JP2019114990A - 読取装置、画像処理プログラムおよび画像生産方法 - Google Patents

読取装置、画像処理プログラムおよび画像生産方法 Download PDF

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Abstract

【課題】原稿のパンチ穴の検出精度を高める。【解決手段】読取装置は、原稿の第1面と前記第1面の逆側の第2面とを読み取ることにより前記第1面の読取画像である第1画像と前記第2面の読取画像である第2画像とを生成する読取部と、生成された前記第1画像と前記第2画像との両方における同じ位置に存在する模様に基づいて前記原稿のパンチ穴画像を特定する特定部と、特定された前記パンチ穴画像に対する画像処理を施した前記第1画像を出力する出力部と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、読取装置、画像処理プログラムおよび画像生産方法に関する。
原稿にファイリング等のために加工された貫通穴(パンチ穴、とじ穴、等と呼ばれる穴。以下、パンチ穴。)を検出し、このパンチ穴を消去処理する画像読取装置が開示されている(特許文献1,2参照)。
特開2007‐228032号公報 特開2007‐174151号公報
前記文献1が開示する構成は、プラテンカバーを開いたままプラテンガラスに載置された原稿をプリスキャンする必要があるため、ユーザーの手間が多い。また、前記文献1は、プラテンガラス上のプラテンカバーを開閉するタイプとは異なる機種のスキャナーには適用することができなかった。また、前記文献2が開示する構成は、原稿画像を読み取る原稿撮像部とは別に、原稿に開けられた穿孔の形状を検出する穿孔撮像部を備える必要があり、画像形成装置の実現に多くのコストが必要であった。
本発明は上述の課題の少なくとも一つに鑑みてなされたものであり、ユーザーの手間やコストを抑えて、原稿のパンチ穴を高精度に検出し、また、検出したパンチ穴に対して適切な処理を実行可能な読取装置、画像処理プログラムおよび画像生産方法を提供する。
本発明の態様の1つは、読取装置は、原稿の第1面と前記第1面の逆側の第2面とを読み取ることにより前記第1面の読取画像である第1画像と前記第2面の読取画像である第2画像とを生成する読取部と、生成された前記第1画像と前記第2画像との両方における同じ位置に存在する模様に基づいて前記原稿のパンチ穴画像を特定する特定部と、特定された前記パンチ穴画像に対する画像処理を施した前記第1画像を出力する出力部と、を備える。
当該構成によれば、読取装置は、原稿の両面の読み取りにより生成した第1画像および第2画像の同じ位置に存在する模様に基づいて、原稿に形成されたパンチ穴の読取結果としてのパンチ穴画像を特定するため、パンチ穴画像を高い精度で特定(検出)することができる。また従来のように、ユーザーに多くの手間を取らせたり、パンチ穴の撮像のための穿孔撮像部を別途備えることなく、パンチ穴画像を特定することができる。
本発明の態様の1つは、前記特定部は、前記同じ位置において前記第1画像と前記第2画像との一方に存在する模様については、当該位置の周囲の模様に基づいて前記パンチ穴画像に該当するか否かを特定するとしてもよい。
当該構成によれば、第1画像側と第2画像側との一方にだけパンチ穴画像に対応する模様が存在する位置について、周囲の模様に基づいてパンチ穴画像に該当するか否かを適切に特定することができる。
本発明の態様の1つは、前記特定部は、前記同じ位置において前記第1画像と前記第2画像との一方に存在する模様については、前記第1画像と前記第2画像との他方における当該位置の周囲に前記パンチ穴画像に該当する模様が存在している場合に、前記パンチ穴画像に特定するとしてもよい。
当該構成によれば、第1画像側と第2画像側との一方にだけパンチ穴画像に対応する模様が存在する位置について、第1画像側と第2画像側とのうち当該模様が存在しない側の周囲の模様の存在に基づいて、パンチ穴画像に該当するか否かを適切に特定することができる。
本発明の態様の1つは、前記特定部は、前記パンチ穴画像の内側に設定した所定領域内にパンチ穴画像の空白が含まれる場合、当該所定領域を設定したパンチ穴画像を前記パンチ穴画像から除外するとしてもよい。
当該構成によれば、パンチ穴の読取結果では無い例えば文字等の画像が一旦、パンチ穴画像として特定された場合であっても、パンチ穴画像の内側の所定領域における空白の存在により、パンチ穴画像として取り扱わないようにすることができる。
本発明の態様の1つは、前記特定部は、前記原稿のパンチ穴の内側に生じる影に対応する方向に前記パンチ穴画像の範囲を拡大する補正をした上で前記パンチ穴画像を特定するとしてもよい。
当該構成によれば、前記影の影響によりパンチ穴画像が実際のパンチ穴よりも狭い範囲の画像として一旦特定された場合であっても、パンチ穴に的確に対応した範囲の画像をパンチ穴画像として特定することができる。
本発明の態様の1つは、前記出力部は、前記パンチ穴画像を除去する画像処理を施した前記第1画像を出力するとしてもよい。
当該構成によれば、パンチ穴の存在が除去された第1画像を出力することができる。むろん、前記出力部は、このような画像処理後の第1画像に加えて、パンチ穴画像を除去する画像処理を施した前記第2画像を出力するとしてもよい。つまり、原稿の片面についてだけ前記画像処理後の画像を出力してもよいし、原稿の両面について前記画像処理後の画像を出力してもよい。
本発明の技術的思想は、読取装置というカテゴリー以外によっても実現される。例えば、原稿の第1面と前記第1面の裏側の第2面との読み取りにより生成された前記第1面の読取画像である第1画像と前記第2面の読取画像である第2画像とを取得する取得機能と、取得された前記第1画像と前記第2画像との両方における同じ位置に存在する模様に基づいて前記原稿のパンチ穴画像を特定する特定機能と、特定された前記パンチ穴画像に対する画像処理を施した前記第1画像を出力する出力機能と、をコンピューターに実行させる画像処理プログラムを、発明として把握することができる。また、このような画像処理プログラムによる処理に相当する方法(パンチ穴画像に対する画像処理を施した第1画像を生産して出力する画像生産方法)の発明や、当該プログラムを記憶したコンピューター読み取り可能な記憶媒体も発明として成り立つ。
読取装置の構成を簡易的に示す図。 読取装置の筐体内の一部構成を簡易的に示す図。 第1読取部および第2読取部と第1画像および第2画像とを簡易的に示す図。 第1実施形態の制御部による処理を示すフローチャート。 第1画像、第2画像それぞれで検出範囲を設定する処理を説明するための図。 ステップS130の処理の具体例を説明するための図。 図7Aはラインセンサー32側からの視点により原稿の一部範囲を示す図、図7Bはラインセンサー42側からの視点により原稿の一部範囲をを示す図。 ステップS140〜S160の処理の具体例を説明するための図。 第2実施形態の制御部による処理を示すフローチャート。 ステップS135の処理の具体例を説明するための図。 ステップS145の処理の具体例を説明するための図。
以下、各図を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお各図は、本実施形態を説明するための例示に過ぎない。また、各図は例示であるため、互いに整合していないことも有る。
1.装置構成の概略的説明:
図1は、本実施形態にかかる読取装置10の構成を簡易的に示している。読取装置10は、原稿を光学的に読み取って読取結果(読取画像)を保存したり外部へ出力したりすることが可能なスキャナーである。読取装置10は、例えば、複数枚の原稿を一枚ずつ搬送して連続的に読み取り可能なドキュメントスキャナーである。
読取装置10は、例えば、制御部11、読取部12、搬送部13、通信インターフェイス(IF)14、記憶部15等を備える。制御部11は、例えば、プロセッサー(例えばCPU11a。ASICやASICとCPU等の協働であってもよい)、ROM11b、RAM11c等を有する1つ又は複数のICや、その他のメモリー等を適宜含んで構成される。記憶部15は、不揮発性の記憶装置である。記憶部15は、制御部11の一部であってもよい。
