JP2019108298A - 穀物の発酵生成物及びヘクトライトを含むo/wエマルションの形態の組成物 - Google Patents

穀物の発酵生成物及びヘクトライトを含むo/wエマルションの形態の組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】皮膚を刺激する界面活性剤を使用することなく、又は、べたつき感を付与する親水性ゲル化剤を使用することなく、安定なO/Wエマルションを得る新たな手法の必要性は依然としてある。【解決手段】本発明は、O/Wエマルションの形態の組成物であって、少なくとも1種の穀物の発酵生成物、及び少なくとも1種のヘクトライトを含む、組成物に関する。この組成物は、べたつき感を付与せず、爽快感を付与する一方、長期間にわたり優れた安定性を有する。【選択図】なし

Description

本発明は、穀物の発酵生成物及びヘクトライトを含む、水中油(O/W)エマルションの形態の組成物に関し、これは、長期間にわたり優れた安定性を有し、べたつき感を付与せず、爽快感を付与する。
多くの市販の化粧品は、連続した水性相及び分散した油相からなる、水中油(O/W)型エマルション、並びに、連続した油相及び分散した水性相からなる油中水(W/O)型エマルションを含む、エマルションの形態の組成物である。これは、こうした組成物により、使用中にさらなる心地よさ、例えば柔軟性及びエモリエント性が得られるためである。
中でも、O/Wエマルションは、化粧品分野で最も求められているものであるが、その理由は、これらが外相として水性相を含み、これにより、皮膚に適用される際に、W/Oエマルションより爽快で脂っぽさが少なく、軽い感覚を与えるためである。
O/Wエマルションを作るためには、乳化剤の使用が必要である。しかし、合成乳化剤は、皮膚を刺激すると考えられるので、より安全な天然の乳化剤を見出す必要がある。
コメのラクトバチルス(Lactobacillus)発酵生成物は、天然の乳化剤であることが知られている(特開2002-348207)。O/Wエマルションを安定化させる際の発酵生成物の機構は依然として議論されているが、発酵生成物は、界面エネルギーを低下させることなくエマルション中の油滴を安定させるので、これは界面活性剤ではないと考えられる。
特開2009-13100及び特開2017-88506は、乳化剤として、コメのラクトバチルス発酵生成物を使用したO/Wエマルションについて開示している。しかし、特開2009-13100では、発酵生成物に加えて、アルキル変性カルボキシビニルポリマーを共界面活性剤として使用しなければならず、得られたO/Wエマルション型組成物は、適用中にべたつき感及び皮膜感を付与する問題を有する。また、特開2017-88506では、配合物を安定させるために非イオン性界面活性剤を使用しなければならず、得られたO/Wエマルション型組成物は、界面活性剤が存在するため、皮膚への刺激感を付与する潜在的な危険性を有する。
更に、O/Wエマルションが不安定になると、エマルションのクリーミング及び沈渣、エマルションの不均質な外観、並びに経時的なきめの変化を引き起こすため、O/Wエマルションの安定化は、化粧料に最も重要な因子の1つである。O/Wエマルションの安定性を改善するために、親水性ゲル化剤、例えばキサンタンガムを添加することは有効である。しかし、コメのラクトバチルス発酵生成物を含むO/Wエマルションの安定性を向上させるためには、多くの量のキサンタンガムが必要とされ、これによりべたつきが増大する。したがって、得られたエマルションは、皮膚に不快感を与えるという難点を有する。
特開2002-348207 特開2009-13100 特開2017-88506
皮膚を刺激する界面活性剤を使用することなく、又は、べたつき感を付与する親水性ゲル化剤を使用することなく、安定なO/Wエマルションを得る新たな手法の必要性は依然としてある。
したがって、本発明の目的は、天然の乳化剤を含み、べたつき感を付与せず、爽快感を付与しつつ、長期間にわたり優れた安定性を有するO/Wエマルションの形態の組成物を提供することである。
上の目的は、O/Wエマルションの形態の組成物であって、少なくとも1種の穀物の発酵生成物、及び少なくとも1種のヘクトライトを含む組成物により達成できる。
発酵生成物は、乳酸菌、真菌及び酵母、並びにそれらの混合物からなる群から選択される、好ましくは乳酸菌から選択される微生物により発酵された生成物であってよい。乳酸菌は、ラクトバチルス属の乳酸菌、カルノバクテリウム(Carnobacterium)属の乳酸菌、ロイコノストック(Leuconostoc)属の乳酸菌、ストレプトコッカス(Streptococcus)属の乳酸菌、エンテロコッカス(Enterococcus)属の乳酸菌、ラクトコッカス(Lactococcus)属の乳酸菌、ワイセラ(Weissella)属の乳酸菌、アトポビウム(Atopobium)属の乳酸菌、バゴコッカス(Vagococcus)属の乳酸菌、ペディオコッカス(Pediococcus)属の乳酸菌、バチルス(Bacillus)属の乳酸菌及びビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属の乳酸菌、並びにそれらの混合物からなる群から選択され得る。好ましくは、乳酸菌は、ラクトバチルス属の乳酸菌、例えばラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)であってよい。
穀物は、コメ、オオムギ、コムギ、アワ及びトウモロコシ、並びにそれらの混合物からなる群から選択され得、好ましくはコメから選択され得る。
より好ましくは、穀物の発酵生成物は、コメの乳酸菌発酵生成物であってよい。
発酵生成物は、組成物の合計質量に対して、0.05から15質量%、好ましくは0.1から10質量%、より好ましくは0.3から5質量%の範囲の量で存在し得る。
ヘクトライトは、組成物の合計質量に対して、0.05から15質量%、好ましくは0.1から7質量%、より好ましくは0.3から3質量%の範囲の量で存在し得る。
組成物は、追加の界面活性剤を含まなくてもよく、又は、組成物の合計質量に対して、1質量%未満の少なくとも1種の追加の界面活性剤を含んでもよい。
組成物は、天然又は天然由来のポリマーゲル化剤、合成ポリマーゲル化剤、混合シリケート及びヒュームドシリカ、並びにそれらの混合物から選択され、好ましくは天然又は天然由来のポリマーゲル化剤から選択される少なくとも1種の追加の親水性ゲル化剤を含み得る。
親水性ゲル化剤は、組成物の質量に対して、0.01から10質量%、好ましくは0.1から8質量%、より好ましくは0.2から3質量%の範囲の量で存在し得る。
組成物は、皮膚、頭皮、毛髪、粘膜、例えば口唇及び爪を含むケラチン物質のためのもの、好ましくは、皮膚のケア、クレンジング及び/若しくはメーキャップ、並びに/又は日焼け止めのためのものであってよい。
本発明は:
- 少なくとも1種の穀物の発酵生成物、少なくとも1種のヘクトライト、少なくとも1種の水性媒体、及び任意選択で少なくとも1種の親水性ゲル化剤を含む水性相を調製する工程:
- 少なくとも1種の油を含む油相を調製する工程:並びに
- 油相を水性相に添加し、その結果O/Wエマルションを形成する工程を含む、O/Wエマルションの形態の組成物を調製するための方法にも関する。
本発明はまた、皮膚、頭皮、毛髪、粘膜、例えば口唇及び爪を含むケラチン物質、詳細には皮膚をケア又はメーキャップする化粧方法であって、本発明による組成物をケラチン物質に適用する工程を含む、方法に関する。
鋭意検討の結果、本発明者らは、ヘクトライトを穀物の発酵生成物と組み合わせて使用することにより、追加の界面活性剤又は多量の親水性ゲル化剤が使用されていない場合でも、高い安定性とべたつきのなさを両立させた、天然の乳化剤を含むO/Wエマルションを得ることが可能であると見出した。
したがって、本発明の一態様は、少なくとも1種の穀物の発酵生成物、及び少なくとも1種のヘクトライトを含む、O/Wエマルションの形態の組成物である。
本発明による組成物は、ケラチン物質にべたつきを与えないだけではなく、長期間にわたる安定性も改善した。したがって、本発明による組成物は、皮膚、頭皮、毛髪、爪及び粘膜、特に皮膚を含むケラチン物質のための化粧用組成物であってよい。
本発明による組成物は、以下でより詳細に説明される。
[穀物の発酵生成物]
本発明によるO/Wエマルションの形態の組成物は、少なくとも1種の穀物の発酵生成物を含む。2種以上の穀物の発酵生成物を組み合わせて使用してもよい。したがって、単一種類の発酵生成物、又は異なる種類の発酵生成物の組合せを使用してよい。
穀物の発酵生成物は、天然の乳化剤として機能する。発酵生成物は、界面エネルギーを低下させることなくエマルション中の油滴を安定させるので、界面活性剤ではないと考えられる。
穀物の発酵生成物は、穀物を微生物と発酵させることにより得られる。
微生物の例としては、例えば、乳酸菌、カビ及び酵母、並びにそれらの混合物が挙げられる。
乳酸菌としては、炭水化物発酵の代謝最終産物として乳酸を生成できる細菌に分類されるのであれば、任意の菌を使用してよい。
