JP2019098723A - グラウト用エア抜き装置 - Google Patents
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- Preparation Of Clay, And Manufacture Of Mixtures Containing Clay Or Cement (AREA)
Abstract
Description
これに対して、圧縮強度が 80〜400N/mm2 程度の超高強度グラウトが必要とされる場合がある。例えば、高強度コンクリートであるプレキャスト部材とプレキャスト部材の接合部の鉄筋継手や部材間の目地部に充填する目的で使用されるものである。
モルタルグラウトの圧縮強度の高くするためには、水結合材比を低く、例えば20%以下にしなければならない。
しかしながら、水結合材比が小さくなると、粘性が高くなり流動性が低下する傾向にある。化学混和剤などを使用して流動性を高めるようにしているが、圧縮強度が150N/mm2 を上回るような強度範囲になってくると、15%程度以下まで水結合材比を小さくする必要があり、結果、グラウトの粘性が高くなる。
グラウト材料の練り混ぜには、ハンドミキサを使用することができるが、グラウトの粘性が高い場合には、グラウト中に巻き込まれる外気(連行空気)により空気泡ができてしまう。空気泡が多いと、グラウトの圧縮強度が低くなってしまうことが懸念される。また、目地部やスリーブ部に充填後した後に空気泡が合一して、大きな空隙になることも懸念される。
(1)コンクリートミキサーのミキサーケースの上部に抜気管を、下部にコンクリート取り出し管を回転軸上に取り付け、ミキサーケースの適所に設けられた原料投入口から投入された原料をミックスしながら、抜気管よりエアを抜気する技術(特許文献1)。
(2)コンクリート系混合材料を貯蔵可能な容器と、この容器の下部から混合材料を取り出して外部の型枠へ打設するためのホースと、前記容器の内部に設置されたプロペラと、前記容器の内部を加減圧するための加圧装置及び減圧装置とを具備し、ミキサーで予め混練りした原料を容器に投入し、プロペラで材料を攪拌している途中で減圧装置によって容器内部を減圧するとともに、混合材料を型枠に打設する際に加圧装置により容器内容を昇圧する技術(特許文献2の段落0009等参照)。
(3)グラウトを滞留するための滞留槽と、滞留槽内を減圧して真空状態とするための真空ポンプと、ミキサーにより練り混ぜられた材料を滞留槽に投入するための投入口と、滞留槽内のコンクリート材料を練り混ぜるための回転体と、対流槽内に配置された網目状の障壁と、滞留槽内のグラウトを排出するための排出ポンプとを備え、真空状態でミキサーにより練り混ぜられた材料に前記回転体による回転遠心作用を及ぼし、真空によりグラウト内の空気泡を膨張させながら破壊し、空気を除去する技術(特許文献3の請求項1・段落0012〜0013等参照)。
特許文献2及び特許文献3の技術は、ミキサーにより予め混練りした材料を、減圧状態又は真空状態で回転させ、脱気するものであるが、減圧ポンプ(真空ポンプを含む)などの特別の設備が必要となり、かつそれを稼働するエネルギーが必要である。
これらの理由は定かではないが、配管の中でグラウトの流れ方による特徴や圧力勾配が駆動力になって圧力の低い方向に空気泡が移動する現象のためと考えられる。すなわち、グラウトは配管中で管壁と滑りを伴ったせん断層流となっており、グラウトの流速の早い中心から流速の遅い管壁側に押し当てられるように流動している。管壁に押し当てられたグラウト中の空気泡は、管壁の付近に留まったまま滑りながら排出口に移動していると考えられる。また、このようにして円周方向の管壁に集まった空気泡は、重力の影響でより圧力の小さい配管断面の上方に移動してゆくため、排出口の上方から空気泡の抜けが多かったと考えられる。
本発明は、この現象を利用して、グラウト材に圧力を作用させ、圧力の低い側に空気泡を集め、複数の空気泡を合一させ成長したより大きな空気泡を、簡便に効率良く除去するものである。
本発明の第2の目的は、より除泡効率のよいグラウト用エア抜き装置を提供することである。
