JP2019095328A - 呈色反応検出システム、呈色反応検出方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
そして、被検溶液を滴下した後、反応領域毎(検査対象の検査項目毎)に定められている処理の時間経過時の呈色反応により生じた色と、検査項目の検査結果に対応した色凡例とを、ユーザが目視で比較して確認することで、検査項目の検査結果の分析が行われる。 この分析手法は、尿検査及び妊娠検査などにおいて、家庭で使用できる簡易検査キットとして広く用いられている。
上述したように、呈色反応が発生した反応領域のスペクトル吸光度を用いた分析を行う専用装置やこの専用装置を用いた検出手法は既に用いられている。
また、上述した専用装置を用いた検出手法は、この専用装置に組み込まれた特殊な光学装置を用いて照明したり、所定の環境下で撮影されることを前提としている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、一般家庭においては、高価な上記専用装置を利用することが困難である。このため、より一般的な手法としては、簡易に利用することが可能な汎用のデジタルカメラやスマートフォンの撮像機能などを用いて検査キットの画像を撮像し、この画像を用いて分析を行うことが有効である。
例えば、一般的な簡易検査紙である簡易尿検査紙は、尿中の白血球、鮮血、ブドウ糖など、複数の検査項目が検査できるようになっている。これらの検査項目に対応する反応領域の各々においては、それぞれの検査項目毎に設定された、被検溶液を滴下してからの経過時間における呈色を観察する。
すなわち、ユーザが呈色と汎用例の色とが同様であると判定するために時間を要してしまうと、設定検出時間を超えた色と、汎用例とを比較することになり、不正確な判定結果を得ることになる。
また、ユーザ毎に色の認知が異なるため、呈色と汎用例の色との比較にユーザ間の個体差が生じ、ユーザによっては他のユーザとは大きく判定結果が異なる場合がある。
図1は、本発明の一実施形態による呈色反応検出システムの構成例を示すブロック図である。図1において、呈色反応検出システム1は、撮像部101、露光制御部102、撮像制御部103、画像変換部104、滴下検出部105、経過時間計測部106、類似度算出部107、呈色反応検出部108、表示部109、撮像画像記憶部110、参照画像記憶部111及び検査結果記憶部112の各々を備えている。
また、観察対象面901には、呈色反応領域902の撮像画像の色味を補正するための色補正用パッチ1001、1002及び1003が形成されている(後述)。
また、撮像制御部103は、現在の撮像画像データを解析し、分析キットの呈色反応領域902の撮像画像に対して、露光制御部102の指示により光源環境の影響を排除する処理を行う。また、汎用のデジタルカメラにホワイトバランス機能が備わっている場合、ホワイトバランス機能を用いて、光源環境の影響を排除する処理を行っても良い。
この撮像画像データに含まれる輝度ムラの補正方法としては、例えば、光源の明滅の周期と撮像部101の輝度値を記録する周期の差に起因する輝度ムラに対して、以下の手順が有効である。分析キット容器の観察対象面以外の領域を一様な色の配色(例えば白色)とする。撮像画像データをI(u,v)とし、観察対象領域以外の領域を抽出するため、マスク処理を施す。抽出した領域において、撮像画像データの各行I(v)について、R,G,B値の中央値をそれぞれ算出し、R’(v)、G’(v)、B’(v)とする。算出したR’(v)、 G’(v)、B’(v)において、R、G、B値毎に最大値を算出し、Rmax、Gmax、Bmaxとする。各行I(v)の中央値がRmax、Gmax、Bmaxと等しくなるように、以下の(1)式で撮像画像データI(u,v)を補正し、I’(u,v)とする。
また、同一の撮像画像データではなく、時系列に入力される撮像画像データ間において、上述した処理を行っても良い。
この3個の色補正用パッチ各々の分光反射率を用いて、撮像画像データにおける呈色反応パターンの色味の補正を行うことで、上記標準的な光源環境下で撮像した色味の撮像画像データを得ることができ、同一の光源環境下で撮像した参照パターン及び呈色反応パターンとして比較することが可能となる。
