JP2019104790A - ランフラットタイヤ用サイド補強ゴム組成物、ランフラットタイヤ用サイド補強ゴム、及びランフラットタイヤ - Google Patents

ランフラットタイヤ用サイド補強ゴム組成物、ランフラットタイヤ用サイド補強ゴム、及びランフラットタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】耐久性に優れるランフラットタイヤ用サイド補強ゴムにより製造する。【解決手段】ジエン系ゴムを含むゴム成分と、加硫剤と、窒素吸着法比表面積が10〜40m2/g、ジブチルフタレート吸油量が100〜180mL/100g、かつ圧縮ジブチルフタレート吸油量が36〜110ml/100gであるカーボンブラックとを含有し、式(1)で表される前記カーボンブラックの粒子間距離Sが40〜150nmであり、式(2)で表される前記カーボンブラックと前記カーボンブラックに吸蔵されたオクルードラバーからなる凝集体の体積比率φβが0.25〜0.45であるランフラットタイヤ用サイド補強ゴム組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ランフラットタイヤ用サイド補強ゴム組成物、ランフラットタイヤ用サイド補強ゴム、及びランフラットタイヤに関する。
従来、タイヤ、特にランフラットタイヤにおいて、サイドウォール部の剛性向上のために、ゴム組成物単独又はゴム組成物と繊維等の複合体によるサイド補強層が配設されている。
例えば、ランフラット性能を改善するランフラットタイヤ用ゴム組成物として、天然ゴムを含むゴム成分と、カーボンブラックと、酸化亜鉛とを含有し、上記ゴム成分100質量%中の上記天然ゴムの割合が95質量%以上であり、上記カーボンブラックは、ヨウ素吸着量が82mg/g以上、ジブチルフタレート吸油量が69ml/100g以上であり、上記ゴム成分100質量部に対して、上記カーボンブラックの含有量が60質量部以上であり、上記酸化亜鉛の含有量が10質量部以上であるゴム組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−74241号公報
特許文献1では、所定量の天然ゴム(NR)と、特定のヨウ素吸着量及びジブチルフタレート(DBP)吸油量を有する所定量のカーボンブラックと、所定量の酸化亜鉛とを含有するゴム組成物を用いることでランフラットタイヤの耐久性の向上を試みている。
しかしながら、自動車、特に乗用車の高性能化に伴い、ランフラット耐久性の更なる改良が求められている。
本発明は、低発熱性を損なわずに、耐久性に優れるランフラットタイヤ用サイド補強ゴム、これを製造することができるランフラットタイヤ用サイド補強ゴム組成物、並びに、低発熱性を損なわずに、耐久性に優れるランフラットタイヤを提供することを課題とする。
<1> ジエン系ゴムを含むゴム成分と、加硫剤と、窒素吸着法比表面積が10〜40m/g、ジブチルフタレート吸油量が100〜180mL/100g、かつ圧縮ジブチルフタレート吸油量が36〜110ml/100gであるカーボンブラックとを含有し、下記式(1)で表される前記カーボンブラックの粒子間距離Sが40〜150nmであり、下記式(2)で表される前記カーボンブラックと前記カーボンブラックに吸蔵されたオクルードラバーからなる凝集体の体積比率φβが0.25〜0.45であるランフラットタイヤ用サイド補強ゴム組成物である。
式(1)中、Dstはストークス相当径の分布曲線の最多頻度値(nm)、ΔD50は前記Dstに対する分布曲線の半値幅(nm)を表す。φβは前記カーボンブラックと吸蔵されたオクルードラバーからなる凝集体の体積比率を表し、下記式(2)で求められる。
式(2)中、φは、ゴム組成物の全体積V(ml)に対するカーボンブラックの全体積VCB(ml)の比(VCB/V)を表し、Voccはオクルードラバー体積を表し、Vはカーボンブラック凝集体の体積を表す。24M4DBPは、カーボンブラックの圧縮ジブチルフタレート吸油量(ml/100g)を表す。
<2> 前記カーボンブラックの含有量が、前記ゴム成分100質量部に対し、40〜100質量部である<1>に記載のランフラットタイヤ用サイド補強ゴム組成物である。
<3> 前記ジエン系ゴムが、合成ジエン系ゴムを含む<1>又は<2>に記載のランフラットタイヤ用サイド補強ゴム組成物である。
<4> 前記合成ジエン系ゴムが、スズ原子、酸素原子及び窒素原子からなる群から選択される少なくとも一種を含む変性官能基を有する変性ゴムを含む<3>に記載のランフラットタイヤ用サイド補強ゴム組成物である。
<5> 前記ゴム成分中の天然ゴムの含有量が20〜99質量%であり、ポリブタジエンゴムが1〜80質量%である<1>〜<4>のいずれか1つに記載のランフラットタイヤ用サイド補強ゴム組成物である。
<6> チウラム化合物を含む加硫促進剤を含有する<1>〜<5>のいずれか1つに記載のランフラットタイヤ用サイド補強ゴム組成物である。
<7> 前記チウラム化合物は、側鎖炭素数が4以上である<6>に記載のランフラットタイヤ用サイド補強ゴム組成物である。
<8> <1>〜<7>のいずれか1つに記載のランフラットタイヤ用サイド補強ゴム組成物を用いたランフラットタイヤ用サイド補強ゴムである。
<9> <8>に記載のランフラットタイヤ用サイド補強ゴムを用いたランフラットタイヤである。
本発明によれば、低発熱性を損なわずに、耐久性に優れるランフラットタイヤ用サイド補強ゴム、これを製造することができるランフラットタイヤ用サイド補強ゴム組成物、並びに、低発熱性を損なわずに、耐久性に優れるランフラットタイヤを提供することができる。
本発明のランフラットタイヤの一実施態様の断面を示す模式図である。
<ランフラットタイヤ用サイド補強ゴム組成物>
本発明のランフラットタイヤ用サイド補強ゴム組成物は、
ジエン系ゴムを含むゴム成分と、
加硫剤と、
窒素吸着法比表面積が10〜40m/g、ジブチルフタレート吸油量が100〜180mL/100g、かつ圧縮ジブチルフタレート吸油量が36〜110ml/100gであるカーボンブラックと
を含有し、
下記式(1)で表される前記カーボンブラックの粒子間距離Sが40〜150nmであり、下記式(2)で表される前記カーボンブラックと前記カーボンブラックに吸蔵されたオクルードラバーからなる凝集体の体積比率φβが0.25〜0.45である。
以下、ランフラットタイヤ用サイド補強ゴム組成物を、単に「ゴム組成物」と称することがある。
式(1)中、Dstはストークス相当径の分布曲線の最多頻度値(nm)、ΔD50は前記Dstに対する分布曲線の半値幅(nm)を表す。φβは前記カーボンブラックと前記カーボンブラックに吸蔵されたオクルードラバーからなる凝集体の体積比率を表し、下記式(2)で求められる。
式(2)中、φは、ゴム組成物の全体積V(ml)に対するカーボンブラックの全体積VCB(ml)の比(VCB/V)を表し、Voccはオクルードラバー体積を表し、Vはカーボンブラック凝集体の体積を表す。24M4DBPは、カーボンブラックの圧縮ジブチルフタレート吸油量(ml/100g)を表す。
カーボンブラックは、通常、一次粒子が凝集し、連鎖した粒子が枝分かれした構造体として存在するため、ゴム組成物内において、ゴム成分が枝状になった連鎖粒子の間に入り込む。このように、カーボンブラックの枝分かれ構造に吸蔵されたゴム成分を、オクルードラバーと称する。オクルードラバーは、カーボンブラックの枝状になった連鎖粒子のカーボンブラックにより拘束されるため、外部からの負荷によって変形しにくくなることから、カーボンブラックと共に、ゴム組成物を補強する成分として機能する傾向にある。
