JP2019107688A - 鋳型造型用粘結剤組成物 - Google Patents

鋳型造型用粘結剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】SOxの発生を抑制することも可能な上に、アルデヒド由来の臭気を低減することができる鋳型造型用粘結剤組成物を提供すること。【解決手段】ヒドロキシ基を一つ以上含むベンズアルデヒド類、及びアルキレン尿素を含有する鋳型造型用粘結剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、鋳型造型用粘結剤組成物に関する。
一般に、酸硬化性自硬性鋳型は、ケイ砂等の耐火性粒子に、酸硬化性樹脂を含有する鋳型造型用粘結剤組成物と、スルホン酸、硫酸、リン酸等を含有する硬化剤組成物とを添加し、これらを混練した後、得られた混練砂を木型等の原型に充填し、酸硬化性樹脂を硬化させて製造される。酸硬化性樹脂には、フラン樹脂やフェノール樹脂等が用いられており、フラン樹脂には、フルフリルアルコール、フルフリルアルコール・尿素ホルムアルデヒド樹脂、フルフリルアルコール・ホルムアルデヒド樹脂、フルフリルアルコール・フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、その他公知の変性フラン樹脂等が用いられている。得られた鋳型は、機械鋳物部品や建設機械部品あるいは自動車用部品等の鋳物を鋳造する際に使用される。
鋳型の造型、あるいは鋳型を用いて所望の鋳物を鋳造する上で重要な項目として、鋳造時の作業環境の改善が挙げられる。酸硬化性自硬性鋳型には硬化剤として有機スルホン酸、硫酸等の硫黄原子を含有する酸が使用されるため、特に鋳造時における二酸化硫黄等のSOxやその他成分の熱分解ガスが作業環境を悪化させる恐れがある。そのため、SOxの発生を抑制することが望まれている(例えば、特許文献1)。当該特許文献1では、フルフラール等のフランアルデヒド化合物、及びフルフリルアルコール・尿素ホルムアルデヒド樹脂に代表される尿素変性フラン樹脂を含有する粘結剤組成物を、硫黄原子を含まない硬化剤組成物で硬化させることで有害物質等の発生を抑制している。
また、酸硬化性樹脂としてフラン樹脂を使用する場合、鋳型の製造時に発生するアルデヒド臭を抑制することが望まれている(例えば、特許文献2及び3)。当該特許文献2及び3では、特定の尿素誘導体を粘結剤として用いることにより、鋳型の製造時に発生するアルデヒド臭を抑制している。
特開2013−240827号公報 特開2013−223881号公報 特開2008−183580号公報
アルデヒド臭の発生を抑制することができる前記特許文献2、3に係る鋳型造型用粘結剤組成物では硫黄原子を含有する酸を硬化剤として使用していることからSOxが発生する。すなわち、従来の鋳型造型用粘結剤組成物では、SOxの発生の抑制とアルデヒド臭の抑制の両立は困難であった。
本発明は、SOxの発生を抑制することが可能な上に、アルデヒド臭を抑制することができる鋳型造型用粘結剤組成物を提供する。
本発明の鋳型造型用粘結剤組成物は、ヒドロキシ基を一つ以上含むベンズアルデヒド類、及びアルキレン尿素を含有する。
本発明によれば、SOxの発生を抑制することが可能な上に、アルデヒド臭を抑制することができる鋳型造型用粘結剤組成物を提供することができる。
本実施形態の鋳型造型用粘結剤組成物(以下、単に「粘結剤組成物」ともいう)は、鋳型を製造する際の粘結剤として使用されるものであって、ヒドロキシ基を一つ以上含むベンズアルデヒド類(以下、単に「ヒドロキシベンズアルデヒド類」ともいう)およびアルキレン尿素を含有する。本実施形態の鋳型造型用粘結剤組成物によれば、SOxの発生を抑制することが可能な上に、アルデヒド臭を抑制することができる。
前記のような効果を奏する理由は定かではないが、以下の様に考えられる。ヒドロキシベンズアルデヒド類は、構造中に求電子部位と求核部位を有しており、硬化剤中の酸触媒により重縮合反応が開始される。更に、アルキレン尿素を共存させることでヒドロキシベンズアルデヒド類のLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital.の略。最低空軌道)を活性化させてその重縮合反応を大幅に促進することができ、その結果、臭気の原因となるアルデヒドのモノマーは揮発する前に速やかに消費されると考えられる。また、スルホン酸や硫酸等の硫黄原子を含む酸を硬化剤として使用することなく充分な強度の鋳型を得ることができるため、SOxの発生を抑制することが可能な上に、アルデヒド臭を抑制することができると考えられる。
