JP2019111484A - 流路規制部材付き膜エレメント、膜エレメントの洗浄装置および洗浄方法 - Google Patents

流路規制部材付き膜エレメント、膜エレメントの洗浄装置および洗浄方法 Download PDF

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和史 近藤
美成 森山
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Abstract

【課題】洗浄槽に収納して回転させて洗浄したときに必要に応じて洗浄したい箇所に流体を流れやすくしたり、部分的に流体の流れを一時的に多くしたりして洗浄効率を上げることが可能であり、かつ洗浄槽から取り出しやすい流路規制部材付き膜エレメント、膜エレメントの洗浄装置および洗浄方法を提供する。【解決手段】集水管12の外側に分離膜(逆浸透膜14)を巻き回した膜エレメント(逆浸透膜エレメント10)と、膜エレメントの端面(上端面E1、下端面E2)に配置され、端面における流体の流れを規制する流路規制部材(上部流路規制部材24、下部流路規制部材26)と、膜エレメントの集水管12に挿通された棒状部材(ボルト30)と、棒状部材と係合する固定部材(ナット32)とを有し、膜エレメントと流路規制部材とが棒状部材と固定部材とによって締結されている流路規制部材付き膜エレメントを用いる。【選択図】図1

Description

本発明は、流路規制部材付き膜エレメント、膜エレメントの洗浄装置および洗浄方法に関する。
原水を逆浸透膜で膜ろ過する逆浸透膜ろ過装置は、通常、集水管の外側に逆浸透膜を巻き回した円柱状の逆浸透膜エレメントの1個以上を円筒状のベッセル(耐圧容器)内に収納した逆浸透膜モジュール(逆浸透膜ユニットとも呼ばれる。)を備える。
図18は、逆浸透膜ろ過装置に備えられた逆浸透膜モジュールの一例を示す概略断面図である。
逆浸透膜モジュール100は、円筒状のベッセル102と、ベッセル102内に直列に収納された3個の円柱状の逆浸透膜エレメント10とを備える。
ベッセル102は、逆浸透膜エレメント10を収納する円筒状の収納部104と;第1の端部側で収納部104よりも拡径された第1の拡径部106と;第2の端部側で収納部104よりも拡径された第2の拡径部108と;ベッセル102の第1の端部の開口を塞ぐ第1の端板110と;ベッセル102の第2の端部の開口を塞ぐ第2の端板112と;第1の端板110に形成された第1の給排水管114と;第2の端板112に形成された第2の給排水管116と;第2の端板112を貫通し、最も下流側の逆浸透膜エレメント10の集水管12の第2の端部に接続された透過水排出管118とを有する。
ベッセル102の第1の拡径部106の内部は第1の貯水空間120とされ、第2の拡径部108の内部は第2の貯水空間122とされている。
逆浸透膜エレメント10は、複数の集水孔(図示略)が形成された管状の集水管12と、折り目部分に集水管12が位置するように二つ折りにされ、かつ三方を液密に接着された状態で集水管12に巻き回された逆浸透膜14とを有する。
逆浸透膜モジュール100は、最も上流側の逆浸透膜エレメント10の集水管12の第1の端部の開口を塞ぐエンドキャップ124と、隣接する逆浸透膜エレメント10の集水管12同士、または逆浸透膜エレメント10の集水管12と透過水排出管118とを連結する管状のジョイント126とをさらに備える。
逆浸透膜モジュール100の第1の給排水管114を通って逆浸透膜モジュール100の第1の貯水空間120に導入された原水は、逆浸透膜エレメント10に導入され、逆浸透膜14を透過した透過水と逆浸透膜14を透過しない濃縮水とに分離される。逆浸透膜14を透過した透過水は、集水管12および透過水排出管118を通って透過水管(図示略)に送り出される。逆浸透膜14を透過しない濃縮水は、逆浸透膜モジュール100の第2の貯水空間122に導入された後、逆浸透膜モジュール100の第2の給排水管116を通って濃縮水管(図示略)に送り出される。
原水を逆浸透膜14で膜ろ過し続けると、原水中の有機物や無機物が逆浸透膜14の表面に付着し、逆浸透膜14のファウリング等の問題が生じる。逆浸透膜14のファウリングが生じると、逆浸透膜14の性能(透過流量、塩阻止率等)が低下し、また、圧力損出が増加して逆浸透膜14の寿命に影響する。そのため、定期的にまたは随時、逆浸透膜モジュール100に流体を流通させて逆浸透膜エレメント10を洗浄することが行われる。逆浸透膜エレメント10の洗浄方法としては、逆浸透膜エレメント10の端面から逆浸透膜エレメント10内に流体を導入し、逆浸透膜14の表面の汚れを除去する方法が知られている。
流体として気体または気液混合流体を用いる逆浸透膜エレメントの洗浄方法としては、例えば、下記の方法が提案されている。
逆浸透膜モジュールの中心軸が水平方向となるように逆浸透膜モジュールが設置された横置きタイプの逆浸透膜ろ過装置において、下部に流体通過用の開口部が形成されたガイド部材を、逆浸透膜エレメントの端面に設けた状態で、耐圧容器の端面の原水流入口から耐圧容器内に気体または気液混合流体を導入し、ガイド部材の開口部を通過した気体または気液混合流体を逆浸透膜エレメントの端面の下部に供給する方法(特許文献1)。
特開2011−147898号公報