オクルードラバーを多く吸蔵し易い高ストラクチャーのカーボンブラックを用いることで、ゴム組成物の耐久性を向上することができるが、連鎖した粒子が多いほど、粒子間の摩擦が大きくなり加硫ゴムの発熱を高め易かった。
本発明者は、カーボンブラックに吸蔵されたオクルードラバーの存在状態に着眼し、ゴム成分中のカーボンブラックと吸蔵されたオクルードラバーからなる凝集体の体積比率φβと、カーボンブラックの粒子間距離Sを制御することで、ランフラットタイヤ用サイド補強ゴムの発熱を抑制しつつ、耐久性を向上することを見出した。
〔式(1)、式(2)〕
式(1)において、Dstは、カーボンブラックの凝集体の大きさを表し、exp[(ΔD50/2Dst)]は、カーボンブラックの凝集体の分布を表し、「[(0.86/(φβ)1/3)−1]」は、ゴム組成物中のカーボンブラックの含有量に相当する。
カーボンブラックの粒子間距離Sは、ゴム組成物中のカーボンブラックの含有量に依存し、含有量が多いほど粒子間距離Sは小さくなり、粒子同士が近づき、含有量が少ないほど粒子間距離Sが大きくなり、粒子同士が離れ易い傾向にあるが、カーボンブラックのストラクチャーがどれほど発達しているかという凝集体の大きさにも影響すると考えられる。
粒子間距離Sは、40〜150nmであり、40nmよりも小さいと、粒子同士の接触が多くなり、ランフラットタイヤ用サイド補強ゴムの低発熱性を損なう。150nmよりも大きいと、カーボンブラックの粒子が離れ、カーボンブラック粒子同士のネットワーク構造を構成することが困難になるため、補強性が小さくなるため、ランフラットタイヤ用サイド補強ゴムの耐久性が優れない。
粒子間距離Sは、上記観点から、45〜135nmであることが好ましい。
式(1)に含まれるカーボンブラックとカーボンブラックに吸蔵されたオクルードラバーからなる凝集体の体積比率φβは、式(2)により求めることができる。φは、ゴム組成物の全体積(V)に対するカーボンブラックの全体積(VCB)から、VCB/Vとして求まる。βは、カーボンブラックの凝集体の体積(V)に対するオクルードラバーの体積(VOCC)に依存し、カーボンブラックの圧縮ジブチルフタレート吸油量(24M4DBP)から「1+〔(24M4DBP−31)/55〕」として算出することができる。
体積比率φβは、ゴム成分とカーボンブラックとの体積比、及びカーボンブラックのストラクチャーの発達度合に依存し、φを大きくするかβを大きくすればφβは大きくなる。φは、ゴム成分中のカーボンブラックの体積比が増すほど大きくなる傾向にある。βは、カーボンブラックに吸蔵可能なオクルードラバー量が増すほど大きくなる傾向にある。言い換えれば、カーボンブラックのストラクチャーを複雑化するほど、更に言い換えれば24M4DBPが大きいほど、βは大きくなる傾向にある。
体積比率φβは、0.25〜0.45であり、0.25よりも小さいとランフラットタイヤ用サイド補強ゴムの耐久性を損ない、0.45よりも大きいとランフラットタイヤ用サイド補強ゴムの低発熱性を損なう。
ランフラットタイヤ用サイド補強ゴムの低発熱性を損なわずに、耐久性を向上する観点から、体積比率φβは、0.3〜0.4であることが好ましく、0.35〜0.4であることがより好ましい。
〔ゴム成分〕
本発明のランフラットタイヤ用サイド補強ゴム組成物は、少なくとも、ジエン系ゴムを含むゴム成分を含有する。
ジエン系ゴムは、天然ゴム(NR)及び合成ジエン系ゴムからなる群より選択される少なくとも1種が用いられる。
合成ジエン系ゴムとして、具体的には、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム(BIR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム(SIR)、スチレン−ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム(SBIR)等が挙げられる。
ジエン系ゴムは、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリブタジエンゴム、及びイソブチレンイソプレンゴムが好ましく、天然ゴム及びポリブタジエンゴムがより好ましい。ジエン系ゴムは、一種単独で用いてもよいし、二種以上をブレンドして用いてもよい。
ジエン系ゴムは、天然ゴムと合成ジエン系ゴムのいずれか一方のみ用いてもよいし、両方を用いてもよいが、ランフラットタイヤ用サイド補強ゴムの引張強度、破壊伸びなどの破壊特性を向上し、耐久性を向上する観点から、天然ゴムと合成ジエン系ゴムを併用することが好ましい。
ランフラットタイヤ用サイド補強ゴムの耐久性をより向上する観点から、ゴム成分中の天然ゴムの含有量が20〜99質量%であり、合成ジエン系ゴムが1〜80質量%であることが好ましく、天然ゴムの含有量が20〜99質量%であり、ポリブタジエンゴムが1〜80質量%であることがより好ましく、天然ゴムの含有量が30〜70質量%であり、ポリブタジエンゴムが30〜70質量%であることが更に好ましく、天然ゴムの含有量が35〜65質量%であり、ポリブタジエンゴムが35〜65質量%であることがより更に好ましい。
ゴム成分は、本発明の効果を損なわない限度において非ジエン系ゴムを含んでいてもよい。
合成ジエン系ゴムは、ランフラットタイヤ用サイド補強ゴムの低発熱性を向上する観点から、スズ原子、酸素原子及び窒素原子からなる群から選択される少なくとも一種を含む変性官能基を有する変性ゴムを含むことが好ましい。カーボンブラックとの相互作用を高めるために、合成ジエン系ゴムは、変性ブタジエンゴムを含むことが好ましい。
スズ原子、酸素原子及び窒素原子からなる群から選択される少なくとも一種を含む変性官能基は、カーボンブラックと相互作用する官能基として機能し、変性官能基は、具体的には、スズ含有官能基、酸素素含有官能基及び窒素含有官能基からなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
変性ブタジエンゴムがスズ含有官能基、酸素含有官能基及び窒素含有官能基からなる群から選択される少なくとも一種の官能基を少なくとも一つ有する変性ブタジエンゴムである場合、変性ブタジエンゴムは、スズ含有化合物、酸素含有化合物又は窒素含有化合物等の変性剤で変性され、スズ含有官能基、酸素含有官能基又は窒素含有官能基等を導入したものであることが好ましい。
ブタジエンゴムの重合活性部位を変性剤で変性するにあたって、使用する変性剤としては、窒素含有化合物、酸素含有化合物及びスズ含有化合物が好ましい。この場合、変性反応により、窒素含有官能基、酸素含有官能基又はスズ含有官能基を導入することができる。
このような変性用官能基は、ポリブタジエンの重合開始末端、主鎖及び重合活性末端のいずれかに存在すればよい。
上記変性剤として用いることができる窒素含有化合物は、置換若しくは非置換のアミノ基、アミド基、イミノ基、イミダゾール基、ニトリル基又はピリジル基を有することが好ましい。該変性剤として好適な窒素含有化合物としては、ジフェニルメタンジイソシアネート、クルードMDI、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物、4−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ジメチルアミノベンジリデンアニリン、4−ジメチルアミノベンジリデンブチルアミン、ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドンヘキサメチレンイミン等が挙げられる。
