JP2019112286A - ガラス繊維合糸ロービング、ガラス繊維合糸ロービングの製造方法、及び車両用天井材の製造方法 - Google Patents

ガラス繊維合糸ロービング、ガラス繊維合糸ロービングの製造方法、及び車両用天井材の製造方法 Download PDF

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晃 國友
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Abstract

【課題】ガラス繊維合糸ロービングから切断して得られたチョップドストランドの均一分散性を向上させる。【解決手段】ガラス繊維合糸ロービングは、複数本のガラス繊維ストランドを束ねてなる。ガラス繊維ストランドは、番手が40〜80texである。【選択図】なし

Description

本発明は、ガラス繊維合糸ロービング、ガラス繊維合糸ロービングの製造方法、及び車両用天井材の製造方法に関する。
自動車等の車両の天井には、断熱性等の機能を有する車両用天井材が取り付けられている。例えば、特許文献1には、ポリウレタン発泡体からなる基材層の上にガラス繊維層を積層及び一体化した構造の車両用天井材が開示されている。また、特許文献1には、車両用天井材の製造に際して、基材層の上にガラス繊維層を形成する方法として、予め成形されたガラスマット(チョップドストランドマット)を積層する方法と、所定寸法に切断されたガラス繊維(チョップドストランド)を散布及び堆積させる方法が開示されている。
特開2001−301539号公報
ところで、チョップドストランドを基材層の上に散布及び堆積させる方法として、基材層の上方にて、複数本のガラス繊維ストランドを束ねてなるガラス繊維合糸ロービングを切断し、切断して得られたチョップドストランドを散布及び堆積させる方法が考えられる。この場合、車両用天井材の品質確保の観点から、チョップドストランドを均一に分散させつつ堆積させることが重要になる。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ガラス繊維合糸ロービングから切断して得られたチョップドストランドの均一分散性を向上させることにある。
上記課題を解決するガラス繊維合糸ロービングは、基材層と前記基材層に積層されたガラス繊維層とを備える車両用天井材における前記ガラス繊維層の形成に用いられ、複数本のガラス繊維ストランドを束ねてなるガラス繊維合糸ロービングであって、前記ガラス繊維ストランドの番手が40〜80texである。
上記構成によれば、ガラス繊維合糸ロービングをチョップドストランドに切断しつつ、切断して得られたチョップドストランドを堆積させることにより車両用天井材のガラス繊維層を形成する際におけるチョップドストランドの均一分散性が向上する。
上記のガラス繊維合糸ロービングにおいて、前記ガラス繊維合糸ロービングの番手が2000〜6000texであることが好ましい。
上記構成によれば、チョップドストランドの均一分散性が更に向上する。
上記ガラス繊維合糸ロービングにおいて、前記ガラス繊維ストランドは、帯電防止剤を含有する皮膜を備えるとともに、強熱減量が0.2〜1.4質量%であることが好ましい。
上記構成によれば、チョップドストランドの均一分散性が更に向上するとともに、チョップドストランドに生じる毛羽を抑制できる。
上記ガラス繊維合糸ロービングにおいて、前記皮膜は、ポリ酢酸ビニルを含有し、前記帯電防止剤は、下記一般式(1)に示される帯電防止剤であることが好ましい。
は、炭素数1〜20の炭化水素基、R〜Rはそれぞれ独立して炭素数1〜4の炭化水素基である。
上記構成によれば、チョップドストランドの均一分散性が更に向上するとともに、チョップドストランドに生じる毛羽を抑制できる。
上記ガラス繊維合糸ロービングにおいて、前記皮膜は、1〜10質量%の前記帯電防止剤を含有することが好ましい。
上記構成によれば、チョップドストランドの均一分散性を向上させる効果と、毛羽を抑制する効果とを、より高いレベルで両立させることができる。
上記課題を解決するガラス繊維合糸ロービングの製造方法は、基材層と前記基材層に積層されたガラス繊維層とを備える車両用天井材における前記ガラス繊維層の形成に用いられるガラス繊維合糸ロービングの製造方法であって、番手が40〜80texの複数本のガラス繊維ストランドを束ねる。
上記構成によれば、切断することにより均一分散性の良いチョップドストランドが得られるガラス繊維合糸ロービングを製造できる。そのため、上記構成により得られたガラス繊維合糸ロービングは、ガラス繊維合糸ロービングをチョップドストランドに切断しつつ、切断して得られたチョップドストランドを堆積させることにより車両用天井材のガラス繊維層を形成する車両用天井材の製造方法に適している。
