JP2019095724A - 表示素子 - Google Patents

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【課題】 金属光沢色を可逆的に変化させることができる表示素子(表示装置)を提供する。【解決手段】 表示素子を、基板と、前記基板上に形成した3−メトキシチオフェンを含有する膜と、前記膜に電圧を印加する電圧印加手段とを有するものとした。さらに、電圧印加手段を、前記膜に印加する電圧を−1.0Vから1.0Vまで変化させることができるものとすると望ましい。また、表示素子を、基板と、前記基板上に形成した膜と、膜に電圧を印加する電圧印加手段とを有する表示素子において、前記膜が、BF4-又はClO4-をドープした3−メトキシチオフェン重合体を含有するものとした。【選択図】 図1

Description

本発明は、表示素子に関するものである。
下記非特許文献1に、色変化を起こすエレクトロクロミックディスプレイが記載されている、非特許文献1において、液晶中でビチオフェンの電解重合を行うという特殊な電解重合法で、基板上にポリビチオフェン膜を形成している。そして、白色光を斜め方向から照射しながら観察し、ポリビチオフェン膜に−0.5V, 0,7V, 1Vの電解電位を印加すると、それぞれの電位で、膜は銅色、銀色、金色の反射色を示すことが記載されている。
非特許文献1において、膜の観察は白色光を斜めに照射しながら行なっているが、白色光がない状態で観察を行うと、−0.5V, 0.7V, 1Vの電解電位を印加した状態では、それぞれの電位で、膜は赤色、緑色、青色であり、自然な観察環境では、金属調エレクトロミズムが実現されてはいない。
本発明は、このような従来の課題を解決しようとするものであり、自然な見え方で金属光沢色を可逆的に変化させることができる表示素子(表示装置)を提供することを目的とするものである。
本発明の一つの観点によれば、上記課題を解決するために、表示素子を、基板と、前記基板上に形成した3−メトキシチオフェン重合体を含有する膜と、前記膜に電圧を印加する電圧印加手段とを有するものとした。さらに、電圧印加手段を、前記膜に印加する電圧を、例えば飽和カロメル参照電極(SCE)に対して−1.0Vから1.0Vまで変化させることができるものとすると望ましい。
また、本発明の他の観点によれば、表示素子を、基板と、前記基板上に形成した膜と、前記膜に電圧を印加する電圧印加手段とを有する表示素子において、前記膜が、BF4 -又はClO4 -をドープした3−メトキシチオフェン重合体を含有するものとした。
本発明によれば、金属光沢色を可逆的に変化させることができる表示素子(表示装置)を提供することができる。
本実施例の可逆エレクトロミズムを示す図である。 サイクリックボルタンメトリー(CV測定)とそれと同時に行う紫外可視吸収スペクトル測定に用いた電解セルの構造を示すである。 CV測定とそれと同時に行う反射スペクトル測定に用いた電解セルの構造を示す図である。 3−メトキシチオフェン(3MeOT)重合体膜電極のサイクリックボルタンモグラムを示す図である。 600nmにおける反射率と電位の関係を示す図である。 −0.5V(a,緑色光沢色)および+0.5V(b,金色調)で電位を固定して得られた膜を示す図である。 正反射スペクトルを示す図である。 紫外可視吸収スペクトルを示す図である。 600nmにおける反射率変化を示す図である。 600nmにおける反射率変化を示す図9の拡大図である。 3MeOT重合体膜電極のサイクリックボルタンモグラムを示す図である。 600nmにおける吸光度と印加電位の関係を示す図である。 正反射スペクトルを示す図である。 紫外可視吸収スペクトルを示す図である。 3MeOT重合体膜電極に金色調着色電位(+0.3V)および緑色光沢着色電位(−0.5V)をそれぞれ5秒サイクルで印加したときの600nmにおける吸光度変化を示す図である。 図15の一部を拡大した図である。
以下、本発明の実施形態の例及び実施例を説明するが、本発明の実施形態は以下に説明する実施形態例及び実施例に限定されるものではない。