このグラウト用流路の導入口寄りに設置され、グラウトを排出口側へ圧送するように設けられた加圧部と、
前記グラウト用流路の排出口寄りに設置され、グラウト中の空気泡を流路の上側へ放出するとともに、空気泡を除去したグラウトが排出口側へ流れるように構成した除泡部と、
を具備し、
前記加圧部と除泡部との間の流路部分を密閉流路とするとともに、
この密閉流路のうち前記除泡部側の部分である導入路を、除泡部に隣接する横向き管部で形成した
加圧部12から密閉流路内へ圧送された微細な空気泡を含むグラウトの流れは、その圧力の作用によって、中心側の流速が大きく管壁付近の流速が小さいせん断流れとなり、グラウト内の空気泡が中心側から外側へ押し出される傾向を生ずる。
また前記横向き管部8a内では重力の作用により空気泡がグラウトとの密度差により上昇する傾向を生ずる。
この二つの作用により、横向き管部8a内において、グラウト中の微細な空気泡が横向き管部内の上側に集まり、相互に合一してより大きな空気泡に成長する。このため、横向き管部8aの先端側では、管内の流れが泡を主とする流れとグラウトを主とする流れとに分かれ、この状態で除泡部14に入ることで、泡が除泡される。これにより、泡を除去されたグラウトを取り出すことができる。
「流路の上側」とは、流路を構成するバッファー容器の上側に貯めること、流路の一部を自由空間として外部へ放出することの双方を含む。
「グラウト中の空気泡を流路の上側へ放出する」とは、流路内の上側に空気溜め部分が存在し、当該部分へ空気泡を放出するのでもよく、また流路の外へ放出するのでもよい。
また「空気泡を除去したグラウトが排出口側へ流れる」とは、除泡部の下側に設けられた出口から重力の作用によりグラウトが流下すること、及び、ポンプなどの圧送手段を用いてグラウトを圧送することの双方を含む。
「導入路」とは、加圧部と除泡部との間の流路部分のうちで除泡部側に位置し、グラウト流体を除泡部に導入するための部分である。横向き管部内で泡を主とする流体とグラウトを主とする流体とに分離した流れの状態を乱さずに除泡部に導入することが好適である。
「横向き管部」とは、厳密に水平なものに限定されず、前述の重力作用により空気泡bをグラウトgから分離できれば足りる。
前記導入路は、滑らかな内面を有する層流管で形成した。
前記除泡部は、前記密閉管路の流路面積より大きい横断面を有し、かつ内容積の一部を空気溜め部とするバッファー容器とし、
このバッファー容器の側壁に前記横向き管部の先端を接続し、この横向き管部から導入されたグラウト流体及び空気泡の密度差から空気泡を分離できるように構成した。
前記導入路は、前記除泡部に隣接する横向き管部に代えて、横向き管部の先端から起立して除泡部に隣接する縦向き管部を起立してなるL字形流路に形成するとともに、
前記除泡部は、前記密閉管路の流路面積より大きい横断面を有し、かつ内容積の一部を空気溜め部とするバッファー容器とし、
このバッファー容器の底壁に前記縦向き管部の先端を接続し、この縦向き管部から導入されたグラウト流体及び空気泡の密度差から空気泡を分離できるように構成した。
前記除泡部は、流体が外部に曝され、前記加圧部で加えられた流体圧が解放される除圧部に形成された。
図示例の除圧部は、前記横向き管部から圧力解放状態で放出されるグラウト流体が通過する自由空間と、自由空間を通過するグラウト流体を受ける受部42とで構成しているが、必ずしもこうした構成でなくてもよい。例えば横向き管部の下流の流路を、密閉流路のような暗渠型の構成に代えて、上側が開放された開渠型の流路としてもよい。
除泡部の下流に形成した分岐点から加圧部の上流側へ至る循環用戻り流路を有し、
前記分岐路付近に流路切り替え手段を設けるとともに、
前記除泡部を、グラウト用流路の出口寄りの箇所に代えて、加圧部及び分岐点の間のグラウト用流路部分、或いは、循環用流路に設けている。
第2の手段に係る発明によれば、導入路は滑らかな内面を有する層流管で形成したから、導入路中の横向き管部内での空気の分離が乱流流れにより妨げられることを回避し易い。
