JP2019114315A - 磁気ヘッド及び磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気ヘッド及び磁気記録再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】記録密度を向上できる磁気ヘッド及び磁気記録再生装置を提供する。【解決手段】実施形態によれば、磁気ヘッドは第1〜第4磁性部と積層体とを含む。第3磁性部は、第1、第2磁性部の間に、第4磁性部は、第1、第2磁性部との間に設けられる。第3から第4磁性部に向かう方向は、第1から第2磁性部に向かう方向と交差する。積層体は、第1、第2磁性部の間、第3、第4磁性部の間に設けられる。積層体は、第1磁性層と、第1磁性層と第2磁性部との間に設けられた第2磁性層と、第1、第2磁性層との間に設けられた非磁性の中間層と、を含む。第1磁性部の磁化は、第3から第4磁性部への向きに沿う。第2磁性部の磁化は、第4から第3磁性部への向きに沿う。第3磁性部の磁化は、第2から第1磁性部への向きに沿う。第4磁性部の磁化は、第1から第2磁性部への向きに沿う。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、磁気ヘッド及び磁気記録再生装置に関する。
磁気ヘッド及び磁気記録再生装置において、記録密度の向上が望まれる。
特開2013−200931号公報
本発明の実施形態は、記録密度を向上できる磁気ヘッド及び磁気記録再生装置を提供する。
本発明の実施形態によれば、磁気ヘッドは、再生部を含む。前記再生部は、第1〜第4磁性部と、積層体と、を含む。前記第3磁性部は、前記第1磁性部と前記第2磁性部との間に設けられる。前記第4磁性部は、前記第1磁性部と前記第2磁性部との間に設けられる。前記第3磁性部から前記第4磁性部に向かう第2方向は、前記第1磁性部から前記第2磁性部に向かう第1方向と交差する。前記積層体は、前記第1方向において前記第1磁性部と前記第2磁性部との間、及び、前記第2方向において前記第3磁性部と前記第4磁性部との間に設けられる。前記積層体は、第1磁性層と、前記第1方向において前記第1磁性層と前記第2磁性部との間に設けられた第2磁性層と、前記第1方向において前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた非磁性の中間層と、を含む。前記第1磁性部の第1磁化は、前記第3磁性部から前記第4磁性部への向きに沿う。前記第2磁性部の第2磁化は、前記第4磁性部から前記第3磁性部への向きに沿う。前記第3磁性部の第3磁化は、前記第2磁性部から前記第1磁性部への向きに沿う。前記第4磁性部の第4磁化は、前記第1磁性部から前記第2磁性部への向きに沿う。
図1(a)〜図1(c)は、第1実施形態に係る磁気ヘッドを例示する模式図である。 図2は、第1実施形態に係る磁気ヘッドを例示する模式的斜視図である。 図3(a)及び図3(b)は、磁気ヘッドの特性を例示するグラフ図である。 図4(a)〜図4(f)は、実施形態に係る磁気ヘッドの特性を例示する模式図である。 図5は、実施形態に係る磁気ヘッドの特性を例示するグラフ図である。 図6は、参考例の磁気ヘッドの特性を例示するグラフ図である。 図7(a)及び図7(b)は、第1実施形態に係る別の磁気ヘッドを例示する模式図である。 図8(a)〜図8(f)は、実施形態に係る磁気ヘッドの特性を例示する模式図である。 図9(a)及び図9(b)は、磁気ヘッドの特性を例示するグラフ図である。 図10は、実施形態に係る磁気記録再生装置の一部を例示する模式的斜視図である。 図11は、実施形態に係る磁気記録再生装置を例示する模式的斜視図である。 図12(a)及び図12(b)は、実施形態に係る磁気記録再生装置の一部を例示する模式的斜視図である。
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1実施形態)
図1(a)〜図1(c)は、第1実施形態に係る磁気ヘッドを例示する模式図である。 図1(a)は、図1(c)の矢印AAから見た平面図である。図1(b)は、図1(c)のA1−A2線断面図である。図1(c)は、斜視図である。図1(c)において、図を見やすくするために、要素どうしが離されて描かれている。
図2は、第1実施形態に係る磁気ヘッドを例示する模式的斜視図である。
図2に示すように、実施形態に係る磁気ヘッド110は、再生部70を含む。この例では、記録部60がさらに設けられている。磁気ヘッド110は、磁気記録媒体80に対向する。
磁気記録媒体80は、例えば、媒体基板82及び磁気記録層81を含む。磁気記録層81は、媒体基板82と磁気ヘッド110との間に位置する。記録部60から印加される磁場により、磁気記録層81の磁化83が制御される。これにより記録動作が実施される。磁気記録媒体80は、媒体移動方向85に沿って、磁気ヘッド110に対して相対的に移動する。
この例では、記録部60は、磁極61(例えば主磁極)及びライトシールド62を含む。この例では、磁極61とライトシールド62との間に、発振素子63が設けられている。発振素子63は、例えば、高周波磁場を発生する。磁気記録媒体80の、高周波磁場が印加された部分の磁化83が変化しやすくなる。高周波アシスト記録が可能である。実施形態において、発振素子63は省略されても良い。
再生部70は、磁気記録媒体80に対向する。再生部70は、第1面70sを有する。第1面70sは、磁気記録媒体80に対向する。第1面70sは、例えば、ABS(Air Bearing Surface)である。第1面70sは、磁気記録媒体80に対向可能である。再生部70は、例えば、磁気記録層81の磁化83の方向を検出可能である。これにより、再生動作が実施される。再生部70は、磁気記録媒体80に記録された記録信号を検出する。
再生部70は、第1磁性部41、第2磁性部42及び積層体71を含む。この例では、再生部70は、第5磁性部75をさらに含む。第5磁性部75については、後述する。
積層体71は、第1磁性部41及び第2磁性部42の間に設けられる。第1磁性部41から第2磁性部42に向かう方向を第1方向(X軸方向)とする。
X軸方向に対して垂直な1つの方向をY軸方向とする。X軸方向及びY軸方向に対して垂直な方向をZ軸方向とする。
磁気記録媒体80から再生部70に向かう方向は、Z軸方向に沿う。Z軸方向は、ハイト方向に対応する。X軸方向は、例えば、ダウントラック方向に対応する。Y軸方向は、例えば、クロストラック方向に対応する。
この例では、再生部70は、第1配線41L及び第2配線42Lを含む。第1配線41Lの一端、及び、第2配線42Lの一端は、積層体71に電気的に接続される。この例では、第1配線41Lの一端は、第1磁性部41を介して、積層体71に電気的に接続される。第2配線42Lの一端は、第2磁性部42を介して、積層体71に電気的に接続される。第1配線41Lの他端、及び、第2配線42Lの他端は、制御部70Dに電気的に接続されることが可能である。例えば、制御部70Dから、積層体71に電流が供給される。
図1(a)に示すように、再生部70は、積層体71、第1磁性部41及び第2磁性部42に加えて、第3磁性部43及び第4磁性部44をさらに含む。第3磁性部43及び第4磁性部44は、図2では省略されている。
第3磁性部43は、第1磁性部41と第2磁性部42との間に設けられる。第4磁性部44は、第1磁性部41と第2磁性部42との間に設けられる。
第3磁性部43から第4磁性部44に向かう第2方向は、第1方向(X軸方向:第1磁性部41から第2磁性部43に向かう方向)と交差する。第2方向は、例えば、Y軸方向である。
積層体71は、第1方向(X軸方向)において、第1磁性部41と第2磁性部42との間に設けられる。積層体71は、第2方向(Y軸方向)において、第3磁性部43と第4磁性部44との間に設けられる。
積層体71は、第1磁性層11、第2磁性層12及び中間層13を含む。第2磁性層12は、第1方向(X軸方向)において、第1磁性層11と第2磁性部42との間に設けられる。中間層13は、第1方向において、第1磁性層11と第2磁性層12との間に設けられる。中間層13は、非磁性である。
例えば、第1磁性層11の第1方向(X軸方向)に沿う長さ(厚さ)は、第2磁性層12の第2方向に沿う長さ(厚さ)よりも長い(厚い)。
この例では、第1導電層11e及び第2導電層12eがさらに設けられている。これらの導電層は、非磁性である。第1方向(X軸方向)において、積層体71と第1磁性部41との間に、第1導電層11eが位置する。第1方向(X軸方向)において、積層体71と第2磁性部42との間に、第2導電層12eが位置する。
この例では、第1〜第6絶縁部47a〜fが設けられている。これらの絶縁部は互いに連続しても良い。
第1絶縁部47aは、第1磁性部41と第3磁性部43との間に設けられる。第2絶縁部47bは、第1磁性部41と第4磁性部44との間に設けられる。第3絶縁部47cは、第2磁性部42と第3磁性部43との間に設けられる。第4絶縁部47dは、第2磁性部42と第4磁性部44との間に設けられる。第5絶縁部47eは、第3磁性部43と積層体71との間に設けられる。第6絶縁部47fは、第4磁性部44と積層体71との間に設けられる。第1〜第4絶縁部47a〜47dは、例えば、絶縁性の磁性材料を含む。第5磁性部47e及び第6絶縁部47fは、例えば、非磁性材料を含む。
図1(c)に示すように、この例では、第3磁性部43は、第1斜面43sを有する。第4磁性部44は、第2斜面44sを有する。これらの斜面は、第1面70s(例えば、ABS)に対して傾斜している。これらの斜面は、X−Y平面に対して傾斜している。
図1(b)及び図1(c)に示すように、第5磁性部75は、第1方向(X軸方向)において、第1磁性部41と第2磁性部42との間に位置する。積層体71から第5磁性部75に向かう方向を第3方向とする。第3方向は、第1方向(X軸方向)及び第2方向(例えばY軸方向)と交差する。第3方向は、例えばZ軸方向に沿う。図1(b)においては、分かりやすさのために、磁気記録媒体80が描かれている。
図1(b)に示すように、再生部70は、第7絶縁部47gをさらに含む。第7絶縁部47gの一部は、第5磁性部75と第1磁性部41との間に位置する。第7絶縁部47gの別に一部は、第5磁性部75と第2磁性部42との間に位置する。第7絶縁部47gのさらに別に一部は、第5磁性部75と積層体71との間に位置する。3
図1(c)では、第1〜第7絶縁部47a〜47gは、図1(c)では、省略されている。
第5磁性部75は、積層体71に磁場(例えばバイアス磁場)を印加する。第5磁性部75の磁化(第5磁化75M)は、例えば、第3方向(例えばZ軸方向)に沿う。第5磁化75Mは、磁気記録媒体80から再生部70に向かう方向でも良く、再生部70から磁気記録媒体80に向かう方向でも良い。
例えば、積層体71に磁場(第5磁化75Mによる磁場)が印加される。そして、積層体71に電流が流れる。これにより、積層体71において、発振が生じる。積層体71は、例えば、STO(spin torque oscillator)として機能する。
磁気記録媒体80の磁化83に基づく磁場が再生部70(積層体71)に加わる。積層体71における発振状態が、磁気記録媒体80の磁化83の向きに応じて変化する。例えば、積層体71における発振周波数が、磁気記録媒体80の磁化83の向きに応じて変化する。積層体71における発振周波数の変化を検出することで、磁気記録媒体80の磁化83の向きが検出される。これにより、磁気記録媒体80に記録された情報が再生できる。再生動作が実施できる。
第1磁性部41及び第2磁性部42は、例えば、シールドとして機能する。第1磁性部41及び第2磁性部42は、導電性である。第1磁性部41及び第2磁性部42は、積層体71に流れる電流の経路の一部として機能しても良い。
第3磁性部43及び第4磁性部44は、例えば、シールド(サイドシールド)として機能する。
図1(a)に示すように、実施形態においては、第1磁性部41の第1磁化41Mは、第3磁性部43から第4磁性部44への向き(例えば+Y方向)に沿う。第2磁性部42の第2磁化42Mは、第4磁性部44から第3磁性部43への向き(例えば、−Y方向)に沿う。第3磁性部43の第3磁化43Mは、第2磁性部42から第1磁性部41への向き(例えば−X方向)に沿う。第4磁性部44の第4磁化44Mは、第1磁性部41から第2磁性部42への向き(例えば+X方向)に沿う。
実施形態において、第1磁性部41と第2磁性部42とが互いに入れ替えられ、第3磁性部43と第4磁性部44とが互いに入れ替えられても良い。
上記のような第1〜第4磁化41M〜44Mにより、積層体71において、発振を安定して生じさせることができる。例えば、安定した発振が得られるまでの時間を短くできる。実施形態においては、例えば、積層体71にZ−Y平面に沿う成分を有する磁場が加わることが抑制される。これにより、安定した発振が得られる。例えば、発振軸の傾斜が抑制される。例えば、磁気記録媒体80の磁化83に応じた周波数変化が大きくなる。
図3(a)及び図3(b)は、磁気ヘッドの特性を例示するグラフ図である。
図3(a)は、実施形態に係る磁気ヘッド110に対応する。図3(b)は、参考例の磁気ヘッド119に対応する。磁気ヘッド119においては、第3磁化43M及び第4磁化44Mは、+Y方向である。磁気ヘッド119におけるこれ以外の構成は、磁気ヘッド110の構成と同様である。これらの図は、LLG方程式に基づくマイクロマグネチックシミュレータによるシミュレーションにより得られる。
図3(a)及び図3(b)の横軸は、積層体71への電流(パルス)の供給後の時間tmである。縦軸は、パラメータMy/Msである。このパラメータMy/Msは、第2磁性層12の磁化の向きに対応する。
図3(a)に示すように、磁気ヘッド110においては、時間tmが3ns以上になると、第2磁性層12の磁化の向きの振幅が実質的に安定する。時間tmが3ns以上になると、安定した発振が得られる。
図3(b)に示すように、磁気ヘッド119においては、安定した発振が得られるまでの時間は、磁気ヘッド110に比べて長い。
このように、実施形態においては、安定した発振が得られるまでの時間を短くできる。これにより、例えば、積層体71のサイズを小さくしても、安定した発振を得やすくなる。例えば、記録密度の高い情報を再生できるようになる。実施形態によれば、記録密度を向上できる磁気ヘッドを提供できる。
実施形態においては、第1〜第4磁化41M〜44Mのそれぞれの向きは、積層体71の周りで、連続的に回るように設定されている。例えば、これらの磁化が安定しやすい。例えば、第1〜第4磁化41M〜44Mは、第5磁性部75から積層体71に印加される磁場を実質的に乱すことがない。第5磁性部75から積層体71に印加される磁場を安定化させることができる。これらの影響により、安定した発振が得られるまでの時間が短くなると考えられる。
図4(a)〜図4(f)は、実施形態に係る磁気ヘッドの特性を例示する模式図である。
これらの図は、LLG方程式に基づくマイクロマグネチックシミュレータによるシミュレーション結果を示す。図4(a)〜図4(c)は、積層体71に電流が供給されていないときの状態に対応する。図4(d)〜図4(f)は、積層体71に電流が供給され、積層体71が発振している状態に対応する。
図4(a)及び図4(d)において、暗い領域の一方(左の領域)は、−Y方向の磁場に対応する。暗い領域の他方(右の領域)は、+Y方向の磁場に対応する。
図4(b)及び図4(e)において、暗い領域の一方(上の領域)は、−X方向の磁場に対応する。暗い領域の他方(下の領域)は、+X方向の磁場に対応する。
図4(c)及び図4(f)において、暗い領域は、+Z方向の磁場に対応する。明るい領域は、−Z方向の磁場に対応する。
図4(a)及び図4(b)から分かるように、発振前において、図1(a)に図示した磁化の向きが得られている。図4(d)及び図4(f)から分かるように、発振時において、第1〜第4磁性部41〜44のうちの、積層体71の近傍の領域で、図1(a)に図示した磁化の向きが維持されている。
実施形態においては、上記の第3磁性部43及び第4磁性部44(例えばサイドシールド)が設けられることにより、広い強度範囲の外部磁場において、外部磁場に対して発振周波数が直線的に変化するようになる。以下、この特性の例について説明する。
図5は、実施形態に係る磁気ヘッドの特性を例示するグラフ図である。
図5は、LLG方程式に基づくマイクロマグネチックシミュレータによるシミュレーション結果を示す。図5において、横軸は、外部磁場Hex(Oe)である。外部磁場Hexは、例えば、磁気記録媒体80から積層体71に加えられる磁場に対応する。正の外部磁場Hexは、+Z方向の向きに対応する。負の外部磁場Hexは、−Z方向の向きに対応する。図5の左の縦軸は、発振周波数f1(GHz)である。図5の右の縦軸は、パラメータMy/Msである。パラメータMy/Msは、第2磁性層12の磁化成分(振幅)に対応する。パラメータMy/Msが大きいと、安定した発振が得られていることに対応する。
図5に示すように、外部磁場Hexが−400Oe以上+400Oe以下の範囲において、発振周波数f1は、外部磁場Hexに対して直線的に変化する。外部磁場Hexに対して発振周波数f1が直線的に変化する、外部磁場範囲Hex1は、−400Oe以上+400Oe以下である。例えば、0.6以上のパラメータMy/Msが得られる外部磁場Hexの範囲が広い。
このように、磁気ヘッド110においては、−400Oe以上+400Oe以下の広い外部磁場範囲Hex1が得られる。例えば、磁気記録媒体80の磁化83の異なる状態に対応して、複数の発振周波数f1が得られる。複数の発振周波数f1の間において、大きな差が得られる。再生の感度が向上できる。
図6は、参考例の磁気ヘッドの特性を例示するグラフ図である。
図6は、参考例の磁気ヘッド119aに関しての、LLG方程式に基づくマイクロマグネチックシミュレータによるシミュレーション結果を示す。磁気ヘッド119aにおいては、第3磁性部43及び第4磁性部44が設けられていない。磁気ヘッド119aにおけるこれ以外の構成は、磁気ヘッド110と同様である。
図6から分かるように、磁気ヘッド119aにおいては、外部磁場範囲Hex1は、−300Oe以上+100Oe以下である。外部磁場範囲Hex1が狭いため、複数の発振周波数f1の間の差は、小さい。例えば、0.6以上のパラメータMy/Msが得られる外部磁場Hexの範囲が、磁気ヘッド110の場合よりも狭い。
このように、実施形態によれば、広い外部磁場範囲Hex1が得られる。得られる発振周波数f1の差が大きい。高い再生感度が得られる。
実施形態においては、外部磁場Hexに対しての発振周波数f1の変化の直線性が高い。
例えば、磁気記録媒体80の磁化83の変化に対応して直線的に変化する発振周波数f1の範囲が拡がる。この範囲においては、磁場の変化(磁化83の変化)と、発振周波数f1と、の間の線形性が維持できる。例えば、Gb/s程度の高転送速度の再生が可能になる。例えば、Tb/in程度の高密度の再生が可能になる。
既に説明したように、再生部70は、第1面70sを有する。図1(b)及び図1(c)に示すように、第3方向(例えばZ軸方向)において、積層体71の少なくとも一部は、第1面70sと第5磁性部75との間に位置する。
図1(c)に示すように、この例においては、第5磁性部75は、第2方向(例えばY軸方向)において第3磁性部43と重ならない。第5磁性部75は、第2方向において、第4磁性部44と重ならない。後述するように、別の例において、第5磁性部75は、第2方向において第3磁性部43及び第4磁性部4と重なっても良い。
図1(c)に示すように、第3磁性部43は、第1斜面43sを有し、第4磁性部44は、第2斜面44sを有する。第1斜面43sと第1面70sとの間の、第3方向(Z軸方向)に沿った第1距離d1は、積層体71から第3磁性部への向きにおいて増大する。第2斜面44sと第1面70sとの間の、第3方向に沿った第2距離d2は、積層体71から第4磁性部44への向きにおいて増大する。
この例では、第3磁性部43の一部は、第3方向(Z軸方向)において、第5磁性部75と重なっている。第4磁性部44の一部は、第3方向において、第5磁性部75と重なっている。例えば、第1斜面43sの少なくとも一部は、第3方向において、第5磁性部75と重なっても良い。第2斜面44sの少なくとも一部は、第3方向において、第5磁性部75と重なっても良い。
このような第1斜面43s及び第2斜面44sにより、例えば、第5磁性部75で生じて積層体71に印加される磁場が、第3磁性部43及び第4磁性部44により乱されることが抑制できる。例えば、第5磁性部75と積層体71との間の距離を短くできる。
第1斜面43sと第1面70sとの間の角度θ1は、1度以上50度以下であることが好ましい。角度θ1は、10度以上45度以下であることがさらに好ましい。角度θ1は、10度以上20度以下でも良い。第2斜面44sと第1面70sとの間の角度θ2は、1度以上50度以下であることが好ましい。角度θ2は、10度以上45度以下であることがさらに好ましい。角度θ2は、10度以上20度以下でも良い。このような角度により、第5磁性部75で生じて積層体71に印加される磁場が、第3磁性部43及び第4磁性部44により乱されることが抑制できる。例えば、第5磁性部75と積層体71との間の距離を短くできる。角度θ1は、第1斜面43sを含む平面と、第1面70sを含む平面と、の間の角度である。角度θ2は、第2斜面44sを含む平面と、第1面70sを含む平面と、の間の角度である。
角度θ1は、第1斜面43sと、第1面70sを含む平面と、の間の角度でも良い。角度θ2は、第2斜面44sと、第1面70sを含む平面と、の間の角度でも良い。
図7(a)及び図7(b)は、第1実施形態に係る別の磁気ヘッドを例示する模式図である。
図7(a)は、斜視図である。図7(a)において、図を見やすくするために、第2磁性部42が省略されている。さらに、図7(a)において、第1〜第7絶縁部47a〜47gが省略されている。図7(b)は、図7(a)の矢印ABからみた平面図である。図7(b)では、分かりやすさのために、磁気記録媒体80が描かれている。
図7(a)に示すように、磁気ヘッド120においては、再生部70において、第3磁性部43の形状及び第4磁性部44の形状が、磁気ヘッド110におけるそれとは、異なる。磁気ヘッド120におけるそれら以外の構成は、磁気ヘッド110における構成と同様である。以下、磁気ヘッド120における、第3磁性部43及び第4磁性部44について説明する。
図7(b)に示すように、第3磁性部43は、第1対向部分43aを含む。第1対向部分43aは、第2方向(例えばY軸方向)において、積層体71と対向する。例えば、第1対向部分43aは、第3磁性部43のなかで、積層体71に最も近い部分である。一方、第4磁性部44は、第2対向部分44aを含む。第2対向部分44aは、第2方向(例えばY軸方向)において、積層体71と対向する。例えば、第2対向部分44aは、第4磁性部44のなかで、積層体71に最も近い部分である。
磁気ヘッド120においては、第1対向部分43aの第3方向(例えばZ軸方向)に沿う第1対向部分長さh43は、積層体71の第3方向に沿う積層体長さh71よりも短い。第2対向部分44aの第3方向に沿う第2対向部分長さh44は、積層体長さh71よりも短い。
例えば、第1対向部分長さh43は、積層体長さh71の0.5倍以上0.9倍以下である。例えば、第2対向部分長さh44は、積層体長さh71の0.5倍以上0.9倍以下である。
これにより、例えば、第5磁性部75で生じて積層体71に印加される磁場が、第3磁性部43及び第4磁性部44により乱されることが抑制できる。例えば、第5磁性部75と積層体71との間の距離を短くできる。
第3磁性部43は、第1斜面43sを有し、第4磁性部44は、第2斜面44sを有する。例えば、第2方向(例えばY軸方向)における第1対向部分43aの位置は、第2方向における第1斜面43sの位置と、第2方向における積層体71の位置との間にある。第2方向における第2対向部分44aの位置は、第2方向における第2斜面44sの位置と、第2方向における積層体71の位置との間にある。
第1斜面43sと第1面70sとの間の、第3方向(Z軸方向)に沿った第1距離d1は、積層体71から第3磁性部43への向きにおいて増大する。第2斜面44sと第1面70sとの間の、第3方向に沿った第2距離d2は、積層体71から第4磁性部44への向きにおいて増大する。
この例では、第5磁性部75の少なくとも一部は、第2方向(Y軸方向)において、第3磁性部43と第4磁性部44との間に位置する。第5磁性部75の少なくとも一部は、第2方向において、第1斜面44sと第2斜面44sとの間に位置する。
このような第3磁性部43及び第4磁性部44により、第5磁性部75で生じて積層体71に印加される磁場が、第3磁性部43及び第4磁性部44により乱されることが抑制できる。例えば、第5磁性部75と積層体71との間の距離を短くできる。
この例では、第5磁性部75の1つの端の第2方向(例えばY軸方向)における位置は、第1対向部分43aの第2方向における位置と、積層体71の第2方向における位置との間にある。第5磁性部75の別の1つの端の第2方向(例えばY軸方向)における位置は、第2対向部分44aの第2方向における位置と、積層体71の第2方向における位置との間にある。
例えば、第5磁性部75の第2方向(例えばY軸方向)に沿う長さ75w(幅)は、積層体71の第2方向に沿う長さ71w(幅)よりも長い。例えば、第5磁性部75から生じ積層体71に印加される磁場の向きを均一にできる。
例えば、長さ75w(幅)は、20nm以上30nm以下である。例えば、長さ71w(幅)は、16nm以上26nm以下である。
例えば、第5磁性部75の1つの端の第2方向(例えばY軸方向)における位置と、第1対向部分43aの第2方向における位置と、の間の第2方向に沿う距離を距離w3とする。距離w3は、例えば、1nm以上4nm以下であることが好ましい。例えば、距離w3は、例えば、長さ75wと長さ71wとの差の0.25倍以上1.1倍以下であることが好ましい。例えば、第5磁性部75で生じて積層体71に印加される磁場が、第3磁性部43及び第4磁性部44により乱されることが抑制できる。
例えば、第5磁性部75の別の1つの端の第2方向(例えばY軸方向)における位置と、第2対向部分44aの第2方向における位置と、の間の第2方向に沿う距離を距離w4とする。距離w4は、例えば、1nm以上4nm以下であることが好ましい。例えば、距離w4は、例えば、長さ75wと長さ71wとの差の0.25倍以上1.1倍以下であることが好ましい。例えば、第5磁性部75で生じて積層体71に印加される磁場が、第3磁性部43及び第4磁性部44により乱されることが抑制できる。
図8(a)〜図8(f)は、実施形態に係る磁気ヘッドの特性を例示する模式図である。
これらの図は、磁気ヘッド120の再生部70についての、LLG方程式に基づくマイクロマグネチックシミュレータによるシミュレーション結果を示す。図8(a)〜図8(c)は、積層体71に電流が供給されていないときの状態に対応する。図8(d)〜図8(f)は、積層体71に電流が供給され、積層体71が発振している状態に対応する。
図8(a)及び図8(d)において、暗い領域の一方(左の領域)は、−Y方向の磁場に対応する。暗い領域の他方(右の領域)は、+Y方向の磁場に対応する。
図8(b)及び図8(e)において、暗い領域の一方(上の領域)は、−X方向の磁場に対応する。暗い領域の他方(下の領域)は、+X方向の磁場に対応する。
図8(c)及び図8(f)において、暗い領域は、+Z方向の磁場に対応する。明るい領域は、−Z方向の磁場に対応する。
図8(a)及び図8(b)から分かるように、発振前において、図1(a)に図示した磁化の向きが得られている。図8(d)及び図8(f)から分かるように、発振時において、第1〜第4磁性部41〜44のうちの、積層体71の近傍の領域で、図1(a)に図示した磁化の向きが維持されている。
図4(d)、図4(e)、図8(d)及び図8(e)を比較すると、磁気ヘッド120においては、磁気ヘッド110に比べて、暗い領域が、明確であり、広い。磁気ヘッド120においては、第1〜第4磁性部41〜44のそれぞれの磁化が安定し易い。
図9(a)及び図9(b)は、磁気ヘッドの特性を例示するグラフ図である。
図9(a)は、実施形態に係る磁気ヘッド120に対応する。図9(b)は、磁気ヘッド129に対応する。
磁気ヘッド120及び129において、第1磁性部41の厚さt41(図7(a)参照、X軸方向に沿う長さ)は、80nmである。第1磁性部41の幅L41(図7(a)参照、Y軸方向に沿う長さ)は、700nmである。第3磁性部43の厚さt43(図7(a)参照、X軸方向に沿う長さ)、及び、第4磁性部44の厚さ(X軸方向に沿う長さ)は、それぞれ18nmである。積層体長さh71は、30nmである。
磁気ヘッド120において、第3磁性部43の上端の幅Lt43(図7(a)参照、Y軸方向に沿う長さ)は、100nmである。第4磁性部44の上端の幅Lt44(図7(a)参照、Y軸方向に沿う長さ)は、100nmである。第3磁性部43のうちの積層体71に対向する突出部の幅Lb43(図7(a)参照、Y軸方向に沿う長さ)は、16nmである。第4磁性部44のうちの積層体71に対向する突出部の幅Lb44(図7(a)参照、Y軸方向に沿う長さ)は、16nmである。
磁気ヘッド120において、角度θ1(図7(a)参照)は約40度である。角度θ2(図7(a)参照)は約40度である。
磁気ヘッド120において、第1対向部分長さh43及び第2対向部分長さh44のそれぞれ、積層体長さh71よりも短い。この例では、第1対向部分長さh43及び第2対向部分長さh44のそれぞれは、20nmである。
一方、磁気ヘッド129において、第3磁性部43の上端の幅Lt43(図7(a)参照、Y軸方向に沿う長さ)は、200nmである。第4磁性部44の上端の幅Lt44(図7(a)参照、Y軸方向に沿う長さ)は、200nmである。第3磁性部43のうちの積層体71に対向する突出部の幅Lb43(図7(a)参照、Y軸方向に沿う長さ)は、16nmである。第4磁性部44のうちの積層体71に対向する突出部の幅Lb44(図7(a)参照、Y軸方向に沿う長さ)は、16nmである。
磁気ヘッド129において、角度θ1(図7(a)参照)は約56度である。角度θ2(図7(a)参照)は約56度である。
磁気ヘッド129において、第1対向部分長さh43及び第2対向部分長さh44のそれぞれは、積層体長さh71と同じである。
図9(a)及び図9(b)の横軸は、積層体71への電流(パルス)の供給後の時間tmである。縦軸は、パラメータMy/Msを示す。
図9(a)に示すように、磁気ヘッド120においては、安定した発振が得られるまでの時間は、約2ns以下である。一方、磁気ヘッド129においては、安定した発振が得られない。
角度θ1及び角度θ2のそれぞれは、56度未満であることが好ましい。例えば、角度θ1及び角度θ2のそれぞれは、50度以下であることが好ましい。
実施形態において、第1対向部分長さh43は、積層体長さh71よりも短いことが好ましい。第2対向部分長さh44は、積層体長さh71よりも短いことが好ましい。
以下、実施形態に含まれる構成要素の材料の例について、説明する。
第1〜第4磁性部41〜44の少なくともいずれかは、例えば、NiFeなどの材料を含む。
第5磁性部75は、例えば、CoCrなどの材料を含む。
第1磁性層11及び第2磁性層12の少なくともいずれかは、CoFeなどの材料を含む。1つの例において、第1磁性層11及び第2磁性層12の少なくともいずれかは、1つの磁性膜を含む。これらの磁性層の少なくともいずれかは、互いに接続された複数の磁性膜を含んでも良い。これらの磁性層の少なくともいずれかは、第1磁性膜と、第2磁性膜と、第1磁性膜と第2磁性膜との間に設けられた非磁性膜(例えばRu膜)と、を含んでも良い。第1磁性膜と第2磁性膜とは、反強磁性結合される。これらの磁性層の少なくともいずれかは、人工反強磁性体を含んでも良い。これらの磁性層の少なくともいずれかは、Ta膜またはW膜を含む積層構造を含んでも良い。
中間層13は、例えば、MgOなどの非磁性の材料を含む。
第1〜第4磁化41M〜44Mに関する情報、及び、第5磁化75Mに関する情報は、例えば、磁気光学顕微鏡などにより得られる。
既に説明したように、実施形態に係る磁気ヘッド(例えば、磁気ヘッド110及び120など、それらの変形も含む)は、第1配線41L及び第2配線42L(図2参照)をさらに含んでも良い。第1配線41Lの一端は、第1磁性層11と電気的に接続される。第2配線42Lの一端は、第2磁性層12と電気的に接続される。第1配線41Lの他端及び第2配線42Lの他端は、制御部70Dに接続可能である。制御部70Dは、第1磁性層11と第2磁性層12との間に電流を供給可能である。
上記の電流が第1磁性層11と第2磁性層12との間に流れたときに、積層体71で発振が生じる。磁気記録媒体80の磁化の向きに応じて、発振の周波数が変化する。実施形態に係る磁気ヘッドにおいては、上記の発振の周波数の変化により、磁気記録媒体80の情報を再生することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態は、磁気記録再生装置に係る。磁気記録再生装置は、第1実施形態に係る磁気ヘッド(及びその変形)と、磁気記録媒体80と、制御部70Dと、を含む。制御部70Dは、第1磁性層11と第2磁性層12との間に電流を供給可能である。上記の電流が、第1磁性層11と第2磁性層12との間に流れたときに積層体71で発振が生じる。磁気記録再生装置は、磁気記録媒体80の磁化の向きに応じた、発振の周波数の変化を検出して、磁気記録媒体80の情報を読み出す。
磁気記録媒体80の磁化83(図2参照)は、磁気記録媒体80から再生部70に向かう方向に沿う。
以下、本実施形態に係る磁気記録再生装置の例について説明する。以下では、磁気ヘッドとして、磁気ヘッド110が用いられる。
図10は、実施形態に係る磁気記録再生装置の一部を例示する模式的斜視図である。
図10は、ヘッドスライダを例示している。
磁気ヘッド110は、ヘッドスライダ159に設けられる。ヘッドスライダ159は、例えばAl/TiCなどを含む。ヘッドスライダ159は、磁気記録媒体の上を、浮上または接触しながら、磁気記録媒体に対して相対的に運動する。
ヘッドスライダ159は、例えば、空気流入側159A及び空気流出側159Bを有する。磁気ヘッド110は、ヘッドスライダ159の空気流出側159Bの側面などに配置される。これにより、磁気ヘッド110は、磁気記録媒体の上を浮上または接触しながら磁気記録媒体に対して相対的に運動する。
図11は、実施形態に係る磁気記録再生装置を例示する模式的斜視図である。
図12(a)及び図12(b)は、実施形態に係る磁気記録再生装置の一部を例示する模式的斜視図である。
図11に示すように、実施形態に係る磁気記録再生装置150においては、ロータリーアクチュエータが用いられる。記録用媒体ディスク180は、スピンドルモータ180Mに装着される。記録用媒体ディスク180は、スピンドルモータ180Mにより矢印ARの方向に回転する。スピンドルモータ180Mは、駆動装置制御部からの制御信号に応答する。本実施形態に係る磁気記録再生装置150は、複数の記録用媒体ディスク180を備えても良い。磁気記録再生装置150は、記録媒体181を含んでもよい。記録媒体181は、例えば、SSD(Solid State Drive)である。記録媒体181には、例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリが用いられる。例えば、磁気記録再生装置150は、ハイブリッドHDD(Hard Disk Drive)でも良い。
ヘッドスライダ159は、記録用媒体ディスク180に記録する情報の、記録及び再生を行う。ヘッドスライダ159は、薄膜状のサスペンション154の先端に設けられる。ヘッドスライダ159の先端付近に、実施形態に係る磁気ヘッドが設けられる。
記録用媒体ディスク180が回転すると、サスペンション154による押し付け圧力と、ヘッドスライダ159の媒体対向面(ABS)で発生する圧力と、がバランスする。ヘッドスライダ159の媒体対向面と、記録用媒体ディスク180の表面と、の間の距離が、所定の浮上量となる。実施形態において、ヘッドスライダ159は、記録用媒体ディスク180と接触しても良い。例えば、接触走行型が適用されても良い。
サスペンション154は、アーム155(例えばアクチュエータアーム)の一端に接続されている。アーム155は、例えば、ボビン部などを有する。ボビン部は、駆動コイルを保持する。アーム155の他端には、ボイスコイルモータ156が設けられる。ボイスコイルモータ156は、リニアモータの一種である。ボイスコイルモータ156は、例えば、駆動コイル及び磁気回路を含む。駆動コイルは、アーム155のボビン部に巻かれる。磁気回路は、永久磁石及び対向ヨークを含む。永久磁石と対向ヨークとの間に、駆動コイルが設けられる。サスペンション154は、一端と他端とを有する。磁気ヘッドは、サスペンション154の一端に設けられる。アーム155は、サスペンション154の他端に接続される。
アーム155は、ボールベアリングによって保持される。ボールベアリングは、軸受部157の上下の2箇所に設けられる。アーム155は、ボイスコイルモータ156により回転及びスライドが可能である。磁気ヘッドは、記録用媒体ディスク180の任意の位置に移動可能である。
図12(a)は、磁気記録再生装置の一部の構成を例示しており、ヘッドスタックアセンブリ160の拡大斜視図である。
また、図12(b)は、ヘッドスタックアセンブリ160の一部となる磁気ヘッドアセンブリ(ヘッドジンバルアセンブリ:HGA)158を例示する斜視図である。
図12(a)に示すように、ヘッドスタックアセンブリ160は、軸受部157と、ヘッドジンバルアセンブリ158と、支持フレーム161と、を含む。ヘッドジンバルアセンブリ158は、軸受部157から延びる。支持フレーム161は、軸受部157から延びる。支持フレーム161の延びる方向は、ヘッドジンバルアセンブリ158の延びる方向とは逆である。支持フレーム161は、ボイスコイルモータ156のコイル162を支持する。
図12(b)に示すように、ヘッドジンバルアセンブリ158は、軸受部157から延びたアーム155と、アーム155から延びたサスペンション154と、を有している。
サスペンション154の先端には、ヘッドスライダ159が設けられる。ヘッドスライダ159に、実施形態に係る磁気ヘッドが設けられる。
実施形態に係る磁気ヘッドアセンブリ(ヘッドジンバルアセンブリ)158は、実施形態に係る磁気ヘッドと、磁気ヘッドが設けられたヘッドスライダ159と、サスペンション154と、アーム155と、を含む。ヘッドスライダ159は、サスペンション154の一端に設けられる。アーム155は、サスペンション154の他端と接続される。
サスペンション154は、例えば、信号の記録及び再生用のリード線(図示しない)を有する。サスペンション154は、例えば、浮上量調整のためのヒーター用のリード線(図示しない)を有しても良い。サスペンション154は、例えばスピントルク発振子用などのためのリード線(図示しない)を有しても良い。これらのリード線と、磁気ヘッドに設けられた複数の電極と、が電気的に接続される。
磁気記録再生装置150において、信号処理部190が設けられる。信号処理部190は、磁気ヘッドを用いて磁気記録媒体への信号の記録及び再生を行う。信号処理部190は、信号処理部190の入出力線は、例えば、ヘッドジンバルアセンブリ158の電極パッドに接続され、磁気ヘッドと電気的に接続される。
本実施形態に係る磁気記録再生装置150は、磁気記録媒体と、実施形態に係る磁気ヘッドと、可動部と、位置制御部と、信号処理部と、を含む。可動部は、磁気記録媒体と磁気ヘッドとを離間させ、または、接触させた状態で相対的に移動可能とする。位置制御部は、磁気ヘッドを磁気記録媒体の所定記録位置に位置合わせする信号処理部は、磁気ヘッドを用いた磁気記録媒体への信号の記録及び再生を行う。
例えば、上記の磁気記録媒体として、記録用媒体ディスク180が用いられる。上記の可動部は、例えば、ヘッドスライダ159を含む。上記の位置制御部は、例えば、ヘッドジンバルアセンブリ158を含む。
本実施形態に係る磁気記録再生装置150は、磁気記録媒体と、実施形態に係る磁気ヘッドアセンブリと、磁気ヘッドアセンブリに設けられた磁気ヘッドを用いて磁気記録媒体への信号の記録及び再生を行う信号処理部と、を備える。
実施形態は、以下の構成(例えば技術案)を含む。
(構成1)
第1磁性部と、
第2磁性部と、
前記第1磁性部と前記第2磁性部との間に設けられた第3磁性部と、
前記第1磁性部と前記第2磁性部との間に設けられた第4磁性部であって、前記第3磁性部から前記第4磁性部に向かう第2方向は、前記第1磁性部から前記第2磁性部に向かう第1方向と交差した、前記第4磁性部と、
前記第1方向において前記第1磁性部と前記第2磁性部との間、及び、前記第2方向において前記第3磁性部と前記第4磁性部との間に設けられた積層体と、
を含む再生部を備え、
前記積層体は、
第1磁性層と、
前記第1方向において前記第1磁性層と前記第2磁性部との間に設けられた第2磁性層と、
前記第1方向において前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた非磁性の中間層と、
を含み、
前記第1磁性部の第1磁化は、前記第3磁性部から前記第4磁性部への向きに沿い、
前記第2磁性部の第2磁化は、前記第4磁性部から前記第3磁性部への向きに沿い、
前記第3磁性部の第3磁化は、前記第2磁性部から前記第1磁性部への向きに沿い、
前記第4磁性部の第4磁化は、前記第1磁性部から前記第2磁性部への向きに沿う、磁気ヘッド。
(構成2)
再生部は、第5磁性部をさらに含み、
前記第5磁性部は、前記第1方向において前記第1磁性部と前記第2磁性部との間に位置し、
前記積層体から前記第5磁性部に向かう第3方向は、前記第1方向及び前記第2方向と交差した、構成1記載の磁気ヘッド。
(構成3)
前記第5磁性部の第5磁化は、前記第3方向に沿う、構成2記載の磁気ヘッド。
(構成4)
前記再生部は、第1面を有し、
前記第3方向において、前記積層体の少なくとも一部は、前記第1面と前記第5磁性部との間に位置した、構成2または3に記載の磁気ヘッド。
(構成5)
前記第5磁性部は、前記第2方向において前記第3磁性部と重ならず、前記第2方向において、前記第4磁性部と重ならない、構成4記載の磁気ヘッド。
(構成6)
前記第3磁性部は、第1斜面を有し、前記第1斜面と前記第1面との間の角度は、1度以上50度以下であり、
前記第4磁性部は、第2斜面を有し、前記第2斜面と前記第1面との間の角度は、1度以上50度以下である、構成5記載の磁気ヘッド。
(構成7)
前記第1斜面と前記第1面との間の、前記第3方向に沿った第1距離は、前記積層体から前記第3磁性部への向きにおいて増大し、
前記第2斜面と前記第1面との間の、前記第3方向に沿った第2距離は、前記積層体から前記第4磁性部への向きにおいて増大する、構成6記載の磁気ヘッド。
(構成8)
前記第1斜面の少なくとも一部は、前記第3方向において、前記第5磁性部と重なり、
前記第2斜面の少なくとも一部は、前記第3方向において、前記第5磁性部と重なる、構成6または7に記載の磁気ヘッド。
(構成9)
前記第3磁性部は、第2方向において前記積層体と対向する第1対向部分を含み、
前記第1対向部分の前記第3方向に沿う第1対向部分長さは、前記積層体の前記第3方向に沿う積層体長さよりも短く、
前記第4磁性部は、第2方向において前記積層体と対向する第2対向部分を含み、
前記第2対向部分の前記第3方向に沿う第2対向部分長さは、前記積層体長さよりも短い、構成4記載の磁気ヘッド。
(構成10)
前記第1対向部分長さは、前記積層体長さの0.5倍以上0.9倍以下であり、
前記第2対向部分長さは、前記積層体長さの0.5倍以上0.9倍以下である、構成9記載の磁気ヘッド。
(構成11)
前記第3磁性部は、第1斜面を有し、
前記第4磁性部は、第2斜面を有し、
前記第2方向における第1対向部分の位置は、前記第2方向における前記第1斜面の位置と、前記第2方向における前記積層体の位置との間にあり、
前記第2方向における第2対向部分の位置は、前記第2方向における前記第2斜面の位置と、前記第2方向における前記積層体の前記位置との間にある、構成9または10に記載の磁気ヘッド。
(構成12)
前記第1斜面と前記第1面との間の、前記第3方向に沿った第1距離は、前記積層体から前記第3磁性部への向きにおいて増大し、
前記第2斜面と前記第1面との間の、前記第3方向に沿った第2距離は、前記積層体から前記第4磁性部への向きにおいて増大する、構成11記載の磁気ヘッド。
(構成13)
前記第5磁性部の少なくとも一部は、前記第2方向において、前記第3磁性部と前記第4磁性部との間に位置した、構成9〜12のいずれか1つに記載の磁気ヘッド。
(構成14)
前記第1面は、磁気記録媒体に対向可能である、構成4〜13のいずれか1つに記載の磁気ヘッド。
(構成15)
前記第1磁性層の前記第1方向に沿う長さは、前記第2磁性層の前記第2方向に沿う長さよりも長い、構成1〜14のいずれか1つに記載の磁気ヘッド。
(構成16)
第1配線及び第2配線をさらに備え、
前記第1配線の一端は、前記第1磁性層と電気的に接続され、
前記第2配線の一端は、前記第2磁性層と電気的に接続され、
前記第1配線の他端及び前記第2配線の他端は、制御部に接続可能であり、
前記制御部は、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に電流を供給可能である、構成1〜15のいずれか1つに記載の磁気ヘッド。
(構成17)
前記電流が前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に流れたときに前記積層体で発振が生じ、
磁気記録媒体の磁化の向きに応じて前記発振の周波数が変化する、構成16記載の磁気ヘッド。
(構成18)
前記発振の周波数の変化により、前記磁気記録媒体の情報を再生する、構成17記載の磁気ヘッド。
(構成19)
構成1〜13のいずれか1つに記載の磁気ヘッドと、
磁気記録媒体と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に電流を供給可能であり、
前記電流が前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に流れたときに前記積層体で発振が生じ、
磁気記録媒体の磁化の向きに応じた、前記発振の周波数の変化を検出して、前記磁気記録媒体の情報を読み出す、磁気記録再生装置。
(構成20)
前記磁気記録媒体の前記磁化は、前記磁気記録媒体から前記再生部に向かう方向に沿う、構成19記載の磁気記録再生装置。
実施形態によれば、記録密度を向上できる磁気ヘッド及び磁気記録再生装置を提供できる。
本願明細書において、「電気的に接続される状態」は、複数の導電体が物理的に接してこれら複数の導電体の間に電流が流れる状態を含む。「電気的に接続される状態」は、複数の導電体の間に、別の導電体が挿入されて、これらの複数の導電体の間に電流が流れる状態を含む。
本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、磁気ヘッドに磁性部及び積層体などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述した磁気ヘッド及び磁気記録再生装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての磁気ヘッド及び磁気記録再生装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11…第1磁性層、 11e…第1導電層、 12…第2磁性層、 12e…第2導電層、 13…中間層、 41〜44…第1〜第4磁性部、 41L、42L…第1、第2配線、 41M〜44M…第1〜第4磁化、 43a…第1対向部分、 43s…第1斜面、 44a…第2対向部分、 44s…第2斜面、 47a〜47g…第1〜第7絶縁部、 60…記録部、 61…磁極、 62…ライトシールド、 63…発振素子、 70…再生部、 70D…制御部、 70s…第1面、 71…積層体、 71w…長さ、 75…第5磁性部、 75M…第5磁化、 75w…長さ、 80…磁気記録媒体、 81…磁気記録層、 82…媒体基板、 83…磁化、 85…媒体移動方向、 θ1、θ2…角度、 110、119、119a、120、129…磁気ヘッド、 150…磁気記録再生装置、 154…サスペンション、 155…アーム、 156…ボイスコイルモータ、 157…軸受部、 158…ヘッドジンバルアセンブリ、 159…ヘッドスライダ、 159A…空気流入側、 159B…空気流出側、 160…ヘッドスタックアセンブリ、 161…支持フレーム、 162…コイル、 180…記録用媒体ディスク、 180M…スピンドルモータ、 181…記録媒体、 190…信号処理部、 AA、AB、AR…矢印、 Hex…外部磁場、 Hex1…外部磁場範囲、 L41、Lb43、Lb44、Lt43、Lt44…幅、 My/Ms…パラメータ、 d1、d2…距離、 f1…発振周波数、 h43…第1対向部分長さ、 h44…第2対向部分長さ、 h71…積層体長さ、 t41、t43…厚さ、 tm…時間、 w3、w4…距離

Claims (10)

  1. 第1磁性部と、
    第2磁性部と、
    前記第1磁性部と前記第2磁性部との間に設けられた第3磁性部と、
    前記第1磁性部と前記第2磁性部との間に設けられた第4磁性部であって、前記第3磁性部から前記第4磁性部に向かう第2方向は、前記第1磁性部から前記第2磁性部に向かう第1方向と交差した、前記第4磁性部と、
    前記第1方向において前記第1磁性部と前記第2磁性部との間、及び、前記第2方向において前記第3磁性部と前記第4磁性部との間に設けられた積層体と、
    を含む再生部を備え、
    前記積層体は、
    第1磁性層と、
    前記第1方向において前記第1磁性層と前記第2磁性部との間に設けられた第2磁性層と、
    前記第1方向において前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた非磁性の中間層と、
    を含み、
    前記第1磁性部の第1磁化は、前記第3磁性部から前記第4磁性部への向きに沿い、
    前記第2磁性部の第2磁化は、前記第4磁性部から前記第3磁性部への向きに沿い、
    前記第3磁性部の第3磁化は、前記第2磁性部から前記第1磁性部への向きに沿い、
    前記第4磁性部の第4磁化は、前記第1磁性部から前記第2磁性部への向きに沿う、磁気ヘッド。
  2. 再生部は、第5磁性部をさらに含み、
    前記第5磁性部は、前記第1方向において前記第1磁性部と前記第2磁性部との間に位置し、
    前記積層体から前記第5磁性部に向かう第3方向は、前記第1方向及び前記第2方向と交差した、請求項1記載の磁気ヘッド。
  3. 前記第5磁性部の第5磁化は、前記第3方向に沿う、請求項2記載の磁気ヘッド。
  4. 前記再生部は、第1面を有し、
    前記第3方向において、前記積層体の少なくとも一部は、前記第1面と前記第5磁性部との間に位置した、請求項2または3に記載の磁気ヘッド。
  5. 前記第3磁性部は、第2方向において前記積層体と対向する第1対向部分を含み、
    前記第1対向部分の前記第3方向に沿う第1対向部分長さは、前記積層体の前記第3方向に沿う積層体長さよりも短く、
    前記第4磁性部は、第2方向において前記積層体と対向する第2対向部分を含み、
    前記第2対向部分の前記第3方向に沿う第2対向部分長さは、前記積層体長さよりも短い、請求項4記載の磁気ヘッド。
  6. 前記第1対向部分長さは、前記積層体長さの0.5倍以上0.9倍以下であり、
    前記第2対向部分長さは、前記積層体長さの0.5倍以上0.9倍以下である、請求項5記載の磁気ヘッド。
  7. 第1配線及び第2配線をさらに備え、
    前記第1配線の一端は、前記第1磁性層と電気的に接続され、
    前記第2配線の一端は、前記第2磁性層と電気的に接続され、
    前記第1配線の他端及び前記第2配線の他端は、制御部に接続可能であり、
    前記制御部は、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に電流を供給可能である、請求項1〜6のいずれか1つに記載の磁気ヘッド。
  8. 前記電流が前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に流れたときに前記積層体で発振が生じ、
    磁気記録媒体の磁化の向きに応じて前記発振の周波数が変化する、請求項7記載の磁気ヘッド。
  9. 前記発振の周波数の変化により、前記磁気記録媒体の情報を再生する、請求項8記載の磁気ヘッド。
  10. 請求項1〜9のいずれか1つに記載の磁気ヘッドと、
    磁気記録媒体と、
    制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に電流を供給可能であり、
    前記電流が前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に流れたときに前記積層体で発振が生じ、
    磁気記録媒体の磁化の向きに応じた、前記発振の周波数の変化を検出して、前記磁気記録媒体の情報を読み出す、磁気記録再生装置。
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