演出である。
本実施形態のリーチ演出には、ノーマルリーチ演出と、ノーマルリーチ演出の演出内容を発展させて行うスーパーリーチ演出と、がある。本実施形態において、スーパーリーチ演出は、ノーマルリーチ演出と比較して、実行中の特別ゲームにおいて大当り表示結果が導出される期待度が高いことを示唆する演出である。以下の説明では、大当り表示結果が導出される期待度(大当りとなる期待度)を、単に「大当り期待度」と示す。本実施形態では、特別ゲームで大当り表示結果が導出される場合には、演出ゲームでも大当り表示結果が導出されるため、特別ゲームにおける大当り期待度は、演出ゲームにおける大当り期待度としても把握できる。
また、図3に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、可動体を用いた可動体演出の1つとして、演出ゲームの開始時に右可動体80を動作させる右可動体演出を実行可能である。右可動体演出は、例えば、演出ゲームにおける大当り期待度が高いことを示す演出として実行される。
具体的に、右可動体演出において、右可動体80は、演出ゲームの開始に伴って原位置P1aから演出位置P1bに動作し(図3(a))、その後、予め定めた演出時間が経過したことに伴って演出位置P1bから原位置P1aに動作する(図3(b))。なお、本実施形態の右可動体演出において、右可動体80が演出位置P1bに動作してから原位置P1aに動作するまでの演出時間は、右可動体演出が実行される演出ゲームの変動時間よりも短い時間(例えば、1秒)である。
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。
図4に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技盤YBの裏側(後方)に主制御基板30を備えている。主制御基板30は、各種の処理を行い、該処理の結果に応じて制御信号(制御コマンド)を出力する。また、パチンコ遊技機10は、遊技盤YBの裏側(後方)に副制御基板31を備えている。副制御基板31は、主制御基板30から入力した制御信号に基づいて所定の処理を実行する。
まず、主制御基板30について詳しく説明する。
主制御基板30は、主制御CPU30aと、主制御ROM30bと、主制御RAM30cと、を備えている。主制御CPU30aは、主制御プログラムを実行することにより、各種の処理を行う。
主制御ROM30bは、主制御プログラムや、所定の抽選に用いられる判定値などを記憶している。また、主制御ROM30bは、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始されてから、特別ゲームが終了される迄の変動時間を特定可能な情報である。また、本実施形態の変動パターンは、演出ゲームの演出内容を特定可能な情報である。具体的に、本実施形態の変動パターンは、リーチ演出が実行されるか否かと、実行されるリーチ演出の種類と、を特定可能な情報である。即ち、本実施形態において、変動パターンは、特別ゲーム及び演出ゲームの内容を特定可能な情報である。
図5に示すように、本実施形態の変動パターンには、大当り判定においてはずれと判定されたときに決定可能なはずれ変動パターンと、大当り判定において大当りと判定されたときに決定可能な大当り変動パターンとがある。例えば、変動パターンHP1〜HP4は、はずれ変動パターンであり、変動パターンHP5,HP6は、大当り変動パターンである。
はずれ変動パターンには、演出ゲームの演出内容として、リーチ演出を経ないで、又はリーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせを導出させる演出内容が定められている。例えば、変動パターンHP1,HP2は、リーチ演出を経ないで最終的にはずれの図柄組み合わせを導出させる演出内容が定められた変動パターンである。特に、変動パターンHP1は、所定の変動時間(例えば、6秒)に亘って演出ゲームを実行させた後、リーチ演出を経ないで最終的にはずれの図柄組み合わせを導出させる演出内容が定められた変動パターンである。また、変動パターンHP2は、変動パターンHP1よりも短い変動時間(例えば、2秒)に亘って演出ゲームを実行させた後、リーチ演出を経ないで最終的にはずれの図柄組み合わせを導出させる演出内容が定められた変動パターンである。以下の説明では、変動パターンHP1により特定可能な演出内容を通常はずれと示す場合がある一方で、変動パターンHP2により特定可能な演出内容を短縮はずれと示す場合がある。また、変動パターンHP3は、ノーマルリーチ演出(図中、Nリーチと示す)を経て最終的にはずれの図柄組み合わせを導出させる演出内容が定められた変動パターンである。そして、変動パターンHP4は、ノーマルリーチ演出及びスーパーリーチ演出(図中、SPリーチと示す)を経て最終的にはずれの図柄組み合わせを導出させる演出内容が定められた変動パターンである。
また、大当り変動パターンには、演出ゲームの演出内容として、リーチ演出を経て最終的に大当りの図柄組み合わせを導出させる演出内容が定められている。例えば、変動パターンHP5は、ノーマルリーチ演出を経て最終的に大当りの図柄組み合わせを導出させる演出内容が定められた変動パターンである。また、変動パターンHP6は、ノーマルリーチ演出及びスーパーリーチ演出を経て最終的に大当りの図柄組み合わせを導出させる演出内容が定められた変動パターンである。
本実施形態において、変動パターンHP3〜HP6は、変動時間として、変動パターンHP2の変動時間よりも長い時間が定められた変動パターンである。例えば、変動パターンHP3,HP5は、変動時間としてそれぞれ10秒が定められた変動パターンであり、変動パターンHP4,HP6は、変動時間としてそれぞれ30秒が定められた変動パターンである。本実施形態において、変動パターンHP1,HP3〜HP6から特定可能な変動時間は、通常変動時間に相当する。また、本実施形態において、変動パターンHP2から特定される変動時間は、通常変動時間よりも短い短縮変動時間に相当する。
図4に示す主制御RAM30cは、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶可能に構成されている。主制御RAM30cが記憶する情報は、例えばフラグ、カウンタ、及びタイマなどである。また、主制御基板30は、乱数を生成可能に構成されている。例えば、乱数は、ハードウェア乱数として生成されてもよく、ソフトウェア乱数として生成されてもよい。
主制御CPU30aと、第1始動センサSE1、第2始動センサSE2、カウントセンサSE3、及びゲートセンサSE4とは、接続されている。主制御CPU30aは、各センサが遊技球を検知した際に出力する検知信号を入力可能に構成されている。主制御CPU30aと、情報表示装置11(第1特別図柄表示部11a、第2特別図柄表示部11b、第1特別保留表示部11c、第2特別保留表示部11d、普通図柄表示部11e、普通保留表示部11f)とは、接続されている。主制御CPU30aは、情報表示装置11の表示内容を制御可能に構成されている。主制御CPU30aと、第1アクチュエータA1及び第2アクチュエータA2とは、接続されている。主制御CPU30aは、各アクチュエータの動作を制御可能に構成されている。
次に、副制御基板31について説明する。
副制御基板31と、主制御基板30とは、接続されている。パチンコ遊技機10では、主制御基板30から副制御基板31への一方向に制御信号を出力可能に構成されている。
副制御基板31は、副制御CPU31aと、副制御ROM31bと、副制御RAM31cと、を備えている。副制御CPU31aは、副制御プログラムを実行することにより、各種の処理(例えば、演出に関する処理)を行う。副制御ROM31bは、副制御プログラムや、抽選に用いられる判定値などを記憶している。副制御ROM31bは、表示演出に関する表示演出データ、発光演出に関する発光演出データ、及び音声演出に関する音声演出データを記憶している。
また、副制御RAM31cは、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる様々な情報を記憶可能に構成されている。副制御RAM31cが記憶する情報は、例えばフラグ、カウンタ、及びタイマなどである。また、副制御基板31は、乱数を生成可能に構成されている。乱数は、ハードウェア乱数として生成されてもよく、ソフトウェア乱数として生成されてもよい。
副制御CPU31aと、演出表示装置12とは、接続されている。副制御CPU31aは、演出表示装置12の表示内容を制御可能に構成されている。副制御CPU31aと、装飾ランプLaとは、接続されている。副制御CPU31aは、装飾ランプLaの発光態様を制御可能に構成されている。副制御CPU31aと、スピーカSpとは、接続されている。副制御CPU31aは、スピーカSpの出力態様を制御可能に構成されている。
副制御CPU31aと、右可動体アクチュエータKA1及び左可動体アクチュエータKA2とは、接続されている。副制御CPU31aは、右可動体アクチュエータKA1の動作を制御することにより、右可動体80の動作を制御可能であるとともに、左可動体アクチュエータKA2の動作を制御することにより、左可動体90の動作を制御可能である。即ち、本実施形態において、副制御CPU31aは、可動体を動作させる制御を実行する動作制御手段に相当する。また、パチンコ遊技機10と、原位置センサGSとは、接続されている。副制御CPU31aは、原位置センサGSが右可動体80を検知した際に出力する検知信号を入力可能に構成されている。
次に、パチンコ遊技機10において実行される各種の処理(制御)について説明する。
主制御基板30の主制御CPU30aは、主制御プログラムに基づき特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。主制御CPU30aは、所定の制御周期(例えば4ms)毎に特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。
まず、特別図柄入力処理について説明する。
特別図柄入力処理において、主制御CPU30aは、第1始動口13に遊技球が入球したかを判定する。このとき、主制御CPU30aは、第1始動センサSE1から検知信号を入力することによって、第1始動口13に遊技球が入球したと判定する。第1始動口13に遊技球が入球している場合、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている第1特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるかを判定する。第1特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている第1特別保留数を1加算して更新する。また、主制御CPU30aは、更新後の第1特別保留数を表示するように、情報表示装置11を制御する。このように、本実施形態では、第1特別保留数が上限数未満である場合に、第1始動口13に遊技球が入球し、入球した遊技球が第1始動センサSE1により検知されることで、第1特別ゲームの保留条件が成立する。
次に、主制御CPU30aは、主制御基板30内で生成している乱数を取得し、取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RAM30cに記憶させる。例えば、乱数は、大当り乱数、大当り図柄乱数、変動パターン乱数などである。このとき、主制御CPU30aは、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。本実施形態では、第1特別ゲーム用の乱数情報を主制御RAM30cに記憶させておくことで、該第1特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。即ち、本実施形態では、主制御CPU30aが第1特別ゲーム用の乱数情報を主制御RAM30cに記憶させることにより、第1特別ゲームの実行を保留する保留手段が実現される。なお、乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。
その後、主制御CPU30aは、保留条件が成立した第1特別ゲームの内容を、該第1特別ゲームの開始条件が成立するよりも前に事前判定し、該事前判定の結果を特定可能な先読みコマンド(事前判定コマンド)を生成して出力バッファにセットする。なお、本実施形態において、出力バッファにセットされたコマンドは、所定の出力処理において副制御基板31へと出力される。具体的に、本実施形態において、主制御CPU30aは、取得した大当り乱数の値が、後述する特別図柄開始処理で行われる大当り判定において、大当りと判定される値であるかを事前判定する。即ち、主制御CPU30aは、実行が保留されている特別ゲームで大当り表示結果が導出されるかを事前判定する。また、主制御CPU30aは、取得した乱数の値が、後述する特別図柄開始処理で行われる変動パターン決定抽選により、何れの変動パターンを決定する値であるかを事前判定する。その後、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている第1特別保留数を読み出して特定し、該特定した第1特別保留数と、上述した事前判定の結果とを示す先読みコマンドを生成し、出力バッファにセットする。また、主制御CPU30aは、先読みコマンドとは別に、主制御RAM30cに記憶されている第1特別保留数を特定可能な保留数コマンドを生成し、出力バッファにセットする。
