JP2019105095A - 評価方法および評価システム - Google Patents

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Abstract

【課題】薬液注入工法で改良するべき領域において薬液が広範囲に均一に浸透しているか否かを、適切に判断することが出来る評価方法、及び評価システムの提供。【解決手段】本発明の評価方法は、注入圧力(P)を計測し、注入終了までの圧力(P)の累積値(ΣP)を演算し、演算された累積値(ΣP)から改良するべき領域で薬液は広範囲に均一に浸透しているか否かを判断している。【選択図】図3

Description

本発明は、地盤改良用の薬液(グラウト材、セメントミルク等)を地盤(或いは岩盤)中に注入して改良する薬液注入工法に関する。より詳細には本発明は、薬液注入工法における施工の良否を判断して評価するための技術に関する。
薬液注入工法では地盤改良用の薬液(グラウト材、セメントミルク等)を地盤中(或いは岩盤)に注入して、施工地盤の改良を行う。図9は、その様な薬液注入工法において、一つの領域(或る領域)における注入開始から注入終了までの薬液の注入圧力の時間特性(符号Pで示す実線の特性曲線)と、薬液の注入量(流量)の時間特性(符号Qで示す点線の特性曲線)を示している。
図9において、点線で示す特性曲線Qと時間軸(横軸)と縦軸(流量Qの注入開始時のA1及び注入終了期の軸A2)とで囲まれた部分の面積が、注入開始から供給された注入薬液の総量となる。
従来技術では、図9における圧力特性曲線P(図9の実線で示す特性曲線)を用いて、薬液注入工法の施工の良否を判断或いは評価している。従来技術における評価方法を、図9と同様な特性図である図10を参照して説明すると、注入初期(図10の左端)における圧力特性曲線Pの端部(始端部)が符号Pfirstで示されており、注入終了期における圧力特性曲線Pの他端部(図10の右端:終端部)が符号Plastで示されている。
従来技術では、圧力特性曲線Pの終端部の圧力Plastが高圧であれば、周囲の地盤に注入薬液が浸透して、良い施工が行われていると判断していた。或いは、圧力特性曲線Pの始端部の圧力Pfirstと終端部の圧力Plastとの圧力差(Plast−Pfirst)が大きいほど、薬液注入工もしくは作業が「良好」に施工されたと判断していた。
圧力特性曲線Pの終端部の圧力Plastが高圧であり、或いは、始端部の圧力Pfirstと終端部の圧力Plastとの圧力差(Plast−Pfirst)が大きければ、薬液を土壌中に注入する圧力が高くなり、薬液が改良するべき領域において広範囲に均等に浸透した、と考えられたからである。そして改良するべき領域において、薬液が広範囲に浸透している場合は、圧力特性Pと注入量特性Qは、例えば図11で示す様になる。
しかし、発明者の研究の結果、圧力特性曲線Pの終端部の圧力Plast、或いは圧力特性曲線Pの始端部の圧力Pfirstと終端部の圧力Plastとの圧力差(Plast−Pfirst)をパラメータとして、薬液が改良するべき領域において広範囲に浸透しているか否かを判断することは、必ずしも適正とは言えない場合が存在することが見出された。
例えば、図12で示す様な圧力特性Pと注入量特性Qの場合には、図11の場合とは注入量は同様であるが、空洞等が存在し或いは薬液が漏出している等に起因して注入圧力は低圧であり、施工中は薬液が地盤(或いは岩盤)中に均一に浸透していない。しかし(図12においては)注入口が異物等により閉塞する等の理由により、施工終了直前に注入圧力が上昇している。すなわち、図12で示す場合には、図11の場合とは異なり、地盤中の改良するべき領域において薬液は広範囲に均一に浸透してはいない。
しかし、図12の場合には注入終了直前のみ注入圧力が上昇しているため、圧力特性曲線Pの終端部の圧力Plastは、図11の場合における圧力特性曲線Pの終端部の圧力Plastと同程度まで昇圧している。そのため、従来技術による評価では、図12における施工は図11における施工と同様に、「薬液が改良するべき領域において広範囲に均一に浸透している」旨の判断が為されてしまう。
圧力特性曲線Pの始端部の圧力Pfirstと終端部の圧力Plastとの圧力差についても、図11、図12における始端部の圧力Pfirstの設定の仕方により、同様な問題が生じてしまう。
その他の従来技術として、例えば、薬液の注入速度、注入量或いは注入圧力を動的に変化させて地盤中に注入する薬液注入方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
しかし、係る従来技術は注入工法の評価については開示しておらず、上述した従来技術の問題点に対処するものではない。
特開2017−20224号公報
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、薬液注入工法で改良するべき領域において薬液が広範囲に均一に浸透しているか否かを適切に判断することが出来る評価方法及び評価システムの提供を目的としている。
本発明の評価方法は、注入圧力(P)を(制御サイクル毎に)計測し、注入終了までの圧力(P)の累積値(ΣP)を演算し、演算された累積値(ΣP)から改良するべき領域で薬液は広範囲に均一に浸透しているか否かを判断することを特徴としている。
また本発明の評価方法は、(岩盤以外の地盤に薬液を注入する際に、換言すれば、いわゆる「岩盤注入」以外の場合に)注入圧力(P)と薬液注入量(Q)を(制御サイクル毎に)計測し、注入終了までの圧力の累積値(ΣP)及び注入量(ΣQ)を演算し、注入終了までの注入量(ΣQ)を圧力の累積値(ΣP)で除した数値(ΣQ/ΣP)を求め、当該数値(ΣQ/ΣP)から改良するべき領域(岩盤以外の地盤)において薬液は広範囲に均一に浸透しているか否かを判断することを特徴としている。