本実施形態においては、制御部11では、プロセッサー(CPU11a)が、ROM11b等に保存されたプログラムに従った演算処理を、RAM11c等をワークエリアとして用いて実行することにより、読取装置10の挙動を制御する。制御部11はプログラムAを搭載しており、プログラムAに従って、画像取得部20、パンチ穴特定部21、パンチ穴処理部22、画像出力部23等といった各機能を実現する。プログラムAを、画像処理プログラム等と呼ぶことができる。
搬送部13は、不図示の原稿トレイに載置された原稿を制御部11による制御下で所定の搬送方向に沿って搬送する搬送機構である。搬送部13は、原稿トレイに載置された複数枚の原稿を一枚ずつ搬送する自動給紙装置(ADF:Auto Document Feeder)を備えるとしてもよい。
読取部12は、制御部11による制御下で原稿を読み取るためのユニットであり、知られているように、光源、光学系、撮像素子等を含んでいる。光源が照射した光は、搬送部13が搬送する原稿によって反射され、光学系によって撮像素子に結像する。そして、撮像素子は、結像した光に応じた電気信号としての読取画像を生成し、出力する。制御部11は、撮像素子から出力された読取画像に対して、画像処理等を施して処理後の読取画像を、例えば記憶部15に保存したり、通信IF14を通じて外部へ送信したりすることができる。
通信IF14は、公知の通信規格を含む所定の通信プロトコルに準拠して有線あるいは無線で外部と通信を実行するIFである。例えば、通信IF14に対して不図示のPC(パーソナルコンピューター)が接続され、原稿の読取画像が通信IF14を介してPCへ送信される。図示は省略しているが、読取装置10は、視覚的情報を表示するための表示部や、ユーザーからの操作を受け付けるためのタッチパネルや物理ボタン等の操作部といった公知の構成を適宜備える。また、読取装置10は、スキャナーとして機能するだけでなくプリンターやファクシミリ等としても機能する複合機であってもよい。むろん複合機では、読取部12で読み取って生成した原稿の読取画像をプリンター(プリンターとして機能する印刷機構)が印刷することで原稿のコピーを行うことができる。
図2は、読取装置10の筐体内の一部構成を、原稿Pの搬送方向D1に直交する方向からの視点により簡易的に示している。原稿Pは、搬送部13により搬送方向D1に沿って所定の搬送経路50を搬送される。図2では一例として、図の右上を搬送方向D1の上流側とし、左下を搬送方向D1の下流側としている。本実施形態では、読取装置10は、原稿の両面を読取可能な構成である。本実施形態において、原稿の第1面および第2面とは、原稿の両面を識別するための便宜上の表現に過ぎず、原稿の一方の面を第1面と呼んだとき、当該原稿の他方の面を第2面と呼ぶことができる。第1面を基準(表)にすれば第2面は裏側の面であり、第2面を基準(表)にすれば第1面が裏側の面である。読取部12(図1)は、原稿Pの第1面F1を読み取るための第1読取部30と、原稿Pの第2面F2を読み取るための第2読取部40とを有している。
第1読取部30と第2読取部40とは、搬送方向D1に沿ってずれた位置に、かつ、搬送経路50を挟んだ互いに逆側の位置に配設されている。また、第1読取部30と搬送経路50を挟んで相対する位置には、所定色の背景板33が配設されており、第2読取部40と搬送経路50を挟んで相対する位置には、当該所定色の背景板43が配設されている。第1読取部30は、光源31と、搬送方向D1と直交する方向(図2の紙面に垂直な方向)に沿って並ぶ複数の素子によるラインセンサー32(撮像素子)とを含んでいる。光源31は、第1読取部30と背景板33との間に読取対象物が無い場合は背景板33を照射し、第1読取部30と背景板33との間に読取対象物(原稿P)が存在している場合には、原稿Pの第1面F1を照射することになる。ラインセンサー32は、1回の読取動作で1ライン分の画像を読み取る。従って、第1読取部30は、ラインセンサー32による1ライン分の読み取りを所定頻度で繰り返すことにより、2次元の、つまり原稿Pの第1面F1の読取画像を生成する。
同様に、第2読取部40は、光源41と、搬送方向D1と直交する方向(図2の紙面に垂直な方向)に沿って並ぶ複数の素子によるラインセンサー42(撮像素子)とを含んでいる。光源41は、第2読取部40と背景板43との間に読取対象物が無い場合は背景板43を照射し、第2読取部40と背景板43との間に読取対象物(原稿P)が存在している場合には、原稿Pの第2面F2を照射することになる。ラインセンサー42は、1回の読取動作で1ライン分の画像を読み取る。従って、第2読取部40は、ラインセンサー42による1ライン分の読み取りを所定頻度で繰り返すことにより、2次元の、つまり原稿Pの第2面F2の読取画像を生成する。
図3は、第1読取部30および第2読取部40と、第1画像IM1および第2画像IM2とを簡易的に示している。第1画像IM1は、第1読取部30が原稿Pの第1面F1の読み取りにより生成した読取画像である。第2画像IM2は、第2読取部40が原稿Pの第2面F2の読み取りにより生成した読取画像である。第1画像IM1、第2画像IM2はそれぞれ、画素毎に色情報(例えば、RGB(レッド、グリーン、ブルー)毎の階調値)を有するラスターデータである。例えば、第1読取部30および第2読取部40のうち搬送方向D1の上流側の読取部(図2の例では第2読取部40)よりもやや上流側に、搬送部13により搬送される原稿Pの先端を検出可能な不図示の紙端センサーが設けられているとする。そして、制御部11は、例えば、紙端センサーにより原稿Pの先端が検出されてから、搬送方向D1に沿った紙端センサーから第2読取部40のラインセンサー42より若干の上流側位置までの距離の原稿Pの搬送に要する所定時間(第1の時間)経過後に、第2読取部40による読み取りを開始させる。また、制御部11は、例えば、紙端センサーにより原稿Pの先端が検出されてから、前記第1の時間+搬送方向D1に沿った第2読取部40のラインセンサー42から第1読取部30のラインセンサー32までの距離の原稿Pの搬送に要する所定時間(第2の時間)、の経過後に第1読取部30による読み取りを開始させる。
図3では、第1読取部30、第2読取部40および原稿Pについては、搬送方向D1(図2)の上流側から下流側を向く視点で示している。符号D2は、搬送方向D1に交差(直交)する方向であり、第1読取部30および第2読取部40の長手方向、つまりラインセンサー32およびラインセンサー42の長手方向を示している。図3においては、第1読取部30と第2読取部40とが搬送経路50を挟んで相対しているように見えるが、図2を参照すれば判るように、第1読取部30は搬送経路50を挟んで背景板33と相対し、第2読取部40は搬送経路50を挟んで背景板43と相対している。図3では、背景板33,43の記載を省略している。図2,3では、搬送経路50の厚みをかなり大きく表現しているが、これは図の見易さの為の表現に過ぎない。
図3では、第1画像IM1、第2画像IM2それぞれと方向D1,D2との対応関係も併せて示している。なお、理解をしやすいように第1画像IM1と第2画像IM2との一方を方向D2で反転させることでパンチ穴を左側にそろえている。実際の処理を行う際には、反転させるか反転させないかについて処理を行い易い方を選択すればよい。図3において、第1画像IM1の上下左右の各端近傍のハッチングを付した領域は、第1読取部30(ラインセンサー32)が原稿Pの第1面F1を読み取る際に、併せて読み取った第1面F1の外側の背景板33の読取結果(背景板画像)である。また、第1画像IM1における前記上下左右の背景板画像以外の、円形状のハッチングを付した各領域は、第1読取部30(ラインセンサー32)が原稿Pの第1面F1を読み取る際に、原稿Pに形成されている各パンチ穴を通して読み取った背景板33の読取結果(パンチ穴画像)である。同様に、図3において第2画像IM2の上下左右の各端近傍のハッチングを付した領域は、第2読取部40(ラインセンサー42)が原稿Pの第2面F2を読み取る際に、併せて読み取った第2面F2の外側の背景板43の読取結果(背景板画像)である。第2画像IM2における前記上下左右の背景板画像以外の、円形状のハッチングを付した各領域は、第2読取部40(ラインセンサー42)が原稿Pの第2面F2を読み取る際に、前記各パンチ穴を通して読み取った背景板43の読取結果(パンチ穴画像)である。
つまり、図3の第1画像IM1、第2画像IM2それぞれに含まれている各パンチ穴画像は、原稿Pの各パンチ穴を第1面F1側から読み取った読取結果と第2面F2側から読み取った読取結果である。原稿Pの第1面F1及び又は第2面F2には、ユーザーが読取装置10に読み取らせたい何らかのオブジェクト(例えば、文字、写真、CG等のオブジェクト)が印刷されているが、図3(および後述の図5)の第1画像IM1、第2画像IM2では、そのようなオブジェクトの読取結果については表現を省略している。
