JP2017012893A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】遊技媒体の通過を誤検知させる不正行為を抑制することが可能な遊技機を提供すること。
【解決手段】遊技領域には上作動口及び下作動口等が設けられている。これら入球部には、入球した遊技球を検知するために入賞検知センサ31a〜35bが設けられている。各入賞検知センサ31a〜35bは主制御装置60と電気的に接続されており、MPU62では入賞検知センサ31a〜35bから受信した電気信号に基づいて上記各入球部に遊技球が入球したか否かを判定する。MPU62は、同一の入賞検知センサ31a〜35bから受信している信号が遊技球の通過を検知していることに対応した状態となっていることを監視期間内に複数回確認した場合に異常処理を実行する。この場合に、各入賞検知センサ31a〜35bについての監視期間の計測は、同一のカウンタを利用して行われる。
【選択図】 図4
【解決手段】遊技領域には上作動口及び下作動口等が設けられている。これら入球部には、入球した遊技球を検知するために入賞検知センサ31a〜35bが設けられている。各入賞検知センサ31a〜35bは主制御装置60と電気的に接続されており、MPU62では入賞検知センサ31a〜35bから受信した電気信号に基づいて上記各入球部に遊技球が入球したか否かを判定する。MPU62は、同一の入賞検知センサ31a〜35bから受信している信号が遊技球の通過を検知していることに対応した状態となっていることを監視期間内に複数回確認した場合に異常処理を実行する。この場合に、各入賞検知センサ31a〜35bについての監視期間の計測は、同一のカウンタを利用して行われる。
【選択図】 図4
Description
本発明は、遊技機に関するものである。
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機は、遊技媒体を案内する案内通路に検知手段を備えており、当該検知手段が出力する信号に基づき制御装置において案内通路を遊技媒体が通過したか否かの判定が行われる。
例えば、パチンコ機においては入球部から続く案内通路に検知手段が設けられており、当該検知手段の検知結果に基づき、制御装置において入球部への遊技球の入球判定が行われる。そして、制御装置において遊技球の入球が発生したと判定された場合には、遊技者に遊技球の払い出し等の特典が付与される(例えば、特許文献1参照)。
ここで、遊技機においては、不正電波などを利用して、上記検知手段から出力される信号に対してノイズを与え、案内通路を遊技媒体が通過していないにも関わらず、制御装置に遊技媒体の通過を誤認識させる不正行為が想定される。このような不正行為が行われると、遊技ホールは多大な不利益を被ることとなってしまう。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技媒体の通過を誤認識させる不正行為を抑制することが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
以下、上記課題を解決するための手段について記載する。
請求項1記載の発明は、第1通過領域を通過する遊技媒体を検知する第1検知手段と、
第2通過領域を通過する遊技媒体を検知する第2検知手段と、
前記第1検知手段の検知結果が前記第1通過領域の遊技媒体の通過に対応した特定検知結果となったことを特定し、前記第2検知手段の検知結果が前記第2通過領域の遊技媒体の通過に対応した特定検知結果となったことを特定する特定手段と、
当該特定手段の特定結果に基づいて、前記遊技媒体の通過が発生したことに対応した所定処理を実行する所定処理実行手段と、
前記第1検知手段の検知結果が前記特定検知結果となる事象が監視期間内に発生したことに基づいて特別処理を実行し、前記第2検知手段の検知結果が前記特定検知結果となる事象が監視期間内に発生したことに基づいて特別処理を実行する特別処理実行手段と、
前記第1検知手段についての前記監視期間を計測する場合に利用され、前記第2検知手段についての前記監視期間を計測する場合に利用される共通手段と、
予め定められた取得条件が成立した場合に数値情報を取得する取得手段と、
当該取得手段が取得した数値情報に応じた処理であって遊技者に有利な特典を付与するための処理とは異なる処理を実行する対応処理実行手段と、
を備え、
前記共通手段は、予め定められた数値範囲内において数値情報の更新が定期的に実行され各更新周回の初期値が固定値である数値提供手段であって、前記取得条件が成立した場合に前記取得手段による数値情報の取得の対象となるものであって、前記監視期間の計測を繰り返し行うことを可能とするものであり、
前記共通手段により計測される前記監視期間は、前記第1検知手段において一の遊技媒体を検知し続ける期間及び前記第2検知手段において一の遊技媒体を検知し続ける期間の両方よりも長く、前記第1検知手段において一の遊技媒体の検知を開始してから次の遊技媒体の検知を開始するまでの最短期間及び前記第2検知手段において一の遊技媒体の検知を開始してから次の遊技媒体の検知を開始するまでの最短期間の両方よりも短い期間となるように設定されていることを特徴とする。
第2通過領域を通過する遊技媒体を検知する第2検知手段と、
前記第1検知手段の検知結果が前記第1通過領域の遊技媒体の通過に対応した特定検知結果となったことを特定し、前記第2検知手段の検知結果が前記第2通過領域の遊技媒体の通過に対応した特定検知結果となったことを特定する特定手段と、
当該特定手段の特定結果に基づいて、前記遊技媒体の通過が発生したことに対応した所定処理を実行する所定処理実行手段と、
前記第1検知手段の検知結果が前記特定検知結果となる事象が監視期間内に発生したことに基づいて特別処理を実行し、前記第2検知手段の検知結果が前記特定検知結果となる事象が監視期間内に発生したことに基づいて特別処理を実行する特別処理実行手段と、
前記第1検知手段についての前記監視期間を計測する場合に利用され、前記第2検知手段についての前記監視期間を計測する場合に利用される共通手段と、
予め定められた取得条件が成立した場合に数値情報を取得する取得手段と、
当該取得手段が取得した数値情報に応じた処理であって遊技者に有利な特典を付与するための処理とは異なる処理を実行する対応処理実行手段と、
を備え、
前記共通手段は、予め定められた数値範囲内において数値情報の更新が定期的に実行され各更新周回の初期値が固定値である数値提供手段であって、前記取得条件が成立した場合に前記取得手段による数値情報の取得の対象となるものであって、前記監視期間の計測を繰り返し行うことを可能とするものであり、
前記共通手段により計測される前記監視期間は、前記第1検知手段において一の遊技媒体を検知し続ける期間及び前記第2検知手段において一の遊技媒体を検知し続ける期間の両方よりも長く、前記第1検知手段において一の遊技媒体の検知を開始してから次の遊技媒体の検知を開始するまでの最短期間及び前記第2検知手段において一の遊技媒体の検知を開始してから次の遊技媒体の検知を開始するまでの最短期間の両方よりも短い期間となるように設定されていることを特徴とする。
本発明によれば遊技媒体の通過を誤認識させる不正行為を抑制することが可能となる。
<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)についての第1の実施形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図である。
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)についての第1の実施形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。遊技機本体12は、内枠(図示略)と、その内枠の前方に配置される前扉枠14と、内枠の後方に配置される裏パックユニット(図示略)とを備えている。
遊技機本体12のうち内枠が、左右両側部のうち一方を支持側として外枠11に回動可能に支持されている。また、内枠には、前扉枠14が回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として前方へ回動可能とされている。また、内枠には、裏パックユニットが回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置(図示略)が設けられており、遊技機本体12を外枠11に開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠に開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
内枠には遊技盤24が搭載されている。ここで、遊技盤24の構成を図2に基づいて説明する。図2(a)は遊技盤24の正面図であり、図2(b)は遊技盤24に設けられた可変入賞装置32を説明するための縦断面図である。
遊技盤24には、前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には、図2(a)に示すように、一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口(第1始動入球部)33,下作動口(第2始動入球部)34,スルーゲート35、可変表示ユニット36、特図表示部43及び普図表示部44等がそれぞれ設けられている。
各一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及び各スルーゲート35には1対1で対応させて検知センサ31a,31b,31c,32e,33a,34c,35a,35bが設けられている。これら検知センサ31a〜35bはいずれも遊技盤24の背面側に配設されており、検知結果は後述する主制御装置に出力される。なお、検知センサ31a〜35bとしては、磁界の変化を検知する電磁誘導型の近接センサが用いられているが、遊技球の入賞を個別に検知できるのであれば使用するセンサは任意である。
一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34への入球の発生が検知されると、所定数の賞球の払い出しが実行される。当該賞球個数について具体的には、上作動口33への入球が発生した場合及び下作動口34への入球が発生した場合には3個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の賞球の払い出しが実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しが実行される。但し、これら賞球の個数は任意であり、例えば上作動口33に係る賞球個数よりも下作動口34に係る賞球個数が多いといったように、両作動口33,34の賞球個数が相違していてもよい。また、可変入賞装置32に係る賞球個数が他の賞球個数に比べて多い構成に限定されることはなく、例えば一般入賞口31に係る賞球個数よりも少ない構成としてもよい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
可変入賞装置32は、図2(b)に示すように、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口32aを備えているとともに、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bを備えている。開閉扉32bは可変入賞装置32として一体的に設けられた可変入賞駆動部32cに連結されており(連結箇所については図示略)、当該可変入賞駆動部32cにより駆動されて、閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。具体的には、通常は遊技球が入賞できない閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した場合に遊技球が入賞可能な開放状態に切り換えられるようになっている。
また、可変入賞装置32には、大入賞口32aを介して可変入賞装置32に入賞した遊技球が必ず通過する位置に入賞用通過部32dが形成されており、さらに当該入賞用通過部32dの位置に検知部が存在するようにして大入賞口検知センサ32eが設けられている。当該大入賞口検知センサ32eによって可変入賞装置32に入賞した遊技球が個別に検知される。
上作動口33及び下作動口34は、図2(a)に示すように、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34は共に上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は鉛直方向に並んでいる。下作動口34には、左右一対の電動役物34aが設けられている。
電動役物34aは遊技盤24の背面側に搭載された電動役物駆動部34bに連結されており、当該電動役物駆動部34bにより駆動されて閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。電動役物34aの閉鎖状態では遊技球が下作動口34に入賞できず、電動役物34aが開放状態となることで下作動口34への入賞が可能となる。
なお、これに限定されず、下作動口34への遊技球の入賞が発生し易い状態と、入賞が不可ではないが上記入賞が発生し易い状態よりも入賞が発生しづらい状態とに、電動役物34aが切り換えられる構成としてもよい。また、電動役物34aを不具備とし、入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが、下作動口34自身の変位により行われる構成としてもよい。
上作動口33に入球した遊技球及び下作動口34に入球した遊技球の排出通路の構成について、図3を参照しながら説明する。図3は、上作動口33の排出通路及び下作動口34の排出通路が形成された範囲を拡大して示す遊技盤24の背面図である。
図3に示すように、上作動口33から続く排出通路58は、遊技盤24を前後方向に貫通するように形成された前後通路領域58aと、前後通路領域58aの最下流部から横方向に延びるように形成された横通路領域58bと、横通路領域58bの最下流部から下方に延びるように形成された縦通路領域58cと、を備えており、当該縦通路領域58cに検知センサ33aが設けられている。一方、下作動口34から続く排出通路59は、遊技盤24を前後方向に貫通するように形成された前後通路領域59aと、前後通路領域59aの最下流部から鉛直下方に延びるように形成された縦通路領域59bと、を備えており、当該縦通路領域59bに検知センサ34cが設けられている。
上記通路構成の場合、上作動口33に入球した遊技球は、前後通路領域58aを通過した後に、横通路領域58bの底面上を下り、さらに横通路領域58bの通路方向の延長先に存在する通路壁に衝突した後に縦通路領域58cを流下し、検知センサ33aの検知部(検知孔部)を通過するのに対して、下作動口34に入球した遊技球は、前後通路領域59aを通過した後に、縦通路領域59bを下り、検知センサ34cの検知部(検知孔部)を通過する。したがって、上作動口33に入球した遊技球の方が、下作動口34に入球した遊技球よりも、検知センサ33aにより検知されている検知期間が長くなる。また、連続して複数の遊技球が通過する場合において、一の遊技球が検知されてから次の遊技球が検知されるまでの最短間隔も、上作動口33の方が下作動口34よりも長くなる。
なお、可変入賞装置32の通路構成は上記のとおり、上作動口33の排出通路58及び下作動口34の排出通路59とは異なっているため、上記1個の遊技球の検知期間、及び連続して複数の遊技球が通過する場合における最短間隔は、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34のそれぞれで相違する。これは、一般入賞口31やスルーゲート35についても同様である。
図2(a)の説明に戻り、特図表示部43では、上作動口33又は下作動口34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。つまり、本パチンコ機10では、上作動口33への入賞と下作動口34への入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域である特図表示部43にて明示される。そして、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、特図表示部43にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
なお、特図表示部43は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、特図表示部43にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
普図表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、普図表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット36には、絵柄の一種である図柄を変動表示する図柄表示装置41が設けられているとともに、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置41では、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて図柄の変動表示が開始される。すなわち、特図表示部43において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。
当該変動表示の内容について詳細には、図柄表示装置41の表示面には、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列が設定されている。各図柄列は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列には、「1」〜「9」のいずれかの数字が付された9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列には、「1」〜「9」のいずれかの数字が付された9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列と下図柄列は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。表示面は、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示面には、5つの有効ラインが設定されている。