また、上記変性剤として用いることができる酸素含有化合物としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン、(1−ヘキサメチレンイミノ)メチル(トリメトキシ)シラン、3−ジエチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン、3−ジメチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン、2−(トリメトキシシリルエチル)ピリジン、2−(トリエトキシシリルエチル)ピリジン、2−シアノエチルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン等が挙げられる。これら酸素含有化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、該酸素含有化合物の部分縮合物も用いることができる。
更に、上記変性剤としては、下記式(I):
ZX (I)
[式中、Rは、それぞれ独立して炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数7〜20のアラルキル基からなる群から選択され;Zは、スズ又はケイ素であり;Xは、それぞれ独立して塩素又は臭素であり;aは0〜3で、bは1〜4で、但し、a+b=4である]で表される変性剤も好ましい。なお、式(I)の変性剤で変性して得られる変性ブタジエンゴムは、少なくとも一種のスズ−炭素結合又はケイ素−炭素結合を有する。
式(I)のRとして、具体的には、メチル基、エチル基、n−ブチル基、ネオフィル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。また、式(I)の変性剤として、具体的には、SnCl、RSnCl、R SnCl、R SnCl、SiCl、RSiCl、R SiCl、R SiCl等が好ましく、SnCl及びSiClが特に好ましい。
変性ブタジエンゴムとしては、以上の中でも、ランフラットタイヤ用サイド補強ゴムを低発熱化し、ランフラットタイヤ用サイド補強ゴムの耐久寿命を延ばす観点から、窒素含有官能基を有する変性ブタジエンゴムであることが好ましく、アミン変性ブタジエンゴムであることがより好ましい。
また、アミン変性ブタジエンゴムは、変性用アミン系官能基として、脱離可能基で保護された第1級アミノ基又は脱離可能基で保護された第2級アミノ基を導入したものが好ましく、さらにケイ素原子を含む官能基を導入したものが好ましい。
脱離可能基で保護された第1級アミノ基(保護化第1級アミノ基ともいう。)の例としては、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ基を挙げることができ、脱離可能基で保護された第2級アミノ基の例としてはN,N−(トリメチルシリル)アルキルアミノ基を挙げることができる。このN,N−(トリメチルシリル)アルキルアミノ基含有基としては、非環状残基、及び環状残基のいずれであってもよい。
上記のアミン変性ブタジエンゴムのうち、保護化第1級アミノ基で変性された第1級アミン変性ブタジエンゴムが更に好適である。
前記酸素原子を含む官能基としては、ケイ素原子にヒドロカルビルオキシ基及び/又はヒドロキシ基が結合してなるヒドロカルビルオキシシリル基及び/又はシラノール基を挙げることができる。
このような変性用官能基は、好ましくはブタジエンゴムの重合末端、より好ましくは同一重合活性末端に、脱離可能基で保護されたアミノ基と、ヒドロカルビルオキシ基及びヒドロキシ基が結合したケイ素原子を1以上(例えば、1又は2)とを有するものである。
ブタジエンゴムの活性末端に、保護化第1級アミンを反応させて変性させるには、該ブタジエンゴムは、少なくとも10%のポリマー鎖がリビング性又は擬似リビング性を有するものが好ましい。このようなリビング性を有する重合反応としては、有機アルカリ金属化合物を開始剤とし、有機溶媒中で共役ジエン化合物単独、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とをアニオン重合させる反応か、あるいは有機溶媒中でランタン系列希土類元素化合物を含む触媒による共役ジエン化合物単独、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを配位アニオン重合させる反応が挙げられる。前者は、後者に比較して共役ジエン部分のビニル結合含有量の高いものを得ることができるので好ましい。ビニル結合量を高くすることによって耐熱性を向上させることができる。
アニオン重合の開始剤として用いられる有機アルカリ金属化合物としては、有機リチウム化合物が好ましい。有機リチウム化合物としては、特に制限はないが、ヒドロカルビルリチウム及びリチウムアミド化合物が好ましく用いられ、前者のヒドロカルビルリチウムを用いる場合には、重合開始末端にヒドロカルビル基を有し、かつ他方の末端が重合活性部位であるブタジエンゴムが得られる。また、後者のリチウムアミド化合物を用いる場合には、重合開始末端に窒素含有基を有し、他方の末端が重合活性部位であるブタジエンゴムが得られる。
前記ヒドロカルビルリチウムとしては、炭素数2〜20のヒドロカルビル基を有するものが好ましく、例えばエチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチルフェニルリチウム、4−フェニルブチルリチウム、シクロへキシルリチウム、シクロベンチルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムとの反応生成物等が挙げられるが、これらの中で、特にn−ブチルリチウムが好適である。
一方、リチウムアミド化合物としては、例えばリチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピぺリジド、リチウムへプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジブチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジへプチルアミド、リチウムジへキシルアミド、リチウムジオクチルアミド、リチウムジ−2−エチルへキシルアミド、リチウムジデシルアミド、リチウム−N−メチルピベラジド、リチウムエチルプロピルアミド、リチウムエチルブチルアミド、リチウムエチルベンジルアミド、リチウムメチルフェネチルアミド等が挙げられる。これらの中で、カーボンブラックに対する相互作用効果及び重合開始能の点から、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピぺリジド、リチウムへプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド等の環状リチウムアミドが好ましく、特にリチウムヘキサメチレンイミド及びリチウムピロリジドが好適である。
