JP2019096560A - 超電導ケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】断熱管の内管の外周に断熱材を弛み無く好適に設けることにより、断熱性の低下を防止する。【解決手段】超電導線材を有する超電導ケーブルコアと、超電導ケーブルコアを収容し、内管と外管とを有する二重管構造の断熱管とを有し、断熱管は、内管と外管の間に真空層を有し、内管の外周には、断熱材が複数積層されてなる多層断熱材が設けられ、複数の断熱材において、最外層の断熱材の厚みが、最内層の断熱材の厚みよりも厚い。【選択図】図3

Description

本発明は、超電導ケーブルに関する。
従来、極低温で超電導状態になる超電導線材を導体として用いた超電導ケーブルが知られている。超電導ケーブルは、大電流を低損失で送電可能な電力ケーブルとして期待されており、実用化に向けて開発が進められている。
超電導ケーブルは、断熱管内に一心又は複数心のケーブルコアが収容された構造を有する。ケーブルコアは、例えば中心から順に、フォーマ、超電導導体層、電気絶縁層、ケーブルシールド層、及び保護層等を有する。断熱管は、ケーブルコアを収容し内部に冷媒(例えば液体窒素)が充填される内管(以下「断熱内管」)と、断熱内管の外周を覆う外管(以下「断熱外管」)とを有した二重管構造である。
断熱内管と断熱外管は、一般的に、それぞれコルゲート管により形成され、内部に配置されるケーブルコアとともに超電導ケーブルとして地中に自在に曲げて布設可能である。
断熱内管と断熱外管の間は、真空状態とされ、外部からの熱伝導による熱侵入を防いでいる。また、断熱内管と断熱外管の間には、多層断熱材が設けられ、外部から輻射による熱侵入を防止する。
多層断熱材は、断熱内管の外周に、アルミ蒸着ポリエステルフィルムにポリエステルのネットや不織布を層状に重ねた断熱シートを、複数、重ね巻きすることで構成されている。例えば、特許文献1では、真空容器内の極低温機器である超電導マグネットを囲むように、Al(アルミニウム)シートとスペーサとを重ねてなる層を積層して構成された多層断熱材が開示されている。
特開2012−151181号公報
ところで、従来の多層断熱材は、断熱内管の外周に、Alシートとスペーサとによりなる同一の厚みのテープ状の層を巻き付け、それを重ねることにより構成される。また、各層を構成するAlシートとスペーサとを、コアの外周側で各層が形成されるように、内側から外側に順に重なるように巻き付けて行くことにより構成される。
いずれの場合でも、テープ状の層、或いは、層を構成するAlシートとスペーサによる各層において、最外層と最内層の巻き付け時に径差が生じるので、内側で巻き付けられる層に巻き弛みが生じ、この部分からの熱流束が大きくなり、多層断熱材としての断熱効果が低減する恐れがある。
本発明の目的は、断熱管の内管の外周に断熱材を弛み無く好適に設けることにより、断熱性の低下を防止できる超電導ケーブルを提供することである。
本発明の超電導ケーブルの一つの態様は、
超電導線材を有する超電導ケーブルコアと、
前記超電導ケーブルコアを収容し、内管と外管とを有する二重管構造の断熱管と、
を備え、
前記断熱管は、前記内管と前記外管の間に真空層を有し、
前記内管の外周には、断熱材が複数積層されてなる多層断熱材が設けられ、
複数の前記断熱材において、外層の断熱材の厚みが、内層の断熱材の厚みよりも厚い構成を採る。
本発明によれば、断熱管の内管の外周に断熱材を弛み無く好適に設けることにより、断熱性の低下を防止できる。
本発明に係る一実施の形態の超電導ケーブルの概略断面図である。 超電導ケーブルのケーブルコアの構成の一例を示す図である。 同超電導ケーブルの多層断熱材の構造の説明に供する図である。 同超電導ケーブルの多層断熱材における断熱材の構造を示す部分側断面である。 同超電導ケーブルの多層断熱材における断熱材の変形例の構造を示す部分側断面図である。 断熱材の変形例を適用した多層断熱材の構造を示す超電導ケーブルの部分側断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<超電導ケーブルの全体構成>
