JP2019099655A - ホットメルト接着剤、接着方法及びウェットシート包装体 - Google Patents
ホットメルト接着剤、接着方法及びウェットシート包装体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019099655A JP2019099655A JP2017230576A JP2017230576A JP2019099655A JP 2019099655 A JP2019099655 A JP 2019099655A JP 2017230576 A JP2017230576 A JP 2017230576A JP 2017230576 A JP2017230576 A JP 2017230576A JP 2019099655 A JP2019099655 A JP 2019099655A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lid
- melt adhesive
- hot melt
- water
- opening
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Containers And Packaging Bodies Having A Special Means To Remove Contents (AREA)
- Packages (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
Abstract
Description
そこで、ホットメルト接着剤による接着強度を向上する必要が生じるが、そのための手法としては、例えば、1.用いるホットメルト接着剤の主成分自体の組成を接着強度が強固なものに変える、2.ホットメルト接着剤の塗布量を多くする、3.接着時のプレスの圧力を上げる等の手法が考えられるが、1.については主成分自体の価格が高くなることが多く、2.についてはホットメルト接着剤の使用量が増加し、3.については生産設備の改造を要することから、いずれにしても大きなコストの増大を招く。
セルロースナノファイバーと、水に溶解したときに負電荷を帯びる水溶性高分子と、を含むことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、コストの増大を抑えつつ、ホットメルト接着剤の接着強度を向上させることができる。
前記セルロースナノファイバーは、1.5×10−5%以上、2.0%以下の割合で含まれていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、コストの増大を抑えつつ、ホットメルト接着剤の接着強度をさらに向上させることができる。
前記水溶性高分子は、カルボキシメチルセルロースであることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、コストの増大を抑えつつ、ホットメルト接着剤の接着強度をさらに向上させることができる。
前記水溶性高分子は、1.5×10−5%以上、18%以下の割合で含まれていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、コストの増大を抑えつつ、ホットメルト接着剤の接着強度をさらに向上させることができる。
ポリプロピレンを用いて製作された部品と、ポリエチレンテレフタレートを用いて製作されたシート材と、を請求項1から4のいずれか一項に記載のホットメルト接着剤によって接着する接着方法である。
請求項5に記載の発明によれば、コストの増大を抑えつつ、ポリプロピレンを用いて製作された部品と、ポリエチレンテレフタレートを用いて製作されたシート材との接着強度を向上させることができる。
ポリエチレンテレフタレートを用いて製作されたシート材同士を、請求項1から4のいずれか一項に記載のホットメルト接着剤によって接着する接着方法である。
請求項6に記載の発明によれば、コストの増大を抑えつつ、ポリエチレンテレフタレートを用いて製作されたシート材同士の接着強度を向上させることができる。
シート材によって袋状に形成され、開口部を有する袋本体と、
蓋開口部を有する枠体と、前記蓋開口部を開閉自在に閉塞する開閉蓋部と、を備える蓋体と、
を備え、
前記袋本体と前記蓋体の枠体とは、前記開口部と前記蓋開口部とが重なった状態で、請求項1から4のいずれか一項に記載のホットメルト接着剤を用いて接着されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、コストの増大を抑えつつ、ウェットシート包装体において、袋本体と蓋体との接着強度を向上させることができる。
本発明の実施形態であるホットメルト接着剤は、主成分と、セルロースナノファイバー(以下、「CNF」という。)と、水溶性高分子とを混合したものである。
主成分としては、例えば、ポリウレタン等の合成ゴムや、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)等が用いられる。主成分としては、一般的にホットメルト接着剤に用いられる任意の物質を使用可能であり、主成分の種類を問わず本発明の効果を得ることができる。
