JP2019060736A - 物理量センサー、慣性計測装置、移動体測位装置、携帯型電子機器、電子機器、および移動体 - Google Patents
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Abstract
【課題】固定部に可動電極を支持している梁部と支持部との丁字形状の連結部分の破損を減少させた物理量センサーを提供する。【解決手段】物理量センサー1は、基板と、前記基板に対して移動可能な可動電極部と、前記基板に接続された固定部451に連結され、第1の方向に沿って設けられている梁部(連結梁461)と、前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って設けられ、前記梁部および前記可動電極部と連結されている支持部(支持梁463)と、前記支持部の前記梁部側の外縁(463a)から前記第1の方向に凹み、底部(底面462c)を有する凹部462と、を備え、前記梁部は、前記凹部の前記底部において前記支持部と連結されている。【選択図】図8
Description
本発明は、物理量センサー、慣性計測装置、移動体測位装置、携帯型電子機器、電子機器および、移動体に関するものである。
近年、シリコンMEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を用いて製造された物理量センサーが開発されている。このような物理量センサーとして、例えば特許文献1には、櫛歯状をなして対向配置されている可動電極および固定電極を有する素子を有し、これら二つの電極間の静電容量に基づいて物理量(角速度)を検出する静電容量型の物理量センサーが記載されている。そして、この構成では、固定部に一端が連結された梁状の支持部と、該支持部の他端が丁字形状(T字形状)に連結されたバネ部と、によって可動電極が移動可能に支持されている。
しかしながら、特許文献1に記載されている物理量センサーの構成では、外部から加わる振動や衝撃などの応力が、固定部に可動電極を支持しているバネ部と支持部との丁字形状の連結部分に集中し易く、集中した応力によって該連結部分におけるバネ部の破損を生じ易いという問題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る物理量センサーは、基板と、前記基板に対して移動可能な可動電極部と、前記基板に接続されている固定部に連結され、第1の方向に沿って設けられている梁部と、前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って設けられ、前記梁部および前記可動電極部と連結されている支持部と、前記支持部の前記梁部側の外縁から前記第1の方向に凹み、底部を有する凹部と、を備え、前記梁部は、前記凹部の前記底部において前記支持部と連結されている。
本適用例に係る物理量センサーによれば、固定部と連結された梁部が凹部の底部において支持部に所謂丁字(ていじ)形状(T字形状)に連結される。換言すれば、可動電極部を基板に対して移動可能に支持する梁部と支持部との丁字形状の連結部分では、第1方向に延在する梁部の第2方向の両側に支持部(凹部の内側面)が存在するため、従来は梁部側の連結部位に集中していた応力が梁部側と凹部内壁側とに分散される。これによって、梁部側の連結部位に集中する応力を小さくすることができ、梁部の破損を低減することが可能となる。
[適用例2]上記適用例に記載の物理量センサーにおいて、前記梁部および前記支持部の厚さをtとし、厚さtが、20μm≦t<30μmのとき、前記凹部は、前記梁部の前記第1方向に沿って設けられている両側の側面とのそれぞれの距離をL、前記梁部側の外縁から前記底部までの距離をDとして、2.0μm≦L≦3.0μm、且つ2.0μm≦D≦3.0μm、を満たすように設けられていることが好ましい。
本適用例によれば、梁部と凹部との距離(間隔の幅寸法)Lと、凹部の梁部側の外縁から底面までの距離(凹部の奥行)Dとを、上述のような範囲の内とすることにより、梁部と支持部との連結部分において応力集中の生じ易い外形形状の出現を減少させることができ、応力集中による梁部の破損を低減することができる。
[適用例3]上記適用例に記載の物理量センサーにおいて、前記凹部は、前記支持部の前記厚さ方向に貫通されていることが好ましい。
本適用例によれば、厚さ方向の両側から加工を行うことができることから、容易に所望の形状を形成することができる。
[適用例4]上記適用例に記載の物理量センサーにおいて、前記梁部の一方の側の前記側面との距離Lと、他方の側の前記側面との距離Lとが、略等しいことが好ましい。
本適用例によれば、梁部に対して凹部の第2方向の外縁が略対称形状となることから、応力も梁部の両側で等分に分散され、梁部の破損をより低減することができる。
[適用例5]本適用例に係る慣性計測装置は、上記適用例のいずれか一例に記載の物理量センサーと、前記物理量センサーの駆動を制御する制御回路と、を含む。
本適用例に係る慣性計測装置によれば、上述したような物理量センサーの効果を享受でき、信頼性の高い慣性計測装置を得ることができる。
[適用例6]本適用例に係る移動体測位装置は、上記適用例に記載の慣性計測装置と、測位用衛星から位置情報が重畳された衛星信号を受信する受信部と、受信した前記衛星信号に基づいて、前記受信部の位置情報を取得する取得部と、前記慣性計測装置から出力された慣性データに基づいて、移動体の姿勢を演算する演算部と、算出された前記姿勢に基づいて前記位置情報を補正することにより、前記移動体の位置を算出する算出部と、を含む。
本適用例に係る移動体測位装置によれば、上述したような物理量センサーの効果を享受でき、信頼性の高い移動体測位装置を得ることができる。
[適用例7]本適用例に係る携帯型電子機器は、上記適用例のいずれか一例に記載の物理量センサーと、前記物理量センサーが収容されているケースと、前記ケースに収容され、前記物理量センサーからの出力データを処理する処理部と、前記ケースに収容されている表示部と、前記ケースの開口部を塞いでいる透光性カバーと、を含む。
本適用例に記載の携帯型電子機器によれば、上述したような物理量センサーの効果を享受でき、信頼性の高い携帯型電子機器を得ることができる。
[適用例8]本適用例に係る電子機器は、上記適用例のいずれか一例に記載の物理量センサーと、前記物理量センサーから出力された検出信号に基づいて制御を行う制御部と、を備えている。
本適用例に記載の電子機器によれば、上述したような物理量センサーの効果を享受でき、信頼性の高い電子機器を得ることができる。
[適用例9]本適用例に係る移動体は、上記適用例のいずれか一例に記載の物理量センサーと、前記物理量センサーから出力された検出信号に基づいて姿勢の制御を行う姿勢制御部と、を備えている。
本適用例に記載の移動体によれば、上述したような物理量センサーの効果を享受でき、信頼性の高い移動体を得ることができる。
以下、本発明に係る物理量センサー、慣性計測装置、移動体測位装置、携帯型電子機器、電子機器、および移動体を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
<物理量センサー>
まず、図1〜図6を参照して、本発明の実施形態に係る物理量センサーについて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る物理量センサーを示す平面図である。図2は、図1中のA−A線断面図である。図3は、図1の物理量センサーが有する素子部を示す平面図である。図4および図5は、それぞれ、図3の素子部が有する逆相ばねの拡大平面図である。図6は、図3に示す素子部の振動モードを説明するための模式図である。なお、各図には、互いに直交する三つの軸としてX軸、Y軸およびZ軸が図示され、基板に接合された素子部の各部位が配置される平面をX軸およびY軸とし、基板と蓋体とが接合されている方向をZ軸としている。また、X軸に平行な方向を「X軸方向」または「第2の方向」、Y軸に平行な方向を「Y軸方向」または「第1の方向」、Z軸に平行な方向を「Z軸方向」とも言う。また、各軸の矢印先端側を「プラス側」とも言い、反対側を「マイナス側」とも言う。また、Z軸方向プラス側を「上または上側」とも言い、Z軸方向マイナス側を「下または下側」とも言う。
まず、図1〜図6を参照して、本発明の実施形態に係る物理量センサーについて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る物理量センサーを示す平面図である。図2は、図1中のA−A線断面図である。図3は、図1の物理量センサーが有する素子部を示す平面図である。図4および図5は、それぞれ、図3の素子部が有する逆相ばねの拡大平面図である。図6は、図3に示す素子部の振動モードを説明するための模式図である。なお、各図には、互いに直交する三つの軸としてX軸、Y軸およびZ軸が図示され、基板に接合された素子部の各部位が配置される平面をX軸およびY軸とし、基板と蓋体とが接合されている方向をZ軸としている。また、X軸に平行な方向を「X軸方向」または「第2の方向」、Y軸に平行な方向を「Y軸方向」または「第1の方向」、Z軸に平行な方向を「Z軸方向」とも言う。また、各軸の矢印先端側を「プラス側」とも言い、反対側を「マイナス側」とも言う。また、Z軸方向プラス側を「上または上側」とも言い、Z軸方向マイナス側を「下または下側」とも言う。
図1に示す物理量センサー1は、Z軸まわりの角速度ωzを検出することのできる角速度センサーである。物理量センサー1は、基板2と、蓋体3と、素子部4と、を有している。
図1に示すように、基板2は、Z軸方向からの平面視で、矩形の平面視形状を有する板状をなしている。また、基板2は、上側の面である上面に開放する凹部21を有している。凹部21は、素子部4と基板2との接触を防止(抑制)するための逃げ部として機能する。また、基板2は、凹部21の底面から突出する複数のマウント22(221,222,223,224,225)を有している。そして、これらマウント22の上面に素子部4が接合されている。これにより、基板2との接触が防止された状態で、基板2に素子部4を固定することができる。また、基板2は、上面に開放する溝部23,24,25,26,27,28を有している。
