JP2019113100A - クラッチ付き駆動装置 - Google Patents
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Abstract
Description
そして、前記ソレノイド及び前記モータとの電気的接続を取るために設けられる接続金具は、ハウジング内において、前記保持部とは別の場所に設けられた被取付部位に取り付けられている。
これにより、ソレノイドをハウジングに保持する保持部に歪などの無理な力が加わる虞が少なくなって、前記保持部が壊れにくくなる効果が得られる。
本態様によれば、前記第1リブの前記兼用構造によって生じるスペースを、前記リード線のハウジング内における配設場所として利用できるので、リード線を備えるクラッチ付き駆動装置において装置全体のコンパクト化を実現することができる。
ここで、「スナップフィット構造」とは、弾性力に抗して押し込むことにより押し込まれた位置で前記弾性力を作用した部分によって押さえつけられて前記位置に保持される構造を意味する。また、「前記保持された状態のソレノイドの側面に沿って配置」における「沿って配置」とは、前記スナップフィット構造のような嵌合構造ではなく、単に接する程度の単純な構造であることを意味する。
そして、「他の保持部」は、前記の如く強固に保持された状態のソレノイドの側面に対して単に沿って配置されている構造であるので、この「他の保持部」に前記第1接続金具を取り付けるための設計がしやすくなり、その製造もしやすい。
本態様によれば、第2リブを設けたことにより前記コンパクト化が可能となり、そのコンパクト化によって生じるスペースを前記電気素子の設置場所として有効に利用することができる。
ここで、「モータの動力とは別の動力」とは、繰り出し方向への弾性力が作用する引っ張りバネや、換気扇のダンパ開閉等の場合における前記ダンパの自重等のように、初期位置に戻ろうとする力を意味する。
尚、以下の説明では最初に主として図1及び図2に基づいて本発明の実施形態に係るクラッチ付き駆動装置1の全体構成について説明する。次に、図2及び図12に基づいて前記クラッチ付き駆動装置1の回路構成の一例について説明する。次に、図2から図8に基づいて本発明の特徴的構成となるソレノイド保持部の具体的構成について説明した後、図1、図2及び図9、図10に基づいてクラッチ付き駆動装置1の作動態様とソレノイド保持部の作用、効果について説明する。
本実施形態に係るクラッチ付き駆動装置1は、例えば換気扇のダンパの開閉動作等に使用され、駆動源となるモータ2と、このモータ2から動力が伝達されて軸周りに回転することにより外部に対する動作、例えば換気扇のダンパの開閉動作等を行う出力軸9と、モータ2の回転の出力軸9への伝達の切断及び接続を行うクラッチ20と、このクラッチ20の切断と接続の動作を実行するソレノイド50と、モータ2と出力軸9とクラッチ20とソレノイド50とを収容するハウジング100と、を備えることによって基本的に構成されている。
本実施形態では、モータ2のコイル6とソレノイド50のコイル51に給電する第1のリード線72と第2のリード線73を備えている。
第1のリード線72は、その一端が前記ソレノイド50のコイル51の一方の端部7aが電気的に接続される第1接続金具84の第1接続点41に接続され、この第1接続点41からハウジング100の外部に引き出されている。第1のリード線72とモータ2のコイル6の一方の端部2aとの接続については後述する。
また、ソレノイド50のコイル51の他方の端部7bが電気的に接続される第2接続部86cを有する第2接続金具86が、図2に表したように、ハウジング100内の対応する被取付け箇所に取り付けられている。第2のリード線73は、第2接続金具86の第2接続点42に接続され、この第2接続点42からハウジング100の外部に引き出されている。
モータ2のコイル6の他方の端部2bは、第2接続金具86に直接接続されて第2のリード線72と電気的につながっている。
ハウジング本体101の内部には、ソレノイド50とスイッチ機構10が収容されている。