第3の手段及び第4の手段に係る発明によれば、密閉管路の流路面積より大きい横断面を有し、内容積の一部を空気溜め部とするバッファー容器内でエア抜きを行うから、より安定してガス抜きの効果が得られる。
なお、第4の手段に係る発明では、導入路を、除泡部に隣接する横向き管部に代えて、前記横向き管部の先端から起立して除泡部に隣接する縦向き管部を起立してなるL字形流路に形成しているが、この態様でも横向き管部に作用する重力を利用してグラウト内の連行空気を効率的に分離し、除去することができる。
第5の手段に係る発明によれば、除泡部は、横向き管部から放出されるグラウト流体が通過する自由空間と、自由空間を通過するグラウト流体を受ける受け部とで構成されるから、簡易な構成で効果的に連行空気の除去が可能となる。
第6の手段に係る発明によれば、除泡部の下流に形成した分岐点から加圧部の上流側へ至る循環用戻り流路を有し、前記分岐路付近に流路切り替え手段を設けたから、ガス抜き工程を繰り返すことによりガス抜きの効果を向上できる。
この装置は、グラウト用流路2と、加圧部12と、除泡部14とを含む。
グラウト用流路2は、導入口4から排出口6まで連続している。このグラウト用流路2の導入口4寄りに加圧部12が、また、グラウト用流路2の導入路8寄りに除泡部14がそれぞれ設置されている。図示例では、グラウトを注ぎ込むためのテーパ状の第1ホッパー10の上端面に導入口4を開口している。この第1ホッパー10の直下に加圧部12が配置されている。グラウト用流路2のうちで加圧部12及び除泡部14の間の部分を第1流路2aとし、除泡部14及び排出口6の間の部分を第2流路2bとする。
グラウト用流路2のうち、少なくとも加圧部12に連続する第1流路2aは密閉流路として、加圧部12により印加された圧力が除泡部14まで作用するように形成されている。前記密閉流路は、例えばホース或いは配管として形成することができる。前記第1流路2aのうちで除泡部14側の部分は、除泡部14へのグラウト流体の導入路8である。本実施形態においては、導入路8は、横向き管部8aのみで形成される直線的な流路である。
除泡部14は、本実施形態では、バッファー容器16として形成されている。図示のバッファー容器は、図2に示す如く、底壁18の外周から筒状(図示例では円筒状)の側壁20を立ち上げてなる本体と、この本体の上部に取り付けた蓋部24とで形成している。前記側壁の上端部に付設された鍔部22の上に蓋部24の外周部が載置されており、これら鍔部及び外周部を貫通する孔に固定具Fを挿入している。もっともこの構成は適宜変更することができる。図示例の蓋部24の中央部には空気孔26が穿設されている。しかしバッファー容器16を密閉容器としても構わない。
前記バッファー容器16は、内容積の少なくとも上部を空気溜めとして利用できる程度に一定の高さを有する。
またバッファー容器16の下部には、前記第1流路2aを接続するための第1接続口(入口)I及び前記第2流路2bに接続するための第2接続口(出口)Oが設けられている。これら第1接続口I及び第2接続口Oは、相互に離して、例えば径方向の反対側に配置するとよい。好適な図1の実施例では、前記側壁20の下部の径方向反対側に第1接続口I及び第2接続口Oを開口させている。
第1接続口Iは、図示例では、図2に示す如く、底壁18の近傍(側壁の下端部を含む)に設けている。
第2接続口Oも、底壁18の近傍(側壁の下端部を含む)に設けることが好適である。バッファー容器16内のグラウト流体を残らず、取り出すことができるようにするためである。
第1流路2aから圧送されたグラウト流体は、除泡部14であるバッファー容器内に入り、バッファー容器内に蓄積されるとともに、内包していたエアを当該容器の内容積の上部である空気溜りに放出する。図4に示す如く、バッファー容器16内のグラウト流体の液位が第2接続口Oを超えた段階でコック30を開き、第2ポンプ32を作動させる。液位が第2接続口Oより低い位置にある段階で第2ポンプ32を作動させると、第2接続口Oからグラウト流体とともにバッファー容器16内の空気を吸い込み、第2ポンプのエア噛みを生ずるからである。第2ポンプ32の作動によって、エアが除去されたグラウト流体が外部へ取り出される。これにより、モルタルが滑らかになり、流動性が上がる。これとともに、空気量が減るため、硬化後の圧縮強度が高くなり、超高強度グラウトを製造することができる。