2.画像処理(パンチ穴画像の特定および除去)の説明:
図4は、読取装置10の制御部11がユーザーからの原稿の読取開始指示に従って、プログラムAに従って実行する処理(画像生産方法)をフローチャートにより示している。
制御部11(画像取得部20)は、読取部12から、原稿の第1面の読取画像である第1画像と、当該原稿の第2面の読取画像である第2画像とを取得する(ステップS100、取得工程)。例えば、画像取得部20は、図3に示したような第1画像IM1および第2画像IM2の出力を読取部12から受け取り、シェーディング補正等の画像処理を行う。
ステップS110では、制御部11(パンチ穴特定部21)は、ステップS100で取得した第1画像、第2画像のそれぞれからパンチ穴検出用画像を生成する。つまり、ステップS100で取得した第1画像からパンチ穴検出用の第1画像を生成し、ステップS100で取得した第2画像からパンチ穴検出用の第2画像を生成する。この場合、パンチ穴特定部21は、背景板33,43の色と、それ以外の色とを分ける2値化処理を、ステップS100で取得した第1画像、第2画像のそれぞれに施すことにより、パンチ穴検出用の第1画像および第2画像を生成する。
読取装置10が備える背景板33,43の色は予め決まっている。背景板33,43の色を「背景色」とも呼ぶ。背景色は、例えばグレー色である。パンチ穴特定部21は、例えば、所定の色空間(例えば、RGB色空間やL*a*b*色空間)における背景色の座標点を中心にして、当該色空間内に所定の色範囲(背景色範囲)を設定する。そして、ステップS100で取得した第1画像の画素毎に、画素の色が背景色範囲に属するか否かを判定し、色が背景色範囲に属する画素を黒画素(例えば、R=G=B=0)に変換し、色が背景色範囲に属さない画素を白画素(例えば、R=G=B=255)に変換する。これにより、背景色および背景色に近い色を黒とし、それら以外の色を白とした第1画像(パンチ穴検出用の第1画像)が得られる。同様に、パンチ穴特定部21は、ステップS100で取得した第2画像の画素毎に、画素の色が背景色範囲に属するか否かを判定し、色が背景色範囲に属する画素を黒画素に変換し、色が背景色範囲に属さない画素を白画素に変換する。これにより、背景色および背景色に近い色を黒とし、それら以外の色を白とした第2画像(パンチ穴検出用の第2画像)が得られる。色が背景色範囲に属する画素(上述の2値化処理で黒に変換される画素)を、「背景色画素」とも呼ぶ。
このように、ステップS110では第1画像、第2画像のそれぞれに2値化処理を施してパンチ穴検出用の第1画像および第2画像を生成することで、背景色画素と背景色画素ではない画素とを容易に区別して、後述するステップS130等の処理を効率化、高速化させる。以下では、パンチ穴検出用の第1画像および第2画像は2値化処理が施されたことを前提として説明を続けるが、本実施形態において上述の2値化処理は必須ではない。背景色範囲は既知であるため、制御部11は、ステップS100で取得した(例えば、カラー画像としての)第1画像、第2画像の各画素が背景色画素に該当するか否かを必要なタイミングで都度判断することが可能である。そのため、ステップS110では、パンチ穴特定部21は、ステップS100で取得した第1画像および第2画像そのものを、パンチ穴検出用の第1画像および第2画像として扱ってもよい。
ステップS110では、パンチ穴特定部21は、原稿の第1面および第2面における同一位置(原稿Pにおいて表裏の関係にある第1面F1側、第2面F2側それぞれの位置)の情報を比較し易いように、第1画像と第2画像とのいずれか一方を鏡面画像に変換することで、第1画像と第2画像との向きを揃える。図3の例では、第1画像IM1および第2画像IM2はいずれも、搬送方向D1の下流側を上側とし、原稿Pの方向D2における一端(例えば、左側の端部LE)の読取結果を左側としており、向きが揃った状態である。第1画像IM1および第2画像IM2は、ステップS100で読取部12から取得した第1画像および第2画像(向きを揃えた状態の第1画像および第2画像)の具体例であるが同時に、説明の都合上、向きを揃えた状態のパンチ穴検出用の第1画像および第2画像を示しているものとする。ただし、パンチ穴特定部21は、このような向きを揃える処理を行うことなくパンチ穴画像を特定するとしてもよい。
ステップS110後のステップS120〜S160の処理には、パンチ穴検出用の第1画像および第2画像を用いることになるが、ステップS120〜S160の説明においては、パンチ穴検出用の第1画像、パンチ穴検出用の第2画像を、単に、第1画像(第1画像IM1)、第2画像(第2画像IM2)と呼ぶ。
ステップS120では、パンチ穴特定部21は、パンチ穴を検出する(パンチ穴画像を特定する)ための検出範囲を、第1画像、第2画像の夫々において設定する。一般的に、パンチ穴は原稿の端近傍に形成されている。そのため、パンチ穴特定部21は、第1画像、第2画像それぞれにおいて、画像の端に沿った所定幅の範囲を検出範囲に設定する。
図5は、第1画像IM1、第2画像IM2それぞれにおいて検出範囲を設定する処理を説明するための図である。図5では、第1画像IM1、第2画像IM2それぞれの左端に沿う縦長の一部画像範囲を、検出範囲IM1p,IM2pとして設定した例を示している。具体的には、パンチ穴特定部21は、第1画像IM1の左端(左辺)から第1画像IM1の横方向に沿って第1画像IM1の中央に向かって各画素の色を走査していき、色が黒から最初に白に変化した位置の画素を、原稿左端の画素とする。ただしこの場合、原稿左端を通過しないと予想される位置(第1画像IM1の上端または下端に近い位置)を避けて、第1画像IM1の左端から第1画像IM1の横方向に沿って第1画像IM1の中央に向かって各画素の色を走査する。そして、パンチ穴特定部21は、第1画像IM1の左端から、原稿左端の画素から第1画像IM1の横方向に沿って所定距離Wだけ進んだ位置、までの画像範囲を、検出範囲IM1pに設定する。所定距離Wは、原稿に形成されるパンチ穴の位置の実情を鑑みて、例えば、18mm程度の距離である。
同様に、パンチ穴特定部21は、第2画像IM2の左端(左辺)から第2画像IM2の横方向に沿って第2画像IM2の中央に向かって各画素の色を走査していき、色が黒から最初に白に変化した位置の画素を、原稿左端の画素とする。そして、第2画像IM2の左端から、原稿左端の画素から第2画像IM2の横方向に沿って所定距離Wだけ進んだ位置、までの画像範囲を、検出範囲IM2pに設定する。パンチ穴特定部21は、第1画像IM1、第2画像IM2の解像度(1インチあたりの画素数)に基づいて1画素の幅を認識できるため、距離を画素数に換算することができる。よって、所定距離Wを画素数に換算することで、第1画像IM1において検出範囲IM1pを設定し、第2画像IM2において検出範囲IM2pを設定することができる。
図5では、第1画像IM1、第2画像IM2それぞれの左端に沿う検出範囲IM1p,IM2pを設定する例を示している。ただし実際には、パンチ穴特定部21は、第1画像IM1、第2画像IM2それぞれにおいて4辺(上下左右の各端)に沿った検出範囲、つまり、第1画像IM1、第2画像IM2それぞれにおいて、画像の上下左右の各端〜原稿の上下左右の各端から所定距離Wだけ内側に入った位置、の範囲を検出範囲に設定する。このような検出範囲は、第1画像IM1内の原稿範囲の中央部分を除いた枠状の範囲、第2画像IM2内の原稿範囲の中央部分を除いた枠状の範囲、とも表現できる。このように、パンチ穴画像を特定するための検出範囲を絞ることで、原稿のパンチ穴に該当しない画像をパンチ穴画像として特定する確率を下げると同時に、原稿のパンチ穴に該当する画像をパンチ穴画像として特定する確率を上げることができる。
ステップS130では、パンチ穴特定部21は、第1画像と第2画像との両方における同じ位置に存在する模様に基づいてパンチ穴画像を特定する(特定工程)。ステップS130〜S160は、ステップS120で設定した検出範囲を対象とした処理である。模様とは、色及び又は形を伴った領域であり、模様の最小単位は画素である。また、複数の画素が集合した形や色を伴う領域も模様である。本実施形態では、パンチ穴特定部21は、第1画像と第2画像との両方における同じ位置に黒画素、つまり背景色画素(模様)が存在する場合、その位置の画素をパンチ穴画像(パンチ穴画像の一部)として特定する。