これらのリチウムアミド化合物は、一般に、第2級アミンとリチウム化合物とから、予め調製したものを重合に使用することができるが、重合系中(in−Situ)で調製することもできる。また、この重合開始剤の使用量は、好ましくは単量体100g当たり、0.2〜20ミリモルの範囲で選定される。
前記有機リチウム化合物を重合開始剤として用い、アニオン重合によってブタジエンゴムを製造する方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。
具体的には、反応に不活性な有機溶剤、例えば脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素化合物等の炭化水素系溶剤中において、共役ジエン化合物又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を、前記リチウム化合物を重合開始剤として、所望により、用いられるランダマイザーの存在下にアニオン重合させることにより、目的の活性末端を有するブタジエンゴムが得られる。
また、有機リチウム化合物を重合開始剤として用いた場合には、前述のランタン系列希土類元素化合物を含む触媒を用いた場合に比べ、活性末端を有するブタジエンゴムのみならず、活性末端を有する共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物の共重合体も効率よく得ることができる。
前記炭化水素系溶剤としては、炭素数3〜8のものが好ましく、例えばプロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1−ブテン、イソブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−へキセン、2−へキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
また、溶媒中の単量体濃度は、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%である。尚、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を用いて共重合を行う場合、仕込み単量体混合物中の芳香族ビニル化合物の含量は55質量%以下の範囲が好ましい。
(変性剤)
本発明においては、上記のようにして得られた活性末端を有するブタジエンゴムの活性末端に、変性剤として、保護化第1級アミン化合物を反応させることにより、第1級アミン変性ブタジエンゴムを製造することができ、保護化第2級アミン化合物を反応させることにより、第2級アミン変性ブタジエンゴムを製造することができる。上記保護化第1級アミン化合物としては、保護化第1級アミノ基を有するアルコキシシラン化合物が好適であり、保護化第2級アミン化合物としては、保護化第2級アミノ基を有するアルコキシシラン化合物が好適である。
上記アミン変性ブタジエンゴムを得るための変性剤として用いられる保護化第1級アミノ基を有するアルコキシシラン化合物としては、例えばN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、1−トリメチルシリル−2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジメトキシシラン及びN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジエトキシシラン等を挙げることができ、好ましくは、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン又は1−トリメチルシリル−2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタンである。
また、上記アミン変性ブタジエンゴムを得るための変性剤としては、N−メチル−N−トリメチルシリルアミノプロピル(メチル)ジメトキシシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアミノプロピル(メチル)ジエトキシシラン、N−トリメチルシリル(ヘキサメチレンイミン−2−イル)プロピル(メチル)ジメトキシシラン、N−トリメチルシリル(ヘキサメチレンイミン−2−イル)プロピル(メチル)ジエトキシシラン、N−トリメチルシリル(ピロリジン−2−イル)プロピル(メチル)ジメトキシシラン、N−トリメチルシリル(ピロリジン−2−イル)プロピル(メチル)ジエトキシシラン、N−トリメチルシリル(ピペリジン−2−イル)プロピル(メチル)ジメトキシシラン、N−トリメチルシリル(ピペリジン−2−イル)プロピル(メチル)ジエトキシシラン、N−トリメチルシリル(イミダゾール−2−イル)プロピル(メチル)ジメトキシシラン、N−トリメチルシリル(イミダゾール−2−イル)プロピル(メチル)ジエトキシシラン、N−トリメチルシリル(4,5−ジヒドロイミダゾール−5−イル)プロピル(メチル)ジメトキシシラン、N−トリメチルシリル(4,5−ジヒドロイミダゾール−5−イル)プロピル(メチル)ジエトキシシランなどの保護化第2級アミノ基を有するアルコキシシラン化合物;N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(シクロヘキシリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミンなどのイミノ基を有するアルコキシシラン化合物;3−ジメチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン、3−ジメチルアミノプロピル(トリメトキシ)シラン、3−ジエチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン、3−ジエチルアミノプロピル(トリメトキシ)シラン、2−ジメチルアミノエチル(トリエトキシ)シラン、2−ジメチルアミノエチル(トリメトキシ)シラン、3−ジメチルアミノプロピル(ジエトキシ)メチルシラン、3−ジブチルアミノプロピル(トリエトキシ)シランなどのアミノ基を有するアルコキシシラン化合物なども挙げられる。
これらの変性剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上組み合わせて用いてもよい。またこの変性剤は部分縮合物であってもよい。
ここで、部分縮合物とは、変性剤のSiOR(Rはアルキル基等)の一部(全部ではない)が縮合によりSiOSi結合したものをいう。
前記変性剤による変性反応において、該変性剤の使用量は、好ましくは0.5〜200mmol/kg・ブタジエンゴムである。同使用量は、さらに好ましくは1〜100mmol/kg・ブタジエンゴムであり、特に好ましくは2〜50mmol/kg・ブタジエンゴムである。ここで、ブタジエンゴムとは、製造時又は製造後、添加される老化防止剤等の添加剤を含まないブタジエンゴムの質量を意味する。変性剤の使用量を前記範囲にすることによって、充填材、特にカーボンブラックの分散性に優れ、ランフラットタイヤ用サイド補強ゴムの耐破壊特性及び低発熱性が改良される。
なお、前記変性剤の添加方法は、特に制限されず、一括して添加する方法、分割して添加する方法、あるいは、連続的に添加する方法等が挙げられるが、一括して添加する方法が好ましい。
また、変性剤は、重合開始末端や重合終了末端以外に重合体主鎖や側鎖のいずれに結合させることもできるが、重合体末端からエネルギー消失を抑制して低発熱性を改良しうる点から、重合開始末端あるいは重合終了末端に導入されていることが好ましい。
