以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマ
シン等のその他の遊技機であってもよく、遊技を行なうことが可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
[第1実施形態]
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。パチンコ遊技機1では、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれる。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左
右の位置関係にあるものとしてもよい。なお、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域が設けられる。演出図柄表示領域には、たとえば左,中,右の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアが形成される。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
より具体的には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動表示したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動表示が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動表示している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動表示領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示画面における下部の位置には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を表示する保留記憶表示部(合算保留記憶表示部、保留表示エリア、図示せず)が設けられる。合算保留記憶表示部では、保留記憶表示として保留記憶数をたとえば所定画像の表示個数により特定可能な保留記憶画像(保留記憶情報のそれぞれに対応して1つずつ保留記憶画像を表示することにより、保留記憶数を特定する。)が表示される。このように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられていることによって、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、および、演出表示装置9のそれぞれにおいて、保留記憶数を示すための発光表示および画像表示は、保留表示、または、保留記憶表示と呼ばれる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が
設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
演出表示装置9の上方には、第1役物12aが設けられる。第1役物12aは、第1役物モータ17a(図3参照)によって駆動されることによって、複数の可動位置に移動可能であり、演出表示装置9の前面に移動してきて、所定の演出動作をすることが可能である。第1役物用センサ170aは、前面からは視認できないように設置され、第1役物12aが初期位置(図1で示される位置)に存在するか否かを検知する。
演出表示装置9の正面から見て左側の背面には、第2役物12bが設けられる。第2役物12bは、第2役物モータ17b(図3参照)によって駆動されることによって、演出表示装置9の背面で、複数の可動位置に移動可能であり、所定の演出動作をすることが可能である。第2役物用センサ170bは、前面からは視認できないように設置され、第2役物12bが初期位置(図23(a)で示される位置)に存在するか否かを検知する。
演出表示装置9の正面から見て右側の背面には、第3役物12cが設けられる。第3役物12cは、第3役物モータ17c(図3参照)によって駆動されることによって、演出表示装置9の背面で、複数の可動位置に移動可能であり、所定の演出動作をすることが可能である。第3役物用センサ170cは、前面からは視認できないように設置され、第3
役物12cが初期位置(図23(a)で示される位置)に存在するか否かを検知する。
第2役物12bおよび第3役物12cは、演出表示装置9の背面にあるため、通常は前面からは視認不能であるが、後述するように、演出表示装置9の液晶シャッター9bが透明となるように制御されることで、視認可能となる。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くな
るので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。この制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。なお、通常大当りは、非確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(低確低ベース状態)に制御される大当りとなるように制御するものであってもよい。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
図3は、主基板(遊技制御基板)および演出制御基板における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ56
0は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。演出表示装置9は、液晶パネル9a、液晶シャッター9b、バックライト9c等から形成されている。詳細は、後述する。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向へ
の一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、I/Oポート部105の出力ポートを介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
また、演出制御用CPU101は、モータ駆動回路(図示省略)を介して、第1役物モータ17aを駆動して第1役物12aを動作させ、第2役物モータ17bを駆動して第2役物12bを動作させ、第3役物モータ17cを駆動して第3役物12cを動作させる。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、有利状態(特定遊技状態)である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、
変動種別と呼ばれる場合もある。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図6を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図6は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図6には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図6(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図6に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図6の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「
通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示す。
また、図6の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ50秒〜80秒)変動パターンである。なお、スーパーリーチには、4種類の変動パターンが設定されており、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチ<第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高いことを示す。
なお、“期待度”とは、大当りに対する期待度、確変に対する期待度等を含む概念である。具体的には、大当りに対する期待度(信頼度ともいう)とは、各リーチ変動パターンが選択された場合に大当りとなる期待度(大当りとなる割合)であり、たとえば、リーチ変動が100回行なわれた場合に60回大当りとなるのであれば、大当りに対する期待度が60%(大当りが出現する出現率(確率)が60%)となる。また、確変に対する期待度とは、確変状態に移行する期待度(確変となる割合)のことをいう。
また、はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、図6(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (80秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が80秒で実行される第4スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図6のテーブルで「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図6(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図6のテーブルで「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1スーパーリーチ」、「第2スーパーリーチ」、「第3スーパーリーチ」、および、「第4スーパーリーチ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜2
20)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3が1〜220の乱数値のうち、1〜70に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、「第1スーパーリーチ(50秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図6(a),図6(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
時短状態か否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態か否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、通常変動の変動時間が短く設定されている。そして、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
はずれとなるときに選択される図6(a)および図6(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図6(c)および図6(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べ、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出がされることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図6(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図6(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにお
けるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図7のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始
動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数が1減算されることを示す合算保留記憶数減算指定コマンドである。この実施の形態では、合算保留記憶数指定コマンドは、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への遊技球の始動入賞時(たとえば、後述する始動口スイッチ通過処理の実行時)に、演出制御用マイクロコンピュータ100に送られる。また、合算保留記憶数減算指定コマンドは、変動表示開始時(たとえば、後述する特別図柄変動表示中処理の実行時)に演出制御用マイクロコンピュータ100に送られる。なお、合算保留記憶指定コマンドおよび保留記憶数減算指定コマンドを兼用してもよい。たとえば、合算保留記憶数指定コマンドを、減算後の保留記憶数を特定可能なコマンドとして用いてもよい。なお、合算保留記憶数としてではなく、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを特定可能なコマンドをそれぞれ送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値を合算保留記憶数として特定してもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶データ)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を説明する。保留記憶バッファは、RAM55に設けられる。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時に抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留記憶バッファに記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、第1(第