例えば、乳酸菌は、ラクトバチルス属の乳酸菌、例えばラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)及びラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei);カルノバクテリウム属の乳酸菌、例えばカルノバクテリウム・ディベルゲンス(Carnobacterium divergens)及びカルノバクテリウム・ピシコラ(Carnobacterium piscicola);ロイコノストック属の乳酸菌、例えばロイコノストック・メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)及びロイコノストック・シトレウム(Leuconostoc citreum);ストレプトコッカス属の乳酸菌、例えばストレプトコッカス・フェカーリス(Streptococcus faecalis)及び化膿レンサ球菌(Streptococcus pyogenes);エンテロコッカス属の乳酸菌、例えばエンテロコッカス・カセリフラブス(Enterococcus casseliflavus)及びエンテロコッカス・スルフレウス(Enterococcus sulfureus);ラクトコッカス属の乳酸菌、例えばラクトコッカス・プランタラム(Lactococcus plantarum)及びラクトコッカス・ラフィノラクティス(Lactococcus raffinolactis);ワイセラ属の乳酸菌、例えばワイセラ・コンフューサ(Weissella confusa)及びワイセラ・カンドレリ(Weissella kandleri); アトポビウム属の乳酸菌、例えばアトポビウム・ミヌツム(Atopobium minutum)及びアトポビウム・パルブルム(Atopobium parvulum);バゴコッカス属の乳酸菌、例えばバゴコッカス・フルビアリス(Vagococcus fluvialis)及びバゴコッカス・サーモニナラム(Vagococcus salmoninarum);ペディオコッカス属の乳酸菌、例えばペディオコッカス・ダムノサス(Pediococcus damnosus)及びペディオコッカス・ペントサセウス(Pediococcus pentosaceus);バチルス属の乳酸菌、例えばバチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)、並びにビフィドバクテリウム属の乳酸菌、例えばビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)、及びビフィドバクテリウム・インファンティス(Bifidobacterium infantis)と;それらの混合物からなる群から選択され得る。
カビとしては、炭水化物及びタンパク質を分解することが可能な様々な酵素を生成でき、発酵中に使用できるカビに分類されるのであれば、任意のカビを使用してよい。
例えば、カビは、アスペルギルス属のカビ、例えばアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus)、アスペルギルス・ポリオキソジェネス(Aspergillus polyoxogenes)、 (Aspergillus sojae)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)、アスペルギルス・ウサミ(Aspergillus usamii)、及びアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger);並びにモナスカス(Monascus)属のカビ、例えばモナスカス・アンカ(Monascus anka)及びモナスカス・ピロサス(Monascus pilosus);並びにそれらの混合物からなる群から選択され得る。
酵母としては、炭水化物を発酵生成物、例えば二酸化炭素及びアルコールに変換できる酵母に分類されるのであれば、任意の酵母を使用してよい。
例えば、酵母は、サッカロミセス(Saccharomyces)属の酵母、例えばサッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロミセス・アワモリ(Saccharomyces awamori)、サッカロミセス・チェバリエリ(Saccharomyces chevalieri)、サッカロミセス・カールスベルゲンシス(Saccharomyces carlsbergensis)及びサッカロミセス・バヨヌス(Saccharomyces bayonus);トルラスポラ(Torulaspora)属の酵母、例えばトルラスポラ・デルブルエキ(Torulaspora delbrueckii)、トルラスポラ・ファーメンタチ(Torulaspora fermentati)及びトルラスポラ・ロゼイ(Torulaspora rosei);ジゴサッカロミセス(Zygosaccharomyces)属の酵母、例えばジゴサッカロミセス・ルーキシィ(Zygosaccharomyces rouxii)、ジゴサッカロミセス・ソヤ(Zygosaccharomyces soya)、ジゴサッカロミセス・サケ(Zygosaccharomyces sake)、ジゴサッカロミセス・ミソ(Zygosaccharomyces miso)、及びジゴサッカロミセス・ラクティス(Zygosaccharomyces lactis);カンジダ属(Candida)の酵母、例えばカンジダ・ベルサティリス(Candida versatilis)、カンジダ・エチェルシー(Candida etchellsii)、カンジダ・ケフィール(Candida kefyr)、カンジダ・サケ(Candida sake)及びカンジダ・スコッティ(Candida scottii);及びアウレオバシジウム(Aureobasidium)属の酵母、例えばアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium Pullulans)、アウレオバシジウム・マンソーニ(Aureobasidium mansoni)及びアウレオバシジウム・ミクロスティクタム(Aureobasidium microstictum);並びにそれらの混合物からなる群から選択され得る。
好ましくは、乳酸菌、詳細にはラクトバチルス属の乳酸菌は、発酵用微生物として使用され得る。最も好ましくは、発酵用微生物は、ラクトバチルス・プランタラムである。
穀物の例としては、コメ、オオムギ、コムギ、アワ及びトウモロコシ、並びにそれらの混合物が挙げられる。中でも、コメが最も好ましい。
コメとしては、草種オリザ・サティバ(Oryza sativa)及びオリザ・グラベリマ(Oryza glaberrima)の種子に由来するものを含む任意のコメを使用してよい。
任意の種類のコメ、例えば玄米、白米及び加工米、例えば低アレルゲン米、低タンパク質米及び強化米を発酵の出発原料に使用してよい。
本発明に使用される穀物の発酵生成物は、任意の発酵工程により得られる。発酵工程は、発酵微生物が穀物と接触できれば、任意の方法により制約なく行ってよい。例えば、発酵生成物は、穀物を茹で、又は蒸かし、その結果それらを柔らかくし、柔らかくした穀物を適切な温度に冷却し、発酵微生物を穀物に添加し、発酵を実行することにより得られる。
発酵微生物は、微生物芽胞懸濁液を穀物の表面に適用することにより、又は、穀物を含有する媒体に微生物粉末を添加することにより、穀物と接触させることができる。
詳細には、本発明に使用される穀物の発酵生成物は、以下の手順により調製され得る。まず、発酵に対して悪影響を引き起こす望ましくない細菌を除去するために穀物を洗浄する。得られた穀物は、適切な量の水に浸し、次いで発酵微生物をそこに添加する。適切な条件下(例えば好気性又は嫌気性条件及び適切な期間及び温度)で、穀物は発酵微生物により発酵される。適切な期間及び適切な条件は、発酵に使用される微生物によって決まる。
最も好ましい穀物の発酵生成物は、コメの乳酸菌発酵生成物であり得る。この種類の発酵生成物の例としては、例えば、Technoble社により「Lafrin AM(登録商標)」又は「Lafrin AM・α(登録商標)」という名称で販売されているものが挙げられる。
穀物の発酵生成物の量は、組成物の合計質量に対して、0.05質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上であり得る。
穀物の発酵生成物の量は、組成物の合計質量に対して、15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下であり得る。
穀物の発酵生成物の量は、組成物の合計質量に対して、0.05から15質量%、好ましくは0.1から10質量%、より好ましくは0.3から5質量%の範囲であり得る。
穀物の発酵生成物は、毒性及び皮膚への刺激が少ないので、本発明の発酵生成物を含む組成物は、人体にきわめて安全という利点を有する。
更に、穀物の発酵生成物は、皮膚に対して高い保湿効果及びホワイトニング効果を有する。したがって、本発明の発酵生成物を含む組成物が、化粧品分野で皮膚に使用される場合、得られた化粧品は、皮膚の保湿能力を改善するだけではなく皮膚のホワイトニングもできる。
[ヘクトライト]
本発明によるO/Wエマルションの形態の組成物は、少なくとも1種のヘクトライトを含む。2種以上のヘクトライトを、組み合わせて使用してもよい。したがって、単一種類のヘクトライト、又は異なる種類のヘクトライトの組合せを使用してもよい。
ヘクトライトは、スメクタイトクレイの一種であり、フィロシリケート、即ち、SiO4四面体が小葉状に組織された構造を有するシリケートであり、その小葉の間に、金属カチオンが閉じ込められている。
ヘクトライトが水性溶媒に添加される場合、これは、直ちに膨張して、粘性かつ揺変性のゲルを形成する。したがって、ヘクトライトは、化粧品を含む様々な分野で優れたゲル化剤として使用される。
水性相をゲルにすることができれば、任意の種類のヘクトライトを使用してよい。
ヘクトライトは、一般的に微粉末形態であり、詳細には、2nmから1μm(2nmから1000nm)、好ましくは5nmから600nm、より一層優先的には20から250nmに及ぶ平均径を有する粒子の形態である。粒子の「平均径」という用語は、個々の粒子における直径方向の相対する2点間で測定可能な最大寸法(長さ)の数平均径を意味する。径は、例えば、透過型電子顕微鏡により、又は、BET法若しくはレーザ粒径分析によって比表面積を測定することにより決定され得る。
ヘクトライト粒子は、任意の形態、例えば半球状、フレーク状、針状、小板状、ディスク状、小葉状の形態又は全体的にランダムな形態をとり得る。
ヘクトライトとしては、いかなる天然のヘクトライトクレイも使用してよい。そのようなクレイは、カルシウム及びナトリウムヘクトライト(また、希少なヘクトライト、例えばマグネシウム及びリチウムヘクトライトも含む)、並びに、交換イオンの混合物、例えばカルシウム及びナトリウム交換カチオンの両方を含むヘクトライトを含み得る。