上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて表示面において遊技回用の演出が行われる場合には、各図柄列の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示が開始される。そして、上図柄列→下図柄列→中図柄列の順に変動表示から待機表示に切り換えられ、最終的に各図柄列にて所定の図柄を静止表示した状態で遊技回用の演出が終了される。
また、遊技回用の演出が終了する場合、後述する最有利大当たり結果の発生に対応した遊技回であれば、いずれかの有効ラインに同一の奇数の数字が付された図柄の組み合わせが形成され、後述する低確大当たり結果の発生に対応した遊技回であれば、いずれかの有効ラインに同一の偶数の数字が付された図柄の組み合わせが形成される。また、後述する低入賞高確大当たり結果の発生に対応した遊技回であれば、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせではないが所定の図柄の組み合わせ(例えば「3・4・1」)が形成される。
なお、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、特図表示部43及び図柄表示装置41にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
また、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置41にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
センターフレーム42の前面側における左上部分には、図2(a)に示すように、特図表示部43及び図柄表示装置41に対応した第1保留ランプ部45が設けられている。遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
センターフレーム42の右上部分には、普図表示部44に対応した第2保留ランプ部46が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第2保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留ランプ部45,46の機能が図柄表示装置41の一部の領域における表示により果たされる構成としてもよい。
遊技盤24には、内レール部48と外レール部49とが取り付けられており、これら内レール部48と外レール部49とにより誘導レールが構成され、内枠において遊技盤24の下方に搭載された遊技球発射機構(図示略)から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構は、前扉枠14に設けられた発射ハンドル51が操作されることにより遊技球の発射動作を行う。
内枠の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部52が形成されている。窓部52は、略楕円形状をなし、窓パネル53が嵌め込まれている。窓パネル53は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよい。ちなみに、図柄表示装置41の表示面及び特図表示部43などは、パチンコ機10前方から窓パネル53を介して視認可能となっている。
窓部52の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部54が窓部52の上方に設けられている。また、表示ランプ部54の左右両側には、遊技状況に応じた効果音などが出力されるスピーカ部55が設けられている。
前扉枠14における窓部52の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部56と下側膨出部57とが上下に並設されている。上側膨出部56内側には上方に開口した上皿56aが設けられており、下側膨出部57内側には同じく上方に開口した下皿57aが設けられている。上皿56aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿57aは、上皿56a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿56a及び下皿57aには、裏パックユニットに搭載された払出装置から払い出された遊技球が排出される。
内枠の背面側には、主制御装置と、音声発光制御装置と、表示制御装置とが搭載されている。また、内枠の背面には既に説明したとおり裏パックユニットが設けられており、当該裏パックユニットには、払出装置を含む払出機構部と、払出制御装置と、電源及び発射制御装置とが搭載されている。以下、パチンコ機10の電気的な構成について説明する。
<パチンコ機10の電気的構成>
図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61と、電源を監視する停電監視基板65と、を具備している。なお、主制御装置60において主制御基板61などを収容する基板ボックスに、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックスを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックスを構成する複数のケース体間の境界に接着剤を塗布する構成が考えられる。
主制御基板61には、MPU62が搭載されている。MPU62には、ROM63及びRWM64が内蔵されている。
ROM63は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該ROM63は、MPU62により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。
RWM64は、SRAMやDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合にROM63よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。当該RWM64は、ROM63内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。
また、MPU62又は主制御基板61には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが設けられている。なお、MPU62にROM63及びRWM64が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU62には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU62の入力側には、主制御装置60に設けられた停電監視基板65及び払出制御装置70が接続されている。停電監視基板65には動作電力を供給する機能を有する電源及び発射制御装置80が接続されており、MPU62には停電監視基板65を介して電力が供給される。
また、MPU62の入力側には、各種入賞検知センサ31a〜35bといった各種センサが接続されている。各種入賞検知センサ31a〜35bには、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35といった入賞対応入球部に1対1で対応させて設けられた検知センサが含まれており、MPU62において各入球部への入賞判定が行われる。また、MPU62では上作動口33への入賞に基づいて各種抽選が実行されるとともに、下作動口34への入賞に基づいて各種抽選が実行される。
MPU62の出力側には、停電監視基板65、払出制御装置70及び音声発光制御装置90が接続されている。払出制御装置70には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。音声発光制御装置90には、変動用コマンド、種別コマンド及びオープニングコマンドなどの各種コマンドが出力される。
また、MPU62の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32c、下作動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34b、特図表示部43及び普図表示部44が接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU62は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては可変入賞装置32の大入賞口32aが開閉されるように、MPU62において可変入賞駆動部32cの駆動制御が実行される。また、電動役物34aのサポート当選となった場合には、電動役物34aが開閉されるように、MPU62において電動役物駆動部34bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU62において特図表示部43の表示制御が実行される。また、電動役物34aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU62において普図表示部44の表示制御が実行される。
停電監視基板65は、主制御基板61と電源及び発射制御装置80とを中継し、また電源及び発射制御装置80から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置70は、主制御装置60から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置71により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置80は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板61や払出制御装置70等に各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。ちなみに、電源及び発射制御装置80にはバックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部が設けられており、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合であっても当該電断時用電源部から主制御装置60のRWM64に記憶保持用の電力が供給される。また、電源及び発射制御装置80は遊技球発射機構81の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構81は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信したコマンドに基づき、各種ランプ部45,46,54やスピーカ部55を駆動制御するとともに、表示制御装置100にコマンドを送信する。表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行って、図柄表示装置41の表示面における画像の表示を制御する。
<MPU62にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、MPU62にて各種抽選を行うための電気的な構成について、図5を用いて説明する。
次に、MPU62にて各種抽選を行うための電気的な構成について、図5を用いて説明する。
MPU62は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、特図表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、普図表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図5に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、特図表示部43及び図柄表示装置41における表示継続時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、RWM64の抽選用カウンタエリア64bに設けられている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新される。大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留格納エリア64aに格納される。
保留格納エリア64aは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、上作動口33又は下作動口34への入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、上作動口33又は下作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
実行エリアAEは、特図表示部43の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングで保留格納エリア64aに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM63における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリアに当否テーブルとして記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブルと、高確率モード用の当否テーブルとが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングで保留格納エリア64aに格納される。
本パチンコ機10では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードのいずれであっても、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行される。
ここで、ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、及び予め定められた上限個数の遊技球が大入賞口32aに入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。また、大当たり結果が契機となった開閉実行モードにおけるラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり結果の種類がいずれであっても固定ラウンド回数で同一となっている。具体的には、いずれの大当たり結果となった場合であっても、ラウンド遊技の上限回数は15ラウンドに設定されている。
また、本パチンコ機10では、可変入賞装置32の1回の開放態様が、大入賞口32aが開放されてから閉鎖されるまでの開放継続時間を相違させて、複数種類設定されている。詳細には、開放継続時間が長時間である29secに設定された長時間態様と、開放継続時間が上記長時間よりも短い短時間である0.06secに設定された短時間態様と、が設定されている。
本パチンコ機10では、発射ハンドル51が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構80が駆動制御される。また、ラウンド遊技は終了条件の上限個数が9個に設定されている。そうすると、上記開放態様のうち長時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技との積よりも長い時間の開放継続時間が設定されていることとなる。一方、短時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技との積よりも短い時間、より詳細には、遊技球の発射周期よりも短い時間の開放継続時間が設定されている。したがって、長時間態様で可変入賞装置32の1回の開放が行われた場合には、大入賞口32aに、1回のラウンド遊技における上限個数分の入賞が発生することが期待され、短時間態様で可変入賞装置32の1回の開放が行われた場合には、大入賞口32aへの入賞が発生しないこと又は入賞が発生するとしても1個程度となることが期待される。
高頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において長時間態様による大入賞口32aの開放が1回行われる。一方、低頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において短時間態様による大入賞口32aの開放が1回行われる。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口32aの開閉回数、ラウンド遊技の回数、1回の開放に対する開放継続時間及び1回のラウンド遊技における上限個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。
下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモードとしては、遊技領域に同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間として短い時間が選択されるように設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口34よりも上作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口33よりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート35への入賞に基づき普図表示部44にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、普図表示部44における1回の変動表示時間を短くする)、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM63における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリアに振分テーブルとして記憶されている。そして、かかる振分先として、低確大当たり結果と、低入賞高確大当たり結果と、最有利大当たり結果とが設定されている。