また、第1始動口13に遊技球が入球していない場合、第1特別保留数が上限数未満ではない場合、及び、保留条件が成立した第1特別ゲームに対応する先読みコマンドを生成した場合、主制御CPU30aは、第2始動口14に遊技球が入球したかを判定する。このとき、主制御CPU30aは、第2始動センサSE2から検知信号を入力することによって、第2始動口14に遊技球が入球したと判定する。第2始動口14に遊技球が入球していない場合、主制御CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、第2始動口14に遊技球が入球している場合、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている第2特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるかを判定する。第2特別保留数が上限数未満ではない場合、主制御CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、第2特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている第2特別保留数を1加算して更新する。このとき、主制御CPU30aは、更新後の第2特別保留数を表示するように、情報表示装置11を制御する。このように、本実施形態では、第2特別保留数が上限数未満である場合に、第2始動口14に遊技球が入球し、入球した遊技球が第2始動センサSE2により検知されることで、第2特別ゲームの保留条件が成立する。
次に、主制御CPU30aは、主制御基板30内で生成している乱数を取得し、取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RAM30cに記憶させる。このとき、主制御CPU30aは、第2特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。本実施形態では、第2特別ゲーム用の乱数情報を主制御RAM30cに記憶させておくことで、該第2特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。また、主制御CPU30aは、第2特別ゲームに対応する先読みコマンドを生成して出力バッファにセットするとともに、主制御RAM30cに記憶されている第2特別保留数を特定可能な保留数コマンドを生成して出力バッファにセットする。その後、主制御CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
次に、特別図柄開始処理について説明する。
まず、主制御CPU30aは、特別ゲームの実行条件が成立しているかを判定する。この判定において、主制御CPU30aは、大当り遊技中ではなく、特別ゲーム中ではなく、且つ特別ゲームが終了後のインターバル時間中ではない場合に実行条件が成立したと判定する一方で、大当り遊技中、特別ゲーム中、又は特別ゲーム終了後のインターバル時間中である場合に実行条件が成立していないと判定する。そして、主制御CPU30aは、実行条件が成立していない場合、特別図柄開始処理を終了する。
一方、実行条件が成立している場合、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている第2特別保留数を取得し、取得した第2特別保留数が0(零)よりも大きいかを判定する。第2特別保留数が0よりも大きい場合、主制御CPU30aは、保留中の第2特別ゲームのうち最先に保留された第2特別ゲームの実行を開始させる。即ち、本実施形態では、特別ゲームの実行条件が成立している場合であって、第2特別ゲームの実行が保留されているときに、保留中の第2特別ゲームのうち最先に保留された第2特別ゲームを開始させるための開始条件が成立する。一方、第2特別保留数が0の場合、第1特別保留数を取得し、取得した第1特別保留数が0よりも大きいかを判定する。第1特別保留数が0よりも大きい場合、主制御CPU30aは、保留中の第1特別ゲームのうち最先に保留された第1特別ゲームの実行を開始させる。即ち、本実施形態では、特別ゲームの実行条件が成立している場合であって、第2特別ゲームの実行が保留されておらず、第1特別ゲームの実行が保留されているときに、保留中の第1特別ゲームのうち最先に保留された第1特別ゲームを開始させるための開始条件が成立する。これにより、本実施形態のパチンコ遊技機10は、第1特別ゲームと第2特別ゲームとを同時に実行させず、第2特別ゲームを優先的に実行させる。
第2特別ゲームの開始条件が成立した場合、主制御CPU30aは、第2特別保留数を1減算して更新するとともに、減算後の第2特別保留数を表示させるように情報表示装置11を制御する。また、主制御CPU30aは、減算後の第2特別保留数を特定可能な保留数コマンドを生成し、出力バッファにセットする。次に、主制御CPU30aは、第2特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RAM30cから取得する。そして、主制御CPU30aは、取得した乱数情報から特定される大当り乱数の値を用いて、大当りか否かの大当り判定を行う。なお、大当り判定は、大当りか否かの大当り抽選に相当する。例えば、大当り判定は、乱数の値と大当り判定値とが一致するか否かにより判定してもよい。また例えば、大当り判定は、乱数の値と大当り判定値とを加算した値が、所定値を超えているか否かにより判定してもよい。このとき、主制御CPU30aは、現在の確率状態に応じて異なる大当り判定値により大当り判定を行う。
大当り判定において大当りと判定した場合、主制御CPU30aは、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において主制御CPU30aは、取得した乱数情報から特定される大当り図柄乱数の値に基づいて、特別図柄の大当り図柄を決定する。この決定した大当り図柄が、特別ゲームにて導出される確定停止図柄となる。また、主制御CPU30aは、特別図柄の大当り図柄を決定した場合、変動パターン決定抽選を行うことにより、複数種類の大当り変動パターンの中から大当り変動パターンを決定する。一方、大当り判定において大当りと判定しなかった場合、主制御CPU30aは、はずれ変動処理を行う。はずれ変動処理において主制御CPU30aは、特別図柄のはずれ図柄を決定する。この決定したはずれ図柄が、特別ゲームにて導出される確定停止図柄となる。また、主制御CPU30aは、特別図柄のはずれ図柄を決定した場合、変動パターン決定抽選を行うことにより、複数種類のはずれ変動パターンの中からはずれ変動パターンを決定する。
また、第1特別ゲームの開始条件が成立した場合、主制御CPU30aは、前述した第2特別ゲームに関する制御と同様の制御を第1特別ゲームを対象にして行う。つまり、主制御CPU30aは、第1特別保留数の減算、減算後の第1特別保留数を特定可能な保留数コマンドの生成、大当り判定、大当り判定の結果に基づく大当り変動処理又ははずれ変動処理を行う。その後、主制御CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
そして、特別図柄開始処理を終了すると、主制御CPU30aは、特別図柄開始処理とは別の処理を行うことによって、特別ゲームを開始させる。具体的に、主制御CPU30aは、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動を開始させるように情報表示装置11の表示内容を制御する。また、主制御CPU30aは、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を指定する情報(以下、特別図柄指定コマンドと示す)を出力バッファにセットする。また、主制御CPU30aは、変動パターンを指定するとともに演出ゲームの開始を指示する情報(以下、変動パターン指定コマンドと示す)を出力バッファにセットする。また、主制御CPU30aは、特別図柄開始処理において決定した変動パターンに定められた変動時間を計測する。そして、主制御CPU30aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄が導出されるように、情報表示装置11を制御する。また、主制御CPU30aは、特別図柄開始処理において決定した変動パターンに定められた変動時間が経過すると、演出図柄の組み合わせを導出させるための情報(以下、全図柄停止コマンドと示す)を出力バッファにセットする。
次に、主制御CPU30aが行う大当り処理について説明する。
大当り処理において、主制御CPU30aは、特別図柄開始処理で決定した大当り図柄(即ち、大当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。そして、主制御CPU30aは、大当りの特別ゲームの終了後、特定した大当り遊技を付与する制御を開始するとともに、所定の制御情報を出力する。即ち、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り判定において大当りと判定された場合には、特別ゲームにて大当り表示結果を導出した後に大当り遊技を付与する。
主制御CPU30aは、大当りの特別ゲームが終了すると、最初にオープニング時間の計測を開始するとともに、オープニング演出の実行を指示するコマンド(以下、オープニングコマンドと示す)を生成し、出力バッファにセットする。主制御CPU30aは、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。具体的に、主制御CPU30aは、ラウンド遊技において大入賞口16が開放されるように、第2アクチュエータA2を制御する。また、主制御CPU30aは、ラウンド遊技を開始させた後、第1終了条件又は第2終了条件が成立すると、大入賞口16を閉鎖させることによりラウンド遊技を終了させる。主制御CPU30aは、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。また、主制御CPU30aは、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド演出の実行を指示するコマンド(以下、ラウンドコマンドと示す)を生成し、出力バッファにセットする。そして、主制御CPU30aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング演出の実行を指示するコマンド(以下、エンディングコマンドと示す)を生成し、出力バッファにセットする。主制御CPU30aは、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。
次に、主制御CPU30aが行う遊技状態に関する処理について説明する。
主制御CPU30aは、大当り遊技を開始させるに際して、遊技状態を低確低ベース状態に制御する。また、主制御CPU30aは、大当り遊技を終了させるに際して、大当りの種類に応じた遊技状態に制御する。例えば、主制御CPU30aは、特定大当りに基づく大当り遊技を終了させる場合、遊技状態を高確高ベース状態に制御する。この場合、主制御CPU30aは、次の大当り遊技が開始されるまで、遊技状態を高確高ベース状態に制御する。一方、主制御CPU30aは、非特定大当りに基づく大当り遊技を終了させる場合、遊技状態を低確高ベース状態に制御する。このとき、主制御CPU30aは、上限回数を定めた高ベース状態に制御する。そして、主制御CPU30aは、上限回数を定めた高ベース状態に制御した後、大当り判定において大当りと判定されることなく上限回数の特別ゲームが終了すると、遊技状態を低ベース状態に制御する。
主制御CPU30aは、低確率状態に制御する場合、低確率状態に制御することを特定可能な値を、主制御RAM30cに記憶されている確率状態フラグに設定する一方、高確率状態に制御する場合、高確率状態に制御することを特定可能な値を、主制御RAM30cに記憶されている確率状態フラグに設定する。また、主制御CPU30aは、低ベース状態に制御する場合、低ベース状態に制御することを特定可能な値を、主制御RAM30cに記憶されているベース状態フラグに設定する一方、高ベース状態に制御する場合、主制御RAM30cに記憶されているベース状態フラグに設定する。
また、主制御CPU30aは、上限回数を定めた高ベース状態を付与する場合、上記上限回数に相当する回数を、高ベース状態を付与する特別ゲームの残り回数として主制御RAM30cに記憶させる。そして、主制御CPU30aは、特別ゲームが実行される毎に、主制御RAM30cに記憶されている残り回数を1減算する。主制御CPU30aは、残り回数が0となった場合、残り回数が0となった特別ゲームの終了に伴って、低ベース状態に制御することを特定可能な値をベース状態フラグに設定する。