さらに本発明の評価方法は、(岩盤に薬液を注入する場合に:いわゆる「岩盤注入」の場合に)注入圧力(P)とセメント量(C:セメント注入量)を(制御サイクル毎に)計測し、注入終了までの圧力の累積値(ΣP)及びセメントの総量(ΣC)を演算し、注入終了までのセメントの総量(ΣC)を圧力の累積値(ΣP)で除した数値(ΣC/ΣP)を求め、当該数値(ΣC/ΣP)から改良するべき領域(岩盤)において薬液は広範囲に均一に浸透しているか否かを判断することを特徴としている。
本発明の評価システム(100)は、注入圧力(P)を(制御サイクル毎に)計測する計測装置(Sqp)と、薬液が広範囲に均一に浸透しているか否かを適切に判断する制御装置(10)を備え、前記制御装置(10)は、計測装置(Sqp)の計測結果から注入終了までの圧力の累積値(ΣP)を演算する機能と、演算された累積値(ΣP)から改良するべき領域で薬液は広範囲に均一に浸透しているか否かを判断する機能を有することを特徴としている。
また本発明の評価システム(101)は、(岩盤以外の地盤に薬液を注入する際に、換言すれば、いわゆる「岩盤注入」以外の場合における)注入圧力(P)と薬液注入量(Q)を(制御サイクル毎に)計測する計測装置(Sqp)と、薬液が広範囲に均一に浸透しているか否かを適切に判断する制御装置(20)を備え、前記制御装置(20)は、計測装置(Sqp)の計測結果から注入終了までの圧力の累積値(ΣP)と注入量(ΣQ)を演算する機能と、注入終了までの注入量(ΣQ)を圧力の累積値(ΣP)で除した数値(ΣQ/ΣP)を演算する機能と、前記数値(ΣQ/ΣP)から改良するべき領域(岩盤以外の地盤)において薬液は広範囲に均一に浸透しているか否かを判断する機能を有することを特徴としている。
さらに本発明の評価システム(102)は、(岩盤に薬液を注入する場合に:いわゆる「岩盤注入」の場合に)注入圧力(P)を(制御サイクル毎に)計測する計測装置(Sqp)と、セメント量(C:セメント注入量)を(制御サイクル毎に)計測する装置(グラウトミキサ1)と、薬液が広範囲に均一に浸透しているか否かを適切に判断する制御装置(30)を備え、前記制御装置(30)は、計測装置(Sqp、1)の計測結果から注入終了までの圧力の累積値(ΣP)とセメントの総量(ΣC)を演算する機能と、注入終了までのセメントの総量(ΣC)を圧力の累積値(ΣP)で除した数値(ΣC/ΣP)を演算する機能と、前記数値(ΣC/ΣP)から改良するべき領域(岩盤)において薬液は広範囲に均一に浸透しているか否かを判断する機能を有することを特徴としている。
上述の構成を具備する本発明によれば、評価の基準として圧力累積値(ΣP)を用いているので、注入開始から注入終了に至る圧力(P)の履歴が評価に反映される。そのため、注入終了直前に注入圧力(P)が昇圧したとしても、それ以前の圧力(P)が評価に影響を与える。換言すれば、終了する以前の圧力Pの履歴が評価に反映される。そのため本発明によれば、改良するべき領域において薬液は広範囲に均一に浸透しているか否かを、適切に判断することが出来る。
例えば空洞等が存在し或いは薬液が漏出している等に起因して注入圧力(P)は低圧であり、施工中は薬液が地盤(或いは岩盤)中に均一に浸透していないが、施工終了直前に、注入口が異物等により閉塞して注入圧力(P)が上昇した場合(図12参照)は、本発明によれば注入圧力(P)が低圧である旨の履歴が反映されるため、改良するべき領域において薬液は広範囲に均一に浸透している(図11参照)と判断されてしまうことはない。
薬液注入の場合は、通常、注入対象とする地山の体積に特定の係数を乗算し、薬液注入量を注入バルブ数で除算して、1バルブ当りの薬液入量を決定する。その際、前記「特定の係数」は、土壌の種類(砂質土か砂礫土か)や、緩んだ状態であるのか締まった状態であるのかで異なる。そのため、圧力累積値(ΣP)のみでは評価が困難な場合が存在する。
これに対して、本発明において、注入量(ΣQ)を圧力累積値(ΣP)で除した数値(ΣQ/ΣP)を、薬液が改良するべき領域において広範囲に均一に浸透している施工であるか否か?の判断基準とすれば、二つのパラメータで評価することになり、単一のパラメータ(圧力累積値ΣP)のみで評価するよりも優れた評価を行うことが出来る。
ここで、圧力累積値(ΣP)は注入時間で左右され、注入時間は注入量(ΣQ)で左右される。単位注入速度(q:リットル/min)は地質等に係わらずほぼ一定である。注入量(ΣQ)を圧力累積値(ΣP)で除した数値(ΣQ/ΣP)を評価のパラメータとすることにより、注入時間の影響を相殺して評価することが可能である。
岩盤等に薬液を注入する場合(いわゆる「岩盤注入」の場合)には定圧注入が行われ、適宜配合切換が実行されるが、本発明では、岩盤等に薬液を注入する場合(いわゆる「岩盤注入」の場合)には、前記注入量(ΣQ)として、薬液注入量ではなく、注入されたセメントの総量(ΣC)を用いており、配合切換が実行されてもセメントの総量(ΣC)は正確に求めることが出来るので、薬液が改良するべき領域(岩盤)において広範囲に均一に浸透している施工であるか否かを適正に判断することが出来る。