低確大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
低入賞高確大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
最有利大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、開閉実行モードではなく、さらに当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。また、遊技結果として、低入賞高確大当たり結果が設定されていない構成としてもよい。
振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が低確大当たり結果に対応しており、「10〜14」が低入賞高確大当たり結果に対応しており、「15〜29」が最有利大当たり結果に対応している。
なお、高確大当たり結果の一種として、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードがそれまでのモードに維持されることとなる非明示の低入賞高確大当たり結果(非明示高確率対応遊技結果又は潜伏確変状態となる結果)が含まれていてもよい。この場合、大当たり結果のさらなる多様化が図られる。
さらにまた、当否抽選における外れ結果の一種として、低頻度入賞モードの開閉実行モードに移行するとともに、その終了後において当否抽選モード及びサポートモードの移行が発生しない特別外れ結果が含まれていてもよい。上記のような非明示の低入賞高確大当たり結果と当該特別外れ結果との両方が設定されている構成においては、開閉実行モードが低頻度入賞モードに移行すること、及びサポートモードがそれまでのモードに維持されることで共通しているのに対して、当否抽選モードの移行態様が異なっていることにより、例えば通常遊技状態において非明示の低入賞高確大当たり結果又は特別外れ結果の一方が発生した場合に、それが実際にいずれの結果に対応しているのかを遊技者に予測させることが可能となる。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングで保留格納エリア64aに格納される。
ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置41における表示演出の一種としてリーチ表示が設定されている。リーチ表示とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
リーチ表示には、図柄表示装置41の表示面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画像において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
リーチ表示は、高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに移行する遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、開閉実行モードに移行しない遊技回では、ROM63のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して、所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。つまり、リーチ乱数カウンタC3の数値情報は、リーチ表示を実行するか否かを決定するために利用される。但し、リーチ表示の種類の決定に際しては、リーチ乱数カウンタC3の数値情報は利用されない。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図表示部43における変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間とをMPU62において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述するメイン処理及びタイマ割込み処理のそれぞれにて更新され、特図表示部43における変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSの値が取得される。なお、変動表示時間の決定に際しては、ROM63の変動表示時間テーブル記憶エリアに予め記憶されている変動表示時間テーブルが参照される。
ここで、上記リーチ乱数カウンタC3から取得した数値情報に基づきリーチ表示を発生させることが決定された場合や、高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに移行する遊技回であることに起因してリーチ表示を発生させることが決定された場合には、変動種別カウンタCSから取得した数値情報を利用してリーチ表示の種類が決定される。各リーチ表示は、リーチ表示において出現するキャラクタの種類や、リーチ表示が実行される期間などが相違している。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRWM64に設けられた電役保留エリア64cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
<MPU62にて実行される各種処理について>
次に、MPU62にて遊技を進行させるために実行される各処理を説明する。かかるMPU62の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では4msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
次に、MPU62にて遊技を進行させるために実行される各処理を説明する。かかるMPU62の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では4msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
<メイン処理>
先ず、図6のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。
先ず、図6のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。
先ずステップS101では、電源投入ウェイト処理を実行する。当該電源投入ウェイト処理では、例えばメイン処理が起動されてから1secが経過するまで次の処理に進行することなく待機する。続くステップS102ではRWM64のアクセスを許可するとともに、ステップS103にてMPU62の内部機能レジスタの設定を行う。
その後、ステップS104では、電源及び発射制御装置80に設けられたRWM消去スイッチが手動操作されているか否かを判定し、続くステップS105では、RWM64の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。また、ステップS106ではチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し、続くステップS107ではそのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
本パチンコ機10では、例えば遊技ホールの営業開始時など、電源投入時にRWMデータを初期化する場合にはRWM消去スイッチを押しながら電源が投入される。したがって、RWM消去スイッチが押されていれば、ステップS108の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS108の処理に移行する。ステップS108では、RWM64の初期化として当該RWM64をクリアする。その後、ステップS109に進む。
一方、RWM消去スイッチが押されていない場合には、停電フラグに「1」がセットされていること、及びチェックサムが正常であることを条件に、ステップS108の処理を実行することなくステップS109に進む。ステップS109では、電源投入設定処理を実行する。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といったRWM64の所定のエリアを初期値に設定するとともに、現状の遊技状態を認識させるために現状の遊技状態に対応したコマンドを音声発光制御装置90に送信する。また、タイマ割込み処理の発生を許可するために割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS110〜ステップS113の残余処理に進む。つまり、MPU62はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS110〜ステップS113の残余処理を繰り返し実行する。この点、ステップS110〜ステップS113の残余処理は、非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、先ずステップS110にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS111では、乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS112にて変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。これらの更新処理では、RWM64の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS113にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS113の処理を実行したら、ステップS110に戻り、ステップS110〜ステップS113の処理を繰り返す。
ここで、上記のように残余処理では、割込み禁止の処理及び割込み許可の処理に挟まれるようにして乱数初期値更新処理及び変動用カウンタ更新処理が設定されているのみであるため、タイマ割込み処理が開始されるタイミングは常にステップS110の直前となる。そうすると、タイマ割込み処理が終了した後は常にステップS110から開始すればよいこととなり、タイマ割込み処理後の戻りアドレスが一義的なものとなる。よって、タイマ割込み処理の開始に際して現状の戻りアドレスを記憶する必要はなく、タイマ割込み処理の開始に際しての処理負荷が軽減される。
また、MPU62において所定のデータの演算を行っている途中でタイマ割込み処理が発生することもないため、タイマ割込み処理の開始に際してMPU62のレジスタにその時点で格納されているデータのRWM64への退避処理を実行する必要がなく、同様にタイマ割込み処理の終了に際してMPU62のレジスタへのデータの復帰処理を実行する必要がない。よって、タイマ割込み処理の開始に際しての処理負荷が軽減されるとともに、タイマ割込み処理の終了に際しての処理負荷も軽減される。
また、乱数初期値カウンタCINIの更新途中や変動種別カウンタCSの更新途中でタイマ割込み処理が開始されることがないため、これらの更新途中であるにも関わらず、タイマ割込み処理にてこれらカウンタの数値情報が取得されたり、さらなる更新処理が実行されてしまうことを防止できる。
<タイマ割込み処理>
次に、図7のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。
次に、図7のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。
ここで、MPU62にてタイマ割込み処理を定期的に実行するためのハード構成について説明する。主制御基板61には所定周期でパルス信号を出力するパルス信号出力手段としてクロック回路が設けられており、さらに当該クロック回路とMPU62との間の信号経路の途中位置に存在するように分周回路が設けられている。
分周回路は、クロック回路からのパルス信号の周期を変更する周波数変更手段として機能し、タイマ割込み処理の起動タイミングをMPU62にて特定するためのパルス信号を出力するように構成されている。つまり、分周回路からMPU62に対して特定周期である4msec周期の間隔でパルス信号が供給されるようになっている。MPU62では、かかるパルス信号の立ち上がり又は立下りといった特定の信号形態の発生を確認する処理を実行し、特定の信号形態の発生を確認したことを少なくとも一の条件としてタイマ割込み処理を起動して実行する。
この場合、タイマ割込み処理の起動が禁止されている状況において上記特定の信号形態の発生を確認した場合には、その割込みが禁止されている状態から割込みが許可された状態となった場合にタイマ割込み処理が起動される。つまり、MPU62における処理の実行状況によっては前回のタイマ割込み処理が開始されてから4.1msec経過後に次のタイマ割込み処理が開始される場合が生じ、このような事象が発生した場合には次のタイマ割込み処理は直前のタイマ割込み処理が開始されてから3.9msec経過後に開始されることとなる。
但し、上記分周回路からのパルス信号の出力はMPU62における処理の経過内容に関係なく4msecといった特定周期で行われるため、基本的にはタイマ割込み処理は特定周期で起動される。さらにまた、MPU62の処理構成は、所定のタイミングにおけるタイマ割込み処理が前回のタイマ割込み処理が起動されてから特定周期を超える期間が経過した後に起動されたとしても、当該所定のタイミングの次のタイミングにおけるタイマ割込み処理にてその特定周期を超えた分が吸収されて、さらに次のタイミングにおけるタイマ割込み処理ではパルス信号の入力を確認したタイミングで起動されるように設定されている。
さて、タイマ割込み処理では、まずステップS201にて、数値更新処理を実行する。当該数値更新処理では、各種入賞検知センサ31a〜35bに対する不正行為の発生を特定するために利用される数値情報の更新を行う。当該処理の内容については、後に詳細に説明する。
続くステップS202では、停電情報記憶処理を実行する。停電情報記憶処理では、停電監視基板65から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には停電時処理を実行する。
続くステップS203では抽選用乱数更新処理を実行する。抽選用乱数更新処理では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。
その後、ステップS204ではステップS111と同様に乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS205にてステップS112と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する。続くステップS206では、遊技停止判定処理を実行する。遊技停止判定処理では、遊技の進行を停止すべき状況であるか否かを監視し、遊技の進行を停止すべき状況であれば遊技を進行させるための処理の実行を停止する。
その後、ステップS207では遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定し、遊技の進行を停止していない状態であることを条件に、ステップS208移行の処理を実行する。
ステップS208では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部32c,34bに行うための処理を実行する。例えば、大入賞口32aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には可変入賞駆動部32cへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、下作動口34の電動役物34aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には電動役物駆動部34bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
続くステップS209では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
続くステップS210では、各入賞検知センサ31a〜35bから受信している信号を読み込むとともに、その読み込んだ情報に対応した処理を行うための入賞検知処理を実行する。当該入賞検知処理の処理内容は、後に詳細に説明する。また、ステップS211では、RWM64に設けられている所定のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。
続くステップS212では、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行するとともに、ステップS213では、遊技球の発射制御を実行する発射制御処理を実行する。また、ステップS214では、入力状態監視処理として、ステップS209の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、各入賞検知センサ31a〜35bの断線確認や、遊技機本体12や前扉枠14の開放確認を行う。
続くステップS215では、遊技回の実行制御及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行する。当該特図特電制御処理では、保留格納エリア64aに記憶されている保留情報の数が上限数未満である状況で上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合に、その時点における大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を保留情報として、保留格納エリア64aに時系列的に格納していく処理を実行する。また、特図特電制御処理では、遊技回中及び開閉実行モード中ではなく且つ保留情報が記憶されていることを条件に、その保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定する当否判定処理、及び大当たり当選に対応している場合にはその保留情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを判定する振分判定処理を実行する。また、特図特電制御処理では、当否判定処理及び振分判定処理だけでなく、その保留情報が大当たり当選に対応していない場合には、その保留情報がリーチ発生に対応しているか否かを判定するリーチ判定処理を実行するとともに、その時点における変動種別カウンタCSの数値情報を利用して遊技回の継続時間を選択する継続時間の選択処理を実行する。そして、それら各処理の結果に応じた継続時間の情報を含む変動用コマンドと、遊技結果の情報を含む種別コマンドとを、音声発光制御装置90に送信するとともに、特図表示部43における絵柄の変動表示を開始させる。これにより、1遊技回が開始された状態となり、特図表示部43及び図柄表示装置41にて遊技回用の演出が開始される。
