JP2019098817A - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転者の操舵操作によって移行制御時間を変化させることができる車両用操舵装置を提供する。【解決手段】自動操舵解除制御部46Aは、移行制御開始条件を満たしたときに、その時点において角度制御部42によって設定されている角度制御用目標トルクを、移行制御開始時の角度制御用目標トルクとして記憶する手段と、移行制御開始時の角度制御用目標トルクと路面負荷推定部43によって推定される路面負荷トルクとに基づいて移行制御時用の目標自動操舵トルクを演算し、角度偏差Δθに応じた値の絶対値を用いて移行制御用の目標自動操舵トルクと目標アシストトルクとを重み付け加算することによって目標モータトルクを演算し、当該目標モータトルクに基づいて電動モータ18を制御する手段とを含む。【選択図】図2

Description

この発明は、自動で操舵角を制御する自動操舵制御と、手動で操舵角を制御する手動操舵制御(アシスト制御)とを同じ電動モータを用いて実現することができる車両用操舵装置に関する。
下記特許文献1には、自動で操舵角を制御する自動操舵制御と、手動操舵制御とを同じアクチュエータ(電動モータ)を用いて実現することができる車両用操舵装置が開示されている。特許文献1に記載の発明では、アクチュエータによってステアリングシャフトに付与すべき操舵トルク(以下、目標アクチュエータトルクTtという)は、次式(a)で表される。
Tt=Kasst・Tasst+Kauto・Tauto …(a)
前記式(a)において、Tasstは、目標アシストトルクであり、Tautoは自動操舵制御を行うための目標操舵トルク(以下、目標自動操舵トルクという)であり、KasstおよびKautoはそれぞれ重み係数である。アクチュエータは、目標アクチュエータトルクTtと一致するトルクを発生するように制御される。
手動操舵制御時には、Kautoは零とされるため、Tt=Kasst・Tasstとなる。また、手動操舵制御中は、係数Kasstは1に設定されるため、Tt=Tasstとなる。自動操舵制御時には、前記式(a)に基づいて、目標アクチュエータトルクTtが演算される。自動操舵制御中は、運転者によるステアリング操作が加えられなければ、自動操舵制御開始と終了のとき以外は、操舵トルクは0となるので、目標アシストトルクTasstは0となる。また、自動操舵制御中は、係数Kautoは1に設定されるため、Tt=Tautoとなる。
特許文献1に記載の発明では、自動操舵制御中に操舵介入が検出された場合に、自動操舵制御から手動操舵制御へ移行させるための移行制御が開始される。この移行制御においては、所定時間が経過するごとに、Kautoの値を所定値K1だけ減少させるとともにKasstの値を所定値K2だけ増加させる。ただし、Kautoの値が0を下回ったときには0に固定され、Kasstの値が1を上回ったときには1に固定される。そして、更新後のKautoおよびKasstを用いて目標アクチュエータトルクTtを演算し、演算された目標アクチュエータトルクTtと一致するトルクがアクチュエータから発生するようにアクチュエータが制御される。このようにして、Kautoの値が0でかつKasstの値が1になると、移行制御は終了する。
特開2004-256076号公報
特許文献1に記載の移行制御では、Kautoの値が時間に対して漸次減少され、Kasstの値が時間に対して漸次増加される。そして、Kautoの値が0でかつKasstの値が1になると、移行制御は終了する。これにより、自動操舵制御を解除する際に、目標アクチュエータトルクTtの変動を抑制できるので、運転者が感じる違和感を低減することができる。しかしながら、特許文献1に記載の発明では、移行制御が開始してから終了するまでの時間(移行制御時間)は常に一定となるから、運転者の操舵操作によって移行制御時間を変化させることはできない。このため、例えば、緊急時において、自動操舵制御から手動操舵制御への切り替えを、急速に行うことができないおそれがある。
この発明の目的は、運転者の操舵操作によって移行制御時間を変化させることができる車両用操舵装置を提供することである。
請求項1に記載の発明は、車両の転舵機構(4)に操舵力を付与する電動モータ(18)と、目標操舵角と実操舵角との間の角度偏差を零に近づけるための角度制御用目標トルクを設定する設定手段(42)と、前記電動モータの駆動対象が路面から受ける路面負荷トルクを推定する推定手段(43)と、前記設定手段によって設定される角度制御用目標トルクと、前記推定手段によって推定される路面負荷トルクとに基づいて目標自動操舵トルクを設定し、当該目標自動操舵トルクに基づいて前記電動モータを制御することによって自動操舵制御を行う自動操舵制御手段(44,46)と、操舵トルクに応じた目標アシストトルクに基づいて前記電動モータを制御することによって手動操舵制御を行う手動操舵制御手段(41,46)と、前記自動操舵制御手段による自動操舵制御中の運転者の操舵操作に基づいて、自動操舵制御を手動操舵制御に切り替える自動操舵解除手段(46A)とを含み、前記自動操舵解除手段は、操舵トルクの絶対値が第1所定値以上であるという条件を少なくとも含む移行制御開始条件を満たしたときに、移行制御を行う移行制御手段を含み、前記移行制御手段は、前記移行制御開始条件を満たしたときに、その時点において前記角度制御用目標トルクによって設定されている角度制御用目標トルクを、移行制御開始時の角度制御用目標トルクとして記憶する第1手段と、前記移行制御開始時の角度制御用目標トルクと前記推定手段によって推定される路面負荷トルクとに基づいて移行制御用の目標自動操舵トルクを演算し、前記角度偏差に応じた値の絶対値を用いて前記移行制御用の目標自動操舵トルクと前記目標アシストトルクとを重み付け加算することによって目標モータトルクを演算し、当該目標モータトルクに基づいて前記電動モータを制御する第2手段と、前記角度偏差に応じた値の絶対値が第2所定値よりも大きくなったときに、前記移行制御を終了し、自動操舵制御を手動操舵制御に切り替える第3手段とを含む、車両用操舵装置である。なお、括弧内の英数字は後述の実施形態における対応構成要素等を表すが、むろん、この発明の範囲は当該実施形態に限定されない。
この構成では、目標操舵角と実操舵角との間の角度偏差に応じた値の絶対値を用いて移行制御用の目標自動操舵トルクと目標アシストトルクとを重み付け加算することによって目標モータトルクを演算している。したがって、この構成では、運転者の操舵操作によって移行制御時間を変化させることができる。
請求項2に記載の発明は、前記移行制御手段は、前記移行制御開始条件を満たしたときに、その時点での前記角度偏差を移行制御開始時の角度偏差として記憶する第4手段をさらに含み、前記角度偏差に応じた値は、現在の角度偏差と移行制御開始時の角度偏差との差である、請求項1に記載の車両用操舵装置である。
