JP2019105095A - 評価方法および評価システム - Google Patents
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Abstract
Description
図9において、点線で示す特性曲線Qと時間軸(横軸)と縦軸(流量Qの注入開始時のA1及び注入終了期の軸A2)とで囲まれた部分の面積が、注入開始から供給された注入薬液の総量となる。
従来技術では、圧力特性曲線Pの終端部の圧力Plastが高圧であれば、周囲の地盤に注入薬液が浸透して、良い施工が行われていると判断していた。或いは、圧力特性曲線Pの始端部の圧力Pfirstと終端部の圧力Plastとの圧力差(Plast−Pfirst)が大きいほど、薬液注入工もしくは作業が「良好」に施工されたと判断していた。
圧力特性曲線Pの終端部の圧力Plastが高圧であり、或いは、始端部の圧力Pfirstと終端部の圧力Plastとの圧力差(Plast−Pfirst)が大きければ、薬液を土壌中に注入する圧力が高くなり、薬液が改良するべき領域において広範囲に均等に浸透した、と考えられたからである。そして改良するべき領域において、薬液が広範囲に浸透している場合は、圧力特性Pと注入量特性Qは、例えば図11で示す様になる。
例えば、図12で示す様な圧力特性Pと注入量特性Qの場合には、図11の場合とは注入量は同様であるが、空洞等が存在し或いは薬液が漏出している等に起因して注入圧力は低圧であり、施工中は薬液が地盤(或いは岩盤)中に均一に浸透していない。しかし(図12においては)注入口が異物等により閉塞する等の理由により、施工終了直前に注入圧力が上昇している。すなわち、図12で示す場合には、図11の場合とは異なり、地盤中の改良するべき領域において薬液は広範囲に均一に浸透してはいない。
しかし、図12の場合には注入終了直前のみ注入圧力が上昇しているため、圧力特性曲線Pの終端部の圧力Plastは、図11の場合における圧力特性曲線Pの終端部の圧力Plastと同程度まで昇圧している。そのため、従来技術による評価では、図12における施工は図11における施工と同様に、「薬液が改良するべき領域において広範囲に均一に浸透している」旨の判断が為されてしまう。
圧力特性曲線Pの始端部の圧力Pfirstと終端部の圧力Plastとの圧力差についても、図11、図12における始端部の圧力Pfirstの設定の仕方により、同様な問題が生じてしまう。
しかし、係る従来技術は注入工法の評価については開示しておらず、上述した従来技術の問題点に対処するものではない。
例えば空洞等が存在し或いは薬液が漏出している等に起因して注入圧力(P)は低圧であり、施工中は薬液が地盤(或いは岩盤)中に均一に浸透していないが、施工終了直前に、注入口が異物等により閉塞して注入圧力(P)が上昇した場合(図12参照)は、本発明によれば注入圧力(P)が低圧である旨の履歴が反映されるため、改良するべき領域において薬液は広範囲に均一に浸透している(図11参照)と判断されてしまうことはない。
これに対して、本発明において、注入量(ΣQ)を圧力累積値(ΣP)で除した数値(ΣQ/ΣP)を、薬液が改良するべき領域において広範囲に均一に浸透している施工であるか否か?の判断基準とすれば、二つのパラメータで評価することになり、単一のパラメータ(圧力累積値ΣP)のみで評価するよりも優れた評価を行うことが出来る。
ここで、圧力累積値(ΣP)は注入時間で左右され、注入時間は注入量(ΣQ)で左右される。単位注入速度(q:リットル/min)は地質等に係わらずほぼ一定である。注入量(ΣQ)を圧力累積値(ΣP)で除した数値(ΣQ/ΣP)を評価のパラメータとすることにより、注入時間の影響を相殺して評価することが可能である。
岩盤等に薬液を注入する場合(いわゆる「岩盤注入」の場合)には定圧注入が行われ、適宜配合切換が実行されるが、本発明では、岩盤等に薬液を注入する場合(いわゆる「岩盤注入」の場合)には、前記注入量(ΣQ)として、薬液注入量ではなく、注入されたセメントの総量(ΣC)を用いており、配合切換が実行されてもセメントの総量(ΣC)は正確に求めることが出来るので、薬液が改良するべき領域(岩盤)において広範囲に均一に浸透している施工であるか否かを適正に判断することが出来る。
