JP2019097485A - エタノール臭のマスキング方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】消毒用アルコール製剤において、飲食品として用いられる物を添加して、十分なエタノール臭のマスキングをする方法、およびエタノール臭がマスキングされた消毒用アルコール製剤を提供する。【解決手段】消毒用アルコール製剤において、エタノールに対して蒸留酒を配合することで、使用時のエタノールの刺激とエタノール臭をマスキングすることができる。蒸留酒の配合量は、蒸留酒由来のエタノール量が全エタノール量の0.01〜2.0重量%を占めるような量にすることが望ましい。【選択図】なし
Description
本発明は、エタノール臭がマスキングされたエタノール含有の消毒剤に関する。
食品製造や医療の現場などにおいて、微生物を除去、消毒するために、殺菌能力の高いエタノール製剤が好適に用いられ、また簡便性の面から噴霧式のものが主流となっている。
殺菌効果、殺ウイルス効果の高いアルコール製剤は概ねエタノール含量が高く、50〜75%程度である。しかし、このような高いエタノール濃度の製剤においては、噴霧、塗り広げをした際に強いエタノール臭が発生して、これが嫌われることがあった。
殺菌効果、殺ウイルス効果の高いアルコール製剤は概ねエタノール含量が高く、50〜75%程度である。しかし、このような高いエタノール濃度の製剤においては、噴霧、塗り広げをした際に強いエタノール臭が発生して、これが嫌われることがあった。
気化したアルコールの刺激臭をマスキングする方法としては、アルコール組成物に脂肪族エステルを添加する方法(特許文献1)、水溶性植物エキスを添加する方法(特許文献2)などが報告されている。これらは、主に香粧品の中に含まれるアルコールの刺激臭をマスキングすることを目的としている。
一方、消毒のために用いるアルコール製剤は、エタノール濃度が比較的高いこと、主に噴霧して用いられること、また食品周りで使用されることが多いことから、アルコール製剤に添加するものは、安全性の観点から飲食品としても使用できるものであって、かつエタノール臭マスキング効果の高いものが望まれる。
本発明の課題は、消毒用アルコール製剤において、飲食品として用いられる物を添加して、十分なエタノール臭のマスキングをする方法、およびエタノール臭がマスキングされた消毒用アルコール製剤を提供することである。
本発明者らは、消毒用アルコール製剤において、エタノールに対して蒸留酒を適量添加することで、使用時のエタノール刺激臭をマスキングできることを見出した。すなわち、本発明は以下の(1)〜(4)に関する。
(1)消毒用エタノール含有組成物において、蒸留酒を配合する、前記エタノール含有組成物のエタノール臭のマスキング方法。
(2)前記蒸留酒が、穀物由来または果実由来のものである、前記(1)に記載の方法。
(3)消毒用エタノール含有組成物への蒸留酒の配合量が、該蒸留酒由来のエタノール量が前記消毒用エタノール含有組成物の全エタノール量のうち0.01〜2.0重量%となる量である、前記(1)または(2)に記載の方法。
(4)前記(1)〜(3)のいずれかの方法によりエタノール臭がマスキングされた、消毒用エタノール含有組成物。
(2)前記蒸留酒が、穀物由来または果実由来のものである、前記(1)に記載の方法。
(3)消毒用エタノール含有組成物への蒸留酒の配合量が、該蒸留酒由来のエタノール量が前記消毒用エタノール含有組成物の全エタノール量のうち0.01〜2.0重量%となる量である、前記(1)または(2)に記載の方法。
(4)前記(1)〜(3)のいずれかの方法によりエタノール臭がマスキングされた、消毒用エタノール含有組成物。
本発明の方法は、消毒用アルコール製剤に蒸留酒を少量添加するだけで、アルコール製剤や、その使用時に発生するエタノール臭を顕著にマスキングできるというものである。蒸留酒は飲料や調味料等として広く使われており、容易に入手できる上に安全性が高いため、得られた消毒用アルコール製剤は、食品を取り扱う現場でも安心して使用することができる。
本発明のアルコール製剤は、消毒用エタノール含有組成物(エタノール製剤ともいう。)であって、エタノール濃度が50〜75重量%のもの(本発明の消毒用エタノール含有組成物ともいう)である。この範囲内のエタノール濃度であれば、安全でかつ概ね良好な抗ウイルス、抗菌効果を呈する。