或いは、ラポナイトをヘクトライトとして使用してよい。ラポナイトは、場合によりリチウムを含有するケイ酸ナトリウムマグネシウムであり、これは、モンモリロナイトのものと同様の層構造を有する。ラポナイトは、合成形態のヘクトライトである。合成由来のこのファミリーのシリケートは、生成物の組成を良好にコントロールできるので、天然のヘクトライトを上回る利点がある。更に、ラポナイトは、天然のヘクトライトのものよりもはるかに小さい粒径を有するという利点を有する。
ラポナイトの例としては、例えば、Rockwood Additives Limited社により以下の名称で販売されている製品:Laponite(登録商標)XLS、Laponite(登録商標)XLG、Laponite(登録商標)RD、Laponite(登録商標)RDS、Laponite(登録商標)XL21が挙げられる(これらの製品は、ケイ酸ナトリウムマグネシウム及びケイ酸ナトリウムリチウムマグネシウムである)。
ヘクトライトの量は、組成物の合計質量に対して、0.05質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上であり得る。
ヘクトライトの量は、組成物の合計質量に対して、15質量%以下、好ましくは7質量%以下、より好ましくは3質量%以下であり得る。
ヘクトライトの量は、組成物の合計質量に対して、0.05から15質量%、好ましくは0.1から7質量%、より好ましくは0.3から3質量%の範囲であり得る。
ヘクトライトが、O/Wエマルション中で穀物の発酵生成物と組み合わせて使用される場合、他の親水性ゲル化剤、例えばキサンタンガムのケースとは異なり、エマルションの安定性を改善しつつ、べたつきの増大を抑制できる。
[界面活性剤]
本発明によるO/Wエマルションの形態の組成物は、追加の界面活性剤を含まなくてもよく、又は、組成物の合計質量に対して、1質量%未満、好ましくは0.1質量%未満、より好ましくは0.01質量%未満の少なくとも1種の追加の界面活性剤を含んでもよい。最も好ましくは、組成物は、追加の界面活性剤を含まなくてよい。言い換えれば、本発明によるO/Wエマルションの形態の組成物は、最も好ましくは「界面活性剤を含まない」組成物であってよい。
組成物が、追加の界面活性剤を含む場合、任意の界面活性剤は、本発明に使用され得る。界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びカチオン性界面活性剤、並びにそれらの混合物からなる群から選択され得る。
非イオン性界面活性剤の例としては、例えば、ポリ(エチレンオキシド)のアルキル又はポリアルキルエステル、オキシアルキレン化アルコール、ポリ(エチレンオキシド)のアルキル又はポリアルキルエーテル、任意選択でソルビタンのポリオキシエチレン化アルキル又はポリアルキルエステル、任意選択でソルビタンのポリオキシエチレン化アルキル又はポリアルキルエーテル、アルキル又はポリアルキルグリコシド又はポリグリコシド、詳細にはアルキル又はポリアルキルグルコシド又はポリグルコシド、スクロースのアルキル又はポリアルキルエステル、グルコースのアルキル又はポリアルキルエステル、任意選択でグリセロール又はポリグリセロールのポリオキシエチレン化アルキル又はポリアルキルエステル、任意選択でグリセロール又はポリグリセロールのポリオキシエチレン化アルキル又はポリアルキルエーテル、ジェミニ界面活性剤、シリコーン界面活性剤、セチルアルコール及びステアリルアルコール、並びにそれらの混合物が挙げられ得る。
とりわけ、追加の非イオン性界面活性剤は、ラウレス-9、PPG-2-デセス-10、ステアリン酸ポリグリセリル-6、セテス-12、イソステアリン酸PEG-12、ステアリン酸グリセリル/ステアリン酸PEG-40、イソステアリン酸PEG-15グリセリル、オクチルドデセス-16、ジラウリン酸PEG-20、ジイソステアリン酸PEG-30グリセリル、PEG-40水添ヒマシ油、PEG-40ヒマシ油、トリイソステアリン酸PEG-50グリセリル、トリオレイン酸PEG-50グリセリル、ラウリン酸PEG-50水添ヒマシ油、ソルビタンココエート、ラウレス-10、イソステアレス-15、オレス-15、ステアレス-15、デシルテトラデセス-20、コレス-20、水添ダイマージリノレス-30、PCAイソステアリン酸PEG-60水添ヒマシ油、ステアリン酸PEG-15グリセリル、ベヘネス-20、PPG-2デセス-12、イソセテス-15、セテス-15、オクチルドデセス-20、コレス-24、PEG-50水添ヒマシ油、PEG-50ヒマシ油、トリイソステアリン酸PEG-60グリセリル、トリオレイン酸PEG-60グリセリル、ラウリン酸PEG-60水添ヒマシ油、ラウレス-12、PPG-2デセス-15、セテス-17、イソステアレス-20、オレス-20、ステアレス-20、PEG-20イソステアリン酸グリセリル、デシルテトラデセス-25、水添ダイマージリノレス-40、ラウリン酸PEG-12、ラウレス-15、イソセテス-20、セテス-20、イソステアリン酸PEG-20、ステアリン酸PEG-20、ステアリン酸PEG-20グリセリル、オレス-23、ポリソルベート80、オクチルドデセス-25、イソステアリン酸PEG-25グリセリル、ステアリン酸グリセリル/ステアリン酸PEG-100、ベヘネス-30、コレス-30、PEG-60水添ヒマシ油、PPG-2デセス-20、イソステアレス-25、ステアレス-25、PCAイソステアリン酸グリセレス-25、ジイソステアリン酸PEG-60グリセリル、セテス-25、ラウレス-20、イソセテス-25、セテス-30、ステアリン酸PEG-30、イソステアリン酸PEG-30グリセリル、ステアリン酸PEG-30グリセリル、水添ダイマージリノレス-60、PEG-80水添ヒマシ油、PEG-20ソルビタンココエート、イソステアリン酸PEG-40グリセリル、PEG-100水添ヒマシ油、ラウレス-25、PPG-2デセス-30、ステアレス-40、ステアリン酸PEG-40グリセリル、水添ダイマージリノレス-80、ラウレス-30、ステアリン酸PEG-40、オレイン酸PEG-40ソルビタン、オレス-50、イソステアリン酸PEG-50、ラウレス-50、ジステアリン酸PEG-150、ステアリン酸PEG-100、セテアレス-25及びセテアレス-33から選択され得る。
また、追加の非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン化(末端OHを保有する)又はポリグリセロール化(いくつかの側鎖OH及び末端OH)「天然」ワックス、例えばポリオキシエチレン化天然ワックス(好ましくは2から100の間のEO単位数)、例えばPEGビーズワックス、PEGキャンデリラワックス、PEGカルナウバワックス、PEGラノリン、オキシプロピレン化ラノリンワックス、PEG鯨ワックス、PEGセラックワックス;並びにグリセロール化又はポリグリセロール化ワックス、例えばポリグリセロール化ビーズワックス、詳細にはポリグリセリル-3ビーズワックス、及びアカシアデクレンス(acacia decurrens)/ホホバ/ヒマワリ種子ワックス/ポリグリセリル-3エステル混合物から選択され得る。
アニオン性界面活性剤の例としては、例えば、カルボキシレート(例えばナトリウム2-(2-ヒドロキシアルキルオキシ)アセテート)、アミノ酸誘導体(例えばN-アシルグルタメート、N-アシルグリシネート又はアシルサルコシネート)、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート及びそれらのオキシエチレン化誘導体、スルホネート、イセチオネート及びN-アシルイセチオネート、タウレート及びN-アシルN-メチルタウレート、スルホシクシネート、アルキルスルホアセテート、ホスフェート及びアルキルホスフェート、ポリペプチド、アルキルポリグリコシド(例えばアシル-D-ガラクトシドウロネート)のアニオン性誘導体及び脂肪酸石鹸、並びにそれらの混合物が挙げられる。
両性界面活性剤の例としては、例えば、ベタイン、N-アルキルアミドベタイン及びそれらの誘導体、グリシン誘導体、スルタイン、アルキルポリアミノカルボキシレート及びアルキルアンホアセテート、並びにそれらの混合物が挙げられる。
カチオン性界面活性剤の例としては、例えば、アルキルイミダゾリジニウム、例えばエト硫酸イソステアリルエチルイミドニウム、アンモニウム塩、例えば(C12〜C30アルキル)トリ(C1〜C4アルキル)アンモニウムハライド、例えばN,N,N-トリメチル-1-ドコサンアミニウムクロリド(又はベヘントリモニウムクロリド)が挙げられる。
[親水性ゲル化剤]
本発明によるO/Wエマルションの形態の組成物は、疎水性ゲル化剤が使用されていない場合でも、ヘクトライト及び穀物の発酵生成物の組合せにより、安定し、べたつきがないO/Wエマルションが得られることを特徴とする。しかし、組成物は、追加の疎水性ゲル化剤を含んでもよい。
本発明の目的に関して、「親水性ゲル化剤」という用語は、本発明による組成物の水性相をゲル化することが可能な化合物を意味する。ゲル化剤は、水溶性又は水分散性であってよい。
親水性ゲル化剤の量は、組成物の合計質量に対して0.01から10質量%の範囲に及び、好ましくは0.1から8質量%、より好ましくは0.2から3質量%の範囲に及ぶ。
親水性ゲル化剤は、天然又は天然由来のポリマーゲル化剤、合成ポリマーゲル化剤、混合シリケート及びヒュームドシリカ、並びにそれらの混合物から選択され得る。
I.天然又は天然由来のポリマーゲル化剤
本発明における使用に適しているポリマー親水性ゲル化剤は、天然であっても、又は天然由来であってもよい。
本発明の目的に関して、「天然由来の」という表現は、天然ポリマーゲル化剤の変性により得られるポリマーゲル化剤を表すよう意図されている。これらのゲル化剤は、微粒子であってもよく、又は非微粒子であってもよい。より正確には、これらのゲル化剤は、多糖の分類の範囲内である。
一般に、多糖は、以下に記載するようにいくつかの分類に分けられ得る。
(i)デンプン多糖
挙げられるこの分類の代表には、天然デンプン、加工デンプン及び微粒子デンプンが含まれる。