基板2としては、例えば、ナトリウムイオン(Na+)、リチウムイオン(Li+)等の可動イオン(アルカリ金属イオン、以下Na+で代表する)を含むガラス材料(例えば、テンパックス(登録商標)ガラス、パイレックス(登録商標)ガラスのような硼珪酸ガラス)で構成されたガラス基板を用いることができる。これにより、例えば、後述するように、基板2と素子部4とを陽極接合することができ、これらを強固に接合することができる。また、光透過性を有する基板2が得られるため、物理量センサー1の外側から、基板2を介して素子部4の状態を視認することができる。ただし、基板2の構成材料としては、特に限定されず、シリコン基板、セラミックス基板等を用いてもよい。
図1に示すように、溝部23,24,25,26,27,28には、それぞれ、配線73,74,75,76,77,78が配置されている。配線73,74,75,76,77,78は、それぞれ、素子部4と電気的に接続されている。また、配線73,74,75,76,77,78の一端部は、それぞれ、蓋体3の外側に露出し、外部装置との電気的な接続を行う電極パッドPとして機能する。
図1に示すように、蓋体3は、Z軸方向からの平面視で、矩形の平面視形状を有する板状をなしている。また、図2に示すように、蓋体3は、下面に開放する凹部31を有している。蓋体3は、凹部31内に素子部4を収納するようにして、基板2の上面に接合されている。そして、蓋体3および基板2によって、その内側に、素子部4を収納する収納空間Sが形成されている。
また、図2に示すように、蓋体3は、収納空間Sの内外を連通する連通孔32を有している。そのため、連通孔32を介して、収納空間Sを所望の雰囲気に置換することができる。また、連通孔32内には封止部材33が配置され、封止部材33によって連通孔32が気密封止されている。なお、収納空間Sは、減圧状態、特に真空状態であることが好ましい。これにより、粘性抵抗が減り、素子部4を効率的に振動させることができる。
このような蓋体3としては、例えば、シリコン基板を用いることができる。ただし、蓋体3としては、特に限定されず、例えば、ガラス基板やセラミックス基板を用いてもよい。また、基板2と蓋体3との接合方法としては、特に限定されず、基板2や蓋体3の材料によって適宜選択すればよいが、例えば、陽極接合、プラズマ照射によって活性化させた接合面同士を接合させる活性化接合、ガラスフリット等の接合材による接合、基板2の上面および蓋体3の下面に成膜した金属膜同士を接合する拡散接合等が挙げられる。本実施形態では、ガラスフリット39(低融点ガラス)を介して基板2と蓋体3とが接合されている。
素子部4は、収納空間Sに配置されており、マウント22の上面に接合されている。素子部4は、例えば、リン(P)、ボロン(B)等の不純物がドープされた導電性のシリコン基板をドライエッチング法(シリコンディープエッチング)によってパターニングすることで形成することができる。以下、素子部4について詳細に説明する。なお、以下では、Z軸方向からの平面視で、素子部4の中心Oと交わり、Y軸方向に延びる直線を「仮想直線α」とも言う。
図3に示すように、素子部4の形状は、仮想直線αに対して対称である。また、素子部4は、仮想直線αの両側に配置された駆動部41A,41Bを有している。駆動部41Aは、可動電極部として、櫛歯状の可動駆動電極411Aと、櫛歯状をなし可動駆動電極411Aと空隙を有して互い違いに配置された固定駆動電極412Aと、を有している。同様に、駆動部41Bは、可動電極部として、櫛歯状の可動駆動電極411Bと、櫛歯状をなし可動駆動電極411Bと空隙を有して互い違いに配置された固定駆動電極412Bと、を有している。
また、固定駆動電極412Aは、可動駆動電極411Aよりも外側(仮想直線αから遠い側)に位置し、固定駆動電極412Bは、可動駆動電極411Bよりも外側(仮想直線αから遠い側)に位置している。また、固定駆動電極412A,412Bは、それぞれ、マウント221の上面に接合され、基板2に固定されている。また、可動駆動電極411A,411Bは、それぞれ、配線73と電気的に接続されており、固定駆動電極412A,412Bは、それぞれ、配線74と電気的に接続されている。
また、素子部4は、駆動部41Aの周囲に配置された四つの固定部42Aと、駆動部41Bの周囲に配置された四つの固定部42Bと、を有している。そして、各固定部42A,42Bは、マウント222の上面に接合され、基板2に固定されている。
また、素子部4は、各固定部42Aと可動駆動電極411Aとを連結する四つの駆動ばね43Aと、各固定部42Bと可動駆動電極411Bとを連結する四つの駆動ばね43Bと、を有している。各駆動ばね43AがX軸方向に弾性変形することで可動駆動電極411AのX軸方向への変位が許容され、各駆動ばね43BがX軸方向に弾性変形することで可動駆動電極411BのX軸方向への変位が許容される。
配線73,74を介して可動駆動電極411A,411Bと固定駆動電極412A,412Bとの間に駆動電圧を印加すると、可動駆動電極411Aと固定駆動電極412Aとの間および可動駆動電極411Bと固定駆動電極412Bとの間にそれぞれ静電引力が発生する。この静電引力により、可動駆動電極411Aが駆動ばね43AをX軸方向に弾性変形させつつX軸方向に振動すると共に、可動駆動電極411Bが駆動ばね43BをX軸方向に弾性変形させつつX軸方向に振動する。駆動部41A,41Bは、仮想直線αに対して対称的に配置されているため、可動駆動電極411A,411Bは、互いに接近、離間を繰り返すようにX軸方向に逆相で振動する。そのため、可動駆動電極411A,411Bの振動がキャンセルされ、振動漏れを低減することができる。以下では、この振動モードを「駆動振動モード」とも言う。
なお、本実施形態の物理量センサー1では、静電引力によって駆動振動モードを励振させる静電駆動方式となっているが、駆動振動モードを励振させる方式としては、特に限定されず、例えば、圧電駆動方式、磁場のローレンツ力を利用した電磁駆動方式等を適用することもできる。
また、素子部4は、駆動部41A,41Bの間に配置された検出部44A,44Bを有している。検出部44Aは、可動電極部として、櫛歯状に配置された複数の電極指を備えた可動検出電極441Aと、櫛歯状に配置された複数の電極指を備え可動検出電極441Aの電極指と空隙を有して互い違いに配置された固定検出電極442A,443Aと、を有している。固定検出電極442A,443Aは、Y軸方向に並んで配置され、可動検出電極441Aの中心に対してY軸方向プラス側に固定検出電極442Aが位置し、Y軸方向マイナス側に固定検出電極443Aが位置している。また、固定検出電極442A,443Aは、それぞれ、可動検出電極441AをX軸方向両側から挟み込むようにして一対配置されている。
同様に、検出部44Bは、可動電極部として、櫛歯状に配置された複数の電極指を備えた可動検出電極441Bと、櫛歯状に配置された複数の電極指を備え可動検出電極441Bの電極指と空隙を有して互い違いに配置された固定検出電極442B,443Bと、を有している。固定検出電極442B,443Bは、Y軸方向に並んで配置され、可動検出電極441Bの中心に対してY軸方向プラス側に固定検出電極442Bが位置し、Y軸方向マイナス側に固定検出電極443Bが位置している。また、固定検出電極442B,443Bは、それぞれ、可動検出電極441BをX軸方向の両側から挟み込むようにして一対配置されている。
可動検出電極441A,441Bは、それぞれ、配線73と電気的に接続され、固定検出電極442A,443Bは、それぞれ、配線75と電気的に接続され、固定検出電極443A,442Bは、それぞれ、配線76と電気的に接続されている。物理量センサー1の駆動時には、可動検出電極441Aと固定検出電極442Aとの間および可動検出電極441Bと固定検出電極443Bとの間に静電容量Caが形成され、可動検出電極441Aと固定検出電極443Aとの間および可動検出電極441Bと固定検出電極442Bとの間に静電容量Cbが形成される。
また、素子部4は、検出部44A,44Bの間に配置された二つの固定部451,452を有している。固定部451,452は、それぞれ、マウント224の上面に接合され、基板2に固定されている。固定部451,452は、Y軸方向に並び、間隔を空けて配置されている。なお、本実施形態では、固定部451,452を介して可動駆動電極411A,411Bや可動検出電極441A,441Bが配線73と電気的に接続されている。
また、素子部4は、可動検出電極441Aと固定部42A,451,452とを接続する四つの検出ばね46Aと、可動検出電極441Bと固定部42B,451,452とを接続する四つの検出ばね46Bと、を有している。各検出ばね46AがX軸方向に弾性変形することで可動検出電極441AのX軸方向への変位が許容され、Y軸方向に弾性変形することで可動検出電極441AのY軸方向への変位が許容される。同様に、各検出ばね46BがX軸方向に弾性変形することで可動検出電極441BのX軸方向への変位が許容され、Y軸方向に弾性変形することで可動検出電極441BのY軸方向への変位が許容される。
(梁部(連結梁)および支持部(支持梁)の第1実施形態)
四つの検出ばね46Aの内の二つの検出ばね46Aは、検出部44Aに対して+X軸側に位置する固定部42Aと連結されている。また、同様に四つの検出ばね46Bの内の二つの検出ばね46Bは、検出部44Bに対して−X軸側に位置する固定部42Bと連結されている。他の二つの検出ばね46A,46Bは、対向する可動検出電極441Aと可動検出電極441Bとの間の略中央部で連結され、X軸方向(第2の方向)に沿った支持部としての支持梁463が設けられている。そして、一方端が固定部451,452に連結され、Y軸方向(第1の方向)に沿って配置された梁部としての連結梁461によって、固定部451,452と支持梁463とが、所謂丁字形状に連結されている。ここで丁字(ていじ)形状とは、例えばアルファベットの「T」のように、一つの直線に対して他の直線の端が突き抜けることなく交わっている状態を示している。