再び図3に基づいて説明する。制御部11は、第1画像IM1の原点O1、第2画像IM2の原点O2を夫々定義する。これら原点の定義は種々考えられるが、例えば、第1読取部30が有するラインセンサー32の最も左側(搬送方向D1の上流側から下流側を向いたときの左側)の素子による読み取りで生成された画素であって且つ搬送方向D1において原稿Pの先端に対応する位置の画素を原点O1とする。同様に、第2読取部40が有するラインセンサー42の最も左側(搬送方向D1の上流側から下流側を向いたときの左側)の素子による読み取りで生成された画素であって且つ搬送方向D1において原稿Pの先端に対応する位置の画素を原点O2と定義する。
読取装置10の筐体内においては、方向D2における第1読取部30(ラインセンサー32)の位置と第2読取部40(ラインセンサー42)の位置とが一致するように、第1読取部30および第2読取部40は配設されている。例えば、方向D2における所定の位置を基準位置Xsとしたとき、ラインセンサー32の最も左側の素子の位置と、ラインセンサー42の最も左側の素子の位置とのいずれもが基準位置Xsに一致するように、第1読取部30および第2読取部40は配設されている。従って、原点O1を基準とした第1画像IM1内の任意の位置を2次元座標で表し、原点O2を基準とした第2画像IM2内の任意の位置を2次元座標で表したとき、原点O1を基準とした座標と、原点O2を基準とした座標とが同じ値である場合は、これら2つの座標は、原稿Pにおけるある一点の第1面F1側、第2面F2側それぞれの位置(つまり同じ位置)を指し示していると言える。なお、上下左右の背景板画像を除外した第1画像IM1、第2画像IM2(第1面F1のみの読取結果、第2面F2のみの読取結果)それぞれの、例えば左上の隅を原点O1,O2と定義してもよい。
図6は、ステップS130の処理を具体例を用いて説明するための図である。図6の上段には、第1画像IM1の一部分(検出範囲IM1pの一部分)と、第2画像IM2の一部分(検出範囲IM2pの一部分)とを並べて示している。図6では、個々の矩形が画像を構成する画素を示している。また、図6の上段に示す検出範囲IM1p,IM2p内のハッチングを施した画素は黒画素(背景色画素)であり、ハッチングを施していない画素は白画素に該当する。パンチ穴特定部21は、検出範囲IM1p内の画素と検出範囲IM2p内の画素とを、位置が同じ(原点O1を基準とした第1画像IM1内での位置と原点O2を基準とした第2画像IM2内での位置とが一致する)もの同士で比較し、比較した2つの画素の両方が黒画素に該当するか否かを判定する。例えば、図6の上段に示した検出範囲IM1p内の画素Px1cおよび検出範囲IM2p内の画素Px2cに注目すると、これら画素Px1c,Px2cは同じ位置の画素であり、かつ、両方とも黒画素である。従って、パンチ穴特定部21は、画素Px1c,Px2cをパンチ穴画像(パンチ穴画像の一部)として特定する。
ただし、同じパンチ穴を原稿の第1面側から読み取ったときの当該パンチ穴の形状と原稿の第2面側から読み取ったときの当該パンチ穴の形状とが完全に一致することは稀である。このような実情を鑑みると、第1画像と第2画像との両方における同じ位置に黒画素が存在する場合に当該位置の画素をパンチ穴画像として特定する、という処理の繰り返しだけでは、結果的に、実際のパンチ穴よりも小さい範囲がパンチ穴画像として特定され易い。そこで、ステップS130では、パンチ穴特定部21は、更に、同じ位置において第1画像と第2画像との一方に存在する模様については、当該位置の周囲の模様に基づいてパンチ穴画像に該当するか否かを特定する。
図6の上段において、検出範囲IM1p、検出範囲IM2pそれぞれの中で太い実線で囲った各画素は、第1画像IM1側と第2画像IM2側とのいずれか一方のみが黒画素に該当する位置の画素である。例えば、図6の上段に示した検出範囲IM1p内の画素Px1aおよび検出範囲IM2p内の画素Px2aに注目すると、これら画素Px1a,Px2aは同じ位置の画素であり、画素Px1aは黒画素であるが画素Px2aは白画素である。また、図6の上段に示した検出範囲IM1p内の画素Px1bおよび検出範囲IM2p内の画素Px2bに注目すると、これら画素Px1b,Px2bは同じ位置の画素であり、画素Px1bは黒画素であるが画素Px2bは白画素である。
このような状況で、パンチ穴特定部21は、同じ位置において第1画像と第2画像との一方に存在する模様(背景色画素)については、第1画像と第2画像との他方における当該位置の周囲にパンチ穴画像に該当する模様(背景色画素)が存在している場合に、パンチ穴画像に特定する。具体的には、画素Px1a,Px2aに注目すると、これら画素Px1a,Px2aのうち、黒画素つまり背景色画素に該当しない方の画素Px2aを有する第2画像IM2(検出範囲IM2p)においては、画素Px2aの周囲には黒画素が一つも存在していない。ここで言う周囲とは、注目する画素に接する上下左右および右上、右下、左下、左上の計8つの画素位置を言う。従って、パンチ穴特定部21は、画素Px1aについては、パンチ穴画像に該当しないと判定する。画素Px1aをパンチ穴画像に該当しないと判定した場合には、画素Px1aと表裏の関係にある画素Px2aについてもパンチ穴画像に該当しないと判定する。つまり、パンチ穴特定部21は、画素Px1a,Px2aをパンチ穴画像(パンチ穴画像の一部)として特定しない。
画素Px1b,Px2bに注目すると、これら画素Px1b,Px2bのうち、黒画素つまり背景色画素に該当しない方の画素Px2bを有する第2画像IM2(検出範囲IM2p)においては、画素Px2bの周囲には黒画素が一つ以上存在している。従って、パンチ穴特定部21は、画素Px1bについては、パンチ穴画像に該当すると判定する。画素Px1bをパンチ穴画像に該当すると判定した場合には、画素Px1bと表裏の関係にある画素Px2bについてもパンチ穴画像に該当すると判定する。つまり、パンチ穴特定部21は、画素Px1b,Px2bをパンチ穴画像(パンチ穴画像の一部)として特定する。
図6の下段には、ステップS130によるパンチ穴画像の特定を経た第1画像IM1の一部分(検出範囲IM1pの一部分)と、第2画像IM2の一部分(検出範囲IM2pの一部分)とを並べて示している。図6の下段では、ステップS130で特定されたパンチ穴画像(パンチ穴画像に特定された画素の塊)を、ハッチングを施して示している。図6の下段に示すように、ステップS130の処理により、円形状のパンチ穴の読取結果に該当する可能性が高い画像領域がパンチ穴画像として特定される。
なお、図6の上段の検出範囲IM1p内の右上付近に存在する幾つかの黒画素(画素Px1aを含む画素Px1a近傍の黒画素)の集合は、例えば、原稿Pの第1面F1において偶然に背景色範囲に属する色で表現された文字や線等の一部分の読取結果であると予想される。このような背景色範囲に属する色で表現された文字等のオブジェクトは、それらが原稿の第1面側と第2面側とで同じ位置にそれぞれ存在することは稀であると言える。従って、ステップS130によれば、パンチ穴の読取結果ではないが背景色範囲に属する色で表現されている画像を、パンチ穴画像として特定してしまうことを、高い確率で回避することができる。
ステップS140では、パンチ穴特定部21は、ステップS130を経た第1画像の検出範囲および第2画像の検出範囲を対象として、更に、パンチ穴サイズに基づくパンチ穴画像の特定を行う。原稿に形成されるパンチ穴のサイズは、概ね一定の範囲に収まる。例えば、パンチ穴のサイズは、直径が4mm〜9mm程度の範囲に収まる。そこで、制御部11は、このような直径の範囲を、既知のパンチ穴サイズとして登録しておく。そして、パンチ穴特定部21は、ステップS130で第1画像の検出範囲、第2画像の検出範囲それぞれで特定したパンチ穴画像を対象として、上下(縦)方向の幅および横方向の幅がいずれも前記パンチ穴サイズの範囲内であるか否かを判定する。当該判定は、ステップS130で第1画像の検出範囲、第2画像の検出範囲それぞれでパンチ穴画像として特定した画素が連続する画像領域(パンチ穴画像に特定された画素の塊)を1つの対象とし、このような対象毎に行う。そして、パンチ穴特定部21は、上下方向の幅および横方向の幅のいずれか一方あるいは両方が前記パンチ穴サイズの範囲に収まらないパンチ穴画像については、ステップS140の段階でパンチ穴画像から除外する。