本発明に使用され得る天然デンプンは、化学式(C6H10O5)nのα(1,4)結合を介して連結した無水グルコース(デキストロース)単位の基本単位からなるポリマーの形態の高分子である。これらの単位の数及びその集合により、直鎖状に連結したグルコース分子約600から1000個から形成される分子であるアミロース、並びに、ほぼ(α(1,6)結合)でグルコース25残基ごとに分岐したポリマーであるアミロペクチンを区別することが可能になる。鎖の合計は、10000から1000000残基の間のグルコースを含有し得る。
本発明に使用される植物由来のデンプン分子は、穀物又は塊茎であり得る。したがって、デンプンは、例えば、コーンデンプン、コメデンプン、キャッサバデンプン、タピオカデンプン、オオムギデンプン、ジャガイモデンプン、コムギデンプン、ソルガムデンプン及びエンドウマメデンプンから選択される。
本発明に使用され得る加工デンプンは、以下の反応:アルファ化、分解(酸加水分解、酸化又はデキストリン化)、置換(エステル化又はエーテル化)、又は架橋(エステル化)、及びブリーチの1つ又は複数により加工した。
より詳細には、これらの反応は、以下の手段で行われ得る:
- デンプン粒の分割(例えば乾燥及び乾燥ドラムでの調理)によるアルファ化;
- 冷却時にきわめて迅速に老化させる酸加水分解;
- 強酸化剤(例えば、次亜塩素酸ナトリウムNaOClの存在下のアルカリ媒体)を用いた酸化により生じる、デンプン分子の解重合及びカルボキシル基のデンプン分子への導入(主にC6ヒドロキシル基の酸化);
- 高温での酸性媒体中のデキストリン化(加水分解、続いて再重合);
- デンプン分子のヒドロキシル基と反応させることが可能であり、したがって一緒に連結する官能化剤(例えばグリセリル基及び/又はリン酸基を伴う)で架橋する工程;
- 官能基、とりわけC1〜C6アシル(アセチル)、C1〜C6ヒドロキシアルキル(ヒドロキシエチル又はヒドロキシプロピル)、カルボキシメチル又はオクテニルコハク酸基をグラフトするための、アルカリ媒体中でのエステル化。
加工デンプンは、リン酸デンプン、リン酸架橋デンプン又はリン酸化三デンプン又はそれらの混合物であり得る。
本発明によれば、1個又は複数のアニオン性基、及び1個又は複数のカチオン性基を含有する両性デンプンを使用することも可能である。アニオン性及びカチオン性基は、デンプン分子の同一の反応性部位、又は異なる反応性部位に連結し得る;これらは、好ましくは、同一の反応性部位に連結する。アニオン性基は、カルボン酸、リン酸又は硫酸タイプのもの、好ましくはカルボン酸のものであり得る。カチオン性基は、第一級、第二級、第三級又は第四級アミンタイプのものであり得る。
挙げられる微粒子デンプンには:
- アクリルポリマー(ホモポリマー又はコポリマー)、詳細にはポリアクリル酸ナトリウムでグラフトされたデンプン、例えばSanyo Chemical Industries社によりSanfresh ST-100MC、又は、Daito Kasei社によりMakimousse 25若しくはMakimousse 12(INCI名:ポリアクリル酸ナトリウムデンプン)という名称で販売されているもの;
- アクリルポリマー(ホモポリマー又はコポリマー)、とりわけアクリロアクリルアミド/アクリル酸ナトリウムコポリマーでグラフトされた加水分解デンプン、例えばGrain Processing社によりWater Lock A-240、A-180、B-204、D-223、A-100、C-200及びD-223(INCI名:デンプン/アクリルアミド/アクリル酸ナトリウムコポリマー)という名称で販売されているもの;
- ポリマー系デンプン、ガム及びセルロース誘導体、例えばデンプン及びナトリウムカルボキシメチルセルロースを含有する製品、例えば、Lysac社によりLysorb 220という名称で販売されている製品;
- カルボキシアルキル基を、デンプンの1個又は複数のアルコール官能基にグラフトすることにより、とりわけ、アルカリ媒体中におけるデンプン及びモノクロロ酢酸ナトリウムの反応により得られるカルボキシアルキルデンプン、例えばカルボキシアルキルデンプンのナトリウム塩、詳細には、とりわけ、DMV International社によりPrimojel(登録商標)、又は、Roquette社によりGlycolys(登録商標)及びGlycolys(登録商標)LVという名で販売されているジャガイモカルボキシメチルデンプンのナトリウム塩が含まれる。
(ii)非デンプン多糖
非デンプン多糖は、微生物により生成される多糖;藻類から単離される多糖、高等植物の多糖、例えば均質な多糖、詳細にはセルロース及びその誘導体、又はフルクトサン、不均質な多糖、例えばアラビアガム、ガラクトマンナン、グルコマンナン及びペクチン、並びにそれらの誘導体と;それらの混合物から選択され得る。
詳細には、多糖は、フルクタン、ゲラン、グルカン、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、プルラン、デキストラン、セルロース及びそれらの誘導体、詳細にはメチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース、マンナン、キシラン、リグニン、アラバン、ガラクタン、ガラクツロナン、アルギネートベース化合物、キチン、キトサン、グルクロノキシラン、アラビノキシラン、キシログルカン、グルコマンナン、ペクチン酸及びペクチン、アラビノガラクタン、カラギーナン、寒天、グリコサミノグリカン、アラビアガム、トラガカントガム、ガティガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、ガラクトマンナン例えばグアーガム及びその非イオン性誘導体、詳細にはヒドロキシプロピルグアー及びそのイオン性誘導体、微生物由来のバイオ多糖ガム、詳細にはスクレログルカン又はキサンタンガム、ムコ多糖、詳細にはコンドロイチン硫酸、並びにそれらの混合物から選択され得る。
これらの多糖は、とりわけ尿素若しくはウレタン基で、又は加水分解、酸化、エステル化、エーテル化、硫酸化、リン酸化、アミノ化、アミド化若しくはアルキル化反応により、又はこれらの加工のいくつかにより化学的に加工され得る。得られた誘導体は、アニオン性、カチオン性、両性又は非イオン性であり得る。
(iii)微生物により生成される多糖
この分類で挙げられる代表には、キサンタンガム、プルラン、デキストラン及び硫酸デキストラン、スクシノグリカン、スクレログルカン及びゲランガムが含まれる。
キサンタンガムは、細菌キサントモナスカンペストリス(Xanthomonas campestris)の好気的発酵により産業規模で生成されるヘテロ多糖に由来する。その構造は、セルロースと同様にβ(1,4)で接続したβ-D-グルコースの主鎖で構成される。グルコース分子2個のうち1個は、α-D-マンノース、β-D-グルクロン酸及び末端β-D-マンノースで構成された三糖側鎖を保有する。内部マンノース残基は、一般的に、炭素6でアセチル化される。末端マンノース残基のおよそ30%は、炭素4と炭素6の間にキレート形態で連結されたピルビン酸基を保有する。グルクロン酸及び荷電ピルビン酸は、イオン化可能なので、キサンタンのアニオン性の原因となる(pH1になるまでの負電荷)。
プルランは、α(1,4)-α(1,6)-グルカンという名称で公知のマルトトリオース単位からなる多糖である。マルトトリオースにおけるグルコース単位3つは、α(1,4)グリコシド結合を介して接続し、一方、連続マルトトリオース単位は、α(1,6)グリコシド結合を介して互いに接続する。
デキストランは、生物学的に不活性な、いかなる荷電基も保有しない中性多糖であり、ヒドロキシル基のみを含有するテンサイ糖を発酵させることにより調製される。天然デキストランから、加水分解及び精製により、様々な分子量のデキストラン分画を得ることが可能である。デキストランは、詳細には、硫酸デキストランの形態であり得る。
スクシノグリカンは、八糖反復単位(8反復糖)からなる高分子量の、細菌発酵により生成される細胞外ポリマーである。
スクレログルカンは、β-Dグルカン単位からなる非イオン性の分岐ホモ多糖である。この分子は、β(1,3)結合を介して連結したD-グルコース単位により形成される直鎖状主鎖からなり、その3つの単位の1つが、β(1,6)結合を介してD-グルコース側単位に連結する。
ゲランガムは、四糖(テトラサッカリド)で構成されるオリゴ糖単位をベースとしたアニオン性直鎖状ヘテロ多糖である。D-グルコース、L-ラムノース及びD-グルクロン酸は、モノマー要素の形態で、ゲランガムに2/1/1の比率で存在する。
(iv)藻類から単離される多糖
この分類で挙げられる代表には、ガラクタン、ファーセレラン及びアルギネートベース化合物が含まれる。
ガラクタンは、寒天及びカラギーナンから選択され得る。カラギーナンは、ギガルチナセアエ(Gigartinaceae)、ヒプネアセアエ(Hypneaceae)、フルセラリアセアエ(Furcellariaceae)及びポリイデアセアエ(Polyideaceae)科に属する様々な紅藻類(ロドフィセアエ(Rhodophyceae))の細胞壁を構成するアニオン性多糖である。これらは、一般的に、前記藻類の天然株から温水抽出により得られる。二糖単位により形成されたこれらの直鎖状ポリマーは、α(1,3)及びβ(1,4)結合を介して交互に連結した2つのD-ガラクトピラノース単位で構成される。これらは、高度に硫酸化された多糖(20〜50%)であり、α-D-ガラクトピラノシル残基は、3,6-アンヒドロ形態であり得る。寒天タイプのガラクタンは、これらの紅藻類(ロドフィセアエ)の種の一部の細胞壁に含有されるガラクトース多糖である。これらは、基本骨格がβ(1,3)D-ガラクトピラノース及びα(1,4)L3-6アンヒドロガラクトース鎖であるポリマー基から形成され、これらの単位は、規則的かつ交互に反復する。
ファーセレランは、紅藻類ファーセラリアファズチギアータ(Furcellaria fastigiata)から商業的に得られる。ファーセレランは、例えば、Est-Agar社により生成されている。
