JP2019098263A - 反応器 - Google Patents

反応器 Download PDF

Info

Publication number
JP2019098263A
JP2019098263A JP2017233164A JP2017233164A JP2019098263A JP 2019098263 A JP2019098263 A JP 2019098263A JP 2017233164 A JP2017233164 A JP 2017233164A JP 2017233164 A JP2017233164 A JP 2017233164A JP 2019098263 A JP2019098263 A JP 2019098263A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
heat exchange
flat plates
catalyst layer
flow path
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017233164A
Other languages
English (en)
Inventor
立花 晋也
Shinya Tachibana
晋也 立花
志村 良太
Ryota Shimura
良太 志村
淳司 浅原
Junji Asahara
淳司 浅原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2017233164A priority Critical patent/JP2019098263A/ja
Publication of JP2019098263A publication Critical patent/JP2019098263A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Devices And Processes Conducted In The Presence Of Fluids And Solid Particles (AREA)
  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)

Abstract

【課題】反応効率を高くでき、かつ、メンテナンスコストを抑制可能な反応器を提供する。【解決手段】対向する2枚の平板30,30と、2枚の平板30,30の間に配置され、天然ガスと水蒸気との混合ガスが通流可能に構成される触媒層40と、2枚の平板30,30を構成するそれぞれの平板において、触媒層40が配置された面とは反対の面の側にそれぞれ形成され、平板30,30を介して混合ガスの加熱を行う燃焼ガスが通流するための少なくとも2つの燃焼ガス流路52,52と、混合ガスが触媒層40を通流することで生成された改質ガスを回収するための改質ガス鉛直流路51と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、反応器に関する。
反応器において、反応速度の増大の観点から、熱交換ガスと原料ガスとの間での熱交換量を増大させることが好ましい。具体的には、吸熱反応の場合には原料ガスに与える熱量を多くし、発熱反応の場合には原料ガスから奪う熱量を多くすることが好ましい。そこで、熱交換量を多くすることで反応速度を速めた反応器が提案されている。
特許文献1には、ガス燃料を燃焼させる燃焼室と、改質触媒を有し、原料ガスが通流する処理室と、燃焼室と処理室とを仕切る平板で構成された伝熱板とを備え、ガス燃料の燃焼により生じた熱によって処理室で原料ガスの改質を行う反応器が記載されている。
特許第4646527号公報(特に、段落0021、図2参照)
特許文献1に記載の技術では、2枚の平板で仕切られた処理室の片面側のみに燃焼室が配置されている。そのため、処理室に収容された触媒への伝熱ムラが生じ易く、触媒の配置位置によって劣化の進行度合いが異なる。この結果、メンテナンス時、劣化した触媒の交換に伴い、さほど劣化していない触媒の交換も余儀なくされる可能性がある。これにより、メンテナンスコストが増大する。
また、処理室において、燃焼室から離れた位置には熱が伝わりにくい。そのため、燃焼室から離れた位置では、反応に使用される熱が不足する。この結果、改質触媒によって生じる反応の速度が低下し、反応効率が低下する。
本発明の少なくとも一実施形態は、反応効率を高くでき、かつ、メンテナンスコストを抑制可能な反応器を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも幾つかの実施形態に係る反応器は、原料ガスから触媒を用いて生成ガスを生成する反応器であって、対向する少なくとも2枚の平板と、前記2枚の平板の間に前記触媒が配置されてなる触媒層であって、前記原料ガスが通流可能に構成される触媒層と、前記2枚の平板を構成するそれぞれの平板において、前記触媒層が配置された面とは反対の面の側にそれぞれ形成され、前記それぞれの平板を介して前記原料ガスとの間で熱交換を行う熱交換ガスが通流するための少なくとも2つの熱交換ガス流路と、前記原料ガスが前記触媒層を通流することで生成した前記生成ガスを回収するための少なくとも1つの生成ガス流路と、を備えることを特徴とする。
上記(1)の構成によれば、2枚の平板のそれぞれの外側(触媒層が配置された面の反対側)から、熱交換ガスが触媒層及び原料ガスと熱交換することができる。このため、触媒層に両側から伝熱を行うことができ、伝熱ムラを抑制することができる。この結果、触媒の劣化の偏りを抑制し、メンテナンスコストを抑制することができる。また、触媒全体を使用して反応を生じさせることができるため、反応効率を高めることができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、前記少なくとも2枚の平板は鉛直方向に沿って配置された少なくとも2枚の平板を含み、前記触媒層は、前記原料ガスを下方に通流させるように構成されたことを特徴とする。
上記(2)の構成によれば、触媒層を構成する触媒には下方に向かう原料ガスが接触するので、重力が下方に向かうことと相俟って、原料ガスの風圧による触媒のがたつきを抑制することができる。また、触媒のがたつきが抑制されることで、隣接する触媒同士の接触に伴う微粉の発生を抑制でき、発生した微粉による下流側の配管等の閉塞を抑制することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、前記少なくとも2枚の平板の下端同士は閉塞されており、前記少なくとも1つの生成ガス流路は、前記少なくとも2枚の平板の間を延在する、前記触媒層において生成した前記生成ガスを上方に抜き出すための生成ガス鉛直流路を含むことを特徴とする。