請求項3に記載の発明は、前記第2手段は、前記第2所定値に対する前記角度偏差に応じた値の絶対値の比に基づいて、前記移行制御時用の目標自動操舵トルクと前記目標アシストトルクとを重み付け加算することによって前記目標モータトルクを演算するように構成されている、請求項1または2に記載の車両用操舵装置である。
請求項4に記載の発明は、前記角度偏差に応じた値をΔθxとし、前記移行制御開始時の角度制御用目標トルクをTm,acoとし、前記推定手段によって推定される路面負荷トルクをTrlcとし、前記目標アシストトルクをTm,mcとし、前記第2所定値をw(>0)とし、前記移行制御用の目標モータトルクをTmとすると、Tmは次式(b)で表される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用操舵装置である。
Tm={1−(|Δθx|/w)}・(Tm,aco−Trlc)
+(|Δθx|/w)・Tm,mc …(b)
請求項5に記載の発明は、前記自動操舵解除手段は、前記移行制御中に、前記角度偏差に応じた値の絶対値が第3所定値(>0)よりも小さくなったときに、移行制御を中止して、自動操舵制御に戻る手段をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両用操舵装置である。
請求項6に記載の発明は、運転者がハンドルを握っていない手放し状態を検出するための手放し状態検出手段と、前記移行制御中に、前記手放し状態検出手段によって手放し状態が検出されたときには、前記自動操舵制御手段による自動操舵に比べて、前記実操舵角が前記目標操舵角により緩やかに近づくように前記電動モータを制御する戻し制御手段とをさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両用操舵装置である。
本発明の車両用操舵装置の一実施形態である電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。 図2は、モータ制御用ECUの電気的構成を説明するためのブロック図である。 図3は、操舵トルクTdに対する目標アシストトルクTm,mcの設定例を示すグラフである。 図4は、角度制御部の構成を示すブロック図である。 図5は、路面負荷推定部の構成を示すブロック図である。 図6は、電動パワーステアリングシステムの物理モデルの構成例を示す模式図である。 図7は、外乱トルク推定部の構成を示すブロック図である。 図8Aは、自動操舵モード中に自動操舵解除制御部によって実行される動作の一例を説明するためのフローチャートの一部である。 図8Bは、自動操舵モード中に自動操舵解除制御部によって実行される動作の一例を説明するためのフローチャートの一部である。 図9は、戻し制御を説明するための説明図である。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の車両用操舵装置の一実施形態である電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。
この電動パワーステアリングシステム(EPS:electric power steering)1は、コラム部に電動モータと減速機とが配置されているコラムタイプEPSである。
電動パワーステアリングシステム1は、車両を操向するための操舵部材としてのステアリングホイール(ハンドル)2と、このステアリングホイール2の回転に連動して転舵輪3を転舵する転舵機構4と、運転者の操舵を補助するための操舵補助機構5とを備えている。ステアリングホイール2と転舵機構4とは、ステアリングシャフト6および中間軸7を介して機械的に連結されている。
ステアリングシャフト6は、ステアリングホイール2に連結された入力軸8と、中間軸7に連結された出力軸9とを含む。入力軸8と出力軸9とは、トーションバー10を介して相対回転可能に連結されている。
トーションバー10の近傍には、トルクセンサ12が配置されている。トルクセンサ12は、入力軸8および出力軸9の相対回転変位量に基づいて、ステアリングホイール2に与えられた操舵トルク(トーションバートルク)Tdを検出する。この実施形態では、トルクセンサ12によって検出される操舵トルクTdは、例えば、左方向への操舵のためのトルクが正の値として検出され、右方向への操舵のためのトルクが負の値として検出され、その絶対値が大きいほど操舵トルクTdの大きさが大きくなるものとする。
転舵機構4は、ピニオン軸13と、転舵軸としてのラック軸14とを含むラックアンドピニオン機構からなる。ラック軸14の各端部には、タイロッド15およびナックルアーム(図示略)を介して転舵輪3が連結されている。ピニオン軸13は、中間軸7に連結されている。ピニオン軸13は、ステアリングホイール2の操舵に連動して回転するようになっている。ピニオン軸13の先端には、ピニオン16が連結されている。
ラック軸14は、車両の左右方向に沿って直線状に延びている。ラック軸14の軸方向の中間部には、ピニオン16に噛み合うラック17が形成されている。このピニオン16およびラック17によって、ピニオン軸13の回転がラック軸14の軸方向移動に変換される。ラック軸14を軸方向に移動させることによって、転舵輪3を転舵することができる。
ステアリングホイール2が操舵(回転)されると、この回転が、ステアリングシャフト6および中間軸7を介して、ピニオン軸13に伝達される。そして、ピニオン軸13の回転は、ピニオン16およびラック17によって、ラック軸14の軸方向移動に変換される。これにより、転舵輪3が転舵される。
操舵補助機構5は、操舵補助力(アシストトルク)を発生するための電動モータ18と、電動モータ18の出力トルクを増幅して転舵機構4に伝達するための減速機19とを含む。減速機19は、ウォームギヤ20と、このウォームギヤ20と噛み合うウォームホイール21とを含むウォームギヤ機構からなる。減速機19は、伝達機構ハウジングとしてのギヤハウジング22内に収容されている。
ウォームギヤ20は、電動モータ18によって回転駆動される。また、ウォームホイール21は、出力軸9に一体回転可能に連結されている。ウォームホイール21は、ウォームギヤ20によって回転駆動される。
電動モータ18によってウォームギヤ20が回転駆動されると、ウォームホイール21が回転駆動され、ステアリングシャフト6にモータトルクが付与されるとともにステアリングシャフト6(出力軸9)が回転する。そして、ステアリングシャフト6の回転は、中間軸7を介してピニオン軸13に伝達される。ピニオン軸13の回転は、ラック軸14の軸方向移動に変換される。これにより、転舵輪3が転舵される。すなわち、電動モータ18によってウォームギヤ20を回転駆動することによって、電動モータ18による操舵補助や転舵輪3の転舵が可能となる。電動モータ18には、電動モータ18のロータの回転角を検出するための回転角センサ23が設けられている。