また、主制御CPU30aは、前述した処理の他にも以下に説明する処理を行う。例えば、主制御CPU30aは、普通図柄に関する処理やエラーに関する処理なども行う。普通図柄に関する処理では、ゲートセンサSE4からの検知信号を入力する処理、普通図柄変動ゲームを開始させる処理などを行う。
次に、副制御プログラムに基づいて、副制御基板31の副制御CPU31aが実行する各種処理について説明する。副制御CPU31aは、主制御CPU30aから制御信号を入力すると、その制御信号に応じて各種処理を実行する。
最初に、演出ゲームを実行するための演出図柄変動処理について説明する。
演出図柄変動処理において、副制御CPU31aは、特別図柄指定コマンドを入力すると、特別図柄指定コマンドにより指定された特別図柄に基づき、演出ゲームで導出させる演出図柄の組み合わせを決定する。副制御CPU31aは、特別図柄の大当り図柄が指定された場合、演出図柄による大当りの図柄組み合わせを決定する。また、副制御CPU31aは、特別図柄のはずれ図柄が指定された場合、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づき、演出ゲームで導出させる演出図柄の組み合わせを決定する。具体的に、副制御CPU31aは、リーチ演出を実行することを特定可能なはずれ変動パターンが指定された場合、リーチ用のはずれの図柄組み合わせを決定する。本実施形態において、リーチ用のはずれの図柄組み合わせとは、特定列(例えば第1列と第2列)の演出図柄が同一であって、その他の列(例えば第3列)の演出図柄が異なる演出図柄の組み合わせである。また、副制御CPU31aは、リーチ演出を実行しないことを特定可能なはずれ変動パターンが指定された場合、通常はずれ用のはずれの図柄組み合わせを決定する。本実施形態において、通常はずれ用のはずれの図柄組み合わせとは、全列の演出図柄が異なる演出図柄の組み合わせである。
また、副制御CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、入力した変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づき、特別ゲームの実行中に実行させる演出を決定する。本実施形態において、特別ゲームの実行中に実行させる演出の決定割合は、指定された変動パターンに応じて異ならされている。具体的に、本実施形態において、副制御CPU31aは、指定された変動パターンが変動パターンHP2であるときには、右可動体演出の実行を決定しない。一方で、副制御CPU31aは、指定された変動パターンが変動パターンHP1,HP3〜HP6のうち何れかの変動パターンであるときには、右可動体演出の実行を決定可能である。
また、このとき、副制御CPU31aは、右可動体演出が実行された場合には、右可動体演出が実行されないときと比較して、演出ゲームにおける大当り期待度が高くなるように、右可動体演出を実行させるか否かを決定する。ここで、所定の演出が実行されたときの大当り期待度を高くするには、大当りの変動パターン指定コマンドを入力したときの決定割合と、はずれの変動パターン指定コマンドを入力したときの決定割合と、の合算における、大当りの変動パターン指定コマンドを入力したときの決定割合の占める比率を高くするとよい。そして、副制御CPU31aは、決定した演出を実行させるように演出表示装置12、スピーカSp、装飾ランプLa、右可動体80、及び左可動体90のうちの一部又は全部を制御する。
その後、副制御CPU31aは、全図柄停止コマンドの入力を契機として、演出ゲームを終了させ、演出図柄の組み合わせを導出させるように演出表示装置12の表示内容を制御する。なお、副制御CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力したことを契機として指定された変動パターンから特定される変動時間を計時し、該変動時間が経過したことを契機に演出ゲームを終了させるようにしてもよい。つまり、主制御基板30から全図柄停止コマンドを出力せずに、演出ゲームの終了を制御してもよい。
次に、大当り遊技に関する処理を説明する。
副制御CPU31aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を行わせるように演出表示装置12を制御する。また、副制御CPU31aは、ラウンドコマンドが入力されると、ラウンド演出を行わせるように演出表示装置12を制御する。また、副制御CPU31aは、エンディングコマンドが入力されると、エンディング演出を行わせるように演出表示装置12を制御する。
以下、可動体に関して副制御CPU31aが行う制御について説明する。
まず、右可動体演出を実行させる場合の副制御CPU31aの制御について説明する。副制御CPU31aは、入力した変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づいて右可動体演出の実行を決定した場合、該変動パターンに基づく演出ゲームの開始に伴って、右可動体80を原位置P1aから演出位置P1bに動作させることにより、右可動体演出を開始させるように制御する。また、副制御CPU31aは、右可動体演出の開始に伴って、演出時間(例えば、1秒)の計測を開始する。そして、副制御CPU31aは、演出時間が経過したことを契機として、右可動体80を演出位置P1bから原位置P1aに動作させることにより、右可動体演出を終了させるように制御する。以上のように、本実施形態において、副制御CPU31aは、演出ゲームの実行中に、右可動体80を用いた可動体演出を実行させる制御が可能である。
次に、演出ゲームを実行する毎に、該演出ゲームの終了前に実行する終了前可動体処理について説明する。
図5に示すように、本実施形態において、副制御CPU31aは、演出ゲームが終了する所定時間前に、終了前可動体処理を実行する。具体的に、副制御CPU31aは、変動パターンHP1,HP3〜HP6のうち何れかの変動パターンに基づく演出ゲームを実行するときには、該演出ゲームが終了する3秒前に終了前可動体処理を実行する。即ち、本実施形態において、所定時間は、演出ゲームの変動時間が異なる場合であっても同一となることがある。一方で、副制御CPU31aは、変動パターンHP2に基づく演出ゲームを実行するときには、該演出ゲームが終了する0.5秒前に終了前可動体処理を実行する。
なお、上述したように、本実施形態において、副制御CPU31aは、変動パターンHP1,HP3〜HP6のうち何れかの変動パターンが指定されたときには、右可動体演出の実行を決定可能である一方で、変動パターンHP2が指定されたときには、右可動体演出の実行を決定しない。このため、本実施形態において、変動パターンHP1,HP3〜HP6のうち何れかの変動パターンが指定されたときと、変動パターンHP2が指定されたときとでは、右可動体80に関する副制御CPU31aの制御状況が異なることとなる。そして、本実施形態において、副制御CPU31aは、変動パターンHP1,HP3〜HP6のうち何れかの変動パターンが指定されたときには、演出ゲームが終了する3秒前に終了前可動体処理を実行する一方で、変動パターンHP2が指定されたときには、演出ゲームが終了する3秒前には終了前可動体処理を実行しない。即ち、副制御CPU31aは、今回の演出ゲームの変動時間が通常変動時間である場合には、今回の演出ゲームが終了する3秒前に終了前可動体処理を実行する一方で、今回の演出ゲームの変動時間が短縮変動時間である場合には、今回の演出ゲームが終了する3秒前に終了前可動体処理を実行しない。言い換えれば、本実施形態の副制御CPU31aは、右可動体80に関する制御状況によっては、演出ゲームが終了する規定時間(3秒)前に終了前可動体処理を実行しない。
図6に示すように、終了前可動体処理において、副制御CPU31aは、右可動体80が原位置P1aに位置しているかを判定する(ステップS1)。右可動体80が原位置P1aに位置していると判定した場合(ステップS1:YES)、副制御CPU31aは、終了前可動体処理を終了する。一方、右可動体80が原位置P1aに位置していないと判定した場合(ステップS1:NO)、副制御CPU31aは、右可動体80を原位置P1aへ復帰させる制御を行う(ステップS2)。その後、副制御CPU31aは、右可動体80が原位置P1aに位置しているかを再び判定する(ステップS3)。即ち、副制御CPU31aは、ステップS2の処理によって右可動体80が原位置P1aに復帰したかを判定する。右可動体80が原位置P1aに位置していると判定した場合(ステップS3:YES)、副制御CPU31aは、終了前可動体処理を終了する。
一方、ステップS2の処理を行った後も右可動体80が原位置P1aに位置していないと判定した場合(ステップS3:NO)、副制御CPU31aは、副制御RAM31c内の所定の記憶領域に、右可動体エラーフラグを記憶させる(ステップS4)。本実施形態において、右可動体エラーフラグは、右可動体80がエラー状態であることを示すフラグである。即ち、副制御CPU31aは、終了前可動体処理において、右可動体80が原位置P1aに位置していないと判定し、且つ、右可動体80を原位置P1aに復帰させる制御を行っても右可動体80が原位置P1aに復帰しなかったと判定した場合に、右可動体80がエラー状態であると判定する。ここで、右可動体80のエラーとは、右可動体80が原位置P1aに復帰できていない状況を指す。本実施形態において、副制御CPU31aは、右可動体エラーフラグが記憶されている場合、右可動体80を用いた可動体演出を実行させない一方で、後述する右可動体80を原位置P1aへ復帰させる制御(ステップS7)を実行可能である。即ち、副制御CPU31aは、右可動体エラーフラグが記憶されている場合、右可動体80の動作のうち右可動体80を用いた可動体演出の実行を制限する一方で、右可動体80を原位置P1aへ復帰させる動作を制限しない。その後、副制御CPU31aは、副制御RAM31c内の所定の記憶領域に記憶される右可動体エラー回数に「1」を加算する(ステップS5)。
次に、副制御CPU31aは、右可動体エラー回数が所定回数(例えば、5回)に到達したかを判定する(ステップS6)。右可動体エラー回数が所定回数に到達していない場合(ステップS6:NO)、副制御CPU31aは、右可動体80を原位置P1aに復帰させる制御を行う(ステップS7)。その後、副制御CPU31aは、右可動体80が原位置P1aに位置しているかを再び判定する(ステップS8)。即ち、副制御CPU31aは、ステップS7の処理によって右可動体80が原位置P1aに復帰したかを判定する。右可動体80が原位置P1aに位置していないと判定した場合(ステップS8:NO)、副制御CPU31aは、ステップS5の処理に戻る。
一方、ステップS7の処理を行った後に右可動体80が原位置P1aに位置していると判定した場合(ステップS8:YES)、副制御CPU31aは、右可動体エラーフラグを消去する(ステップS9)。即ち、副制御CPU31aは、ステップS7の処理を行った後に右可動体80が原位置P1aに位置していると判定した場合、可動体のエラーが解消されたと判定する。その後、副制御CPU31aは、右可動体エラー回数を消去する(ステップS10)。そして、副制御CPU31aは、終了前可動体処理を終了する。
また、右可動体エラー回数が所定回数に到達した場合(ステップS6:YES)、副制御CPU31aは、副制御RAM31c内の所定の記憶領域に右可動体動作制限フラグを記憶させる(ステップS11)。本実施形態において、右可動体動作制限フラグは、右可動体80の動作を制限することを示すフラグである。具体的に、本実施形態において、副制御CPU31aは、右可動体動作制限フラグが記憶されている場合、右可動体80の動作を制御する右可動体アクチュエータKA1に制御信号を出力しない。このため、本実施形態では、右可動体動作制限フラグが記憶されている場合、右可動体80が動作されない。したがって、本実施形態では、右可動体動作制限フラグが記憶されている場合、右可動体演出が実行されず、また、右可動体80を原位置P1aへ復帰させる制御も実行されない。そして、副制御CPU31aは、副制御RAM31c内の所定の記憶領域に右可動体動作制限フラグを記憶させると、終了前可動体処理を終了する。
このような終了前可動体処理によれば、副制御CPU31aは、演出ゲームが終了する所定時間前に、右可動体80が原位置P1aに位置しているかを確認し、原位置P1aに位置していない場合には、右可動体80を原位置P1aへ復帰させる制御を行う。また、副制御CPU31aは、右可動体80を原位置P1aに復帰させる制御を行った場合であっても、右可動体80が原位置P1aに復帰していないときには、右可動体80がエラー状態であると判定する。そして、副制御CPU31aは、右可動体80がエラー状態であると判定した後、右可動体80を原位置P1aへ復帰させる制御を最大で所定回数に亘って繰り返し、右可動体80が原位置P1aへ復帰した場合には、右可動体80のエラー状態が解消されたと判定する。一方で、副制御CPU31aは、右可動体80を原位置P1aへ復帰させる制御を所定回数繰り返しても右可動体80が原位置P1aへ復帰していないときには、右可動体80の動作を制限する。即ち、副制御CPU31aは、右可動体80が原位置P1aに位置していないことを確認した後、さらに所定回数に亘って右可動体80が原位置P1aに位置していないことを確認した場合に、右可動体80の動作を制限する。言い換えれば、本実施形態において、右可動体80の動作を制限する制限条件は、所定回数に亘って右可動体80が原位置P1aに位置していないことを確認した場合に成立する。