上記(3)の構成によれば、原料ガスの導入と生成ガスの回収とを近い位置で行うことができる。これにより、反応器の設置スペースを削減することができ、設置の自由度を増すことができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(3)の構成において、前記生成ガス鉛直流路は、前記少なくとも2枚の平板の間であって、かつ、対向する少なくとも2枚の第2平板の間に形成され、前記少なくとも2枚の第2平板の外側であって、かつ、前記少なくとも2枚の平板の内側には、前記触媒層が配置されたことを特徴とする。
上記(4)の構成によれば、生成ガス流路が触媒層で挟み込まれるようにして形成されるため、生成ガス流路には、両側の触媒層を原料ガスが満遍なく流れて得られた生成ガスが流れる。このため、流れやすい部分のみを流れるような流れの偏りを抑制し、触媒層全体を満遍なく使用して反応効率を高めることができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(4)の何れか1の構成において、前記少なくとも2枚の平板は、第1の平板と、前記第1の平板に対向する第2の平板と、前記第2の平板に対向する第3の平板と、前記第3の平板に対向する第4の平板と、を含み、前記第1の平板と前記第2の平板との間には、前記触媒層が形成され、前記第3の平板と前記第4の平板との間には、前記触媒層が形成され、前記第2の平板と前記第3の平板との間には、前記熱交換ガス流路が形成されることを特徴とする。
上記(5)の構成によれば、1つの熱交換ガス流路を流れる熱交換ガスにより、2つの触媒層との間で熱交換を行うことができる。これにより、反応器内部での省スペース化を図ることができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(5)の何れか1の構成において、前記少なくとも1つの生成ガス流路は、前記少なくとも2枚の平板の間であって、かつ、対向する少なくとも2枚の第2平板の間に形成され、前記少なくとも1つの生成ガス流路には、前記少なくとも2枚の第2平板の変形を抑制するための生成ガス流路補強部材が配置されることを特徴とする。
上記(6)の構成によれば、原料ガス及び熱交換ガスのうちの少なくとも一方であって高圧のガスが触媒層を流れたときに、高圧のガスによって第2平板が変形してしまうことを抑制することができる。これにより、生成ガス流路の閉塞を抑制し、圧力損失を過度に高めることなく、生成ガスを外部に抜き出すことができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(6)の構成において、前記生成ガス流路補強部材は、波板を含むことを特徴とする。
上記(7)の構成によれば、生成ガス流路補強部材を容易に後付けで配置することができる。そのため、例えば、原料ガスと熱交換ガスとの差圧が大きいときには生成ガス流路補強部材を取り付けたり、当該差圧が小さいときには生成ガス流路補強部材を取り外したりする等、適宜、生成ガス流路補強部材を脱着することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(7)の何れか1の構成において、前記触媒層での原料ガスの通流方向と、前記少なくとも2つの熱交換ガス流路での熱交換ガスの通流方向とが向流になるように前記触媒層及び前記少なくとも2つの熱交換ガス流路が構成されたことを特徴とする。
上記(8)の構成によれば、並流よりも反応効率を高めることができる。特に、1つの触媒層に対して2つの熱交換ガス流路が配置されることから、加熱ムラを抑制しつつ、反応器の小型化を図ることもできる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(8)の何れか1の構成において、前記少なくとも2つの熱交換ガス流路には、前記少なくとも2枚の平板の変形を抑制するための熱交換ガス流路補強部材が配置されることを特徴とする。
上記(9)の構成によれば、原料ガス及び熱交換ガスのうちの少なくとも一方であって高圧のガスが触媒層を流れたときに、高圧のガスによって2枚の平板が変形してしまうことを抑制することができる。これにより、熱交換ガス流路の閉塞を抑制して熱交換ガス流路の全体に熱交換ガスを行き渡らせ、触媒層との間で十分な熱交換を行うことができる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(9)の構成において、前記熱交換ガス流路補強部材は、前記少なくとも2枚の平板の間に配置される波板を含むことを特徴とする。
上記(10)の構成によれば、熱交換ガス流路補強部材を容易に後付けで配置することができる。そのため、例えば、原料ガスと燃焼ガスとの差圧が大きいときには熱交換ガス流路補強部材を取り付けたり、当該差圧が小さいときには熱交換ガス流路補強部材を取り外したりする等、適宜、熱交換ガス流路補強部材を脱着することができる。
(11)幾つかの実施形態では、上記(9)の構成において、前記補強部材は、前記少なくとも2枚の平板の外側表面に形成された凸部を含むことを特徴とする。
上記(11)の構成によれば、平板の剛性を高めることができ、平板を撓みにくくすることができる。これにより、平板の変形を抑制することができる。また、平板の外側表面に凸部を設けるとともに、凸部を設けた面(外側表面)に隣接する平板の表面にも同じく凸部を設けることで、凸部同士を接触させるようにすることが可能になる。このようにすることで、平板の変形を抑制することができる。
(12)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(11)の何れか1の構成において、前記少なくとも2枚の平板と、前記触媒層と、前記少なくとも2つの熱交換ガス流路と、前記少なくとも1つの生成ガス流路とを収容するための筐体を備え、前記筐体は、前記熱交換ガスを導入するための熱交換ガス導入口と、前記原料ガスとの間で熱交換した後の熱交換ガスを排出するための熱交換ガス排出口と、前記触媒層に原料ガスを導入するための原料ガス導入口と、前記少なくとも1つの生成ガス流路からの生成ガスを排出するための生成ガス排出口と、を含むことを特徴とする。
上記(12)の構成によれば、筐体の内部に原料ガス及び熱交換ガスを導入し、筐体の内部から生成ガスが排出されるため、配管の接続を簡素にすることができる。
(13)幾つかの実施形態では、上記(12)の構成において、前記少なくとも2つの熱交換ガス流路には、前記少なくとも2枚の平板の変形を抑制するための熱交換ガス流路補強部材が配置され、前記熱交換ガス導入口は前記筐体の下方に備えられ、前記熱交換ガス排出口は前記筐体の上方側面に備えられ、前記熱交換ガス流路補強部材は、前記熱交換ガス導入口から導入された前記熱交換ガスを前記熱交換ガス排出口へ流すように構成されたことを特徴とする。