2)保留記憶数指定コマンドというような、始動入賞時判定処理(たとえば、S1215
,S1225の入賞時演出処理)の判定結果を示すコマンドが、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、第1(第2)保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
メイン処理においては、具体的には以下の処理が実行される。図8は、主基板31にお
ける遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、S1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(S4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(S10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(S8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞
球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(S43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(S44)。そして、S14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、S44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(S10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(たとえば、普通図柄当り決定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば、普通図柄当り決定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、たとえば、普通図柄当り決定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(S1
3)。たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、初期化指定コマンドに応じた初期動作を実行する。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。CPU56は、たとえば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、S15において、CPU56は、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値としてたとえば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。
この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り決定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。
後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り決定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り決定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
図9は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図9に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の
各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図10は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、前述したように、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶デー
タ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。
以下の保留記憶に関する説明に関しては、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図11は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S704)。
次に、演出制御用CPU101は、初期動作処理および初期動作報知処理を実行する(S704A,S704B)。初期動作処理および初期動作報知処理では、演出表示装置9や第1役物12a,第2役物12b,第3役物12c等の役物の起動時における動作確認が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3等を含む各種乱数)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。このような乱数SR1−1〜SR1−3等のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内で巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27L,27R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図12は、図11に示された演出制御メイン処理におけるコマンド解析処理を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドはコマンド受信バッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、コマンド受信バッファに格納されているコマンド
の内容を確認する。
なお、コマンド受信バッファへのコマンドの格納は、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560から出力される演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって、まず1バイトのMODEデータの取り込み処理を行い、コマンド受信バッファに格納される。次いで、演出制御INT信号がオフされた後、次の演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって、1バイトのEXTデータの取り込み処理を行い、コマンド受信バッファの次の領域に格納される。以上の処理によって、1つの演出制御コマンド(2バイトのコマンド)が取り込まれ、コマンド受信バッファに格納される。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(S612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(S614)、演出制御用CPU101は、初期化指定コマンドを受信したことを示す初期化指定コマンド受信フラグをセットする(S615)。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(S616)、停電復旧指定コマンド受信フラグをセットする(S617)。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S621)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S622)。そして、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S623)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(S624)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果3指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(S625)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S626)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(S627)。
S612で読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、演出制御用CPU101は、受信コマンドに対応するフラグをセットする(S691)。
図13は、図11に示された演出制御メイン処理における初期動作処理を示すフローチャートである。図13を参照して、まず、演出制御用CPU101は、初期化指定コマンド受信フラグまたは停電復旧指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判断する(S711)。いずれもセットされていない(S711でNO)と判断した場合、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
一方、いずれかの受信フラグがセットされている(S711でYES)と判断した場合
、初期動作のいずれかの段階であるか否かを判断する(S712)。いずれかの段階である(S712でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、実行する処理をS714に進める。
初期動作のいずれの段階でもない(S712でNO)と判断した場合、演出制御用CPU101は、初期動作の第1段階の動作として、演出表示装置9のチェック動作を開始する(S713)。演出表示装置9のチェック動作は、たとえば、バックライト9cの点灯/消灯、液晶シャッター9bの全透過/部分透過/非透過、液晶パネル9aの表示/非表示を様々な組合せで繰返すような動作である。
次に、演出制御用CPU101は、初期動作の第1段階が終了したか否かを判断する(S714)。第1段階が終了していない(S714でNO)と判断した場合、演出制御用CPU101は、実行する処理をS721に進める。
第1段階が終了した(S714でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、停電復旧指定コマンド受信フラグがセットされている、つまり、停電復旧時の初期動作である否かを判断する(S715)。
停電復旧時の初期動作である(S715でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、液晶シャッター9bを不透明な状態となるように制御し(S716)、実行する処理をS718に進める。液晶シャッター9bが不透明な状態とされることで、背面の第2役物12bおよび第3役物12cは、演出表示装置9の前面から視認不能な状態となる。なお、液晶シャッター9bについては、後述の図14,図15で説明する。
停電復旧時の初期動作でない(S715でNO)と判断した場合、液晶シャッター9bを透明な状態となるように制御し(S717)、実行する処理をS718に進める。液晶シャッター9bが透明な状態とされることで、背面の第2役物12bおよび第3役物12cは、演出表示装置9の前面から視認可能な状態となる。
次に、演出制御用CPU101は、初期動作の第2段階として、第1役物12aのショートイニシャル動作を開始し(S718)、実行する処理をS721に進める。役物のショートイニシャル動作は、第1役物用センサ170aから第3役物用センサ170cなどのセンサからの信号に基づいて、役物が初期位置に存在するか否かを確認し、存在しない場合は初期位置に移動させる動作である。
次に、演出制御用CPU101は、初期動作の第2段階が終了したか否かを判断する(S721)。第2段階が終了していない(S721でNO)と判断した場合、演出制御用CPU101は、実行する処理をS723に進める。