ステップS140によれば、第1画像の検出範囲および第2画像の検出範囲の同じ位置(領域)において背景色範囲に属する色で表現されているが、前記パンチ穴サイズと比べて小さかったり細かったりする何らかの画像を、パンチ穴画像から除外することができる。また、ステップS140によれば、第1画像の検出範囲および第2画像の検出範囲の同じ位置(領域)において背景色範囲に属する色で表現されているが、前記パンチ穴サイズと比べて大きかったり太かったりする何らかの画像についても、パンチ穴画像から除外することができる。
図5の下段やこれまでの説明から判るように、第1画像IM1の検出範囲IM1pおよび第2画像IM2の検出範囲IM2pには、原稿Pの外側の背景板33,43の読取結果である背景板画像が含まれている。背景板画像に該当する各画素は、当然に背景色画素つまり黒画素であり、基本的には、ステップS130においてパンチ穴画像として特定される。しかし、検出範囲IM1p、検出範囲IM2pそれぞれに含まれている背景板画像は、上下方向の幅および横方向の幅の少なくとも一方は前記パンチ穴サイズを大きく超えるサイズであるため、ステップS140を経ることで、検出範囲IM1p、検出範囲IM2pそれぞれに含まれている背景板画像は、全て(あるいは殆ど全て)がパンチ穴画像から除外されると言える。
ステップS150では、パンチ穴特定部21は、ステップS140を経た第1画像の検出範囲、第2画像の検出範囲のそれぞれにおいて除外されずに残っているパンチ穴画像について、検出範囲の端に接するか否かを判定する。検出範囲の端とは、図5の下段の例で言えば、検出範囲IM1p、検出範囲IM2pそれぞれの上下左右の端(辺)である。ただしステップS120に関連して説明したように、検出範囲は、実際には枠状の範囲であるため、検出範囲の端とは、当該枠状の範囲の外周に該当する端および当該枠状の範囲の内周に該当する端である。ステップS120で第1画像、第2画像それぞれに設定した検出範囲の何れかの端に接しているパンチ穴画像は、パンチ穴の位置として不適切であると言える。そのため、パンチ穴特定部21は、ステップS140を経た第1画像の検出範囲、第2画像の検出範囲のそれぞれにおいて除外されずに残っているパンチ穴画像のうち、少なくとも一部の画素が検出範囲の端に接しているパンチ穴画像については、ステップS150の段階でパンチ穴画像から除外する。ステップS140によって検出範囲IM1p、検出範囲IM2pそれぞれに含まれている背景板画像はパンチ穴画像から除外される可能性が高いが、更にステップS150を実施することで、検出範囲IM1p、検出範囲IM2pそれぞれに含まれている背景板画像の全てを確実にパンチ穴画像から除外することができる。
ステップS160では、パンチ穴特定部21は、この時点で第1画像の検出範囲、第2画像の検出範囲のそれぞれにおいて特定されている(除外されずに残っている)パンチ穴画像を対象として、パンチ穴画像のサイズを補正する。ここで言う補正とは、基本的にパンチ穴画像のサイズを大きくする補正である。
パンチ穴画像のサイズを補正する理由を、図7を用いて説明する。
図7Aは、ラインセンサー32(図2)側からの視点により原稿Pの一部範囲を破線にて示している。ラインセンサー32からの視点による原稿Pの一部範囲であるため、図7Aが示す原稿Pの面は、第1面F1である。
一方、図7Bは、ラインセンサー42(図2)側からの視点により原稿Pの一部範囲を破線にて示している。ラインセンサー42からの視点による原稿Pの一部範囲であるため、図7Bが示す原稿Pの面は、第2面F2である。
図7A、図7Bそれぞれにおける原稿Pの中央の円形は、原稿Pに形成されたパンチ穴Hである。ラインセンサー32側から原稿Pのパンチ穴Hを見たとき、パンチ穴Hの内側には背景板33が見える。また、ラインセンサー42側から原稿Pのパンチ穴Hを見たとき、パンチ穴Hの内側には背景板43が見える。従って、図7A、図7Bそれぞれにおけるパンチ穴Hの内側のハッチングは、背景板33,43の色(背景色)を示している。ただし、パンチ穴Hの内側に見える背景板上には、光源の位置に応じた影が生じる。
図2の例によれば、第1読取部30が備える光源31は、ラインセンサー32よりも搬送方向D1の下流側に配設されており、当該下流側から搬送経路50に対して傾いて搬送経路50を照射している。そのため、ラインセンサー32側から原稿Pのパンチ穴Hを見たとき、パンチ穴Hの搬送方向D1下流側の縁の内側(背景板33上の一部範囲)に、当該パンチ穴Hの搬送方向D1下流側の縁の影SD1が発生する(図7A参照)。
また、図2の例によれば、第2読取部40が備える光源41は、ラインセンサー42よりも搬送方向D1の上流側に配設されており、当該上流側から搬送経路50に対して傾いて搬送経路50を照射している。そのため、ラインセンサー42側から原稿Pのパンチ穴Hを見たとき、パンチ穴Hの搬送方向D1上流側の縁の内側(背景板43上の一部範囲)に、当該パンチ穴Hの搬送方向D1上流側の縁の影SD2が発生する(図7B参照)。
背景板33に生じた影SD1の色は、背景板33の本来の色(背景色)よりも暗い。同様に、背景板43に生じた影SD2の色は、背景板43の本来の色(背景色)よりも暗い。そのため、第1読取部30が読み取った第1画像IM1において、影SD1に該当する位置の各画素は、パンチ穴Hの形状の一部分(パンチ穴Hの搬送方向D1下流側の一部分)であるにもかかわらず、その色が背景色範囲に属さず、背景色画素に該当しない(ステップS110の2値化処理で白画像に変換される)。同様に、第2読取部40が読み取った第2画像IM2において、影SD2に該当する位置の各画素は、パンチ穴Hの形状の一部分(パンチ穴Hの搬送方向D1上流側の一部分)であるにもかかわらず、その色が背景色範囲に属さず、背景色画素に該当しない(ステップS110の2値化処理で白画像に変換される)。従って、ステップS130で、第1画像の検出範囲における背景色画素(黒画素)の位置と第2画像の検出範囲における背景色画素(黒画素)の位置とに基づいて上述のように特定されるパンチ穴画像の形状は、パンチ穴Hの形状(円形)と比較して上下方向(搬送方向D1に対応する方向)においてやや潰れた楕円状となり易い。
このような事情に鑑みて、ステップS160では、パンチ穴特定部21は、第1画像の検出範囲、第2画像の検出範囲のそれぞれにおいて特定されているパンチ穴画像を対象として、パンチ穴画像を上下方向に拡大してサイズを補正する。つまり、原稿のパンチ穴の内側に生じる影に対応する方向にパンチ穴画像の範囲を拡大する。当該補正により、補正後のパンチ穴画像は、パンチ穴の形状により近い(ほぼ等しい)形状となる。
ステップS160におけるパンチ穴画像の適切な拡大率は、上述のようにパンチ穴H内側の上下部分に発生する影SD1,SD2の大きさによる。影SD1,SD2の大きさは、主に光源31,41の搬送経路50に対する照射角度に依存するが、光源31,41の照射角度は予め決まっている。そこで、制御部11は、光源31,41の照射角度(既知)に応じて生じる影SD1,SD2がパンチ穴画像の特定に及ぼす影響をキャンセルするために最適なパンチ穴画像の拡大率というものを予め登録しておく。そして、ステップS160では、パンチ穴特定部21は、当該登録した拡大率を用いて、パンチ穴画像を上下方向に拡大してサイズを補正すればよい。
パンチ穴H内側の上下部分に発生する影SD1,SD2の大きさは、原稿Pの厚み(紙厚)にも依存する。光源31,41の照射角度が一定であれば、原稿Pの厚みが大きい程、影SD1,SD2は大きくなる。そこで、制御部11が、搬送部13が搬送する原稿Pの厚みを取得可能(例えば、不図示の紙厚センサーにより原稿Pの厚みを取得可能)な構成においては、パンチ穴特定部21は、取得された原稿Pの厚みに応じて、前記登録した拡大率をさらに補正し、当該補正した拡大率を用いて、パンチ穴画像を上下方向に拡大する(ステップS160)としてもよい。
図8は、ステップS140〜S160の処理を具体例を用いて説明するための図である。図8の上段には、ステップS130が終了した時点での第1画像IM1の検出範囲IM1pおよび第2画像IM2の検出範囲IM2pの一部分を例示している。ステップS130の結果、検出範囲IM1pおよび検出範囲IM2pには同じ位置に同じ形状のパンチ穴画像が特定されるため、図8では便宜上、検出範囲IM1pおよび検出範囲IM2pを重ねて(実質的に同じ画像として)示している。