ソレノイド50は、中心部に軸方向Zに沿うように挿入される鉄芯51aを備えている。鉄芯51aの周りに、外周にコイル51が巻回され、軸方向Zの両端にフランジ部を有するボビンケース51bと、ボビンケース51bの軸方向Zの一端部(図示の実施形態では上端部)に固定される、一例としてL字形をした固定ヨーク52と、固定ヨーク52に対して揺動支点52cを介して揺動自在に接続される、一例として平板状をした可動ヨーク53と、を備えることによって基本的に構成されている。
また、固定ヨーク52の垂直部52bは、図示を省いた支持部材によって支持されている。尚、支持部材の下部には可動ヨーク53の揺動を可能にするための開口56aが形成されている。
一方、可動ヨーク53は、前述したように揺動支点52cを中心に揺動する部材である。可動ヨーク53は、ソレノイド50の鉄芯51a側に延びる一端53aの上面は、ソレノイド50の鉄芯51aの下面に臨み、後述するクラッチ20側に延びる他端53bの下面はクラッチ20における上クラッチ体22の上面に臨むように配置されている。
また、スイッチ機構10は、円筒状のカム面11a(図2)の一部に凹部11bが形成されたスイッチカム11と、スイッチカム11のカム面11aに当接する第1弾性スイッチ片12Aと、第1弾性スイッチ12Aに接触することで通電状態になる第2弾性スイッチ片12Bと、を備えることによって基本的に構成されている。
そして、スイッチカム11の駆動は前述した出力軸9の回転によって実行される。また、第1弾性スイッチ片12Aと第2弾性スイッチ片12Bの先端部には、U字状に折曲げられた部分と平板部によって構成される接点15A、15Bが各別に設けられている。
また、出力軸9は、図1に表したような段差軸状の部材によって構成されている。即ち、出力軸9は、下部に駆動部ケーシング103に設けられる軸受部に内嵌する小径軸部9aと、その上部にギア輪列8の終端の第4伝達ギヤ27の小径ギアに噛み合って動力が得られる大径の出力ギヤ9bと、その上部にハウジング本体101に設けられる軸受部に内嵌する大径軸部9cと、その上部にスイッチカム11と、その基部において係合する取付け軸部9dと、を備えている。
また、取付け軸部9dには、スイッチカム11の上部にプーリ13が取り付けられている。プーリ13の外周にワイヤ14の一端部が固定されると共に、プーリ13を引き戻すための図示しないスプリングや並列的に設けられる図示しない別のワイヤ等を取り付けるための接続部13aが設けられている。尚、ワイヤ14の他端部は例えば換気扇のダンパの操作端に連結される。
モータ2は、ロータシャフト3と、ロータサポート4と、マグネット5と、コイル6と、を備えている。ロータサポート4には、次に述べるクラッチ20の下クラッチ体23に設けられる大径の入力ギヤ23aと噛み合うピンオンギヤ4aが形成されている。
クラッチ20は、駆動部ケーシング103から鉛直方向に立ち上げられているガイドロッド21と、ガイドロッド21の下部に外嵌して回転する下クラッチ体23と、下クラッチ体23の上方に位置し、ガイドロッド21の上部に外嵌して回転すると共に、下クラッチ体23と接続する接続位置P1(図9)と下クラッチ体23との接続を解除する切断位置P2(図10)との間で軸方向Zに移動し得る上クラッチ体22と、下クラッチ体23と上クラッチ体22との間に縮設される圧縮コイルバネ24と、を備えている。
また、下クラッチ体23には、入力ギヤ23aと接続凹部23b(図9、図10)とが設けられている。上クラッチ体22には接続凹部23bと係合する接続凸部22b(図9、図10)と、ギヤ輪列8の一部をなす小径の第1伝達ギヤ22aと、可動ヨーク53の他端53bの下面に当接するボス部22c(図9、図10)が設けられている。
この他、ハウジング本体101の底面には、一例としてスナップフィット構造の前述した二つの保持部91、92(図2)と、これら二つの保持部91、92と一体のソレノイドホルダ31と、ソレノイドホルダ31近傍の二つの保持部91、92とは別の位置に設けられる他の保持部となる第1リブ81とを備えている。
更に、第1弾性スイッチ片12Aを保持する第1スイッチホルダ33Aと、第2の弾性スイッチ片12Bを保持する第2スイッチホルダ33Bと、第2弾性スイッチ片12Bの第1弾性スイッチ片12A側への移動範囲を規制するストッパ片35と、モータ2の一方の端部2aを保持する第1接続部ホルダ37Aと、モータ2の他方の端部2bを保持する第2接続部ホルダ37Bとを備えている。