第2段階が終了した(S721でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、初期動作の第3段階として、第2役物12bのショートイニシャル動作を開始し(S722)、実行する処理をS723に進める。
次に、演出制御用CPU101は、初期動作の第3段階が終了したか否かを判断する(S723)。第3段階が終了していない(S723でNO)と判断した場合、演出制御用CPU101は、実行する処理をS731に進める。
第3段階が終了した(S723でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、初期動作の第4段階として、第3役物12cのショートイニシャル動作を開始し(S724)、実行する処理をS731に進める。
次に、演出制御用CPU101は、初期動作の第4段階が終了したか否かを判断する(S731)。第4段階が終了していない(S731でNO)と判断した場合、演出制御用CPU101は、実行する処理をS735に進める。
第4段階が終了した(S731でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、停電復旧指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判断する(S732)。セットされている(S732でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、停電復旧指定コマンド受信フラグをクリアし(S734)、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
停電復旧指定コマンド受信フラグがセットされていない(S732でNO)と判断した場合、演出制御用CPU101は、初期動作の第5段階として、第1役物12aのロングイニシャル動作を開始し(S741)、実行する処理をS735に進める。役物のロングイニシャル動作は、遊技中の役物演出での動作を確認するための動作であり、役物の動作が初期位置から開始され、終了時には役物は初期位置に戻される。
次に、演出制御用CPU101は、役物ロングイニシャル動作処理を実行する(S735)。S735の実行後、演出制御用CPU101は、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
図14は、図13に示された初期動作処理における役物ロングイニシャル処理を示すフローチャートである。図14を参照して、まず、演出制御用CPU101は、初期動作の第5段階が終了したか否かを判断する(S742)。第5段階が終了していない(S742でNO)と判断した場合、演出制御用CPU101は、実行する処理をS744に進める。
第5段階が終了した(S742でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、初期動作の第6段階として、第2役物12bのロングイニシャル動作を開始し(S743)、実行する処理をS744に進める。
次に、演出制御用CPU101は、初期動作の第6段階が終了したか否かを判断する(S744)。第6段階が終了していない(S744でNO)と判断した場合、演出制御用CPU101は、実行する処理をS746に進める。
第6段階が終了した(S744でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、初期動作の第7段階として、第3役物12cのロングイニシャル動作を開始し(S745)、実行する処理をS746に進める。
次に、演出制御用CPU101は、初期動作の第7段階が終了したか否かを判断する(S746)。第7段階が終了していない(S746でNO)と判断した場合、演出制御用CPU101は、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
第7段階が終了した(S746でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、液晶シャッター9bを不透明な状態となるように制御し(S747)、初期化指定コマンド受信フラグをクリアし(S749)、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
ここで、図13に示すような、起動されていた遊技機への電力供給が停止された後に電力供給が復旧して再起動されたとの条件が成立したときの初期動作処理の実行中に可動体演出の実行を制限する。可動体演出とは、変動表示中に実行されるような第1役物12a
、第2役物12bおよび第3役物12cを用いた演出のことである。具体的には、S732において、YESの場合には、その後の処理において可動体演出の実行が制限される。このようにすれば、役物が正常に動作可能であることを確認するための動作を可動体演出により、阻害しないようにすることができる。
図15は、図11に示された演出制御メイン処理における初期動作報知処理を示すフローチャートである。図15を参照して、まず、演出制御用CPU101は、停電復旧指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判断する(S751)。
停電復旧指定コマンド受信フラグがセットされている(S751でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、初期動作において異常が発生しているか否かを判断する(S752)。たとえば、役物が初期位置に戻っているはずのタイミングとなっているのに、初期位置に存在することがセンサによって検出されていないような場合に、異常が発生していると判断する。
初期動作において異常が発生していない(S752でNO)と判断した場合、液晶シャッター9bを不透明な状態に制御中であるか否かを判断する(S753)。不透明な状態に制御中でない(S753でNO)と判断した場合、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
不透明な状態に制御中である(S753でYES)と判断した場合、停電復旧中である旨の表示(たとえば、図23(f)等で示すように「停電復旧中」の文字の表示)を出力する(S754)。その後、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
初期動作において異常が発生している(S752でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、初期動作において異常が発生した旨の表示および音声を出力し(S755)、初期動作を中断させる(S756)。
異常が発生した旨の表示としては、ここでは、停電復旧中の表示とともに役物の初期動作において異常が発生した旨の表示(たとえば、「役物初期動作異常」との表示)を出力することとする。しかし、これに限定されず、停電復旧中の表示はせずに、役物の初期動作において異常が発生した旨の表示のみを出力するようにしてもよい。
そして、演出制御用CPU101は、初期動作において異常が発生したことの確認操作が行なわれたか否かを判断する(S757)。確認操作が行なわれていない(S757でNO)と判断した場合、S757の処理を繰返す。確認操作が行なわれた(S757でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、初期動作を再開させる(S758)。その後、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。ここで、確認操作とは、店員が役物の異常を確認するための操作である。より具体的には、ガラス扉枠2や遊技枠を開閉し、役物の異常をリセットするためのスイッチ等を操作することにより、異常報知を終了させるための操作である。なお、異常報知が終了しない場合には、役物の動きを無効化するスイッチを操作することにより、役物を可動できないようにすることで、異常を解除するようにしてもよい。
また、確認操作が行なわれた後に、異常が発生した役物による演出を制限する(たとえば、実行しない)ようにしてもよい。また、演出表示装置9の背面の第2役物12b、第3役物12cなどの複数の役物の一部に異常が発生した場合に、残りについても、初期動作や役物による演出を制限するようにしてもよい。
停電復旧指定コマンド受信フラグがセットされていない(S751でNO)と判断した
場合、演出制御用CPU101は、初期化指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判断する(S761)。
初期化指定コマンド受信フラグがセットされている(S761でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、初期動作において異常が発生しているか否かを判断する(S762)。
初期動作において異常が発生していない(S762でNO)と判断した場合、初期動作中である旨の音声を出力する(S764)。その後、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。なお、初期化指定コマンド受信フラグがセットされているとき(初期化指定コマンドの受信時)に、特定報知として「準備中」の文字表示を行なうようにしてもよい。
初期動作において異常が発生している(S762でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、初期動作において異常が発生した旨の音声を出力し(S765)、異常である対象の役物をロックオンするような態様かつ異常である旨を示す画像を表示させ(図25の第2役物12b参照)、初期動作を中断させる(S767)。
そして、演出制御用CPU101は、S768,S769において、S757,S758と同様の処理を実行する。このようにすれば、役物に異常が発生した場合に、確認操作が終了するまで、それ以降の処理を実行しないようにすることができる。
図16は、図11に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み予告処理(S500)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下の処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み予告処理(S500)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りであるときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告するといった類の演出が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報を「ターゲットの保留情報」と称する。また、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S802)は、変動パターンを
構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804)は、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S807)は、演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
図17は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理では、演出制御用CPU120は、先ず、プロセスタイマ、変動表示時間タイマの値を−1する(S841,S842)。
そして、演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か判定する(S843)。プロセスタイマがタイムアウトしている場合は、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S844)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ等にもとづいて演出表示装置9での表示やスピーカ27からの音声出力、枠LED28からの発光等の制御を実行する(S845)。
また、S843においてプロセスタイマがタイムアウトしていない場合およびS845の実行後は、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か判定する(S846)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新し(S848)、演出図柄変動中処理を終了する。
変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定コマンドを受信したことを示す図柄確定指定コマンド受信フラグがセットされていれば(S847)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新し(S848)、演出図柄変動中処理を終了する。なお、S847において図柄確定指定コマンド受信フラグ
がセットされていない場合は、S848を経由せずに演出図柄変動中処理を終了する。