図9〜図12と同様に薬液注入工法における薬液注入圧力(P)の時間特性と薬液注入量(Q:流量)の時間特性を示す特性図である図1において、実線で示す注入圧力(P)の時間特性Pの下側の面積(右下がりの実線のハッチングを付した領域)が符号ΣPで示されており、符号ΣPは注入工程(注入開始から注入終了まで)における圧力の累積値を示している。本発明の第1実施形態では、圧力累積値ΣPを、薬液が改良するべき領域において広範囲に均一に浸透している施工であるか否か?の判断基準に用いている。
本発明の第2実施形態では、注入量ΣQを圧力累積値ΣPで除した数値(=ΣQ/ΣP)を、薬液が改良するべき領域において広範囲に均一に浸透している施工であるか否か?の判断基準とする。
それに対して、岩盤等(いわゆる「岩盤注入」)の場合には定圧注入が行われ、注入薬液の配合切換が適宜実行される。薬液の注入量が同一であっても、固化材(例えばセメント)の含有量は異なる場合が多い。そのため、前記注入量ΣQに代えて、注入された固化材の総量ΣCを用いることが、注入の施工の是非の評価には好適である。本発明の第3実施形態では、岩盤注入の場合において、「ΣC/ΣP」(固化材であるセメントの総量ΣCを圧力累積値ΣPで除した数値)を、薬液が改良するべき領域において広範囲に均一に浸透している施工であるか否か?の判断基準としている。
図2は注入工法を実行するためのシステム200を示し、固化材と水等を混練して注入薬液を生成するグラウトミキサ1と、注入薬液を吐出するグラウトポンプ2と、リターンバルブ3と、流量・圧力波形を制御・記録するコントロールユニット10(20、30:制御装置)と、注入装置4を有している。
図1において、グラウトミキサ1はグラウトポンプ2とグラウト供給ラインL1で接続されており、グラウトミキサ1で混練、生成された注入薬液がグラウトポンプ2に搬送される。グラウトポンプ2はグラウト圧送ラインL2を介してリターンバルブ3の注入口3Aと接続されており、グラウトポンプ2で昇圧されて吐出されたグラウトが、リターンバルブ3のグラウト供給口3Bからグラウト注入ラインL3を介して、注入装置4に供給される。
いわゆる「岩盤注入」の場合、注入されたセメント(固化材)の総量ΣCは、グラウトミキサ1から信号伝達ラインIL2を経由して送信されたセメント量C(固化材量)のデータに基づいて、コントロールユニット30で演算される。
リターンバルブ3には戻りラインLrが接続されており、戻りラインLrはグラウトミキサ1に連通している。地盤Gに注入されない余剰分の注入薬液は、リターンバルブ3から戻りラインLrを介してグラウトミキサ1に戻される。
なお、符号IL3は、注入装置4からコントロールユニット10(20、30)に注入施工状況(注入開始、注入終了等)を送信する信号伝達ラインを示している。
第1実施形態におけるコントロールユニット10の機能ブロック図である図3において、第1実施形態の評価システム100は、コントロールユニット10(制御装置)、注入圧力Pを検出する流量圧力検出器Sqp(計測装置)、注入装置4、表示装置5を備えている。
コントロールユニット10(破線で囲った部分)は、圧力演算ブロック10A、圧力積算ブロック10B、注入終了判断ブロック10C、判定ブロック10D、記憶ブロック10Eを有している。
ここで、流量圧力検出器Sqpによる注入圧力の検出(計測)、当該検出圧力のコントロールユニット10(圧力演算ブロック10A)への入力、注入圧力Pの演算、注入圧力の累積値ΣPの演算は、制御サイクル毎に行われる。そして、薬液が広範囲に均一に浸透しているか否かの評価は、一つの注入箇所において注入が完了する毎に行われる。
圧力積算ブロック10Bで演算された注入圧力の累積値ΣPに関する情報信号は、情報信号ラインIL5を介して、判定ブロック10Dに送信される。
注入終了判断ブロック10Cは、注入装置4(図2)からの注入施工状況(注入開始、注入終了等)に関する情報信号を、インターフェースI/F(入力側)及び情報信号ラインIL3を介して受信すると共に、当該注入施工状況に関する情報信号(注入開始、注入終了)に基づき、注入終了を判断する機能を有している。
注入終了判断ブロック10Cによる「注入終了」の判断結果は、情報信号ラインIL6を介して判定ブロック10Dに送信される。