「アルギネートベース化合物」は、アルギン酸、アルギン酸誘導体及びアルギン酸又は前記誘導体(アルギン酸塩)の塩を意味する。褐藻類又は特定の細菌に由来する天然物質のアルギン酸は、1,4-グリコシド結合により連結された2つのウロン酸:β-D-マンヌロン(M)酸及びα-L-グルクロン(G)酸で構成されるポリウロン酸である。アルギン酸は、アルカリ金属、例えばナトリウム、カリウム又はリチウム、低級アミン及びアンモニウムの置換カチオン、例えばメチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン又はトリエタノールアミンと水溶性塩(アルギン酸塩)を形成することが可能である。これらのアルギネートは、4に等しいpHにおいて水性媒体中で水溶性であるが、4未満のpHではアルギン酸に解離する。この(これらの)アルギネートベース化合物は、前記アルギネートベース化合物及び前記架橋剤の間でイオン性結合が形成されることにより、少なくとも1種の架橋剤の存在下で架橋することが可能である。前記アルギネートベース化合物のいくつかの分子の間で複数の架橋が形成されることにより、水不溶性ゲルが形成される。
(v)高等植物からの多糖
多糖のこの分類は、均質な多糖(1種類の単糖のみ)、及び、いくつかの種類の単糖で構成される不均質な多糖に分けられる。
(i)均質な多糖及びそれらの誘導体
この分類で挙げられる代表には、セルロース及び誘導体、並びにフルクトサンが含まれる。
セルロース及びそれらの誘導体の例としては、セルロースエーテル又はエステル(例えば:メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、ニトロセルロース)が挙げられる。
また、セルロースベースの会合性ポリマーが使用され得る。本発明によれば、「セルロースベースの化合物」という用語は、その構造内にβ(1,4)グリコシド結合を介して連結したアンヒドログルコピラノース(AGU)残基の直鎖状配列を保有する任意の多糖化合物を意味する。
セルロースのヒドロキシル基は、部分的に、又は全体的に、様々な化学的試薬と反応させて、固有の性質を有するセルロース誘導体を得ることができる。セルロース誘導体は、アニオン性、カチオン性、両性又は非イオン性であってよい。
セルロース誘導体のうち:少なくとも1つの脂肪族鎖を含む基で修飾されたセルロース、及びアルキルフェニルポリアルキレングリコールエーテル基で修飾されたセルロースも挙げられる。セルロースエステルには、セルロースの無機エステル(硝酸、硫酸、リン酸セルロース等)、セルロースの有機エステル(セルロースモノアセテート、トリアセテート、アミドプロピオネート、アセテートブチレート、アセテートプロピオネート又はアセテートトリメリテート等)、及びセルロースの混合有機/無機エステル、例えばセルロースアセテートブチレートスルフェート及びセルロースアセテートプロピオネートスルフェートがある。セルロースエステルエーテルのうち、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート及びエチルセルローススルフェートも挙げられる。
フルクトサンの例としては、イヌリン及びその誘導体(とりわけジカルボキシ及びカルボキシメチルイヌリン)が挙げられる。フルクタン又はフルクトサンは、任意選択でフルクトース以外のいくつかの単糖残基と組み合わせたアンヒドロフルクトース単位の配列を含むオリゴ糖又は多糖である。フルクタンは、直鎖状であってもよく、又は分岐していてもよい。フルクタンは、植物若しくは微生物源から直接得られる生成物、或いは、分画、合成又は加水分解、鎖の長さが詳細には酵素によって変更されている(増大又は短縮している)生成物であり得る。フルクタンは、一般的に、2から約1000、好ましくは2から約60の重合度を有する。
(ii)不均質な多糖及びその誘導体
この分類で挙げられる代表には、カッシアガム、カラヤガム、コンニャクガム、トラガカントガム、タラガム、アカシアガム又はアラビアガムが含まれる。
アラビアガムは、カリウム、マグネシウム及びカルシウム塩の混合物の形態で存在する、高度に分岐した酸性多糖である。遊離酸(アラビン酸)のモノマー要素は、D-ガラクトース、L-アラビノース、L-ラムノース及びD-グルクロン酸である。
ガラクトマンナン(グアー、ローカストビーン、フェヌグリーク、タラガム)及びその誘導体(リン酸化グアー、ヒドロキシプロピルグアー等)は、マメ科植物の、貯蔵炭水化物を構成する種子のアルブミンから抽出される非イオン性多糖である。ガラクトマンナンは、β(1,4)で接続したD-マンノピラノース単位の主鎖からなり、α(1,6)で主鎖に接続する単一のD-ガラクトピラノース単位からなる側分岐を保有する高分子である。様々なガラクトマンナンは、一方では、ポリマーに存在するα-D-ガラクトピラノース単位の比率で異なり、他方では、マンノース鎖に沿ったガラクトース単位の分布の観点からの有意差で異なる。
グアーガムは、2:1ほどのマンノース:ガラクトース比を特徴とする。ガラクトース基は、マンノース鎖に沿って均一に分布している。本発明に従って使用され得るグアーガムは、非イオン性、カチオン性又はアニオン性であってよい。本発明によれば、変性されていない、又は化学的に変性された非イオン性グアーガムが使用され得る。
ローカストビーンガムは、キャロブツリー(セラトニアシリクア(Ceratonia siliqua))の種子から抽出される。本発明によれば、変性されていない、又は化学的に変性されたローカストビーンガムが使用され得る。
本発明に関して使用され得るタラガムは、例えば、Unipektin社によりVidogum SPという名称で販売されている。
グルコマンナン(コンニャクガム)は、およそ50又は60単位ごとに分岐を有するD-マンノース及びD-グルコース単位で構成される高分子量(5000000<Mグルコマンナン<2000000)の多糖である。これは、木で見出されるが、コンニャクガムの主な構成成分でもある。コンニャク(アモルファルスコンニャク(Amorphophallus konjac))は、アラセアエ(Araceae)科の植物である。
LM及びHMペクチン、並びにそれらの誘導体は、1及び4の位置で、メタノール基でエステル化されたある特定の比率のカルボン酸基と連結したα-D-ガラクツロン酸(少なくとも65%)の直鎖状ポリマーである。ペクチン分子を構成する約20%の糖は、中性糖(L-ラムノース、D-グルコース、D-ガラクトース、L-アラビノース、D-キシロース)である。L-ラムノースは、すべてのペクチンに存在する残基であり、位置1,2でその主鎖に統合される。
(vi)他の多糖
本発明により使用され得る他の多糖のうち、キチン(ポリ-N-アセチル-D-グルコサミン、β(1,4)-2-アセトアミド-2-デオキシ-D-グルコース)、キトサン及び誘導体(キトサンβ-グリセロリン酸、カルボキシメチルキチン等)、例えばFrance-Chitine社により販売されているもの;グリコサミノグリカン(GAG)、例えばヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸及びケラタン硫酸、好ましくはヒアルロン酸;キシラン(又はアラビノキシラン)及び誘導体も挙げられる。
II.合成ポリマーゲル化剤
合成ポリマーゲル化剤は、架橋アクリルホモポリマー又はコポリマー;会合性ポリマー、詳細にはポリウレタンタイプの会合性ポリマー;ポリアクリルアミド並びに架橋及び/又は中和された2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ポリマー及びコポリマー;変性又は未変性カルボキシビニルポリマーと、それらの混合物から選択され得る。
本発明の目的に関して、「合成」という用語は、ポリマーが自然に存在せず、天然由来のポリマーの誘導体でもないことを意味する。本発明により検討されている合成ポリマー親水性ゲル化剤は、微粒子であっても、又は微粒子でなくてもよい。本発明の目的に関して、「微粒子」という用語は、粒子、好ましくは球形粒子の形態であるポリマーを意味する。
(i)微粒子合成ポリマーゲル化剤
微粒子合成ポリマーゲル化剤は、好ましくは架橋ポリマーから選択され得る。これらは、とりわけ、好ましくは部分的に中和されており、又は中和されており、微粒子形態である架橋アクリルホモポリマー又はコポリマーであってよい。一実施形態によれば、本発明による微粒子ゲル化剤は、架橋ポリアクリル酸ナトリウムから選択される。
(ii)非微粒子合成ポリマーゲル化剤
ゲル化剤のこのファミリーは、以下のサブファミリー下:
1.会合性ポリマー、
2.ポリアクリルアミド並びに架橋及び/又は中和された2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ポリマー及びコポリマーと、
3.変性又は未変性カルボキシビニルポリマーに分類され得る。
(ii-1)会合性ポリマー
本発明の目的に関して、「会合性ポリマー」という用語は、その構造内に少なくとも1つの脂肪族鎖及び少なくとも1つの親水性部を含む任意の両親媒性ポリマーを意味する。会合性ポリマーは、アニオン性、カチオン性、非イオン性又は両性であり得る。
(ii-1-1)会合性アニオン性ポリマー
挙げられる会合性アニオン性ポリマーには、少なくとも1つの親水性単位、及び少なくとも1つの脂肪族鎖アリルエーテル単位を含むもの、より詳細には、不飽和エチレンアニオン性モノマー、より詳細にはビニルカルボン酸、ごく詳細にはアクリル酸又はメタクリル酸又はそれらの混合物により親水性単位が形成されるものがある。
挙げられる会合性アニオン性ポリマーには、無水マレイン酸/C30〜C38α-オレフィン/マレイン酸アルキルターポリマー、例えば、Newphase Technologies社によりPerforma V 1608という名称で販売されている製品(無水マレイン酸/C30〜C38α-オレフィン/マレイン酸イソプロピルコポリマー)がある。
同じく挙げられる会合性アニオン性ポリマーの例には、不飽和オレフィンカルボン酸タイプの少なくとも1つの親水性単位、及び、もっぱら、不飽和カルボン酸の(C10〜C30)アルキルエステルのようなタイプの少なくとも1つの疎水性単位を含むアニオン性ポリマーが含まれる。