上記(13)の構成によれば、熱交換ガス導入口から熱交換ガス排出口まで、熱交換ガスを流れ易くすることができる。このため、上方側面に備えられた熱交換ガス排出口から、使用済みの熱交換ガスを排出し易くすることができる。
(14)幾つかの実施形態では、上記(12)又は(13)の構成において、前記筐体は、本体部と、前記本体部に脱着可能に取り付けられる蓋部とを含み、前記蓋部を外すことで前記少なくとも2枚の平板を上方から視認可能に構成されたことを特徴とする。
上記(14)の構成によれば、蓋部を外すことで2枚の平板を上方から視認することができ、2枚の平板の間に配置された触媒層を視認することができる。これにより、触媒層の交換作業を上方から容易に行うことができる。
本発明の一実施形態によれば、反応効率を高くでき、かつ、メンテナンスコストを抑制可能な反応器を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る反応器を適用した改質反応のフローである。 本発明の一実施形態に係る反応器の外観斜視図である。 図2のA−A線断面図である。 図2のB−B線断面図である。 本発明の二実施形態に係る反応器の燃焼ガス流路に配置される燃焼ガス流路補強部材の斜視図である。 本発明の三実施形態に係る反応器の外観斜視図である。 本発明の四実施形態に係る反応器の外観斜視図である。 本発明の一実施形態に係る反応器を適用した別の改質反応のフローである。 本発明の一実施形態に係る反応器を適用したさらに別の改質反応のフローである。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、以下に実施形態として記載されている内容又は図面に記載されている内容は、あくまでも例示に過ぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、任意に変更して実施することができる。また、各実施形態は、2つ以上を任意に組み合わせて実施することができる。
また、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る反応器10を適用した改質反応のフローである。図1に示す改質反応は、反応器10を使用した水蒸気改質反応であり、天然ガスと水蒸気とを含む原料ガスから触媒を用いて改質ガス(生成ガス)を生成するものである。
反応器10には、上記のように、天然ガスと水蒸気との混合物である原料ガスが供給される。また、反応器10には、燃料と空気とを燃焼器101で燃焼させて得られた高温の燃焼ガスが供給される。そして、反応器10において、原料ガスが燃焼ガスによって加熱される。これにより、原料ガスが改質され、反応器10から改質ガス(水素、二酸化炭素等を含む生成ガス)が排出される。また、原料ガスを加熱して熱を失った燃焼ガスは、排ガスとして反応器10から排出される。
図2は、本発明の一実施形態に係る反応器10の外観斜視図である。反応器10は、いずれも後記し、図2では図示しないが、2枚の平板30と、触媒層40と、燃焼ガス流路52と、改質ガス鉛直流路51とを収容するための筐体1を備えて構成される。筐体1は、後記する触媒層40等を収容した本体部11と、本体部11に脱着可能に取り付けられる蓋部12とを備える。蓋部12の本体部11への固定は、本体部11の上端に備えらえるフランジ11aと、蓋部12の下端に備えられるフランジ12aとを、ボルト20a及びナット20b(図3参照)で締結することで、行われる。
一方で、ボルト20a及びナット20bを外すことで、蓋部12を本体部11から取り外すことができる。そして、蓋部12が取り外されることで、作業者が、筐体1の内部に配置された平板30(後記する)を上方から視認することができる。これにより、2枚の平板30の間に配置された触媒層40(後記する)を視認することができ、触媒層40の交換作業を上方から容易に行うことができる。
筐体1の下方(即ち、本体部11の下方)には、燃焼ガス(熱交換ガス)を筐体の内部に導入するための燃焼ガス導入口(熱交換ガス導入口)15が備えられる。さらに、筐体1の上方側面(即ち、本体部11の上方側面)には、原料ガスを加熱した後(即ち、原料ガスとの間で熱交換した後)の燃焼ガスを排出するための燃焼ガス排出口(熱交換ガス排出口)16が備えられる。そして、燃焼ガスは、燃焼ガス導入口15を通じて筐体1に導入された後、内部で原料ガスを加熱し、燃焼ガス排出口16から排出される。なお、図2では図示していないが、燃焼ガス排出口16は正面側に1つ備えられるほか、背面側にも1つ備えられる(図4を参照)。従って、反応器10では、燃焼ガス排出口16は2つ備えられる。
なお、本発明の一実施形態では、反応器10において生じる化学反応として、吸熱反応である水蒸気改質反応を例示したため、原料ガスを加熱するための燃焼ガスを使用したが、例えば反応器10において発熱反応が生じる場合には、原料ガスを冷却するための冷却ガス(図示しない。例えば空気等)を熱交換ガスとして使用することができる。
また、筐体1の上方(即ち蓋部12の上方)には、触媒層40(後記する)に原料ガスを導入するための原料ガス導入口13が備えられる。さらに、筐体1の上方(即ち蓋部12の上方)には、原料ガス導入口13に隣接して、改質ガス鉛直流路51(後記する。生成ガス流路)からの改質ガスを排出するための改質ガス排出口14が備えられる。原料ガスは、原料ガス導入口13を通じて筐体1に導入された後、上記の燃焼ガスによって内部で加熱され、改質ガス排出口14から排出される。
これらのように、反応器10は上記の筐体1を備え、筐体1は、燃焼ガス導入口15と燃焼ガス排出口16と原料ガス導入口13と改質ガス排出口14とを含む。これにより、筐体1の内部に原料ガス及び燃焼ガスを導入し、筐体1の内部から改質ガスが排出されるため、配管の接続を簡素にすることができる。
図3は、図2のA−A線断面図である。本発明の一実施形態に係る反応器10では、5つの反応ユニット35が備えられる。反応ユニット35は、鉛直方向に沿って配置され、対向する2枚の平板30と、触媒層40と、鉛直方向に沿って配置され、対向する2枚の第2平板31と、改質ガス鉛直流路51(改質ガス流路の一例)とを備える。これらのうち、対向する平板30の下端同士は閉塞されており、上端同士は閉塞されていない。一方で、対向する第2平板31の下端同士及び上端同士はいずれも閉塞されていない。
触媒層40は、2枚の第2平板31の外側であって、かつ、2枚の平板30の内側に配置され、改質反応を促進するための触媒が配置されてなるものである。触媒層40を構成する触媒は粒状であり、粒状の触媒が2枚の平板30の間に収容されることで、原料ガスが通流可能に触媒層40が形成される。なお、触媒層40は、例えば波板等の原料ガスを通流可能な担体の表面に触媒を担持させたものであってもよい。
