JP2019103914A - 遊技機 - Google Patents

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Takeshi Fukutome
剛 福留
大輔 三木
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大輔 三木
太佑 祖父江
Tasuke Sofue
太佑 祖父江
吉田 哲也
Tetsuya Yoshida
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Abstract

【課題】定期処理を繰り返し実行することにより遊技の進行を制御する遊技機において、数値情報を用いた抽選を好適に行うことができる遊技機を提供すること。【解決手段】パチンコ機はCPU102を備えている。CPU102は、予め定められた周期でタイマ割込み処理を繰り返し実行することにより、遊技の進行を制御する。かかる構成において、タイマ割込み処理とは非同期で大当たり乱数カウンタを更新し、作動口入賞検知センサ83bからの検知信号の立ち上がりに同期してその時点における大当たり乱数カウンタを大当たり乱数レジスタに記憶させるハード乱数回路131が設けられている。タイマ割込み処理では、大当たり乱数レジスタに記憶された大当たり乱数カウンタを用いて当否判定を行う。【選択図】 図7

Description

本発明は遊技機に関するものである。
遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機においては、例えば遊技領域に発射された遊技球が作動口に入球することに基づき、当否抽選が行われる。当否抽選において特定遊技状態の発生に当選すると、例えば所定の表示装置において変動表示される図柄が予め定められた特定の組み合わせで停止表示された後、遊技領域に設けられた可変入球装置の開閉が実行される。そして、可変入球装置への入球数に応じた遊技球が払い出されるといった特典が遊技者に付与される。
特定遊技状態の発生の有無は、例えば遊技球が作動口へ入球するタイミングで決定される。例えば、遊技球が作動口へ入球したことを検知するセンサを設け、遊技に関する制御を行うタイマ割込み処理(定期処理)において、上記センサの検知結果を把握する把握処理を実行する。その把握処理において、上記センサの検知結果が遊技球の入球に対応したものであると判定した場合には、定期的に一定の範囲で更新されるカウンタの数値情報を取得する取得処理を実行する。そして、その数値情報が予め定められた当選値と一致するか否かを判定し、その判定結果に基づいて特定遊技状態を発生させるか否かを判定する(例えば特許文献1参照)。
特開2004−756号公報
ここで、上記タイマ割込み処理においてセンサの検知結果の把握処理及び数値情報の取得処理を実行する構成においては、実際に遊技球が作動口に入球した入球タイミングと、取得処理の実行タイミングとの間に所定のタイムラグが発生する。上記タイムラグ中に上記カウンタの更新が行われると、入球タイミングのカウンタの数値情報と、取得処理の実行タイミングのカウンタの数値情報とが異なることとなる。すなわち、取得される数値情報は、取得処理の実行タイミングに依存することとなる。このため、タイマ割込み処理の定期性に起因して、取得される数値情報に偏りが発生したり、その定期性を利用して当選値に対応した数値情報を取得させようとする不正行為が行われたりする場合がある。
上記事情は、定期処理を繰り返し実行することにより遊技の進行を制御する遊技機に共通する事情である。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、定期処理を繰り返し実行することにより遊技の進行を制御する遊技機において、数値情報を用いた抽選を好適に行うことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、
予め定められた周期で定期処理を繰り返し実行することにより遊技の進行を制御する定期処理実行手段を備えた遊技機において、
予め定められた更新タイミングとなる度に数値情報を更新する数値情報更新手段と、
予め定められた特定事象の発生を検知する検知手段と、
前記検知手段により前記特定事象が発生したことが検知された場合に、前記数値情報を取得する取得手段と、
前記定期処理に含まれるものであって、前記取得手段により取得された数値情報を用いて抽選を行う抽選処理を実行する抽選処理実行手段と、
を備え、
前記数値情報更新手段は、前記定期処理の周期よりも短い間隔、かつ前記定期処理とは非同期に前記数値情報を更新可能であり、
前記取得手段は、前記数値情報の取得処理を前記定期処理とは別に、かつ前記定期処理とは非同期に実行可能であって、前記検知手段により前記特定事象が発生したことが検知された場合に、当該検知手段により前記特定事象の発生が検知された検知タイミングにおける前記数値情報を取得するものであることを特徴とする。
本発明によれば、定期処理を繰り返し実行することにより遊技の進行を制御する遊技機において、数値情報を用いた抽選を好適に行うことができる。
第1実施形態におけるパチンコ機を示す正面図。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図。 遊技盤の正面図。 主制御装置を取り外した状態における遊技盤の背面図。 作動口用回収通路の縦断面図。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図。 ハード乱数回路を説明するためのブロック図。 各種カウンタの構成を示す説明図。 メイン処理を示すフローチャート。 タイマ割込み処理を示すフローチャート。 普図普電制御処理を示すフローチャート。 特図特電制御処理を示すフローチャート。 特図側の保留情報の取得処理を示すフローチャート。 大当たり乱数カウンタの取得態様を説明するためのタイムチャート。 第2実施形態における主制御装置を取り外した状態の遊技盤の背面図。 ハード乱数回路を説明するためのブロック図。 特図側の保留情報の取得処理を示すフローチャート。 大当たり乱数カウンタの取得態様を説明するためのタイムチャート。 第3実施形態における通常処理を示すフローチャート。 タイマ割込み処理を示すフローチャート。
<第1実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、図2及び図3に示すように、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、図1に示すように、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、図2に示すように、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。図4は遊技盤24の正面図である。
遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口(第1始動入球部)33,下作動口(第2始動入球部)34,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
遊技領域の中央位置を含むようにして可変表示ユニット36が配置されており、さらに遊技領域の横方向の中央ライン上において可変表示ユニット36、上作動口33、下作動口34及び可変入賞装置32がこの順序で下方に向けて並ぶように配置されている。また、スルーゲート35は、可変表示ユニット36の左側に1個設けられているとともに、右側に1個設けられている。また、一般入賞口31は、上作動口33及び下作動口34の高さ位置において、これら上作動口33及び下作動口34の左方に2個設けられているとともに、右方に2個設けられている。
一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34への入球が発生すると、それが遊技盤24の背面側に配設された入賞検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合、上作動口33への入球が発生した場合及び下作動口34への入球が発生した場合には3個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の賞球の払い出しが実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しが実行される。但し、これら賞球の個数は任意であり、例えば上作動口33に係る賞球個数よりも下作動口34に係る賞球個数が多いといったように、両作動口33,34の賞球個数が相違していてもよい。また、可変入賞装置32に係る賞球個数が他の賞球個数に比べて多い構成に限定されることはなく、例えば一般入賞口31に係る賞球個数よりも少ない構成としてもよく、一般入賞口31に係る賞球個数が最も多い構成としてもよい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した際にそのまま遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域を再度流下する態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34は共に上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は鉛直方向に並んでいる。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物34aが設けられている。
電動役物34aは遊技盤24の背面側に搭載された図示しない電動役物駆動部に連結されており、電動役物駆動部により駆動されて閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)及び開放状態(サポート状態又はガイド状態)のいずれかに配置される。電動役物34aの閉鎖状態では遊技球が下作動口34に入賞できず、電動役物34aが開放状態となることで下作動口34への入賞が可能となる。詳細には、電動役物34aが閉鎖状態である場合には電動役物34aの先端部と上作動口33を形成する壁部との距離が遊技球の直径よりも小さく、電動役物34aが開放状態である場合には、電動役物34aの先端部と上作動口33を形成する壁部との距離が遊技球の直径よりも大きくなっている。
なお、これに限定されず、下作動口34への遊技球の入賞が発生し易い状態と、入賞が可能であって上記入賞が発生し易い状態よりも入賞が発生しづらい状態とに、電動役物34aが切り換えられる構成としてもよい。また、電動役物34aを不具備とし、入賞が発生し易い状態と、それよりも入賞が発生しづらい状態との切換が、下作動口34自身の変位により行われる構成としてもよい。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞が困難な閉状態になっており、大当たり当選といった開閉実行モード(特別遊技状態)への移行当選となった際に、遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置32の開放態様として具体的には、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される。
メイン表示部43では、上作動口33又は下作動口34への入賞をトリガとして絵柄(特図)の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。つまり、本パチンコ機10では、上作動口33への入賞と下作動口34への入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域であるメイン表示部43にて明示される。そして、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、メイン表示部43にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
なお、メイン表示部43は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、メイン表示部43にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
役物用表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄(普図)の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット36には、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられているとともに、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置41では、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて図柄の変動表示が開始される。すなわち、メイン表示部43において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示された場合には、開閉実行モードが発生することとなる。
なお、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、メイン表示部43及び図柄表示装置41にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
センターフレーム42の前面側における左上部分には、メイン表示部43及び図柄表示装置41に対応した第1保留ランプ部45が設けられている。遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
センターフレーム42の右上部分には、役物用表示部44に対応した第2保留ランプ部46が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第2保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留ランプ部45,46の機能が図柄表示装置41の一部の領域における表示により果たされる構成としてもよい。
遊技盤24には、内レール部48と外レール部49とが取り付けられており、これら内レール部48と外レール部49とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構51から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。なお、内レール部48及び外レール部49は遊技領域を区画する機能も有している。
遊技球発射機構51は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、誘導レールに向けて延びる発射レール52と、後述する上皿61aに貯留されている遊技球を発射レール52上に供給する球送り装置53と、発射レール52上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイド54と、を備えている。前扉枠14に設けられた発射操作装置55が操作されることにより、球送り装置53が駆動制御されて1個の遊技球が発射レール52上の球待機位置に配置されるとともに、ソレノイド54が駆動制御されて、発射レール52上に配置された遊技球が発射される。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部56が形成されている。窓部56は、略楕円形状をなし、窓パネル57が嵌め込まれている。窓パネル57は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機10前方から窓パネル57を通じて遊技領域を視認可能であれば有色透明に形成されていてもよい。
窓部56の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。各種ランプ部の一部として表示ランプ部58aが窓部56の上方に設けられている。また、表示ランプ部58aの左右両側であって前扉枠14の上側の隅角部分には左右一対のエラーランプ部58bが設けられている。また、エラーランプ部58bに隣接させて、遊技状態に応じた効果音などが出力される左右一対のスピーカ部59が設けられている。
前扉枠14における窓部56の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部61と下側膨出部62とが上下に並設されている。上側膨出部61内側には上方に開口した上皿61aが設けられており、下側膨出部62内側には同じく上方に開口した下皿62aが設けられている。
上皿61aは、後述する払出装置77(図3参照)より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構51側へ導くための機能を有する。この場合、前扉枠14には上皿61aの出口から連続し、内枠13の球送り装置53へと延びる図示しない発射誘導用通路が形成されているが、当該発射誘導用通路の出口部分には、図2に示すように、シャッタ63が設けられている。当該シャッタ63は、前扉枠14を閉鎖状態とした場合には内枠13に形成された図示しない押圧部により押圧されて開放位置に配置され、球送り装置53への遊技球の流入を可能とする。一方、前扉枠14を開放状態とした場合には、上記押圧部による押圧が解除されるため、シャッタ63が閉鎖位置に配置され、上皿61aからの遊技球の流出が阻止される。下皿62aは、上皿61a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、遊技の主たる制御を司る主制御装置71と、音声やランプ表示及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声発光制御装置72と、が搭載されている。
なお、主制御装置71の基板ボックス71aに対して、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックス71aを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックス71aを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
主制御装置71や音声発光制御装置72を含めて内枠13の背面側を覆うようにして裏パックユニット15が設置されている。裏パックユニット15は、図3に示すように、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック73を備えており、当該裏パック73に対して、払出機構部74及び制御装置集合ユニット75が取り付けられている。
払出機構部74は、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク76と、当該タンク76に貯留された遊技球を払い出すための払出装置77と、を備えている。払出装置77より払い出された遊技球は、当該払出装置77の下流側に設けられた払出通路を通じて、上皿61a又は下皿62aに排出される。なお、払出機構部74には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチを有する裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット75は、払出装置77を制御する機能を有する払出制御装置78と、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力されるとともに遊技者による発射操作装置55の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる電源及び発射制御装置79と、を備えている。これら払出制御装置78と電源及び発射制御装置79とは、払出制御装置78がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