当該判定に際しては、記憶ブロック10Eに記憶される「注入圧力の累積値ΣPのしきい値」(薬液注入工法で改良するべき領域において薬液が広範囲に均一に浸透しているか否かを判断する際のしきい値)を参酌して(しきい値と比較して)薬液が広範囲に均一に浸透しているか否かを判定する。「注入圧力の累積値ΣPのしきい値」は情報信号ラインIL7を介して、記憶ブロック10Eに送信される。
判定ブロック10Dは、「注入圧力の累積値ΣP」が「ΣPのしきい値」以上である場合には「薬液が広範囲に均一に浸透している」と判定し、「注入圧力の累積値ΣP」が「ΣPのしきい値」より小さい場合には「薬液が広範囲に均一に浸透していない」と判定する。
判定ブロック10Dの判定結果は、インターフェースI/F(出力側インターフェース)を介して、表示装置5に送信される(情報信号ラインIL8)。明確には図示されていないが、注入圧力の累積値ΣP(判断基準の値)、しきい値、その他をも表示することが出来る。
表示装置5は、コントロールユニット10の判定ブロック10Dから判定結果(薬液が広範囲に均一に浸透しているか否か等)を受信し、表示する機能を有している。表示装置4に表示された情報に基づいて、施工管理者は、必要に応じて施工の仕様、条件等を見直すことが出来る。
図4において、ステップS1では、流量圧力検出器Sqp(図2)より圧力検出信号を入力し、注入圧力Pを演算する。当該演算は、コントロールユニット10の圧力演算ブロック10A(図3)で実行される。そしてステップS2に進む。
ステップS2では、ステップS1で演算した注入圧力Pに基づき、注入開始からの注入圧力の累積値ΣPを演算する。当該演算は、コントロールユニット10の圧力積算ブロック10B(図3)で実行される。
ステップS3の判断の結果、その箇所における薬液注入が終了したならば(ステップS3が「Yes」)、ステップS4に進む。
一方、ステップS3の判断の結果、薬液注入が終了していなければ(ステップS3が「No」)、ステップS1に戻る。
ステップS4における比較の結果、注入圧力の累積値ΣPがしきい値以上の場合(ステップS4が「Yes」)、ステップS5に進む。
一方、ステップS4の比較の結果、注入圧力の累積値ΣPがしきい値より小さい場合(ステップS4が「No」)、ステップS6に進む。
一方、ステップS6では、「薬液が広範囲に均一に浸透していない」と判定し、薬液注入の施工状況は「不良」と評価する。そして、ステップS7に進み、追加孔を削孔して新たに注入工法を施工するか否かについて検討する。係る検討については、コントロールユニット10(図3)では図示されていない追加孔検討ブロックで行っても良いし、人が判断しても良い。ステップS7で追加孔の検討を行った後、制御を終了する。
ステップS4〜S6による薬液注入施工の評価、良否判定は、一つの薬液注入箇所において薬液注入が終了する度に実行される。
第2実施形態では、注入量ΣQを圧力累積値ΣPで除した数値(=ΣQ/ΣP)を判断基準としている。ここで第2実施形態は、岩盤以外の地盤に薬液を注入する場合、いわゆる「岩盤注入」以外の薬液注入を想定している。そして「岩盤注入」については、第3実施形態で後述する。
図5において、第2実施形態の評価システム101は、コントロールユニット20(制御装置)、注入圧力Pと薬液注入量Qを検出する流量圧力検出器Sqp(計測装置)、注入装置4、表示装置5を備えて構成されている。
ここで、圧力演算ブロック20A、圧力積算ブロック20B、注入終了判断ブロック20Fの機能は、第1実施形態のコントロールユニット10における圧力演算ブロック10A、圧力積算ブロック10B、注入終了判断ブロック10Cと同様であるので、図4で説明したのと同様な説明は省略する。
流量演算ブロック20Cは、流量圧力検出器Sqpからの検出流量に関する情報信号(流量信号)を、インターフェースI/F(入力側)、情報信号ラインIL1、IL10を介して受信し、検出された流量信号に基づき薬液の流量Qを演算する機能を有している。
流量演算ブロック20Cで演算された流量Qに関する情報信号は、情報信号ラインIL11を介して注入量演算ブロック20Dに送信される。
注入量演算ブロック20Dは、流量演算ブロック20Cから受信した流量Qに関する情報信号に基づき、注入開始からの薬液注入量ΣQ(薬液流量の累積値)を演算する機能を有している。
注入量演算ブロック20Dで演算された薬液注入量ΣQ(薬液流量の累積値)に関する情報信号は、順次、ΣQ/ΣP演算ブロック20Eに送信される(情報信号ラインIL12)。
ΣQ/ΣP演算ブロック20Eで演算されたΣQ/ΣPに関する情報信号は、情報信号ラインIL13を介して判定ブロック20Gに送信される。
当該判定に際しては、ΣQ/ΣP演算ブロック20Eから受信した判断基準ΣQ/ΣPを、記憶ブロック20Hに記憶されている「ΣQ/ΣPのしきい値」と比較して、薬液が広範囲に均一に浸透しているか否かを判定する。そして、「判断基準ΣQ/ΣP」が「しきい値(ΣQ/ΣPのしきい値)」以下である場合には「薬液が広範囲に均一に浸透している」と判定(評価)し、「判断基準ΣQ/ΣP」が「しきい値(ΣQ/ΣPのしきい値)」より大きい場合には「薬液が広範囲に均一に浸透していない」と判定(評価)する。
判定ブロック20Gの判定結果は、情報信号ラインIL15、インターフェースI/F(出力側インターフェース)を介して、表示装置5に送信される。図示はされていないが、表示装置5では、必要に応じて判断基準ΣQ/ΣPの値、しきい値、その他を表示することが可能である。
また、明確には図示されないが、記憶ブロック20Hには判定ブロック20Gから判定結果が送信され、記憶される。
表示装置5は、コントロールユニット20の判定ブロック20Gから判定結果を受信し、表示する機能を有している。表示装置4で表示された内容(判断基準ΣQ/ΣPの値、しきい値、その他を含む)は、管理者により監視され、必要に応じて施工の仕様、条件が見直される。
図6において、ステップS11〜S12では、図4(第1実施形態)のステップS1〜S2と同様の制御を行うので、重複した説明は省略する。
ステップS13では、流量圧力検出器Sqpより流量検出信号を入力し、注入薬液の流量Qを演算する。当該演算は、コントロールユニット20の流量演算ブロック20C(図5)で実行される。
ステップS14では、ステップS13で演算した流量Qに基づき、注入開始からの注入量ΣQ(注入薬液の流量の累積値)を演算する。当該演算は、コントロールユニット20の注入量演算ブロック20D(図5)で実行される。
ステップS15の結果、薬液注入が終了であれば(ステップS15が「Yes」)、ステップS16に進む。
一方、ステップS15の結果、薬液注入が終了していなければ(ステップS15が「No」)、ステップS11及びステップS13に戻り、注入圧力の累積値ΣP、注入量ΣQの演算を続行する。
ステップS17では、ステップS16で演算された判断基準ΣQ/ΣPを、ΣQ/ΣPのしきい値(薬液が広範囲に均一に浸透しているか否かを判断する際のしきい値)と比較する。当該比較(評価)及びステップS18、S19における判定は、コントロールユニット20の判定ブロック20G(図5)で実行される。
一方、ステップS17において、判断基準ΣQ/ΣPがしきい値より大きい場合(ステップS17が「No」)、ステップS19に進む。
ステップS18では、「薬液が広範囲に均一に浸透している」と評価し、薬液注入の施工状況は「良好」と判定して制御を終了する。
一方、ステップS19では、「薬液が広範囲に均一に浸透していない」と評価し、薬液注入の施工状況は「不良」と判定する。そして、ステップS20に進み、追加孔を削孔して新たに注入工法を施工するか否かについて検討する。係る検討については、コントロールユニット20(図5)では図示されていない追加孔検討ブロックで行っても良いし、人が判断しても良い。ステップS20で追加孔の検討を行った後、制御を終了する。
ステップS11〜S19による薬液注入施工の評価、良否判定は、一注入箇所において注入が終了する毎に実行される。
これに対して、第2次津市形態では、注入量(ΣQ)を圧力累積値(ΣP)で除した数値(ΣQ/ΣP)を判断基準とすれば、二つのパラメータΣQとΣPで評価しており、単一のパラメータ(圧力累積値ΣP)のみで評価する第1実施形態よりも正確且つ優れた評価を行うことが出来る。