特許文献1に記載の方法においては、気体または気液混合流体を下方に導くためのガイド部材によって、逆浸透膜エレメントの洗浄効率が高められるとされている。逆浸透膜エレメントの端面の下部に供給された気体または気液混合流体は、逆浸透膜エレメント内を下流に向かって流れつつ下部から上部に移動する。しかし、気体または気液混合流体を逆浸透膜エレメントの端面の下部に偏って供給しているため、逆浸透膜の一部のシートしか洗浄できずエレメントの全体を洗浄することは難しい。
なお、膜エレメントの洗浄箇所の偏りを解消するために、膜エレメントの中心軸を回転軸として膜エレメントとガイド部材とを相対的に逆方向に回転させて、ガイド部材の開口部を移動させることが考えられる。しかし、膜エレメントおよびガイド部材は、耐圧容器内で流体の圧力によって押さえつけられているため、耐圧容器内で回転させることは難しい。
また、耐圧容器内に膜エレメントを1個のみ収納し、洗浄した場合、膜エレメントが耐圧容器の奥の方に移動してしまい、膜エレメントを取り出しにくい。
本発明は、洗浄槽に収納して回転させて洗浄したときに必要に応じて洗浄したい箇所に流体を流れやすくしたり、部分的に流体の流れを一時的に多くしたりして洗浄効率を上げることが可能であり、かつ洗浄槽から取り出しやすい流路規制部材付き膜エレメント、膜エレメントの洗浄装置および洗浄方法を提供する。
本発明者らは、上記課題を解決するために検討した結果、膜エレメント全体としては、洗浄したい箇所に流体を流れやすくすること、膜エレメントの各々の場所としては、流体の流れを一時的にでも多くすることによって、洗浄効率を上げることが可能であることを検証し、本発明を完成させた。
本発明は、下記の態様を有する。
<1>集水管の外側に分離膜を巻き回した膜エレメントと、前記膜エレメントの少なくとも一方の端面に配置され、前記膜エレメントの端面における流体の流れを規制する流路規制部材と、前記膜エレメントの集水管に挿通された棒状部材と、前記棒状部材と係合する固定部材とを有し、前記膜エレメントと前記流路規制部材とが、前記棒状部材と前記固定部材とによって締結されている、流路規制部材付き膜エレメント。
<2>前記流路規制部材が、前記膜エレメントの端面における流体の流入位置または流出位置を規制する、前記<1>の流路規制部材付き膜エレメント。
<3>前記棒状部材がボルトであり、前記固定部材がナットである、前記<1>または<2>の流路規制部材付き膜エレメント。
<4>前記流路規制部材が、前記膜エレメントの端面の一部を覆う遮断部を有する部材である、前記<1>〜<3>のいずれかの流路規制部材付き膜エレメント。
<5>前記流路規制部材が、前記膜エレメントの端面に接して配置されている、前記<1>〜<4>のいずれかの流路規制部材付き膜エレメント。
<6>前記流路規制部材が、前記膜エレメントの両方の端面に配置されている、前記<1>〜<5>のいずれかの流路規制部材付き膜エレメント。
<7>前記<1>〜<6>のいずれかの流路規制部材付き膜エレメントが収納され、流体の流通が可能とされた洗浄槽と、前記流路規制部材付き膜エレメントの前記棒状部材に接続し、前記流路規制部材付き膜エレメントを回転させる回転手段とを備えた、膜エレメントの洗浄装置。
<8>前記洗浄槽が、前記流路規制部材付き膜エレメントの端面に対向する端面の中心から外れた位置に流体出入口を有する、前記<7>の膜エレメントの洗浄装置。
<9>前記流路規制部材付き膜エレメントの中心軸と水平とのなす角度が、1〜90°である、前記<7>または<8>の膜エレメントの洗浄装置。
<10>流体の流通が可能とされた洗浄槽に、前記<1>〜<6>のいずれかの流路規制部材付き膜エレメントを収納し、前記洗浄槽の一方の端面から他の方の端面に向かって流体を流通させながら、前記流路規制部材付き膜エレメントを回転させる、膜エレメントの洗浄方法。
<11>前記流体が液体であり、前記膜エレメントの洗浄開始から終了までの間に、前記洗浄槽内における気液界面を前記膜エレメントの中心軸方向に移動させる操作を1回以上行う、前記<10>の膜エレメントの洗浄方法。
本発明の流路規制部材付き膜エレメントによれば、洗浄槽に収納して回転させて洗浄したときに必要に応じて洗浄したい箇所に流体を流れやすくしたり、部分的に流体の流れを一時的に多くしたりして洗浄効率を上げることが可能であり、かつ洗浄槽から取り出しやすい。
本発明の膜エレメントの洗浄装置および洗浄方法によれば、必要に応じて洗浄したい箇所に流体を流れやすくしたり、部分的に流体の流れを一時的に多くしたりして洗浄効率を上げることが可能であり、かつ洗浄槽から膜エレメントを取り出しやすい。
本発明の流路規制部材付き逆浸透膜エレメントの一例を示す断面図である。 図1の流路規制部材付き逆浸透膜エレメントの上面図である。 図1の流路規制部材付き逆浸透膜エレメントの下面図である。 膜エレメントの一例を示す斜視図である。 流路規制部材の一例を示す上面図である。 図5の流路規制部材の下面図である。 図5の流路規制部材の側面図である。 流路規制部材の他の例を示す上面図である。 流路規制部材の他の例を示す上面図である。 流路規制部材の他の例を示す上面図である。 流路規制部材の他の例を示す上面図である。 流路規制部材の他の例を示す上面図である。 流路規制部材の他の例を示す上面図である。 本発明の膜エレメント洗浄装置の一例を示す概略図である。 図14における洗浄槽を斜め下から見た斜視図である。 洗浄槽と貯留槽との間で薬液を循環させながら膜エレメントを洗浄する様子を示す概略図である。 洗浄槽から薬液を排出しながら膜エレメントを洗浄する様子を示す概略図である。 逆浸透膜ろ過装置に備えられた逆浸透膜モジュールの一例を示す概略断面図である。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「膜エレメント」は、集水管に膜を固定したものを意味する。膜エレメントには、集水管に膜を固定したものをケーシングに収納したものや、この端面にテレスコープ防止部材を取り付けたものも包含される。