グラウト流体が除泡部14への導入路8である横向き管部8a内に入ると、前述の周辺側へ向かう傾向と重力の作用とが相まって、グラウト流体内の微小な泡は横向き管部8aの上部内側に集まり、ここで微小な泡同士が合一して次第に径の大きな空気泡へ成長する。その結果として、横向き管部8aの先端部(除泡部側の端部)近くの管内流れは、空気泡を主とする流れと、空気の含有量が少ないグラウト流体の流れとに分かれる。
こうしてバッファー容器16内に入った流体のうちで径の大きな空気泡は、周囲のグラウトとの密度差により、流体中を上昇して、前記空気溜り中に入る。これにより、空気泡とグラウトとを分離することができ、残されたグラウト流体の空気含有量が低下する。
この変形例では、前記側壁のうち長方形の短辺に相当する部分の下部に第1接続口Iを設けている。
また前記底壁18のうちで長方形の反対側の短辺に近い部位に第2接続口Oを形成するとともに、バッファー容器16の内容積の下部を長方形の長手方向に2分割する仕切り板28を設けている。
この仕切り板28の下端は、図5(b)に示す如く、前記バッファー容器の底壁18に、仕切り板28の両端部は、図5(a)に示す如く、側壁20のうち長方形の長辺に相当する両壁部にそれぞれ連結されている。また仕切り板28の高さは、側壁20の高さより小さい。
前記第1接続口Iからバッファー容器内に入ったグラウト流体は、側壁20と仕切り板28とで囲まれた空間内に溜まり、空気泡が放出されるとともに、液位が仕切り板28の高さを超えると、仕切り板28を乗り越えて、仕切り板28の表面及び底壁18の上面を図5(b)に示す如く伝わって、第2接続口Oから外部へ排出される。
以下、本発明の他の実施形態について説明する。これらの説明において、第1実施形態と同じ構造については解説を省略する。
本実施形態の導入路8は、L字形流路であり、横向き管部8aと、この横向き管部8aの先端側からエルボーEを介して起立された縦向き管部8bとで形成している。
この構成では、第1実施形態と同じ作用により横向き管部8aの上側に大径の空気泡bが集まり、この空気泡を主とする流れがL字形流路のエルボーEの内側を通り、残りのグラウトgの流れがエルボーEの外側を通る。この際に外側の流れが内側の流れを上内方へ押し付けながら流れるため、空気泡がエルボーEの部位で滞留しにくい。空気泡の分離・除去機能が妨げられない。
本実施形態の除泡部14は、前記加圧部12において印加された圧力を解除する除圧部として構成されている。このために密閉流路である第1流路2aから除圧部へ入った流体の全部又は一部が外気に曝されるように構成している。
図示例では、横向き管部8aである導入路8の先端から自由空間40へ液体が放出され、放出された液体を受部42で受けて第2流路2bへ導くように構成している。前述の自由空間40と前記受部42とで図示例の除泡部14を構成している。図示の受部42は、テーパ状の第2ホッパーで形成しているが、導入路8から自由空間40へ放出されたグラウト流体の殆どを受けることができれば、どのような形状でも構わない。
図示の装置は、受部42に入ったグラウト流体を第2流路2b側へ圧送するための第2ポンプ32を備える。この第2ポンプ32は、従来公知のスタンドSにより吸込口を上側にして保持されており、その吸込口に前記受部42である第2ホッパーの下端を接続している。
また図示の装置は、横向き管部8aから放出されたグラウト流体の全てを前記受部42で受け取ることができるようにするために、受部42に対する位置関係を一定に保って前記横向き管部8aを保持する保持具44を有する。図示の保持具44は、受部42側から延びるL字形の支持棒44aの先端に横向きの保持パイプ44bを設け、この保持パイプ44b内に横向き管部8aを嵌挿することが可能に構成している。