使用方法としては、消毒したい物に接触させることであり、具体的にはスプレー等による噴霧、あるいは塗布、浸漬等の方法がある。また、食品の日持ちを向上させるために食品に噴霧、混合することもできる。
使用方法としては、消毒したい物に接触させることであり、具体的にはスプレー等による噴霧、あるいは塗布、浸漬等の方法がある。また、食品の日持ちを向上させるために食品に噴霧、混合することもできる。
本発明のエタノール臭マスキング方法は、アルコール製剤に蒸留酒を配合することである。本発明における蒸留酒がアルコール刺激やアルコール臭を抑える機序は明らかではないが、蒸留酒に含まれる成分やそれらの組成物が機能しているものと推察される。さらに、当該機能を有する成分や組成物の含量は、蒸留酒のエタノール含有量と概ね正の相関関係にあると推察されることから、アルコール製剤への蒸留酒の配合量は、蒸留酒の種類によるが、エタノール臭マスキングの効果の観点からは、製剤中のエタノール全量に対して該蒸留酒由来のエタノールが0.01〜2.0重量%を占める量とすることが望ましく、より望ましくは0.05〜1.5重量%となる量である。全エタノールに占める蒸留酒由来のエタノール量が0.01重量%より少ないと効果が表れにくく、2.0重量%を超えると蒸留酒自体の匂いが目立つことがある。
たとえば、アルコール度数が50度の蒸留酒の場合、蒸留酒以外のエタノール100重量部に対して、およそ0.02〜4.08重量部の蒸留酒を添加すればよい。
たとえば、アルコール度数が50度の蒸留酒の場合、蒸留酒以外のエタノール100重量部に対して、およそ0.02〜4.08重量部の蒸留酒を添加すればよい。
本発明に用いる蒸留酒は、アルコール発酵した醪を、加熱、沸騰させてアルコールに富んだ蒸気を発生させ、これを冷却して回収する工程、すなわち蒸留工程を経て得られるものであればいずれでもよく、アルコール含量が90重量%以下のものが望ましい。具体的には焼酎、ウイスキー、ブランデー、ウォッカ、ラム酒、白酒などが挙げられる。
醪の原料としてはアルコール発酵することのできるものであればいずれでもよく、穀物、サトウキビ、イモ、リュウゼツラン、果実などが挙げられるが、穀物または果実から得られたものであることが望ましい。酒類製造の残渣を原料としたもの、いわゆる粕取り製のものであってもよい。
本発明に用いる蒸留酒は、効果や安全性に支障がない範囲で、塩分など他の成分を含有するものであっても良い。
アルコール製剤に蒸留酒を配合する工程は、アルコール製剤の調製工程のどの段階であってもよく、水やアルコール等に希釈してから配合することもできる。
醪の原料としてはアルコール発酵することのできるものであればいずれでもよく、穀物、サトウキビ、イモ、リュウゼツラン、果実などが挙げられるが、穀物または果実から得られたものであることが望ましい。酒類製造の残渣を原料としたもの、いわゆる粕取り製のものであってもよい。
本発明に用いる蒸留酒は、効果や安全性に支障がない範囲で、塩分など他の成分を含有するものであっても良い。
アルコール製剤に蒸留酒を配合する工程は、アルコール製剤の調製工程のどの段階であってもよく、水やアルコール等に希釈してから配合することもできる。
本発明のアルコール製剤は、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。具体的には、除菌力を上げるための有機酸やその塩、展延性を向上させるためのグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。さらに、薬効を妨げない範囲で、保湿剤、色素、香料等の他の成分を含有させても良い。
液性は酸性側が望ましく、薬効と安全性のバランスを考えるとpH3〜4が最も望ましい。
液性は酸性側が望ましく、薬効と安全性のバランスを考えるとpH3〜4が最も望ましい。
本発明のアルコール製剤は、ウイルス、細菌、真菌の存在が疑われる対象物に適量噴霧、塗布、混合などをして用いる。対象物の例としては、食器類、調理機械器具、冷蔵庫、調理者の衣服等がある。
また、食品の日持ち向上のために、食品に適量噴霧、混合することもできる。
以下に本発明の実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
また、食品の日持ち向上のために、食品に適量噴霧、混合することもできる。