「膜モジュール」は、1個以上の膜エレメントをベッセル等の容器内に収納したものを意味する。
「経時変化」は、時間の経過による流体の流れを変化させること意味する。
数値範囲を示す「〜」は、その前後に記載された数値を下限値および上限値として含むことを意味する。
図1〜図18における寸法比は、説明の便宜上、実際のものとは異なったものである。
<流路規制部材付き膜エレメント>
本発明の流路規制部材付き膜エレメントは、膜エレメントと、膜エレメントの少なくとも一方の端面に配置された流路規制部材と、膜エレメントの集水管および流路規制部材の貫通孔に挿通された棒状部材と、棒状部材と係合する固定部材とを有する。
本発明の流路規制部材付き膜エレメントにおいては、膜エレメントと流路規制部材とが、棒状部材と固定部材とによって締結されている。
膜エレメントは、集水管の外側に分離膜を巻き回した、いわゆるスパイラル型の膜エレメントである。
分離膜としては、逆浸透膜、ナノろ過膜、限外ろ過膜等が挙げられる。
流路規制部材は、膜エレメントの端面における流体の流れを規制する部材である。流路規制部材としては、例えば、膜エレメントの端面の一部を覆う遮断部を有する部材が挙げられる。膜エレメントの端面に流路規制部材を配置することによって、膜エレメントにおいて汚れが溜まりやすい箇所に流体を多く流したり、同じ流体の量でも流体が流れるときの圧力を高めたりして、洗浄効率を高めることができる。
流路規制部材は、膜エレメントの両方の端面に配置されることが好ましい。膜エレメントの両方の端面に流路規制部材を配置することによって、流路規制部材による効果がさらに十分に発揮される。
流路規制部材は、膜エレメントの端面に接して配置されることが好ましい。膜エレメントの端面に接して流路規制部材を配置することによって、膜エレメントの端面の所望の位置にて流体を流入または流出させやすく、洗浄効率をさらに高めることができる。
流路規制部材としては、膜エレメントの端面の中央部(集水管を除く。)を覆う遮断部を有するものが好ましい。集水管の外側に分離膜を巻き回した膜エレメントにおいては、集水管付近の分離膜は集水管に均等間隔に固定されているため、分離膜のシート間に隙間が生じている。一方、膜エレメントの外周付近の分離膜はシートとスペーサーのみ巻くことになるため、分離膜の間の隙間が狭い。そのため、膜ろ過によって膜エレメントの外周部における分離膜の表面に汚れが溜まりやすい。膜エレメントの端面の中央部(集水管を除く。)を覆う遮断部を有する流路規制部材によれば、膜エレメントの外周部に流体を優先的に流すことができ、汚れが溜まりやすい膜エレメントの外周部を効率よく洗浄できる。
棒状部材としては、ボルト、棒等が挙げられる。固定部材としては、ナット等が挙げられる。棒状部材および固定部材としては、上下方向の流路規制部材を固定できる治具が好ましい。
棒状部材の一方の端部は、固定部材との組み合わせによって膜エレメントと流路規制部材とを締結しやすい点から、膜エレメントの端面または流路規制部材に係合していることが好ましい。また、棒状部材の一方の端部は、後述する回転手段に接続しやすく、また、把持しやすい点から、膜エレメントの端面または流路規制部材から膜エレメントの中心軸に沿って外方に突出していることが好ましい。
(実施形態例)
以下、本発明の流路規制部材付き膜エレメントの一実施形態例について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の流路規制部材付き逆浸透膜エレメントの一例を示す断面図であり、図2は、図1の流路規制部材付き逆浸透膜エレメントの上面図であり、図3は、図1の流路規制部材付き逆浸透膜エレメントの下面図である。また、図4は、膜エレメントを示す斜視図である。
流路規制部材付き逆浸透膜エレメント1は、円柱状の逆浸透膜エレメント10と;逆浸透膜エレメント10の上端面E1に接して配置された円盤状の上部流路規制部材24と;逆浸透膜エレメント10の下端面E2に接して配置された円盤状の下部流路規制部材26と;下部流路規制部材26の中央の貫通孔、逆浸透膜エレメント10の中心軸を通る集水管12および上部流路規制部材24の中央の貫通孔に挿通され、頭部30aが下部流路規制部材26に係合して取り付けられた長尺のボルト30と;ボルト30のねじ部30cの途中に螺合し、上部流路規制部材24に当接するナット32とを有する。
流路規制部材付き逆浸透膜エレメント1においては、下部流路規制部材26の貫通孔、逆浸透膜エレメント10の集水管12および上部流路規制部材24の貫通孔に挿通され、頭部30aが下部流路規制部材26に係合するボルト30と、ボルト30のねじ部30cに螺合し、上部流路規制部材24に当接するナット32との組み合わせによって、下部流路規制部材26、逆浸透膜エレメント10および上部流路規制部材24が一体に締結される。また、ボルト30のねじ先端部30bは、上部流路規制部材24から逆浸透膜エレメント10の中心軸に沿って外方に突出している。
逆浸透膜エレメント10は、複数の集水孔(図示略)が形成された管状の集水管12と、折り目部分に集水管12が位置するように二つ折りにされ、かつ三方を液密に接着された状態で集水管12に巻き回された逆浸透膜14と、逆浸透膜14の両端面に設けられたテレスコープ防止部材16とを有する。