次に、演出制御パターンの構成例および、演出制御パターンの内容にしたがって実行される各種の演出動作について説明する。図18は、演出制御パターンの構成例および、演出制御パターンの内容にしたがって実行される各種の演出動作を説明するための図である。図18(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。それぞれの演出制御パターンは、たとえば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、液晶シャッター制御データ、第1役物制御データ、第2役物制御データ、第3役物制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい(第3役物制御データについての図示省略)。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用マイクロコンピュータに内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、たとえば主基板31から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU101において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、たとえば演出図柄の変動表示中における各演出図柄の変動態様を示すデータといった、演出表示装置9の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、演出表示装置9の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、たとえば演出図柄の変動表示中における演出図柄の変動表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ27からの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ27からの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、たとえば枠LED28といった発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。液晶シャッター制御データは、液晶シャッター9bの透過率や透過する領域を制御するためのデータが含まれている。すなわち、液晶シャッター制御データは、液晶シャッター9bの動作を指定するデータである。第1役物制御データ、第2役物制御データおよび第3役物制御データは、それぞれ、第1役物12a、第2役物12bおよび第3役物12cを複数の可動位置に移動するための動作を制御するデータが含まれている。すなわち、第1役物制御データ、第2役物制御データおよび第3役物制御データは、それぞれ、第1役物12a、第2役物12bおよび第3役物12cの動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図18(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用CPU101は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。たとえば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で演出図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を演出表示装置9の画面上に表示させる制御を行なう。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ27から音声を出力させる制御を行なうとともに、ランプ制御データにより指定される態様で枠LED28等の発光体を点滅させる制御を行なう。また、液晶シャッター制御データにより指定される態様でいずれかの領域において液晶シャッターを透過する制御、不透過にする制御を行なう。また、第1役物制御データにより指定される態様で、第1役物12aを
動作させる制御を行なう。また、第2役物制御データにより指定される態様で、第2役物12bを動作させる制御を行なう。また、第3役物制御データにより指定される態様で、第3役物12cを動作させる制御を行なう。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図18(B)に示す演出動作は、演出図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、演出図柄の変動表示中における一部の期間(たとえば予告演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、演出図柄の変動表示中以外の所定期間(たとえば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御用CPU101は、たとえば演出図柄の変動表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターンをセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM54から読み出してRAM55の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM54における記憶アドレスを、RAM55の所定領域に一時記憶させて、ROM54における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行なう。このように、演出制御用CPU101は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、枠LED28、液晶シャッター9b、第1役物12a、第2役物12b、第3役物12cなど)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、液晶シャッター制御データ#1〜液晶シャッター制御データ#n、第1役物制御データ#1〜第1役物制御データ#n、第2役物制御データ#1〜第2役物制御データ#n、第3役物制御データ#1〜第3役物制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU101から演出表示装置9や音声出力基板70などに対して出力される。演出制御用CPU101からの指令を受けた演出表示装置9では、たとえば指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU101からの指令を受けた音声出力基板70では、たとえば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
また、各種演出制御パターンテーブルには、大当り遊技状態に制御されている期間における、各種の演出制御の内容を示すデータが、ラウンド等に応じて格納されている。各演出制御パターンには、プロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データといった各種の演出動作を制御するための複数の制御データが時系列的に設定されている。
なお、図柄変動制御パターン、各種予告の予告演出制御パターン、各種演出制御パター
ン等、各々の制御データの集まりを、プロセステーブルという。
プロセスタイマ設定値は、演出制御用CPU101における演出制御用のプロセスタイマの格納値であるプロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、プロセスタイマ設定値に代えて、たとえば主基板31から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU101において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
演出制御用CPU101は、これら演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。たとえば、プロセスタイマ値がプロセスタイマ設定値のいずれかと合致したときには、そのプロセスタイマ設定値と対応付けられた演出制御実行データに含まれる表示制御実行データにより指定される態様で演出図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を演出表示装置9の表示画面に表させる制御を行なう。また、音声制御実行データにより指定される態様で各スピーカ27から音声を出力させる制御を行なうとともに、ランプ制御実行データにより指定される態様で音声出力基板70等の発光体を点滅させる制御を行なう。また、液晶シャッター制御実行データにより指定される態様で液晶シャッター9bのいずれかの領域において液晶シャッター9bを透過する制御、不透過にする制御を行なう。また、第1役物制御実行データにより指定される態様で、第1役物12aを動作させる制御を行なう。また、第2役物制御実行データにより指定される態様で、第2役物12bを動作させる制御を行なう。また、第3役物制御実行データにより指定される態様で、第3役物12cを動作させる制御を行なう。なお、プロセスタイマ設定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
また、予告演出制御パターンには、各種の予告演出を実施する際に、各予告演出が開始されてから予告演出が終了するまでの期間における、演出表示動作やプッシュボタンやスティックコントローラの有効・無効の制御動作や入力される音声や動作の処理内容等の演出動作の制御内容を示すデータ(予告演出制御パターン)が格納されている。予告演出制御パターンには、図柄変動制御パターンと同じく、予告プロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、液晶シャッター制御実行データ、第1役物制御実行データ、第2役物制御実行データ、第3役物制御実行データといった演出動作を制御するための複数の制御データ(演出プロセスデータ)が時系列的に設定されている。
次に、図19に基づいて、演出表示装置9の詳細について説明する。図19は、演出表示装置9の構成を示す分解斜視図である。
図19に示すように、演出表示装置9は、液晶パネル9aと、液晶シャッター9bと、導光板904とが、トップシャーシ901、樹脂枠902、シャッター用金枠903、バックライト9cとにより一体的に組み付けられることによりユニット化されてなる。当該ユニットの前方には、第1役物12aが移動可能に配置される。また、導光板904の後方には、第2役物12b、第3役物12cおよび、星型画像90fが描かれた保護板905が設けられている。導光板904と保護板905との間には空間が設けられ、この空間内を第3役物12cと第2役物12bとが移動できるようになっている。
具体的には、液晶パネル9aの背面側には、合成樹脂材により横長四角枠状に形成された樹脂枠902とシャッター用金枠903により、液晶パネル9aの背面に対し所定の隙
間を隔てて、前方側から液晶シャッター9b、導光板904が組み付けられている。また、樹脂枠902の外周には、液晶パネル9aの表示画面を前方に臨ませるための開口を有する横長四角枠状に形成されたトップシャーシ901が取り付けられている。
バックライト9cは、それぞれ導光板904の上辺、左側辺、下辺、右側辺をそれぞれ覆うように取り付けられ、内部には、複数の表示用LEDが搭載されたLED基板が配置されており、樹脂枠902に一体に取り付けられている。
バックライト9cは、LED基板912とLED基板カバー911と放熱板913から構成されている。LED基板912よりも演出表示装置9の内方には、基板カバー911が配置されており、該基板カバー911によってLED基板912に搭載されている複数の表示用LEDが被覆されている。一方、LED基板912よりも演出表示装置9の外方には、放熱板913が配置されている。
基板カバー911には、各表示用LEDおよび投光用LEDに対応する貫通孔が形成されており、各表示用LEDからの光が導光板904の周端面に照射されるようになっているとともに、各投光用LEDからの光が第2役物12b、第3役物12cおよび保護板905に投光されるようになっている。これら表示用LED、投光用LEDと導光板904とによりバックライト9cが構成される。
ここで液晶シャッター9bは、特に詳細な図示はしないが、たとえば、ネマティック液晶の小滴(カプセルと呼びます)が分散した透明なポリマー・フィルムを2枚の透明導電膜付きポリエステル・フィルムに挟んでなり、電圧が印加されていない状態では、棒状の分子として表される液晶はカプセルの内壁に沿って並ぶことで、液晶シャッター9bに入射した光は、ポリマーと液晶の屈折率の違いおよび液晶の複屈折性によってカプセルの表面や内部で屈折し、その結果、光は直進できず散乱し、液晶シャッター9bは不透明に見える(拡散状態)。また、電圧が印加されると、液晶分子が電圧を印加した方向と平行に並ぼうとし、電極に対して垂直に配列することで、屈折率がポリマーのそれと一致する液晶であれば、カプセルの界面がないのに等しい状態となり、その結果、光は散乱せず直進し、液晶シャッター9bは透明に見えることになる(非拡散状態)。
次に、図20に基づいて、液晶シャッター9bのパターンについて説明する。図20は、液晶シャッターのパターンを説明するための図である。図20(a)は、液晶シャッター9bのパターンの一覧を示し、図20(b)〜(f)は、各パターンを図示したものである。
液晶シャッター9bは、左上領域、左下領域、右上領域、右下領域の4つの領域により形成されている。液晶シャッター9bは、電圧をかけることにより全部または一部の領域の透過率を変更することが可能である。そして、透過率を変更することにより、全部または一部の領域を透明にしたり、不透明にしたりすることができる。図20(a)に示すように、液晶シャッター9bは、パターン1〜5の5種類のパターンを備えている。具体的には、パターン1は全ての領域が不透明なパターン(図20(b))、パターン2は全ての領域が透明なパターン(図20(c))、パターン3は左下領域と右上領域のみが透明なパターン(図20(d))、パターン4は左下領域のみが透明なパターン(図20(e))、パターン5は右上領域のみが透明なパターン(図20(f))である。
このように、液晶シャッター9bは、左上領域、左下領域、右上領域、右下領域の4つの領域からなり、各領域において透明、不透明を切り替えることで様々な演出が可能となるように構成されている。
図21は、液晶シャッターの構成および液晶シャッターと役物との関係を説明するための図である。図21(a)は、液晶シャッターの構成を説明するための図である。また、図21(b)は、液晶シャッターと役物との関係を説明するための図である。
図21(a)に示すように、液晶シャッター9bは、左上領域920、左下領域921、右上領域922、右下領域923の4つの領域から形成される。また、液晶シャッター9bには、液晶シャッター9bに電圧をかけるために3か所の端子が接続されている。液晶シャッター9bは、電圧をかけられることで、不透明状態から透明状態へと変化するようになっている。
左下領域921に接続された端子は、左下領域921の透明と不透明とを切替えるために設けられている。図21(a)では、左下領域921に接続された端子に電圧がかけられることで左下領域921が透明状態となっている。また、右上領域922に接続された端子は、右上領域922の透明と不透明とを切替えるために設けられている。図21(a)では、右上領域922に接続された端子に電圧がかけられることで右上領域922が透明状態となっている。
また、右下領域923に接続された端子は、液晶シャッター9b全体の透明と不透明とを切替えるために設けられている。図21(a)では、右下領域923に接続された端子に電圧がかけられていないことで、不透明状態となっている。このような、接続端子へのオン・オフを実行することにより、図20に示したように複数の液晶シャッターパターンを設けることが可能となる。
次に、液晶シャッター9bの後方に配置される役物について説明する。液晶シャッター9bの後方には、丸型の第2役物12bと四角型の第3役物12cとが設けられている。第2役物12bおよび第3役物12cは、複数の可動位置に移動可能である。たとえば、図21(b)では、第3役物12cが右上領域922に位置しているときに、第2役物12bが左下領域921から右上領域922へ移動したときの様子を示している。第2役物12bが右上領域922へ移動することで、図21(b)に示すように、第2役物12bと第3役物12cとが重なるようになる。
このように、第2役物12bと第3役物12cとは、演出の種類に応じて複数の可動位置に移動可能である。また、第2役物12bは、第3役物12cよりも前後方向において前方に位置しているので、第2役物12bと第3役物12cとが重なったときに、四角型の第3役物12cの中に丸型の第2役物12bが入るような態様となる。なお、役物は、1個でも良いし、3個以上設けられていてもよい。また、前後方向に重なるのではなく、水平方向に合体し、所定の形になるようにしてもよい。また、役物にLED等を設けることで、役物を光らせるようにしてもよい。
また、第2役物12bは、第2役物モータ17bを駆動させることにより、アームやハーネス等の周辺構造とともに移動可能となる。また、第3役物12cは、第3役物モータ17cを駆動させることにより、アームやハーネス等の周辺構造とともに移動可能となる。ここで、アームやハーネス等の周辺構造は、演出の妨げとなるので遊技者に視認させることは適切ではない。そのような役物の周辺構造を隠すために以下に示す特殊画像を表示している。
次に、パチンコ遊技機1において実行される各種の演出について説明する。図22は、演出の一例を説明するための図である。図22(a)に示すように、変動表示の開始時には、左,中,右の演出図柄91,92,93が変動表示を開始する。左,中,右の演出図柄91,92,93は、変動表示中の状態が下向き矢印で示され、変動停止中の状態が数
値の図柄で示されている。演出表示装置9の表示領域の右下には、2つの保留表示Hが表示されている。
図22(b)では、実行されている変動表示で大当り期待度が高いことを示すチャンス画像94が表示される。なお、変動表示中であることを示すために、演出図柄91〜93を縮小した態様で示す小図柄を演出表示装置9の表示領域の一部で表示するようにしてもよい。次いで、図22(c)では、液晶シャッター9bの右上領域922が透明状態となっている場合が示されている。液晶シャッター9bの右上領域922に対応する位置の液晶パネル9aの特定領域(透明状態の領域に対応する領域)以外の液晶パネル9aにおける表示領域には、味方キャラ画像90aと敵キャラ画像90bとが表示される。また、液晶シャッター9bの右上領域922が透明状態となることにより、前方から演出表示装置9の後方に位置している第3役物12cが視認可能となる。そして、液晶シャッター9bの右上領域922に対応する液晶パネル9aの特定領域と、液晶パネル9aにおける特定領域以外の表示領域との境界近傍の第1特殊領域において、斜線で示す第1特殊画像90cが表示される。また、第1特殊画像90cは、味方キャラ画像90aや敵キャラ画像90bよりも上のレイヤーで表示される。
第1特殊画像90cにより、液晶シャッター9bの右上領域922が透明状態であるときに、液晶パネル9aにおける右上領域922に対応する特定領域と右上領域922以外の領域に対応する表示領域との境界が遊技者から視認できないように、特定領域と表示領域との境界近傍に第1特殊画像90cを表示することができる。つまり、特殊画像は、2つの領域(液晶パネル9aにおける特定領域と表示領域)の境界から両方の領域へと跨るように表示される。このようにすれば、第1特殊画像90cを表示することで、液晶パネル9aにおける右上領域922に対応する特定領域と右上領域922以外の領域に対応する表示領域との境界を遊技者に見せないようにすることができ、表示を円滑にすることができる。また、第3役物12cの周辺構造としてのアームやハーネス等を第1特殊画像90cにより隠すことができる。
図22(d)では、液晶シャッター9bの右上領域922が透明状態となるとともに、液晶シャッター9bの左下領域921が透明状態となる場合を示している。液晶シャッター9bの左下領域921が透明状態となることにより、左下領域921では、前方から演出表示装置9の後方に位置している第2役物12bが視認可能となる。また、液晶シャッター9bの右上領域922が透明状態となることにより、右上領域922では、前方から演出表示装置9の後方に位置している第3役物12cが視認可能となる。また、液晶シャッター9bの左下領域921および右上領域922に対応する位置の液晶パネル9aの特定領域(透明状態の領域に対応する領域)以外の液晶パネル9aにおける表示領域には、味方キャラ画像90aと敵キャラ画像90bとが表示される。また、液晶シャッター9bの右上領域922に対応する液晶パネル9aの特定領域と、液晶パネル9aにおける特定領域以外の表示領域との境界近傍の第1特殊領域において、斜線で示す第1特殊画像90cが表示される。また、液晶シャッター9bの左下領域921に対応する液晶パネル9aの特定領域と、液晶パネル9aにおける特定領域以外の表示領域との境界近傍の第2特殊領域において、網掛けで示す第2特殊画像90dが表示される。なお、図22(d)において、第1特殊画像90cと第2特殊画像90dとが重なる位置においては、いずれかの特殊画像の方が表示順が上となるようにしてもよいし、2つの特殊画像が重ならないように表示をずらすようにしてもよい。
図22(e)では、第3役物12cが右上領域922から左下領域921へ移動し、左下領域921が透明状態となっている場合を示している。左下領域921では、前方から演出表示装置9の後方に位置している第3役物12cが視認可能となる。液晶シャッター9bの左下領域921に対応する位置の液晶パネル9aの特定領域(透明状態の領域に対
応する領域)以外の液晶パネル9aにおける表示領域には、味方キャラ画像90aと敵キャラ画像90bとが戦っている演出が表示される。また、液晶シャッター9bの左下領域921に対応する液晶パネル9aの特定領域と、液晶パネル9aにおける特定領域以外の表示領域との境界近傍の第1特殊領域において、斜線で示す第1特殊画像90cが表示される。
図22(d)から図22(e)にかけての演出の流れについて説明する。図22(d)に示す状態から、液晶シャッター9bへの電圧をオフとすることで、液晶シャッター9bの右上領域922および左下領域921を不透明状態とする。そして、第2役物12bを左下領域921とは異なる領域に移動させる(たとえば、左上領域920等)。その後、第3役物12cを右上領域922から左下領域921に移動させる前に液晶シャッター9bの左下領域921を不透明状態から透明状態に切替えるとともに第1特殊画像90cを表示することで図22(e)の状態となる。
次いで、図22(f)では、液晶シャッター9bの右上領域922が透明状態となっている場合が示されている。液晶シャッター9bの右上領域922に対応する液晶パネル9aの特定領域以外の表示領域には、味方キャラ画像90aと敵キャラ画像90bと戦っている演出が表示される。また、液晶シャッター9bの右上領域922では、前方から演出表示装置9の後方に位置している第2役物12bおよび第3役物12cが視認可能となる。第2役物12bは、第3役物12cの前方に重なる位置に移動している。また、液晶シャッター9bの右上領域922に対応する液晶パネル9aの特定領域と、液晶パネル9aにおける特定領域以外の表示領域との境界近傍の第1特殊領域において、斜線で示す第1特殊画像90cが表示される。
また、図22(f)では、タイマ演出が実行される。タイマ演出とは、所定の数値を時間の経過とともにカウントダウンさせ、当該数値が0となったときに何らかの演出が実行される演出である。なお、タイマ演出とは、数字をカウントアップし、所定の数値に到達した場合に実行される演出であってもよい。図22(f)に示すように、タイマ演出として、「ラスト3s」を示すタイマ画像90eが表示される。タイマ画像90eは、第1特殊画像90cの一部と重畳する位置に表示される。タイマ画像90eは、第1特殊画像90cよりも上方のレイヤーに表示される。
次いで、図22(g)に示すように、タイマ演出における数値が0となったタイミングで、液晶シャッター9bの全領域が透明状態となる。すると、パチンコ遊技機1の前方から保護板905に描かれた星型画像90fが視認可能となる。また、第2役物12bおよび第3役物12cが重なった状態で、星型画像90fの中央に移動した状態となる演出が実行される。その後、図22(h)に示すように、液晶シャッター9bが不透明状態となり、液晶上で「777」の大当り図柄が表示される。
ここで、図22(c),(d)に示すように、第3役物12cに対応して、第1特殊画像90cが表示され、第2役物12bに対応して、第2特殊画像90dが表示されていた。しかし、役物の種類ではなく、役物の可動位置に応じて、特殊画像の種類が異なるようにしてもよい。たとえば、同じ第3役物12cであったとしても、右上領域922に第3役物12cが位置している場合には第1特殊画像90cを表示し、左下領域921に第3役物12cが位置している場合には第2特殊画像90dを表示するようにしてもよい。
図23は、初期動作の一例を説明するための図である。図23を参照して、図23(a)から図23(e)は、初期化指定コマンドの受信時、つまり、電源投入時の初期動作のうちのロングイニシャル動作の一例を示す。この場合は、液晶シャッター9bは透明の状態で初期動作が実行される。このため、図で示すように、演出表示装置9の背面の第2役
物12bおよび第3役物12cも視認可能である。
ショートイニシャル動作が終了すると、図23(a),図23(b)で示すように、まず、第1役物12aのロングイニシャル動作が実行される。次に、図23(c)で示すように、第2役物12bのロングイニシャル動作が実行される。最後に、図23(d),図23(e)で示すように、第3役物12cのロングイニシャル動作が実行される。
本実施の形態においては、停電復旧指定コマンドの受信時には、ロングイニシャル動作を実行しない。しかしながら、停電復旧指定コマンドの受信時に、ロングイニシャル動作が実行されるようにしてもよい。図23(f)から図23(j)は、停電復旧指定コマンドの受信時、つまり、停電復旧時においても、初期動作としてロングイニシャル動作が実行されるとした場合の一例を示す。この場合は、液晶シャッター9bは不透明の状態で初期動作が実行される。このため、図で示すように、演出表示装置9の背面の第2役物12bおよび第3役物12cは視認不能である。役物の動作については、図23(a)から図23(e)と同様である。なお、停電復旧指定コマンドの受信時において、電源投入時の初期動作と同様に、ショートイニシャル動作を実行した後に、ロングイニシャル動作を実行するようにしてもよい。
図23(k)から図23(o)は、初期化指定コマンドの受信時、つまり、電源投入時の初期動作のうちのロングイニシャル動作の変形例を示す。この場合は、液晶シャッター9bは、演出表示装置9の前面の第1役物12aのロングイニシャル動作中は不透明の状態で初期動作が実行され、背面の第2役物12bおよび第3役物12cのロングイニシャル動作中は透明の状態で初期動作が実行される。このため、図で示すように、演出表示装置9の前面の第1役物12aの動作中は背面が視認不能とされるので第1役物12aが視認し易いとともに、演出表示装置9の背面の第2役物12bおよび第3役物12cも視認可能である。
図24は、初期動作の実行順序の一例を示すタイミングチャートである。図24を参照して、図24(A)は、初期化指定コマンドの受信時、つまり、電源投入時の初期動作の実行順序を示す。まず、演出表示装置9のチェック動作が実行される。次に、第1役物12a,第2役物12b,第3役物12cの順序でショートイニシャル動作が実行される。そして、第1役物12a,第2役物12b,第3役物12cの順序でロングイニシャル動作が実行される。ロングイニシャル動作が終了すると初期動作は終了する。ショートイニシャル動作およびロングイニシャル動作の実行中は、演出表示装置9の液晶シャッター9bは透明な状態とされる。初期動作の終了後は、液晶シャッター9bは不透明な状態とされる。
図24(B)は、停電復旧指定コマンドの受信時、つまり、停電復旧時の初期動作の実行順序を示す。まず、演出表示装置9のチェック動作が実行される。次に、第1役物12a,第2役物12b,第3役物12cの順序でショートイニシャル動作が実行される。ショートイニシャル動作が終了すると初期動作は終了する。ショートイニシャル動作の実行中は、演出表示装置9の液晶シャッター9bは不透明な状態とされる。初期動作の終了後は、液晶シャッター9bは不透明な状態とされる。なお、停電復旧時の初期動作では、チェック動作を実行しないようにしてもよい。このようにすれば、チェック動作時に液晶シャッター9が透明となって演出表示装置9の背面の第2役物12bおよび第3役物12cが視認できてしまうことを防ぐことができる。
図24(C)は、初期化指定コマンドの受信時、つまり、電源投入時の初期動作の変形例の実行順序を示す。ショートイニシャル動作およびロングイニシャル動作を実行する点は、図24(A)と同様である。この場合は、演出表示装置9の前面の第1役物12aの
ショートイニシャル動作の実行中は、演出表示装置9の液晶シャッター9bは不透明な状態とされる。その他のショートイニシャル動作およびロングイニシャル動作の実行中は、液晶シャッター9bは透明な状態とされる。このため、図で示すように、演出表示装置9の前面の第1役物12aのショートイニシャル動作中は背面が視認不能とされるので第1役物12aが視認し易いとともに、第1役物12aのショートイニシャル動作後は、演出表示装置9の背面の第2役物12bおよび第3役物12cも視認可能である。
図25は、初期動作における異常時の表示の一例を示す図である。図25を参照して、初期化指定コマンドの受信時、つまり、電源投入時の初期動作においては、液晶シャッター9bが透明な状態とされるが、この場合に、図15のS766で示したように、異常が発生した対象の役物(ここでは第2役物12b)をロックオンするような態様かつ異常である旨を示す画像を表示させる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1−1) 演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御されることによって、液晶シャッター9bは、第2役物12bおよび第3役物12cよりも前方に配置され、第2役物12bおよび第3役物12cを視認可能とする透明状態と、当該透明状態よりも視認困難とする不透明状態とに変化可能である。第2役物12bおよび第3役物12cが正常に動作可能であることを確認するためのショートイニシャル動作およびロングイニシャル動作を含む初期動作が、初期化指定コマンドが受信されたとの条件または停電復旧指定コマンドが受信されたとの条件が成立したことにより実行可能である。
図13のS717で示したように、電源投入時との条件が成立したことにより初期動作が実行される場合に、液晶シャッター9bが透明状態に制御される。図13のS716で示したように、停電復旧時との条件が成立したことにより初期動作が実行される場合に、液晶シャッター9bが不透明状態に制御される。
これにより、条件に応じて、液晶シャッター9bによって第2役物12bおよび第3役物12cが視認可能な状態または視認困難な状態に変化されて、第2役物12bおよび第3役物12cが正常に動作可能であることを確認するための動作を実行することができる。その結果、液晶シャッター9bと第2役物12bおよび第3役物12cとを好適に制御可能とできる。
また、停電復旧時は遊技者が遊技中である場合があるが、このような場合に、液晶シャッター9bが不透明状態に制御された上で初期動作が実行される。このため、遊技中に遊技者が視認不能な役物が視認可能となってしまうことによって、遊技の興趣が低下してしまうことを防止することができる。
さらに、電源投入時は遊技場の店員が役物の初期動作を確認する場合があるが、このような場合に、液晶シャッター9bが透明状態に制御された上で初期動作が実行される。このため、遊技場の店員は、遊技機の電源投入時に、役物の動作の確認を明瞭に行なうことができる。
(1−2) 図23,図24で示したように、停電復旧時との条件が成立したことにより初期動作が実行されている間に、液晶シャッター9bが透明状態に制御されることが制限される。
これにより、停電復旧時との条件が成立したときには、液晶シャッター9bよりも後方にある第2役物12bおよび第3役物12cが正常に動作可能であることを確認するための動作を遊技者に視認させ難くすることができる。
(1−3) 図13に示すような、起動されていた遊技機への電力供給が停止された後に電力供給が復旧して再起動されたとの条件が成立したときの初期動作処理の実行中に可動体演出の実行を制限する。可動体演出とは、変動表示中に実行されるような第1役物12a、第2役物12bおよび第3役物12cを用いた演出のことである。具体的には、S732において、YESの場合には、その後の処理において可動体演出の実行が制限される。このようにすれば、役物が正常に動作可能であることを確認するための動作を可動体演出により、阻害しないようにすることができる。
(1−4) 図13,図23,図24で示したように、電源投入時との条件が成立したときと停電復旧時との条件が成立したときとで、初期動作の動作態様が異ならせられる。これにより、条件に応じた動作態様で、第2役物12bおよび第3役物12cが正常に動作可能であることを確認するための動作を実行することができる。その結果、液晶シャッター9bと第2役物12bおよび第3役物12cとを好適に制御可能とすることができる。
(1−5) 図15のS754、図23(f)から図23(j)で示したように、初期動作が実行中であることを示す「停電復旧中」の表示が実行可能である。これにより、第2役物12bおよび第3役物12cが正常に動作可能であることを確認するための動作を実行中であることを、遊技者や遊技場の店員に認識させることができる。
(1−6) 図15のS754,S764で示したように、電源投入時との条件が成立したときと停電復旧中との条件が成立したときとで、初期動作が実行中であることを示す報知の態様が異ならせられる。これにより、条件に応じた報知態様で、第2役物12bおよび第3役物12cが正常に動作可能であることを確認するための動作を実行中であることを示す報知を実行することができる。
(1−7) 図15のS752,S762で示したように、第2役物12bおよび第3役物12cの異常が検出される。図15のS754,S755,S764〜S766で示したように、初期動作の実行中に第2役物12bおよび第3役物12cの異常が検出された場合には、初期動作が実行中であることを示す報知状態が変化させられる。
これにより、第2役物12bおよび第3役物12cが正常に動作可能であることを確認するための動作の実行中に、第2役物12bおよび第3役物12cに異常が検出されていない状態から異常が検出された状態となったことを、分かり易く報知することができる。
(1−8) 図23で示したように、液晶シャッター9bは、図22に示すチャンス画像94、味方キャラ画像90a、敵キャラ画像90bなどの演出画像を表示領域に表示可能な演出表示装置9の一部である。演出表示装置9は、透明状態として表示領域を透過率の高い状態と、透過率の低い状態とに変化可能である。これにより、透過率の低い状態である場合と比較して、透過率が高い状態においては、第2役物12bおよび第3役物12cが正常に動作可能であることを確認するための動作を視認させ易くすることができる。
(1−9) 図25で示したように、演出表示装置9は、電源投入時との条件が成立したときの初期動作の実行中に第2役物12bおよび第3役物12cに異常が検出された場合には、透過率の高い状態の表示領域に、異常となっている役物が存在することを示す画像を表示可能である。これにより、第2役物12bおよび第3役物12cが正常に動作可能であることを確認するための動作の実行中に、異常が発生した役物が存在することを認識させることができる。
(2−1) 第2役物12b、第3役物12cは、第1役物12aより後方に配置される。液晶シャッター9bは、第2役物12b、第3役物12cより前方に配置され、第2役物12b、第3役物12cを視認可能とする透明状態と、当該透明状態よりも視認困難とする不透明状態とに変化可能である。図13,図14で示したように、第1役物12aが正常に動作可能であることを確認するための第1役物12aのショートイニシャル動作、ロングイニシャル動作と、第2役物12b、第3役物12cが正常に動作可能であることを確認するための第2役物12b、第3役物12cのショートイニシャル動作、ロングイニシャル動作とを含む初期動作が、電源投入時との条件および停電復旧時との条件が成立したことにより実行可能である。
図24で示したように、液晶シャッター9bが透明状態のときに第2可動体のロングイニシャル動作の実行が可能である。図13,図14,図23,図24で示したように、第1役物12a、第2役物12bおよび第3役物12cの初期動作を所定の順序で実行可能である。
これにより、第1役物12aが正常に動作可能であることを確認するための第1役物12aの初期動作が実行されていないときに、第1役物12aよりも後方に配置される第2役物12b、第3役物12cが正常に動作可能であることを確認するための第2役物12b、第3役物12cの初期動作が実行されることがない。また、液晶シャッター9bが、第2役物12b、第3役物12cを視認可能な透明状態であるときに、第2役物12b、第3役物12c初期動作が実行可能である。このため、透明状態であるときは第2役物12b、第3役物12cの初期動作を確認し易くなる。その結果、液晶シャッター9bと役物とを好適に制御可能とできる。
(2−2) 図15のS752,S762で示したように、第1役物12aおよび第2役物12b、第3役物12c異常が検出される。図15のS756,S767で示したように、初期動作の実行中に、第1役物12aまたは第2役物12b、第3役物12cのうちいずれか一方の役物で異常が検出された場合には、他方の役物での初期動作の実行が制限される。
一方の役物で異常が検出されている場合に他方の役物が正常に動作可能であることを確認するための初期動作が行なわれると、初期動作を確認し難くなる可能性がある。これによれば、初期動作が確認し難くなることを回避することができる。その結果、液晶シャッター9bと役物とを好適に制御可能とできる。
(2−3) 図13,図14,図23,図24で示したように、上述の所定の順序は、第1役物12aの初期動作を完了した後に、第2役物12b、第3役物12cの初期動作を実行する順序である。なお、所定の順序としては、第3役物12c、第2役物12b、第1役物12aの順であってもよいし、どのような順序であってもよい。
これにより、比較的確認し易い前方に配置されている第1役物12aが正常に動作可能であることを確認するための第1役物12aの初期動作において、第2役物12b、第3役物12cが正常に動作可能であることを確認するための第2役物12b、第3役物12cの初期動作と、第1役物12aの初期動作とで共通する部分の異常を確認した後に、第1役物12aの初期動作よりも確認し難い第2役物12b、第3役物12cの初期動作を実行することができる。このため、第1役物12aの初期動作と第2役物12b、第3役物12cの初期動作を効率的に実行することができる。その結果、液晶シャッター9bと役物とを好適に制御可能とできる。