終了前可動体処理において、右可動体80が原位置P1aに位置しているかを確認する制御(ステップS1,S3,S8)は、右可動体80が特定の状態となっているかを確認する確認制御に相当する。また、終了前可動体処理において、右可動体80を原位置P1aへ復帰させる制御(ステップS2,S7)は、右可動体80が特定の状態となるように動作させる特定動作制御に相当する。このように、本実施形態において、副制御CPU31aは、演出ゲームが終了する所定時間前に、確認制御と、特定動作制御と、を実行可能である。
また、本実施形態において、副制御CPU31aは、右可動体80が原位置に位置していないことを確認した場合、右可動体80を原位置へ復帰させる動作を行わせる。即ち、本実施形態において、右可動体80を原位置P1aへ復帰させる動作は、所定の確認動作に相当し、右可動体80を原位置P1aへ復帰させる制御(ステップS2,S7)は、右可動体80に所定の動作を行わせる確認動作制御に相当する。
なお、本実施形態において、終了前可動体処理は、ステップS1の処理において右可動体80が原位置P1aに位置していると判定したことで終了することもあれば、ステップS5〜S8の処理を複数回繰り返した後に終了することもある。このため、本実施形態において、終了前可動体処理にかかる時間は一定ではない。ただし、本実施形態の終了前可動体処理は、最長でも、実行中の演出ゲームが終了して次の演出ゲームが開始されるよりも前に終了するように構成されている。即ち、本実施形態では、実行中の演出ゲームが終了するよりも前の所定時間と、実行中の演出ゲームが終了してから次の演出ゲームを開始させるまでのインターバル時間と、の合計時間が、終了前可動体処理にかかる最長時間よりも長い時間となるように、所定時間が設定されている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、右可動体動作制限フラグが記憶されている場合であっても、演出表示装置12において、右可動体80の動作が制限されていることを報知しない。同様に、本実施形態のパチンコ遊技機10では、右可動体動作制限フラグが記憶されている場合であっても、スピーカSpにおいて、右可動体80の動作が制限されていることを報知しない。また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、右可動体動作制限フラグが記憶されている場合であっても、装飾ランプLaにおいて、右可動体80の動作が制限されていることを報知しない。
本実施形態において、右可動体動作制限フラグは、パチンコ遊技機10への電源供給が遮断されることにともなって消去される。このため、本実施形態において、右可動体動作制限フラグが記憶された場合、パチンコ遊技機10への電源供給が遮断され、再びパチンコ遊技機10への電源供給が開始されるまでは、右可動体80の動作が制限される。また、右可動体エラーフラグ及び右可動体エラー回数についても同様に、パチンコ遊技機10への電源供給が遮断されることに伴って消去される。
以下、本実施形態における可動体の制御の流れの具体的な一例について説明する。なお、以下の説明では、右可動体80が原位置P1aに位置しているかを確認する制御を、単に「確認制御」と示す場合があるとともに、右可動体80を原位置P1aへ復帰させる制御を、単に「復帰制御」と示す場合がある。また、以下の説明では、復帰制御のうち、最初に実行される復帰制御(図6のステップS2)を、「1回目の復帰制御」と示す場合があるとともに、2回目以降に実行される復帰制御(図6のステップS7)を「n回目の復帰制御」(nは2〜5)と示す場合がある。
まず、図7(a)を用いて、演出ゲームにおいて右可動体演出が実行される場合であって、右可動体80が、右可動体演出において正常に原位置P1aに動作するときについて説明する。
副制御CPU31aは、演出ゲームにおいて右可動体演出を実行させることを決定した場合、演出ゲームの開始に伴って右可動体80を原位置P1aから演出位置P1bに動作させるように制御する(時点t0)。その後、副制御CPU31aは、右可動体演出の演出時間(例えば、1秒)が経過したことを契機として、右可動体80を演出位置P1bから原位置P1aに動作させるように制御する(時点t1)。前提より、ここでは、正常に右可動体80が原位置P1aに動作したものとする。その後、副制御CPU31aは、演出ゲームが終了する所定時間前に、終了前可動体処理を開始する(時点t2)。このとき、副制御CPU31aは、右可動体80が原位置P1aに位置していることから右可動体80を原位置P1aに復帰させる制御を行うことなく、終了前可動体処理を終了する。なお、上述したように、本実施形態において、終了前可動体処理にかかる時間は一定ではないが、最長でも、実行中の演出ゲームにおいて演出図柄が一旦停止表示され(時点t3)、続いて、演出図柄が確定停止表示され(時点t4)、その後、次の演出ゲームが開始される(時点t5)よりも前に、終了前可動体処理が終了するように構成されている。
そして、副制御CPU31aは、次の演出ゲームにおいて右可動体演出を実行させることを決定した場合、右可動体動作制限フラグが記憶されていないことから、次の演出ゲームの開始に伴って右可動体演出を開始させることができる(時点t5)。即ち、副制御CPU31aは、次の演出ゲームの開始時において右可動体80が原位置P1aに位置していることから、次の演出ゲームの開始に伴って右可動体演出を開始させることができる。
次に、図7(b)を用いて、演出ゲームにおいて右可動体演出が実行される場合であって、右可動体80が、右可動体演出において正常に原位置P1aに動作せず、終了前可動体処理における1回目の復帰制御により原位置P1aに復帰するときについて説明する。
この場合、右可動体80は、右可動体演出の演出時間が経過した後も、原位置P1aに動作することなく、演出位置P1bに位置し続けることとなる(時点t1〜)。なお、右可動体演出の演出時間が経過した後も右可動体80が演出位置P1bに位置し続ける状況としては、例えば、右可動体アクチュエータKA1を動作させるための制御信号が副制御CPU31aから正しく出力されない状況などが挙げられる。また例えば、右可動体アクチュエータKA1の動力が右可動体80に正しく伝達されない状況、右可動体アクチュエータKA1の動力が右可動体80に正しく伝達されたにもかかわらず、物理的な障害により右可動体80が正しく動作しない状況などが挙げられる。
その後、副制御CPU31aは、演出ゲームが終了する所定時間前に、終了前可動体処理を開始する(時点t2)。このとき、副制御CPU31aは、右可動体80が原位置P1aに位置していないことから、右可動体80を原位置P1aに復帰させる制御(1回目の復帰制御)を行う。前提より、ここでは、正常に右可動体80が原位置P1aに復帰したものとする。その後、副制御CPU31aは、右可動体80が原位置P1aに位置していることを確認し、終了前可動体処理を終了する。
そして、副制御CPU31aは、次の演出ゲームにおいて右可動体演出を実行させることを決定した場合、右可動体動作制限フラグが記憶されていないことから、次の演出ゲームの開始に伴って右可動体演出を開始させることができる(時点t5)。
次に、図8(a)を用いて、演出ゲームにおいて右可動体演出が実行される場合であって、右可動体80が、右可動体演出において正常に原位置P1aに動作せず、且つ、終了前可動体処理における1回目の復帰制御によっても原位置P1aに復帰せず、2回目以降の復帰制御により原位置P1aに復帰するときについて説明する。
この場合、右可動体80は、右可動体演出の演出時間が経過した後も、原位置P1aに動作することなく、演出位置P1bに位置し続けることとなる(時点t1〜)。その後、副制御CPU31aは、演出ゲームが終了する所定時間前に、終了前可動体処理を開始する(時点t2)。このとき、副制御CPU31aは、右可動体80が原位置P1aに位置していないことから、右可動体80を原位置P1aに復帰させる制御(1回目の復帰制御)を行う。前提より、ここでは、右可動体80が原位置P1aに復帰しなかったものとする。この場合、副制御CPU31aは、1回目の復帰制御を行った後も右可動体80が原位置P1aに位置していることを確認できないことから、右可動体エラーフラグを記憶させるとともに、右可動体エラー回数に「1」を加算する。その後、副制御CPU31aは、右可動体80が原位置P1aに位置していることを確認するまで、又は、右可動体エラー回数が所定回数(例えば、5回)に到達するまでの間、復帰制御及び確認制御を繰り返し行う。
そして、前提より、ここでは、右可動体エラー回数が所定回数に到達するよりも前に、右可動体80が原位置P1aに復帰したものとする(時点tA)。この場合、副制御CPU31aは、右可動体80が原位置P1aに位置していることを確認すると、右可動体エラーフラグ及び右可動体エラー回数を消去する。その後、副制御CPU31aは、終了前可動体処理を終了する。
そして、副制御CPU31aは、次の演出ゲームにおいて右可動体演出を実行させることを決定した場合、右可動体動作制限フラグが記憶されていないことから、次の演出ゲームの開始に伴って右可動体演出を開始させることができる(時点t5)。
次に、図8(b)を用いて、演出ゲームにおいて右可動体演出が実行される場合であって、右可動体80が、右可動体演出において正常に原位置P1aに動作せず、且つ、終了前可動体処理における1回目〜5回目の復帰制御によっても原位置P1aに復帰しないときについて説明する。
この場合、右可動体80は、右可動体演出の演出時間が経過した後も、原位置P1aに動作することなく、演出位置P1bに位置し続けることとなる(時点t1〜)。その後、副制御CPU31aは、演出ゲームが終了する所定時間前に、終了前可動体処理を開始する(時点t2)。このとき、副制御CPU31aは、右可動体80が原位置P1aに位置していないことから、右可動体80を原位置P1aに復帰させる制御(1回目の復帰制御)を行う。前提より、ここでは、右可動体80が原位置P1aに復帰しなかったものとする。この場合、副制御CPU31aは、1回目の復帰制御を行った後も右可動体80が原位置P1aに位置していることを確認できないことから、右可動体エラーフラグを記憶させるとともに、右可動体エラー回数に「1」を加算する。その後、副制御CPU31aは、右可動体80が原位置P1aに位置していることを確認するまで、又は、右可動体エラー回数が所定回数(例えば、5回)に到達するまでの間、復帰制御及び確認制御を繰り返し行う。
そして、前提より、ここでは、右可動体80が原位置P1aに復帰することなく、右可動体エラー回数が所定回数に到達したものとする。この場合、副制御CPU31aは、右可動体動作制限フラグを記憶させる(時点tB)。その後、副制御CPU31aは、終了前可動体処理を終了する。即ち、副制御CPU31aは、右可動体80が原位置P1aに復帰しないまま、可動体エラー回数が所定回数に達したことを契機として、右可動体80の動作を制限する。
この場合、副制御CPU31aは、次の演出ゲームにおいて右可動体演出を実行させることを決定したときであっても、右可動体動作制限フラグが記憶されていることから、次の演出ゲームの開始に伴って右可動体演出を開始させない(時点t5)。即ち、副制御CPU31aは、次の演出ゲームの開始時において右可動体80が原位置P1aに位置していないことから、次の演出ゲームの開始に伴って右可動体演出を開始させない。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1−1)本実施形態では、次の演出ゲームを開始するに際して、右可動体80が原位置P1aに位置していないことにより、右可動体80を用いた右可動体演出を正常に行えなくなってしまうことを抑制できる。したがって、本実施形態では、右可動体演出を適切に実行させ易くすることができ、遊技に対する興趣を向上できる。
(1−2)副制御CPU31aは、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが変動パターンHP1,HP3〜HP6の何れであっても、演出ゲームが終了する3秒前に終了前可動体処理を実行する。即ち、副制御CPU31aは、演出ゲームの変動時間が異なる場合であっても、該演出ゲームが終了するときから同一の所定時間(例えば、3秒)だけ前に終了前可動体処理を実行可能である。このため、本実施形態では、例えば、演出ゲームの変動時間毎に所定時間を異ならせる場合と比較して、副制御CPU31aの制御を簡素化できる。