更に、ソレノイドホルダ31近傍の第1リブ81とは別の位置に設けられる第2リブ82と、ハウジング本体101内において一端が接続され、他端がハウジング本体101外へ引き出される第1のリード線72を保持するリード線ホルダ39と、同じく他端がハウジング本体101外へ引き出される第2のリード線73を保持するリード線ホルダ40とを備えている。
次に、このようにして構成されるクラッチ付き駆動装置1の回路構成の一例を図2に表す具体的構造の平面図と図12に表す配線図に基づいて説明する。
図12の配線図に表れているように、第1外部接続端子61、第1のリード線72、第1接続金具84、ソレノイド50のコイル51、第2接続金具86、第2のリード線74及び第2外部接続端子の接続ラインにより、電源がONされるとソレノイド50に給電される。これによりクラッチ20が所定の動作を実行する。
一方、第1接続金具84と第2接続金具86の間に位置するモータ2のコイル6は、図12に表したように、第1弾性スイッチ12Aと第2弾性スイッチ片12Bを介して接続されているので、電源ON状態において、第1弾性スイッチ12Aと第2弾性スイッチ片12Bの接点15A、15Bが接触しているときには給電されてモータが回転するが、接点15A、15Bが非接触になったときは遮断されてモータは回転を停止する。これにより、電源がONされた状態において、ソレノイド50には給電状態のままで、モータ2は回転状態と停止状態が切り換わる。
先ず、モータ2のコイル6における一方の端部2aは、第1接続部ホルダ37Aによって被われた位置で一方の端子2a(ここで、「一方の端子」は前記「一方の端部」と同じ符号2aを用いる)に接続されている。そして、モータ2の一方の端子2aには、内在リード線71の一端が接続されている。内在リード線71の他端は接続点43において第2弾性スイッチ片12Bに接続されている。
尚、第1接続点41からは、ハウジング本体101の外部にある第1外部接続端子61に向けて第1のリード線72が延びている。一方、第1接続点41から第1接続金具84の第1接続部84cを介してソレノイド50のコイル51の一方の端部7aにつながっている。ソレノイド50のコイル51の他方の端部7bは第2接続部86cにつながっている。
また、第2接続金具86には、更に第2接続点42が設けられており、第2接続点42から、ハウジング本体101の外部に設けられる第2外部接続端子62に向けて第2のリード線73が延びている。
ハウジング100に上記したように第1リブ81が設けられている。本実施形態では、第1リブ81は、ハウジング100の保持部91、92に保持された状態にあるソレノイド50に対して、これら保持部91、92とは別の位置に設けられている。この第1リブ81は、前記保持された状態のソレノイド50に対する他の保持部となるものであり、且つソレノイド50のコイル51の一方の端部7aが電気的に接続される第1接続部84cを有する第1接続金具84が取り付けられている。
即ち、第1リブ81は、ハウジング100に保持部91、92により保持された状態にあるソレノイド50に対して、「保持部91、92」とは別の「他の保持部」として保持する役割に加えて、ソレノイド50のコイル51の一方の端部7aが電気的に接続される第1接続金具84を取り付けるための取付け部を兼用する構造である。
本実施例の構造によれば、第1リブ81の前記「兼用構造」によってクラッチ付き駆動装置1のコンパクト化が実現しやすくなる。また、前記「兼用構造」によって、ソレノイド50のコイル51の一方の端部7aと第1接続金具84の第1接続部84cとの距離が近くなるので半田付け作業がしやすくなる。
第1リブ81は、本実施形態では、内在リード線71と第1のリード線72のハウジング100内を引き回される部分に対応する位置に、前記引き回されているリード線の位置より平面視における上方に突出する突出部81b(図3)を備えている。
そして、内在リード線71と第1のリード線72のハウジング100内を引き回される部分は、第1リブ81の突出部81b及び後述する第2リブ82に対してソレノイド50と反対側の位置に配置されている。
