JP2019110441A - スピーカ - Google Patents
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Abstract
【課題】 部品点数を削減しつつ、耐久性および防水性が優れたスピーカを提供する。【解決手段】 本発明のスピーカ100は、磁気回路部材を搭載する基台200と、基台200上に取付けられる本体部300とを有する。本体部300は、ダストキャップ部310、ダストキャップ部310に接続された振動板部320、振動板部320に接続されたエッジ部330、エッジ部330に接続されたボックス部340とを有し、本体部300は、真空成形法または圧空成形法により金型が転写された1枚の樹脂シートから構成される。【選択図】 図2
Description
本発明は、スピーカに関し、例えば電気自動車等に搭載される車外警告用のスピーカに関する。
通常の内燃機関エンジンの自動車と比較して、電気自動車の走行音は非常に小さい。このため、電気自動車には、走行時に注意を喚起したり、警告を与える目的で車外警告用のスピーカが取付けられる。車外警告用のスピーカは、例えば、車両のバンパーなどに取付けられる。
スピーカのコストを低減し、かつ環境条件により特性が変化することを防止するため、熱可塑性樹脂を素材とし、振動板部、エッジ部、エッジ部外周のフレーム固着部を射出成形により一体形成したスピーカが特許文献1に開示されている。また、特許文献2は、フレームと振動版とを合成樹脂材料によって一体形成することで、スピーカの製作工程と組み立てに使用する冶具などの部品点数を減らすことができるドーム型スピーカを開示している。
図1に、従来の車外警告用のスピーカの概略構成を示す。同図に示すように、車外警告用のスピーカ10は、樹脂製または金属製のボックス20の内部空間に、スピーカの構成部品を収容する。ボックス20は、例えば、ブラケット等を介して車のバンパーの裏側などに取付けられる。ボックス20の開放端部22は、バッフルボード30の裏面に取付けられ、バッフルボード30の表面には、フレーム40の一方の端部が取付けられ、フレーム40の他方の端部に磁気回路部材が取付けられる。また、振動板50は、半球状のエッジ52を介してフレーム40に取付けられ、振動板50の中央にはドーム状のダストキャップ52が取付けられる。磁気回路部材は、ボックス20の底部に搭載され、磁気回路部材は、ボトムプレート70、センターポール72、トッププレート74、磁石80、ボビン90およびボイスコイル92を含む。ボビン90は、ダンパー60によってフレーム40に接続され、ボビン90の端部は、接着剤により振動板50の裏面に接着されている。
ここで、スピーカ10では、ボックス20の開放端部22とバッフルボード30との間、エッジ52の一方の端部とフレーム40との間、エッジ52の他方の端部と振動板50との間、さらに振動板50とダストキャップ54との間は、材質が異なるものが使用されるため、接着剤等、超音波溶着または振動溶着等により接合ないし接着されている。しかし、車外警告用のスピーカのように、高温、高湿度、振動、ダスト等の非常に厳しい環境下で使用されるスピーカの場合、信頼性の観点からすれば、できるだけ接合面や接着面が露出されないことが望ましい。
特許文献1、2等に開示されるように、振動板、エッジおよびエッジのフレーム固着部を射出成形法により一体形成することは可能であるが、射出成形法を用いた場合、エッジを肉薄に形成することが難しく、そうするとエッジの可撓性が不十分となり振動板を所望の周波数で振動させることができなくなってしまう。
本発明では、上記従来の課題を解決し、部品点数を削減しつつ、耐久性および防水性が優れたスピーカを提供することを目的とする。
本発明に係るスピーカは、音声信号に応答して駆動力を発生させる磁気回路部材と、前記磁気回路部材の駆動力に応じて振動する振動板部と、前記振動板部の周囲に接続された可撓性のエッジ部と、前記磁気回路部材を搭載する板状の基台と、前記基台との間に内部空間が形成されるように前記エッジ部と前記基台とを連結する外縁部とを有し、前記振動板部、前記エッジ部および前記外縁部は、一体成形された樹脂シートから構成される。