(2−4) 図23(k)〜図23(o)、図24(C)で示したように、第2役物1
2b、第3役物12cの初期動作の実行中に液晶シャッター9bの状態を不透明状態に制御することを制限する。
これにより、第2役物12b、第3役物12cが正常に動作可能であることを確認するための初期動作の実行中に液晶シャッター9bの状態が、第2役物12b、第3役物12cを視認可能とする透明状態よりも視認困難とする不透明状態に制御され難くすることができる。このため、第2役物12b、第3役物12cの初期動作が確認し難くなることを防止できる。その結果、第2役物12b、第3役物12cの初期動作を好適に制御できる。
(2−5) 液晶シャッター9bの状態を常に透明状態とすることが可能である。これにより、第2役物12b、第3役物12cが正常に動作可能であることを確認するための初期動作の実行中に液晶シャッター9bの状態を、第2役物12b、第3役物12cを視認可能とする透明状態としておくことによって、第2役物12b、第3役物12cの初期動作を確認し易くすることができる。
(2−6) 図23で示したように、液晶シャッター9bは、図22に示すチャンス画像94、味方キャラ画像90a、敵キャラ画像90bなどの演出画像を表示領域に表示可能な演出表示装置9の一部である。演出表示装置9は、透明状態として表示領域を透過率の高い状態と、透過率の低い状態とに変化可能である。これにより、透過率の低い状態である場合と比較して、透過率が高い状態においては、第2役物12bおよび第3役物12cが正常に動作可能であることを確認するための動作を視認させ易くすることができる。
(2−7) 図25で示したように、演出表示装置9は、初期動作の実行中に第1役物12aおよび第2役物12b、第3役物12cのうち少なくともいずれか一方で異常が検出された場合には、透過率の高い状態の表示領域に、異常となっている役物が存在することを示す画像を表示可能である。これにより、役物が正常に動作可能であることを確認するための動作の実行中に、異常が発生した役物が存在することを認識させることができる。
(2−8) 図13のS713、図24で示したように、表示領域が透過率の高い状態と低い状態とに正常に切替え可能であるかを試験するチェック動作が実行可能である。
これにより、第2役物12b、第3役物12cを視認可能とする透明状態としての表示領域の透過率の高い状態と、透明状態よりも視認困難とする不透明状態としての透過率の低い状態との変化が正常に実行されるかを確認することができる。
(3−1) 図22(c)に示すように、演出表示装置9の右上領域が透明状態であるときに右上領域と重なる可動位置にある第3役物12cを視認可能である。そして、図22(c)に示すように、演出表示装置9の右上領域が透明状態であるときに演出画像の表示領域と右上領域との境界近傍の特殊領域に第1特殊画像90cを表示している。このようにすれば、右上領域が透明状態であるときに、演出表示装置9における演出画像を表示するための表示領域と右上領域との境界近傍の特殊領域において第1特殊画像90cを表示することにより、演出の向上を図ることができる。具体的には、第3役物12cが第1特殊画像90cにより囲われていることで、第3役物12cの存在を目立たせることができ、第3役物12cを用いた演出の向上を図ることができる。
(3−2) 第2役物12bや第3役物12cは複数の可動位置に移動が可能である。具体的には、第2役物モータ17bを駆動させることにより、アームやハーネス等の周辺構造とともに第2役物12bが移動可能となる。また、第3役物モータ17cを駆動させ
ることにより、アームやハーネス等の周辺構造とともに第3役物12cが移動可能となる。ここで、アームやハーネス等の周辺構造を遊技者に視認させることは適切ではない。よって、たとえば、図22(c)に示すように、アームやハーネス等が遊技者から見えないように第1特殊画像90cを表示すればよい。このようにすれば、第3役物12c等の可動体の周辺構造を視認できないようにすることができ、第3役物12c等の可動体を強調することができる。
(3−3) 図21(a)に示すように、液晶シャッター9bは、右上領域922を透明状態と不透明状態とに切替え可能である。そして、図22(c)に示すように、液晶シャッター9bの右上領域922が透明状態であるときに、液晶シャッター9bの右上領域922と右上領域922以外の領域との境界が遊技者から視認できないように、液晶パネル9aにおける右上領域922に対応する特定領域と右上領域922以外の領域に対応する表示領域との境界近傍に第1特殊画像90cを表示することができる。このようにすれば、第1特殊画像90cを表示することで、透明状態の右上領域922に対応する特定領域と不透明状態の右上領域922以外の領域に対応する表示領域との境界を遊技者に見せないようにできるとともに、透明状態の右上領域922と不透明状態の右上領域922以外の領域との境界を遊技者に見せないようにすることができ、表示を円滑にすることができる。
(3−4) 図22(c)に示すように、演出表示装置9の右上領域が透明状態であるときの右上領域と表示領域との境界近傍の第1特殊領域において、第1特殊画像90cを表示することが可能である。また、図22(d)に示すように、演出表示装置9の左下領域が透明状態であるときの左下領域と表示領域との境界近傍の第2特殊領域において、第2特殊画像90dを表示することが可能である。そして、図22(c),(d)に示すように第1特殊画像90cは、第2特殊画像90dと異なる種類の特殊画像である。具体的には、第1特殊画像90cが斜線の態様であるのに対し、第2特殊画像90dは網掛けの態様である。このように、第3役物12cに対応して第1特殊画像90cが表示され、第2役物12bに対応して第2特殊画像90dが表示されることで、役物の種類に応じた演出をすることができ、演出の向上を図ることができる。
(3−5) 図22(c),(d)に示すように、第1特殊画像90cが表示されている表示期間において、第2特殊画像90dが表示される。このようにすれば、第1特殊画像90cと第2特殊画像90dとが同時に表示される期間を設けることができるので、第3役物12cおよび第2役物12bという複数の役物に注目させることができる。
(3−6) 同じ第3役物12cであったとしても、右上領域に第3役物12cが位置している場合には第1特殊画像90cを表示し、左下領域に第3役物12cが位置している場合には第2特殊画像90dを表示するようにしてもよい。このようにすれば、役物の可動位置に応じた特殊画像により、演出の向上を図ることができる。
(3−7) 図22(d),(e)に示すように、第3役物12cが右上領域から左下領域に移動する前に左下領域を透明状態に切替えるとともに第1特殊画像90cを表示する。このようにすれば、第3役物12cが移動する前に第1特殊画像90cが表示されているので、第3役物12cが移動した際に周辺構造を認識させないようにすることができる。
(3−8) 図22(c)に示すように、第1特殊画像90cは、斜線の態様で表示される。また、図22(d)に示すように、第2特殊画像90dは、網掛けの態様で表示される。このようにすれば、特殊画像は特殊な態様で表示されるので、役物に注目させることができる。
(3−9) 図22(c)に示すように、保留表示Hと重畳しないように第1特殊画像90cが表示される。このようにすれば、第1特殊画像90cにより保留表示Hの視認性を阻害しないようにすることができる。
(3−10) 図22(c)に示すように、第1特殊画像90cは、味方キャラ画像90aや敵キャラ画像90bよりも上のレイヤーに表示される。このようにすれば、特殊画像が演出画像よりも上の表示層に表示されるので、演出画像が表示されていても役物に注目させることができる。
(3−11) 図22(d)に示すように、第1特殊画像90cが表示される特殊領域や第2特殊画像90dが表示される特殊領域は、演出表示装置9の表示領域よりも狭い領域である。このようにすれば、演出表示装置9の表示領域に表示される演出画像の視認性を高めつつ、役物に注目させることができる。
(3−12) 図22(f)に示すように、第1特殊画像90cが表示されているときに、その領域の一部の重なる位置においてタイマ演出が実行される。このようにすれば、特殊画像が表示されている特殊領域を用いてタイマ演出が実行されるので、演出の向上を図ることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態において、停電復旧時との条件が成立したことにより初期動作が実行されたことを示す報知として、演出表示装置9の表示領域の端へのその旨を示すマークの表示を実行可能としてもよい。これによれば、停電復旧時との条件が成立したことにより役物が正常に動作可能であることを確認するための動作が実行されたことを識別可能に報知することができる。このような報知は、遊技場の店員に伝わればよいので、上述の表示領域の端などの遊技者から視認困難な位置に表示する。また、遊技に支障を来さない表示位置(たとえば、保留表示の近傍以外の位置)に表示することが好ましい。
(2) 前述した実施の状態において、初期動作中に、液晶シャッター9bの状態を常に透明状態とすることが可能であるようにしてもよい。たとえば、演出制御基板80上に、液晶シャッター9bの状態を常に透明状態とするか否かを設定するための設定スイッチを設けるようにしてもよい。また、遊技枠を開放した状態で演出表示装置9の表示領域の一部に液晶シャッター9bの状態を常に透明状態とするか否かを設定するための選択肢を表示するようにして、スティックコントローラ122などの操作手段を操作することで、その選択肢を選択できるようにしてもよい。
これにより、第2役物12b、第3役物12cが正常に動作可能であることを確認するためのショートイニシャル動作、ロングイニシャル動作の実行中に液晶シャッター9bの状態を、第2役物12b、第3役物12cを視認可能とする透明状態としておくことによって、第2役物12b、第3役物12cのショートイニシャル動作、ロングイニシャル動作を確認し易くすることができる。
(3) 前述した実施の形態においては、図24(c)で示したように、第1役物12aのショートイニシャル動作の実行中に液晶シャッター9bを不透明とし、ロングイニシャル動作のときに液晶シャッターを透明とした。しかし、これに限定されず、第1役物12aのショートイニシャル動作およびロングイニシャル動作の両方の実行中に液晶シャッター9bを不透明とするようにしてもよい。
(4) 前述した実施の形態においては、第1役物12a、第2役物12bおよび第3
役物12cなどの役物の初期位置が、待機位置であり、かつ、それぞれ第1役物用センサ170a、第2役物用センサ170bおよび第3役物用センサ170cなどの役物用センサで役物の存在を検出可能な原点位置であることとした。しかし、これに限定されず、待機位置と原点位置とは異なる位置であってもよい。この場合、ショートイニシャル動作において、原点位置に移動させて、役物センサで役物の存在が検出された後に、待機位置に移動させる動作を実行するようにする。
(5) 前述した実施の形態において、初期動作は、役物(可動物)が正常に動作可能であることを確認するための動作であって、ショートイニシャル動作およびロングイニシャル動作を含む。
(6) 前述した実施の形態において、役物(可動物)が正常に動作可能であることを確認するのは、液晶シャッター9bなどの遮蔽手段が、背面の役物を視認可能な状態に制御されているときには、遊技場の店員およびパチンコ遊技機1である。また、視認困難な状態に制御されているときには、パチンコ遊技機1により確認が行なわれる。
(7) 前述した実施の形態においては、図24等で示したように、ロングイニシャル動作だけでなく、ショートイニシャル動作についても、複数の役物について所定の順序で実行するようにした。しかし、これに限定されず、ショートイニシャル動作については、複数の役物について同時に実行するようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態においては、図11、図23等で示したように、電源断となったときに演出制御基板80において、演出内容はバックアップ記憶されないため、図柄確定コマンドが受信されるまでは「停電復旧中」の表示が継続されるようにする。しかし、これに限定されず、電源断となったときに演出制御基板80において、演出内容がバックアップ記憶されるようにして、役物等の初期動作が完了した後は、バックアップ記憶されていた演出が実行されるようにしてもよい。
(9) 前述した実施の形態においては、図13,図23,図24で示したように、電源投入時との条件が成立したときと停電復旧時との条件が成立したときとで、前者ではショートイニシャル動作+ロングイニシャル動作、後者では、ショートイニシャル動作のみとすることで、初期動作の動作態様が異なるようにした。しかし、これに限定されず、役物の動作量、動作順序または動作速度を異ならせるようにしてもよい。この場合、電源投入時との条件が成立したときは遊技場の店員が役物の初期動作を確認するために、初期動作を長くなるように動作態様を異ならせる。停電復旧時との条件が成立したときは遊技者が遊技中である場合があるので、初期動作を短くなるように動作態様を異ならせる。