四つの検出ばね46Aの内の二つの検出ばね46Aは、検出部44Aに対して+X軸側に位置する固定部42Aと連結されている。また、同様に四つの検出ばね46Bの内の二つの検出ばね46Bは、検出部44Bに対して−X軸側に位置する固定部42Bと連結されている。他の二つの検出ばね46A,46Bは、対向する可動検出電極441Aと可動検出電極441Bとの間の略中央部で連結され、X軸方向(第2の方向)に沿った支持部としての支持梁463が設けられている。そして、一方端が固定部451,452に連結され、Y軸方向(第1の方向)に沿って配置された梁部としての連結梁461によって、固定部451,452と支持梁463とが、所謂丁字形状に連結されている。ここで丁字(ていじ)形状とは、例えばアルファベットの「T」のように、一つの直線に対して他の直線の端が突き抜けることなく交わっている状態を示している。
ここで、丁字形状の連結部では、図7に比較例として示す従来の形態のような、支持部としてX軸方向に帯状に延びる支持梁563の一方の外縁563aに、梁部としての連結梁561が丁字形状に連結されている構成がある。なお、図7は、梁部としての連結梁に生じるクラックを説明する平面図である。しかしながら、図7に示されているような構成では、丁字形状の連結部分と反対側の連結梁561が固定部551に連結されていることにより、固定部551を基端として連結梁561に加わる回転モーメントの大きな連結部分(丁字部分)に応力が発生し易く、それに伴って応力集中が起こり易いため、素子部4の製造過程や物理量センサー1の組み立て過程において、丁字形状に連結されている部分の連結梁561にクラックCを生じ、連結梁561の折れなどの破損に至ることが度々あった。
このような、連結梁561のクラックCや折れに対する対応策としては、連結梁561の幅(X軸方向の寸法)を大きくしたり支持梁563の幅(Y軸方向の寸法)を大きくしたりすることが考えられるが、質量(重さ)が大きくなって垂れ下がりを生じるなど素子部4の支持が行い難くなったり、振動を利用した物理用センサーの場合には共振周波数が変動したりするなどの問題を有していた。
これに対し、本願発明者は、支持梁463と連結梁461との連結部分を、図8および図9に示すような構成とすることによって、支持梁463と連結梁461とを大きくすることなく(重量を増大させることなく)、また共振周波数を変動させることなく連結梁461に生じるクラックCの発生を防止することができることを見出した。
以下、図8および図9を参照して、本願発明者が見出したクラックCの発生を防止することが可能な、支持梁463と連結梁461との連結部分の構成について詳細に説明する。図8は、素子部4が有する梁部(連結梁461)および支持部(支持梁463)の第1実施形態を示し、図3に示すQ部の拡大平面図である。図9は、第1実施形態に係る梁部および支持部の図8中のB−B線断面図である。なお、固定部451側の構成を代表例として説明する。
支持梁463は、図8および図9に示すように、連結梁461と連結される部分に、支持梁463の連結梁461側の外縁463aからY軸方向に凹み、X軸方向の両側に配置された内壁面(内側面)462a,462bと底面(内底面である底部)462cとを有する凹部462を備えている。凹部462は、Z軸方向からの平面視で、略矩形の平面視形状を有している。そして、連結梁461は、凹部462の底面462cにおいて、支持梁463と所謂丁字形状に連結されている。換言すれば、支持梁463の連結部分における連結梁461のX軸方向の両側には、支持梁463との間に凹部462によって間隙が設けられ、凹部462の内において支持梁463と連結梁461とが連結されている。
このように、連結梁461が凹部462の底面(底部)462cにおいて支持梁463に連結されることにより、換言すれば、連結梁461と支持梁463との連結部分では、連結梁461のX軸方向の両側に支持梁463(凹部462の内壁面(内側面)462a,462b)が存在する。これにより、物理量センサー1に衝撃や振動などが加わることによって、支持梁463と連結梁461との連結部分に生じる応力が、連結梁461側と凹部462の内壁面462a,462b側とに分散され、連結梁461側に集中する応力を小さくすることができ、連結梁461に生じるクラックなどの破損を低減することができる。
具体的に、凹部462は、X軸方向において、連結梁461のX軸方向の両側に配置されている側面461a,461bの、一方の側面461aと内壁面462aとの間、および他方の側面461bと内壁面462bとの間のそれぞれの距離(間隔の幅寸法)をL(La,Lb)とし、外縁463aから底面462cまでの距離(奥行)をDとして、
2.0μm≦L≦3.0μm、且つ2.0μm≦D≦3.0μm、を満たすように設けられていることが好ましい。
2.0μm≦L≦3.0μm、且つ2.0μm≦D≦3.0μm、を満たすように設けられていることが好ましい。
このような寸法範囲内に凹部462を構成すれば、図10に示すように、連結梁461に生じるクラックなどの破損を低減できることが確認できた。図10は、第1実施形態に係る素子部の梁部(連結梁461)に生じるクラックの発生率を示す表である。図10に示す表では、距離Lと距離Dとを組み合わせたサンプルを作製し、連結梁461と支持梁463との連結部分において連結梁461に生じるクラックの発生率Pn(%)として表している。
比較例として図7に示した構成では、同様な確認結果で、クラック発生率が、Pn=70%であった。これに対し、本形態の凹部462を有する構成では、図10に示すように、2.0μm≦L≦3.0μm、且つ2.0μm≦D≦3.0μmの範囲内で凹部462を構成すれば、連結梁461におけるクラックの発生は見られないことが確認できた。なお、このときの連結梁461および支持梁463の厚さは、t=25μmであり、20μm≦t<30μmが好ましい範囲であると考察している。
このように、連結梁461と凹部462(内壁面462a,462b)との距離Lと、凹部462の支持梁463の外縁463aから底面462cまでの距離(凹部462の奥行)Dとを、上述のような寸法範囲の内で構成することにより、連結梁461と支持梁463との連結部分において応力集中の生じ易い外形形状の出現を減少させることができ、応力集中による連結梁461のクラックなどの破損を低減することができる。
なお、凹部462は、支持梁463の厚さ方向(Z軸方向)に貫通、即ち上側の面から下側の面まで貫通されていることが好ましい。このように、凹部462が支持梁463の厚さ方向に貫通されていることにより、凹部462の形成に当たって、厚さ方向の両側から加工を行うことができることから、容易に所望の形状を形成することができる。
また、凹部462と連結梁461の一方の側の側面461aとの距離L(La)と、凹部462と他方の側の側面461bとの距離L(Lb)とが、略等しいことが好ましい。このようにすれば、連結梁461に対して凹部462のX軸方向の外縁(内壁面462a,462b)が略対称形状となることから、連結梁461のX軸方向の両側で応力が等分に分散され、連結梁461のクラックなどの破損をより低減することができる。
図3に戻り、さらに素子部4は、駆動部41Aと検出部44Aとの間に位置し、可動駆動電極411Aと可動検出電極441Aとを接続する逆相ばね47Aと、駆動部41Bと検出部44Bとの間に位置し、可動駆動電極411Bと可動検出電極441Bとを接続する逆相ばね47Bと、を有している。可動検出電極441Aは、逆相ばね47AがX軸方向に弾性変形することで可動駆動電極411Aに対してX軸方向に変位することができる。同様に、可動検出電極441Bは、逆相ばね47BがX軸方向に弾性変形することで可動駆動電極411Bに対してX軸方向に変位することができる。
図4に示すように、逆相ばね47Aは、ばね本体471Aと、ばね本体471Aと可動駆動電極411Aとを連結する梁477Aと、ばね本体471Aと可動検出電極441Aとを連結する梁478Aと、を有している。また、ばね本体471Aは、Y軸方向に延在する形状をなし、X軸方向に弾性変形可能なアーム472Aと、Y軸方向に延在する形状をなし、X軸方向に弾性変形可能なアーム473Aと、を有している。アーム472A,473Aは、X軸方向に隙間を空けて配置され、アーム472Aの中央部に梁477Aが接続され、アーム473Aの中央部に梁478Aが接続されている。また、ばね本体471Aは、アーム472A,473Aの一端部同士を接続する接続部474Aと、アーム472A,473Aの他端部同士を接続する接続部475Aと、を有している。したがって、ばね本体471Aは、中央部が開口する枠状となっている。
逆相ばね47Bは、逆相ばね47Aと同様の構成であり、図5に示すように、ばね本体471Bと、ばね本体471Bと可動駆動電極411Bとを連結する梁477Bと、ばね本体471Bと可動検出電極441Bとを連結する梁478Bと、を有している。
ここで、図6に示すように、駆動振動モードでは、可動駆動電極411Aの振動が逆相ばね47Aを介して可動検出電極441Aに伝わるため、可動検出電極441Aは、可動駆動電極411Aの振動に連動してX軸方向に振動する。同様に、可動駆動電極411Bの振動が逆相ばね47Bを介して可動検出電極441Bに伝わるため、可動検出電極441Bは、可動駆動電極411Bの振動に連動してX軸方向に振動する。また、前述したように、可動駆動電極411A,411BがX軸方向に逆相で振動するため、可動検出電極441A,441Bも、互いに接近、離間を繰り返すようにX軸方向に逆相で振動する。そのため、可動検出電極441A,441Bの振動がキャンセルされ、基板2への振動漏れを低減することができる。