CNFとは、パルプ繊維を解繊して得られる微細なセルロース繊維をいい、一般的に繊維幅がナノサイズ(1nm以上、1000nm以下)のセルロース微細繊維を含むセルロース繊維をいうが、平均繊維幅は、100nm以下の繊維が好ましい。
まず、固形分濃度0.01〜0.1質量%のセルロースナノファイバーの水分散液100mlをテフロン(登録商標)製メンブレンフィルターでろ過し、エタノール100mlで1回、t−ブタノール20mlで3回溶媒置換する。
次に、凍結乾燥し、オスミウムコーティングして試料とする。この試料について、構成する繊維の幅に応じて5000倍、10000倍又は30000倍のいずれかの倍率で電子顕微鏡SEM画像による観察を行う。具体的には、観察画像に二本の対角線を引き、対角線の交点を通過する直線を任意に三本引く。さらに、この三本の直線と交錯する合計100本の繊維の幅を目視で計測する。そして、計測値の中位径(メジアン径)を平均繊維径とする。
例えば、パルプ繊維に対して機械的手法の解繊処理を施したものに、カルボキシメチル化等の化学的処理を施しても良いし、酵素処理を施してもよい。
また、化学的処理や酵素処理を施したCNFに、機械的手法の解繊処理を施してもよい。
1.5×10−5%より少ないと、接着強度を改善する効果が十分ではなく、また2.0%よりも多いと、CNFが凝集し易くなり、却って効果が妨げられる。
水溶性高分子としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(以下、「CMC」という。)、グリセリン、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース等が用いられる。水溶性高分子としては、水に溶解したときに負電荷を帯びる物質であれば、任意のものを使用可能であるが、CMCはCNFと構造的に類似しており、CNFと結合し易く、他の水溶性高分子と比較してよりCNFの凝集を防ぐ効果が期待できることから、CMCを用いることが好ましい。
このような水溶性高分子は、CNFのOH基に、負に帯電した水溶性高分子が結合することで、静電相互作用により立体障害的に分子同士を離れやすくし、CNFの凝集を防ぎ、その効果を高めることができる。
なお、CNFが、機械的手法の解繊処理のみで科学的処理を施していないものである場合には、凝集し易いことから、水溶性高分子を加えることが必須となる。これに対し、TEMPO酸化、カルボキシメチル化などのCNFのOH基を変化させ、CNFの凝集を防ぐ化学修飾を施したCNFであれば、凝集し難いため、水溶性高分子を加えることは必須ではない。
実施形態に係るホットメルト接着剤を用いて作製される物品の一例として、ウェットシート包装体1について説明する。
まず、包装体30の構成について説明する。
包装体30は、袋本体10の内部にウェットシートSが複数枚積層された状態で収納され、開口部11からウェットシートSが1枚ずつ取り出されて使用される。
なお、以下の説明では、包装体30において、開口部11が形成された面を上面、開口部11が形成された面と反対側の面を底面とする。
袋本体10は、シート材により袋状に構成されている。シート材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂シートの単材又は複合材、或いはこれら合成樹脂シートとアルミフォイル、紙等を貼り合わせた複合シート等を使用することができる。
また、袋本体10を構成するシート材は、袋本体10の底面側(図示略)で袋本体10の長手方向に沿って接合されるとともに、袋本体10の長手方向の両端部で対向する面同士が接合されている。
蓋材20は、袋本体10とは別体のシート片により、開口部11を開閉自在に覆うように構成されている。蓋材20の材質としては、袋本体10と同様に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂シートの単材又は複合材、或いはこれら合成樹脂シートとアルミフォイル、紙等を張り合わせた複合シート等を使用することができる。蓋材20の形状は、開口部11を完全に覆うことができれば特に限定されることはなく、例えば、矩形状、楕円形状など任意の形状とすることができる。
また、蓋材20の裏面には、ポリエステル系、アクリル系、ゴム系等の感圧接着剤が塗布されており、蓋材20は、開口部11を開閉自在に覆うように袋本体10に接着されるようになっている。
ウェットシートSは、上記の包装体30の内部に、複数枚積層された状態で収納されている。なお、ウェットシートSを積層する枚数としては、10〜100枚程度であることが好ましい。ウェットシートSは、所定の繊維を繊維素材として、例えば、スパンレース、エアスルー、エアレイド、ポイントボンド、スパンボンド、ニードルパンチ等の周知の技術により製造される不織布である。所定の繊維としては、例えば、レーヨン、リヨセル、テンセル、コットン等のセルロース系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール等のポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル繊維、ナイロン等のポリアミド系繊維が挙げられる。これらは単独で、或いは2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、ウェットシートSは、紙で形成されていてもよい。
