JP2019112372A - 微生物付着抑制剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】物体表面への微生物の付着を抑制するものであって、多くの種類の微生物に対して優れた微生物付着抑制性能を有する微生物付着抑制剤を提供する。【解決手段】一般式(1)で表される構成単位を有する重合体を含み、前記重合体の量が0.003質量%以上、1質量%以下である微生物付着抑制剤。前記重合体は、一般式(2)で表される構成単位を有する共重合体であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は微生物付着抑制剤に関する。例えば、微生物汚染による感染症及び悪臭等の発生を防止することを目的として、医療器具、食品加工設備及び生活用品等の基材又は表面のコーティング剤として好適に用いることができる微生物付着抑制剤に関する。
物体表面における微生物の増殖、具体的には、細菌、古細菌、カビや酵母等の真菌類、及び藻類等の増殖は以前より問題になっている。例えば、医療分野においては、カテーテル等の留置型医療器具の表面で微生物が増殖すると感染症の原因となる。また食品加工の分野においては、食品加工設備の表面において微生物が増殖すると食品の腐敗や食中毒の原因となる。更に、生活用品の分野においては、生活用品の表面で微生物が増殖すると、悪臭の発生や人体への悪影響を及ぼすことがある。
したがって、従来から物体表面における微生物の増殖を抑制する技術が盛んに検討されている。例えば、特許文献1には基材に抗菌剤を加えることで抗菌作用を付与する方法が提案されている。
特開2001−302832号公報
特許文献1に記載の方法では、微生物の種類によっては抗菌剤が有効でない場合があると共に薬剤耐性菌が発生するという問題があった。また、抗菌剤が人体への悪影響を及ぼす懸念もあった。
本発明は前記従来の課題を鑑みてなされたものであって、物体表面への微生物の付着を抑制するものであって、多くの種類の微生物に対して優れた微生物付着抑制性能を有する微生物付着抑制剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、特定の構成単位を有する重合体を特定量含有する微生物付着抑制剤であれば、多くの種類の微生物について物体表面への付着を抑制することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記[1]〜[4]を要旨とするものである。
[1]下記一般式(1)で表される構成単位を有する重合体を含み、前記重合体の量が0.003質量%以上、1質量%以下である微生物付着抑制剤。

(一般式(1)において、R1は水素原子又はメチル基を表し、nは1〜4の整数を表す。)
[2]前記重合体が、下記一般式(2)で表される構成単位を有する共重合体である、前記[1]に記載の微生物付着抑制剤。

(一般式(2)において、Rは水素原子又はメチル基を表し、Lは、−C−、−C10−、−(C=O)−O−、−(C=O)−NH−、又は−O−(C=O)−から選ばれる2価の基を表し、Lは炭素数1〜22のアルキル基を表す。)
[3]前記重合体の重量平均分子量が20,000〜90,000である、前記[1]又は[2]に記載の微生物付着抑制剤。
[4]前記一般式(1)で表される構成単位及び前記一般式(2)で表される構成単位の合計に対する前記一般式(1)で表される構成単位の含有量が20〜90モル%である、前記[2]又は[3]に記載の微生物付着抑制剤。
本発明は、物体表面への微生物の付着を抑制するものであって、多くの種類の微生物に対して優れた微生物付着抑制性能を有する微生物付着抑制剤を提供することができる。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート又はメタクリレート」を意味し、他の類似用語についても同様である。
また、本明細書において、好ましい数値範囲(例えば、含有量や重量平均分子量の範囲)を段階的に記載した場合、各下限値及び上限値は、それぞれ独立して組み合わせることができる。例えば、「好ましくは10以上、より好ましくは20以上、そして、好ましくは100以下、より好ましくは90以下」という記載において、「好ましい下限値:10」と「より好ましい上限値:90」とを組み合わせて、「10以上90以下」とすることができる。また、例えば、「好ましくは10〜100、より好ましくは20〜90」という記載においても、同様に「10〜90」とすることができる。
[微生物付着抑制剤]
本発明の微生物付着抑制剤は、下記一般式(1)で表される構成単位を有する重合体を含み、前記重合体の量が0.003質量%以上、1質量%以下である微生物付着抑制剤であり、多くの種類の微生物に対して優れた微生物付着抑制性能を発揮することが可能になる。
