JP2019113500A - 水素濃度の検出方法及び水素センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】基準ガスとして大気を使用すると共に、水素ガス濃度を安定的に検出できる状態となるまでに時間を要さない水素濃度の検出方法を、提供する。【解決手段】化学式AB1−b−cMbNcO3−αで表され、Aはアルカリ土類金属、Bは価数が+4価の金属、Mは+4価以下の複数の価数を取り得る遷移金属、Nは+4価より小さい価数のみを取る金属である、ペロブスカイト型の結晶構造を有する金属複酸化物の単一相である固体電解質でセンサ素子を形成し、センサ素子のうち、少なくとも基準電極側の端部において、金属Mの価数をプロトン伝導性を示さない価数とする。【選択図】図5

Description

本発明は、固体電解質をセンサ素子としたセンサによる水素濃度の検出方法、及び、該検出方法に用いられる水素センサに関するものである。
化学式ABOで表されるペロブスカイト型の金属複酸化物において、金属Bの一部を、それより低い原子価の金属Mで置換することにより、プロトン伝導性を発現する固体電解質(プロトン伝導性セラミックス)が知られており、これをセンサ素子として高温の環境下で水素分圧(水素濃度)を検出する水素センサが提案されている。また、水素濃度が分かれば、例えば検出対象ガスがアンモニアの場合、その分解により生じた水素ガスの濃度の検出に基づいて、温度と平衡定数から、被測定雰囲気に残存するアンモニアの濃度を算出することができる。
プロトン伝導性セラミックスをセンサ素子とする水素センサは、同一イオンの濃度差により電位差が生じる濃淡電池の原理を利用している。プロトン伝導性セラミックスのセンサ素子で、水素濃度の異なる二つの相を隔てたとき、それぞれの相に接するようにセンサ素子に設けた二つの電極間に生じる起電力と、二つの相それぞれの水素分圧は、ネルンストの式に従う。従って、二つの相のうち一方の相の水素分圧が既知であれば、起電力と温度を測定することにより、他方の相の水素分圧を算出することができる。
水素分圧が既知である基準ガスとしては、一般的にアルゴンと水素の混合ガスが使用されている。ところが、水素ガスは、これを供給するためのガスボンベの運搬や保管にスペースを要し、センサ装置全体が大型化する、航空機で水素ガスの輸送ができないため海外で入手しにくい場合はセンサの使用が制限される、水素は酸素の存在下で燃焼・爆発するため取り扱いに細心の注意を払う必要がある、高価である、等の種々の難点があった。
これに対して、本出願人は、基準ガスとして大気を使用することができる水素センサ、及び、そのセンサ素子となるプロトン伝導性セラミックスを提案している(特許文献1,2参照)。これらは、化学式AB1−b3−αで表される金属複酸化物において、金属Mを金属Bの価数以下の複数の価数を取り得る遷移金属とし、これをセンサ素子としたときに測定電極側となる端部において金属Mの価数を金属Bより小さくプロトン伝導性を示す価数に偏らせると共に、基準電極側となる端部において金属Mの価数を、測定電極側の価数より大きくプロトン伝導性を示さない価数に偏らせたものである。このような金属Mの価数の偏りは、酸化雰囲気での焼成によって上記の化学式で表される金属複酸化物を得た後、一方の端部のみを還元雰囲気で熱処理することにより、或いは、還元雰囲気での焼成によって上記の化学式で表される金属複酸化物を得た後、一方の端部のみを酸化雰囲気で熱処理することにより、実現することができる。
このように金属Mの価数を偏らせたセンサ素子は、測定電極側の端部ではプロトン伝導性を示す一方、基準電極側の端部では大気における水素分圧下でプロトン伝導性を示さないため、基準ガスとして大気を使用することができる。