さらに、駆動振動モードでは、逆相ばね47Aの弾性変形を利用して、可動検出電極441Aは、可動駆動電極411Aと接近、離間を繰り返すようにX軸方向に逆相で振動する。同様に、逆相ばね47Bの弾性変形を利用して、可動検出電極441Bは、可動駆動電極411Bと接近、離間を繰り返すようにX軸方向に逆相で振動する。これにより、可動検出電極441Aと可動駆動電極411Aの振動の少なくとも一部がキャンセルされると共に、可動検出電極441Bと可動駆動電極411Bの振動の少なくとも一部がキャンセルされる。したがって、可動検出電極441Aと可動駆動電極411Aおよび可動検出電極441Bと可動駆動電極411Bがそれぞれ同相で振動する場合と比較して、基板2への振動漏れをより効果的に低減することができる。なお、駆動振動モードで可動検出電極441Aと可動駆動電極411Aとを逆相で振動させるためには、例えば、これらの間にある逆相ばね47Aのばね定数を調整すればよく、可動検出電極441Bと可動駆動電極411Bとを逆相で振動させるためには、例えば、これらの間にある逆相ばね47Bのばね定数を調整すればよい。
なお、可動検出電極441Aと可動駆動電極411Aおよび可動検出電極441Bと可動駆動電極411Bがそれぞれ逆相で振動する逆相モードの共振周波数f1と、可動検出電極441Aと可動駆動電極411Aおよび可動検出電極441Bと可動駆動電極411Bがそれぞれ同相で振動する同相モードの共振周波数f2と、の差が大きい程、逆相モードで振動させ易く、また、同相モードが結合し難くなる(すなわち、逆相モードが支配的となる)。具体的には、例えば、逆相モードの共振周波数f1が30kHz程度である場合、同相モードの共振周波数f2は、共振周波数から3kHz以上(すなわち、10%以上)離れていることが好ましい。これにより、同相モードが十分に結合し難くなり、より安定して、逆相モードで駆動させることができる。
なお、「可動検出電極441A(441B)と可動駆動電極411A(411B)とを逆相で振動させる」とは、逆相モード以外の振動が結合していない場合はもちろん、逆相モードが支配的であれば、他の振動モード(例えば、前述した同相モード)が結合していてもよい。また、例えば、可動検出電極441Aと可動駆動電極411Aとの振動に位相差がない場合はもちろん、位相差がある場合も含まれる。位相差がない場合とは、例えば、可動駆動電極411AがX軸方向プラス側に変位し出す時刻と可動検出電極441AがX軸方向マイナス側に変位し出す時刻が一致していることを意味する。また、位相差がある場合とは、例えば、可動駆動電極411AがX軸方向プラス側に変位し出す時刻よりも後から可動検出電極441AがX軸方向マイナス側に変位し出すことを意味する。
このような駆動振動モードで駆動させている最中に物理量センサー1に角速度ωzが加わると、可動検出電極441A,441Bは、コリオリの力によって、図6中の矢印Fに示すように、検出ばね46A,46BをY軸方向に弾性変形させつつY軸方向に逆相で振動する(この振動を「検出振動モード」とも言う)。検出振動モードでは、可動検出電極441A,441BがY軸方向に振動するため、可動検出電極441Aと固定検出電極442A,443Aとのギャップおよび可動検出電極441Bと固定検出電極442B,443Bとのギャップがそれぞれ変化し、それに伴って静電容量Ca,Cbがそれぞれ変化する。そのため、静電容量Ca,Cbの変化に基づいて、角速度ωzを求めることができる。
検出振動モードでは、静電容量Caが大きくなると静電容量Cbが小さくなり、反対に、静電容量Caが小さくなると静電容量Cbが大きくなる。そのため、配線75に接続されたQVアンプから出力される検出信号(静電容量Caの大きさに応じた信号)と、配線76に接続されたQVアンプから出力される検出信号(静電容量Cbの大きさに応じた信号)とを差動演算(減算処理:Ca−Cb)することで、ノイズをキャンセルすることができ、より精度よく角速度ωzを検出することができる。
ここで、駆動振動モードでは、逆相ばね47Aの伸縮によって可動検出電極441Aの振幅が可動駆動電極411Aの振幅よりも大きくなり、逆相ばね47Bの伸縮によって可動検出電極441Bの振幅が可動駆動電極411Bの振幅よりも大きくなる。そのため、駆動振動モードでの可動検出電極441A,441Bの振幅を増大させることができ、その分、より大きいコリオリの力が作用する。したがって、角速度ωzの検出感度が向上する。また、小さい駆動力で可動検出電極441A,441Bを大きく振動させることができるため、消費電力を低減することもできる。
また、図3に示すように、素子部4は、その中央部(検出部44Aと検出部44Bとの間)に位置するフレーム48を有している。フレーム48は、アルファベットの「H」の輪郭に沿った形状、所謂H形状をなし、Y軸方向プラス側に位置する欠損部481(凹部)と、Y軸方向マイナス側に位置する欠損部482(凹部)と、を有している。そして、欠損部481の内外に亘って固定部451が配置されており、欠損部482の内外に亘って固定部452が配置されている。これにより、固定部451,452をY軸方向に長く形成することができ、その分、基板2との接合面積が増え、基板2と素子部4との接合強度が増す。
また、素子部4は、固定部451とフレーム48との間に位置し、これらを接続するフレームばね488と、固定部452とフレーム48との間に位置し、これらを接続するフレームばね489と、を有している。
また、素子部4は、フレーム48と可動検出電極441Aとの間に位置し、これらを接続する接続ばね40Aと、フレーム48と可動検出電極441Bとの間に位置し、これらを接続する接続ばね40Bと、を有している。接続ばね40Aは、検出ばね46Aと共に可動検出電極441Aを支持し、接続ばね40Bは、検出ばね46Bと共に可動検出電極441Bを支持している。そのため、可動検出電極441A,441Bを安定した姿勢で支持することができ、可動検出電極441A,441Bの不要振動(スプリアス)を低減することができる。
なお、駆動振動モードでは、接続ばね40A,40Bが弾性変形することで検出部44A,44Bを含む可動体の振動が許容され、検出振動モードでは、接続ばね40A,40Bおよびフレームばね488,489が弾性変形すると共に、フレーム48が中心Oまわりに回動することで、可動検出電極441A,441BのY軸方向への振動が許容される。
また、素子部4は、駆動振動モードでの可動駆動電極411A,411Bの振動状態を検出するためのモニター部49A,49Bを有している。モニター部49Aは、可動検出電極441Aに配置され、櫛歯状に配置された複数の電極指を備えた可動モニター電極491Aと、櫛歯状に配置された複数の電極指を備え可動モニター電極491Aの電極指と間隙を有して互い違いに配置された固定モニター電極492A,493Aと、を有している。固定モニター電極492Aは、可動モニター電極491Aに対してX軸方向プラス側に位置し、固定モニター電極493Aは、可動モニター電極491Aに対してX軸方向マイナス側に位置している。
同様に、モニター部49Bは、可動検出電極441Bに配置され、櫛歯状に配置された複数の電極指を備えた可動モニター電極491Bと、櫛歯状に配置された複数の電極指を備え可動モニター電極491Bの電極指と間隙を有して互い違いに配置された固定モニター電極492B,493Bと、を有している。固定モニター電極492Bは、可動モニター電極491Bに対してX軸方向マイナス側に位置し、固定モニター電極493Bは、可動モニター電極491Bに対してX軸方向プラス側に位置している。
これら固定モニター電極492A,493A,492B,493Bは、それぞれ、マウント225の上面に接合され、基板2に固定されている。また、可動モニター電極491A,491Bは、それぞれ、配線73と電気的に接続され、固定モニター電極492A,492Bは、それそれ、配線77と電気的に接続され、固定モニター電極493A,493Bは、それぞれ、配線78と電気的に接続されている。また、配線77,78は、それぞれ、QVアンプ(電荷電圧変換回路)に接続される。物理量センサー1の駆動時には、可動モニター電極491Aと固定モニター電極492Aとの間および可動モニター電極491Bと固定モニター電極492Bとの間に静電容量Ccが形成され、可動モニター電極491Aと固定モニター電極493Aとの間および可動モニター電極491Bと固定モニター電極493Bとの間に静電容量Cdが形成される。
前述したように、駆動振動モードでは、可動検出電極441A,441BがX軸方向に振動するため、可動モニター電極491Aと固定モニター電極492A,493Aとのギャップおよび可動モニター電極491Bと固定モニター電極492B,493Bとのギャップがそれぞれ変化し、それに伴って静電容量Cc,Cdがそれぞれ変化する。そのため、静電容量Cc,Cdの変化に基づいて、検出部44A,44Bを含む可動体の振動状態(特にX軸方向への振幅)を検出することができる。
駆動振動モードでは、静電容量Ccが大きくなると静電容量Cdが小さくなり、反対に、静電容量Ccが小さくなると静電容量Cdが大きくなる。そのため、配線77に接続されたQVアンプから得られる検出信号(静電容量Ccの大きさに応じた信号)と、配線78に接続されたQVアンプから得られる検出信号(静電容量Cdの大きさに応じた信号)とを差動演算(減算処理:Cc−Cd)することで、ノイズをキャンセルすることができ、より精度よく検出部44A,44Bを含む可動体の振動状態を検出することができる。
なお、モニター部49A,49Bからの出力によって検出された検出部44A,44Bを含む可動体の振動状態(振幅)は、検出部44A,44Bを含む可動体に電圧V2を印加する駆動回路にフィードバックされる。駆動回路は、検出部44A,44Bを含む可動体の振幅が目標値となるように、電圧V2の周波数やDuty比を変更する。これにより、より確実に、検出部44A,44Bを含む可動体を所定の振幅で振動させることができ、角速度ωzの検出精度が向上する。