挙げられる会合性アニオン性ポリマーには、アニオン性ターポリマーが含まれる。本発明に従って使用されるアニオン性ターポリマーは、遊離形態の酸官能基を保有する少なくとも1つのモノマー(1)の、非イオン性モノマー(2)で部分的に、又は全体的に塩化された、N,N-ジメチルアクリルアミド及び2-ヒドロキシエチルアクリレートの、並びに少なくとも1つのポリオキシエチレン化アルキルアクリレートモノマー(3)から選択される、直鎖状又は分岐及び/又は架橋ターポリマーである。
(ii-1-2)カチオン性会合性ポリマー
挙げられるカチオン性会合性ポリマーには、アミン側基を保有するポリアクリレートが含まれる。四級化又は非四級化アミン側基を保有するポリアクリレートは、例えば、ステアレス-20(ポリオキシエチレン化(20)ステアリルアルコール)のようなタイプの疎水性基を含有する。
(ii-1-3)非イオン性会合性ポリマー
非イオン性会合性ポリマーは:
- ビニルピロリドン及び脂肪族鎖疎水性モノマーのコポリマー;
- C1〜C6アルキルメタクリレート又はアクリレート、及び、少なくとも1つの脂肪族鎖を含む両親媒性モノマーのコポリマー;
- 親水性メタクリレート又はアクリレート、及び少なくとも1つの脂肪族鎖を含む疎水性モノマーのコポリマー、例えばメタクリル酸ポリエチレングリコール/メタクリル酸ラウリルコポリマー;
- 会合性ポリウレタンから選択され得る。
(ii-1-4)両性会合性ポリマー
本発明の会合性両性ポリマーのうち:
1)式(I)又は(II)の少なくとも1つのモノマー:
Figure 2019108298
(式中、
同一であっても、又は異なっていてもよいR4及びR5は、水素原子又はメチル基を表し;
同一であっても、又は異なっていてもよいR6、R7及びR8は、1〜30個の炭素原子を含有する直鎖状又は分岐状アルキル基を表し;
Zは、NH基又は酸素原子を表し;
nは2から5の整数であり;
A-は有機又は無機酸に由来するアニオン、例えばメトスルフェートアニオン又はハライド、例えばクロリド又はブロミドである);
2)式(III)の少なくとも1つのモノマー:
Figure 2019108298
(式中、
同一であっても、又は異なっていてもよいR9及びR10は、水素原子又はメチル基を表す;
Z1は、OH基又はNHC(CH3)2CH2SO3H基を表す);
3)式(IV)の少なくとも1つのモノマー:
Figure 2019108298
(式中、
同一であっても、又は異なっていてもよいR9及びR10は、水素原子又はメチル基を表し;
Xは、酸素又は窒素原子を表し;
R11は、1〜30個の炭素原子を含有する直鎖状又は分岐状アルキル基を表す);
4)任意選択で、少なくとも1種の架橋又は分岐剤の共重合により得られる架橋又は非架橋、分岐又は非分岐両性ポリマーが挙げられ;式(I)、(II)又は(IV)の少なくとも1つのモノマーは、8〜30個の炭素原子を含有する少なくとも1つの脂肪族鎖を含み、式(I)、(II)、(III)及び(IV)のモノマーの前記化合物は、場合により、例えばC1〜C4ハロゲン化アルキル又はC1〜C4硫酸ジアルキルで四級化される。
(ii-2)ポリアクリルアミド並びに架橋及び/又は中和された2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ポリマー及びコポリマー
本発明の水性ゲル化剤として適切な使用されるポリマーは、アンモニア水以外の無機塩基、例えば水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムで部分的又は全体的に中和された形態の、少なくとも2-アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸(AMPS(登録商標))モノマーを含む架橋又は非架橋ホモポリマー又はコポリマーであり得る。これらは、好ましくは、完全に、又はほぼ完全に中和されている、即ち少なくとも90%中和されている。本発明によるこれらのAMPS(登録商標)ポリマーは、架橋であっても、又は非架橋であってもよい。
(ii-3)変性又は未変性カルボキシビニルポリマー
変性又は未変性カルボキシビニルポリマーは、α,β-エチレン性不飽和カルボン酸又はそのエステルから選択される少なくとも1つのモノマー(a)の重合に由来し、少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマー(b)が疎水性基を含むコポリマーであり得る。
III.混合シリケート
本発明の目的に関して、「混合シリケート」という用語は、アルカリ金属(例えばNa、Li、K)又はアルカリ土類金属(例えばBe、Mg、Ca)、遷移金属及びアルミニウムから選択されるいくつかの(2つ以上の)種類のカチオンを含有する天然又は合成由来の任意のシリケートを意味する。
ヘクトライト以外の任意の混合シリケートも、本発明による組成物に添加され得る。混合シリケートの例としては、モンモリロナイト、ベントナイト、バイデル石及びサポナイトが挙げられる。
IV.ヒュームドシリカ
本発明によるヒュームドシリカは、親水性である。親水性ヒュームドシリカは、水素及び酸素の存在下で、1000℃の連続火炎内での四塩化ケイ素(SiCl4)の熱分解により得られる。本発明に従って使用され得る親水性のヒュームドシリカのうち、とりわけ、Degussa社又はEvonik-Degussa社によりAerosil(登録商標)90、130、150、200、300及び380の商品名で、Cabot社によりCarbosil H5という名称で販売されている製品が挙げられる。
[組成物]
本発明による組成物は、分散した脂肪(又は油)相及び連続した水性相を含むO/Wエマルションの形態である。
エマルションの分散相を形成する液滴の大きさは、0.1から100μm、好ましくは0.5から50μm、より一層好ましくは0.1から10μmの範囲であり得る。
本発明による組成物は、O/Wエマルション、例えば、ローション又は化粧水、セラム、乳液、クリーム、ベースファンデーション、アンダーコート、メーキャップベースコート、ファンデーション、リップクリーム、コンシーラ、ネイルコート、マスカラ、サンスクリーン、クレンザー等、任意の形態で得られる。
本発明によるO/Wエマルションの形態の組成物は、当業界で通常の技術により製造できる。例えば、組成物は、以下の工程:
- 少なくとも1種の穀物の発酵生成物、少なくとも1種のヘクトライト、少なくとも1種の水性媒体、及び任意選択で少なくとも1種の親水性ゲル化剤を含む水性相を調製する工程:
- 少なくとも1種の油を含む油相を調製する工程:並びに
- 油相を水性相に添加し、その結果O/Wエマルションを形成する工程により調製され得る。
I.水性相
本発明による組成物の水性相は、少なくとも1種の水性媒体、即ち、水及び任意選択で水溶性溶媒を含む。
本発明では、「水溶性溶媒」という用語は、室温にて液体であり、水混和性(25℃及び大気圧での50質量%超の水との混和性)の化合物を表す。
本発明の組成物に使用され得る水溶性溶媒は、揮発性であってもよい。
本発明による組成物に使用され得る水溶性溶媒には、とりわけ、1〜5個の炭素原子を含有する低級モノアルコール、例えばエタノール及びイソプロパノール、2〜8個の炭素原子を含有するグリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール及びジプロピレングリコール、C3及びC4ケトン、並びにC2〜C4アルデヒドが挙げられる。
別の実施形態の変形によれば、本発明による組成物の水性相は、少なくとも1つのC2〜C32ポリオールを含み得る。
本発明の目的に関して、「ポリオール」という用語は、少なくとも2つの遊離ヒドロキシル基を含む任意の有機分子を意味すると理解されるべきである。好ましくは、本発明によるポリオールは、室温にて液体形態で存在する。
本発明における使用に適しているポリオールは、アルキル鎖に少なくとも2個の-OH官能基、詳細には少なくとも3個の-OH官能基、より詳細には少なくとも4個の-OH官能基を保有する、直鎖状、分岐状又は環状の飽和又は不飽和アルキル型化合物であり得る。本発明による組成物の式に有利に適しているポリオールは、詳細には2〜32個の炭素原子、好ましくは3〜16個の炭素原子を呈するものである。有利には、ポリオールは、例えば、エチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリメチロールプロパン、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ブチレングリコール、イソプレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセロール、ポリグリセロール、例えばグリセロールオリゴマー、例えばジグリセロール、及びポリエチレングリコール、並びにそれらの混合物から選択され得る。特定の一実施形態によれば、本発明の組成物は、少なくともグリセロールを含み得る。
水性相(水及び任意選択で水混和性溶媒)は、組成物中に、前記組成物の合計質量に対して、5質量%から99質量%、より適切には30質量%から95質量%、好ましくは40質量%から92質量%、より好ましくは50質量%から90質量%に及ぶ含有量で存在し得る。
II.油相
本発明の目的に関して、油相は少なくとも1種の油を含む。
本発明では、「油」という用語は、室温及び大気圧で液体形態である任意の脂肪性物質を意味する。本発明による組成物の調製に適している油相は、植物又は動物由来油、合成油、炭化水素油、脂肪族アルコール及びシリコーン油、並びにそれらの混合物を含み得る。