次に、蓋体100の構成について説明する。
蓋体100は、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)等の熱可塑性樹脂で形成されている。
蓋体100は、袋本体10の開口部11を閉塞するものであり、図1及び図2に示すように、開口部11及び蓋材20を外方から囲繞する蓋開口部111が形成された枠体110と、枠体110に開閉自在に設けられるとともに枠体110の表面側から蓋開口部111を閉塞する開閉蓋部120と、開閉蓋部120を枠体110に回動自在に連結させるヒンジ部130と、を備えて構成され、これらは一体的に形成される。また、開閉蓋部120の肉厚は、0.5〜2.0mm程度であり、樹脂の使用量低減や柔らかな使用感を得るという観点から、1.0mm以下とすることが好ましい。
枠体110の外形は、袋本体10の長手方向に長尺な矩形状をなし、短手方向の一端部でヒンジ部130を介して開閉蓋部120と連結されている。枠体110は、ホットメルト接着剤により、その裏面と袋本体10とが接着固定されている。そして、この蓋体100の枠体110と、袋本体10との接着のためのホットメルト接着剤として、上記の実施形態に係るホットメルト接着剤が用いられ、枠体110の蓋開口部111の周囲の全周において、枠体110と、袋本体10とが接着されている。
枠体110には、表面側に突出する嵌合部112が、蓋開口部111に沿って周設されている。
嵌合部112は、図1、図4及び図5に示すように、平面視略楕円形状の内壁部113及び外壁部114と、内壁部113及び外壁部114の間に形成された表側溝部としての溝部115と、により形成されている。この溝部115に、開閉蓋部120に設けられた突起部121が嵌合する(図4及び図5参照)。なお、図4及び図5は、開閉蓋部120を閉めた状態、即ち、溝部115に突起部121が嵌合した状態における断面図をそれぞれ示している。
また、蓋開口部111とヒンジ部130が最も近接した位置における突起部121とヒンジ部130の距離Lは、突起部121と嵌合部112の重なり高さH1の5倍以上、好ましくは10倍以上である。このように、突起部121とヒンジ部130の距離を十分取ることにより、開閉蓋部120を開閉する際の突起部121と外壁部114との干渉を減らすことができる。
なお、図示例においては、蓋開口部111は、枠体110の短手方向中央部に設けられているが、短手方向においてヒンジ部130から離間する方向に偏った位置に設けると、蓋体100の限られた寸法を有効に活用できるため、より好ましい。或いは、図1に示すように、ヒンジ部130を蓋体100の外周から突出するように設けるのも、距離Lを大きく取るために好ましい形態の一つである。
外壁部114は、枠体110の短手方向の両端部の長手方向中央部が切り欠かれて開放されている。
また、枠体110の短手方向の他端部には、係止部117を挟んでそれぞれ1つずつ押さえ部116、116が設けられている。
押さえ部116、116は、枠体110から水平に突出した平面板形状であるが、使用者が指で下方に押さえることができる形状であれば、いかなる形状に形成されていてもよい。
本実施形態に係る開閉蓋部120は、上述のように肉薄とするのが好ましいが、その場合、蓋体100を開ける際に、使用者が開閉蓋部120の中央部(突起部121の内部)を指(例えば、左手の中指)で下方に押さえつつ、開閉蓋部120の摘み部123を他の指(例えば、左手の親指)で押し上げようとすると、開閉蓋部120の中央部が下方向に変形することにより、短手方向両端部の突起部121の先端部分が外方に向けて変形し、外壁部114と干渉するため、開閉蓋部120が開くことの妨げとなる。本実施形態のように、押さえ部116、116が設けられていると、開閉蓋部120の中央部が押さえられることが少なくなるため、突起部121と外壁部114との干渉を避けることができる。
なお、図6は、説明の都合上、開閉蓋部120の裏面側に設けられたリブ122、122の記載を省略している。
開閉蓋部120には、裏面側に突出して枠体110の溝部115に嵌合する裏側突起部としての突起部121が、溝部115の位置に対応して周設されている。
突起部121の内部には、開閉蓋部120の短手方向に延在する2本のリブ122、122が形成されている。これにより、開閉蓋部120の突起部121の内部の剛性が、突起部121の外部の剛性よりも高くなっている。なお、形成されるリブ122、122の本数は2本に限定されるものではなく、1本でもよいし、3本以上形成するようにしてもよい。或いは、開閉蓋部120の突起部121の内部の肉厚を、突起部121の外部の肉厚よりも10〜100%程度厚くしてもよいが、リブ122を設ける方が樹脂の使用量を低減できるためより好ましい。
このように、開閉蓋部120の突起部121の内部の剛性が、突起部121の外部の剛性よりも高くなっていると、蓋体100を開ける際に、使用者が開閉蓋部120の中央部(突起部121の内部)を指(例えば、左手の中指)で下方に押さえたとしても、開閉蓋部120の中央部が下方向に変形しにくいため、突起部121と外壁部114との干渉を軽減することができる。
蓋体100の枠体110と袋本体10との接着は、具体的には例えば以下のようにしてなされる。