上記課題を解決する車両用天井材の製造方法は、基材層とガラス繊維層とを備える車両用天井材の製造方法であって、上記ガラス繊維合糸ロービングをチョップドストランドに切断しつつ、切断して得られた前記チョップドストランドを前記基材層の上に堆積させて前記ガラス繊維層を形成するガラス繊維層形成工程を有する。
上記構成によれば、ガラス繊維層を形成する際に、チョップドストランドを均一に分散させることが容易となる。その結果、車両用天井材の生産性及び品質が向上する。
上記車両用天井材の製造方法において、前記チョップドストランドの長さは、25〜175mmであることが好ましい。
上記構成によれば、ガラス繊維層を形成する際に、チョップドストランドを均一に分散させることが更に容易となる。
本発明によれば、ガラス繊維合糸ロービングから切断して得られたチョップドストランドの均一分散性を向上させることができる。
車両用天井材の断面図。 ガラス繊維層形成工程の説明図。
以下、本発明の一実施形態を説明する。
(ガラス繊維合糸ロービング)
本実施形態のガラス繊維合糸ロービングは、複数本のガラス繊維ストランドを束ねることにより構成されている。
ガラス繊維ストランドは、複数本のガラス繊維モノフィラメントと、ガラス繊維モノフィラメントの表面に設けられ、複数本のガラス繊維モノフィラメントを1本に束ねる皮膜とを備えている。
ガラス繊維モノフィラメントとしては、例えば、Eガラス(アルカリ含有量2%以下のガラス)、Dガラス(低誘電率ガラス)、ARガラス(耐アルカリ性ガラス)、Cガラス(耐酸性のガラス)、Mガラス(高弾性率のガラス)、Sガラス(高強度、高弾性率のガラス)、Tガラス(高強度、高弾性率のガラス)、Hガラス(高誘電率のガラス)、NEガラス(低誘電率ガラス)が挙げられる。ガラス繊維モノフィラメントの密度は、例えば、2.0〜3.0g/mである。
ガラス繊維ストランドの番手は、40〜80texであり、45〜60texであることがより好ましい。ガラス繊維ストランドの番手が40tex以上であれば、ガラス繊維ストランド同士の凝集を抑制でき、ガラス繊維ストランドの番手が80tex以下であれば、ガラス繊維ストランドの分散を促進することができる。ガラス繊維ストランドの番手を上記範囲とすることにより、車両用天井材のガラス繊維層の形成に際して、ガラス繊維合糸ロービングから切断して得られたチョップドストランドの均一分散性が向上する。
また、1本のガラス繊維ストランドを構成するガラス繊維モノフィラメントの本数は、例えば、50〜300本であることが好ましく、80〜200本であることがより好ましい。なお、ガラス繊維合糸ロービング内の全ガラス繊維ストランド本数に対する上記範囲内の番手のガラス繊維ストランド本数の割合は、40%以上が好ましく、60%以上がより好ましく、80%以上が更に好ましく、100%が最も好ましい。
皮膜は、帯電防止剤を含有することが好ましい。
皮膜に含有される帯電防止剤としては、例えば、一般式(1)に示す帯電防止剤、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルスルホネート、第4級アンモニウムクロライドが挙げられる。
一般式(1)中のRは、炭素数1〜20の炭化水素基である。Rとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数3以下のアルキル基、オクチル基、ラウリル基、パルミチル基等の炭素数4以上のアルキル基が挙げられる。また、Rは、直鎖状の炭化水素基であってもよいし、分岐鎖を有する炭化水素基であってもよい。また、Rは、不飽和結合を有する炭化水素基であってもよい。なお、Rは、炭素数4〜18の直鎖アルキル基であることが特に好ましい。
一般式(1)中のR〜Rはそれぞれ独立して炭素数1〜4の炭化水素基である。R〜Rとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基が挙げられる。また、R〜Rは、直鎖状の炭化水素基であってもよいし、分岐鎖を有する炭化水素基であってもよい。また、R〜Rは、不飽和結合を有する炭化水素基であってもよい。
一般式(1)に示す帯電防止剤としては、例えば、オクチルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート、ラウリルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート、パルミチルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェートが挙げられる。
