JP2019114040A - 特性記憶装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】特性データの分布間の類似度を精度良く評価して、運転特性の分布を高精度に記憶する特性記憶装置を提供する。【解決手段】複数の車両から収集された運転情報に基づいた特性データの分布を記憶する特性記憶装置200であって、特性DB21と、分布DB23と、類似度算出部221と、統合部223と、を備える。特性DB21は、特性データと属性データを対応づけて記憶する。分布DB23は、特性DB21において同一の属性データに対応付けて記憶されている複数の特性データの分布に関する分布情報と属性データを対応づけて記憶する。類似度算出部221は、互いに異なる分布情報に対応する複数の分布の分布間の類似度を、MMDに基づいて算出する。統合部223は、算出された類似度が予め設定された閾値よりも高い場合に、互いに異なる分布情報に対応する複数の分布を統合して、互いに異なる分布情報を1つの分布情報とする。【選択図】図1
Description
本開示は、複数の車両から収集した特性データの分布を記憶する特性記憶装置に関する。
近年、複数の車両から収集された運転情報に基づいた特性データの分布を記憶しておき、支援対象車両の走行時に、記憶されている特性データの分布を用いて、支援対象車両の運転を支援する運転支援システムが提案されている。
例えば、特許文献1に記載の走行区間評価方法は、ドライバに対応づけて車間距離を含む運転情報を収集して、自車のドライバがとる車間距離の第1分布と他車のドライバがとる車間距離の第2分布とを比較している。そして、上記走行区間評価方法は、第1分布と特徴が類似する第2分布を生成する他車のドライバを抽出し、抽出したドライバの第2分布に基づいて、自車の走行経路候補が車間距離の調整が強いられるか否か判断し、車間距離の調整が強いられる場合は、迂回経路を出力する。
ところで、上記運転支援システムでは、形状の異なる分布を区別して記憶しつつ、形状の類似する分布を統合して記憶量を削減した、高精度な特性記憶装置を構成することが望ましい。このような高精度な特性記憶装置を構成するためには、特性データの分布間の類似度を精度よく評価する必要がある。
上記走行区間評価方法では、第1分布及び第2分布を単純な形状のモデルであるヒストグラムに当てはめて、ヒストグラム間の類似度を評価している。しかしながら、特性データの分布は、複雑な形状になることがあり、単純な形状のモデルでは精度よく特性データの分布間の類似度を算出できない可能性がある。また、第1分布と第2分布との近傍標本間の距離から分布間の類似度を算出する方法もある。しかしながら、この方法は、近傍標本間の距離だけを考慮して標本集合全体の分布密度の違いを考慮しないため、精度良く特性データの分布間の類似度を算出することができない可能性がある。
本開示は、上記実情を鑑みてなされたものであり、特性データの分布間の類似度を精度良く評価して、運転特性の分布を高精度に記憶する特性記憶装置を提供することを目的とする。
本開示の一態様は、複数の車両から収集された運転情報に基づいた特性データの分布を、車両の運転支援に利用するために記憶する特性記憶装置(200)であって、特性データベース(21)と、分布データベース(23)と、類似度算出部(221)と、統合部(223)と、を備える。特性データベースは、特性データと特性データの属性を示す属性データを対応づけて記憶するように構成される。分布データベースは、特性データベースにおいて同一の属性データに対応付けて記憶されている複数の特性データの分布に関する分布情報と属性データを対応づけて記憶するように構成される。類似度算出部は、互いに異なる分布情報に対応する複数の分布の分布間の類似度を、Maximum Mean Discrepancyに基づいて算出するように構成される。統合部は、類似度算出部により算出された類似度が予め設定された閾値よりも高い場合に、互いに異なる分布情報に対応する複数の分布を統合して、互いに異なる分布情報を1つの分布情報とするように構成される。