以上、素子部4が有する梁部(連結梁461)の第1実施形態を適用した物理量センサー1について説明した。前述したように、可動駆動電極411Aと可動検出電極441Aおよび可動駆動電極411Bと可動検出電極441Bとが、それぞれX軸方向に逆相で振動する物理量センサー1は、支持梁463の連結部分における連結梁461のX軸方向の両側に、支持梁463との間に凹部462によって間隙が設けられ、凹部462の内において支持梁463と連結梁461とが連結されている。このように、連結梁461が凹部462の底面(底部)462cにおいて支持梁463に連結されることにより、物理量センサー1に衝撃や振動などが加わることによって、支持梁463と連結梁461との連結部分に生じる応力が、連結梁461側と凹部462の内壁面462a,462b側とに分散され、連結梁461側に集中する応力を小さくすることができ、連結梁461に生じるクラックなどの破損を低減することができる。
(梁部(連結梁)および支持部(支持梁)の第2実施形態)
次に、素子部4が有する梁部(連結梁)および支持部(支持梁)の第2実施形態について、図11を参照して説明する。図11は、図3の素子部が有する梁部および支持部の第2実施形態を示し、図3に示すQ部の拡大平面図である。なお、以下の説明では、前述した第1実施形態に係る梁部(連結梁461)および支持部(支持梁463)との相違点を中心に説明し、同様の事項については、素子部4の構成を含めて、同一符号を付してその説明を省略する。
次に、素子部4が有する梁部(連結梁)および支持部(支持梁)の第2実施形態について、図11を参照して説明する。図11は、図3の素子部が有する梁部および支持部の第2実施形態を示し、図3に示すQ部の拡大平面図である。なお、以下の説明では、前述した第1実施形態に係る梁部(連結梁461)および支持部(支持梁463)との相違点を中心に説明し、同様の事項については、素子部4の構成を含めて、同一符号を付してその説明を省略する。
素子部4は、図3に示されている第1実施形態と同様に、可動検出電極441Aと固定部42A,451,452とを接続する四つの検出ばね46Aと、可動検出電極441Bと固定部42B,451,452とを接続する四つの検出ばね46Bと、を有している。四つの検出ばね46Aの内の二つの検出ばね46Aは、検出部44Aに対して+X軸側に位置する固定部42Aと連結されている。また、同様に四つの検出ばね46Bの内の二つの検出ばね46Bは、検出部44Bに対して−X軸側に位置する固定部42Bと連結されている。他の二つの検出ばね46A,46Bは、対向する可動検出電極441Aと可動検出電極441Bとの間の略中央部で連結され、X軸方向(第2の方向)に沿った支持部としての支持梁463が設けられている。そして、一方端が固定部451,452に連結され、Y軸方向(第1の方向)に沿って配置された梁部としての連結梁461によって、固定部451,452と支持梁463とが、所謂丁字形状に連結されている。
以下、第2実施形態に係る構成を、図11を参照して具体的に説明するが、固定部451側の構成を代表例として説明する。第2実施形態に係る構成では、図11に示すように、固定部451を含む連接部469に一端が連結された連結梁461と、連接部469に一端が連結され、連結梁461のX軸方向の両側のそれぞれに、連結梁461と間隙を有して並行する並設部468と、連結梁461の他端が連結された支持梁463と、が設けられている。
支持梁463は、図11に示すように、連結梁461と連結される部分に、支持梁463の連結梁461側の外縁463aからY軸方向に凹み、X軸方向の両側に配置された内壁面(内側面)462a,462bと底面(内底面である底部)462cとを有する凹部462を備えている。凹部462は、Z軸方向からの平面視で、略矩形の平面視形状を有している。そして、連結梁461は、凹部462の底面462cにおいて、支持梁463と所謂丁字形状に連結されている。換言すれば、支持梁463の連結部分における連結梁461のX軸方向の両側には、支持梁463との間に凹部462によって間隙が設けられ、凹部462の内において支持梁463と連結梁461とが連結されている。
このように、連結梁461が凹部462の底面(底部)462cにおいて支持梁463に連結されることにより、換言すれば、連結梁461と支持梁463との連結部分では、連結梁461のX軸方向の両側に支持梁463(凹部462の内壁面(内側面)462a,462b)が存在する。これにより、物理量センサー1に衝撃や振動などが加わることによって、支持梁463と連結梁461との連結部分に生じる応力が、連結梁461側と凹部462の内壁面462a,462b側とに分散され、連結梁461側に集中する応力を小さくすることができ、連結梁461に生じるクラックなどの破損を低減することができる。なお、凹部462の具体的な構成は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
並設部468は、一端が連接部469に連結され、連結梁461のX軸方向の両側に、連結梁461と間隙(幅w)を有して並行し、他端が支持梁463の外縁463aとの間の距離Wを有して対向する位置に一対で設けられている。なお、図11では、他端と支持梁463との間の距離Wと、並設部468と連結梁461との間隙の幅wとが、異なる寸法で図示されているが、距離Wと間隙の幅wとを同寸法とすることができる。
上述したような第2実施形態に係る梁部(連結梁461)および並設部468を含む構成においても、第1実施形態と同様な効果を奏することができる。
(梁部(連結梁)および支持部(支持梁)の変形例1)
次に、素子部4が有する梁部(連結梁)および支持部(支持梁)の変形例1について、図12を参照して説明する。図12は、梁部および支持部(支持梁)の変形例1を示し、図3に示すQ部の拡大平面図である。なお、以下の説明では、前述した第1実施形態および第2実施形態に係る梁部(連結梁461)および支持部(支持梁463)との相違点を中心に説明し、同様の事項については、同一符号を付してその説明を省略する。また、固定部451側の構成を代表例として説明する。
次に、素子部4が有する梁部(連結梁)および支持部(支持梁)の変形例1について、図12を参照して説明する。図12は、梁部および支持部(支持梁)の変形例1を示し、図3に示すQ部の拡大平面図である。なお、以下の説明では、前述した第1実施形態および第2実施形態に係る梁部(連結梁461)および支持部(支持梁463)との相違点を中心に説明し、同様の事項については、同一符号を付してその説明を省略する。また、固定部451側の構成を代表例として説明する。
変形例1に係る連結梁464は、図12に示すように、固定部451との連結側に位置する狭幅部464aと、固定部451との連結側と反対側の支持梁463との連結側に位置する広幅部464bと、を有している。そして、連結梁464は、広幅部464bにおいて、支持梁463と連結されている。
支持梁463は、連結梁464と連結される部分に、支持梁463の連結梁464側の外縁463aからY軸方向に凹み、X軸方向の両側に配置された内壁面(内側面)465a,465bと底面(内底面である底部)465cとを有する凹部465を備えている。凹部465は、Z軸方向からの平面視で、略矩形の平面視形状を有している。そして、連結梁464は、凹部465の底面465cにおいて、広幅部464bが支持梁463と所謂丁字形状に連結されている。換言すれば、支持梁463の連結部分における連結梁464のX軸方向の両側には、支持梁463との間に凹部465によって間隙が設けられ、凹部465の内において支持梁463と連結梁464とが連結されている。
変形例1のように、連結梁464が凹部465の底面(底部)465cにおいて支持梁463に連結されることにより、換言すれば、連結梁464と支持梁463との連結部分では、連結梁464のX軸方向の両側に支持梁463(凹部465の内壁面(内側面)465a,465b)が存在する。これにより、物理量センサー1に衝撃や振動などが加わることによって、支持梁463と連結梁464との連結部分に生じる応力が、連結梁464側と凹部465の内壁面465a,465b側とに分散され、連結梁464側に集中する応力を小さくすることができ、連結梁464に生じるクラックなどの破損を低減することができる。また、支持梁463との連結を、比較的強度の強い幅広の広幅部464bで行っていることから、さらに連結梁464に生じるクラックなどの破損を起こり難くすることができる。
なお、凹部465の、連結梁464(広幅部464b)のX軸方向の両側に配置されている一方の側面464baと内壁面465aとの間、および他方の側面464bbと内壁面465bとの間のそれぞれの距離L(La,Lb)や、外縁463aから底面465cまでの距離Dなどの具体的な構成は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
また、連結梁464の構成を、広幅部464bに替えて、固定部451から支持梁463に向けて順次幅寸法が大きくなる構成、両側面の外縁が所謂テーパー形状をなした梁部(連結梁)とすることができ、上述と同様な効果を奏することができる。
(梁部(連結梁)および支持部(支持梁)の変形例2)
次に、素子部4が有する梁部(連結梁)および支持部(支持梁)の変形例2について、図13を参照して説明する。図13は、梁部および支持部の変形例2を示し、図3に示すQ部の拡大平面図である。なお、以下の説明では、前述した第1実施形態および第2実施形態に係る梁部(連結梁461および支持梁463)との相違点を中心に説明し、同様の事項については、同一符号を付してその説明を省略する。また、固定部451側の構成を代表例として説明する。
次に、素子部4が有する梁部(連結梁)および支持部(支持梁)の変形例2について、図13を参照して説明する。図13は、梁部および支持部の変形例2を示し、図3に示すQ部の拡大平面図である。なお、以下の説明では、前述した第1実施形態および第2実施形態に係る梁部(連結梁461および支持梁463)との相違点を中心に説明し、同様の事項については、同一符号を付してその説明を省略する。また、固定部451側の構成を代表例として説明する。