薬液注入工法における薬液注入圧力の時間特性と薬液注入量の時間特性を示す特性図であって、圧力累積値ΣPと薬液注入量ΣQを示す図である。 薬液注入工法における施工システムを示す図である。 圧力累積値ΣPを用いて判断を行う第1実施形態で用いられるコントロールユニットの機能ブロック図である。 図3の第1実施形態における制御を示すフローチャートである。 ΣQ/ΣPを用いて判断を行う第2実施形態で用いられるコントロールユニットの機能ブロック図である。 図5の第2実施形態における制御を示すフローチャートである。 ΣC/ΣPを用いて判断を行う第3実施形態で用いられるコントロールユニットの機能ブロック図である。 図7の第3実施形態における制御を示すフローチャートである。 薬液注入工法における薬液注入圧力の時間特性と薬液注入量の時間特性を示す特性図である。 図9と同様な特性図であって、従来技術における評価方法を説明する図である。 薬液が改良するべき領域において広範囲に浸透している場合における圧力特性Pと注入量特性Qの一例を示す図である。 薬液が広範囲に浸透しておらず、均一に浸透していない場合の圧力特性Pと注入量特性Qの一例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図9〜図12と同様に薬液注入工法における薬液注入圧力(P)の時間特性と薬液注入量(Q:流量)の時間特性を示す特性図である図1において、実線で示す注入圧力(P)の時間特性Pの下側の面積(右下がりの実線のハッチングを付した領域)が符号ΣPで示されており、符号ΣPは注入工程(注入開始から注入終了まで)における圧力の累積値を示している。本発明の第1実施形態では、圧力累積値ΣPを、薬液が改良するべき領域において広範囲に均一に浸透している施工であるか否か?の判断基準に用いている。
図1において、点線で示す流量(Q)の時間特性(特性曲線を符号Qで示す)の下側の面積(右上がりの点線のハッチングを付した領域)が符号ΣQで示されており、符号ΣQは施工当初から注入した薬液の累積値、すなわち注入量を示している。
本発明の第2実施形態では、注入量ΣQを圧力累積値ΣPで除した数値(=ΣQ/ΣP)を、薬液が改良するべき領域において広範囲に均一に浸透している施工であるか否か?の判断基準とする。
ここで砂質土に対する注入(いわゆる「地盤注入」)の場合には、前記注入量ΣQは施工当初から注入した薬液の累積値であり、注入量と等しい。
それに対して、岩盤等(いわゆる「岩盤注入」)の場合には定圧注入が行われ、注入薬液の配合切換が適宜実行される。薬液の注入量が同一であっても、固化材(例えばセメント)の含有量は異なる場合が多い。そのため、前記注入量ΣQに代えて、注入された固化材の総量ΣCを用いることが、注入の施工の是非の評価には好適である。本発明の第3実施形態では、岩盤注入の場合において、「ΣC/ΣP」(固化材であるセメントの総量ΣCを圧力累積値ΣPで除した数値)を、薬液が改良するべき領域において広範囲に均一に浸透している施工であるか否か?の判断基準としている。
次に、図2を参照して、図1を参照して説明した判断基準ΣP或いはΣQ/ΣP(岩盤注入の場合にはΣC/ΣP)を用いた実施形態について説明する。
図2は注入工法を実行するためのシステム200を示し、固化材と水等を混練して注入薬液を生成するグラウトミキサ1と、注入薬液を吐出するグラウトポンプ2と、リターンバルブ3と、流量・圧力波形を制御・記録するコントロールユニット10(20、30:制御装置)と、注入装置4を有している。
図1において、グラウトミキサ1はグラウトポンプ2とグラウト供給ラインL1で接続されており、グラウトミキサ1で混練、生成された注入薬液がグラウトポンプ2に搬送される。グラウトポンプ2はグラウト圧送ラインL2を介してリターンバルブ3の注入口3Aと接続されており、グラウトポンプ2で昇圧されて吐出されたグラウトが、リターンバルブ3のグラウト供給口3Bからグラウト注入ラインL3を介して、注入装置4に供給される。
グラウト注入ラインL3には流量圧力検出器Sqpが介装されており、流量圧力検出器Sqpの検出結果(注入薬液流量Q及び注入圧力P)は信号伝達ラインILlを経由してコントロールユニット10(20、30:制御装置)に伝達される。薬液注入量ΣQ、圧力累積値ΣPは、流量圧力検出器Sqpの検出結果(注入薬液流量Q及び注入圧力P)に基づいて、コントロールユニット10(20、30)で演算される。
いわゆる「岩盤注入」の場合、注入されたセメント(固化材)の総量ΣCは、グラウトミキサ1から信号伝達ラインIL2を経由して送信されたセメント量C(固化材量)のデータに基づいて、コントロールユニット30で演算される。
リターンバルブ3には戻りラインLrが接続されており、戻りラインLrはグラウトミキサ1に連通している。地盤Gに注入されない余剰分の注入薬液は、リターンバルブ3から戻りラインLrを介してグラウトミキサ1に戻される。
なお、符号IL3は、注入装置4からコントロールユニット10(20、30)に注入施工状況(注入開始、注入終了等)を送信する信号伝達ラインを示している。
次に、図3及び図4を参照して第1実施形態を説明する。図1を参照して説明した様に、第1実施形態では、判断基準として圧力累積値ΣPを用いて、薬液が改良するべき領域において広範囲に均一に浸透している施工であるか否か?を判断する
第1実施形態におけるコントロールユニット10の機能ブロック図である図3において、第1実施形態の評価システム100は、コントロールユニット10(制御装置)、注入圧力Pを検出する流量圧力検出器Sqp(計測装置)、注入装置4、表示装置5を備えている。
コントロールユニット10(破線で囲った部分)は、圧力演算ブロック10A、圧力積算ブロック10B、注入終了判断ブロック10C、判定ブロック10D、記憶ブロック10Eを有している。
