JP2019113330A - 物理量センサー、複合センサー、慣性計測ユニット、携帯型電子機器、電子機器、移動体、および物理量センサーの製造方法 - Google Patents

物理量センサー、複合センサー、慣性計測ユニット、携帯型電子機器、電子機器、移動体、および物理量センサーの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019113330A
JP2019113330A JP2017244783A JP2017244783A JP2019113330A JP 2019113330 A JP2019113330 A JP 2019113330A JP 2017244783 A JP2017244783 A JP 2017244783A JP 2017244783 A JP2017244783 A JP 2017244783A JP 2019113330 A JP2019113330 A JP 2019113330A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
physical quantity
quantity sensor
movable body
movable
detection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017244783A
Other languages
English (en)
Inventor
照夫 瀧澤
Teruo Takizawa
照夫 瀧澤
肇 富山
Hajime Toyama
肇 富山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2017244783A priority Critical patent/JP2019113330A/ja
Publication of JP2019113330A publication Critical patent/JP2019113330A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pressure Sensors (AREA)
  • Gyroscopes (AREA)

Abstract

【課題】検出特性に優れた物理量センサー、複合センサー、慣性計測ユニット、携帯型電子機器、電子機器、移動体、および物理量センサーの製造方法を提供する。【解決手段】物理量センサー1は、検出電極としての固定検出電極186が設けられている基板110と、固定検出電極186と対向している可動体10と、一方が基板110に設けられているアンカー部114に接続され、他方が可動体10に接続されている弾性梁としての検出バネ部160と、を含み、可動体10の振動方向に沿って、固定検出電極186の可動体10と対向している面186cは、可動体10と対向している複数の段差面186d,186e,186fが設けられている。【選択図】図4