以下、本実施形態の粘結剤組成物について説明する。
<鋳型造型用粘結剤組成物>
〔ヒドロキシベンズアルデヒド類〕
前記ヒドロキシベンズアルデヒド類は、分子内にヒドロキシ基を一つ以上含み、ヒドロキシ基以外の置換基を有していてもよいベンズアルデヒドであり、2−ヒドロキシベンズアルデヒド、3−ヒドロキシベンズアルデヒド、4−ヒドロキシベンズアルデヒド等のヒドロキシベンズアルデヒド;ヒドロキシアルコキシベンズアルデヒド;2,3−ジヒドロキシベンズアルデヒド、2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド、2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド、3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド等のジヒドロキシベンズアルデヒド;及びトリヒドロキシベンズアルデヒドから選ばれる少なくとも1種以上が例示できる。これらの中でも、アルデヒドの臭気および鋳型の硬化速度を向上させる観点から、ジヒドロキシベンズアルデヒドが好ましく、2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドがより好ましい。
前記粘結剤組成物中のヒドロキシベンズアルデヒド類の含有量は、鋳型の硬化速度を向上させる観点および溶解性の観点から、0.1質量%以上が好ましく、6質量%以上がより好ましく、20質量%以上が更に好ましい。前記粘結剤組成物中のヒドロキシベンズアルデヒド類の含有量は、同様の観点から、70質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましい。また、前記粘結剤組成物中のヒドロキシベンズアルデヒド類の含有量は、同様の観点から、0.1〜70質量%が好ましく、6〜50質量%がより好ましく、20〜40質量%が更に好ましい。
〔アルキレン尿素〕
前記アルキレン尿素は、エチレン尿素、プロピレン尿素、ブチレン尿素、ヒダントイン、イミダゾリジニル尿素等が挙げられる。これらの化合物は単独でも或いは2種以上の混合でも用いることが出来る。硬化速度の向上、鋳型強度の向上の観点からエチレン尿素、イミダゾリジニル尿素が好ましく、エチレン尿素がより好ましい。
前記粘結剤組成物中のアルキレン尿素の含有量は、鋳型の硬化速度を向上させる観点および溶解性の観点から、0.1質量%以上が好ましく、2.0質量%以上がより好ましく、4.0質量%以上が更に好ましい。また、同様の観点から、15.0質量%以下が好ましく、12.5質量%以下がより好ましく、7.0質量%以下が更に好ましい。よって、0.1〜15.0質量%が好ましく、2.0〜12.5質量%がより好ましく、4.0〜7.0質量%が更に好ましい。
〔ヒドロキシベンズアルデヒド類/アルキレン尿素の配合比〕
前記粘結剤組成物中のヒドロキシベンズアルデヒド類およびアルキレン尿素の配合の質量比(ヒドロキシベンズアルデヒド類の質量/アルキレン尿素の質量)は、硬化速度の向上の観点から、0.5〜10が好ましく、3〜7がより好ましく、4〜6が更に好ましい。
〔酸硬化性樹脂〕
前記粘結剤組成物には、粘結剤成分として従来公知の酸硬化性樹脂が含まれていても良い。当該酸硬化性樹脂としては、フルフリルアルコール、フルフリルアルコールの縮合物、フルフリルアルコールとアルデヒド類の縮合物、フルフリルアルコールと尿素とアルデヒド類の縮合物(尿素変性フラン樹脂)、尿素とエチレン尿素とアルデヒド類の縮合物(尿素・エチレン尿素共縮合樹脂)、メラミンとアルデヒド類の縮合物、及び尿素とアルデヒド類の縮合物よりなる群から選ばれる1種からなるものや、これらの群から選ばれる2種以上の混合物からなるものが例示できる。また、これらの群から選ばれる2種以上の共縮合物からなるものも使用できる。このうち、鋳型の硬化速度向上と鋳型強度向上の観点から、フルフリルアルコール、フルフリルアルコールの縮合物及びフルフリルアルコールと尿素とアルデヒド類の縮合物から選ばれる1種以上、並びにこれらの共縮合物を使用するのが好ましい。フルフリルアルコールは、非石油資源である植物から製造できるため、地球環境の観点からは、フルフリルアルコールを使用するのが好ましい。
〔硬化促進剤〕