皮膜は、上記帯電防止剤のうちの一種のみを含有してもよいし、複数種類を組み合わせて含有してもよい。なお、帯電防止剤は、一般式(1)に示す帯電防止剤であることが好ましい。
皮膜は、皮膜形成剤を含有してもよい。
皮膜に含有される皮膜形成剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、オレフィン樹脂が挙げられる。皮膜は、上記皮膜形成剤のうちの一種のみを含有してもよいし、二種以上を含有してもよい。上記皮膜形成剤のなかでも、乾固状態における靭性及び耐摩耗性に優れる点から、ポリ酢酸ビニルを用いることが特に好ましい。この場合には、車両用天井材のガラス繊維層を形成する際の毛羽の発生を抑制できる。なお、ガラス繊維ストランドの靭性は、分子量等の異なる複数種類のポリ酢酸ビニルを併用すること、及びその割合を調整することにより制御できる。
皮膜中における帯電防止剤の割合は、1〜10質量%であることが好ましく、4〜8質量%であることがより好ましい。また、皮膜中における皮膜形成剤の割合は、90〜99質量%であることが好ましく、92〜96質量%であることがより好ましい。
皮膜は、帯電防止剤及び皮膜形成剤以外のその他成分を含有してもよい。その他成分としては、例えば、接触時の摩擦からガラス繊維ストランドを保護する潤滑剤、帯電防止剤の効果を促進させるシランカップリング剤が挙げられる。潤滑剤としては、例えば、カルナウバワックスやラノリンワックス等の動植物系又は鉱物系のワックス、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、脂肪酸エーテル、芳香族系エステル、芳香族系エーテル等の界面活性剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
ガラス繊維ストランドは、帯電防止剤及び水を含有する集束剤をガラス繊維モノフィラメントに塗布した後、複数本のガラス繊維モノフィラメントを集束して乾燥することにより形成される。集束剤は、必要に応じて皮膜形成剤や上記その他成分を含有してもよい。
ガラス繊維ストランドの強熱減量は、0.2〜1.4質量%であり、0.6〜0.9質量%であることが好ましい。上記強熱減量を0.2質量%以上とすることにより、ガラス繊維ストランドの耐摩耗性を十分に確保できる。また、上記強熱減量を1.4質量%以下とすることにより、皮膜を形成する成分を過度に使用することが無いため、ガラス繊維合糸ロービングの製造にかかるコストを低減できる。なお、強熱減量は、JIS R3420(2013年)に準拠して測定される強熱減量である。
(ガラス繊維合糸ロービングの製造方法)
ガラス繊維合糸ロービングは、上記ガラス繊維ストランドを複数本、引き揃えて束ねた状態として巻き取る工程を経ることにより形成される。ガラス繊維合糸ロービングの番手は、2000〜6000texであることが好ましく、4500〜5500texであることがより好ましい。また、1本のガラス繊維合糸ロービングを構成するガラス繊維ストランドの本数は、例えば、25〜150本であることが好ましく、70〜130本であることがより好ましく、90〜110本であることが更に好ましい。ガラス繊維合糸ロービングの番手が2000tex以上であれば、車両用天井材の製造効率を向上させることができ、ガラス繊維合糸ロービングの番手が6000tex以下であれば、ガラス繊維ストランドの分散を促進することができる。
(車両用天井材の製造方法)
次に、上記ガラス繊維合糸ロービングを用いて車両用天井材を製造する方法について説明する。
図1に示すように、車両用天井材10は、シート状の基材層11と、基材層11の両側の主面に積層されたガラス繊維層12と、両方のガラス繊維層12の表面を覆う表皮層13とを備えている。
基材層11は、ポリウレタン発泡体、ポリエチレン発泡体等の公知の樹脂発泡体により構成されている。
ガラス繊維層12は、上記ガラス繊維合糸ロービングから切断して得られたチョップドストランドを堆積させて層状に形成したものにより構成されている。ガラス繊維層12を構成するチョップドストランドの量は、車両用天井材10に求められる剛性等に応じて適宜、設定される。また、ガラス繊維層12は、接着剤によりチョップドストランド同士が接着されるとともに、基材層11に対して一体に接着されている。
表皮層13は、車両用天井材の表面の装飾や保護等を目的として設けられるものであり、布材やシート材により構成されている。表皮層13としては、例えば、不織布、織布、プラスチックシート等が挙げられる。