植物油の例としては、例えば、植物由来の炭化水素系油、例えばフィトステアリルエステル、例えばフィトステアリルオレエート、フィトステアリルイソステアレート及びラウロイル/オクチルドデシル/フィトステアリルグルタメート(Ajinomoto社、Eldew PS203)、グリセロールの脂肪酸エステルから形成されるトリグリセリド、詳細には脂肪酸がC4からC36、とりわけC18からC36に及ぶ長さの鎖を有し得るものが挙げられ、これらの油は、場合により、直鎖状又は分岐状かつ飽和又は不飽和であり;これらの油は、とりわけ、ヘプタン酸又はオクタン酸トリグリセリド、シア油、アルファルファ油、ケシ油、冬カボチャ油、キビ油、オオムギ油、キノア油、ライムギ油、ククイナッツ油、トケイソウ油、シアバター、アロエベラ油、スイートアーモンド油、モモ種子油、ラッカセイ油、アルガン油、アボカド油、バオバブ油、ボリジ油、ブロッコリー油、カレンデュラ油、カメリナ油、キャノーラ油、ニンジン油、ベニバナ油、亜麻油、菜種油、綿油、ヤシ油(ココヤシ油)、マロー種子油、コムギ胚芽油、ホホバ油、ユリ油、マカダミア油、コーン油、メドウフォーム油、セントジョーンズワート油、モノイ油、ヘーゼルナッツ油、アプリコット種子油、ウォールナッツ油、オリーブ油、オエノテラビエニス(oenothera biennis(マツヨイグサ))油、パーム油、クロスグリ根茎油、キウイフルーツ種子油、ブドウ種子油、ピスタチオ油、冬カボチャ油、カボチャ油、キノア油、マスクローズ油、ゴマ油、大豆油、ヒマワリ油、ヒマシ油及びスイカ油並びにそれらの混合物、或いはカプリル/カプリン酸トリグリセリド、例えばStearineries Dubois社により販売されているもの、又は、Dynamit Nobel社によりMiglyol 810(登録商標)、812(登録商標)及び818(登録商標)という名称で販売されているものであってよい。変性された植物油、例えば、活性化ヤシ油は、例えば、Biotropics社によりScalpro又はAcnaedという名称で販売されているものも挙げられる。
動物油の例として、例えば、スクアレン及びスクアランが挙げられる。
合成油の例として、アルカン油、例えばイソドデカン及びイソヘキサデカン、エステル油、エーテル油、及び人工トリグリセリドが挙げられる。
エステル油は、好ましくは、飽和又は不飽和の直鎖状又は分岐状C1〜C26脂肪族一酸又はポリ酸の、及び飽和又は不飽和、直鎖状又は分岐状C1〜C26脂肪族モノアルコール又はポリアルコールの液体エステルであり、エステルの炭素原子の合計数は、好ましくは10以上、好ましくは30以下である。
好ましくは、モノアルコールのエステルに関しては、本発明のエステルが由来するアルコール及び酸の中でも少なくとも1つは分岐状である。
一酸及びモノアルコールのモノエステルとしては、パルミチン酸エチル、パルミチン酸エチルヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、炭酸ジカプリリル、ミリスチン酸アルキル、例えばミリスチン酸イソプロピル又はミリスチン酸エチル、ステアリン酸イソセチル、イソノナン酸2-エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル、ネオペンタン酸イソデシル及びネオペンタン酸イソステアリルが挙げられる。
C4〜C22ジカルボン酸又はトリカルボン酸、及びC1〜C22アルコールのエステル、並びに、モノカルボン酸、ジカルボン酸又はトリカルボン酸、及び非糖C4〜C26ジヒドロキシ、トリヒドロキシ、テトラヒドロキシ又はペンタヒドロキシアルコールのエステルも使用できる。
とりわけ:セバシン酸ジエチル;ラウロイルサルコシン酸イソプロピル;セバシン酸ジイソプロピル;セバシン酸ビス(2-エチルヘキシル);アジピン酸ジイソプロピル;アジピン酸ジ-n-プロピル;アジピン酸ジオクチル;アジピン酸ビス(2-エチルヘキシル);アジピン酸ジイソステアリル;マレイン酸ビス(2-エチルヘキシル);クエン酸トリイソプロピル;クエン酸トリイソセチル;クエン酸トリイソステアリル;トリ乳酸グリセリル;トリオクタン酸グリセリル;クエン酸トリオクチルドデシル;クエン酸トリオレイル;ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール;ジイソノナン酸ジエチレングリコールが挙げられる。
好ましいエステル油の例として、例えば、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジオクチル、ヘキサン酸2-エチルヘキシル、ラウリン酸エチル、オクタン酸セチル、オクタン酸オクチルドデシル、ネオペンタン酸イソデシル、プロピオン酸ミリスチル、2-エチルヘキサン酸2-エチルヘキシル、オクタン酸2-エチルヘキシル、カプリル酸/カプリン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸イソプロピル、炭酸ジカプリリル、ラウロイルサルコシン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸エチルヘキシル、ラウリン酸イソヘキシル、ラウリン酸ヘキシル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸イソデシル、トリ(2-エチルヘキサン酸)グリセリル、テトラ(2-エチルヘキサン酸)ペンタエリスリチル、コハク酸2-エチルヘキシル、セバシン酸ジエチル及びそれらの混合物が挙げられる。
人工トリグリセリドの例としては、例えば、カプリルカプリリルグリセリド、トリミリスチン酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル、トリリノレン酸グリセリル、トリラウリン酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、トリ(カプリン酸/カプリル酸)グリセリル及びトリ(カプリン酸/カプリル酸/リノレン酸)グリセリルが挙げられる。
炭化水素油は以下から選択され得る:
- 直鎖状又は分岐状、任意選択で環状C6〜C16低級アルカン。挙げられる例には、ヘキサン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン及びイソパラフィン、例えばイソヘキサデカン、イソドデカン及びイソデカンが含まれ;
- 16個超の炭素原子を含有する直鎖状又は分岐状炭化水素、例えば流動パラフィン、液状石油ゼリー、ポリデセン及び水添ポリイソブテン、例えばParleam(登録商標)及びスクアラン。
炭化水素油の好ましい例としては、例えば、直鎖状又は分岐状炭化水素、例えばイソヘキサデカン、イソドデカン、スクアラン、鉱物油(例えば、流動パラフィン)、パラフィン、ワセリン又は石油、ナフタレン等;水添ポリイソブテン、イソエイコサン及びデセン/ブテンコポリマー;並びにそれらの混合物が挙げられる。
脂肪族アルコール中の「脂肪族」という用語は、比較的大きい数の炭素原子を包含することを意味する。したがって、4個以上、好ましくは6個以上、より好ましくは12個以上の炭素原子を有するアルコールは、脂肪族アルコールの範囲内に包含される。脂肪族アルコールは、飽和であっても、又は不飽和であってもよい。脂肪族アルコールは、直鎖状であっても、又は分岐状であってもよい。
脂肪族アルコールは、構造R-OHを有し得、Rは、4から40個の炭素原子、好ましくは6から30個の炭素原子、より好ましくは12から20個の炭素原子を含有する飽和及び不飽和の直鎖状及び分岐状基から選択される。少なくとも一実施形態では、Rは、C12〜C20アルキル及びC12〜C20アルケニル基から選択され得る。Rは、少なくとも1個のヒドロキシル基で置換されていても、又はされていなくてもよい。
脂肪族アルコールの例としては、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ウンデシレニルアルコール、ミリスチルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、パルミトレイルアルコール、アラキドニルアルコール、エルシルアルコール及びそれらの混合物が挙げられる。
したがって、脂肪族アルコールは、直線状又は分岐状の飽和又は不飽和C6〜C30アルコール、好ましくは直線状又は分岐状の飽和C6〜C30アルコール、より好ましくは直線状又は分岐状の飽和C12〜C20アルコールから選択され得る。
本明細書では「飽和脂肪族アルコール」という用語は、長い脂肪族飽和炭素鎖を有するアルコールを意味する。飽和脂肪族アルコールは、任意の直鎖状又は分岐状の飽和C6〜C30脂肪族アルコールから選択されることが好ましい。直鎖状又は分岐状の飽和C6〜C30脂肪族アルコールのうち、直鎖状又は分岐状の飽和C12〜C20脂肪族アルコールが、好ましくは使用され得る。任意の直鎖状又は分岐状の飽和C16〜C20脂肪族アルコールが、より好ましくは使用され得る。分岐状C16〜C20脂肪族アルコールが、より一層好ましくは使用され得る。
飽和脂肪族アルコールの例としては、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ウンデシレニルアルコール、ミリスチルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール及びそれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール又はそれらの混合物(例えば、セテアリルアルコール)、並びにベヘニルアルコールは、飽和脂肪族アルコールとして使用され得る。
シリコーン油の例としては、例えば、直鎖状オルガノポリシロキサン、例としてジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチル水素ポリシロキサン;環状オルガノポリシロキサン、例えばオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン;及びそれらの混合物が挙げられる。
油相は、組成物の合計質量に対して0.05から20質量%、好ましくは0.5から15質量%、より好ましくは0.7から10質量%、より一層好ましくは1から8質量%に及ぶ含有量で組成物中に存在し得る。
[添加剤]
本発明によるO/Wエマルションの形態の組成物は、少なくとも1つの化粧品又は皮膚科学的活性物質を含み得る。
有利には、天然由来の原料及び/又は活性物質が使用される。