具体的には、上記のように2枚の平板30の上端同士は閉塞されていないから、2枚の平板30の間に配置される触媒層40の上端面40aは原料ガス導入空間54(後記する)に露出している。そのため、原料ガスが上端面40aから触媒層40に入り込む。そして、上端面40aから触媒層40に入り込んだ原料ガスは、燃焼ガス(後記する)で加熱されながら、粒状の触媒の隙間を通って下方に流れる。そのため、触媒層40は原料ガス流路50として機能している。
これらのように、反応器10においては、2枚の平板30は鉛直方向に沿って配置されており、2枚の平板30の間に配置された触媒層40は原料ガスを下方に通流させるように構成されている。このように構成することで、触媒層40を構成する触媒には下方に向かう原料ガスが接触するので、重力が下方に向かうことと相俟って、原料ガスの風圧による触媒のがたつきを抑制することができる。また、触媒のがたつきが抑制されることで、隣接する触媒同士の接触に伴う微粉の発生を抑制でき、発生した微粉による下流側の配管等の閉塞を抑制することができる。
また、2枚の第2平板31の間には、原料ガスが触媒層40を通流することで生成した改質ガスを回収するための改質ガス鉛直流路51が形成される。具体的には、2枚の平板30の間であって、かつ、対向する2枚の第2平板31の間に(即ち2枚の平板30の間を延在し)、触媒層40において生成した改質ガスを上方に抜き出すための改質ガス鉛直流路51が形成される。改質ガス鉛直流路51がこのように形成されることで、原料ガスの上方からの導入と改質ガスの上方からの回収とを近い位置で行うことができる。これにより、反応器10の設置スペースを削減することができ、設置の自由度を増すことができる。
さらに、上記のように2枚の第2平板31の下端同士は閉塞していないため、2枚の第2平板31の間に形成される改質ガス鉛直流路51の下端は触媒層40に臨むように露出している。一方で、上記のように2枚の第2平板31の上端同士も閉塞されていないため、改質ガス鉛直流路51の上端は、回収管62,63,64,65及び改質ガス排出口14を通じて、外部に繋がっている。
上記のようにして触媒層40を下方に流れる原料ガスは、燃焼ガスにより加熱され、触媒層40の内部で改質ガスが生成する。生成した改質ガスは、上方からの原料ガスの流れにより、下方に流れる。そして、上記のように、2枚の平板30の下端同士は閉塞されているから、下方に流れた改質ガスは、閉塞された部分で改質ガス鉛直流路51の内部に入り(閉塞された部分で折り返し)、上方に向かうようになっている。改質ガス鉛直流路51を上方に向かった改質ガスは、回収管63,64,65,62をこの順で流れ、改質ガス排出口14を通じて排出される。
これらのように、反応器10では、2枚の平板30の間であって、かつ、対向する2枚の第2平板31の間に改質ガス鉛直流路51が形成される。また、2枚の第2平板31の外側であって、かつ、2枚の平板30の内側には触媒層40が配置される。これらのようにすることで、改質ガス鉛直流路51が触媒層40で挟み込まれるようにして形成されるため、改質ガス鉛直流路51には、両側の触媒層40を原料ガスが満遍なく流れて得られた改質ガスが流れる。このため、流れやすい部分のみを流れるような流れの偏りを抑制し、触媒層40全体を満遍なく使用して反応効率を高めることができる。
改質ガス鉛直流路51には、2枚の第2平板31の間に配置され、2枚の第2平板31の変形を抑制するための改質ガス流路補強部材60(生成ガス流路補強部材)が配置される。改質ガス流路補強部材60が配置されることで、原料ガス及び燃焼ガスのうちの少なくとも一方であって高圧のガス(改質反応の場合には特に原料ガス)が触媒層40を流れたときに、高圧のガスによって第2平板31が変形してしまうことを抑制することができる。
即ち、原料ガスと燃焼ガスとの差圧が大きくなれば、これらを隔てる平板30が変形し易くなる。また、平板30が変形すれば、平板30の変形が触媒層40を介して第2平板31にも伝達し、第2平板31も変形し易くなる。しかし、改質ガス鉛直流路51に改質ガス流路補強部材60が備えられることで、第2平板31の変形を抑制することができる。これにより、改質ガス鉛直流路51の閉塞を抑制し、圧力損失を過度に高めることなく、改質ガスを外部に抜き出すことができる。
改質ガス流路補強部材60は、上下方向に向かう凹凸を有する波板を含んで構成される。波板は例えば金属製である。改質ガス流路補強部材60が波板を含むことで、改質ガス流路補強部材60を容易に後付けで配置することができる。そのため、例えば、原料ガスと燃焼ガスとの差圧が大きいときには改質ガス流路補強部材60を取り付けたり、当該差圧が小さいときには改質ガス流路補強部材60を取り外したりする等、適宜、改質ガス流路補強部材60を脱着することができる。
上記の構成を有する5つの反応ユニット35の間には、各反応ユニット35を構成するそれぞれの平板30を介して原料ガスを加熱する(原料ガスとの間で熱交換を行う)燃焼ガスが通流するための燃焼ガス流路52が形成される。即ち、反応ユニット35における2枚の平板30を構成するそれぞれの平板30において、触媒層40が配置された面とは反対の面の側のそれぞれに、燃焼ガス流路52が形成される。
このことをさらに換言すれば、隣接する2つの反応ユニット35に着目すると、一方の反応ユニット35は、平板30(第1の平板)と、当該平板30と対向する平板30(第2の平板)とを備える。そして、これらの平板30,30の間には、触媒層40が形成される。また、他方の反応ユニット35は、平板30(第3の平板)と、当該平板30と対向する平板30(第4の平板)とを備える。そして、平板30(第1の平板)と平板30(第2の平板)との間には、触媒層40が形成される。また、平板30(第3の平板)と平板30(第4の平板)との間にも、触媒層40が形成される。さらに、一方の反応ユニット35を構成し、他方の反応ユニット35と隣接する側の平板30(第2の平板)と、他方の反応ユニット35を構成し、一方の反応ユニット35と隣接する側の平板30(第3の平板)との間には、上記の燃焼ガス流路52が形成される。
このように、1つの燃焼ガス流路52を流れる燃焼ガスにより、2つの触媒層40との間で熱交換を行うことができる。これにより、反応器10の内部での省スペース化を図ることができる。