出力軸9(電動モータ18の駆動対象)に加えられるトルクとしては、電動モータ18によるモータトルクと、モータトルク以外の外乱トルクとがある。モータトルク以外の外乱トルクTlcには、操舵トルクTdと路面負荷トルク(路面反力トルク)Trlとが含まれる。操舵トルクTdは、運転者によってステアリングホイール2に加えられる力、ステアリング慣性によって発生する力等によって、ステアリングホイール2側から出力軸9(電動モータ18の駆動対象)に加えられるトルクである。
路面負荷トルクTrlは、タイヤに発生するセルフアライニングトルク、サスペンションやタイヤホイールアライメントによって発生する力、ラックアンドピニオン機構の摩擦力等によって、路面側から転舵輪3およびラック軸14を介して出力軸9(電動モータ18の駆動対象)に加えられるトルクである。以下において、路面から出力軸9に伝達される路面負荷トルクをTrlで表し、Trlを減速機19の減速比Nで除算した値(Trl/N)をTrlcで表すことにする。
車両には、車速Vを検出するための車速センサ24、車両の進行方向前方の道路を撮影するCCD(Charge Coupled Device)カメラ25、自車位置を検出するためのGPS(Global Positioning System)26および道路形状や障害物を検出するためのレーダー27が搭載されている。車両には、さらに、地図情報を記憶した地図情報メモリ28および自動操舵モードの設定およびその解除を行うための自動操舵モードスイッチ29が搭載されている。
CCDカメラ25、GPS26、レーダー27、地図情報メモリ28および自動操舵モードスイッチ29は、自動支援制御や自動運転制御を行うための上位ECU(ECU:Electronic Control Unit)201に接続されている。上位ECU201は、CCDカメラ25、GPS26およびレーダー27によって得られる情報および地図情報を元に、周辺環境認識、自車位置推定、経路計画等を行い、操舵や駆動アクチュエータの制御目標値の決定を行う。また、上位ECU201は、自動操舵モードスイッチ29からの入力信号に基づいて、自動操舵モードの設定および解除を指示する。
この実施形態では、上位ECU201は、自動操舵のための目標操舵角θcmdaを設定するとともに、自動操舵モードスイッチ29の操作に応じたモード切替信号(自動操舵モード設定信号または自動操舵モード解除信号)を生成する。この実施形態では、自動操舵制御は、例えば、目標軌道に沿って車両を走行させるためのレーンキープ制御(運転支援制御の一種)である。目標操舵角θcmdaは、車両を目標軌道に沿って自動走行させるための操舵角の目標値である。このような目標操舵角θcmdaを設定する処理は、周知であるため、ここでは詳細な説明を省略する。この実施形態では、出力軸9の回転角を「操舵角」ということにする。
上位ECU201によって設定される目標操舵角θcmdaならびに上位ECU201によって生成されるモード切替信号は、車載ネットワークを介して、モータ制御用ECU202に与えられる。
トルクセンサ12によって検出される操舵トルクTd、回転角センサ23の出力信号、車速センサ24によって検出される車速Vは、モータ制御用ECU202に入力される。モータ制御用ECU202は、これらの入力信号および上位ECU201から与えられる情報に基づいて、電動モータ18を制御する。
モータ制御用ECU202は、上位ECU201によって自動操舵モード設定信号が与えられると、自動操舵制御を行う自動制御モードに従って電動モータ18を制御する。また、上位ECU201によって自動操舵モード解除信号が与えられると、モータ制御用ECU202は、自動操舵制御を解除して、手動操舵制御(アシスト制御)を行う手動操舵モード(アシスト制御モード)に従って電動モータ18を制御する。手動操舵モードとは、トルクセンサ12によって検出される操舵トルクTdと、車速センサ24によって検出される車速Vとに基づいて、運転者による操舵を補助するための操舵補助力(アシストトルク)を電動モータ18から発生させる制御モードである。
なお、モータ制御用ECU202は、上位ECU201からのモード切替信号に従って制御モードを切り替える他、自動操舵モード時には、運転者のステアリング操作(操舵操作)による介入動作があったときに、自動操舵モードから手動操舵モードへと制御モードを切り替える機能(オーバーライド機能)を備えている。
図2は、モータ制御用ECU202の電気的構成を説明するためのブロック図である。
モータ制御用ECU202は、マイクロコンピュータ40と、マイクロコンピュータ40によって制御され、電動モータ18に電力を供給する駆動回路(インバータ回路)31と、電動モータ18に流れる電流(以下、「モータ電流I」という)を検出するための電流検出回路32とを備えている。
マイクロコンピュータ40は、CPUおよびメモリ(ROM、RAM、不揮発性メモリなど)を備えており、所定のプログラムを実行することによって、複数の機能処理部として機能するようになっている。この複数の機能処理部には、アシスト制御部(assist map)41と、角度制御部(angle controller)42と、路面負荷推定部(road load estimator)43と、トルク減算部44と、ハンドル操作状態判定部45と、目標モータトルク設定部46と、目標モータ電流演算部47と、電流偏差演算部48と、PI制御部49と、PWM(Pulse Width Modulation)制御部50と、回転角演算部51と、減速比除算部52とを含む。
回転角演算部51は、回転角センサ23の出力信号に基づいて、電動モータ18のロータ回転角θmを演算する。減速比除算部52は、回転角演算部51によって演算されるロータ回転角θmを減速比Nで除算することにより、ロータ回転角θmを出力軸9の回転角(実操舵角)θに換算する。
アシスト制御部41は、アシストトルクの目標値(手動操舵モード時のモータトルクの目標値)である目標アシストトルクTm,mcを設定する。アシスト制御部41は、トルクセンサ12によって検出される操舵トルクTdと車速センサ24によって検出される車速Vとに基づいて、目標アシストトルクTm,mcを設定する。操舵トルクTdに対する目標アシストトルクTm,mcの設定例は、図3に示されている。操舵トルクTdは、例えば左方向への操舵のためのトルクが正の値にとられ、右方向への操舵のためのトルクが負の値にとられている。また、目標アシストトルクTm,mcは、電動モータ18から左方向操舵のための操舵補助力を発生させるべきときには正の値とされ、電動モータ18から右方向操舵のための操舵補助力を発生させるべきときには負の値とされる。
目標アシストトルクTm,mcは、操舵トルクTdの正の値に対しては正をとり、操舵トルクTdの負の値に対しては負をとる。そして、目標アシストトルクTm,mcは、操舵トルクTdの絶対値が大きくなるほど、その絶対値が大きくなるように設定される。また、目標アシストトルクTm,mcは、車速センサ24によって検出される車速Vが大きいほど、その絶対値が小さくなるように設定される。