以下、前記重合体の構成について詳細に説明する。
<一般式(1)で表される構成単位>
本発明において用いる重合体は、下記一般式(1)で表される構成単位(以下、「構成単位(1)」ともいう)を有するものである。

(一般式(1)において、R1は水素原子又はメチル基を表し、nは1〜4の整数を表す。)
前記一般式(1)において、R1は水素原子又はメチル基を表し、前記重合体の保存安定性を向上させる観点から、メチル基が好ましい。
また、前記一般式(1)において、nは1〜4の整数を表し、原料の入手容易性の観点から、nは1〜3が好ましく、1〜2がより好ましい。
前記一般式(1)で表される構成単位の原料となる化合物は公知の方法で製造することができる。例えば、グリセリンのアセタール化体とイソシアーネート基を有する(メタ)アクリレートとをウレタン化反応用触媒の存在下、ウレタン化反応させることにより得られる化合物を、加水分解用の触媒の存在下、水含有溶媒中で加水分解する方法等により製造することができる。
前記一般式(1)で表される構成単位の原料となる化合物は、下記一般式(1a)で表すことができ、中でも、R1がメチル基でありnが2であるメタクリル酸グリセリルアミドエチル(本明細書では「グリセロール−1−メタクリロイルオキシエチルウレタン」又は「GMU」ともいう)が好ましい。

(一般式(1a)において、R1は水素原子又はメチル基を表し、nは1〜4の整数を表す。)
本発明に用いる重合体は、本発明の効果を損なわない範囲において、構成単位(1)以外のその他の構成単位を含んでもよく、具体的には、本発明の微生物付着抑制剤の物体表面への付着性を向上させる観点から、下記一般式(2)で表される構成単位(以下、「構成単位(2)」ともいう)を含む共重合体であることが好ましい。
<一般式(2)で表される構成単位>
(一般式(2)において、Rは水素原子又はメチル基を表し、Lは、−C−、−C10−、−(C=O)−O−、−(C=O)−NH−、又は−O−(C=O)−から選ばれる2価の基を表し、Lは炭素数1〜22のアルキル基を表す。)
前記一般式(2)において、Rは水素原子又はメチル基を表し、前記重合体の保存安定性を向上させる観点から、メチル基が好ましい。
前記一般式(2)において、Lは、−C−〔フェニレン基〕、−C10−〔シクロヘキシレン基〕、−(C=O)−O−〔エステル結合〕、−(C=O)−NH−〔アミド結合〕、又は−O−(C=O)−〔オキシカルボニル結合〕から選ばれる2価の基を表し、原料の入手容易性の観点から、−C−〔フェニレン基〕、−(C=O)−O−〔エステル結合〕、又は−(C=O)−NH−〔アミド結合〕が好ましい。
前記一般式(2)において、Lは、炭素数1〜22のアルキル基を示し、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基,n−デシル基、イソボルニル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、アラキジル基、ベヘニル基、オレイル基、リノール基、リノレイル基、及びイソステアリル基等が挙げられる。これらの中でも、微生物付着抑制剤と物体との親和性を向上させる観点から、炭素数10〜20のアルキル基が好ましく、炭素数12〜18のアルキル基がより好ましく、炭素数18のアルキル基であるステアリル基が更に好ましい。
一般式(2)で表される構成単位の原料となる化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ラウリル、及び(メタ)アクリル酸ステアリル等を挙げることができ、中でも(メタ)アクリル酸ラウリル、及び(メタ)アクリル酸ステアリルが好ましく、より具体的には、前記重合体が(メタクリル酸グリセリルアミドエチル/メタクリル酸ステアリル)コポリマーであることが好ましい。
本発明において、前記重合体は2種以上の構成単位(1)を含む共重合体でもよく、2種以上の構成単位(2)を含む共重合体でもよい。また、重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体等のいずれの構造であってもよく、またこれらの混合物であってもよい。
<構成単位(1)及び(2)の割合>
前記重合体中の構成単位(1)及び構成単位(2)の合計に対する構成単位(1)の含有量は、20モル%以上が好ましく、30モル%以上がより好ましく、40モル%以上がより更に好ましく、50モル%以上がより更に好ましく、そして、90モル%以下が好ましく、80モル%以下がより好ましく、75モル%以下がより好ましく、70モル%以下が更に好ましい。
<構成単位(1)及び(2)以外の構成単位>