(縮合促進剤)
本発明では、前記した変性剤として用いる保護化第1級アミノ基を有するアルコキシシラン化合物が関与する縮合反応を促進するために、縮合促進剤を用いることが好ましい。
このような縮合促進剤としては、第三アミノ基を含有する化合物、又は周期律表(長周期型)の3族、4族、5族、12族、13族、14族及び15族のうちのいずれかの属する元素を一種以上含有する有機化合物を用いることができる。さらに縮合促進剤として、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ビスマス(Bi)、アルミニウム(Al)、及びスズ(Sn)からなる群から選択される少なくとも一種以上の金属を含有する、アルコキシド、カルボン酸塩、又はアセチルアセトナート錯塩であることが好ましい。
ここで用いる縮合促進剤は、前記変性反応前に添加することもできるが、変性反応の途中及び又は終了後に変性反応系に添加することが好ましい。変性反応前に添加した場合、活性末端との直接反応が起こり、活性末端に保護された第一アミノ基を有するヒドロカルビロキシ基が導入されない場合がある。
縮合促進剤の添加時期としては、通常、変性反応開始5分〜5時間後、好ましくは変性反応開始15分〜1時間後である。
縮合促進剤としては、具体的には、例えば、テトラメトキシチタニウム、テトラエトキシチタニウム、テトラ−n−プロポキシチタニウム、テトライソプロポキシチタニウム、テトラ−n−ブトキシチタニウム、テトラ−n−ブトキシチタニウムオリゴマー、テトラ−sec−ブトキシチタニウム、テトラ−tert−ブトキシチタニウム、テトラ(2−エチルヘキシル)チタニウム、ビス(オクタンジオレート)ビス(2−エチルヘキシル)チタニウム、テトラ(オクタンジオレート)チタニウム、チタニウムラクテート、チタニウムジプロポキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムジブトキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムトリブトキシステアレート、チタニウムトリプロポキシステアレート、チタニウムエチルヘキシルジオレート、チタニウムトリプロポキシアセチルアセトネート、チタニウムジプロポキシビス(アセチルアセトネート)、チタニウムトリプロポキシエチルアセトアセテート、チタニウムプロポキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムトリブトキシアセチルアセトネート、チタニウムジブトキシビス(アセチルアセトネート)、チタニウムトリブトキシエチルアセトアセテート、チタニウムブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、チタニウムジアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ビス(2−エチルヘキサノエート)チタニウムオキサイド、ビス(ラウレート)チタニウムオキサイド、ビス(ナフテネート)チタニウムオキサイド、ビス(ステアレート)チタニウムオキサイド、ビス(オレエート)チタニウムオキサイド、ビス(リノレート)チタニウムオキサイド、テトラキス(2−エチルヘキサノエート)チタニウム、テトラキス(ラウレート)チタニウム、テトラキス(ナフテネート)チタニウム、テトラキス(ステアレート)チタニウム、テトラキス(オレエート)チタニウム、テトラキス(リノレート)チタニウム、テトラキス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン等のチタニウムを含む化合物を挙げることができる。
また、例えば、トリス(2−エチルヘキサノエート)ビスマス、トリス(ラウレート)ビスマス、トリス(ナフテネート)ビスマス、トリス(ステアレート)ビスマス、トリス(オレエート)ビスマス、トリス(リノレート)ビスマス、テトラエトキシジルコニウム、テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、テトラ−sec−ブトキシジルコニウム、テトラ−tert−ブトキシジルコニウム、テトラ(2−エチルヘキシル)ジルコニウム、ジルコニウムトリブトキシステアレート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムトリブトキシエチルアセトアセテート、ジルコニウムブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムジアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ビス(2−エチルヘキサノエート)ジルコニウムオキサイド、ビス(ラウレート)ジルコニウムオキサイド、ビス(ナフテネート)ジルコニウムオキサイド、ビス(ステアレート)ジルコニウムオキサイド、ビス(オレエート)ジルコニウムオキサイド、ビス(リノレート)ジルコニウムオキサイド、テトラキス(2−エチルヘキサノエート)ジルコニウム、テトラキス(ラウレート)ジルコニウム、テトラキス(ナフテネート)ジルコニウム、テトラキス(ステアレート)ジルコニウム、テトラキス(オレエート)ジルコニウム、テトラキス(リノレート)ジルコニウム等のビスマスまたはジルコニウムを含む化合物を挙げることができる。
また、例えば、トリエトキシアルミニウム、トリ−n−プロポキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム、トリ−sec−ブトキシアルミニウム、トリ−tert−ブトキシアルミニウム、トリ(2−1エチルヘキシル)アルミニウム、アルミニウムジブトキシステアレート、アルミニウムジブトキシアセチルアセトネート、アルミニウムブトキシビス(アセチルアセトネート)、アルミニウムジブトキシエチルアセトアセテート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、トリス(2−エチルヘキサノエート)アルミニウム、トリス(ラウレート)アルミニウム、トリス(ナフテネート)アルミニウム、トリス(ステアレート)アルミニウム、トリス(オレエート)アルミニウム、トリス(リノレート)アルミニウム等のアルミニウムを含む化合物を挙げることができる。
上述の縮合促進剤の内、チタン化合物が好ましく、チタン金属のアルコキシド、チタン金属のカルボン酸塩、又はチタン金属のアセチルアセトナート錯塩が特に好ましい。
この縮合促進剤の使用量としては、前記化合物のモル数が、反応系内に存在するヒドロカルビロキシ基総量に対するモル比として、0.1〜10となることが好ましく、0.5〜5が特に好ましい。縮合促進剤の使用量を前記範囲にすることによって縮合反応が効率よく進行する。
なお、縮合反応時間は、通常、5分〜10時間、好ましくは15分〜5時間程度である。縮合反応時間を前記範囲にすることによって縮合反応を円滑に完結することができる。
また、縮合反応時の反応系の圧力は、通常、0.01〜20MPa、好ましくは0.05〜10MPaである。
〔カーボンブラック〕
カーボンブラックは、窒素吸着法比表面積が10〜40m/g、ジブチルフタレート吸油量(DBP吸油量)が100〜180mL/100g、かつ圧縮ジブチルフタレート吸油量(24M4DBP)が36〜110ml/100gである。