角度制御部42は、上位ECU201から与えられる目標操舵角θcmdaと減速比除算部52によって演算される実操舵角θとに基づいて、角度制御(操舵角制御)に必要となる角度制御用目標トルクTm,acを設定する。角度制御部42の詳細については、後述する。
路面負荷推定部43は、トルクセンサ12によって検出される操舵トルクTdと、減速比除算部52によって演算される実操舵角θと、目標モータトルク設定部46によって設定される目標モータトルクTmとに基づいて、路面負荷トルクTrlcを推定する。路面負荷推定部43の詳細については、後述する。
トルク減算部44は、角度制御部42によって設定される角度制御用目標トルクTm,acから路面負荷推定部43によって推定される路面負荷トルクTrlcを減算することによって、自動操舵モード時のモータトルクの目標値である目標自動操舵トルクTm,adを演算する。
ハンドル操作状態判定部45は、トルクセンサ12によって検出される操舵トルクTdおよび減速比除算部52によって演算される実操舵角θに基づいて、運転者がハンドルを握っているハンズオン状態(把持状態)であるか運転者がハンドルを握っていないハンズオフ状態(手放し状態)であるかを判定する。ハンドル操作状態判定部45からは、判定結果であるハンズオン/オフ判別信号が出力される。ハンドル操作状態判定部45としては、例えば、特開2017−114324号公報に開示されているハンドル操作状態判定部を用いることができる。また、ハンドル操作状態判定部45として、ハンズオン状態とハンズオフ状態とを判別できるものであれば、その他の公知手段を用いることができる。
目標モータトルク設定部(モード切替制御部)46には、アシスト制御部41によって設定される目標アシストトルクTm,mcと、角度制御部42によって設定される角度制御用目標トルクTm,acと、角度制御部42によって演算される目標操舵角θcmd(図4参照)および角度偏差Δθ(図4参照)とが入力される。また、目標モータトルク設定部46には、路面負荷推定部43によって推定される路面負荷トルクTrlcと、トルク減算部44によって演算される目標自動操舵トルクTm,adと、ハンドル操作状態判定部45から出力されるハンズオン/オフ判別信号と、上位ECU201から出力される自動操舵モード設定信号または自動操舵モード解除信号と、トルクセンサから出力される操舵トルクTdとが入力される。目標モータトルク設定部46は、これらの入力に基づいて、目標モータトルクTmを設定する。目標モータトルク設定部46の詳細については、後述する。
目標モータ電流演算部47は、目標モータトルク設定部46によって設定された目標モータトルクTmを電動モータ18のトルク定数Ktで除算することにより、目標モータ電流Icmdを演算する。
電流偏差演算部48は、目標モータ電流演算部47によって得られた目標モータ電流Icmdと電流検出回路32によって検出されたモータ電流Iとの偏差ΔI(=Icmd−I)を演算する。
PI制御部49は、電流偏差演算部48によって演算された電流偏差ΔIに対するPI演算(比例積分演算)を行うことにより、電動モータ18に流れるモータ電流Iを目標モータ電流Icmdに導くための駆動指令値を生成する。PWM制御部50は、前記駆動指令値に対応するデューティ比のPWM制御信号を生成して、駆動回路31に供給する。これにより、駆動指令値に対応した電力が電動モータ18に供給されることになる。
以下、角度制御部42、路面負荷推定部43および目標モータトルク設定部46について詳しく説明する。
図4は、角度制御部42の構成を示すブロック図である。
角度制御部42は、ローパスフィルタ(LPF)61と、目標操舵角切替部62と、フィードバック制御部63と、フィードフォワード制御部64と、トルク加算部65と、減速比除算部66とを含む。
ローパスフィルタ61は、上位ECU201から与えられる目標操舵角θcmdaに対してローパスフィルタ処理を行う。ローパスフィルタ処理後の目標操舵角θcmdは、目標操舵角切替部62に与えられるとともに、目標モータトルク設定部46にも与えられる。
目標操舵角切替部62は、第1入力端子P1と第2入力端子P2とを有している。第1入力端子P1には、ローパスフィルタ処理後の目標操舵角θcmdが入力される。第2入力端子P2には、目標モータトルク設定部46(自動操舵解除制御部46A)によって後述する戻し制御(図8B参照)が行われるときに、目標モータトルク設定部46から戻し制御用目標操舵角θcmd,rcが入力される。目標操舵角切替部62は、第1入力端子P1に入力される目標操舵角θcmdと、第2入力端子P2に入力される戻し制御用目標操舵角θcmd,rcのうちのいずれか一方を選択して出力する。通常は、目標操舵角切替部62は、第1入力端子P1に入力される目標操舵角θcmdを選択している。目標操舵角切替部62は、目標モータトルク設定部46によって制御される。
フィードバック制御部63は、減速比除算部52(図2参照)によって演算される実操舵角θを、目標操舵角切替部62から出力される目標操舵角θcmdまたはθcmd,rcに近づけるために設けられている。フィードバック制御部63は、角度偏差演算部63AとPD制御部63Bとを含む。角度偏差演算部63Aは、目標操舵角切替部62から出力される目標操舵角θcmdまたはθcmd,rcと、減速比除算部52によって演算される実操舵角θとの偏差Δθ(=(θcmd−θ)または(θcmd,rc−θ))を演算する。角度偏差演算部63Aによって演算された角度偏差Δθは、PD制御部63Bに与えられるとともに、目標モータトルク設定部46にも与えられる。
PD制御部63Bは、角度偏差演算部63Aによって演算される角度偏差Δθに対してPD演算(比例微分演算)を行うことにより、フィードバック制御トルクTfbを演算する。フィードバック制御トルクTfbは、トルク加算部65に与えられる。
フィードフォワード制御部64は、電動パワーステアリングシステム1の慣性による応答性の遅れを補償して、制御の応答性を向上させるために設けられている。フィードフォワード制御部64は、角加速度演算部64Aと慣性乗算部64Bとを含む。角加速度演算部64Aは、ローパスフィルタ処理後の目標操舵角θcmdを二階微分することにより、目標角加速度dθcmd/dtを演算する。慣性乗算部64Bは、角加速度演算部64Aによって演算された目標角加速度dθcmd/dtに、電動パワーステアリングシステム1の慣性Jを乗算することにより、フィードフォワードトルクTff(=J・dθcmd/dt)を演算する。慣性Jは、例えば、電動パワーステアリングシステム1の物理モデルから求められる。フィードフォワードトルクTffは、慣性補償値として、トルク加算部65に与えられる。
トルク加算部65は、フィードバック制御トルクTfbにフィードフォワードトルクTffを加算することにより、角度制御用目標操舵トルク(Tfb+Tff)を演算する。これにより、慣性が補償された角度制御用目標操舵トルク(出力軸9に対する目標トルク)が得られる。これにより、精度の高いモータ制御(操舵角制御)が行われるようになる。