燃焼ガス流路52には、2枚の平板30の間に配置され、2枚の平板30の変形を抑制するための燃焼ガス流路補強部材61(熱交換ガス流路補強部材)が配置される。燃焼ガス流路補強部材61が配置されることで、原料ガス及び熱交換ガスのうちの少なくとも一方であって高圧のガス(改質反応の場合には特に原料ガス)が触媒層40を流れたときに、高圧のガスによって2枚の平板30が変形してしまうことを抑制することができる。即ち、上記の改質ガス流路補強部材60と同様に、原料ガスと燃焼ガスとの差圧により、平板30が変形する可能性がある。しかし、燃焼ガス流路補強部材61が配置されることで、平板30の変形を抑制することができる。これにより、燃焼ガス流路52の閉塞を抑制して、燃焼ガス流路52の全体に燃焼ガスを行き渡らせ、触媒層40との間で十分な熱交換を行うことができる。
燃焼ガス流路補強部材61は、上下方向に向かう凹凸を有する波板を含んで構成される。波板は例えば金属製である。燃焼ガス流路補強部材61が波板を含むことで、燃焼ガス流路補強部材61を容易に後付けで配置することができる。そのため、例えば、原料ガスと燃焼ガスとの差圧が大きいときには燃焼ガス流路補強部材61を取り付けたり、当該差圧が小さいときには燃焼ガス流路補強部材61を取り外したりする等、適宜、燃焼ガス流路補強部材61を脱着することができる。
また、5つの反応ユニット35は、サポート板21に取り付けられる。また、サポート板21は上面視で円形であり、サポート板21の端部がフランジ11a,12a(図2参照)の間に挟み込まれることで、サポート板21が筐体1の内部に固定される。
さらに、5つの反応ユニット35は、等間隔でサポート板21に取り付けられる。そのため、5つの反応ユニット35の間に形成される燃焼ガス流路52も等幅に形成される。ただし、5つの反応ユニット35のうち、左端に配置された反応ユニット35の左側面の外側に形成される燃焼ガス流路52、及び、右端に配置された反応ユニット35の右側面の外側に形成される燃焼ガス流路52の幅は、いずれも、5つの反応ユニット35の間に形成される燃焼ガス流路52の幅よりも狭い。具体的には、5つの反応ユニット35のうち、左端に配置された反応ユニット35の左側面の外側に形成される燃焼ガス流路52、及び、右端に配置された反応ユニット35の右側面の外側に形成される燃焼ガス流路52の幅は、いずれも、5つの反応ユニット35の間に形成される燃焼ガス流路52の幅の半分になっている。
これは、左右の両端に形成される燃焼ガス流路52では、燃焼ガスは、片側(左又は右の一方のみ)の触媒層40を加熱するため、他の燃焼ガス流路52と比べて、使用される燃焼ガスの量が少なくなることに起因する。そのため、左端に配置された反応ユニット35の左側面の外側に形成される燃焼ガス流路52、及び、右端に配置された反応ユニット35の右側面の外側に形成される燃焼ガス流路52の幅は、いずれも、5つの反応ユニット35の間に形成される燃焼ガス流路52の幅よりも狭くしている。これにより、反応器10の小型化を図ることができる。
5つの反応ユニット35のうち、最も端(左右両端)に配置される反応ユニット35の外側には、平板30に沿って上下方向に延びるサポート部材22が備えられる。サポート部材22が備えられることで、原料ガスと燃焼ガスの差圧が大きく、かつ、原料ガスが高圧の場合に、平板30が外側に変形(即ち膨張)することを抑制することができる。また、平板30が変形した場合であっても、サポート部材22があることで平板30の変形がその他の部材に及びにくい。そのため、平板30の板厚を薄くすることができる。なお、サポート部材22は、上記のサポート板21及び5つの反応ユニット35とともに一体化されている。
また、反応器10の内部の下方には、燃焼ガス導入口15によって外部と連通する燃焼ガス導入空間53が形成される。燃焼ガス導入空間53と、後記する原料ガス導入空間54とは、サポート板21によって区切られている。そのため、燃焼ガス導入口15によって導入された燃焼ガスは、原料ガス導入空間54(後記する)に至ることなく、燃焼ガス排出口16から排出される。
反応器10の下方に備えられた燃焼ガス導入口15から反応器10の内部に導入された燃焼ガスは、初めに燃焼ガス導入空間53に導入される。そして、導入された燃焼ガスは、燃焼ガス流路52を通り、上方に向かう。このとき、燃焼ガス流路52を流れる燃焼ガスは、2枚の平板30を介して、触媒層40を流れる原料ガスの加熱を行う。そして、触媒層40を加熱した後の燃焼ガスは、使用済みの排ガスとして、図3では図示しない燃焼ガス排出口16から反応器10の外部に排出される。
一方で、反応器10の内部の上方には、原料ガス導入口13によって外部と連通する原料ガス導入空間54が形成される。そして、上記のように、原料ガス導入空間54と、燃焼ガス導入空間53とは、サポート板21によって区切られている。そのため、原料ガス導入口13によって導入された原料ガスは、燃焼ガス導入空間53に至ることなく、触媒層40の上端面40aから触媒層40の内部に入り込む。
また、反応器10では、筐体1の全体を覆うように、断熱材9が配置される。断熱材9は例えば発泡ウレタンである。これにより、燃焼ガスの有する熱が外部に逃げにくくなり、効率的に原料ガスを加熱することができる。
反応器10におけるガスの流れについて説明する。反応器10の上方に備えられた原料ガス導入口13から反応器10の内部に導入された原料ガスは、初めに原料ガス導入空間54に導入される。そして、導入された原料ガスは、触媒層40(原料ガス流路50)を通り、下方に向かう。このとき、触媒層40を流れる原料ガスは、2枚の平板30を介して燃焼ガスによって加熱される。そのため、触媒層40を構成する触媒によって原料ガスの改質が行われ、改質ガスが生成する。
生成した改質ガス及び未反応の原料ガス(以下、未反応ガスという)は、上方からの原料ガスの流れによって、さらに下方に向かう。ただし、上記のように、平板30の下端同士は閉塞されている。そのため、下方に向かった改質ガス及び未反応ガスは、平板30の閉塞された部分で折り返し、改質ガス鉛直流路51に流れ込む。そして、改質ガス鉛直流路51に流れ込んだ改質ガス及び未反応ガスは上方に向かい、回収管62及び改質ガス排出口14を通じて、外部に排出される。
このように、反応器10では、触媒層40での原料ガスの通流方向と、燃焼ガス流路52での燃焼ガスの通流方向とが向流になるように触媒層40及び燃焼ガス流路52が構成されている。このようにすることで、並流よりも反応効率を高めることができる。特に、1つの触媒層40に対して2つの燃焼ガス流路52が配置されることから、加熱ムラを抑制しつつ、反応器10の小型化を図ることもできる。
図4は、上記図2のB−B線断面図である。図4においては、参考のために、回収管62,63,64,65及び改質ガス排出口14を破線で示している。また、回収管63の位置を把握し易くするために、上記の図3に示した回収管62の大きさよりも少し大きく図示している。