本発明による組成物は、化粧品の分野で通常使用され、例えば、フィラー、色素、顔料、樹脂、分散剤、抗酸化剤、皮膜形成剤、保存剤、香料、中和剤、pH調整剤、消毒剤、UV遮蔽剤、原料(a)以外の化粧品活性剤、例えばビタミン、保湿剤、エモリエント剤又はコラーゲン保護剤、並びにそれらの混合物から選択される他の任意の添加剤も含み得る。
詳細には、本発明による組成物に使用され得る化粧品又は皮膚科学的活性物質として、詳細には:保湿剤;フリーラジカルスカベンジャー;角質溶解剤及び落屑剤;ビタミン、抗エラスターゼ及び抗コラゲナーゼ剤;微量元素;藻類抽出物又はプランクトン抽出物;酵素及び補酵素;フラボノイド及びイソフラボノイド;セラミド;抗糖化剤;NOシンターゼ阻害剤;真皮又は表皮の高分子合成を刺激する作用剤及び/又はそれらの分解を防止する作用剤;線維芽細胞又はケラチノサイトの増殖、及び/又はケラチノサイトの分化を刺激する作用剤;テンション剤;防汚及び/又は抗ラジカル剤;並びに筋弛緩剤又は皮膚収縮防止剤;並びにそれらの混合物が挙げられる。
原料及び/又は活性物質は、組成物の合計質量に対して、0.01質量%から20質量%、好ましくは0.05質量%から10質量%、より好ましくは0.1質量%から1質量%に及ぶ含有量で組成物中に存在し得る。
これらの原料及び/又は活性物質、並びにそれらの濃縮物は、本発明の組成物に望ましい性質を改変しないようにすべきである。
[方法及び使用]
本発明による組成物は、ケラチン物質、例えば皮膚、頭皮、毛髪、粘膜、例えば口唇及び爪、特に皮膚のための組成物として使用され得る。好ましくは、組成物は、皮膚のケア、クレンジング及び/若しくはメーキャップ、並びに/又は日焼け止めに使用され得る。
本発明による組成物は、皮膚を保湿及び/又はホワイトニングする生成物として使用され得る。
本発明による組成物は、好ましくは、ケラチン物質、例えば皮膚、頭皮、毛髪、粘膜、例えば口唇及び爪、好ましくは皮膚への適用を意図され得る。
したがって、本発明による組成物は、皮膚、頭皮、毛髪、粘膜、例えば口唇及び爪を含むケラチン物質、特に皮膚をケア又はメーキャップする化粧方法に使用され得、方法は、本発明による組成物をケラチン物質に適用する工程を含む。
一実施形態では、本発明は、皮膚、頭皮、毛髪、粘膜、例えば口唇及び爪、特に皮膚を含むケラチン物質を保湿する化粧方法に関し、方法は、本発明による組成物をケラチン物質に適用する工程を含む。
一実施形態では、本発明は、皮膚をホワイトニングする化粧方法に関し、方法は、本発明による組成物を皮膚に適用する工程を含む。
本発明による組成物は、ローション、乳状ローション、クリーム、ゲル、ペースト、セラム、フォーム又はスプレーの形態の局所化粧用組成物として使用され得る。
本発明は、組成物を安定させ、組成物にべたつきを付与しないために、O/Wエマルションの形態の組成物中における、少なくとも1種の穀物の発酵生成物、及び少なくとも1種のヘクトライトの使用にも関する。
本発明の別の態様は、O/Wエマルションの形態の組成物の安定性を向上させつつ、べたつきを抑えるのに使用するための、少なくとも1種の穀物の発酵生成物、及び少なくとも1種のヘクトライトの組合せである。
本発明は、実施例により更に詳細に説明される。しかし、これらの実施例は、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
(実施例1から3及び比較例1から6)
発明及び比較のO/Wエマルションの調製方法
Table 1(表1)に記載されている相(A1)の原料は、混合し、これらを75から80℃にて溶解した。相(A2)の原料を混合し、相(A1)に添加した。相(B)の原料を室温にて混合し、これらを相(A1+A2)に添加し、75から80℃にて均一に混合し、その結果、水性相を調製した。相(C)の原料を溶融し、75から80℃にて混合し、これらは、水性相(相(A1+A2+B))に添加し、75から80℃にてホモジナイザーで十分に混合した。最終的に、相(D)の原料を添加し、55から60℃にて均一に混合し、次いで、得られたO/Wエマルションを室温に冷却した。
Figure 2019108298
Figure 2019108298
評価
[知覚評価、べたつきのなさ]
本発明及び比較の各エマルションを、2mg/cm2の量で前腕に適用し、以下の基準に従って、適用中の「潤いのある爽快感」及び適用後の「べたつき感の少なさ」を評価した:「良好」は、「べたつきがない」ことを意味し、「不良」は、「べたつきがある」ことを意味する。
[安定性評価]
本発明及び比較の各エマルションを、およそ50℃にて1カ月そのまま放置した後で、外観の変化、例えば色の変化、水性相及び油相の間における分離、並びにクリーミング及びエマルションの合体から安定性を評価した。基準は以下の通りである:「きわめて良好」は、エマルションの外観にいかなる変化もなかったことを意味し、「良好」は、エマルションが、わずかな色の変化のみ、又はわずかなクリーミングのみを示したことを意味し、「不良」は、クリーミング及び/又はエマルションの合体が一見して明らかなことを意味し、「きわめて不良」は、エマルションが、著しいクリーミングを示し、かつ/又はエマルションがほぼ一体化されたことを意味する。
結果は、Table 1(表1)で示されている。
上のTable 1(表1)で示されているように、ヘクトライト及びコメのラクトバチルス発酵生成物の組合せのみが、知覚及び安定性評価の両方でよい結果を達成した(実施例1から3)。これは、ヘクトライトを使用する代わりに他の親水性ゲル化剤(ペクチン及びキサンタンガム;それぞれ比較例3及び4)を使用することによっては達成されなかった。また、本発明の効果は、界面活性剤の存在によっては影響を受けなかった(実施例3)。しかし、コメのラクトバチルス発酵生成物が使用されなかった場合、界面活性剤の存在により、本発明のよい効果は得られなかった(比較例5及び6)ことが実証された。

Claims (14)

  1. O/Wエマルションの形態の組成物であって、少なくとも1種の穀物の発酵生成物、及び少なくとも1種のヘクトライトを含む、組成物。
  2. 前記発酵生成物が、乳酸菌、真菌及び酵母、並びにそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは乳酸菌から選択される微生物により発酵された生成物である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記乳酸菌が、ラクトバチルス属の乳酸菌、カルノバクテリウム属の乳酸菌、ロイコノストック属の乳酸菌、ストレプトコッカス属の乳酸菌、エンテロコッカス属の乳酸菌、ラクトコッカス属の乳酸菌、ワイセラ属の乳酸菌、アトポビウム属の乳酸菌、バゴコッカス属の乳酸菌、ペディオコッカス属の乳酸菌、バチルス属の乳酸菌及びビフィドバクテリウム属の乳酸菌、並びにそれらの混合物からなる群から選択される請求項2に記載の組成物。
  4. 前記乳酸菌が、ラクトバチルス属のもの、例えばラクトバチルス・プランタラムである、請求項3に記載の組成物。
  5. 前記穀物が、コメ、オオムギ、コムギ、アワ及びトウモロコシ、並びにそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくはコメから選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記穀物の発酵生成物が、コメの乳酸菌発酵生成物である、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記発酵生成物が、組成物の合計質量に対して、0.05から15質量%、好ましくは0.1から10質量%、より好ましくは0.3から5質量%の範囲の量で存在する、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 前記ヘクトライトが、組成物の合計質量に対して、0.05から15質量%、好ましくは0.1から7質量%、より好ましくは0.3から3質量%の範囲の量で存在する、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 前記組成物が、追加の界面活性剤を含まない、又は、組成物の合計質量に対して、1質量%未満の少なくとも1種の追加の界面活性剤を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 前記組成物が、天然又は天然由来のポリマーゲル化剤、合成ポリマーゲル化剤、混合シリケート及びヒュームドシリカ、並びにそれらの混合物から選択され、好ましくは、天然又は天然由来のポリマーゲル化剤から選択される少なくとも1種の追加の親水性ゲル化剤を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 前記親水性ゲル化剤が、組成物の質量に対して、0.01から10質量%、好ましくは0.1から8質量%、より好ましくは0.2から3質量%の範囲の量で存在する、請求項10に記載の組成物。
  12. 前記組成物が、皮膚、頭皮、毛髪、粘膜、例えば口唇及び爪を含むケラチン物質のためのもの、好ましくは、皮膚のケア、クレンジング及び/若しくはメーキャップ、並びに/又は日焼け止めのためのものである、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. - 少なくとも1種の穀物の発酵生成物、少なくとも1種のヘクトライト、少なくとも1種の水性媒体、及び任意選択で少なくとも1種の親水性ゲル化剤を含む水性相を調製する工程:
    - 少なくとも1種の油を含む油相を調製する工程:並びに
    - 油相を水性相に添加し、その結果O/Wエマルションを形成する工程
    を含む、O/Wエマルションの形態の組成物を調製するための方法。
  14. 皮膚、頭皮、毛髪、粘膜、例えば口唇及び爪を含むケラチン物質、詳細には皮膚をケア又はメーキャップする化粧方法であって、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物をケラチン物質に適用する工程を含む、方法。
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