角度制御用目標操舵トルク(Tfb+Tff)は、減速比除算部66に与えられる。減速比除算部66は、角度制御用目標操舵トルク(Tfb+Tff)を減速比Nで除算することにより、角度制御用目標トルクTm,ac(電動モータ18に対する目標トルク)を演算する。この角度制御用目標トルクTm,acは、目標モータトルク設定部46(図2参照)に与えられる。
図5は、路面負荷推定部43の構成を示すブロック図である。
路面負荷推定部43は、減速比乗算部71と、外乱トルク推定部(外乱オブザーバ)72と、減算部73と、減速比除算部74とを含んでいる。
減速比乗算部71は、目標モータトルク設定部46によって設定された目標モータトルクTmに、減速比Nを乗算することにより、目標操舵トルクN・Tmを演算する。
外乱トルク推定部72は、プラント(制御対象(モータ駆動対象))に外乱として発生する非線形なトルク(外乱トルク:モータトルク以外のトルク)を推定する。外乱トルク推定部72は、プラントの目標値である目標操舵トルクN・Tmと、プラントの出力である実操舵角θとに基づいて、外乱トルク(外乱負荷)Tlc、操舵角θおよび操舵角微分値(角速度)dθ/dtを推定する。以下において、外乱トルクTlc、操舵角θおよび操舵角微分値(角速度)dθ/dtの推定値を、それぞれ^Tlc、^θおよびd^θ/dtで表す場合がある。
減算部73は、外乱トルク推定部72によって推定された外乱トルクTlcから、トルクセンサ12によって検出された操舵トルクTdを減算することによって、出力軸9(減速機19)に伝達される路面負荷トルクTrl(=Tlc−Td)を演算する。減速比除算部74は、減算部73によって演算された出力軸9に伝達される路面負荷トルクTrlを減速比Nで除算することによって、減速機19を介して電動モータ18のモータシャフトに伝達される路面負荷トルクTrlcを演算する。減速比除算部74によって演算された路面負荷トルクTrlcは、トルク減算部44(図2参照)および目標モータトルク設定部46に与えられる。
外乱トルク推定部72について詳しく説明する。外乱トルク推定部72は、電動パワーステアリングシステム1の物理モデルを使用して、外乱トルクTlc、操舵角θおよび角速度dθ/dtを推定する外乱オブザーバから構成されている。
図6は、電動パワーステアリングシステム1の物理モデルの構成例を示す模式図である。
この物理モデル101は、出力軸9および出力軸9に固定されたウォームホイール21を含むプラント(モータ駆動対象)102を含む。プラント102には、ステアリングホイール2からトーションバー10を介して操舵トルクTdが与えられるとともに、転舵輪3側から路面負荷トルクTrlが与えられる。さらに、プラント102には、ウォームギヤ20を介してモータトルクN・Tmが与えられる。
プラント102の慣性をJとすると、物理モデル101の慣性についての運動方程式は、次式(1)で表される。
Figure 2019098817
θ/dtは、プラント102の加速度である。Nは、減速機19の減速比である。Tlcは、プラント102に与えられるモータトルク以外の外乱トルクを示している。この実施形態では、外乱トルクTlcは、主として、操舵トルクTdと路面負荷トルクTrlとを含むと考える。
図6の物理モデル101に対する状態方程式は、例えば、次式(2)で表わされる。
Figure 2019098817
前記式(2)において、xは、状態変数ベクトルである。前記式(2)において、u1は、既知入力ベクトルである。前記式(2)において、u2は、未知入力ベクトルである。前記式(2)において、yは、出力ベクトル(測定値)である。前記式(2)において、Aは、システム行列である。前記式(2)において、B1は、第1入力行列である。前記式(2)において、B2は、第2入力行列である。前記式(2)において、Cは、出力行列である。前記式(2)において、Dは、直達行列である。
前記状態方程式を、未知入力ベクトルu1を状態の1つとして含めた系に拡張する。拡張系の状態方程式(拡張状態方程式)は、例えば、次式(3)で表される。
Figure 2019098817
前記式(3)において、xeは、拡張系の状態変数ベクトルであり、次式(4)で表される。
Figure 2019098817
前記式(3)において、Aeは、拡張系のシステム行列である。前記式(3)において、Beは、拡張系の既知入力行列である。前記式(3)において、Ceは、拡張系の出力行列である。
前記式(3)の拡張状態方程式から、次式(5)の方程式で表される外乱オブザーバ(拡張状態オブザーバ)が構築される。
Figure 2019098817
式(5)において、^xeはxeの推定値を表している。また、Lはオブザーバゲインである。また、^yはyの推定値を表している。^xeは、次式(6)で表される。
Figure 2019098817
^θはθの推定値であり、^TlcはTlcの推定値である。
外乱トルク推定部71は、前記式(5)の方程式に基づいて状態変数ベクトル^xeを演算する。
図7は、外乱トルク推定部72の構成を示すブロック図である。
外乱トルク推定部72は、入力ベクトル入力部81と、出力行列乗算部82と、第1加算部83と、ゲイン乗算部84と、入力行列乗算部85と、システム行列乗算部86と、第2加算部87と、積分部88と、状態変数ベクトル出力部89とを含む。
減速比乗算部71(図5参照)によって演算される目標操舵トルクN・Tmは、入力ベクトル入力部81に与えられる。入力ベクトル入力部81は、入力ベクトルu1を出力する。
積分部88の出力が状態変数ベクトル^xe(前記式(6)参照)となる。演算開始時には、状態変数ベクトル^xeとして初期値が与えられる。状態変数ベクトル^xeの初期値は、例えば0である。
システム行列乗算部86は、状態変数ベクトル^xeにシステム行列Aeを乗算する。出力行列乗算部82は、状態変数ベクトル^xeに出力行列Ceを乗算する。
第1加算部83は、減速比除算部52(図2参照)によって演算された実操舵角θである出力ベクトル(測定値)yから、出力行列乗算部82の出力(Ce・^xe)を減算する。つまり、第1加算部83は、出力ベクトルyと出力ベクトル推定値^y(=Ce・^xe)との差(y−^y)を演算する。ゲイン乗算部84は、第1加算部83の出力(y−^y)にオブザーバゲインL(前記式(5)参照)を乗算する。
入力行列乗算部85は、入力ベクトル入力部81から出力される入力ベクトルu1に入力行列Beを乗算する。第2加算部87は、入力行列乗算部85の出力(Be・u1)と、システム行列乗算部86の出力(Ae・^xe)と、ゲイン乗算部84の出力(L(y−^y))とを加算することにより、状態変数ベクトルの微分値d^xe/dtを演算する。積分部88は、第2加算部87の出力(d^xe/dt)を積分することにより、状態変数ベクトル^xeを演算する。状態変数ベクトル出力部89は、状態変数ベクトル^xeに基づいて、外乱トルク推定値^Tlc、操舵角推定値^θおよび角速度推定値d^θ/dtを出力する。