前記粘結剤組成物中には、硬化速度を向上させ、鋳型強度を向上させる観点から、硬化促進剤が含まれていてもよい。なお、前記硬化促進剤は、粘結剤組成物中に含まれるものに加えて、鋳型用組成物に別添してもよい。前記硬化促進剤としては、硬化速度を向上させ、鋳型強度を向上させる観点から、下記一般式(1)で表される化合物(以下、硬化促進剤(1)という)、多価フェノール類、及び芳香族ジアルデヒドからなる群より選ばれる1種以上が好ましい。
Figure 2019107688


〔式中、R及びRは、それぞれ水素原子、CH又はCの何れかを表す。〕
前記硬化促進剤(1)としては、2,5−ビス(ヒドロキシメチル)フラン、2,5−ビス(メトキシメチル)フラン、2,5−ビス(エトキシメチル)フラン、2−ヒドロキシメチル−5−メトキシメチルフラン、2−ヒドロキシメチル−5−エトキシメチルフラン、2−メトキシメチル−5−エトキシメチルフランが挙げられる。
多価フェノール類の具体例としては、例えばレゾルシン、クレゾール、ヒドロキノン、フロログルシノール、メチレンビスフェノール、縮合型タンニン、加水分解型タンニン等が挙げられる。
芳香族ジアルデヒドの具体例としては、テレフタルアルデヒド、フタルアルデヒド及びイソフタルアルデヒド等、並びにそれらの誘導体等が挙げられる。
〔水〕
前記粘結剤組成物中には、更に水が含まれてもよい。例えば、フルフリルアルコールとアルデヒド類の縮合物などの各種縮合物を合成する場合、水溶液状の原料を使用したり、縮合水が生成したりするために縮合物は、通常、水との混合物の形態で得られる。このような縮合物を粘結剤組成物に使用するにあたっては合成過程に由来するこれらの水をあえて除去する必要はない。また、前記粘結剤組成物を取扱いやすい粘度に調整する目的などで、水を更に添加してもよい。ただし、水が過剰になると、酸硬化性樹脂の硬化反応が阻害されるおそれがあるため、前記粘結剤組成物中の水含有量は0〜30質量%の範囲とすることが好ましく、前記粘結剤組成物を扱いやすくする観点と硬化反応速度を維持する観点から0.5〜5質量%の範囲がより好ましく、0.7〜3.5質量%の範囲が更に好ましい。
〔シランカップリング剤〕
また、前記粘結剤組成物中には、更にシランカップリング剤等の添加剤が含まれていてもよい。例えばシランカップリング剤が含まれていると、得られる鋳型の強度を向上させることができるため好ましい。シランカップリング剤としては、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシランや、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン、ウレイドシラン、メルカプトシラン、スルフィドシラン、メタクリロキシシラン、アクリロキシシランなどが用いられる。好ましくは、アミノシラン、エポキシシラン、ウレイドシランである。より好ましくはアミノシラン、エポキシシランであり、更に好ましくはアミノシランである。アミノシランの中でも、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランが好ましい。シランカップリング剤の前記粘結剤組成物中の含有量は、鋳型強度の観点から、0.01〜0.5質量%であることが好ましく、0.05〜0.3質量%であることがより好ましい。
<鋳型用組成物>
前記粘結剤組成物は、耐火性粒子及び硬化剤組成物と混合して鋳型用組成物とすることができる。本実施形態の鋳型用組成物は、前記粘結剤組成物、耐火性粒子及び硬化剤組成物を含有する。
〔耐火性粒子〕
前記耐火性粒子としては、ケイ砂、クロマイト砂、ジルコン砂、オリビン砂、アルミナ砂、ムライト砂、合成ムライト砂等の従来公知のものを使用でき、また、使用済みの耐火性粒子を回収したものや再生処理したものなども使用できる。
〔硬化剤組成物〕
前記硬化剤組成物は、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、及びしゅう酸から選ばれる少なくとも一種類以上が例示できる。鋳型強度の硬化速度を向上させる観点から、2,6−ジヒドロキシ安息香酸が好ましく、24時間後鋳型強度を向上させる観点から2,6−ジヒドロキシ安息香酸としゅう酸の併用が好ましい。
また、前記硬化剤組成物として、キシレンスルホン酸(特に、m−キシレンスルホン酸)及びトルエンスルホン酸(特に、p−トルエンスルホン酸)等のスルホン酸系化合物、リン酸系化合物、硫酸から選ばれる少なくとも1種類以上を用いることができる。ただし、スルホン酸や硫酸などの硫黄を含む酸を含有する硬化剤組成物を使用した場合、鋳造時に二酸化硫黄ガスが発生するため、2,6−ジヒドロキシ安息香酸もしくはしゅう酸のみ、又はそれらと一緒に含有することが好ましい。硬化剤組成物中の硫黄を含む酸の含有量は、SOx抑制の観点から30質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましく、1質量%以下がより更に好ましい。
〔硬化剤用溶媒〕
前記硬化剤組成物は、鋳物砂に均一に添加し、樹脂組成物と均一に混合させる目的で、水、アルコール類、エーテルアルコール類およびエステル類よりなる群から選ばれる1種以上の溶剤を含有させることができる。これらの中でも、鋳型の硬化速度向上や、鋳型強度の向上を図る観点から、アルコール類、エーテルアルコール類が好ましく、炭素数1〜3のアルコール類がより好ましい。アルコール類として、具体的にはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールであり、メタノール、エタノールが好ましく、メタノールがより好ましい。前記硬化剤組成物は水を含有しても良いが、上記溶媒を含有させると、硬化剤中の水分量を低減できるため、鋳型の硬化速度が更に良好になると共に、鋳型強度が更に向上する。硬化剤組成物中の前記溶剤の含有量は、鋳型強度向上と硬化剤組成物に対する溶解性の観点から、樹脂に対して10〜90質量%であることが好ましく、20〜70質量%であることがより好ましく、30〜50質量%であることが更に好ましい。更に、上記溶媒を含まずに、固体として鋳型に添加することも出来る。
前記硬化剤組成物は、好ましくは2,6−ジヒドロキシ安息香酸またはしゅう酸を炭素数1〜3のアルコールに溶解する方法により製造することができる。2,6−ジヒドロキシ安息香酸を炭素数1〜3のアルコールに溶解する際には必要に応じて40〜50℃で加熱溶解しても良い。
また、24時間後鋳型強度を向上させる観点から2,6−ジヒドロキシ安息香酸としゅう酸とを併用する場合、2,6−ジヒドロキシ安息香酸の含有量としゅう酸の含有量の比(2,6−ジヒドロキシ安息香酸の含有量/しゅう酸の含有量)は、0.1〜10が好ましく、0.5〜5がより好ましく、1〜2.5が更に好ましい。
前記鋳型用組成物は、鋳型強度向上の観点から、前記耐火性粒子100質量部に対して、前記鋳型造型用粘結剤組成物0.5〜3.0質量部、前記硬化剤組成物0.07〜2.0質量部含有することが好ましい。また、前記鋳型用組成物中の前記硬化剤組成物の含有量は、鋳型強度向上の観点から前記粘結剤組成物1.0質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.14質量部以上、更に好ましくは0.2質量部以上であり、好ましくは0.8質量部以下、より好ましくは0.6質量部以下、更により好ましくは0.4質量部以下である。よって、、鋳型強度向上の観点から前記粘結剤組成物1.0質量部に対して、好ましくは0.1〜0.8質量部、より好ましくは0.14〜0.6質量部、更に好ましくは0.2〜0.4質量部である。
更に、前記粘結剤組成物と前記硬化剤組成物の質量比は、鋳型の硬化速度を向上させる観点及び鋳型の最終強度を向上させる観点から、前記粘結剤組成物100質量部に対して、前記硬化剤組成物20質量部以上が好ましく、30質量部以上がより好ましい。前記粘結剤組成物と前記硬化剤組成物の質量比は、経済性の観点及び鋳物品質向上の観点から、前記粘結剤組成物100質量部に対して、前記硬化剤組成物100質量部以下が好ましく、90質量部以下がより好ましい。
<鋳型用組成物の製造方法>
前記鋳型用組成物は、前記耐火性粒子と、前記鋳型造型用粘結剤組成物と、前記硬化剤組成物とを混合する混合工程を経て製造され、好ましくは、前記耐火性粒子と前記硬化剤組成物とを混合する第1混合工程、及び第1混合工程途中又は工程後に得られた混合物に前記鋳型造型用粘結剤組成物を混合する第2混合工程を含む混合工程により製造される。
<鋳型の製造方法>
前記鋳型用組成物を硬化させることによって鋳型を製造することができる。本実施形態の鋳型の製造方法において、従来の鋳型の製造プロセスをそのまま利用して鋳型を製造することができる。好ましい鋳型の製造方法として、前記耐火性粒子と前記硬化剤組成物とを混合する第1混合工程、および第1混合工程途中又は工程後に得られた混合物に前記鋳型造型用粘結剤組成物を混合する第2混合工程を含む混合工程を経て製造された前記鋳型用組成物を硬化させる硬化工程を有する鋳型の製造方法が挙げられる。
以下、本発明を具体的に示す実施例等について説明する。
<実施例1〜15、比較例1〜5>
〔硬化剤組成物の製造〕
