JP2019107067A - 加速度成分の代表値で生体信号発生を判定する生体信号処理装置、プログラム及び方法 - Google Patents
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Abstract
Description
当該入力信号の加速度成分データを生成する加速度成分生成手段と、
当該加速度成分データにおける所定時間区間でのデータの偏り具合に係る代表値を算出する代表値算出手段と、
算出された当該代表値の大きさに基づいて当該生体信号の発生を判定する信号発生判定手段と
を有する生体信号処理装置が提供される。
当該入力信号の加速度成分データを生成する加速度成分生成手段と、
当該加速度成分データにおける所定時間区間でのデータの偏り具合に係る代表値を算出する代表値算出手段と、
算出された当該代表値の大きさに基づいて当該生体信号の発生を判定する信号発生判定手段と
してコンピュータを機能させる生体信号処理プログラムが提供される。
当該入力信号の加速度成分データを生成するステップと、
当該加速度成分データにおける所定時間区間でのデータの偏り具合に係る代表値を算出するステップと、
算出された当該代表値の大きさに基づいて当該生体信号の発生を判定するステップと
を有する生体信号処理方法が提供される。
図1は、本発明による生体信号処理装置の一実施形態を示す模式図である。
(a)生体信号を取り込み処理する部分である信号処理ボックス11を備えた、装置本体部としてのフレーム部と、
(b)頭部の皮膚に接触する位置であってフレーム部11の重量の少なくとも一部を受け止め可能な位置に配された、生体信号を受信するための電極部としてのプラス電極パッド13及びマイナス電極パッド14と、
(c)プラス電極パッド13及びマイナス電極パッド14を介して受信された生体信号を信号処理ボックス11へ伝えるための導電路を備えた弾性支持部と、
(d)鼻の上部近傍に接触する位置に配され、生体信号受信の際のグランド(GND)電極又はノイズキャンセル用電極を備えた鼻パッド電極部15と
を有している。なお、上記(d)のノイズキャンセル用電極は、商用電源等に起因するコモンモードノイズを低減させるDRL(Driven Right Leg)電極であってもよい。
同じく図1によれば、信号処理ボックス11に含まれる生体信号処理部12は、生体信号を含み得る入力信号の処理部であり、
(A)入力信号の「加速度成分データ」を生成する加速度成分生成部123と、
(B)「加速度成分データ」における所定時間区間でのデータの偏り具合に係る「代表値」を算出する代表値算出部124と、
(C)算出された「代表値」の大きさに基づいて生体信号の発生を判定する信号発生判定部125と
を有することを特徴としている。ここで「代表値」として、例えば標準偏差SDを用いてもよいが、より好ましくは後に詳述する、標準偏差SDを重み付けした値SDWを採用することができる。
(a)プラス電極パッド13と電気的に接続されたプラス(検出用)電極と、
(b)マイナス電極パッド14と電気的に接続されたマイナス(リファレンス)電極と
の電位差の交流成分を、
(c)鼻パッド電極15と電気的に接続されたGND電極
におけるGND電位との差動増幅によって増幅し、このアナログの生体信号を一定のサンプリング周波数でデジタル化する。
(1) y[n]=x[n]−x[n-1]+r*y[n-1]
のような差分方程式の下で機能する。ここで、nはサンプル位置(サンプル・インデックス)であり、x[n]及びy[n]はそれぞれ、サンプル位置nの入力信号及び出力信号である。また、係数rは0〜1の値をとり、r=0の場合、このフィルタは次に説明する差分フィルタと等価になる。ちなみに、後に図2を用いて説明する実施例では、r=0.9に設定されている。
(2) y[n]=x[n]−x[n-1]
の通りとなる。上式(2)において、nはサンプル位置(サンプル・インデックス)であり、x[n]及びy[n]はそれぞれ、サンプル位置nの入力信号及び出力信号である。
(3) SDW[k]=W[k]*SD[k]
によって代表値SDW[k]を算出する。ここで上式(3)において、kはウィンドウ位置(ウィンドウ・インデックス)であり、SDW[k]、W[k]及びSD[k]における[k]は、それぞれウィンドウ位置kでの値であることを示す。
(a)「筋電信号・ノイズ:無し」:筋電信号もノイズも存在しない入力信号の波形、
(b)「筋電信号・ノイズ:有り」:筋電信号及びノイズが存在する入力信号の波形、