図1は、本発明に係る一実施の形態の超電導ケーブルの概略断面図であり、図2は、超電導ケーブルのケーブルコアの構成の一例を示す図である。
図1に示す超電導ケーブル100は、例えば、中心から順に、超電導線材により構成される超電導層を有するケーブルコア110、断熱管(二重管)120、図示しない保護層等を有する。
ケーブルコア110は、例えば、図2に示すように、ケーブルコア110の中心から順に、フォーマ111、押えテープ112による電気絶縁層、超電導線材113による超電導導体層、押えテープ114による電気絶縁層、及び超電導線材115による超電導導体層を有する。
フォーマ111は、円筒形状或いは、円柱形状であり、ここでは、Cu(銅)の撚線から円柱状に構成されている。円筒形状である場合は、内部に液体窒素等の冷媒が充填される。フォーマ111の外周には、不織布からなる押えテープ112が巻回されている。
押えテープ112の外周には、第1の超電層を構成するテープ状の第1の超電導線材113が、周方向で各テープ間に若干の所定間隔を空けて、それぞれスパイラル状に巻回されている。第1の超電導線材113の外周には、不織布からなる押えテープ114が巻回されている。押えテープ112、114は、それぞれ、1本の不織布が間隔を空けずにスパイラル状に巻回されることにより層状の電気絶縁層として構成されている。なお、押えテープ114の外周には、第2の超電導導体層を構成するテープ状の第2の超電導線材115が第1の超電導線材113と同様に、周方向で所定間隔を空けて、それぞれスパイラル状に巻回されている。この第2の超電導線材115の外周には、図示しない押えテープが、押えテープ112、114と同様に、1本の不織布が間隔を空けずにスパイラル状に巻回されている。ここでは、1層あたり10本の超電導テープがスパイラル状に所定間隔を空けて巻回されている。なお、超電導線材113、115による層としては、例えば、厚さ0.1mm、幅5mmの超電導線材が撚ピッチ250mmで、10枚巻回されている。押えテープ112、114としては、例えば、厚さ0.2mm、幅45mmの不織布が1/2ラップ巻きされている(つまり、テープ幅の半分ずつがオーバーラップして巻回されている)。なお、超電導線材113、115の材料としては、従来提案されている種々の超電導材料を用いることができる。ここでは、超電導線材113、115は、基板上に中間層を介して、REBaCu系(REは、Y、Nd、Sm、Eu、Gd及びHoから選択された1種以上の元素を示し、y≦2及びz=6.2〜7である。)の高温超電導薄膜である超電導層が形成されている。
なお、図1及び図2では図示しないが、超電導ケーブル100の両端末部においては、ケーブルコア110にそれぞれ段剥ぎ加工が施され、各端末部の先端側から順に各層が露出する。なお、ケーブルコア110の超電導線材115による超電導層の外周には、この超電導層に電気的に接続される導体接続端子が配置されるようにしてもよい。また、超電導線材115による超電導層の外側に、図示しないケーブルシールド層を設け、このケーブルシールド層の外周に、当該ケーブルシールド層に電気的に接続されるシールド接続端子が配置されるようにしてもよい。
これら導体接続端子とシールド接続端子の間に位置する電気絶縁層の外周には、例えば、ストレスコーン等の電界緩和層が配置されてもよい。また、超電導ケーブル100の端末部は、図1及び図2では図示しないが、端末ユニットの内の冷媒槽に挿入され、この冷媒槽内で、ケーブルコア110のフォーマ111及び超電導線材113,115による超電導層は、導体接続端子を介して、導体引出部に電気的に接続される。
断熱管120は、内側の断熱内管130と外側の断熱外管140とからなる二重管構造を有し、ケーブルコア110の外周に配置される。断熱管120は、断熱内管130の外周に、多層断熱材150を有する。なお、断熱管120の外周には図示しない保護層(防食層)が形成されている。
断熱内管130及び断熱外管140は、ステンレスやアルミニウム等の導電性を有する筒状体をなしており、ここではそれぞれ内径が異なり、同心状に配置されたコルゲート管で構成されている。