一般的な外乱オブザーバは、前述の拡張状態オブザーバとは異なり、プラントの逆モデルとローパスフィルタとから構成される。プラントの運動方程式は、次式(7)で表される。
Figure 2019098817
したがって、プラントの逆モデルは、次式(8)となる。
Figure 2019098817
一般的な外乱オブザーバへの入力は、J・dθ/dtおよびTmであり、実操舵角θの二階微分値を用いるため、回転角センサ23のノイズの影響を大きく受ける。これに対して、前述の実施形態の拡張状態オブザーバでは、モータトルク入力から推定される操舵角推定値^θと実操舵角θとの差(y−^y)に応じて、積分型で外乱トルクを推定するため、微分によるノイズ影響を低減できる。
以下、目標モータトルク設定部46について詳しく説明する。
制御モードが手動操舵モードに設定されているときには、目標モータトルク設定部46は、アシスト制御部41によって設定される目標アシストトルクTm,mcを、目標モータトルクTmとして設定する。制御モードが自動操舵モードに設定されているときには、目標モータトルク設定部46は、トルク減算部44によって演算される目標自動操舵トルクTm,ad(=Tm,ac−Trlc)を、目標モータトルクTmとして設定する。
目標モータトルク設定部46は、自動操舵モード時において、運転者のステアリング操作による介入動作に基づいて、自動操舵モードから手動操舵モードへと制御モードを切り替える自動操舵解除制御部46A(図2参照)を備えている。自動操舵解除制御部46Aは、所定の移行開始条件を満たしているか否かを判定し、移行開始条件を満たしていると判定されたときに、移行制御を開始する。移行開始条件は、トルクセンサ12によって検出される操舵トルクTdの絶対値|Td|が所定のトルク閾値以上であるという条件を少なくとも含んでいる。
図8Aおよび図8Bは、自動操舵モード中に自動操舵解除制御部46Aによって実行される動作の一例を説明するためのフローチャートである。
自動操舵解除制御部46Aは、まず、移行制御開始条件を満たしているか否かを判定する(ステップS1)。移行制御開始条件は、この例では、操舵トルクTdの絶対値|Td|が所定のトルク閾値Tth(Tth>0)以上であり、かつ操舵トルクTdの符号(sign(Td))と角度偏差Δθの符号(sign(Δθ))の符号とが同じであり、かつ角度偏差Δθの絶対値|Δθ|が角度閾値α(α>0)よりも大きいことである。操舵トルクTdの符号(sign(Td))と角度偏差Δθの符号(sign(Δθ))の符号とが同じであるという条件は、操舵トルクTdの方向が角度偏差Δθの絶対値が大きくなる方向(目標操舵角から遠ざかる方向)であることを意味している。角度閾値αは、後述する所定の移行角度幅w(w>0)に比べて十分に小さい値に設定される。
移行制御開始条件を満たしていないと判定された場合には(ステップS1:NO)、自動操舵解除制御部46Aは、ステップS1に戻る。
前記ステップS1において、移行制御開始条件を満たしていると判定された場合には(ステップS1:YES)、自動操舵解除制御部46Aは、移行制御を開始する。具体的には、自動操舵解除制御部46Aは、ステップS2に進む。ステップS2では、自動操舵解除制御部46Aは、移行制御開始条件を満たしていると判定されたときの角度制御用目標トルクTm,ac(角度制御部42の出力)を移行制御開始時の角度制御用目標トルクTm,acoとしてメモリに記憶する。また、自動操舵解除制御部46Aは、移行制御開始条件を満たしていると判定されたときの角度偏差Δθを移行制御開始時の角度偏差Δθoとしてメモリに記憶する。
次に、自動操舵解除制御部46Aは、次式(9)に基づいて、移行制御用の目標モータトルクTmを設定する(ステップS3)。
Tm={1−(|Δθtc|/w)}・(Tm,aco−Trlc)
+(|Δθtc|/w)・Tm,mc …(9)
Δθtc=Δθ−Δθo
これにより、電動モータ18は、前記式(9)に基づいて設定された移行制御用の目標モータトルクTmに、モータトルクが等しくなるように駆動制御される。
前記式(9)において、w(w>0)は予め設定された移行角度幅である。Δθtcは、現在の角度偏差Δθと、ステップS2においてメモリに記憶された移行制御開始時の角度偏差Δθoとの差である。Δθtcは、「角度偏差Δθに応じた値Δθx」の一例である。Tm,acoは、ステップS2においてメモリに記憶された移行制御開始時の角度制御用目標トルクである。Trlcは、路面負荷推定部43によって推定される現在の路面負荷トルクである。Tm,mcは、アシストトルク制御部41によって設定される現在の目標アシストトルクである。
前記式(9)によれば、移行角度幅wに対する|Δθtc|の比(|Δθtc|/w)に応じて、(Tm,aco−Trlc)とTm,mcとが重み付け加算されることによって目標モータトルクTmが設定される。|Δθtc|が大きくなるほど、(Tm,aco−Trlc)に対する重み{1−(|Δθtc|/w)}が小さくなり、Tm,mcに対する重み(|Δθtc|/w)が大きくなる。つまり、移行制御開始時の角度偏差Δθoに比べて角度偏差Δθが広がっていくほど、(Tm,aco−Trlc)に対する重みが減少し、Tm,mcに対する重みが増加していくので、制御モードは徐々に手動操舵モードに近づいていく。
式(9)の右辺の第1項において、目標自動操舵トルク(Tm,ac−Trlc)ではなく、(Tm,aco−Trlc)が用いられている理由について説明する。つまり、角度制御部42から出力される角度制御用目標トルクTm,acではなく、移行制御開始時点での角度制御用目標トルクTm,acoが用いられている理由について説明する。自動操舵中に運転者が自動操舵を解除するために操舵操作(操舵介入)を行うと角度偏差Δθが大きくなるため、角度制御部42によって設定される角度制御用目標トルクTm,acの絶対値が大きくなる。角度制御用目標トルクTm,acの絶対値が大きくなると、運転者が操舵介入する際の操舵反力が大きくなるため、運転者が操舵介入を行いにくくなる。そこで、角度制御部42によって設定される角度制御用目標トルクTm,acではなく、移行制御開始時点での角度制御用目標トルクTm,acoを用いることにより、操舵反力が大きくなりすぎるのを防止している。
次に、自動操舵解除制御部46Aは、移行制御中止条件を満たしたか否かを判定する(ステップS4)。移行制御中止条件は、次の第1条件または第2条件のうちのいずれかを満たしたことである。第1条件は、角度偏差Δθの絶対値|Δθ|が、移行制御開始時の角度偏差Δθoの絶対値|Δθo|に、0よりも大きく1よりも小さい所定値ε(0<ε<1)を乗算した値ε・|Δθo|よりも小さいことである。第2条件は、操舵トルクTdの符号(sign(Td))と角度偏差Δθの符号(sign(Δθ))の符号とが異なることである。第2条件は、操舵トルクTdの方向が角度偏差Δθの絶対値が小さくなる方向(目標操舵角に近づく方向)であることを意味している。