図8の上段に示す検出範囲IM1p,IM2pにおいて、例えば、パンチ穴画像Q1,Q2,Q3が特定されているとする。ただし、パンチ穴画像Q1,Q2,Q3のうち、原稿Pに形成されたパンチ穴の読取結果はパンチ穴画像Q2だけである。パンチ穴画像Q1は、実際には背景板画像であり、パンチ穴画像Q3は、背景色範囲に属する色で原稿Pの表裏の同じ位置に表現された罫線等の何らかの画像である。図8の中段には、ステップS140,S150を経た後の検出範囲IM1p,IM2pの一部分を例示している。ステップS140,S150を経ることで、検出範囲IM1p,IM2pにおいて特定されていたパンチ穴画像Q1,Q2,Q3のうち、パンチ穴画像Q1,Q3が除外され、パンチ穴画像Q2がパンチ穴画像として特定された状態となる。パンチ穴画像Q3は、図8から判るように上下方向の幅が非常に狭いため、ステップS140において前記パンチ穴サイズの範囲に収まらないと判定されて除外される。
図8の下段には、ステップS160を経た後の検出範囲IM1p,IM2pの一部分を例示している。ステップS160を経ることで、検出範囲IM1p,IM2pにおいて特定されていたパンチ穴画像Q2(図8の中段参照)は、サイズが上下方向に拡大するように補正される。
このような本実施形態のパンチ穴画像の特定方法によれば、原稿に、背景色範囲に属する色の文字や線等のオブジェクトや、背景色範囲に属する色(明るさ)を有する皺や、パンチ穴ではない他のサイズの穴等、パンチ穴として誤検出し易いものが存在していたとしても、パンチ穴に対応するパンチ穴画像を正確に特定する、つまりパンチ穴を正確に検出することができる。
ステップS170では、制御部11(パンチ穴処理部22)は、これまでの処理で特定されたパンチ穴画像(図4の例では、ステップS160でサイズ補正された後のパンチ穴画像(例えば、図8の下段に示すパンチ穴画像Q2))を除去するパンチ穴除去処理を行う。ステップS170で処理対象とする画像は、予め読取装置10に読取指示がされている面の画像である。念のために記載しておくと、パンチ穴検出用の画像に対してパンチ穴除去処理を行うのではなく、ユーザーが所望した設定でスキャンした画像に対してパンチ穴除去処理を行う。ユーザーは、読取装置10による読取開始(搬送部13による原稿の搬送開始)に先立ち、図示しない操作部等を介して、読取装置10に原稿の片面読取又は両面読取を設定することができる。
本実施形態では、制御部11は、原稿の片面読取が設定されている場合には、原稿の片面から読み取った画像(ここでは、第1面から読み取った第1画像)を対象としてステップS170以降の処理を実行するものとする。一方、制御部11は、原稿の両面読取が設定されている場合には、原稿の両面から読み取った画像、つまり第1面から読み取った第1画像および第2面から読み取った第2画像の夫々を対象としてステップS170以降の処理を実行する。ただし、これまでの説明から解るように、本実施形態では、片面読取と両面読取のいずれが設定されているかに関係なく、パンチ穴画像を特定するために、読取部12は原稿の両面を読み取り、制御部11は、読取部12から第1面の第1画像および第2面の第2画像を取得し(ステップS100)、ステップS110以降の処理を実行する。
第1画像を対象としてステップS170を実行する場合について説明する。この場合、ステップS170では、パンチ穴処理部22は、ステップS100で取得された第1画像を処理対象とし、この第1画像における、上述のように特定されたパンチ穴画像と位置が一致する画像領域(ステップS100で取得された第1画像内のパンチ穴画像)について、パンチ穴除去処理を行う。パンチ穴除去処理では、例えば、対象の画像領域の各画素の色を白色に置換する。あるいは、パンチ穴除去処理では、対象の画像領域の各画素の色を、当該画像領域の周辺の画素の色(周辺の画素の平均の色)に置換するとしてもよい。第2画像を対象としてステップS170を実行する場合も同様である。つまり、パンチ穴処理部22は、ステップS100で取得された第2画像を処理対象とし、この第2画像における、上述のように特定されたパンチ穴画像と位置が一致する画像領域(ステップS100で取得された第2画像内のパンチ穴画像)について、パンチ穴除去処理を行う。
ステップS180では、制御部11(画像出力部23)が、ステップS170によるパンチ穴除去処理が施された画像に、背景板画像を削除し原稿の画像を残す切出処理などの画像処理を行い、画像処理後の画像を出力して、図4のフローチャートを終える。上述したように、原稿の片面読取が設定されている場合には、ステップS170では第1画像がパンチ穴除去処理の対象となっているため、ステップS180では、画像出力部23は、ステップS170を経た第1画像を出力することになる。一方、原稿の両面読取が設定されている場合には、ステップS170では第1画像および第2画像が夫々にパンチ穴除去処理の対象となっているため、ステップS180では、画像出力部23は、ステップS170を経た第1画像および第2画像を出力することになる。
画像出力部23による画像の出力先は種々考えられる。例えば、読取装置10内への読取画像の保存をユーザーから予め指示されている場合には、画像出力部23は、ステップS180では、出力対象の画像を記憶部15に出力して記憶部15に記憶させる。また、例えば、読取装置10外の所定のPCやFAX機への読取画像の保存をユーザーから予め指示されている場合には、画像出力部23は、ステップS180では、出力対象の画像を、通信IF14を介して外部の前記PC又はFAX機へ転送する。また、例えば、原稿のコピーをユーザーから予め指示されている場合には、画像出力部23は、ステップS180では、出力対象の画像を、不図示の印刷機構へ出力して、出力対象の画像の印刷を印刷機構に実行させる。
3.まとめ:
このように本実施形態によれば、読取装置10は、原稿の第1面と第1面の裏側の第2面とを読み取ることにより第1面の読取画像である第1画像と第2面の読取画像である第2画像とを生成する読取部12を備える。そして、画像取得部20は、第1画像および第2画像を取得し(ステップS100:取得工程)、パンチ穴特定部21は、第1画像と第2画像との両方における同じ位置に存在する模様に基づいて原稿のパンチ穴画像を特定し(ステップS130:特定工程)、パンチ穴処理部22および画像出力部23は、パンチ穴画像に対する画像処理(パンチ穴除去処理)を施した第1画像を(少なくとも)出力する(ステップS170,S180:出力工程)。当該構成によれば、読取装置10は、第1画像および第2画像の同じ位置に存在する背景色画素(模様)に基づいて、原稿のパンチ穴の読取結果としてのパンチ穴画像を特定する。そのため、第1画像と第2画像の一方にのみ存在するパンチ穴に該当しない模様を効果的に排除して、パンチ穴画像を高い精度で特定(検出)することができる。また従来のように、ユーザーに多くの手間を取らせたり、パンチ穴の撮像のための穿孔撮像部を別途備えることなく、パンチ穴画像を特定することができる。
また、本実施形態によれば、前記特定工程では、パンチ穴特定部21は、第1画像と第2画像との同じ位置の一方にのみ存在する背景色画素(模様)については、当該位置の周囲の模様に基づいて、パンチ穴画像に該当するか否かを特定する。当該構成によれば、第1画像側と第2画像側との一方にだけパンチ穴画像に対応する模様が存在する位置について、周囲のパンチ穴画像に対応する模様の有無に基づいてパンチ穴画像の一部分に該当するか否かを適切に判定することができる。これにより、特定されるパンチ穴画像の形状が、原稿のパンチ穴の形状と比べて小さくなることをある程度抑制することができる。
上述の説明では、前記特定工程では、パンチ穴特定部21は、第1画像と第2画像との同じ位置の一方にのみ存在する背景色画素(模様)についてパンチ穴画像に該当するか否かを特定する際に、第1画像と第2画像とのうち当該背景色画素(模様)が存在しない方の画像における当該位置の周囲に背景色画素、つまりパンチ穴画像に該当する模様が存在している場合に、パンチ穴画像に該当すると判定する。しかしこれは、前記特定工程における処理の一例である。他の例として、前記特定工程では、パンチ穴特定部21は、第1画像と第2画像との同じ位置の一方にのみ存在する背景色画素(模様)については、第1画像と第2画像とのうち当該背景色画素(模様)が存在する方の画像における当該位置の周囲にパンチ穴画像に該当する模様が存在し、かつ、当該背景色画素(模様)が存在しない方の画像における当該位置の周囲にパンチ穴画像に該当する模様が存在している場合に、パンチ穴画像に該当すると判定してもよい。