第2実施形態の装置と比較すると、第1ポンプ(加圧部12)と第2ポンプ32とを兼用し、また導入口4と受部42とを兼用している。図示例では、第1ホッパー10の上側の導入口4は戻り流路50の合流点Pcを兼ねている。また横向き管部8aと第1ホッパー10との間の空間は自由空間40に相当する。従って自由空間と第1ホッパー10とで除泡部14を構成している。もっともこの構成は適宜変更することができる。例えば自由空間と第1ポッパーとからなる除泡部に代えて、バッファー容器を設けてもよい。また除泡部14を、戻り流路50に代えて、加圧部12と分岐点Pdとの間の流路部分に配置してもよい。
グラウト用流路と戻り流路50との分岐点Pdには図示しない流路切替手段を設け、流体が装置内を循環している状態と、装置より外部へ放出する状態との切替を可能としている。
図7及び図8に示す第3実施形態の態様で行った試験(フレッシュ試験及び圧縮強度試験結果)について説明する。
(1)フレッシュ試験
ポンプ圧送に先立ってグラウト材料を練り込み、フレッシュ試験を行った。具体的な手順としては、容器に全量の水・混和剤を入れ、段階的にプレミックスモルタル粉体を投入して練り混ぜ、全てのプレミックスモルタルを投入後、180秒間の練り混ぜ作業を行った。なお、使用したグラウト材料の調合を表1に示す。同表中のシリカフュームセメントは、セメント及びシリカフュームの合計量(x)に対するシリカフュームの質量(a)の割合が10%になるようにシリカフュームを予め添加したものである。このシリカフュームセメントに質量(b)の粗粉シリカ及び質量(c)の微粉シリカを添加して重量B(=x+b+c)の結合材を得た。また結合材中のシリカフュームの合計量をS(=a+b+c)で、結合材の合計に対するシリカフュームの合計の割合を(100S/B)でそれぞれ表している。
圧縮強度試験とその他の硬化物性を表3に、圧縮強度と空気量に及ぼす加振と圧送の影響を図10に、圧送前後と養生方法の比較を図11に示す。なお、密度、圧縮強度、ヤング係数はそれぞれ3本の試験体の試験結果の平均値である。
圧縮強度は、90℃蒸気養生を行った場合には260〜288N/mm2、90℃蒸気養生後に180℃加熱養生した場合には360N/mm2の圧縮強度が得られた。前者の養生方法でFc250を十分に満足しており、後者の養生方法でFc300を十分に満足する圧縮強度が得られている。強度的に若干の余裕があることから、所要の強度が得られる範囲で水量を若干増やして流動性を高めるよう改良できる可能性があることが確認できた。
さらに第3実施形態の態様で行った試験であって、ポンプの吐出量を変えて、少なくとも一回或いは複数回の圧送を実行したものの結果を示す。
ポンプ圧送に先立って、シリカフューム(SF)を含む結合材料を用いてフレッシュ試験を行った。具体的な手順としては、容器に全量の水・混和剤を入れ、段階的にプレミックスモルタル粉体を投入して練り混ぜ、全てのプレミックスモルタルを投入後、180秒間の練り混ぜ作業を行った。
なお、使用した材料の調合を表4に示す。SFはシリカフュームであり、具体的には密度2.20g/cm3の粗粉SF及び密度2.20g/cm3の微粉SFを使用した。SFCはシリカフュームセメントである。シリカフュームセメントは密度3.08g/cm3のものを、また細骨材は密度2.60g/cm3の珪砂をそれぞれ使用した。
高性能減水剤の配合量は、結合材100質量部に対して5.0質量部であり、消泡剤の配合量は、結合材100質量部に対して0.03質量部である。
ポンプ圧送試験の第1〜第5回目では、W/B値=10.5と設定し、まず第1回目でポンプを作動しない状態で各項目を測定し、第2回目では吐出量を実質的に零とし、第3回目では吐出量を50とし、第4回目では吐出量100とし、第5回目では吐出量を100とするとともに図9に示すような循環経路を用いてポンプ圧送を5回繰り返して、それぞれ異なる条件の下で各項目を測定した。なお、吐出量50及び100は吐出量(容量)の相互の相対的な数値を表す。
さらにポンプ圧送試験の第6〜第8回目では、W/B値=11と設定し、まず第6回目でポンプを作動しない状態で各項目を測定し、第7回目では吐出量を実質的に零とし、第8回目では吐出量を50として、それぞれの項目を測定した。