ここで、注入時間は圧力累積値(ΣP)に影響を与え、そして注入量(ΣQ)で左右される。注入量(ΣQ)を圧力累積値(ΣP)で除した数値(ΣQ/ΣP)を評価のパラメータとすることにより、注入時間の影響が相殺され、注入時間に影響しない評価が可能である。なお、単位注入速度(q:リットル/min)は地質等に係わらずほぼ一定である。
第2実施形態におけるその他の構成及び作用効果は台1実施形態と同様である。
第3実施形態では、いわゆる「岩盤注入」の場合を想定しており、岩盤以外の地盤に薬液を注入する第2実施形態における薬液注入量ΣQに代えて、注入された固化材(例えばセメント)の総量ΣC(固化材供給量)を用いて、「ΣC/ΣP」(セメント総量ΣCを圧力累積値ΣPで除した数値)を、薬液が改良するべき領域において広範囲に均一に浸透している施工であるか否か?の判断基準としている。
図7において、第3実施形態の評価システム102は、コントロールユニット30(制御装置)、注入圧力Pを検出する流量圧力検出器Sqp(計測装置)、セメント量C(セメント注入量)を計測するグラウトミキサ1、注入装置4、表示装置5を備えて構成されている。
ここで、圧力演算ブロック30A、圧力積算ブロック30B、注入終了判断ブロック30Fの機能は、第2実施形態のコントロールユニット20における圧力演算ブロック20A、注入終了判断ブロック20Fと同様であり、その構成及び機能は上述した圧力演算ブロック10A、20A、圧力積算ブロック10B、20B、注入終了判断ブロック10F、20Fと同様である。図3〜図6を参照して上述したのと同様である。
圧力積算ブロック20Bで演算された注入圧力の累積値ΣPに関する情報信号は、情報信号ラインIL16を介して、ΣC/ΣP演算ブロック30Eに送信される。
セメント量演算ブロック30Cで演算されたセメント量Cに関する情報信号は、情報信号ラインIL17を介して、セメント総量演算ブロック30Dに送信される。
セメント総量演算ブロック30Dは、セメント量演算ブロック30Cから受信したセメント量Cに関する情報信号に基づき、注入開始からのセメント量Cの累積値、すなわちセメント総量ΣC(セメント供給量)を演算する機能を有している。
セメント総量演算ブロック30Dで演算されたセメント総量ΣCに関する情報信号は、情報信号ラインIL18を介して、ΣC/ΣP演算ブロック30Eに送信される。
ΣC/ΣP演算ブロック30Eで演算されたΣC/ΣPに関する情報は、情報信号ラインIL19を介して判定ブロック30Gに送信される。
当該判定に際しては、判断基準ΣC/ΣPと、記憶ブロック30Hに記憶される「ΣC/ΣPのしきい値」と比較して、薬液が広範囲に均一に浸透しているか否かを判定する。そして、「判断基準ΣC/ΣP」が「ΣC/ΣPのしきい値」以下である場合には「薬液が広範囲に均一に浸透している」と判定し、「判断基準ΣC/ΣP」が「ΣC/ΣPのしきい値」より大きい場合には「薬液が広範囲に均一に浸透していない」と判定する。
判定ブロック30Gの判定結果は、情報信号ラインIL21及びインターフェースI/F(出力側インターフェース)を介して、表示装置5に送信される。図示はされていないが、表示装置5には必要に応じて判断基準ΣC/ΣPの値、しきい値、その他を表示することが出来る。
ここで、ΣC/ΣPのしきい値は、施工現場の状況、施工の仕様、その他の条件により、ケース・バイ・ケースで決定される。
明確には図示されていないが、記憶ブロック30Hには判定ブロック30Gから判定結果が送信され、記憶される。
当該薬液注入工法の施工の際、管理者は、表示装置5に表示される判定ブロック30Gの判定結果(判断基準ΣC/ΣPの値、しきい値、その他も含む)を参照することにより、必要に応じて、施工の仕様、条件を見直すことが出来る。
図8において、ステップS21〜S22では、図6(第2実施形態)のステップS11〜S12と同様の制御を行う。すなわち、ステップS21では、圧力演算ブロック30(図7)により、流量圧力検出器Sqp(図2)より圧力検出信号を入力し、注入圧力Pを演算する。ステップS22では、圧力積算ブロック30B(図7)により、ステップS21で演算した注入圧力Pに基づき、注入開始からの注入圧力の累積値ΣPを演算する。
ステップS24では、セメント総量演算ブロック30D(図7)により、ステップS23で演算したセメント量Cに基づき、注入開始からのセメント総量ΣC(セメント供給量)を演算する。