本発明に用いる重合体は、本発明の効果を損なわない範囲において、構成単位(1)及び構成単位(2)以外のその他の構成単位を含んでいてもよいが、前記構成単位(1)及び構成単位(2)のみからなることが好ましい。
前記その他の構成単位は、例えば、前記一般式(1)及び(2)で表される構成単位の原料となる化合物以外の直鎖又は分岐鎖のアルキル(メタ)アクリレート、環状アルキル(メタ)アクリレート、芳香族基含有(メタ)アクリレート、スチレン系単量体、ビニルエーテル単量体、ビニルエステル単量体、親水性の水酸基含有(メタ)アクリレート、酸基含有単量体、窒素含有基含有単量体、アミノ基含有単量体、及びカチオン性基含有単量体から選ばれる重合性単量体に由来する構成単位が挙げられる。
前記重合体が構成単位(1)及び(2)以外のその他の構成単位を含有する場合、全構成単位中のその他の構成単位の割合は、30モル%以下が好ましく、20モル%以下がより好ましく、10モル%以下が更に好ましい。すなわち、全構成単位中の前記構成単位(1)及び構成単位(2)の割合は、70モル%以上が好ましく、80モル%以上がより好ましく、90モル%以上が更に好ましい。なお、前記重合体が構成単位(2)を含まない場合の全構成単位中の前記構成単位(1)の割合は、70モル%以上が好ましく、80モル%以上がより好ましく、90モル%以上が更に好ましい。
<重合体の重量平均分子量>
重合体の重量平均分子量(Mw)は20,000〜90,000が好ましい。重合体の重量平均分子量が前記下限値以上であると、多くの種類の微生物に対する微生物付着抑制性能が向上し、前記上限値以下であると、重合体の取り扱い性が向上する。前記観点から、重合体の重量平均分子量は25,000以上が好ましく、30,000以上がより好ましく、35,000以上が更に好ましく、40,000以上がより更に好ましく、そして、80,000以下が好ましく、75,000以下がより好ましく、70,000以下が更に好ましく、65,000以下がより更に好ましく、60,000以下がより更に好ましい。
重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリエチレングリコール換算の重量平均分子量を指す。
<微生物付着抑制剤中の重合体の量>
本発明の微生物付着抑制剤中の重合体の量は、0.003質量%以上、1質量%以下である。前記重合体の量が前記下限値未満であると微生物の付着抑制効果を得ることができず、前記重合体の量が前記上限値を超えて使用しても添加量に見合った効果が得られにくくなる。前記観点から、微生物付着抑制剤中の重合体の量は、好ましくは0.004質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上であり、そして、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下、更に好ましくは0.05質量%以下である。
<重合体の製造方法>
本発明に用いる前記重合体は、一般的な重合体の製造方法により製造することができる。例えば、溶媒に前記一般式(1)で表される構成単位の原料となる化合物、及び必要に応じて一般式(2)で表される構成単位の原料となる化合物等を溶解し、ラジカル重合開始剤の存在下、ラジカル重合で重合させることにより製造することができる。
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、及びプロパノール等の低級アルコールが挙げられる。
また、重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−バレロニトリル)、過酸化ベンゾイル、及びn−プロピルパーオキシカーボネート等のアゾ系開始剤や、過酸化物系開始剤等の公知の開始剤を使用することができる。
重合温度については特に制限はないが、0℃〜80℃が好ましい。
<任意成分>
本発明の微生物付着抑制剤は、必要に応じてコーティング材に使用できる湿潤剤、酸化防止剤、帯電防止剤、レべリング剤、充填剤、顔料や溶剤等を含有してもよい。
任意成分の中でも、本発明の微生物付着抑制剤は、湿潤剤を含むことが好ましい。前記重合体と湿潤剤とを組合わせて使用することで、微生物付着抑制性能が向上する。
湿潤剤としては多価アルコールが好ましく、多価アルコールとしては、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、キシリトール、マンニトール、及びエリスリトール等が挙げられる。
微生物付着抑制剤が湿潤剤を含有する場合、その含有量は0.01〜50質量%が好ましく、0.01〜30質量%がより好ましく、0.01〜20質量%が更に好ましく、1〜12質量%がより更に好ましい。湿潤剤の含有量が前記範囲内であると、微生物付着抑制性能がより向上する。