ところが、このセンサ素子は、起電力が安定し水素センサとして使用できるようになるまでに非常に時間がかかる点で、改善の余地があった。このことを、図13を用いて具体的に説明する。図13は、SrZr0.9Mn0.13−αをセンサ素子とし、酸化雰囲気での焼成によって金属M(Mn)の価数を全体的に+4価にした後、基準電極側の端部は基準ガスである大気に接触させ、測定電極側の端部は水素を含む還元雰囲気として熱処理をすることにより、金属Mの価数を偏らせた場合である。図13(b)に示すように、金属Mの価数に偏りが生じた後のセンサ素子を使用した水素センサでは、測定ガスにおける水素濃度の変化に応じて起電力は応答性良く変化し、水素濃度がある値に保持されている間の起電力は安定して一定であるため、測定ガスにおける水素濃度を正確に検出することができる。しかしながら、図13(a)に示すように、金属Mの価数を偏らせる処理の開始から約46時間(16万5千秒間)は、起電力が安定せず徐々に増加しており(図示、矢印部分を参照)、正確に水素濃度を検出できるようになるまで非常に時間がかかるものであった。
特開2016−027317号公報 特開2017−114739号公報
そこで、本発明は、上記実情に鑑み、基準ガスとして大気を使用すると共に、水素ガス濃度を安定的に検出できる状態となるまでに時間を要さない水素濃度の検出方法、及び、該検出方法に用いられる水素センサの提供を、課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明にかかる水素濃度の検出方法(以下、単に「検出方法」と称することがある)は、
「プロトン伝導性を有する固体電解質で形成されたセンサ素子、該センサ素子の表面に設けられた基準電極、及び、該基準電極が接している第一空間と区画されている第二空間において前記センサ素子の表面に設けられた測定電極を備える水素センサを使用し、前記基準電極と前記測定電極との間に生じる起電力を測定することによって、前記第二空間における水素濃度を検出する水素濃度の検出方法であって、
前記固体電解質を、化学式AB1−b−c3−αで表され、Aはアルカリ土類金属、Bは価数が+4価の金属、Mは+4価以下の複数の価数を取り得る遷移金属、Nは+4価より小さい価数のみを取る金属である、ペロブスカイト型の結晶構造を有する金属複酸化物の単一相とし、
前記センサ素子のうち、少なくとも前記基準電極側の端部において金属Mの価数をプロトン伝導性を示さない価数とすると共に、
前記第一空間に導入する基準ガスとして大気を使用し、
予め、前記第二空間に水素濃度の異なる複数のガスをそれぞれ導入したときの前記起電力を測定することにより、前記第二空間における水素濃度と前記起電力との関係を示す検量線を作成しておき、
前記第二空間に水素濃度が未知である測定ガスを導入したときの前記起電力に基づいて、ネルンストの式を用いることなく、前記検量線から前記測定ガスにおける水素濃度を求める」ものである。
「アルカリ土類金属である金属A」としては、ストロンチウム(Sr)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)を例示することができる。「+4価の金属である金属B」としては、ジルコニウム(Zr)、セリウム(Ce)を例示することができる。
「+4価以下の複数の価数を取り得る遷移金属M」は、それぞれ+4価、+3価、及び+2価を取り得るマンガン(Mn)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)や、+2価及び+3価を取り得る鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)を例示することができる。この金属Mは、金属Bと置換した状態で、プロトン伝導性を示す価数と、プロトン伝導性を示さない価数の双方を取るものであり、その価数は金属A,Bによる。例えば、金属MがMnである場合、金属AがSrで金属BがZrのとき、プロトン伝導性を示さない価数は+4価であり、プロトン伝導性を示す価数は+3価及び+2価である。また、金属Mが同じくMnであっても、金属AがCaで金属BがZrのとき、プロトン伝導性を示さない価数は+3価であり、プロトン伝導性を示す価数は+2価である。