本発明では、ランフラットタイヤ用サイド補強ゴムの低発熱性を損なわずに、耐久性を向上することができる。
具体的には、窒素吸着法比表面積が10〜40m/gであることで、ランフラットタイヤ用サイド補強ゴムの補強性と低発熱性のバランスに優れる。窒素吸着法比表面積は、15〜35m/gであることが好ましく、17〜32m/gであることがより好ましい。
DBP吸油量は、カーボンブラックの凝集体構造の発達度合(ストラクチャー)を表す指標として用いられ、DBP吸油量が大きいほど凝集体が大きくなる傾向にある。カーボンブラックのDBP吸油量が、100〜180ml/100gであることで、ランフラットタイヤ用サイド補強ゴムの補強性と低発熱性のバランスに優れる。DBP吸油量は、105〜160ml/100gであることが好ましく、108〜145ml/100gであることがより好ましい。
圧縮ジブチルフタレート吸油量は、ISO 6894に準拠し、24,000psiの圧力で4回繰り返し圧力を加えた後、DBP吸油量を測定した値である。この圧縮ジブチルフタレート吸油量は、いわゆるファンデルワールス力により生じている変形・破壊性の構造形態(2次ストラクチャー)によるDBP吸油量を排除し、非破壊性の真のストラクチャーの構造形態(1次ストラクチャー)に基づくDBP吸油量を求めるときに用いる、1次ストラクチャーを主体とするカーボンブラックの骨格的構造特定を評価する指標である。
圧縮ジブチルフタレート吸油量が36〜110ml/100gであることで、ランフラットタイヤ用サイド補強ゴムの補強性と低発熱性のバランスに優れる。圧縮ジブチルフタレート吸油量は、50〜95ml/100gであることが好ましく、65〜90ml/100gであることがより好ましい。
既述の式(1)において、Dstはストークス相当径の分布曲線の最多頻度値(nm)であり、JIS K6217−6記載の方法に従って遠心沈降法を用いて得られた凝集体分布の最多頻度を与える凝集体サイズを指す。このDstをカーボンブラック凝集体の平均径とする。また、ΔD50は、Dstに対する分布曲線の半値幅(nm)であり、遠心沈降法で得られた凝集体分布曲線において、その頻度が最大点の半分の高さのときの分布の幅である。
式(1)を満たし易くする観点から、カーボンブラックのDstは210〜310nmであることが好ましく、220〜300nmであることがより好ましい。同様の観点から、カーボンブラックのΔD50は180〜500nmであることが好ましく、190〜480nmであることがより好ましい。
ゴム組成物中のカーボンブラックの含有量は、ランフラットタイヤ用サイド補強ゴムの補強性と低発熱性のバランスの観点から、ゴム成分100質量部に対して、40〜100質量部であることが好ましく、35〜80質量部であることがより好ましく、40〜69質量部であることが更に好ましい。
(カーボンブラック以外の充填剤)
本発明のゴム組成物は、本発明の規定を逸脱しない範囲で他の補強性充填材を含有してよい。例えば、シリカ等の補強性充填剤を含有していてもよい。
〔加硫剤、加硫促進剤〕
ゴム組成物は、加硫剤を含む。加硫剤としては、通常、硫黄が用いられる。
ゴム組成物は、また、ゴム成分の加硫を促進するために、加硫促進剤を含有することが好ましく、チウラム化合物を含むことが好ましい。
チウラム化合物は、側鎖炭素数が4以上であることが好ましく、6以上であることがより好ましく、8以上であることが更に好ましい。側鎖炭素数が4以上であることで、ゴム組成物中でのチウラム化合物の分散が優れ、均一な架橋網目が構成され易い。
側鎖炭素数が4以上のチウラム化合物としては、例えば、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、テトラキス(n−ドデシル)チウラムジスルフィド、テトラキス(ベンジル)チウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド等が挙げられ、中でも、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィドが好ましい。
ゴム組成物中の加硫促進剤の含有量は、用いる硫黄の質量部と等質量部以上、好ましくは硫黄の質量部の2倍質量部以上を用いることが好ましく、ゴム成分100質量部に対して4〜30質量部であることが好ましく7〜20質量部であることがより好ましい。
また、所望の加硫トルク、加硫速度を得るために、チウラム化合物以外の加硫促進剤、加硫遅延剤等を合わせて用いてもよい。
本発明のゴム組成物は、ムーニー粘度(ML1+4,130℃)が、好ましくは40〜100、より好ましくは50〜90、更に好ましくは60〜85である。ムーニー粘度が上記範囲であることで、製造加工性を損なわずに、耐破壊特性を始めとする加硫ゴム物性が十分に得られる。ゴム組成物のムーニー粘度は、JIS K 6300−1:2001に準拠し、L形ロータを用いて測定することができる。
本発明のゴム組成物には、上記成分と共に、通常のゴム組成物に配合され使用される配合剤を含有させることができる。例えば、シランカップリング剤、加硫促進助剤、加硫遅延剤、各種プロセスオイル等の軟化剤、亜鉛華、ステアリン酸、ワックス、老化防止剤、相容化剤、作業性改善剤、滑剤、粘着付与剤、石油系樹脂、紫外線吸収剤、分散剤、均質化剤などの一般的に配合される各種配合剤を挙げることができる。
老化防止剤としては、公知のものを用いることができ、特に制限されないが、フェノール系老化防止剤、イミダゾール系老化防止剤、アミン系老化防止剤などを挙げることができる。これら老化防止剤の配合量は上記ゴム成分100質量部に対し、通常0.5〜10質量部、好ましくは1〜5質量部である。
ゴム組成物を得る際、上記各成分の配合方法に特に制限はなく、全ての成分原料を一度に配合して混練しても良いし、2段階あるいは3段階に分けて各成分を配合して混練を行ってもよい。なお、混練に際してはロール、インターナルミキサー、バンバリーローター等の混練機を用いることができる。更に、シート状や帯状等に成形する際には、押出成形機、プレス機等の公知の成形機を用いればよい。
<ランフラットタイヤ用サイド補強ゴム、ランフラットタイヤ>
本発明のランフラットタイヤ用サイド補強ゴムは、本発明のランフラットタイヤ用サイド補強ゴム組成物を用いてなり、また、本発明のランフラットタイヤは、本発明のランフラットタイヤ用サイド補強ゴムを用いてなる。
以下、サイド補強ゴム層を有するランフラットタイヤの構造の一例について、図1を用いて説明する。
図1は、本発明のランフラットタイヤ(以下、単にタイヤと称することがある)の一実施態様の断面を示す模式図であり、本発明のランフラットタイヤを構成するサイド補強ゴム層8等の各部材の配置を説明するものである。
図1において、本発明のランフラットタイヤの好適な実施態様は、一対のビードコア1、1’(1’は図示せず)間にわたってトロイド状に連なり、両端部が該ビードコア1をタイヤ内側から外側へ巻き上げられる少なくとも1枚のラジアルカーカスプライからなるカーカス層2と、該カーカス層2のサイド領域のタイヤ軸方向外側に配置されて外側部を形成するサイドゴム層3と、該カーカス層2のクラウン領域のタイヤ径方向外側に配置されて接地部を形成するトレッドゴム層4と、該トレッドゴム層4と該カーカス層2のクラウン領域の間に配置されて補強ベルトを形成するベルト層5と、該カーカス層2のタイヤ内方全面に配置されて気密膜を形成するインナーライナー6と、一方の該ビードコア1から他方の該ビードコア1’へ延びる該カーカス層2本体部分と該ビードコア1に巻き上げられる巻上部分との間に配置されるビードフィラー7と、該カーカス層のサイド領域の該ビードフィラー7側部からショルダー区域10にかけて、該カーカス層2と該インナーライナー6との間に、少なくとも1枚の、タイヤ回転軸に沿った断面形状が略三日月形のサイド補強ゴム層8と、を具えるタイヤである。