テレスコープ防止部材16は、集水管12の周囲から放射状に延びる複数のリブ部16aと、リブ部16aの終端を結ぶリング状の外枠部16bとを有する。リブ部16aと外枠部16bとで囲まれた開口が、流体の流路となる。
上部流路規制部材24の上面図を図5に示し、下面図を図6に示し、断面図を図7に示す。
上部流路規制部材24は、ボルト30が挿通される貫通孔60aが形成された円柱状の軸受け部60と、軸受け部60の上端から水平方向に広がる、逆浸透膜エレメント10の端面の中央部(集水管12を除く。)を覆うための円板状の遮断部62と、軸受け部60の下端近傍に取り付けられたOリング64とを有する。
軸受け部60の貫通孔60aの内周壁には、ねじが螺刻されており、ボルト30のねじ部30cと螺合することによって、貫通孔60aから逆浸透膜エレメント10の集水管12内に薬液が流れ込むことが防止されている。
下方に突出した軸受け部60は、逆浸透膜エレメント10の集水管12内に嵌合することによって、上部流路規制部材24と集水管12との隙間から集水管12内に薬液が流れ込むことが防止されている。
遮断部62は、逆浸透膜エレメント10の端面の中央部(集水管12を除く。)を覆うためのものである。
遮断部62の裏面には、テレスコープ防止部材16のリブ部16aに対応した、放射状に延びる複数の溝62aが形成されている。遮断部62の溝62aにテレスコープ防止部材16のリブ部16aが嵌合することによって、上部流路規制部材24と逆浸透膜エレメント10との間のずれが防止される。
下部流路規制部材26は、下部流路規制部材26の中央にボルト30の頭部30aと同じ形状の孔26aが形成されている以外は、上部流路規制部材24と同じ構造とされる。下部流路規制部材26の孔26aにボルト30の頭部30aが入り込むことによって、下部流路規制部材26とボルト30との間のずれが防止される。
(作用機序)
以上説明した流路規制部材付き逆浸透膜エレメント1は、下部流路規制部材26の貫通孔、逆浸透膜エレメント10の集水管12および上部流路規制部材24の貫通孔に挿通されたボルト30(棒状部材)を有するため、ボルト30を回転手段に接続した状態で逆浸透膜エレメント10の中心軸を通るボルト30を回転軸として回転させることができる。そのため、洗浄槽に収納して回転させて洗浄したとき、後述する膜エレメントの洗浄装置および洗浄方法における作用機序と同じ作用機序によって、薬液の流入位置または流出位置が一箇所に偏ることなく、逆浸透膜エレメント10の全体を洗浄しやすくなる。
また、逆浸透膜エレメント10の端面の中央部(集水管12を除く。)が上部流路規制部材24および下部流路規制部材26の遮断部62によって覆われているため、洗浄槽に収納して回転させて洗浄したとき、後述する膜エレメントの洗浄装置および洗浄方法における作用機序と同じ作用機序によって、汚れが溜まりやすい逆浸透膜エレメント10の外周部が効率よく洗浄される。
また、下部流路規制部材26の貫通孔、逆浸透膜エレメント10の集水管12および上部流路規制部材24の貫通孔に挿通されたボルト30を有するため、突出したボルト30を把持して洗浄槽22から流路規制部材付き逆浸透膜エレメント1を取り出しやすい。
(他の実施形態例)
なお、本発明の流路規制部材付き膜エレメントは、集水管の外側に分離膜を巻き回した膜エレメントと、膜エレメントの少なくとも一方の端面に配置され、膜エレメントの端面における流体の流れを規制する流路規制部材と、膜エレメントの集水管および流路規制部材の貫通孔に挿通された棒状部材と、棒状部材と係合する固定部材とを有し、膜エレメントと流路規制部材とが、棒状部材と固定部材とによって締結されているものであればよく、図示例の流路規制部材付き逆浸透膜エレメント1に限定はされない。
例えば、膜エレメントの一方の端面のみに流路規制部材を配置してもよい。
また、流路規制部材は、テレスコープ防止部材の外側の端面に配置してもよく、テレスコープ防止部材を外して、巻き回された膜の端面に配置してもよい。テレスコープ防止部材の端面に配置するとき、流路規制部材を膜に接するようにしてもよいし、膜に接しないようにしてもよい。
また、流路規制部材は、膜エレメントの端面における流体の流れを規制するものであればよく、図5〜図7に示す上部流路規制部材24、およびこれとほぼ同じ構造である下部流路規制部材26に限定はされない。
流路規制部材の他の例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
図8に示す流路規制部材24Aは、ボルトが挿通される貫通孔60aが形成された円柱状の軸受け部60と、膜エレメントの端面の外周部を覆うためのドーナッツ状の遮断部62Aと、軸受け部60から放射状に広がり、終端が遮断部62Aに結合した複数のリブ部66とを有する。流路規制部材24Aによれば、膜エレメントの中央部に流体を優先的に流すことができ、膜エレメントの中央部を効率よく洗浄できる。
図9に示す流路規制部材24Bは、ボルトが挿通される貫通孔60aが形成された円柱状の軸受け部60と、軸受け部60から水平方向に広がる扇形の遮断部62Bとを有する。遮断部62Bは、中心角が約22.5°の扇形の切欠きが形成された中心角が約337.5°の扇形とされる。遮断部62Bの直径は、膜エレメントの端面の直径と同じにされている。遮断部62Bに形成された扇形の切欠きは、テレスコープ防止部材16においてリブ部16aと外枠部16bとで囲まれた開口(流体の流路)の1個分に相当する。流路規制部材24Bによれば、膜エレメントの中心軸を回転軸として膜エレメントと流路規制部材24Bとを相対的に逆方向に回転させることによって、膜エレメントの端面において流路規制部材24Bの遮断部62Bによって覆われる位置を連続的または断続的に変化させることができる。