また、本実施形態によれば、パンチ穴特定部21は、原稿のパンチ穴の内側に生じる影に対応する方向にパンチ穴画像の範囲を拡大する補正をした上でパンチ穴画像を特定する(ステップS160)。当該構成によれば、読取部12による読取時に原稿のパンチ穴の内側に生じる影の影響により、ステップS130において、実際のパンチ穴よりも狭い範囲の画像としてのパンチ穴画像が一旦特定されたとしても、最終的には、実際のパンチ穴に的確に対応した範囲の画像をパンチ穴画像として特定することができる。
なお、本実施形態の開示は、説明する全てのステップを含む構成に限定されないことは言うまでもない。例えば、図4に示した一部のステップ(S110,S120,S140〜S160)の一部あるいは全部を含まない構成も本実施形態の範疇に入る。制御部11は、例えば、ステップS140,S150の変形例として、パンチ穴画像であって原稿の4辺のうち当該パンチ穴画像に最も近い辺にのみ繋がるパンチ穴画像については、ステップS140やステップS150の除外の条件に該当する場合であっても例外的にパンチ穴画像とみなすとしてもよい。これにより、原稿の辺にかけて破れているパンチ穴について、その読取結果としてのパンチ穴画像をステップS170で除去することができる。
4.第2実施形態:
これまでに説明した実施形態を、第1実施形態とも呼ぶ。以下では、パンチ穴画像の特定方法が異なる本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態については、第1実施形態と異なる点を主に説明し、第1実施形態と共通の内容は適宜説明を省略する。
図9は、第2実施形態において、読取装置10の制御部11がユーザーからの原稿の読取開始指示に従って、プログラムAに従って実行する処理をフローチャートにより示している。図9のフローチャートは、図4のフローチャート(第1実施形態)と比較したとき、ステップS135,S145,S165を含んでいる点で異なる。そのため、第2実施形態では、主にステップS135,S145,S165に関して説明を行う。なお、第1実施形態では、ステップS130〜S160は、ステップS110で生成したパンチ穴検出用の第1画像および第2画像のそれぞれにおいてステップS120で設定した検出範囲内を対象とした処理であるのと同様に、第2実施形態では、ステップS135〜S165は、ステップS110で生成したパンチ穴検出用の第1画像および第2画像のそれぞれにおいてステップS120で設定した検出範囲内を対象とした処理である。
ステップS135は、第1実施形態のステップS130の替わりとなる処理である。ステップS135では、パンチ穴特定部21は、ステップS130と同様に、第1画像と第2画像との両方における同じ位置に存在する模様に基づいてパンチ穴画像を特定する。ただし、ステップS135では、パンチ穴特定部21は、第1画像と第2画像との両方における同じ位置で、第1画像と第2画像との一方にのみ前記模様が存在する場合に、当該模様について、当該位置の周囲の模様に基づいてパンチ穴画像に該当するか否かを特定する処理(周囲の模様に基づくパンチ穴画像の特定)を実行しない。
図10は、ステップS135の処理を具体例を用いて説明するための図である。図10の見方は、基本的に図6の見方と同じである。また、図10の上段に示した検出範囲IM1p,IM2pは、図6の上段に示した検出範囲IM1p,IM2pと全く同じである。図10の上段に示した検出範囲IM1p内の画素Px1cおよび検出範囲IM2p内の画素Px2cに注目すると、これら画素Px1c,Px2cは同じ位置の画素であり、かつ、両方とも黒画素である。従って、ステップS135では、パンチ穴特定部21は、画素Px1c,Px2cをパンチ穴画像(パンチ穴画像の一部)として特定する。しかし、画素Px1aと画素Px2aのペアや、画素Px1bと画素Px2bのペアのように、同じ位置の画素でありながら第1画像側と第2画像側との一方のみが黒画素であるペアについては、周囲にパンチ穴画像に該当する模様(背景色画素(黒画素))が存在しているか否かに関係なく、ステップS135では、パンチ穴画像(パンチ穴画像の一部)として特定しない。
図10の下段には、ステップS135によるパンチ穴画像の特定を経た第1画像IM1の一部分(検出範囲IM1pの一部分)と、第2画像IM2の一部分(検出範囲IM2pの一部分)とを並べて示している。図10の下段では、ステップS135で特定されたパンチ穴画像(パンチ穴画像に特定された画素の塊)を、ハッチングを施して示している。図10の下段に示した検出範囲IM1p,IM2pを、図6の下段に示した検出範囲IM1p,IM2pと比較すれば判るように、ステップS135では、周囲の模様に基づくパンチ穴画像の特定を行わない分、特定されるパンチ穴画像の形状は、より小さな形状となり易い。具体的には、第1読取部30、第2読取部40それぞれによる原稿の読取時にパンチ穴の内側に上述したような影(図7Aに示した影SD1および図7Bに示した影SD2)が生じることを考慮すると、ステップS135で特定されるパンチ穴画像は、ステップS130で特定される場合のパンチ穴画像と比べて、より上下方向(搬送方向D1に対応する方向)において潰れた形状となり易い。
ステップS140では、パンチ穴特定部21は、ステップS135を経た第1画像の検出範囲、第2画像の検出範囲を対象として、パンチ穴サイズに基づくパンチ穴画像の特定を行う。
ステップS145では、パンチ穴特定部21は、ステップS140を経た第1画像の検出範囲、第2画像の検出範囲において除外されずに残っているパンチ穴画像を対象として、更に、中心領域の空白の有無に基づくパンチ穴画像の特定を行う。この場合、パンチ穴特定部21は、パンチ穴画像の内側に設定した所定領域(中心領域)内にパンチ穴画像の空白が含まれる場合、当該所定領域を設定したパンチ穴画像を、パンチ穴画像から除外する。
図11は、ステップS145の処理を具体例を用いて説明するための図である。図11には、ステップS140が終了した時点での第1画像IM1の検出範囲IM1pおよび第2画像IM2の検出範囲IM2pの一部分を例示している。ステップS135の結果、検出範囲IM1pおよび検出範囲IM2pには同じ位置に同じ形状のパンチ穴画像が特定されるため、図11では便宜上、検出範囲IM1pおよび検出範囲IM2pを重ねて(実質的に同じ画像として)示している。
図11に示す検出範囲IM1p,IM2pにおいて、例えば、パンチ穴画像Q4が特定されているとする。図11では、図10の下段の表示と同様に、ステップS135でパンチ穴画像に特定された各画素(矩形)を、ハッチングを施して示している。つまり、このようなハッチングを施して示した画素の塊がパンチ穴画像Q4である。ステップS145では、パンチ穴特定部21は、現在特定されているパンチ穴画像(例えば、パンチ穴画像Q4)を対象として、中心領域CAを設定する。中心領域CAとは、パンチ穴画像における位置やサイズが所定の規則に則って決められる所定領域である。具体的には、中心領域CAは、対象のパンチ穴画像の外縁で囲まれた領域の中心(あるいは重心)を含みつつ当該パンチ穴画像の外縁の内側に収まるサイズの矩形領域である。中心領域CAは、対象のパンチ穴画像のサイズにもよるが、概ね、3画素×3画素から5画素×5画素程度の面積の領域である。図11では、パンチ穴画像Q4の内側に設定した中心領域CAを太い実線で示している。
そして、パンチ穴特定部21は、設定した中心領域CAに含まれる画素の全てがパンチ穴画像として特定された画素であるか否かを判定し、中心領域CAに含まれる画素の全てがパンチ穴画像として特定された画素であれば、対象のパンチ穴画像を引き続きパンチ穴画像として特定する。一方、中心領域CAに含まれる画素の中に、パンチ穴画像として特定されなかった画素(空白画素)が含まれていれば、対象のパンチ穴画像は、文字に該当する可能性が高いため、パンチ穴特定部21は、対象のパンチ穴画像を当該ステップS145の段階でパンチ穴画像から除外する。空白画素は、ステップS135の説明から判るように、表裏(第1画像側、第2画像側)のいずれもが白画素である位置の画素か、または、表裏のいずれか一方が白画素である位置の画素である。