なお、大当たり当選である場合、及び大当たり非当選であってリーチ判定処理の処理結果がリーチ発生に対応した結果である場合には、変動種別カウンタCSの数値情報を利用して、遊技回の継続時間としてリーチ表示の発生に対応した継続時間が決定されることにより、音声発光制御装置90側では変動用コマンドからリーチ表示の種類を特定することが可能となる。
また、特図特電制御処理では、1遊技回の実行中にはその遊技回の終了タイミングであるか否かを判定し、終了タイミングである場合には遊技結果に対応した表示を行った状態で、その遊技回を終了させる処理を実行する。この場合、遊技回を終了させるべきことを示す最終停止コマンドを音声発光制御装置90に送信する。また、特図特電制御処理では、遊技回の結果が開閉実行モードへの移行に対応した結果である場合には、当該開閉実行モードを開始させるための処理を実行する。この開始に際しては、開閉実行モードが開始されることを示すオープニングコマンドを音声発光制御装置90に送信する。また、特図特電制御処理では、各ラウンド遊技を開始させるための処理及び各ラウンド遊技を終了させるための処理を実行する。これら各処理に際して、ラウンド遊技が開始されることを示す開放コマンドを音声発光制御装置90に送信するとともに、ラウンド遊技が終了されることを示す閉鎖コマンドを音声発光制御装置90に送信する。また、特図特電制御処理では、開閉実行モードを終了させる場合にそのことを示すエンディングコマンドを音声発光制御装置90に送信するとともに、開閉実行モード後の当否抽選モードやサポートモードを設定するための処理を実行する。
タイマ割込み処理においてステップS215の特図特電制御処理を実行した後は、ステップS216にて普図普電制御処理を実行する。普図普電制御処理では、スルーゲート35への入賞が発生している場合に電動役物開放カウンタC4の数値情報を取得するための処理を実行するとともに、当該数値情報が記憶されている場合にその数値情報について開放判定を行い、さらにその開放判定を契機として普図用の演出を行うための処理を実行する。また、開放判定の結果に基づいて、下作動口34の電動役物34aを開閉させる処理を実行する。
続くステップS217では、直前のステップS215及びステップS216の処理結果に基づいて、特図表示部43の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、普図表示部44の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
続くステップS218では、遊技回及び開閉実行モードの両方が実行されていない状況において図柄表示装置41の表示内容を待機表示用のものとするためのデモ表示用処理を実行するとともに、ステップS219では、払出制御装置70から受信したコマンド及び信号の内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する。また、ステップS220では、賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する。
続くステップS221では、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するように外部情報設定処理を実行する。また、ステップS222では、試射試験情報を編集するための処理を実行する。
ステップS207にて肯定判定をした場合、又はステップS208〜ステップS222の処理を実行した後は、ステップS223に進む。ステップS223では、割込み終了宣言の設定を実行する。MPU62では、一度タイマ割込み処理が起動された場合、次のタイマ割込み処理が起動されるための条件の1つとして割込み終了宣言の設定を行うことが定められており、ステップS223では、次のタイマ割込み処理の実行を可能とするために割込み終了宣言の設定を行う。また、ステップS224では、割込み許可の設定を行う。MPU62では、タイマ割込み処理が一旦起動されると、割込み禁止の状態に設定されるため、ステップS224では、次のタイマ割込み処理の実行を可能とするために割込み許可の設定を行う。その後、本タイマ割込み処理を終了する。
<入賞検知処理>
次に、タイマ割込み処理(図7)のステップS210にて実行される入賞検知処理について説明する。
次に、タイマ割込み処理(図7)のステップS210にて実行される入賞検知処理について説明する。
入賞検知処理では、入賞検知センサ31a〜35bにおける検知結果を確認する処理を実行するが、当該確認に際してはMPU62の入力ポートが確認される。ここで、入賞検知処理の説明に先立ち、図8を参照しながら、MPU62に設けられた入力ポート62aの電気的な構成について説明する。
入力ポート62aは、8種類の信号を同時に扱うことができるように8ビットのパラレルインターフェースとして構成されている。そして、各信号の電圧に応じて「0」又は「1」の情報が格納されるエリアが、各端子に1対1で対応させて設けられている。つまり、当該エリアとして、第0ビットD0〜第7ビットD7を備えている。
また、入力ポート62aには8種類を超える信号が入力されることとなるが、同時に入力される対象を8種類に制限するために、入力ポート62aへの入力対象となる信号群はドライバICによる切換制御を通じて切り換えられる。入賞検知処理では、入力ポート62aへの入力対象となる信号群が各入賞検知センサ31a〜35bに設定される。
かかる設定がなされた状況では、第0ビットD0は大入賞口検知センサ32eからの入賞信号に対応した情報が格納され、第1ビットD1は上作動口検知センサ33aからの入賞信号に対応した情報が格納され、第2ビットD2は下作動口検知センサ34cからの入賞信号に対応した情報が格納され、第3ビットD3は第1入賞口検知センサ31aからの入賞信号に対応した情報が格納され、第4ビットD4は第2入賞口検知センサ31bからの入賞信号に対応した情報が格納され、第5ビットD5は第3入賞口検知センサ31cからの入賞信号に対応した情報が格納され、第6ビットD6は第1ゲート検知センサ35aからの入賞信号に対応した情報が格納され、第7ビットD7は第2ゲート検知センサ35bからの入賞信号に対応した情報が格納される。
この場合に、上記各入賞検知センサ31a〜35bは、遊技球の通過を検知していない場合には入賞信号として非検知中であることを示すHIレベル信号を出力し、遊技球の通過を検知している場合には入賞信号として検知中であることを示すLOWレベル信号を出力する。但し、主制御基板61には反転回路が設けられており、入力ポート62aに上記各検知信号が入力される前に信号の状態が反転される。そして、入力ポート62aでは当該反転回路を通じてLOWレベル信号を受信している場合に該当するビットに「0」の情報(データ0又は無し情報)を格納し、反転回路を通じてHIレベル信号を受信している場合に該当するビットに「1」の情報(データ1又は有り情報)を格納する。
つまり、入賞検知センサ31a〜35bにおいて遊技球の通過が検知されていない状況では該当するビットに非検知中を示す情報に対応した「0」の情報が格納され、遊技球の通過が検知されている状況では該当するビットに検知中を示す情報に対応した「1」の情報が格納される。
なお、各入賞検知センサ31a〜35bは、遊技球の通過を検知していない間は入賞信号としてLOWレベル信号を出力するとともに遊技球の通過を検知している間は入賞信号としてHIレベル信号を出力する構成としてもよい。この場合、上記反転回路を不具備とすればよい。
さて、入賞検知処理では、図9(a)のフローチャートに示すように、まずステップS301にて、上記第0〜第7ビットD0〜D7に現状格納されている情報を、MPU62のレジスタにおける第1入賞判定エリアWA1に移行させる処理を実行する。当該第1入賞判定エリアWA1は、図9(b−1)に示すように8ビットから構成されており、上記第0〜第7ビットD0〜D7に格納されている情報の全てを格納することが可能なデータ容量となっている。この場合、第0〜第7ビットD0〜D7における格納元のビットと、第1入賞判定エリアWA1における格納先のビットとは1対1で対応させて予め定められており、例えば第0ビットD0の情報は常に第1入賞判定エリアWA1における所定のビットに格納される。
続くステップS302では、入賞検知用のウェイト処理を実行する。当該ウェイト処理では、予め定められたウェイト時間が経過するまでMPU62において何ら処理を実行することなく待機する。本パチンコ機10では、当該ウェイト時間として10μsecが設定されているが、定期的なタイマ割込み処理の実行を阻害することなく、さらに当該ウェイト処理に設定したことによる後述する作用効果を十分に奏することができるのであれば、具体的なウェイト時間は任意であるが、2μsec〜500μsecの範囲であることが好ましく、より好ましくは10μsec〜100μsecの範囲である。
ちなみに、既に説明したとおり、一のステップの処理を実行するには少なくとも1.2μsecを要する。したがって、ステップS302の処理が設定されていなくても、ステップS301とステップS303との間には1.2μsecの強制的なウェイト時間が発生することとなる。この点、ステップS302では、処理を実行する上で最低限要する時間だけでなく、それに対して追加のウェイト時間をステップS301の処理とステップS303の処理との間に設定していることとなる。
続くステップS303では、上記第0〜第7ビットD0〜D7に現状格納されている情報を、MPU62のレジスタにおける第2入賞判定エリアWA2に移行させる処理を実行する。ちなみに、入力ポート62aにおける情報の更新はステップS301が完了してからステップS303が開始されるまでの時間よりも短い間隔で行われているため、ステップS303にて第0〜第7ビットD0〜D7から移行される情報は、ステップS301の場合と異なるものとなり得る。
第2入賞判定エリアWA2は、第1入賞判定エリアWA1と同様に、図9(b−2)に示すように8ビットから構成されており、上記第0〜第7ビットD0〜D7に格納されている情報の全てを格納することが可能なデータ容量となっている。この場合、第0〜第7ビットD0〜D7における格納元のビットと、第2入賞判定エリアWA2における格納先のビットとは1対1で対応させて予め定められており、さらに格納元のビットと格納先のビットとの関係は、第1入賞判定エリアWA1の場合と同一となっている。
その後、ステップS304にて、入賞判定処理を実行した後に、本入賞検知処理を終了する。当該入賞判定処理について、図10のフローチャートを参照しながら説明する。
入賞判定処理では、先ずステップS401にて、RWM64に設けられた入賞判定カウンタに8をセットする。続くステップS402では、第1入賞判定エリアWA1及び第2入賞判定エリアWA2における現状の入賞判定カウンタの数値情報に対応したビットの各情報を把握する。この場合に把握される各情報は、入力ポート62aにおける同一のビットから読み出された情報である。
続くステップS403では、ステップS402にて把握した各情報のAND処理を実行し、そのAND処理結果をレジスタに記憶するとともに、ステップS404にて、第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4のうち、前回のタイマ割込み処理の処理回における入賞検知処理にてAND処理の結果の情報が格納された側とは異なる側の対応するビットに上記AND処理結果を格納する。第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4は、図9(b−3)及び図9(b−4)に示すように8ビットから構成されており、第1入賞判定エリアWA1の各ビットと第2入賞判定エリアWA2の各ビットとのAND処理結果の各情報を全て格納することが可能なデータ容量となっている。この場合、AND処理の対象となった第1入賞判定エリアWA1及び第2入賞判定エリアWA2のビットの順番と、第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4における各ビットの順番とは一義的に定められている。
その後、ステップS405にて、第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4のうち、前回のタイマ割込み処理の処理回における入賞判定処理にてAND処理の結果の情報が格納された側であって、現状の入賞判定カウンタの数値情報に対応したビットの情報を読み出す。そして、ステップS406にて、その読み出した情報を「0」と「1」との間で反転させるための反転処理を実行する。
その後、ステップS407にて、ステップS403におけるAND処理結果の情報と、ステップS406における反転処理結果の情報とのAND処理を実行し、続くステップS408にて、そのAND処理の結果が入賞検知開始情報に対応した「1」であるか否かを判定する。
ステップS408にて、AND処理結果が「1」であると判定した場合には、ステップS409にて、間隔判定処理を実行し、その判定結果が間隔異常に対応した結果ではないことを条件として、ステップS411以降の処理に進む。なお、間隔判定処理の処理内容は、後に詳細に説明する。
ステップS411では、現状の入賞判定カウンタの数値情報が上作動口33及び下作動口34のいずれかに対応したビットを示す情報であるか否かを判定する。上作動口33及び下作動口34のいずれかに対応している場合には、ステップS412にて、RWM64に設けられた作動入賞フラグに「1」をセットし、ステップS413にて、RWM64に設けられた3個賞球カウンタの数値情報を1加算する。
作動入賞フラグは、上作動口33又は下作動口34への入賞に対応した処理であって賞球の実行以外の処理を実行すべき状態であることをMPU62にて特定するためのフラグである。ちなみに、上作動口33と下作動口34とのそれぞれに入賞検知センサ33a,34cが設けられているため、上作動口33への入賞と下作動口34への入賞とがタイマ割込み処理の1処理回の範囲内で同時に把握されることがある。したがって、これに対応すべく、作動入賞フラグは、作動口33,34の数に対応させて設けられており、具体的には2個設けられている。また、3個賞球カウンタは、3個の賞球の実行を指示する3個賞球コマンドを出力すべき回数をMPU62において特定するためのカウンタである。
ステップS411にて否定判定をした場合には、ステップS414にて、現状の入賞判定カウンタの数値情報が可変入賞装置32に対応したビットを示す情報であるか否かを判定する。可変入賞装置32に対応している場合には、ステップS415にて、RWM64に設けられた大入賞フラグに「1」をセットし、ステップS416にて、RWM64に設けられた15個賞球カウンタの数値情報を1加算する。
大入賞フラグは、可変入賞装置32への入賞に対応した処理であって賞球の実行以外の処理を実行すべき状態であることをMPU62にて特定するためのフラグである。また、15個賞球カウンタは、15個の賞球の実行を指示する15個賞球コマンドを出力すべき回数をMPU62にて特定するためのカウンタである。
ステップS414にて否定判定をした場合には、ステップS417にて、現状の入賞判定カウンタの数値情報がスルーゲート35に対応したビットを示す情報であるか否かを判定する。スルーゲート35に対応している場合には、ステップS418にて、RWM64に設けられたスルーフラグに「1」をセットする。ステップS417にて、否定判定をした場合には、今回の入賞が一般入賞口31に対応していることを意味するため、ステップS419にて、RWM64に設けられた10個賞球カウンタの数値情報を1加算する。
スルーフラグは、スルーゲート35への入賞に対応した処理を実行すべき状態であることをMPU62にて特定するためのフラグである。また、10個賞球カウンタは、10個の賞球の実行を指示する10個賞球コマンドを出力すべき回数をMPU62にて特定するためのカウンタである。
ステップS408にて否定判定をした場合、又はステップS413,ステップS416,ステップS418,ステップS419のいずれかの処理を実行した後は、ステップS420に進む。ステップS420では、入賞判定カウンタを1減算し、その後、ステップS421にて入賞判定カウンタが「0」であるか否かを判定する。
「0」でない場合には、ステップS420にて更新した入賞判定カウンタの数値情報に応じたビットについて、ステップS402〜ステップS419の処理を実行する。かかるステップS402〜ステップS419の処理を、ステップS401にてセットした数値情報分実行した場合には、ステップS421にて肯定判定をすることとなり、本入賞判定処理を終了する。
次に、上記入賞検知処理(図10)が実行されることにより、遊技領域の一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35への入賞の有無が検知される様子について図11を参照しながら説明する。
まず、図11(A)を参照しながら、入賞検知センサ31a〜35bにおける検知結果(以下、入賞情報ともいう)を監視するタイミングを説明する。図11(A)は各入賞情報を監視するタイミングを説明するためのタイミングチャートである。
図11(A)に示すように、T1(具体的には4msec)周期でタイマ割込み処理(図7)が起動される構成において、入賞情報を監視する処理はタイマ割込み処理の各処理回で2回(ステップS301,ステップS303)行われる。各1組の入賞情報を監視する処理はタイミングが前後するように実行されるが、先側の入賞情報を監視する処理(ステップS301)はタイマ割込み処理が起動されたタイミングに対してT2の時間が経過したタイミングで実行される。