図10に示す流路規制部材24Cは、ボルトが挿通される貫通孔60aが形成された円柱状の軸受け部60と、軸受け部60から水平方向に広がる扇形の遮断部62Cとを有する。遮断部62Cは、中心角が約67.5°の扇形の切欠きが形成された中心角が約292.5°の扇形とされる。遮断部62Cの直径は、膜エレメントの端面の直径と同じにされている。遮断部62Cに形成された扇形の切欠きは、テレスコープ防止部材16においてリブ部16aと外枠部16bとで囲まれた開口(流体の流路)の3個分に相当する。流路規制部材24Cによれば、膜エレメントの中心軸を回転軸として膜エレメントと流路規制部材24Cとを相対的に逆方向に回転させることによって、膜エレメントの端面において流路規制部材24Cの遮断部62Cによって覆われる位置を連続的または断続的に変化させることができる。流路規制部材24Cは、流路規制部材24Bに比べ切欠きが大きくなっている分、流体の流量を多くでき、洗浄効率が改善される。
図11に示す流路規制部材24Dは、ボルトが挿通される貫通孔60aが形成された円柱状の軸受け部60と、軸受け部60から水平方向に広がる風車形の遮断部62Dとを有する。遮断部62Dは、中心角が約45°の扇形の切欠きを介して等間隔に配置された中心角が約45°の4枚の扇形から構成されている。遮断部62Dの直径は、膜エレメントの端面の直径と同じにされている。遮断部62Dに形成された扇形の切欠きは、テレスコープ防止部材16においてリブ部16aと外枠部16bとで囲まれた開口(流体の流路)の2個分に相当する。流路規制部材24Dによれば、膜エレメントの中心軸を回転軸として膜エレメントと流路規制部材24Dとを相対的に逆方向に回転させることによって、膜エレメントの端面において流路規制部材24Dの遮断部62Dによって覆われる位置を連続的または断続的に変化させることができる。流路規制部材24Dは、流路規制部材24Bや流路規制部材24Cに比べ切欠きの合計面積が広くなっている分、流体の流量を多くでき、洗浄効率が改善される。
図12に示す流路規制部材24Eは、ボルトが挿通される貫通孔60aが形成された円柱状の軸受け部60と、膜エレメントの端面の中央部(集水管を除く。)を覆うための円板状の遮断部62と、風車形の遮断部62Dとを有する。遮断部62Dの直径は、膜エレメントの端面の直径と同じにされている。流路規制部材24Eによれば、膜エレメントの中心軸を回転軸として膜エレメントと流路規制部材24Eとを相対的に逆方向に回転させることによって、膜エレメントの端面において流路規制部材24Eの遮断部62Dによって覆われる位置を連続的または断続的に変化させることができる。また、膜エレメントの端面の中央部(集水管を除く。)が遮断部62によって覆われているため、膜エレメントの外周部に流体が優先的に流れる。
図13に示す流路規制部材24Fは、ボルトが挿通される貫通孔60aが形成された円柱状の軸受け部60と、膜エレメントの端面を覆うための円板状の遮断部62Fとを有する。遮断部62Fには、2重の渦巻状に配列された複数の開口62bが形成されている。遮断部62Fの直径は、膜エレメントの端面の直径と同じにされている。流路規制部材24Fによれば、膜エレメントの中心軸を回転軸として膜エレメントと流路規制部材24Fとを相対的に逆方向に回転させることによって、膜エレメントの端面において流路規制部材24Fの遮断部62Fによって覆われる位置を連続的または断続的に変化させることができる。また、膜エレメントにおいて巻き回された分離膜のスパイラルに沿って流体を流すことができる。
<膜エレメントの洗浄装置および洗浄方法>
本発明の膜エレメントの洗浄装置は、本発明の流路規制部材付き膜エレメントが収納され、流体の流通が可能とされた洗浄槽と、流路規制部材付き膜エレメントの棒状部材に接続し、流路規制部材付き膜エレメントを回転させる回転手段とを備える。
本発明の膜エレメントの洗浄方法は、流体の流通が可能とされた洗浄槽に、本発明の流路規制部材付き膜エレメントを収納し、洗浄槽の一方の端面から他の方の端面に向かって流体を流通させながら、流路規制部材付き膜エレメントを回転させる方法である。
流体としては、液体、気体、気液混合流体等が挙げられ、本発明の効果が十分に発揮されやすい点から、液体が好ましい。液体としては、原水、処理水等に薬品を添加した薬液等が挙げられる。薬液としては、アルカリ性化合物の水溶液等が挙げられる。アルカリ性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。アルカリ性化合物の水溶液は、界面活性剤、キレート剤、酸化剤、還元剤等を含んでいてもよい。アルカリ性化合物の水溶液による洗浄の後、酸水溶液による洗浄を実施してもよい。
洗浄槽は、膜エレメントが収納されるものであり、流体の流通が可能とされている。洗浄槽としては、例えば、円柱状の膜エレメントが同軸的に収納される筒状のものが挙げられる。