(10) 前述した実施の形態においては、図13,図14,図23,図24で示したように、第1役物12a、第2役物12b、第3役物12cの順で初期動作を実行するようにした。つまり、演出表示装置9の前面の役物の初期動作が終了した後に、背面の役物の初期動作を実行するようにした。しかし、これに限定されず、演出表示装置9の背面の役物の初期動作が終了した後に、前面の役物の初期動作を実行するようにしてもよい。
(11) 前述した実施の形態においては、図15のS754、図23(f)から図23(j)で示したように、電源投入時との条件が成立しているときに初期動作が実行中であることを示す「停電復旧中」の表示を実行可能であることとした。しかし、これに限定されず、「動作チェック中」の文字やインジケータの表示など、他の表示であってもよい。また、枠ランプのいずれかを特定の態様で点灯/点滅させるようにしてもよい。
(12) 前述した実施の形態においては、図23(a)から図23(e)等で示した
ように、停電復旧時との条件が成立しているときに液晶シャッター9bを透過状態とする場合は、初期動作が実行中であることを示す表示を実行しないようにした。しかし、これに限定されず、このような場合であっても、液晶シャッター9bの一部を非透過状態として、その非透過状態の部分において、初期動作が実行中であることを示す表示を実行するようにしてもよい。また、枠ランプのいずれかを特定の態様で点灯/点滅させるようにしてもよい。この場合に、停電復旧時との条件が成立しているときと、電源投入時との条件が成立しているときとで、初期動作が実行中であることを示す表示の態様(たとえば、表示位置、表示サイズ、文字情報の内容、音出力の有無、ランプの点灯パターン)を異ならせるようにしてもよい。
(13) 前述した実施の形態においては、図15のS752,S762および図15のS755,S765,S766で示したように、初期動作の実行中に役物に異常が検出された場合には、初期動作が実行中であることを示す特定報知の報知状態が変化するようにした。具体的には、停電復旧中の表示や初期動作中の音声の出力から、初期動作での異常発生の表示や音声の出力に変化するようにした。この場合に、控え目な報知から激しい報知に変化するようにしてもよい。また、表示位置や表示サイズや音出力やランプの点灯パターン等を変化するようにしてもよい。
(14) 前述した実施の形態においては、役物よりも前方に配置され役物を視認可能とする第1状態と当該第1状態よりも視認困難とする第2状態とに変化可能な遮蔽手段が、液晶シャッター9bであることとした。しかし、これに限定されず、物理的な遮蔽物(シャッターなどの遮蔽役物)であってもよい。
(15) 前述した実施の形態においては、電源投入時との条件が成立しているときの初期動作中に液晶シャッター9bの透過状態/非透過状態の切替タイミングについては、図24(A)で示したように、チェック動作の終了後のショートイニシャル動作およびロングイニシャル動作の全期間に亘って、透過状態とするようにした。また、図24(C)で示したように、チェック動作の終了後、第1役物12aのショートイニシャル動作の期間は不透過状態とし、それ以後は、ショートイニシャル動作およびロングイニシャル動作の期間に亘って、透過状態とするようにした。
しかし、これに限定されず、他のタイミングであってもよい。図24(C)で示した場合において、第1役物12aのロングイニシャル動作の期間も不透過状態とするようにしてもよい。また、図24(C)で示した場合において、第1役物12aのショートイニシャル動作の期間は透過状態として、第1役物12aのロングイニシャル動作の期間は不透過状態とするようにしてもよい。また、演出表示装置9のチェック動作を行なわずに、液晶シャッター9bを上述のように制御してもよい。また、ショートイニシャル動作やロングイニシャル動作の実行後に、演出表示装置9のチェック動作を実行してもよい。
(16) 前述した実施の形態では、液晶シャッター9bを導光板904よりも後方の位置に設けるようにしてもよい。また、液晶シャッター9bを2枚以上用いるようにしてもよい。また、液晶シャッター9bは、電圧をかけることで透明状態となるものを説明したが、通常は透明状態であり電圧をかけることで不透明状態となるものであってもよい。
(17) 前述した実施の形態では、液晶シャッター9bは、電圧をかけることで不透明状態から透明状態となるものを説明したが、電圧の変化により透過率が徐々に変化するものであってもよい。たとえば、電圧を上昇するに連れて透過率が0%から100%へ向けて上がっていくものでもよい。
(18) 前述した実施の形態では、第1特別図柄の変動表示に同期した第1特別図柄
用の第4図柄と、第2特別図柄の変動表示に同期した第2特別図柄用の第4図柄とを設けるようにしてもよい。そして、第4図柄を演出表示装置9上で表示するときには、表示領域が透明状態となるか否かに関わらず、第4図柄は常に表示されているようにすることが望ましい。
(19) 前述した実施の形態では、所定の異常が発生したときに異常に関するメッセージを表示するようにしてもよい。このような異常に関するメッセージは、特殊画像よりも優先して表示するようにすればよい。優先して表示するとは、特殊画像よりも上のレイヤーで表示すること、特殊画像よりも目立つ態様で表示すること、特殊画像よりも大きな表示領域で表示すること等を含むものである。
(20) 前述した実施の形態では、電断後に役物を初期動作させるときには、特殊画像を表示しないようにしてもよい。このようにすれば、特殊画像により、役物の初期動作が視認し難くなることを防止することができる。また、電断後に役物を初期動作させるときに、特殊画像を表示するようにしてもよい。このようにすれば、特殊画像を基準に、役物が所定の可動位置に正常に移動できているか否かを確認することができる。なお、前述した二通りの役物の初期動作を段階的に実行するようにしてもよい。
(21) 前述した実施の形態では、特殊画像を表示せずに役物を移動させるパターンと特殊画像を表示して役物を移動させるパターンとを設けてもよい。そして、大当り期待度に応じた割合でいずれかのパターンが選択されるようにしてもよい。
(22) 前述した実施の形態では、先読み予告演出としてターゲットの変動表示が開始される前に特殊画像を表示してもよい。そして、ターゲットの変動表示中に特殊画像で囲まれた領域を透明状態としてもよい。
(23) 前述した実施の形態では、第1特殊画像90cは斜線の態様、第2特殊画像90dは、網掛けの態様で示す場合を説明した。しかし、特殊画像は、色や形、大きさ等が異なるものであってもよい。
(24) 前述した実施の形態では、保留表示Hが特殊画像と重畳しない位置に表示される場合を示した。しかし、保留表示H以外のアクティブ表示も特殊画像と重ならないようにしてもよい。ここで、アクティブ表示とは、実行されている変動表示に対応した表示であり、当該変動表示の大当り期待度等が示唆される表示である。また、保留表示、アクティブ表示、小図柄等の表示は、特殊画像と重なって表示される場合があってもよいが、その場合は、特殊画像よりも上のレイヤーで表示すればよい。
(25) 前述した実施の形態では、図22に示すように、第1特殊画像90cを表示中に第2特殊画像90dを表示する場合を示した。このような場合に、表示中の第1特殊画像90cを一旦消去してから第2特殊画像90dを表示し、第2特殊画像90dを表示し終えてから、再度第1特殊画像90cを表示するようにしてもよい。このように、特殊画像の表示の順序等は、演出に合わせ適宜変更してもよい。
(26) 前述した実施の形態では、役物の種類や可動位置に応じて、特殊画像の表示態様を異ならせるようにしていた。しかし、大当り遊技状態等の有利状態に制御するか否かにより、特殊画像の種類を異ならせてもよい。たとえば、大当り期待度が高い変動の場合には、特殊画像を赤色で表示し、大当り期待度の低い変動の場合には、特殊画像を青色で表示するようにしてもよい。
(27) 前述した実施の形態では、特殊画像が表示される特殊領域は、演出画像が表
示される表示領域よりも狭い範囲の領域であった。特殊画像を表示する領域は、演出に合わせ全体の表示領域に占める表示の割合を適宜変更することができるようにしてもよい。たとえば、特殊画像が表示される領域が狭ければ演出画像に注目させることができる。また、逆に特殊画像が表示される領域が広ければ、役物を用いた演出に注目させることができる。
(28) 前述した実施の形態では、図22(f)に示すように、第3役物12cと第2役物12bとが重なる位置にある場合には、第2役物12bよりも大きな第3役物12cに応じた第1特殊画像90cが表示される場合を示した。しかし、2つの役物が重なる場合には、第1特殊画像90cや第2特殊画像90dとは異なる専用の別の特殊画像が表示されるようにしてもよい。
(29) 前述した実施の形態では、図22(c)に示すように液晶パネル9aにおける右上領域とその他の表示領域との境界近傍の特殊領域に第1特殊画像90cが表示される場合を示した。しかし、特殊画像は、境界近傍のみではなく、第3役物12cの周囲の近傍まで表示されるようにしてもよい。このようにすれば、第3役物12cのより後ろの部分を視認させないようにすることができる。
(30) 前述した実施の形態では、電源投入時の初期動作においては、特殊画像を表示しないようにしてもよい。また、逆に電源投入時の初期動作において、特殊画像を表示してもよい。このような場合には、役物が特定領域まで正常に動作したことを店員に確認させてから特殊画像を表示するようにすればよい。そして、特殊画像の表示後は、表示手段としての液晶シャッター9bを透過状態に戻してから役物を待機位置に戻すようにすればよい。
(31) 前述した実施の形態に示した各種演出は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。スロットマシンにおいては、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、といったボーナス、また内部抽選結果を報知する演出を実行するAT、通常遊技状態と比較して再遊技役の当選確率が異なるRT、ATとRTとに移行されたART等に有利な状態へ制御されるときの演出や、有利な状態に制御されることを示唆する演出を実行する際に、前述した特殊画像を用いた演出が実行されるようにしてもよい。
(32) 前述した実施の形態では、図21に示すように、液晶シャッター9bを4等分した領域の一部が透明状態となる場合を示した。しかし、透明状態となる領域は、このようにきっちりと4等分した領域でなくともよい。たとえば、液晶シャッター9bの中央部分が透過領域であってもよいし。透過する領域の形状も単なる四角型ではなく、丸型や三角型等のどのような形であってもよい。
(33) 前述した実施の形態では、役物が故障等により正常に可動することができない場合において、特殊画像を表示しないようにしてもよい。このようにすれば、表示される必要のない特殊画像が表示されることを防ぐことができる。
(34) 前述した実施の形態では、役物が右上領域から左下領域というような領域を移動するときは、役物が遊技者から視認できることはなかった。しかし、役物が視認可能なまま領域を移動するようにしてもよい。たとえば、役物が第1位置から第2位置へ移動する際に、役物に対応する位置の液晶シャッター9bを透明状態とするとともに、その周
囲の液晶パネル9aに特殊画像を表示するようにすればよい。
(35) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(36) 前述した実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。
(37) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機等の装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(38) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入
式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
(39) 前述した実施の形態では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。たとえば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要なく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、たとえば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(40) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(41) 前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置20における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(42) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。