この場合に、タイマ割込み処理において入賞検知処理が実行されるタイミングは不正検知処理、発射制御処理、特図特電制御処理及び普図普電制御処理といった処理時間が変動し易い処理よりも先に実行され、さらにタイマ割込み処理において入賞検知処理よりも先に実行される処理は処理時間が比較的変動しにくい処理となっている。したがって、各処理回のタイマ割込み処理において先側の入賞情報を監視する処理が開始されるまでの期間はT2で同一、略同一又は同様となる。よって、タイマ割込み処理の各処理回に含まれる1組の入賞情報を監視する処理のうち、先側の入賞情報を監視する処理は定期的に実行されることとなる。
また、各1組の入賞情報を監視する処理のうち、先側の入賞情報を監視する処理(ステップS301)と後側の入賞情報を監視する処理(ステップS303)との間では、入賞検知用のウェイト処理(ステップS302)が実行されるが、かかるウェイト処理では何ら処理を実行することなく一定のウェイト時間T3が経過するまで待機するだけである。したがって、タイマ割込み処理の各処理回に含まれる1組の入賞情報を監視する処理のうち、後側の入賞情報を監視する処理は定期的に実行されることとなる。
次に、図11(B)を参照しながら、入賞判定が行われる場合に実行される演算の内容を説明する。図11(B)は入賞判定が行われる場合に実行される演算の内容を説明するための説明図である。なお、実際には1ビット単位で各種演算が行われるが、以下の説明では1バイト単位で演算の内容を説明する。但し、以下に説明するような1バイト単位での演算が実際に行われる構成としてもよい。
図11(B)の場合では、先ずn回目のタイマ割込み処理における先側の入賞情報を監視する処理にて、図11(B1)に示すように、第1入賞判定エリアWA1に「00100000」がセットされている。この場合、各入賞検知センサ31a〜35bのうち第3入賞口検知センサ31cの入賞情報が遊技球を検知している旨の情報(以下、入賞有り情報ともいう)となっており、他のセンサの入賞情報は遊技球を検知していない旨の情報(以下、入賞無し情報ともいう)となっている。
また、当該n回目のタイマ割込み処理における後側の入賞情報を監視する処理では、図11(B2)に示すように、第2入賞判定エリアWA2に「10100000」がセットされている。この場合、各入賞検知センサ31a〜35bのうち第2ゲート検知センサ35b及び第3入賞口検知センサ31cのそれぞれが入賞有り情報となっており、他のセンサは入賞無し情報となっている。
上記のように第1入賞判定エリアWA1及び第2入賞判定エリアWA2の情報のセットが行われた場合、そのAND処理結果は、図11(B3)に示すように「00100000」となり、当該情報がn回目の処理回のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果として第1演算後エリアWA3にセットされる。なお、n―1回目のタイマ割込み処理にて入賞情報の監視結果が第1演算後エリアWA3にセットされている場合にはn回目のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果は第2演算後エリアWA4にセットされる。また、n―1回目における入賞情報の監視結果とn回目における入賞情報の監視結果とを利用して入賞判定処理が実行されるが、この処理の演算の内容はここでは省略する。
次にn+1回目のタイマ割込み処理における先側の入賞情報を監視する処理にて、図11(B4)に示すように、第1入賞判定エリアWA1に「10100110」がセットされている。この場合、各入賞検知センサ31a〜35bのうち第2ゲート検知センサ35b、第3入賞口検知センサ31c、下作動口検知センサ34c及び上作動口検知センサ33aのそれぞれが入賞有り情報となっており他のセンサは入賞無し情報となっている。
また、当該n+1回目のタイマ割込み処理における後側の入賞情報を監視する処理にて、図11(B5)に示すように、第2入賞判定エリアWA2に「10100010」がセットされている。この場合、各入賞検知センサ31a〜35bのうち第2ゲート検知センサ35b、第3入賞口検知センサ31c及び上作動口検知センサ33aのそれぞれが入賞有り情報となっており、他のセンサは入賞無し情報となっている。
上記のように第1入賞判定エリアWA1及び第2入賞判定エリアWA2の情報のセットが行われた場合、そのAND処理結果は、図11(B6)に示すように「10100010」となり、当該情報がn+1回目の処理回のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果として第2演算後エリアWA4にセットされる。
その後、当該n+1回目のタイマ割込み処理における入賞判定処理(図10)にて、先ずn回目のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果が第1演算後エリアWA3から読み出されるとともにその読み出された監視結果の情報に対して反転処理が実行される。そうすると、図11(B7)に示すように、「11011111」となる。そして、当該反転処理の結果の情報に、n+1回目のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果をAND処理する。これにより、図11(B8)に示すように、「10000010」となる。この場合、当該入賞判定処理では、第2ゲート検知センサ35bにて遊技球の入賞が検知されたと判定するとともに、上作動口検知センサ33aにて遊技球の入賞が検知されたと判定する。
また、図11(B4)に示すように、n+1回目のタイマ割込み処理における先側の入賞情報を監視する処理にて下作動口検知センサ34cが入賞有り情報となっているが、これは電気的なノイズにより発生したものである。この場合に、入賞無し情報から入賞有り情報への切り換えを確認したとしても即座に入賞発生と特定するのではなく、入賞有り情報が複数回に亘って確認された場合に入賞発生と特定する構成である。したがって、図11(B5)に示すように、n+1回目のタイマ割込み処理における後側の入賞情報を監視する処理では下作動口検知センサ34cが入賞無し情報となっており、電気的なノイズの発生を遊技球の入賞と取り扱わないようになっている。
また、第3入賞口検知センサ31cではn回目のタイマ割込み処理における1組の入賞情報を監視する処理及びn+1回目のタイマ割込み処理における1組の入賞情報を監視する処理のそれぞれにて入賞有り情報となっているが、これは既に入賞の発生が把握された遊技球を継続して検知している状態を示している。この場合に、n回目のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果が「0」であることを条件に入賞の発生を特定しているため、1個の遊技球の入賞を複数個の入賞として扱ってしまわない。
次に、各種入賞検知センサ31a〜35bに遊技球の入賞を誤検知させる不正行為を抑制するための構成について説明する。
まず、上記不正行為の内容を、図12を参照しながら説明する。図12(a)は一の入賞検知センサ31a〜35bからの正規の信号の出力態様を示す図であり、図12(b)は電気的なノイズの発生状況を示す図であり、図12(c)は正規の信号にノイズが影響した結果の異常な信号の出力態様を示す図である。
図12(a)に示すように、不正行為が行われていない場合、各入賞検知センサ31a〜35bは、遊技球の通過を検知していない状況ではHIレベル信号を出力し、遊技球の通過を検知している状況ではLOWレベル信号を出力する。この場合、HIレベル信号からLOWレベル信号への立下りは1度のみであるため、MPU62は1個の遊技球が通過したと判定する。
ここで、不正な電波や、不正ではない電気的なノイズが要因となって、HIレベル信号の状態がLOWレベル信号の状態に変化してしまう事象は発生しづらい。したがって、上記のように遊技球の通過を検知していない状況ではHIレベル信号を出力し、遊技球の通過を検知している状況ではLOWレベル信号を出力する構成とすることで、遊技球が通過していないにも関わらず、不正な電波や、不正ではない電気的なノイズが要因となって、遊技球の通過が誤検知されてしまう可能性は低減される。
しかしながら、このように遊技球の通過を検知している状況ではLOWレベル信号を出力する構成においては、図12(b)に示すような電気的なノイズが不正に発生させられた場合、図12(c)に示すように、本来ならLOWレベル信号の出力が継続されている期間において、HIレベル信号の出力が発生してしまうこととなる。そうすると、MPU62は複数個の遊技球が通過したと判定してしまう。
上記行為が、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34のいずれかに対して行われると、本来なら1個の遊技球しか入賞していないにも関わらず、複数個の遊技球が入賞したと判定されてしまい、遊技球が不正に払い出されてしまうこととなる。また、上記行為が、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35のいずれかに対して行われると、内部抽選の契機が不正に発生してしまうこととなる。
上記不正行為は、例えば不正な電波を発信させることにより行われるため、その不正な電波の発信を検知可能なセンサを設けることで対応可能である。但し、上記不正行為の対象となる入賞検知センサ31a〜35bは、上記のとおり複数設けられており、さらに遊技領域が形成された範囲において点在している。そうすると、電波を検知可能なセンサを、各入賞検知センサ31a〜35bに個別に設けること、及び一のセンサの電波検知範囲を、全ての入賞検知センサ31a〜35bが含まれるように設定することのいずれかの手法を採用する必要が生じる。しかしながら、前者の手法の場合、電波を検知するためのセンサを複数設ける必要が生じコストが高くなってしまい、後者の手法の場合、不正な電波以外の電波までも受信してしまう可能性が生じる。
上記のような事情において、本パチンコ機10では、数値更新処理(図7のステップS201)及び間隔判定処理(図10のステップS409)が実行されることにより、電波を検知するためのセンサを一切使用することなく、全ての入賞検知センサ31a〜35bについて上記不正行為に対処可能となる。以下、数値更新処理及び間隔判定処理について説明する。
図13(a)は、数値更新処理(図7のステップS201)を示すフローチャートである。
数値更新処理では、まずステップS501にて、周期用カウンタの数値情報を1加算する。周期用カウンタは、RWM64の各種カウンタエリア64bに設けられており、上記不正行為の発生を監視するための監視期間をMPU62において特定するためのカウンタである。周期用カウンタは、初期値として「0」の数値情報が設定されており、ステップS501の処理が実行されることにより、その数値情報が1加算される。
続くステップS502では、ステップS501にて1加算した結果の数値情報が、監視期間に対応した基準数値情報である「8」となっているか否かを判定する。ここで、数値更新処理は、タイマ割込み処理(図7)が1回起動される度に実行され、当該タイマ割込み処理は4msec周期で起動されるため、監視期間は、上記基準数値情報とタイマ割込み処理の起動周期との積の値である32msecとなる。周期用カウンタの数値情報が「8」となっていない場合には、そのまま本数値更新処理を終了する。
周期用カウンタの数値情報が「8」となっている場合には、ステップS503及びステップS504の処理を実行する。ステップS503では全取得済みフラグを「0」クリアする。取得済みフラグは、RWM64に設けられており、さらに各入賞検知センサ31a〜35bに1対1で対応させて設けられている。各取得済みフラグは、各監視期間において、対応する入賞検知センサ31a〜35bにて遊技球の通過が既に検知されているか否かをMPU62にて特定するためのフラグである。ステップS503の処理は、周期用カウンタの数値情報が「8」となることで、すなわち監視期間が経過する度に実行されるため、各取得済みフラグは監視期間が経過する度に「0」クリアされることとなる。ステップS504では周期用カウンタを「0」クリアする。これにより、新たな監視期間の計測が開始されることとなる。ステップS503及びステップS504の処理を実行した後は、本数値更新処理を終了する。
ここで、上記監視期間について、図13(b)のタイミングチャートを参照しながら説明する。図13(b1)は上作動口33を複数の遊技球が最短の間隔で連続して入賞した場合における上作動口検知センサ33aの信号出力態様を示す図であり、図13(b2)は下作動口34を複数の遊技球が最短の間隔で連続して入賞した場合における下作動口検知センサ34cの信号出力態様を示す図であり、図13(b3)は監視期間を説明するための図である。
図13(b1)に示すように、上作動口検知センサ33aにおいて1個の遊技球が検知される場合の想定される検知期間は、T11となっている。また、上作動口検知センサ33aが一の遊技球の検知を開始してから次の遊技球の検知を開始するまでの想定される最短期間は、T12となっている。
一方、図13(b2)に示すように、下作動口検知センサ34cにおいて1個の遊技球が検知される場合の想定される検知期間は、T21となっている。また、下作動口検知センサ34cが一の遊技球の検知を開始してから次の遊技球の検知を開始するまでの想定される最短期間は、T22となっている。
既に説明したとおり、上作動口33と下作動口34とでは、各検知センサ33a,34cへと続く通路構成が異なっているため、下作動口検知センサ34cの検知期間T21は、上作動口検知センサ33aの検知期間T11と異なっており、詳細には、前者の方が後者よりも短い。同様に、下作動口検知センサ34cの最短期間T22は、上作動口検知センサ33aの最短期間T12と異なっており、詳細には、前者の方が後者よりも短い。
なお、上記のように検知期間及び最短期間が相違する点は、他の入賞検知センサ間においても同様である。但し、一部の入賞検知センサについては、検知期間及び最短期間が同一であってもよい。
上記構成において、図13(b3)に示すように、監視期間は、全ての入賞検知センサ31a〜35bの検知期間T11,T21よりも長く、且つ全ての入賞検知センサ31a〜35bの最短期間T12,T22よりも短くなるように設定されている。具体的には、各入賞検知センサ31a〜35bのうち最も長い検知期間T11,T21は、12msecとなっており、各入賞検知センサ31a〜35bのうち最も短い最短期間T12,T22は、35msecとなっているため、既に説明したとおり監視期間は32msecとなっている。
ちなみに、各入賞検知センサ31a〜35bに対応した通路は、一の入賞検知センサの検知期間T11,T21が他の入賞検知センサの最短期間T12,T22を超えることがないように、その構造が設定されている。
図14は、間隔判定処理(図10のステップS409)を示すフローチャートである。
間隔判定処理では、まずステップS601にて、各入賞検知センサ31a〜35bのうち今回の処理対象となっているものに対応した取得済みフラグに「1」がセットされているか否かを判定する。ここで、既に説明したとおり、入賞判定処理(図10)では、各入賞検知センサ31a〜35bに入賞判定用の演算処理が順次実行され、一の入賞検知センサ31a〜35bに対する上記演算処理が入賞発生に対応した演算結果となる度に間隔判定処理が実行される。したがって、間隔判定処理の各処理回では、各入賞検知センサ31a〜35bのうち一のセンサが判定対象となる。ステップS601では、その判定対象となっているセンサに対応した取得済みフラグに「1」がセットされているか否かを判定する。
ステップS601にて否定判定をした場合には、ステップS602にて、今回の判定対象となっているセンサに対応した取得済みフラグに「1」をセットした後に、本間隔判定処理を終了する。
一方、ステップS601にて肯定判定をした場合には、一の監視期間において同一の入賞検知センサ31a〜35bが複数個の遊技球を検知したことになる。既に説明したとおり、監視期間は、全ての入賞検知センサ31a〜35bの検知期間T11,T21よりも長く、且つ全ての入賞検知センサ31a〜35bの最短期間T12,T22よりも短くなるように設定されているため、上記事象は、不正行為に起因している可能性が高い。したがって、ステップS603及びステップS604にて不正検知時の特別処理を実行する。
具体的には、ステップS603にて、RWM64に設けられた間隔異常フラグに「1」をセットすることで、間隔異常状態に設定する。間隔異常状態に設定されることで、入賞判定処理(図10)のステップS410にて肯定判定をすることとなるため、判定対象となっているセンサだけでなく全てのセンサに関して検知結果が無効化されて、入賞判定処理が終了される。また、タイマ割込み処理(図7)のステップS207にて肯定判定することとなるため、その後の遊技の進行が停止される。具体的には、各入賞検知センサ31a〜35bの検知結果が無効化され、新たな賞球の発生が行われなくなる。また、遊技球の発射が禁止され、内部抽選が行われなくなり、遊技状態の移行も発生しなくなる。
また、ステップS604では、間隔異常コマンドを出力対象として設定する。間隔異常コマンドは、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、間隔異常コマンドを受信することで、異常報知用の発光が行われるように表示ランプ部54を発光制御し、異常報知用の音が出力されるようにスピーカ部55を駆動制御する。また、音声発光制御装置90は、間隔異常コマンドを表示制御装置100に送信することで、図柄表示装置41にて異常報知用の画像を表示させる。
なお、間隔異常の発生を特定した場合における特別処理の内容は、上記のものに限定されることはなく、上記各特別処理のうち一部のみが実行される構成としてもよく、上記各特別処理に加えて又は代えて、遊技ホールの管理コンピュータへの外部出力が行われる構成としてもよい。また、間隔異常が発生した入賞検知センサ31a〜35bの種類の情報を上記間隔異常コマンドに含ませることにより、間隔異常が発生した入賞検知センサ31a〜35bの種類を遊技ホールの管理者が把握可能な態様で上記異常報知を行うようにしてもよい。