圧力演算ブロック10Aは、流量圧力検出器Sqp(図2)からの注入圧力に関する検出信号(圧力信号)を、インターフェースI/F(入力側)及び情報信号ラインIL1を介して受信すると共に、当該検出信号に基づき注入圧力Pを演算する機能を有している。圧力演算ブロック10Aで演算された注入圧力Pに関する情報信号は、情報信号ラインIL4を介して、圧力積算ブロック10Bに送信される。
ここで、流量圧力検出器Sqpによる注入圧力の検出(計測)、当該検出圧力のコントロールユニット10(圧力演算ブロック10A)への入力、注入圧力Pの演算、注入圧力の累積値ΣPの演算は、制御サイクル毎に行われる。そして、薬液が広範囲に均一に浸透しているか否かの評価は、一つの注入箇所において注入が完了する毎に行われる。
圧力積算ブロック10Bは、圧力演算ブロック10Aから受信した注入圧力Pに関する情報信号に基づき、注入開始からの注入圧力Pの累積値ΣPを演算する機能を有している。圧力積算ブロック10Bは、例えば積分器等で構成することが出来る。
圧力積算ブロック10Bで演算された注入圧力の累積値ΣPに関する情報信号は、情報信号ラインIL5を介して、判定ブロック10Dに送信される。
注入終了判断ブロック10Cは、注入装置4(図2)からの注入施工状況(注入開始、注入終了等)に関する情報信号を、インターフェースI/F(入力側)及び情報信号ラインIL3を介して受信すると共に、当該注入施工状況に関する情報信号(注入開始、注入終了)に基づき、注入終了を判断する機能を有している。
注入終了判断ブロック10Cによる「注入終了」の判断結果は、情報信号ラインIL6を介して判定ブロック10Dに送信される。
判定ブロック10Dは、注入終了判断ブロック10Cから「注入終了」の情報信号を受信した際に、その時点において圧力積算ブロック10Bから受信した「注入圧力の累積値ΣP」の情報信号に基づいて、薬液が広範囲に均一に浸透しているか否かを判定する機能(評価する機能)を有している。
当該判定に際しては、記憶ブロック10Eに記憶される「注入圧力の累積値ΣPのしきい値」(薬液注入工法で改良するべき領域において薬液が広範囲に均一に浸透しているか否かを判断する際のしきい値)を参酌して(しきい値と比較して)薬液が広範囲に均一に浸透しているか否かを判定する。「注入圧力の累積値ΣPのしきい値」は情報信号ラインIL7を介して、記憶ブロック10Eに送信される。
判定ブロック10Dは、「注入圧力の累積値ΣP」が「ΣPのしきい値」以上である場合には「薬液が広範囲に均一に浸透している」と判定し、「注入圧力の累積値ΣP」が「ΣPのしきい値」より小さい場合には「薬液が広範囲に均一に浸透していない」と判定する。
判定ブロック10Dにおける「薬液注入工法で改良するべき領域において薬液が広範囲に均一に浸透しているか否か」の判定(評価)が、注入開始から注入終了までの注入圧力の累積値ΣPを基準にしており、注入圧力Pの履歴(注入開始から注入終了までの注入圧力P)が評価に反映される。そのため、例えば空洞等の存在或いは薬液の漏出に起因して、注入開始から注入圧力Pが低圧であり、施工中は薬液が地盤(或いは岩盤)中に均一に浸透していなかったが、注入終了直前に何らかの原因で注入圧力Pが昇圧したとしても、「薬液が広範囲に均一に浸透している」と誤評価されることはない。換言すれば、適切な評価を行うことが出来る。
判定ブロック10Dの判定結果は、インターフェースI/F(出力側インターフェース)を介して、表示装置5に送信される(情報信号ラインIL8)。明確には図示されていないが、注入圧力の累積値ΣP(判断基準の値)、しきい値、その他をも表示することが出来る。
記憶ブロック10Eは、上述した様に、「注入圧力の累積値ΣPのしきい値」を記憶する機能を有しており、判定ブロック10Dによる判定の際に参酌される。ここで、注入圧力の累積値ΣPのしきい値は、施工現場の状況、施工の仕様、その他の条件により、ケース・バイ・ケースで決定される。明確には図示されないが、記憶ブロック10Eには判定ブロック10Dの判定結果が送信され、記憶される。
表示装置5は、コントロールユニット10の判定ブロック10Dから判定結果(薬液が広範囲に均一に浸透しているか否か等)を受信し、表示する機能を有している。表示装置4に表示された情報に基づいて、施工管理者は、必要に応じて施工の仕様、条件等を見直すことが出来る。
次に、主として図4を参照して、圧力累積値ΣPを判断基準として、薬液が改良するべき領域において広範囲に均一に浸透している施工であるか否か?を判断する制御について、説明する。
図4において、ステップS1では、流量圧力検出器Sqp(図2)より圧力検出信号を入力し、注入圧力Pを演算する。当該演算は、コントロールユニット10の圧力演算ブロック10A(図3)で実行される。そしてステップS2に進む。
ステップS2では、ステップS1で演算した注入圧力Pに基づき、注入開始からの注入圧力の累積値ΣPを演算する。当該演算は、コントロールユニット10の圧力積算ブロック10B(図3)で実行される。
次のステップS3では、その薬液注入箇所において施工(薬液注入)が終了したか否かを判断する。当該判断は、コントロールユニット10の注入終了判断ブロック10C(図3)で実行される。
ステップS3の判断の結果、その箇所における薬液注入が終了したならば(ステップS3が「Yes」)、ステップS4に進む。
一方、ステップS3の判断の結果、薬液注入が終了していなければ(ステップS3が「No」)、ステップS1に戻る。
ステップS4では、ステップS2で演算された注入圧力の累積値ΣPを、ΣPのしきい値(薬液が広範囲に均一に浸透しているか否かを判断する際のしきい値)と比較する。当該比較(評価)と、ステップS5、S6の判定は、コントロールユニット10の判定ブロック10D(図3)で実行される。
ステップS4における比較の結果、注入圧力の累積値ΣPがしきい値以上の場合(ステップS4が「Yes」)、ステップS5に進む。
一方、ステップS4の比較の結果、注入圧力の累積値ΣPがしきい値より小さい場合(ステップS4が「No」)、ステップS6に進む。
ステップS5では、「薬液が広範囲に均一に浸透している」と判定し、薬液注入の施工状況は「良好」と評価して、制御を終了する。
一方、ステップS6では、「薬液が広範囲に均一に浸透していない」と判定し、薬液注入の施工状況は「不良」と評価する。そして、ステップS7に進み、追加孔を削孔して新たに注入工法を施工するか否かについて検討する。係る検討については、コントロールユニット10(図3)では図示されていない追加孔検討ブロックで行っても良いし、人が判断しても良い。ステップS7で追加孔の検討を行った後、制御を終了する。
ステップS4〜S6による薬液注入施工の評価、良否判定は、一つの薬液注入箇所において薬液注入が終了する度に実行される。
次に、図5、図6を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態では、注入量ΣQを圧力累積値ΣPで除した数値(=ΣQ/ΣP)を判断基準としている。ここで第2実施形態は、岩盤以外の地盤に薬液を注入する場合、いわゆる「岩盤注入」以外の薬液注入を想定している。そして「岩盤注入」については、第3実施形態で後述する。
図5において、第2実施形態の評価システム101は、コントロールユニット20(制御装置)、注入圧力Pと薬液注入量Qを検出する流量圧力検出器Sqp(計測装置)、注入装置4、表示装置5を備えて構成されている。
コントロールユニット20(破線で囲った部分)は、圧力演算ブロック20A、圧力積算ブロック20B、流量演算ブロック20C、注入量演算ブロック20D、ΣQ/ΣP演算ブロック20E、注入終了判断ブロック20F、判定ブロック20G、記憶ブロック20Hを有している。
ここで、圧力演算ブロック20A、圧力積算ブロック20B、注入終了判断ブロック20Fの機能は、第1実施形態のコントロールユニット10における圧力演算ブロック10A、圧力積算ブロック10B、注入終了判断ブロック10Cと同様であるので、図4で説明したのと同様な説明は省略する。
圧力積算ブロック20Bで演算された注入圧力の累積値ΣPに関する情報信号は、情報信号ラインIL9を介して、ΣQ/ΣP演算ブロック20Eに送信される。
流量演算ブロック20Cは、流量圧力検出器Sqpからの検出流量に関する情報信号(流量信号)を、インターフェースI/F(入力側)、情報信号ラインIL1、IL10を介して受信し、検出された流量信号に基づき薬液の流量Qを演算する機能を有している。
流量演算ブロック20Cで演算された流量Qに関する情報信号は、情報信号ラインIL11を介して注入量演算ブロック20Dに送信される。
注入量演算ブロック20Dは、流量演算ブロック20Cから受信した流量Qに関する情報信号に基づき、注入開始からの薬液注入量ΣQ(薬液流量の累積値)を演算する機能を有している。
注入量演算ブロック20Dで演算された薬液注入量ΣQ(薬液流量の累積値)に関する情報信号は、順次、ΣQ/ΣP演算ブロック20Eに送信される(情報信号ラインIL12)。
ΣQ/ΣP演算ブロック20Eは、圧力積算ブロック20Bから受信した注入圧力の累積値ΣPと、注入量演算ブロック20Dから受信した薬液注入量ΣQ(薬液流量の累積値)に基づき、判断基準であるΣQ/ΣPを演算する機能を有している。
ΣQ/ΣP演算ブロック20Eで演算されたΣQ/ΣPに関する情報信号は、情報信号ラインIL13を介して判定ブロック20Gに送信される。
判定ブロック20Gは、注入終了判断ブロック20Fから「注入終了」の情報信号を受信した際に、その時点においてΣQ/ΣP演算ブロック20Eから受信したΣQ/ΣPの情報に基づいて、その箇所における薬液注入で、薬液が広範囲に均一に浸透しているか否かを判定(或いは評価)する機能を有している。
当該判定に際しては、ΣQ/ΣP演算ブロック20Eから受信した判断基準ΣQ/ΣPを、記憶ブロック20Hに記憶されている「ΣQ/ΣPのしきい値」と比較して、薬液が広範囲に均一に浸透しているか否かを判定する。そして、「判断基準ΣQ/ΣP」が「しきい値(ΣQ/ΣPのしきい値)」以下である場合には「薬液が広範囲に均一に浸透している」と判定(評価)し、「判断基準ΣQ/ΣP」が「しきい値(ΣQ/ΣPのしきい値)」より大きい場合には「薬液が広範囲に均一に浸透していない」と判定(評価)する。
すなわち、第2実施形態における評価システム101では、薬液注入工法で改良するべき領域において薬液が広範囲に均一に浸透しているか否かを、注入開始から注入終了までの注入圧力の累積値ΣPに加えて、注入量ΣQをも判断基準に付加して、より適切に評価している。
判定ブロック20Gの判定結果は、情報信号ラインIL15、インターフェースI/F(出力側インターフェース)を介して、表示装置5に送信される。図示はされていないが、表示装置5では、必要に応じて判断基準ΣQ/ΣPの値、しきい値、その他を表示することが可能である。
記憶ブロック20Hは、上述した様に、薬液注入工法で改良するべき領域において薬液が広範囲に均一に浸透しているか否かを判断する際のしきい値「ΣQ/ΣPのしきい値」を記憶する機能を有しており、判定ブロック20Gによる判定の際に、情報信号ラインIL14を介して、判定ブロック20Gに「ΣQ/ΣPのしきい値」を送信する機能を有している。ここで、ΣQ/ΣPのしきい値は、施工現場の状況、施工の仕様、その他の条件により、ケース・バイ・ケースで決定される。