断熱内管130は、ケーブルコア110を収容し、運転時には冷媒(例えば、液体窒素N(l))が充填される。これにより、超電導導体層は、超電導状態に維持される。断熱内管130と断熱外管140の間は、断熱のために、運転時に真空状態に保持される。つまり、断熱内管130と断熱外管140の間には真空層122が形成される。
この真空層122内において、多層断熱材150は断熱内管130を覆うように設けられている。
<多層断熱材150の構成>
多層断熱材150は所謂、スーパーインシュレーション(Super Insulation:SI)と呼ばれるものであり、外部から輻射による熱侵入を防止する。
図3は、同超電導ケーブルの多層断熱材の構造の説明に供する図であり、図3Aは、多層断熱材150を構成する複数の断熱材161〜164を模式的に示す図であり、図3Bは、断熱材161〜164により構成される多層断熱材150が断熱内管130の外周に設けられた状態を示す部分断面図である。
多層断熱材150は、複数の断熱材161〜164が積層されることで構成される。これら積層する層において、外層を構成する断熱材の厚みが、内層の断熱材の厚みよりも厚い。本実施の形態では、最外層を構成する断熱材164の厚みが、最内層の断熱材161の厚みよりも厚い。
本実施の形態の多層断熱材150は、それぞれの層の厚み、つまり、各層を構成する断熱材161〜164の厚みがそれぞれ異なり、ケーブルコア110側から最外層側に向かって積層する順に、厚みが厚くなっている。
断熱材161〜164は、シート状であり、それぞれ樹脂に金属膜を蒸着した金属蒸着シート171と、金属蒸着シート171上に設けられた不織布シート181〜184とを有する。本実施の形態の断熱材161〜164は、それぞれ厚みのみが異なり、具体的には、それぞれの有する不織布シート181〜184の厚みが各断熱材161〜164毎で異なっている。また、断熱材161〜164は、本実施の形態では、不織布シート181〜184は、各断熱材161〜164の金属蒸着シート171に接して設けられている。
図3A及び図3Bに示すように、多層断熱材150において、ケーブルコア110側から積層される順に、断熱材161から断熱材164の不織布シート181〜184の厚みが徐々に厚くなるように構成される。
各断熱材161〜164は、同様の金属蒸着シート171に、それぞれ厚みが異なる不織布シート181〜184を設けたものである。以下では、最内層を構成する断熱材161を用いて断熱材の基本的構成を説明する。
図4に示すように、金属蒸着シート171は、樹脂層171aと、金属層171b及び金属層171cとを有する。
樹脂層171aは、熱可塑性樹脂により形成されている。熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリアミド等を用いることができる。融点、吸水性、金属の蒸着性、断裂強度、重量、またはコスト等の観点から、ポリエステル系の材料を用いることが望ましい。樹脂層171aは、熱伝導を抑制する。
金属層171bは、樹脂層の一方の面(ここでは樹脂層の表裏面のうちの表面)側に配置され、金属層171cは、樹脂層171aの他方の面(ここでは樹脂層171aの表裏面のうちの裏面)側に配置されている。金属層171b及び金属層171cは、本実施の形態では、樹脂層171aの両面に金属を蒸着することで形成されているが、樹脂層171aの一方の面にのみ形成されていてもよい。