まず、上記実施形態に係るホットメルト接着剤を、約180℃に加温し、ロール転写で枠体110の裏に塗る。続いて、これを蓋開口部111と袋本体10の開口部11とが重なるように、袋本体10の上面を形成するシート材に接着させる。
ホットメルト接着剤については、主成分にCNF及び水溶性高分子が予め混ぜ込まれたものを用いてもよいし、主成分のみからなるホットメルト接着剤をロール転写した後、CNF及び水溶性高分子を含む溶液を転写又はスプレー塗布し、接着後において硬化前に上から圧力をかけることで、CNF及び水溶性高分子が、塗布後において主成分と混ざり合うようにしてもよい。
このように、主成分にCNF及び水溶性高分子が予め混ぜ込まれたものを用いずとも、主成分と、CNF及び水溶性高分子を含む溶液と、を別個に塗布した上で、圧力をかけて塗布後に混ざり合うようにすることで、本発明の効果を得ることができる。
なお、主成分にCNF及び水溶性高分子が予め混ぜ込まれたものを用いる場合については、圧力をかける工程を経ることは必須ではないが、確実な接着のためにこのような過程を経てもよい。
また、ホットメルト接着剤の塗り方のパターンとしては、枠体110の裏面の全面に塗ってもよいが、線状(実線状、点線状やストライプ状)にすることが望ましい。線状であれば、無駄なく均一にホットメルト接着剤を塗布でき、またホットメルト接着剤が枠体110からはみ出すのを防ぐことができる。
本実施形態に係るホットメルト接着材によれば、CNF及び水溶性高分子が混合されていることによって、用いるホットメルト接着剤の主成分自体の組成を変更したり、塗布量を増加させたり、接着時のプレスの圧力を上げたりすることなく、ホットメルト接着剤による接着強度を改善することができる。
なお、水溶性高分子が混合されていなくても、CNFが、TEMPO酸化、カルボキシメチル化などのCNFのOH基を変化させ、CNFの凝集を防ぐ化学修飾を施したCNFであれば、上記効果を得ることができるが、水溶性高分子が混合されている場合には、CNFの性質を問わず、上記の効果を得ることができる。
この際、CNFや、水溶性高分子自体は安価であるから、これをホットメルト接着剤に単純に混合させるのみであれば、大きなコストの増大を招くことはない。したがって、コストの増大を抑えつつ、ホットメルト接着剤の接着強度を改善させることが可能となる。
また、このようなホットメルト接着剤を用いて、ウェットシート包装体1の蓋体100の枠体110と、包装体30の袋本体10、を接着することによって、内部の衛生用薄葉紙Pを取り出す際等に、蓋体100が外れ難いウェットシート包装体を、コストの増大を抑えつつ、作製することができる。
また、ホットメルト接着剤にCNFや水溶性高分子に加えても、例えば、これを用いて接着した物品の廃棄の際に妨げとなったり、また、接着剤を変色させ、これを用いて接着した場合の見た目を損ねたりといった弊害を生じさせることもない。
また、一般的にホットメルト接着剤は、低温、具体的には気温4℃以下となると硬化してしまい、接着強度が低下することから、寒冷地での使用は困難であるが、本実施形態に係るホットメルト接着剤によれば、CNFが混合されていることによって硬化点が下がることから、より寒冷な地域での使用が可能となる。
なお、本実施形態においては、ウェットシート包装体1において、合成樹脂製のシート材で形成された袋本体10と、熱可塑性樹脂で形成された蓋体100とが接着される場合につき説明したが、実施形態に係るホットメルト接着剤によって接着することのできる物品はこれに限られず、例えばシート材同士等、ホットメルト接着剤によって接着することのできるあらゆる物品の接着に活用することができる。また、例えば、段ボール箱等の封函や、オムツの製作時の各部の接着等にも用いることができる。
以下の実施例及び比較例に係るホットメルト接着剤を用意した。
主成分としての合成ゴム(具体的には、積水フーラー社製のホットメルトシートエスダイン9165Sを用いた。)に、CNF1.7%、CMC1.7%、水96.6%の溶液を加え作製した、合成ゴムを99.98%、CNFを1.4×10-4%、水溶性高分子としてのCMCを1.4×10-4%、水を0.016%の割合で混合したホットメルト接着剤である。なお、試験時においては、予め主成分に対して上記溶液を混ぜ込むのではなく、下記試験内容に記載のように、別個に塗布した上で圧力をかけて、これらが塗布後において上記の割合で混ざり合うようにした。この点は比較例1から3においても同様である。
ここで使用したCNFは、NBKP100%のCNFである。CNFの平均繊維幅(メジアン径)が49nmのCNFを使用した。このCNFは、NBKPをリファイナー処理して粗解繊した後、高圧ホモジナイザーを用いて、4回処理して解繊することにより得られたものである。CNFの繊維幅の測定方法は、段落0019に記載した通りである。
また、ここで使用したCMCは、CMC1330(ダイセル社)である。
主成分としての合成ゴムに、CNF2.0%、水98.0%の溶液を加え作製した、主成分としての合成ゴムを99.98%、CNFを1.4×10-4%、水を2.0×10-3%の割合で混合したホットメルト接着剤である。ここで用いた主成分及びCNFは、実施例1と同様である。