車両用天井材10は、基材層11の両主面にガラス繊維層12を形成するガラス繊維層形成工程を行い両方のガラス繊維層12の表面を覆うように表皮層13を配置して、基材層11、ガラス繊維層12及び表皮層13を一体化することにより製造される。
図2に示すように、ガラス繊維層形成工程では、例えば、シート状に成形されるとともに上面に接着剤を付着させた基材層11がローラーコンベア等の公知の搬送部20によって搬送される。そして、搬送部20の経路上における所定位置の上方に設けられたローラーカッター等の公知の切断部21を用いて、ガラス繊維合糸ロービングRの先端部分を連続的に切断し、切断して得られたチョップドストランドCを散布する。これにより、分散しつつ落下するチョップドストランドCを基材層11の上に堆積させる。
ガラス繊維合糸ロービングRから切断されるチョップドストランドCの長さは、例えば、25〜175mmである。また、ガラス繊維合糸ロービングRの切断位置は、例えば、基材層11の上面を基準として上方500〜2000mmの位置である。また、切断部21による切断速度は、搬送部20による基材層11の搬送速度、ガラス繊維層12を構成するチョップドストランドCの目標堆積量等に応じて適宜、設定される。
このようにして基材層11の一方の主面上に所定量のチョップドストランドCを堆積させた後、プレス処理や加熱処理等の基材層11に付着させた接着剤に応じた接着処理を行う。これにより、基材層11の上面に積層及び一体化されたガラス繊維層12が形成される。次に、基材層11をひっくり返す。そして、先ほどと同様の操作により、基材層11の反対側にもガラス繊維層12を形成する。
ガラス繊維層形成工程の後、両方のガラス繊維層12の表面を覆うように表皮層13を配置して、基材層11、ガラス繊維層12及び表皮層13を一体化することによって車両用天井材10が得られる。
次に、本実施形態の作用及び効果について記載する。
(1)ガラス繊維合糸ロービングは、複数本のガラス繊維ストランドを束ねてなる。ガラス繊維ストランドは、番手が40〜80texである。
上記構成によれば、ガラス繊維合糸ロービングをチョップドストランドに切断しつつ、切断して得られたチョップドストランドを堆積させることにより車両用天井材のガラス繊維層を形成する際におけるチョップドストランドの均一分散性が向上する。
(2)ガラス繊維合糸ロービングの番手が2000〜6000texである。
上記構成によれば、ガラス繊維合糸ロービングをチョップドストランドに切断しつつ、切断して得られたチョップドストランドを堆積させることにより車両用天井材のガラス繊維層を形成する際におけるチョップドストランドの均一分散性が更に向上する。
(3)ガラス繊維ストランドは、帯電防止剤を含有する皮膜を備えるとともに、強熱減量が0.2〜1.4質量%である。
上記構成によれば、チョップドストランドの均一分散性が更に向上するとともに、車両用天井材のガラス繊維層を形成する際に、チョップドストランドに生じる毛羽を抑制できる。
(4)皮膜は、ポリ酢酸ビニルを含有し、帯電防止剤は、上記一般式(1)に示される帯電防止剤である。
上記構成によれば、チョップドストランドの均一分散性が更に向上するとともに、車両用天井材のガラス繊維層を形成する際に、チョップドストランドに生じる毛羽を抑制できる。
(5)皮膜は、1〜10質量%の帯電防止剤を含有する。
上記構成によれば、チョップドストランドの均一分散性を向上させる効果と、毛羽を抑制する効果とを、より高いレベルで両立させることができる。
(6)ガラス繊維合糸ロービングの製造方法は、番手が40〜80texの複数本のガラス繊維ストランドを束ねる工程を有する。
上記構成によれば、切断することにより均一分散性の良いチョップドストランドが得られるガラス繊維合糸ロービングを製造できる。そのため、上記構成により得られたガラス繊維合糸ロービングは、ガラス繊維合糸ロービングをチョップドストランドに切断しつつ、切断して得られたチョップドストランドを堆積させることにより車両用天井材のガラス繊維層を形成する車両用天井材10の製造方法に適している。
(7)基材層11とガラス繊維層12とを備える車両用天井材10の製造方法は、上記ガラス繊維合糸ロービングRをチョップドストランドCに切断しつつ、切断して得られたチョップドストランドCを基材層11の上に堆積させてガラス繊維層12を形成するガラス繊維層形成工程を有する。
上記構成によれば、ガラス繊維層12を形成する際に、チョップドストランドCを均一に分散させることが容易となる。その結果、車両用天井材10の生産性及び品質が向上する。