制御装置集合ユニット75において電源及び発射制御装置79が搭載されることとなる搭載部75aには、排出通路盤75bが形成されている。遊技盤24の背面に設けられた集合板81の回収通路82にて回収された遊技球は、当該排出通路盤75bに導出されて、当該排出通路盤75bに導かれることで最終的に遊技ホールの球送り機構に排出される。
ここで、集合板81及び回収通路82について図5を参照しながら説明する。図5は、遊技盤24の背面図であって、主制御装置71を取り外した状態を示す。
集合板81は、遊技盤24の背面であって主制御装置71が設置された領域に設けられている。集合板81は、遊技盤24の背面において可変表示ユニット36の下方に設けられている。回収通路82は集合板81に形成されており、一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33,34等の各種入賞口に入賞して遊技盤24の背面に導かれた遊技球を排出通路盤75bへと誘導する。
回収通路82は、可変入賞装置32に連通させて設けられた可変入賞用回収通路82aと、上作動口33及び下作動口34のそれぞれに連通させて設けられた作動口用回収通路82bと、4個設けられた一般入賞口31のうち、2個の一般入賞口31のそれぞれに連通させて設けられた第1一般入賞用回収通路82cと、残りの2個の一般入賞口31のそれぞれに連通させて設けられた第2一般入賞用回収通路82dと、を備えている。そして、これら各回収通路82a〜82dは、いずれも集合板81の下部に設けられた集約領域82eに連通されており、集約領域82eから上記排出通路盤75bに排出される。なお、アウト口37も同様に排出通路盤75bに通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口37を介して排出通路盤75bへ排出される。
上記各回収通路82a〜82dには、対応する入賞口に遊技球が入賞したことを検知するための入賞検知センサ83a〜83dが設けられている。具体的には、可変入賞用回収通路82aの途中位置に設けられ、可変入賞装置32への入賞を検知する可変入賞検知センサ83aと、作動口用回収通路82bの途中位置に設けられ、上作動口33又は下作動口34への入賞を検知する作動口入賞検知センサ83bと、第1一般入賞用回収通路82cに設けられた第1一般入賞検知センサ83cと、第2一般入賞用回収通路82dの途中位置に設けられた第2一般入賞検知センサ83dと、が設けられている。
ここで、各回収通路82a〜82d及び各入賞検知センサ83a〜83dは、基本的には同一の構成であるため、作動口用回収通路82b及び作動口入賞検知センサ83bについて図6を用いて説明し、その他のものについては説明を省略する。図6は、作動口用回収通路82b及び作動口入賞検知センサ83bを説明するための作動口用回収通路82bの縦断面図である。
作動口用回収通路82bには、遊技球が通過可能な通路領域91が形成されている。通路領域91は、縦方向、具体的には鉛直方向に延びており、通路方向に対して直交する方向の断面が四角形、具体的には正方形となるように形成されている。通路領域91は、1個の遊技球の通過は可能とするが、同一の位置を複数の遊技球が並んだ状態で通過することがないように、その通路幅が設定されている。
作動口入賞検知センサ83bは、通路領域91の途中位置に設けられており、通路領域91を通過する遊技球を検知する。作動口入賞検知センサ83bは、磁気検知タイプの近接センサにて構成されており、遊技球の通過を検知するための検知部92を備えている。検知部92には、通過部又は検知領域として、作動口入賞検知センサ83bの厚み方向に貫通した貫通孔93が形成されている。貫通孔93は、貫通方向に対して直交する方向の断面が円形状となるように形成されている。また、貫通孔93は、その全体に亘って同一方向に延びるように形成されているとともに、その全体に亘って孔の直径が同一又は略同一となっている。孔の直径Rは、遊技球の直径11.0mmよりも若干大きい11.5mmとなっている。作動口入賞検知センサ83bは、通路領域91の軸線に対して貫通孔93の軸線が同一直線上となるように設置されている。これにより、通路領域91を落下する遊技球が貫通孔93を通過することとなる。
なお、貫通孔93の直径は、球詰まりを生じさせない範囲内で任意であり、例えば遊技球の直径と同一の11.0mmであってもよい。また、貫通孔93の断面は円形状に限定されることはなく多角形状であってもよく、この場合、断面が遊技球において中心を通る断面の全体を含む大きさであればよい。
作動口入賞検知センサ83bは、貫通孔93を遊技球が通過することにより信号形態が変化する検知信号SG1を出力する。詳細には、検知部92には、貫通孔93の外周側に沿うようにして図示しない検出コイルが内蔵されており、さらには作動口入賞検知センサ83bには検出コイルを一部とする発振回路、検波回路、コンパレータ回路及び出力回路を有する図示しないセンサ基板が内蔵されている。これにより、貫通孔93内に遊技球が存在している場合には、検出コイルを磁束が貫き、発振が停止する。
作動口入賞検知センサ83bは、上記発振の停止に基づき検知信号SG1の信号形態を変化させる。詳細には、作動口入賞検知センサ83bは、貫通孔93内に遊技球が存在していない状況(発振している状況)では検知信号SG1として非検知対応信号であるLOW信号を出力する。そして、作動口入賞検知センサ83bは、貫通孔93内に遊技球が存在している状況(発振が停止している状況)では検知信号SG1として検知対応信号であるHI信号を出力する。つまり、遊技球が貫通孔93を通過することにより、検知信号SG1が立ち上がる。当該立ち上がりを把握することにより、遊技球の入賞を検知することが可能となる。
なお、貫通孔93内に遊技球が存在していない状況では非検知対応信号であるHI信号を出力し、貫通孔93内に遊技球が存在している状況では検知対応信号であるLOW信号を出力する構成としてもよい。また、検知信号SG1の立ち下がりを把握することにより、遊技球の入賞を検知する構成としてもよい。
<パチンコ機10の電気的構成>
パチンコ機10の電気的構成について図7を用いて説明する。図7は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置71は、遊技の主たる制御を司る主制御基板101を具備している。主制御基板101には、CPU102、ROM103及びRAM104が搭載されている。
ROM103は、CPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。RAM104は、ROM103内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。
主制御基板101には所定周期のクロック信号を出力するクロック回路105が設けられており、さらにクロック回路105とCPU102との間の信号経路の途中位置には分周回路106が設けられている。
分周回路106は、クロック回路105からのクロック信号の周期を変更する周波数変更手段として機能し、タイマ割込み処理の起動タイミングをCPU102にて特定するための変更クロック信号を出力するように構成されている。詳細には、分周回路106は、特定周期である4msec周期の間隔の変更クロック信号をCPU102に出力する。CPU102では、かかる変更クロック信号の立ち上がり又は立ち下りといった特定の信号形態の発生を確認する処理を実行し、特定の信号形態の発生を少なくとも一の条件として定期処理(タイマ割込み処理)を起動する。この場合、定期処理の実行周期は、変更クロック信号の周期(4msec)である。
主制御基板101には、入出力ポート107が設けられており、入出力ポート107を介して、CPU102と各種制御装置、各種センサ等とが接続されている。CPU102は、タイマ割込み処理等を実行することにより、各種センサの検知結果を把握し、その検知結果に基づき各種制御装置を制御する。
詳細には、CPU102は、入出力ポート107を介して、作動口入賞検知センサ83b及び他の入賞検知センサ83a,83c,83dと電気的に接続されている。なお、図示は省略するが、スルーゲート35に対して設けられた入賞検知センサも電気的に接続されている。
CPU102では、各入賞検知センサ83a〜83dから信号を受信し、その受信結果に基づいて各入賞部への入賞判定(入球判定)を行う。この場合、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33又は下作動口34への入賞を特定した場合には、各入賞対象に対応した遊技球の払い出しが実行されるようにするための処理を実行する。また、上作動口33又は下作動口34への入賞を特定した場合には、各種カウンタの数値情報を取得して保留情報として記憶するとともに、保留情報が記憶されている場合には、可変入賞装置32が複数回に亘って開閉される開閉実行モードに移行させるか否かの当否判定(当否抽選)や当該開閉実行モード後の遊技状態を決定するための振分判定を行う。そして、それら当否判定や振分判定の結果に基づいて、遊技を進行させる。
CPU102には、可変入賞装置32を開閉動作させる可変入賞駆動部32aと、下作動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bとが入出力ポート107を介して電気的に接続されている。また、CPU102には、メイン表示部43と、役物用表示部44とが入出力ポート107を介して電気的に接続されている。CPU102は各種駆動部32a,34bの駆動制御を実行するとともに各種表示部43,44の表示制御を実行する。
詳細には、開閉実行モードにおいては可変入賞装置32が開閉されるように、CPU102において可変入賞駆動部32aの駆動制御が実行される。また、電動役物34aの開放状態当選となった場合には、電動役物34aが開閉されるようにCPU102において電動役物駆動部34bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、CPU102においてメイン表示部43の表示制御が実行される。また、電動役物34aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、CPU102において役物用表示部44の表示制御が実行される。
CPU102には、主制御装置71に設けられた電源を監視する停電監視基板(電断監視基板)108が接続されている。停電監視基板108は、動作電力を供給する機能を有する電源及び発射制御装置79とCPU102とを中継する。CPU102を含む主制御基板101の各種電子部品の動作電力は、停電監視基板108を介して供給される。そして、停電監視基板108は、電源及び発射制御装置79から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。
CPU102には、音声発光制御装置72及び払出制御装置78が入出力ポート107を介して接続されている。CPU102は、払出制御装置78に、例えば入賞判定結果に基づいて賞球コマンドを出力する。払出制御装置78は、賞球コマンドを受信した場合に、賞球コマンドにて設定された遊技球数だけ払出が行われるように払出装置77を駆動制御する。
CPU102は、音声発光制御装置72に、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドを出力する。音声発光制御装置72は、上記各種コマンドを受信した場合に、受信したコマンドに対応する処理を実行する。
電源及び発射制御装置79は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板101や払出制御装置78等に各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。また、電源及び発射制御装置79は遊技球発射機構51の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構51は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声発光制御装置72は、CPU102から受信したコマンドに基づき、表示ランプ部58a、エラーランプ部58b及びスピーカ部59を駆動制御するとともに、表示制御装置110にコマンドを送信する。表示制御装置110は、音声発光制御装置72から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行って、図柄表示装置41における画像の表示を制御する。
<ハード乱数を用いた抽選に係る構成>
ここで、主制御基板101には、CPU102にて行なわれるタイマ割込み処理とは別に独立して動作するハード乱数回路131が設けられている。ハード乱数回路131は、CPU102にて実行される当否判定に用いられる数値情報(乱数情報)を更新及び取得するためのものである。ハード乱数回路131は、作動口入賞検知センサ83b及びCPU102に接続されている。ハード乱数回路131は、CPU102のタイマ割込み処理とは非同期のタイミングで数値情報を更新するとともに、作動口入賞検知センサ83bにより遊技球の入賞が検知されたことに基づいてその数値情報を取得し、取得された数値情報をCPU102の要求に応じて伝送する。
ハード乱数回路131について図8を用いて詳細に説明する。図8は、ハード乱数回路131を説明するためのブロック図である。
図8に示すように、ハード乱数回路131は、乱数発生手段として、当否判定に用いられる大当たり乱数カウンタC1を更新するための更新回路132を備えている。更新回路132は、所定の周波数(例えば16MHz)のクロック信号を出力するクロック回路133と、大当たり乱数カウンタC1が格納される更新用バッファ134とを備えている。更新用バッファ134は、2バイトの記憶領域を有しており、大当たり乱数カウンタC1の数値範囲は「0〜65535」に設定されている。更新回路132は、クロック回路133のクロック信号の立ち上がり又は立ち下がりに同期して、更新用バッファ134に格納されている大当たり乱数カウンタC1を1加算する。そして、大当たり乱数カウンタC1が最大値に達した後は「0」にリセットする。これにより、大当たり乱数カウンタC1は、CPU102のタイマ割込み処理とは非同期に更新されることとなる。
この場合、大当たり乱数カウンタC1の更新間隔は、クロック回路133のクロック信号の周期となり、詳細には62.5nsecである。既に説明したとおり、CPU102にて実行されるタイマ割込み処理の実行周期は4msecであるため、大当たり乱数カウンタC1の更新間隔は、タイマ割込み処理の実行周期よりも十分に短いものとなっている。
ハード乱数回路131は、更新回路132にて更新されている大当たり乱数カウンタC1をラッチするための大当たり乱数レジスタ135を備えている。大当たり乱数レジスタ135は、更新用バッファ134と同一記憶領域を有しており、詳細には2バイトの記憶領域を有している。大当たり乱数レジスタ135は更新用バッファ134に接続されており、詳細には更新用バッファ134の各記憶領域と大当たり乱数レジスタ135の各記憶領域とが1対1で接続されている。大当たり乱数レジスタ135は、ラッチ信号が入力されたことに同期して、その時点における更新用バッファ134の各記憶領域に記憶されているデータを自身の記憶領域に書き込む。これにより、ラッチ信号の入力タイミングの大当たり乱数カウンタC1が取得されることとなる。
ハード乱数回路131は、ラッチ信号を制御するコントロール回路141を備えている。コントロール回路141は、作動口入賞検知センサ83bに接続されており、コントロール回路141には作動口入賞検知センサ83bからの検知信号SG1が入力される。コントロール回路141は、検知信号SG1の立ち上がりに同期して(各作動口33,34のいずれかへの入賞に同期して)、ラッチ信号を大当たり乱数レジスタ135に出力する。これにより、大当たり乱数レジスタ135には、作動口入賞検知センサ83bにより入賞が検知された入賞検知タイミング(各作動口33,34の入賞タイミング)の大当たり乱数カウンタC1が格納される。
なお、詳細な構成について説明すると、コントロール回路141は、作動口入賞検知センサ83bと直接的に接続され、作動口入賞検知センサ83bの検知信号SG1が入力される入力端子と、大当たり乱数レジスタ135に接続された出力端子とを有する制御ICを備えている。制御ICは、入力端子に入力される検知信号SG1がLOW信号からHI信号に立ち上がることに同期して、出力端子からの信号をLOW信号からHI信号に立ち上げる。大当たり乱数レジスタ135は、制御ICからの信号がLOW信号からHI信号に立ち上がることに基づいて更新用バッファ134のデータをラッチする。
なお、作動口入賞検知センサ83bとハード乱数回路131とを接続する信号経路(以下、第1信号経路ともいう)と、作動口入賞検知センサ83bとCPU102とを接続する信号経路(以下、第2信号経路ともいう)とは、別系統で形成されている。これにより、一方にノイズ等が混入した場合であっても、その影響が他方にまで及ぶ事態を避けることができる。
コントロール回路141及び大当たり乱数レジスタ135は、CPU102に接続されている。コントロール回路141は、CPU102から所定の要求信号を受信した場合に、大当たり乱数レジスタ135に格納されている大当たり乱数カウンタC1をCPU102に出力するよう、大当たり乱数レジスタ135を制御する。これにより、CPU102は、要求信号を出力することにより、大当たり乱数レジスタ135に格納されている大当たり乱数カウンタC1を取得することができる。
ここで、例えば貫通孔93内において遊技球が暴れた場合、1の遊技球の入賞に基づいて、作動口入賞検知センサ83bから出力される検知信号SG1のHI/LOWの切換が複数回行われる、所謂チャタリングが発生し得る。この場合、立ち上がりを検知する度に大当たり乱数レジスタ135に格納される大当たり乱数カウンタC1は更新される。このため、実際に遊技球の入賞を検知したタイミングとは異なるタイミングで取得された大当たり乱数カウンタC1が、大当たり乱数レジスタ135に格納される場合が発生する。
これに対して、コントロール回路141は、ステータスフラグが格納されるステータスフラグ格納領域142を備えている。ステータスフラグは、大当たり乱数レジスタ135の状態を把握するためのフラグである。コントロール回路141は、大当たり乱数レジスタ135に大当たり乱数カウンタC1が格納(ラッチ)されたことに同期して、ステータスフラグをセットする。
コントロール回路141は、ステータスフラグがセットされている場合には、検知信号SG1の信号形態に関わらず、大当たり乱数カウンタC1のラッチを禁止する。これにより、ステータスフラグがセットされている状況においては、大当たり乱数レジスタ135に格納されている大当たり乱数カウンタC1の更新は行われない。よって、チャタリングが発生した場合であっても、最初にラッチされた大当たり乱数カウンタC1が維持される。
なお、詳細な構成について説明すると、コントロール回路141は、制御ICの出力端子に並列に接続されたスイッチング素子を備えている。スイッチング素子は、例えばn型のMOSFETで構成されている。MOSFETのドレインは、制御ICの出力端子に接続され、ソースは接地されている。MOSFETのゲートは、ステータスフラグ格納領域142に接続されている。
かかる構成によれば、ステータスフラグがセットされていない場合には、ゲートに閾値電圧よりも小さいLOW信号が印加されるため、MOSFETはオフとなる。この場合、制御ICの出力状態が維持される。一方、ステータスフラグがセットされた場合には、MOSFETのゲートに閾値電圧よりも大きいHI信号が印加され、MOSFETがオンとなる。この場合、OR回路からの出力は強制的にLOW信号となり、立ち上がることはない。
コントロール回路141は、CPU102からの要求信号に基づく大当たり乱数カウンタC1の出力が完了した場合、又はCPU102から初期化信号を受信した場合には、ステータスフラグ及び大当たり乱数レジスタ135に格納されている大当たり乱数カウンタC1を消去する。これにより、次の遊技球の入賞に基づく大当たり乱数カウンタC1のラッチが可能となる。
CPU102は遊技に際し大当たり乱数カウンタC1を含む各種カウンタ情報を用いて、当否判定、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしている。各種カウンタの構成について図9を用いて説明する。図9は、各種カウンタの構成を示す説明図である。