(1−3)副制御CPU31aは、所定回数の確認制御に亘って右可動体80が原位置P1aに位置していないことを確認した場合、右可動体動作制限フラグを記憶させることにより、右可動体80の動作を制限する。これによれば、本実施形態では、右可動体80が原位置P1aに位置していない状態で右可動体演出が実行されてしまうことにより、右可動体演出が不完全に実行されてしまうことを抑制できる。したがって、本実施形態では、右可動体演出を適切に実行させ易くすることができ、遊技に対する興趣を向上できる。
(1−4)例えば、右可動体80が原位置P1aに向かって動作中であるときなど、仮に1回目の確認制御において右可動体80が原位置P1aに位置していないことを確認した場合であっても、その後に右可動体80が原位置P1aに復帰することも考えられる。これに対し、本実施形態において、副制御CPU31aは、複数である所定回数の確認制御に亘って右可動体80が原位置P1aに位置していないことを確認したことを条件として、右可動体動作制限フラグを記憶させ、右可動体80の動作を制限する。即ち、副制御CPU31aは、確認制御を所定回数繰り返しても右可動体80が原位置P1aに復帰しなかったことを条件として、右可動体80の動作を制限する。したがって、本実施形態では、より適切に右可動体80の動作を制限することができる。
(1−5)終了前可動体処理において、副制御CPU31aは、確認制御において右可動体80が原位置P1aに位置していないことを確認した場合、右可動体エラーフラグを記憶させることにより右可動体80を用いた可動体演出の実行を制限するとともに、右可動体80を原位置P1aへ復帰させる復帰制御を実行する。これによれば、本実施形態では、右可動体80が原位置P1aに位置していない場合、右可動体80を用いた可動体演出が不完全に実行されてしまうことを抑制しつつ、右可動体80を原位置P1aへ復帰させることができるため、より適切に右可動体80の動作を制御できる。
(1−6)右可動体80の動作はあくまでも演出であり、遊技に与える影響は小さい(又は、ない)と考えられる。このため、仮に、右可動体80の動作が制限されたことをスピーカSp及び装飾ランプLaによって報知すると、却って遊技者を困惑させてしまう虞がある。これに対し、本実施形態では、右可動体80の動作が制限された場合であっても、その旨をスピーカSp及び装飾ランプLaで報知しないため、遊技者を困惑させてしまうことを抑制できる。
(1−7)副制御CPU31aは、右可動体80に関する制御状況によっては、演出ゲームが終了する規定時間(3秒)前に終了前可動体処理を実行しない。これによれば、本実施形態では、右可動体80に関する制御状況に応じた制御を行うことができるため、右可動体80を用いた可動体演出を適切に実行させ易くすることができ、遊技に対する興趣を向上できる。
(1−8)特に、本実施形態において、変動パターンHP2が指定されたときの演出ゲームの変動時間(2秒)は、規定時間(3秒)よりも短い時間である。このため、本実施形態において、副制御CPU31aは、変動パターンHP2が指定されたときの演出ゲームにおいては、演出ゲームが終了する規定時間前には終了前可動体処理を実行せず、演出ゲームが終了するときから、規定時間より短い所定時間(0.5秒)だけ前に終了前可動体処理を実行する。これによれば、演出ゲームの変動時間に応じて適切に終了前可動体処理を実行できる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態のパチンコ遊技機について説明する。なお、以下の説明では、すでに説明した実施形態と同一の構成、及び同一の制御内容については同一の符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
図9に示すように、第2実施形態のパチンコ遊技機10は、可動体を用いた可動体演出の1つとして、連続する複数回の演出ゲームに亘って右可動体80を演出位置P1bに動作させる連続可動体演出としての特殊ゾーン演出を実行可能である。本実施形態の特殊ゾーン演出は、保留中の演出ゲームのうち何れか1つの演出ゲームを対象として、該演出ゲームにおける大当り期待度が高いことを示す演出として実行される。また、本実施形態の特殊ゾーン演出は、保留中の演出ゲームの中にリーチ演出が実行される演出ゲームがある場合であって、且つ、該リーチ演出が実行される演出ゲームよりも前にリーチ演出が実行されない保留中の演出ゲームがあるときに、リーチ演出が実行される演出ゲームを対象として実行され得る。
具体的に、特殊ゾーン演出において、右可動体80は、対象とした演出ゲームよりも前に実行される演出ゲームの開始に伴って原位置P1aから演出位置P1bに動作する(図9(a))。その後、右可動体80は、実行中の演出ゲームが終了し(図9(b))、次の演出ゲームが開始された後も継続して演出位置P1bに位置する(図9(c))。そして、右可動体80は、特殊ゾーン演出の対象とした演出ゲームの実行中における所定のタイミングで、原位置P1aに動作する(図9(d))。第2実施形態の特殊ゾーン演出において右可動体80が原位置P1aに動作するタイミングは、終了前可動体処理が実行されるタイミングである。第2実施形態において、終了前可動体処理は、上述した第1実施形態と同一のタイミングで実行される。即ち、第2実施形態の特殊ゾーン演出において、右可動体80は、対象とした演出ゲームが終了する所定時間(例えば、3秒)前に演出位置P1bから原位置P1aに動作する。
なお、第2実施形態の特殊ゾーン演出において右可動体80が原位置P1aに動作するタイミングは、対象とした演出ゲームにおいて大当り表示結果が導出される場合と、はずれ表示結果が導出される場合とで、同一のタイミングである。また、第2実施形態の特殊ゾーン演出において右可動体80が原位置P1aに動作するタイミングは、対象とした演出ゲームにおいて大当り表示結果及びはずれ表示結果のうち何れかの表示結果が導出されるタイミングよりも前のタイミングである。即ち、第2実施形態の特殊ゾーン演出では、右可動体80が原位置P1aに動作したタイミングでは、対象とした演出ゲームにおいて大当り表示結果及びはずれ表示結果のうち何れの表示結果が導出されるかを特定不能である。
以下、第2実施形態において、可動体に関して副制御CPU31aが行う制御について説明する。
まず、特殊ゾーン演出を実行させるか否かを決定する場合の副制御CPU31aの制御について説明する。副制御CPU31aは、先読みコマンドを入力すると、該先読みコマンドに基づいて、該先読みコマンドに対応する演出ゲームを対象として特殊ゾーン演出を実行させるか否かを決定する。具体的に、副制御CPU31aは、先読みコマンドに対応する演出ゲームにおいてリーチ演出が実行されることを特定した場合であって、該先読みコマンドに対応する演出ゲームよりも前に、リーチ演出が実行されない保留中の演出ゲームがあるときに、所定の乱数を用いた抽選を行うことにより特殊ゾーン演出を実行させるか否かを決定する。このとき、副制御CPU31aは、特殊ゾーン演出が実行された場合には、特殊ゾーン演出が実行されないときと比較して、対象とした演出ゲームにおける大当り期待度が高くなるように、特殊ゾーン演出を実行させるか否かを決定する。ここで、所定の演出が実行されたときの大当り期待度を高くするには、大当りの先読みコマンドを入力したときの決定割合と、はずれの先読みコマンドを入力したときの決定割合と、の合算における、大当りの先読みコマンドを入力したときの決定割合の占める比率を高くするとよい。
次に、特殊ゾーン演出を開始させる場合の副制御CPU31aの制御について説明する。副制御CPU31aは、特殊ゾーン演出の実行を決定した場合、該特殊ゾーン演出の対象とした演出ゲームよりも前に保留された演出ゲームの開始に伴って、右可動体80を原位置P1aから演出位置P1bに動作させることにより、特殊ゾーン演出を開始させるように制御する。
次に、特殊ゾーン演出を終了させる場合の副制御CPU31aの制御について説明する。第2実施形態において、副制御CPU31aは、終了前可動体処理により、特殊ゾーン演出を終了させるようになっている。
図10に示すように、第2実施形態の終了前可動体処理において、副制御CPU31aは、特殊ゾーン演出の実行中であるかを判定する(ステップSa1)。特殊ゾーン演出の実行中である場合(ステップSa1:YES)、副制御CPU31aは、実行中の演出ゲームが、特殊ゾーン演出の対象とした演出ゲームであるかを判定する(ステップSa2)。実行中の演出ゲームが特殊ゾーン演出の対象とした演出ゲームではない場合(ステップSa2:NO)、副制御CPU31aは、終了前可動体処理を終了する。即ち、副制御CPU31aは、特殊ゾーン演出の実行中であって、実行中の演出ゲームが特殊ゾーン演出の対象とした演出ゲームではない場合、右可動体80が原位置P1aに位置しているかを確認する確認制御、及び右可動体80を原位置P1aに復帰させる復帰制御を行うことなく終了前可動体処理を終了する。
一方、特殊ゾーン演出の実行中ではない場合(ステップSa1:NO)、及び実行中の演出ゲームが特殊ゾーン演出の対象とした演出ゲームである場合(ステップSa2:YES)、副制御CPU31aは、右可動体80が原位置P1aに位置しているかを判定する(ステップS1)。なお、第2実施形態の終了前可動体処理におけるステップS1以降の処理は、すでに説明した第1実施形態の終了前可動体処理におけるステップS1以降の処理と同様であるため、説明を省略する。
このような終了前可動体処理によれば、副制御CPU31aは、今回の演出ゲームと次回の演出ゲームに亘って特殊ゾーン演出を実行する場合、今回の演出ゲームが終了する規定時間(3秒)前に右可動体80を原位置P1aへ復帰させる復帰制御を実行しない。そして、このような終了前可動体処理によれば、副制御CPU31aは、今回の演出ゲームが特殊ゾーン演出の対象とした演出ゲームである場合、今回の演出ゲームが終了する規定時間(3秒)前に右可動体80を原位置P1aへ動作させることができる。これにより、本実施形態では、特殊ゾーン演出において、連続する複数回の演出ゲームに亘って右可動体80を演出位置P1bに動作させることができる。
以下、第2実施形態における可動体の制御の流れの具体的な一例について説明する。
まず、図11(a)を用いて、特殊ゾーン演出が実行される場合であって、右可動体80が、特殊ゾーン演出の対象とした演出ゲームにおける終了前可動体処理において、1回目の復帰制御により原位置P1aに復帰するときについて説明する。なお、特殊ゾーン演出の対象とした演出ゲームにおける終了前可動体処理において、1回目の復帰制御により原位置P1aに復帰するとは、特殊ゾーン演出において右可動体80が正常に原位置P1aへ動作することを指す。
副制御CPU31aは、演出ゲームにおいて特殊ゾーン演出を実行させることを決定した場合、特殊ゾーン演出の対象とした演出ゲームよりも前に実行される演出ゲームの開始に伴って右可動体80を原位置P1aから演出位置P1bに動作させるように制御する(時点t10)。その後、副制御CPU31aは、演出ゲームが終了する所定時間前に、終了前可動体処理を開始する(時点t11)。このとき、副制御CPU31aは、特殊ゾーン演出の実行中であって、実行中の演出ゲームが特殊ゾーン演出の対象とした演出ゲームではないことから、右可動体80を原位置P1aに動作させることなく、演出位置P1bに動作させたままとする。その後、副制御CPU31aは、実行中の演出ゲームが終了し、特殊ゾーン演出の対象とした演出ゲームにおける所定のタイミング(第2実施形態では、終了前可動体処理が行われるタイミング)が到来するまで、右可動体80を原位置P1aに動作させることなく、演出位置P1bに動作させたままとする(時点t11〜t15)。
そして、副制御CPU31aは、特殊ゾーン演出の対象とした演出ゲームが終了する所定時間前に、終了前可動体処理を開始する(時点t15)。このとき、副制御CPU31aは、特殊ゾーン演出の実行中であって、実行中の演出ゲームが特殊ゾーン演出の対象とした演出ゲームであることから、右可動体80を原位置P1aに復帰させる制御(1回目の復帰制御)を行う。前提より、ここでは、正常に右可動体80が原位置P1aに復帰したものとする。これにより、副制御CPU31aは、特殊ゾーン演出を終了させる。その後、副制御CPU31aは、右可動体80が原位置P1aに位置していることを確認し、終了前可動体処理を終了する。
次に、図11(b)を用いて、特殊ゾーン演出が実行される場合であって、右可動体80が、特殊ゾーン演出の対象とした演出ゲームにおける終了前可動体演出において、1回目の復帰制御によっては原位置P1aに復帰せず、2回目以降の復帰制御により原位置P1aに復帰するときについて説明する。
この場合、右可動体80は、特殊ゾーン演出の対象とした演出ゲームにおける終了前可動体処理において、1回目の復帰制御が行われた後も、原位置P1aに動作することなく、演出位置P1bに位置し続けることとなる(時点t15〜)。この場合、副制御CPU31aは、1回目の復帰制御を行った後に右可動体80が原位置P1aに位置していることを確認できないことから、右可動体エラーフラグを記憶させるとともに、右可動体エラー回数に「1」を加算する。その後、副制御CPU31aは、右可動体80が原位置P1aに位置していることを確認するまで、又は、右可動体エラー回数が所定回数(例えば、5回)に到達するまでの間、復帰制御及び確認制御を繰り返し行う。
そして、前提より、ここでは、右可動体エラー回数が所定回数に到達するよりも前に、右可動体80が原位置P1aに復帰したものとする(時点tC)。この場合、副制御CPU31aは、右可動体80が原位置P1aに位置していることを確認すると、右可動体エラーフラグ及び右可動体エラー回数を消去する。その後、副制御CPU31aは、終了前可動体処理を終了する。即ち、副制御CPU31aは、特殊ゾーン演出の対象とした演出ゲームにおける終了前可動体処理において、1回目の復帰制御により右可動体80が原位置P1aに動作しなかった場合であっても、繰り返し復帰制御を行うことによって、右可動体80を原位置P1aに動作させ、特殊ゾーン演出を終了させることができる。
次に、図11(c)を用いて、特殊ゾーン演出が実行される場合であって、右可動体80が、特殊ゾーン演出の対象とした演出ゲームにおける終了前可動体演出において、1回目〜5回目の復帰制御によって原位置P1aに復帰しないときについて説明する。
この場合、右可動体80は、特殊ゾーン演出の対象とした演出ゲームにおける終了前可動体処理において、1回目の復帰制御が行われた後も、原位置P1aに動作することなく、演出位置P1bに位置し続けることとなる(時点t15〜)。この場合、副制御CPU31aは、1回目の復帰制御を行った後に右可動体80が原位置P1aに位置していることを確認できないことから、右可動体エラーフラグを記憶させるとともに、右可動体エラー回数に「1」を加算する。その後、副制御CPU31aは、右可動体80が原位置P1aに位置していることを確認するまで、又は、右可動体エラー回数が所定回数(例えば、5回)に到達するまでの間、復帰制御及び確認制御を繰り返し行う。
そして、前提より、ここでは、右可動体80が原位置P1aに復帰することなく、右可動体エラー回数が所定回数に到達したものとする。この場合、副制御CPU31aは、右可動体動作制限フラグを記憶させる(時点tD)。その後、副制御CPU31aは、終了前可動体処理を終了する。即ち、副制御CPU31aは、右可動体80が原位置P1aに復帰しないまま、右可動体エラー回数が所定回数に達したことを契機として、右可動体80の動作を制限する。言い換えれば、副制御CPU31aは、特殊ゾーン演出を正常に終了させられないまま、右可動体エラー回数が所定回数に達したことを契機として、右可動体80の動作を制限する。
この場合、副制御CPU31aは、次の演出ゲームにおいて右可動体演出を実行させることを決定したときであっても、右可動体動作制限フラグが記憶されていることから、次の演出ゲーム以降、右可動体演出及び特殊ゾーン演出を実行させない。即ち、副制御CPU31aは、次の演出ゲームの開始時において右可動体80が原位置P1aに位置していないことから、次の演出ゲームの開始に伴って右可動体演出及び特殊ゾーン演出を実行させない。
以上詳述したように、第2実施形態は、上述した効果(1−1)〜(1−8)に加えて、以下の効果を有する。
(2−1)仮に、今回の演出ゲームと次回の演出ゲームに亘って特殊ゾーン演出が実行される場合に、今回の演出ゲームが終了する所定時間前に行われる終了前可動体処理において、右可動体80を原位置P1aに復帰させる復帰制御が実行されたときには、特殊ゾーン演出の連続性が失われてしまうことが考えられる。これに対し、第2実施形態では、今回の演出ゲームと次回の演出ゲームに亘って特殊ゾーン演出が実行される場合、今回の演出ゲームが終了する所定時間前に行われる終了前可動体処理においては、右可動体80を原位置P1aに復帰させる復帰制御が実行されないため、より効果的に特殊ゾーン演出を楽しませることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態のパチンコ遊技機について説明する。
図12に示すように、第3実施形態のパチンコ遊技機10は、可動体を用いた可動体演出の1つとして、右可動体演出に加えて、演出ゲームの開始時に左可動体90を動作させる左可動体演出を実行可能である。左可動体演出は、例えば、演出ゲームにおける大当り期待度が高いことを示す演出として実行される。なお、左可動体演出は、高確率状態又は高ベース状態など、特定の遊技状態が付与されていることを示す演出など、大当り期待度とは異なる内容を示す演出として実行されてもよい。
具体的に、左可動体演出において、左可動体90は、演出ゲームの開始に伴って原位置P2aから演出位置P2bに動作し(図12(a))、その後、予め定めた演出時間が経過したことに伴って演出位置P2bから原位置P2aに動作する(図12(b))。なお、本実施形態の左可動体演出において、左可動体90が演出位置P2bに動作してから原位置P2aに動作するまでの演出時間は、左可動体演出が実行される演出ゲームの変動時間よりも短い時間(例えば、1秒)である。
以下、第3実施形態において、可動体に関して副制御CPU31aが行う制御について説明する。
まず、左可動体演出を実行させるか否かを決定する場合の副制御CPU31aの制御について説明する。副制御CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づいて左可動体演出を実行するか否かを特定する。このとき、副制御CPU31aは、左可動体演出が実行された場合には、左可動体演出が実行されないときと比較して、実行中の演出ゲームにおける大当り期待度が高くなるように、左可動体演出を実行させるか否かを決定する。
また、副制御CPU31aは、先読みコマンドを入力すると、入力した先読みコマンドに対応する特別ゲームの変動パターンを特定し、該特定した変動パターンに基づいて、入力した先読みコマンドに対応する演出ゲームにおいて左可動体演出が実行されるか否かを特定する。即ち、副制御CPU31aは、演出ゲームが開始されるよりも前に、該演出ゲームにおいて左可動体演出が実行されるか否かを特定可能である。
次に、左可動体演出を実行させる場合の副制御CPU31aの制御について説明する。副制御CPU31aは、入力した変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づいて左可動体演出の実行を決定した場合、該変動パターンに基づく演出ゲームの開始に伴って、左可動体90を原位置P2aから演出位置P2bに動作させることにより、左可動体演出を開始させるように制御する。また、副制御CPU31aは、左可動体演出の開始に伴って、演出時間(例えば、1秒)の計測を開始する。そして、副制御CPU31aは、演出時間が経過したことを契機として、左可動体90を演出位置P2bから原位置P2aに動作させることにより、左可動体演出を終了させるように制御する。
次に、第3実施形態における終了前可動体処理について説明する。
図13に示すように、第3実施形態の終了前可動体処理において、副制御CPU31aは、次の演出ゲームで左可動体90が動作するか否かを判定する(ステップSb1)。言い換えれば、ステップSb1の処理において、副制御CPU31aは、次の演出ゲームの実行中に左可動体演出が実行されるか否かを判定する。次の演出ゲームで左可動体90が動作しない場合(ステップSb1:NO)、副制御CPU31aは、終了前可動体処理を終了する。即ち、副制御CPU31aは、次の演出ゲームで左可動体90が動作しない場合、右可動体80が原位置P1aに位置しているかを確認する確認制御、及び右可動体80を原位置P1aに復帰させる復帰制御を行うことなく終了前可動体処理を終了する。
一方、次の演出ゲームで左可動体90が動作する場合(ステップSb1:YES)、副制御CPU31aは、右可動体80が原位置P1aに位置しているかを判定する(ステップS1)。なお、第3実施形態の終了前可動体処理におけるステップS1〜S11の処理は、すでに説明した第1実施形態の終了前可動体処理におけるステップS1〜S11の処理と同様であるため、説明を省略する。
そして、終了前可動体処理において、副制御CPU31aは、右可動体エラー回数が所定回数に到達した場合(ステップS6:YES)、副制御RAM31cに右可動体動作制限フラグを記憶させ(ステップS11)、その後、副制御RAM31cに左可動体動作制限フラグを記憶させる(ステップSb2)。本実施形態において、左可動体動作制限フラグは、左可動体90の動作を制限することを示すフラグである。具体的に、本実施形態において、副制御CPU31aは、左可動体動作制限フラグが記憶されている場合、左可動体90の動作を制御する左可動体アクチュエータKA2に制御信号を出力しない。このため、本実施形態では、左可動体動作制限フラグが記憶されている場合、左可動体90が動作されない。したがって、本実施形態では、左可動体動作制限フラグが記憶されている場合、左可動体演出が実行されない。そして、副制御CPU31aは、副制御RAM31c内の所定の記憶領域に左可動体動作制限フラグを記憶させると、終了前可動体処理を終了する。
これによれば、副制御CPU31aは、実行中の演出ゲームの次に実行される演出ゲームで左可動体90が動作する場合に、実行中の演出ゲームが終了する所定時間前に行われる終了前可動体処理において、右可動体80が原位置P1aに位置しているかを確認する確認制御、及び右可動体80を原位置P1aに復帰させる復帰制御を実行可能である。なお、本実施形態において、実行中の演出ゲームの次に実行される演出ゲームで左可動体90が動作することは、所定の条件の成立に相当する。
以下、第3実施形態における可動体の制御の流れの具体的な一例について説明する。
まず、図14(a)を用いて、演出ゲームにおいて右可動体演出が実行され、且つ、次に実行される演出ゲームにおいて左可動体演出が実行される場合であって、右可動体80が、右可動体演出において正常に原位置P1aに動作するときについて説明する。
副制御CPU31aは、演出ゲームにおいて右可動体演出を実行させることを決定した場合、演出ゲームの開始に伴って右可動体80を原位置P1aから演出位置P1bに動作させるように制御する(時点t20)。その後、副制御CPU31aは、右可動体演出の演出時間(例えば、1秒)が経過したことを契機として、右可動体80を演出位置P1bから原位置P1aに動作させるように制御する(時点t21)。前提より、ここでは、正常に右可動体80が原位置P1aに動作したものとする。その後、副制御CPU31aは、演出ゲームが終了する所定時間前に、終了前可動体処理を開始する(時点t22)。このとき、副制御CPU31aは、次の演出ゲームにおいて左可動体演出が実行されることから、右可動体80が原位置P1aに位置しているかを確認する確認制御を行う。そして、ここでは、右可動体80が原位置P1aに位置していることから、副制御CPU31aは、右可動体80を原位置P1aに復帰させる制御を行うことなく、終了前可動体処理を終了する。
そして、この場合、副制御CPU31aは、左可動体動作制限フラグが記憶されていないことから、次の演出ゲームにおいて左可動体演出を実行させる。即ち、副制御CPU31aは、次の演出ゲームの開始時において左可動体90を原位置P2aから演出位置P2bに動作させ(時点t25)、その後、演出時間(1秒)の経過後に左可動体90を演出位置P2bから原位置P2aに動作させるように制御する(時点t26)。
このように、副制御CPU31aは、次の演出ゲームにおいて左可動体90を動作させる場合、今回の演出ゲームにおける終了前可動体処理において右可動体80が原位置P1aに位置しているかを確認する確認制御を行う。そして、副制御CPU31aは、今回の演出ゲームにおける終了前可動体処理において右可動体80が原位置P1aに位置していることを確認した場合、次の演出ゲームにおいて左可動体90を動作させることができる。
次に、図14(b)を用いて、演出ゲームにおいて右可動体演出が実行され、且つ、次に実行される演出ゲームにおいて左可動体演出が実行される場合であって、右可動体80が、右可動体演出が実行される演出ゲームの終了前可動体処理における1回目の復帰制御により原位置P1aに復帰するときについて説明する。即ち、右可動体80が、右可動体演出において正常に原位置P1aに動作しない場合について説明する。
この場合、右可動体80は、右可動体演出の演出時間が経過した後も、原位置P1aに動作することなく、演出位置P1bに位置し続けることとなる(時点t21〜)。その後、副制御CPU31aは、演出ゲームが終了する所定時間前に、終了前可動体処理を開始する(時点t22)。このとき、副制御CPU31aは、次の演出ゲームにおいて左可動体演出が実行されることから、右可動体80が原位置P1aに位置しているかを確認する確認制御を行う。そして、この場合、右可動体80が原位置P1aに位置していないことから、副制御CPU31aは、右可動体80を原位置P1aに復帰させる制御(1回目の復帰制御)を行う。前提より、ここでは、正常に右可動体80が原位置P1aに復帰したものとする。その後、副制御CPU31aは、右可動体80が原位置P1aに位置していることを確認し、終了前可動体処理を終了する。そして、この場合、副制御CPU31aは、左可動体動作制限フラグが記憶されていないことから、次の演出ゲームにおいて左可動体演出を実行させる。