主成分としての合成ゴムに、CMC2.0%、水98.0%の溶液を加え作製した、主成分としての合成ゴムを99.98%、CMCを1.4×10-4%、水を2.0×10-3%の割合で混合したホットメルト接着剤である。ここで用いた主成分及びCMCは、実施例1と同様である。
主成分としての合成ゴムに、水を加え作製した、主成分としての合成ゴムを99.975%、水を2.5×10-2%の割合で混合したホットメルト接着剤である。ここで用いた主成分は、実施例1と同様である。
主成分としての合成ゴムを100%としたホットメルト接着剤である。ここで用いた主成分は、実施例1と同様である。
上記実施例及び比較例のホットメルト接着剤を用いて、以下の2種類の試験を行った。
ポリプロピレンを用いて、枠体が、平面視において一辺50mmの略正方形状となるように形成された蓋体を、ポリエチレンテレフタレート(PET)層及び直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)層の2層からなるシート材(PET12/LLDPE50)を用いた袋本体に対し、実施例又は比較例のホットメルト接着剤を用いて接着した。
具体的には、上記枠体に対して、その端部に沿って、一辺50mmの略正方形状に、幅2mmの範囲に対し、各実施例及び比較例に対応した溶液又は水を、略均等に計200μl塗布した。なお、比較例4については、何も塗布しないこととなる。
続いて、主成分としての合成ゴム(積水フーラー社製のホットメルトシートエスダイン9165S)を、上記と同様の範囲に貼付した。この場合、主成分は、300mg貼付されたこととなる。
続いて主成分を貼付した部分の全面に、各実施例及び比較例に対応した溶液又は水を、略均等に200μl塗布した。なお、ここでも比較例4については、何も塗布しないこととなる。
続いて、上記蓋体を、上記袋本体に貼り付けた後、60℃に保たれた恒温槽に入れ、1kgの荷重をかけた状態で、3日間静置した。なお、この際には、蓋体は、袋本体を形成するシート材(PET12/LLDPE50)の外面側、すなわち、PET層側に貼り付けられることとなる。
その後、接着強度を測定した。
具体的には、引張試験機(A&D社製のTENSIRON RTG1210)を用いて、蓋体の枠体と、袋本体の蓋体が接着されている面のシート材の上面と、を引張試験機のチャックで挟み、チャック間距離100mm、速度500mm/minの条件で、蓋体と袋本体とが剥がれるときの最大荷重点を測定した。
ポリエチレンテレフタレート(PET)層及び直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)層の2層からなるシート材(PET12/LLDPE50)同士を、実施例又は比較例のホットメルト接着剤を用いて接着した。
具体的には、シート材を2枚用意し、その内の一方のPET層側に、一辺50mmの略正方形状に、幅2mmの範囲に対し、各実施例及び比較例に対応した溶液又は水を、略均等に計200μl塗布した。なお、比較例4については、何も塗布しないこととなる。
続いて、主成分としての合成ゴム(積水フーラー社製のホットメルトシートエスダイン9165S)を、上記と同様の範囲に貼付した。この場合、主成分は、300mg貼付されたこととなる。
続いて主成分を貼付した部分の全面に、各実施例及び比較例に対応した溶液又は水を、略均等に200μl塗布した。なお、ここでも比較例4については、何も塗布しないこととなる。
続いて、上記シート材に、もう一方のシート材をPET層側が向かい合うように貼り付けた後、60℃に保たれた恒温槽に入れ、1kgの荷重をかけた状態で、3日間静置した。
その後、接着強度を測定した。
具体的には、引張試験機(A&D社製のTENSIRON RTG1210)を用いて、接着されたシート材の両者を引張試験機のチャックで挟み、チャック間距離50mm、速度500mm/minの条件で、シート材同士の接着が剥がれるときの最大荷重点を測定した。
実施例1と、比較例1から4との比較により、ポリプロピレンによって形成された蓋体とポリエチレンテレフタレートによって形成されたシート材との接着、ポリエチレンテレフタレートによって形成されたシート材同士の接着のいずれの場合においても、ホットメルト接着剤に、主成分の他にCNF及び水溶性高分子(CMC)を加えることで、ホットメルト接着剤の接着強度を改善することができることが分かる。
なお、試験を行ったポリプロピレンとポリエチレンテレフタレートの接着、ポリエチレンテレフタレート同士の接着の他にも、例えば、ポリプロピレン同士の接着、ポリエチレンとポリプロピレンとの接着等においても、ホットメルト接着剤に、主成分の他にCNF及び水に溶解したときに負電荷を帯びる水溶性高分子を加えることで、ホットメルト接着材の接着強度を改善することができる。
11 開口部
100 蓋体
110 枠体
111 蓋開口部
120 開閉蓋部
Claims (7)
- セルロースナノファイバーと、水に溶解したときに負電荷を帯びる水溶性高分子と、を含むことを特徴とするホットメルト接着剤。
- 前記セルロースナノファイバーは、1.5×10−5%以上、2.0%以下の割合で含まれていることを特徴とする請求項1に記載のホットメルト接着剤。
- 前記水溶性高分子は、カルボキシメチルセルロースであることを特徴とする請求項1又は2に記載のホットメルト接着剤。