上述したようにステップS135では、パンチ穴特定部21は、周囲の模様に基づくパンチ穴画像の特定を行わない。そのため、ステップS135で、文字をパンチ穴画像として特定したとしても、その文字が含む空白は、ステップS145においてパンチ穴画像の中心領域CAに含まれる空白画素として認識され、結果、文字をパンチ穴画像から除外することができる。なお、設定した中心領域CAの中に空白画素が含まれる形状のパンチ穴画像は、文字に該当すると必ずしも言い切れないが、パンチ穴の読取結果では無いことはほぼ確実に言える。このように第2実施形態によれば、パンチ穴の読取結果では無い例えば文字等の画像が一旦、パンチ穴画像として特定された場合であっても、このパンチ穴画像に設定した中心領域CAにおける空白画素の存在により、このパンチ穴画像を、パンチ穴画像として取り扱わないようにすることができる。
次のステップS150では、パンチ穴特定部21は、ステップS145を経た第1画像の検出範囲、第2画像の検出範囲のそれぞれにおいて除外されずに残っているパンチ穴画像について、上述したように検出範囲の端に接するか否かを判定することになる。
ステップS165は、第1実施形態のステップS160の替わりとなる処理である。ステップS165では、パンチ穴特定部21は、この時点で第1画像の検出範囲、第2画像の検出範囲のそれぞれにおいて特定されている(除外されずに残っている)パンチ穴画像を対象として、パンチ穴画像のサイズを補正する。ここで言う補正とは、ステップS160と同様に、パンチ穴画像のサイズを大きくする補正である。ただし上述したように、ステップS135で特定されるパンチ穴画像は、ステップS130(第1実施形態)で特定されるパンチ穴画像と比べて、より上下方向(搬送方向D1に対応する方向)に潰れた形状となり易い(図10の下段も適宜参照)。そのため、ステップS160のように、予め登録した拡大率に基づいてパンチ穴画像を上下方向に拡大補正する方法では、パンチ穴画像を適切な形状(パンチ穴に対応した形状)に補正できない可能性がある。
このような事情を鑑みて、ステップS165では、パンチ穴画像が真円状となるように拡大する「真円補正」を行う。真円補正では、パンチ穴画像の上下方向の幅または横方向の幅のうち長い方の幅を直径とし、パンチ穴画像を、この直径を有する円(真円)の形状にまで拡大する。従って、ステップS165では、パンチ穴特定部21は、パンチ穴画像の横方向の幅を直径とし、パンチ穴画像を、この直径を有する円(真円)の形状にまで拡大する。このような真円補正も、原稿のパンチ穴の内側に生じる影に対応する方向にパンチ穴画像の範囲を拡大する補正に該当する。なお真円補正とは、補正後のパンチ穴画像が補正前よりも真円に近い形となるように補正する処理であり、補正後のパンチ穴画像が真円になることを保証する意味ではない。ステップS165によれば、パンチ穴画像は、上下方向にかなり潰れた形状であっても、その潰れ度合にかかわらずパンチ穴の形状とほぼ等しい円形状に補正される。
ステップS170では、制御部11(パンチ穴処理部22)は、これまでの処理で特定されたパンチ穴画像(図9の例では、ステップS165でサイズ補正された後のパンチ穴画像)に基づいて、ステップS100で取得した第1画像や第2画像に対してパンチ穴画像除去処理を行う。
なお、第1実施形態においても、ステップS160の替わりにステップS165を実行することができる。また、パンチ穴特定部21は、処理スピードを上げるために、ステップS165において、パンチ穴画像を単純に当該パンチ穴画像の横方向の幅を一辺の長さとした正方形の形状に補正してもよい。
5.他の変形例:
パンチ穴処理部22がステップS170において実行する画像処理は、これまでに説明したパンチ穴画像除去処理に限定されない。パンチ穴処理部22は、ステップS180で出力する第1画像や第2画像においてパンチ穴が結果的に目立たない(ユーザーに視認され難い)ようにする画像処理を実行すればよいため、パンチ穴画像を除去するという概念から外れる処理を実行してもよい。また、パンチ穴処理部22は、ステップS170において、パンチ穴画像以外の画像領域に対する画像処理や、パンチ穴画像およびパンチ穴画像以外の画像領域に対する画像処理を実行することで結果的に第1画像や第2画像においてパンチ穴が目立たないようにしてもよい。
また、図4や図9のフローチャートにおける各ステップについては、これまでに説明した順序と一部異なる順序で実行することもプログラムAの設計上可能である。また、前記フローチャートの全部を読取装置10内で実行してもよいし、それらの一部又は全部を出力先のPC等の他の装置で実行させてもよい。すなわち、PCにインストールされたスキャンアプリケーション(プログラムA)が読取装置10から第1画像と第2画像とを取得して、ステップS110以降の処理を実行してもよい。また、パンチ穴画像除去処理以外の画像処理(例えば色補正処理)を適宜行うことは当然可能である。
また、図4のステップS110〜S160や、図9のステップS110〜S165については、ステップS100で取得した第1画像および第2画像から解像度を低下させた画像を用いて行い、特定されたパンチ穴画像の情報を用いて元の解像度の画像(ステップS100で取得した第1画像や第2画像)に対してパンチ穴画像除去処理等を行う構成であってもよい。
10…読取装置、11…制御部、12…読取部、13…搬送部、14…通信IF、15…記憶部、20…画像取得部、21…パンチ穴特定部、22…パンチ穴処理部、23…画像出力部、30…第1読取部、40…第2読取部、A…プログラム、P…原稿

Claims (8)

  1. 原稿の第1面と前記第1面の逆側の第2面とを読み取ることにより前記第1面の読取画像である第1画像と前記第2面の読取画像である第2画像とを生成する読取部と、
    生成された前記第1画像と前記第2画像との両方における同じ位置に存在する模様に基づいて前記原稿のパンチ穴画像を特定する特定部と、
    特定された前記パンチ穴画像に対する画像処理を施した前記第1画像を出力する出力部と、を備えることを特徴とする読取装置。
  2. 前記特定部は、前記同じ位置において前記第1画像と前記第2画像との一方に存在する模様については、当該位置の周囲の模様に基づいて前記パンチ穴画像に該当するか否かを特定することを特徴とする請求項1に記載の読取装置。
  3. 前記特定部は、前記同じ位置において前記第1画像と前記第2画像との一方に存在する模様については、前記第1画像と前記第2画像との他方における当該位置の周囲に前記パンチ穴画像に該当する模様が存在している場合に、前記パンチ穴画像に特定することを特徴とする請求項2に記載の読取装置。
  4. 前記特定部は、前記パンチ穴画像の内側に設定した所定領域内にパンチ穴画像の空白が含まれる場合、当該所定領域を設定したパンチ穴画像を前記パンチ穴画像から除外することを特徴とする請求項1に記載の読取装置。
  5. 前記特定部は、前記原稿のパンチ穴の内側に生じる影に対応する方向に前記パンチ穴画像の範囲を拡大する補正をした上で前記パンチ穴画像を特定することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の読取装置。
  6. 前記出力部は、前記パンチ穴画像を除去する画像処理を施した前記第1画像を出力することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の読取装置。
  7. 原稿の第1面と前記第1面の逆側の第2面との読み取りにより生成された前記第1面の読取画像である第1画像と前記第2面の読取画像である第2画像とを取得する取得機能と、
    取得された前記第1画像と前記第2画像との両方における同じ位置に存在する模様に基づいて前記原稿のパンチ穴画像を特定する特定機能と、
    特定された前記パンチ穴画像に対する画像処理を施した前記第1画像を出力する出力機能と、をコンピューターに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
  8. 原稿の第1面と前記第1面の逆側の第2面との読み取りにより生成された前記第1面の読取画像である第1画像と前記第2面の読取画像である第2画像とを取得する取得工程と、
    取得された前記第1画像と前記第2画像との両方における同じ位置に存在する模様に基づいて前記原稿のパンチ穴画像を特定する特定工程と、
    特定された前記パンチ穴画像に対する画像処理を施した前記第1画像を生産して出力する出力工程と、を備えることを特徴とする画像生産方法。
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