このタイヤのサイド補強ゴム層8に本発明のランフラットタイヤ用サイド補強ゴムを用いた本発明のランフラットタイヤは、低発熱性を損なわずに耐久性に優れる。
本発明のランフラットタイヤのカーカス層2は少なくとも1枚のカーカスプライからなっているが、カーカスプライは2枚以上であってもよい。また、カーカスプライの補強コードは、タイヤ周方向に対し実質的に90°をなす角度で配置することができ、補強コードの打ち込み数は、35〜65本/50mmとすることができる。また、カーカス層2のクラウン領域のタイヤ径方向外側に、2層の第1ベルト層と第2ベルト層とからなるベルト層5が配設されているが、ベルト層5の枚数もこれに限られるものではない。なお、第1ベルト層と第2ベルト層は、撚り合わされることなくタイヤ幅方向に並列に引き揃えられた複数本のスチールコードがゴム中に埋設されてなるものを用いることができ、例えば、第1ベルト層と第2ベルト層は、層間で互いに交差するように配置されて、交差ベルトを形成してもよい。
さらに、本発明のランフラットタイヤは、ベルト層5のタイヤ径方向外側には、ベルト補強層(図示しない)が配置されていてもよい。ベルト補強層の補強コードは、タイヤ周方向における引張剛性の確保が目的であるので、高弾性の有機繊維からなるコードを用いることが好ましい。有機繊維コードとしては、芳香族ポリアミド(アラミド)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート、レーヨン、ザイロン(登録商標)(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維)、脂肪族ポリアミド(ナイロン)等の有機繊維コード等を用いることができる。
さらにまた、本発明のランフラットタイヤにおいては、サイド補強層の外、図示はしないが、インサート、フリッパー等の補強部材を配置してもよい。ここで、インサートとは、ビードコア1、1’からサイドゴム層3にかけて、タイヤ周方向に配置される、複数本の高弾性の有機繊維コードを並べてゴムコーティングした補強材である(図示せず)。フリッパーとは、カーカスプライの、ビードコア1又は1’間に延在する本体部と、ビードコア1又は1’の周りに折り返された折り返し部との間に配設され、ビードコア1又は1’およびそのタイヤ径方向外側に配置されるビードフィラー7の少なくとも一部を内包する、複数本の高弾性の有機繊維コードを並べてゴムコーティングした補強材である。インサートおよびフリッパーの角度は、好ましくは周方向に対して30〜60°である。
一対のビード部にはそれぞれビードコア1、1’が埋設され、カーカス層2はこのビードコア1、1’の周りにタイヤ内側から外側に折り返して係止されているが、カーカス層2の係止方法についても、これに限られるものでもない。例えば、カーカス層2を構成するカーカスプライのうち、少なくとも1枚のカーカスプライは、ビードコア1、1’の周りにタイヤ幅方向内側から外側に向かって折り返されて、その折返し端がベルト層5とカーカス層2のクラウン部との間に位置する、いわゆるエンベロープ構造としてもよい。さらにまた、トレッドゴム層4の表面には適宜トレッドパターンが形成されていてもよく、最内層にはインナーライナー6が形成されていてもよい。本発明のランフラットタイヤにおいて、タイヤ内に充填する気体としては、通常のまたは酸素分圧を変えた空気、もしくは窒素等の不活性ガスを用いることができる。
(ランフラットタイヤ用サイド補強ゴム及びランフラットタイヤの作製)
本発明のランフラットタイヤ用サイド補強ゴム組成物をサイド補強ゴム層8に用いて、通常のランフラットタイヤの製造方法の手順を踏むことで、ランフラットタイヤ用サイド補強ゴムを供えたランフラットタイヤが得られる。
すなわち、各種薬品を含有させたゴム組成物が未加硫の段階で各部材に加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、ランフラットタイヤ用サイド補強ゴム及びランフラットタイヤが得られる。
<実施例1〜5、比較例1〜6>
〔ゴム組成物の調製〕
下記表1に示す配合組成で各成分を混練し、ゴム組成物を調製した。
なお、ゴム組成物の調製に用いた変性ブタジエンゴム(変性BR)は、次の方法により製造した。
〔第1級アミン変性ブタジエンゴム(変性BR)の製造〕
(1)未変性ポリブタジエンの製造
窒素置換された5Lオートクレーブに、窒素下、シクロヘキサン1.4kg、1,3−ブタジエン250g、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン(0.285mmol)シクロヘキサン溶液として注入し、これに2.85mmolのn−ブチルリチウム(BuLi)を加えた後、攪拌装置を備えた50℃温水浴中で4.5時間重合を行なった。1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。この重合体溶液の一部を、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール1.3gを含むメタノール溶液に抜き取り重合を停止させた後、スチームストリッピングにより脱溶媒し、110℃のロールで乾燥して、変性前のポリブタジエンを得た。得られた変性前のポリブタジエンについて赤外法(モレロ法)によりミクロ構造(ビニル結合量)を測定した結果、ビニル結合量は30質量%であった。
(2)第1級アミン変性ポリブタジエンゴムの製造
上記(1)で得られた重合体溶液を、重合触媒を失活させることなく、温度50℃に保ち、第1級アミノ基が保護されたN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン1129mg(3.364mmol)を加えて、変性反応を15分間行った。
この後、縮合促進剤であるテトラキス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン8.11gを加え、更に15分間攪拌した。
最後に反応後の重合体溶液に、金属ハロゲン化合物として四塩化ケイ素242mgを添加し、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを添加した。次いで、スチームストリッピングにより脱溶媒及び保護された第1級アミノ基の脱保護を行い、110℃に調温された熟ロールによりゴムを乾燥し、第1級アミン変性ポリブタジエンゴム(変性BR)を得た。
得られた変性ポリブタジエンについて赤外法(モレロ法)によりミクロ構造(ビニル結合量)を測定した結果、ビニル結合量は30質量%であった。
また、ゴム組成物の調製に用いた変性ブタジエンゴム(第1級アミン変性ポリブタジエンゴム)以外の各成分の詳細は以下のとおりである。
(1)天然ゴム(NR):RSS#1
(2)カーボンブラック(旭#65):
旭カーボン社製「旭#65」〔窒素吸着法比表面積=42m/g、DBP吸油量=120ml/100g、圧縮ジブチルフタレート吸油量=85ml/100g、Dst=164nm、ΔD50=134nm〕