- 前記水溶性高分子は、1.5×10−5%以上、18%以下の割合で含まれていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のホットメルト接着剤。
- ポリプロピレンを用いて製作された部品と、ポリエチレンテレフタレートを用いて製作されたシート材と、を請求項1から4のいずれか一項に記載のホットメルト接着剤によって接着する接着方法。
- ポリエチレンテレフタレートを用いて製作されたシート材同士を、請求項1から4のいずれか一項に記載のホットメルト接着剤によって接着する接着方法。
- シート材によって袋状に形成され、開口部を有する袋本体と、
蓋開口部を有する枠体と、前記蓋開口部を開閉自在に閉塞する開閉蓋部と、を備える蓋体と、
を備え、
前記袋本体と前記蓋体の枠体とは、前記開口部と前記蓋開口部とが重なった状態で、請求項1から4のいずれか一項に記載のホットメルト接着剤を用いて接着されていることを特徴とするウェットシート包装体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017230576A JP7038529B2 (ja) | 2017-11-30 | 2017-11-30 | 接着方法及びウェットシート包装体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017230576A JP7038529B2 (ja) | 2017-11-30 | 2017-11-30 | 接着方法及びウェットシート包装体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019099655A true JP2019099655A (ja) | 2019-06-24 |
JP7038529B2 JP7038529B2 (ja) | 2022-03-18 |
Family
ID=66975937
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017230576A Active JP7038529B2 (ja) | 2017-11-30 | 2017-11-30 | 接着方法及びウェットシート包装体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7038529B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021075674A (ja) * | 2019-11-11 | 2021-05-20 | 日本製紙株式会社 | 接着剤組成物、その製造方法及び用途 |
JP7546899B2 (ja) | 2020-09-08 | 2024-09-09 | 株式会社成光工業 | セルロースナノファイバーの繊維の粉体を含有するホットメルト接着剤 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1161067A (ja) * | 1997-08-26 | 1999-03-05 | Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd | ホットメルト接着剤組成物 |
JP2013199526A (ja) * | 2012-03-23 | 2013-10-03 | Dic Corp | 湿気硬化型ポリウレタンホットメルト組成物 |
JP2014132072A (ja) * | 2012-12-05 | 2014-07-17 | Nippon Paper Industries Co Ltd | 水系接着剤組成物 |
WO2015107995A1 (ja) * | 2014-01-17 | 2015-07-23 | 日本製紙株式会社 | アニオン変性セルロースナノファイバーの乾燥固形物及びその製造方法 |
JP6189559B1 (ja) * | 2016-05-19 | 2017-08-30 | スターライト工業株式会社 | 組成物製造用粉末状セルロースナノファイバー、組成物製造用粉末状セルロースナノファイバーの製造方法、ならびに組成物 |
-
2017
- 2017-11-30 JP JP2017230576A patent/JP7038529B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1161067A (ja) * | 1997-08-26 | 1999-03-05 | Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd | ホットメルト接着剤組成物 |
JP2013199526A (ja) * | 2012-03-23 | 2013-10-03 | Dic Corp | 湿気硬化型ポリウレタンホットメルト組成物 |
JP2014132072A (ja) * | 2012-12-05 | 2014-07-17 | Nippon Paper Industries Co Ltd | 水系接着剤組成物 |
WO2015107995A1 (ja) * | 2014-01-17 | 2015-07-23 | 日本製紙株式会社 | アニオン変性セルロースナノファイバーの乾燥固形物及びその製造方法 |