本開示によれば、互いに異なる属性に対応する複数の分布間の類似度が、Maximum Mean Discrepancy(以下、MMD)に基づいて算出される。分布間の類似度にMMDを用いることにより、特性データの分布の複雑な形状及び分布密度を考慮して、複数の分布間の類似度を精度良く評価し、類似する複数の分布を1つの分布に統合することができる。ひいては、特性データの分布を高精度に記憶する特性記憶装置を実現することができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
以下、図面を参照しながら、発明を実施するための形態を説明する。
<1.構成>
まず、本実施形態の運転支援システム100の構成について、図1を参照して説明する。運転支援システム100は、複数の情報取得部10と、サーバ200と、を備える。
<1.構成>
まず、本実施形態の運転支援システム100の構成について、図1を参照して説明する。運転支援システム100は、複数の情報取得部10と、サーバ200と、を備える。
複数の情報取得部10のそれぞれは、CPU、ROM、RAM及びI/O等を備えたコンピュータを主体とした車載装置であり、複数の車両のそれぞれに搭載されている。また、各情報取得部10は、図示しない無線通信装置を備え、後述するサーバ200と無線通信する。各情報取得部10は、CPUがROM等の非遷移的実体的記録媒体に格納されているプログラムを実行することにより、特性データ取得部11及び属性データ取得部12の機能を実現する。これらの機能の一部又は全部は、ハードウェアを用いて実現してもよい。また、各情報取得部10は、属性DB13を備える。DBはデータベースの略である。
特性データ取得部11は、車両情報から運転情報を取得し、取得した運転情報から運転特性を表す特性データを算出する。車両情報は、車両に搭載された各種センサによって繰り返し収集された運転情報や、属性関連情報を含む。運転情報は、アクセルペダルの操作量、ブレーキペダルの操作量、及びステアリングの操舵角などの運転操作データ、及び、車両の速度、加速度及びヨーレートなどの車両の挙動データを含む。
特性データは、例えば、運転情報そのものや、運転情報を微分したデータである。すなわち、特性データは、例えば、速度、加速度、アクセルペダルの操作量、ブレーキペダルの操作量、ステアリングの操舵角、アプセルペダルの操作速度、ブレーキペダルの操作速度、ステアリングの操舵角度である。また、特性データは、運転情報やその微分データを公知の手法(例えば、特許第5278419号公報参照)によって変換した離散記号でもよい。具体的には、離散記号として、特許第6026959号公報に開示されている運転トピック割合を用いてもよい。
属性データ取得部12は、車両情報から属性関連情報を取得し、取得した属性関連情報を離散値のベクトルに変換して、属性データを生成する。属性関連情報は、運転情報が属する属性、詳しくは、運転情報が取得された走行状況の属性に関する情報である。具体的には、属性関連情報は、時刻データや、緯度及び経度から成る位置データ、天候データ、車種データ、ドライバのIDなどを含み、各種車載機器によって繰り返し収集される。各種車載機器は、センサや通信装置などである。なお、属性関連情報は、必ずしも上述した全てのデータが含まれる必要はなく、これらデータのうちの少なくとも一部が含まればよい。
属性データ取得部12は、属性DB13に記憶されている離散化の基準を用いて、属性関連情報を離散値のベクトルに変換する。図2に、属性DB13に記憶されている時刻データを離散化する基準の一例を示す。属性データ取得部12は、属性DB13の基準を用いて、時刻データを属性種類の1つである時間に分割して離散値を割り当てる。具体的には、属性データ取得部12は、0:00:00〜0:59:59の範囲の時刻データには離散値「0」を割り当て、1:00:00〜1:59:59の範囲の時刻データには離散値「1」を割り当てる。同様にして、属性データ取得部12は、他の範囲の時刻データも離散値に変換する。また、属性データ取得部12は、時刻データを属性種類の1つである曜日に分割して離散値を割り当ててもよい。
また、属性データ取得部12は、位置データを離散化する場合は、例えば、緯度経度上で格子状の領域に位置データを分割して離散値を割り当ててもよい。また、属性データ取得部12は、天候データを離散化する場合は、晴、曇、雨、雪などの天候に天候データを分割して離散値を割り当ててもよい。また、属性データ取得部12は、車種データを離散化する場合は、車種データを排気量で分割して離散値を割り当ててもよいし、車種データを車格で分割して離散値を割り当ててもよい。そして、属性データ取得部12は、複数の属性種類の離散値から構成された離散値のベクトルを属性データとして生成する。