「+4価より小さい価数のみを取る金属N」としては、Y(イットリウム)、Yb(イッテルビウム)、Al(アルミニウム)、In(インジウム)など、+3価のみを取る金属を例示することができる。この金属Nが金属Bと置換することにより、プロトン伝導性が発現する。
金属A、金属B、金属M及び金属Nの何れも、単一の元素からなるものであっても、複数の元素からなるものであってもよい。なお、化学式AB1−b−c3−αにおいて、(b+c)は0.01以上0.3以下とすることができ、cはb以下であることが望ましい。なお、αは酸素欠陥であり、金属A、金属B、金属M及び金属Nそれぞれの原子種、b及びcの値、雰囲気温度と酸素分圧等に応じて変化する値である。
本構成の固体電解質は、金属複酸化物ABOの金属B(+4価の金属)の一部を、+4価以下の複数の価数を取り得る金属Mで置換した特許文献1,2の固体電解質(以下、「先願の固体電解質」と称する)において、更に金属Bの一部を、金属Bより小さい価数のみを取る金属Nで置換したものに相当する。検討の結果、このような固体電解質をセンサ素子とすることにより、(イ)基準ガスとして大気を使用しても、基準電極及び測定電極間に生じる起電力と、第二空間における水素濃度との間に相関関係があり、予め検量線を作成しておけば、第二空間に導入された測定ガス(水素濃度が未知であるガス)の水素濃度を、ネルンストの式によらず検出することができること、(ロ)起電力を安定的に測定できる状態となるまでに要する時間が、先願の固体電解質をセンサ素子とした場合に比べて非常に短いこと、(ハ)少なくとも基準電極側の端部で金属Mがプロトン伝導性を示さない価数であれば、測定電極側の端部における金属Mの価数を、測定に先立ってプロトン伝導性を示す価数に偏らせておく処理が不要であること、を見出し本発明に至ったものである。以下、金属Mの価数のうち、プロトン伝導性を示す価数を「価数(小)」と称し、価数(小)より大きくプロトン伝導性を示さない価数を「価数(大)」と称することがある。
従って、本構成の検出方法によれば、基準ガスとして大気を使用することができると共に、基準電極及び測定電極間に生じる起電力が安定して水素ガス濃度を安定的に検出できる状態となるまでの時間を、短縮することができる。
なお、後述するように、固体電解質が、上記の金属A、金属B、金属M及び金属Nによる金属複酸化物AB1−b−c3−αの単一相ではなく、金属Aと金属Mとの複酸化物の相や、金属Mの酸化物の相など他の相を含有していると、起電力が安定せず、第二空間の水素濃度と起電力との間に相関関係もないという知見を得た。換言すれば、金属Bと置換するために添加する金属M及び金属Nの量(モル数)は、第二の相、第三の相など他の相が生じない程度に制限される。
次に、本発明にかかる水素センサは、
「プロトン伝導性を有する固体電解質で形成されたセンサ素子、該センサ素子の表面に設けられた基準電極、及び、該基準電極が接している第一空間と区画されている第二空間において前記センサ素子の表面に設けられた測定電極を備え、
前記固体電解質は、化学式AB1−b−c3−αで表され、Aはアルカリ土類金属、Bは価数が+4価の金属、Mは+4価以下の複数の価数を取り得る遷移金属、Nは+4価より小さい価数のみを取る金属である、ペロブスカイト型の結晶構造を有する金属複酸化物の単一相であり、
前記センサ素子のうち、少なくとも前記基準電極側の端部において金属Mの価数がプロトン伝導性を示さない価数であると共に、
前記第一空間は大気中に開放される、または、前記第一空間に基準ガスとして大気を導入する大気導入管を更に備える」ものである。