図13に示す梁部および支持部の変形例2は、支持梁463に設けられている凹部467の構成が異なる。変形例2の凹部467は、支持梁463の連結梁461側の外縁463aからY軸方向に凹み、X軸方向の両側に配置された内壁面(内側面)467a,467bと底面(内底面である底部)467cとを有している。内壁面(内側面)467a,467bは、底面(内底面)467cに向かって幅寸法が狭くなるように傾斜している。そして、連結梁461は、凹部467の底面467cにおいて、支持梁463と所謂丁字形状に連結されている。換言すれば、支持梁463の連結部分における連結梁461のX軸方向の両側には、支持梁463との間に凹部467(傾斜する内壁面467a,467b)によって間隙が設けられ、凹部467の内において支持梁463と連結梁461とが連結されている。
このような変形例2の梁部(連結梁461)および支持部(支持梁463)においても、上述した第1実施形態と同様な効果を奏することができる。
なお、上述した実施形態および変形例では、X軸方向に沿った支持梁463と、Y軸方向に沿った連結梁461,464とが、直交する構成で説明したが、必ずしも直交していなくてもよく、支持梁463に対して傾斜して交差する方向に沿って連結梁461,464が連結される構成としてもよい。
また、上述した実施形態および変形例の構成は、X軸方向に沿った支持梁463と、Y軸方向に沿った連結梁461,464とに限らず、固定部に連結され、第1の方向に沿って設けられている梁部と、当該梁部および可動電極部と連結されている支持部とを有し、梁部が支持部に設けられた凹部の内で連結されている構成であれば、同様に適用することができる。
<慣性計測装置>
次に、図14および図15を参照して、慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)について説明する。図14は、慣性計測装置の概略構成を示す分解斜視図である。図15は、慣性計測装置の慣性センサー素子の配置例を示す斜視図である。
次に、図14および図15を参照して、慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)について説明する。図14は、慣性計測装置の概略構成を示す分解斜視図である。図15は、慣性計測装置の慣性センサー素子の配置例を示す斜視図である。
図14に示す慣性計測装置2000(IMU:Inertial Measurement Unit)は、自動車や、ロボットなどの運動体(被装着装置)の姿勢や、挙動(慣性運動量)を検出する装置である。慣性計測装置2000は、3軸の加速度センサーと、3軸の角速度センサーと、を備えた、いわゆる6軸モーションセンサーとして機能する。
慣性計測装置2000は、平面形状が略正方形の直方体である。また、正方形の対角線方向に位置する2ヶ所の頂点近傍に、固定部としてのネジ穴2110が形成されている。この2ヶ所のネジ穴2110に2本のネジを通して、自動車などの被装着体の被装着面に慣性計測装置2000を固定することができる。なお、部品の選定や設計変更により、例えば、スマートフォンや、デジタルカメラに搭載可能なサイズに小型化することも可能である。
慣性計測装置2000は、アウターケース2100と、接合部材2200と、センサーモジュール2300と、を有し、アウターケース2100の内部に、接合部材2200を介在させて、センサーモジュール2300を挿入した構成となっている。また、センサーモジュール2300は、インナーケース2310と、基板2320と、を有している。
アウターケース2100の外形は、慣性計測装置2000の全体形状と同様に、平面形状が略正方形の直方体であり、正方形の対角線方向に位置する2ヶ所の頂点近傍に、それぞれネジ穴2110が形成されている。また、アウターケース2100は、箱状であり、その内部にセンサーモジュール2300が収納されている。
インナーケース2310は、基板2320を支持する部材であり、アウターケース2100の内部に収まる形状となっている。また、インナーケース2310には、基板2320との接触を防止するための凹部2311や後述するコネクター2330を露出させるための開口2312が形成されている。このようなインナーケース2310は、接合部材2200(例えば、接着剤を含浸させたパッキン)を介してアウターケース2100に接合されている。また、インナーケース2310の下面には接着剤を介して基板2320が接合されている。
図15に示すように、基板2320の上面には、コネクター2330、Z軸まわりの角速度を検出する角速度センサー2340z、X軸、Y軸およびZ軸の各軸方向の加速度を検出する加速度センサー2350などが実装されている。また、基板2320の側面には、X軸まわりの角速度を検出する角速度センサー2340xおよびY軸まわりの角速度を検出する角速度センサー2340yが実装されている。なお、角速度センサー2340z.2340x,2340yとしては、特に限定されず、例えば前述した物理量センサー1など、コリオリの力を利用した振動ジャイロセンサーを用いることができる。また、加速度センサー2350としては、特に限定されず、例えば、静電容量型の加速度センサーを用いることができる。
また、基板2320の下面には、制御IC2360が実装されている。制御IC2360は、MCU(Micro Controller Unit)であり、不揮発性メモリーを含む記憶部や、A/Dコンバーターなどを内蔵しており、慣性計測装置2000の各部を制御する。記憶部には、加速度、および角速度を検出するための順序と内容を規定したプログラムや、検出データをデジタル化してパケットデータに組込むプログラム、付随するデータなどが記憶されている。なお、基板2320には、その他にも複数の電子部品が実装されている。
以上、慣性計測装置2000(慣性計測装置)について説明した。このような慣性計測装置2000は、物理量センサーとしての角速度センサー2340z,2340x,2340yおよび加速度センサー2350と、これら各センサー2340z,2340x,2340y,2350の駆動を制御する制御IC2360(制御回路)と、を含んでいる。これにより、上述した物理量センサーの効果を享受でき、信頼性の高い慣性計測装置2000が得られる。
<移動体測位装置>
次に、図16および図17を参照して、移動体測位装置について説明する。図16は、移動体測位装置の全体システムを示すブロック図である。図17は、移動体測位装置の作用を模式的に示す図である。
次に、図16および図17を参照して、移動体測位装置について説明する。図16は、移動体測位装置の全体システムを示すブロック図である。図17は、移動体測位装置の作用を模式的に示す図である。
図16に示す移動体測位装置3000は、移動体に装着して用い、当該移動体の測位を行うための装置である。移動体としては、特に限定されず、自転車、自動車(四輪自動車およびバイクを含む)、電車、飛行機、船等のいずれでもよいが、本実施形態では四輪自動車として説明する。移動体測位装置3000は、慣性計測装置3100(IMU)と、演算処理部3200と、GPS受信部3300と、受信アンテナ3400と、位置情報取得部3500と、位置合成部3600と、処理部3700と、通信部3800と、表示部3900と、を有している。なお、慣性計測装置3100としては、例えば、前述した慣性計測装置2000を用いることができる。
また、慣性計測装置3100は、3軸の加速度センサー3110と、3軸の角速度センサー3120と、を有している。演算処理部3200は、加速度センサー3110からの加速度データおよび角速度センサー3120からの角速度データを受け、これらデータに対して慣性航法演算処理を行い、慣性航法測位データ(移動体の加速度および姿勢を含むデータ)を出力する。
また、GPS受信部3300は、受信アンテナ3400を介してGPS衛星からの信号(GPS搬送波。位置情報が重畳された衛星信号)を受信する。また、位置情報取得部3500は、GPS受信部3300が受信した信号に基づいて、移動体測位装置3000(移動体)の位置(緯度、経度、高度)、速度、方位を表すGPS測位データを出力する。このGPS測位データには、受信状態や受信時刻等を示すステータスデータも含まれている。
位置合成部3600は、演算処理部3200から出力された慣性航法測位データおよび位置情報取得部3500から出力されたGPS測位データに基づいて、移動体の位置、具体的には移動体が地面のどの位置を走行しているかを算出する。例えば、GPS測位データに含まれている移動体の位置が同じであっても、図17に示すように、地面の傾斜等の影響によって移動体の姿勢が異なっていれば、地面の異なる位置を移動体が走行していることになる。そのため、GPS測位データだけでは移動体の正確な位置を算出することができない。そこで、位置合成部3600は、慣性航法測位データ(特に、移動体の姿勢に関するデータ)を用いて、移動体が地面のどの位置を走行しているのかを算出する。なお、当該判定は、三角関数(鉛直方向に対する傾きθ)を用いた演算によって比較的簡単に行うことができる。
位置合成部3600から出力された位置データは、処理部3700によって所定の処理が行われ、測位結果として、表示部3900に表示されるようになっている。また、位置データは、通信部3800によって外部装置に送信されるようになっていてもよい。
以上、移動体測位装置3000について説明した。このような移動体測位装置3000は、前述したように、慣性計測装置3100と、測位用衛星から位置情報が重畳された衛星信号を受信するGPS受信部3300(受信部)と、受信した衛星信号に基づいて、GPS受信部3300の位置情報を取得する位置情報取得部3500(取得部)と、慣性計測装置3100から出力された慣性航法測位データ(慣性データ)に基づいて、移動体の姿勢を演算する演算処理部3200(演算部)と、算出された姿勢に基づいて位置情報を補正することにより、移動体の位置を算出する位置合成部3600(算出部)と、を含んでいる。これにより、上述した物理量センサー(慣性計測装置2000)の効果を享受でき、信頼性の高い移動体測位装置3000が得られる。
<携帯型電子機器>
次に、物理量センサー1を用いた携帯型電子機器について、図18および図19に基づき、詳細に説明する。以下、携帯型電子機器の一例として、腕時計型の活動計(アクティブトラッカー)を示して説明する。