金属層171b及び金属層171cを構成する金属として、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、ニッケル等を用いることができる。垂直赤外線反射率、蒸着のしやすさ、蒸着膜の均一性、重量、またはコスト等の観点から、金属としてアルミニウムを用いることが望ましい。金属層171b及び金属層171cは、輻射熱を反射する。なお、樹脂層171aに金属を蒸着させる方法は、特に限定されないが、連続式またはバッチ式真空蒸着機により、電熱加熱、スパッタリング、イオンプレーティング、イオンビーム等により行ってもよい。金属層171bおよび金属層171cの厚さは、特に限定されないが、100オングストローム以上1000オングストローム以下が望ましい。金属層171bまたは金属層171cの厚さを、100オングストローム以上にすることにより、金属層171bまたは金属層171cから透過する赤外線量をより抑制し、断熱特性の低下をより抑制できる。また、金属層171bおよび金属層171cの厚さを1000オングストローム以下にすることで、金属層171bおよび金属層171cにおける熱伝導率の増加をより抑制し、また、施工時に折り曲げ等によるクラックの発生をより抑制できる。
金属蒸着シート171の厚みは、3μm以上100μm以下が望ましい。金属蒸着シート171の厚みは、6μm以上50μm以下がさらに望ましい。金属蒸着シート171の厚みを、3μm以上にすることにより、金属層171bまたは金属層171cでのシワの発生を一層抑制できる。金属蒸着シート171の厚みを、6μm以上にすることにより、金属層171bまたは金属層171cにおけるシワの発生を一層抑制できる。また、金属蒸着シート171の厚みを、100μm以下にすることにより、重量の増加をより抑制でき、不織布シート181への接触面積の増加をより抑制し、断熱特性の低下をより抑制できる。また、金属蒸着シート171の厚みを、50μm以下にすることにより、重量の増加をよりさらに抑制でき、不織布シート181への接触面積の増加をより抑制し、断熱特性の低下をよりさらに抑制できる。
なお、金属層171bおよび金属層171cの厚みは、例えば、四点式低抵抗計(ダイアインスツルメンツ製ロレスターEP)で面抵抗値を計測し、面抵抗値と金属膜固有抵抗値を用いて蒸着膜厚を算出することにより得ることができる。なお、金属蒸着シート171の厚みは、JIS L 1913の6.1項の方法で測定できる。
本実施の形態の金属蒸着シート171は、樹脂層171aとしてのポリエチレンテフタレート(Polyethylene terephthalate :PET)フィルムの表裏面のそれぞれに、金属層171b、171cとなるアルミを蒸着することにより形成されたシートである。
断熱材161〜164は、それぞれ同じ厚みの金属蒸着シート171を有している。
不織布シート181は、樹脂繊維を含む樹脂層を有する。不織布シート181は、樹脂繊維を多重に重ね合わせた構造を有してもよい。樹脂繊維は、熱可塑性樹脂で形成されてもよい。可撓性樹脂として、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリアミド等を用いることができる。融点、吸水性、伸縮性、断裂強度、重量、またはコスト等の観点から、ポリエステル系樹脂を用いることが望ましい。不織布シート181は、熱伝導を抑制する。
本実施の形態の不織布シートは、ポリエステルメッシュが用いられ、各断熱材161〜164において、それぞれ厚みの異なるポリエステルメッシュが不織布シート181〜184として用いられ、それぞれ、金属蒸着シート171に一体的に設けられることで断熱材161〜164を構成している。本実施の形態では、各断熱材161〜164における不織布シート181〜184の厚みは、多層断熱材150の内層側に配置される断熱材161よりも外層側に配置される断熱材164の方が厚くなるように構成される。
不織布シートの密度(目付)は、2g/m以上15g/m以下が望ましい。不織布シートの密度(目付)は、3g/m以上15g/m以下がより望ましい。熱伝導を防止するためには、密度が低い、つまり目付が軽いほうが望ましく、不織布シートの密度は、3g/m以上10g/m以下がさらに望ましい。不織布シートの密度を、2g/m以上にすれば、不織布シートを挟む金属蒸着シート同士がより接触しにくくなるので好ましい。不織布シートの密度を、3g/m以上にすれば、不織布シートを挟む金属蒸着シート同士がより接触しにくくなるので好ましい。不織布シートの密度を、15g/m以下にすれば、断熱特性がより良好になるので好ましい。なお、不織布シートの密度(目付)は、JIS L 1913の6.2項の方法で測定できる。