3−メトキシチオフェン(3MeOT)重合体を透明導電性ガラスに塗布して金色調光沢膜を作製し、電解液中でその膜に異なる電位を印加したところ、金色調光沢色と緑色光沢色の間を可逆的に変化させることができるエレクトロクロミック現象及びエレクトロクロミックシステムを開発することに成功した。この金属光沢色の変化を、図1に示す。作製した膜に飽和カロメル参照電極(SCE)に対して−0.5Vの電圧を印加した場合が図1の左の図であり、緑色金属光沢が発現している。一方、飽和カロメル参照電極(SCE)に対して+0.5Vの電圧を印加した場合が図1の右の図であり、金色金属光沢が発現している。白色光を斜め方向から照射して観察するといった細工をすることなく、自然な観察環境で金属調光沢色を変化させることができる世界初のエレクトロクロミックシステム・素子である。
本発明によれば、金属光沢色間で色が変化するので、人目を引きつけることができ、全く新しいショウウインドウディスプレイに応用展開できる。
1.はじめに
金、銀、銅などに代表される金属色は、古代から高級感の象徴として捉えられており、現在でも金属光沢色塗料は、自動車や装飾品などを始めとするあらゆるものに使用されている。既存の金属光沢色塗料はアルミニウムや亜鉛などの金属フレークを分散させることにより光沢感を発現している。しかし分散安定性が極めて低く、色や光沢のむらが生じやすいという課題があるため、近年は非金属材料を用いて金属光沢色を発現させる試みがなされている。
その中で発明者らは、3−メトキシチオフェン(3MeOT)の化学重合により得られる重合物がいくつかの有機溶媒に可溶であり、その溶液を塗布したところ、金色調の光沢膜が得られることを初めて見出し報告してきた。そして今回、酸化インジウムスズ(ITO)基板上に塗布膜を作製し、電気化学的手法を用いて酸化還元したところ、金色/緑色光沢色間の可逆な色変化が生じることを見出した。これまで、特殊な条件下で形成されたビチオフェンの電解重合膜が、白色光の斜方向照射下で、印加電位に応じて金、銀、および銅色の見えを呈する例が報告されているが、自然光の条件下で金属調光沢エレクトロクロミズムを実現した例はない。
本研究では、自然の見えで金属光沢色間での色調変化を実現した初のエレクトロクロミズムについての初歩的検討の結果について報告する。
2.実験
原料モノマーである3MeOT(濃度0.1M、和光純薬社製 純度98%以上)のアセトニトリル(関東化学社製、純度99.7%以上)溶液10mLに、酸化剤であるテトラフルオロほう酸銅(II)(濃度0.2 M、和光純薬社製 純度98%以上)のアセトニトリル溶液(10mL)を加え、窒素雰囲気下で2時間重合を行った。重合後に、ろ過、洗浄、真空乾燥を経て生成物であるBF4 ドープされた3MeOT重合体を得た。次に、得られた3MeOT重合体粉末を1重量パーセントの濃度でニトロメタン(東京化成工業社製 純度98%以上)に溶解し、塗布液を作製した。そしてキャスト法によりITO(ジオマテック社製、シート抵抗値10Ω/□)基板上に塗布し、自然乾燥させることで製膜を行い、3MeOT重合体膜電極を得た。
エレクトロクロミック特性は、支持電解質であるテトラフルオロほう酸リチウムLiBF4(東京化成工業社製 純度98%以上)を溶解した水と1−ブタノールの混合溶媒(体積比96:4)に3MeOT重合体膜電極を浸漬し、サイクリックボルタンメトリー(CV)法を用いて検討した(水:関東化学社製 HPLC用、1−ブタノール:関東化学社製 純度99%以上)。また、CVと同時に紫外可視吸収スペクトル及び反射スペクトル測定を用い、3MeOT重合体膜電極の着消色挙動を検討した。CV測定は、ALS社製電気化学アナライザー・モデル750Aを用いて行った。また、紫外可視吸収スペクトルおよび反射スペクトル測定は、Ocean Optics社製USB4000-UV-visスペクトロメーターとDH-2000重水素タングステンハロゲン光源および光ファイバーシステムを組み合わせて行った。図2にCV測定とそれと同時に行う紫外可視吸収スペクトル測定に用いた電解セルの構造を示す。