これにより、第1リブ81と第2リブ82の両方によってリード線71、72の引き回しをガイドするので、ソレノイド50のボビンケース51bに巻かれたコイル51部分にリード線71、72が触れないようにすることの確実性を高めることができる。以って、断線の発生、ショート等の虞を一層低減することができる。
ここで、前記圧入による取り付けの具体的構造は、第1接続金具84を第1リブ81の対応する部位に押し込んで外れない構造であればよく、公知の圧入構造を採用することが可能である。第1接続金具84は、第1リブ81に圧入して取り付ける構造であるので、その取付け作業が容易である。
そして、第1接続金具84の突出部84bには、溝状の第1接続部84cが形成されている。同じく、第2接続金具86の突出部86bには、溝状の第2接続部86cが形成されている。
ソレノイド50のコイル51の一方の端部7aは、第1接続金具84の突出部84bに形成されている第1接続部84cの溝内に挿入され、その状態で半田付けされている。同様に、ソレノイド50のコイル51の他方の端部7bは、第2接続金具86の突出部86bに形成されている第2接続部86cの溝内に挿入され、その状態で半田付けされている。
そして、前記2か所に設けられている保持部91、92として、弾性力に抗して押し込むことにより前記押し込まれた位置で前記弾性力を作用させた部分によって押さえ付けられて前記位置に保持される構造であるスナップフィット構造が採用されている。
一方、他の保持部となる第1リブ81は、前記スナップフィット構造の保持部91、92によって保持された状態のソレノイド50の外側面に沿って、一例として単に接する程度の単純な保持構造で配置されている。
また、「他の保持部」となる第1リブ81は、前記の如く強固に保持された状態のソレノイド50の側面に対して単に沿って配置されている構造であるので、この第1リブ81に第1接続金具84を取り付けるに際しての設計がしやすく、その製造もしやすい。
この保持構造により、ソレノイド50をハウジング100に保持する状態を作る保持部91、92と、他の保持部となる第1リブ81に歪などの無理な力が加わる虞が少なくなる。従って、ソレノイド50を保持した状態において保持部(保持部91、92及び第1リブ81)が壊れにくくなっている。
一方、前記他の保持部である第1リブ81は、第1保持部91と第2保持部92を結ぶ線が作る方向に対して交差する方向、本実施形態では略直交する方向に位置する構成である。
この構造により、第1リブ81である前記「他の保持部」は、ソレノイド50の側面に単純に沿う構造であっても、その3か所(第1保持部91と第2保持部92と第1リブ81)の相対配置により、ソレノイド50を効果的に押えて保持することができる。
この構造により、ソレノイド50のコイル51の端部7aと第1接続金具84の突出部84bに形成されている溝状の第1接続部84cとの距離が近くなるので半田付け作業がしやすくなる。更に、クラッチ付き駆動装置1のコンパクト化が実現しやすくなる。
尚、第2接続金具86は、保持部92とは別個の位置に設けられている。具体的には、第2接続金具86は、前記保持された状態のソレノイド50のコイル51の他方の端部7bの位置と対応する位置に存するようにハウジング100に取り付けられている。
また、モータ2のコイル6の一方の端部2aには、第1弾性スイッチ片に接するON状態と接しないOFF状態とを取り得る第2弾性スイッチ片12Bが電気的に接続されている。本実施形態では、第2弾性スイッチ片12Bは、内在リード線71によってモータ2のコイル6の一方の端部2aに接続されている。内在リード線71は接続点43を介して第2弾性スイッチ片12Bの基部が電気的に接続されている。
そして、第1弾性スイッチ片12Aと第2弾性スイッチ12Bとの前記ON状態とOFF状態の切り換えは、出力軸9の取付け軸部9dに取り付けられているスイッチカム11によって実行されている。
これに伴い、第2弾性スイッチ片12Bも同方向に回動するが、第2弾性スイッチ片12Bの接点15Bは、ストッパ片35に当接することで、それ以上の回動が規制されるため、接点15A、15Bは離間した状態になり、モータ2は非通電状態になる。