<多層断熱材150の形成方法>
このように構成される超電導ケーブル100では、多層断熱材150は、図3に示すように、断熱内管130の外周に、断熱材161、162、163、164を順に巻き付けることで設けられる。
多層断熱材150の各層を構成する断熱材161〜164は、ケーブルコア110側の層を構成する断熱材161側の不織布シート181の厚みよりも、最外層となる断熱材164の不織布シート184の厚みの方が厚い。よって、断熱内管130の外周に、ケーブルコア110側から断熱材161〜164を積層するように順に巻き付けて、多層断熱材150の各層を構成する際に、不織布シートが緩むこと無く、断熱材161〜164を順次巻き付けることができる。
<超電導ケーブル100による効果>
本実施の形態の超電導ケーブル100によれば、超電導線材113、115を有する超電導ケーブルコア110と、超電導ケーブルコア110を収容し、断熱内管130と断熱外管140とを有する二重管構造の断熱管120とを有する。断熱管120は、断熱内管130と断熱外管140の間に真空層122を有し、断熱内管130の外周には、断熱材161〜164が複数積層されてなる多層断熱材150が設けられる。
複数の断熱材161〜164において、最外層の断熱材164の厚みが、最内層の断熱材161の厚みよりも厚い。また、多層断熱材150では、複数の断熱材161〜164によりそれぞれ構成される複数の層の厚みが、ケーブルコア110側から積層される順に厚い。断熱内管130の外周で積層される断熱材161〜164のそれぞれにおける金属蒸着シート171間の間隔が、最内層側から最外層側に大きくなるように、断熱材161〜164のそれぞれにおける不織布シート181〜184の厚みが異なっているとも言える。
このため、超電導ケーブル100において、断熱内管130の外周に、最内層となる断熱材161から順に断熱材162、163、164を巻き付ける際の巻き弛みが生じることがなく好適に設けることができる。
よって、巻き弛み部分からの熱流束が大きくなることがなく、多層断熱材150としての断熱性の低下を防止できる。
<断熱材の変形例>
多層断熱材150を構成する複数のシート状の断熱材(161〜164)において、金属膜を蒸着した金属蒸着シート171と、不織布シート181〜184との間に、酸化ケイ素からなる酸化ケイ素層を有しても良い。酸化ケイ素は、水蒸気や酸素の透過を防ぐ高いバリア性を発揮することで知られている。
図5は、本実施の形態に係る超電導ケーブルの多層断熱材150における断熱材の変形例の構造を示す部分断面図である。
図5に示す、断熱材161Aは、シート状であり、樹脂に金属膜を蒸着した金属蒸着シート171と、金属蒸着シート171上に設けられた不織布シート181Aと、これら金属蒸着シート161Aと不織布シート181Aとの間に、酸化ケイ素層190を有する。
酸化ケイ素層190は、金属蒸着シート161Aと不織布シート181Aとのそれぞれに接して設けられているが、少なくとも一方に接して設けられても良い。
金属蒸着シート171と不織布シート181Aとは、断熱材161の金属蒸着シート171と不織布シート181と同様に構成されるため、説明は省略する。
酸化ケイ素層190は、一酸化ケイ素、二酸化ケイ素或いは亜酸化ケイ素の何れかの酸化ケイ素により層状に構成されてもよい。
この変形例としての断熱材161Aは、金属蒸着シート171において酸化ケイ素層190が設けられた側(外層側)の面と反対側(内層側)の面に、不織布シート181Aと同様の材料により構成される調整用の不織布シート186を有する。
すなわち、変形例161Aの断熱材161Aは、不織布シート186上に順に、金属蒸着シート171、酸化ケイ素層190、不織布シート181Aがそれぞれ接して積層されることにより構成されている。
図6は、断熱材の変形例を適用した多層断熱材150Aを有する超電導ケーブルの部分断面図である。
多層断熱材150Aは、断熱材161Aと、それぞれ断熱材161Aと厚みの異なる断熱材162A〜164Aとを有する。
断熱材162A〜164Aは、断熱材161Aにおいて不織布シート181Aの厚みをのみを変更してなる。
