(第1実施形態)
以下、第1実施形態のパチンコ遊技機について説明する。この明細書において、上、下、左、右、前(表)、後(裏)の各方向は、パチンコ遊技機で遊技を行う遊技者から見たときの各方向を指すものとする。
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10は、パチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠部材としての外枠Y1を備えている。パチンコ遊技機10は、外枠Y1の開口部の前面側に中枠Y2を備えている。中枠Y2は、外枠Y1に対して開閉自在に組み付けられている。パチンコ遊技機10は、中枠Y2の前面側に前枠Y3を備えている。前枠Y3は、中枠Y2に対して開閉自在に組み付けられている。また、パチンコ遊技機10は、中枠Y2及び前枠Y3が開放されることの規制や、当該規制の解除を行うための施錠手段としての施錠機構Y4を備えている。
パチンコ遊技機10は、所定の操作が可能な第1操作部BT1と、第1操作部BT1とは異なる操作部であって、所定の操作が可能な第2操作部BT2とを備えている。第1操作部BT1及び第2操作部BT2は、何れも、前枠Y3に設けられており、遊技者が操作可能に構成されている。本実施形態において、第1操作部BT1は特別の操作手段に相当し、第2操作部BT2は特定の操作手段に相当する。
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBを備えている。遊技盤YBは、中枠Y2に組み付けられている。遊技盤YBの前面側には、遊技球が流下可能な領域(空間)である遊技領域YBaが区画形成されている。パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaへ遊技球を発射させるときに遊技者によって操作される発射ハンドルHDを備えている。また、パチンコ遊技機10は、楽曲や効果音などの音声を出力して行う演出(以下、音声演出と示す)を実行可能に構成されたスピーカSpを備えている。また、パチンコ遊技機10は、図示しない発光体を点灯、点滅、及び消灯して行う演出(以下、発光演出と示す)を実行可能に構成された装飾ランプLaを備えている。
パチンコ遊技機10は、前枠Y3の上部に上部可動体80を備えている。パチンコ遊技機10は、上部可動体80を動作させる第1アクチュエータA1(図4に示す)を備えている。第1アクチュエータA1としては、例えばステッピングモータなどを採用できる。上部可動体80の動作について、詳しくは後述する。
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、画像を表示可能な画像表示部GHを有する演出実行手段としての演出表示装置11を備えている。演出表示装置11の画像表示部GHは、例えば液晶ディスプレイ型の表示部である。演出表示装置11は、文字やキャラクタなどの画像を表示して行う演出(以下、表示演出と示す)を実行可能に構成されている。
遊技盤YBは、内部可動体90を有する。内部可動体90は、内部可動体90の原点(原位置)から予め定めた可動到達位置まで動作可能に構成されている。なお、内部可動体90は、可動到達位置まで動作する場合、遊技者から見て演出表示装置11の前面側に動作する。パチンコ遊技機10は、内部可動体90を動作させる第2アクチュエータA2(図4に示す)を備えている。第2アクチュエータA2としては、例えばステッピングモータを採用できる。
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBにおいて遊技領域YBaの外側に、特別図柄を表示する特別図柄表示装置12を備えている。特別図柄表示装置12は複数の発光部により構成されており、該発光部を点灯及び消灯することにより特別図柄を表示する。特別図柄は、当り遊技を付与するか否かの特別図柄の当り抽選(内部抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
特別図柄表示装置12では、所定の図柄を変動させ、最終的に特別図柄を導出する特別図柄変動ゲームが行われる。特別図柄表示装置12では、特別図柄変動ゲームの開始と同時に図柄の変動表示が開始されるとともに、特別図柄変動ゲームの終了と同時に特別図柄が確定停止表示される。ここで、「変動表示」とは、図柄を表示する表示装置に定める表示領域内において、表示される図柄の種類が変化している状態である。「確定停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が確定停止している状態であり、図柄変動ゲーム終了時に表示されている図柄で確定停止した状態である。本実施形態において、図柄を導出するとは、図柄を確定停止表示させることである。
特別図柄変動ゲームでは、特別図柄の当り抽選に応じた表示結果として、複数種類の特別図柄の中から選択された特別図柄が確定停止表示される。特別図柄は、特別図柄の当りを認識し得る当り表示結果としての当り図柄と、特別図柄のはずれを認識し得るはずれ表示結果としてのはずれ図柄とに分類される。なお、本実施形態における当り図柄は全て大当り図柄であり、特別図柄の当り抽選に当選した場合に付与される当り遊技は全て大当り遊技である。したがって、当り抽選は、大当りか否かの大当り判定(大当り抽選)としても把握できる。本実施形態では、大当り判定において大当りと判定された場合には、特別図柄変動ゲームにおいて大当り図柄が導出された後に大当り遊技が付与される。
一方、演出表示装置11では、特別図柄変動ゲームに付随して行う表示演出の1つとして、複数種類の飾り図柄を複数の図柄列(例えば3列)で変動させて図柄の組合せを表示する変動ゲームが行われる。以下の説明では、飾り図柄を用いる変動ゲームを「飾り図柄変動ゲーム」と示す。飾り図柄は、表示演出を多様化するために用いられる演出用の図柄(演出図柄)である。
演出表示装置11では、特別図柄変動ゲームの開始と同時に飾り図柄の変動表示が開始される。また、演出表示装置11では、特別図柄変動ゲームの終了前に飾り図柄が一旦停止表示されるとともに、特別図柄変動ゲームの終了と同時、又は略同時に飾り図柄が確定停止表示される。なお、「一旦停止表示」とは、例えばゆれ変動状態など、図柄の表示領域内において図柄が再び変動表示される可能性があることを示す状態である。
演出表示装置11には、特別図柄変動ゲームの表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特別図柄変動ゲームで当り図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも当り図柄(当り表示結果)が確定停止表示される。例えば飾り図柄による当り図柄は、演出表示装置11に確定停止表示された全列の飾り図柄が同一となる図柄の組合せである。また、特別図柄変動ゲームではずれ図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。例えば飾り図柄によるはずれ図柄は、演出表示装置11に確定停止表示された全列の飾り図柄が同一ではない図柄の組合せである。
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBにおいて遊技領域YBaの外側に、始動条件が成立したが、実行条件が成立していないことで実行が保留されている特別図柄変動ゲームの数を表示する保留表示装置13を備えている。保留表示装置13は複数の発光部により構成されており、該発光部を点灯及び消灯することにより保留されている特別図柄変動ゲームの数を表示する。本実施形態において、特別図柄変動ゲームは、所定の上限数(例えば4)まで保留可能である。以下の説明では、保留されている特別図柄変動ゲームの数を「特別保留数」と示す場合がある。
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBにおいて遊技領域YBaの外側に、普通図柄を表示する普通図柄表示装置14を備えている。普通図柄表示装置14は、複数の発光部により構成されており、該発光部を点灯及び消灯することにより普通図柄を表示する。普通図柄は、普通当り遊技を付与するか否かの普通図柄の当り抽選(内部抽選)の結果を示す報知用の図柄である。普通図柄表示装置14では、所定の図柄を変動させ、最終的に普通図柄を導出する普通図柄変動ゲームが行われる。
普通図柄表示装置14では、普通図柄変動ゲームの開始と同時に図柄の変動表示が開始されるとともに、普通図柄変動ゲームの終了と同時に普通図柄が確定停止表示される。普通図柄変動ゲームでは、普通図柄の当り抽選の結果に応じた表示結果として、複数種類の普通図柄の中から選択された普通図柄が確定停止表示される。普通図柄は、普通図柄の当りを認識し得る当り図柄と、普通図柄のはずれを認識し得るはずれ図柄とに分類される。また、本実施形態では、普通図柄変動ゲームの実行を保留可能である。本実施形態において、普通図柄変動ゲームは、所定の上限数(例えば4)まで保留可能である。なお、以下の説明では、実行が保留されている普通図柄変動ゲームの回数を「普通保留数」と示す。
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBにおいて演出表示装置11の下方に、遊技領域YBaに開口している第1入賞口15を備えている。第1入賞口15は、遊技球が常時入球可能な入球口である。また、パチンコ遊技機10は、第1入賞口15に入球した遊技球を検知する第1入賞センサSE1(図4に示す)を備えている。本実施形態では、遊技球が第1入賞センサSE1によって検知されることを契機として、特別図柄変動ゲームの始動条件が成立し得るとともに、賞球の払出条件が成立する。なお、以下の説明では、遊技球が入賞口に入球することを「入賞」と示す場合がある。
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBにおいて第1入賞口15の右方に、遊技領域YBaに開口している第2入賞口16を備えている。また、パチンコ遊技機10は、第2入賞口16に入球した遊技球を検知する第2入賞センサSE2(図4に示す)を備えている。本実施形態では、遊技球が第2入賞センサSE2によって検知されることを契機として、特別図柄変動ゲームの始動条件が成立し得るとともに、賞球の払出条件が成立する。
パチンコ遊技機10は、第2入賞口16を開閉する開閉部材17を備えている。開閉部材17は、遊技球が第2入賞口16へ入賞し易い開状態と、遊技球が第2入賞口16に入賞し難い、又は入賞できない閉状態と、に動作可能である。パチンコ遊技機10は、開閉部材17を開状態と閉状態とに動作させる開閉部材アクチュエータKA(図4に示す)を備えている。開閉部材17は、普通当り遊技において開状態に動作される。
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBにおいて演出表示装置11の右上方に、遊技領域YBaに開口している第1大入賞口18を備えている。また、パチンコ遊技機10は、第1大入賞口18を開閉する大入賞口羽根19を有する。大入賞口羽根19は、遊技球が第1大入賞口18に入賞できる開状態と、遊技球が第1大入賞口18に入賞できない閉状態と、に動作可能である。パチンコ遊技機10は、大入賞口羽根19を開状態と閉状態とに動作させる第1大入賞口アクチュエータDA1(図4に示す)を備えている。大入賞口羽根19は、大当り遊技において開状態に動作される。
パチンコ遊技機10は、第1大入賞口18に入賞した遊技球を検知する第1カウントセンサSE3(図4に示す)を備えている。本実施形態では、遊技球が第1カウントセンサSE3によって検知されることを契機として、賞球の払出条件が成立する。
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBにおいて演出表示装置11の右下方に、遊技領域YBaに開口している第2大入賞口20を備えている。また、パチンコ遊技機10は、第2大入賞口20を開閉する大入賞口扉21を備えている。大入賞口扉21は、遊技球が第2大入賞口20に入賞できる開状態と、遊技球が第2大入賞口20に入賞できない閉状態と、に動作可能である。パチンコ遊技機10は、大入賞口扉21を開状態と閉状態とに動作させる第2大入賞口アクチュエータDA2(図4に示す)を備えている。大入賞口扉21は、大当り遊技において開状態に動作される。
図3に示すように、パチンコ遊技機10は、第2大入賞口20に入賞した遊技球をパチンコ遊技機10の外部に排出する排出通路22を備えている。パチンコ遊技機10は、排出通路22に、該排出通路22を通過する遊技球、即ち、第2大入賞口20に入球した遊技球を検知する第2カウントセンサSE4を備えている。本実施形態では、遊技球が第2カウントセンサSE4によって検知されることを契機として、賞球の払出条件が成立する。
また、排出通路22は、第2カウントセンサSE4よりも下流において、第1排出通路22aと、第2排出通路22bと、に分岐するように形成されている。そして、パチンコ遊技機10は、排出通路22において第1排出通路22aと第2排出通路22bとに分岐する分岐部23に、第2大入賞口20へ入球した遊技球を第1排出通路22aと第2排出通路22bとに振り分ける振分装置24を備えている。振分装置24は、第2大入賞口20に入球した遊技球を第1排出通路22aに振り分ける第1状態と、第2排出通路22bに振り分ける第2状態と、をとり得るように構成されている。パチンコ遊技機10は、振分装置24を動作させる振分アクチュエータFA(図4に示す)を備えている。本実施形態において、振分装置24は、大当り遊技において第2状態に動作される。
パチンコ遊技機10は、第1排出通路22aに、該第1排出通路22aに流入した遊技球を検知する排出センサSE5を備えている。また、パチンコ遊技機10は、第2排出通路22bに、該第2排出通路22bに流入した遊技球を検知する検知手段としての特定検知センサSE6を備えている。本実施形態において、第2排出通路22bは、大当り遊技において遊技球の流入が許容される特定の通路(特定の領域)に相当する。
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技盤YBにおいて演出表示装置11の右方に、遊技球が通過(入球)可能なゲート25を備えている。パチンコ遊技機10は、ゲート25を通過した遊技球を検知するゲートセンサSE7(図4に示す)を備えている。本実施形態では、ゲート25を通過した遊技球がゲートセンサSE7によって検知されることを契機として、普通図柄変動ゲームの始動条件が成立し得る。
パチンコ遊技機10は、上述した各入賞口15,16や各大入賞口18,20などの何れの入球口にも入球しなかった遊技球を機外に排出する排出口26を備えている。
次に、パチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機10は、大当り抽選に当選する確率(以下、大当り確率と示す)が異なる遊技状態として、低確率状態と高確率状態とを備えている。高確率状態は、低確率状態に比して大当り確率が高い遊技状態である。したがって、高確率状態は、低確率状態に比して、遊技者にとって有利な遊技状態となる。高確率状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」である。
パチンコ遊技機10は、遊技球の発射数に対する賞球数の割合が異なる遊技状態として、低ベース状態と高ベース状態とを備えている。高ベース状態は、低ベース状態に比して、遊技球が第2入賞口16に入賞する確率が高い遊技状態である。したがって、高ベース状態は、低ベース状態に比して、遊技者にとって有利な遊技状態となる。本実施形態において、高ベース状態は、有利状態に相当する。高ベース状態は、所謂「電サポ状態」及び「入球率向上状態」であり、低ベース状態は、所謂「非電サポ状態」及び「非入球率向上状態」である。