本パチンコ機10においては、遊技の進行において、図9に示すように、大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、メイン表示部43及び図柄表示装置41における表示継続時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電役乱数カウンタC4を用いることとしている。なお、大当たり乱数カウンタC1は、既に説明した通り、ハード乱数回路131の大当たり乱数レジスタ135に格納されており、その他の各カウンタC2,C3,CS,C4は、RAM104の抽選カウンタ用バッファ104aに設けられている。
各カウンタC2,C3,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタC2,C3,CS,C4は、大当たり乱数カウンタC1とは異なり、CPU102にて実行されるタイマ割込み処理にて定期的に更新される所謂ソフトウェア乱数である。
大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としてRAM104に設けられた保留球格納エリア104bに格納される。
保留球格納エリア104bは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、上作動口33又は下作動口34への入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、上作動口33又は下作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各カウンタC1〜C3が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各カウンタC1〜C3に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
大当たり乱数カウンタC1は、既に説明した通り、ハード乱数回路131にて「0〜65535」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり乱数カウンタC1は、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したことに基づいて保留球格納エリア104bに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM103における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア103aに当否テーブルとして記憶されている(図7参照)。当否テーブルとしては、大当たり当選となる乱数値の数が相対的に少ない低確率モード用の当否テーブルと、大当たり当選となる乱数値の数が相対的に多い高確率モード用の当否テーブルとが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されている。
大当たり種別カウンタC2は、例えば「0〜29」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタである。大当たり種別カウンタC2はCPU102にて実行されるタイマ割込み処理にて定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングで保留球格納エリア104bに格納される。
本パチンコ機10では、複数の大当たり結果が設定されている。具体的には、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードのいずれであっても、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行される。
ここで、ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、及び予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置32に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。また、大当たり結果が契機となった開閉実行モードにおけるラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり結果の種類がいずれであっても固定ラウンド回数で同一となっている。具体的には、いずれの大当たり結果となった場合であっても、ラウンド遊技の上限回数は15ラウンドに設定されている。
また、本パチンコ機10では、可変入賞装置32の1回の開放態様が、可変入賞装置32が開放されてから閉鎖されるまでの開放継続時間を相違させて、複数種類設定されている。詳細には、開放継続時間が長時間である29secに設定された長時間態様と、開放継続時間が上記長時間よりも短い短時間である0.6secに設定された短時間態様と、が設定されている。
本パチンコ機10では、発射操作装置55が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構51が駆動制御される。また、ラウンド遊技は終了条件の上限個数が9個に設定されている。そうすると、上記開放態様のうち長時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技との積よりも長い時間の開放継続時間が設定されていることとなる。一方、短時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技との積よりも短い時間、より詳細には、遊技球の発射周期よりも短い時間の開放継続時間が設定されている。したがって、長時間態様で可変入賞装置32の1回の開放が行われた場合には、可変入賞装置32に対して、1回のラウンド遊技における上限個数分の入賞が発生することが期待され、短時間態様で可変入賞装置32の1回の開放が行われた場合には、可変入賞装置32への入賞が発生しないこと又は入賞が発生するとしても1個程度となることが期待される。
高頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において長時間態様による可変入賞装置32の開放が1回行われる。一方、低頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において短時間態様による可変入賞装置32の開放が1回行われる。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける可変入賞装置32の開閉回数、ラウンド遊技の回数、1回の開放に対する開放継続時間及び1回のラウンド遊技における上限個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。
下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモードとしては、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)と低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電役乱数カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間(普図変動時間)が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口34よりも上作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口33よりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。
また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート35への入賞に基づき役物用表示部44にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。
さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、役物用表示部44における1回の変動表示時間を短くする)、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM103における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア103bに振分テーブルとして記憶されている(図7参照)。そして、かかる振分先として、低確大当たり結果と、低入賞高確大当たり結果と、最有利大当たり結果とが設定されている。
低確大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
低入賞高確大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
最有利大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、開閉実行モードではなく、さらに当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。また、遊技結果として、低入賞高確大当たり結果が設定されていない構成としてもよい。
振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が低確大当たり結果に対応しており、「10〜14」が低入賞高確大当たり結果に対応しており、「15〜29」が最有利大当たり結果に対応している。
なお、高確大当たり結果の一種として、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードがそれまでのモードに維持されることとなる非明示の低入賞高確大当たり結果が含まれていてもよい。この場合、大当たり結果のさらなる多様化が図られる。
さらにまた、当否抽選における外れ結果の一種として、低頻度入賞モードの開閉実行モードに移行するとともに、その終了後において当否抽選モード及びサポートモードの移行が発生しない特別外れ結果が含まれていてもよい。上記のような非明示の低入賞高確大当たり結果と当該特別外れ結果との両方が設定されている構成においては、開閉実行モードが低頻度入賞モードに移行すること、及びサポートモードがそれまでのモードに維持されることで共通しているのに対して、当否抽選モードの移行態様が異なっていることにより、例えば通常遊技状態において非明示の低入賞高確大当たり結果又は特別外れ結果の一方が発生した場合に、それが実際にいずれの結果に対応しているのかを遊技者に予測させることが可能となる。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば「0〜238」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3はCPU102にて実行されるタイマ割込み処理にて定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングで保留球格納エリア104bに格納される。
ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置41における表示演出の一種としてリーチ表示が設定されている。リーチ表示とは、図柄の変動表示を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄の変動表示が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
リーチ表示には、図柄表示装置41の表示面Gに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画像において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面Gの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
リーチ表示は、高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに移行する遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、開閉実行モードに移行しない遊技回では、ROM103のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して、所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。
変動種別カウンタCSは、例えば「0〜198」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43における変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間とをCPU102において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、CPU102にて実行されるメイン処理及びタイマ割込み処理のそれぞれにて更新され、メイン表示部43における変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSの値が取得される。なお、変動表示時間の決定に際しては、ROM103の変動表示時間テーブル記憶エリアに予め記憶されている変動表示時間テーブルが参照される。
電役乱数カウンタC4は、例えば「0〜250」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電役乱数カウンタC4はCPU102にて実行されるタイマ割込み処理にて定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングで、RAM104に設けられた電役保留エリア104cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電役乱数カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
<CPU102にて実行される各種処理について>
次に、CPU102にて遊技を進行させるために実行される各処理を説明する。かかるCPU102の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に起動されるタイマ割込み処理とがある。
<メイン処理>
先ず、図10のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。
先ずステップS101では、電源投入ウェイト処理を実行する。当該電源投入ウェイト処理では、例えばメイン処理が起動されてから1secが経過するまで次の処理に進行することなく待機する。続くステップS102ではRAM104のアクセスを許可するとともに、ステップS103にてCPU102の内部機能レジスタの設定を行う。
その後、ステップS104では、電源及び発射制御装置79に設けられたRAM消去スイッチが手動操作されているか否かを判定し、続くステップS105では、RAM104の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。また、ステップS106ではチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し、続くステップS107ではそのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
本パチンコ機10では、例えば遊技ホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチを押しながら電源が投入される。したがって、RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS108の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS108の処理に移行する。ステップS108では、RAM104の初期化として当該RAM104をクリアする。その後、ステップS109に進む。
一方、RAM消去スイッチが押されていない場合には、停電フラグに「1」がセットされていること、及びチェックサムが正常であることを条件に、ステップS108の処理を実行することなくステップS109に進む。ステップS109では、電源投入設定処理を実行する。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といったRAM104の所定のエリアを初期値に設定するとともに、現状の遊技状態を認識させるために現状の遊技状態に対応したコマンドを音声発光制御装置72に送信する。また、払出制御装置78の各種データ領域の初期化を実行すべきことを示す払出初期化コマンドを払出制御装置78に送信する。さらに、タイマ割込み処理の発生を許可するために割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS110〜ステップS112の残余処理に進む。つまり、CPU102はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS110〜ステップS112の残余処理を繰り返し実行する。この点、ステップS110〜ステップS112の残余処理は非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、先ずステップS110にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。その後、ステップS111にて、変動種別カウンタCSの更新処理を実行する。当該更新処理では、RAM104の変動種別カウンタバッファから現状の変動種別カウンタCSの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。
その後、ステップS112にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS112の処理を実行したら、ステップS110に戻り、ステップS110〜ステップS112の処理を繰り返す。
<タイマ割込み処理>
次に、図11のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。
先ずステップS201にて停電情報記憶処理を実行する。停電情報記憶処理では、CPU102に設けられた入出力ポート107を通じて停電監視基板108から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には停電時処理を実行する。
続くステップS202では、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電役乱数カウンタC4の更新を実行する。具体的には、各カウンタC2〜C4に対応するカウンタバッファから現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、上書きする処理を実行する。この場合、数値情報が最大値に達したカウンタについては、数値情報を最小値である「0」にクリアする。
ここで、各カウンタC2〜C4は、タイマ割込み処理において上記ステップS202でのみ更新される。すなわち、各カウンタC2〜C4はタイマ割込み処理が実行される度に1回更新されるものである。換言すれば、各カウンタC2〜C4の更新周期は4msecである。
ステップS203では、上記ステップS111と同様に、変動種別カウンタCSの更新処理を実行する。
続くステップS204では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部32a,34bに行うための処理を実行する。例えば、可変入賞装置32を開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には可変入賞駆動部32aへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、下作動口34の電動役物34aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には電動役物駆動部34bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
続くステップS205では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
続くステップS206では入賞検知処理を実行する。当該入賞検知処理では、各入賞検知センサ83a〜83dから受信している信号を読み込むとともに、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35への入賞の有無を特定する処理を実行する。当該入賞検知処理については、特図側の保留情報の取得処理(図14)の説明において詳細に説明する。
続くステップS207では、RAM104に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。この場合、記憶されている数値情報が減算されて更新されるタイマカウンタを集約して扱う構成であるが、減算式のタイマカウンタの更新及び加算式のタイマカウンタの更新の両方を集約して行う構成としてもよい。
続くステップS208では、遊技球の発射制御を行うための発射制御処理を実行する。発射操作装置55に対して発射操作が継続されている状況では、既に説明したとおり、所定の発射周期である0.6secに1個の遊技球が発射される。
続くステップS209では、遊技回の実行制御及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行する。当該特図特電制御処理の内容は後に説明する。
続くステップS210にて普図普電制御処理を実行する。普図普電制御処理の内容は後に説明する。
続くステップS211では、直前のステップS209及びステップS210の処理結果に基づいて、メイン表示部43に係る保留情報の増減個数を第1保留ランプ部45に反映させるための出力情報の設定を行うとともに、役物用表示部44に係る保留情報の増減個数を第2保留ランプ部46に反映させるための出力情報の設定を行う。また、ステップS211では、直前のステップS209及びステップS210の処理結果に基づいて、メイン表示部43の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、役物用表示部44の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
続くステップS212では、遊技回及び開閉実行モードのいずれもが実行されていない状況において図柄表示装置41の表示内容を待機表示用のものとするためのデモ表示用処理を実行するとともに、ステップS213では、払出制御装置78から受信したコマンド及び信号の内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する。また、ステップS214では、賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する。
続くステップS215では、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するための外部情報設定処理を実行する。
ステップS216では、割込み終了宣言の設定を実行する。CPU102では、一度タイマ割込み処理が起動された場合、次のタイマ割込み処理が起動されるための条件の1つとして割込み終了宣言の設定を行うことが定められており、ステップS216では、次のタイマ割込み処理の実行を可能とするために割込み終了宣言の設定を行う。また、ステップS217では、割込み許可の設定を行う。CPU102では、タイマ割込み処理が一旦起動されると、割込み禁止の状態に設定されるため、ステップS217では、次のタイマ割込み処理の実行を可能とするために割込み許可の設定を行う。その後、本タイマ割込み処理を終了する。
<普図普電制御処理>
説明の都合上、先ずステップS210にて実行される普図普電制御処理について図12のフローチャートを用いて説明する。
普図普電制御処理では、スルーゲート35への入賞が発生している場合に普図側の保留情報を取得するための処理を実行する。そして、普図側の保留情報が記憶されている場合にその保留情報についてサポート発生判定を行い、そのサポート発生判定を契機として、普図用の演出を行うための処理を実行する。また、サポート発生判定の結果に基づいて、下作動口34の電動役物34aを開閉させる処理を実行する。
具体的には、先ずステップS301にて、普図側の保留情報の取得処理を実行する。当該取得処理では、RAM104の各種フラグ格納エリア104dに設けられたスルーフラグ格納エリアにスルーフラグがセットされていることを条件として、電役乱数カウンタC4の数値情報(すなわち、普図側の保留情報)を電役保留エリア104cに格納する処理を実行する。但し、普図側の保留情報の取得は保留の上限値の範囲内で行われる。ちなみに、スルーフラグはタイマ割込み処理(図11)のステップS206の入賞検知処理にてスルーゲート35への入賞が特定された場合にセットされ、それに対して普図側の保留情報の取得が行われた場合にクリアされる。
続くステップS302では、RAM104の各種カウンタエリア104eに設けられた普図普電カウンタの情報を読み出す処理を実行する。続くステップS303では、ROM103の普図普電アドレステーブル記憶エリア103cから普図普電アドレステーブルを読み出す処理を実行する。そして、ステップS304にて、普図普電アドレステーブルから普図普電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する処理を実行する。
ここで、ステップS302〜ステップS304の処理内容について説明する。
既に説明したとおり、普図普電制御処理には、普図用の演出に係る処理、及び電動役物34aの開閉に係る処理が含まれている。この場合に、普図用の演出に係る処理として、普図変動開始処理と、普図変動中処理と、普図確定中処理と、が設定されている。また、電動役物34aの開閉に係る処理として、普電開放中処理と、普電閉鎖中処理と、が設定されている。
このような処理構成において、普図普電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかをCPU102にて把握するためのカウンタである。普図普電アドレステーブルには、普図普電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムにおける開始アドレスが設定されている。
普図普電カウンタは「0」〜「4」の数値情報を設定可能となっており、普図普電アドレステーブルには普図普電カウンタの各数値情報に1対1で対応させて開始アドレスの情報(「NSA0」〜「NSA4」)が設定されている。この場合、開始アドレスNSA0は、普図変動開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA1は、普図変動中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA2は、普図確定中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA3は、普電開放中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA4は、普電閉鎖中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
普図普電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合であってその数値情報を更新すべき条件が成立している場合に、その次の処理回における普図普電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算又は「0」クリアされる。したがって、各処理回における普図普電制御処理では、普図普電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。
上記構成によれば、普図普電制御としていずれの処理を実行すべき状態であるかを、各種フラグの有無を確認しなくてもCPU102にて把握することが可能となる。よって、処理の簡素化が図られる。
ステップS304の処理を実行した後は、ステップS305に進む。ステップS305では、ステップS304にて取得した開始アドレスの示す処理にジャンプ(移行)する処理を実行する。具体的には、取得した開始アドレスがNSA0である場合にはステップS306の普図変動開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA1である場合にはステップS307の普図変動中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA2である場合にはステップS308の普図確定中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA3である場合にはステップS309の普電開放中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA4である場合にはステップS310の普電閉鎖中処理にジャンプする。そして、ステップS306〜ステップS310のいずれかの処理を実行した後に、本普図普電制御処理を終了する。以下、ステップS306〜ステップS310の処理について個別に説明する。
先ず、ステップS306の普図変動開始処理について説明する。普図変動開始処理では、電役保留エリア104cに普図側の保留情報が保留記憶されているか否かを判定し、普図側の保留情報が記憶されている場合には、サポート抽選を実行する。詳細には、電役保留エリア104cに記憶されている電役乱数カウンタC4がサポート当選に対応した値であるか否かを判定する。そして、サポート抽選の抽選結果に基づいて、役物用表示部44における普通図柄の変動表示時間である普図変動時間を決定する。この場合、高頻度サポートモードの方が、低頻度サポートモードと比較して、普図変動時間が短く設定される。
そして、役物用表示部44にて普図の変動表示を開始させ、普図普電カウンタを「0」から「1」に更新して、本普図変動開始処理を終了する。
ステップS307の普図変動中処理では、役物用表示部44における表示を更新させるための処理を実行する。この場合に、普図変動時間の経過を確認したことを条件として、普図普電カウンタを「1」から「2」に更新する。
ステップS308の普図確定中処理では、サポート抽選の抽選結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選ではない場合には、普図普電カウンタの数値情報を「0」クリアした後に、本普図確定中処理を終了する。一方、サポート当選である場合には、電動役物34aを予め定められた態様で開閉動作させる。これにより、下作動口34への遊技球の入賞が可能となる。当該開閉動作は、下作動口34への遊技球の入賞個数が予め定められた上限個数となること、又は開放時間が予め定められた上限時間となる、のいずれかが成立するまで継続させる。
この場合、高頻度サポートモードの方が、低頻度サポートモードよりも、電動役物34aの開放時間が長く設定されている。詳細には、低頻度サポートモードでは、電動役物34aにおいて相対的に開放時間が短い短時間開放が1回実行されるのに対して、高頻度サポートモードでは、電動役物34aにおいて相対的に開放時間が長い長時間開放が複数回(3回)実行される。
そして、普図普電カウンタを「2」から「3」に更新して、本普図確定処理を終了する。
ステップS309の普電開放中処理では、閉鎖タイミング又はサポート終了条件が成立するまで電動役物34aの開放状態を維持する。電動役物34aの開放中に入賞個数が上限個数となりサポート終了条件が成立した場合、又は閉鎖タイミング(高頻度サポートモードにあっては3回目の開放に係る閉鎖タイミング)となった場合には、普図普電カウンタを「0」に初期化して、本普電開放中処理を終了する。
一方、高頻度サポートモードにおける1回目又は2回目の開放に係る閉鎖タイミングとなった場合には、普図普電カウンタを「3」から「4」に更新して、本普電開放中処理を終了する。
ステップS310の普電閉鎖中処理では、電動役物34aの閉鎖状態を維持するとともに、閉鎖時間が経過した場合には電動役物34aを再度開放状態とするための処理を実行する。具体的には、普図普電カウンタを「4」から「3」に更新する。
<特図特電制御処理>
次に、タイマ割込み処理(図11)のステップS209にて実行される特図特電制御処理について、図13のフローチャートを参照しながら説明する。
特図特電制御処理では、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生している場合に保留情報を取得するための処理を実行するとともに、保留情報が記憶されている場合にその保留情報について当否判定を行い、さらにその当否判定を契機として遊技回用の演出を行うための処理を実行する。また、当否判定の結果に基づいて、遊技回用の演出後に開閉実行モードに移行させる処理を実行するとともに、開閉実行モード中及び開閉実行モード終了時の処理を実行する。
具体的には、先ずステップS401にて、保留情報の取得処理を実行する。これについては、後述する。
ステップS401にて保留情報の取得処理を実行した後は、ステップS402に進む。ステップS402では、RAM104に設けられた特図特電カウンタの情報を読み出す処理を実行する。続くステップS403では、ROM103に設けられた特図特電アドレステーブル記憶エリア103dに記憶されている特図特電アドレステーブルを読み出す処理を実行する。そして、ステップS404にて、特図特電アドレステーブルから特図特電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する処理を実行する。
ここで、ステップS402〜ステップS404の処理内容について説明する。
既に説明したとおり特図特電制御処理には、遊技回用の演出に係る処理と、開閉実行モードに係る処理と、が含まれている。この場合に、遊技回用の演出に係る処理として、遊技回用の演出を開始させるための処理である特図変動開始処理(ステップS406)と、遊技回用の演出を進行させるための処理である特図変動中処理(ステップS407)と、遊技回用の演出を終了させるための処理である特図確定中処理(ステップS408)と、が設定されている。
また、開閉実行モードに係る処理として、開閉実行モードのオープニングを制御するための処理である特電開始処理(ステップS409)と、可変入賞装置32の開放中の状態を制御するための処理である特電開放中処理(ステップS410)と、可変入賞装置32の閉鎖中の状態を制御するための処理である特電閉鎖中処理(ステップS411)と、開閉実行モードのエンディング及び開閉実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための処理である特電終了処理(ステップS412)と、が設定されている。
このような処理構成において、特図特電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかをCPU102にて把握するためのカウンタであり、特図特電アドレステーブルには、特図特電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムの開始アドレスが設定されている。
この場合、開始アドレスSA0は、特図変動開始処理(ステップS406)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA1は、特図変動中処理(ステップS407)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA2は、特図確定中処理(ステップS408)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA3は、特電開始処理(ステップS409)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA4は、特電開放中処理(ステップS410)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA5は、特電閉鎖中処理(ステップS411)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA6は、特電終了処理(ステップS412)を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
特図特電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における特図特電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算又は「0」クリア(初期化)される。したがって、各処理回における特図特電制御処理では、特図特電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。なお、特図特電カウンタは、初期値として「0」が設定されている。
上記構成によれば、特図特電制御としていずれの処理を実行すべき状態であるかを、各種フラグの有無を確認しなくてもCPU102にて把握することが可能となる。例えば、遊技回用の演出は、他の遊技回用の演出が実行されておらず且つ開閉実行モードではない場合に開始されるが、各状態をフラグの有無により判断しようとすると、遊技回用の演出に係る処理にて、遊技回用の演出を開始させる前に、遊技回用の演出の実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認と、開閉実行モードの実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認とを行う必要が生じる。また、遊技回用の演出の実行中には、遊技回用の演出の実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認と、確定表示中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認とを行う必要が生じる。
また、開閉実行モードは、遊技回用の演出が終了し且つ他の開閉実行モードが実行されていない場合に開始されるが、各状態をフラグの有無により判断しようとすると、開閉実行モードに係る処理にて、開閉実行モードを開始させる前に、遊技回用の演出が終了したことを示すフラグがセットされているか否かの確認と、開閉実行モードの実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認とを行う必要が生じ、さらにオープニング中である場合には、オープニング中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行う必要が生じる。また、オープニング以降では、開閉実行モードの実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行うとともに、可変入賞装置32が開放中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行う必要が生じる。さらにまた、エンディング中である場合には、エンディング中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行う必要が生じる。
これに対して、特図特電カウンタを利用すれば、様々なフラグを用意しておく必要はなく、さらには各処理の実行タイミングを確認する際の情報も集約される。よって、処理の簡素化が図られる。
ステップS404の処理を実行した後は、ステップS405にて、ステップS404にて取得した開始アドレスの示す処理にジャンプする処理を実行する。具体的には、取得した開始アドレスがSA0である場合にはステップS406の特図変動開始処理にジャンプする。
特図変動開始処理では、保留情報が保留記憶されていることを条件に、その保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定する当否判定処理、及び大当たり当選に対応している場合にはその保留情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを判定する振分判定処理を実行する。詳細には、保留情報が存在するか否かを判定し、保留情報が存在する場合には、保留情報をシフトさせる処理を実行する。詳細には、第1保留エリアRE1に格納されている保留情報を実行エリアAEにシフトさせるとともに、第n保留エリアREn(n=2〜4)に格納されている保留情報を第(n−1)保留エリアRE(n−1)にシフトさせる。そして、当否判定処理として、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1が、大当たり当選に対応した数値情報であるか否かの判定を行う。また、振分判定処理として、大当たり種別カウンタC2が、いずれの大当たり結果の区分に対応しているか否かの判定を行う。
当否判定処理及び振分判定処理だけでなく、大当たり乱数カウンタC1が大当たり当選に対応していない場合には、リーチを発生させるか否かを判定するリーチ判定処理を実行するとともに、その時点における変動種別カウンタCSの数値情報を利用して遊技回の継続時間を選択する継続時間の選択処理を実行する。なお、リーチ判定処理に際しては、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3が、リーチ発生に対応しているか否か判定する。
継続時間の情報を選択した場合には、当該継続時間の情報を含む変動用コマンドと遊技結果の情報を含む種別コマンドとを音声発光制御装置72に送信するとともに、メイン表示部43における絵柄の変動表示を開始させる。これにより、1遊技回が開始された状態となり、メイン表示部43及び図柄表示装置41にて遊技回用の演出が開始される。
ちなみに、このように遊技回用の演出を開始させた場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該特図特電カウンタの数値情報を特図変動開始処理に対応したものから特図変動中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA1である場合にはステップS407の特図変動中処理にジャンプする。特図変動中処理では、遊技回の継続時間中であって、確定表示前のタイミングであるか否かを判定する処理を実行し、確定表示前であればメイン表示部43における絵柄の表示態様を規則的に変化させるための処理を実行する。
ちなみに、確定表示させるタイミングとなるまで特図変動中処理にて待機するのではなく、確定表示させるタイミングではない場合には上記規則的に変化させるための処理を実行した後に、本特図変動中処理を終了する。したがって、遊技回用の演出が開始された後は、確定表示させるタイミングとなるまで、特図特電制御処理が起動される度に特図変動中処理が起動される。また、確定表示させるタイミングとなった場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特図変動中処理に対応したものから特図確定中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA2である場合にはステップS408の特図確定中処理にジャンプする。特図確定中処理では、図柄表示装置41にて今回の遊技回の停止結果を最終停止表示させるために、最終停止コマンドを音声発光制御装置72に送信するとともに、メイン表示部43における絵柄の表示態様を今回の遊技回の抽選結果に対応した表示態様とする。また、特図確定中処理では、確定表示中の期間が経過したか否かを判定し、当該期間が経過している場合には開閉実行モードへの移行が発生するか否かの判定を行い、開閉実行モードへの移行が発生する場合には当該開閉実行モード移行用の処理を実行する。
ちなみに、確定表示中の期間が経過するまで特図確定中処理にて待機するのではなく、当該期間が経過していない場合には本特図確定中処理を終了する。したがって、確定表示が開始された後は、確定表示中の期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特図確定中処理が起動される。また、確定表示中の期間が経過した場合には、開閉実行モードへの移行が発生しない状況では特図特電カウンタの数値情報を初期化(すなわち「0」クリア)し、開閉実行モードへの移行が発生する状況では特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該特図特電カウンタの数値情報を特図確定中処理に対応したものから特電開始処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA3である場合にはステップS409の特電開始処理にジャンプする。特電開始処理では、開閉実行モードが開始されることを示すオープニングコマンドを音声発光制御装置72に送信する。また、特電開始処理では、開閉実行モードのオープニング期間が経過したか否かを判定する。オープニング期間が経過していない場合には特電開始処理にて待機するのではなく本特電開始処理を終了する。したがって、開閉実行モードのオープニング演出が開始された後は、オープニング期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特電開始処理が起動される。また、オープニング期間が経過した場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該特図特電カウンタの数値情報を特電開始処理に対応したものから特電開放中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA4である場合にはステップS410の特電開放中処理にジャンプする。特電開放中処理では、1のラウンド遊技を開始させるとともに、当該ラウンド遊技の終了条件が成立したか否かを判定する。終了条件が成立していない場合には特電開放中処理にて待機するのではなく、上記終了条件の成立を監視するための処理を実行した後に本特電開放中処理を終了する。上記終了条件が成立している場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該特図特電カウンタの数値情報を特電開放中処理に対応したものから特電閉鎖中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA5である場合にはステップS411の特電閉鎖中処理にジャンプする。特電閉鎖中処理では、1のラウンド遊技を終了させる処理を実行する。また、ラウンド遊技間のインターバル期間においては、インターバル期間が経過したか否かを判定する。インターバル期間が経過していない場合には特電閉鎖中処理にて待機するのではなく本特電閉鎖中処理を終了する。したがって、インターバル期間が開始された場合には当該期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特電閉鎖中処理が起動される。また、インターバル期間が経過した場合には、特図特電カウンタの数値情報を1減算することで、当該特図特電カウンタの数値情報を特電閉鎖中処理に対応したものから特電開放中処理に対応したものに更新する。
一方、最後のラウンド遊技に対する特電閉鎖中処理では1のラウンド遊技を終了させる処理を実行した後に、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該特図特電カウンタの数値情報を特電閉鎖中処理に対応したものから特電終了処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA6である場合にはステップS412の特電終了処理にジャンプする。特電終了処理では、開閉実行モードが終了されることを示すエンディングコマンドを音声発光制御装置72に送信する。また、特電終了処理では、開閉実行モードのエンディング期間が経過したか否かを判定する。エンディング期間が経過していない場合には特電終了処理にて待機するのではなく本特電終了処理を終了する。したがって、開閉実行モードのエンディング演出が開始された後は、エンディング期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特電終了処理が起動される。また、エンディング期間が経過した場合には、開閉実行モード後の遊技状態(抽選モード及びサポートモード)を設定するための処理を実行した後に、特図特電カウンタの数値情報を初期化することで、当該特図特電カウンタの数値情報を特電終了処理に対応したものから特図変動開始処理に対応したものに更新する。
<特図側の保留情報の取得処理について>
ステップS401の保留情報の取得処理について図14のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS501にて、上作動口33又は下作動口34のいずれかに入賞が発生しているか否かを判定する。具体的には、RAM104の各種フラグ格納エリア104dに設けられた特図フラグ格納エリアに特図フラグがセットされているか否かを判定する。特図フラグは、タイマ割込み処理(図11)のステップS206の入賞検知処理にて各作動口33,34のいずれかへの入賞が特定された場合にセットされ、それに対して保留情報の取得が行われた場合にクリアされる。
ここで、入賞検知処理では、入出力ポート107を介して入力される作動口入賞検知センサ83bからの検知信号SG1に基づいて、各作動口33,34への入賞の特定を行う構成となっている。詳細には、先ず検知信号SG1がHI信号であるか否かを判定する。HI信号であると判定した場合には、前回のタイマ割込み処理の入賞検知処理における検知信号SG1がLOW信号であるか否かを判定する。そして、前回の入賞検知処理における検知信号SG1がLOW信号であると判定した場合に、各作動口33,34への遊技球の入賞が発生したと特定し、特図フラグをセットする。すなわち、タイマ割込み処理の入賞検知処理において、毎回作動口入賞検知センサ83bの検知結果(検知信号SG1)を把握し、前回の入賞検知処理における把握結果と今回の入賞検知処理における把握結果とに基づいて、LOW信号からHI信号への切換を把握する。
また、作動口入賞検知センサ83bは、遊技球の入賞を検知した場合には、少なくともタイマ割込み処理の実行周期(4msec)よりも長い時間に亘って検知対応信号であるHI信号を出力するよう構成されている。詳細には、図6に示すように、遊技球が貫通孔93を通過するのに要する期間がタイマ割込み処理の実行周期よりも長い期間となるように、遊技球の直径Rに対応させて、貫通孔93の軸線方向の長さ寸法L1(作動口入賞検知センサ83bの厚さ寸法L1)が設定されている。これにより、遊技球の検知漏れが発生しない。
特図フラグがセットされていない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、特図フラグがセットされている場合には、ステップS502に進み、保留数記憶エリアNAに格納された保留数を読み出し、保留数が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する。保留数が上限値未満である場合には、ステップS503に進み、保留数を1加算する。
続くステップS504では、大当たり乱数レジスタ135に格納されている大当たり乱数カウンタC1を取得する。詳細には、ハード乱数回路131のコントロール回路141に要求信号を出力する。これにより、ハード乱数回路131から、大当たり乱数レジスタ135に格納されている大当たり乱数カウンタC1が出力される。そして、出力された大当たり乱数カウンタC1を、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリアにおける大当たり乱数カウンタC1用のエリアに記憶させる。
この場合、ハード乱数回路131から出力された大当たり乱数カウンタC1は、今回保留情報の取得契機となった遊技球の入賞に基づくものである。また、ハード乱数回路131は、上記大当たり乱数カウンタC1の出力が完了したことに基づき、大当たり乱数レジスタ135に格納されている大当たり乱数カウンタC1を消去し、ステータスフラグを消去する。
その後、ステップS506にて、RAM104の抽選カウンタ用バッファ104aに格納されている大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3を取得して、上記大当たり乱数カウンタC1が記憶された保留エリアにおける対応するエリアに記憶させる。そして、ステップS507にて特図フラグを消去して本処理を終了する。
一方、保留数が上限値未満でない場合(ステップS502:NO)、ステップS508に進み、ハード乱数回路131の初期化に係る処理を実行する。詳細には、初期化信号をハード乱数回路131に出力する。これにより、大当たり乱数レジスタ135の初期化及びステータスフラグの消去が行われる。そして、ステップS507の処理を実行し、本処理を終了する。
<大当たり乱数カウンタC1の取得態様について>
次に、大当たり乱数カウンタC1の取得態様について図15のタイムチャートを用いて説明する。なお、保留数記憶エリアNAの数値情報は上限値未満であるとする。また、図15(a)では、タイマ割込み処理の実行タイミング及び周期を示す。
t1のタイミングにて特図側の保留情報の取得処理が実行される(図15(b)参照)。この場合、図15(c)に示すように、各作動口33,34のいずれにも遊技球は入賞しておらず、作動口入賞検知センサ83bからの検知信号SG1はLOW信号である。このため、保留情報は取得されない。
その後、t2のタイミングにて、各作動口33,34のいずれかに遊技球が入賞すると、図15(c)に示すように、作動口入賞検知センサ83bの検知信号SG1がLOW信号からHI信号に立ち上がる。当該立ち上がりに同期して、大当たり乱数レジスタ135にラッチ信号が入力され、大当たり乱数レジスタ135に大当たり乱数カウンタC1がラッチされる(図15(d),(e)参照)。そして、コントロール回路141のステータスフラグ格納領域142にステータスフラグがセットされる(図15(f)参照)。
その後、チャタリングが発生し、t3のタイミングにて検知信号SG1が一旦立ち下がり、t4のタイミングにて再度検知信号SG1が立ち上がる。この場合、ステータスフラグがセットされているため、当該立ち上がりに基づく大当たり乱数カウンタC1の更新は禁止される。
その後、t5のタイミングにて特図側の保留情報の取得処理が実行される。この場合、前回の入賞検知処理ではLOW信号であり、今回の入賞検知処理ではHI信号であるため、各作動口33,34のいずれかへの入賞が発生したと特定され、保留情報を取得するための処理が実行される。詳細には、大当たり乱数レジスタ135に格納されている大当たり乱数カウンタC1を取得するべく、CPU102から要求信号が出力される。この要求信号の出力に基づき、大当たり乱数カウンタC1が取得され、保留球格納エリア104bに格納される。格納される大当たり乱数カウンタC1は、t2のタイミングにてラッチされたものである。
ここで、各作動口33,34への遊技球の入賞(検知信号SG1の立ち上がり)は、CPU102のタイマ割込み処理の実行タイミングによらず任意のタイミングで発生し得るものである。このため、実際に作動口入賞検知センサ83bにより遊技球を検知したタイミング(t2のタイミング)と、特図側の保留情報の取得処理の実行タイミング(t5のタイミング)との間には、期間Txのタイムラグが発生し得る。この場合、上記期間Txにおいて大当たり乱数カウンタC1が更新されると、実際に遊技球が入賞したタイミングとは異なるタイミングで大当たり乱数カウンタC1が取得されることとなり、好ましくない。
具体的には、タイマ割込み処理における特図側の保留情報の取得処理の実行タイミングにて、大当たり乱数カウンタC1を取得する構成とすると、取得される大当たり乱数カウンタC1は、特図側の保留情報の取得処理の実行タイミングに依存することとなる。この場合、タイマ割込み処理が周期的に実行されることに起因して、取得される大当たり乱数カウンタC1に偏り(傾向)が発生し、ランダム性が低下するおそれがある。
また、上記構成では以下の不正行為が行われる場合がある。すなわち、先ずタイマ割込み処理の開始タイミングから特図側の保留情報の取得処理までの時間を特定する。そして、特図側の保留情報の取得処理の実行タイミングにおいて大当たり乱数カウンタC1が大当たり当選に対応したものとなるように、上記時間を参照してタイマ割込み処理の開始タイミングにおける大当たり乱数カウンタC1を逆算する。そして、タイマ割込み処理の開始タイミングに同期して、大当たり乱数カウンタC1を上記逆算した結果に書き換える。これにより、不正に大当たりを発生させることが可能となる。
これに対して、CPU102のタイマ割込み処理とは別に、独立して大当たり乱数カウンタC1を更新するハード乱数回路131を設ける。そして、CPU102のタイマ割込み処理とは別に独立して生じ得る検知信号SG1の立ち上がりという事象を契機として、大当たり乱数カウンタC1を取得する構成とした。これにより、タイマ割込み処理に依存しない大当たり乱数カウンタC1の取得を実現した。よって、大当たり乱数カウンタC1のランダム性の向上を図ることができるとともに、上記不正行為を抑制することができる。
さらに、ハード乱数回路131による大当たり乱数カウンタC1の出力が完了したことに基づいて、大当たり乱数レジスタ135が初期化され、ステータスフラグが消去される(図15(e),(f)参照)。
その後、t6のタイミングにて、検知信号SG1がHI信号からLOW信号に立ち下がる。その後、t7のタイミングにて、特図側の保留情報の取得処理が実行される。この場合、検知信号SG1はLOW信号であるため、保留情報は取得されない。
ここで、遊技球が連続して入賞する場合において1の遊技球が貫通孔93を通過してから次の遊技球が貫通孔93を通過するまでに、少なくとも1回はタイマ割込み処理が実行されるように、作動口入賞検知センサ83bの検知可能範囲及びHI信号を出力する契機となる発振信号の電圧レベルが設定されている。これにより、遊技球が連続して入賞する場合であっても、タイマ割込み処理にて遊技球の入賞を区別して判断することができる。
この場合、遊技球が連続して入賞した場合における検知信号SG1の最小立ち上がり間隔(t2のタイミングからt8のタイミングまでの期間)は、タイマ割込み処理の実行周期の2倍以上の約20msecに設定されている。これにより、1の遊技球が入賞してから、少なくとも2回はタイマ割込み処理が実行される。よって、上記1の遊技球の入賞後の最初のタイマ割込み処理において、保留情報を取得するとともにハード乱数回路131をラッチ可能状態とし、それ以降のタイマ割込み処理にて検知信号SG1が立ち下がったことを特定することが可能となる。
また、t8のタイミングでは、検知信号SG1の立ち上がりに同期して、大当たり乱数カウンタC1のラッチ及びステータスフラグのセットが行われる。
その後、t9のタイミングにて、特図側の保留情報の取得処理が実行され、CPU102から要求信号が出力される。これにより、t8のタイミングにてラッチされた大当たり乱数カウンタC1が取得され、保留球格納エリア104bに記憶される。そして、大当たり乱数レジスタ135の初期化及びステータスフラグの消去が実行される。
以上詳述した本実施形態によれば以下の優れた効果を奏する。
CPU102のタイマ割込み処理とは別に、大当たり乱数カウンタC1を更新する更新回路132を有するハード乱数回路131を設けた。そして、タイマ割込み処理よりも短い周期で大当たり乱数カウンタC1を更新させる構成とした。これにより、CPU102の処理負荷をかけることなく、数値範囲の大きい大当たり乱数カウンタC1を扱うことが可能となり、大当たり乱数カウンタC1のランダム性を高めることが可能となる。
かかる構成において、各作動口33,34のいずれかへの入賞が発生したこと、詳細には検知信号SG1の立ち上がりに同期して、その時点における大当たり乱数カウンタC1を大当たり乱数レジスタ135にラッチさせる構成とした。そして、タイマ割込み処理における特図側の保留情報の取得処理では、大当たり乱数レジスタ135にラッチされている大当たり乱数カウンタC1を保留球格納エリア104bに記憶させる。これにより、実際に入賞したタイミングの大当たり乱数カウンタC1を用いた当否判定を行うことができる。よって、特図側の保留情報の取得処理の実行タイミングに依存しない大当たり乱数カウンタC1の取得を実現することができるため、大当たり乱数カウンタC1のランダム性の更なる向上を図るとともに、タイマ割込み処理の周期性を利用した不正行為を抑制することができる。
すなわち、仮に特図側の保留情報の取得処理(タイマ割込み処理)にて大当たり乱数カウンタC1を取得する構成とすると、取得される大当たり乱数カウンタC1は、特図側の保留情報の取得処理の実行タイミングに依存することとなる。この場合、タイマ割込み処理には周期性が存在するため、取得される大当たり乱数カウンタC1に、上記周期性に起因した数値の偏りが発生する場合がある。偏りが発生すると、形式的な当否判定の抽選確率は変化しない一方、実質的な当選確率が変化することとなり、遊技の管理が困難となる。また、上記偏りを利用して不正に実質的な当選確率を高めようとする不正行為が行われることも想定される。
さらに、不正行為として、タイマ割込み処理の開始タイミングから特図側の保留情報の取得処理の実行タイミングまでの期間を把握し、その期間における更新回数を把握する。そして、その更新回数を踏まえて、特図側の保留情報の取得処理の実行タイミングにおいて当選値となるように、タイマ割込み処理の開始タイミングに同期して、更新用バッファ134に格納されている大当たり乱数カウンタC1を書き換えることが想定される。
これに対して、本実施形態によれば、タイマ割込み処理の実行態様とは無関係に発生し得る各作動口33,34への入賞タイミング(作動口入賞検知センサ83bの入賞検知タイミング)に依存し、タイマ割込み処理の実行態様に依存しない大当たり乱数カウンタC1を用いて抽選を行うことができる。これにより、タイマ割込み処理の周期性に起因する大当たり乱数カウンタC1の偏りの発生、及び上記不正行為を好適に抑制することができる。
また、検知信号SG1の立ち上がりに同期して、大当たり乱数カウンタC1が大当たり乱数レジスタ135にラッチされた場合には、特図側の保留情報の取得処理において要求信号の出力に基づく大当たり乱数カウンタC1の出力が行われるまで、その後のラッチを禁止する構成とした。これにより、貫通孔93を遊技球が通過する場合にチャタリングが発生した場合であっても、入賞検知タイミング(最初の検知信号SG1の立ち上がりタイミング)に基づき取得された大当たり乱数カウンタC1を用いて、抽選を行うことが可能となる。
特に、上述した更新用バッファ134の大当たり乱数カウンタC1を書き換える不正行為を抑制するべく、大当たり乱数レジスタ135に大当たり乱数カウンタC1を格納しておく構成を採用した場合、大当たり乱数レジスタ135の大当たり乱数カウンタC1を当選に対応した数値情報に書き換える不正行為を行うことが想定される。これに対して、ステータスフラグがセットされることにより、その後の大当たり乱数レジスタ135の更新が禁止されるため、大当たり乱数レジスタ135を書き換える不正行為を抑制することができる。
CPU102により保留球格納エリア104bへの大当たり乱数カウンタC1の格納が完了した場合、又は保留数が上限値に達している場合には、大当たり乱数レジスタ135を初期化するとともに、ステータスフラグを消去して次の入賞検知に基づくラッチを可能とした。これにより、上記チャタリングに起因する大当たり乱数カウンタC1の更新を抑制しつつ、次の入賞に基づく大当たり乱数カウンタC1の取得を可能とした。
この場合、ステータスフラグは、大当たり乱数レジスタ135に大当たり乱数カウンタC1がラッチされる場合にセットされ、大当たり乱数レジスタ135の初期化が行われる場合に消去されることに着目すれば、ステータスフラグは大当たり乱数レジスタ135に大当たり乱数カウンタC1が記憶されている場合にセットされるフラグであると言える。となると、ハード乱数回路131は、大当たり乱数レジスタ135に大当たり乱数カウンタC1が格納されているか否かを判定し、大当たり乱数レジスタ135に大当たり乱数カウンタC1が格納されていない場合には、検知信号SG1の立ち上がりに同期してラッチするものであると言える。
大当たり乱数カウンタC1の更新間隔をタイマ割込み処理の実行周期(4msec)よりも短く設定した。具体的には、大当たり乱数カウンタC1の更新間隔を、タイマ割込み処理の実行周期とはオーダーが異なる62.5nsecに設定した。これにより、大当たり乱数カウンタC1のランダム性を高めることが可能となる。一方、大当たり乱数カウンタC1の更新間隔が短くなるほど、入賞検知タイミングと特図側の保留情報の取得処理の実行タイミングとの間に行われる更新回数が多くなる。このため、各タイミングにて取得される大当たり乱数カウンタC1間のずれが大きくなる。
これに対して、本実施形態によれば、大当たり乱数カウンタC1の更新間隔に関わらず、入賞検知タイミングにおける大当たり乱数カウンタC1が保留球格納エリア104bに格納される。これにより、入賞検知タイミングにおける大当たり乱数カウンタC1を用いた当否判定を実現しつつ、大当たり乱数カウンタC1の更新間隔の短縮化を実現することができる。
遊技球が連続して入球する場合の検知信号SG1の最小立ち上がり間隔を、タイマ割込み処理の実行周期(4msec)よりも長い20msecに設定した。これにより、1の遊技球の入賞に基づくラッチの禁止(ステータスフラグのセット)が行われてから、次の遊技球の入賞が発生するまでに、少なくとも1回は特図側の保留情報の取得処理が実行される。これにより、次の遊技球の入賞が発生するまでに、上記1の遊技球の入賞に基づく保留情報が取得され、ラッチの禁止が解除される(ステータスフラグが消去される)。よって、各作動口33,34への入賞が連続して発生した場合であっても、各入賞検知タイミングの大当たり乱数カウンタC1を用いて当否判定を行うことが可能となる。
また、作動口入賞検知センサ83bとCPU102とを接続する第1信号経路とは別系統に、作動口入賞検知センサ83bとハード乱数回路131とを接続する第2信号経路を設けた。そして、第2信号経路からの検知信号SG1に基づいて、大当たり乱数カウンタC1のラッチを行い、タイマ割込み処理において、第1信号経路からの検知信号SG1に基づいて各作動口33,34への入賞の特定を行う構成とした。これにより、いずれか一方の信号経路にノイズ等が混入した場合であっても、正常な保留情報の取得が行われないようになっている。
つまり、仮に第1信号経路にノイズが混入して、タイマ割込み処理にて各作動口33,34への入賞が特定された場合、大当たり乱数レジスタ135には大当たり乱数カウンタC1は取得されていないため、初期状態の大当たり乱数カウンタC1がCPU102に出力されることとなる。これにより、実質的に当否判定が行われないこととなるため、ノイズに起因した当否判定を抑制することができる。
また、仮に第2信号経路にノイズが混入して、大当たり乱数カウンタC1がラッチされた場合であっても、タイマ割込み処理にて、各作動口33,34への入賞が特定されないため、保留情報を取得するための処理が実行されない。
<第2実施形態>
第1実施形態では、上作動口33への入賞と下作動口34への入賞と区別しない構成としたが、本実施形態では、上記2つの入賞を区別する。
本実施形態の集合板201及び集合板201に設けられた回収通路202について図16を用いて説明する。図16は、第2実施形態における回収通路202を説明するための遊技盤24の背面図である。なお、図面の関係上、主制御装置71を取り外した状態を示す。
本実施形態の回収通路202は、上作動口33に連通させて設けられた上作動口用回収通路202aと、下作動口34に連通させて設けられた下作動口用回収通路202bとを備えている。そして、上作動口用回収通路202aの途中位置には、上作動口33に入賞した遊技球を検知する上作動口入賞検知センサ203aが設けられている。下作動口用回収通路202bの途中位置には、下作動口34に入賞した遊技球を検知する下作動口入賞検知センサ203bが設けられている。これにより、各作動口33,34の入賞を個別に把握することができる。
本実施形態における大当たり乱数カウンタC1の取得態様について図17を用いて説明する。図17は、本実施形態における電気的構成を説明するためのブロック図である。
各作動口入賞検知センサ203a,203bは入出力ポート107を介してCPU102に接続されており、各作動口入賞検知センサ203a,203bの検知信号SG1はCPU102に入力される。
また、主制御基板101にはハード乱数回路211が設けられている。ハード乱数回路211は、各作動口入賞検知センサ203a,203bに接続されている。ハード乱数回路211は、各作動口入賞検知センサ203a,203bそれぞれの検知信号SG1の立ち上がりに基づいて、更新回路132にて更新されている大当たり乱数カウンタC1を、RAM104の抽選カウンタ用バッファ212に設けられた所定の記憶バッファにラッチする。なお、各作動口入賞検知センサ203a,203bの検知信号SG1を区別するべく、以下の説明においては、上作動口入賞検知センサ203aの検知信号SG1を第1検知信号SG11、下作動口入賞検知センサ203bの検知信号SG1を第2検知信号SG12とする。
具体的には、ハード乱数回路211は、上作動口入賞検知センサ203aの入賞検知に基づいてラッチする第1ラッチ回路221と、下作動口入賞検知センサ203bの入賞検知に基づいてラッチする第2ラッチ回路222とを備えている。各ラッチ回路221,222は更新回路132に接続されている。第1ラッチ回路221は、上作動口入賞検知センサ203aに接続されているとともに、抽選カウンタ用バッファ212に設けられた第1大当たり乱数カウンタバッファ212aに接続されている。第1ラッチ回路221は、第1検知信号SG11の立ち上がりに同期して、その時点における大当たり乱数カウンタC1を第1大当たり乱数カウンタバッファ212aに直接ラッチさせる。これにより、第1大当たり乱数カウンタバッファ212aに、上作動口33への入賞タイミングにおける大当たり乱数カウンタC1が記憶される。
また、第1ラッチ回路221は、上記ラッチに伴い、当該第1ラッチ回路221に設けられた第1ステータスフラグ格納領域221aに第1ステータスフラグをセットする。これにより、その後のラッチが禁止される。
第2ラッチ回路222は、下作動口入賞検知センサ203bに接続されているとともに、抽選カウンタ用バッファ212に設けられた第2大当たり乱数カウンタバッファ212bに接続されている。第2ラッチ回路222は、第2検知信号SG12の立ち上がりに同期して、その時点における大当たり乱数カウンタC1を第2大当たり乱数カウンタバッファ212bに直接ラッチさせる。これにより、第2大当たり乱数カウンタバッファ212bに、下作動口34への入賞タイミングにおける大当たり乱数カウンタC1が記憶されることとなる。
また、第2ラッチ回路222は、上記ラッチに伴い、当該第2ラッチ回路222に設けられた第2ステータスフラグ格納領域222aに第2ステータスフラグをセットする。これにより、その後のラッチが禁止される。
CPU102は、各大当たり乱数カウンタバッファ212a,212bに記憶されている大当たり乱数カウンタC1を保留球格納エリア230に記憶させる。詳細には、保留球格納エリア230には、大当たり乱数カウンタC1等の保留情報が記憶される上作動口保留用エリア230a及び下作動口保留用エリア230bが設けられている。各保留用エリア230a,230bは、上記第1実施形態の保留用エリアREと同一の構成であり、それぞれ4つの保留情報を保留記憶させておくことが可能となっている。CPU102は、第1大当たり乱数カウンタバッファ212aに記憶されている大当たり乱数カウンタC1を上作動口保留用エリア230aに、第2大当たり乱数カウンタバッファ212bに記憶されている大当たり乱数カウンタC1を下作動口保留用エリア230bに記憶させ、それを用いて当否判定を行う。
また、CPU102は、タイマ割込み処理において大当たり乱数カウンタC1を保留球格納エリア230に記憶させた場合には、その記憶させた大当たり乱数カウンタC1に対応するステータスフラグを消去する処理を実行する。例えば、第1大当たり乱数カウンタバッファ212aに記憶されている大当たり乱数カウンタC1を保留球格納エリア230に記憶させた場合には、第1ステータスフラグを消去する。これにより、次の入賞に基づく大当たり乱数カウンタC1のラッチが可能となる。
次に、本実施形態の特図側の保留情報の取得処理について図18のフローチャートを用いて説明する。本処理では、ステップS601〜ステップS606にて、上作動口33への入賞に基づく保留情報の取得に係る処理を実行した後に、ステップS607〜ステップS613にて、下作動口34への入賞に基づく保留情報の取得に係る処理を実行する。
先ず、ステップS601にて、上作動口33への入賞が発生しているか否かを判定する。具体的には、上特図フラグがセットされているか否かを判定する。上特図フラグは、ステップS206の入賞検知処理にて、第1検知信号SG11がLOW信号からHI信号に切り換わったことが把握された場合にセットされる。
上特図フラグがセットされていない場合にはステップS607に進む一方、上特図フラグがセットされている場合にはステップS602に進み、第1保留数記憶エリアNA1の数値情報が「4」未満か否かを判定する。第1保留数記憶エリアNA1には、上作動口保留用エリア230aに保留記憶されている保留数を示す数値情報が格納されている。
第1保留数記憶エリアNA1の数値情報が「4」未満である場合には、ステップS603に進み、第1保留数記憶エリアNA1の数値情報を1加算する処理を実行する。その後、ステップS604にて第1大当たり乱数カウンタバッファ212aから大当たり乱数カウンタC1を取得し、上作動口保留用エリア230aに記憶させる。そして、ステップS605にて大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3を取得し、これらを上作動口保留用エリア230aに記憶させる。
ここで、本実施形態では、第1検知信号SG11の立ち上がりに同期して、その時点の大当たり乱数カウンタC1が、RAM104の第1大当たり乱数カウンタバッファ212aに直接ラッチされる。これにより、CPU102から要求信号を出力し、ハード乱数回路131から大当たり乱数カウンタC1が出力されるのを待機して、大当たり乱数カウンタC1を保留球格納エリア104bに記憶させる構成と比較して、大当たり乱数カウンタC1の取得に係る処理の処理期間を短くすることができる。よって、タイマ割込み処理のオーバーフローを抑制することができる。
なお、ステップS604の大当たり乱数カウンタC1の取得処理は、第1検知信号SG11の立ち上がりタイミングよりも後に実行されるものである。このため、第1ラッチ回路221による第1大当たり乱数カウンタバッファ212aへのラッチ処理と、ステップS604の処理とが同時に行われることはない。よって、両者の処理が同時に実行されることに起因して、誤った大当たり乱数カウンタC1が取得されることは回避されている。
ステップS605の実行後、又はステップS602を否定判定した場合には、ステップS606にて、第1大当たり乱数カウンタバッファ212aを初期化する処理、及び第1ステータスフラグを消去する処理を実行する。また、上特図フラグがセットされている場合には、上特図フラグを消去する。これにより、次の上作動口33への入賞に基づく大当たり乱数カウンタC1の取得が可能となる。
ステップS606の処理の実行後、又はステップS601を否定判定した場合には、下作動口34への入賞に基づく保留情報の取得処理を実行する。
先ずステップS607にて下作動口34への入賞が発生したか否かを判定する。具体的には、下特図フラグがセットされているか否かを判定する。下特図フラグは、ステップS206の入賞検知処理にて、第2検知信号SG12がLOW信号からHI信号に切り換わったことが把握された場合にセットされる。
下特図フラグがセットされていない場合には、そのまま本処理を終了する一方、下特図フラグがセットされている場合には、ステップS608に進み、電動役物34aの開放中であるか否かを判定する。詳細には、普図普電カウンタの値が「3」であるか否かを判定する。
ここで、下作動口34への入賞は、電動役物34aの開放中でのみ発生するものである。このため、電動役物34aの開放中であるか否かの判定処理は、正常なタイミングでの下作動口34への入賞であるか否かの判定処理である。
電動役物34aが開放中である場合には、ステップS609に進み、第2保留数記憶エリアNA2の数値情報が「4」未満か否かを判定する。第2保留数記憶エリアNA2には、下作動口保留用エリア230bに保留記憶されている保留数を示す数値情報が格納されている。
第2保留数記憶エリアNA2の数値情報が「4」以上である場合には、ステップS613に進む。一方、第2保留数記憶エリアNA2の数値情報が「4」未満である場合には、ステップS610に進み、第2保留数記憶エリアNA2の数値情報を1加算する処理を実行する。その後、ステップS611にて、第2大当たり乱数カウンタバッファ212bから大当たり乱数カウンタC1を取得し、下作動口保留用エリア230bに記憶させる。そして、ステップS612にて大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3を取得し、これらを下作動口保留用エリア230bに記憶させる。
続くステップS613では、第2大当たり乱数カウンタバッファ212bを初期化する処理、及び第2ステータスフラグを消去する処理を実行する。また、下特図フラグがセットされている場合には、下特図フラグを消去する。そして、本処理を終了する。
電動役物34aが開放中でない場合、すなわち電動役物34aが閉鎖中である場合には、ステップS608を否定判定し、ステップS610〜ステップS612の保留情報を取得するための処理を実行することなく、ステップS613の処理を実行して本処理を終了する。すなわち、電動役物34aが開放中でない状況における下作動口34への入賞は、誤動作又は不正なものであるとして、当該入賞に基づく保留情報の取得が禁止される。
この場合、ステップS613にて第2大当たり乱数カウンタバッファ212bが初期化されるため、異常なタイミングにて取得された大当たり乱数カウンタC1が、保留球格納エリア230に記憶されることを抑制することができる。また、第2ステータスフラグの消去が行われるため、次の入賞に基づく大当たり乱数カウンタC1のラッチが可能となっている。
<大当たり乱数カウンタC1の取得態様について>
本実施形態の大当たり乱数カウンタC1の取得態様について図19のタイムチャートを用いて説明する。なお、第1保留数記憶エリアNA1及び第2保留数記憶エリアNA2の数値情報は、いずれも上限値未満であるとする。また、図19(a)では、タイマ割込み処理の実行タイミング及び周期を示す。
t11のタイミングにて、第1検知信号SG11が立ち上がる(図19(d)参照)。これにより、第1大当たり乱数カウンタバッファ212aに、その時点における大当たり乱数カウンタC1がラッチされ、第1ステータスフラグがセットされる。
その後、t12のタイミングにて、第2検知信号SG12が立ち上がる(図19(e)参照)。これにより、図19(f),(g)に示すように、第2大当たり乱数カウンタバッファ212bにその時点における大当たり乱数カウンタC1がラッチされ、第2ステータスフラグがセットされる。
その後、t13のタイミングにて、特図側の保留情報の取得処理が実行される(図19(b)参照)。この場合、第1大当たり乱数カウンタバッファ212aに格納されている大当たり乱数カウンタC1が、上作動口保留用エリア230aに記憶される。また、図19(c)に示すように、t13のタイミングでは電動役物34aが開放中であるため、下作動口34への入賞に基づく保留情報の取得処理では、正常な入賞として保留情報を取得するための処理が実行される。詳細には、第2大当たり乱数カウンタバッファ212bに格納されている大当たり乱数カウンタC1が、下作動口保留用エリア230bに記憶される。これにより、保留情報が保留球格納エリア230に取得されることとなる(図19(h)参照)。そして、各大当たり乱数カウンタバッファ212a,212bが初期化され、各ステータスフラグが消去される。