ある実施例では、前記外縁部は、前記エッジ部の周囲に接続されたほぼ平坦な平面部と、前記平面部の各側面から前記基台に向けて延在する側面部とを有する。ある実施例では、前記外縁部は、錐台形状である。ある実施例では、前記樹脂シートは、熱可塑性樹脂である。ある実施例では、前記樹脂シートは、鱗片状または繊維状のフィラーを含む。ある実施例では、前記樹脂シートは、真空成形または圧空成形により金型の形状が転写されたものである。
本発明に係るスピーカの製造方法は、振動板部、前記振動板部の周囲に接続された可撓性のエッジ部および前記エッジ部に接続された外縁部を含む本体部を、真空成形または圧空成形により金型形状が転写された1枚の樹脂シートから構成する工程と、前記本体部を、磁気回路部材を搭載する基台上に取付ける工程と、を有する。
ある実施例では、前記本体部を前記基台に取付ける前に、前記振動板部の裏面にボビンの端部を接着する工程を含む。ある実施例では、前記エッジ部は、湾曲形状を有し、前記外縁部は、錐台形状を有する。
本発明によれば、振動板部、エッジ部および外縁部を樹脂シートで一体形成するようにしたので、振動板部、エッジ部および外縁部の相互間に接合部ないし接着部が存在せず、スピーカの防水性や耐久性を向上させることができ、同時に部品点数を削減することができる。さらに外縁部を錐台状にすることで強度を向上させることができ、振動や衝撃に強いスピーカを提供することができる。さらに外縁部を錐台状にすることで弾性を有する薄い材料であっても強度を向上させることができ、振動や衝撃に対する耐性を確保することができる。
次に、本発明の実施の形態について詳細に説明する。好ましい態様では、本発明のスピーカは、電気自動車等に搭載される車外警告用のスピーカとして使用される。但し、本発明のスピーカは、車外警告用以外の用途においても使用することができる。
以下、本発明の実施例について図面を参照して詳細に説明する。図2は、本発明の実施例に係るスピーカの全体斜視図、図3は、図2に示すスピーカの一部を切断した断面斜視図、図4は、図3の要部拡大図である。これらの図に示すように、本実施例のスピーカ100は、板状の基台200と、基台200上に取付けられた本体部300とを有する。基台200は、例えば、矩形状の平面を有し、本体部300は、基台200上に内部空間が形成されるように錐台形状を有する。
基台200の面上には、図3、図4に示すような磁気回路部材210が搭載される。ここでは、磁気回路部材210の詳細を例示しないが、磁気回路部材210は、図1に示すような磁気回路部材と同様に、ボトムプレート70、磁石80、ボビン90およびボイスコイル92等を含んで構成される。また、磁気回路部材210は、図5に示すようにアンプ220を含むものであってもよい。さらに、基台200には、磁気回路部材210に電力を供給したり、音声信号を入力するための外部端子(図示、省略)が設けられている。
本体部300は、中央のドーム状のダストキャップ部310、ダストキャップ部310の周囲に接続された円形状の振動板部320、振動板部320の周囲に接続された環状のエッジ部330、エッジ部330の周囲に接続されたボックス部(外縁部)340を含む。ダストキャップ部310と振動板部320の境界近傍の裏面側には、磁気回路部材210のボビンの端部が接着され、振動板部320はボビンの前後運動に応じて振動する。
エッジ部330は、振動板部320の周囲に接続され、エッジ部自身の可撓性により振動板部320の振動を容易にする。エッジ部330は、例えば、図4に示すように、環状の凸型の半円部332と、半円部332の外側に接続された環状の凹型の半円部334と、半円部334の外側に接続された平坦部336とを含む。
ボックス部340は、エッジ部330の平坦部336から水平方向に延在する平面部342と、矩形状の平面部342の各側面から幾分傾斜しながら基台200に向けて延在する4つの側面部344と、側面部344からほぼ直角に折れ曲がり、基台200に接合される接合部346とを有する。ボックス部340は、側面部344を備えることで基台200との間に内部空間を形成し、内部空間内への磁気回路部材210の収容を可能にしている。なお、ボックス部340と基台200が、振動板部320と磁気回路部材210の双方を支持し、それらの相対的位置関係を規定するフレーム構造として機能している。