移行制御中止条件を満たしていない場合には(ステップS4:NO)、自動操舵解除制御部46Aは、ハンドル操作状態判定部45による判定結果がハンズオフ状態(手放し状態)であるか否かを判別する(ステップS5)。ハンドル操作状態判定部45による判定結果がハンズオフ状態でなければ、つまりハンズオン状態(把持状態)であれば(ステップS5:NO)、自動操舵解除制御部46Aは、角度偏差Δθtcの絶対値|Δθtc|が移行角度幅w以上であるか否かを判定する(ステップS6)。角度偏差Δθtcの絶対値|Δθtc|が移行角度幅w未満であれば(ステップS6:NO)、自動操舵解除制御部46Aは、ステップS3に戻る。これにより、ステップS3以降の処理が再度実行される。
ステップS6において、角度偏差Δθtcの絶対値|Δθtc|が移行角度幅w以上であると判定された場合には(ステップS6:YES)、自動操舵解除制御部46Aは、移行制御を終了し、制御モードを手動操舵モードに切り替える(ステップS7)。そして、今回の自動操舵制御モードに対する処理を終了する。
ステップS4において、移行制御中止条件を満たしたと判定された場合には(ステップS4:YES)、自動操舵解除制御部46Aは、移行制御を中止し、制御モードを自動操舵モードに戻した後(ステップS8)、ステップS1に戻る。
ステップS5において、ハンドル操作状態判定部45による判定結果がハンズオフ状態(手放し状態)であると判別された場合には(ステップS5:YES)、自動操舵解除制御部46AはステップS9に移行する。ステップS9では、自動操舵解除制御部46Aは、その時点での角度偏差Δθを戻し制御開始時の角度偏差Δθhodとしてメモリに記憶するとともに、その時点での時刻を戻し制御開始時の時刻thodとしてメモリに記憶する。そして、自動操舵解除制御部46Aは、実操舵角θを目標操舵角θcmdに徐々に近づけていくための戻し制御を開始する。
つまり、自動操舵解除制御部46Aは、戻し制御用目標操舵角θcmd,rcを演算して目標操舵角切替部(図3参照)62の第2入力端子P2に与えるとともに、目標操舵角切替部62が第2入力端子P2に入力される戻し制御用目標操舵角θcmd,rcを選択して出力するように、目標操舵角切替部62を制御する(ステップS10)。そして、自動操舵解除制御部46Aは、トルク減算部44の出力Tm,ad(戻し制御用目標操舵角θcmd,rcを用いて演算される)を、目標モータトルクTmとして出力する。
具体的には、自動操舵解除制御部46Aは、次式(10)に基づいて、戻し制御用目標操舵角θcmd,rcを演算する。
θcmd,rc=θcmd+Δθrc
Δθrc=Δθhod−γ・sign(Δθ)・(t−thod) …(10)
式(10)において、Δθhodは、ステップS9においてメモリに記憶された戻し制御開始時の角度偏差Δθである。γ(γ>0)は予め設定された所定値である。sign(Δθ)は、角度偏差の符号である。tは現在時刻である。thodは、ステップS9においてメモリに記憶された戻し制御開始時の時刻である。
この後、自動操舵解除制御部46Aは、ハンドル操作状態判定部45による判定結果がハンズオフ状態(手放し状態)であるか否かを判別する(ステップS11)。ハンドル操作状態判定部45による判定結果がハンズオフ状態であれば、自動操舵解除制御部46Aは、前記式(10)によって演算されたΔθrcの絶対値|Δθrc|が所定値δ(δ>0)未満であるか否かを判別する(ステップS12)。Δθrcの絶対値|Δθrc|が所定値δ以上である場合には(ステップS12:NO)、自動操舵解除制御部46Aは、ステップS10に戻る。これにより、ステップS10およびS11の処理が再度繰り返される。
ステップS12において、Δθrcの絶対値|Δθrc|が所定値δ未満であると判別された場合には(ステップS12:YES)、自動操舵解除制御部46Aは、戻し制御を停止する(ステップS13)。具体的には、自動操舵解除制御部46Aは、目標操舵角切替部62が第1入力端子P1に入力される目標操舵角θcmdを選択して出力するように、目標操舵角切替部62を制御する。そして、自動操舵解除制御部46Aは、制御モードを自動操舵モードに戻した後(ステップS14)、ステップS1に戻る。
ステップS11において、ハンドル操作状態判定部45による判定結果がハンズオン状態であると判別された場合には(ステップS11:NO)、自動操舵解除制御部46Aは、戻し制御を停止した後(ステップS15)、ステップS3に戻る。具体的には、自動操舵解除制御部46Aは、目標操舵角切替部62が第1入力端子P1に入力される目標操舵角θcmdを選択して出力するように、目標操舵角切替部62を制御した後、ステップS3に戻る。
図9を用いて戻し制御について説明する。
説明を簡単にするために、目標操舵角θcmdが0度であると仮定する。したがって、角度偏差Δθは実操舵角θと等しくなる。移行制御の開始時点t0から実操舵角θが大きくなり、時点t1において、ステップS5の処理によって、ハンドル操作状態判定部45による判定結果がハンズオフであると判定されたとする。この時点t1がthodとしてメモリに記憶されるとともに、この時点t1での角度偏差ΔθがΔθhodとしてメモリに記憶される。
そして、前記式(10)によってΔθrcが演算され、それを用いて戻し制御用目標操舵角θcmd,rcが演算され、この戻し制御用目標操舵角θcmd,rcを用いて演算された目標自動操舵トルクTm,ad(トルク減算部44の出力)に基づいて電動モータ18が制御される。この例では、sign(Δθ)は0よりも大きいので、前記式(10)の右辺の第2項{γ・sign(Δθ)・(t−thod)}は、時間の経過に従って徐々に大きくなる。{γ・sign(Δθ)・(t−thod)}の時間に対する変化率がγである。したがって、式(10)によって演算されるΔθrc(この例ではθcmdを0としているため、θcmd,rc=Δθrc)は、図9に直線Lcで示すように、時間の経過に従って徐々に小さくなる。これにより、実操舵角θ(この例では、θ=Δθ)も、直線Lcで示すように徐々に本来の目標操舵角θcmd(この例では0度)に近づいていく。そして、Δθrcの絶対値|Δθrc|がδ未満になると戻し制御は終了し、制御モードが自動操舵モードに戻る。これにより、移行制御中にハンズオフ状態(手放し状態)となった場合には、通常の自動操舵モード時に比べて、実操舵角θが目標操舵角θcmdにより緩やかに近づくように、車両が自動操舵される。
前述の実施形態では、移行制御開始時の角度偏差Δθoと角度偏差Δθとの差Δθtcの絶対値|Δθtc|が移行角度幅w以上になったときに移行制御が終了するので、運転者のステアリング操作によって移行制御時間を変化させることができる。具体的には、運転者によってステアリングホイール2に加えられる操舵力が大きいほど、前記|Δθtc|が移行角度幅wに達するまでの時間が短くなるので、移行制御時間は短くなる。これにより、運転者は、例えば緊急性の高い場合に、自動操舵モードを迅速に解除することが可能となる。