対向電極11には白金リング線12、そして参照電極13には飽和カロメル電極(SCE)を用い、窒素雰囲気下で測定を行った。動作電極は16である。3MeOT重合体膜が塗布されたITOコートガラス電極14(3MeOT重合体膜電極)に一定速度で変化する電位を印加し、電流−電位特性を記録するとともに、光ファイバーからの光を塗布膜15に入射させ、対向する光ファイバーで透過光を検出することによって吸光度の測定を行った。また、図3にCV測定とそれと同時に行う反射スペクトル測定に用いた電解セルの構造を示す。対向電極には白金リング線、そして参照電極には飽和カロメル電極(SCE)を用い、窒素雰囲気下で測定を行った。3MeOT重合体膜電極に一定速度で変化する電位を印加し、電流−電位特性を記録するとともに、光ファイバーからの光を塗布膜に照射し、その反射光を同じ光ファイバーで検出することによって正反射率の測定を行った。
3.結果
図4に3MeOT重合体膜電極のサイクリックボルタンモグラム、図5に同時に測定した600nmにおける反射率と電位の関係を示す。図4のサイクリックボルタンモグラムを見ると、−0.3V近傍の還元波はBF4 の脱ドーピング反応に対応する還元電流であり、0.3 V近傍の酸化波はBF4 のドーピング反応に対応する酸化電流である。+0.2Vから負方向に電位を掃引すると、膜の色調は金色調から緑色光沢色に変化し、正方向の掃引では、酸化開始電位の0V近傍から膜の色調は緑色光沢色から金色調に変化した。その色変化の様子は、600nmにおける反射率の電位依存性(図5)からも確認された。なお、図6には、−0.5V(a, 緑色光沢色)および+0.5V(b,金色調)で電位を固定して得られた膜の写真を示す。図6の上の図が−0.5Vで観察された緑色光沢色に発色した膜の写真であり、図6の下の図が0.5Vで観察された金色調に発色した膜の写真である。図6のスケールバーの長さは、0.2mmである。
図7、8に、−0.5Vの電位を10秒間印加して3MeOT重合体膜電極を緑色光沢色にした状態(A)と、+0.5Vの電位を10秒間印加して金色調にした状態(B)の正反射スペクトル(図7)と紫外可視吸収スペクトル(図8)を示す。また図7および図8にはスペクトルCとして、電位印加前の金色調3MeOT重合体膜電極のスペクトルも同時に示す。まず、反射スペクトルCを見ると、反射率の立ち上がりが470nm程度にあり、緑色領域(495から570nm)および黄色領域(570から590nm)の吸収の寄与が高いために金色調を示すことがわかる。また、650nm以下の領域では、反射スペクトルCの形状が吸収スペクトルCの形状とほぼ一致していることから、光沢に及ぼす要因としては光吸収(消衰係数)の寄与が高いものと考えられる。650nmよりも長波長域では吸収強度が低下しているのにもかかわらず反射率が一定であるのは、屈折率の寄与が高いものと考えている。次に吸収スペクトルAを見ると、490nmに脱ドープ状態の3MeOT重合体のバンド間遷移に対応する吸収が見られ、それに相当する反射も反射スペクトルAにおいて確認された。また、より長波長領域では、脱ドーピングによってポーラロン・バイポーラロン吸収が小さくなっているが、反射率は高くなっている。これはこの波長領域では、反射率に及ぼす要因が、光吸収よりも屈折率の寄与が大きいことを示唆している。反射スペクトルBにおいては、反射スペクトルCと比較して緑色領域および黄色領域の反射率が低下したために、銅色味がかった金色調の反射色に変化した。しかしながら、これらの波長領域の吸収はスペクトルBとスペクトルCでほぼ同じであることから、反射率が変化した要因は光吸収の変化ではなく、屈折率の変化であることが示唆される。なお、スペクトルBの場合も、スペクトルCと同様に、650nmよりも長波長領域では吸光度が減少したにもかかわらず反射率はほぼ一定となった。これも上述のように、屈折率による寄与と考えている。