すなわち、断熱材162A〜164Aでは、それぞれ調整用の不織布シート186に接して設けられた金属蒸着シート171上に、酸化ケイ素層190と、不織布シート182A〜184Aとが積層されている。なお、断熱材162A〜164Aのそれぞれの調整用の不織布シート186は無くても良い。
断熱材161A〜164Aにおける不織布シート181A〜184Aは、不織布シート181A、182A、183A、184Aの順に厚く構成されている。
これにより、多層断熱材150Aでは、断熱内管130の外周に断熱材161Aが設けられ、断熱材161Aの外周に、断熱材161Aより厚い断熱材162Aが設けられている。加えて、断熱材162Aの外周に、断熱材162Aより厚い断熱材163Aが設けられ、断熱材163Aの外周に、断熱材163Aより厚い断熱材164Aが設けられている。
このように多層断熱材150Aでは、複数の断熱材161A〜164Aによりそれぞれ構成される複数の層の厚みが、ケーブルコア110側から積層される順に厚い。言い換えれば、多層断熱材150Aは、積層される複数の断熱材161A〜164Aの金属蒸着シート171同士の間隔が、多層断熱材150Aの内層側から外層側に大きくなるように、複数の断熱材161A〜164Aは、それぞれ異なる厚みの不織布シート181A〜184A、調整用の不織布シート186を有する。
<実施例1>
金属蒸着シート171をPETフィルムにAlを蒸着した厚み12μmのシートとし、これに不織布シート181〜184として厚さ100、150、200、300μmのポリエステルメッシュをそれぞれ設けて多層断熱材150の各層を構成する断熱材161〜164を製作した。二重構造の断熱管における断熱内管130として外径70mのアルミコルゲート管を適用し、断熱外管140として外径130mmのアルミコルゲート管を適用した。断熱内管130内に超電導ケーブルコア110を収容し、断熱内管130の外周に、厚みの異なる断熱材161〜164を、厚みの薄い断熱材161から順に、1/2ラップ巻きで積層して多層断熱材150を形成して図1に示す超電導ケーブル100を適用した実施例1の超電導ケーブルを作製した。実施例1の多層断熱材150では、断熱材161〜164に巻き付けシワが生じなかった。
このケーブル100で長さ5mの横置き線路を布設して、それぞれコルゲート管である断熱内管130と断熱外管140の間を真空度8×10−4Paとなるように真空引きするとともに、断熱内管130内に液体窒素を充填し、液面計で液体窒素液面をモニタリングしつつ、マスフローメーターで蒸発した気体窒素の流量を計測し、単位時間で超電導ケーブルに侵入した熱侵入量を計算した。熱侵入量は、0.6W/mであった。
<比較例1>
実施例1と同様に、金属蒸着シート171をPETフィルムにAlを蒸着した厚み12μmのシートとし、これに不織布シートとして厚さ300μmのポリエステルメッシュをに設けて、多層断熱材の層を構成する断熱材を製作した。二重構造の断熱管における断熱内管130として外径70mのアルミコルゲート管を適用し、断熱外管140として外径130mmのアルミコルゲート管を適用した。断熱内管130内に超電導ケーブルコア110を収容し、断熱内管130の外周に、厚みが同じ断熱材を順に1/2ラップ巻きで積層して多層断熱材150を形成し比較例1の超電導ケーブルを作製した。比較例1の多層断熱材では、断熱材に巻き付けシワが生じた。この比較例1の超電導ケーブルに対して、実施例1と同様の方法で、単位時間で超電導ケーブルに侵入した熱侵入量を計算した。熱侵入量は、1.5W/mであった。