また、明確には図示されないが、記憶ブロック20Hには判定ブロック20Gから判定結果が送信され、記憶される。
表示装置5は、コントロールユニット20の判定ブロック20Gから判定結果を受信し、表示する機能を有している。表示装置4で表示された内容(判断基準ΣQ/ΣPの値、しきい値、その他を含む)は、管理者により監視され、必要に応じて施工の仕様、条件が見直される。
次に、主として図6を参照して、判断基準ΣQ/ΣPを用いて、薬液が改良するべき領域において広範囲に均一に浸透している施工であるか否か?を判断する制御について、説明する。
図6において、ステップS11〜S12では、図4(第1実施形態)のステップS1〜S2と同様の制御を行うので、重複した説明は省略する。
ステップS13では、流量圧力検出器Sqpより流量検出信号を入力し、注入薬液の流量Qを演算する。当該演算は、コントロールユニット20の流量演算ブロック20C(図5)で実行される。
ステップS14では、ステップS13で演算した流量Qに基づき、注入開始からの注入量ΣQ(注入薬液の流量の累積値)を演算する。当該演算は、コントロールユニット20の注入量演算ブロック20D(図5)で実行される。
次のステップS15では、薬液注入の施工が終了したか否かを判断する。当該判断は、コントロールユニット20の注入終了判断ブロック20F(図5)で実行される。
ステップS15の結果、薬液注入が終了であれば(ステップS15が「Yes」)、ステップS16に進む。
一方、ステップS15の結果、薬液注入が終了していなければ(ステップS15が「No」)、ステップS11及びステップS13に戻り、注入圧力の累積値ΣP、注入量ΣQの演算を続行する。
ステップS16では、薬液注入終了の時点までの注入圧力の累積値ΣP、注入量ΣQに基づき、判断基準ΣQ/ΣPを演算する。当該演算は、コントロールユニット20のΣQ/ΣP演算ブロック20E(図5)で実行される。
ステップS17では、ステップS16で演算された判断基準ΣQ/ΣPを、ΣQ/ΣPのしきい値(薬液が広範囲に均一に浸透しているか否かを判断する際のしきい値)と比較する。当該比較(評価)及びステップS18、S19における判定は、コントロールユニット20の判定ブロック20G(図5)で実行される。
ステップS17において、判断基準ΣQ/ΣPがしきい値以下の場合(ステップS17が「Yes」)、ステップS18に進む。
一方、ステップS17において、判断基準ΣQ/ΣPがしきい値より大きい場合(ステップS17が「No」)、ステップS19に進む。
ステップS18では、「薬液が広範囲に均一に浸透している」と評価し、薬液注入の施工状況は「良好」と判定して制御を終了する。
一方、ステップS19では、「薬液が広範囲に均一に浸透していない」と評価し、薬液注入の施工状況は「不良」と判定する。そして、ステップS20に進み、追加孔を削孔して新たに注入工法を施工するか否かについて検討する。係る検討については、コントロールユニット20(図5)では図示されていない追加孔検討ブロックで行っても良いし、人が判断しても良い。ステップS20で追加孔の検討を行った後、制御を終了する。
ステップS11〜S19による薬液注入施工の評価、良否判定は、一注入箇所において注入が終了する毎に実行される。
薬液注入の場合は、通常、注入対象とする地山の体積に特定の係数を乗算し、薬液注入量を注入バルブ数で除算して、1バルブ当りの薬液入量を決定する。その際、前記「特定の係数」は、土壌の種類(砂質土か砂礫土か)や、緩んだ状態であるのか締まった状態であるのかで異なる。そのため、第1実施形態の様に圧力累積値(ΣP)のみを判断基準としたのでは、評価が困難な場合が存在する。
これに対して、第2次津市形態では、注入量(ΣQ)を圧力累積値(ΣP)で除した数値(ΣQ/ΣP)を判断基準とすれば、二つのパラメータΣQとΣPで評価しており、単一のパラメータ(圧力累積値ΣP)のみで評価する第1実施形態よりも正確且つ優れた評価を行うことが出来る。
ここで、注入時間は圧力累積値(ΣP)に影響を与え、そして注入量(ΣQ)で左右される。注入量(ΣQ)を圧力累積値(ΣP)で除した数値(ΣQ/ΣP)を評価のパラメータとすることにより、注入時間の影響が相殺され、注入時間に影響しない評価が可能である。なお、単位注入速度(q:リットル/min)は地質等に係わらずほぼ一定である。
第2実施形態におけるその他の構成及び作用効果は台1実施形態と同様である。
次に図7、図8を参照して、第3実施形態について説明する。
第3実施形態では、いわゆる「岩盤注入」の場合を想定しており、岩盤以外の地盤に薬液を注入する第2実施形態における薬液注入量ΣQに代えて、注入された固化材(例えばセメント)の総量ΣC(固化材供給量)を用いて、「ΣC/ΣP」(セメント総量ΣCを圧力累積値ΣPで除した数値)を、薬液が改良するべき領域において広範囲に均一に浸透している施工であるか否か?の判断基準としている。
図7において、第3実施形態の評価システム102は、コントロールユニット30(制御装置)、注入圧力Pを検出する流量圧力検出器Sqp(計測装置)、セメント量C(セメント注入量)を計測するグラウトミキサ1、注入装置4、表示装置5を備えて構成されている。
コントロールユニット30(破線で囲った部分)は、圧力演算ブロック30A、圧力積算ブロック30B、セメント量演算ブロック30C、セメント総量演算ブロック30D、ΣC/ΣP演算ブロック30E、注入終了判断ブロック30F、判定ブロック30G、記憶ブロック30Hを有している。