上記のように、改質ガス鉛直流路51には、改質ガス鉛直流路51の上方に、回収管63が接続される。回収管63は、改質ガス鉛直流路51ごとに備えられており、5つの改質ガス鉛直流路51を備える反応器10では、5つの回収管63が備えられる。正面背面方向に延在する回収管63の正面側及び背面側の端部のそれぞれには、左右方向に延在する回収管64が接続される。また、これらの回収管64を接続するように、上記5つの回収管63のうちの中央の回収管63の上方には、正面背面方向に延在する回収管65が配置される。
それぞれの改質ガス鉛直流路51から排出され、それぞれの回収管63を流れた改質ガスは、2つの回収管64を流れる。次いで、2つの回収管64を流れた改質ガスは、上記中央の回収管63の上方に配置された回収管65に流れる。そして、回収管65に流れた改質ガスは、改質ガス排出口14に繋がる回収管62を流れて、改質ガス排出口14から排出される。
以上のように、本発明の一実施形態に係る反応器10は、原料ガスから触媒を用いて改質ガスを生成するものである。そして、反応器10は、対向する2枚の平板30と、2枚の平板30の間に触媒が配置されてなる触媒層40であって、原料ガスが通流可能に構成される触媒層40と、2枚の平板30を構成するそれぞれの平板30において、触媒層40が配置された面とは反対の面の側にそれぞれ形成され、それぞれの平板30を介して原料ガスの加熱を行う燃焼ガスが通流するための燃焼ガス流路52と、原料ガスが触媒層40を通流することで生成した改質ガスを回収するための改質ガス鉛直流路51と、を備えている。
そして、このような構成を有する反応器10によれば、2枚の平板30のそれぞれの外側(触媒層40が配置された面の反対側)から、燃焼ガスが触媒層40及び原料ガスを加熱することができる。このため、触媒層40に両側から伝熱を行うことができ、伝熱ムラを抑制することができる。この結果、触媒の劣化の偏りを抑制し、メンテナンスコストを抑制することができる。また、触媒全体を使用して反応を生じさせることができるため、反応効率を高めることができる。
図5は、本発明の二実施形態に係る反応器10の燃焼ガス流路52に配置される燃焼ガス流路補強部材61Aの斜視図である。上記の図2及び図3を参照しながら説明した燃焼ガス流路補強部材61は、上下方向に向かう凹凸を有していた。従って、燃焼ガスは、この凹凸に沿って下方から上方に流れ、燃焼ガス流路補強部材61に沿って流れた燃焼ガスは、使用済みの排ガスとして、正面側と背面側とのそれぞれに備えられた2つの燃焼ガス排出口16(図4参照)から排出されていた。
しかし、図5に示す燃焼ガス流路補強部材61Aは、上方側面(正面側)にのみ燃焼ガス排出口16が備えられる反応器10において、下方の燃焼ガス導入口15から導入された燃焼ガスを燃焼ガス排出口16へ流すように構成されている。具体的には、燃焼ガス流路補強部材61Aでは、燃焼ガスを正面側に備えられた燃焼ガス排出口16に流すように屈曲した凸部73及び凹部74が備えられる。
燃焼ガス流路補強部材61Aがこのように構成されることで、燃焼ガス導入口15から燃焼ガス排出口16まで、燃焼ガスを流れ易くすることができる。このため、上方側面に備えられた燃焼ガス排出口16から、使用済みの燃焼ガスを排出し易くすることができる。
図6は、本発明の三実施形態に係る反応器10Aの外観斜視図である。上記の図2及び図3を参照しながら説明した反応器10では、触媒層40で生成した改質ガスは、反応器10の上方に備えられた改質ガス排出口14から排出されていた。即ち、触媒層40で生成した改質ガスは、改質ガス鉛直流路51を上方に向かって流れ、反応器10の上方から排出されていた。しかし、図6に示す反応器10Aでは、触媒層40で生成した改質ガスは、原料ガス(未反応ガスを含む)とともにそのまま下方に流れ、反応器10Aの下方から排出されている。従って、触媒層40は、原料ガス流路として機能するほか、改質ガス流路としても機能する。
反応器10Aでは、反応ユニット35を構成する2枚の平板30の下端同士は、上記の反応器10とは異なり、閉塞されていない。従って、2枚の平板30の間に配置される触媒層40において生成した改質ガスは、上方に戻ることなく、そのまま下方に流れる。具体的には、触媒層40において生成した改質ガスは、触媒層40の下方に接続された回収管63,64,65,62をこの順で流れ、改質ガス排出口14を通じて外部に排出される。
このように、改質ガスを反応器10Aの下方から排出することで、触媒層40に改質ガス鉛直流路51を形成する必要が無い。そのため、触媒層40を構成する触媒の量を増やすことができ、改質ガスの生成量を増やすことができる。
図7は、本発明の四実施形態に係る反応器10Bの外観斜視図である。上記の図3を参照しながら説明した反応器10では、燃焼ガス流路52に、波板を含んで構成される燃焼ガス流路補強部材61が配置されていた。しかし、図7に示す反応器10Bでは、燃焼ガス流路52において、波板に代えて、反応ユニット35を構成する2枚の平板30の外側表面に形成された凸部75が含まれている。
反応器10Bでは、隣接する2つの反応ユニット35において、一方の反応ユニット35を構成する2枚の平板30のうちの、他方の反応ユニット35と対向する平板30の表面(外側表面)に凸部75が形成されている。また、他方の反応ユニット35を構成する2枚の平板30のうちの、一方の反応ユニット35と対向する平板30の表面(外側表面)にも、同じ大きさの凸部75が形成されている。凸部75は、上記の波板を構成する凹凸と同様に、上下方向に延在する。そのため、隣接する凸部75の間には、上下方向に延びる燃焼ガス流路52が形成される。
このように、平板30の外側表面に凸部75が形成されることで、平板30の剛性を高めることができ、平板30を撓みにくくすることができる。これにより、平板30の変形を抑制することができる。また、平板30の外側表面に凸部75を設けるとともに、凸部75を設けた面(外側表面)に隣接する平板30の表面にも同じく凸部75を設けることで、凸部75同士を接触させるようにすることが可能になる。このようにすることで、平板30の変形を抑制することができる。
なお、対向する凸部75同士は、2つの反応ユニット35を並べた時点で接触していなくてもよい。即ち、平板30が高圧の原料ガス等により変形した場合であっても、変形に伴って凸部75同士が接触することで平板30のこれ以上の変形が抑制され、燃焼ガス流路52の断面積を十分に確保することができる。
なお、凸部75は、平板30の表面に溶接等により後付けされてもよいし、平板30の表面加工により形成されてもよい。
図8は、本発明の一実施形態に係る反応器10を適用した別の改質反応のフローである。図8に示すフローでは、反応器10の燃焼ガス排出口16(図2等を参照、図8では図示しない)の後段に、反応器10の内部における燃焼ガスの圧力を高めるため、圧力調整装置102が備えられている。圧力調整装置102は例えば背圧弁である。そして、圧力調整装置102の開度が絞られることで、反応器10の内部の燃焼ガスの圧力を、原料ガスの圧力と同程度(例えば同じか、又は100kPa〜500kPa低い程度)にまで高めることが可能になっている。