これは、上記の検出方法に用いられる水素センサの構成である。基準ガスとして大気を使用するため、水素濃度の測定が簡易であると共に、基準電極及び測定電極間に生じる起電力が安定して水素ガス濃度を安定的に検出できる状態となるまでの時間が短いため、水素濃度の検出にかかる総時間を短縮することができる。
以上のように、本発明によれば、基準ガスとして大気を使用すると共に、水素ガス濃度を安定的に検出できる状態となるまでに時間を要さない水素濃度の検出方法、及び、該検出方法に用いられる水素センサを、提供することができる。
実施例1の水素センサについて、第二空間に導入するガスにおける水素濃度を変化させた時の起電力の変化を、(a)温度800℃で測定した場合のグラフ、(b)温度700℃で測定した場合のグラフである。 (a)実施例1の水素センサについて、第二空間に導入するガスにおける水素濃度を変化させた時の起電力の変化を、温度400℃で測定したグラフ、(b)実施例1の固体電解質のX線回折パターンである。 実施例2の水素センサについて、第二空間に導入するガスにおける水素濃度を変化させた時の起電力の変化を、(a)温度800℃で測定した場合のグラフ、(b)温度700℃で測定した場合のグラフである。 (a)実施例2の水素センサについて、第二空間に導入するガスにおける水素濃度を変化させた時の起電力の変化を、温度500℃で測定したグラフ、(b)実施例2の固体電解質のX線回折パターンである。 実施例1の水素センサについて、第二空間の水素濃度に対して起電力をプロットしたグラフである。 実施例2の水素センサについて、第二空間の水素濃度に対して起電力をプロットしたグラフである。 実施例3の水素センサについて、第二空間の水素濃度に対して起電力をプロットしたグラフである。 (a)実施例4の水素センサについて、第二空間の水素濃度に対して起電力をプロットしたグラフ、(b)実施例4の固体電解質のX線回折パターンである。 (a)実施例5の水素センサについて、第二空間の水素濃度に対して起電力をプロットしたグラフ、(b)実施例5の固体電解質のX線回折パターンである。 本発明の一実施形態である水素センサの概略構成図である。 比較例1の水素センサについて、第二空間に導入するガスにおける水素濃度を変化させた時の起電力の変化を、(a)温度800℃で測定した場合のグラフ、(b)温度700℃で測定した場合のグラフである。 (a)比較例1の水素センサについて、第二空間に導入するガスにおける水素濃度を変化させた時の起電力の変化を、温度400℃で測定したグラフ、(b)比較例1の固体電解質のX線回折パターンである。 先願の固体電解質をセンサ素子とし、第二空間に導入するガスにおける水素濃度を変化させた時の起電力の変化を示すグラフにおける、(a)金属Mの価数を偏らせる処理の開始から起電力が安定するまでのグラフ、(b)起電力が安定した後のグラフである。
以下、本発明の一実施形態である水素濃度の検出方法、及び、この検出方法に用いられる水素センサ1について、図1乃至図10を用いて説明する。
まず、水素センサ1の構成について、図10を用いて説明する。水素センサ1は、固体電解質で形成されたセンサ素子10と、センサ素子10の表面に設けられた基準電極21と、基準電極21が接している第一空間S1と区画されている第二空間S2においてセンサ素子10の表面に設けられた測定電極22と、基準電極21及び測定電極22間の起電力を測定する電位計30と、を備えている。
ここでは、基準電極21が接している第一空間S1と測定電極22が接している第二空間S2とが区画されている態様として、ディスク状のセンサ素子10が、筒状のホルダ51の一端を封止していると共に、他の筒状のホルダ52の一端を封止している態様、すなわち、ホルダ51,52によって形成されるホルダ50の中途をセンサ素子10が閉塞している態様を例示している。
固体電解質は、化学式AB1−b−c3−αで表され、Aはアルカリ土類金属、Bは価数が+4価の金属、Mは+4価以下の複数の価数を取り得る遷移金属、Nは+4価より小さい価数のみを取る金属である、ペロブスカイト型の結晶構造を有する金属複酸化物の単一相である。このような固体電解質は、金属A、金属B、金属M及び金属Nそれぞれの酸化物等の原料粉末を、目的のモル比となるようにバインダ等の添加剤と共に混合した混合原料を成形し、成形体を焼成することにより得ることができる。焼成の際の雰囲気を、大気等の酸化性雰囲気とすることにより、金属Mの価数は固体電解質の全体において価数(大)となる。
上記構成の水素センサ1を用いて測定ガスにおける水素濃度を検出する本実施形態の検出方法では、予め、第一空間S1に基準ガスとして大気を導入すると共に、第二空間S2に水素濃度の異なる複数のガスをそれぞれ導入したときの起電力を測定することにより、第二空間S2における水素濃度と起電力との関係を示す検量線を作成しておく。そして、第一空間S1に基準ガスとして大気を導入すると共に、第二空間S2に水素濃度が未知である測定ガスを導入したときの起電力を測定し、作成しておいた検量線における、その起電力値のときの水素濃度として、測定ガスにおける水素濃度を求める。
水素センサ1では、基準電極21及び測定電極22間に生じる起電力と、第二空間S2における水素濃度との関係がネルンストの式に従わないが、第一空間S1に導入される基準ガスが大気のとき、第二空間S2における水素濃度(水素分圧)と起電力とは相関関係にある。より具体的には、第二空間S2における水素濃度の対数と起電力とは、線形の関係にある。
そして、本実施形態の水素センサ1では、測定を開始してから起電力が安定するまでの時間が非常に短い。図13を用いて上述したように、先願の固体電解質AB1−b3−αをセンサ素子とした水素センサでは、起電力が安定して正常な測定ができるようなるまで、40時間以上という長時間を要していた。この理由は、金属Mの価数が価数(大)から価数(小)となる価数変化に時間を要するため、と考えられた。
本実施形態の水素センサ1では、金属Bの一部を、金属Mに加えて金属Nでも置換している。金属Nは、金属Bより小さい価数のみを取る金属であるため、金属Bとの置換により電気的な中性を保つために酸素イオン空孔が導入され、プロトン伝導性が発現する。一方、金属Bの一部と置換した金属Mは、還元雰囲気で価数が低下し、これを補うためにプロトンが供給されてプロトン伝導性が発現する。測定電極側では、金属Nによるプロトン伝導性が支配的になることにより、或いは、金属Nの存在によって金属Mの価数変化が促進されることにより、また或いは、これらの作用の相乗効果により、測定を開始した初期から、測定電極側で固体電解質が十分なプロトン伝導性を有しており、これによって安定した起電力が測定されると考えられた。
また、固体電解質の基準電極側では、金属Mが価数(大)を取っているため、金属Bの一部が金属Nのみで置換されている場合に比べてプロトン伝導性が十分に低く、大気における水素分圧下でプロトンの輸率が実質的にゼロに近いと考えられた。ここで、「大気における水素分圧」は、水と、水素及び酸素との平衡反応の平衡定数から算出することができる。平衡定数は温度依存性を示し、平衡は高温であるほど水から水素及び酸素が生成される側に傾く。本実施形態の固体電解質をセンサ素子とする水素センサの使用温度範囲として想定される温度400℃〜800℃まで、室温において水蒸気が飽和した大気が加熱されたものとして計算すると、大気における水素分圧は1×10−18atm〜5×10−11atm(1×10−13Pa〜5×10−6Pa)である。
更に、測定ガスには必ずしも水素が含まれているとは限らない。そのため、先願の固体電解質では、金属Mの価数を偏らせる処理によって測定電極側にプロトン伝導層が形成されていても、水素を含まない測定ガスとの接触により、金属Mの価数が変化して非プロトン伝導性の表層ができてしまうことがあった。更にその後、水素を含有する測定ガスに接触すると、再び金属Mの価数が変化してプロトン伝導性の表層が形成されるなど、固体電解質において測定電極側がプロトン伝導性層と非プロトン伝導性層との積層状態となることがあり、正確に水素濃度を検出できないおそれがあった。これに対し、本実施形態の固体電解質では、金属Mに加えて金属Nで金属Bを置換することによってもプロトン伝導性を発現させているため、仮に測定ガスに水素が含まれていないことがあっても、測定電極側に非プロトン伝導性層が形成されることがなく、安定的に水素ガス濃度を検出することができる。
金属Aをストロンチウム、金属Bをジルコニウム、金属Mをマンガン、金属Nをイットリウムとし、それぞれの化合物としてSrCO、ZrO、MnCO、Yを使用し、SrZr1−b−cMn3−αにおいてb=0.05、c=0.05となるモル比で混合し、出発原料を調製した。出発原料を1200℃でか焼し、か焼後の粉末を粉砕した後、バインダと混合してディスク状に成形した。焼成炉に成形体を収容し、温度1500℃の酸化雰囲気下で焼成することにより、実施例1の固体電解質を製造した。
同様に、金属Aをストロンチウム、金属Bをジルコニウム、金属Mをマンガン、金属Nをイットリウムとし、SrZr1−b−cMn3−αにおいてb=0.1、c=0.01となるモル比でそれぞれの化合物を混合した出発原料から、同様の工程を経て実施例2の固体電解質を製造した。
同様に、金属Aをストロンチウム、金属Bをジルコニウム、金属Mをマンガン、金属Nをイットリウムとし、SrZr1−b−cMn3−αにおいてb=0.1、c=0.1となるモル比でそれぞれの化合物を混合した出発原料から、同様の工程を経て実施例3の固体電解質を製造した。
同様に、金属Aをストロンチウム、金属Bをジルコニウム、金属Mをマンガン、金属Nをイッテルビウムとし、SrZr1−b−cMnYb3−αにおいてb=0.1、c=0.1となるモル比でそれぞれの化合物を混合した出発原料から、同様の工程を経て実施例4の固体電解質を製造した。
同様に、金属Aをストロンチウム、金属Bをジルコニウム、金属Mをマンガン、金属Nをインジウムとし、SrZr1−b−cMnIn3−αにおいてb=0.1、c=0.1となるモル比でそれぞれの化合物を混合した出発原料から、同様の工程を経て実施例5の固体電解質を製造した。
実施例1〜5の固体電解質それぞれに、市販の電極用白金ペーストを塗布し焼き付けることにより、基準電極及び測定電極を形成し、センサ素子とした。
実施例1〜5それぞれの固体電解質をセンサ素子とした水素センサについて、第一空間に大気を導入し、第二空間に水素濃度の異なる複数のガスをそれぞれ導入したときの起電力を、800℃〜400℃の範囲における所定温度で測定した。起電力は、同一のセンサ素子について温度800℃で測定してから、温度700℃での測定、温度600℃での測定、温度500℃での測定、温度400℃での測定と、順に行った。第一空間及び第二空間の水蒸気分圧は、何れも0.019気圧とした。
実施例1〜5の水素センサの何れについても、温度800℃での起電力の測定を開始してから1000秒〜2000秒で起電力が安定した。これは、図13を用いて上述したように、先願の固体電解質を使用した水素センサで、起電力が安定して正常な測定ができるようになるまで40時間以上を要していたのに比べると、非常に短い時間である。そして、起電力が安定した後は、第二空間における水素濃度の変化に応じて起電力は応答性良く変化し、水素濃度が一定に保持されている間の起電力は安定して一定であった。このことは、測定温度を変化させても、同様であった。
例として、実施例1の水素センサについて、測定温度800℃で起電力を測定した結果、測定温度700℃で起電力を測定した結果、及び、測定温度400℃で起電力を測定した結果を、それぞれ図1(a)、図1(b)及び図2(a)に示す。また、実施例2の水素センサについて、測定温度800℃で起電力を測定した結果、測定温度700℃で起電力を測定した結果、及び、測定温度500℃で起電力を測定した結果を、それぞれ図3(a)、図3(b)及び図4(a)に示す。
そして、実施例1〜5の水素センサの何れにおいても、第二空間に導入したガスにおける水素濃度の対数と起電力とは、きれいな線形の関係を示した。実施例1〜5の水素センサについて、第二空間のガスにおける水素濃度の対数を横軸にとり、起電力を縦軸としたグラフを、それぞれ図5、図6、図7、図8(a)、及び図9(a)に示す。
また、実施例1〜5の固体電解質について、X線回折パターンを測定したところ、何れもSrZrOのピークと一致するピークのみが認められた。つまり、実施例1〜3の固体電解質はSrZr1−b−cMn3−αの単一相であり、実施例4の固体電解質はSrZr1−b−cMnYb3−αの単一相であり、実施例5の固体電解質はSrZr1−b−cMnIn3−αの単一相であると考えられた。例として、実施例1,2,4,5の固体電解質のX線回折パターンを、それぞれ図2(b),図4(b),図8(b)及び図9(b)に示す。
ここで、X線回折は、粉末X線回折装置(株式会社リガク製、MiniFlex600)を使用し、次の条件で測定した。
管球:CuKα線
出力:電圧40kV,電流15mA
ステップ幅:0.02°(回折角度20°〜80°)
計測速度:20°/min
これに対し、固体電解質がAB1−b−c3−αの単一相ではなく、他の相が析出していると、測定電極と基準電極との間に生じる起電力は安定せず、且つ、第二空間に導入されるガスにおける水素濃度と起電力との間に相関関係もない。このことを、比較例1の固体電解質をセンサ素子とした水素センサを例とし、図11及び図12を用いて説明する。
比較例1の固体電解質は、SrZr1−b−cMn3−αにおいて、b,cのモル数がb=0.2、c=0.1であることのみで実施例1〜3の固体電解質と相違し、その他は実施例1〜3と同様に製造したものである。
比較例1の固体電解質をセンサ素子とした水素センサについて、第一空間に大気を導入し、第二空間に水素濃度の異なる複数のガスをそれぞれ導入したときの起電力を、測定温度800℃、600℃、500℃、400℃の順で測定した。何れの温度における測定でも、起電力は不安定であり、水素濃度の大きさと起電力の大きさが逆転しているときがあるなど、第二空間のガスにおける水素濃度と起電力との間に相関関係は認められなかった。例として、比較例1の水素センサについて、測定温度800℃で起電力を測定した結果、測定温度700℃で起電力を測定した結果、及び、測定温度400℃で起電力を測定した結果を、それぞれ図11(a)、図11(b)及び図12(a)に示す。
比較例1の固体電解質について、上記と同一の条件で測定したX線回折パターンを、図12(b)に示す。SrZrOのピークと一致するSrZr1−b−cMn3−αのピークに加えて、SrとMnの複酸化物(金属Aと金属Mの複酸化物)であるSrMnO3.7のピークが認められた。このような第二の相の析出により、固体電解質におけるプロトン伝導性が阻害されていると考えられた。
以上のように、本実施形態の検出方法によれば、化学式AB1−b−c3−αで表され、Aはアルカリ土類金属、Bは価数が+4価の金属、Mは+4価以下の複数の価数を取り得る遷移金属、Nは+4価より小さい価数のみを取る金属である、ペロブスカイト型の結晶構造を有する金属複酸化物である固体電解質をセンサ素子とし、固体電解質を酸化雰囲気下で焼成することによって全体的に金属Mの価数を価数(大)にしておき、基準ガスとして大気を使用することにより、測定ガスにおける水素濃度と起電力とが相関関係を示すと共に、測定を開始してから短時間で起電力が安定する。従って、予め、第二空間に導入するガスにおける水素濃度を変化させて検量線を作成しておくことにより、短時間で容易に、測定ガスの水素濃度を検出することができる。
そして、測定ガスにおける水素濃度と起電力とは、センサ素子が金属複酸化物AB1−b−c3−αの単一相である場合に、きれいな相関関係を示すものであり、金属Mまたは金属Nが金属Bと置換可能な固溶限界を超えることによって、金属Aとの複酸化物などの他の相が析出した場合は、かかる相関関係は得られない。このように金属M,Nの固溶限界は、センサ素子が金属複酸化物AB1−b−c3−αの単一相であるか否かによって規定されるものであるが、少なくとも金属Mであるマンガン及び金属Nであるイットリウムは、金属Aであるストロンチウム1モルに対しそれぞれ0.05モル〜0.1モルの範囲で、金属Bであるジルコニウムと置換可能な固溶範囲内であることが、上記の実施例より確認された。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、上記の実施形態では、センサ素子10の形状をディスク状とし、ホルダ51,52によって形成されるホルダ50の中途をセンサ素子10が閉塞していることにより、第一空間S1と第二空間S2とが区画されている態様を例示した。センサ素子の形状は、このようなディスク状に限定されず、有底筒状や柱状とすることができる。また、センサ素子の形状によらず、センサ素子でホルダの一端を封止することにより、或いは、ホルダの中途でその内部空間をセンサ素子で閉塞することにより、第一空間と第二空間とを区画することができる。
1 水素センサ
10 センサ素子
21 基準電極
22 測定電極
S1 第一空間
S2 第二空間

Claims (2)

  1. プロトン伝導性を有する固体電解質で形成されたセンサ素子、該センサ素子の表面に設けられた基準電極、及び、該基準電極が接している第一空間と区画されている第二空間において前記センサ素子の表面に設けられた測定電極を備える水素センサを使用し、前記基準電極と前記測定電極との間に生じる起電力を測定することによって、前記第二空間における水素濃度を検出する水素濃度の検出方法であって、
    前記固体電解質を、化学式AB1−b−c3−αで表され、Aはアルカリ土類金属、Bは価数が+4価の金属、Mは+4価以下の複数の価数を取り得る遷移金属、Nは+4価より小さい価数のみを取る金属である、ペロブスカイト型の結晶構造を有する金属複酸化物の単一相とし、
    前記センサ素子のうち、少なくとも前記基準電極側の端部において金属Mの価数をプロトン伝導性を示さない価数とすると共に、
    前記第一空間に導入する基準ガスとして大気を使用し、
    予め、前記第二空間に水素濃度の異なる複数のガスをそれぞれ導入したときの前記起電力を測定することにより、前記第二空間における水素濃度と前記起電力との関係を示す検量線を作成しておき、
    前記第二空間に水素濃度が未知である測定ガスを導入したときの前記起電力に基づいて、ネルンストの式を用いることなく、前記検量線から前記測定ガスにおける水素濃度を求める
    ことを特徴とする水素濃度の検出方法。
  2. プロトン伝導性を有する固体電解質で形成されたセンサ素子、該センサ素子の表面に設けられた基準電極、及び、該基準電極が接している第一空間と区画されている第二空間において前記センサ素子の表面に設けられた測定電極を備え、
    前記固体電解質は、化学式AB1−b−c3−αで表され、Aはアルカリ土類金属、Bは価数が+4価の金属、Mは+4価以下の複数の価数を取り得る遷移金属、Nは+4価より小さい価数のみを取る金属である、ペロブスカイト型の結晶構造を有する金属複酸化物の単一相であり、
    前記センサ素子のうち、少なくとも前記基準電極側の端部において金属Mの価数がプロトン伝導性を示さない価数であると共に、
    前記第一空間は大気中に開放される、または、前記第一空間に基準ガスとして大気を導入する大気導入管を更に備える
    ことを特徴とする水素センサ。
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