本実施例では、本体部300、すなわちダストキャップ部310、振動板部320、エッジ部330およびボックス部340が樹脂シートにより一体形成される。図2(B)、図3(B)のハッチングで示す部分が樹脂シートにより一体形成される領域を示している。1つの好ましい態様では、樹脂シートは、熱可塑性樹脂(例えば、ポリプロピレンなど)を素材に用い、真空成形法または圧空成形法により金型形状を転写することにより形成される。真空成形法または圧空成形法は、射出成形法と異なり、複雑な形状を転写させることができ、また成形される樹脂シートの厚さを非常に薄くすることができる。例えば、本体部300を形成する樹脂シートは、約0.5mm〜0.7mmの厚さである。また、エッジ部330の半円部332、334の半径を約5mmにすることができる。エッジ部330を所望の形状にし、かつその厚さを薄くすることで、一体形成でありながら、エッジ部330に一定の弾性または可撓性を与えることできる。
音響用のスピーカであれば広帯域で音声出力することが望まれるが、車外警告用のスピーカであれば、人間の聴力感度の高い低音部分だけでも十分である。それ故、エッジ部330は、少なくとも振動板部320が低周波数で振動できる程度の弾性または可撓性で生じるように、その形状および厚さが選択される。また、樹脂シートを肉薄にした場合、その強度が低下するため、熱可塑性樹脂材料に、粒径状または繊維状のフィラメントを混入して強度の補強を行うようにしてもよい。
図6に、本実施例のスピーカの製造工程の一例を示す。先ず、本体部300(ダストキャップ部310、振動板部320、エッジ部330およびボックス部340)を成形するための金型を容易する(S100)。真空成形法を用いる場合には、真空吸入により樹脂シートを金型に押し付け(S110)、金型の形状を樹脂シートに転写する。例えば、金型には、真空吸着用の複数の孔が形成され、この孔を介して樹脂シートが金型に押し付けられる。また、樹脂シートの材料に熱可塑性樹脂を用いる場合には、樹脂シートを加熱し、金型の形状が樹脂シートに容易に転写されるようにする。その後、真空吸着を停止し、成形された樹脂シートが金型から引き離される(S120)。
こうして本体部300が1枚の樹脂シートにより構成される。次に、振動板部の裏面側にボビンの端部を接着剤等により接着し(S130)、基台200上に磁気回路部品を搭載する(S140)。そして、本体部300と基台200とを位置決めし、ボックス部340の接合部346を基台200に接合する。例えば、超音波溶着、振動溶着、あるいは接着剤により接合する。なお、圧空成形の場合は、空気圧により樹脂シートを金型に押し付け、金型の形状を樹脂シートに転写させる。
このように本実施例によれば、本体部300を樹脂シートにより一体形成することで、本体部300のダストキャップ部310と振動板部320の間、振動板部320とエッジ部330の間、エッジ部330とボックス部340との間には、接合部ないし接着部が存在しないので、部品点数を削減しつつ、スピーカの防水性や耐久性を向上させることができる。特に、車体警告用のスピーカは、高温、高湿度、ダスト等の過酷な環境に晒されるため、防水性や耐久性の向上によりスピーカの故障等を防止することができる。また、本実施例では、ボックス部340が錐台形状を有しているため、弾性を有する薄い材料であっても、外部からの捩れ等のような圧力に対しも強固な形状であるため、車両の振動や衝撃等に対して耐久性のあるスピーカを提供することができる。
上記実施例では、エッジ部を凸型の半円部と凹型の半円部との組合せから構成したが、エッジ部の形状は、これに限定されず、可撓性を生じさせることできが可能な任意の形状であることができる。さらに上記実施例では、ボックス部340が4つの側面部344をもつ矩形状を例示ししたが、これ以外の多角形状または三角錐状であってもよい。さらにボックス部340の4つの側面部344が幾分傾斜する例を示したが、これに限らず、4つの側面部344と平坦部342との成す角は直角であってもよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10:スピーカ 20:ボックス