なお、第一回目及び第6回目を除いて、前記フロー、グラウト中の空気量、単位容積質量、温度(CT及びAT)に関しては、ポンプ圧送の前後に、またグラウト吐出量及びグラウト吐出圧に関しては、ポンプ圧送時に測定を行った。
下記の表5に試験の結果を示す。
また圧送工程を5回繰り返した第5回目では、圧送工程を一回だけ行った第2〜第4回及び第5〜6回に比べて空気量の低下の割合が顕著である。すなわち、圧送工程を繰り返すことにより脱泡作用が向上することが分かる。
以上の結果を図13に図示している。
また表5のフローの数値から、ポンプの圧送の前後でフローが10mm程度増加すること、ポンプの下流から上流へ還流させるとフロー値が大きいことが分かる。この結果を図12に図示している。
2…グラウト用流路 2a…第1流路 2b…第2流路
4…導入口 6…排出口 8…導入路 8a…横向き管部 8b…縦向き管部
10…第1ホッパー 12…加圧部(第1ポンプ) 14…除泡部
16…バッファー容器
18…底壁 20…側壁 22…鍔部 24…蓋部 26…空気孔
28…仕切り板 30…コック 32…第2ポンプ
40…自由空間 42…受部(第2ホッパー)
44…保持具 44a…支持棒 44b…保持パイプ
50…戻り流路
b…空気泡 E…エルボー F…固定具 g…グラウト
I…第1接続口 O…第2接続口
Pc…合流点 Pd…分岐点 S…スタンド
Claims (6)
- 導入口から排出口へ至るグラウト用流路と、
このグラウト用流路の導入口寄りに設置され、グラウトを排出口側へ圧送するように設けられた加圧部と、
前記グラウト用流路の排出口寄りに設置され、グラウト中の空気泡を流路の上側へ放出するとともに、空気泡を除去したグラウトが排出口側へ流れるように構成した除泡部と、
を具備し、
前記加圧部と除泡部との間の流路部分を密閉流路とするとともに、
この密閉流路のうち前記除泡部側の部分である導入路を、除泡部に隣接する横向き管部で形成したことを特徴とする、グラウト用エア抜き装置。 - 前記導入路は、滑らかな内面を有する層流管で形成したことを特徴とする、請求項1に記載のグラウト用エア抜き装置。
- 前記除泡部は、前記密閉管路の流路面積より大きい横断面を有し、かつ内容積の一部を空気溜め部とするバッファー容器とし、
このバッファー容器の側壁に前記横向き管部の先端を接続し、この横向き管部から導入されたグラウト流体及び空気泡の密度差から空気泡を分離できるように構成したとしたことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のグラウト用エア抜き装置。 - 前記導入路は、前記除泡部に隣接する横向き管部に代えて、横向き管部の先端から起立して除泡部に隣接する縦向き管部を起立してなるL字形流路に形成するとともに、
前記除泡部は、前記密閉管路の流路面積より大きい横断面を有し、かつ内容積の一部を空気溜め部とするバッファー容器とし、
このバッファー容器の底壁に前記縦向き管部の先端を接続し、この縦向き管部から導入されたグラウト流体及び空気泡の密度差から空気泡を分離できるように構成したことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のグラウト用エア抜き装置。 - 前記除泡部は、流体が外部に曝され、前記加圧部で加えられた流体圧が解放される除圧部に形成されたことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のグラウト用エア抜き装置。
- 除泡部の下流に形成した分岐点から加圧部の上流側へ至る循環用戻り流路を有し、
前記分岐路付近に流路切り替え手段を設けるとともに、
前記除泡部を、グラウト用流路の出口寄りの箇所に代えて、加圧部及び分岐点の間のグラウト用流路部分、或いは、循環用流路に設けた
ことを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれかに記載のグラウト用エア抜き装置。
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