この結果、実施例1は、比較例1と比較して、断熱内管の外周に設けられる多層断熱材において、最外層の断熱材164の厚みが、最内層の断熱材161の厚みよりも厚くなるように、最内層側から順次積層される層の厚みを厚くすることにより、超電導ケーブルとしての熱侵入量を低くできた。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。例えば、多層断熱材150、150Aにおける断熱材161〜164、161A〜164Aは、断熱内管130の外周に、それぞれ内側から順に、Al、PET、Al、不織布、または、不織布、Al、PET、Al、SiO層、不織布となるように巻かれているが、逆順となるように巻かれても良い。すなわち、断熱材161〜164、161A〜164Aにおいて、それぞれ厚みの異なる不織布シート181〜184、181A〜184Aが、金属蒸着シート171よりも内層側(超電導ケーブルの中心側)に位置してもよい。すなわち、金属蒸着シート171上に不織布シート181〜184、181A〜184Aが設けられた断熱材161〜164、161A〜164Aを、内外側面をひっくり返すことで、内外側面を逆にして配置した構成としてもよい。これらは、金属蒸着シート171下に不織布シート181〜184、181A〜184Aを有する断熱材と同様の構成を意味する。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明に係る超電導ケーブルは、断熱管の内管の外周に断熱材を弛み無く好適に設けることにより、断熱性の低下を防止できる効果を有するものとして有用である。
100 超電導ケーブル
110 ケーブルコア
111 フォーマ
112、114 押えテープ
113、115 超電導線材
120 断熱管
122 真空層
130 断熱内管
140 断熱外管
150、150A 多層断熱材
161、161A、162、162A、163、163A、164、164A 断熱材
171 金属蒸着シート
171a 樹脂層
171b、171c 金属層
181、181A、182、182A、183、183A、184、184A、186 不織布シート
190 酸化ケイ素層
本発明の超電導ケーブルの一つの態様は、
超電導線材を有する超電導ケーブルコアと、
前記超電導ケーブルコアを収容し、内管と外管とを有する二重管構造の断熱管と、
を備え、
前記断熱管は、前記内管と前記外管の間に真空層を有し、
前記内管の外周には、断熱材が複数積層されてなる多層断熱材が巻き付けられ
複数の前記断熱材において、外層の断熱材の厚みが、内層の断熱材の厚みよりも厚い構成を採る。

Claims (5)

  1. 超電導線材を有する超電導ケーブルコアと、
    前記超電導ケーブルコアを収容し、内管と外管とを有する二重管構造の断熱管と、
    を備え、
    前記断熱管は、前記内管と前記外管の間に真空層を有し、
    前記内管の外周には、断熱材が複数積層されてなる多層断熱材が設けられ、
    複数の前記断熱材において、外層の断熱材の厚みが、内層の断熱材の厚みよりも厚い、
    超電導ケーブル。
  2. 前記断熱材は、樹脂に金属膜を蒸着した金属蒸着シートと、前記金属蒸着シート上に設けられた不織布シートとを有し、
    前記多層断熱材における各層の前記断熱材において、前記金属蒸着シートはそれぞれ同じ厚みであり、前記不織布シートの厚みが異なる、
    請求項1記載の超電導ケーブル。
  3. 前記断熱材は、前記金属蒸着シートと前記不織布シートとの間に酸化ケイ素からなる層を有する、
    請求項2記載の超電導ケーブル。
  4. 前記多層断熱材では、複数の前記断熱材によりそれぞれ構成される複数の層の厚みが、前記超電導ケーブルコア側から積層される順に厚い、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の超電導ケーブル。
  5. 前記多層断熱材において積層される複数の前記断熱材の前記金属蒸着シート同士の間隔が、前記多層断熱材の内層側から外層側に大きくなるように、複数の前記断熱材は、それぞれ異なる厚みの前記不織布シートを有する、
    請求項2または3に記載の超電導ケーブル。
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JP2001044018A (ja) * 1999-07-26 2001-02-16 Toshiba Corp 超電導磁石装置

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