JP2019106462A - 気相成長装置及び温度測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウエハの外周側の温度を精度よく測定する。【解決手段】成長装置は、ウエハ上に気相成長反応により成膜を行う反応室と、反応室の上方に配置され、反応室に原料ガスを供給する原料供給部と、原料供給部の上方に配置され、ウエハの中心から所定距離の温度を測定する放射温度計と、ウエハを載置する保持部と、保持部の中心を軸として保持部を自転させる回転部と、保持部のウエハの載置面とは反対の面側に配置され、ウエハを加熱する加熱器と、ウエハを回転させながら放射温度計にて測定された温度が入力され、所定期間毎に最低の温度を保持する温度保持部と、保持された温度に基づいて、加熱器を制御する制御部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、気相成長装置及び温度測定方法に関する。
気相中でのエピタキシャル成長技術を利用する成膜装置(気相成長装置)では、常圧または減圧に保持されたチャンバの内部にウエハを載置する。そして、ウエハを加熱しながらチャンバ内に成膜のための原料となるガスを供給すると、ウエハの表面で原料ガスの熱分解反応および水素還元反応が起こり、ウエハ上にエピタキシャル膜が成膜される。
ウエハ上に高品質で、均一な膜厚で、良好な膜質の膜を堆積させるためには、ウエハの温度を正確に制御する必要がある。このため、放射温度計を用いてウエハの温度を測定し、放射温度計の測定結果に基づいて加熱手段の出力を制御する(例えば、特許文献1参照)。
また、気相成長装置の中で枚葉式と呼ばれる1枚のウエハを処理する装置(以下枚葉式成膜装置)は、高い面内均一性を実現するために好適であることが知られている。さらに一般に枚葉式の気相成長装置では、ウエハをウエハの中心を回転中心として自転させながら、異なる半径位置に複数の温度モニタを設置して温度制御することで、高い半径方向の温度均一性が実現できる。とくにウエハの最外周でウエハの温度を計測することは、ウエハの最外周の位置まで均一な成膜を行うために重要である。
温度モニタとしては熱輻射光強度により温度を計測する放射温度計(パイロメータ)が非接触、高速な計測、精度、取り扱いの容易さなどの点からよく用いられている。なお、放射温度計から計測対象の正確な温度を測るためには、計測対象の放射率により熱輻射光強度の補正を行う必要がある。
一方、6インチ以下のウエハには、多くの場合、結晶方位を識別するためのオリエンテーション・フラット(以下、オリフラ)が設けられている。オリフラは、ウエハの外周面の一部を直線状に切り取って形成される。
ウエハにオリフラがあると、枚葉式成膜装置でウエハを自転させながら温度を測る場合に、外周側のオリフラがかかる位置ではウエハの温度を計測できなくなる。例えば、6インチウエハにオリフラを設けると、オリフラ形成前のウエハの外周位置からオリフラ位置までの径方向長さは最大5mm程度となり、この範囲内では、温度モニタはウエハ部分とオリフラにより切り取られた部分との両方の温度を計測することになる。このためこの部分での温度のモニタはウエハ部分とオリフラ部分と見ることになり、正確なウエハの温度を計測できなくなる。
この状況を詳しく見ると、外周部のオリフラにより切り取られた部分では、放射温度計は、サセプタからの熱輻射光強度を検出して温度を測定することになる。サセプタとウエハは同じ温度であるとは限らない。さらにサセプタは、ウエハとは異なる材料で形成されており、サセプタとウエハでは放射率も異なっている。よって、サセプタからの熱輻射光強度では、ウエハの温度を正確に把握することはできない。このように、オリフラを有するウエハでは、外周側の温度を精度よく測定できないおそれがある。
特開2007−95889号公報
本発明が解決しようとする課題は、オリフラを有するウエハの外周側の温度を精度よく測定可能な気相成長装置及び温度測定方法を提供するものである。
本実施形態によれば、ウエハ上に気相成長反応により成膜を行う反応室と、
前記反応室の上方に配置され、前記反応室に原料ガスを供給する原料供給部と、
前記原料供給部の上方に配置され、前記ウエハの中心から所定距離の温度を測定する放射温度計と、
前記ウエハを載置する保持部と、
前記保持部の中心を軸として前記保持部を自転させる回転部と、
前記保持部の前記ウエハの載置面とは反対の面側に配置され、前記ウエハを加熱する加熱器と、
前記ウエハを回転させながら前記放射温度計にて測定された前記温度が入力され、所定期間毎に最低の温度を保持する温度保持部と、
前記保持された温度に基づいて、前記加熱器を制御する制御部と、を備える気相成長装置が提供される。
前記ウエハはオリエンテーション・フラットを有し、前記温度保持部は、前記ウエハの前記オリエンテーション・フラット以外の外周部分を測定した温度を保持してもよい。
前記所定期間は、前記所定期間内に前記放射温度計が測定した前記ウエハのオリエンテーション・フラット以外の外周部分の温度が前記温度保持部に少なくとも1回入力されるように設定してもよい。
前記所定期間は、前記回転部の回転速度に基づいて設定してもよい。
本実施形態によれば、気相成長反応により成膜されるウエハを、前記ウエハ中心を軸として自転させ、上方に配置される放射温度計により前記ウエハの中心から所定距離の温度を測定し、
測定された前記温度について、所定期間毎に最低の温度を保持し、保持された温度を前記ウエハの中心から所定距離の温度として出力する、温度測定方法が提供される。
一実施形態による気相成長装置の概略構成を示す図。 第1放射温度計の内部構成を示す図。 ウエハをサセプタ上に載置した状態の平面図。 ウエハの回転角と第1放射温度計による測定温度の関係を示すグラフ。 温度保持部の動作を説明する図。 オリフラ部分の通過時間を説明する図。 ピークホルダの概略的なブロック図。 温度保持部が行う保持動作を示すフローチャート。 ウエハの他の一例を示す図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の実施形態では、気相成長装置内の特徴的な構成および動作を中心に説明するが、気相成長装置には以下の説明で省略した構成および動作が存在しうる。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。さらに、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
図1は一実施形態による気相成長装置1の概略構成を示す図である。図1の気相成長装置1は、枚葉式であり、ウエハWごとに成膜処理が行われる。本実施形態では、成膜処理を行う基板としてシリコン基板、具体的にはシリコンウエハ(以下、単にウエハと呼ぶ)Wを用い、このウエハW上に単一の膜を、あるいは複数の薄膜を積層して、成膜する例を説明する。以下では、気相成長方法としてMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)を例に取って、具体的に説明する。なお、本実施形態は、シリコン基板以外の基板に成膜する場合にも適用可能である。また、基板の表面に複数の薄膜を積層する製法は、MOCVD以外の製法でもよい。
図1の気相成長装置1は、ウエハWに成膜を行うチャンバ2と、このチャンバ2内のウエハWに原料ガスを供給するガス供給部3と、チャンバ2の上部に位置する原料供給部4と、チャンバ2内でウエハWを支持するサセプタ5と、このサセプタ5を保持して回転させる回転部6と、ウエハWを加熱するヒータ7と、チャンバ2内のガスを排出するガス排出部8と、このガス排出部8からガスを排気する排気機構9と、ウエハWの外周側の温度を測定する第1放射温度計10と、ウエハWの内周側の温度を測定する第2放射温度計11と、温度保持部12と、各部を制御する制御部13とを備えている。
チャンバ2は、成膜対象のウエハWを収納可能な形状(例えば、円筒形状)であり、チャンバ2の内部に、サセプタ5、ヒータ7、回転部6の一部などが収容されている。
ガス供給部3は、複数のガスを個別に貯留する複数のガス貯留部3aと、これらガス貯留部3aと原料供給部4とを接続する複数のガス管3bと、これらガス管3bを流れるガスの流量を調整する複数のガスバルブ3cとを有する。各ガスバルブ3cは、対応するガス管3bに接続されている。複数のガスバルブ3cは、制御部13により制御される。実際の配管は、複数のガス管を結合したり、1本のガス管を複数のガス管に分岐したり、ガス管の分岐や結合を組み合わせるなどの複数の構成を取りうる。
ガス供給部3から供給される原料ガスは、原料供給部4を通って、チャンバ2内に放出される。チャンバ2内に放出された原料ガス(プロセスガス)は、ウエハW上に供給され、これにより、ウエハW上に所望の膜が形成されることになる。なお、使用する原料ガスの種類は、特に限定されない。
原料供給部4の底面側には、シャワープレート4aが設けられている。このシャワープレート4aは、ステンレス鋼やアルミニウム合金等の金属材料を用いて構成することができる。複数のガス管3bからのガスは、原料供給部4内で混合されて、シャワープレート4aのガス噴出口4bを通ってチャンバ2内に供給される。なお、シャワープレート4aにガス流路を複数設け、複数種類のガスを分離したままチャンバ2内のウエハWに供給してもよい。
原料供給部4の構造は、成膜された膜の均一性、原料効率、再現性、製作コストなどを勘案して選定されるべきであるが、これらの要求を満たすものであれば特に限定されるものではなく、公知の構造のものを適宜用いることもできる。
サセプタ5は、回転部6の上部に設けられており、サセプタ5の内周側に設けられた座ぐり内にウエハWを載置して支持する構造になっている。なお、図1の例では、サセプタ5は、その中央に開口部を有する環状形状であるが、開口部のない略平板形状でもよい。
ヒータ7は、サセプタ5および/またはウエハWを加熱する加熱部である。加熱対象を所望の温度および温度分布に加熱する能力、耐久性などの要求を満たすものであれば、特に限定されない。具体的には、抵抗加熱、ランプ加熱、誘導加熱などが挙げられる。ヒータ7は、ウエハWの反応室に対向する面とは反対の面側、すなわちサセプタ5の下方に配置されている。ヒータ7は、少なくとも、ウエハWの外周側を加熱する第1加熱部と、ウエハWの内周側を加熱する第2加熱部と、を有する。制御部13は、第1加熱部と第2加熱部を個別に制御する。より具体的には、制御部13は、第1放射温度計10の測定結果に基づいて第1加熱部を制御し、第2放射温度計11の測定結果に基づいて第2加熱部を制御する。
排気機構9は、ガス排出部8を介してチャンバ2の内部から反応後の原料ガスを排気し、排気バルブ9bと真空ポンプ9cの作用により、チャンバ2内を所望の圧力に制御する。
第1放射温度計10と第2放射温度計11は、原料供給部4の上面に設けられている。第1放射温度計10と第2放射温度計11は、ウエハWの膜成長面Waからの熱輻射光を受光して、熱輻射光強度を測定する。第1放射温度計10と第2放射温度計11は、その内部にデータ演算部を有してもよい。このデータ演算部は、熱輻射光強度とあらかじめ設定された測定対象の放射率から、ウエハWの温度を求める。データ演算部は、例えば、汎用のコンピュータにより構成可能である。
第1放射温度計10はウエハWの外周側の温度を測定するために設けられ、第2放射温度計11はウエハWの内周側の温度を測定するために設けられている。なお、一つの放射温度計をウエハWの径方向に動かしてウエハWの外周側と内周側の温度を測定してもよい。
温度保持部12は、第1放射温度計10で測定され所定期間内に複数回取得された温度が入力され、入力された所定期間内の温度のうち、最低の温度を保持する。すなわち、所定期間は保持(ホールド)周期となる。オリフラ部の温度はウエハWの温度より高くなるため、温度保持部12は、ウエハWのオリフラ以外の外周部分で測定した温度を保持する。ここで「オリフラ以外の部分」とは、ウエハWの外周部分でオリフラにより切り取られた部分以外の部分、つまりウエハWが存在する部分を意味する。
本実施形態では、放射温度計の応答速度を考慮して、所定の回転速度で、所定期間内に少なくとも1回は第1放射温度計10がウエハWのオリフラ以外の外周部分の温度を測定するように、所定期間が設定される。また、ウエハWが1周する間に第1放射温度計10により、複数回、温度が測定され、そのうち少なくとも1回は第1放射温度計10がウエハWのオリフラ以外の外周部分の温度を測定して温度保持部12に入力できるような応答速度の放射温度計を選定する。または、制御部13はウエハWの回転速度により、上記の所定期間、あるいは、上記の放射温度計の応答速度が上記の条件を満たさないような場合、その旨の注意を促すアラーム信号を出してもよい。
原料供給部4の上面には、光透過窓2aが設けられており、第1放射温度計10と第2放射温度計11の光源からの光と、ウエハWからの反射光および熱輻射光は、この光透過窓2aを通過する。光透過窓2aは、スリット形状や矩形状、円形状などの任意の形状を取り得る。窓には、放射温度計10で計測する光の波長範囲で透明な部材を用いる。室温から1500℃程度の温度を測定する場合には、可視領域から近赤外領域の光の波長を計測するのが好ましく、その場合には窓の部材としては石英ガラスなどが好適に用いられる。
制御部13は、気相成長装置1内の各部を集中的に制御するコンピュータと、成膜処理に関する成膜処理情報や各種プログラムなどを記憶する記憶部とを備えている。制御部13は、成膜処理情報や各種プログラムに基づいて、ガス供給部3や回転部6の回転機構、排気機構9などを制御し、ヒータ7によるウエハWの加熱などを制御する。
また、制御部13には、第1放射温度計10で測定されて、温度保持部12で保持された温度が入力されるとともに、第2放射温度計11で測定された温度が入力される。制御部13は、これらの温度に基づいて、ウエハWの温度が全面にわたって均一になるようにヒータ7を制御する。
第1の放射温度計10及び第2の放射温度計11は測定対象からの熱輻射光強度を測定し、この熱輻射光強度から測定対象の温度を計算する。その原理はプランクの熱輻射式から、ある波長での熱輻射光強度と測定対象の放射率から測定対象の温度が計算できることによる。放射率は測定対象と同じ温度の黒体の熱輻射光強度で、測定対象の熱輻射光強度を除したものである。一般に放射率は測定対象に応じて放射温度計にあらかじめ入力されるパラメータである。
一方、放射率は測定対象の材料が同じでも、表面の性状、表面への薄膜の形成、等により変化する場合があり、測定された熱輻射光強度とあらかじめ決められた放射率を用いて温度を計算すると誤差を生じる場合がある。ただし、放射温度計で測定する熱輻射光強度の波長に対して、測定対象の表面が鏡面で、測定対象が上記の波長の光に対して不透明で、外部から光を測定対象に照射して測定対象の反射率を測定できる場合には、測定対象の実際の放射率を求めることができる。これは上記のような条件においては測定対象の反射率と放射率の和が1になることによる。上記の方法により測定対象の放射率と温度を同時に計測する方法は放射率補正パイロメトリ(ECP:Emissivity Correcting Pyrometry)として知られている。
図2はECP方式を用いた場合の第1放射温度計10の内部構成例を示す図である。
第1放射温度計10は、光源10aと、ハーフミラー10bと、焦点調整用レンズ10cと、波長選択フィルタ10dと、絞り10eと、受光部10fと、温度計制御部10gとを有する。
光源10aは、ウエハWに照射するための照明光L1を発光する。ハーフミラー10bは、照明光L1を反射させてウエハWに向けるとともに、ウエハWからの光を透過させる。焦点調整用レンズ10cは、ハーフミラー10bを透過した照明光L1をウエハW上に結像させる。また、焦点調整用レンズ10cは、ウエハWからの反射光L1aと熱輻射光L2を受光部10fの受光面M1上に結像させる。波長選択フィルタ10dは、ハーフミラー10bを透過した光のうち、所定の波長範囲の反射光L1aと熱輻射光L2を透過させる。絞り10eは、ウエハW上の測定に必要な部分からの光のみを透過させる。受光部10fは、絞り10eを透過した反射光L1aと熱輻射光L2を受光する。温度計制御部10gは、受光部10fで受光された反射光L1aの強度(反射光強度)と熱輻射光L2の強度(熱輻射光強度)とに基づいて、ウエハWの温度を求める。
通常のパイロメータを用いたとき、ウエハW上に薄膜を形成する際、薄膜干渉で測定対象の反射率および放射率が大きく変化し、温度測定の誤差が大きくなる場合がある。このような場合でも、パイロメータで測定する熱輻射光強度の波長範囲を広く設定することで薄膜干渉の影響を小さくすることができる。具体的には、測定する熱輻射光強度の波長範囲の中心に対して波長範囲を5%以上にすることが好ましい。より好ましくは10%以上、さらに好ましくは20%以上である。例えば、通常のパイロメータを用いて中心波長1μmで熱輻射光強度を測定する場合、測定波長範囲を50nm以上にすることで、ウエハW上に薄膜を形成する場合の反射率の変化の影響を低減することができる。この方法はとくに測定波長程度の膜厚以上の薄膜を成長する場合に効果がある。
第1および第2の放射温度計10,11は、必要に応じて通常のパイロメータあるいはECP方式のパイロメータを適宜選択して用いることができる。
図3Aと図3BはウエハWのオリフラ14を説明する図である。図3Aは、ウエハWをサセプタ5上に載置した状態の平面図である。6インチ以下のウエハWには、45度の角度範囲で直線状のオリフラ14が設けられている。45度の角度範囲とは、1/8回転に相当する。56インチウエハWの場合、オリフラ14のない真円形状のウエハWの外周縁とオリフラ14の位置との間の径方向長さは最大5mm程度である。この間に第1放射温度計10の測定点が配置されると、第1放射温度計10は、ウエハWではなく、サセプタ5の反射率や熱輻射光強度を測定することになる。
図3Bの横軸はウエハWの回転角、縦軸は第1放射温度計10により測定される温度である。この図では第1放射温度計に通常のパイロメータを用いた場合を示してある。図3Bに示すように、第1放射温度計10がオリフラ14とウエハWの外周縁との間に対向して配置された場合には高い温度として測定される。これは、サセプタ5の材料であるグラファイトやSiCなどは、シリコンウエハWに比べて放射率が高く、そのためサセプタ5のオリフラ部14が測定対象であるシリコンウエハWと同じ温度であったとしても高い温度として測定されるためさらに、シリコンウエハWの外周部はサセプタ5からの熱伝導で加熱されるため、実際にサセプタ5のオリフラ部14の温度はその近傍のシリコンウエハWの温度よりも高い。したがって、第1の放射温度計が通常のパイロメータではなくECP方式のパイロメータであっても、図3(b)に示した状況は同じである。また以上の状況はシリコンウエハに限らず一般的な半導体のウエハを用いる場合でも同様である。
図4は温度保持部12の動作を説明する図である。図4の横軸は時間、縦軸は第1放射温度計10で測定される温度である。図4は、ウエハWを所定の回転速度で回転させながら、第1放射温度計10でウエハWの外周側の温度を測定した結果を示す曲線である。図4の曲線は、全体的な傾向としてウエハWの温度が時間に応じて徐々に高くなる例を示している。図3Bでも説明したように、オリフラ14の位置とウエハWの外周面との間に第1放射温度計10が対向配置された場合には、高い温度が測定されるため、ウエハWの測定温度は、周期的にヒゲ状に高くなる。
図4の下側には、図4の曲線の破線の四角で囲まれた部分を拡大した曲線が示されている。温度保持部12は、所定期間内に連続又は断続して測定した第1放射温度計10の温度のうち、最低の温度を保持する。よって、所定期間t内に温度が急上昇するヒゲ部分15があっても、このヒゲ部分15の温度が保持されるおそれはない。温度保持部12は、所定期間t内にヒゲ部分15があったとしても、ヒゲ部分15でない時間帯の最低温度を保持する。図4の下側の階段状に増加する太線は、温度保持部12が保持する温度を示している。なお、後述するように、所定期間tが短すぎると、ヒゲ部分15の温度を保持してしまうおそれがある。逆に、所定期間が長すぎると、温度を粗くしか測定できなくなり、温度の追随性が悪くなる。
ウエハWの回転速度が遅い場合には、温度保持部12は、オリフラ14部分の通過時間よりも長くなるように所定期間を設定する。例えば、回転速度が50rpmの場合、ウエハWの1回転当たり、60/50=1.2秒かかる。よって、オリフラ14部分の通過時間は、図5に示すように、1.2×1/8=0.15秒(150ミリ秒)である。第1放射温度計10の応答速度を10ミリ秒とすると、所定期間がオリフラ14部分の前後の応答時間を合わせた10+150+10=170ミリ秒以上あれば、オリフラ14部分以外で温度測定が行われることになる。
余裕を見て、所定期間を0.2秒以上に設定すれば、オリフラ14部分以外の外周部分の温度を50ミリ秒以上測定するため、オリフラ14部分での温度上昇に影響されずに、最低温度を保持できる。
一方、ウエハWの回転速度が速い場合には、温度保持部12は、ウエハWの1回転に最低2回温度保持を行い、かつウエハWの1回転ごとに、温度保持中(所定期間内)にオリフラ14部分を通過しない場合があるようにする。例えば、第1放射温度計10の応答速度を10ミリ秒とすると、連続して2回温度測定を行う場合の最小時間は20ミリ秒である。20ミリ秒でウエハWが1回転するのがウエハWの最大回転速度である。よって、ウエハWの最大回転速度は、60秒/20ミリ秒=3000rpmとなる。
温度保持部12は、汎用のピークホルダを用いて構成可能である。ピークホルダは、所定期間内に入力された入力信号の最大値又は最小値を保持して出力する機能を持っている。ピークホルダには、アナログ信号を出力するタイプとデジタル信号を出力するタイプがあるが、本実施形態の温度保持部12は、どちらのタイプでも適用可能である。
図6はピークホルダ20の概略的なブロック図である。図6のピークホルダ20は、入力部21と、比較部22と、ボトム検出部23と、保持部24と、出力部25と、タイマ26と、リセット部27とを有する。入力部21は、保持対象の入力信号を入力する。本実施形態では、第1放射温度計10で測定された温度信号が入力部21に入力される。比較部22は、入力部21に入力された温度信号を、ボトム検出部23で検出された最低温度信号と比較する。ボトム検出部23は、比較部22にて、入力部21に入力された温度信号の方が低いことがわかると、入力部21に入力された温度信号を最低温度信号とする。ボトム検出部23で更新された最低温度信号は比較部22と保持部24に送られる。保持部24は、ボトム検出部23で更新された最低温度信号を保持する。タイマ26は、所定期間の長さを計測する。タイマ26は、所定時間に達したことを示すタイムアップ信号をリセット部27に送る。リセット部27は、タイムアップ信号が入力されると、ボトム検出部23の最低温度信号を初期化し、保持部24は保持信号を初期化する。出力部25は、保持部24で保持されている信号を出力する。
温度保持部12は、ソフトウェア処理にて温度の保持動作を行うことも可能である。図7は温度保持部12が行う保持動作を示すフローチャートである。図7の保持動作では、所定期間内の期間εごとに断続的に第1放射温度計10にて温度計測を行う。
まず、ある時刻に第1放射温度計10で測定された温度Tobsを変数Tminに代入する(ステップS1)。次に、予め定めた期間εの間、待機する(ステップS2)。次に、期間ε経過後の時刻に第1放射温度計10で測定された温度Tobsが変数Tminより大きいか否かを判定する(ステップS3)。温度Tobsが変数Tmin以下であれば、変数Tminを温度Tobsに更新する(ステップS4)。
ステップS4の処理が終わった場合、又はステップS3で変数Tobsが温度Tminより大きいと判定された場合は、予め定めた期間εの間待機する(ステップS5)。次に、リセット信号が入力されたか否かを判定する(ステップS6)。所定期間毎に入力されるリセット信号が入力された場合には、その時点での変数Tminの値を出力し(ステップS7)、ステップS1以降の処理を繰り返す。リセット信号は、所定期間が経過するたびに入力される。
ステップS6でリセット信号が入力されなかったと判定された場合は、ストップ信号が入力されたか否かを判定する(ステップS8)。ストップ信号が入力された場合には処理を終了し、ストップ信号が入力されなかった場合には、ステップS3以降の処理を繰り返す。
なお、所定期間に応じて、温度保持部12がウエハWのオリフラ14部分以外の温度を保持するためのウエハWの回転速度は制限される。ここで、ウエハWの回転速度をω[rpm]、第1放射温度計10の応答時間をτ[秒]、第1放射温度計10が連続または断続して温度測定を行う保持(ホールド)周期となる所定期間をt[秒]、オリフラ14部分の長さが45度(1周の1/8)とする。
所定期間tは、温度の制御系の応答速度と同程度かそれ以下の時間にするのが一般的である。ここで温度制御系の応答速度とは、おおよそヒータパワーの変化がウエハWの温度変化に現れるまでの時間である。温度制御系の応答速度は、ヒータ電源の時定数、ヒータ7の温度変化の時定数、ヒータ7からサセプタ5やウエハWへの熱伝達の時定数、ヒータ7やサセプタ5の熱容量などにより決まる。図1に示したような気相成長装置1の場合、温度制御系の時定数は数秒程度であるため、所定期間tは1秒以下程度であれば十分である。温度制御系の時定数が上記のような場合には、所定期間tが長すぎる(例えば10秒以上)と温度の安定に要する時間が必要以上に長くなる。また所定期間tが短すぎる(例えば0.1秒以下)と、加熱装置の出力が短い時間の間に細かく変動することがあり、加熱装置やヒータの寿命に悪影響を与える場合がある。なお、所定期間は、所定期間内に第1放射温度計10が測定したウエハWのオリフラ以外の外周部分の温度が温度保持部12に少なくとも1回入力されるように設定されるのが望ましい。また、所定期間は、回転部6の回転速度に基づいて設定されるのが望ましい。
なお、温度制御系の時定数は反応炉内の構成によっても変化する。例えば図1に示したような環状のサセプタ5を用いた場合、ウエハWはもっぱらヒータ7からの熱輻射により直接加熱されるため、時定数は短くなる傾向があり、温度変化に要する時間は短く、プロセス時間の短縮に好適に用いることができる。一方、サセプタ5が環状ではなく略平板上である場合、一旦ヒータ7からの熱輻射でサセプタ5が加熱されたのち、さらにサセプタ5からの熱伝導でウエハWが加熱される。このため、ウエハWがヒータ7から間接的に加熱されることおよびサセプタ5による熱容量の増加などの影響により温度制御系の時定数は長くなる傾向がある。
オリフラ14部分の温度測定時間は、60/ω×1/8[秒」である。第1放射温度計10でオリフラ14部分の温度を測定するのに要する時間は、60/ω×1/8+2τ[秒]である。
オリフラ14部分が含まれていても、ウエハWの温度を測定できる最低時間は、60/ω×1/8+3τ[秒]である。よって、以下の(1)式が得られる。
t≧60/ω×1/8+3τ …(1)
(1)式を変形すると、以下の(2)式が得られる。
ω≧60/{8(t−3τ)} …(2)
この(2)式から、温度制御に必要な最低回転速度ωminは、60/{8(t−3τ)}となる。t=0.5[秒]、τ=0.01[秒]とすると、ωminは約16[rpm]となる。
オリフラ14部分以外の温度測定時間は、60/ω×7/8[秒]である。ウエハWの回転速度が速く、オリフラ14部分以外の温度測定時間がτより短くなると、測定時間内に必ずオリフラ14部分が含まれることになり、ウエハWの正確な温度を測定できなくなる。
ウエハWの正確な温度を測定するための回転速度の上限をωmax、ウエハWが1周する間に2回の温度測定を行い、そのうちの少なくとも一回はオリフラ14部分を計測しないためには、以下の(3)式を満たす必要がある。
2τ=60/ωmax×7/8 …(3)
この(3)式から、ωmax=26.25/τ[rpm]となる。τ=0.01[秒]とすると、ωmax=2625[rpm]である。
以下、さらに一般的な場合についてωmaxとωminについて述べる。図8はオリフラが2つあるウエハを示している。図8中、1−βはウエハWの外周部がオリフラに影響されることなくウエハWの温度を測ることができる割合を示している。図8では温度が正確に測れない要因として2つのオリフラの例を示しているが、温度が正確に測れない要因としては、そのほかノッチ、欠陥、などを挙げることができる。図8の場合、所定期間tは、
t≧60/ω×β+3τ …(4)
したがって、ωminは
ωmin=60×β/(t−3τ) …(5)
となる。ウエハWの外周部で上記のように温度が正確に測れない割合β=0.5、t=0.5[秒]、τ=0.01[秒]とするとωminは約64[rpm]となる。
ωmaxに対してはウエハWの外周部で温度が正確に測れる時間60/ω×(1−β)に少なくとも2回の測定ができることが必要であるので
2τ≦60/ω×(1−β) …(6)
となり、
ωmax=30×(1−β)/τ …(7)
である。上記と同様にβ=0.5、τ=0.01[秒]とするとωmax=1500[rpm]となる。
このように、本実施形態では、オリフラ14を有するウエハWを回転させながら、ウエハWの外周側の温度を第1放射温度計10で測定する際、第1放射温度計10より所定期間内に測定した温度のうち、最低の温度を保持するため、オリフラ14部分の温度を誤って選択するおそれがなくなり、ウエハWの外周側の温度を精度よく測定できる。
なお、本実施形態においては、オリフラ14を有するウエハWにおける最低温度の保持による測定精度の向上について説明したが、オリフラを有していないウエハであっても、例えば温度の特異点を有しているウエハについても、適用することが可能である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 気相成長装置、2 チャンバ、3 ガス供給部、4 原料供給部、5 サセプタ、6 回転部、7 ヒータ、8 ガス排出部、9 排気機構、10 第1放射温度計、11 第2放射温度計、13 制御部、14 オリフラ、20 ピークホルダ、21 入力部、22 比較部、23 ボトム検出部、24 保持部、25 出力部、26 タイマ、27 リセット部

Claims (5)

  1. ウエハ上に気相成長反応により成膜を行う反応室と、
    前記反応室の上方に配置され、前記反応室に原料ガスを供給する原料供給部と、
    前記原料供給部の上方に配置され、前記ウエハの中心から所定距離の温度を測定する放射温度計と、
    前記ウエハを載置する保持部と、
    前記保持部の中心を軸として前記保持部を自転させる回転部と、
    前記保持部の前記ウエハの載置面とは反対の面側に配置され、前記ウエハを加熱する加熱器と、
    前記ウエハを回転させながら前記放射温度計にて測定された前記温度が入力され、所定期間毎に最低の温度を保持する温度保持部と、
    前記保持された温度に基づいて、前記加熱器を制御する制御部と、を備える気相成長装置。
  2. 前記ウエハはオリエンテーション・フラットを有し、前記温度保持部は、前記ウエハの前記オリエンテーション・フラット以外の外周部分を測定した温度を保持する、請求項1に記載の気相成長装置。
  3. 前記所定期間は、前記所定期間内に前記放射温度計が測定した前記ウエハのオリエンテーション・フラット以外の外周部分の温度が前記温度保持部に少なくとも1回入力されるように設定される、請求項2に記載の気相成長装置。
  4. 前記所定期間は、前記回転部の回転速度に基づいて設定される、請求項2または3に記載の気相成長装置。
  5. 気相成長反応により成膜されるウエハを、前記ウエハ中心を軸として自転させ、上方に配置される放射温度計により前記ウエハの中心から所定距離の温度を測定し、
    測定された前記温度について、所定期間毎に最低の温度を保持し、保持された温度を前記ウエハの中心から所定距離の温度として出力する温度測定方法。
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