洗浄槽は、膜エレメントの端面に対向する端面(上面または底面)の中心から外れた位置に流体出入口を有することが好ましい。洗浄槽の端面の流体出入口から流体を供給または排出しながら膜エレメントと洗浄槽とを相対的に逆方向に回転させることによって、洗浄槽の端面に対向した膜エレメントの端面における流体の流入位置または流出位置を経時変化させることができる。これによって、流体の流入位置または流出位置が一箇所に偏ることなく、逆浸透膜エレメントの全体をさらに洗浄しやすくなる。
流体出入口の位置は、洗浄槽の端面の中心以外であればよく、膜エレメントにおいて流体を流したい箇所に対応した位置とすることが好ましい。
膜エレメント(流路規制部材が配置されている場合は流路規制部材)と、流体出入口が形成された洗浄槽の端面との間隔は、流体が分散しにくく、膜エレメントの端面の所望の位置に確実に流体を流入または流出させることができ、その結果、洗浄効率を高めることができる点から、できるだけ狭くされていることが好ましく、O−リング等でシールされていることがより好ましい。
流体が液体である場合、膜エレメントの中心軸と水平とのなす角度は、1〜90°が好ましく、45〜90°がより好ましく、60〜90°がさらに好ましく、90°が特に好ましい。膜エレメントの中心軸と水平とのなす角度が前記範囲内であれば、水頭圧が高くなることによって、洗浄槽から液体を排出するときに分離膜の表面から汚れが剥離しやすい。
回転手段としては、モータ等が挙げられる。
(実施形態例)
以下、本発明の膜エレメントの洗浄装置および洗浄方法の一実施形態例について、図面を用いて詳細に説明する。
図14は、本発明の膜エレメント洗浄装置の一例を示す概略図である。
膜エレメント洗浄装置20は、流路規制部材付き逆浸透膜エレメント1が同軸的に収納される有底円筒状の洗浄槽22と;流路規制部材付き逆浸透膜エレメント1のボルト30の先端部30bに螺合によって接続し、逆浸透膜エレメント10の中心軸を回転軸として流路規制部材付き逆浸透膜エレメント1を回転さるためのモータ28と;薬液を貯留する貯留槽34と;薬液を送液するポンプ36と;貯留槽34からポンプ36に薬液を送るための第1の移送ライン38と;ポンプ36から洗浄槽22に薬液を送るための第2の移送ライン40と;洗浄槽22からポンプ36に薬液を送るための第3の移送ライン42と;ポンプ36から貯留槽34に薬液を送るための第4の移送ライン44と;洗浄槽22からオーバーフローした薬液を貯留槽34に戻すための返送ライン46と;第1の移送ライン38の途中に設けられた第1の弁48と;第2の移送ライン40の途中に設けられた第2の弁50と;第3の移送ライン42の途中に設けられた第3の弁52と;第4の移送ライン44の途中に設けられた第4の弁54とを備える。
洗浄槽22は、図15に示すように、底面の中心から外れた外周付近に薬液出入口22aを有する。洗浄槽22は、上部に薬液排出口22bを有する。洗浄槽22の内径は、逆浸透膜エレメント10の外径よりも少し大きくされている。
薬液出入口22aが形成された洗浄槽22の底面と、逆浸透膜エレメント10の下端面E2に配置された下部流路規制部材26との間隔は、できるだけ狭くされている。
洗浄槽22および逆浸透膜エレメント10の中心軸と水平とのなす角度は、90°とされている。
図14の膜エレメント洗浄装置20を用いた逆浸透膜エレメント10の洗浄方法について説明する。
逆浸透膜ろ過装置において原水を膜ろ過し続け、逆浸透膜14のファウリングが生じた逆浸透膜エレメント10を逆浸透膜ろ過装置の逆浸透膜モジュールから取り出す。
逆浸透膜エレメント10の端面に上部流路規制部材24および下部流路規制部材26を配置する。下部流路規制部材26の貫通孔、逆浸透膜エレメント10の集水管12および上部流路規制部材24の貫通孔に長尺のボルト30を挿通し、ボルト30にナット32を螺合することによって、下部流路規制部材26、逆浸透膜エレメント10および上部流路規制部材24が一体に締結された流路規制部材付き逆浸透膜エレメント1を組み立てる。
流路規制部材付き逆浸透膜エレメント1のボルト30のねじ先端部30bをモータ28に螺合させてによって流路規制部材付き逆浸透膜エレメント1をモータ28に取り付ける。流路規制部材付き逆浸透膜エレメント1を洗浄槽22内に収納する。
図16に示すように、第1の弁48および第2の弁50を開き、第3の弁52および第4の弁54を閉じ、ポンプ36を駆動させることによって、貯留槽34の薬液を、第1の移送ライン38および第2の移送ライン40を通って薬液出入口22aから洗浄槽22内に供給する。また、モータ28を駆動させることによって、流路規制部材付き逆浸透膜エレメント1を洗浄槽22内にて回転させる。
逆浸透膜エレメント10を通過し、洗浄槽22の薬液排出口22bからオーバーフローした薬液は、返送ライン46を通って貯留槽34に戻される。このようにして、洗浄槽22内および逆浸透膜エレメント10に薬液が流通するとともに、洗浄槽22と貯留槽34との間で薬液が循環する。
貯留槽34と洗浄槽22との間で薬液を所定時間循環させた後、図17に示すように、第1の弁48および第2の弁50を閉じ、第3の弁52および第4の弁54を開き、ポンプ36を駆動させることによって、洗浄槽22内の薬液を薬液出入口22aから排出し、第3の移送ライン42および第4の移送ライン44を通って貯留槽34に戻す。また、引き続きモータ28を駆動させることによって、流路規制部材付き逆浸透膜エレメント1を洗浄槽22内にて回転させる。
(作用機序)