また、前述の実施形態では、移行制御中に操舵反力が大きくなるのを抑制できるので、運転者が操舵介入を行いやすくなる。
また、前述の実施形態では、移行制御が開始された後において、前記絶対値|Δθtc|が移行角度幅w以上になる前に、角度偏差Δθの絶対値|Δθ|がε・|Δθo|よりも小さくなった場合またはΔθの符号とΔθoの符号とが異なるようになった場合には、移行制御が中止され、制御モードが自動的に自動操舵モードに戻る。これにより、例えば、移行制御開始後に、運転者が目標軌道に沿うようにステアリング操舵を行った場合等に、制御モードを自動的に自動操舵モードに戻すことが可能となる。
また、前述の実施形態では、移行制御中においてハンズオフ状態(手放し状態)となった場合には、前述の戻し制御によって、実操舵角θが目標操舵角θcmdに緩やかに近づくように、車両を自動操舵することができる。
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。例えば、図8AのステップS3では、現在の角度偏差Δθと、ステップS2においてメモリに記憶された移行制御開始時の角度偏差Δθoとの差Δθtc(=Δθ−Δθo)の絶対値|Δθtc|を用いて、移行制御用の目標モータトルクTmを設定している(式(9)参照)。しかし、絶対値|Δθtc|の代わりに、角度偏差の絶対値|Δθ|を用いて、移行制御時の目標モータトルクTmを設定してもよい。言い換えれば、「角度偏差Δθに応じた値Δθx」は、現在の角度偏差Δθと移行制御開始時の角度偏差Δθoとの差Δθtcであってもよいし、角度偏差Δθそのものであってもよい。
また、図8AのステップS5および図8BのステップS9〜S15を省略してもよい。つまり、前述した戻し制御を行わなくてもよい。
また、前述の実施形態では、角度制御部42は、フィードフォワード制御部64を備えているが、フィードフォワード制御部64を省略してもよい。
その他、この発明は、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1…電動パワーステアリング装置、3…転舵輪、4…転舵機構、18…電動モータ、41…アシスト制御部、42…角度制御部、43…路面負荷推定部、44…トルク減算部、45…ハンドル操作状態判定部、46…目標モータトルク設定部、46A…自動操舵解除制御部、61…ローパスフィルタ(LPF)、62…目標操舵角切替部、63…フィードバック制御部、64…フィードフォワード制御部、65…トルク加算部、66…減速比除算部、201…上位ECU、202…モータ制御用ECU

Claims (6)

  1. 車両の転舵機構に操舵力を付与する電動モータと、
    目標操舵角と実操舵角との間の角度偏差を零に近づけるための角度制御用目標トルクを設定する設定手段と、
    前記電動モータの駆動対象が路面から受ける路面負荷トルクを推定する推定手段と、
    前記設定手段によって設定される角度制御用目標トルクと、前記推定手段によって推定される路面負荷トルクとに基づいて目標自動操舵トルクを設定し、当該目標自動操舵トルクに基づいて前記電動モータを制御することによって自動操舵制御を行う自動操舵制御手段と、
    操舵トルクに応じた目標アシストトルクに基づいて前記電動モータを制御することによって手動操舵制御を行う手動操舵制御手段と、
    前記自動操舵制御手段による自動操舵制御中の運転者の操舵操作に基づいて、自動操舵制御を手動操舵制御に切り替える自動操舵解除手段とを含み、
    前記自動操舵解除手段は、操舵トルクの絶対値が第1所定値以上であるという条件を少なくとも含む移行制御開始条件を満たしたときに、移行制御を行う移行制御手段を含み、
    前記移行制御手段は、
    前記移行制御開始条件を満たしたときに、その時点において前記角度制御用目標トルクによって設定されている角度制御用目標トルクを、移行制御開始時の角度制御用目標トルクとして記憶する第1手段と、
    前記移行制御開始時の角度制御用目標トルクと前記推定手段によって推定される路面負荷トルクとに基づいて移行制御用の目標自動操舵トルクを演算し、前記角度偏差に応じた値の絶対値を用いて前記移行制御用の目標自動操舵トルクと前記目標アシストトルクとを重み付け加算することによって目標モータトルクを演算し、当該目標モータトルクに基づいて前記電動モータを制御する第2手段と、
    前記角度偏差に応じた値の絶対値が第2所定値よりも大きくなったときに、前記移行制御を終了し、自動操舵制御を手動操舵制御に切り替える第3手段とを含む、車両用操舵装置。
  2. 前記移行制御手段は、前記移行制御開始条件を満たしたときに、その時点での前記角度偏差を移行制御開始時の角度偏差として記憶する第4手段をさらに含み、
    前記角度偏差に応じた値は、現在の角度偏差と移行制御開始時の角度偏差との差である、請求項1に記載の車両用操舵装置。
  3. 前記第2手段は、前記第2所定値に対する前記角度偏差に応じた値の絶対値の比に基づいて、前記移行制御時用の目標自動操舵トルクと前記目標アシストトルクとを重み付け加算することによって前記目標モータトルクを演算するように構成されている、請求項1または2に記載の車両用操舵装置。
  4. 前記角度偏差に応じた値をΔθxとし、前記移行制御開始時の角度制御用目標トルクをTm,acoとし、前記推定手段によって推定される路面負荷トルクをTrlcとし、前記目標アシストトルクをTm,mcとし、前記第2所定値をw(>0)とし、前記移行制御用の目標モータトルクをTmとすると、Tmは次式(b)で表される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用操舵装置。
    Tm={1−(|Δθx|/w)}・(Tm,aco−Trlc)
    +(|Δθx|/w)・Tm,mc …(b)
  5. 前記自動操舵解除手段は、前記移行制御中に、前記角度偏差に応じた値の絶対値が第3所定値(>0)よりも小さくなったときに、移行制御を中止して、自動操舵制御に戻る手段をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両用操舵装置。
  6. 運転者がハンドルを握っていない手放し状態を検出するための手放し状態検出手段と、
    前記移行制御中に、前記手放し状態検出手段によって手放し状態が検出されたときには、前記自動操舵制御手段による自動操舵に比べて、前記実操舵角が前記目標操舵角により緩やかに近づくように前記電動モータを制御する戻し制御手段とをさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両用操舵装置。
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