ステップS603及びステップS604の処理を実行した後に、本間隔判定処理を終了する。これにより、パチンコ機10は、異常報知が実行された状態で、遊技の進行が停止された状態となる。この状態の解除は、異常解除操作が実行されるまで継続される。本パチンコ機10では、当該異常解除操作として、パチンコ機10の電源をOFF操作して、さらにRWM消去スイッチ(遊技機本体12を外枠11に対して前方に回動させた場合に手動操作可能)をON操作した状態で、パチンコ機10の電源をON操作する必要がある。但し、これに限定されることはなく、遊技機本体12を外枠11に対して前方に回動させた場合に手動操作可能となる位置に設けられた操作部を操作することで、パチンコ機10の電源のON・OFF操作を行わなくても異常解除操作を行うことが可能な構成としてもよく、RWM64のクリアを行わなくても異常解除操作を行うことが可能な構成としてもよい。
次に、数値更新処理(図7のステップS201)及び間隔判定処理(図10のステップS409)が実行されることによる作用を、図15のタイミングチャートを参照しながら説明する。
図15(a)は上作動口検知センサ33aからの正規の信号の出力態様を示し、図15(b)は下作動口検知センサ34cからの正規の信号の出力態様を示し、図15(c)は電気的なノイズの発生状況を示し、図15(d)は上作動口検知センサ33aからの異常信号の出力態様を示し、図15(e)は下作動口検知センサ34cからの異常信号の出力態様を示し、図15(f)は各監視期間を示し、図15(g)は上作動口33についての取得済みフラグの状態を示し、図15(h)は下作動口34についての取得済みフラグの状態を示し、図15(i)は間隔異常状態の設定状況を示す。
t1のタイミングで、上作動口検知センサ33aにおいて遊技球の検知が開始され、上作動口33の取得済みフラグに「1」がセットされる。t1のタイミングで開始された上作動口検知センサ33aからのLOWレベル信号の出力は、本来ならt10のタイミングまで継続されるはずであるが、t2〜t3の期間、t4〜t5の期間、t6〜t7の期間、及びt8〜t9の期間のそれぞれで、上作動口検知センサ33aに向けて不正な電波が発信され電気的なノイズが生じることによって、それら各期間において信号の立ち上がりと立下りとが繰り返される。
これに対して、上記電気的なノイズに起因した信号の最初の立下りを特定したタイミングであるt3のタイミングは、t1のタイミングにおいて計測が行われていた監視期間の範囲内である。したがって、当該t3のタイミングにて、間隔異常状態に設定され、その後の遊技の進行が停止される。よって、上記不正行為に対する遊技球の払い出しや、内部抽選の実行が行われないようにすることが可能となる。
下作動口検知センサ34cに不正行為が行われる場合も同様であり、具体的には、t11のタイミングで、下作動口検知センサ34cにおいて遊技球の検知が開始され、下作動口34の取得済みフラグに「1」がセットされる。t11のタイミングで開始された下作動口検知センサ34cからのLOWレベル信号の出力は、本来ならt18のタイミングまで継続されるはずであるが、t12〜t13の期間、t14〜t15の期間、及びt16〜t17の期間のそれぞれで、下作動口検知センサ34cに向けて不正な電波が発信され電気的なノイズが生じることによって、それら各期間において信号の立ち上がりと立下りとが繰り返される。
これに対して、上記電気的なノイズに起因した信号の最初の立下りを特定したタイミングであるt13のタイミングは、t11のタイミングにおいて計測が行われていた監視期間の範囲内である。したがって、当該t13のタイミングにて、間隔異常状態に設定され、その後の遊技の進行が停止される。よって、上記不正行為に対する遊技球の払い出しや、内部抽選の実行が行われないようにすることが可能となる。
t19のタイミングのように、上記不正行為が行われることなく監視期間が経過した場合には、その時点で「1」がセットされている取得済みフラグが「0」クリアされる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
同一の入賞検知センサ31a〜35bの検知結果が遊技球の入賞に対応した検知結果となる事象が、一の監視期間において複数回発生した場合には、異常の発生と判断され、特別処理が実行される。よって、不正に電波を発信させることにより遊技球の入賞を誤検知させようとする不正行為を抑制することが可能となる。
また、各入賞検知センサ31a〜35bに対する上記不正行為を監視するために、共通の周期用カウンタが利用されるため、ハード構成の簡素化を図りながら上記不正行為を抑制することが可能となる。
また、監視期間は、各入賞検知センサ31a〜35bの全てについて、一の遊技球の検知を開始してから次の遊技球の検知を開始するまでの想定される最短期間よりも短く設定されている。これにより、不正行為が行われていない状況での正規の遊技球の通過を、異常の発生と判断してしまうことが抑制される。
また、監視期間は、各入賞検知センサ31a〜35bの全てについて、1個の遊技球が検知される場合の想定される検知期間よりも長く設定されている。これにより、不正発見の機会が高められる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、数値更新処理(図7のステップS201)及び間隔判定処理(図10のステップS409)の処理構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下、その相違する構成について説明する。なお、当該処理構成以外は、上記第1の実施形態と同様である。
本実施形態では、数値更新処理(図7のステップS201)及び間隔判定処理(図10のステップS409)の処理構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下、その相違する構成について説明する。なお、当該処理構成以外は、上記第1の実施形態と同様である。
図16は、本実施形態における数値更新処理を示すフローチャートである。
まずステップS701にて、周期用カウンタの数値情報を1加算し、続くステップS702にて、その1加算後の数値情報が監視期間に対応した基準数値情報である「8」となっているか否かを判定する。「8」となっていない場合には、そのまま本数値更新処理を終了する。「8」となっている場合には、ステップS703に進む。
ステップS703では、RWM64に設けられた判別用フラグが「0」となっているか否かを判定する。判別用フラグは、遊技球の入賞を誤検知させる不正行為を抑制するために利用されるフラグであり、2値切換を可能とするように1ビットの記憶容量を有している。判別用フラグが「0」である場合には、ステップS704にて、判別用フラグに「1」をセットし、判別用フラグが「1」である場合には、ステップS705にて、判別用フラグを「0」クリアする。つまり、判別用フラグは、監視期間が経過する度に数値情報の切換が行われるフラグである。
その後、ステップS706にて、全取得済みフラグを「0」クリアするとともに、ステップS707にて、周期用カウンタを「0」クリアし、本数値更新処理を終了する。
図17は、本実施形態における間隔判定処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS801にて、判別用フラグの数値情報を読み出し、続くステップS802にて、各入賞検知センサ31a〜35bのうち今回の処理対象となっているものに対応した取得済みフラグに「1」がセットされているか否かを判定する。
取得済みフラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS803にて、RWM64に設けられた基準エリアに、ステップS801にて読み出した判別用フラグの数値情報を格納する。この場合、基準エリアは、各入賞検知センサ31a〜35bに1対1で対応させて設けられており、ステップS803では、各入賞検知センサ31a〜35bのうち今回の処理対象となっているものに対応した基準エリアに、上記読み出した数値情報を格納する。なお、各基準エリアは、判別用フラグと同様に、2値切換を可能とするように1ビットの記憶容量となっている。その後、ステップS804にて、各入賞検知センサ31a〜35bのうち今回の処理対象となっているものに対応した取得済みフラグに「1」をセットした後に、本間隔判定処理を終了する。
一方、ステップS802にて肯定判定をした場合には、ステップS805にて、各入賞検知センサ31a〜35bのうち今回の処理対象となっているものに対応した基準エリアから数値情報を読み出す。続くステップS806では、その読み出した数値情報が、ステップS801にて読み出した数値情報と一致しているか否かを判定する。一致していない場合には、そのまま本間隔判定処理を終了する。一致している場合には、ステップS807にて、間隔異常状態に設定するとともに、ステップS808にて、間隔異常コマンドを出力対象に設定した後に、本間隔判定処理を終了する。なお、ステップS807及びステップS808が実行された場合の処理内容は、上記第1の実施形態におけるステップS603及びステップS604の処理が実行された場合と同様である。
本実施形態の構成であっても、同一の入賞検知センサ31a〜35bの検知結果が遊技球の入賞に対応した検知結果となる事象が、一の監視期間において複数回発生した場合には、異常の発生と判断され、特別処理が実行される。よって、不正に電波を発信させることにより遊技球の入賞を誤検知させようとする不正行為を抑制することが可能となる。
また、各入賞検知センサ31a〜35bに対する上記不正行為を監視するために、共通の周期用カウンタ及び判別用フラグが利用されるため、ハード構成の簡素化を図りながら上記不正行為を抑制することが可能となる。
<第3の実施形態>
本実施形態では、上記不正行為を監視するための処理構成が上記各実施形態と異なっている。具体的には、監視期間の計測が周期用カウンタを利用して行われるのではなく、リーチ乱数カウンタC3が監視期間の計測用として兼用される。したがって、数値更新処理(図7のステップS201)及び間隔判定処理(図10のステップS409)のうち、数値更新処理は実行されずに、間隔判定処理のみが実行される。
本実施形態では、上記不正行為を監視するための処理構成が上記各実施形態と異なっている。具体的には、監視期間の計測が周期用カウンタを利用して行われるのではなく、リーチ乱数カウンタC3が監視期間の計測用として兼用される。したがって、数値更新処理(図7のステップS201)及び間隔判定処理(図10のステップS409)のうち、数値更新処理は実行されずに、間隔判定処理のみが実行される。
以下、図18のフローチャートを参照しながら、本実施形態における間隔判定処理を説明する。
まずステップS901にて、RWM64に設けられた1周完了フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。1周完了フラグは、リーチ乱数カウンタC3が所定の数値範囲において順次更新された結果(この更新は、タイマ割込み処理(図7)のステップS203にて定期的に実行される)、当該数値範囲の最大値を超えて、最小値への設定がなされたことをMPU62にて特定するためのフラグである。当該1周完了フラグは、各入賞検知センサ31a〜35bに1対1で対応させて設けられている。
リーチ乱数カウンタC3の数値範囲は、上記第1の実施形態と同様に、「0〜238」となっており、当該数値情報の更新は4msec周期で行われることから、リーチ乱数カウンタC3が1周するのに要する期間は、各入賞検知センサ31a〜35bのうち少なくとも一部、具体的には全ての入賞検知センサ31a〜35bについて、一の遊技球の検知を開始してから次の遊技球の検知を開始するまでの想定される最短期間よりも長い期間となっている。
ステップS901では、各入賞検知センサ31a〜35bのうち今回の処理対象となっているものに対応した1周完了フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。ステップS901にて否定判定をした場合には、ステップS902にて、RWM64に設けられた基準エリアへのシフト処理を実行する。
本実施形態では、RWM64には、不正な電波の発信などを利用して遊技球の入賞を誤検知させようとする不正行為を抑制するためのエリアとして、基準エリアと対象エリアとが設けられている。これら基準エリア及び対象エリアは、2値切換可能となるように1ビットの記憶容量を有しており、さらに基準エリア及び対象エリアの組み合わせは、各入賞検知センサ31a〜35bに1対1で対応させて設けられている。対象エリアには、今回の監視処理回において取得されたリーチ乱数カウンタC3の数値情報が格納され、基準エリアには、今回の監視処理回が含まれるリーチ乱数カウンタC3の更新周回において、前回の入賞発生時の間隔判定処理にて取得されたリーチ乱数カウンタC3の数値情報が格納される。
ステップS902では、各入賞検知センサ31a〜35bのうち今回の処理対象となっているものに対応した対象エリアに格納されている数値情報を、対応する基準エリアにシフトする処理を実行する。
続くステップS903では、現状のリーチ乱数カウンタC3の数値情報を読み出して、各入賞検知センサ31a〜35bのうち今回の処理対象となっているものに対応した対象エリアに格納する。そして、ステップS904にて、ステップS902において基準エリアにシフトさせた数値情報と、ステップS903において対象エリアに格納した数値情報との差分を算出する差分算出処理を実行する。
続くステップS905では、各入賞検知センサ31a〜35bのうち今回の処理対象となっているものに対応した異常範囲値を読み出す。当該異常範囲値は、予めROM63に記憶されており、各入賞検知センサ31a〜35bに1対1で対応している。また、各異常範囲値は各入賞検知センサ31a〜35bに個別の監視期間を設定するためのものであり、これら各監視期間は、対応する各入賞検知センサ31a〜35bについて、1個の遊技球が検知される場合の想定される検知期間よりも長く、一の遊技球の検知を開始してから次の遊技球の検知を開始するまでの想定される最短期間よりも短く設定されている。
その後、ステップS906にて、上記ステップS904にて算出した差分の数値情報が、上記ステップS905にて読み出した異常範囲値に含まれるか否かを判定する。異常範囲値に含まれない場合には、そのまま本間隔判定処理を終了する。異常範囲値に含まれる場合には、ステップS907にて、間隔異常状態に設定するとともに、ステップS908にて、間隔異常コマンドを出力対象に設定した後に、本間隔判定処理を終了する。なお、ステップS907及びステップS908が実行された場合の処理内容は、上記第1の実施形態におけるステップS603及びステップS604の処理が実行された場合と同様である。
一方、ステップS901にて肯定判定をした場合には、ステップS909にて、各入賞検知センサ31a〜35bのうち今回の処理対象となっているものに対応した1周完了フラグを「0」クリアするとともに、ステップS910にて、現状のリーチ乱数カウンタC3を、各入賞検知センサ31a〜35bのうち今回の処理対象となっているものに対応した対象エリアに格納した後に、本間隔判定処理を終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、監視期間を計測するためのカウンタとして演出用に利用されるリーチ乱数カウンタC3を兼用することにより、各入賞検知センサ31a〜35bの監視を行うためのカウンタを共通化できるだけでなく、監視期間を計測するための専用のカウンタを設ける必要がない点で、さらなるハード構成の簡素化が図られる。
また、各入賞検知センサ31a〜35bにおいて連続する2回の入賞発生時のそれぞれで取得したリーチ乱数カウンタC3の数値情報の差分を算出するとともに、その算出結果が異常な値であるか否かを判定するための基準となる異常範囲値が、各入賞検知センサ31a〜35bに1対1で対応させて設定されている。これにより、各入賞検知センサ31a〜35bに1対1で対応させて監視期間を設定することが可能となり、1個の遊技球の検知期間や、一の遊技球の検知を開始してから次の遊技球の検知を開始するまでの想定される最短期間の設定の容易化を図りながら、各入賞検知センサ31a〜35bに対する不正行為を好適に監視することが可能となる。
また、リーチ乱数カウンタC3の各更新周回の範囲内において、上記差分の算出に基づく監視が行われる。これにより、不正行為が行われていない状況で一の入賞検知センサ31a〜35bにて1個の遊技球を検知してから次の遊技球を検知するまでにリーチ乱数カウンタC3の1更新周回分の時間を超えた場合に、それに対して特別処理が実行されてしまわないようにすることが可能となる。
<他の実施形態>
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を単独で上記各実施形態の構成に適用してもよく、所定の組み合わせで上記各実施形態の構成に適用してもよい。
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を単独で上記各実施形態の構成に適用してもよく、所定の組み合わせで上記各実施形態の構成に適用してもよい。
(1)第1及び第2の実施形態において、監視期間を計測するためのカウンタとして、周期用カウンタではなく、MPU62において所定の抽選を行うために利用されるカウンタを兼用してもよい。但し、当該構成においては、その兼用するカウンタの数値範囲を、監視期間に対応させる必要がある。つまり、その兼用するカウンタが最小値から最大値まで更新され、さらに最小値の再設定がなされるまでに要する期間は、全ての入賞検知センサ31a〜35bの検知期間T11,T21よりも長く、且つ全ての入賞検知センサ31a〜35bの最短期間T12,T22よりも短くなるように設定する必要がある。具体的には、上記兼用するカウンタの数値範囲を「0〜7」の数値範囲とする。この場合、当該数値情報の更新は4msec周期で行われるため、監視期間は上記第1及び第2の実施形態と同様に32msecとなる。
上記兼用するカウンタとしては、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、乱数初期値カウンタCINI、変動種別カウンタCS及び電動役物開放カウンタC4が挙げられるが、遊技球の払出といった遊技者への利益の付与に直結しないカウンタを利用することが好ましい。このようなカウンタであれば、不正行為の対象となりづらいため、監視期間に対応させた数値範囲に設定したとしても、問題が生じづらい。また、監視期間の計測の容易化を図る上では、数値範囲の更新が定期的に行われ、さらに数値範囲の更新が1周した場合において次回の更新周回の初期値が固定値となるものであり、より好ましくは「0」となるものである。