以下に本発明の実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1記載の組成のアルコール製剤(コントロールと実施例1〜12)を調製した。
実施例1〜12について、蒸留酒を添加していないものをコントロールとし、容器中の各試験区のアルコール製剤のエタノールの刺激とエタノール臭の強度について、相対評価を官能評価にて実施した。評価は、下記に示す、コントロールを4点とする5点評価法とし、6名のパネラーにより行った。
<エタノールの刺激の評価>
5点:コントロールと比べ、エタノールの刺激が増強されている。
4点:コントロールと同等のエタノールの刺激を感じる。
3点:コントロールと比べ、エタノールの刺激が少し抑えられている。
2点:コントロールと比べ、エタノールの刺激がかなり抑えられている。
1点:コントロールと比べ、エタノールの刺激が著しく抑えられている。
5点:コントロールと比べ、エタノールの刺激が増強されている。
4点:コントロールと同等のエタノールの刺激を感じる。
3点:コントロールと比べ、エタノールの刺激が少し抑えられている。
2点:コントロールと比べ、エタノールの刺激がかなり抑えられている。
1点:コントロールと比べ、エタノールの刺激が著しく抑えられている。
<エタノール臭の評価>
5点:コントロールと比べ、エタノール臭が増強されている。
4点:コントロールと同等のエタノール臭を感じる。
3点:コントロールと比べ、エタノール臭が少し抑えられている。
2点:コントロールと比べ、エタノール臭がかなり抑えられている。
1点:コントロールと比べ、エタノール臭が著しく抑えられている。
5点:コントロールと比べ、エタノール臭が増強されている。
4点:コントロールと同等のエタノール臭を感じる。
3点:コントロールと比べ、エタノール臭が少し抑えられている。
2点:コントロールと比べ、エタノール臭がかなり抑えられている。
1点:コントロールと比べ、エタノール臭が著しく抑えられている。
評点が高ければ、エタノールの刺激・エタノール臭が強く、低ければ、エタノールの刺激・エタノール臭が弱いことを意味する。
評価結果を、表2〜5に示す。表中の数値はそれぞれ、パネラー6人の評価点の平均値である。
なお、実施例1〜12のいずれのサンプルについても、5点と評価したパネラーはおらず、全員がエタノール刺激、エタノール臭ともにコントロールと同等以下であると評価した。
評価結果を、表2〜5に示す。表中の数値はそれぞれ、パネラー6人の評価点の平均値である。
なお、実施例1〜12のいずれのサンプルについても、5点と評価したパネラーはおらず、全員がエタノール刺激、エタノール臭ともにコントロールと同等以下であると評価した。
以上に示すとおり、実施例1〜12のいずれのサンプルも、コントロールと比べてエタノール刺激、エタノール臭が少なく感じられた。すなわち、アルコール製剤に蒸留酒を適量加えるだけで、使用時のエタノール刺激やエタノール臭が抑えられることが示された。
また、穀物由来の蒸留酒であるウイスキー、麦焼酎、粕取り焼酎と、果実由来の蒸留酒であるブランデーの、いずれを用いた場合も、エタノール刺激、エタノール臭のマスキング効果が示された。
また、穀物由来の蒸留酒であるウイスキー、麦焼酎、粕取り焼酎と、果実由来の蒸留酒であるブランデーの、いずれを用いた場合も、エタノール刺激、エタノール臭のマスキング効果が示された。
Claims (4)
- 消毒用エタノール含有組成物において、蒸留酒を配合する、前記エタノール含有組成物のエタノール臭のマスキング方法。
- 前記蒸留酒が、穀物由来または果実由来のものである、請求項1に記載の方法。
- 消毒用エタノール含有組成物への蒸留酒の配合量が、該蒸留酒由来のエタノール量が前記消毒用エタノール含有組成物の全エタノール量のうち0.01〜2.0重量%となる量である、請求項1または2に記載の方法。
- 請求項1〜3のいずれかの方法によりエタノール臭がマスキングされた、消毒用エタノール含有組成物。
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JP2017232224A JP2019097485A (ja) | 2017-12-04 | 2017-12-04 | エタノール臭のマスキング方法 |
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