また、本発明の微生物付着抑制剤は、後述する対象基材の原料又は表面コーティング剤として使用することで、基材又は基材表面への微生物の付着を抑制することができるが、基材への適用又はコーティングにあたって前記重合体を溶剤に溶解又は懸濁させて使用することが好ましい。
溶剤としては、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの低級アルコール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、クロロホルムなどの有機溶媒、及びこれらの混合溶剤が挙げられる。これらの中で、水または低級アルコールが好ましく、水が特に好ましい。
また溶剤は、pHの調整、及び防腐等の目的で塩、界面活性剤、及び防腐剤等を含有してもよい。
本発明の微生物付着抑制剤が溶剤を含む場合、その含有量は50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がより更に好ましい。
<微生物付着抑制剤の製造方法>
本発明の微生物付着抑制剤の製造方法に特に制限はなく、前記重合体を水、イソプロパノール等の溶剤に混合して撹拌することにより製造することができる。具体的には、20〜90℃程度に加熱した精製水やイソプロパノール等の溶剤に対して、前記重合体を投入し、撹拌する方法により製造することができ、また、グリセリンや1,3−ブチレングリコール等の任意成分の溶液に対して前記重合体を投入し、20〜90℃程度で撹拌し、室温まで冷却した後、この溶液に対して精製水やイソプロパノール等を添加して撹拌することにより製造することもできる。
<微生物付着抑制剤の対象基材>
本発明の微生物付着抑制剤を適用する対象基材に特に制限はないが、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタラート、ポリメチルメタクリレート、ナイロン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエーテルケトン、ポリイソブチレン、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂、ステンレス、純チタン、及びチタン合金等の金属材料、ジルコニア等のセラミック材料、ガラス等の無機材料、等が挙げられる。
<微生物付着抑制剤の使用時の態様>
本発明の微生物付着抑制剤の使用時の態様に特に制限はないが、液状、粘性液体、ジェル状、及び錠剤等の形態として用いることができる。
以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<構成単位(1)の原料となる化合物の合成>
合成例1:グリセロール−1−メタクリロイルオキシエチルウレタンの合成
4口フラスコに、(R,S)−1,2−イソプロピリデングリセロール(和光純薬工業株式会社製)330g及びピリジン(和光純薬工業株式会社製)50mlを加え、滴下ロート及びカルシウム管を装着した。この溶液に対して、室温、遮光下で2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート368g(昭和電工株式会社製)をゆっくりと滴下した。その後、50℃に設定したオイルバス中で7時間反応させた。
反応終了後、ピリジン及び過剰の(R,S)−1,2−イソプロピリデングリセロールを減圧留去することにより、収量621g、収率91%で、白色固体の(R,S)−1,2−イソプロピリデングリセロール−3−メタクリロイルオキシエチルウレタンを得た。
得られた(R,S)−1,2−イソプロピリデングリセロール−3−メタクリロイルオキシエチルウレタン500gに、メタノール(キシダ化学株式会社製)1.95L及び4N塩酸(キシダ化学株式会社製)50mlを加え、室温下30分間攪拌することにより反応させたところ、懸濁液が透明溶液となった。更に60分間攪拌反応させた後、減圧乾燥により溶媒を留去し、無色粘性液体のグリセロール−1−メタクリロイルオキシエチルウレタン(以下、「GMU」ともいう)を得た。収量は412g、収率は96%であった。
<重合体及び共重合体の合成>
合成例2−1:本発明における重合体(GMUホモポリマー)の合成
GMU20.0gをエタノール(キシダ化学株式会社製)140gに溶解して、4つ口フラスコに入れ、30分間窒素を吹き込んだ後、60℃で2,2'−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業株式会社製)0.12gを加えて8時間重合反応させた。重合液を3Lのジエチルエーテル中にかき混ぜながら滴下し、析出した沈殿を濾過し、48時間室温で真空乾燥を行うことによりポリマー(以下「P−1」ともいう)15.1gを得た。