以上説明した膜エレメント洗浄装置20およびこれを用いた逆浸透膜エレメント10の洗浄方法においては、洗浄槽22の底面の薬液出入口22aから薬液を供給または排出しながら流路規制部材付き逆浸透膜エレメント1を回転させることによって、洗浄槽22の底面に対向した逆浸透膜エレメント10の端面の外周部における薬液の流入位置または流出位置が経時変化する。これによって、薬液の流入位置または流出位置が一箇所に偏ることなく、逆浸透膜エレメント10の全体を洗浄しやすくなる。このとき、薬液出入口22aが形成された洗浄槽22の底面と、逆浸透膜エレメント10の下端面E2に配置された下部流路規制部材26との間隔ができるだけ狭くされているため、薬液が分散しにくく、逆浸透膜エレメント10の端面の外周部に確実に薬液を流入または流出させることができる。その結果、洗浄効率を高めることができる。また、洗浄槽22および逆浸透膜エレメント10の中心軸と水平とのなす角度が90°とされているため、水頭圧が高くなることによって、洗浄槽22の薬液出入口22aから薬液を排出するときに逆浸透膜の表面から汚れが剥離しやすい。
また、逆浸透膜エレメント10の端面の中央部(集水管12を除く。)が上部流路規制部材24および下部流路規制部材26の遮断部62によって覆われているため、逆浸透膜エレメント10の外周部、すなわち流したい部分に薬液が優先的に流れる。また、同じ薬液の量でも薬液が流れるときの圧力を高めることができる。これによって、汚れが溜まりやすい逆浸透膜エレメント10の外周部が効率よく洗浄される。例えば、逆浸透膜エレメント10のファウリング部分を優先的に洗浄できる。さらに、上部流路規制部材24および下部流路規制部材26が逆浸透膜エレメント10の端面に接して配置されているため、逆浸透膜エレメント10において汚れが溜まりやすい外周部に薬液を多く流すとともに薬液の圧力を高めて洗浄効率をさらに高めることができる。
また、洗浄槽22内に薬液を供給する際および洗浄槽22内から薬液を排出する際に、洗浄槽22内における気液界面が上下方向に移動するため、気液界面と逆浸透膜14の表面の汚れとが接触して逆浸透膜の表面から汚れが剥離しやすい。洗浄槽22内への薬液の供給と、洗浄槽22内からの薬液の排出とを繰り返し行うことによって、気液界面と逆浸透膜14の表面の汚れとの接触機会がさらに増え、洗浄効率をさらに高めることができる。
また、流路規制部材付き逆浸透膜エレメント1が下部流路規制部材26の貫通孔、逆浸透膜エレメント10の集水管12および上部流路規制部材24の貫通孔に挿通されたボルト30を有するため、突出したボルト30を把持して洗浄槽22から流路規制部材付き逆浸透膜エレメント1を取り出しやすい。
(他の実施形態例)
なお、本発明の膜エレメントの洗浄装置は、本発明の流路規制部材付き膜エレメントが収納され、流体の流通が可能とされた洗浄槽と、流路規制部材付き膜エレメントの棒状部材に接続し、流路規制部材付き膜エレメントを回転させる回転手段とを備えたものであればよく、図示例の膜エレメント洗浄装置20に限定はされない。
また、本発明の膜エレメントの洗浄方法は、流体の流通が可能とされた洗浄槽に、本発明の流路規制部材付き膜エレメントを収納し、洗浄槽の一方の端面から他の方の端面に向かって流体を流通させながら、流路規制部材付き膜エレメントを回転させる方法であればよく、図示例の膜エレメント洗浄装置20を用いた方法に限定はされない。
例えば、流路規制部材付き膜エレメントおよび洗浄槽の両方を回転させてもよい。
また、薬液の代わりに気体または気液混合流体を用いてもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
逆浸透膜のファウリングが生じた8インチの逆浸透膜エレメントを用意する。流路規制部材として、図5〜図7に示すような上部流路規制部材24、およびこれとほぼ同じ構造である下部流路規制部材を用意する。
長尺のボルト30およびナット32を用いて図1に示すような流路規制部材付き逆浸透膜エレメント1を組み立てる。
流路規制部材付き逆浸透膜エレメント1を用いて図14に示すような膜エレメント洗浄装置20を組み立てる。
図16に示すように、第1の弁48および第2の弁50を開き、第3の弁52および第4の弁54を閉じ、ポンプ36を駆動させることによって、貯留槽34の薬液(1.0質量%の水酸化ナトリウム水溶液)を、第1の移送ライン38および第2の移送ライン40を通って薬液出入口22aから洗浄槽22内50L/分で供給する。また、モータ28を駆動させることによって、流路規制部材付き逆浸透膜エレメント1を洗浄槽22内にて20rpmで回転させる。
逆浸透膜エレメント10を通過し、洗浄槽22の薬液排出口22bからオーバーフローした薬液を、返送ライン46を通って貯留槽34に戻す。貯留槽34と洗浄槽22との間で薬液を10分間循環させる。図17に示すように、第1の弁48および第2の弁50を閉じ、第3の弁52および第4の弁54を開き、ポンプ36を駆動させることによって、洗浄槽22内の薬液を薬液出入口22aから50L/分で排出し、第3の移送ライン42および第4の移送ライン44を通って貯留槽34に戻す。また、引き続きモータ28を駆動させることによって、流路規制部材付き逆浸透膜エレメント1を洗浄槽22内にて20rpmで回転させる。
その後、逆浸透膜エレメント10を取り出し、上部流路規制部材24および下部流路規制部材を取り外す。逆浸透膜エレメント10を膜エレメント洗浄装置20に装着し、洗浄を再開し、前述の条件の通り洗浄を10分間実施する。
洗浄槽22内から薬液をすべて排出し、膜エレメント洗浄装置20から逆浸透膜エレメント10を取り出し、逆浸透膜エレメント10を分解して逆浸透膜14の表面を確認すると、汚れはほぼ除去されている。