(8)チョップドストランドの長さは、25〜175mmである。
上記構成によれば、ガラス繊維層12を形成する際に、チョップドストランドCを均一に分散させることが更に容易となる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・車両用天井材10は、基材層11の一方の主面のみにガラス繊維層12を備えるものであってもよいし、基材層11の両方の主面にガラス繊維層12を備えるものであってもよい。
・車両用天井材10は、基材層11と表皮層13との間やガラス繊維層12と表皮層13との間に、吸音層や断熱層等のその他の層を備えるものであってもよい。
・上記実施形態では、ガラス繊維層形成工程において、切断部21の位置を固定して、搬送部20により基材層11を移動させることにより、基材層11の上面全体にチョップドストランドCを堆積させていたが、基材層11の位置を固定して切断部21の位置を移動させつつガラス繊維合糸ロービングRを切断してもよい。
・ガラス繊維層形成工程において、堆積したチョップドストランドCを基材層11に一体に接着する接着処理は、表皮層13を一体化する処理と同時に行ってもよい。例えば、基材層11の上にチョップドストランドCを堆積させた状態で表皮層13を配置し、表皮層13を含めてプレス処理や加熱処理等の接着処理を行うことにより、基材層11に積層一体化されたガラス繊維層12の形成と、基材層11及びガラス繊維層12に対する表皮層13の接着とを同時に行う。
以下に実施例及び比較例を挙げ、上記実施形態をさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
<ガラス繊維合糸ロービングの作製>
表1に示すガラス繊維合糸ロービングの番手(ロービング番手)、ガラス繊維ストランドの番手(ストランド番手)、及び皮膜成分の実施例及び比較例のガラス繊維合糸ロービングを作製した。
(実施例1)
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン製KBM−503)0.2質量%、皮膜形成剤としてのポリ酢酸ビニル(PVA)4.0質量%、帯電防止剤としてのオクチルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート0.35質量%、イオン交換水95.45質量%を含有する集束剤を調製した。この集束剤を、公知のアプリケーターによりガラス繊維モノフィラメント(直径14μmのEガラス)に塗布してから、130本集束して巻き取り、乾燥することによって、強熱減量0.8質量%、50texのガラス繊維ストランドを得た。得られたガラス繊維ストランドを48本、引き揃えて束ねることにより、2400texのガラス繊維合糸ロービングを得た。
(実施例2)
実施例1と同様のガラス繊維ストランドを96本、引き揃えて束ねることにより、4800texのガラス繊維合糸ロービングを得た。
(実施例3)
皮膜形成剤として、ポリ酢酸ビニルに代えてポリウレタン(PU)を用いた点を除いて、実施例1と同様にしてガラス繊維合糸ロービングを得た。
(比較例1)
実施例1と同様の集束剤を、アプリケーターによりガラス繊維モノフィラメント(直径14μmのEガラス)に塗布してから、50本集束して巻き取り、乾燥することによって、強熱減量0.8質量%、20texのガラス繊維ストランドを得た。得られたガラス繊維ストランドを240本、引き揃えて束ねることにより、4800texのガラス繊維合糸ロービングを得た。
(比較例2)
実施例1と同様の集束剤を、アプリケーターによりガラス繊維モノフィラメント(直径14μmのEガラス)に塗布してから、270本集束して巻き取り、乾燥することによって、強熱減量0.8%、100texのガラス繊維ストランドを得た。得られたガラス繊維ストランドを48本、引き揃えて束ねることにより、4800texのガラス繊維合糸ロービングを得た。
<均一分散性及び毛羽の評価>
実施例及び比較例のガラス繊維合糸ロービングを切断した際におけるチョップドストランドの均一分散性を評価した。発泡ウレタンからなる縦1000mm、横1000mm、厚さ5mmのシート材の中央上方1000mmの位置にてガラス繊維合糸ロービングの先端部分を、カッターを用いて50mmの長さで切断し、切断片であるチョップドストランドをシート材の上に自然落下により散布し、シート材の上に0.13kgのチョップドストランドを堆積させた。