一方、スイッチカム11のカム面11aに第1弾性スイッチ片12Aの接点15Aが当接している状態では、第1弾性スイッチ片12Aの接点15Aは、図2に表すように第2弾性スイッチ片12Bの接点15Bと接触した状態になり、モータ2は通電状態になる。
また、本実施形態では、ハウジング本体101に第2リブ82が設けられている。そして、この第2リブ82は、内在リード線71と第1のリード線72のハウジング100内を引き回される部分と、保持部91、92によって保持された状態のソレノイド50の外側面との間に設けられている。
これにより、ハウジング100内を前記2本のリード線71、72が引き回されて配設されても、第2リブ82によってソレノイド50のボビンケース51bに巻かれたコイル51の部分に内在リード線71と第1のリード線72が触れないように両者を離間させることができる。以って内在リード線71と第1のリード線72の断線の発生やショート等の虞を低減することが可能になる。
本実施形態によれば、従来設けられていた3つ目の保持部に代わる前述した構成と配置の第1リブ81と前述した配置の第2リブ82によって、コンパクト化が可能になるので、その分だけ、ハウジング100内に新たスペースが生まれる。
例えば、図11に表すように、ハウジング本体101の側板内方の新たな空間が生まれるので、この空間を有効に利用して、第2リブ82のソレノイド50と反対側の位置となるハウジング100内に、コンデンサー95や固定抵抗器97等の他の電気素子を配置する場所を設けることが可能である。
これにより、電源起動時の突入電流等を防ぐためにコンデンサー95や固定抵抗器97等を内蔵した特別仕様のクラッチ付き駆動装置1に対しても対応できるようになる。
そして、プーリ13へのワイヤ14の巻き取りは、例えばモータ2の動力がクラッチ20とギヤ輪列8とを介して出力軸9に伝達されることによって実行することが可能である。一方、ワイヤ14のプーリ13からの繰り出しは、モータ2の動力とは別の動力により実行するように構成することが可能である。
ここで「モータ2の動力とは別の動力」とは、ワイヤ14の繰出し方向への弾性力が作用するように配設した引っ張りバネや、換気扇のダンパの自重等を利用した初期位置に戻ろうとする力が一例として挙げられる。
次に、このようにして構成される本実施形態に係るクラッチ付き駆動装置1の作動態様を、(A)クラッチの接続と切断、(B)出力軸への動力伝達、(C)スイッチ機構ON、OFF動作、(D)ワイヤの巻き取りと繰り出しに分けて説明する。
クラッチ20の接続と切断は、ソレノイド50によって実行される。即ち、クラッチ20を接続状態にする場合は、ソレノイド50のコイル51に電流を流して、図9に表すように鉄芯51aの下面に可動ヨーク53の一端53aの上面を吸着させる。これにより、可動ヨーク53は、揺動支点52cを中心にして図9中、時計方向に揺動し、可動ヨーク53の他端53bの下面に当接している上クラッチ体22のボス部22cを圧縮コイルバネ24の付勢力に抗して下方に押し下げる。
そして、図9に表すように上クラッチ体22の接続凸部22bが下クラッチ体23の接続凹部23bに係合してクラッチ20は接続状態になる。
この状態では圧縮コイルバネ24の付勢力によって上クラッチ体22が上方に持ち上げられて上クラッチ体22の接続凸部22bと下クラッチ体23の接続凹部23bとの係合が解除されてクラッチ20は切断状態になる。
モータ2に電源が供給されると、ロータサポート4が回転を始める。そして、ロータサポート4に形成されているピニオンギヤ4aから前記下クラッチ体23に形成されている入力ギヤ23aに動力が伝達されて下クラッチ体23が回転を開始する。
そして、クラッチ20が接続状態である場合には、下クラッチ体23の回転が接続凹部23bと接続凸部22bを介して上クラッチ体22に伝達され、上クラッチ体22を回転させる。
一方、クラッチ20が切断状態である場合には、下クラッチ体23が空回りするだけで、下クラッチ体23の回転は上クラッチ体22には伝達されない。
出力軸9が回転すると、その回転は取付け軸部9dからスイッチ機構10のスイッチカム11に伝達されてスイッチカム11を回転させる。第1弾性スイッチ片12Aの接点15Aが、図2に表すようにスイッチカム11のカム面11aに当接している状態では、接点15Aと接点15Bは接触した状態になる。これにより、第1弾性スイッチ片12Aと第2弾性スイッチ片12BはON状態になり、モータ2は通電状態になる。
出力軸9が回転すると、出力軸9の取付け軸部9dに取り付けられているプーリ13が例えばワイヤ14を巻き取る方向に回転するようになってワイヤ14の巻き取りが実行される。
一方、プーリ13への動力伝達が停止されると、例えばプーリ13の接続部13に一端が係止されている図示しない引っ張りバネ等の付勢力が作用してプーリ13が逆方向に回転するようになってワイヤ14の繰り出しが実行される。
このようにして構成される本実施形態に係るクラッチ付き駆動装置1によれば、従来の3か所のスナップフィット構造の保持部に代わる簡易な保持機能と端子(第1接続金具)の取付け機能を併せ持つ第1リブ81の採用により、ソレノイド50の必要な保持力を確保しつつ、半田付け作業等を容易にし、クラッチ付き駆動装置1のコンパクト化も実現しやすくなる。
更に、第2リブ82と第1リブ81に設けた突出部84bの採用により、ハウジング100内を引き回されて配設される内在リード線71と第1のリード線72がソレノイド50のコイル51に接触して断線したり、ショートする虞を低減することが可能になる。
この他、ハウジング本体101に設けた二つの端子ホルダ37A、37Bの採用により、モータ2の一方の端子2aと他方の端子2bの2か所の半田付け作業において生ずる半田の垂れが回路配設部分に落下することを効果的に抑制することができる。
本発明に係るクラッチ付き駆動装置1は、以上述べたような構成を有することを基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内での部分的構成の変更や省略等を行うことも勿論可能である。
2a…一方の端子(一方の端部:モータコイルの)、
2b…他方の端子(他方の端部:モータコイルの)、
3…ロータシャフト、4a…ピニオンギヤ、5…マグネット、6…コイル、
7a…一方の端部(ソレノイドコイルの)、7b…他方の端部(ソレノイドコイルの)、
8…ギヤ輪列、9…出力軸、9a…小径軸部、9b…出力ギヤ、9c…大径軸部、
9d…取付け軸部、10…スイッチ機構、11…スイッチカム、11a…カム面、
11b…凹部、12A…第1弾性スイッチ片、12B…第2弾性スイッチ片、
13…プーリ、13a…接続部、14…ワイヤ、
15…接点、20…クラッチ、21…ガイドロッド、22…上クラッチ体、
22a…第1伝達ギヤ、22b…接続凸部、22c…ボス部、23…下クラッチ体、
23a…入力ギヤ、23b…接続凹部、24…圧縮コイルバネ、
25…第2伝達ギヤ、26…第3伝達ギヤ、27…第4伝達ギヤ、
31…ソレノイドホルダ、33…スイッチホルダ、35…ストッパ片、
37…端子ホルダ、39…リード線ホルダ、40…リード線ホルダ、
41…第1接続点、42…第2接続点、43…接続点、50…ソレノイド、
51…コイル、51a…鉄芯、51b…ボビンケース、52…固定ヨーク、
52a…水平部、52b…垂直部、52c…揺動支点、52d…挿入片、
53…可動ヨーク、53a…一端、53b…他端、54…段部、
54a…穴、56a…開口、61…第1外部接続端子、
62…第2外部接続端子、71…内在リード線、72…第1のリード線、
73…第2のリード線、81…第1リブ(他の保持部)、81b…突出部、
82…第2リブ、84…第1接続金具、84a…本体部、
84b…突出部、84c…第1接続部(溝状)、86…第2接続金具、
86a…本体部、86b…突出部、86c…第2接続部(溝状)、
91…保持部(第1保持部)、92…保持部(第2保持部)、
95…コンデンサー(電気素子)、97…固定抵抗器(電気素子)、
100…ハウジング、101…ハウジング本体、102…ハウジングカバー、
103…駆動部ケーシング、Z…軸方向、P1…接続位置、P2…切断位置
Claims (12)
- モータと、
前記モータから動力が伝達されて軸周りに回転することにより外部に対する動作を行う出力軸と、
前記モータの回転の前記出力軸への伝達の切断及び接続を行うクラッチと、
前記クラッチの切断と接続の動作を実行するソレノイドと、
前記モータ、前記出力軸、前記クラッチ及び前記ソレノイドを収容するハウジングと、を備えるクラッチ付き駆動装置であって、
前記ハウジングに第1リブが設けられ、
前記第1リブは、
前記ハウジングの保持部に保持された状態にある前記ソレノイドに対して前記保持部とは別の位置に設けられ、前記保持された状態のソレノイドに対する他の保持部となるものであり、且つ
前記ソレノイドのコイルの一方の端部が電気的に接続される第1接続部を有する第1接続金具が取り付けられている、
ことを特徴とするクラッチ付き駆動装置。 - 請求項1に記載のクラッチ付き駆動装置において、
前記モータのコイルと前記ソレノイドのコイルに給電する第1のリード線と第2のリード線を備える
ことを特徴とするクラッチ付き駆動装置。 - 請求項1又は2に記載のクラッチ付き駆動装置において、
前記第1接続金具は、前記第1リブに圧入して取り付ける構造である、
ことを特徴とするクラッチ付き駆動装置。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載のクラッチ付き駆動装置において、
前記保持部は2か所であり、
前記他の保持部は1か所である、
ことを特徴とするクラッチ付き駆動装置。 - 請求項4に記載のクラッチ付き駆動装置において、
前記保持部は、前記ソレノイドをスナップフィット構造で保持し、
前記他の保持部は、前記保持された状態のソレノイドの側面に沿って配置されている、
ことを特徴とするクラッチ付き駆動装置。 - 請求項5に記載のクラッチ付き駆動装置において、
前記保持部は、前記ソレノイドを平面視における両側から挟んで保持する第1保持部と第2保持部との対で構成され、
前記他の保持部は、前記第1保持部と第2保持部を結ぶ線が作る方向に対して交差する方向に位置する、
ことを特徴とするクラッチ付き駆動装置。 - 請求項1から6のいずれか一項に記載のクラッチ付き駆動装置において、
前記第1リブは、前記保持された状態のソレノイドのコイルの一方の端部の位置に対応する位置に設けられている、
ことを特徴とするクラッチ付き駆動装置。 - 請求項1から7のいずれか一項に記載のクラッチ付き駆動装置において、
前記第1リブに取り付けられた状態の前記第1接続金具には第1弾性スイッチ片が電気的に接続され、
前記モータのコイルの一方の端部には前記第1弾性スイッチ片に接するON状態と接しないOFF状態とを取り得る第2弾性スイッチ片が電気的に接続され、
前記出力軸に取り付けられたスイッチカムにより前記第1弾性スイッチ片と第2弾性スイッチ片とのON状態とOFF状態の切り換えが行われて前記モータへの通電及び非通電が切り換わる、
ことを特徴とするクラッチ付き駆動装置。 - 請求項1から8のいずれか一項に記載のクラッチ付き駆動装置において、
前記ハウジングに第2リブが設けられ、
前記第2リブは、リード線の前記ハウジング内を引き回される部分と前記保持された状態のソレノイドの側面との間に設けられている、
ことを特徴とするクラッチ付き駆動装置。 - 請求項9に記載のクラッチ付き駆動装置において、
前記第1リブは前記リード線のハウジング内を引き回される部分に対応する位置に前記引き回されているリード線の位置より側面視における上方に突出する突出部を備え、
前記リード線のハウジング内を引き回される部分は、前記突出部及び前記第2リブに対して前記ソレノイドと反対側の位置に配置されている
ことを特徴とするクラッチ付き駆動装置。 - 請求項9又は10に記載のクラッチ付き駆動装置において、
前記第2リブの前記ソレノイドと反対側の位置となる前記ハウジング内にコンデンサー等の電気素子を配置する場所を有する、
ことを特徴とするクラッチ付き駆動装置。 - 請求項1から11のいずれか一項に記載のクラッチ付き駆動装置において、
前記出力軸は、プーリと前記プーリに巻き取り可能及び繰り出し可能なワイヤと、を備え、
前記ワイヤの巻き取りは前記モータの動力が前記出力軸に伝達されて行われ、
前記ワイヤの繰り出しは前記モータの動力とは別の動力により行われる、
ことを特徴とするクラッチ付き駆動装置。
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