上記の点からすると、監視期間を計測するためのカウンタとして兼用するものは、リーチ乱数カウンタC3が好ましい。また、リーチ乱数カウンタC3は、リーチの有無を決定するために利用されるカウンタであり、リーチの種類は当該リーチ乱数カウンタC3とは別のカウンタである変動種別カウンタCSを利用して決定される。したがって、上記のように監視期間に対応させてリーチ乱数カウンタC3の数値範囲を設定したとしても、演出の設計上も問題が生じづらい。
(2)上記第3の実施形態において、監視期間を計測するために兼用されるカウンタは、リーチ乱数カウンタC3に限定されることはなく、他の内部抽選において利用されるカウンタであってもよい。例えば、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、乱数初期値カウンタCINI、変動種別カウンタCS及び電動役物開放カウンタC4のいずれかであってもよい。但し、上記(1)で記載したとおり監視期間の計測の容易化を図る上では、数値範囲の更新が定期的に行われ、さらに数値範囲の更新が1周した場合において次回の更新周回の初期値が固定値となるものが好ましい。したがって、リーチ乱数カウンタC3以外であれば、大当たり種別カウンタC2又は電動役物開放カウンタC4が好ましい。
(3)上記第3の実施形態において、監視期間を計測するためのカウンタとして、内部抽選において利用されるカウンタを兼用する構成に代えて、監視期間を計測するための専用のカウンタを設けるようにしてもよい。
(4)不正な電波の発信などを利用して入賞を誤検知させる不正行為の監視対象となるセンサは、遊技盤24に設けられた入賞検知センサ31a〜35bの全てである必要はなく、入賞検知センサ31a〜35bのうちの一部であって複数のセンサである構成としてもよい。
(5)上記各実施形態では、監視期間における入賞検知センサ31a〜35bの監視結果が異常なものであった場合には、その後の遊技の進行が停止される構成としたが、これに代えて、異常報知用の出力のみが行われ、遊技の進行(例えば遊技球の発射、遊技球の払い出し、新たな抽選、及び新たな遊技状態の移行の全部又は一部)は停止されない構成としてもよい。
(6)異常処理が段階的に行われるとしてもよい。例えば、所定の期間内(例えば、パチンコ機10の電源ONが継続されている状態、又は所定数(1を含む)の監視期間内)において、監視結果が異常結果となる事象が1回発生した場合には、異常報知用の出力を行い、当該期間内で、監視結果が異常結果となる事象が再度発生した場合には、遊技の進行を停止する構成としてもよい。
(7)監視期間における入賞検知センサ31a〜35bの監視結果が異常結果となる事象が1回発生したとしても、異常処理を実行することなく、所定の期間内(例えば、パチンコ機10の電源ONが継続されている状態、又は所定数(1を含む)の監視期間内)において2回といったように複数回発生した場合に異常処理(上記各実施形態であれば報知及び遊技停止の両方)を実行する構成としてもよい。この場合、同一の入賞検知センサ31a〜35bの監視結果が異常結果となる事象が所定の期間内に複数回発生した場合に異常処理が実行される構成としてもよく、同一であるか否かに関係なく、いずれかの入賞検知センサ31a〜35bの監視結果が異常結果となる事象が所定の期間内に複数回発生した場合に異常処理が実行される構成としてもよい。
(8)上記各実施形態において、監視期間が、一の検知センサにおいて1個の遊技球を検知する場合の検知期間よりも長く、且つ1個の遊技球の検知を開始してから次の遊技球の検知が開始されるまでの最短期間よりも短い期間に設定されている必要はなく、監視期間は、入賞検知センサ31a〜35bのうち少なくとも一部のものについて、上記検知期間よりも短く設定されていてもよく、上記最短期間よりも長く設定されている構成としてもよい。
但し、最短期間よりも長く設定する構成においては、正規の遊技球の通過に対して異常処理が実行されないように、例えば監視結果が異常結果となる事象が監視期間内に複数回発生した場合に異常処理を実行する構成とすることが好ましい。また、当該異常処理として、遊技の進行を停止させる処理は実行されずに、報知用の処理のみが実行される構成とすることが好ましい。
(9)上記各実施形態における監視期間の計測を利用した不正監視の構成を適用する対象は、入賞検知センサ31a〜35bが電磁誘導型のセンサである構成に限定されることはなく、入賞検知センサ31a〜35bが光学式のセンサである構成であってもよい。また、上記各実施形態における監視期間の計測を利用した不正監視の構成を適用する対象は、入賞検知センサ31a〜35bが遊技球を通過した場合にLOWレベル信号を出力するセンサである構成に限定されることはなく、入賞検知センサ31a〜35bが遊技球を通過した場合にHIレベル信号を出力するセンサである構成であってもよい。
(10)上記各実施形態における監視期間の計測を利用した不正監視の構成は、各入賞検知センサ31a〜35bにおける遊技球の検知開始時における信号変化を把握することで遊技球の通過を判断する構成だけではなく、各入賞検知センサ31a〜35bにおける遊技球の検知終了時における信号変化を把握することで遊技球の通過を判断する構成にも適用可能である。
(11)上記第1及び第2の実施形態において、監視期間内に遊技球の検知が2回発生した場合に異常処理が実行される構成に代えて、監視期間内に遊技球の検知が3回、4回又は5回以上発生した場合に異常処理が実行される構成としてもよい。
(12)上記第3の実施形態のように監視期間を計測するための手段として、所定の抽選にて使用されるカウンタ(具体的にはリーチ乱数カウンタC3)を利用することで、カウンタの兼用が可能となりハード構成の簡素化が図られるという効果に着目した場合、複数の入賞検知センサ31a〜35bについての監視期間を一のカウンタを利用して計測するか否かは任意であり、一の入賞検知センサについての監視期間を計測するためのカウンタとして、上記所定の抽選にて使用されるカウンタを兼用するようにしてもよい。
(13)上作動口33への入賞に係る保留情報と下作動口34への入賞に係る保留情報とが区別して記憶されるとともに、下作動口34への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよく、これとは逆に上作動口33への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよい。
また、上記構成において、複数の作動口が上下に並設されているのではなく、上作動口33に対応した第1作動口と、下作動口34に対応した第2作動口とが左右に並設された構成としてもよく、これら両作動口が斜めに並設された構成としてもよい。さらにまた、発射ハンドル51の操作態様に応じて、第1作動口への入賞のみ又は第2作動口への入賞のみを狙えるように、両作動口を離間して配置する構成としてもよい。
また、上記構成において、特図表示部43に、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定の結果を表示する第1表示領域と、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定の結果を表示する第2表示領域とを設けてもよい。この場合、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報が当否判定の対象となることに先立って又は当否判定の対象となったことに基づいて、第1表示領域において絵柄の変動表示が開始されるとともに当該当否判定に対応した停止結果を表示し係る1遊技回の変動表示が終了される。また、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報が当否判定の対象となることに先立って又は当否判定の対象となったことに基づいて、第2表示領域において絵柄の変動表示が開始されるとともに当該当否判定に対応した停止結果を表示し係る1遊技回の変動表示が終了される。
(14)上作動口33への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合と、下作動口34への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合とで、遊技者が得られる利益が異なる構成としてもよい。例えば、上作動口33への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となる場合には上記実施形態のような遊技結果の振分が行われるが、下作動口34への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となり大当たり当選となった場合には最有利大当たり結果又は低確大当たり結果Cのいずれかに振り分けられる構成としてもよい。
また、上記各実施の形態のように作動口を複数設ける構成においては、作動口の数は2個に限定されることはなく、3個以上であってもよい。また、作動口が1個のみ設けられた構成としてもよい。
(15)主制御装置60から出力されるコマンドに基づいて、音声発光制御装置90により表示制御装置100が制御される構成に代えて、主制御装置60から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置100が音声発光制御装置90を制御する構成としてもよい。また、音声発光制御装置90と表示制御装置100とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置が一の制御装置として設けられた構成としてもよく、それら両制御装置のうち一方の機能が主制御装置60に集約されていてもよく、それら両制御装置の両機能が主制御装置60に集約されていてもよい。また、主制御装置60から音声発光制御装置90に出力されるコマンドの構成や、音声発光制御装置90から表示制御装置100に出力されるコマンドの構成も任意である。
(16)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
これらスロットマシンや、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機では、遊技の開始に際して遊技媒体が受け入れられるが、その受け入れられた遊技媒体が通過する通路には、当該遊技媒体を検知するための検知センサが設けられる。そして、不正用治具を利用して遊技媒体の通過を誤検知させる不正行為を抑制するために、当該検知センサとして、複数のセンサを遊技媒体の通過方向に並設し、これらセンサにおける遊技媒体の検知順序が予め定められた順序である場合に、1個の遊技媒体が受け入れられたと判定するようにしている。しかしながら、当該構成であったとしても、上記順序に従って誤検知させるとともに、それを短期間で繰り返す行為が想定される。これに対して、それら複数の検知センサのいずれかから監視期間内に複数回、遊技媒体を検知した旨の信号が出力された場合には異常処理を実行するようにすることで、上記不正行為を抑制することが可能となる。そして、各検知センサの監視期間の計測を一のカウンタにより行うことで、構成の簡素化を図りながら、上記不正行為を抑制することが可能となる。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.第1通過領域を通過する遊技媒体を検知する第1検知手段(例えば上作動口検知センサ33a)と、
第2通過領域を通過する遊技媒体を検知する第2検知手段(例えば下作動口検知センサ34c)と、
前記第1検知手段の検知結果が前記第1通過領域の遊技媒体の通過に対応した特定検知結果となったことを特定し、前記第2検知手段の検知結果が前記第2通過領域の遊技媒体の通過に対応した特定検知結果となったことを特定する特定手段(MPU62におけるステップS402〜ステップS408の処理を実行する機能)と、
当該特定手段の特定結果に基づいて、前記遊技媒体の通過が発生したことに対応した所定処理を実行する所定処理実行手段(MPU62におけるステップS411〜ステップS419の処理を実行する機能)と、
前記第1検知手段の検知結果が前記特定検知結果となる事象が監視期間内に発生したことに基づいて特別処理を実行し、前記第2検知手段の検知結果が前記特定検知結果となる事象が監視期間内に発生したことに基づいて特別処理を実行する特別処理実行手段(第1の実施形態ではMPU62におけるステップS603及びステップS604の処理を実行する機能、第2の実施形態ではMPU62におけるステップS807及びステップS808の処理を実行する機能、第3の実施形態ではMPU62におけるステップS907及びステップS908の処理を実行する機能)と、
前記第1検知手段についての前記監視期間を計測する場合に利用され、前記第2検知手段についての前記監視期間を計測する場合に利用される共通手段(第1及び第2の実施形態では周期用カウンタ、第3の実施形態ではリーチ乱数カウンタC3)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1.第1通過領域を通過する遊技媒体を検知する第1検知手段(例えば上作動口検知センサ33a)と、
第2通過領域を通過する遊技媒体を検知する第2検知手段(例えば下作動口検知センサ34c)と、
前記第1検知手段の検知結果が前記第1通過領域の遊技媒体の通過に対応した特定検知結果となったことを特定し、前記第2検知手段の検知結果が前記第2通過領域の遊技媒体の通過に対応した特定検知結果となったことを特定する特定手段(MPU62におけるステップS402〜ステップS408の処理を実行する機能)と、
当該特定手段の特定結果に基づいて、前記遊技媒体の通過が発生したことに対応した所定処理を実行する所定処理実行手段(MPU62におけるステップS411〜ステップS419の処理を実行する機能)と、
前記第1検知手段の検知結果が前記特定検知結果となる事象が監視期間内に発生したことに基づいて特別処理を実行し、前記第2検知手段の検知結果が前記特定検知結果となる事象が監視期間内に発生したことに基づいて特別処理を実行する特別処理実行手段(第1の実施形態ではMPU62におけるステップS603及びステップS604の処理を実行する機能、第2の実施形態ではMPU62におけるステップS807及びステップS808の処理を実行する機能、第3の実施形態ではMPU62におけるステップS907及びステップS908の処理を実行する機能)と、
前記第1検知手段についての前記監視期間を計測する場合に利用され、前記第2検知手段についての前記監視期間を計測する場合に利用される共通手段(第1及び第2の実施形態では周期用カウンタ、第3の実施形態ではリーチ乱数カウンタC3)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、第1検知手段の検知結果が特定検知結果となる事象が監視期間内に発生したことに基づいて特別処理が実行され、さらに第2検知手段の検知結果が特定検知結果となる事象が監視期間内に発生したことに基づいて特別処理が実行される。これにより、第1検知手段及び第2検知手段の検知結果を不正に特定検知結果とする行為が行なわれた場合に特別処理を実行することが可能となり、当該不正行為により遊技ホールが被る損害を抑制することが可能となる。この場合に、第1検知手段及び第2検知手段に対する上記不正行為を監視するための監視期間の計測に際して、共通手段が共通して利用される。これにより、ハード構成の簡素化を図りながら上記不正行為を抑制することが可能となる。
特徴A2.前記特別処理実行手段は、前記第1検知手段の検知結果が前記特定検知結果となる事象が監視期間内に複数回として定められた所定回数発生したことに基づいて異常処理を実行し、前記第2検知手段の検知結果が前記特定検知結果となる事象が監視期間内に複数回として定められた所定回数発生したことに基づいて特別処理を実行するものであることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、第1検知手段に対する不正行為を監視する場合及び第2検知手段に対する不正行為を監視する場合のいずれであっても、検知結果が特定検知結果となる事象が監視期間内に所定回数発生したか否かを判定すればよい。これにより、監視期間の計測に際して共通手段を共通して利用する構成において、例えば検知結果が特定検知結果となる事象が発生した際に共通手段を利用して計測されている数値を記憶するといった処理を実行する必要が生じない。よって、処理負荷の軽減を図りながら、上記不正行為を抑制することが可能となる。
特徴A3.前記共通手段は、一定の監視期間の計測を繰り返し行うことを可能とするものであることを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、共通手段を利用して監視期間の計測が繰り返し行われるため、監視期間の計測に際して共通手段を共通して利用する構成において、例えば検知結果が特定検知結果となる事象が発生した際に共通手段を利用して計測されている数値を記憶するといった処理を実行する必要が生じない。よって、処理負荷の軽減を図りながら、上記不正行為を抑制することが可能となる。
特徴A4.前記共通手段により計測される一定の監視期間は、前記第1検知手段において一の遊技媒体の検知を開始してから次の遊技媒体の検知を開始するまでの最短期間及び前記第2検知手段において一の遊技媒体の検知を開始してから次の遊技媒体の検知を開始するまでの最短期間の両方よりも短い期間となるように設定されていることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、監視期間の計測に際して共通手段を共通して利用する構成において、正規の遊技媒体の通過に対して特別処理が実行されてしまわないようにすることが可能となる。
特徴A5.前記共通手段により計測される一定の監視期間は、前記第1検知手段において一の遊技媒体を検知し続ける期間及び前記第2検知手段において一の遊技媒体を検知し続ける期間の両方よりも長い期間となるように設定されていることを特徴とする特徴A3又はA4に記載の遊技機。
特徴A5によれば、監視期間の計測に際して共通手段を共通して利用する構成において、上記不正行為を発見する機会を高めることが可能となる。