(c)「筋電信号:有り」:筋電信号が存在する(ノイズは存在しない)入力信号の波形、及び
(d)「ノイズ:有り」:ノイズが存在する(筋電信号は存在しない)入力信号の波形
を示す。
(e)「まばたきによる信号」:強めにまばたきを行った際の入力信号の波形
も示されている。この入力信号波形によれば、本実施例のようにメガネ型の装置を使用した場合にまばたきを強く行うと、アーチファクトが混入することが分かる。
(4) W=exp(1−len_th/obs)
によって規定されている。また、図4(A)ではobs=15であって、Len_th=15ならばW=1.0となる。さらに、len_thが大きくなるにつれて指数重みWは急激に減少し、ゼロに漸近する。実際、len_thがウィンドウ分析区間長(128サンプル)相当となると、指数重みWは概ねゼロとなる。
(5) W=1/((len_th−obs)/a+1)
によって規定される。ここで、aはobsを超える値(a>obs)をとって分母を正値にすることが好ましい。図4(B)の反比例重みWは、a=obs*obs(=225)の場合であり、Len_th=15ならばW=1.0となる。また、len_thが大きくなるにつれて反比例重みWは減少し、ゼロに近づく。
(a)代表値SDW(の推移を示す折れ線)が閾値Thhのラインを下方(値の小さい方)から横切って上方(値の大きい方)に向かう点をカウント開始点(丸印)とし、
(b)代表値SDW(の推移を示す折れ線)が閾値Thl(<Thh)のラインを上方(値の大きい方)から横切って下方(値の小さい方)に向かう点をカウント終了点(三角印)として、
これらのカウント開始点とそれに次ぐカウント終了点との組毎に1だけカウントを増分する。
図6は、本発明による生体信号処理方法の一実施形態の概略を示すフローチャートである。なお、図6に示した本実施形態のフローには、生体信号判別部126(図1)による生体信号種別判定処理が含まれているが、この種別判定処理については別途詳細に説明を行う。
(S102)バッファリングされた入力信号に対し、商用電源に係る周期的ノイズを低減するノッチフィルタ処理を実施する。
(S103)ノッチフィルタ処理を施された入力信号に対し、LPF処理を実施する。
(S104)LPF処理を施された入力信号に対し、2階差分フィルタ処理を実施する。
(S105)2階差分フィルタ処理を施され、時系列の加速度成分データとなった入力信号を、所定のウィンドウ分析区間に分割する。
(S107)ウィンドウ分析区間毎に代表値SDWを算出する。
(S108)ウィンドウ分析区間毎に、代表値SDWが所定閾値Thを上回っているか(SDW>Th)否かを判定する。
(S109a)ステップS108で上回っている(SDW>Th)との判定を行った場合、当該ウィンドウ分析区間において何らかの生体信号が発生したと判断し、その種別を判定すべくステップS110に移行する。
(S111)種別を判定された生体信号の発生回数、すなわち該当生体現象の生起回数をカウントする。このカウントについても後に説明を行う。
(S109b)一方、ステップS108で上回っていない(SDW≦Th)との判定を行った場合、当該ウィンドウ分析区間では生体信号は発生していないと判断し、その旨を生体信号発生回数に反映すべくステップS111に移行する。
(a)MT(Mahalanobis Taguchi)法における単位空間、及びマハラノビス距離から算出される値、
(b)MTA(Mahalanobis-Taguchi Adjoint)法における単位空間、及びマハラノビス距離から算出される値、
(c)T法における単位空間、及び特性値から算出される値、又は
(d)RT(Recognition Taguchi)法における単位空間、及びRT距離から算出される値
を採用することができる。ちなみに、このような生体信号種別判定の方法が有効であることも、本願発明者が実験を通して見出したものである。
(ア)無表情状態及び口角上げ状態(を合わせた状態群)
(イ)無表情状態
(ウ)口角上げ状態
についての3つの単位空間を設計し、入力信号において、これらの単位空間からの離隔度合いをそれぞれ距離1、距離2及び距離3として算出して、(判定用距離)=(距離2)−(距離1)−(距離3)とすることによって、より好適な判定結果が得られることが分かっている。
図7及び図8は、本発明による生体信号処理装置の他の実施形態を示す模式図である。
1’ ヘッドフォン(生体信号処理装置)
1’’ イヤホン(生体信号処理装置)
11 信号処理ボックス
12 生体信号処理部
121 信号変換部
122 前フィルタ処理部
122a ノッチフィルタ部