30:バッフルボード 40:フレーム
50:振動板 52:エッジ
54:ダストキャップ 60:ダンパー
70:ボトムプレート 72:センターポール
74:トッププレート 80:ボビン
90:ボビン 92:ボイスコイル
100:スピーカ 200:基台
210:磁気回路部材 220:アンプ
300:本体部 310:ダストキャップ部
320:振動板部 330:エッジ部
340:ボックス部(外縁部)
30:バッフルボード 40:フレーム
50:振動板 52:エッジ
54:ダストキャップ 60:ダンパー
70:ボトムプレート 72:センターポール
74:トッププレート 80:ボビン
90:ボビン 92:ボイスコイル
100:スピーカ 200:基台
210:磁気回路部材 220:アンプ
300:本体部 310:ダストキャップ部
320:振動板部 330:エッジ部
340:ボックス部(外縁部)
Claims (9)
- 音声信号に応答して駆動力を発生させる磁気回路部材と、
前記磁気回路部材の駆動力に応じて振動する振動板部と、
前記振動板部の周囲に接続された可撓性のエッジ部と、
前記磁気回路部材を搭載する板状の基台と、
前記基台との間に内部空間が形成されるように前記エッジ部と前記基台とを連結する外縁部とを有し、
前記振動板部、前記エッジ部および前記外縁部は、一体成形された樹脂シートから構成される、スピーカ。 - 前記外縁部は、前記エッジ部の周囲に接続されたほぼ平坦な平面部と、前記平面部の各側面から前記基台に向けて延在する側面部とを有する、請求項1に記載のスピーカ。
- 前記外縁部は、錐台形状である、請求項1または2に記載のスピーカ。
- 前記樹脂シートは、熱可塑性樹脂である、請求項1に記載のスピーカ。
- 前記樹脂シートは、鱗片状または繊維状のフィラーを含む、請求項1または4に記載のスピーカ。
- 前記樹脂シートは、真空成形または圧空成形により金型の形状が転写されたものである、請求項1に記載のスピーカ。
- スピーカの製造方法であって、
振動板部、前記振動板部の周囲に接続された可撓性のエッジ部および前記エッジ部に接続された外縁部を含む本体部を、真空成形または圧空成形により金型形状が転写された1枚の樹脂シートから構成する工程と、
前記本体部を、磁気回路部材を搭載する基台上に取付ける工程と、
を有するスピーカの製造方法。 - 前記本体部を前記基台に取付ける前に、前記振動板部の裏面にボビンの端部を接着する工程を含む、請求項7に記載のスピーカの製造方法。
- 前記エッジ部は、湾曲形状を有し、前記外縁部は、錐台形状を有する、請求項7に記載のスピーカの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017242330A JP2019110441A (ja) | 2017-12-19 | 2017-12-19 | スピーカ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017242330A JP2019110441A (ja) | 2017-12-19 | 2017-12-19 | スピーカ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019110441A true JP2019110441A (ja) | 2019-07-04 |
Family
ID=67180272
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017242330A Pending JP2019110441A (ja) | 2017-12-19 | 2017-12-19 | スピーカ |
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Country | Link |
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2017
- 2017-12-19 JP JP2017242330A patent/JP2019110441A/ja active Pending
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