ここで、図19にて示すように、各作動口33,34への入賞を個別に把握する場合、1のタイマ割込み処理中に各作動口33,34の入賞をそれぞれ検知する場合がある。この場合、それぞれの入賞検知タイミング(t11のタイミング及びt12のタイミング)にて取得された大当たり乱数カウンタC1が、各大当たり乱数カウンタバッファ212a,212bに記憶される。これにより、1のタイマ割込み処理中に各作動口33,34それぞれの入賞が発生したであっても、異なる大当たり乱数カウンタC1が取得される。よって、大当たり乱数カウンタC1のランダム性の向上を図ることができる。
その後、t14のタイミングにて、異常な状況(電動役物34aが閉鎖中である状況)において第2検知信号SG12が立ち上がる。当該立ち上がりに同期して、図19(f),(g)に示すように、第2大当たり乱数カウンタバッファ212bに大当たり乱数カウンタC1がラッチされ、第2ステータスフラグがセットされる。
そして、t15のタイミングにて、特図側の保留情報の取得処理が実行される。この場合、異常な状況下での下作動口34への入賞であるとして、保留情報を取得するための処理(ステップS610〜ステップS612)は実行されない。このため、図19(f)〜(h)に示すように、保留情報が取得されることなく、第2大当たり乱数カウンタバッファ212bが初期化され、第2ステータスフラグが消去される。これにより、異常な状況下での入賞に基づく保留情報の取得を規制し、さらに次の入賞に基づく保留情報の取得を可能としている。
以上詳述した本実施形態によれば以下の優れた効果を奏する。
上作動口33への入賞と下作動口34への入賞とを区別して把握する構成において、上作動口33への入賞に基づき第1大当たり乱数カウンタバッファ212aに大当たり乱数カウンタC1をラッチする第1ラッチ回路221と、下作動口34への入賞に基づき第2大当たり乱数カウンタバッファ212bに大当たり乱数カウンタC1をラッチする第2ラッチ回路222とを設けた。これにより、1のタイマ割込み処理において、各作動口33,34への入賞がそれぞれ発生した場合であっても、それぞれの入賞タイミングの大当たり乱数カウンタC1を取得することが可能となる。
特に、一度ラッチされると保留球格納エリア230への格納処理が行なわれるまで、次のラッチを禁止する構成においては、1のタイマ割込み中に2つの入賞が発生すると、各入賞に対して同一の大当たり乱数カウンタC1が取得されることとなる。このため、1のタイマ割込み中に2つの入賞が発生すると、2回の抽選が行われるべきにも関わらず、実質1回の抽選しか行われないこととなる。
これに対して、本実施形態によれば、1のタイマ割込み中に2つの入賞が発生した場合であっても、各入賞に基づく抽選をそれぞれ行うことができる。
電動役物34aが閉鎖している状況における下作動口34への入賞は、異常な入賞であるとして、当該入賞に基づく保留情報の取得を禁止した。これにより、異常な入賞に基づいて取得された保留情報を用いた抽選が行われることを回避することができる。
この場合、ラッチされた大当たり乱数カウンタC1、及びそのラッチに基づき設定されたステータスフラグを消去する構成とした。これにより、異常な入賞に基づき取得された大当たり乱数カウンタC1が、保留球格納エリア230に記憶されることを回避するとともに、次の入賞に基づく大当たり乱数カウンタC1の取得が可能となる。
また、抽選カウンタ用バッファ212に各大当たり乱数カウンタバッファ212a,212bを設け、各ラッチ回路221,222は、上記各大当たり乱数カウンタバッファ212a,212bに直接ラッチさせる構成とした。これにより、保留情報を取得する場合に、ハード乱数回路211にアクセスする必要がなく、各カウンタC1〜C3をまとめて取得することが可能となる。よって、保留情報の取得をより簡素なものにすることができる。
なお、本実施形態では、電動役物34aの開放中以外のタイミングでの下作動口34への入賞に基づく保留情報の取得を禁止したが、これに限られない。例えば電動役物34aの閉鎖後の所定期間において下作動口34への入賞が発生した場合には、その入賞に基づく保留情報の取得を許可する構成としてもよい。これにより、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングから、第2検知信号SG12の立ち上がりタイミングまでにタイムラグが発生した場合であっても、保留情報を好適に取得することができる。
本実施形態では、各ステータスフラグがセットされている場合には、ラッチを禁止する構成としたが、これに限られない。例えば、第1大当たり乱数カウンタバッファ212aに大当たり乱数カウンタC1がセットされているか否かを特定するためのフラグ格納領域を設ける。そして、そのフラグ格納領域にフラグがセットされていない場合、つまり第1大当たり乱数カウンタバッファ212aが初期化されている状態ではラッチする一方、既にセットされている場合にはラッチを禁止する構成としてもよい。これにより、CPU102がハード乱数回路211にアクセスする必要がないため、構成の簡素化を図ることができる。
本実施形態では、電動役物34aの開放中以外のタイミングにて下作動口34への入賞が発生した場合には、当該入賞に基づきラッチされた大当たり乱数カウンタC1を消去する構成としたが、これに限られず、例えば別の異常用の記憶バッファに記憶させておく構成としてもよい。この場合、異常用の記憶バッファに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の数値情報や、異常用の記憶バッファへの記憶処理が実行された回数等を把握することにより、不正行為が行われたか否かを判断してもよい。
また、誤って異常用の記憶バッファに記憶されたと判断した場合には、その情報を保留球格納エリア230に記憶させる構成としてもよい。これにより、誤動作に起因する遊技者の不利益を補償することができる。
また、各検知信号SG11,SG12の立ち上がりが発生したにも関わらず保留情報の取得を禁止する状況として、電動役物34aが閉鎖中である状況を設定したが、これに限られない。例えば、遊技盤24に磁気検知センサ又は振動検知センサを設け、これら検知センサにより磁気又は振動が検知された状況において保留情報の取得を禁止する構成としてもよい。これにより、遊技球を不正に誘導する目的で、磁石を近づける不正行為や意図的に振動を与える不正行為が行われた場合であっても、その行為に基づく保留情報の取得が禁止され、上記各不正行為を抑制することができる。
本実施形態において、下作動口34への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよく、これとは逆に上作動口33への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよい。
また、上記構成において、複数の作動口が上下に並設されているのではなく、上作動口33に対応した第1作動口と、下作動口34に対応した第2作動口とが左右に並設された構成としてもよく、これら両作動口が斜めに並設された構成としてもよい。さらにまた、発射操作装置55の操作態様に応じて、第1作動口への入賞のみ又は第2作動口への入賞のみを狙えるように、両作動口を離間して配置する構成としてもよい。この場合、電動役物34aの閉鎖中に第2作動口への入賞が発生しないように釘38を配置するとよい。
また、上記構成において、メイン表示部43に、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定の結果を表示する第1表示領域と、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定の結果を表示する第2表示領域とを設けてもよい。この場合、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報が当否判定の対象となることに先立って、又は当否判定の対象となったことに基づいて、第1表示領域において絵柄の変動表示が開始されるとともに、当否判定に対応した停止結果を表示して、1遊技回の変動表示が終了される。また、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報が当否判定の対象となることに先立って、又は当否判定の対象となったことに基づいて、第2表示領域において絵柄の変動表示が開始されるとともに、当否判定に対応した停止結果を表示し係る1遊技回の変動表示が終了される。
さらに、上作動口33への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合と、下作動口34への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合とで、遊技者が得られる利益が異なる構成としてもよい。例えば、下作動口34への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成において、下作動口34への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合の方が、上作動口33への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合よりも、遊技者にとって有利となる構成としてもよい。
なお、有利となる構成としては、当否判定の抽選確率が高くなる構成、振分判定において有利な大当たり結果となり易くなる構成等が考えられる。
本実施形態において、各ラッチ回路221,222がラッチする対象は更新回路132で共通していたが、これに限られず、それぞれ更新回路が設けられている構成としてもよい。この場合、それぞれの更新回路にて更新される数値情報の数値範囲を異ならせてもよい。これにより、同一の当否テーブルを用いて異なる抽選確率にすることができるため、ROM103に記憶させておく記憶容量の削減を図ることができる。
<第3実施形態>
本実施形態では、パチンコ機10にて実行される処理体系が上記第1実施形態と異なっている。
本実施形態では、定期的に処理が実行される通常処理と、同じく定期的に処理が実行されるタイマ割込み処理とのそれぞれに、遊技を進行させるのに必要な処理が分散して設定されている。そして、タイマ割込み処理の実行周期が第1実施形態よりも短い2msecに設定されている。
具体的には、通常処理は、メイン処理(図10)におけるステップS109の処理が実行された後に、ステップS110〜ステップS112の処理に代えて実行される。
通常処理では、図20に示すように、ステップS701〜ステップS711の処理を実行する。これらの処理は、基本的に第1実施形態にて説明した、対応する各処理と同一である。但し、ステップS705の特図特電制御処理においては、特図側の保留情報の取得処理が省略されており、ステップS706の普図普電制御処理においては、普図側の保留情報の取得処理が省略されている。
ステップS711の処理の実行後、ステップS712にて、停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグは、タイマ割込み処理(図21)におけるステップS802の停電情報記憶処理にて、停電の発生が特定された場合に各種フラグ格納エリア104dに設けられた停電フラグ格納エリアに停電フラグがセットされる。
停電フラグがセットされていない場合には、ステップS713にて次の通常処理の実行タイミングであるか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(具体的には4msec)が経過したか否かを判定する。そして、通常処理の開始タイミングに至るまで、ステップS714〜ステップS716の残余処理を繰り返し実行する。ステップS714〜ステップS716の処理内容は、上記ステップS110〜ステップS112と同様である。
一方、ステップS712にて、停電フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS717以降の停電時処理を実行する。つまり、ステップS717では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS718にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS719にてRAM104のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
本実施形態におけるタイマ割込み処理について図21のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS801にて、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電役乱数カウンタC4を更新する。
その後、ステップS802〜ステップS805の処理を実行する。これらの処理は、第1実施形態のタイマ割込み処理における対応する処理と同一であるため、説明を省略する。
そして、ステップS806にて特図側の保留情報の取得処理を実行し、ステップS807にて普図側の保留情報の取得処理を実行して、本処理を終了する。これらの処理は、第1実施形態におけるステップS401,301の処理と同一であるため、説明を省略する。
上記詳述した本実施形態によれば、通常処理とタイマ割込み処理とのそれぞれに遊技の進行を制御するための処理が分散して設定されている構成において、入賞検知タイミングにおける大当たり乱数カウンタC1を用いた当否判定を実行することが可能となる。
ここで、通常処理とタイマ割込み処理とのそれぞれに遊技の進行を制御するための処理を分散して設定することにより、タイマ割込み処理の処理工程の削減が実現されている。これにより、タイマ割込み処理の実行周期を2msecに短く設定した場合であっても、オーバーフローが発生しない。
また、上記構成を採用することにより、入賞検知タイミングと特図側の保留情報の取得処理の実行タイミングとの間のタイムラグを削減することができる。しかしながら、大当たり乱数カウンタC1の更新間隔はタイマ割込み処理の実行周期よりも十分に短いため、上記構成においても上記タイムラグに起因する問題を解決することができない。
これに対して、検知信号SG1の立ち上がりに同期して大当たり乱数カウンタC1を取得する構成を採用することにより、上記第1実施形態にて説明した優れた効果を奏することができる。
<その他の実施形態>
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。
(1)上記各実施形態では、ハード乱数回路131,211における更新対象は大当たり乱数カウンタC1であったが、これに限られず、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、電役乱数カウンタC4のいずれでもよい。但し、遊技者の利益に直結する開閉実行モードに移行するか否かの当否判定で用いられる点を鑑みれば、ハード乱数回路131,211の更新対象は、大当たり乱数カウンタC1である方がよい。
(2)上記各実施形態では、ハード乱数回路131,211を設け、検知信号SG1等の立ち上がりに同期して、大当たり乱数レジスタ135に大当たり乱数カウンタC1をラッチする構成としたが、これに限られない。例えば、CPU102のNMI割込み処理で大当たり乱数カウンタC1をラッチする構成としてもよい。但し、CPU102の処理構成の複雑化及び処理負荷の増大を考慮すれば、ハード乱数回路131,211側でラッチする構成の方が好ましい。
(3)上記第1実施形態では、前回の入賞検知処理の検知信号SG1がLOW信号であり、今回の入賞検知処理の検知信号SG1がHI信号であることに基づいて、各作動口33,34への入賞の発生を特定したが、これに限られない。例えば、前回の入賞検知処理の検知信号SG1がLOW信号であり、今回の入賞検知処理及び次回の入賞検知処理の検知信号SG1がHI信号であること(LOW→HI→HI)に基づいて、各作動口33,34の入賞を特定する構成としてもよい。これにより、ノイズ等に起因して入賞したと誤検知することを抑制することができる。この場合、検知信号SG1の立ち上がりタイミングから保留情報の取得タイミングまでの期間が長くなるが、検知信号SG1の立ち上がりに基づき大当たり乱数カウンタC1を大当たり乱数レジスタ135に格納しておくことにより、入賞検知タイミングの大当たり乱数カウンタC1を用いた抽選を行うことができる。第2及び第3実施形態についても同様である。
(4)上記第1実施形態において、主制御基板101に、検知信号SG1の立ち上がりタイミングと、ハード乱数回路131のラッチタイミングとが同時であるか否かを判定する判定回路を設け、判定回路の判定結果に基づいて保留情報を取得するか否かを判定する構成としてもよい。これにより、ノイズ等の影響により誤ってラッチされた大当たり乱数カウンタC1を用いて当否判定が行われることを回避することができる。
なお、具体的な構成としては、判定回路は、例えば検知信号SG1とラッチ信号とが入力されるものであって、検知信号SG1の立ち上がりとラッチ信号の立ち上がりとの時間差を検出する検出回路を備える。そして、判定回路は、その時間差が予め定められた許容時間内であるか否かを判定し、その判定結果に応じた信号をCPU102に出力する構成が考えられる。第2及び第3実施形態についても同様である。
(5)また、第1実施形態において、第1信号経路の検知信号SG1と第2信号経路の検知信号SG1とを比較し、両者の立ち上がりが同時であるか否か(予め定められた許容範囲の時間内であるか否か)を判定する判定回路を設け、ハード乱数回路131及びCPU102は、上記判定回路により両者の立ち上がりが同時であると判定した場合に、入賞に基づく処理(ラッチ、保留情報を取得するための処理)を実行する構成としてもよい。これにより、ノイズ等の影響によりハード乱数回路131が誤ってラッチしてしまう事態を回避することができる。第2及び第3実施形態についても同様である。
(6)さらに、ハード乱数回路131に、大当たり乱数レジスタ135にラッチしたタイミングからの時間をカウントするタイマ回路を設け、ハード乱数回路131は、CPU102から要求信号が入力された場合には、大当たり乱数レジスタ135に記憶されている大当たり乱数カウンタC1、及びその時点においてタイマ回路によりカウントされている時間情報を出力する構成としてもよい。そして、特図側の保留情報の取得処理では、その時間情報を参照することで、入賞検知タイミングから特図側の保留情報の取得処理の実行タイミングまでの時間を把握し、その時間がタイマ割込み処理の周期よりも短いか否かを判定する。そして、短いと判定した場合に保留情報を取得するための処理を実行する一方、長いと判定した場合には、大当たり乱数レジスタ135に格納されている大当たり乱数カウンタC1及びステータスフラグを消去する処理を実行するとよい。これにより、ノイズ等の影響により、ハード乱数回路131が誤ってラッチした場合であっても、その誤ってラッチされた大当たり乱数カウンタC1が保留球格納エリア104bに記憶されることがない。よって、ハード乱数回路131の誤動作に基づき取得された大当たり乱数カウンタC1を用いた当否判定が行われることを回避することができる。
(7)上記第1実施形態では、特図側の保留情報の取得処理において、各作動口33,34への入賞が発生していないと特定した場合には、そのまま本処理を終了する構成としたが、これに限られず、ステップS508のハード乱数回路131の初期化に係る処理を実行する構成としてもよい。これにより、仮に第2信号経路にノイズが混入して、大当たり乱数カウンタC1がラッチされた場合であっても、タイマ割込み処理にて、各作動口33,34への入賞が特定されていないことを条件として、そのノイズに基づき取得された大当たり乱数カウンタC1が消去されるとともに、大当たり乱数カウンタC1のラッチが可能となる。これにより、ノイズに基づき取得された大当たり乱数カウンタC1を用いて当否判定が行われることを回避することができる。
第2実施形態についても同様に、ステップS601の処理を否定判定した場合、又はステップS607の処理を否定判定した場合に、対応するバッファ及びステータスフラグを消去する処理を実行する構成とするとよい。