例えば、高ベース状態は、次に示す3つの制御のうち任意に選択された1の制御を実行することにより、又は複数の制御を組み合わせて実行することにより実現できる。第1の制御は、普通図柄変動ゲームの変動時間を、低ベース状態のときよりも短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。第2の制御は、普通図柄の当り抽選に当選する確率(普通当り確率)を、低ベース状態のときよりも高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。第3の制御は、1回の普通当り遊技における開閉部材17の合計開放時間を、低ベース状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。なお、開放時間延長制御としては、1回の普通当り遊技における開閉部材17の開放回数を、低ベース状態のときよりも多くする制御、及び1回の普通当り遊技における開閉部材17の1回の開放時間を、低ベース状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方の制御を実行するとよい。なお、高ベース状態では、低ベース状態と比較して、特別図柄変動ゲームの平均変動時間が短くなり易くする特別図柄の変動時間短縮制御を伴わせてもよい。特別図柄の変動時間短縮制御を行う場合、高ベース状態は、所謂「変動時間短縮状態」となる。
以下の説明では、高確率状態且つ高ベース状態である遊技状態を高確高ベース状態と示す場合があるとともに、低確率状態且つ高ベース状態である遊技状態を低確高ベース状態と示す場合がある。また、以下の説明では、低確率状態且つ低ベース状態である遊技状態を低確低ベース状態、又は通常状態と示す場合がある。
次に、本実施形態における大当りについて説明する。本実施形態のパチンコ遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、複数種類の大当り図柄を備えている。複数種類の大当り図柄には、それぞれ大当りの種類が定められている。
そして、本実施形態では、大当りとなる場合、特別図柄変動ゲームにおいて大当り図柄が導出された後、導出された大当り図柄に応じた種類の大当り遊技が付与される。大当り遊技では、最初に、予め定めたオープニング時間にわたって、大当り遊技の開始を報知するオープニング演出が行われる。大当り遊技では、オープニング演出の終了後に、第1大入賞口18又は第2大入賞口20を開放するラウンド遊技が行われる。ラウンド遊技は、予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限数の遊技球が入賞する第1終了条件、又は予め定めた上限時間が経過する第2終了条件が成立したことを契機として終了される。ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めたエンディング時間にわたって、大当り遊技の終了を報知するエンディング演出が行われる。大当り遊技は、エンディング演出の終了に伴って終了される。
本実施形態における大当り図柄には、特定図柄と、該特定図柄とは異なる非特定図柄と、がある。以下の説明では、特定図柄が決定されたときの大当りを特定大当りと示す場合がある一方、非特定図柄が決定されたときの大当りを非特定大当りと示す場合がある。特定大当り及び非特定大当りは、大当り遊技におけるラウンド遊技の上限回数や、各大入賞口18,20の開放態様などが互いに異なる大当りである。各大当りが付与されたときの制御について、詳しくは後述する。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。
図4に示すように、パチンコ遊技機10は、機裏側に、主制御基板30を備えている。主制御基板30は、パチンコ遊技機10における遊技などに関する処理を実行するとともに、該処理の結果に応じて各種の制御信号(制御コマンド)を出力する。パチンコ遊技機10は、副制御基板31を備えている。副制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき演出などに関する処理を実行する。即ち、副制御基板31は、演出表示装置11の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)、装飾ランプLaの発光態様、スピーカSpの音声出力態様、及び可動体80,90の動作態様などを制御する。
まず、主制御基板30について詳しく説明する。
主制御基板30は、主制御用CPU30aと、主制御用ROM30bと、主制御用RAM30cとを備えている。主制御用CPU30aは、主制御用のプログラムを実行することにより、各種の処理を行う。主制御用ROM30bは、主制御用のプログラムや、所定の抽選に用いられるテーブルや判定値などを記憶している。
また、主制御用ROM30bは、複数種類の変動パターンを記憶している。複数種類の変動パターンは、特別図柄変動ゲームの変動時間を特定可能な情報である。また、本実施形態の変動パターンには、大当り変動用の変動パターンと、はずれ変動用の変動パターンとがある。大当り変動は、特別図柄の当り抽選に当選した場合に実行される変動であって、特別図柄変動ゲームにおいて最終的に大当り図柄が確定停止表示される変動である。はずれ変動は、当り抽選に当選しなかった場合に実行される変動であって、特別図柄変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄が確定停止表示される変動である。また、変動パターンは、特別図柄変動ゲームの変動時間に加えて、該特別図柄変動ゲームに付随して行われる演出の内容を特定可能であってもよい。例えば、飾り図柄変動ゲームにおいて、全図柄列のうち特定列(例えば左列と右列)に同一の飾り図柄を一旦停止表示した状態(所謂、リーチ状態)で行うリーチ演出の実行を許容するか否かを特定可能であってもよい。
主制御用RAM30cは、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶可能に構成されている。主制御用RAM30cが記憶する情報は、例えばフラグ、カウンタ、及びタイマなどである。また、本実施形態の主制御基板30は、乱数を生成可能に構成されている。例えば、乱数は、乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数生成回路を主制御基板30に搭載することにより、ハードウェア乱数として生成してもよく、主制御用CPU30aが所定の制御周期毎に乱数の値を更新することにより、ソフトウェア乱数として生成してもよい。
主制御基板30は、図示しないポートを介して、各センサSE1〜SE7と接続されている。主制御用CPU30aは、図示しないポートを介して、各センサSE1〜SE7が遊技球を検知したことを示す検知信号を入力可能に構成されている。主制御基板30は、図示しない駆動回路を介して、各表示装置12〜14と接続されている。主制御用CPU30aは、図示しない駆動回路を介して、各表示装置12〜14の表示内容を制御可能に構成されている。また、主制御基板30は、図示しない駆動回路を介して、各アクチュエータDA1,DA2,KA,FAと接続されている。主制御用CPU30aは、図示しない駆動回路を介して、各アクチュエータDA1,DA2,KA,FAの動作を制御可能に構成されている。
次に、副制御基板31について説明する。
副制御基板31は、主制御基板30と接続されている。副制御基板31は、副制御用CPU31aと、副制御用ROM31bと、副制御用RAM31cと、を備えている。副制御用CPU31aは、副制御用のプログラムを実行することにより、演出に関する処理を行う。即ち、本実施形態では、副制御用CPU31aが演出表示装置11や装飾ランプLa、スピーカSp、上部可動体80(第1アクチュエータA1)、及び内部可動体90(第2アクチュエータA2)が演出を実行する演出実行手段となる。そして、本実施形態では、副制御用CPU31aが、上述した演出実行手段のうち少なくとも1つを制御することにより、演出制御手段が実現される。副制御用ROM31bは、副制御用のプログラムや、抽選に用いられるテーブルや判定値などを記憶している。副制御用ROM31bは、演出表示装置11における表示演出の態様(内容)を特定可能な表示演出パターンや、表示演出の実行に用いる表示演出データを記憶している。副制御用ROM31bは、装飾ランプLaにおける発光演出の態様(内容)を特定可能な発光演出パターンや、発光演出の実行に用いる発光演出データを記憶している。副制御用ROM31bは、スピーカSpにおける音声演出の態様(内容)を特定可能な音声演出パターンを記憶している。
また、副制御用RAM31cは、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる様々な情報を記憶可能に構成されている。副制御用RAM31cが記憶する情報は、例えばフラグ、カウンタ、及びタイマなどである。本実施形態において、副制御用RAM31cは記憶手段に相当する。また、この実施形態の副制御基板31は、乱数を生成可能に構成されている。例えば、乱数は、乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数生成回路を副制御基板31に搭載することにより、ハードウェア乱数として生成してもよく、副制御用CPU31aが所定の制御周期毎に乱数の値を更新することにより、ソフトウェア乱数として生成してもよい。
副制御基板31は、図示しない駆動回路を介して、演出表示装置11と接続されている。副制御用CPU31aは、図示しない駆動回路を介して、演出表示装置11の表示態様を制御可能に構成されている。副制御基板31は、図示しない駆動回路を介して、装飾ランプLaと接続されている。副制御用CPU31aは、図示しない駆動回路を介して、装飾ランプLaの発光態様を制御可能に構成されている。副制御基板31は、図示しない駆動回路を介して、スピーカSpと接続されている。副制御用CPU31aは、図示しない駆動回路を介して、スピーカSpの音声出力態様を制御可能に構成されている。
また、副制御基板31は、図示しない駆動回路を介して、第1アクチュエータA1と接続されている。副制御用CPU31aは、図示しない駆動回路を介して、第1アクチュエータA1の動作を制御可能に構成されている。そして、副制御用CPU31aは、第1アクチュエータA1の動作を制御することにより、上部可動体80の動作を制御可能に構成されている。副制御基板31は、図示しない駆動回路を介して、第2アクチュエータA2と接続されている。副制御用CPU31aは、図示しない駆動回路を介して、第2アクチュエータA2の動作を制御可能に構成されている。そして、副制御用CPU31aは、第2アクチュエータA2の動作を制御することにより、内部可動体90の動作を制御可能に構成されている。
また、副制御基板31は、図示しないポートを介して、各操作部BT1,BT2と接続されている。副制御用CPU31aは、図示しないポートを介して、各操作部BT1,BT2が操作されたことを示す操作信号を入力可能に構成されている。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10において実行される各種処理(制御)について詳しく説明する。最初に、主制御用のプログラムに基づいて、主制御基板30の主制御用CPU30aが実行する各種処理について説明する。
まず、特別図柄入力処理について説明する。
特別図柄入力処理において、主制御用CPU30aは、第1入賞センサSE1から検知信号を入力しているか否かに基づいて、第1入賞口15に遊技球が入賞したか否かの第1入賞判定を行う。第1入賞判定において否定判定した場合、主制御用CPU30aは、第2入賞口16に遊技球が入賞したか否かの第2入賞判定を行う。第2入賞判定において否定判定した場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
第1入賞判定又は第2入賞判定において肯定判定した場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの上限判定を行う。
上限判定において肯定判定した場合、主制御用CPU30aは、特別保留数に1加算し、主制御用RAM30cに記憶されている特別保留数を書き換える。このとき、主制御用CPU30aは、1加算後の特別保留数を表示するように保留表示装置13を制御する。続いて、主制御用CPU30aは、主制御基板30内で生成している各種乱数の値を取得するとともに、該取得した各種乱数の値に基づいて生成された乱数情報を主制御用RAM30cに記憶させる。ここで取得する乱数とは、例えば、当り判定に用いる当り乱数や、特別図柄の決定に用いる特別図柄乱数、変動パターンの決定に用いる変動パターン乱数などである。乱数情報は、取得した乱数の値であってもよいし、取得した乱数の値を加工した情報であってもよい。また、主制御用CPU30aは、乱数情報を記憶させる場合、特別図柄変動ゲーム用の乱数情報であることと、乱数の値の取得契機となった遊技球の入球順序(情報の記憶順序)とを特定可能となるように主制御用RAM30cに記憶させる。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
次に、特別図柄開始処理について説明する。
特別図柄開始処理において、主制御用CPU30aは、特別図柄変動ゲームの実行条件が成立しているか否かの実行判定を行う。具体的に、主制御用CPU30aは、大当り遊技中ではなく、且つ特別図柄変動ゲームの実行中ではない場合に特別図柄変動ゲームの実行条件が成立していると判定する。一方で、主制御用CPU30aは、大当り遊技中、又は特別図柄変動ゲームの実行中である場合に特別図柄変動ゲームの実行条件が成立していないと判定する。そして、実行判定において否定判定した場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、実行判定において肯定判定した場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている特別保留数を読み出し、該特別保留数が0よりも大きいか否かの保留判定を行う。保留判定において否定判定した場合、主制御用CPU30aは、待機状態に移行することを示す待機コマンドを既に出力したか否かを判定する。本実施形態において待機状態とは、特別図柄変動ゲームの実行中ではなく、大当り遊技中ではなく、且つ実行が保留されている特別図柄変動ゲームがないときに移行される状態である。待機コマンドを既に出力した場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、待機コマンドを出力していない場合、主制御用CPU30aは、待機コマンドを生成して出力バッファにセットする。出力バッファにセットされたコマンドは、コマンドを出力するためのコマンド出力処理において、副制御用CPU31aに出力される。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
また、保留判定において肯定判定した場合、主制御用CPU30aは、特別保留数を1減算し、主制御用RAM30cに記憶されている特別保留数を書き換える。このとき、主制御用CPU30aは、1減算後の特別保留数を表示するように保留表示装置13を制御する。
次に、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている特別図柄変動ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を取得する。このとき、主制御用CPU30aは、最先に記憶された乱数情報を消去する。次に、主制御用CPU30aは、取得した乱数情報に基づき、大当り判定を行う。具体的に、本実施形態において、主制御用CPU30aは、取得した乱数情報から特定される当り乱数の値と主制御用ROM30bに記憶されている大当り判定値とをもとに、大当り判定を行う。このとき、主制御用CPU30aは、パチンコ遊技機10の確率状態に応じた大当り判定値を用いて大当り判定を行うことにより、低確率状態と高確率状態とで、大当り判定において肯定判定する確率を異ならせる。大当り判定は、例えば、当り乱数の値と大当り判定値とが一致するか否かにより判定してもよいし、当り乱数の値と大当り判定値とを加算した値が所定値を超えているか否かにより判定してもよい。
大当り判定において大当りと判定した場合、主制御用CPU30aは、取得した乱数情報に基づき、特別図柄による大当り図柄の中から特別図柄表示装置12にて確定停止表示させる最終停止図柄を決定する。即ち、主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12にて確定停止表示させる最終停止図柄を決定することにより、当りの種類を決定する。次に、主制御用CPU30aは、決定した最終停止図柄と、取得した乱数情報と、パチンコ遊技機10の遊技状態とに基づき、変動パターンを決定する。具体的に、主制御用CPU30aは、最終停止図柄として大当り図柄を決定していることから、取得した乱数情報から特定可能な変動パターン乱数の値を用いた抽選により、大当り変動用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する。
一方、大当り判定において大当りと判定しなかった(はずれと判定した)場合、主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12にて確定停止表示させる最終停止図柄としてはずれ図柄を決定する。次に、主制御用CPU30aは、決定した最終停止図柄と、取得した乱数情報と、パチンコ遊技機10の遊技状態とに基づき、変動パターンを決定する。具体的に、主制御用CPU30aは、最終停止図柄としてはずれ図柄を決定していることから、取得した乱数情報から特定可能な変動パターン乱数の値を用いた抽選により、現在の遊技状態において決定可能なはずれ変動用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する。そして、変動パターンを決定すると、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
そして、特別図柄開始処理を終了すると、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理とは別の処理を行うことによって、特別図柄変動ゲームを実行させる。具体的に、主制御用CPU30aは、特別図柄変動ゲームを実行させる場合、特別図柄変動ゲームが開始されるように特別図柄表示装置12を制御するとともに、特別図柄開始処理において決定した変動パターンに定められた変動時間の計測を開始する。またこのとき、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに飾り図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを生成し、出力バッファにセットする。また、主制御用CPU30aは、特別図柄の最終停止図柄を指示する特別図柄指定コマンドを生成し、出力バッファにセットする。その後、主制御用CPU30aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した最終停止図柄(特別図柄)が導出されるように特別図柄表示装置12を制御するとともに、飾り図柄の変動停止を指示して図柄組み合わせを導出させるための全図柄停止コマンドを生成し、出力バッファにセットする。
次に、大当り遊技を付与するための処理について説明する。
主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理で決定した大当り図柄(即ち、大当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。そして、主制御用CPU30aは、大当りの特別図柄変動ゲームの終了後、特定した大当り遊技を付与する制御を開始するとともに、所定の制御コマンドを出力するための処理を行う。本実施形態において、主制御用CPU30aは、大当り図柄として特定図柄を決定した場合、特定大当り遊技を付与する制御を行う一方で、大当り図柄として非特定図柄を決定した場合、非特定大当り遊技を付与する制御を行う。
主制御用CPU30aは、大当りの特別図柄変動ゲームが終了すると、最初にオープニング演出の実行を指示する制御コマンド(以下、オープニングコマンドと示す)を生成し、出力バッファにセットする。主制御用CPU30aは、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。
具体的に、主制御用CPU30aは、何れの大当り遊技であっても、特定のラウンド遊技(例えば、5回目のラウンド遊技)において、第2大入賞口20が開放されるように、第2大入賞口アクチュエータDA2を制御する。ここで、主制御用CPU30aは、特定大当り遊技における特定のラウンド遊技では、第1時間(例えば、25秒)を上限時間として第2大入賞口20を開放させる。主制御用CPU30aは、非特定大当り遊技における特定のラウンド遊技では、第1時間よりも短い第2時間(例えば、0.1秒)を上限時間として第2大入賞口20を開放させる。第2時間は、実質的に遊技球が入球不能な時間に設定するとよい。なお、主制御用CPU30aは、第2大入賞口20に入賞した遊技球が第2排出通路22bに流入可能となるように、振分アクチュエータFAを制御する。主制御用CPU30aは、大当り遊技中、第2排出通路22bに流入した遊技球が特定検知センサSE6にて検知されると、遊技球が特定検知センサSE6にて検知されたことを示す制御情報として特定検知コマンドを生成し、出力バッファにセットする。
また、主制御用CPU30aは、何れの大当り遊技であっても、特定のラウンド遊技とは異なる非特定のラウンド遊技において、第1大入賞口18が開放されるように、第1大入賞口アクチュエータDA1を制御する。ここで、主制御用CPU30aは、何れの大当り遊技であっても、非特定のラウンド遊技において、第3時間(例えば、25秒)を上限時間として第1大入賞口18を開放させる。なお、第3時間は、第1時間と同じ時間であってもよく、異なる時間であってもよい。
また、主制御用CPU30aは、ラウンド遊技を開始させた後、第1終了条件又は第2終了条件が成立すると、開放させた大入賞口を閉鎖させることによりラウンド遊技を終了させる。主制御用CPU30aは、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。また、主制御用CPU30aは、ラウンド遊技を開始するごとに、ラウンド演出の実行を指示する制御コマンド(以下、ラウンドコマンドと示す)を生成し、出力バッファにセットする。主制御用CPU30aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング演出の実行を指示する制御コマンド(以下、エンディングコマンドと示す)を生成し、出力バッファにセットする。主制御用CPU30aは、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。
以上のように、本実施形態では、主制御用CPU30aが大当り遊技を付与するための処理を行うことにより、当り遊技を付与する当り遊技付与手段が実現される。
そして、主制御用CPU30aは、大当り遊技が終了すると、該大当り遊技中に遊技球が特定検知センサSE6によって検知されたか否かに応じて、大当り遊技の終了後の遊技状態を制御する。
具体的に、主制御用CPU30aは、大当り遊技中に特定検知センサSE6により遊技球が検知された場合、大当り遊技の終了後の遊技状態を高確高ベース状態に制御する。本実施形態において、大当り遊技中に特定検知センサSE6により遊技球が検知されることは、高確率状態を付与するための高確率付与条件として把握できる。その後、主制御用CPU30aは、次回の大当り遊技が付与されたことを契機として成立する当り終了条件の成立を契機として、高確率状態及び高ベース状態を終了させる。
なお、本実施形態において、高確率状態を付与する(高確率状態に制御する)とは、主制御用RAM30cの確率状態フラグに高確率状態を示す値を記憶させることである。本実施形態では、主制御用CPU30aが主制御用RAM30cの確率状態フラグに高確率状態を示す値を記憶させることにより、高確率状態付与手段が実現される。また、本実施形態において、高ベース状態を付与する(高ベース状態に制御する)とは、主制御用RAM30cのベース状態フラグに高ベース状態を示す値を記憶させることである。本実施形態では、主制御用CPU30aが主制御用RAM30cのベース状態フラグに高ベース状態を示す値を記憶させることにより、有利状態付与手段が実現される。また、本実施形態において、低確率状態を付与する(高確率状態を終了させる)とは、主制御用RAM30cの確率状態フラグに低確率状態を示す値を記憶させることであり、低ベース状態を付与する(高ベース状態を終了させる)とは、主制御用RAM30cのベース状態フラグに低ベース状態を示す値を記憶させることである。
そして、主制御用CPU30aは、確率状態フラグの値を参照することにより、現在の確率状態を特定でき、ベース状態フラグの値を参照することにより、現在のベース状態を特定できる。
一方、主制御用CPU30aは、大当り遊技中に特定検知センサSE6により遊技球が検知されなかった場合、大当り遊技の終了後の遊技状態を低確高ベース状態に制御する。その後、主制御用CPU30aは、次回の大当り遊技が付与される当り終了条件、及び、大当り遊技の終了後における特別図柄変動ゲームの実行回数が予め定めた作動回数(例えば、100回)に到達する回数終了条件のうち何れかの終了条件の成立を契機として高ベース状態を終了させる。
主制御用CPU30aは、高確率状態を付与した場合、高確率状態を付与したことを示す制御情報として高確率コマンドを生成し、出力バッファにセットする。主制御用CPU30aは、高ベース状態を付与した場合、高ベース状態を付与したことを示す制御情報として高ベースコマンドを生成し、出力バッファにセットする。主制御用CPU30aは、高確率状態を終了させた場合、低確率状態を示す制御情報として低確率コマンドを生成し、出力バッファにセットする。主制御用CPU30aは、高ベース状態を終了させた場合、低ベース状態を示す制御情報として低ベースコマンドを生成し、出力バッファにセットする。
次に、普通図柄入力処理について説明する。
普通図柄入力処理において、主制御用CPU30aは、ゲートセンサSE7から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球がゲート25を通過(入球)したか否かを判定する。ゲートセンサSE7から検知信号を入力していない場合、主制御用CPU30aは、普通図柄入力処理を終了する。ゲートセンサSE7から検知信号を入力した場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている普通保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。普通保留数が上限数未満ではない場合、主制御用CPU30aは、普通図柄入力処理を終了する。普通保留数が上限数未満である場合、主制御用CPU30aは、普通保留数を1加算し、主制御用RAM30cに記憶されている普通保留数を書き換える。
次に、主制御用CPU30aは、主制御基板30内で生成している各種乱数の値を取得するとともに、該取得した各種乱数の値に基づいて生成された乱数情報を主制御用RAM30cに記憶させる。ここで取得する乱数とは、例えば、普通当り判定に用いる普通当り乱数などである。乱数情報は、取得した乱数の値であってもよいし、取得した乱数の値を加工した情報であってもよい。また、主制御用CPU30aは、乱数情報を記憶させる場合、普通図柄変動ゲーム用の乱数情報であることと、乱数の値の取得契機となった遊技球の入球順序(情報の記憶順序)とを特定可能となるように主制御用RAM30cに記憶させる。その後、主制御用CPU30aは、普通図柄入力処理を終了する。
次に、普通図柄開始処理について説明する。
普通図柄開始処理において、主制御用CPU30aは、普通図柄変動ゲームの実行条件が成立しているか否かを判定する。主制御用CPU30aは、普通当り遊技中ではなく、且つ普通図柄変動ゲーム中ではない場合に肯定判定する一方で、普通当り遊技中、又は普通図柄変動ゲーム中である場合に否定判定する。普通図柄変動ゲームの実行条件が成立していない場合、主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理を終了する。
その一方で、普通図柄変動ゲームの実行条件が成立している場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている普通保留数が1以上であるか否かを判定する。普通保留数が1以上ではない場合、主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理を終了する。普通保留数が1以上である場合、主制御用CPU30aは、普通保留数を1減算し、主制御用RAM30cに記憶されている普通保留数を書き換える。次に、主制御用CPU30aは、普通図柄変動ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を取得する。このとき、主制御用CPU30aは、最先に記憶された乱数情報を消去する。
次に、主制御用CPU30aは、取得した乱数情報から特定される普通当り乱数の値と主制御用ROM30bに記憶されている普通当り判定値とをもとに、普通当りに当選とするか否かの普通当り判定(普通当り抽選)を行う。ここで、上述した普通図柄の確率変動制御を採用する場合、主制御用CPU30aは、パチンコ遊技機10のベース状態に応じた普通当り判定値を用いて普通当り判定を行うことにより、低ベース状態と高ベース状態とで、普通当り判定において肯定判定する確率を異ならせる。この場合、例えば、主制御用CPU30aは、高ベース状態においては、低ベース状態に比して、普通当りにおいて肯定判定する確率が高くなるように、普通当り判定を行うとよい。
普通当り判定において普通当りと判定した場合、主制御用CPU30aは、普通図柄表示装置14にて確定停止表示させる普通当り図柄と、普通図柄変動ゲームの変動時間とを決定する。ここで、上述した普通図柄の変動時間短縮制御を採用する場合、主制御用CPU30aは、高ベース状態においては、低ベース状態に比して、普通図柄変動ゲームの平均変動時間が短くなるように、普通図柄変動ゲームの変動時間を決定する。この場合、例えば、主制御用CPU30aは、低ベース状態においては第1変動時間を決定し、高ベース状態においては第1変動時間よりも短い第2変動時間を決定するとよい。その後、主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理を終了する。
また、普通当り判定において普通はずれと判定した場合、主制御用CPU30aは、普通図柄表示装置14にて確定停止表示させる普通はずれ図柄と、普通図柄変動ゲームの変動時間とを決定する。その後、主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理を終了する。
そして、普通図柄開始処理を終了すると、主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理とは別の処理を行うことによって、普通図柄変動ゲームを実行させる。具体的に、主制御用CPU30aは、普通図柄変動ゲームを開始させた後、普通図柄開始処理において決定した変動時間が経過したときに、普通図柄開始処理において決定した普通図柄を導出させるように普通図柄表示装置14を制御する。
次に、普通当り遊技を付与するための処理について説明する。
普通当りに当選した場合、主制御用CPU30aは、普通図柄変動ゲームが終了すると、開閉部材17の開放パターンを決定するとともに、該決定した開放パターンにしたがって開閉部材17を開放させるように、開閉部材アクチュエータKAを制御する。ここで、上述した開放時間延長制御を採用する場合、主制御用CPU30aは、高ベース状態においては、低ベース状態に比して、1回の普通当り遊技における開閉部材17の合計開放時間が長くなるように、開放パターンを決定する。この場合、例えば、主制御用CPU30aは、低ベース状態においては第1開放パターンを選択し、高ベース状態においては、第1開放パターンよりも1回の普通当り遊技における開閉部材17の合計開放時間が長い第2開放パターンを決定するとよい。
次に、副制御用CPU31aが副制御用のプログラムに基づいて行う各種の処理について説明する。最初に、遊技状態を特定するための処理について説明する。
副制御用CPU31aは、低確率コマンドを入力すると、副制御用RAM31cの副確率状態フラグに、低確率状態であることを特定可能な値を記憶させる。副制御用CPU31aは、高確率コマンドを入力すると、副制御用RAM31cの副確率状態フラグに、高確率状態であることを特定可能な値を記憶させる。副制御用CPU31aは、副確率状態フラグを参照することにより、現在の確率状態を特定できる。
また、副制御用CPU31aは、低ベースコマンドを入力すると、副制御用RAM31cの副ベース状態フラグに、低ベース状態であることを特定可能な値を記憶させる。副制御用CPU31aは、高ベースコマンドを入力すると、副制御用RAM31cの副ベース状態フラグに、高ベース状態であることを特定可能な値を記憶させる。副制御用CPU31aは、副ベース状態フラグを参照することにより、現在のベース状態を特定できる。
次に飾り図柄変動ゲームを実行するための処理について説明する。
副制御用CPU31aは、飾り図柄変動ゲームや、該飾り図柄変動ゲームに付随する演出が行われるように、演出表示装置11、スピーカSp、装飾ランプLa、上部可動体80、及び内部可動体90のうち少なくとも1つを制御する。
具体的に、副制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドを入力すると、飾り図柄変動ゲームを実行させる制御を行う。即ち、副制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドに基づいて、飾り図柄変動ゲームにおいて導出させる図柄組み合わせを決定する。副制御用CPU31aは、特別図柄指定コマンドから特定可能な図柄が大当り図柄である場合、飾り図柄による大当りの図柄組み合わせを決定する。副制御用CPU31aは、特別図柄指定コマンドから特定可能な図柄がはずれ図柄である場合、飾り図柄によるはずれの図柄組み合わせを決定する。
また、副制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、飾り図柄を変動表示させるように、演出表示装置11を制御する。即ち、副制御用CPU31aは、飾り図柄変動ゲームを開始させる。また、副制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドから特定可能な変動パターンに基づいて、各種の演出が実行されるように、演出表示装置11、スピーカSp、装飾ランプLa、上部可動体80、及び内部可動体90のうち少なくとも1つを制御する。各種の演出について、詳しくは後述する。
そして、副制御用CPU31aは、所定のタイミングが到来すると、決定した飾り図柄による図柄組み合わせを一旦停止表示させるとともに、全図柄停止コマンドの入力を契機に、飾り図柄による図柄組み合わせを導出させる。なお、副制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドとは関係なく、変動パターンから特定可能な変動時間を計測し、該変動時間の経過を契機に図柄組み合わせを導出させてもよい。この場合、全図柄停止コマンドは省略してもよい。
次に、待機状態処理について説明する。
副制御用CPU31aは、待機コマンドを入力すると、待機状態であることを報知する待機演出(所謂、デモンストレーション演出)が実行されるように、演出表示装置11、スピーカSp、装飾ランプLa、上部可動体80、及び内部可動体90のうち少なくとも1つを制御する。例えば、待機演出としては、演出表示装置11において所定のキャラクタ画像を表示する演出などである。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10が実行可能な各種の演出について説明する。
本実施形態の演出には、第1操作部BT1の操作を指示する操作指示演出と、該操作指示演出において第1操作部BT1が操作されたことを契機として実行される操作結果演出と、がある。
図5(a)に示すように、操作指示演出は、例えば、飾り図柄変動ゲームの実行中に、演出表示装置11において第1操作部BT1を模した画像を表示する態様により行われる。なお、操作指示演出は、第1操作部BT1の操作を指示する態様であればどのような態様で行われてもよく、例えば、「押せ!」のような文字列を模した画像を表示する態様で行われてもよい。
図5(b),(c)に示すように、操作結果演出は、例えば、演出表示装置11において「残念・・・」の文字列や「チャンス!」の文字列を模した画像を表示する態様により行われる。操作結果演出は、例えば、飾り図柄変動ゲームにおいて大当り表示結果が導出される期待度(以下、大当り期待度と示す)を報知する演出であってもよい。に応じて決定されるとよい。なお、操作結果演出は、操作指示演出において第1操作部BT1が操作された場合に実行されるようになっておればよく、例えば、キャラクタを模した画像を表示する態様で行われてもよい。
ここで、操作指示演出及び操作結果演出を実行するために副制御用CPU31aが行う処理について説明する。
副制御用CPU31aは、所定の乱数を用いた抽選により、操作指示演出を実行させるか否かの実行判定を行う。
副制御用CPU31aは、実行判定において肯定判定した場合、第1操作部BT1の操作を有効とする演出有効期間を設定する。ここで、第1操作部BT1の操作を有効とするとは、第1操作部BT1からの操作信号の入力を契機として、副制御用CPU31aが操作結果演出を実行させるための処理を実行可能に制御することである。本実施形態において、演出有効期間は、第1操作部BT1の操作を受け付ける操作受付期間としても把握できる。また、演出有効期間は、第1操作部BT1の操作に基づいて操作結果演出を実行させるための処理を実行可能な状態としても把握できる。具体的に、副制御用CPU31aは、操作指示演出の開始に伴って、副制御用RAM31cの演出有効タイマに所定の時間を示す値を設定し、該演出有効タイマの値の減算を開始する。即ち、本実施形態では、副制御用RAM31cの演出有効タイマの値を減算している期間が、演出有効期間となる。なお、以下の説明では、演出有効期間中であることを「演出有効期間ON」と示す場合がある。また、演出有効期間中でないことを「演出有効期間OFF」と示す場合がある。
また、副制御用CPU31aは、実行判定において肯定判定した場合、第1操作部BT1を模した画像を表示させるように演出表示装置11を制御することにより、操作指示演出を実行させる。一方、副制御用CPU31aは、実行判定において否定判定した場合、演出有効期間を設定しないとともに、操作指示演出を実行させない。以上により、本実施形態の操作指示演出は、演出有効期間が設定されていることを報知する演出としても把握できる。
副制御用CPU31aは、演出有効期間中において第1操作部BT1からの操作信号を入力したことを契機として、操作指示演出を終了させるとともに、副制御用RAM31cの演出有効タイマに設定した値を消去し、演出有効期間を終了させる。本実施形態において、タイマに設定した値を消去するとは、タイマの値を0(零)に設定することである。また、副制御用CPU31aは、演出有効期間を終了させてから予め定めた期間を、可動体演出の操作終了条件の成立を制限する制限期間とするように制御する。具体的に、副制御用CPU31aは、演出有効期間を終了させたことに伴って、副制御用RAM31cの制限タイマに予め定めた時間(例えば、1秒)を示す値を設定し、該制限タイマの値の減算を開始する。即ち、本実施形態では、副制御用RAM31cの制限タイマの値を減算している期間が、制限期間となる。以下の説明では、制限期間中であることを「制限期間ON」と示す場合がある。また、制限期間中でないことを「制限期間OFF」と示す場合がある。
また、副制御用CPU31aは、演出有効期間中において第1操作部BT1からの操作信号を入力したことを契機として、操作結果演出を実行させるように演出表示装置11を制御する。即ち、副制御用CPU31aは、演出有効期間において第1操作部BT1が操作された場合に操作結果演出を実行させる。なお、副制御用CPU31aは、入力した変動パターン指定コマンドに応じて行う抽選などにより操作結果演出の態様を決定するとよい。なお、所定の態様(例えば、「チャンス!」の文字列を模した画像を表示する態様)で操作結果演出が実行されたときの大当り期待度を高く設定するには、はずれとなるときの所定の態様の決定割合と大当りとなるときの所定の態様の決定割合とを合算した決定割合の全体に占める、大当りとなるときの決定割合を高く設定するとよい。
また、副制御用CPU31aは、操作結果演出を開始させてから予め定めた演出時間(例えば2秒)が経過すると、操作結果演出を終了させるように演出表示装置11を制御する。
一方、第1操作部BT1が操作されることなく演出有効期間が終了した場合、副制御用CPU31aは、操作指示演出を終了させる一方で、操作結果演出を実行させない。
以上のような処理により、本実施形態では、操作指示演出及び操作結果演出を実行可能である。本実施形態において、操作結果演出は、第1操作部BT1の操作に基づいて行う操作演出に相当するとともに、第2の演出に相当する。また、本実施形態では、副制御用CPU31aが上述した処理を行うことにより、操作演出を実行させる制御を行う操作演出制御手段が実現される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10が実行可能な演出には、操作指示演出及び操作結果演出とは異なる演出であって、上部可動体80を動作させて行う可動体演出がある。本実施形態において、可動体演出は第1の演出に相当する。
ここで、上部可動体80の動作について説明する。
図6(a)に示すように、上部可動体80の原点(原位置)は、上部可動体80の先端部(遊技者側の端部)80aがパチンコ遊技機10の前方(図中、二点鎖線の矢印で示す)を向く位置である。本実施形態の上部可動体80は、原点と、原点とは異なる演出位置との間で動作可能である。以下の説明では、原点から演出位置に向かう方向を第1方向D1と示す場合があるとともに、演出位置から原点に向かう方向を第2方向D2と示す場合がある。また、図6(b)に示すように、上部可動体80の演出位置は、上部可動体80の先端部80aがパチンコ遊技機10の上方(図中、二点鎖線の矢印で示す)を向く位置である。
図7(a)に示すように、上部可動体80は、原点に位置するとき、該上部可動体80の全体がパチンコ遊技機10を正面視したときの外枠Y1の外形よりも内側に位置する。以下の説明において、パチンコ遊技機10を正面視したときの外枠Y1の外形を、単に「外枠Y1の外形」と示す。言い換えれば、上部可動体80が原点に位置している状態とは、上部可動体80が外枠Y1の外形よりも内側に収納されている状態としても把握できる。一方、図7(b)に示すように、上部可動体80は、演出位置に位置するとき、該上部可動体80の少なくとも一部が外枠Y1の外形よりも外側へ突出する。そして、上部可動体80は、後述する可動体演出において、その少なくとも一部が、パチンコ遊技機10の上方へ向けて、パチンコ遊技機10を正面視したときの外枠Y1(外枠部材)の外形よりも外側へ突出するように動作する。
次に、可動体演出について説明する。
可動体演出は、大当り遊技において遊技球が特定検知センサSE6で検知されたことを契機として上部可動体80を原点から演出位置に動作させた後、所定の終了条件が成立するまでの間、上部可動体80が演出位置に位置している状態を継続させる演出である。つまり、可動体演出は、大当り遊技中に高確率付与条件が成立したことを契機として開始される。なお、以下の説明では、上部可動体80を演出位置から原点に動作させること、即ち可動体演出を終了させることを、「上部可動体80を収納する」と示す場合がある。
可動体演出の終了条件には、大当り遊技の終了後に付与される高確率状態が終了することで成立する状態終了条件がある。上述のように、本実施形態において、大当り遊技の終了後に付与される高確率状態は、次回の大当り遊技が付与されたことを契機として終了される。したがって、状態終了条件は、大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与されたことで成立する条件としても把握できる。本実施形態において、状態終了条件は、後述する操作終了条件とは異なる特定終了条件に相当する。
可動体演出の終了条件には、所定の収納有効期間において第1操作部BT1が操作されたことで成立する操作終了条件がある。収納有効期間について、詳しくは後述する。
可動体演出の終了条件には、今回の可動体演出よりも前に実行された可動体演出において操作終了条件が成立したことを示す情報である収納済フラグが副制御用RAM31cに記憶されていることを条件として成立するフラグ終了条件がある。本実施形態において、収納済フラグは、操作終了条件の成立を契機として記憶される特定の情報に相当する。
また、図8に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10が実行可能な演出には、可動体演出を第1操作部BT1の操作によって終了させることが可能である(上部可動体80を収納できる)ことを報知する報知演出としての収納報知演出がある。本実施形態の収納報知演出は、演出表示装置11の画像表示部GHのうち所定の表示領域において、「ボタン操作で可動体を収納可能」の文字列と、第1操作部BT1を模した画像とを表示する態様で実行される。本実施形態の収納報知演出は、大当り遊技中に特定検知センサSE6にて遊技球が検知された場合に、当該大当り遊技のエンディング時間中に実行される。つまり、収納報知演出は、大当り遊技において高確率付与条件が成立してから、該大当り遊技が終了するまでの間に開始可能である。これにより、遊技者は、第1操作部BT1を操作することで上部可動体80を収納可能であることを把握できる。
以下、可動体演出を実行するために副制御用CPU31aが行う処理について説明する。本実施形態では、副制御用CPU31aが可動体演出を実行するための処理を行うことにより、可動体を動作させる制御を行う可動体制御手段が実現される。
まず、可動体演出を開始させるための処理について説明する。
副制御用CPU31aは、特定検知コマンドを入力したことを契機として、可動体演出を開始させる。具体的に、副制御用CPU31aは、上部可動体80を原点から演出位置に動作させるように第1アクチュエータA1を制御する。一方で、遊技球が特定検知センサSE6で検知されることなく大当り遊技が終了した場合、副制御用CPU31aは、特定検知コマンドを入力しないことから、可動体演出を開始させない。上述のように、本実施形態において、大当り遊技中に特定検知センサSE6により遊技球が検知されることは、高確率状態を付与するための高確率付与条件に相当する。つまり、可動体演出は、大当り遊技中に高確率付与条件が成立しない場合には開始されない。
次に、収納報知演出を実行するための処理について説明する。
副制御用CPU31aは、大当り遊技において可動体演出を開始した場合、当該大当り遊技のエンディング演出の開始を指示するエンディングコマンドを入力すると、収納報知演出を開始させるように演出表示装置11を制御する。なお、副制御用CPU31aは、副制御用RAM31cに収納済フラグが記憶されている場合、収納報知演出を実行させない。収納済フラグを設定する処理について、詳しくは後述する。
また、副制御用CPU31aは、所定の終了条件の成立を契機として、収納報知演出を終了させるように演出表示装置11を制御する。所定の終了条件は、例えば、エンディング時間が経過したことであってもよいし、大当り遊技の終了後に変動パターン指定コマンドや待機コマンドなどのコマンドを入力したことであってもよい。
次に、可動体演出を終了させるための処理について説明する。
まず、操作終了条件の成立を契機として可動体演出を終了させるための操作終了処理について説明する。本実施形態において、操作終了処理は、所定周期(例えば、4ms)毎に割込処理として行われる処理である。
図9に示すように、操作終了処理において、副制御用CPU31aは、第1操作部BT1が規定時間(例えば、1秒)以上操作され続けているか否かを判定する(ステップS11)。第1操作部BT1が規定時間以上操作され続けているか否かを判定するには、例えば、割込処理毎に、第1操作部BT1が操作されていることを示す検知信号が入力されているかを判定し、連続する所定回数の割込処理において検知信号が入力され続けているか否かに基づいて判定するとよい。そして、副制御用CPU31aは、ステップS11において否定判定した場合、操作終了処理を終了する。
一方、ステップS11において肯定判定した場合、副制御用CPU31aは、高確率状態中であるか否かを判定する(ステップS12)。ステップS12において否定判定した場合、副制御用CPU31aは、操作終了処理を終了する。一方、ステップS12において肯定判定した場合、副制御用CPU31aは、収納済フラグが記憶されているか否かを判定する(ステップS13)。ステップS13において肯定判定した場合、副制御用CPU31aは、操作終了処理を終了する。
一方、ステップS13において否定判定した場合、副制御用CPU31aは、操作指示演出の演出有効期間外であるか否かを判定する(ステップS14)。ステップS14において否定判定した場合、副制御用CPU31aは、操作終了処理を終了する。なお、上述したように、副制御用CPU31aは、演出有効期間内に第1操作部BT1が操作された場合、操作終了処理とは別の処理において、操作結果演出を実行させるように演出表示装置11を制御する。
一方、ステップS14において肯定判定した場合、副制御用CPU31aは、演出有効期間が終了してから制限期間以内であるか否かを判定する(ステップS15)。ステップS15において肯定判定した場合、副制御用CPU31aは、操作終了処理を終了する。一方、ステップS15において否定判定した場合、副制御用CPU31aは、上部可動体80の収納を開始させるように第1アクチュエータA1を制御する(ステップS16)。
そして、副制御用CPU31aは、ステップS16の処理を終了した後、副制御用RAM31cに収納済フラグを記憶させる(ステップS17)。その後、副制御用CPU31aは、操作終了処理を終了する。
このように、本実施形態において、操作終了条件は、第1操作部BT1が規定時間以上操作され続けたことを条件として成立する条件である。また、本実施形態では、第1操作部BT1が規定時間以上操作され続けた時点において、高確率状態中であり、収納済フラグが記憶されておらず、操作指示演出の演出有効期間外であり、且つ演出有効期間が終了されてから制限期間以内ではないときに操作終了条件が成立する。以下の説明では、高確率状態中であり、収納済フラグが記憶されておらず、操作指示演出の演出有効期間外であり、且つ演出有効期間が終了されてから制限期間以内ではない期間を、収納有効期間と示す場合がある。収納有効期間は、第1操作部BT1の操作に基づいて操作終了条件を成立させることが可能な状態としても把握できる。
本実施形態において、高確率状態であり、且つ収納済フラグが記憶されていない期間とは、高確率状態において可動体演出が実行されている(終了されていない)期間である。このため、収納有効期間は、高確率状態において可動体演出が実行されている期間のうち、操作指示演出の演出有効期間外であり、且つ演出有効期間が終了されてから制限期間以内ではない期間としても把握できる。
なお、上述のように、副制御用CPU31aは、演出有効期間において第1操作部BT1からの操作信号を入力したことに伴って操作結果演出を実行させる。つまり、操作結果演出は、演出有効期間において、第1操作部BT1が1回操作(単押し)された場合であっても実行される。一方、可動体演出の操作終了条件は、第1操作部BT1が規定時間以上に亘って連続して操作された(長押しされた)ことを条件として成立する。言い換えれば、可動体演出の操作終了条件を成立させるための第1操作部BT1の操作態様と、操作結果演出を実行させるための第1操作部BT1の操作態様とは、異なる操作態様である。
また、収納有効期間は、操作指示演出の演出有効期間及び演出有効期間が終了されてから制限期間が経過するまでの期間とは重複しない期間である。また、収納有効期間は、大当り遊技において高確率付与条件が成立してから、該大当り遊技が終了するまでの期間とは重複しない期間である。収納有効期間は、第1操作部BT1の操作を受け付けて可動体演出を終了させることが可能な終了受付期間に相当する。
次に、フラグ終了条件の成立を契機として可動体演出を終了させる場合の処理について説明する。
副制御用CPU31aは、エンディング時間の経過を契機として、フラグ終了条件が成立しているか否かを判定する。このとき、副制御用CPU31aは、副制御用RAM31cに収納済フラグが記憶されている場合には、フラグ終了条件が成立していると判定し、上部可動体80を収納させるように第1アクチュエータA1を制御する。言い換えれば、副制御用CPU31aは、副制御用RAM31cに収納済フラグが記憶されている場合には、大当り遊技の終了を契機として可動体演出を終了させるというように、可動体演出の実行を制限可能である。
次に、状態終了条件の成立を契機として可動体演出を終了させる場合の処理について説明する。
副制御用CPU31aは、低確率コマンドの入力を契機として、上部可動体80を収納させるように第1アクチュエータA1を制御する。言い換えれば、副制御用CPU31aは、大当り遊技の終了後に付与された高確率状態の終了を契機として、可動体演出を終了させる。つまり、本実施形態において、状態終了条件は、大当り遊技の終了後に付与された高確率状態の終了を契機に成立する条件である。なお、本実施形態において、高確率状態は、大当り遊技の付与を契機として終了される。したがって、状態終了条件は、大当り遊技の付与を契機として成立する条件としても把握できる。
本実施形態において、状態終了条件は、操作終了条件及びフラグ終了条件が成立しない場合に成立する条件である。言い換えれば、本実施形態の可動体演出は、操作終了条件及びフラグ終了条件が成立しない場合、状態終了条件の成立を契機として終了される。以上のようにして、副制御用CPU31aは、可動体演出の終了条件が成立した場合に可動体演出を終了させる制御を行う。
以上のような処理により、本実施形態の可動体演出は、大当り遊技において高確率付与条件が成立してから該大当り遊技が終了される迄の期間と、大当り遊技が終了されてから該大当り遊技の終了後に付与される高確率状態が終了されるまでの期間と、に亘って実行可能である。以下の説明では、大当り遊技において高確率付与条件が成立してから該大当り遊技が終了されるまでの期間を第1演出期間と示す。第1演出期間は、大当り遊技中において可動体演出を実行可能な期間としても把握できる。また、大当り遊技が終了されてから該大当り遊技の終了後に付与される高確率状態が終了されるまでの期間を第2演出期間と示す。第2演出期間は、高確率状態中において可動体演出を実行可能な期間としても把握できる。
そして、上述のように、本実施形態の収納有効期間は、高確率状態中であり、収納済フラグが記憶されておらず、操作指示演出の演出有効期間外であり、且つ演出有効期間が終了されてから制限期間以内ではない期間である。したがって、本実施形態の収納有効期間は、第1演出期間とは重複しない期間であって、第2演出期間とは重複し得る期間である。
これにより、可動体演出は、第1演出期間においては、第1操作部BT1の操作にかかわらず実行される一方で、第2演出期間においては、第1操作部BT1の操作に応じて終了可能となる。また、本実施形態において、可動体演出は、副制御用RAM31cに収納済フラグが記憶されている場合、大当り遊技の終了に伴って終了される。つまり、可動体演出は、副制御用RAM31cに収納済フラグが記憶されている場合、第1演出期間の終了に伴って終了される。
次に、収納済フラグを消去するためのフラグ消去処理について説明する。
図10に示すように、副制御用CPU31aは、フラグ消去処理において、大当り遊技の終了後、特別図柄変動ゲームの実行回数が作動回数に到達する回数終了条件の成立を契機として高ベース状態が終了されたか否かを判定する(ステップS21)。副制御用CPU31aは、例えば、回数終了条件が成立したことを示す制御コマンドを主制御用CPU30aから入力することにより、回数終了条件の成立を契機として高ベース状態が終了されたか否かを判定してもよい。また、副制御用CPU31aは、例えば変動パターン指定コマンドの入力に基づいて特別図柄変動ゲームの実行回数を計数することで、回数終了条件の成立を契機として高ベース状態が終了されたか否かを判定してもよい。ステップS21において否定判定した場合、副制御用CPU31aは、フラグ消去処理を終了する。
一方、ステップS21において肯定判定した場合、副制御用CPU31aは、副制御用RAM31cに収納済フラグが記憶されているか否かを判定する(ステップS22)。ステップS22において否定判定した場合、副制御用CPU31aは、フラグ消去処理を終了する。
一方、ステップS22において肯定判定した場合、副制御用CPU31aは、副制御用RAM31cに記憶されている収納済フラグを消去する(ステップS23)。その後、副制御用CPU31aは、フラグ消去処理を終了する。
このように、本実施形態において、収納済フラグは、回数終了条件の成立を契機として高ベース状態が終了されたこと、換言すれば、大当り遊技が付与されることなく高ベース状態が終了されたことを契機として消去可能である。即ち、本実施形態では、大当り遊技が付与されることなく高ベース状態が終了されたことが、所定条件に相当する。また、本実施形態では、副制御用CPU31aが操作終了処理やフラグ消去処理において、副制御用RAM31cに収納済フラグを記憶させる処理又は副制御用RAM31cから収納済フラグを消去する処理を行うことにより、記憶制御手段が実現される。
以下、図11を用いて、本実施形態における大当り遊技が付与されてから大当り遊技後に付与される高確率状態及び高ベース状態が終了するまでの遊技の流れの具体的な一例について、副制御用CPU31aの制御とともに説明する。図11では、上部可動体80が原点に位置している状態を「上部可動体OFF」、上部可動体80が演出位置に位置している状態を「上部可動体ON」と示す。なお、図11では、時間の経過と制御の内容の関係を模式的に示しており、時間の経過(横軸の長さ)と実際の制御のタイミングとは一致しない場合がある。
ここでは、低確低ベース状態において、大当り遊技が付与されるとする(時点t0)。その後、副制御用CPU31aは、大当り遊技中に特定検知センサSE6により遊技球が検知されたことを契機として、主制御用CPU30aから特定検知コマンドを入力する(時点t1)。副制御用CPU31aは、特定検知コマンドを入力すると、可動体演出を開始させる。具体的に、副制御用CPU31aは、上部可動体80を原点から演出位置に動作させるように第1アクチュエータA1を制御する。
続いて、副制御用CPU31aは、主制御用CPU30aからエンディング開始コマンドを入力すると、収納報知演出を開始させるように演出表示装置11を制御する(時点t2)。次に、副制御用CPU31aは、エンディング時間が経過すると、収納報知演出を終了させるように演出表示装置11を制御する(時点t3)。また、大当り遊技の終了後の遊技状態は、該大当り遊技中に特定検知センサSE6により遊技球が検知されたことから、高確高ベース状態となる。
そして、副制御用CPU31aは、操作指示演出の実行判定において肯定判定すると、飾り図柄変動ゲームの実行中に操作指示演出を開始させるように演出表示装置11を制御する(時点t4)。このとき、副制御用CPU31aは、操作指示演出の開始に伴って、副制御用RAM31cの演出有効タイマに所定の値を設定することで、演出有効期間を開始させる。その後、副制御用CPU31aは、演出有効期間中に第1操作部BT1が操作されると、操作指示演出を終了させるとともに、操作結果演出を開始させるように演出表示装置11を制御する(時点t5)。またこのとき、副制御用CPU31aは、副制御用RAM31cの演出有効タイマの値を消去することにより、演出有効期間を終了させるとともに、制限タイマに所定の値を設定することで、制限期間を開始させる。その後、副制御用CPU31aは、制限タイマの値が0になったことを契機として、制限期間を終了させる(時点t6)。
そして、副制御用CPU31aは、操作結果演出の演出時間が経過すると、操作結果演出を終了させるように演出表示装置11を制御する(時点t7)。その後、副制御用CPU31aは、第1操作部BT1が規定時間以上操作され続けたと判定した場合、高確率状態であり、収納済フラグが記憶されておらず、操作指示演出の演出有効期間外であり、且つ演出有効期間が終了されてから制限期間以内ではないことから、操作終了条件が成立し、可動体演出を終了させる(時点t8)。具体的に、副制御用CPU31aは、上部可動体80を演出位置から原点に動作させるように第1アクチュエータA1を制御するとともに、収納済フラグを副制御用RAM31cに記憶させる。
その後、大当り遊技が付与されると、遊技状態は低確低ベース状態となる(時点t9)。そして、副制御用CPU31aは、大当り遊技中に特定検知センサSE6により遊技球が検知されたことを契機として、主制御用CPU30aから特定検知コマンドを入力すると、可動体演出を開始させる(時点t10)。
その後、副制御用CPU31aは、収納済フラグが記憶されていることから、主制御用CPU30aからエンディング開始コマンドを入力しても収納報知演出を開始させない。そして、副制御用CPU31aは、収納済フラグが記憶されていることから、エンディング時間の経過時、即ち大当り遊技の終了時に、フラグ終了条件が成立し、可動体演出を終了させる(時点t11)。また、大当り遊技後の遊技状態は、該大当り遊技中に特定検知センサSE6により遊技球が検知されたことから、高確高ベース状態となる。
その後、大当り遊技が付与されると、遊技状態は低確低ベース状態となる(時点t12)。そして、特定検知センサSE6により遊技球が検知されることなく大当り遊技が終了されると、大当り遊技後の遊技状態は、低確高ベース状態となる(時点t13)。その後、大当り遊技の終了後の特別図柄変動ゲームの実行回数が作動回数に到達する回数終了条件が成立すると、高ベース状態が終了される(時点t14)。このとき、副制御用CPU31aは、副制御用RAM31cに記憶されている収納済フラグを消去する。
上述したように、可動体演出は、第1演出期間(時点t1〜t3,t10〜t11)と、第2演出期間(時点t3〜t9,t11〜t12)と、に亘って実行可能である。ただし、上述した例では、1回目の大当り遊技が終了されてからの第2演出期間(時点t3〜t9)において、操作終了条件の成立に伴って、次回の大当り遊技が付与されるよりも前に可動体演出が終了される(時点t8)。このため、1回目の大当り遊技が終了されてからの第2演出期間のうち、操作終了条件が成立してから次回の大当り遊技が付与されるまでの期間(時点t8〜t9)においては可動体演出が実行されない。また、上述した例では、操作終了条件の成立に伴って収納済フラグが記憶されるため、2回目の大当り遊技中に可動体演出が開始された後、該2回目の大当り遊技の終了に伴ってフラグ終了条件が成立し、可動体演出が終了される(時点t11)。したがって、2回目の大当り遊技が終了されてからの第2演出期間(時点t11〜t12)においては可動体演出が実行されない。
また、上述したように、収納有効期間は、高確率状態において可動体演出が実行されている期間のうち、操作指示演出の演出有効期間外であり、且つ演出有効期間が終了されてから制限期間以内ではない期間である。このため、第1操作部BT1が操作されず、第1演出期間及び第2演出期間の全体に亘って可動体演出が実行されたと仮定すると、収納有効期間T1は、第2演出期間のうち、操作指示演出の演出有効期間外であり、且つ演出有効期間が終了されてから制限期間以内ではない期間(時点t3〜t4,t6〜t9,t11〜t12)となる。ただし、上述した例では、第2演出期間の途中において第1操作部BT1が操作されたことを契機として操作終了条件が成立し可動体演出が終了される(時点t8)。このため、上述した例における収納有効期間T2は、1回目の大当り遊技が終了してから操作指示演出において演出有効期間が設定される迄の期間(時点t3〜時点t4)、及び操作指示演出における演出有効期間が終了されてから制限期間が終了した後、操作終了条件が成立するまでの期間(時点t6〜t8)となる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)可動体演出の操作終了条件を成立させることができる期間である収納有効期間は、操作指示演出における演出有効期間とは重複しない期間である。このため、可動体演出の実行中に操作指示演出が実行され、演出有効期間が設定された場合に、遊技者が操作結果演出を実行させるために第1操作部BT1を操作しようとして、誤って可動体演出を終了させてしまうことを抑制できる。したがって、可動体演出を適切に実行させることができ、遊技に対する興趣を向上できる。
(2)特に、収納有効期間は、操作指示演出における演出有効期間に加えて、該演出有効期間が終了されてから制限期間が経過するまでの期間とは重複しない期間である。このため、操作結果演出を実行させるために第1操作部BT1を操作するつもりが、操作タイミングが遅れてしまった場合に、可動体演出を終了させてしまうことを抑制できる。
(3)即ち、操作指示演出における演出有効期間及び該演出有効期間が終了されてから制限期間が経過するまでの期間は、可動体演出が継続して実行される一方で、可動体演出を終了させるための第1操作部BT1の操作が制限される期間となる。このため、可動体演出の実行を継続させつつも、操作結果演出を実行させるために第1操作部BT1を操作しようとして、誤って可動体演出を終了させてしまうことを抑制できる。
(4)可動体演出は、操作終了条件が成立しない場合であっても、状態終了条件が成立したことを契機に終了される。このため、遊技者は、可動体演出を早く終了させたいと考えない限り、第1操作部BT1を操作して操作終了条件を成立させる必要がない。言い換えれば、操作終了条件が成立して可動体演出が終了される場合とは、可動体演出を早く終了させたいと遊技者が考えた場合に発生し得る状況であるといえる。そして、本実施形態では、このような前提の下、上述したように、遊技者が操作演出を実行させるために第1操作部BT1を操作しようとしたにもかかわらず、意図せず操作終了条件が成立して可動体演出が終了されるという状況が発生してしまうことを抑制できる。したがって、可動体演出を適切に実行させることができ、遊技に対する興趣を向上できる。
(5)大当り遊技を獲得したいと考える遊技者は、低確率状態に比して大当り確率が高い高確率状態が付与されることに期待する。このため、高確率付与条件が成立してから高確率状態が終了するまでの期間は、遊技者の遊技意欲が高められる期間となる。そして、遊技者は、遊技者の遊技意欲が高められる期間においては、より、自らの意に沿った態様で演出を実行させたいと考える場合がある。本実施形態では、このような前提の下、上述したように、遊技者の遊技意欲が高められる期間において、可動体演出が意図せず終了してしまうことを抑制し、より適切に実行させることができるため、遊技に対する興趣を効果的に向上できる。
(6)収納有効期間は、大当り遊技において高確率付与条件が成立してから、該大当り遊技が終了するまでの期間とは重複しない期間である。このため、大当り遊技において高確率付与条件が成立してから、該大当り遊技が終了するまでの期間は、可動体演出が継続される期間となる一方で、大当り遊技が終了してから該大当り遊技の終了後に付与される高確率状態が終了するまでの間は、遊技者による第1操作部BT1の操作によって可動体演出を継続させるか否かを選択できる期間となる。このため、可動体演出の実行態様を多様化することができ、遊技に対する興趣を向上できる。
(7)大当り遊技において高確率付与条件が成立してから該大当り遊技が終了するまでの間には、可動体演出を第1操作部BT1の操作によって終了させることが可能であることを報知する収納報知演出を開始可能である。したがって、遊技者は、大当り遊技の終了前に可動体演出を終了させるための操作を把握できるため、可動体演出を早期に終了させたいと考える場合、大当り遊技の終了後、速やかに可動体演出を終了させることができる。
(8)可動体演出は、大当り遊技中に高確率付与条件が成立しない場合には開始されない。したがって、遊技者は、可動体演出が開始されるか否かによって、大当り遊技の終了後に高確率状態に制御されるか否かを把握できる。したがって、遊技者に対して、可動体演出により興味を持たせることができる。
(9)本実施形態において、操作終了条件を成立させるための第1操作部BT1の操作態様は、操作結果演出を実行させるための第1操作部BT1の操作態様とは異なる。このため、遊技者が操作結果演出を実行させようと考えて第1操作部BT1を操作した場合に、誤って可動体演出を終了させてしまうことを抑制できる。
(10)特に、本実施形態では、操作結果演出を実行させるためには、第1操作部BT1を1回操作(単押し)すればよい一方で、操作終了条件を成立させるためには、第1操作部BT1を規定時間以上継続して操作し続ける(長押しする)必要がある。このため、遊技者が操作結果演出を実行させようと考えて第1操作部BT1を操作した場合に、誤って可動体演出を終了させてしまうことを更に抑制できる。
(11)可動体演出では、上部可動体80の少なくとも一部が外枠Y1の外形よりも外側に突出することにより、例えば、遊技者の視界を遮ったり、過度に目立ってしまったりすることで、遊技者の興趣を却って低減させてしまう虞がある。このような場合であっても、本実施形態では、第1操作部BT1の操作によって可動体演出を終了させることができるため、興趣の低減を抑制できる。
(12)第1操作部BT1は、可動体演出の操作終了条件を成立させるための操作と、操作結果演出を実行させるための操作と、に兼用される。これにより、可動体演出の操作終了条件を成立させるための専用の操作手段や、操作結果演出を実行させるための専用の操作手段を設ける場合と比較して、遊技機の構成が複雑化することを抑制できる。
(13)副制御用CPU31aは、操作終了条件が成立したことを契機として副制御用RAM31cに収納済フラグを記憶させるようになっている。そして、副制御用CPU31aは、収納済フラグが記憶されている場合に、新たに大当り遊技中に可動体演出を開始させたときには、該大当り遊技の終了を契機として可動体演出を終了させるというように、可動体演出の実行を制限可能である。このため、遊技者は、一度、操作終了条件を成立させて可動体演出を終了させれば、それ以降、再び第1操作部BT1を操作しなくても、可動体演出の実行を制限できる。したがって、遊技者による第1操作部BT1の操作に応じて適切に可動体演出を実行させることができ、遊技に対する興趣を向上できる。
(14)可動体演出は、第1演出期間においては、第1操作部BT1の操作にかかわらず実行される一方で、第2演出期間においては、第1操作部BT1の操作に応じて終了可能である。さらに、副制御用CPU31aは、第2演出期間において第1操作部BT1の操作によって可動体演出を終了させた場合、それ以降は、第1演出期間の終了に伴って可動体演出を終了させる。このため、遊技者は、再度、第1操作部BT1を操作しなくても、遊技者の意に沿った態様で可動体演出を実行させることができる。したがって、可動体演出を適切に実行でき、遊技に対する興趣を向上できる。
(15)副制御用CPU31aは、収納済フラグが記憶されている場合に、新たに大当り遊技中に可動体演出を開始させたときには、該大当り遊技の終了を契機として可動体演出を終了させるというように、可動体演出の実行を制限可能である。そして、収納済フラグは、所定条件の成立を契機として消去される。このため、一度、収納済フラグを記憶させた場合であっても、その後に所定条件が成立しさえすれば、可動体演出の実行を制限しないように制御できる。これにより、例えば、遊技者が入れ替わった場合や、遊技者の気分が変わった場合においても、適切に可動体演出を実行させることができるようになる。したがって、遊技に対する興趣を向上できる。
(16)特に、本実施形態において、収納済フラグは、大当り遊技の終了後、大当り遊技が付与されることなく高ベース状態が終了されたことを契機として消去される。ここで、大当り遊技及び高ベース状態が連続している間とは、遊技者にとって有利な状況が継続されている状況として把握できることから、遊技者の入れ替わりが想定され難い状況である。そして、本実施形態では、一度、第1操作部BT1を操作して収納済フラグを記憶させれば、それ以降、大当り遊技及び高ベース状態が連続している間は、収納済フラグが消去されないため、第1操作部BT1を操作しなくても可動体演出の実行を制限することができる。したがって、本実施形態では、遊技者の入れ替わりが想定され難い状況において、遊技者の意に沿った態様で可動体演出を実行させることができ、遊技に対する興趣を向上できる。
(17)操作指示演出における演出有効期間が終了されてから制限期間が経過した後は、操作結果演出の実行中であっても、第1操作部BT1の操作に基づいて可動体演出を終了させることができる。このため、可動体演出を終了させたいと思う遊技者に対して、操作結果演出が終了するまで待たせてしまうことがない。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態のパチンコ遊技機について説明する。なお、以下の説明では、すでに説明した実施形態と同一の構成、及び同一の制御内容については同一の符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
第1実施形態において、副制御用CPU31aは、操作終了条件が成立した場合に収納済フラグを記憶させるように制御した。これに対し、第2実施形態においては、操作終了条件が成立した場合に加えて、大当り遊技において高確率付与条件が成立してから該大当り遊技が終了するまでの期間に第1操作部BT1が規定時間以上操作され続けた場合にも収納済フラグを記憶させるように制御する。そして、副制御用CPU31aは、大当り遊技中に収納済フラグが記憶された場合、該大当り遊技の終了に伴ってフラグ終了条件が成立するため、可動体演出を終了させるように制御する。なお、以下の説明では、大当り遊技において高確率付与条件が成立してから該大当り遊技が終了するまでの期間を、特別有効期間と示す。特別有効期間は、大当り遊技中において可動体演出が実行されている期間としても把握できる。
具体的には、図12に示すように、操作終了処理において、副制御用CPU31aは、第1操作部BT1が規定時間以上操作され続けたと判定した場合(ステップS11:YES)、大当り遊技中であるか否かを判定する(ステップSa1)。大当り遊技中でない場合、副制御用CPU31aは、第1実施形態の操作終了処理と同様にして、ステップS12〜ステップS17の処理を行う。
一方、大当り遊技中である場合、副制御用CPU31aは、可動体演出の実行中であるか否かを判定する(ステップSa2)。なお、ステップSa2において、可動体演出の実行中であると判定したときとは、特別有効期間中であるときに相当する。
可動体演出の実行中でない場合(特別有効期間中でない場合)、副制御用CPU31aは、操作終了処理を終了する。一方、可動体演出の実行中である場合(特別有効期間中である場合)、副制御用CPU31aは、副制御用RAM31cに収納済フラグが記憶されているか否かを判定する(ステップSa3)。収納済フラグが記憶されていない場合、副制御用CPU31aは、収納済フラグを記憶させる(ステップSa4)。その後、副制御用CPU31aは、操作終了処理を終了する。そして、副制御用CPU31aは、操作終了処理とは別の処理において、大当り遊技の終了に伴ってフラグ終了条件が成立すると、上部可動体80の収納を開始させるように第1アクチュエータA1を制御する(ステップS16)。
以上のような処理により、副制御用CPU31aは、第1操作部BT1が規定時間以上操作され続けた場合において、特別有効期間中であるときには、収納済フラグを記憶させ、その後、大当り遊技の終了に伴って可動体演出を終了させる。つまり、特別有効期間は、収納有効期間と同様に、可動体演出を終了させるための第1操作部BT1の操作を有効とする期間である。
ただし、上述したように、副制御用CPU31aは、第1操作部BT1が操作された場合において、特別有効期間中であるときには、第1操作部BT1が操作された時点ではなく、操作された後、大当り遊技の終了に伴って可動体演出を終了させる。このように、特別有効期間は、第1操作部BT1が操作されたことを条件として、大当り遊技の終了に伴って可動体演出を終了させることが可能な期間である。なお、本実施形態において、収納済フラグは、特別有効期間において第1操作部BT1が操作されたときのように、上部可動体80が収納されるよりも前に記憶されることもあることから、上部可動体80を収納することを予定していることを示すフラグとしても把握できる。
一方、収納済フラグが記憶されている場合、副制御用CPU31aは、操作終了処理を終了する。つまり、副制御用CPU31aは、収納済フラグが記憶されている場合、大当り遊技の終了に伴って可動体演出が終了されることが既に予定されていることから、収納済フラグを新たに記憶させることなく、操作終了処理を終了する。
以下、図13を用いて、本実施形態における大当り遊技が付与されてから大当り遊技後に付与される高確率状態及び高ベース状態が終了するまでの遊技の流れの具体的な一例について、副制御用CPU31aの制御とともに説明する。
ここでは、低確低ベース状態において、大当り遊技が付与されるとする(時点t20)。その後、副制御用CPU31aは、大当り遊技中に特定検知センサSE6により遊技球が検知されたことを契機として、主制御用CPU30aから特定検知コマンドを入力する(時点t21)。副制御用CPU31aは、特定検知コマンドを入力すると、可動体演出を開始させる。
続いて、副制御用CPU31aは、第1操作部BT1が規定時間以上操作され続けたと判定した場合、大当り遊技中であり、可動体演出の実行中であり、且つ収納済フラグが記憶されていないことから、収納済フラグを記憶させる(時点t22)。その後、副制御用CPU31aは、収納済フラグが記憶されていることから、主制御用CPU30aからエンディング開始コマンドを入力しても収納報知演出を開始させない。そして、副制御用CPU31aは、エンディング時間の経過時、即ち大当り遊技の終了時に、フラグ終了条件が成立し、可動体演出を終了させる(時点t23)。また、大当り遊技後の遊技状態は、該大当り遊技中に特定検知センサSE6により遊技球が検知されたことから、高確高ベース状態となる。
その後、大当り遊技が付与されると、遊技状態は低確低ベース状態となる(時点t24)。以降の副制御用CPU31aの処理(時点t24〜t29)は、第1実施形態における副制御用CPU31aの処理(図11の時点t9〜t14)と同様の内容であるため、説明を省略する。
上述したように、可動体演出は、第1演出期間(時点t21〜23,t25〜t26)と、第2演出期間(時点t23〜t24,t26〜t27)と、に亘って実行可能である。ただし、上述した例では、1回目の大当り遊技中に収納済フラグが記憶された(時点t22)ことにより、該1回目の大当り遊技の終了に伴ってフラグ終了条件が成立し、可動体演出が終了される(時点t23)。このため、1回目の大当り遊技が終了されてからの第2演出期間(時点t23〜t24)においては可動体演出が実行されない。また、上述した例では、1回目の大当り遊技中に収納済フラグが記憶されるため、2回目の大当り遊技中に可動体演出が開始された後、該2回目の大当り遊技の終了に伴ってフラグ終了条件が成立し、可動体演出が終了される(時点t26)。したがって、2回目の大当り遊技が終了されてからの第2演出期間(時点t26〜t27)においては可動体演出が実行されない。
また、上述したように、特別有効期間は、大当り遊技中において可動体演出が実行されている期間である。また、収納有効期間は、高確率状態において可動体演出が実行されている期間のうち、操作指示演出の演出有効期間外であり、且つ演出有効期間が終了されてから制限期間以内ではない期間である。このため、第1操作部BT1が操作されず、第1演出期間及び第2演出期間の全体に亘って可動体演出が実行されたと仮定したときの特別有効期間T3は、第1演出期間と同一の期間となる(時点t21〜t23,t25〜t26)。また、第1演出期間及び第2演出期間の全体に亘って可動体演出が実行されたと仮定したときの収納有効期間T4は、第2演出期間と同一の期間となる(時点t23〜t24,t26〜t27)。ただし、上述した例では、1回目の大当り遊技における第1演出期間の途中において第1操作部BT1が操作されたことを契機として収納済フラグが記憶される(時点t22)。このため、上述した例における特別有効期間T5は、1回目の大当り遊技において遊技球が特定検知センサSE6で検知されてから第1操作部BT1の操作に基づいて収納済フラグが記憶されるまでの期間(時点t21〜時点t22)となる。また、上述した例では、収納有効期間となる期間はない。
以上詳述したように、本実施形態は、上述した効果(1)〜(5),(7)〜(17)に加えて、以下の効果を有する。
(18)副制御用CPU31aは、大当り遊技中であっても副制御用RAM31cに収納済フラグを記憶させることができる。このため、遊技者は、大当り遊技が終了するのを待つことなく第1操作部BT1を操作することにより、大当り遊技の終了に伴って可動体演出を終了させることができる。したがって、可動体演出を終了させる際の煩わしさを低減できる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態のパチンコ遊技機について説明する。
第1実施形態において、副制御用CPU31aは、高確率状態中であることを条件の1つとして操作終了条件を成立させるように制御した。これに対し、第3実施形態では、大当り遊技中である場合にも操作終了条件を成立させて可動体演出を終了させることができるように制御する。言い換えれば、本実施形態の収納有効期間は、高確率状態中であり、収納済フラグが記憶されておらず、操作指示演出の演出有効期間外であり、且つ演出有効期間が終了されてから制限期間以内ではない期間に加えて、大当り遊技中であり、且つ可動体演出が実行されている期間となる。
具体的には、図14に示すように、操作終了処理において、副制御用CPU31aは、第1操作部BT1が規定時間以上操作され続けたと判定した場合(ステップS11:YES)、大当り遊技中であるか否かを判定する(ステップSb1)。大当り遊技中でない場合、副制御用CPU31aは、第1実施形態の操作終了処理と同様にして、ステップS12〜ステップS17の処理を行う。
一方、大当り遊技中である場合、副制御用CPU31aは、可動体演出の実行中であるか否かを判定する(ステップSb2)。可動体演出の実行中でない場合、副制御用CPU31aは、操作終了処理を終了する。一方、可動体演出の実行中である場合、副制御用CPU31aは、上部可動体80の収納を開始させるように第1アクチュエータA1を制御する(ステップSb3)。その後、副制御用CPU31aは、副制御用RAM31cに収納済フラグが記憶されているか否かを判定する(ステップSb4)。
収納済フラグが記憶されていない場合、副制御用CPU31aは、収納済フラグを記憶させる(ステップSb5)。その後、副制御用CPU31aは、操作終了処理を終了する。一方、収納済フラグが記憶されている場合、副制御用CPU31aは、新たに収納済フラグを記憶させることなく、操作終了処理を終了する。このような処理により、副制御用CPU31aは、第1操作部BT1が規定時間以上操作され続けた場合において、大当り遊技中であって且つ可動体演出の実行中であるときには、該大当り遊技中に可動体演出を終了させる。
以下、図15を用いて、本実施形態における大当り遊技が付与されてから大当り遊技後に付与される高確率状態及び高ベース状態が終了するまでの遊技の流れの具体的な一例について、副制御用CPU31aの制御とともに説明する。
ここでは、低確低ベース状態において、大当り遊技が付与されるとする(時点t40)。その後、副制御用CPU31aは、大当り遊技中に特定検知センサSE6により遊技球が検知されたことを契機として、主制御用CPU30aから特定検知コマンドを入力する(時点t41)。副制御用CPU31aは、特定検知コマンドを入力すると、可動体演出を開始させる。
続いて、副制御用CPU31aは、第1操作部BT1が規定時間以上操作され続けたと判定した場合、大当り遊技中であり、且つ可動体演出の実行中であることから、操作終了条件が成立し、可動体演出を終了させる(時点t42)。このとき、副制御用CPU31aは、副制御用RAM31cに収納済フラグが記憶されていないことから、副制御用RAM31cに収納済フラグを記憶させる。その後、副制御用CPU31aは、収納済フラグが記憶されていることから、主制御用CPU30aからエンディング開始コマンドを入力しても収納報知演出を開始させない。そして、エンディング時間が経過して大当り遊技が終了されると、大当り遊技中に特定検知センサSE6により遊技球が検知されたことから、大当り遊技後の遊技状態は、高確高ベース状態となる(時点t43)。
その後、大当り遊技が付与されると、遊技状態は低確低ベース状態となる(時点t44)。また、副制御用CPU31aは、大当り遊技中に特定検知センサSE6により遊技球が検知されたことを契機として、主制御用CPU30aから特定検知コマンドを入力する(時点t45)。副制御用CPU31aは、特定検知コマンドを入力すると、可動体演出を開始させる。
続いて、副制御用CPU31aは、第1操作部BT1が規定時間以上操作され続けたと判定した場合、大当り遊技中であり、且つ可動体演出の実行中であることから、操作終了条件が成立し、可動体演出を終了させる(時点t46)。このとき、副制御用CPU31aは、副制御用RAM31cに収納済フラグが記憶されていることから、新たに収納済フラグを記憶させない。その後、副制御用CPU31aは、収納済フラグが記憶されていることから、主制御用CPU30aからエンディング開始コマンドを入力しても収納報知演出を開始させない。そして、エンディング時間が経過して大当り遊技が終了されると、大当り遊技中に特定検知センサSE6により遊技球が検知されたことから、大当り遊技後の遊技状態は、高確高ベース状態となる(時点t47)。
以降の副制御用CPU31aの処理(時点t47〜t50)は、第1実施形態における副制御用CPU31aの処理(図11の時点t10〜t13)と同様の内容であるため、説明を省略する。
上述したように、可動体演出は、第1演出期間(時点t41〜43,t45〜t47)と、第2演出期間(時点t43〜t44,t47〜t48)と、に亘って実行可能である。ただし、上述した例では、1回目の大当り遊技中に操作終了条件が成立したことにより、該1回目の大当り遊技中に可動体演出が終了される(時点t42)。このため、1回目の大当り遊技における第1演出期間のうち、操作終了条件が成立してから大当り遊技が終了するまでの期間(時点t42〜t43)、及び1回目の大当り遊技が終了してからの第2演出期間(時点t43〜t44)においては可動体演出が実行されない。また、上述した例では、2回目の大当り遊技中に操作終了条件が成立したことにより、該2回目の大当り遊技中に可動体演出が終了される(時点t46)。このため、2回目の大当り遊技における第1演出期間のうち、操作終了条件が成立してから大当り遊技が終了するまでの期間(時点t46〜t47)、及び1回目の大当り遊技が終了してからの第2演出期間(時点t47〜t48)においては可動体演出が実行されない。
また、上述したように、収納有効期間は、大当り遊技中において可動体演出が実行されている期間、及び高確率状態において可動体演出が実行されている期間のうち操作指示演出の演出有効期間外であり且つ演出有効期間が終了されてから制限期間以内ではない期間である。このため、第1操作部BT1が操作されず、第1演出期間及び第2演出期間の全体に亘って可動体演出が実行されたと仮定したときの収納有効期間T6は、第1演出期間及び第2演出期間と同一の期間となる(時点t41〜t44,t45〜48)。ただし、上述した例では、1回目の大当り遊技における第1演出期間の途中において第1操作部BT1が操作されたことを契機として可動体演出が終了される。また、2回目の大当り遊技における第1演出期間の途中においても第1操作部BT1が操作されたことを契機として可動体演出が終了される。このため、上述した例における収納有効期間T7は、1回目の大当り遊技において遊技球が特定検知センサSE6で検知されてから操作終了条件が成立するまでの期間(時点t41〜時点t42)、及び2回目の大当り遊技において遊技球が特定検知センサSE6で検知されてから操作終了条件が成立するまでの期間(時点t45〜t46)となる。
以上詳述したように、本実施形態は、上述した効果(1)〜(5),(7)〜(13),(15)〜(17)に加えて、以下の効果を有する。
(19)副制御用CPU31aは、大当り遊技中であっても可動体演出を終了させることができる。このため、遊技者は、大当り遊技が終了するのを待つことなく第1操作部BT1を操作して可動体演出を終了させることができる。したがって、可動体演出を終了させる際の煩わしさを低減できる。
なお、各実施形態は以下のように変更してもよい。
・可動体演出を開始させる条件は、適宜変更してもよい。例えば、可動体演出は、大当り遊技の終了後、高確率状態が付与されることに伴って開始されてもよいし、大当り遊技が開始されることに伴って開始されてもよい。また、所定の抽選に当選したことに伴って開始されてもよい。なお、この所定の抽選に当選する確率は、例えば、保留中の特別図柄変動ゲームの中に大当りの表示結果を導出する特別図柄変動ゲームが含まれているか否かに応じてことならされてもよい。つまり、可動体演出は、保留中の特別図柄変動ゲームの中に大当りの表示結果を導出する特別図柄変動ゲームが含まれている期待度を報知する先読み演出として実行されてもよい。また、可動体演出は、所定の日付や時刻となったことに伴って開始されてもよい。この場合、上記実施形態は、日付や時刻を計測する計測手段(所謂、リアルタイムクロック)を備えたパチンコ遊技機10に具体化するとよい。
・可動体演出を終了させる終了条件は、適宜変更してもよい。例えば、フラグ終了条件を省略してもよい。この場合、収納済フラグを省略してもよい。また、状態終了条件を省略してもよい。即ち、可動体演出は、該可動体演出が開始されてから、第1操作部BT1が操作されて操作終了条件が成立するまでの間、実行され続けるようにしてもよい。
・副制御用CPU31aは、収納有効期間中において第1操作部BT1が規定時間以上操作され続けた場合に、操作終了条件が成立して可動体演出を終了させるようにしてもよい。これによれば、副制御用CPU31aは、収納有効期間が開始されてから少なくとも規定時間が経過するまでは、操作終了条件を成立させない。このため、例えば、操作結果演出を実行させようとして収納有効期間の開始前に第1操作部BT1を操作し、その後に収納有効期間が開始された後もそのまま操作し続けてしまった場合であっても、収納有効期間が開始されてから規定時間が経過するまでは操作終了条件が成立されないため、誤って可動体演出を終了させてしまうことを抑制できる。
・副制御用CPU31aは、操作指示演出における演出有効期間が終了されてから制限期間以内であっても、第1操作部BT1の操作に基づいて操作終了条件の成立とし、可動体演出を終了させるようにしてもよい。即ち、収納有効期間は、操作指示演出における演出有効期間とは重複しない期間である一方で、演出有効期間が終了されてから制限期間が経過するまでの間と重複する期間であってもよい。この場合、制限期間を省略してもよい。
・副制御用CPU31aは、収納済フラグが記憶されているときには、可動体演出の実行態様を変化させることで可動体演出の実行を制限してもよい。例えば、副制御用CPU31aは、可動体演出における上部可動体80の動作量を少なくすることで可動体演出の実行を制限してもよい。また、上部可動体80に発光体を設け、該発光体を可動体演出において発光させるように制御してもよく、この場合、発光体の光量を低減させることで可動体演出の実行を制限してもよい。これらの場合、副制御用CPU31aは、収納済フラグが記憶されている場合であっても、第1操作部BT1の操作に基づいて操作終了条件の成立とし、可動体演出を終了させるようにしてもよい。
・副制御用CPU31aは、収納有効期間において第1操作部BT1が操作された場合であっても可動体演出を終了させず、該可動体演出の実行態様を変化させることで可動体演出の実行を制限してもよい。例えば、副制御用CPU31aは、副制御用CPU31aは、可動体演出における上部可動体80の動作量を少なくすることで可動体演出の実行を制限してもよい。また、上部可動体80に発光体を設け、該発光体を可動体演出において発光させるように制御してもよく、この場合、発光体の光量を低減させることで可動体演出の実行を制限してもよい。なお、本別例において、収納有効期間は、制限受付期間として把握できる。
・副制御用CPU31aは、第1操作部BT1の操作に応じて可動体演出の実行を制限する場合、第1操作部BT1の操作態様に応じて、段階的に可動体演出の実行を制限してもよい。例えば、副制御用CPU31aは、第1操作部BT1が連続して操作された時間の長さに応じて、可動体の動作量が少なくなるように制御してもよい。また例えば、副制御用CPU31aは、第1操作部BT1が操作された回数に応じて、上部可動体80に設けられた発光体の光量が少なくなるように制御してもよい。
・副制御用CPU31aは、操作終了条件が成立して可動体演出を終了させた後に、可動体演出を実行可能な期間内に第1操作部BT1が操作された場合には、再び可動体演出を開始させるようにしてもよい。換言すれば、副制御用CPU31aは、第1操作部BT1の操作に基づいて可動体演出を中断及び再開可能であってもよい。この場合、可動体演出の再開に伴って収納済フラグを消去してもよいし、可動体演出が再開された場合であっても収納済フラグを維持してもよい。
・可動体演出における上部可動体80の動作態様は、適宜変更してもよい。例えば、可動体演出において、上部可動体80は、その全体が外枠Y1の外形よりも外側に突出しなくてもよい。
・可動体演出において、上部可動体80は、同一の位置においてその姿勢(向き)が変化されるようにしてもよい。即ち、可動体演出において、上部可動体80は、所定の第1状態から該第1状態とは異なる第2状態との間で動作されていればよい。なお、上記した実施形態では、上部可動体80が原点に位置している状態が第1状態に相当し、上部可動体80が演出位置に位置している状態が第2状態に相当する。
・上部可動体80は、可動体演出の実行中、常に動作し続けてもよい。例えば、上部可動体80は、可動体演出において、原点から演出位置に動作した後、該演出位置において振動や回転動作するようになっていてもよいし、原点と演出位置とを往復するようになっていてもよい。この場合、副制御用CPU31aは、収納有効期間において第1操作部BT1が操作されたことを契機として、上部可動体80を演出位置において静止(停止)させることにより可動体演出の実行を制限してもよい。
・上部可動体80を用いる可動体演出に代えて、又は加えて、内部可動体90を用いる可動体演出を実行させてもよい。この場合、副制御用CPU31aは、上述した操作終了処理といった上部可動体80を制御するための処理を、内部可動体90を制御するための処理として実行してもよい。
・副制御用CPU31aは、収納有効期間において、第1操作部BT1が1回操作された場合であっても、操作終了条件を成立させるようにしてもよい。つまり、副制御用CPU31aは、収納有効期間において、第1操作部BT1が操作されたことを示す検知信号を入力しさえすれば、操作終了条件の成立とし、可動体演出を終了させてもよい。また、副制御用CPU31aは、収納有効期間において、特定の操作態様で第1操作部BT1が操作された場合に、操作終了条件を成立させるようにしてもよい。特定の操作態様としては、例えば、所定の時間間隔を空けることなく複数回連続して操作する態様や、収納有効期間のうち特定のタイミングに合わせて操作する態様などを採用してもよい。
・操作終了処理における制御は、適宜変更してもよい。例えば、副制御用CPU31aは、第1操作部BT1が規定時間以上操作されたか否かや、高確率状態中であるか否か、収納済フラグが記憶されているか否か、演出有効期間外か否か、演出有効期間が終了されてから制限期間以内であるか否かなどを判定する順序を変更してもよい。また、副制御用CPU31aは、第1操作部BT1が規定時間以上操作されたか否かを判定する前に、高確率状態中であり、収納済フラグが記憶されておらず、演出有効期間外であって、且つ演出有効期間が終了されてから制限期間が経過しているか否かを判定してもよい。そして、高確率状態中であり、収納済フラグが記憶されておらず、演出有効期間外であって、且つ演出有効期間が終了されてから制限期間が経過していると判定した場合に、第1操作部BT1の操作を有効とする有効フラグを副制御用RAM31cに記憶させてもよい。このとき、副制御用CPU31aは、副制御用RAM31cに有効フラグが記憶されている場合に、第1操作部BT1が操作されたときには、操作終了条件を成立させる一方で、有効フラグが記憶されていない場合に、第1操作部BT1が操作されたときには、操作終了条件を成立させないようにしてもよい。これによれば、第1操作部BT1が操作される度に高確率状態中であるか否かを判定する必要がないため、副制御用RAM31cにかかる負担を低減できる。
・収納済フラグが記憶される条件は、適宜変更してもよい。例えば、副制御用CPU31aは、操作終了条件の成立によって可動体演出を終了させた回数が複数回である所定回数以上となったことを契機として、収納済フラグを記憶させるようにしてもよい。これによれば、誤って操作終了条件を成立させてしまった場合であっても、操作終了条件の成立によって可動体演出を終了させた回数が所定回数未満であれば、収納済フラグが記憶されない。したがって、誤って操作終了条件を成立させてしまっただけであるにもかかわらず、その後、可動体演出の実行が制限され続けてしまうことを抑制できる。
・収納済フラグを消去する条件は、適宜変更してもよい。例えば、副制御用CPU31aは、待機コマンドの入力を契機として収納済フラグを消去してもよい。待機状態においては、例えば、遊技者が入れ替わることなどが考えられる。そして、本別例によれば、待機状態に移行することを契機として、収納済フラグが消去されるため、遊技者が入れ替わったにもかかわらず、前の遊技者による第1操作部BT1の操作によって記憶された収納済フラグが引き継がれてしまうことを抑制できる。
・収納済フラグを消去する条件は、複数設定されていてもよい。例えば、遊技者による第1操作部BT1の操作に基づいて収納済フラグを消去する操作消去条件が設定されていてもよい。
・収納済フラグを消去する条件は、予め定めた複数の条件の中から決定可能であってもよい。この場合、副制御用CPU31aは、第1操作部BT1又は第2操作部BT2の操作に応じて、複数の条件の中から収納済フラグを消去する条件を決定してもよい。例えば、副制御用CPU31aは、大当り遊技が付与されることなく高ベース状態が終了されたことを契機として消去する第1消去条件、及び待機コマンドを入力したことを契機として消去する第2消去条件のうち、何れか一方の消去条件を第1操作部BT1の操作に応じて決定する。そして、副制御用CPU31aは、家定した消去条件が成立した場合に、収納済フラグを消去するようにしてもよい。これによれば、遊技者は、第1操作部BT1を操作することにより、収納済フラグを消去する条件を自らの意思で決定し、自らの意に沿った態様で可動体演出を実行させることができる。
また例えば、施錠機構Y4を解錠しなければ操作できない位置である中枠Y2の裏側に操作ボタンを設け、副制御用CPU31aは、上述した操作ボタンの操作に応じて、複数の条件の中から収納済フラグを消去する条件を決定してもよい。これによれば、遊技場の店員など、施錠機構Y4を解錠できる遊技機の管理者は、収納済フラグを消去する条件を決定できる一方で、遊技者など、施錠機構Y4を解錠できない者は、収納済フラグを消去する条件を変更できない。したがって、管理者の意に沿った態様で可動体演出を実行させることができる。この場合、上述した操作ボタンは、遊技機の裏側に設けられた特殊操作手段に相当する。また、副制御用CPU31aが消去条件を決定する処理を行うことにより、条件決定手段が実現される。
・可動体演出において、操作終了条件を成立させるために操作される操作手段は、適宜変更してもよく、例えば第2操作部BT2であってもよい。また、操作結果演出を実行させるために操作される操作手段は、適宜変更してもよく、例えば第2操作部BT2であってもよい。また、操作終了条件を成立させるために操作される操作手段と、操作結果演出を実行させるために操作される操作手段は、異なる操作手段であってもよい。このような場合であっても、上記した実施形態によれば、収納有効期間は、操作指示演出における演出有効期間とは重複しない期間であるため、可動体演出の実行中に操作指示演出が実行される場合に、遊技者が、第1操作部BT1と第2操作部BT2とを間違えて操作してしまうことで、可動体演出を終了させてしまうことを抑制できる。さらに、収納有効期間は、演出有効期間が終了されてから制限期間が経過するまでの期間とは重複しない期間であるため、操作指示演出において操作タイミングが遅れてしまったことで、慌てて操作手段を操作しようと思い、誤って別の操作手段を操作した場合であっても、可動体演出を終了させてしまうことを抑制できる。
・操作指示演出の実行態様は、適宜変更してもよい。例えば、「押せ」という音声を出力する音声演出として実行されてもよいし、第1操作部BT1や第2操作部BT2を発光させる発光演出として実行されてもよい。
・操作結果演出の実行態様は、適宜変更してもよい。例えば、「残念」や「チャンス」という音声を出力する音声演出として実行されてもよいし、装飾ランプLaを赤や青に発光させる発光演出として実行されてもよい。また、操作結果演出は、操作指示演出における演出有効期間に第1操作部BT1が操作されなかった場合であっても実行されるようにしてもよいし、操作指示演出における演出有効期間に第1操作部BT1が操作された場合であっても実行されないときがあるようにしてもよい。
・操作結果演出の演出時間は適宜変更してもよく、例えば、演出有効期間が終了されてからの制限期間よりも短い時間であってもよいし、同一の時間であってもよい。なお、操作結果演出の演出時間を演出有効期間が終了されてからの制限期間と同一の時間とする場合、遊技者に対して、第1操作部BT1の操作によって可動体演出の操作終了条件を成立させられるようになったことを認識させ易くすることができる。
・操作指示演出は、演出有効期間が設定されていることを報知する演出であればよく、該操作指示演出の開始タイミング及び終了タイミングは適宜変更可能である。例えば、操作指示演出は、演出有効期間が設定されるよりも前に開始されてもよい。この場合、演出有効期間が設定されることを前もって報知することができる。また、操作指示演出は、演出有効期間が終了されるよりも前に終了されてもよい。この場合、操作指示演出が不必要に長い期間実行されてしまうことを抑制できる。
・副制御用CPU31aは、操作指示演出を実行させることなく演出有効期間を設定するようにしてもよい。即ち、第1操作部BT1の操作を指示しない一方で、第1操作部BT1が操作された場合には操作結果演出を実行させるようにしてもよい。つまり、所謂隠しボタン演出として操作結果演出を実行させてもよい。
・待機コマンドが出力される条件は、適宜変更してもよい。例えば、主制御用CPU30aは、特別図柄変動ゲームの実行中ではなく、大当り遊技中ではなく、且つ実行が保留されている特別図柄変動ゲームがないことに加えて、普通図柄変動ゲームの実行中ではなく、普通当り遊技中ではなく、且つ実行が保留されている普通図柄変動ゲームがない場合に、待機コマンドを出力するようにしてもよい。また例えば、排出口26を通過する遊技球を検知する検知センサを設け、主制御用CPU30aは、上述した検知センサで予め定めた時間に亘って遊技球が検知されなかった場合に、待機コマンドを出力するようにしてもよい。なお、本別例において、上述した検知センサで予め定めた時間に亘って遊技球が検知されない状況とは、遊技領域YBaに遊技球が発射されていない状況、即ち、遊技者による遊技が行われていない状況としても把握できる。
・第1操作部BT1は、押下式のボタンであってもよいし、レバー型の操作手段やタッチパネル型の操作手段、非接触式の操作手段などであってもよい。同様に、第2操作部BT2は、押下式のボタンであってもよいし、レバー型の操作手段やタッチパネル型の操作手段、非接触式の操作手段などであってもよい。
・大当りの種類に応じて、大当り遊技の終了後に高確率状態を付与するか否かを決定する遊技機に具体化してもよい。大当り遊技の終了後における特別図柄変動ゲームの実行回数が予め定めた確変回数に到達するまでを上限として高確率状態を付与する遊技機(所謂、ST機)に具体化してもよい。なお、確変回数を上限として高確率状態を付与する遊技機において、実質的に次回の大当り遊技が付与されるまで高確率状態が継続するような回数を確変回数として設定する(例えば、当り確率が1/99に対して確変回数を10000回とする)ことにより、次回の大当り遊技が付与されたことを契機として高確率状態を終了させるようにしてもよい。また、大当り遊技の終了後、所定の転落抽選に当選するまでを上限として高確率状態を付与する遊技機(所謂、転落機)に具体化してもよい。
・副制御用CPU31aは、例えば表示演出や音声演出、発光演出など、可動体演出とは異なる演出について、所定の受付期間において第1操作部BT1が操作されたことを終了条件として当該演出を終了させるようにしてもよい。このとき、所定の受付期間は、操作指示演出における演出有効期間及び該演出有効期間が終了されてから制限期間が経過するまでの期間とは重複しない期間であるようにするとよい。本別例において、可動体演出とは異なる演出は第1の演出に相当し、操作結果演出は第2の演出に相当する。本別例によれば、第1の演出の実行中に第2の演出が実行される場合に、遊技者が、第2の演出において第1操作部BT1を操作しようとして誤って第1の演出を終了させてしまうことや、第2の演出において操作手段を操作するつもりが、操作タイミングが遅れてしまった場合に、第1の演出を終了させてしまうことを抑制できる。
・パチンコ遊技機10の確率状態として、3種類以上の確率状態を備えた遊技機に具体化してもよい。また、パチンコ遊技機10の確率状態として、1種類の確率状態を備えた遊技機に具体化してもよい。即ち、大当り判定において肯定判定する確率を変動させる確率変動機能を備えていない遊技機に具体化してもよい。
・パチンコ遊技機10のベース状態として、3種類以上のベース状態を備えた遊技機に具体化してもよい。また、パチンコ遊技機10のベース状態として、1種類のベース状態を備えた遊技機に具体化してもよい。即ち、第2入賞口16への遊技球の入球率を向上させる入球率向上機能を備えていない遊技機に具体化してもよい。
・特定のセンサにより遊技球が検知されたことを契機として大当り遊技を付与する遊技機に具体化してもよい。
・副制御基板31をサブ統括制御基板とし、副制御基板31とは別に、演出表示装置11を専門に制御する表示制御基板と、スピーカSpを専門に制御する音声制御基板と、装飾ランプLaを専門に制御するランプ制御基板と、を個別に設けてもよい。また、表示制御基板と、音声制御基板と、ランプ制御基板と、のうち一部または全部の基板を同一の基板としてもよい。また、副制御用CPU31aは、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
・パチンコ遊技機10は、主制御基板30の機能と副制御基板31の機能とを統合した単一の制御基板を備えてもよい。また、主制御基板30の機能は、複数の基板に分割して実現してもよい。主制御用CPU30aは、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
・各実施形態は、複数種類の特別図柄を用いるパチンコ遊技機に具体化してもよい。この場合、第1入賞口15に遊技球が入球したことを契機として第1の特別図柄を導出する特別図柄変動ゲームの始動条件を成立させる一方で、第2入賞口16に遊技球が入球したことを契機として第2の特別図柄を導出する特別図柄変動ゲームの始動条件を成立させるとよい。
・飾り図柄変動ゲームを実行しないパチンコ遊技機に具体化してもよい。この場合、演出表示装置11に特別図柄を表示するとよい。
・上記実施形態は、遊技機としてのスロットマシンに具体化してもよい。スロットマシンでは、スタートレバーの操作(開始操作)に伴い、複数のリールが回転する。また、スロットマシンでは、ストップボタンの操作(停止操作)に伴い、複数のリールのうち操作されたストップボタンに対応するリールの回転が停止する。そして、スロットマシンは、該スロットマシンの外郭をなすキャビネットを有し、キャビネットの開口部の前面側には、前扉が開閉自在に組み付けられている。このようなスロットマシンにおいて、前扉の上部に上部可動体80を設けてもよい。そして、スロットマシンに設けられた上部可動体80は、可動体演出において、その少なくとも一部が、スロットマシンを正面視したときのキャビネットの外形よりも外側へ突出するように動作可能であってもよい。なお、スロットマシンでは、例えば、役抽選の抽選結果に基づいて可動体演出の実行を決定してもよいし、入賞した役に基づいて可動体演出の実行を決定してもよい。そして、以上のような上部可動体80を有するスロットマシンについて、上記実施形態と同様に、スロットマシンに設けられた演出ボタンの操作に基づいて可動体演出を終了可能に構成してもよいし、操作指示演出及び操作結果演出を実行可能に構成してもよい。なお、スロットマシンにおいて、遊技者に有利な有利状態とは、例えば、通常状態に比して所定の役の入賞を発生させるのに必要なストップボタンの操作態様の報知頻度が高いアシストタイムや、通常状態に比してリプレイ役の当選確率が高いリプレイタイム、通常状態に比して払出し役の当選確率が高いボーナス遊技などである。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記可動体は、前記可動体演出において、その少なくとも一部が、遊技機を正面視したときの外枠部材の外形よりも外側へ突出するように動作可能である。
(ロ)前記可動体演出は、第1演出期間と、該第1演出期間よりも後の第2演出期間とに亘って実行可能であり、前記終了受付期間は、前記第1演出期間とは重複しない期間であり、前記記憶手段に前記特定の情報が記憶されている場合、前記第1演出期間の終了に伴って前記可動体演出が終了される。
(ハ)遊技者に有利な有利状態を付与する有利状態付与手段を備え、前記有利状態付与手段は、前記当り遊技の終了後に有利状態を付与可能であり、前記所定条件は、前記当り遊技が付与されることなく前記有利状態が終了されたことを契機として成立する条件である。
(ニ)所定の当り抽選に当選した場合には、変動ゲームにおいて当りの表示結果が導出された後に当り遊技が付与されるようになっており、前記所定条件は、前記変動ゲームの実行中ではなく、前記当り遊技中ではなく、且つ実行が保留されている変動ゲームがないときに成立する条件である。
(ホ)前記所定条件を決定する条件決定手段と、前記操作手段とは別体で、遊技機の裏側に設けられた特殊操作手段と、を備え、前記条件決定手段は、前記特殊操作手段の操作に応じて、予め定めた複数の条件の中から前記所定条件を決定する。
(ヘ)前記所定条件を決定する条件決定手段を備え、前記条件決定手段は、前記操作手段と同一又は異なる特定の操作手段の操作に応じて、予め定めた複数の条件の中から前記所定条件を決定する。