次に、物理量センサー1を用いた携帯型電子機器について、図18および図19に基づき、詳細に説明する。以下、携帯型電子機器の一例として、腕時計型の活動計(アクティブトラッカー)を示して説明する。
腕時計型の活動計(アクティブトラッカー)であるリスト機器1000は、図18に示すように、バンド1032,1037等によってユーザーの手首等の部位(被検体)に装着され、デジタル表示の表示部150を備えるとともに無線通信が可能である。上述した本発明に係る物理量センサー1は、加速度を測定するセンサーや角速度を計測するセンサーとしてリスト機器1000に組込まれている。
リスト機器1000は、少なくとも物理量センサー1が収容されているケース1030と、ケース1030に収容され、物理量センサー1からの出力データを処理する処理部100(図19参照)と、ケース1030に収容されている表示部150と、ケース1030の開口部を塞いでいる透光性カバー1071と、を備えている。ケース1030の透光性カバー1071のケース1030の外側には、ベゼル1078が設けられている。ケース1030の側面には、複数の操作ボタン1080,1081が設けられている。以下、図19も併せて参照しながら、さらに詳細に説明する。
加速度センサー113は、互いに交差する(理想的には直交する)3軸方向の各々の加速度を検出し、検出した3軸加速度の大きさ、および向きに応じた信号(加速度信号)を出力する。また、物理量センサー1としての角速度センサー114は、互いに交差する(理想的には直交する)3軸方向の各々の角速度を検出し、検出した3軸角速度の大きさ、および向きに応じた信号(角速度信号)を出力する。
表示部150を構成する液晶ディスプレイ(LCD)では、種々の検出モードに応じて、例えば、GPSセンサー110や地磁気センサー111を用いた位置情報、移動量や加速度センサー113もしくは角速度センサー114(物理量センサー1)などを用いた運動量などの運動情報、脈拍センサー115などを用いた脈拍数などの生体情報、もしくは現在時刻などの時刻情報などが表示される。なお、温度センサー116を用いた環境温度を表示することもできる。
通信部170は、ユーザー端末と図示しない情報端末との間の通信を成立させるための各種制御を行う。通信部170は、例えば、Bluetooth(登録商標)(BTLE:Bluetooth Low Energyを含む)、Wi−Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)、Zigbee(登録商標)、NFC(Near field communication)、ANT+(登録商標)等の近距離無線通信規格に対応した送受信機や通信部170はUSB(Universal Serial Bus)等の通信バス規格に対応したコネクターを含んで構成される。
処理部100(プロセッサー)は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等により構成される。処理部100は、記憶部140に格納されたプログラムと、操作部120(例えば操作ボタン1080,1081)から入力された信号とに基づき、各種の処理を実行する。処理部100による処理には、GPSセンサー110、地磁気センサー111、圧力センサー112、加速度センサー113、角速度センサー114、脈拍センサー115、温度センサー116、計時部130の各出力信号に対するデータ処理、表示部150に画像を表示させる表示処理、音出力部160に音を出力させる音出力処理、通信部170を介して情報端末と通信を行う通信処理、バッテリー180からの電力を各部へ供給する電力制御処理などが含まれる。
このようなリスト機器1000では、少なくとも以下のような機能を有することができる。
1.距離:高精度のGPS機能により計測開始からの合計距離を計測する。
2.ペース:ペース距離計測から、現在の走行ペースを表示する。
3.平均スピード:走行開始から現在までの平均スピードを算出し表示する。
4.標高:GPS機能により、標高を計測し表示する。
5.ストライド:GPS電波が届かないトンネル内などでも歩幅を計測し表示する。
6.ピッチ:1分あたりの歩数を計測し表示する。
7.心拍数:脈拍センサーにより心拍数を計測し表示する。
8.勾配:山間部でのトレーニングやトレイルランにおいて、地面の勾配を計測し表示する。
9.オートラップ:事前に設定した一定距離や一定時間を走った時に、自動でラップ計測を行う。
10.運動消費カロリー:消費カロリーを表示する。
11.歩数:運動開始からの歩数の合計を表示する。
1.距離:高精度のGPS機能により計測開始からの合計距離を計測する。
2.ペース:ペース距離計測から、現在の走行ペースを表示する。
3.平均スピード:走行開始から現在までの平均スピードを算出し表示する。
4.標高:GPS機能により、標高を計測し表示する。
5.ストライド:GPS電波が届かないトンネル内などでも歩幅を計測し表示する。
6.ピッチ:1分あたりの歩数を計測し表示する。
7.心拍数:脈拍センサーにより心拍数を計測し表示する。
8.勾配:山間部でのトレーニングやトレイルランにおいて、地面の勾配を計測し表示する。
9.オートラップ:事前に設定した一定距離や一定時間を走った時に、自動でラップ計測を行う。
10.運動消費カロリー:消費カロリーを表示する。
11.歩数:運動開始からの歩数の合計を表示する。
なお、リスト機器1000は、ランニングウォッチ、ランナーズウォッチ、デュアスロンやトライアスロン等マルチスポーツ対応のランナーズウォッチ、アウトドアウォッチ、および衛星測位システム、例えばGPSを搭載したGPSウォッチ、等に広く適用できる。
また、上述では、衛星測位システムとしてGPS(Global Positioning System)を用いて説明したが、他の全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を利用してもよい。例えば、EGNOS(European Geostationary-Satellite Navigation Overlay Service)、QZSS(Quasi Zenith Satellite System)、GLONASS(GLObal NAvigation Satellite System)、GALILEO、BeiDou(BeiDou Navigation Satellite System)、等の衛星測位システムのうち1又は2以上を利用してもよい。また、衛星測位システムの少なくとも1つにWAAS(Wide Area Augmentation System)、EGNOS(European Geostationary-Satellite Navigation Overlay Service)等の静止衛星型衛星航法補強システム(SBAS:Satellite-based Augmentation System)を利用してもよい。
このような携帯型電子機器は、物理量センサー1、および処理部100を備えているので、優れた信頼性を有している。
<電子機器>
次に、物理量センサー1を用いた電子機器について、図20〜図22に基づき、詳細に説明する。
次に、物理量センサー1を用いた電子機器について、図20〜図22に基づき、詳細に説明する。
先ず、図20を参照して、電子機器の一例であるモバイル型のパーソナルコンピューターについて説明する。図20は、電子機器の一例であるモバイル型のパーソナルコンピューターの構成を模式的に示す斜視図である。
この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部1108を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には、加速度センサーとして機能する物理量センサー1が内蔵されており、物理量センサー1の検出データに基づいて制御部1110が、例えば姿勢制御などの制御を行なうことができる。
図21は、電子機器の一例であるスマートフォン(携帯型電話機)の構成を模式的に示す斜視図である。
この図において、スマートフォン1200は、上述した物理量センサー1が組込まれている。物理量センサー1によって検出された検出データ(加速度データ)は、スマートフォン1200の制御部1201に送信される。制御部1201は、CPU(Central Processing Unit)を含んで構成されており、受信した検出データからスマートフォン1200の姿勢や、挙動を認識して、表示部1208に表示されている表示画像を変化させたり、警告音や、効果音を鳴らしたり、振動モーターを駆動して本体を振動させることができる。換言すれば、スマートフォン1200のモーションセンシングを行い、計測された姿勢や、挙動から、表示内容を変えたり、音や、振動などを発生させたりすることができる。特に、ゲームのアプリケーションを実行する場合には、現実に近い臨場感を味わうことができる。
図22は、電子機器の一例であるディジタルスチールカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。
ディジタルスチールカメラ1300のケース(ボディー)1302の背面には、表示部1310が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部1310は、被写体を電子画像として表示するファインダーとしても機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部1310に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。また、このディジタルスチールカメラ1300では、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニター1430が、データ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1308に格納された撮像信号が、テレビモニター1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。このようなディジタルスチールカメラ1300には、加速度センサーとして機能する物理量センサー1が内蔵されており、物理量センサー1の検出データに基づいて制御部1316が、例えば手振れ補正などの制御を行なうことができる。