ここで、圧力演算ブロック30A、圧力積算ブロック30B、注入終了判断ブロック30Fの機能は、第2実施形態のコントロールユニット20における圧力演算ブロック20A、注入終了判断ブロック20Fと同様であり、その構成及び機能は上述した圧力演算ブロック10A、20A、圧力積算ブロック10B、20B、注入終了判断ブロック10F、20Fと同様である。図3〜図6を参照して上述したのと同様である。
圧力積算ブロック20Bで演算された注入圧力の累積値ΣPに関する情報信号は、情報信号ラインIL16を介して、ΣC/ΣP演算ブロック30Eに送信される。
セメント量演算ブロック30Cは、グラウトミキサ1(図2)からのセメント量C(セメント注入量)に関する検出信号(セメント量信号)を、インターフェースI/F(入力側)及び情報信号ラインIL2を介して受信し、当該検出信号に基づきセメント量C(セメント注入量)を演算する機能を有している。
セメント量演算ブロック30Cで演算されたセメント量Cに関する情報信号は、情報信号ラインIL17を介して、セメント総量演算ブロック30Dに送信される。
セメント総量演算ブロック30Dは、セメント量演算ブロック30Cから受信したセメント量Cに関する情報信号に基づき、注入開始からのセメント量Cの累積値、すなわちセメント総量ΣC(セメント供給量)を演算する機能を有している。
セメント総量演算ブロック30Dで演算されたセメント総量ΣCに関する情報信号は、情報信号ラインIL18を介して、ΣC/ΣP演算ブロック30Eに送信される。
ΣC/ΣP演算ブロック30Eは、圧力積算ブロック30Bから受信した注入圧力の累積値ΣPと、セメント総量演算ブロック30Dから受信したセメント量Cの累積値、すなわちセメント総量ΣC(セメント供給量)に基づいて、判断基準であるΣC/ΣPを演算する機能を有している。
ΣC/ΣP演算ブロック30Eで演算されたΣC/ΣPに関する情報は、情報信号ラインIL19を介して判定ブロック30Gに送信される。
判定ブロック30Gは、注入終了判断ブロック30Fから「注入終了」に関する情報信号を受信した際に、注入終了の時点でΣC/ΣP演算ブロック30Eから受信したΣC/ΣPに関する情報に基づいて、薬液が広範囲に均一に浸透しているか否かを判定する機能を有している。
当該判定に際しては、判断基準ΣC/ΣPと、記憶ブロック30Hに記憶される「ΣC/ΣPのしきい値」と比較して、薬液が広範囲に均一に浸透しているか否かを判定する。そして、「判断基準ΣC/ΣP」が「ΣC/ΣPのしきい値」以下である場合には「薬液が広範囲に均一に浸透している」と判定し、「判断基準ΣC/ΣP」が「ΣC/ΣPのしきい値」より大きい場合には「薬液が広範囲に均一に浸透していない」と判定する。
判定ブロック30Gは、薬液が広範囲に均一に浸透しているか否かを、注入開始から注入終了までの注入圧力の累積値ΣPに加えて、供給されたセメントの総量ΣCをも考慮して、より適切に評価している。そして第2実施形態における判断基準ΣQ/ΣPに代えて、セメント総量ΣCを反映した判断基準ΣC/ΣPを採用したので、岩盤注入の場合に、薬液が改良するべき領域(岩盤)において広範囲に均一に浸透する施工が為されたか否かを適正に判断することが出来る。
判定ブロック30Gの判定結果は、情報信号ラインIL21及びインターフェースI/F(出力側インターフェース)を介して、表示装置5に送信される。図示はされていないが、表示装置5には必要に応じて判断基準ΣC/ΣPの値、しきい値、その他を表示することが出来る。
記憶ブロック30Hは、薬液注入工法で改良するべき領域において薬液が広範囲に均一に浸透しているか否かを判断する際のしきい値として、「ΣC/ΣPのしきい値」を記憶する機能を有している。そして情報信号ラインIL20を介して、「ΣC/ΣPのしきい値」を判定ブロック30Gに送信する機能を有している。
ここで、ΣC/ΣPのしきい値は、施工現場の状況、施工の仕様、その他の条件により、ケース・バイ・ケースで決定される。
明確には図示されていないが、記憶ブロック30Hには判定ブロック30Gから判定結果が送信され、記憶される。
当該薬液注入工法の施工の際、管理者は、表示装置5に表示される判定ブロック30Gの判定結果(判断基準ΣC/ΣPの値、しきい値、その他も含む)を参照することにより、必要に応じて、施工の仕様、条件を見直すことが出来る。
次に、主として図8を参照して、判断基準ΣC/ΣPを用いて、薬液が改良するべき岩盤において広範囲に均一に浸透している施工であるか否かを判断する制御について説明する。
図8において、ステップS21〜S22では、図6(第2実施形態)のステップS11〜S12と同様の制御を行う。すなわち、ステップS21では、圧力演算ブロック30(図7)により、流量圧力検出器Sqp(図2)より圧力検出信号を入力し、注入圧力Pを演算する。ステップS22では、圧力積算ブロック30B(図7)により、ステップS21で演算した注入圧力Pに基づき、注入開始からの注入圧力の累積値ΣPを演算する。
ステップS23では、グラウトミキサ1(図2)からデータを入力し、セメント量演算ブロック30C(図7)により、セメント量C(セメント注入量)を演算する。そしてステップS24に進む。
ステップS24では、セメント総量演算ブロック30D(図7)により、ステップS23で演算したセメント量Cに基づき、注入開始からのセメント総量ΣC(セメント供給量)を演算する。
ステップS22、S24に続くステップS25では、注入終了判断ブロック30F(図7)により、その薬液注入箇所における注入が終了したか否かを判断する。
ステップS25の判断の結果、薬液注入が終了していれば(ステップS25が「Yes」)、ステップS26に進む。