このようにすることで、原料ガスと燃焼ガスとの差圧を小さくして、反応ユニット35を構成する平板30及び第2平板31の変形を抑制することができる。また、平板30が変形しにくくなるため、サポート部材22(図3参照、図8では図示しない)も簡便な構成とすることができ、サポート部材22の板厚を薄くすることができる。
図9は、本発明の一実施形態に係る反応器10を適用したさらに別の改質反応のフローである。上記の各フローでは、反応器10で使用される熱交換ガスとして、燃料を燃焼させて得られた燃焼ガスを使用していた。しかし、図9に示すフローでは、反応器10で使用される熱交換ガスとして、自己熱改質反応器103から排出された反応ガスを使用している。
自己熱改質反応器103では、空気又は酸素を使用し、発熱反応である部分酸化改質と吸熱反応である水蒸気改質反応とが併発している。そのため、自己熱改質反応器103には、天然ガスの部分酸化を促進する改質触媒103aが収容される。なお、上記の反応器10では、天然ガス及び水蒸気を含む原料ガス及び上記の触媒層40を使用し、吸熱反応である水蒸気改質が行われている。
図9に示すフローにおいて、具体的なガスの流れとしては、はじめに、天然ガス及び水蒸気を含む原料ガスが、反応器10に供給される。反応器10では、詳細は後記するが、自己熱改質反応器103から排出された高温のガスにより、原料ガスの加熱が行われる。そして、反応器10で生成した改質ガスは、上記の各フローとは異なり、そのまま改質ガスとして排出されず、自己熱改質反応器103に供給される。自己熱改質反応器103には、反応器10で生成した改質ガス及び未反応ガスのほか、空気又は酸素も供給される。
自己熱改質反応器103では、反応器10で生じた未反応ガスと空気又は酸素とを用いて、改質触媒103aによる改質反応が行われる。自己熱改質反応器103で行われる改質反応は上記のように発熱反応であるから、自己熱改質反応器103から排出される改質ガス(反応器10で生成し、自己熱改質反応器103に供給された改質ガスを含む)は高温となる。そこで、自己熱改質反応器103で生じた高温の改質ガスは、反応器10に供給されて、反応器10において原料ガスを加熱するために使用される。そして、最後に、原料ガスを加熱し放熱した後の改質ガスは、目的物である改質ガスとして、反応器10の外部に排出される。
このように、図9に示すフローでは、2段階の改質が行われる。特に、2段階目の自己熱改質反応器103では、反応器10での未反応ガスを使用して改質が行われるため、改質ガスを増加させることができる。
また、反応器10に供給される熱交換ガス(即ち、反応器10で生成した改質ガスと空気又は酸素との混合ガス)は、反応器10から自己熱改質反応器103に供給される改質ガスよりも、空気又は酸素が含まれている分だけ圧力が増加する。そのため、反応器10において、熱交換ガスの圧力を高めることができ、反応器10に供給される原料ガスとの差圧を小さくすることができる。これにより、反応ユニット35を構成する平板30及び第2平板31の変形を抑制することができる。また、平板30が変形しにくくなるため、サポート部材22(図3参照、図9では図示しない)も簡便な構成とすることができ、サポート部材22の板厚を薄くすることができる。
1 筐体
10,10A,10B 反応器
11 本体部
11a,12a フランジ
12 蓋部
13 原料ガス導入口
14 改質ガス排出口
15 燃焼ガス導入口
16 燃焼ガス排出口
20a ボルト
20b ナット
21 サポート板
22 サポート部材
30 平板
31 第2平板
35 反応ユニット
40 触媒層
40a 上端面
50 原料ガス流路
51 改質ガス鉛直流路
52 燃焼ガス流路
53 燃焼ガス導入空間
54 原料ガス導入空間
60 改質ガス流路補強部材
61,61A 燃焼ガス流路補強部材
62,63,64,65 回収管
73 凸部
74 凹部
75 凸部
101 燃焼器
102 圧力調整装置
103 自己熱改質反応器
103a 改質触媒

Claims (14)

  1. 原料ガスから触媒を用いて生成ガスを生成する反応器であって、
    対向する少なくとも2枚の平板と、
    前記2枚の平板の間に前記触媒が配置されてなる触媒層であって、前記原料ガスが通流可能に構成される触媒層と、
    前記2枚の平板を構成するそれぞれの平板において、前記触媒層が配置された面とは反対の面の側にそれぞれ形成され、前記それぞれの平板を介して前記原料ガスとの間で熱交換を行う熱交換ガスが通流するための少なくとも2つの熱交換ガス流路と、
    前記原料ガスが前記触媒層を通流することで生成した前記生成ガスを回収するための少なくとも1つの生成ガス流路と、を備えることを特徴とする、反応器。
  2. 前記少なくとも2枚の平板は鉛直方向に沿って配置された少なくとも2枚の平板を含み、
    前記触媒層は、前記原料ガスを下方に通流させるように構成されたことを特徴とする、請求項1に記載の反応器。
  3. 前記少なくとも2枚の平板の下端同士は閉塞されており、
    前記少なくとも1つの生成ガス流路は、前記少なくとも2枚の平板の間を延在する、前記触媒層において生成した前記生成ガスを上方に抜き出すための生成ガス鉛直流路を含むことを特徴とする、請求項2に記載の反応器。
  4. 前記生成ガス鉛直流路は、前記少なくとも2枚の平板の間であって、かつ、対向する少なくとも2枚の第2平板の間に形成され、
    前記少なくとも2枚の第2平板の外側であって、かつ、前記少なくとも2枚の平板の内側には、前記触媒層が配置されたことを特徴とする、請求項3に記載の反応器。
  5. 前記少なくとも2枚の平板は、第1の平板と、前記第1の平板に対向する第2の平板と、前記第2の平板に対向する第3の平板と、前記第3の平板に対向する第4の平板と、を含み、
    前記第1の平板と前記第2の平板との間には、前記触媒層が形成され、
    前記第3の平板と前記第4の平板との間には、前記触媒層が形成され、
    前記第2の平板と前記第3の平板との間には、前記熱交換ガス流路が形成されることを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の反応器。
  6. 前記少なくとも1つの生成ガス流路は、前記少なくとも2枚の平板の間であって、かつ、対向する少なくとも2枚の第2平板の間に形成され、