得られたポリマー(P−1)について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により重量平均分子量を測定した。測定条件はメタノールを溶離液とし、ポリエチレングリコールを標準物質とし、屈折率により測定した。結果を表2に示す。
合成例2−2〜2−4:本発明における共重合体の合成
GMUと、ステアリルメタクリレート(日油株式会社製、以下「SMA」ともいう)、又はブチルメタクリレート(日油株式会社製、以下「BMA」ともいう)とを表1の組成にしたがって仕込み、合成例2−1と同様の方法で溶液重合を行った。得られたポリマー(P−2)〜(P−4)について、重量平均分子量を合成例2−1で得られた重合体と同様に測定した。結果を表1に示す。
<実施例1〜5、比較例1>
表2に記載の配合にしたがって各ポリマーをイオン交換水に分散させることにより、実施例1〜5及び比較例1の微生物付着抑制剤を調製した。各微生物付着抑制剤について以下の菌付着抑制評価を行った。結果を表1に示す。
<菌付着抑制評価>
(手順1)微生物として、黄色ブドウ球菌(NBRC 13276)、緑濃菌(NBRC 13275)、及び大腸菌(NBRC 3972)をそれぞれ培地に植菌し、37℃で一晩培養した。
(手順2)培養した菌液を遠心分離し、滅菌済みのリン酸緩衝液で洗浄した。
(手順3)菌液の波長660nmにおける濁度が1.0となるようにリン酸緩衝液で希釈した。
(手順4)滅菌済みの24ウェルマイクロプレートに滅菌水(コントロール)、フィルター滅菌した実施例1〜5及び比較例1の組成物の水分散液を1mLずつ添加し、滅菌したプラスチック板(セルデスクLF1、住友ベークライト株式会社製、直径13.5mm×厚さ0.1mm)を入れ、1分間静置した。
(手順5)各組成物を取り除き、プラスチック板を1mLのリン酸緩衝液で3回洗浄した。
(手順6)プラスチック板の入った24ウェルマイクロプレートに手順3で調製した菌をそれぞれ0.5mLずつ加え、5時間培養し、プラスチック板に各種菌を付着させた。
(手順7)各種菌液を取り除き、プラスチック板を1mLのリン酸緩衝液で3回洗浄した。
(手順8)プラスチック板の入った24ウェルマイクロプレートに1N水酸化ナトリウム水溶液(キシダ化学株式会社)を0.5mLずつ加え、付着した菌をプラスチック板より剥離させた。
(手順9)手順8で得られた液の波長595nmにおける濁度を分光光度計(型式:SP−300、OPTIMA Inc.製)を用いて測定し、微生物付着抑制率を以下の式より算出した。
微生物付着抑制率(%)=(A−A)/A×100
:コントロール(精製水)で処理したプラスチック板から得られた濁度
:実施例及び比較例で処理したプラスチック板から得られた濁度
(手順10)手順9で算出した微生物付着抑制率を以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
A評価:微生物付着抑制率が50%以上の場合
B評価:微生物付着抑制率が30%以上、50%未満である場合
C評価:微生物付着抑制率が30%未満である場合
この結果から明らかなように本発明の微生物付着抑制剤は、多くの種類の微生物に対して良好な微生物付着抑制効果を示すことが分かる。また、ポリマー「P−3」、すなわちGMUとSMAとのモル比(GMU:SMA)が6:4である共重合体が特に優れた効果を示すことが分かる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表される構成単位を有する重合体を含み、前記重合体の量が0.003質量%以上、1質量%以下である微生物付着抑制剤。

    (一般式(1)において、R1は水素原子又はメチル基を表し、nは1〜4の整数を表す。)
  2. 前記重合体が、下記一般式(2)で表される構成単位を有する共重合体である、請求項1に記載の微生物付着抑制剤。

    (一般式(2)において、Rは水素原子又はメチル基を表し、Lは、−C−、−C10−、−(C=O)−O−、−(C=O)−NH−、又は−O−(C=O)−から選ばれる2価の基を表し、Lは炭素数1〜22のアルキル基を表す。)
  3. 前記重合体の重量平均分子量が20,000〜90,000である、請求項1又は2に記載の微生物付着抑制剤。
  4. 前記一般式(1)で表される構成単位及び前記一般式(2)で表される構成単位の合計に対する前記一般式(1)で表される構成単位の含有量が20〜90モル%である、請求項2又は3に記載の微生物付着抑制剤。
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