シート材の上に堆積したチョップドストランドの状態(凝集や穴あきの有無)を観察し、実施例及び比較例のガラス繊維合糸ロービングの均一分散性を評価した。その結果を表1の「均一分散性」欄に示す。なお、表1では、シート材が10cm以上露出している部分(穴あき部分)が無い場合を「〇」、シート材が10cm以上露出している部分(穴あき部分)が有る場合、及びチョップドストランドの未分散がある場合を「×」で示している。
また、実施例1〜3のガラス繊維合糸ロービングを用いた場合について、ガラス繊維ロービングにテンションバーにより所定の張力を付与した状態で所定長さ走行させ、テンションバー上及びその下に堆積した毛羽を測定することで、毛羽の発生しやすさを評価した。その結果を表1の「毛羽」欄に示す。なお、表1では、ガラス繊維合糸ロービング5.76kg当たり(4800texの場合は1200m、2400texの場合は2400m)の毛羽発生量が80mg未満である場合を「〇」、80mg以上である場合を「△」で示している。
ガラス繊維ストランドの番手が40〜80texである実施例1〜3を用いた場合には、切断により生じたチョップドストランドがガラス繊維ストランド単位へ十分に解繊されずに凝集している部分は確認されなかった。また、シート材が露出した穴あき部分も確認されなかった。これらの結果から、ガラス繊維ストランドの番手を特定範囲に設定することにより、ガラス繊維合糸ロービングから切断して得られたチョップドストランドの均一分散性が向上することが分かる。
一方、表1に示すように、ガラス繊維ストランドの番手が40tex未満である比較例1を用いた場合には、切断により生じたチョップドストランドがガラス繊維ストランド単位へ十分に解繊されずに凝集している部分が確認された。また、ガラス繊維ストランドの番手が80texを超える比較例2を用いた場合には、シート材が露出した穴あき部分が確認された。
また、表1に示すように、実施例1〜3の結果から、皮膜剤に含有される皮膜形成剤としてポリ酢酸ビニルを用い、帯電防止剤として、オクチルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェートを用いることにより、チョップドストランドに生じる毛羽が効率的に抑制されることが分かる。
R…ガラス繊維合糸ロービング、10…車両用天井材、11…基材層、12…ガラス繊維層、13…表皮層。

Claims (8)

  1. 基材層と前記基材層に積層されたガラス繊維層とを備える車両用天井材における前記ガラス繊維層の形成に用いられ、複数本のガラス繊維ストランドを束ねてなるガラス繊維合糸ロービングであって、
    前記ガラス繊維ストランドの番手が40〜80texであることを特徴とするガラス繊維合糸ロービング。
  2. 前記ガラス繊維合糸ロービングの番手が2000〜6000texであることを特徴とする請求項1に記載のガラス繊維合糸ロービング。
  3. 前記ガラス繊維ストランドは、帯電防止剤を含有する皮膜を備えるとともに、強熱減量が0.2〜1.4質量%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガラス繊維合糸ロービング。
  4. 前記皮膜は、ポリ酢酸ビニルを含有し、
    前記帯電防止剤は、下記一般式(1)に示される帯電防止剤であることを特徴とする請求項3に記載のガラス繊維合糸ロービング。
    (Rは、炭素数1〜20の炭化水素基、R〜Rはそれぞれ独立して炭素数1〜4の炭化水素基である。)
  5. 前記皮膜は、1〜10質量%の前記帯電防止剤を含有することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のガラス繊維合糸ロービング。
  6. 基材層と前記基材層に積層されたガラス繊維層とを備える車両用天井材における前記ガラス繊維層の形成に用いられるガラス繊維合糸ロービングの製造方法であって、
    番手が40〜80texの複数本のガラス繊維ストランドを束ねることを特徴とするガラス繊維合糸ロービングの製造方法。
  7. 基材層とガラス繊維層とを備える車両用天井材の製造方法であって、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のガラス繊維合糸ロービングをチョップドストランドに切断しつつ、切断して得られた前記チョップドストランドを前記基材層の上に堆積させて前記ガラス繊維層を形成するガラス繊維層形成工程を有することを特徴とする車両用天井材の製造方法。
  8. 前記チョップドストランドの長さは、25〜175mmであることを特徴とする請求項7に記載の車両用天井材の製造方法。
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