Description

本発明は、物理量センサー、複合センサー、慣性計測ユニット、携帯型電子機器、電子機器、移動体、および物理量センサーの製造方法に関するものである。
近年、物理量センサーの一例として、シリコンMEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を用いたジャイロセンサー素子を用いたジャイロセンサーが開発されている。物理量センサーのなかでも角速度を検出するジャイロセンサーは、例えば、ゲーム機のモーションセンシング機能などの用途で急速に広がりつつある。
このようなジャイロセンサーとして、例えば、特許文献1に、角速度センサーを構成するセンサー素子が開示されている。このセンサー素子は、支持基板と、支持基板に固定された固定部と、固定部に対して弾性梁(支持梁)を介して支持されている振動体と、振動体に設けられた櫛歯状の可動電極と、この可動電極と間隔を介して噛み合う固定櫛歯電極とを有する。このような構成の角速度センサーでは、固定櫛歯電極に電圧が印加されると、可動電極と固定櫛歯電極との間に発生する静電力により振動体がX軸方向に振動(駆動振動)する。このように振動している状態の振動体にZ軸(またはY軸)回りの角速度が作用すると、コリオリ力により、振動体がY軸(またはZ軸)方向に振動(検出振動)する。このコリオリ力による振動体のY軸(またはZ軸)方向の振動振幅の大きさに対応する電気信号を検出することで、回転の角速度を検出することができる。
このようなセンサー素子は、シリコン基板で構成されているため、ドライエッチングにより製造することができ、例えば、特許文献2には、SF6(エッチング用ガス)と、C48(堆積用ガス)の二つの系統の反応性プラズマガスを交互に切り替えて、エッチングと側壁保護膜堆積の工程を繰り返す、Siの深溝エッチング技術(Deep Reactive ion Etching)、所謂、ボッシュ・プロセス(Bosch process)が記載されている。
特開2009−175079号公報 特表平7−503815号公報
しかしながら、特許文献1に記載のセンサー素子を、特許文献2に記載されているドライエッチングにより製造しようとした場合に、反応性プラズマガスに密度分布が存在するため、反応性プラズマガスがシリコン基板に対して垂直に入射出来ず、反応性プラズマガスの入射角度により加工壁が理想的な垂直からずれた角度で加工され、センサー素子の断面形状が理想的な直角形状からずれて加工されてしまう。そのため、物理量センサーの物理量検出時に不要な振動による検出特性ばらつきが生じ、検出精度が低下してしまうという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る物理量センサーは、検出電極が設けられている基板と、前記検出電極と対向している可動体と、一方が前記基板に設けられているアンカー部に接続され、他方が前記可動体に接続されている弾性梁と、を含み、前記可動体の振動方向に沿って、前記検出電極の前記可動体と対向している面は、前記可動体と対向している複数の段差面が設けられていることを特徴とする。
本適用例によれば、可動体の断面形状が理想的な直角形状からずれて加工された場合に、物理量センサーの動作時に不要な振動によって可動体の振動方向が可動体と接合している基板の面に平行な第2仮想面と交差する方向にずれてしまう。そのため、可動体の振動方向に沿って、検出電極の可動体と対向している面に、可動体と対向している複数の段差面が階段状に設けられていることで、可動体の振動方向と交差する方向からの断面視において、検出電極の可動体と対向している複数の段差面の最両端の角部を結ぶ直線が、振動している可動体の振動方向と略平行となる。つまり、検出電極の可動体と対向している面(複数の段差面)が振動している可動体の振動方向と略平行となる。従って、物理量センサーの物理量検出時に不要な振動による検出特性ばらつきが減少し、検出精度の低下を低減することができる。
[適用例2]上記適用例に記載の物理量センサーは、前記複数の段差面は、前記可動体の振動方向の一方の側から順に、n個の段差面から構成され、前記可動体とn番目の段差面との間隔をGnとしたとき、G(n−1)<Gn、nは2以上の整数、を満たすことが好ましい。
本適用例によれば、検出電極の複数の段差面が、可動体の振動方向の一方の側から順に、n個の段差面から構成され、可動体とn番目の段差面との間隔をGnとしたとき、G(n−1)<Gn、nは2以上の整数、を満たしている。そのため、検出電極が可動体の振動方向の一方の側から順に、階段状に形成されているので、検出電極の可動体と対向している面を、振動している可動体の振動方向と略平行とすることができる。従って、物理量センサーの物理量検出時に不要な振動による検出特性ばらつきがより減少し、検出精度の低下をより低減することができる。
[適用例3]上記適用例に記載の物理量センサーは、前記可動体の振動方向と交差する方向からの断面視で、前記振動方向に沿って、前記検出電極の前記複数の段差面の一方の側の角部と他方の側の角部とを結ぶ第1仮想面が、前記可動体と接合している前記基板の面に平行な第2仮想面と交差していることが好ましい。
本適用例によれば、可動体の振動方向に沿って、検出電極の複数の段差面の一方の側の角部と他方の側の角部とを結ぶ第1仮想面が、可動体と接合している基板の面に平行な第2仮想面と交差しているので、検出電極の可動体と対向している面と、振動している可動体の振動方向と、を略平行とすることができる。そのため、物理量センサーの物理量検出時に不要な振動による検出特性ばらつきが減少し、検出精度の低下を低減することができる。
[適用例4]上記適用例に記載の物理量センサーは、前記可動体の前記振動方向と交差する前記弾性梁の側面を含む第3仮想面は、前記第2仮想面の法線と交差していることが好ましい。
本適用例によれば、振動方向と交差する弾性梁の側面を含む第3仮想面が、可動体と接合している基板の面に平行な第2仮想面の法線と交差しているので、検出電極の可動体と対向している面が振動している可動体の振動方向と略平行となる。そのため、物理量センサーの物理量検出時に不要な振動による検出特性ばらつきが減少し、検出精度の低下を低減することができる。
[適用例5]上記適用例に記載の物理量センサーは、前記第1仮想面は、前記第3仮想面と直交していることが好ましい。
本適用例によれば、第1仮想面が第3仮想面と直交することにより、検出電極の可動体と対向している面を振動している可動体の振動方向とより平行に近づけることができる。そのため、物理量センサーの物理量検出時に不要な振動による検出特性ばらつきがより減少し、検出精度の低下をより低減することができる。
[適用例6]上記適用例に記載の物理量センサーは、前記第1仮想面と前記第2仮想面との交差角をθ1、前記法線と前記第3仮想面との交差角をθ2としたとき、0.01°≦θ1≦3.0°、0.01°≦θ2≦3.0°、を満たしていることが好ましい。
本適用例によれば、第1仮想面と第2仮想面との交差角θ1と、第2仮想面の法線と第3仮想面との交差角θ2と、を0.01°以上3.0°以下とすることで、検出電極の可動体と対向している面と、振動している可動体の振動方向と、を略平行とすることができる。そのため、物理量センサーの物理量検出時に不要な振動による検出特性ばらつきが減少し、検出精度の低下を低減することができる。
[適用例7]上記適用例に記載の物理量センサーは、前記基板にストッパーが設けられ、前記ストッパーは、前記可動体の可動部と同電位であり、且つ、前記検出電極と電位が異なることが好ましい。
本適用例によれば、基板にストッパーが設けられているため、過度な物理量が印加された場合や振動方向と交差する方向からの衝撃が加わった場合に、可動体の変位量を制限し、可動体が破損するのを防止することができる。また、ストッパーは、検出電極と電位が異なり、可動体の可動部と同電位であるため、ストッパーと可動部との間に働く静電力を低減し、可動部がストッパーに貼り付き難くすることができる。
[適用例8]上記適用例に記載の物理量センサーは、前記物理量センサーは、角速度センサーであることが好ましい。
本適用例によれば、角速度検出時に不要な振動による検出特性ばらつきが小さく、検出精度の高い角速度センサーを得ることができる。
[適用例9]本適用例に係る複合センサーは、上記適用例8に記載の物理量センサーと、加速度センサーと、を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、角速度検出時に不要な振動による検出特性ばらつきが小さく、検出精度の高い角速度センサーと、加速度センサーと、を備えた複合センサーを容易に構成することができ、安定した角速度データや加速度データを取得することができる。
[適用例10]本適用例に係る慣性計測ユニットは、上記適用例8に記載の物理量センサーと、加速度センサーと、前記物理量センサーおよび前記加速度センサーを制御する制御部と、を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、角速度検出時に不要な振動による検出特性ばらつきが小さく、検出精度の高い物理量センサー(角速度センサー)、および加速度センサーを、制御部によって制御することによって、高信頼の物理量データを出力可能な慣性計測ユニットを得ることができる。
[適用例11]本適用例に係る携帯型電子機器は、上記適用例に記載の物理量センサーと、前記物理量センサーが収容されているケースと、前記ケースに収容され、前記物理量センサーからの出力データを処理する処理部と、前記ケースに収容されている表示部と、前記ケースの開口部を塞いでいる透光性カバーと、を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、処理部が、上述の物理量センサーから出力された出力データに基づいて制御を行うことから、上述した物理量センサーの効果を享受でき、信頼性の高い携帯型電子機器を得ることができる。
[適用例12]本適用例に係る電子機器は、上記適用例に記載の物理量センサーと、前記物理量センサーから出力された検出信号に基づいて制御を行う制御部と、を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、制御部が、上述の物理量センサーから出力された検出信号に基づいて制御を行うことから、上述した物理量センサーの効果を享受でき、信頼性の高い電子機器を得ることができる。
[適用例13]本適用例に係る移動体は、上記適用例に記載の物理量センサーと、前記物理量センサーから出力された検出信号に基づいて姿勢の制御を行う姿勢制御部と、を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、姿勢制御部が、上述の物理量センサーから出力された検出信号に基づいて制御を行うことから、上述した物理量センサーの効果を享受でき、信頼性の高い移動体を得ることができる。
[適用例14]本適用例に係る物理量センサーの製造方法は、基板を加工する工程と、検出電極を形成する工程と、可動体を形成する工程と、前記基板に蓋体を接合する工程と、を含む物理量センサーの製造方法であって、前記基板を加工する工程は、凸部を形成する工程と、前記凸部の前記可動体と対向する面に複数回のエッチングを行い、複数の段差面を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
本適用例によれば、基板を加工する工程において、凸部を形成する工程と、凸部の可動体と対向する面に複数回のエッチングを行い、複数の段差面を形成する工程と、を含む。そのため、検出電極が設けられている凸部に複数の段差面を形成することができることができる。従って、可動体の断面形状が理想的な直角形状からずれて加工され、物理量センサーの物理量検出時に不要な振動によって可動体の振動方向が可動体と接合している基板の面に平行な第2仮想面と交差する方向にずれてしまっても、検出電極が設けられている凸部が階段状に傾斜しているので、検出電極の可動体と対向している面が、振動している可動体の振動方向と略平行となる。従って、物理量検出時に不要な振動による検出特性ばらつきが減少し、検出精度の低下を低減することができる物理量センサーを製造することができる。
第1実施形態に係る物理量センサーの概略構成を示す平面図。 図1のA−A線における断面図。 図1のB−B線における断面図。 図3のC部拡大図。 物理量センサーの製造方法を工程順に示すフローチャート。 物理量センサーの製造方法を説明するための断面図。 物理量センサーの製造方法を説明するための断面図。 物理量センサーの製造方法を説明するための断面図。 物理量センサーの製造方法を説明するための断面図。 物理量センサーの製造方法を説明するための断面図。 物理量センサーの製造方法を説明するための断面図。 物理量センサーの製造方法を説明するための断面図。 物理量センサーの製造方法を説明するための断面図。 第2実施形態に係る物理量センサーの概略構成を示す断面図。 複合センサーの概略構成を示す機能ブロック図。 慣性計測ユニットの概略構成を示す分解斜視図。 慣性計測ユニットの慣性センサー素子の配置例を示す斜視図。 携帯型電子機器の構成を模式的に示す平面図。 携帯型電子機器の概略構成を示す機能ブロック図。 電子機器の一例であるモバイル型のパーソナルコンピューターの構成を模式的に示す斜視図。 電子機器の一例であるスマートフォン(携帯電話機)の構成を模式的に示す斜視図。 電子機器の一例であるディジタルスチールカメラの構成を示す斜視図。 移動体の一例である自動車の構成を示す斜視図。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、同様の目的で、特徴とならない部分を省略して図示している場合がある。