図9に、3MeOT重合体膜電極に金色調着色電位(+0.5V)および緑色光沢着色電位(−0.5V)をそれぞれ10秒サイクルで印加したときの600nmにおける反射率変化を示す。繰り返し回数は150サイクルである。また、図10は、図9の一部を拡大したものであり、横軸は時間に変換したものである。図9の結果から、150サイクル繰り返しても金色調着色状態の反射率はやや低下するもののくり返し色変化が生じることがわかる。緑色光沢着色状態の反射率は一定であるが、これは例えば緑色光沢の背景に金色の画像を表示した場合に、金色画像の消え残りが生じないことを示している。図10において、緑色光沢色から金色調へ変化する応答時間および金色調から緑色光沢色に変化する時間を見積もると、いずれも8秒となった。それぞれの着色にやや時間がかかっており、見かけの応答速度は遅く見えるが、その要因は電解セルの構造による。ここでは、反射率測定用光ファイバープローブと3MeOT重合体膜電極の位置関係から、3MeOT重合体膜電極全体を電解液中に浸漬する必要が生じ(図3の電解セル構造参照)、電極とリード線の接続は銀ペーストを用いた。この場合、銀ペーストとリード線および銀ペースト内で抵抗が生じる。このような抵抗が生じると、電極反応速度が低下することになり(電気化学可逆性の低下)、応答速度が見かけ上低下する。ここでは示さないが、上記のようなセル構造を利用する必要がない吸光度の時間応答データからは、緑色光沢色から金色調へ変化する応答時間および金色調から緑色光沢色に変化する時間はそれぞれ1.6秒および1.0秒となり、比較的早い色変化を生じることが明らかとなっている。
4.まとめ
アニオン(BF4 -)ドープ3−メトキシチオフェン重合体を合成し、それを透明導電性基板上に塗布してエレクトロクロミック電極を作製した。得られた3MeOT重合体膜電極は、電気化学的酸化還元反応により、金色調と光沢を持つ緑色との間で可逆的な光沢色変化を起こすことが判明した。これは自然の見えで光沢色が変化する初のエレクトロクロミズムである。
原料モノマーである3MeOT(濃度0.1M、和光純薬社製 純度98%以上)のアセトニトリル(関東化学社製、純度99.7%以上)溶液10mLに、酸化剤である過塩素酸鉄(III)(濃度0.2M、和光純薬社製)のアセトニトリル溶液(10mL)を加え、窒素雰囲気下で2時間重合を行った。重合後に、ろ過、洗浄、真空乾燥を経て生成物であるBF4 がドープされた3MeOT重合体を得た。次に、得られた3MeOT重合体粉末を1重量パーセントの濃度でニトロメタン(東京化成工業社製純度98%以上)に溶解し、塗布液を作製した。そしてキャスト法によりITO(ジオマテック社製、シート抵抗値10Ω/□)基板上に塗布し、自然乾燥させることで製膜を行った。
エレクトロクロミック特性は、支持電解質である過塩素酸リチウムLiClO4(東京化成工業社製 純度98%以上)を溶解した水と1−ブタノールの混合溶媒(体積比96 : 4)に3MeOT重合体膜電極を浸漬し、サイクリックボルタンメトリー(CV)法を用いて検討した(水:関東化学社製 HPLC用、1−ブタノール:関東化学社製 純度99%以上)。また、CVと同時に紫外可視吸収スペクトル測定を用い、3MeOT重合体膜電極の着消色挙動を検討した。CV測定は、ALS社製電気化学アナライザー・モデル750Aを用いて行った。また、紫外可視吸収スペクトル測定は、Ocean Optics社製USB4000-UV-visスペクトロメーターとDH-2000重水素タングステンハロゲン光源および光ファイバーシステムを組み合わせて行った。また、反射スペクトルは、日本分光社製MSV-370顕微分光光度計を用いて測定した。図2にCV測定とそれと同時に行う紫外可視吸収スペクトル測定に用いた電解セルの構造を示す。対向電極には白金リング線、そして参照電極には飽和カロメル電極(SCE)を用い、窒素雰囲気下で測定を行った。3MeOT重合体膜が塗布されたITO電極(3MeOT重合体膜電極)に一定速度で変化する電位を印加し、電流−電位特性を記録するとともに、光ファイバーからの光を塗布膜に入射させ、対向する光ファイバーで透過光を検出することによって吸光度の測定を行った。対向電極には白金リング線、そして参照電極には飽和カロメル電極(SCE)を用い、窒素雰囲気下で測定を行った。3MeOT重合体膜電極に一定速度で変化する電位を印加し、電流−電位特性を記録した。
図11に3MeOT重合体膜電極のサイクリックボルタンモグラム(a)を示す。また、図12に、それと同時に測定した600nmにおける反射率と吸光度の関係(b)を示す。図11のサイクリックボルタンモグラムでは、0.2Vおよび−0.2V近傍の還元波はClO4 の脱ドーピング反応に対応する還元電流であり、0.2V近傍の酸化波はClO4 -のドーピング反応に対応する酸化電流である。+0.3Vから負方向に電位を掃引すると、膜の色調は金色調から緑色光沢色に変化し、正方向の掃引では、酸化開始電位の0V近傍から膜の色調は緑色光沢色から金色調に変化した。
図13、図14に、−0.5Vの電位を10秒間印加して3MeOT重合体膜電極を緑色光沢色にした状態(A)と、+0.5Vの電位を10秒間印加して金色調にした状態(B)の正反射スペクトル(a)(図13)と紫外可視吸収スペクトル(b)(図14)を示す。また(a)および(b)にはスペクトルCとして、電位印加前の金色調3MeOT重合体膜電極のスペクトルも同時に示す。まず、反射スペクトルCを見ると、反射率の立ち上がりが470nm程度にあり、緑色領域(495nmから570nm)および黄色領域(570nmから590nm)の吸収の寄与が高いために金色調を示すことがわかる。また、650nm以下の領域では、反射スペクトルCの形状が吸収スペクトルCの形状とほぼ一致していることから、光沢に及ぼす要因としては光吸収(消衰係数)の寄与が高いものと考えられる。650nmよりも長波長域では吸収強度が低下しているのにもかかわらず反射率が一定であるのは、屈折率の寄与が高いものと考えている。次に吸収スペクトルAを見ると、490nmに脱ドープ状態の3MeOT重合体のバンド間遷移に対応する吸収が見られ、それに相当する反射も反射スペクトルAにおいて確認された。また、より長波長領域では、脱ドーピングによってポーラロン・バイポーラロン吸収が小さくなっているが、反射率は高くなっている。これはこの波長領域では、反射率に及ぼす要因が、光吸収よりも屈折率の寄与が大きいことを示唆している。なお、スペクトルBの場合も、スペクトルCと同様に、650nmよりも長波長領域では吸光度が減少したにもかかわらず反射率はほぼ一定となった。これも上述のように、屈折率による寄与と考えている。
図15の(a)に、3MeOT重合体膜電極に金色調着色電位(+0.3V)および緑色光沢着色電位(−0.5V)をそれぞれ5秒サイクルで印加したときの600nmにおける吸光度変化を示す。繰り返し回数は150サイクルである。また、図16の(b)は、図15(a)の一部を拡大したものであり、横軸は時間に変換したものである。図15(a)の結果から、150サイクル繰り返しても金色調着色状態の吸光度はやや低下するもののくり返し色変化が生じることがわかる。緑色光沢着色状態の反射率は一定であるが、これは例えば緑色光沢の背景に金色の画像を表示した場合に、金色画像の消え残りが生じないことを示している。図16(b)において、緑色光沢色から金色調へ変化する応答時間および金色調から緑色光沢色に変化する時間を見積もると、それぞれ1.6秒および1.0秒となった。このように図2の電解セル構造を用いて、吸光度変化から応答速度を評価した場合には、高速な応答が得られることが判明した。
本発明は、表示素子として、産業上利用可能である。
11 対向電極
12 白金リング線
13 参照電極
14 ITOコートガラス電極
15 塗布膜
16 動作電極

Claims (3)

  1. 基板と、前記基板上に形成した3−メトキシチオフェン重合体を含有する膜と、前記膜に電圧を印加する電圧印加手段とを有する表示素子。
  2. 前記電圧印加手段が、前記膜に印加する電圧を−1.0Vから1.0Vまで変化させることができることを特徴とする表示素子。
  3. 基板と、前記基板上に形成した膜と、前記膜に電圧を印加する電圧印加手段とを有する表示素子において、前記膜が、BF4 -又はClO4 -をドープした3−メトキシチオフェン重合体を含有することを特徴とする表示素子。
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