下記表1に示す硬化剤(2,6−ジヒドロキシ安息香酸、しゅう酸)、メタノールをそれぞれ所定の質量で混合し、必要に応じて40〜50℃で加熱溶解し、実施例1〜15及び比較例1〜5の硬化剤組成物を製造した。なお、表1中、「2,6−DHB」は2,6−ジヒドロキシ安息香酸である。
〔粘結剤組成物の製造〕
下記表1に示す酸硬化性樹脂(FFA、BHMF)、アルデヒド化合物、アルキレン尿素及びシランカップリング剤を所定の質量比率で混合し、実施例1〜15及び比較例1〜4の粘結剤組成物を製造した。なお、表1中、「FFA」はフルフリルアルコール、「BHMF」は2,5−ビス(ヒドロキシメチル)フランを意味し、用いた「シランカップリング剤」はN−β―(アミノエチル)−γ―アミノプロピルメチルジメトキシシランである。
〔鋳型用組成物の製造〕
25℃、55%RHの条件下で、珪砂(フリーマントル)新砂100質量部に対し、表1に示す硬化剤組成物0.65質量部を添加し、次いで表1に示す粘結剤組成物1.0質量部を添加し、これらを混合して鋳型用組成物を得た。
〔試験例1〕
混練直後の鋳型用組成物を直径50mm、高さ50mmの円柱形状のテストピース枠に充填し、1時間した時に抜型を行いJIS Z 2604−1976に記載された方法で、テストピースの圧縮強度(MPa)を測定し、「1時間後の圧縮強度」および「1MPa到達時間」を評価した。「1時間後の圧縮強度」の数値が高いほど、「1MPa到達時間」は数値が低いほど硬化速度に優れる。結果を表1に示す。
〔試験例2〕
また、別途同様に作成したテストピース枠に充填したものを、圧縮強度1MPa到達時に抜型を行い、充填から24時間後に、JIS Z 2604−1976に記載された方法で、テストピースの圧縮強度(MPa)を測定した。「24時間後の圧縮強度」の数値が高いほど鋳型強度に優れる。結果を表1に示す。
〔アルデヒド由来の不快臭評価方法〕
25℃、55%RHに制御された恒温室内で、粘結剤組成物を用いて鋳型用組成物を製造する際に発生する臭気を嗅ぎ、下記基準で評価した。
1:アルデヒド由来の不快な臭気をほとんど感じない
2:アルデヒド由来の不快な臭気を僅かに感じる
3:アルデヒド由来の不快な臭気を感じる
4:アルデヒド由来の不快な臭気を強く感じる
Figure 2019107688
表1の結果から、ヒドロキシベンズアルデヒド類とアルキレン尿素とを併用している実施例では、硬化剤として硫黄原子を含有する酸を用いることなく十分な鋳型強度が得られることからSOxの発生を抑制でき、アルデヒド由来の臭気も抑制できることが判る。一方、ヒドロキシベンズアルデヒド類とアルキレン尿素とを併用していない比較例ではアルデヒド由来の臭気を抑制できないか、抑制できたとしても十分な鋳型の強度が得られないことが判る。

Claims (5)

  1. ヒドロキシ基を一つ以上含むベンズアルデヒド類、及びアルキレン尿素を含有する鋳型造型用粘結剤組成物。
  2. 前記ベンズアルデヒド類が3−ヒドロキシベンズアルデヒド、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、アルコキシベンズアルデヒド、2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド、3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド、及びトリヒドロキシベンズアルデヒドからなる群より選ばれる少なくとも1種又は2種以上である請求項1に記載の鋳型造型用粘結剤組成物。
  3. 前記アルキレン尿素が、エチレン尿素、プロピレン尿素、ブチレン尿素、ヒダントイン、イミダゾリジニル尿素からなる群より選ばれる少なくとも1種又は2種以上である請求項1又は2に記載の鋳型造型用粘結剤組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋳型造型用粘結剤組成物と、当該鋳型造型用粘結剤組成物を硬化させる硬化剤組成物と、耐火性粒子とを含有する鋳型用組成物。
  5. 耐火性粒子と請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋳型造型用粘結剤組成物と当該鋳型造型用粘結剤組成物を硬化させる硬化剤組成物とを混合して鋳型用組成物を得る混合工程、及び前記鋳型用組成物を型枠に詰め、当該鋳型用組成物を硬化させる硬化工程を有する鋳型の製造方法。
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