このような電子機器は、物理量センサー1、および制御部1110,1201,1316を備えているので、優れた信頼性を有している。
なお、物理量センサー1を備える電子機器は、図20のパーソナルコンピューター、図21のスマートフォン(携帯電話機)、図22のディジタルスチールカメラの他にも、例えば、タブレット端末、時計、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター、地震計、歩数計、傾斜計、ハードディスクの振動を計測する振動計、ロボットやドローンなど飛行体の姿勢制御装置、自動車の自動運転用慣性航法に使用される制御機器等に適用することができる。
<移動体>
次に、物理量センサー1を用いた移動体を図23に示し、詳細に説明する。図23は、移動体の一例である自動車の構成を示す斜視図である。
次に、物理量センサー1を用いた移動体を図23に示し、詳細に説明する。図23は、移動体の一例である自動車の構成を示す斜視図である。
図23に示すように、自動車1500には物理量センサー1が内蔵されており、例えば、物理量センサー1によって車体1501の姿勢を検出することができる。物理量センサー1の検出信号は、車体の姿勢を制御する姿勢制御部としての車体姿勢制御装置1502に供給され、車体姿勢制御装置1502は、その信号に基づいて車体1501の姿勢を検出し、検出結果に応じてサスペンションの硬軟を制御したり、個々の車輪1503のブレーキを制御したりすることができる。また、物理量センサー1は、他にもキーレスエントリー、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、自動運転用慣性航法の制御機器、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター等の電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)に広く適用できる。
また、移動体に適用される物理量センサー1は、上記の例示の他にも、例えば、二足歩行ロボットや電車などの姿勢制御、ラジコン飛行機、ラジコンヘリコプター、およびドローンなどの遠隔操縦あるいは自律式の飛行体の姿勢制御、農業機械(農機)、もしくは建設機械(建機)などの姿勢制御、ロケット、人工衛星、船舶、AGV(無人搬送車)、および二足歩行ロボットなどの制御において利用することができる。以上のように、各種移動体の姿勢制御の実現にあたって、物理量センサー1、およびそれぞれの制御部(不図示)が組み込まれる。
このような移動体は、物理量センサー1、および制御部(例えば、姿勢制御部としての車体姿勢制御装置1502)を備えているので、優れた信頼性を有している。
以上、物理量センサー、慣性計測装置、移動体測位装置、携帯型電子機器、電子機器、および移動体を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
また、前述した実施形態では、X軸、Y軸およびZ軸が互いに直交しているが、互いに交差していれば、これに限定されず、例えば、X軸がYZ平面の法線方向に対して若干傾いていてもよいし、Y軸がXZ平面の法線方向に対して若干傾いていてもよいし、Z軸がXY平面の法線方向に対して若干傾いていてもよい。なお、若干とは、物理量センサーがその効果を発揮することができる範囲を意味し、具体的な傾き角度(数値)は、構成等によって異なる。
1…物理量センサー、2…基板、21…凹部、22,221,222,223,224,225…マウント、23,24,25,26,27,28…溝部、3…蓋体、31…凹部、32…連通孔、33…封止部材、39…ガラスフリット、4…素子部、40A,40B…接続ばね、41A,41B…駆動部、411A,411B…可動駆動電極、412A,412B…固定駆動電極、42A,42B…固定部、43A,43B…駆動ばね、44A,44B…検出部、441A,441B…可動検出電極、442A,442B,443A,443B…固定検出電極、451,452…固定部、46A,46B…検出ばね、461,464…梁部としての連結梁、461a,461b…側面、462…凹部、462a,462b…内壁面(内側面)、462c…底面(底部)、463…支持部としての支持梁、463a…外縁、L(La,Lb)…距離(幅)、D…距離(奥行)、t…厚さ、C…クラック、47A,47B…逆相ばね、471A,471B,…ばね本体、472A,473A…アーム、474A,475A…接続部、477A,477B,478A,478B…梁、48…フレーム、481,482…欠損部、488,489…フレームばね、49A,49B…モニター部、491A,491B…可動モニター電極、492A,492B…固定モニター電極、73,74,75,76,77,78…配線、1000…携帯型電子機器としてのリスト機器、1100…パーソナルコンピューター、1200…スマートフォン(携帯電話機)、1300…ディジタルスチールカメラ、1500…自動車、2000…慣性計測装置、3000…移動体測位装置。
Claims (9)
- 基板と、
前記基板に対して移動可能な可動電極部と、
前記基板に接続されている固定部に連結され、第1の方向に沿って設けられている梁部と、
前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って設けられ、前記梁部および前記可動電極部と連結されている支持部と、
前記支持部の前記梁部側の外縁から前記第1の方向に凹み、底部を有する凹部と、を備え、
前記梁部は、前記凹部の前記底部において前記支持部と連結されている、物理量センサー。 - 請求項1において、
前記梁部および前記支持部の厚さをtとし、厚さtが、20μm≦t<30μmのとき、
前記凹部は、
前記梁部の前記第1の方向に沿って設けられている両側の側面とのそれぞれの距離をL、前記梁部側の外縁から前記底部までの距離をDとして、
2.0μm≦L≦3.0μm、且つ2.0μm≦D≦3.0μm、を満たすように設けられている、物理量センサー。 - 請求項2において、
前記凹部は、前記支持部の前記厚さ方向に貫通されている、物理量センサー。 - 請求項2において、
前記梁部の一方の側の前記側面との距離Lと、他方の側の前記側面との距離Lとが、略等しい、物理量センサー。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の物理量センサーと、
前記物理量センサーの駆動を制御する制御回路と、
を含む、慣性計測装置。 - 請求項5に記載の慣性計測装置と、
測位用衛星から位置情報が重畳された衛星信号を受信する受信部と、
受信した前記衛星信号に基づいて、前記受信部の位置情報を取得する取得部と、
前記慣性計測装置から出力された慣性データに基づいて、移動体の姿勢を演算する演算部と、
算出された前記姿勢に基づいて前記位置情報を補正することにより、前記移動体の位置を算出する算出部と、
を含む、移動体測位装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の物理量センサーと、
前記物理量センサーが収容されているケースと、
前記ケースに収容され、前記物理量センサーからの出力データを処理する処理部と、
前記ケースに収容されている表示部と、
前記ケースの開口部を塞いでいる透光性カバーと、
を含む、携帯型電子機器。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の物理量センサーと、
前記物理量センサーから出力された検出信号に基づいて制御を行う制御部と、
を備えている、電子機器。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の物理量センサーと、
前記物理量センサーから出力された検出信号に基づいて姿勢の制御を行う姿勢制御部と、
を備えている、移動体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017185863A JP2019060736A (ja) | 2017-09-27 | 2017-09-27 | 物理量センサー、慣性計測装置、移動体測位装置、携帯型電子機器、電子機器、および移動体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017185863A JP2019060736A (ja) | 2017-09-27 | 2017-09-27 | 物理量センサー、慣性計測装置、移動体測位装置、携帯型電子機器、電子機器、および移動体 |
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JP2019060736A true JP2019060736A (ja) | 2019-04-18 |
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ID=66177241
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2017185863A Pending JP2019060736A (ja) | 2017-09-27 | 2017-09-27 | 物理量センサー、慣性計測装置、移動体測位装置、携帯型電子機器、電子機器、および移動体 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2019060736A (ja) |
-
2017
- 2017-09-27 JP JP2017185863A patent/JP2019060736A/ja active Pending
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