(8)上記各実施形態では、大当たり乱数カウンタC1に16ビットカウンタを用いて、数値範囲を「0〜65535」としたが、これに限られず、例えば数値範囲「0〜299」としてもよい。この場合、特図側の保留情報の取得処理において、受信した(又は第1大当たり乱数カウンタバッファ212aに記憶されている)大当たり乱数カウンタC1が上記数値範囲内であるか否かを判定する。そして、上記数値範囲内である場合には保留情報の取得を行い、上記数値範囲外である場合には保留情報を取得しない構成としてもよい。これにより、ラッチミス等によって誤った大当たり乱数カウンタC1がラッチされた場合であっても、その大当たり乱数カウンタC1に基づく抽選が行われる事態を回避することができる。
なお、大当たり乱数カウンタC1の数値範囲は、メイン処理の各種初期設定に係る処理にて設定するとよい。
(9)上記第1実施形態では、保留球格納エリア104bへの大当たり乱数カウンタC1の記憶が完了した場合に、大当たり乱数レジスタ135を初期化するとともにステータスフラグを消去する構成としたが、これに限られない。例えば、ステータスフラグを消去し、大当たり乱数レジスタ135を初期化しない構成としてもよい。これにより、初期化に係る処理負荷の軽減を図ることができる。但し、次に入賞に基づく大当たり乱数カウンタC1を正確にラッチすることができることに着目すれば、大当たり乱数レジスタ135を初期化する構成の方が好ましい。第2及び第3実施形態についても同様である。
(10)上記各実施形態では、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて、保留情報が取得される構成としたが、これに限られず、遊技の進行上、CPU102にて実行される定期処理とは非同期で発生し得るものであれば任意である。
また、例えば、あるラウンド遊技中における可変入賞装置32への入賞に基づき乱数カウンタを取得し、その乱数カウンタを用いてラウンド遊技を継続させるか否かの抽選を行う構成としてもよい。要は、抽選の具体的内容は任意である。
(11)第1実施形態では、ハード乱数回路131とCPU102とに別系統で検知信号SG1を出力する構成としたが、これに限られず、1系統で検知信号SG1を出力する構成としてもよい。第2及び第3実施形態についても同様である。
要は、タイマ割込み処理と非同期で発生し得る特定事象の発生を検知することが可能な検知手段を設け、検知手段による検知結果及び特定事象を検知した場合における検知タイミングが把握できるように、検知手段とハード乱数回路131,211との間で信号の伝送が行われていればよい。
(12)上記各実施形態では、大当たり乱数カウンタC1の更新間隔は62.5nsecであったが、これに限られず、タイマ割込み処理の実行周期よりも短い範囲内で任意に設定することができる。
(13)上記各実施形態では、CPU102のタイマ割込み処理の実行周期を規定するクロック回路105と、大当たり乱数カウンタC1の更新間隔を規定するクロック回路133とを別々に設けたが、これに限られず、1のクロック回路133を用いる構成としてもよい。この場合、大当たり乱数カウンタC1の更新間隔に対応するクロック信号から、タイマ割込み処理の実行周期に対応するクロック信号に変換するよう分周回路106を構成するとよい。
(14)上記各実施形態では、大当たり乱数カウンタC1は、最大値に達した後「0」に戻るループカウンタであったが、これに限られず、例えば大当たり乱数カウンタC1の数値範囲と同一の数値範囲を有する乱数初期値カウンタを設け、大当たり乱数カウンタC1が最大値に達した場合には、その時点における乱数初期値カウンタの値を初期値として設定してもよい。この場合、乱数初期値カウンタは、ハード乱数回路131,211に専用の回路を設けてハード乱数としてもよいし、CPU102にて更新されるソフトウェア乱数としてもよい。ソフトウェア乱数として用いる場合には、第1実施形態のメイン処理のステップS111の処理と合わせて更新する構成とするとよく、第3実施形態の通常処理におけるステップS715の処理と合わせて更新する構成とするとよい。これにより、乱数初期値カウンタのランダム性の向上を図ることができる。
(15)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作される又は所定期間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも、本発明を適用できる。
この場合、スタートレバーが操作されることに基づいて、乱数カウンタを取得し、その乱数カウンタを用いて抽選を行う構成とするとよく、その乱数カウンタの取得及び抽選に本発明を適用するとよい。
また、取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴1.予め定められた周期で定期処理(タイマ割込み処理)を繰り返し実行することにより遊技の進行を制御する定期処理実行手段(CPU102)を備えた遊技機において、
予め定められた更新タイミングとなる度に数値情報(大当たり乱数カウンタC1)を更新する数値情報更新手段(ハード乱数回路131,211)と、
予め定められた特定事象(各作動口33,34への入賞)の発生を検知する検知手段(第1実施形態における作動口入賞検知センサ83b、第2実施形態における各作動口入賞検知センサ203a,203b)と、
前記検知手段により前記特定事象が発生したことが検知された場合に、前記数値情報を取得する取得手段(第1実施形態におけるコントロール回路141及び大当たり乱数レジスタ135、第2実施形態における各ラッチ回路221,222)と、
前記定期処理に含まれるものであって、前記取得手段により取得された数値情報を用いて抽選を行う抽選処理を実行する抽選処理実行手段(CPU102において当否判定の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記取得手段は、前記定期処理とは非同期に実行されるものであって、前記検知手段により前記特定事象が発生したことが検知された場合に、当該検知手段により前記特定事象の発生が検知された検知タイミングにおける前記数値情報を取得するものであることを特徴とする遊技機。
特徴1によれば、定期処理とは別に実行される取得手段により数値情報が取得され、数値情報を用いて抽選が行われる。これにより、定期処理に数値情報を取得する処理が含まれている構成と比較して、取得される数値情報が上記取得する処理の実行タイミングに依存しない分だけ、取得される数値情報のランダム性を高めることが可能となる。
また、定期処理に数値情報を取得する処理が含まれている構成では、有利な抽選結果となるように以下の不正行為が行われる場合がある。すなわち、定期処理の開始タイミングから数値情報を取得する処理の実行タイミングまでの期間を把握し、その期間における更新回数を把握する。そして、その更新回数を踏まえて、数値情報を取得する処理の実行タイミングにおいて所望の数値情報となるように、定期処理の開始タイミングに同期して数値情報を書き換える不正行為が行われる場合がある。
これに対して、本特徴によれば、検知手段により特定事象の発生が検知された検知タイミングにおける数値情報を取得し、その数値情報を用いて抽選処理を行うことにより、数値情報の取得タイミングを特定事象の発生タイミングに同期させることが可能となる。これにより、数値情報の取得タイミングを、定期処理の実行態様とは無関係のタイミングにすることができる。よって、上記不正行為を抑制することができる。
以上のことから、数値情報を用いた抽選を好適に行うことができる。
特徴2.前記数値情報更新手段は、前記定期処理の周期よりも短い間隔で前記数値情報を更新するものであることを特徴とする特徴1に記載の遊技機。
特徴2によれば、定期処理よりも短い間隔で数値情報を更新することにより、数値情報のランダム性を高めることが可能となる。
この場合、検知タイミングと抽選処理の実行タイミングとの間に数値情報が更新され易い。このため、各タイミングにおける数値情報が異なる事態が発生し易い。この点、特徴1の構成によれば、上記事態が発生した場合であっても、検知タイミングの数値情報を用いて抽選を行うことができる。
本特徴のより具体的な構成としては、例えば「前記定期処理は、msec単位の周期で繰り返し実行されるものであり、前記数値情報更新手段は、μsec単位又はnsec単位の周期で前記数値情報を更新するものである」構成が考えられる。
特徴3.前記検知手段は、前記特定事象の発生が検知されたことに基づいて予め定められた検知信号(検知信号SG1,SG11,SG12のHI信号)を出力する手段を備え、
前記取得手段は、前記検知タイミングとして前記検知信号が入力されたタイミングの前記数値情報を取得し、その取得された前記数値情報を所定の記憶手段(第1実施形態における大当たり乱数レジスタ135、第2実施形態における各大当たり乱数カウンタバッファ212a,212b)に記憶させるものであり、
前記定期処理では、前記記憶手段に記憶されている前記数値情報を読み出す読出処理(特図側の保留情報の取得処理)を実行し、その後前記抽選処理において、その読み出された数値情報を用いて抽選を行うものであることを特徴とする特徴1又は特徴2に記載の遊技機。
特徴3によれば、検知信号の入力タイミングにおける数値情報が取得され、その取得された数値情報が記憶手段に記憶される。そして、定期処理では、記憶手段に記憶されている数値情報を読み出し、その数値情報を用いて抽選を行う。これにより、数値情報の取得タイミングを特定事象の発生タイミングに同期させつつ、定期処理においてその取得された数値情報を用いた抽選を行うことができる。
なお、「前記検知手段は、前記特定事象の発生が検知されたことに基づいて予め定められた特定形態に移行する検知信号を出力する手段を備え、前記取得手段は、前記検知信号が前記特定形態に移行した場合に、前記検知タイミングとしてその移行したタイミングの前記数値情報を取得し、その取得された数値情報を所定の記憶手段に記憶させる」構成としてもよい。この場合であっても、同様の効果を奏することができる。
また、本特徴の具体的な構成としては、例えば「前記検知手段は、前記特定事象の発生が検知されたことに基づき、HI信号及びLOW信号のうち一方から他方に立ち上がる又は立ち下がるものであり、前記取得手段は、前記立ち上がり又は立ち下がりに同期して、当該立ち上がり又は立ち下がりタイミングの数値情報を取得する」構成が考えられる。
特徴4.前記記憶手段に記憶されている数値情報は、少なくとも前記読出処理による読み出しが行われるまで維持されることを特徴とする特徴3に記載の遊技機。
特徴4によれば、読出処理による読み出しが行われるまでは、検知タイミング(検知信号の入力タイミング)の数値情報が維持される。これにより、特定事象が発生した後、検知手段の誤動作等により特定事象が発生していないにも関わらず特定事象が発生したと誤検知した場合であっても、記憶手段に記憶されている数値情報は更新されない。よって、上記誤検知が発生した場合であっても、検知タイミングの数値情報を用いた抽選を行うことが可能となる。
さらに、記憶手段に抽選で用いる数値情報を記憶させる構成においては、有利な抽選結果となるように、読出処理による読み出しが実行される前に記憶手段に記憶されている数値情報を更新する不正行為が行われる場合がある。これに対して、本特徴によれば、上記数値情報の更新が禁止されるため、上記不正行為を抑制することができる。これにより、記憶手段に数値情報を記憶させることによって生じ得る不正行為を好適に抑制することができる。
特徴5.前記記憶手段に前記数値情報が記憶されてから、前記読出処理による読み出しが実行されるまでは、前記記憶手段に記憶されている前記数値情報の更新を禁止する禁止手段(ハード乱数回路131,211において各種ステータスフラグがセットされている場合にラッチしない機能、及び各種ステータスフラグをセットする機能)と、
前記読出処理による読み出しが実行された場合に、前記禁止手段による禁止を解除する解除手段(各種ステータスフラグを消去する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴4に記載の遊技機。
特徴5によれば、読出処理による読み出しが実行された場合に、記憶手段に記憶されている数値情報の更新が可能となる。これにより、次の特定事象の発生に基づく数値情報の取得が可能となり、禁止手段を設けることによって生じ得る不都合、すなわち各特定事象の発生に基づく数値情報の取得ができなくなることを解決することができる。
特徴6.前記特定事象は連続して発生し得るものであり、その最短間隔は、前記定期処理の周期よりも長いことを特徴とする特徴5に記載の遊技機。
特徴6によれば、1の特定事象の発生タイミングと、次の特定事象の発生タイミングとの間に、少なくとも1回は定期処理を実行し、数値情報の読み出しを行うことができる。これにより、特定事象が連続して発生する場合であっても、それぞれの特定事象に基づく数値情報を取得し、記憶手段に記憶させることができる。よって、上記禁止手段による不都合、具体的には禁止中に特定事象が発生し、当該特定事象に基づく数値情報の取得が無効化されることを抑制することができる。
特徴7.遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が通過可能な球通過部(各作動口33,34)と、
を備え、
前記検知手段は、遊技球が前記球通過部を通過することを検知するものであり、
前記定期処理の周期は、前記検知手段により1の遊技球の通過が検知されてから次の遊技球の通過が検知されるまでの最短間隔よりも短く設定されていることを特徴とする特徴6に記載の遊技機。
特徴7によれば、遊技球が球通過部を通過することにより数値情報が取得される。これにより、遊技球が球通過部を通過するか否かに遊技者の注意を惹きつけることができ、遊技への注目度を高めることができる。
かかる構成において、定期処理の周期は1の遊技球の通過が検知されてから次の遊技球の通過が検知されるまでの最短間隔よりも短く設定されている。これにより、遊技球が連続して通過する場合であっても、1の遊技球の通過が検知されてから次の遊技球の通過が検知されるまでに、少なくとも1回は定期処理の読出処理が実行される。よって、次の遊技球の通過が検知されるまでに、1の遊技球の通過に基づく禁止手段による禁止を解除することができる。
特徴8.予め定められた特定状況下(電動役物34aの閉鎖中)において前記検知手段により前記特定事象の発生が検知された場合には、前記数値情報の読み出しを実行しないよう前記読出処理の実行を禁止し、前記禁止手段による禁止の解除を行う異常対応手段(CPU102におけるステップS608等の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴5乃至7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴8によれば、特定状況下で特定事象が発生した場合には、読出処理の実行を禁止し、禁止手段による禁止を解除することにより、特定状況下で取得された数値情報を用いて抽選が行われることが回避され、次の特定事象の発生に基づく数値情報の取得が可能となる。これにより、特定状況下で取得された数値情報を無効なものとしつつ、次の特定事象の発生に基づく数値情報の抽選を行うことができる。
この場合、特定状況下で取得された数値情報を消去する構成としてもよく、又はその数値情報を用いて不正行為が行われたか否かを判定してもよい。
特徴9.遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球し易い第1状態と遊技球が入賞することが困難な第2状態とに切換可能な可変入球手段(電動役物34aが設けられた下作動口34)と、
を備え、
前記検知手段は、前記可変入球手段に遊技球が入球することを検知するものであり、
前記異常対応手段は、前記特定状況下として前記可変入球手段が前記第2状態である状況下で、前記検知手段により前記可変入球手段への遊技球の入球が検知された場合に、前記数値情報の読み出しを実行しないよう前記読出処理の実行を禁止し、前記禁止手段による禁止の解除を行うことを特徴とする特徴8に記載の遊技機。
特徴9によれば、可変入球手段への入球が困難である第2状態において可変入球手段に遊技球が入球したと検知された場合には、その検知は誤動作又は不正に基づくものである蓋然性が高い。この場合、その入球に基づく数値情報の取得等が禁止される。これにより、誤動作等に基づく抽選が行われることを回避することができる。
特徴10.1の定期処理の実行中に、前記特定事象として第1特定事象と第2特定事象とが発生し得るよう構成されており、
前記検知手段は、前記第1特定事象及び前記第2特定事象をそれぞれ個別に検知可能に構成されており、
前記取得手段は、
前記第1特定事象の発生が検知された場合に、その検知タイミングにおける前記数値情報を取得して、第1記憶手段(第1大当たり乱数カウンタバッファ212a)に記憶させる第1取得手段(第1ラッチ回路221)と、
前記第2特定事象の発生が検知された場合に、その検知タイミングにおける前記数値情報を取得して、前記第1記憶手段とは異なる第2記憶手段(第2大当たり乱数カウンタバッファ212b)に記憶させる第2取得手段(第2ラッチ回路222)と、
を備えていることを特徴とする特徴1乃至9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴10によれば、1の定期処理において第1特定事象と第2特定事象とが発生し得る場面であっても、それぞれ異なる数値情報を取得し、記憶させておくことが可能となる。これにより、1の定期処理中に各特定事象が発生した場合にそれぞれ同一の数値情報が取得され、1の定期処理中に各特定事象が発生したにも関わらず実質的に1回の抽選しか行われないという不都合を回避することができる。
また、数値情報更新手段を共通して用いることにより、数値情報更新手段を複数設ける構成と比較して、構成の簡素化を図ることができる。
特徴11.前記抽選処理は、前記数値情報を用いて遊技状態を遊技者に有利な有利状態に移行させるか否かの抽選であることを特徴とする特徴1乃至10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴11によれば、数値情報を用いた抽選の抽選結果に基づき有利状態への移行の有無が決定される。このため、遊技者に不測の不利益を与えることを回避するべく、数値情報のランダム性は確保される必要がある。また、定期処理の定期性を利用して、不正に有利状態を発生させる不正行為を行う場合がある。
これに対して、特徴1の構成を適用することにより、数値情報のランダム性を高めることができるとともに、定期処理の定期性を利用した不正行為を抑制することができる。これにより、有利状態の移行の有無の抽選を好適に行うことが可能となる。
10…パチンコ機、24…遊技盤、33…上作動口、34…下作動口、71…主制御装置、82b…作動口用回収通路、83b…作動口入賞検知センサ、102…CPU、131…ハード乱数回路、132…更新回路、133…クロック回路、134…更新用バッファ、135…大当たり乱数レジスタ、141…コントロール回路、142…ステータスフラグ格納領域、202…第2実施形態における回収通路、202a…上作動口用回収通路、202b…下作動口用回収通路、203a…上作動口入賞検知センサ、203b…下作動口入賞検知センサ、211…ハード乱数回路、221…第1ラッチ回路、222…第2ラッチ回路。

Claims (1)

  1. 予め定められた周期で定期処理を繰り返し実行することにより遊技の進行を制御する定期処理実行手段を備えた遊技機において、
    予め定められた更新タイミングとなる度に数値情報を更新する数値情報更新手段と、
    予め定められた特定事象の発生を検知する検知手段と、
    前記検知手段により前記特定事象が発生したことが検知された場合に、前記数値情報を取得する取得手段と、
    前記定期処理に含まれるものであって、前記取得手段により取得された数値情報を用いて抽選を行う抽選処理を実行する抽選処理実行手段と、
    を備え、
    前記数値情報更新手段は、前記定期処理の周期よりも短い間隔、かつ前記定期処理とは非同期に前記数値情報を更新可能であり、
    前記取得手段は、前記数値情報の取得処理を前記定期処理とは別に、かつ前記定期処理とは非同期に実行可能であって、前記検知手段により前記特定事象が発生したことが検知された場合に、当該検知手段により前記特定事象の発生が検知された検知タイミングにおける前記数値情報を取得するものであることを特徴とする遊技機。
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