このように、副制御CPU31aは、次の演出ゲームにおいて左可動体90を動作させる場合、今回の演出ゲームにおける終了前可動体処理において右可動体80が原位置P1aに位置しているかを確認する確認制御を行う。そして、副制御CPU31aは、今回の演出ゲームにおける終了前可動体処理において右可動体80が原位置P1aに位置していないことを確認した場合、右可動体80を原位置P1aへ復帰させる1回目の復帰制御を行う。そして、1回目の復帰制御において右可動体80が原位置P1aへ復帰した場合、副制御CPU31aは、次の演出ゲームにおいて左可動体90を動作させることができる。
次に、図15(a)を用いて、演出ゲームにおいて右可動体演出が実行され、且つ、次に実行される演出ゲームにおいて左可動体演出が実行される場合であって、右可動体80が、右可動体演出が実行される演出ゲームの終了前可動体処理における2回目以降の復帰制御により原位置P1aに復帰するときについて説明する。即ち、右可動体80が、右可動体演出において正常に原位置P1aに動作せず、且つ、右可動体演出が実行される演出ゲームの終了前可動体処理における1回目の復帰制御によっても原位置P1aに復帰しない場合について説明する。
この場合、右可動体80は、右可動体演出の演出時間が経過した後も、原位置P1aに動作することなく、演出位置P1bに位置し続けることとなる(時点t21〜)。その後、副制御CPU31aは、演出ゲームが終了する所定時間前に、終了前可動体処理を開始する(時点t22)。このとき、副制御CPU31aは、次の演出ゲームにおいて左可動体演出が実行されることから、右可動体80が原位置P1aに位置しているかを確認する確認制御を行う。そして、この場合、右可動体80が原位置P1aに位置していないことから、右可動体80を原位置P1aに復帰させる制御(1回目の復帰制御)を行う。前提より、ここでは、右可動体80が原位置P1aに復帰しなかったものとする。この場合、副制御CPU31aは、1回目の復帰制御を行った後も右可動体80が原位置P1aに位置していることを確認できないことから、右可動体エラーフラグを記憶させるとともに、右可動体エラー回数に「1」を加算する。その後、副制御CPU31aは、右可動体80が原位置P1aに位置していることを確認するまで、又は、右可動体エラー回数が所定回数(例えば、5回)に到達するまでの間、復帰制御及び確認制御を繰り返し行う。
そして、前提より、ここでは、右可動体エラー回数が所定回数に到達するよりも前に、右可動体80が原位置P1aに復帰したものとする(時点tE)。この場合、副制御CPU31aは、右可動体80が原位置P1aに位置していることを確認すると、右可動体エラーフラグ及び右可動体エラー回数を消去する。その後、副制御CPU31aは、終了前可動体処理を終了する。そして、この場合、副制御CPU31aは、左可動体動作制限フラグが記憶されていないことから、次の演出ゲームにおいて左可動体演出を実行させる。
このように、副制御CPU31aは、次の演出ゲームにおいて左可動体90を動作させる場合、今回の演出ゲームにおける終了前可動体処理において右可動体80が原位置P1aに位置しているかを確認する確認制御を行う。そして、副制御CPU31aは、今回の演出ゲームにおける終了前可動体処理において右可動体80が原位置P1aに位置していないことを確認した場合、右可動体80を原位置P1aへ復帰させる1回目の復帰制御を行う。さらに、1回目の復帰制御において右可動体80が原位置P1aへ復帰しなかった場合、副制御CPU31aは、右可動体エラーフラグを記憶させるとともに右可動体エラー回数に「1」を加算する。その後、副制御CPU31aは、右可動体エラー回数が所定回数に到達するまで、右可動体80が原位置P1aに位置しているかを確認する確認制御、及び右可動体80を原位置P1aへ復帰させる復帰制御を繰り返し行う。そして、副制御CPU31aは、右可動体エラー回数が所定回数に到達するよりも前に、右可動体80が原位置P1aに復帰した場合、右可動体エラーフラグ及び右可動体エラー回数を消去し、次の演出ゲームにおいて左可動体90を動作させることができる。
次に、図15(b)を用いて、演出ゲームにおいて右可動体演出が実行され、且つ、次に実行される演出ゲームにおいて左可動体演出が実行される場合であって、右可動体80が原位置P1aに復帰することなく、右可動体演出が実行される演出ゲームの終了前可動体処理が終了するときについて説明する。即ち、右可動体80が、右可動体演出において正常に原位置P1aに動作せず、且つ、右可動体演出が実行される演出ゲームの終了前可動体処理における1〜5回目の復帰制御によっても原位置P1aに復帰しない場合について説明する。
この場合、右可動体80は、右可動体演出の演出時間が経過した後も、原位置P1aに動作することなく、演出位置P1bに位置し続けることとなる(時点t21〜)。その後、副制御CPU31aは、演出ゲームが終了する所定時間前に、終了前可動体処理を開始する(時点t22)。このとき、副制御CPU31aは、次の演出ゲームにおいて左可動体演出が実行されることから、右可動体80が原位置P1aに位置しているかを確認する確認制御を行う。そして、この場合、右可動体80が原位置P1aに位置していないことから、右可動体80を原位置P1aに復帰させる制御(1回目の復帰制御)を行う。前提より、ここでは、右可動体80が原位置P1aに復帰しなかったものとする。この場合、副制御CPU31aは、1回目の復帰制御を行った後も右可動体80が原位置P1aに位置していることを確認できないことから、右可動体エラーフラグを記憶させるとともに、右可動体エラー回数に「1」を加算する。その後、副制御CPU31aは、右可動体80が原位置P1aに位置していることを確認するまで、又は、右可動体エラー回数が所定回数(例えば、5回)に到達するまでの間、復帰制御及び確認制御を繰り返し行う。
そして、前提より、ここでは、右可動体80が原位置P1aに復帰することなく、右可動体エラー回数が所定回数に到達したものとする。この場合、副制御CPU31aは、右可動体動作制限フラグ及び左可動体動作制限フラグを記憶させる(時点tF)。その後、副制御CPU31aは、終了前可動体処理を終了する。即ち、副制御CPU31aは、右可動体80が原位置P1aに復帰しないまま、可動体エラー回数が所定回数に達したことを契機として、右可動体80及び左可動体90の動作を制限する。
この場合、副制御CPU31aは、次の演出ゲームにおいて左可動体演出を実行させることを決定したときであっても、左可動体動作制限フラグが記憶されていることから、次の演出ゲームの開始に伴って左可動体演出を開始させない(時点t25)。即ち、副制御CPU31aは、次の演出ゲームの開始時において右可動体80が原位置P1aに位置していない場合、次の演出ゲームの開始に伴って左可動体演出を開始させない。
以上詳述したように、第3実施形態は、上述した効果(1−1)〜(1−8)に加えて、以下の効果を有する。
(3−1)次の演出ゲームにおいて左可動体90が動作されることを条件として、今回の演出ゲームにおける終了前可動体処理において、右可動体80が原位置P1aに位置しているかを確認する確認制御、及び右可動体80を原位置P1aに復帰させる復帰制御を実行することができる。即ち、所定の条件が成立しているかという観点において適切な状況で確認制御及び復帰制御を実行することができるため、右可動体80をより適切に制御できる。
(3−2)今回の変動ゲームの次に実行される変動ゲームにおいて左可動体90を動作させるに際して、右可動体80が意図しない状態になっていることを抑制できるため、左可動体90を適切に動作させることができる。
(3−3)特に、右可動体80と左可動体90とは、動作範囲の一部が重複する可動体である。このため、仮に、今回の変動ゲームの次に実行される変動ゲームにおいて左可動体90を動作させるに際して、右可動体80が演出位置P1bに位置している場合には、右可動体80と左可動体90とが干渉してしまう虞がある。これに対し、第3実施形態では、右可動体80が原位置P1aに位置していることを条件として、左可動体90が動作するため、右可動体80と左可動体90とが干渉してしまうことを抑制できる。
なお、各実施形態は以下のように変更してもよい。
・パチンコ遊技機10は、可動体演出の1つとして、1の演出ゲーム中に右可動体80及び左可動体90の両方を動作させて行う左右可動体演出を実行可能であってもよい。左右可動体演出において、右可動体80及び左可動体90は、交互に動作してもよいし、同時に動作してもよい。なお、左右可動体演出において右可動体80及び左可動体90が同時に動作する場合、右可動体80及び左可動体90の動作範囲が重複しないように構成するとよい。即ち、左右可動体演出において、右可動体80及び左可動体90が干渉しないように構成するとよい。また、この場合、左右可動体演出は、右可動体演出及び左可動体演出よりも大当り期待度が高いことを示す演出としてもよい。即ち、パチンコ遊技機10では、1の演出ゲームにおいて、右可動体80及び左可動体90の両方が動作された場合には、右可動体80及び左可動体90の何れか一方が動作されたときよりも、1の演出ゲームにおける大当り期待度が高いことが報知されてもよい。そして、副制御CPU31aは、実行中の演出ゲームにおける終了前可動体処理において、次の演出ゲームで右可動体80及び左可動体90のうち何れか一方の可動体を動作させることを条件に、一方の可動体とは異なる他方の可動体が原位置に位置しているかを確認する確認制御、及び他方の可動体を原位置へ復帰させる復帰制御を実行するとよい。これによれば、例えば、左可動体90を動作させる左可動体演出を実行させる場合に、右可動体80が演出位置P1bから原位置P1aに復帰していないことで、左右可動体演出が実行されたと誤認させてしまうことを抑制できる。したがって、この別例では、演出ゲームにおける大当り期待度を誤認させてしまうことにより、遊技者の興趣を低下させてしまうことを抑制できる。
・副制御CPU31aは、実行中の演出ゲームにおける終了前可動体処理において、次の演出ゲームで右可動体80及び左可動体90のうち何れか一方の可動体を動作させることを条件に、該一方の可動体が原位置に位置しているかを確認する確認制御、及び他方の可動体を原位置へ復帰させる復帰制御を実行してもよい。これによれば、例えば、右可動体80を動作させる右可動体演出を実行させる場合に、右可動体80が演出位置P1bから原位置P1aに復帰していないことで、右可動体演出が不完全に実行されてしまうことを抑制できる。したがって、この別例では、可動体演出が不完全に実行されてしまうことにより、遊技者の興趣を低下させてしまうことを抑制できる。
・実行中の演出ゲームが終了する所定時間前に終了前可動体処理を行うときの所定時間は、パチンコ遊技機10の遊技状態が異なる場合であっても同一となることがあってもよいし、異なることがあってもよい。即ち、終了前可動体処理を実行するタイミングは、遊技状態にかかわらず同一であってもよいし、遊技状態に応じて異なっていてもよい。これによれば、遊技状態毎に所定時間を異ならせる場合と比較して、終了前可動体処理を実行するための制御を簡素化できる。また、所定時間は、所定の遊技状態において、入力した変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンから特定可能な変動時間が異なる場合であっても同一となることがあってもよいし、異なることがあってもよい。即ち、終了前可動体処理を実行するタイミングは、所定の遊技状態において、変動パターンから特定可能な変動時間にかかわらず同一であってもよいし、変動パターンから特定可能な変動時間に応じて異なっていてもよい。これによれば、所定の遊技状態において変動時間毎に所定時間を異ならせる場合と比較して、終了前可動体処理を実行するための制御を簡素化できる。また、所定時間は、遊技状態及び変動時間に関わらず、常に同一の時間であってもよい。
・終了前可動体処理を実行するタイミングは、実行中の演出ゲームが終了する所定時間前でなくてもよい。例えば、終了前可動体処理を実行するタイミングは、実行中の演出ゲームが開始されてから特定時間が経過したタイミングであってもよい。この場合、特定時間は、変動パターンから特定可能な変動時間にかかわらず同一の時間であってもよいし、異なる時間であってもよい。また、この場合、副制御CPU31aは、変動パターンから特定可能な変動時間に応じて異なる特定時間に基づいて終了前可動体処理を実行することにより、結果的に、実行中の演出ゲームが終了するときを基準として同一である所定時間前に終了前可動体処理を実行するようになっていてもよい。
・各可動体演出において、大当り期待度とは異なる内容を示すようにしてもよい。例えば、各可動体演出は、現在の遊技状態が所定の遊技状態である期待度を示す演出であってもよい。また、各可動体演出は、大当り遊技中に大当り遊技の種類を示す演出であってもよい。なお、可動体演出において示される内容は、可動体演出の種類によって異ならされていてもよい。例えば、右可動体演出では、実行中の演出ゲームにおける大当り期待度が示される一方で、左可動体演出では、現在の遊技状態が所定の遊技状態であることが示されてもよい。