122b LPF部122b
123 加速度成分生成部
123a 2階差分フィルタ部
124 代表値算出部
125 信号発生判定部
126 生体信号判別部
127 信号インタフェース
13 プラス電極パッド
14 マイナス電極パッド
15 鼻パッド電極部
2 携帯端末
Claims (10)
- 生体信号を含み得る入力信号を処理する生体信号処理装置であって、
当該入力信号の加速度成分データを生成する加速度成分生成手段と、
当該加速度成分データにおける所定時間区間でのデータの偏り具合に係る代表値を算出する代表値算出手段と、
算出された当該代表値の大きさに基づいて当該生体信号の発生を判定する信号発生判定手段と
を有することを特徴とする生体信号処理装置。 - 前記代表値算出手段は、
当該所定時間区間における当該加速度成分データの加速度成分が所定範囲内に連続して留まっている時間区間の長さについて単調減少関数となる重みを算出し、
当該所定時間区間における当該加速度成分データの偏り具合に係る値を、当該重みによって重み付けした値を当該代表値とする
ことを特徴とする請求項1に記載の生体信号処理装置。 - 当該加速度成分データを生成する前の当該入力信号に対し、商用電源に係るノイズを低減する帯域除去フィルタ処理と、バイアス変動成分を抽出する低域通過フィルタ処理とを実施する前フィルタ処理手段を更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の生体信号処理装置。
- 前記信号発生判定手段は、当該代表値の時系列データが所定のヒステリシスをn度(nは自然数)示した際、当該生体信号がn回発生したと判定することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の生体信号処理装置。
- 当該生体信号が発生したとの判定に係る時間区間において、当該入力信号の平均パワー周波数を算出し、当該平均パワー周波数の高さに基づいて、発生した当該生体信号の種別を判定する生体信号判別手段を更に有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の生体信号処理装置。
- 当該生体信号が発生したとの判定に係る時間区間において、当該入力信号の標準偏差と平均パワー周波数とを含む特徴量を算出し、当該特徴量について、基準状態に該当する入力信号の当該特徴量によって設定された単位空間から離隔した度合いである離隔度合いを算出し、算出された当該離隔度合いに基づいて、発生した当該生体信号の種別を判定する生体信号判別手段を更に有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の生体信号処理装置。
- 当該生体信号は、ユーザの頭部に付されたデバイスであって、リファレンス用電極が左(又は右)の耳介周辺から頬近傍の1つの皮膚位置に接し、検出用電極が右(又は左)の耳介周辺から頬近傍の1つの皮膚位置に接するような電極構成を有するデバイスによって取得された信号であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の生体信号処理装置。
- 当該生体信号は、口角上げに係る筋肉に起因する筋電信号であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の生体信号処理装置。
- 生体信号を含み得る入力信号を処理する装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムであって、
当該入力信号の加速度成分データを生成する加速度成分生成手段と、
当該加速度成分データにおける所定時間区間でのデータの偏り具合に係る代表値を算出する代表値算出手段と、
算出された当該代表値の大きさに基づいて当該生体信号の発生を判定する信号発生判定手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする生体信号処理プログラム。 - 生体信号を含み得る入力信号を処理する装置に搭載されたコンピュータによる生体信号処理方法であって、
当該入力信号の加速度成分データを生成するステップと、
当該加速度成分データにおける所定時間区間でのデータの偏り具合に係る代表値を算出するステップと、
算出された当該代表値の大きさに基づいて当該生体信号の発生を判定するステップと
を有することを特徴とする生体信号処理方法。
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