(比較例1)
逆浸透膜のファウリングが生じた8インチの逆浸透膜エレメントを用意する。図18に示すように、3個の逆浸透膜エレメント10をベッセル102内に収納して逆浸透膜モジュール100とする。
逆浸透膜モジュール100に薬液(1.0質量%の水酸化ナトリウム水溶液)を50L/分で10分間供給し、逆浸透膜エレメント10の洗浄を実施する。
逆浸透膜モジュール100から逆浸透膜エレメント10を取り出し、逆浸透膜エレメント10を分解して逆浸透膜14の表面を確認すると、逆浸透膜エレメント10の外周部にあった逆浸透膜14の表面に汚れが多く残っている。
本発明の膜エレメントの洗浄方法は、集水管の外側に分離膜を巻き回した、いわゆるスパイラル型の膜エレメントの洗浄に有用である。
1 流路規制部材付き逆浸透膜エレメント、10 逆浸透膜エレメント、12 集水管、14 逆浸透膜、16 テレスコープ防止部材、16a リブ部、16b 外枠部、20 膜エレメント洗浄装置、22 洗浄槽、22a 薬液出入口、22b 薬液排出口、24 上部流路規制部材、24A 流路規制部材、24B 流路規制部材、24C 流路規制部材、24D 流路規制部材、24E 流路規制部材、24F 流路規制部材、26 下部流路規制部材、26a 孔、28 モータ、30 ボルト、30a 頭部、30b ねじ先端部、30c ねじ部、32 ナット、34 貯留槽、36 ポンプ、38 第1の移送ライン、40 第2の移送ライン、42 第3の移送ライン、44 第4の移送ライン、46 返送ライン、48 第1の弁、50 第2の弁、52 第3の弁、54 第4の弁、60 軸受け部、60a 貫通孔、62 遮断部、62A 遮断部、62B 遮断部、62C 遮断部、62D 遮断部、62F 遮断部、62a 溝、62b 開口、64 Oリング、66 リブ部、100 逆浸透膜モジュール、102 ベッセル、104 収納部、106 第1の拡径部、108 第2の拡径部、110 第1の端板、112 第2の端板、114 第1の給排水管、116 第2の給排水管、118 透過水排出管、120 第1の貯水空間、122 第2の貯水空間、124 エンドキャップ、126 ジョイント、E1 上端面、E2 下端面。

Claims (11)

  1. 集水管の外側に分離膜を巻き回した膜エレメントと、
    前記膜エレメントの少なくとも一方の端面に配置され、前記膜エレメントの端面における流体の流れを規制する流路規制部材と、
    前記膜エレメントの集水管に挿通された棒状部材と、
    前記棒状部材と係合する固定部材とを有し、
    前記膜エレメントと前記流路規制部材とが、前記棒状部材と前記固定部材とによって締結されている、流路規制部材付き膜エレメント。
  2. 前記流路規制部材が、前記膜エレメントの端面における流体の流入位置または流出位置を規制する、請求項1に記載の流路規制部材付き膜エレメント。
  3. 前記棒状部材がボルトであり、前記固定部材がナットである、請求項1または2に記載の流路規制部材付き膜エレメント。
  4. 前記流路規制部材が、前記膜エレメントの端面の一部を覆う遮断部を有する部材である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の流路規制部材付き膜エレメント。
  5. 前記流路規制部材が、前記膜エレメントの端面に接して配置されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の流路規制部材付き膜エレメント。
  6. 前記流路規制部材が、前記膜エレメントの両方の端面に配置されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の流路規制部材付き膜エレメント。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の流路規制部材付き膜エレメントが収納され、流体の流通が可能とされた洗浄槽と、
    前記流路規制部材付き膜エレメントの前記棒状部材に接続し、前記流路規制部材付き膜エレメントを回転させる回転手段と
    を備えた、膜エレメントの洗浄装置。
  8. 前記洗浄槽が、前記流路規制部材付き膜エレメントの端面に対向する端面の中心から外れた位置に流体出入口を有する、請求項7に記載の膜エレメントの洗浄装置。
  9. 前記流路規制部材付き膜エレメントの中心軸と水平とのなす角度が、1〜90°である、請求項7または8に記載の膜エレメントの洗浄装置。
  10. 流体の流通が可能とされた洗浄槽に、請求項1〜6のいずれか一項に記載の流路規制部材付き膜エレメントを収納し、
    前記洗浄槽の一方の端面から他の方の端面に向かって流体を流通させながら、前記流路規制部材付き膜エレメントを回転させる、膜エレメントの洗浄方法。
  11. 前記流体が液体であり、
    前記膜エレメントの洗浄開始から終了までの間に、前記洗浄槽内における気液界面を前記膜エレメントの中心軸方向に移動させる操作を1回以上行う、請求項10に記載の膜エレメントの洗浄方法。
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CN112691549A (zh) * 2020-12-15 2021-04-23 广西晟驰科技有限公司 一种ro膜高效回收利用装置

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