<第1実施形態>
[物理量センサー]
先ず、本発明の第1実施形態に係る物理量センサー1として、角速度センサーを例示し、図1〜図4を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る物理量センサーの概略構成を示す平面図である。図2は、図1のA−A線における断面図である。図3は、図1のB−B線における断面図である。図4は、図3のC部拡大図である。なお、図1〜図4では、互いに直交する3軸として、X軸、Y軸、およびZ軸を図示している。
第1実施形態に係る物理量センサー1は、図1〜図4に示すように、物理量を検出する検出素子となる可動体10と、基板110と、蓋体120と、を含み構成されている。なお、便宜上、図1では、基板110および蓋体120を省略している。また、図3および図4では、蓋体120を省略している。
可動体10は、図1および図2に示すように、基板110上に設けられ、基板110と蓋体120とで構成される収容部に収容されている。
基板110の材質は、例えば、ガラスやシリコンが適用できる。基板110には、凹部112が設けられている。基板110は、凹部112の底面(凹部112を規定する基板110の面)112aに設けられている凸状のアンカー部114と凸部115を有している。アンカー部114は、可動体10を支持するための部材であり、凸部115は、可動部182の可動検出電極184に対向する位置に配置され、検出電極としての固定検出電極186を形成するための部材である。
蓋体120は、基板110の上に(基板110の+Z軸方向側に)設けられている。蓋体120の材質は、例えば、シリコンである。基板110と蓋体120とは、陽極接合によって接合されていてもよい。図示の例では、蓋体120に凹部が形成されており、該凹部は、キャビティー102を構成している。
なお、基板110と蓋体120との接合方法は、特に限定されず、例えば、低融点ガラス(ガラスペースト)による接合でもよいし、半田による接合でもよい。または、基板110および蓋体120の各々の接合部分に金属薄膜(図示せず)を形成し、該金属薄膜同士を共晶接合させることにより、基板110と蓋体120とを接合させてもよい。
可動体10は、例えば、陽極接合によって、基板110に接合されている。可動体10は、基板110と蓋体120とによって形成されるキャビティー102に収容されている。キャビティー102は、減圧状態であることが望ましい。これにより、可動体10の振動が空気粘性によって減衰することを抑制することができる。
可動体10は、例えば、固定部130と、駆動バネ部140と、駆動部150と、弾性梁としての検出バネ部160と、連結バネ部170と、検出部180と、固定駆動モニター電極190,192と、を有している。
固定部130は、基板110に固定されている。固定部130は、例えば、陽極接合によって、基板110に設けられているアンカー部114に接合されている。固定部130は、駆動バネ部140および検出バネ部160の少なくとも一方と接続されている。固定部130は、複数設けられている。図示の例では、固定部130の平面形状(Z軸方向からみた形状)は、四角形である。
駆動バネ部140は、固定部130と駆動部150の可動駆動電極152とを連結している。駆動バネ部140は、基板110と離間して設けられている。図示の例では、駆動バネ部140は、X軸方向に往復しながらY軸方向に延出している。駆動バネ部140は、駆動部150の振動方向(可動駆動電極152の振動方向)であるY軸方向に円滑に伸縮することができる。
駆動部150は、検出部180の可動部182をY軸方向に振動させる。駆動部150は、複数設けられている。図示の例では、駆動部150は、2個設けられている(第1駆動部150a、第2駆動部150b)。例えば、第1駆動部150aと第2駆動部150bとの間に、検出部180が設けられている。図示の例では、第1駆動部150aは、第2駆動部150bよりも−Y軸方向側に設けられている。駆動部150は、例えば、可動駆動電極152と、固定駆動電極154,156と、を有している。
可動駆動電極152は、基板110と離間して設けられている。可動駆動電極152は、例えば、X軸方向に延出している幹部と、該幹部からY軸方向に延出している複数の枝部と、を備えた歯状の形状を有している。図示の例では、可動駆動電極152は、4個の駆動バネ部140によって支持されている。具体的には、可動駆動電極152の四隅が駆動バネ部140で接続されている。
固定駆動電極154,156は、基板110に固定されている。固定駆動電極154,156は、例えば、陽極接合によって基板110のアンカー部114(図示せず)に接合されている。固定駆動電極154,156は、可動駆動電極152と対向して設けられている。すなわち、固定駆動電極154と可動駆動電極152とは、静電容量を形成し、固定駆動電極156と可動駆動電極152とは、静電容量を形成する。第1駆動部150aでは、固定駆動電極154は、可動駆動電極152の+Y軸方向側に設けられ、固定駆動電極156は、可動駆動電極152の−Y軸方向側に設けられている。第2駆動部150bでは、固定駆動電極154は、可動駆動電極152の−Y軸方向側に設けられ、固定駆動電極156は、可動駆動電極152の+Y軸方向側に設けられている。固定駆動電極154,156は、例えば、可動駆動電極152に対応した歯状の形状を有している。
検出バネ部160は、固定部130と検出部180の可動部182とを連結している。検出バネ部160は、基板110と離間して設けられている。検出バネ部160は、可動部182のZ軸方向の変位に応じて、Z軸方向に変形可能に構成されている。
検出バネ部160は、複数設けられている。複数の検出バネ部160のうちの第1検出バネ部160aは、第1固定部(複数の固定部130のうちの第1固定部)130aに接続されている。第1検出バネ部160aは、第1固定部130aと可動部182とを連結している。複数の検出バネ部160のうちの第2検出バネ部160bは、第2固定部(複数の固定部130のうちの第2固定部)130bと可動部182とを連結している。複数の検出バネ部160のうちの第3検出バネ部160cは、第3固定部(複数の固定部130のうちの第3固定部)130cと可動部182とを連結している。
図示の例では、第1固定部130aは、2個設けられ、一方の第1固定部130aと第2固定部130bとは、一体的に設けられ、他方の第1固定部130aと第3固定部130cとは、一体的に設けられている。第1検出バネ部160aは、平面視において(Z軸方向からみて)、第2検出バネ部160bと第3検出バネ部160cとの間に設けられている。なお、図示はしないが、固定部130a,130b,130cは、それぞれ独立して設けられていてもよい。また、固定部130a,130b,130cの数は、特に限定されない。
第1検出バネ部160aは、X軸方向に往復しながら、X軸と直交するY軸方向に延出する形状を有している。第1検出バネ部160aは、X軸方向に延出する複数の延出部162を有している。複数の延出部162のうち、Y軸方向からみて第1固定部130aと重なる延出部162(第1固定部130aと重なる部分を有する延出部162)であって、最も第1固定部130aに近い延出部162(図示の例では延出部162a)は、他の延出部162(例えば延出部162b)よりも太い(Y軸方向の大きさが大きい)。延出部162aは、第1固定部130aの面と対向する面を有している。
連結バネ部170は、駆動部150の可動駆動電極152と、検出部180の可動部182と、を連結している。連結バネ部170は、基板110と離間して設けられている。連結バネ部170は、可動部182のZ軸方向の変位に応じて、Z軸方向に変形可能に構成されている。連結バネ部170は、駆動部150の可動駆動電極152のY軸方向の振動を、検出部180の可動部182に伝える。これにより、可動部182は、Y軸方向に振動することができる。
検出部180は、角速度を検出する。検出部180は、例えば、可動部182と、固定検出電極186と、を有している。
可動部182は、駆動部150の振動によりY軸方向に振動し、角速度に応じてZ軸方向に変位する。可動部182は、基板110と離間して設けられている。可動部182は、四隅が検出バネ部160によって支持されている部分である。すなわち、可動部182の四隅は、検出バネ部160が接続されている。可動部182は、本体部からY軸方向に延出している複数の枝部から成る歯状の形状の可動駆動モニター電極188,189を有している。また、可動部182は、可動検出電極184を有している。可動検出電極184は、平面視において、可動部182の固定検出電極186と重なっている部分である。図示の例では、可動検出電極184の平面形状は、長方形である。可動検出電極184は、駆動部150の振動によりY軸方向に振動し、角速度に応じてZ軸方向に変位する。
検出電極としての固定検出電極186は、基板110の凸部115の上に、可動体10の可動部182および可動検出電極184と対向して設けられている。すなわち、固定検出電極186と可動検出電極184とは、静電容量を形成する。
固定検出電極186は、図4に示すように、可動体10の振動方向(Y軸方向)と交差する方向(X軸方向)からの断面視で、可動体10に対向する凸部115のY軸方向に沿って階段状に傾斜した面に設けられている。そのため、固定検出電極186の可動体10と対向している面186cに階段状となる複数の段差面186d,186e,186fが設けられている。
固定検出電極186の段差面186dと可動体10との間隔D1は、固定検出電極186の段差面186eと可動体10との間隔D2より小さく、固定検出電極186の段差面186eと可動体10との間隔D2は、固定検出電極186の段差面186fと可動体10との間隔D3より小さい。従って、D1<D2<D3との関係となり、固定検出電極186の可動体10と対向している面186cと可動体10との間隔は、Y軸方向に沿って、大きくなっている。つまり、固定検出電極186の複数の段差面は、可動体10の振動方向の一方の側から順に、n個の段差面から構成され、可動体10とn番目の段差面との間隔をGnとしたとき、G(n−1)<Gn、nは2以上の整数、の関係を満たしている。
また、可動体10の振動方向と交差する方向(X軸方向)からの断面視で、固定検出電極186の複数の段差面186d,186e,186fの一方の側の角部P1と他方の側の角部P2とを結ぶ第1仮想面H1が、可動体10と接合している基板110の面110aに平行な第2仮想面H2と交差している。そして、第1仮想面H1と第2仮想面H2との交差角θ1は、0.01°以上3.0°以下である。
これは、可動体10をボッシュ・プロセス(Bosch process)加工により形成した場合に、反応性プラズマガスの密度分布に依存する加工ばらつきによって、可動体10の断面(YZ平面)形状が理想的な直角形状を有する長方形状をからずれて平行四辺形状に加工される。そのため、物理量センサー1の物理量検出時に、不要な振動による検出特性ばらつきが大きくなるのを低減するためである。
つまり、ボッシュ・プロセス加工により、振動方向と交差する検出バネ部160の側面160dを含む第3仮想面H3が、第2仮想面H2の法線L1と交差するように、可動体10の弾性梁としての検出バネ部160の断面(YZ平面)が、検出バネ部160の側面160dがZ軸方向に沿った傾斜を有する平行四辺形状に加工されてしまう。
一般的に、ボッシュ・プロセス加工により生じる第2仮想面H2の法線L1と第3仮想面H3との交差角θ2は、0.01°以上3.0°以下である。そのため、固定検出電極186の可動体10と対向している複数の段差面186d,186e,186fの最両端の角部P1,P2を結ぶ直線が、振動している可動体10の振動方向と略平行となる。つまり、可動体10の振動方向と固定検出電極186の可動体10と対向している面186cとを略平行にすることができ、駆動時の固定検出電極186と可動検出電極184との間の静電容量値を略一定に保つことができる。従って、物理量センサー1の物理量検出時に不要な振動による検出特性ばらつきが減少し、検出精度の低下を低減することができる。
なお、第1仮想面H1と第3仮想面H3とは、直交していることが好ましい。つまり、交差角θ1と交差角θ2とが固定検出電極186の可動体10と対向している面186cが振動している可動体10の振動方向とより平行となり、検出精度の低下をより低減することができる。なお、第1仮想面H1と第3仮想面H3との交差する角度は、90°±0.01°を含んでいる。
本実施形態では、固定検出電極186の可動体10と対向している面186cが、3つの段差面186d,186e,186fで構成されているが、これに限定することはなく、段差面が3つ以上でも構わない。段差面が多くなることにより、固定検出電極186の可動体10と対向している面186cと、振動している可動体10の振動方向と、をより平行とすることができ、物理量センサー1の検出精度の低下をより低減することができる。
検出部180は、複数設けられている。図示の例では、検出部180は、2個設けられている(第1検出部180a、第2検出部180b)。第1検出部180aは、例えば、第2検出部180bの−Y軸方向側に設けられている。
第1検出部180aの可動部182(第1可動部182a)は、第1駆動部150aの駆動により振動する。第1検出部180aの固定検出電極186(第1固定検出電極186a)は、第1検出部180aの可動検出電極184(第1可動検出電極184a)と対向している。第2検出部180bの可動部182(第2可動部182b)は、第2駆動部150bの駆動により振動する。第2検出部180bの固定検出電極186(第2固定検出電極186b)は、第2検出部180bの可動検出電極184(第2可動検出電極184b)と対向している。
第1可動部182aと第2可動部182bとは、例えば、検出バネ部160によって連結されている。
第1可動部182aと、第2可動部182bとは、逆相(逆位相)で振動する。すなわち、例えば、第1可動部182aが+X軸方向側に変位した場合、第2可動部182bは−X軸方向側に変位する。
第1可動部182aおよび第2可動部182bは、同じ大きさであって、同じ形を有している。可動体10は、平面視において、可動体10の中心Cを通りX軸に平行な仮想直線αに関して、対称となる形状を有していてもよい。可動体10は、平面視において、可動体10の中心Cを通りY軸に平行な仮想直線βに関して、対称となる形状を有していてもよい。
第1可動部182aは、2つの可動駆動モニター電極188aと、2つの可動駆動モニター電極189aと、を有しており、各可動駆動モニター電極188aを構成する複数の枝部は本体部から−Y軸方向に延出し、各可動駆動モニター電極189aを構成する複数の枝部は本体部から+Y軸方向に延出している。同様に、第2可動部182bは、2つの可動駆動モニター電極188bと、2つの可動駆動モニター電極189bと、を有しており、各可動駆動モニター電極188bを構成する複数の枝部は本体部から+Y軸方向に延出し、各可動駆動モニター電極189bを構成する複数の枝部は本体部から−Y軸方向に延出している。
固定駆動モニター電極190,192は、基板110に固定されている。固定駆動モニター電極190,192は、例えば、陽極接合によって基板110のアンカー部114(図示せず)に接合されている。固定駆動モニター電極190は、可動部182の可動駆動モニター電極188の各枝部と対向して設けられ、固定駆動モニター電極192は、可動部182の可動駆動モニター電極189の各枝部と対向して設けられている。すなわち、固定駆動モニター電極190と可動駆動モニター電極188とは、静電容量を形成し、固定駆動モニター電極192と可動駆動モニター電極189とは、静電容量を形成する。より詳細には、第1可動部182aの2つの可動駆動モニター電極188aの−Y軸方向側に2つの固定駆動モニター電極190が設けられ、第2可動部182bの2つの可動駆動モニター電極188bの+Y軸方向側に2つの固定駆動モニター電極190が設けられている。また、第1可動部182aの2つの可動駆動モニター電極189aの+Y軸方向側に2つの固定駆動モニター電極192が設けられ、第2可動部182bの2つの可動駆動モニター電極189bの−Y軸方向側に2つの固定駆動モニター電極192が設けられている。固定駆動モニター電極190,192は、例えば、可動駆動モニター電極188,189に対応した歯状の形状を有している。
可動体10の固定部130、バネ部140,160,170、可動駆動電極152および可動部182は、一体的に設けられている。固定部130、バネ部140,160,170、駆動部150および可動部182の材質は、例えば、リン、ボロン等の不純物がドープされることにより導電性が付与されたシリコンである。固定検出電極186の材質は、例えば、アルミニウム、金、白金、ITO(Indium Tin Oxide)である。固定検出電極186としてITO等の透明電極材料を用いることにより、固定検出電極186上に存在する異物等を、基板110の下面側から、容易に視認することができる。
次に、可動体10の動作について説明する。
可動駆動電極152と固定駆動電極154,156との間に、図示しない電源によって、電圧を印加すると、可動駆動電極152と固定駆動電極154,156との間に静電力を発生させることができる。これにより、駆動部150は、可動部182をY軸方向に振動させることができる。
図1に示されるように、第1駆動部150aでは、固定駆動電極154は、可動駆動電極152の+Y軸方向側に設けられ、固定駆動電極156は、可動駆動電極152の−Y軸方向側に設けられている。第2駆動部150bでは、固定駆動電極154は、可動駆動電極152の−Y軸方向側に設けられ、固定駆動電極156は、可動駆動電極152の+Y軸方向側に設けられている。そのため、可動駆動電極152と固定駆動電極154との間に第1交番電圧を印加し、可動駆動電極152と固定駆動電極156との間に第1交番電圧と位相が180度ずれた第2交番電圧を印加することにより、第1可動部182aと第2可動部182bとを互いに逆位相(逆相)でかつ所定の周波数で、Y軸方向に振動させる(音叉型振動させる)ことができる。より具体的には、可動駆動電極152に一定のバイアス電圧が印加され、固定駆動電極154,156に互いに位相が180度ずれた所定の周波数の交流電圧がそれぞれ印加されることにより、第1可動部182aと第2可動部182bとが、互いに逆相でかつ所定の周波数でY軸方向に振動する。
可動部182a,182bが上記の振動を行うと、可動部182a,182bがY軸方向に互いに反対方向に変位することにより、固定駆動モニター電極190と可動駆動モニター電極188aとの間の距離は変化し、固定駆動モニター電極192と可動駆動モニター電極189aとの間の距離は変化する。そのため、固定駆動モニター電極190と可動駆動モニター電極188aとの間の静電容量は変化し、固定駆動モニター電極192と可動駆動モニター電極189aとの間の静電容量は変化する。これらの静電容量の変化は逆向きであり、一方の静電容量が増加するときは他方の静電容量は減少する。
また、可動部182a,182bが上記の振動を行っている状態で、可動体10にX軸まわりの角速度ωxが加わると、コリオリ力が働き、第1可動部182aと、第2可動部182bとは、Z軸方向に互いに反対方向に変位する。可動部182a,182bは、コリオリ力を受けている間、この動作を繰り返す(検出振動する)。
可動部182a,182bがコリオリ力に応じてZ軸方向に変位することにより、可動検出電極184a,184bと固定検出電極186a,186bとの間の距離は、変化する。そのため、可動検出電極184a,184bと固定検出電極186a,186bとの間の静電容量は、変化する。この可動検出電極184a,184bと固定検出電極186a,186bとの間の静電容量の変化量を検出することにより、X軸まわりの角速度ωxを求めることができる。
可動体10では、第1可動部182aと第2可動部182bとは、逆相で振動する。そのため、可動体10では、例えば角速度以外の加速度等の物理量が印加されたとしても、差動検出により加速度成分を相殺することができ、角速度をより正確に検出することができる。
なお、上記では、静電力によって可動部182を振動させる形態(静電駆動方式)について説明したが、可動部182を駆動させる方法は、特に限定されず、圧電駆動方式や、磁場のローレンツ力を利用した電磁駆動方式等を適用することができる。
以上で述べたように、第1実施形態に係る物理量センサー1によれば、以下の特徴を有する。
可動体10の振動方向と交差する方向(X軸方向)からの断面視で、可動体10の断面形状が理想的な直角形状からずれて加工された場合に、物理量センサー1の動作時に不要な振動によって可動体10の振動方向が可動体10と接合している基板110の面110aに平行な第2仮想面H2と交差する方向にずれてしまう。そのため、可動体10の振動方向に沿って、固定検出電極186の可動体10と対向している面186cに、可動体10と対向している複数の段差面186d,186e,186fが階段状に設けられていることで、固定検出電極186の可動体10と対向している複数の段差面186d,186e,186fの最両端の角部P1,P2を結ぶ直線が、振動している可動体10の振動方向と略平行となる。つまり、固定検出電極186の可動体10と対向している面186cが振動している可動体10の振動方向と略平行となる。従って、物理量センサー1の物理量検出時に不要な振動による検出特性ばらつきが減少し、検出精度の低下を低減することができる。
また、固定検出電極186の複数の段差面186d,186e,186fが、可動体10の振動方向の一方の側から順に、n個の段差面から構成され、可動体10とn番目の段差面との間隔をGnとしたとき、G(n−1)<Gn、nは2以上の整数、を満たしている。そのため、固定検出電極186が可動体10の振動方向の一方の側から順に、階段状に形成されているので、固定検出電極186の可動体10と対向している面186cを振動している可動体10の振動方向と略平行とすることができる。従って、物理量センサー1の物理量検出時に不要な振動による検出特性ばらつきがより減少し、検出精度の低下をより低減することができる。
また、可動体10の振動方向に沿って、固定検出電極186の複数の段差面186d,186e,186fの一方の側の角部P1と他方の側の角部P2とを結ぶ第1仮想面H1が、可動体10と接合している基板110の面110aに平行な第2仮想面H2と交差しているので、固定検出電極186の可動体10と対向している面186cと、振動している可動体10の振動方向と、を略平行とすることができる。そのため、物理量センサー1の物理量検出時に不要な振動による検出特性ばらつきが減少し、検出精度の低下を低減することができる。
また、振動方向と交差する弾性梁としての検出バネ部160の側面160dを含む第3仮想面H3が、可動体10と接合している基板110の面110aに平行な第2仮想面H2の法線L1と交差しているので、固定検出電極186の可動体10と対向している面186cが振動している可動体10の振動方向と略平行となる。そのため、物理量センサー1の物理量検出時に不要な振動による検出特性ばらつきが減少し、検出精度の低下を低減することができる。
また、第1仮想面H1が第3仮想面H3と直交することにより、固定検出電極186の可動体10と対向している面186cを振動している可動体10の振動方向とより平行に近づけることができる。そのため、物理量センサー1の物理量検出時に不要な振動による検出特性ばらつきがより減少し、検出精度の低下をより低減することができる。
また、第1仮想面H1と第2仮想面H2との交差角θ1と、第2仮想面H2の法線L1と第3仮想面H3との交差角θ2と、を0.01°以上3.0°以下とすることで、固定検出電極186の可動体10と対向している面186cと、振動している可動体10の振動方向と、を略平行とすることができる。そのため、物理量センサー1の物理量検出時に不要な振動による検出特性ばらつきが減少し、検出精度の低下を低減することができる。
[物理量センサーの製造方法]
以下に、本実施形態に係る物理量センサー1の製造方法の一例について、図5〜図6Hを参照して説明するが、本実施形態はこれらに限定されない。
図5は、図1に示す物理量センサーの製造方法を工程順に示すフローチャートである。図6A〜図6Hは、物理量センサーの製造方法を説明するための断面図である。なお、図6A〜図6Hは、図3のC部の位置に相当する。
図5に示すように、物理量センサー1の製造方法は、[1]基板110を加工する工程(ステップS1)と、[2]検出電極を形成する工程(ステップS2)と、[3]可動体10を形成する工程(ステップS3)と、[4]基板110に蓋体120を接合する工程(ステップS4)とを有する。以下、各工程を順次説明する。
なお、以下では、基板110がアルカリ金属イオンを含むガラス材料で構成され、可動体10がシリコン材料で構成され、蓋体120がシリコン材料で構成されている場合を例に説明する。
[1]基板110を加工する工程(ステップS1)
本工程では、平板状の母材をフォトリソグラフィーおよびエッチングによりパターニングすることにより、図6Hに示すように、凹部112、アンカー部114、および複数の段差面115b,115c,115dを備えた凸部115を有する基板110を形成する。なお、基板110を加工する工程(ステップS1)は、凸部115を形成する工程(ステップS1−1)と、凸部115の可動体10と対向する面である上面115aに複数回のエッチングを行い、複数の段差面115b,115c,115dを形成する工程(ステップS1−2)と、を含んでいる。
先ず、凸部115を形成する工程(ステップS1−1)として、基板110にフォトリソグラフィーおよびエッチングを施し、凹部112、アンカー部114、および凸部115を形成する。その後、再度フォトリソグラフィーおよびエッチングを施し、図6Aに示すように、凸部115を所望の高さに形成する。
次に、凸部115の可動体10と対向する面である上面115aに複数回のエッチングを行い、複数の段差面115b,115c,115dを形成する工程(ステップS1−2)を行う。図6Bに示すように、凹部112、アンカー部114、および凸部115が形成された側の面110a、底面112a、上面115a、および側面に金(Au)やクロム(Cr)等の金属116をスパッタ法や蒸着法により成膜する。その後、図6Cに示すように、金属116の上にレジスト117を塗布し、凸部115の上面115aの一部が露出するパターンをフォトリソグラフィーにより形成する。
次に、エッチングを施し、露出した上面115aの一部を所望の深さにエッチングする。ここで、図6Dに示すように、凸部115に段差面115dが形成される。その後、レジスト117を剥離してから再度レジスト117を塗布し、図6Eに示すように、段差面115dと隣接する凸部115の上面115aの一部の金属116が露出するパターンをフォトリソグラフィーにより形成する。
次に、図6Fに示すように、レジスト117から露出した上面115aの金属116をエッチングし、段差面115dと隣接する上面115aの一部を露出させる。その後、再度エッチングを施し、露出した上面115aの一部を所望の深さにエッチングする。その結果、図6Gに示すように、凸部115の上面115aに深さの異なる段差面115c,115dが形成される。このように、エッチングを繰り返すことにより、凸部115の上面115aに底面112aからの高さが異なる複数の段差面115b,115c,115dを形成することができる。なお、エッチングは、基板110の材料がガラス若しくは石英である場合は弗酸(HF)を適用してエッチングすることができる。基板110の材料がシリコンである場合は水酸化カリウム(KOH)を適用してエッチングすることができる。
最後に、金属116とレジスト117を除去することで、図6Hに示すように、凸部115に複数の段差面115b,115c,115dを有する基板110が完成する。
[2]検出電極(固定検出電極186)を形成する工程(ステップS2)
次に、フォトリソグラフィーおよびエッチングを施し、凸部115の複数の段差面115b,115c,115dの上に検出電極としての固定検出電極186を形成する。なお、同時に、配線(図示せず)も形成する。本工程により、凸部115の上に、階段状に複数の段差面186d,186e,186fを有する固定検出電極186を形成することができる。
[3]可動体10を形成する工程(ステップS3)
次に、固定部130と、駆動バネ部140と、駆動部150と、弾性梁としての検出バネ部160と、連結バネ部170と、可動部182と、固定駆動モニター電極190,192と、を有する可動体10を形成する。
具体的には、まず、板状の素子基板を用意し、基板110の上に素子基板を例えば陽極接合法により接合する。次いで、素子基板を例えば研磨することにより薄肉化した後、その薄肉化した素子基板をフォトリソグラフィーおよびエッチングによりパターニングすることで可動体10を形成する。本実施形態では、素子基板のエッチングとして、反応性プラズマガスを用いたエッチングプロセスとデポジション(堆積)プロセスとを組み合わせたボッシュ・プロセス(Bosch)法を好適に用いている。なお、素子基板の薄肉化は、適宜省略してもよい。
ここで、本実施形態では、前述したように反応性プラズマガスを用いたエッチングプロセスにより素子基板を加工している。反応性プラズマガスによる素子基板の加工は、素子基板を配置したチャンバー内にエッチングガスを導入し、反応性プラズマを発生させるが、反応性プラズマは素子基板に対して同心円状の密度分布を持つため、素子基板の位置によって入射角度が異なる。そのため、素子基板で垂直加工精度に分布が生じる。その結果、得られた可動体10には、反応性プラズマガスによる加工誤差が生じる。
なお、本実施形態は、反応性プラズマガスによる加工誤差を例に挙げているが、他の方法によっても加工誤差等は生じ得る。
このように前述した工程を経て得られた可動体10には、ある程度の加工誤差等が生じる。本実施形態では、前述した工程を経て得られた検出バネ部160の断面(YZ平面)形状は、本来理想的には断面形状が長方形状をなすところ、図4に示すように、平行四辺形状をなす。そのため、可動体10の振動方向は、基板110の面110aと平行なY軸方向でなく、検出バネ部160の側面160dに直交する方向となる。従って、階段状の複数の段差面115b,115c,115dを有する凸部115に固定検出電極186を形成することにより、固定検出電極186の可動体10と対向している面186cが、階段状の複数の段差面186d,186e,186fになるので、振動している可動体10の振動方向と略平行とすることができる。よって、物理量センサー1の物理量検出時に不要な振動による検出特性ばらつきが減少し、検出精度の低下を低減することができる。
[4]基板110に蓋体120を接合する工程(ステップS4)
次に、基板110の面110aに、凹部を有する蓋体120を接合する。これにより、基板110の凹部112と蓋体120の凹部とにより可動体10を収納するキャビティー102が形成され、よって、図1〜図4に示す物理量センサー1を得ることができる。
また、複数の物理量センサー1を製造する場合には、蓋体接合工程(ステップS4)の後に個片化する工程を設けてもよい。
以上説明した本発明の物理量センサー1の製造方法の一例では、前述したように、基板110を加工する工程(S1)において、凸部115を形成する工程(ステップS1−1)と、凸部115の可動体10と対向する面である上面115aに複数回のエッチングを行い、複数の段差面115b,115c,115dを形成する工程(ステップS1−2)と、を含む。
そのため、可動体10の振動方向と交差する方向(X軸方向)からの断面視で、可動体10の断面形状が理想的な直角形状からずれて加工され、物理量センサー1の物理量検出時に不要な振動によって可動体10の振動方向が可動体10と接合している基板110の面110aに平行な第2仮想面H2と交差する方向にずれてしまう。しかし、固定検出電極186が設けられている凸部115に階段状の複数の段差面115b,115c,115dが形成されているため、固定検出電極186の可動体10と対向している面186cが、階段状の複数の段差面186d,186e,186fになる。よって、固定検出電極186の可動体10と対向している複数の段差面186d,186e,186fの最両端の角部P1,P2を結ぶ直線が、振動している可動体10の振動方向と略平行となる。つまり、固定検出電極186の可動体10と対向している面186cが振動している可動体10の振動方向と略平行となる。従って、物理量検出時に不要な振動による検出特性ばらつきが減少し、検出精度の低下を低減することができる物理量センサー1を製造することができる。
<第2実施形態>
[物理量センサー]
次に、本発明の第2実施形態に係る物理量センサー1aについて、図7を参照して説明する。図7は、第2実施形態に係る物理量センサーの概略構成を示す断面図である。
本実施形態に係る物理量センサー1aでは、主に、基板110の構成が異なっていること以外は、前述した第1実施形態に係る物理量センサー1と同様である。
なお、以下の説明では、第2実施形態の物理量センサー1aに関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図7では、前述した実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
第2実施形態に係る物理量センサー1aは、図7に示すように、基板110の凸部115に設けられている固定検出電極186を挟み、可動体10側に突出するストッパー119が設けられている。ストッパー119は、可動体10の可動部182に対向して設けられており、過度な物理量が印加された場合や振動方向と交差する方向からの衝撃が加わった場合に、可動体10と接することで、可動体10の変位量を制限し、可動体10が破損するのを防止することができる。
また、ストッパー119は、固定検出電極186と電位が異なり、可動体10の可動部182と同電位であるため、ストッパー119と可動部182との間に働く静電力を低減し、可動部182がストッパー119に貼り付き難くすることができる。
以上、第2実施形態の物理量センサー1aは、ストッパー119を備えることで、可動体10が破損するのを防止しつつ、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
[複合センサー]
次に、本発明の一実施形態に係る物理量センサー1を適用した複合センサー300について、図8を参照して説明する。
図8は、複合センサーの概略構成を示す機能ブロック図である。
図8に示す複合センサー300は、例えば、自動車、ロボットなどの運動体(被装着装置)の姿勢や挙動(慣性運動量)を検出する、3軸の角速度センサーと、3軸の加速度センサーと、を備えた、いわゆる6軸モーションセンサーとして機能する。
図8に示すように、複合センサー300は、1軸の角速度を検出可能な3つの角速度センサー320x,320y,320zと、3軸の加速度を検出可能な加速度センサー350と、を備えている。角速度センサー320x,320y,320zとしては、特に限定されず、コリオリの力を利用した前述の物理量センサー1,1aを用いることができる。角速度センサー320x,320y,320zは、それぞれ上述した実施形態のように、検出精度の低下を低減させたセンサーであり、安定した高精度の角速度検出が可能である。加速度センサー350は、3軸方向の加速度をそれぞれ測定するために、独立したセンサーを備えることもできる。
このような複合センサー300によれば、上述の実施形態に係る物理量センサー1,1aを適用した角速度センサー320x,320y,320zと、3軸の加速度を検出可能な加速度センサー350とによって容易に複合センサー300を構成することができ、例えば角速度データや加速度データを容易に取得することができる。
[慣性計測ユニット]
次に、本発明の一実施形態に係る物理量センサー1を適用した慣性計測ユニット(IMU:Inertial Measurement Unit)2000について、図9および図10を参照して説明する。図9は、慣性計測ユニットの概略構成を示す分解斜視図である。図10は、慣性計測ユニットの慣性センサー素子の配置例を示す斜視図である。
図9に示す慣性計測ユニット2000(IMU:Inertial Measurement Unit)は、自動車や、ロボットなどの運動体(被装着装置)の姿勢や、挙動(慣性運動量)を検出する装置である。慣性計測ユニット2000は、3軸の加速度センサーと、3軸の角速度センサーと、を備えた、所謂6軸モーションセンサーとして機能する。
慣性計測ユニット2000は、平面形状が略正方形の直方体である。また、正方形の対角線方向に位置する2ヶ所の頂点近傍に、固定部としてのネジ穴2110が形成されている。この2ヶ所のネジ穴2110に2本のネジを通して、自動車などの被装着体の被装着面に慣性計測ユニット2000を固定することができる。なお、部品の選定や設計変更により、例えば、スマートフォンや、デジタルカメラに搭載可能なサイズに小型化することも可能である。
慣性計測ユニット2000は、アウターケース2100と、接合部材2200と、センサーモジュール2300と、を有し、アウターケース2100の内部に、接合部材2200を介在させて、センサーモジュール2300を挿入した構成となっている。また、センサーモジュール2300は、インナーケース2310と、基板2320と、を有している。
アウターケース2100の外形は、慣性計測ユニット2000の全体形状と同様に、平面形状が略正方形の直方体であり、正方形の対角線方向に位置する2ヶ所の頂点近傍に、それぞれネジ穴2110が形成されている。また、アウターケース2100は、箱状であり、その内部にセンサーモジュール2300が収納されている。
インナーケース2310は、基板2320を支持する部材であり、アウターケース2100の内部に収まる形状となっている。また、インナーケース2310には、基板2320との接触を防止するための凹部2311や後述するコネクター2330を露出させるための開口2312が形成されている。このようなインナーケース2310は、接合部材2200(例えば、接着剤を含浸させたパッキン)を介してアウターケース2100に接合されている。また、インナーケース2310の下面には、接着剤を介して基板2320が接合されている。
図10に示すように、基板2320の上面には、コネクター2330、Z軸まわりの角速度を検出する角速度センサー2340z、X軸、Y軸およびZ軸の各軸方向の加速度を検出する加速度センサー2350などが実装されている。また、基板2320の側面には、X軸まわりの角速度を検出する角速度センサー2340xおよびY軸まわりの角速度を検出する角速度センサー2340yが実装されている。なお、角速度センサー2340z、2340x、2340yとしては、特に限定されず、例えば前述した物理量センサー1など、コリオリの力を利用した振動ジャイロセンサーを用いることができる。また、加速度センサー2350としては、特に限定されず、例えば、静電容量型の加速度センサーを用いることができる。
また、基板2320の下面には、制御部としての制御IC2360が実装されている。制御IC2360は、MCU(Micro Controller Unit)であり、不揮発性メモリーを含む記憶部や、A/Dコンバーターなどを内蔵しており、慣性計測ユニット2000の各部を制御する。記憶部には、加速度および角速度を検出するための順序と内容を規定したプログラムや、検出データをデジタル化してパケットデータに組込むプログラムおよび付随するデータなどが記憶されている。なお、基板2320には、その他にも複数の電子部品が実装されている。
以上、慣性計測ユニット2000について説明した。このような慣性計測ユニット2000は、物理量センサー1としての角速度センサー2340z、2340x、2340yおよび加速度センサー2350と、これら各センサー2340z、2340x、2340y、2350の駆動を制御する制御IC2360(制御部)と、を含んでいる。これにより、上述した物理量センサー1の効果を享受でき、信頼性の高い慣性計測ユニット2000が得られる。
[携帯型電子機器]
次に、本発明の一実施形態に係る物理量センサー1を適用した携帯型電子機器について、図11および図12を参照して説明する。図11は、携帯型電子機器の構成を模式的に示す平面図である。図12は、携帯型電子機器の概略構成を示す機能ブロック図である。
以下、携帯型電子機器の一例として、腕時計型の活動計(アクティブトラッカー)であるリスト機器1000を示して説明する。
リスト機器1000は、図11に示すように、バンド1032,1037等によってユーザーの手首等の部位(被検体)に装着され、デジタル表示の表示部250を備えるとともに無線通信が可能である。上述した本発明に係る物理量センサー1は、角速度を計測するセンサーとしてリスト機器1000に組込まれている。
リスト機器1000は、少なくとも物理量センサー1が収容されているケース1030と、ケース1030に収容され、物理量センサー1からの出力データを処理する処理部200(図12参照)と、ケース1030に収容されている表示部250と、ケース1030の開口部を塞いでいる透光性カバー1071と、を備えている。ケース1030の透光性カバー1071のケース1030の外側には、ベゼル1078が設けられている。ケース1030の側面には、複数の操作ボタン1080,1081が設けられている。以下、図12も併せて参照しながら、さらに詳細に説明する。
加速度センサー213は、互いに交差する(理想的には直交する)3軸方向の各々の加速度を検出し、検出した3軸加速度の大きさおよび向きに応じた信号(加速度信号)を出力する。また、物理量センサー1としての角速度センサー214は、互いに交差する(理想的には直交する)3軸方向の各々の角速度を検出し、検出した3軸角速度の大きさおよび向きに応じた信号(角速度信号)を出力する。
表示部250を構成する液晶ディスプレイ(LCD)では、種々の検出モードに応じて、例えば、GPSセンサー210や地磁気センサー211を用いた位置情報、移動量や物理量センサー1に含まれる角速度センサー214を用いた運動量などの運動情報、脈拍センサー215などを用いた脈拍数などの生体情報、もしくは現在時刻などの時刻情報などが表示される。なお、温度センサー216を用いた環境温度を表示することもできる。
通信部270は、ユーザー端末と図示しない情報端末との間の通信を成立させるための各種制御を行う。通信部270は、例えば、Bluetooth(登録商標)(BTLE:Bluetooth Low Energyを含む)、Wi−Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)、Zigbee(登録商標)、NFC(Near field communication)、ANT+(登録商標)等の近距離無線通信規格に対応した送受信機や通信部270はUSB(Universal Serial Bus)等の通信バス規格に対応したコネクターを含んで構成される。
処理部200(プロセッサー)は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等により構成される。処理部200は、記憶部240に格納されたプログラムと、操作部220(例えば操作ボタン1080,1081)から入力された信号とに基づき、各種の処理を実行する。処理部200による処理には、GPSセンサー210、地磁気センサー211、圧力センサー212、加速度センサー213、角速度センサー214、脈拍センサー215、温度センサー216、計時部230の各出力信号に対するデータ処理、表示部250に画像を表示させる表示処理、音出力部260に音を出力させる音出力処理、通信部270を介して情報端末と通信を行う通信処理、バッテリー280からの電力を各部へ供給する電力制御処理などが含まれる。
このようなリスト機器1000では、少なくとも以下のような機能を有することができる。
1.距離:高精度のGPS機能により計測開始からの合計距離を計測する。
2.ペース:ペース距離計測から、現在の走行ペースを表示する。
3.平均スピード:走行開始から現在までの平均スピードを算出し表示する。
4.標高:GPS機能により、標高を計測し表示する。
5.ストライド:GPS電波が届かないトンネル内などでも歩幅を計測し表示する。
6.ピッチ:1分あたりの歩数を計測し表示する。
7.心拍数:脈拍センサーにより心拍数を計測し表示する。
8.勾配:山間部でのトレーニングやトレイルランにおいて、地面の勾配を計測し表示する。
9.オートラップ:事前に設定した一定距離や一定時間を走った時に、自動でラップ計測を行う。
10.運動消費カロリー:消費カロリーを表示する。
11.歩数:運動開始からの歩数の合計を表示する。
なお、リスト機器1000は、ランニングウォッチ、ランナーズウォッチ、デュアスロンやトライアスロン等マルチスポーツ対応のランナーズウォッチ、アウトドアウォッチ、および衛星測位システム、例えばGPSを搭載したGPSウォッチ、等に広く適用できる。
また、上述では、衛星測位システムとしてGPS(Global Positioning System)を用いて説明したが、他の全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を利用してもよい。例えば、EGNOS(European Geostationary satellite Navigation Overlay Service)、QZSS(Quasi Zenith Satellite System)、GLONASS(GLObal NAvigation Satellite System)、GALILEO、BeiDou(BeiDou Navigation Satellite System)、等の衛星測位システムのうち1又は2以上を利用してもよい。また、衛星測位システムの少なくとも1つにWAAS(Wide Area Augmentation System)、EGNOS(European Geostationary satellite Navigation Overlay Service)等の静止衛星型衛星航法補強システム(SBAS:Satellite Based Augmentation System)を利用してもよい。
このような携帯型電子機器は、物理量センサー1および処理部200を備えているので、優れた信頼性を有している。
[電子機器]
次に、本発明の一実施形態に係る物理量センサー1を適用した電子機器について、図13〜図15を参照して説明する。
先ず、図13を参照して、電子機器の一例であるモバイル型のパーソナルコンピューター1100について説明する。図13は、電子機器の一例であるモバイル型のパーソナルコンピューターの構成を模式的に示す斜視図である。
この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部1108を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には、角速度センサーとして機能する物理量センサー1が内蔵されており、物理量センサー1の検出データに基づいて制御部1110が、例えば姿勢制御などの制御を行なうことができる。
図14は、電子機器の一例であるスマートフォン(携帯型電話機)の構成を模式的に示す斜視図である。
この図において、スマートフォン1200は、上述した物理量センサー1が組込まれている。物理量センサー1によって検出された検出データ(角速度データ)は、スマートフォン1200の制御部1201に送信される。制御部1201は、CPU(Central Processing Unit)を含んで構成されており、受信した検出データからスマートフォン1200の姿勢や、挙動を認識して、表示部1208に表示されている表示画像を変化させたり、警告音や、効果音を鳴らしたり、振動モーターを駆動して本体を振動させることができる。換言すれば、スマートフォン1200のモーションセンシングを行い、計測された姿勢や、挙動から、表示内容を変えたり、音や、振動などを発生させたりすることができる。特に、ゲームのアプリケーションを実行する場合には、現実に近い臨場感を味わうことができる。
図15は、電子機器の一例であるディジタルスチールカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。
ディジタルスチールカメラ1300のケース(ボディー)1302の背面には、表示部1310が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部1310は、被写体を電子画像として表示するファインダーとしても機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部1310に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。また、このディジタルスチールカメラ1300では、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニター1430が、データ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1308に格納された撮像信号が、テレビモニター1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。このようなディジタルスチールカメラ1300には、角速度センサーとして機能する物理量センサー1が内蔵されており、物理量センサー1の検出データに基づいて制御部1316が、例えば手振れ補正などの制御を行なうことができる。
このような電子機器は、物理量センサー1および制御部1110,1201,1316を備えているので、優れた信頼性を有している。
なお、物理量センサー1を備える電子機器は、図13のパーソナルコンピューター1100、図14のスマートフォン(携帯型電話機)1200、図15のディジタルスチールカメラ1300の他にも、例えば、タブレット端末、時計、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター、地震計、歩数計、傾斜計、ハードディスクの振動を計測する振動計、ロボットやドローンなど飛行体の姿勢制御装置、自動車の自動運転用慣性航法に使用される制御機器等に適用することができる。
[移動体]
次に、本発明の一実施形態に係る物理量センサー1を適用した移動体について、図16を参照して説明する。図16は、移動体の一例である自動車の構成を示す斜視図である。
図16に示すように、移動体としての自動車1500には、物理量センサー1が内蔵されており、例えば、物理量センサー1によって車体1501の姿勢を検出することができる。物理量センサー1の検出信号は、車体の姿勢を制御する姿勢制御部としての車体姿勢制御装置1502に供給され、車体姿勢制御装置1502は、その信号に基づいて車体1501の姿勢を検出し、検出結果に応じてサスペンションの硬軟を制御したり、個々の車輪1503のブレーキを制御したりすることができる。また、物理量センサー1は、他にもキーレスエントリー、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Indium Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター等の電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)に広く適用できる。
また、移動体に適用される物理量センサー1は、上記の例示の他にも、例えば、二足歩行ロボットや電車などの姿勢制御、ラジコン飛行機、ラジコンヘリコプター、およびドローンなどの遠隔操縦あるいは自律式の飛行体の姿勢制御、農業機械(農機)、もしくは建設機械(建機)などの姿勢制御、ロケット、人工衛星、船舶、AGV(無人搬送車)、二および足歩行ロボットなどの制御において利用することができる。以上のように、各種移動体の姿勢制御の実現にあたって、物理量センサー1およびそれぞれの制御部(不図示)が組み込まれる。
このような移動体は、物理量センサー1、および制御部(例えば、姿勢制御部としての車体姿勢制御装置1502)を備えているので、優れた信頼性を有している。
以上、物理量センサー1,1a、複合センサー300、慣性計測ユニット2000、携帯型電子機器(1000)、電子機器(1100,1200,1300)、および移動体(1500)を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
また、前述した実施形態では、X軸、Y軸およびZ軸が互いに直交しているが、互いに交差していれば、これに限定されず、例えば、X軸がYZ平面の法線方向に対して若干傾いていてもよいし、Y軸がXZ平面の法線方向に対して若干傾いていてもよいし、Z軸がXY平面の法線方向に対して若干傾いていてもよい。なお、若干とは、物理量センサー1,1aがその効果を発揮することができる範囲を意味し、具体的な傾き角度(数値)は、構成等によって異なる。
1,1a…物理量センサー、10…可動体、102…キャビティー、110…基板、110a…面、112…凹部、112a…底面、114…アンカー部、115…凸部、115a…上面、115b,115c,115d…段差面、116…金属、117…レジスト、119…ストッパー、120…蓋体、130…固定部、130a…第1固定部、130b…第2固定部、130c…第3固定部、140…駆動バネ部、150…駆動部、152…可動駆動電極、154,156…固定駆動電極、160…検出バネ部、160d…側面、162…延出部、170…連結バネ部、180…検出部、182…可動部、184…可動検出電極、186…固定検出電極、186c…面、186d,186e,186f…段差面、188,188a,188b…可動駆動モニター電極、189…可動駆動モニター電極、190,192…固定駆動モニター電極、300…複合センサー、1000…リスト機器、1100…パーソナルコンピューター、1200…スマートフォン、1300…ディジタルスチールカメラ、1500…自動車、2000…慣性計測ユニット、D1,D2,D3…間隔、H1…第1仮想面、H2…第2仮想面、H3…第3仮想面、L1…法線、P1,P2…角部、θ1,θ2…交差角。

Claims (14)

  1. 検出電極が設けられている基板と、
    前記検出電極と対向している可動体と、
    一方が前記基板に設けられているアンカー部に接続され、他方が前記可動体に接続されている弾性梁と、を含み、
    前記可動体の振動方向に沿って、
    前記検出電極の前記可動体と対向している面は、前記可動体と対向している複数の段差面が設けられている、
    物理量センサー。
  2. 請求項1において、
    前記複数の段差面は、前記可動体の振動方向の一方の側から順に、n個の段差面から構成され、
    前記可動体とn番目の段差面との間隔をGnとしたとき、
    G(n−1)<Gn、nは2以上の整数、
    を満たす、
    物理量センサー。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    前記可動体の振動方向と交差する方向からの断面視で、
    前記振動方向に沿って、
    前記検出電極の前記複数の段差面の一方の側の角部と他方の側の角部とを結ぶ第1仮想面が、前記可動体と接合している前記基板の面に平行な第2仮想面と交差している、
    物理量センサー。
  4. 請求項3において、
    前記可動体の前記振動方向と交差する前記弾性梁の側面を含む第3仮想面は、
    前記第2仮想面の法線と交差している
    物理量センサー。
  5. 請求項4において、
    前記第1仮想面は、前記第3仮想面と直交している
    物理量センサー。
  6. 請求項4又は請求項5において、
    前記第1仮想面と前記第2仮想面との交差角をθ1、
    前記法線と前記第3仮想面との交差角をθ2としたとき、
    0.01°≦θ1≦3.0°、
    0.01°≦θ2≦3.0°、
    を満たしている、
    物理量センサー。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項において、
    前記基板にストッパーが設けられ、
    前記ストッパーは、前記可動体の可動部と同電位であり、且つ、前記検出電極と電位が異なる、
    物理量センサー。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項において、
    前記物理量センサーは、角速度センサーである、
    物理量センサー。
  9. 請求項8に記載の物理量センサーと、
    加速度センサーと、
    を含む、
    複合センサー。
  10. 請求項8に記載の物理量センサーと、
    加速度センサーと、
    前記物理量センサーおよび前記加速度センサーを制御する制御部と、
    を備えている、
    慣性計測ユニット。
  11. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の物理量センサーと、
    前記物理量センサーが収容されているケースと、
    前記ケースに収容され、前記物理量センサーからの出力データを処理する処理部と、
    前記ケースに収容されている表示部と、
    前記ケースの開口部を塞いでいる透光性カバーと、
    を含む、
    携帯型電子機器。
  12. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の物理量センサーと、
    前記物理量センサーから出力された検出信号に基づいて制御を行う制御部と、
    を備えている、
    電子機器。
  13. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の物理量センサーと、
    前記物理量センサーから出力された検出信号に基づいて姿勢の制御を行う姿勢制御部と、
    を備えている、
    移動体。
  14. 基板を加工する工程と、
    検出電極を形成する工程と、
    可動体を形成する工程と、
    前記基板に蓋体を接合する工程と、を含む物理量センサーの製造方法であって、
    前記基板を加工する工程は、
    凸部を形成する工程と、
    前記凸部の前記可動体と対向する面に複数回のエッチングを行い、複数の段差面を形成する工程と、
    を含む、
    物理量センサーの製造方法。
JP2017244783A 2017-12-21 2017-12-21 物理量センサー、複合センサー、慣性計測ユニット、携帯型電子機器、電子機器、移動体、および物理量センサーの製造方法 Pending JP2019113330A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017244783A JP2019113330A (ja) 2017-12-21 2017-12-21 物理量センサー、複合センサー、慣性計測ユニット、携帯型電子機器、電子機器、移動体、および物理量センサーの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017244783A JP2019113330A (ja) 2017-12-21 2017-12-21 物理量センサー、複合センサー、慣性計測ユニット、携帯型電子機器、電子機器、移動体、および物理量センサーの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019113330A true JP2019113330A (ja) 2019-07-11

Family

ID=67223654

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017244783A Pending JP2019113330A (ja) 2017-12-21 2017-12-21 物理量センサー、複合センサー、慣性計測ユニット、携帯型電子機器、電子機器、移動体、および物理量センサーの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019113330A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112698054A (zh) * 2019-10-23 2021-04-23 精工爱普生株式会社 物理量传感器、电子设备和移动体
US20210333303A1 (en) * 2020-04-28 2021-10-28 Seiko Epson Corporation Physical Quantity Sensor, Electronic Apparatus, and Vehicle

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112698054A (zh) * 2019-10-23 2021-04-23 精工爱普生株式会社 物理量传感器、电子设备和移动体
CN112698054B (zh) * 2019-10-23 2023-12-12 精工爱普生株式会社 物理量传感器、电子设备和移动体
US20210333303A1 (en) * 2020-04-28 2021-10-28 Seiko Epson Corporation Physical Quantity Sensor, Electronic Apparatus, and Vehicle
CN113567708A (zh) * 2020-04-28 2021-10-29 精工爱普生株式会社 物理量传感器、电子设备以及移动体
US11740258B2 (en) * 2020-04-28 2023-08-29 Seiko Epson Corporation Physical quantity sensor, electronic apparatus, and vehicle
CN113567708B (zh) * 2020-04-28 2024-01-12 精工爱普生株式会社 物理量传感器、电子设备以及移动体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6911645B2 (ja) 物理量センサー、物理量センサーの製造方法、複合センサー、慣性計測ユニット、携帯型電子機器、電子機器及び移動体
US11754594B2 (en) Physical quantity sensor, composite sensor, inertial measurement unit, portable electronic apparatus, electronic apparatus, and vehicle
US11448506B2 (en) Inertial sensor, method for manufacturing inertial sensor, inertial measurement unit, portable electronic apparatus, electronic apparatus, and vehicle
US11852652B2 (en) Angular velocity sensor, electronic apparatus, and vehicle
JP2019109141A (ja) 物理量センサー、複合センサー、慣性計測ユニット、携帯型電子機器、電子機器、移動体、および物理量センサーの製造方法
US10969224B2 (en) Physical quantity sensor, physical quantity sensor device, composite sensor device, inertia measurement device, vehicle positioning device, portable electronic device, electronic apparatus, vehicle, and output signal adjustment method of physical quantity sensor
JP2019113330A (ja) 物理量センサー、複合センサー、慣性計測ユニット、携帯型電子機器、電子機器、移動体、および物理量センサーの製造方法
JP2019078608A (ja) 物理量センサー、慣性計測装置、移動体測位装置、携帯型電子機器、電子機器および移動体
JP2019078607A (ja) 物理量センサー、慣性計測装置、移動体測位装置、携帯型電子機器、電子機器および移動体
JP2019060737A (ja) 物理量センサー、慣性計測装置、移動体測位装置、携帯型電子機器、電子機器および移動体
JP7167425B2 (ja) 物理量センサー、慣性計測装置、移動体測位装置、携帯型電子機器、電子機器、および移動体
JP6879424B2 (ja) 物理量センサー、複合センサー、慣性計測ユニット、携帯型電子機器、電子機器、および移動体
JP7022364B2 (ja) 物理量センサー、複合センサー、慣性計測ユニット、携帯型電子機器、電子機器、および移動体
JP2019117099A (ja) 物理量センサー、物理量センサーの製造方法、複合センサー、慣性計測ユニット、携帯型電子機器、電子機器、および移動体
JP7310988B2 (ja) 物理量センサー、慣性計測装置、移動体測位装置、携帯型電子機器、電子機器、および移動体
JP2019074433A (ja) 物理量センサー、慣性計測装置、移動体測位装置、携帯型電子機器、電子機器および移動体
JP7036273B2 (ja) 角速度センサー、慣性計測装置、移動体測位装置、携帯型電子機器、電子機器、および移動体
JP7135291B2 (ja) 物理量センサー、慣性計測装置、移動体測位装置、電子機器および移動体
JP2019060736A (ja) 物理量センサー、慣性計測装置、移動体測位装置、携帯型電子機器、電子機器、および移動体
JP2019132689A (ja) 物理量センサー、物理量センサーデバイス、複合センサーデバイス、慣性計測装置、移動体測位装置、携帯型電子機器、電子機器および移動体
JP2019132688A (ja) 物理量センサー、物理量センサーデバイス、複合センサーデバイス、慣性計測装置、移動体測位装置、携帯型電子機器、電子機器および移動体

Legal Events

Date Code Title Description
RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20180910

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20181121

RD07 Notification of extinguishment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7427

Effective date: 20200806