JP6189559B1 (ja) * | 2016-05-19 | 2017-08-30 | スターライト工業株式会社 | 組成物製造用粉末状セルロースナノファイバー、組成物製造用粉末状セルロースナノファイバーの製造方法、ならびに組成物 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021075674A (ja) * | 2019-11-11 | 2021-05-20 | 日本製紙株式会社 | 接着剤組成物、その製造方法及び用途 |
JP7426810B2 (ja) | 2019-11-11 | 2024-02-02 | 日本製紙株式会社 | 接着剤組成物、その製造方法及び用途 |
JP7546899B2 (ja) | 2020-09-08 | 2024-09-09 | 株式会社成光工業 | セルロースナノファイバーの繊維の粉体を含有するホットメルト接着剤 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP7038529B2 (ja) | 2022-03-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6808691B1 (en) | Sealable sterilizing packaging material | |
US20110163100A1 (en) | Package | |
US20070038197A1 (en) | Individually-packaged hygiene article and absorbent article provided therewith | |
JP2005525912A (ja) | 改良された開放手段を有するタンポン包装体 | |
JP2018053400A (ja) | ヒートシールシートおよび包装体 | |
BR112015015480B1 (pt) | Corpo absorvente e artigo absorvente contendo o referido corpo absorvente | |
EP2832659B1 (en) | Container, container package | |
US7762426B2 (en) | Seal for dispensing container having dispensing opening | |
JP2019099655A (ja) | ホットメルト接着剤、接着方法及びウェットシート包装体 | |
JP2023543582A (ja) | 天然繊維を有する封止された吸収性物品パッケージ | |
US7758952B2 (en) | Reinforced sterilising packaging material and packaging countering said material | |
CN104254485B (zh) | 包装体和包装体封袋 | |
US20030038041A1 (en) | Container suitable for dispensing wet wipes | |
KR20150001275U (ko) | 물티슈 포장 대 | |
JP7076197B2 (ja) | 熱融着フィルムの融着方法、包装方法及び包装体 | |
JP7169789B2 (ja) | 衛生薄葉紙包装体 | |
WO2019123884A1 (ja) | 蓋用ラベル、及び湿潤シート用包装体 | |
US20210339274A1 (en) | Tubular holder | |
CN112739243B (zh) | 湿式片材层叠体、湿式片材包装体以及湿式片材层叠体的制造方法 | |
WO2022255457A1 (ja) | 衛生物品の収容体 | |
JP7248423B2 (ja) | シート積層体及びシート包装体 | |
WO2024075655A1 (ja) | ヒートシールシートおよび滅菌包装体 | |
EP4410705A1 (en) | Packaging bag and sheet packaging body | |
JP2016068958A (ja) | ヒートシール用フィルターバック用紙 | |
JP4640804B2 (ja) | 薬液封入体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20201030 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210713 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210720 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210915 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220222 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220308 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7038529 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |