JP2019112665A - 薄膜形成方法及び当該装置 - Google Patents

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晃 安藤
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博胤 滝澤
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Abstract

【課題】基板及び基板上の薄膜に対し、急速に局所的にエネルギーを与えて加熱する工程を含む、薄膜を形成する方法の提供。【解決手段】無機又は有機材料を用いてスパッタリングで基板上に薄膜を形成する方法において、スパッタリングと同時に、又はその前、又はその後に、基板(11)および薄膜(15)にプラズマ発生装置(3)により発生させた高密度プラズマ、マイクロ波発振器(12)より導波管(13)をとおりホーンアンテナ(14)より照射されたマイクロ波に局所的に急速加熱用エネルギーを供給して基板および薄膜を加熱する。【選択図】図1

Description

本発明は、薄膜形成方法及び当該装置に関する。特に、本発明は、急速加熱による薄膜の形成の製造過程において基板および薄膜に局所的に急速加熱用エネルギーを供給して基板および薄膜を加熱する工程を含む方法および当該方法を実現する装置に関する。
無機又は有機材料からなる薄膜は、垂直磁気記録方式のハードディスクドライブ(以下、単に「HDD」と示すこともある)記録媒体、モーター用磁石材料、量子ドット型太陽電池等の半導体材料、アクチュエータ用圧電材料、超伝導材料、リチウムイオン電池用材料等に幅広く使用されている。
かかる薄膜製造に要求される物理的・化学的特性は、その用途により異なるが、例えば、HDD用薄膜であれば、月産約100万枚の記録媒体の製造が必要である。
HDDに用いる記録媒体の薄膜の場合、単位面積当たりの情報記録容量を高めること等が求められている(特許文献1)。従来のハードディスク用記録媒体の薄膜材料ではCoCrPtなどがあげられるが、強磁性層の磁気異方性定数(Ku(J m-3))は小さく、10年以上の記録保持条件として知られる、KuV/kTが60以上となるようにするには、粒子の大きさを小さくする方法では限界がある(V:磁性微粒子1個の体積(m3)、k:ボルツマン定数(J K-1)、T:絶対温度(K))。そのため、より磁気異方性定数の大きな材料、例えばFePtが望まれる。しかし、L1FePt規則合金を垂直磁気記録薄膜として作製する場合、FePt粒子を規則化するために550℃での熱処理が必要である。
特許文献2には、ハードディスク用記録媒体の薄膜材料については、当該薄膜に含まれる結晶性の良い強磁性体グレインと非磁性相を分離することが課題として挙げられ、無機又は有機材料を用いた薄膜製造において、交番電磁場(交番電場・交番磁場を含む)を照射して行うことが開示されている。
また、HDD以外の機能性薄膜材料、例えばAlN、SiCなどの薄膜においても急速製膜プロセスにおける膜質向上のための製膜中および製膜前後における薄膜・基板温度の急速昇温が望まれているが、数秒で数百度まで薄膜・基板温度を昇温する方法および装置は報告されていない。
また、急速製膜プロセスにおいて、製膜中および製膜前後に薄膜・基板を局所的に急速昇温を実現する手段で非常に大きなエネルギーを製膜チャンバー内に投入する必要があるが、そのような高エネルギー投入は所望の薄膜・基板以外の装置および装置に備え付けられている部品に耐熱性対策等の問題が生じ、耐熱性対策等のコストアップや更なる高エネルギー消費を必要とし、現実的な解決策が見つかっていなかった。
特開2001−146089号公報 WO2017/085933号公報
本発明は、基板及び基板上の薄膜に対し、急速に局所的にエネルギーを与えて加熱することを課題とする。例えば、ハードディスク用薄膜材料については、当該基板及び基板上の薄膜、もしくはその周辺のみを局所的に数秒で常温から500℃以上に加熱する手段を提供することを課題とする。
かかる状況の下、本発明者らは鋭意研究した結果、無機又は有機材料を用いて基板上に薄膜を形成する方法において、基板および薄膜に局所的に急速加熱用エネルギーを供給して基板および薄膜を急速加熱する工程を含むことを特徴とする薄膜を形成する方法を提供する。
無機又は有機材料を用いてスパッタリングで基板上に薄膜を形成する方法では、スパッタリングと同時に、又はその前、又はその後に、基板および薄膜に局所的に急速加熱用エネルギーを供給して、基板および薄膜を急速加熱する工程を含む、薄膜を形成する方法を提供する。
また、基板及び基板上の薄膜への局所的急速加熱のほか、補助加熱材であるサセプターにも急速に加熱エネルギーを供給することによって行う方法を提供でき、例えば常温から高温(500℃以上)まで数秒で急速加熱する方法を提供する。即ち、本発明では、基板及び基板上の薄膜を、更にサセプターをも含めて加熱できること、更に基板及び基板上の薄膜の近傍をも急速に昇温、又は冷却できる方法を見出した。また、上記方法を実現するための装置を開発した。本発明は、以下の項の手段を提供する:
項1
無機又は有機材料を用いてスパッタリングで基板上に薄膜を形成する方法において、スパッタリングと同時に、又はその前、又はその後に、基板および薄膜に局所的に急速加熱用エネルギーを供給して基板および薄膜を加熱する工程を含むことを特徴とする薄膜を形成する方法。
項2
無機又は有機材料を用いてスパッタリングで基板上に薄膜を形成する方法において、サセプター(補助加熱材)上に基板が接して配置され、スパッタリングと同時に、又はその前、又はその後に、基板、薄膜及びにサセプターに局所的に急速加熱用エネルギーを供給して基板、薄膜及びにサセプターを加熱する工程を含むことを特徴とする薄膜を形成する方法。
項3
加熱する昇温速度が、50 ℃/秒 から1000 ℃/秒の範囲で加熱する項1又は2に記載の薄膜を形成する方法。
項4
サセプターの昇温速度が、50 ℃/秒 から1000 ℃/秒の範囲で加熱する項2又は3に記載の薄膜を形成する方法。
項5
急速加熱用エネルギーを供給する手段が、電磁波照射、ランプ照射、ガス加熱、電子線加熱、レーザー照射、誘電加熱からなる群から選ばれる少なくとも一種を用いた項1〜4のいずれか1項に記載の薄膜を形成する方法。
項6
急速加熱用エネルギーを供給する手段が、マイクロ波照射である項1〜5のいずれか1項に記載の薄膜を形成する方法。
項7
前記マイクロ波照射の周波数が、300MHz〜1THzである項6に記載の薄膜を形成する方法。
項8
前記マイクロ波照射が、パルス照射または連続的照射である項6又は7に記載の薄膜を形成する方法。
項9
前記マイクロ波照射の出力が、1mW〜1MWである項6〜8のいずれか1項に記載の薄膜を形成する方法。
項10
前記急速加熱用エネルギーを供給する工程が、薄膜を形成するチャンバーと同チャンバーまたは別チャンバーで行われる、項1〜9に記載のいずれか1項に記載の薄膜を形成する方法。
項11
前記急速加熱用エネルギーを供給する工程が、ひとつ又は複数のマイクロ波発振器により行われる項1〜10のいずれか1項に記載の薄膜を形成する方法。
項12
前記急速加熱用エネルギーを供給する工程が、薄膜、基板およびサセプター温度をマイクロ波照射条件にフィードバックして制御される項1〜11のいずれか1項に記載の薄膜を形成する方法。
項13
前記急速加熱用エネルギーを供給する工程が、薄膜温度2500℃未満の温度条件で行われる項1〜12のいずれか1項に記載の薄膜を形成する方法。
項14
無機又は有機材料を用いてスパッタリングで基板上に薄膜を形成する装置であって、局所的に急速加熱用エネルギーを供給できる手段を有し、スパッタリングと同時に、又はその前、又はその後に、基板および薄膜に局所的に急速加熱用エネルギーを供給して基板および薄膜を加熱するように基板が配置されたことを特徴とする薄膜を形成する装置。
項15
前記基板がサセプター(補助加熱材)上に接して配置され、さらにサセプターを備えた装置であって、基板、薄膜及びサセプターに局所的に急速加熱用エネルギーを供給して基板、薄膜及びサセプターを加熱することを特徴とする請求項14に記載の薄膜を形成する装置。
項16
さらにマイクロ波発振器と、マイクロ波をチャンバー内に導くために設けられた、導波管などからなるマイクロ波伝送機構と、薄膜および基板の加熱状態を観察するために設けられた観察窓と、前記観察により得られた情報をマイクロ波照射条件にフィードバックする機構と、マイクロ波が他の装置および制御系に到達しないように設けられたマイクロ波漏洩防止材と、を備えた項14又は15に記載の薄膜を形成する装置。
本発明によれば、種々のエネルギー供給方法、例えばマイクロ波照射を用いた場合、マイクロ波を吸収する材料を基板や成膜材料、もしくは補助加熱材であるサセプターに選択することにより、基板及び薄膜、さらに所望によってはサセプターに急速に加熱エネルギーを供給することが可能となる。その結果、例えば数秒程度で常温から高温(500℃以上)まで急速で薄膜及び基板、さらにはサセプターにも局所的に急速加熱することができる。また、このようなマイクロ波の選択加熱効果により、薄膜、基板、又はサセプターを含めて、もしくはそれらの近傍周辺のみを急速に昇温が可能となる。その結果、所望の成膜性能を有する成膜を急速に行うことができ、薄膜、基板、サセプター以外の装置構成部材(例えば、チャンバー等)への余計な熱電動やそれによる装置材料への熱歪応力等の変動ダメージを軽減できるとともに、エネルギーの消費を極力抑制することができ、省エネ、省コストが実現できる効果を発揮することができる。さらに、基板や成膜、サセプターの材料として、それぞれ熱容量の観点で選択することにより、放冷後の冷却を急速に行うこともできる。
本発明の第一の実施形態における、急速膜加熱及び急速基板加熱できる薄膜製造装置の側面断面概略図の一例を示す。 第一の実施形態における薄膜製造装置において、エネルギー供給手段としてマイクロ波照射手段を用いた時の薄膜部の急速昇温結果の一例を示す。 本発明の第二の実施形態における、急速膜加熱、急速基板加熱及び急速サセプター加熱できる薄膜製造装置の側面断面概略図の一例を示す。 第二の実施形態における薄膜製造装置において、エネルギー供給手段としてマイクロ波照射手段を用いた時のサセプター部急速昇温結果の一例を示す。 室温スパッタ成膜したFe-Pt-Cアモルファス薄膜(膜厚5 nm)をマイクロ波照射 (1秒の急速照射加熱、700 ℃) を施した際の試料のX線回折プロファイルを示す。
以下、本願発明の実施の形態について説明する。図1は、本願発明の第一の実施形態に係る、急速膜加熱及び急速基板加熱できる薄膜製造装置の側面断面概略図の一例を示す。
すなわち、図1は、高密度プラズマを用いた製膜前後もしくは同時に、基板および基板上の薄膜を急速に昇温し、かつ急速加熱領域は薄膜および基板の近傍周辺に限定できる薄膜製造装置の側面断面概略図である。
本願発明では、急速に基板加熱と基板上に成膜される薄膜の急速加熱を達成し、かつ前記急速加熱の領域を基板と薄膜およびその近傍周辺に急速加熱する領域を限定する方法を提供する。本明細書において、「急速加熱」とは、50 ℃/秒 から1000 ℃/秒の昇温速度の範囲において実施される。また好ましくは、50 ℃/秒 から700 ℃/秒の昇温速度の範囲でもよい。また、本明細書において、「近傍周辺」とは、例えば基板や薄膜等の「近傍周辺」とは少なくとも基板や薄膜等に物理的に接している隣接部であって、当該材料の熱伝導性や熱容量に依存するため、基板や薄膜等の界面からの距離には制限されない。
<高密度プラズマを用いた急速製膜の方法>
図1の装置を用いた場合での急速製膜の方法を以下に示す。チャンバー1はあらかじめ、排気系2によって10-4 Pa以下の高真空状態とする。プラズマ発生装置3にガス導入系4より導入されたガスの一部はプラズマ発生装置3において電離され高密度プラズマを発生する。チャンバー1へと流れだしたこの高密度プラズマは永久磁石6および電磁石7によって湾曲される磁力線構に沿ってチャンバー1の内部を流れ、ターゲット8に向かって流入する。高周波電源9およびインピーダンス整合器10によりバイアスされたターゲット8へと高密度プラズマ中のイオンが加速され引き込まれ、ターゲット8が急速にスパッタされる。スパッタリングにより飛散した粒子群は、ターゲット対向に設置した基板11へと堆積し、薄膜を急速に製膜する。
<ターゲットの昇温による急速製膜の方法>
ここで、高密度プラズマによってターゲット8を昇温することで、スパッタリング速度をさらに向上することができる。例えば、30nm/min以上の急速製膜が可能である。
<高密度プラズマを用いた急速製膜前後および/又は同時に、薄膜を急速に昇温する方法>
本願発明の第一の実施形態では、上記製膜前後もしくは同時に、薄膜を急速に昇温する方法を提供する。マイクロ波発振器12により発振されたマイクロ波は導波管13を通りホーンアンテナ14へと導かれる。ホーンアンテナ14より照射されたマイクロ波は基板11および薄膜15に到達する。本方法においては基板11でマイクロ波エネルギーを損失させたくないため、基板11はマイクロ波を吸収しない材料、例えばサファイア基板を用いる。薄膜15で吸収されたマイクロ波エネルギーが熱に変わることで、薄膜15の温度が上昇する。
なお、発熱部分が薄膜のみである場合は、マイクロ波を吸収せずかつ熱容量が薄膜に比べて相対的に大きい基板の温度はほとんど上昇しない。また、加熱領域が薄膜15周辺に限定され、かつ数秒と短時間のため、加熱された薄膜15により放射される熱によるチャンバー1等の昇温を回避することができる。
ここで、図2に、マイクロ波照射装置によりハードディスク薄膜を急速に昇温した例を示す。
図2(a)より、繰り返し短時間でハードディスク薄膜を約1000℃まで急速に加熱できることがわかる。また、図2(a)における8秒から18秒の拡大図(図2(b))より、100W程度のマイクロ波照射により、117℃/秒の急速な昇温が可能であることがわかる。また、局所的な急速加熱による昇温後、試料保持に用いた石英の温度は、薄膜から1cm以上の距離においては300℃を超えなかった。ここで、ハードディスク薄膜が局所的に急速加熱され、急速に昇温されることが確認された。
<高密度プラズマを用いた急速製膜前後および/又は同時に、基板を急速に昇温する方法>
本願発明の第一の実施形態では、上記製膜前後もしくは同時に、基板を急速に昇温する方法も提供する。マイクロ波発振器12により発振されたマイクロ波は導波管13を通りホーンアンテナ14へと導かれる。ホーンアンテナ14より照射されたマイクロ波は基板11および薄膜15に到達する。本方法においては基板11でマイクロ波エネルギーを損失させるため、基板11はマイクロ波をよく吸収する材料、例えばシリコン基板を用いる。基板11で吸収されたマイクロ波エネルギーが急速に熱に変わることで、基板11の温度が上昇する。
なお、発熱部分が基板のみである場合は、熱容量が基板に比べて相対的に小さな薄膜は熱伝導により速やかに基板と同じ温度に達する。また、加熱領域は薄膜および基板の近傍周辺に限定され、かつ数秒と短時間のため、加熱された薄膜および基板により放射される熱によるチャンバー等の昇温を回避することができる。
<高密度プラズマを用いた急速製膜前後および/又は同時に、サセプターの急速加熱による昇温により、基板および薄膜を急速に昇温する方法>
本願発明の第二の実施形態では、上記製膜前後もしくは同時に、サセプターの急速加熱による昇温により、基板および薄膜を急速加熱による昇温を行う方法を提供する。図3に、本願発明の第二の実施形態に係る高密度プラズマを用いた急速製膜前後もしくは同時に、サセプターを急速加熱により昇温し、かつ加熱領域を基板、薄膜およびサセプター並びに当該近傍周辺に限定できる薄膜製造装置の側面断面概略図を示す。マイクロ波発振器12により発振されたマイクロ波は導波管13を通りホーンアンテナ14へと導かれる。ホーンアンテナ14より照射されたマイクロ波はサセプター301に到達する。本方法においてはサセプター301でマイクロ波エネルギーを損失させるため、サセプター301はマイクロ波をよく吸収する材料、例えばカーボンを用いる。サセプターで吸収されたマイクロ波エネルギーが熱に変わることで、サセプター301の温度が急速に上昇する。急速加熱昇温されたサセプターから、放射を通じて基板および薄膜を急速加熱で昇温することが可能となる。また、加熱領域が基板、薄膜およびサセプター並びに当該近傍周辺に限定され、かつ数秒と短時間のため、加熱された基板、薄膜およびサセプターにより放射される熱によるチャンバー等の昇温を回避することができる。
図4に、マイクロ波照射装置によりサセプターを急速加熱で昇温した例を示す。図4(a)、(b)は、活性炭をサセプターに使用した場合の昇温グラフである。図4(a)より、繰り返し短時間で活性炭を800℃以上に加熱できることがわかる。また、図4(b)より、約130Wのマイクロ波照射により、514℃までおよそ72℃/秒での急速昇温が可能となることがわかる。
また、図4(c)、(d)は、CuOをサセプターに使用した場合の昇温グラフである。図4(c)より、10秒以内にCuOを700℃以上に加熱できることがわかる。
また、図4(d)より、約350Wのマイクロ波照射により、553℃まで(図中、横軸の時間が約13.5秒の時点)およそ169℃/秒での急速昇温が可能となることがわかる。
図5に、所定の方法により、室温スパッタ成膜したFe-Pt-Cアモルファス薄膜(膜厚5 nm)をマイクロ波照射 (1秒の急速照射加熱、700 ℃) を施した際の、試料のX線回折プロファイルを示す。図5中、(001)面および(002)面からの回折線が観測されていることから、急速加熱により、薄膜結晶の規則化が進んでおり、かつ試料が(002)面配向していることがわかる。このように、1秒という短時間で薄膜および基板を急速加熱でき、かつ規則相L10型FePtを得ることが観測されている。
<高密度プラズマを用いた急速加熱製膜装置>
また、本願発明では、高密度プラズマを用いた急速製膜前後もしくは同時に、薄膜、基板およびサセプターの急速加熱昇温により、基板、薄膜およびサセプターを急速加熱で昇温し、かつ加熱領域は薄膜、基板およびサセプター並びに当該部近傍周辺に限定できる薄膜製造装置の側面断面概略図も提供する。
図1中、チャンバー1はあらかじめ、排気系2によって10-4 Pa以下の高真空状態とする。プラズマ発生装置3にガス導入系4より導入されたガスの一部はプラズマ発生装置3において電離され高密度プラズマを発生する。チャンバー1へと流れだしたこの高密度プラズマは電磁石6および永久磁石7によって湾曲される磁力線構に沿ってチャンバー1の内部を流れ、ターゲット8に向かって流入する。高周波電源9およびインピーダンス整合器10によりバイアスされたターゲット8へと高密度プラズマ中のイオンが加速され引き込まれ、ターゲット8が急速にスパッタされる。スパッタリングにより飛散した粒子群は、ターゲット対向に設置した基板11へと堆積し、薄膜を急速に製膜する。その後、基板搬送ロボット(図示せず)によってチャンバー1の外へと搬送でき、薄膜形成プロセスを完了することができる。
以下に、本願発明に係る高密度プラズマ発生装置、高密度プラズマ高速(急速)スパッタリング装置、ダメージを抑制可能な基板ステージ、昇温可能なターゲット機構について説明する。
<高密度プラズマ発生装置>
図1又は図3の実施形態に係るプラズマ発生装置3として、以下に説明する高密度プラズマ発生装置が好ましく用いることができる。(高密度)プラズマ発生装置3は、静磁場印加条件下におけるMHz帯の高周波電力によってプラズマを生成する、いわゆる誘導電磁場により電子加熱を行う有磁場型ICP(Inductively Coupled Plasma: 誘導結合性プラズマ)または大電力化高周波電力投入時にはプラズマ‐波動相互作用によって電子加熱を行うヘリコン波プラズマ発生装置を改良したものである。プラズマ生成領域に相当する絶縁管を、長手方向に内径が変化する構造を有する絶縁管 (たとえばガラス管やセラミックス管)として、絶縁管の上流端または側壁からガス導入系3を有した構造となっている。絶縁管を真空フランジによりOリングシールまたは高真空接着剤シールを用いてチャンバー1へと接続し、内部を真空状態にした後に、マスフローコントローラを介して3よりガスを導入し、内部圧力を0.01から10Paの範囲にある指定の値で一定に保つことができる。
内径が拡大した領域に1個または複数個の電磁石6を設置しこれらに直流電流を流すことで、絶縁管の内径が小さい領域の壁面を通過する磁力線が、絶縁管の内径が拡大した領域の壁面と交差しない磁力線形状を形成できる。絶縁管の内径が小さい領域において、絶縁管外側に水冷が可能な高周波アンテナを巻きつけ、たとえば13.56MHzの高周波電源9と可変コンデンサを含むインピーダンスマッチング回路16を用いて高周波電力を投入することで、またはたとえば2-100MHzの範囲で周波数可変な広帯域高周波アンプと固定コンデンサからなるマッチング回路を用いて高周波電力を投入することで、高密度プラズマを生成できる。ここで生成されたプラズマは磁力線に沿って下流域へと流れるが、絶縁管の内径が拡大するために磁力線が絶縁管内壁と交差せず、プラズマの壁面への損失が抑制され、結果として下流域において1017-1019m-3の高密度プラズマを得られる。
<高密度プラズマを用いた急速スパッタリング装置>
本願発明に係るプラズマスパッタリング装置として、以下の特徴を有する装置(図示省略)が用いられる。例えば、プラズマスパッタリング装置は、永久磁石6または電磁石7によってプラズマ発生装置3から発生する磁力線を湾曲し、プラズマ発生装置3で生成した高密度プラズマを、ターゲット8表面へと効率よく流し、イオン引き込みによりスパッタリングを行うものである。チャンバー1においてプラズマ発生装置3と垂直方向の真空槽壁面へ絶縁フランジを介して、水冷機構17を備えかつ永久磁石を内蔵したターゲットホルダ18を設置する。ターゲット8を冷却する場合には直接ターゲット8をターゲットホルダ28へ設置する構造とする。ターゲットホルダ18へ、たとえば13.56MHzの高周波電源9とインピーダンス整合器10を用いて高周波電圧を印加することで、またはたとえば400kHz-100MHzの範囲で周波数可変な広帯域高周波アンプと固定コンデンサからなるマッチング回路を用いて高周波電圧を印加することで、またはターゲット8が導電性材料でありターゲットホルダ18と電気的に接触している場合には直流電圧(図示せず)を印加する。
これにより、プラズマ発生装置3より流れてきたプラズマ中のイオンを引き込み、イオン衝撃によりターゲット8がスパッタされる。ターゲット8よりスパッタされた粒子がターゲット機構の対向に配置された基板11へと堆積し薄膜が形成される。この際に、基板位置を、プラズマ発生装置3から湾曲してターゲット8へ向かう磁力線が通過しない領域に設定することで、基板11へのプラズマ流入を抑制しイオンダメージを軽減することができる。
<基板ステージ機構>
湾曲磁場により形状制御した状態であっても、中性粒子とプラズマ中のイオンおよび電子が衝突する際には、磁力線を横切るプラズマの拡散過程により、少量ではあるが基板11への高密度プラズマ流入が起こりうる。基板11へのイオンダメージをさらに抑制するために、基板ステージ19周辺に永久磁石群31を設置し、基板1の表面に沿った磁力線を形成する。プラズマの流れに対して垂直方向の磁力線を横切ってプラズマが拡散する場合には電子温度が低下することが知られており、磁場強度が強い場合に電子温度低下の効果が顕著になる (特許文献3など)。基板表面におけるシース構造による電圧降下Vsh は、次式で与えられる。
Vsh = Te ln(M/2・me)、ここでTe、M、me はそれぞれ電子温度、イオン質量、電子質量である。したがって電子温度Teの低下に伴いシース電圧降下Vshが小さくなるため、基板へ流入するイオンエネルギーを低下させることが可能であり、結果としてイオン損傷によるダメージが抑制される。一方でターゲット8よりスパッタされた粒子の主な成分は電気的に中性状態であり、永久磁石群31による磁力線の影響を受けることなく薄膜形成に寄与する。またターゲット8よりスパッタされる粒子がイオン化している場合にも、イオンは質量が大きく磁力線の効果を受けにくいため磁力線の影響を受けず、更には電圧降下Vshを抑制しているため低エネルギー状態で基板へと堆積し薄膜形成に寄与することができる。
<昇温可能なターゲット機構>
ターゲット機構においては、永久磁石をターゲットホルダ18へと内蔵しているため、安定した永久磁石特性を維持するためには、水冷機構17は必須である。そこでターゲットを昇温するためには、図1に示すように、ターゲット8とターゲットホルダ18の間にセラミックス等で構成される断熱板を挿入することで、ターゲット8のみの昇温が可能となる。ターゲット8へ吸収されるエネルギーEtはおおよそ引き込まれるイオンのエネルギーに相当する。ターゲット8へ流入する単位時間当たりのおおよそのエネルギーEtは、次式で算出される。
t = 0.61*n*uB*S*e*Ei 〜 1 kW、
ここで、uB = (eTe /MArgon)1/2はボーム速度、eは電荷素量である。たとえば、典型的なプラズマ密度 n = 1018m-3、電子温度 Te = 3eV、プラズマ半径5cm、アルゴンイオンエネルギーEi = 500eVとした際には、最大で1kW級の電力をターゲット8へと投入することが可能であり、ターゲット8の昇温が可能となる。
本願発明の方法においては、ターゲット8の温度条件は好ましくは、10℃〜1500℃の範囲であっても良く、より好ましくは150℃〜1300℃の範囲であってもよく、望ましくは200℃〜1200℃の範囲であってもよい。
<高密度プラズマを用いた急速製膜前後および/又は同時に、基板および薄膜へ急速にエネルギーを供給する装置>
また、以下に、本願発明に係る高密度プラズマを用いた急速製膜前後もしくは同時に、基板および薄膜を急速加熱で昇温し、かつ加熱領域を基板、薄膜及び基板近傍周辺に限定できる薄膜製造装置について説明する。
本装置はマイクロ波発振器12、導波管13、ホーンアンテナ14および制御装置19などからなる。マイクロ波発振器12により発振されたマイクロ波は導波管13を通りホーンアンテナ14へと導かれる。ホーンアンテナ14より照射されたマイクロ波を、基板11および薄膜15に到達させることができる。また、加熱領域が薄膜および基板周辺に限定され、かつ数秒と短時間のため、加熱された薄膜および基板により放射される熱によるチャンバー等の昇温を回避することができる。
<高密度プラズマを用いた急速製膜前後および/又は同時に、サセプターへ急速にエネルギーを供給する装置>
また、以下に、本願発明に係る高密度プラズマを用いた急速製膜前後もしくは同時に、サセプターの急速加熱昇温により、基板、薄膜およびサセプターを急速に昇温し、かつ加熱領域を基板、薄膜およびサセプター、並びに当該部近傍周辺に限定できる薄膜製造装置について説明する。
本装置はマイクロ波発振器12、導波管13、ホーンアンテナ14および制御装置19などからなる。マイクロ波発振器12により発振されたマイクロ波は導波管13を通りホーンアンテナ14へと導かれる。ホーンアンテナ14より照射されたマイクロ波を、マイクロ波照射口に配置したサセプター301に到達させることができる。また、加熱領域が基板、薄膜およびサセプター並び当該部近傍周辺に限定され、かつ数秒と短時間のため、急速加熱された基板、薄膜およびサセプターにより放射される熱によるチャンバー等の昇温を回避することができる。
<一種類および多種類の薄膜を急速に連続的に製造する方法において、製膜チャンバー内で基板及び薄膜を急速に加熱する方法>
本願発明の第三の実施形態に係る一種類および多種類の薄膜を急速に連続的に製造する方法において、製膜チャンバー内で特定成分からなる薄膜のみと基板を急速に加熱する装置を用いて実施することができる(装置図は省略)。
この第三の実施形態(図示省略)では、一種類もしくは多種類の薄膜を急速に連続的に製造する方法を提供する。この方法では、例えば特許文献JPA2002-260218号公報に記載の装置を用いることができる。チャンバー501は、薄膜をスパッタリングにより急速に作製するものとなっている。具体的に説明すると、チャンバー501は、内部を排気する排気系2と、内部にプロセスガスを導入するガス導入系3と、内部の空間に被スパッタ面を露出させて設けたターゲット8を有するカソードユニット502と、ターゲット8にスパッタ放電用の電圧を印加するスパッタ電源と、ターゲット8の背後に設けられた磁石ユニット503とを備えている。
排気系2は、クライオポンプ等の真空ポンプを備えており、チャンバー1内を10−6 Pa程度まで排気できる。本願発明では、基板11の片面に製膜するため、キャリア504に保持された基板11の片側にカソードユニット502が配置されている。カソードユニット502には、前述したターゲット8や磁石ユニット503、およびターゲット冷却のための水冷機構17を含んでいる。磁石ユニット503は、マグネトロンスパッタリングを可能にするためのものである。
ガス導入系4によってアルゴンガスを導入しながら排気系2によってチャンバー501内を所定の圧力、例えば0.6Paに保ち、この状態でスパッタ電源(図5不図示)を作動させる。このことにより、スパッタ放電が生じてターゲット8がスパッタされ、スパッタリングにより飛散した粒子群は、ターゲット対向に設置した基板11に堆積し薄膜が作製される。このとき、ターゲットと基板との距離を短くできるため、材料に依存するが数nm/秒の速度で急速のスパッタリングが可能である。作製された薄膜は、搬送系505によって次のチャンバーへ数秒程度で送られる。搬送先のチャンバーもチャンバー501と同様の構成となっており、これを連続的につなげることで、多種類の薄膜を連続的に急速製膜することが可能となる。
第三の実施形態(図示省略)の装置は、マイクロ波発振器12、導波管13、ホーンアンテナ14および制御装置19などを備えている。マイクロ波発振器12により発振されたマイクロ波は導波管13を通りホーンアンテナ14へと導かれる。ホーンアンテナ14より照射されたマイクロ波を、マイクロ波照射口に配置したサセプター301に到達させることができる。また、加熱領域が基板、薄膜およびサセプター並び当該部近傍周辺に限定され、かつ数秒と短時間のため、急速加熱された基板、薄膜およびサセプターにより放射される熱によるチャンバー等の昇温を回避することができる。基板上に形成される多種類の薄膜に対し、急速に加熱して連続的又は不連続的に薄膜を製造する場合、マイクロ波を吸収する薄膜成分とマイクロ波を吸収しない薄膜成分の設計思想に基づき、マイクロ波を吸収する特定成分からなる薄膜と基板を急速に加熱することができる(装置図は省略)。
本発明において、基板、基板上の薄膜及びサセプターの温度条件は、それぞれ独立に、好ましくは、-70℃〜2500℃の範囲であっても良く、より好ましくは150℃〜1300℃の範囲であってもよく、望ましくは200℃〜1200℃の範囲であってもよい。
本発明において、薄膜、基板およびサセプターの急速加熱には、マイクロ波以外の方式を単独で使用、もしくは併用しても良い。マイクロ波以外の方式として、例えばランプ加熱、ガス加熱、電子線加熱、レーザー加熱、誘電加熱などを任意に用いることができる。
本発明において、マイクロ波はサセプターにすべて吸収させる必要はなく、基板加熱もしくは薄膜加熱と併用して任意に用いても良い。
本発明において、サセプターの材料は特に限定されないが、Li, Na, K, Rb, Cs, Fr等のアルカリ金属元素、Be, Mg, Ca, Sr, Ba, Ra等のアルカリ土類金属元素、Sc, Ti, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Y, Zr, Nb, Mo, Tc, Ru, Rh,Pd, Ag, Cd, Hf, Ta, W, Re, Os, Ir, Pt, Au, Hg, Rf, Db, Sg, Bh, Hs, Mt, Ds, Rg, Cn等の遷移金属元素、Ce, Pr, Nd, Pm, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Lu等のアクチノイド元素、Th, Pa, U, Np, Pu, Am, Cm, Bk, Cf, Es, Fm, Md, No, Lr等のランタノイド元素、Al, Ga, In、Tl等の周期律表に示される13族金属元素、C, Si, Ge, Sn, Pbの14族元素, P, As, Sb, Biの15族元素, S, Se, Te, Po等の16族元素から少なくとも一種類以上を含む無機物である。望ましくは遷移金属、典型金属、半金属およびそれらからなる合金、CoPt、CoCrPt、FePt、カーボン、ケッチェンブラック、グラフェン、数層グラフェン、カーボンナノチューブ等のカーボン材料、SiC、CuO、SnO2、Ti4O7、TiO2-x、Fe3O4、γ―Fe2O3、VO2、ZnO、TiO、CuO、SrFe1219、FeAl、ZnFeO、NiMn等である。これらは上記二種類以上の混合体でも良い。形態は特に限定されないが、薄膜、粉末、バルクが望ましい。アモルファスでも結晶質でもよい。
本発明において、サセプターは容器に入っていても良い。容器の材質は特に限定されないが、マイクロ波が吸収しにくい材料(例えば石英、MgO、サファイア、TiO2、BNなど)やマイクロ波を吸収しやすい材料(SiC、カーボンなど)でもよい。マイクロ波を反射する材料(例えばバルク金属など)を容器の一部分に用いても良い。これらは上記二種類以上の混合体でも良い。形態は特に限定されないが、単結晶、焼結体およびガラスが望ましい。
本発明において、サセプターの幾何学的な寸法について制限はないが、マイクロ波出力によってその実質的な厚みを可変できる。実質的な厚みを変えることで、試料に照射されるマイクロ波の電界強度または磁界強度を変えることができるようにしても良い。
本発明において用いられる基板材料は特に限定されないが、前述のサセプター材料の例示にあるような材料を用いても良い。また、例えば基板材料として、石英、ガラス、サファイア、SiC、シリコン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、酸化マンガン亜鉛鉄、酸化マグネシウムアルミニウム、ホウ化ジルコニウム、酸化ガリウム、酸化インジウム、酸化リチウムガリウム、酸化リチウムアルミニウム、酸化ネオジウムガリウム、酸化ランタンストロンチウムアルミニウムタンタル、酸化ストロンチウムチタン及び酸化チタンからなる群から選ばれる一種の材料基板を挙げることができる。本発明において、マイクロ波を吸収しやすい材料、例えばSiC、カーボン等を用いることができる。
本発明において、マイクロ波照射装置12として、マグネトロン型、ジャイラトロン形、クライストロン型、および半導体発振器を用いても良い。上記発振器の種類に応じて、同軸ケーブル、同軸導波管変換器、制御装置、導波管などからなるマイクロ波伝送機構の構成を適宜変更することができる。
本発明において、マイクロ波の周波数は特に限定されず、例えば、300MHz以上、0.5GHz以上、1GHz以上、2GHz以上等の範囲で適宜設定できる。また、交番電磁場の周波数の上限も特に限定されず、例えば、1THz以下、300GHz以下、30GHz以下、6GHz以下、3GHz以下等の範囲で適宜設定できる。本実施形態においては、交番電磁場照射工程の周波数条件は好ましくは、300MHz〜1THzの範囲であってもよく、更に300MHz〜300GHzの範囲であっても良く、より好ましくは500MHz〜300GHzの範囲であってもよく、望ましくは1GHz〜30GHzの範囲であってもよい。また、上記周波数を照射中に、適宜可変してもよい。また、上記周波数のマイクロ波を重畳してもよい。
本発明において、マイクロ波照射の出力は特に限定されず、例えば、1mW以上、1W以上、1kW以上、5kW以上等の範囲で適宜設定できる。また、交番電磁場の出力の上限も特に限定されず、例えば、1MW以下、500kW以下、100kW以下、10kW以下、1kW以下等の範囲で適宜設定できる。本実施形態においては、交番電磁場照射工程の出力条件は好ましくは、1mW〜1MWの範囲であっても良く、さらに1mW〜500kWの範囲であっても良く、より好ましくは1mW〜100kWの範囲であってもよく、望ましくは1mW〜10kWの範囲であってもよい。
本発明において、マイクロ波の照射方式は特に限定されず、導波管(TEおよびTM)方式、ホーン方式、共振器型、マルチモード型、フェイズドアレイ方式、アンテナ方式およびスロットアンテナ方式などを用いることができる。上記方式の種類に応じて、同軸ケーブル、同軸導波管変換器、制御装置、導波管などからなるマイクロ波伝送機構の構成を適宜変えることができる。
本発明において、マイクロ波照射における制御方法は特に限定されず、連続照射、出力のON/OFFなどによるパルス照射、シャッター開閉によるパルス照射などを用いても良い。
また、本願発明において、チャンバーにとりつけられた観察窓101などから、薄膜および基板の加熱状況をサーモグラフィ102などで観察することが可能である。サーモグラフィなどで得た情報をPCなどの制御装置を経てマイクロ波発振器へフィードバックする機構(フィードバック装置103)を設けることもできる。
また、本願発明において、チャンバー内にマイクロ波漏洩防止材を備えることができる。マイクロ波漏洩防止材により、例えば搬送装置へのマイクロ波照射を防止できる。マイクロ波防止材の材質は導電率の大きい材料であれば特に限定されず、アルミニウム、ステンレスなどの金属や、カーボンなどを用いることができる。
また、本願発明において、マイクロ波を均一に照射する機構を付与しても良い。例えば本実施形態におけるアンテナ方式では、サーモグラフィ14などから温度分布を取得し、アンテナ方向などの制御により温度分布を最小に抑える機構を備えることができる。また、例えばスロットアンテナ方式では、スリットから放射される電磁波がスリット近傍で強いプラズマを発生させて電磁波エネルギーが大部分アンテナの近傍、表面に極近い部分で消費される。この方式ではスロットアンテナ近傍で強いプラズマが発生するので、スリットの形や配置によりプラズマ密度分布が変わる。これを防ぐために、スリットの形や分布を変えるために複数枚のスロットアンテナを重ねてお互いの相対的な位置を変えることにより、スリットを部分的に塞ぐ機能を付加してもよい(特許文献JP 2014-229752号公報)。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1 チャンバー
2 排気系
3 プラズマ発生装置
4 ガス導入系
6 永久磁石
7 電磁石
8 ターゲット
9 高周波電源
10 インピーダンス整合器
11 基板
12 マイクロ波発振器
13 導波管
14 ホーンアンテナ
15 薄膜
16 インピーダンスマッチング回路
17 水冷機構
18 ターゲットホルダ
19 制御装置
101 観察窓
102 サーモグラフィ
103 フィードバック装置
301 サセプター

Claims (16)

  1. 無機又は有機材料を用いてスパッタリングで基板上に薄膜を形成する方法において、
    スパッタリングと同時に、又はその前、又はその後に、
    基板および薄膜に局所的に急速加熱用エネルギーを供給して基板および薄膜を加熱する工程を含むことを特徴とする薄膜を形成する方法。
  2. 無機又は有機材料を用いてスパッタリングで基板上に薄膜を形成する方法において、
    サセプター(補助加熱材)上に基板が接して配置され、
    スパッタリングと同時に、又はその前、又はその後に、
    基板、薄膜及びにサセプターに局所的に急速加熱用エネルギーを供給して基板、薄膜及びにサセプターを加熱する工程を含むことを特徴とする薄膜を形成する方法。
  3. 加熱する昇温速度が、50 ℃/秒 から1000 ℃/秒の範囲で加熱する請求項1又は2に記載の薄膜を形成する方法。
  4. サセプターの昇温速度が、50 ℃/秒 から1000 ℃/秒の範囲で加熱する請求項2又は3に記載の薄膜を形成する方法。
  5. 急速加熱用エネルギーを供給する手段が、電磁波照射、ランプ照射、ガス加熱、電子線加熱、レーザー照射、誘電加熱からなる群から選ばれる少なくとも一種を用いた請求項1〜4のいずれか1項に記載の薄膜を形成する方法。
  6. 急速加熱用エネルギーを供給する手段が、マイクロ波照射である請求項1〜5のいずれか1項に記載の薄膜を形成する方法。
  7. 前記マイクロ波照射の周波数が、300MHz〜1THzである請求項6に記載の薄膜を形成する方法。
  8. 前記マイクロ波照射が、パルス照射または連続的照射である請求項6又は7に記載の薄膜を形成する方法。
  9. 前記マイクロ波照射の出力が、1mW〜1MWである請求項6〜8のいずれか1項に記載の薄膜を形成する方法。
  10. 前記急速加熱用エネルギーを供給する工程が、薄膜を形成するチャンバーと同チャンバーまたは別チャンバーで行われる、請求項1〜9に記載のいずれか1項に記載の薄膜を形成する方法。
  11. 前記急速加熱用エネルギーを供給する工程が、ひとつ又は複数のマイクロ波発振器により行われる請求項1〜10のいずれか1項に記載の薄膜を形成する方法。
  12. 前記急速加熱用エネルギーを供給する工程が、薄膜、基板およびサセプター温度をマイクロ波照射条件にフィードバックして制御される請求項1〜11のいずれか1項に記載の薄膜を形成する方法。
  13. 前記急速加熱用エネルギーを供給する工程が、薄膜温度2500℃未満の温度条件で行われる請求項1〜12のいずれか1項に記載の薄膜を形成する方法。
  14. 無機又は有機材料を用いてスパッタリングで基板上に薄膜を形成する装置であって、
    局所的に急速加熱用エネルギーを供給できる手段を有し、
    スパッタリングと同時に、又はその前、又はその後に、
    基板および薄膜に局所的に急速加熱用エネルギーを供給して基板および薄膜を加熱するように基板が配置されたことを特徴とする薄膜を形成する装置。
  15. 前記基板がサセプター(補助加熱材)上に接して配置され、
    さらにサセプターを備えた装置であって、
    基板、薄膜及びサセプターに局所的に急速加熱用エネルギーを供給して基板、薄膜及びサセプターを加熱することを特徴とする請求項14に記載の薄膜を形成する装置。
  16. さらにマイクロ波発振器と、
    マイクロ波をチャンバー内に導くために設けられた、導波管などからなるマイクロ波伝送機構と、
    薄膜および基板の加熱状態を観察するために設けられた観察窓と、
    前記観察により得られた情報をマイクロ波照射条件にフィードバックする機構と、
    マイクロ波が他の装置および制御系に到達しないように設けられたマイクロ波漏洩防止材と、
    を備えた請求項14又は15に記載の薄膜を形成する装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021093650A1 (zh) * 2019-11-11 2021-05-20 北京北方华创微电子装备有限公司 溅射装置

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