特徴A6.前記共通手段により計測される一定の監視期間は、前記第1検知手段において一の遊技媒体を検知し続ける期間及び前記第2検知手段において一の遊技媒体を検知し続ける期間の両方よりも長く、且つ前記第1検知手段において一の遊技媒体の検知を開始してから次の遊技媒体の検知を開始するまでの最短期間及び前記第2検知手段において一の遊技媒体の検知を開始してから次の遊技媒体の検知を開始するまでの最短期間の両方よりも短い期間となるように設定されていることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A6によれば、監視期間の計測に際して共通手段を共通して利用する構成において、正規の遊技媒体の通過に対して特別処理が実行されてしまわないようにしながら、上記不正行為を発見する機会を高めることが可能となる。
特徴A7.前記第1検知手段の検知結果が特定検知結果となる事象が発生した場合にそれに対応する情報を記憶する第1記憶手段(例えば上作動口検知センサ33aに対応した取得済みフラグ)と、
前記第2検知手段の検知結果が特定検知結果となる事象が発生した場合にそれに対応する情報を記憶する第2記憶手段(例えば下作動口検知センサ34cに対応した取得済みフラグ)と、
前記特別処理実行手段は、前記第1記憶手段に前記対応する情報が記憶されている状況において前記第1検知手段の検知結果が特定検知結果となる事象が発生した場合に特別処理を実行し、前記第2記憶手段に前記対応する情報が記憶されている状況において前記第2検知手段の検知結果が特定検知結果となる事象が発生した場合に特別処理を実行するものであり、
当該遊技機は、一の監視期間の計測が完了した場合に、前記第1記憶手段に記憶されている前記対応する情報を消去し、且つ前記第2記憶手段に記憶されている前記対応する情報を消去する消去実行手段(MPU62におけるステップS503の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
前記第2検知手段の検知結果が特定検知結果となる事象が発生した場合にそれに対応する情報を記憶する第2記憶手段(例えば下作動口検知センサ34cに対応した取得済みフラグ)と、
前記特別処理実行手段は、前記第1記憶手段に前記対応する情報が記憶されている状況において前記第1検知手段の検知結果が特定検知結果となる事象が発生した場合に特別処理を実行し、前記第2記憶手段に前記対応する情報が記憶されている状況において前記第2検知手段の検知結果が特定検知結果となる事象が発生した場合に特別処理を実行するものであり、
当該遊技機は、一の監視期間の計測が完了した場合に、前記第1記憶手段に記憶されている前記対応する情報を消去し、且つ前記第2記憶手段に記憶されている前記対応する情報を消去する消去実行手段(MPU62におけるステップS503の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A7によれば、監視期間の計測に際して共通手段を共通して利用する構成において、一の監視期間の単位で、それまでの監視結果が消去されるため、監視を実行するための処理構成の簡素化が図られる。
特徴A8.予め定められた取得条件が成立した場合に数値情報を取得する取得手段(MPU62においてリーチ乱数カウンタC3の数値情報を保留格納エリア64aに格納する機能)と、
当該取得手段が取得した数値情報に応じた処理を実行する対応処理実行手段(MPU62において保留格納エリア64aに格納されたリーチ乱数カウンタC3の数値情報を利用してリーチ表示の実行の有無を決定する機能)と、
を備え、
前記共通手段は、予め定められた数値範囲内において数値情報が更新される数値提供手段(リーチ乱数カウンタC3)であって、前記取得条件が成立した場合に前記取得手段による数値情報の取得の対象となるものであることを特徴とする特徴A1乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
当該取得手段が取得した数値情報に応じた処理を実行する対応処理実行手段(MPU62において保留格納エリア64aに格納されたリーチ乱数カウンタC3の数値情報を利用してリーチ表示の実行の有無を決定する機能)と、
を備え、
前記共通手段は、予め定められた数値範囲内において数値情報が更新される数値提供手段(リーチ乱数カウンタC3)であって、前記取得条件が成立した場合に前記取得手段による数値情報の取得の対象となるものであることを特徴とする特徴A1乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A8によれば、対応処理実行手段において所定の処理を実行する上で利用される数値提供手段が、上記監視期間を計測するためのものとして兼用されるため、構成の簡素化が図られる。
特徴A9.前記対応処理実行手段は、遊技者に有利な特典を付与する処理とは異なる処理を実行するものであることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、特典の付与に関して不都合を生じさせないようにしながら、数値提供手段を兼用することが可能となる。
特徴A10.前記数値提供手段は、前記数値情報の更新が定期的に実行され、各更新周回の初期値が固定値であるものであることを特徴とする特徴A8又はA9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、数値提供手段を利用して監視期間の計測を行う上で、当該計測を行い易くなる。
特徴A11.遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(MPU62において保留格納エリア64aに格納された大当たり乱数カウンタC1の数値情報を利用して当否判定を実行する機能)と、
当該抽選手段の抽選結果が付与対応結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段(MPU62において開閉実行モードを実行する機能)と、
前記抽選手段の抽選結果の教示を可能とする演出が実行される演出実行手段(図柄表示装置41)と、
を備え、
前記対応処理実行手段は、前記数値提供手段から前記取得手段が取得した数値情報を利用して、前記演出実行手段において実行される演出の内容を決定するものであることを特徴とする特徴A8乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
当該抽選手段の抽選結果が付与対応結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段(MPU62において開閉実行モードを実行する機能)と、
前記抽選手段の抽選結果の教示を可能とする演出が実行される演出実行手段(図柄表示装置41)と、
を備え、
前記対応処理実行手段は、前記数値提供手段から前記取得手段が取得した数値情報を利用して、前記演出実行手段において実行される演出の内容を決定するものであることを特徴とする特徴A8乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A11によれば、特典の付与に関して不都合を生じさせないようにしながら、数値提供手段を兼用することが可能となる。
特徴A12.前記演出実行手段では、前記特典の付与に対する遊技者の期待感を高める演出として特別演出(リーチ表示)が実行される構成であり、
前記対応処理実行手段は、前記数値提供手段から前記取得手段が取得した数値情報を利用して、前記特別演出を実行するか否かの決定をし、
当該遊技機は、前記対応処理実行手段により前記特別演出を実行することが決定された場合に、その実行する特別演出の種類を決定する手段(MPU62において変動種別カウンタCSの数値情報を利用してリーチ表示の種類を決定する機能)を備えていることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
前記対応処理実行手段は、前記数値提供手段から前記取得手段が取得した数値情報を利用して、前記特別演出を実行するか否かの決定をし、
当該遊技機は、前記対応処理実行手段により前記特別演出を実行することが決定された場合に、その実行する特別演出の種類を決定する手段(MPU62において変動種別カウンタCSの数値情報を利用してリーチ表示の種類を決定する機能)を備えていることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
特徴A12によれば、数値提供手段を利用して決定されるのは特別演出の実行の有無であり、特別演出の種類の決定には利用されない。これにより、特別演出の実行に関して不都合を生じさせないようにしながら、数値提供手段を兼用することが可能となる。
<特徴B群>
特徴B1.通過領域を通過する遊技媒体を検知する検知手段(例えば上作動口検知センサ33a)と、
当該検知手段の検知結果が前記通過領域の遊技媒体の通過に対応した特定検知結果となったことを特定する特定手段(MPU62におけるステップS402〜ステップS408の処理を実行する機能)と、
当該特定手段の特定結果に基づいて、前記遊技媒体の通過が発生したことに対応した所定処理を実行する所定処理実行手段(MPU62におけるステップS411〜ステップS413の処理を実行する機能)と、
予め定められた数値範囲内において数値情報が更新される数値提供手段(リーチ乱数カウンタC3)と、
予め定められた取得条件が成立した場合に前記数値提供手段から数値情報を取得する取得手段(MPU62においてリーチ乱数カウンタC3の数値情報を保留格納エリア64aに格納する機能)と、
当該取得手段が取得した数値情報に応じた処理を実行する対応処理実行手段(MPU62において保留格納エリア64aに格納されたリーチ乱数カウンタC3の数値情報を利用してリーチ表示の実行の有無を決定する機能)と、
前記検知手段の検知結果が前記特定検知結果となる事象が監視期間内に発生したことに基づいて特別処理を実行する特別処理実行手段(MPU62におけるステップS907及びステップS908の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記監視期間の計測が前記数値提供手段を利用して行われることを特徴とする遊技機。
特徴B1.通過領域を通過する遊技媒体を検知する検知手段(例えば上作動口検知センサ33a)と、
当該検知手段の検知結果が前記通過領域の遊技媒体の通過に対応した特定検知結果となったことを特定する特定手段(MPU62におけるステップS402〜ステップS408の処理を実行する機能)と、
当該特定手段の特定結果に基づいて、前記遊技媒体の通過が発生したことに対応した所定処理を実行する所定処理実行手段(MPU62におけるステップS411〜ステップS413の処理を実行する機能)と、
予め定められた数値範囲内において数値情報が更新される数値提供手段(リーチ乱数カウンタC3)と、
予め定められた取得条件が成立した場合に前記数値提供手段から数値情報を取得する取得手段(MPU62においてリーチ乱数カウンタC3の数値情報を保留格納エリア64aに格納する機能)と、
当該取得手段が取得した数値情報に応じた処理を実行する対応処理実行手段(MPU62において保留格納エリア64aに格納されたリーチ乱数カウンタC3の数値情報を利用してリーチ表示の実行の有無を決定する機能)と、
前記検知手段の検知結果が前記特定検知結果となる事象が監視期間内に発生したことに基づいて特別処理を実行する特別処理実行手段(MPU62におけるステップS907及びステップS908の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記監視期間の計測が前記数値提供手段を利用して行われることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、検知手段の検知結果が特定検知結果となる事象が監視期間内に発生したことに基づいて特別処理が実行される。これにより、検知手段の検知結果を不正に特定検知結果とする行為が行なわれた場合に特別処理を実行することが可能となり、当該不正行為により遊技ホールが被る損害を抑制することが可能となる。この場合に、対応処理実行手段において所定の処理を実行する上で利用される数値提供手段が、上記監視期間を計測するためのものとして兼用されるため、構成の簡素化が図られる。
特徴B2.前記対応処理実行手段は、遊技者に有利な特典を付与する処理とは異なる処理を実行するものであることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、特典の付与に関して不都合を生じさせないようにしながら、数値提供手段を兼用することが可能となる。
特徴B3.前記数値提供手段は、前記数値情報の更新が定期的に実行され、各更新周回の初期値が固定値であるものであることを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、数値提供手段を利用して監視期間の計測を行う上で、当該計測を行い易くなる。
特徴B4.遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(MPU62において保留格納エリア64aに格納された大当たり乱数カウンタC1の数値情報を利用して当否判定を実行する機能)と、
当該抽選手段の抽選結果が付与対応結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段(MPU62において開閉実行モードを実行する機能)と、
前記抽選手段の抽選結果の教示を可能とする演出が実行される演出実行手段(図柄表示装置41)と、
を備え、
前記対応処理実行手段は、前記数値提供手段から前記取得手段が取得した数値情報を利用して、前記演出実行手段において実行される演出の内容を決定するものであることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
当該抽選手段の抽選結果が付与対応結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段(MPU62において開閉実行モードを実行する機能)と、
前記抽選手段の抽選結果の教示を可能とする演出が実行される演出実行手段(図柄表示装置41)と、
を備え、
前記対応処理実行手段は、前記数値提供手段から前記取得手段が取得した数値情報を利用して、前記演出実行手段において実行される演出の内容を決定するものであることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B4によれば、特典の付与に関して不都合を生じさせないようにしながら、数値提供手段を兼用することが可能となる。
特徴B5.前記演出実行手段では、前記特典の付与に対する遊技者の期待感を高める演出として特別演出(リーチ表示)が実行される構成であり、
前記対応処理実行手段は、前記数値提供手段から前記取得手段が取得した数値情報を利用して、前記特別演出を実行するか否かの決定をし、
当該遊技機は、前記対応処理実行手段により前記特別演出を実行することが決定された場合に、その実行する特別演出の種類を決定する手段(MPU62において変動種別カウンタCSの数値情報を利用してリーチ表示の種類を決定する機能)を備えていることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
前記対応処理実行手段は、前記数値提供手段から前記取得手段が取得した数値情報を利用して、前記特別演出を実行するか否かの決定をし、
当該遊技機は、前記対応処理実行手段により前記特別演出を実行することが決定された場合に、その実行する特別演出の種類を決定する手段(MPU62において変動種別カウンタCSの数値情報を利用してリーチ表示の種類を決定する機能)を備えていることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、数値提供手段を利用して決定されるのは特別演出の実行の有無であり、特別演出の種類の決定には利用されない。これにより、特別演出の実行に関して不都合を生じさせないようにしながら、数値提供手段を兼用することが可能となる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
10…パチンコ機、33…上作動口、33a…上作動口検知センサ、34c…下作動口検知センサ、41…図柄表示装置、62…MPU、64…RWM、64a…保留格納エリア、C3…リーチ乱数カウンタ。
Claims (1)
- 第1通過領域を通過する遊技媒体を検知する第1検知手段と、
第2通過領域を通過する遊技媒体を検知する第2検知手段と、
前記第1検知手段の検知結果が前記第1通過領域の遊技媒体の通過に対応した特定検知結果となったことを特定し、前記第2検知手段の検知結果が前記第2通過領域の遊技媒体の通過に対応した特定検知結果となったことを特定する特定手段と、
当該特定手段の特定結果に基づいて、前記遊技媒体の通過が発生したことに対応した所定処理を実行する所定処理実行手段と、
前記第1検知手段の検知結果が前記特定検知結果となる事象が監視期間内に発生したことに基づいて特別処理を実行し、前記第2検知手段の検知結果が前記特定検知結果となる事象が監視期間内に発生したことに基づいて特別処理を実行する特別処理実行手段と、
前記第1検知手段についての前記監視期間を計測する場合に利用され、前記第2検知手段についての前記監視期間を計測する場合に利用される共通手段と、
予め定められた取得条件が成立した場合に数値情報を取得する取得手段と、
当該取得手段が取得した数値情報に応じた処理であって遊技者に有利な特典を付与するための処理とは異なる処理を実行する対応処理実行手段と、
を備え、
前記共通手段は、予め定められた数値範囲内において数値情報の更新が定期的に実行され各更新周回の初期値が固定値である数値提供手段であって、前記取得条件が成立した場合に前記取得手段による数値情報の取得の対象となるものであって、前記監視期間の計測を繰り返し行うことを可能とするものであり、
前記共通手段により計測される前記監視期間は、前記第1検知手段において一の遊技媒体を検知し続ける期間及び前記第2検知手段において一の遊技媒体を検知し続ける期間の両方よりも長く、前記第1検知手段において一の遊技媒体の検知を開始してから次の遊技媒体の検知を開始するまでの最短期間及び前記第2検知手段において一の遊技媒体の検知を開始してから次の遊技媒体の検知を開始するまでの最短期間の両方よりも短い期間となるように設定されていることを特徴とする遊技機。
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JP2011062505A (ja) * | 2009-12-25 | 2011-03-31 | Sanyo Product Co Ltd | 遊技機 |
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