一方、ステップS25の判断の結果、薬液注入が終了していなければ(ステップS25が「No」)、ステップS21及びステップS23に戻り、注入圧力の累積値ΣP、セメント総量ΣC(セメント供給量)の演算を続行する。
ステップS26では、薬液の注入が終了までの注入圧力Pの累積値ΣP、セメント総量ΣC(セメント供給量)に基づき、ΣC/ΣP演算ブロック30E(図7)により、判断基準ΣC/ΣPを演算する。そしてステップS27に進む。
ステップS27では、判定ブロック30G(図7)により、ステップS26で演算された判断基準ΣC/ΣPを、ΣC/ΣPのしきい値(薬液が広範囲に均一に浸透しているか否かを判断する際のしきい値)と比較する。
ステップS27の比較の結果、判断基準ΣC/ΣPが「ΣC/ΣPのしきい値」以下の場合は(ステップS27が「Yes」)、ステップS28に進む。
一方、ステップS27の比較の結果、判断基準ΣC/ΣPが「ΣC/ΣPのしきい値」より大きい場合は(ステップS27が「No」)、ステップS29に進む。
ステップS28では、「薬液が広範囲に均一に浸透している」と判定して、薬液注入の施工状況は「良好」と評価して、制御を終了する。
一方、ステップS29では、「薬液が広範囲に均一に浸透していない」と判定して、薬液注入の施工状況は「不良」と評価する。そして、ステップS30に進み、追加孔を削孔して新たに注入工法を施工するか否かについて検討する。係る検討については、コントロールユニット30(図7)では図示されていない追加孔検討ブロックで行っても良いし、人が判断しても良い。ステップS30で追加孔の検討を行った後、制御を終了する。
ステップS26〜S29における薬液注入施工の評価と良否判定は、一注入箇所において注入が終了する毎に実行される。
第3実施形態によれば、「岩盤注入」の場合の様に、定圧注入が行われ適宜配合切換が実行される場合であっても、注入されたセメントの総量(ΣC)をパラメータとしており、配合切換が実行されてもセメントの総量(ΣC)は正確に求めることが出来るので、判断基準である「ΣC/ΣP」を正確に求めることが出来る。そのため、岩盤注入の場合であっても、薬液が改良するべき領域(岩盤)において広範囲に均一に浸透している施工であるか否かを適正に判断することが出来る。
第3実施形態におけるその他の構成及び作用効果は、第2実施形態と同様である。
図示の実施形態において、薬液注入工法により改良するべき領域で薬液が広範囲に均一に浸透しているか否かを判断するに際して、第1実施形態では注入終了までの注入圧力の累積値ΣPを判断基準とし、第2実施形態では注入終了までの注入量ΣQを圧力の累積値ΣPで除した数値ΣQ/ΣPを判断基準とし、第3実施形態では注入終了までのセメント総量ΣCを圧力の累積値ΣPで除した数値ΣC/ΣPを判断基準としている。
しかし、第1実施形態の判断基準と第2実施形態の判断基準を組み合わせて、より精密な評価とすることも可能であり、また、第1実施形態の判断基準と第3実施形態の判断基準を組み合わせて、より精密な評価とすることも可能である。
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。
1・・・グラウトミキサ
10、20、30・・・コントロールユニット(制御装置)
100、101、102・・・評価システム
Sqp・・・計測装置

Claims (6)

  1. 注入圧力を計測し、注入終了までの圧力の累積値を演算し、演算された累積値から改良するべき領域で薬液は広範囲に均一に浸透しているか否かを判断することを特徴とする評価方法。
  2. 注入圧力と薬液注入量を計測し、注入終了までの圧力の累積値及び注入量を演算し、注入終了までの注入量を圧力の累積値で除した数値を求め、当該数値から改良するべき領域において薬液は広範囲に均一に浸透しているか否かを判断することを特徴とする評価方法。
  3. 注入圧力とセメント量を計測し、注入終了までの圧力の累積値及びセメントの総量を演算し、注入終了までのセメントの総量を圧力の累積値で除した数値を求め、当該数値から改良するべき領域において薬液は広範囲に均一に浸透しているか否かを判断することを特徴とする評価方法。
  4. 注入圧力を計測する計測装置と、薬液が広範囲に均一に浸透しているか否かを適切に判断する制御装置を備え、前記制御装置は、計測装置の計測結果から注入終了までの圧力の累積値を演算する機能と、演算された累積値から改良するべき領域で薬液は広範囲に均一に浸透しているか否かを判断する機能を有することを特徴とする評価システム。
  5. 注入圧力と薬液注入量を計測する計測装置と、薬液が広範囲に均一に浸透しているか否かを適切に判断する制御装置を備え、前記制御装置は、計測装置の計測結果から注入終了までの圧力の累積値と注入量を演算する機能と、注入終了までの注入量を圧力の累積値で除した数値を演算する機能と、前記数値から改良するべき領域において薬液は広範囲に均一に浸透しているか否かを判断する機能を有することを特徴とする評価システム。
  6. 注入圧力を計測する計測装置と、セメント量を計測する装置と、薬液が広範囲に均一に浸透しているか否かを適切に判断する制御装置を備え、前記制御装置は、計測装置の計測結果から注入終了までの圧力の累積値とセメントの総量を演算する機能と、注入終了までのセメントの総量を圧力の累積値で除した数値を演算する機能と、前記数値から改良するべき領域において薬液は広範囲に均一に浸透しているか否かを判断する機能を有することを特徴とする評価システム。
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