・可動体演出として、大当り期待度を報知しない賑やかしの演出を実行可能であってもよい。例えば、副制御CPU31aは、第2特別ゲームが実行されている期間中、右可動体80を演出位置P1bに位置させるように制御してもよい。この場合、複数の第2特別ゲームが連続して実行されるときには、複数の第2特別ゲームに亘って右可動体80を継続して演出位置P1bに位置させるように制御してもよい。そして、この場合、副制御CPU31aは、実行中の第2特別ゲームよりも後に第2特別ゲームが保留されていないときには、実行中の第2特別ゲームが終了する所定時間前に終了前可動体処理を行うことにより、右可動体80を原位置P1aに動作させるとよい。これによれば、第2特別ゲームの終了後に第1特別ゲームを実行する場合に、該第1特別ゲームの開始時において右可動体80が演出位置P1bから原位置P1aに動作されていないことで、第1特別ゲームの開始に伴って左可動体演出を実行するに際して右可動体80と左可動体90とが干渉してしまうことを抑制できる。即ち、これによれば、第2特別ゲームの終了後に第1特別ゲームを実行する場合に、該第1特別ゲームの開始に伴っては可動体演出を実行しないように制限する必要がなく、可動体に関する制御を簡素化できる。
・各可動体演出における演出内容は、適宜変更してもよい。例えば、各可動体演出における演出時間を変更してもよいし、各可動体演出の開始タイミングを変更してもよい。また、各可動体演出における可動体の動作を変更してもよい。例えば、右可動体演出において、副制御CPU31aは、予め定めた演出時間の間、原位置P1aと演出位置P1bとを往復するように右可動体80を動作させてもよい。
・副制御CPU31aは、変動パターン指定コマンドにより何れの変動パターンが指定された場合であっても、右可動体演出を実行可能であってもよい。即ち、副制御CPU31aは、短変動時間の変動パターンが指定された場合であっても、右可動体演出を実行可能であってもよい。この場合、長変動時間の変動パターンが指定されたときと比較して、右可動体演出の演出時間を短くしてもよい。同様に、副制御CPU31aは、変動パターン指定コマンドにより何れの変動パターンが指定された場合であっても、左可動体演出及び左右可動体演出を実行可能であってもよい。
・副制御CPU31aは、入力した先読みコマンドが何れの先読みコマンドであっても、特殊ゾーン演出を実行可能であってもよい。即ち、副制御CPU31aは、リーチ演出が実行されない演出ゲームを対象として、特殊ゾーン演出を実行可能であってもよい。
・特殊ゾーン演出において右可動体80を演出位置P1bから原位置P1aに動作させるタイミングは、適宜変更してもよい。例えば、副制御CPU31aは、終了前可動体処理とは別の処理において、右可動体80を演出位置P1bから原位置P1aに動作させてもよい。
・副制御CPU31aは、特殊ゾーン演出の対象とした演出ゲームにおいて大当り表示結果が導出される場合と、はずれ表示結果が導出される場合とで、特殊ゾーン演出において異なるタイミングで右可動体80を原位置P1aに動作させてもよい。また、副制御CPU31aは、特殊ゾーン演出において右可動体80を原位置P1aに動作させるタイミングとして複数のタイミングの中から何れかを決定可能としてもよく、この場合、大当り表示結果が導出される場合と、はずれ表示結果が導出される場合とで、異なる決定割合で右可動体80を原位置P1aに動作させるタイミングを決定してもよい。この場合、特殊ゾーン演出において右可動体80が原位置P1aに動作されるタイミングに注目させて遊技を楽しませることができる。
・終了前可動体処理において、副制御CPU31aは、実行中の演出ゲームにおいて右可動体演出が実行されたことを条件として、右可動体80が原位置P1aに位置しているかを確認する確認制御、及び右可動体80を原位置P1aへ復帰させる復帰制御を実行してもよい。即ち、副制御CPU31aは、右可動体80が動作された演出ゲームが終了する所定時間前に、確認制御及び復帰制御を実行してもよい。
・終了前可動体処理において、副制御CPU31aは、右可動体80が原位置P1aに位置しているかを確認する確認制御を実行する一方で、右可動体80を原位置P1aへ復帰させる復帰制御を実行しなくてもよい。この場合、副制御CPU31aは、確認制御において右可動体80が原位置P1aに位置していないことを確認したことを条件として、右可動体動作制限フラグを記憶させてもよい。即ち、副制御CPU31aは、終了前可動体処理において、右可動体80が原位置P1aに位置していないことを確認した場合、右可動体80を原位置P1aへ復帰させる復帰制御を実行することなく、右可動体80の動作を制限してもよい。言い換えれば、副制御CPU31aは、終了前可動体処理において、1回目の確認制御において右可動体80が原位置P1aに位置していないことを確認した場合、2回目以降の確認制御を実行することなく、右可動体動作制限フラグを記憶させてもよい。
・終了前可動体処理において、副制御CPU31aは、右可動体80を原位置P1aへ復帰させる復帰制御を実行する一方で、右可動体80が原位置P1aに位置しているかを確認する確認制御を実行しなくてもよい。
・右可動体80を原位置P1aへ復帰させる復帰制御の内容は、適宜設定可能である。例えば、副制御CPU31aは、復帰制御として、右可動体80を原位置P1aから演出位置P1bに向かう方向に動作させた後、右可動体80を演出位置P1bから原位置P1aに向かう方向に動作させる制御を行ってもよい。また、副制御CPU31aは、復帰制御として、右可動体80を原位置P1a及び演出位置P1bを結ぶ仮想線に対して直交する方向に動作させた後、右可動体80を演出位置P1bから原位置P1aに向かう方向に動作させる制御を行ってもよい。即ち、右可動体80を原位置P1aへ復帰させる復帰制御の内容は、最終的に右可動体80を原位置P1aへ動作させるように制御する内容であればよい。
・副制御CPU31aは、右可動体エラーフラグが記憶されている場合であっても、右可動体80を用いる可動体演出の実行を制限しなくてもよい。また、副制御CPU31aは、右可動体エラーフラグが記憶されている場合、右可動体80を用いる可動体演出のうち一部の可動体演出の実行を制限する一方で、該一部の可動体演出とは異なる可動体演出の実行を制限しなくてもよい。また、副制御CPU31aは、右可動体エラーフラグが記憶されている場合、右可動体80を用いる可動体演出について、右可動体エラーフラグが記憶されていないときとは異なる態様で実行させてもよい。例えば、副制御CPU31aは、右可動体エラーフラグが記憶されている場合、演出位置P1bとは異なる位置に右可動体80を動作させることにより右可動体演出を実行させてもよい。即ち、可動体演出の実行の制限には、可動体演出を実行させないことの他に、可動体演出の態様を異ならせることを含んでいてもよい。
・副制御CPU31aは、右可動体動作制限フラグが記憶されている場合であっても、右可動体80の動作の全てを制限しなくてもよい。例えば、副制御CPU31aは、右可動体動作制限フラグが記憶されている場合であっても、右可動体80を原位置P1aに復帰させる復帰制御については実行可能であってもよい。
・副制御CPU31aは、全ての可動体の動作を制限することを示す制限フラグを副制御RAM31cに記憶させる制御が可能であってもよい。この場合、副制御CPU31aは、右可動体エラー回数が所定回数に到達したときには、右可動体動作制限フラグに代えて、全ての可動体の動作を制限することを示す制限フラグを記憶させてもよい。これによれば、右可動体80が原位置P1aに位置していないにもかかわらず、右可動体80とは異なる可動体が動作することで、可動体同士が干渉してしまうことを抑制できる。
・右可動体エラー回数を消去するタイミングは、適宜変更してもよい。例えば、副制御CPU31aは、終了前可動体演出において右可動体80が原位置P1aに位置していることを確認した場合であっても、右可動体エラー回数を消去しない一方で、パチンコ遊技機10への電源供給が遮断されることに伴って、右可動体エラー回数を消去するようにしてもよい。これによれば、複数回の演出ゲームにまたがって右可動体エラー回数を計測できるため、より適切に右可動体80の動作を制御できる。
・副制御CPU31aは、副制御RAM31cに右可動体エラーフラグが記憶されている場合、演出表示装置12、スピーカSp、及び装飾ランプLaの一部又は全部において、右可動体エラーの発生を報知してもよい。また、副制御CPU31aは、副制御RAM31cに右可動体動作制限フラグが記憶されている場合、演出表示装置12、スピーカSp、及び装飾ランプLaの一部又は全部において、右可動体80の動作が制限されていることを報知してもよい。また、副制御CPU31aは、副制御RAM31cに左可動体動作制限フラグが記憶されている場合、演出表示装置12、スピーカSp、及び装飾ランプLaの一部又は全部において、左可動体90の動作が制限されていることを報知してもよい。
・パチンコ遊技機10は、左可動体90が原位置P2aに位置していることを検知可能な原位置センサを備えてもよい。この場合、副制御CPU31aは、終了前可動体処理において、右可動体80と同様に、左可動体90についても、原位置P2aに位置しているかを確認する確認制御、及び原位置P2aへ復帰させる復帰制御を実行してもよい。
・終了前可動体演出において、1回目〜5回目の復帰制御は、同一の制御内容でなくてもよい。例えば、副制御CPU31aは、2回目以降である特定回目の復帰制御においては、右可動体80に対して1回目の復帰制御と比較して強い動力を加えることにより、右可動体80を原位置P1aへ復帰させるように制御してもよい。
・確率変動機能を搭載したパチンコ遊技機として、次に大当り遊技が付与されるまで確率変動状態を付与する仕様や、転落抽選に当選するまで確率変動状態を付与する仕様(転落機)、或いは予め定めた回数分の図柄変動ゲームが終了するまで確率変動状態を付与する仕様(ST機)がある。また、確率変動機能を搭載したパチンコ遊技機には、遊技球が特定領域を通過することを契機に確率変動状態を付与する仕様(V確変機)がある。上記実施形態は、これらの何れの仕様のパチンコ遊技機に具体化してもよい。また、パチンコ遊技機は、上記した転落機とV確変機を混合させた仕様のパチンコ遊技機であってもよい。また、V確変機は、単数の大入賞口を備えて特定のラウンド遊技を生じさせる仕様がある。また、V確変機は、特定のラウンド遊技で開放される大入賞口(V入賞口)と特定のラウンド遊技以外のラウンド遊技で開放される大入賞口からなる複数の大入賞口を備えて特定のラウンド遊技を生じさせる仕様がある。各実施形態は、何れの仕様のV確変機に具体化してもよい。
・上記実施形態において、副制御基板31をサブ統括制御基板とし、副制御基板31とは別に演出表示装置12を専門に制御する表示制御基板、装飾ランプLaを専門に制御する発光制御基板、スピーカSpを専門に制御する音声制御基板を設けてもよい。このようなサブ統括制御基板とその他の演出を制御する基板を含めて副基板としてもよい。
・上記実施形態において、単一の基板に主制御基板30の主制御CPU30aと副制御基板31の副制御CPU31aとを搭載してもよい。また、上記の別例において、表示制御基板、発光制御基板、及び音声制御基板を任意に組み合わせて単数の基板、若しくは複数の基板としてもよい。
・遊技機として、可動体を備えた回胴式遊技機に具体化してもよい。回胴式遊技機には、遊技媒体としてメダルを用いるスロットマシンや、遊技媒体として遊技球を用いるスロットマシンを含む。このようなスロットマシンでは、複数の図柄が配列された図柄列を備えたリールを回転させることにより、図柄を変動させて行う特別ゲームが実行される。また、このようなスロットマシンでは、特別ゲームの進行を停滞させて行う停滞演出(所謂、フリーズ演出)を実行可能である。停滞演出では、所定の動作態様でリールの動作を制御することにより、擬似的に図柄を変動させることができる。このため、停滞演出は、図柄を変動させて行う変動ゲームの1つとしても把握できる。そして、このようなスロットマシンでは、停滞演出が終了する所定時間前に、可動体が予め定めた原位置に位置しているかを確認する確認制御と、可動体を原位置へ復帰させる復帰制御を実行可能としてもよい。
以下、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を追記する。
(イ)前記特定の可動体とは異なる特別の可動体を備え、前記所定の条件は、実行中の変動ゲームの次に実行される変動ゲームで前記特別の可動体が動作する場合に成立する。
(ロ)前記特定の可動体と前記特別の可動体とは、動作可能な範囲の一部が重複するようになっており、前記特定の可動体が前記特定の状態であるときの位置は、前記特別の可動体が動作可能な範囲外の位置である。
(ハ)1の変動ゲームにおいて、前記特定の可動体及び前記特別の可動体の両方が動作された場合には、前記特定の可動体及び前記特別の可動体の何れか一方が動作されたときよりも、前記1の変動ゲームにおいて当り表示結果が導出される期待度が高いことが報知される。
(ニ)前記所定の条件は、実行中の変動ゲームの次に実行される変動ゲームで前記特定の可動体が動作する場合に成立する。