(3)カーボンブラック(旭#52):
旭カーボン社製「旭#52」〔窒素吸着法比表面積=28m/g、DBP吸油量=128ml/100g、圧縮ジブチルフタレート吸油量=80ml/100g、Dst=231nm、ΔD50=207nm〕
(4)カーボンブラック(Orion S204):
Orion Engineered Carbons社製「ECORAX S204」〔窒素吸着法比表面積=19m/g、DBP吸油量=138ml/100g、圧縮ジブチルフタレート吸油量=76ml/100g、Dst=246nm、ΔD50=466nm〕
(5)カーボンブラック(旭#50HG):
旭カーボン社製「旭#50HG」〔窒素吸着法比表面積=21m/g、DBP吸油量=112ml/100g、圧縮ジブチルフタレート吸油量=78ml/100g、Dst=298nm、ΔD50=287nm〕
(6)カーボンブラック(旭F200):
旭カーボン社製「旭F200」〔窒素吸着法比表面積=53m/g、DBP吸油量=180ml/100g、圧縮ジブチルフタレート吸油量=104ml/100g、Dst=180nm、ΔD50=140nm〕
(7)カーボンブラック(旭#8):
旭カーボン社製「旭#8」〔窒素吸着法比表面積=16m/g、DBP吸油量=31ml/100g、圧縮ジブチルフタレート吸油量=31ml/100g、Dst=202nm、ΔD50=277nm〕
(8)DCPD樹脂:ジシクロペンタジエン系石油樹脂、日本ゼオン社製「クイントン1105」
(9)ステアリン酸:新日本理化社製「ステアリン酸50S」
(10)亜鉛華:ハクスイテック社製「3号亜鉛華」
(11)老化防止剤(6C):N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業社製「ノクラック 6C」
(12)加硫促進剤 CZ:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学工業社製「ノクセラーCZ−G」
(13)加硫促進剤 TOT:テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、大内新興化学工業社製「ノクセラー TOT−N」
(14)硫黄:鶴見化学社製「粉末硫黄」
〔ランフラットタイヤの製造及び評価〕
次いで、得られたゴム組成物を、図1に示すサイド補強ゴム層8に配設し、それぞれタイヤサイズ205/65 R16の乗用車用ラジアルランフラットタイヤを定法に従って製造した。なお、タイヤのサイド補強ゴム層の最大厚みは12mmとした。
製造したゴム組成物について、下記方法でムーニー粘度を測定し、また、製造したランフラットタイヤのタイヤ性能として、低発熱性とランフラット走行距離を評価した。それらの結果を表1に示す。
1.ゴム組成物のムーニー粘度(ML1+4,130℃)
ゴム組成物のムーニー粘度は、JIS K 6300−1:2001に準拠し、L形ロータを用い、130℃にて測定した。
2.低発熱性評価
製造したランフラットタイヤのサイド補強ゴム層から切り出した加硫ゴム試験片について、損失正接(tanδ)を、粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を用い、温度50℃、歪み3%、周波数15Hzの条件で測定した。比較例1のtanδの逆数を100として指数表示した。指数値が大きい程、サイド補強ゴム及びそれを備えたランフラットタイヤの低発熱性に優れることを示す。
3.ランフラット走行距離
内圧非充填状態でドラム走行(速度80km/h)させ、タイヤが走行不能になるまでのドラム走行距離をランフラット走行距離とした。比較例1のランフラットタイヤのランフラット走行距離を100とした指数で表わした。指数が大きいほど、サイド補強ゴム及びそれを備えたランフラットタイヤの耐久性に優れることを示す。

表1から、式(1)、(2)及びカーボンブラックの特性を満たさない比較例のランフラットタイヤは、低発熱性に優れてもランフラット走行距離が延びず、耐久性に優れないか(比較例6)、耐久性に優れても低発熱性に優れず(比較例1〜5)、低発熱性と耐久性を両立することができなかった。
一方、実施例のランフラットタイヤは、低発熱性を損ねずに、ランフラット走行距離を延ばすことができ、耐久性に優れることがわかる。
1 ビードコア
2 カーカス層
3 サイドゴム層
4 トレッドゴム層
5 ベルト層
6 インナーライナー
7 ビードフィラー
8 サイド補強ゴム層
10 ショルダー区域

Claims (9)

  1. ジエン系ゴムを含むゴム成分と、
    加硫剤と、
    窒素吸着法比表面積が10〜40m/g、ジブチルフタレート吸油量が100〜180mL/100g、かつ圧縮ジブチルフタレート吸油量が36〜110ml/100gであるカーボンブラックと
    を含有し、
    下記式(1)で表される前記カーボンブラックの粒子間距離Sが40〜150nmであり、下記式(2)で表される前記カーボンブラックと前記カーボンブラックに吸蔵されたオクルードラバーからなる凝集体の体積比率φβが0.25〜0.45であるランフラットタイヤ用サイド補強ゴム組成物。

    〔式(1)中、Dstはストークス相当径の分布曲線の最多頻度値(nm)、ΔD50は前記Dstに対する分布曲線の半値幅(nm)を表す。φβは前記カーボンブラックと前記カーボンブラックに吸蔵されたオクルードラバーからなる凝集体の体積比率を表し、下記式(2)で求められる。〕

    〔式(2)中、φは、ゴム組成物の全体積V(ml)に対するカーボンブラックの全体積VCB(ml)の比(VCB/V)を表し、Voccはオクルードラバー体積を表し、Vはカーボンブラック凝集体の体積を表す。24M4DBPは、カーボンブラックの圧縮ジブチルフタレート吸油量(ml/100g)を表す。〕
  2. 前記カーボンブラックの含有量が、前記ゴム成分100質量部に対し、40〜100質量部である請求項1に記載のランフラットタイヤ用サイド補強ゴム組成物。
  3. 前記ジエン系ゴムが、合成ジエン系ゴムを含む請求項1又は2に記載のランフラットタイヤ用サイド補強ゴム組成物。
  4. 前記合成ジエン系ゴムが、スズ原子、酸素原子及び窒素原子からなる群から選択される少なくとも一種を含む変性官能基を有する変性ゴムを含む請求項3に記載のランフラットタイヤ用サイド補強ゴム組成物。
  5. 前記ゴム成分中の天然ゴムの含有量が20〜99質量%であり、ポリブタジエンゴムが1〜80質量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載のランフラットタイヤ用サイド補強ゴム組成物。
  6. チウラム化合物を含む加硫促進剤を含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載のランフラットタイヤ用サイド補強ゴム組成物。
  7. 前記チウラム化合物は、側鎖炭素数が4以上である請求項6に記載のランフラットタイヤ用サイド補強ゴム組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のランフラットタイヤ用サイド補強ゴム組成物を用いたランフラットタイヤ用サイド補強ゴム。
  9. 請求項8に記載のランフラットタイヤ用サイド補強ゴムを用いたランフラットタイヤ。
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