ステップS25の判断の結果、薬液注入が終了していれば(ステップS25が「Yes」)、ステップS26に進む。
一方、ステップS25の判断の結果、薬液注入が終了していなければ(ステップS25が「No」)、ステップS21及びステップS23に戻り、注入圧力の累積値ΣP、セメント総量ΣC(セメント供給量)の演算を続行する。
ステップS27では、判定ブロック30G(図7)により、ステップS26で演算された判断基準ΣC/ΣPを、ΣC/ΣPのしきい値(薬液が広範囲に均一に浸透しているか否かを判断する際のしきい値)と比較する。
一方、ステップS27の比較の結果、判断基準ΣC/ΣPが「ΣC/ΣPのしきい値」より大きい場合は(ステップS27が「No」)、ステップS29に進む。
ステップS28では、「薬液が広範囲に均一に浸透している」と判定して、薬液注入の施工状況は「良好」と評価して、制御を終了する。
一方、ステップS29では、「薬液が広範囲に均一に浸透していない」と判定して、薬液注入の施工状況は「不良」と評価する。そして、ステップS30に進み、追加孔を削孔して新たに注入工法を施工するか否かについて検討する。係る検討については、コントロールユニット30(図7)では図示されていない追加孔検討ブロックで行っても良いし、人が判断しても良い。ステップS30で追加孔の検討を行った後、制御を終了する。
ステップS26〜S29における薬液注入施工の評価と良否判定は、一注入箇所において注入が終了する毎に実行される。
第3実施形態におけるその他の構成及び作用効果は、第2実施形態と同様である。
しかし、第1実施形態の判断基準と第2実施形態の判断基準を組み合わせて、より精密な評価とすることも可能であり、また、第1実施形態の判断基準と第3実施形態の判断基準を組み合わせて、より精密な評価とすることも可能である。
10、20、30・・・コントロールユニット(制御装置)
100、101、102・・・評価システム
Sqp・・・計測装置
Claims (6)
- 注入圧力を計測し、注入終了までの圧力の累積値を演算し、演算された累積値から改良するべき領域で薬液は広範囲に均一に浸透しているか否かを判断することを特徴とする評価方法。
- 注入圧力と薬液注入量を計測し、注入終了までの圧力の累積値及び注入量を演算し、注入終了までの注入量を圧力の累積値で除した数値を求め、当該数値から改良するべき領域において薬液は広範囲に均一に浸透しているか否かを判断することを特徴とする評価方法。
- 注入圧力とセメント量を計測し、注入終了までの圧力の累積値及びセメントの総量を演算し、注入終了までのセメントの総量を圧力の累積値で除した数値を求め、当該数値から改良するべき領域において薬液は広範囲に均一に浸透しているか否かを判断することを特徴とする評価方法。
- 注入圧力を計測する計測装置と、薬液が広範囲に均一に浸透しているか否かを適切に判断する制御装置を備え、前記制御装置は、計測装置の計測結果から注入終了までの圧力の累積値を演算する機能と、演算された累積値から改良するべき領域で薬液は広範囲に均一に浸透しているか否かを判断する機能を有することを特徴とする評価システム。
- 注入圧力と薬液注入量を計測する計測装置と、薬液が広範囲に均一に浸透しているか否かを適切に判断する制御装置を備え、前記制御装置は、計測装置の計測結果から注入終了までの圧力の累積値と注入量を演算する機能と、注入終了までの注入量を圧力の累積値で除した数値を演算する機能と、前記数値から改良するべき領域において薬液は広範囲に均一に浸透しているか否かを判断する機能を有することを特徴とする評価システム。
- 注入圧力を計測する計測装置と、セメント量を計測する装置と、薬液が広範囲に均一に浸透しているか否かを適切に判断する制御装置を備え、前記制御装置は、計測装置の計測結果から注入終了までの圧力の累積値とセメントの総量を演算する機能と、注入終了までのセメントの総量を圧力の累積値で除した数値を演算する機能と、前記数値から改良するべき領域において薬液は広範囲に均一に浸透しているか否かを判断する機能を有することを特徴とする評価システム。
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