    前記少なくとも1つの生成ガス流路には、前記少なくとも2枚の第2平板の変形を抑制するための生成ガス流路補強部材が配置されることを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の反応器。
  7. 前記生成ガス流路補強部材は、波板を含むことを特徴とする、請求項6に記載の反応器。
  8. 前記触媒層での原料ガスの通流方向と、前記少なくとも2つの熱交換ガス流路での熱交換ガスの通流方向とが向流になるように前記触媒層及び前記少なくとも2つの熱交換ガス流路が構成されたことを特徴とする、請求項1〜7の何れか1項に記載の反応器。
  9. 前記少なくとも2つの熱交換ガス流路には、前記少なくとも2枚の平板の変形を抑制するための熱交換ガス流路補強部材が配置されることを特徴とする、請求項1〜8の何れか1項に記載の反応器。
  10. 前記熱交換ガス流路補強部材は、前記少なくとも2枚の平板の間に配置される波板を含むことを特徴とする、請求項9に記載の反応器。
  11. 前記補強部材は、前記少なくとも2枚の平板の外側表面に形成された凸部を含むことを特徴とする、請求項9に記載の反応器。
  12. 前記少なくとも2枚の平板と、前記触媒層と、前記少なくとも2つの熱交換ガス流路と、前記少なくとも1つの生成ガス流路とを収容するための筐体を備え、
    前記筐体は、
    前記熱交換ガスを導入するための熱交換ガス導入口と、
    前記原料ガスとの間で熱交換した後の熱交換ガスを排出するための熱交換ガス排出口と、
    前記触媒層に原料ガスを導入するための原料ガス導入口と、
    前記少なくとも1つの生成ガス流路からの生成ガスを排出するための生成ガス排出口と、を含むことを特徴とする、請求項1〜11の何れか1項に記載の反応器。
  13. 前記少なくとも2つの熱交換ガス流路には、前記少なくとも2枚の平板の変形を抑制するための熱交換ガス流路補強部材が配置され、
    前記熱交換ガス導入口は前記筐体の下方に備えられ、
    前記熱交換ガス排出口は前記筐体の上方側面に備えられ、
    前記熱交換ガス流路補強部材は、前記熱交換ガス導入口から導入された前記熱交換ガスを前記熱交換ガス排出口へ流すように構成されたことを特徴とする、請求項12に記載の反応器。
  14. 前記筐体は、
    本体部と、前記本体部に脱着可能に取り付けられる蓋部とを含み、
    前記蓋部を外すことで前記少なくとも2枚の平板を上方から視認可能に構成されたことを特徴とする、請求項12又は13に記載の反応器。
JP2017233164A 2017-12-05 2017-12-05 反応器 Pending JP2019098263A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017233164A JP2019098263A (ja) 2017-12-05 2017-12-05 反応器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017233164A JP2019098263A (ja) 2017-12-05 2017-12-05 反応器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019098263A true JP2019098263A (ja) 2019-06-24

Family

ID=66975023

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017233164A Pending JP2019098263A (ja) 2017-12-05 2017-12-05 反応器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019098263A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022508538A (ja) * 2018-10-01 2022-01-19 ヒタチ ゾウセン イノバ エトガス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 固定床装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022508538A (ja) * 2018-10-01 2022-01-19 ヒタチ ゾウセン イノバ エトガス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 固定床装置
JP7441231B2 (ja) 2018-10-01 2024-02-29 ヒタチ ゾウセン イノバ エージー 固定床装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6408754B2 (ja) リアクタ
KR102456288B1 (ko) 합성가스 생성을 위한 확장 가능한 열 교환기 개질기
US20100133474A1 (en) Thermally coupled monolith reactor
JPS5884035A (ja) 接触ガス改質器
WO2007040146A1 (ja) 水素生成装置及び燃料電池システム
US5676911A (en) Radial flow fuel processor
JP2008505299A (ja) マルチパス型の熱交換器
JP2019098263A (ja) 反応器
EP2421794B1 (en) Process for the preparation of hydrogen and carbon monoxide containing gas
JP5679457B2 (ja) 反応部往復路ダクトを有する熱交換部一体型反応器
JP6907500B2 (ja) 熱処理装置
JP2012511421A (ja) 化学反応器の操作
JP6911469B2 (ja) 熱処理装置
JP2004175581A (ja) 内熱式水蒸気改質装置
US8263027B2 (en) Apparatus, systems and methods for the production of hydrogen
KR101695160B1 (ko) 수소 제조 장치
JP2005231943A (ja) 改質装置
JP6819199B2 (ja) 圧力容器
JP6595381B2 (ja) ガス給湯器
JP2002107071A (ja) 熱交換器
JP5198091B2 (ja) 燃料電池用改質装置
US20140030617A1 (en) Fuel reformer for fuel cell
JP5483788B1 (ja) 燃料処理装置
JP7107387B2 (ja) 反応装置
JP5196540B2 (ja) 燃料電池用ガス処理装置