そして、特性データ取得部11によって取得された特性データと、属性データ取得部12によって取得された属性データとは、対応づけられて、無線通信により、サーバ200へ送信される。
サーバ200は、CPU、ROM、RAM及びI/O等を備えたコンピュータを主体として構成されており、情報センタ等に設置されている。サーバ200は、図示しない無線通信装置を備え、複数の車両の情報取得部10と無線通信する。サーバ200は、CPUがROM等の非遷移的実体的記憶媒体に格納されているプログラムを実行することにより、分布統合部20及び支援提供部30の各機能を実現する。これらの機能の一部又は全部は、ハードウェアを用いて実現してもよい。
分布統合部20は、特性DB21と統合DB23と分布統合部22とを備える。
特性DB21は、情報取得部10から送信された特性データと属性データとを対応づけて記憶する。図3に、特性DB21に記憶されているデータの一例を示す。特性DB21には、特性IDと、属性データと、特性データと、が記憶されている。特性IDは、観測値ごとに固有の値であり、属性データと特性データの対ごとに異なる特性IDが付与されている。属性データは、例えば、属性種類を時間、位置、天候とした場合、3つの離散値のベクトルとなる。特性データは、4種類のデータを採用した場合は、4つの離散値のベクトルとなる。特性DB21は、比較的長い期間(例えば、一週間)において取得された特性データと属性データを対応づけて記憶する。特に、特性DB21には、属性データが示す走行状況において異常がないと判断された場合に取得された特性データが記憶される。そして、特性DB21に記憶されている特性データは、対応する属性データが示す走行状況における運転行動の基準を示すデータとして、運転支援に用いられる。
特性DB21は、情報取得部10から送信された特性データと属性データとを対応づけて記憶する。図3に、特性DB21に記憶されているデータの一例を示す。特性DB21には、特性IDと、属性データと、特性データと、が記憶されている。特性IDは、観測値ごとに固有の値であり、属性データと特性データの対ごとに異なる特性IDが付与されている。属性データは、例えば、属性種類を時間、位置、天候とした場合、3つの離散値のベクトルとなる。特性データは、4種類のデータを採用した場合は、4つの離散値のベクトルとなる。特性DB21は、比較的長い期間(例えば、一週間)において取得された特性データと属性データを対応づけて記憶する。特に、特性DB21には、属性データが示す走行状況において異常がないと判断された場合に取得された特性データが記憶される。そして、特性DB21に記憶されている特性データは、対応する属性データが示す走行状況における運転行動の基準を示すデータとして、運転支援に用いられる。
分布統合部22は、類似度算出部221と、補正部222と、統合部223の機能を備え、分布統合処理を行う。分布統合処理の詳細は後述する。
統合DB23は、属性データと分布IDとを対応づけて記憶する。図4A及び図4Bに、統合DB23に記憶されているデータの一例を示す。統合DB23には、分布IDと、属性データと、が記憶されている。分布IDは、分布毎に固有の値である。後述する統合処理を実行する前の統合DB23の初期状態において、1つの分布は、特性DB21において同一の属性データに対応付けて記憶されている複数の特性データから構成されている。すなわち、1つの分布は、同じ走行状況で取得された運転情報から算出された特性データによって構成されている。また、新しい離散値の組み合わせによって構成された属性データには、新しい分布IDが付与される。本実施形態では、分布IDが分布情報に相当する。
統合DB23は、属性データと分布IDとを対応づけて記憶する。図4A及び図4Bに、統合DB23に記憶されているデータの一例を示す。統合DB23には、分布IDと、属性データと、が記憶されている。分布IDは、分布毎に固有の値である。後述する統合処理を実行する前の統合DB23の初期状態において、1つの分布は、特性DB21において同一の属性データに対応付けて記憶されている複数の特性データから構成されている。すなわち、1つの分布は、同じ走行状況で取得された運転情報から算出された特性データによって構成されている。また、新しい離散値の組み合わせによって構成された属性データには、新しい分布IDが付与される。本実施形態では、分布IDが分布情報に相当する。
そして、分布統合部22によって、互いに異なる分布IDに対応する複数の分布が類似するか否か判定される。分布統合部22によって、類似すると判定された場合には、複数の分布が1つの分布に統合され、互いに異なる分布IDが共通のIDに変更される。図4Aは、統合処理前の統合DB23に記憶されているデータの一例を示し、図4Bは、統合処理後の統合DB23に記憶されているデータの一例を示す。図4Aでは、属性データ(0,0,0),(0,0,1),(0,0,2)のそれぞれに対応するすべての特性データの分布に、互いに異なる分布ID:1,2,3が付与されている。
分布統合部22により図4Aに示すデータに対して後述する統合処理が実行されて、分布ID:1に対応する特性データの分布と、分布ID:2に対応する特性データの分布とが類似すると判定されると、2つの分布が統合される。そして、図4Bに示すように、属性データ(0,0,0)の分布IDが、属性データ(0,0,1)の分布IDと共通の「1」に変更される。すなわち、図4Bでは、属性データ(0,0,0)と属性データ(0,0,1)には、同一の分布IDが付与されている。同一の分布IDに属するすべての特性データから構成される分布は、1つの分布として扱われる。
支援提供部30は、直近特性DB31と分布比較部32と支援提供部33とを備える。直近特性DB31には、特性DB21と同様に、情報取得部10から送信された特性データと属性データとを対応付けて記憶する。直近特性DB31は、直近の比較的短い期間(例えば、数十分)において取得された特性データと属性データを対応づけて記憶する。直近特性DB31に記憶されている特性データは、属性データが示す走行状況の異常の有無が判定されていない場合に取得されたデータであり、走行状況の異常の有無の判定に用いられる。
分布比較部32は、直近特性DB31に記憶されている直帰の特性データの分布と、特性DB21に記憶されている特性データの分布との類似度を算出する。直近の特性データの分布は、直近特性DB31において、所定の属性データに対応づけて記憶されているすべての特性データの分布である。比較対象の特性データの分布は、特性DB21に記憶されている特性データの分布であって、統合DB23において所定の属性データに対応づけて記憶されている分布IDに属するすべての特性データの分布である。図4に示す例では、所定の属性データが(0,0,0)の場合、比較対象の特性データの分布は、属性データ(0,0,0)に対応する分布IDに属するすべての特性データの分布となる。つまり、比較対象の特性データの分布は、属性データ(0,0,0)及び(0,0,1)に対応するすべての特性データの分布となる。
分布比較部32は、後述する分布統合処理において分布間の類似度を算出する場合と同様に、Maximum Mean Discrepancy(以下、MMD)に基づいて、分布間の類似度を算出する。分布間の類似度の算出については、分布統合処理の説明において詳細を述べる。
支援提供部33は、分布比較部32によって算出された類似度が、予め設定されている閾値以下になった場合に、対応する属性データが示す走行状況において異常が発生していると判断し、無線通信により車両へ警告情報を送信する。具体的には、支援提供部33は、閾値以下の類似度に対応する属性データが示す走行状況を、走行すると予測される車両へ、警告情報を送信する。例えば、属性データが位置の場合は、支援提供部は、異常を判断してから予め設定した時間以内に同じ位置を通過すると予測される車両へ、警告情報を送信する。また、属性データが位置と時刻と天候を示している場合は、支援提供部33は、同じ天候の同じ時刻に同じ位置を通過すると予測される車両へ、警告情報を送信する。
<2.分布統合処理>
次に、分布統合部22が実行する分布統合処理の処理手順について、図5のフローチャートを参照して説明する。分布統合部22は、特性データが所定量増加した都度又は所定周期で分布統合処理を実行する。
次に、分布統合部22が実行する分布統合処理の処理手順について、図5のフローチャートを参照して説明する。分布統合部22は、特性データが所定量増加した都度又は所定周期で分布統合処理を実行する。
まず、S10では、統合DB23から、互いに異なる二つの分布IDであるIDiとIDjを抽出する。
続いて、S20では、統合DB23から、分布ID:IDiに対する属性データの集合{Attr}iと、分布ID:IDjに対する属性データの集合{Attr}jを抽出する。図4Bに示す例では、IDi=1、IDj=3とすると、{Attr}i={(0,0,0)、(0,0,1)}、{Attr}j={(0,0,2)}となる。
続いて、S20では、統合DB23から、分布ID:IDiに対する属性データの集合{Attr}iと、分布ID:IDjに対する属性データの集合{Attr}jを抽出する。図4Bに示す例では、IDi=1、IDj=3とすると、{Attr}i={(0,0,0)、(0,0,1)}、{Attr}j={(0,0,2)}となる。
続いて、S30では、特性DB21から、集合{Attr}iに対応する特性データの集合X={Beh}iと、集合{Attr}jに対応する特性データの集合Y={Beh}jを抽出する。
続いて、S40では、類似度算出部221が、X=集合{Beh}iの確率分布である分布Iと、Y=集合{Beh}jの確率分布である分布Jとの分布間の類似度を算出する。ここで、複数の特性データの確率分布は、複雑な形状になることがある。図6に、特性データの確率分布である分布A及び分布Bを示す。分布Aにおいて1つの○が1つの特性データを示し、分布Bにおいて1つの四角が1つの特性データを示す。図6に示すように、分布A及び分布Bが複雑な形状をしている場合に、分布A及び分布Bに単純な形状のモデルを当てはめると、分布Aと分布Bの形状の差がなくなり、類似した形状に見えることがある。そのため、モデルを当てはめて類似度を算出すると、分布Aと分布Bの真の形状は類似度が比較的低いにも関わらず、類似度が比較的高く算出されることがある。
また、図7に、特性データの確率分布である分布C及び分布Dを示す。分布Cと分布Dは、どちらも範囲R1と範囲R2に特性データの値が集まっているが、分布Cは範囲R2よりも範囲R1の分布密度が高くなっているのに対して、分布Dは範囲R1よりも範囲R2の分布密度が高くなっている。そのため、分布Cと分布Dの近傍標本間の距離に基づいて類似度を算出すると、分布密度の違いが考慮されず、分布Cと分布Bの真の形状は類似度が比較的低いにも関わらず、類似度が比較的高く算出されることがある。
そこで、類似度算出部221は、MMDに基づいて算出する。MMDは、分布Iと分布Jの分布間の類似度を、複雑な分布形状及び分布密度を考慮することができる分布間の距離尺度である。MMDは、2つの分布が類似していないほど大きな値になるので、類似度算出部221は、MMDの逆数を分布間の類似度とする。MMDを用いることで、図6に示す分布Aと分布Bの複雑な分布形状を考慮して類似度を評価することができるとともに、図7に示す分布Cと分布Dの分布密度の違いを考慮して類似度を評価することができる。MMDは、例えば、次の式(1)により算出される。詳細は、Gretton A., K.Borgwardt, M.Rasch, B.Schoelkopf and A.Smola:A Kernel Two-Sample Test. JMLR 2012.を参照されたい。
このとき、補正部222は、分布I及び分布Jに属する特性データの標本数の多寡によって生じる類似度の推定誤差を補正してもよい。
次に、S50では、類似度であるMMDの逆数が予め設定された閾値以上か否か判定する。MMDの逆数が閾値以上の場合にはS60へ進み、MMDの逆数が閾値未満の場合にはS70へ進む。
次に、S50では、類似度であるMMDの逆数が予め設定された閾値以上か否か判定する。MMDの逆数が閾値以上の場合にはS60へ進み、MMDの逆数が閾値未満の場合にはS70へ進む。
S60では、統合部223が、属性データの集合{Attr}i及び{Attr}jの分布IDを共通の分布IDに更新して、分布Iと分布Jとを統合する。具体的には、統合部223は、集合{Attr}iの分布ID:IDiと集合{Attr}jの分布ID:IDjのうち、値が小さい方の分布IDを共通の分布IDとする。
続いて、S70では、すべての異なる二つの分布IDの組合せについてMMDを算出したか否か判定する。すべての組合せについてMMDを算出していない場合は、S10へ戻り、S10〜S70の処理を繰り返し実行する。一方、すべての組合せについてMMDを算出している場合は、本処理を終了する。
<3.効果>
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)特性データの分布間の類似度としてMMDの逆数を用いることにより、特性データの分布の複雑な形状及び分布密度を考慮して、精度良く分布間の類似度を評価し、類似する2つの分布を1つの分布に統合することができる。したがって、運転特性の分布を高精度に記憶する特性記憶装置を実現することができる。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)特性データの分布間の類似度としてMMDの逆数を用いることにより、特性データの分布の複雑な形状及び分布密度を考慮して、精度良く分布間の類似度を評価し、類似する2つの分布を1つの分布に統合することができる。したがって、運転特性の分布を高精度に記憶する特性記憶装置を実現することができる。
(2)分布間の類似度を算出する際に、特性データの標本数の多寡によって生じる類似度の推定誤差を補正することにより、類似度に対する誤差の影響を軽減し、類似度の精度を向上させることができる。
(他の実施形態)
以上、本開示を実施するための形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
以上、本開示を実施するための形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(a)上記実施形態では、各車両の情報取得部10が、特性データ取得部11、属性データ取得部12及び属性DB13を備えていたが、各車両は車両情報をサーバ200へ無線通信で送信するだけでもよい。すなわち、サーバ200が、特性データ取得部11、属性データ取得部12及び属性DB13を備えていてもよい。
(b)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
(c)上述した特性記憶装置の他、当該特性記憶装置を構成要素とする運転支援システム、当該特性記憶装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
21…特性DB、23…統合DB、200…サーバ、221…類似度算出部、223…統合部。
Claims (2)
- 複数の車両から収集された運転情報に基づいた特性データの分布を、車両の運転支援に利用するために記憶する特性記憶装置(200)であって、
前記特性データと前記特性データの属性を示す属性データを対応づけて記憶するように構成された特性データベース(21)と、
前記特性データベースにおいて同一の前記属性データに対応付けて記憶されている複数の前記特性データの分布に関する分布情報と前記属性データを対応づけて記憶するように構成された分布データベース(23)と、
互いに異なる前記分布情報に対応する複数の分布の分布間の類似度を、Maximum Mean Discrepancyに基づいて算出するように構成された類似度算出部(221)と、
前記類似度算出部により算出された前記類似度が予め設定された閾値よりも高い場合に、前記互いに異なる分布情報に対応する複数の分布を統合して、前記互いに異なる分布情報を1つの分布情報とするように構成された統合部(223)と、を備える、
特性記憶装置。 - 前記分布に属する前記特性データの標本数の多寡によって生じる前記類似度の推定誤差を補正するように構成された補正部(222)を備える、請求項1に記載の特性記憶装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017246827A JP2019114040A (ja) | 2017-12-22 | 2017-12-22 | 特性記憶装置 |
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