これにより、(2)式は、以下の(3)式で表される。
ここで、撮像制御部103は、参照画像記憶部111から3種類の色補正用パッチの色味Cgt(Rgt,Ggt,Bgt)と、(3)式とを読み出す。そして、撮像制御部103は、撮像画像データから、3種類の色補正用パッチの色味Cin(Rin,Gin,Bin)を抽出し、色補正用パッチの色味Cgt(Rgt,Ggt,Bgt)を用いて、3種類の色補正用パッチの各々に対応させた(3)式を用いて行列Aを算出する。撮像制御部103は、算出した行列Aを用いて(3)式により、任意の光源下で撮像した撮像画像データの各画素の色味を、標準的な光源下で撮像される色味に変換する。
画像変換部104は、撮像した撮像画像データから、上述したように、予め設定された座標変換式を用いることにより、3次元空間における呈色反応領域902を撮像した撮像画像データの観察角度を推定している。
例えば、画像変換部104は、法線400に平行な方向をz軸とし、呈色反応領域の辺の各々がx軸及びy軸の各々と平行となるように分析キットを3次元座標系において配置する。例えば、分析キット容器900の各辺により形成される頂点のいずれかが、3次元座標系の原点Oと一致するように、3次元座標系において、分析キットをx軸及びy軸からなる2次元平面に配置する。このため、分析キット容器900の厚さ方向がz軸に対して平行となる。この分析キット容器900の3次元形状は、予め既知の情報として、すでに述べた座標変換の式とともに、参照画像記憶部111に対して記憶されている。
すなわち、画像変換部104は、参照撮像画像の3次元空間において、参照撮像画像データにおける呈色反応領域の矩形の頂点の各々の座標に対し、撮像画像データにおける呈色反応領域の矩形の頂点が重なるように、参照撮像画像データの呈色反応領域の平面に対し、撮像画像データにおける呈色反応領域を射影変換する処理を行う。
これにより、画像変換部104は、検査結果を判定する標準撮像角度で撮像した参照撮像画像データと同様の観察角度における検出用撮像画像データを撮像画像データから生成する。
この比色反応領域に対する被検溶液の滴下の検出の一例を以下に説明する。
滴下検出部105は、最初に撮像された検出用撮像画像データにおける比色反応領域の呈色反応色である初期呈色反応色と、その後に時系列に撮像される検出用撮像画像データにおける比色反応領域の呈色反応色である比較呈色反応色との差分値を求める。
そして、滴下検出部105は、求めた差分値が予め設定された所定の滴下開始判定閾値以上となったことを検出した場合、比色反応領域に対して被検溶液が滴下されと判定する。この滴下開始判定値は、被検溶液を滴下する前後の検出用撮像画像データにおける比色反応領域の呈色反応色の差分値を複数求め、この差分値の統計処理を行うことで求められる。
この場合、滴下検出部105は、求めた類似度が予め設定された滴下開始判定閾値以上の場合、被検溶液が比色反応領域に滴下されたことを検出する。
滴下検出部105は、上述のように比色反応領域に対する被検溶液の滴下を検出すると、この比色反応領域の比色反応領域識別情報を付加し、滴下を検出したことを示す検出信号を、経過時間計測部106に対して出力する。
検査キットテーブルは、レコード毎に、比色反応領域識別情報、検査項目名、検出時間、類似度閾値及び反応インデックスを備えている。
また、経過時間計測部106は、参照画像記憶部111における現在の検査キットに対応する検査キット識別情報の検査キットテーブルを参照し、比色反応領域識別情報に対応する検出時間を読み出す。そして、経過時間計測部106は、計数している経過時間が検出時間となると、比色反応領域の呈色反応色を判定する時間となったことを示す判定信号を、判定する比色反応領域の比色反応領域識別情報を付加して、類似度算出部107へ出力する。
例えば、類似度算出部107は、判定信号に付加された比色反応領域識別情報に対応する比色反応領域の画像データを、検出用撮像画像データにおける呈色反応領域から抽出する。そして、類似度算出部107は、比色反応領域の画像データにおける画素の各々の画素値(例えば、RGBの階調度)の平均値、最大値あるいは最小値を呈色反応色として抽出する。類似度算出部107は抽出した呈色反応色と、比色反応領域識別情報に対応する判定テーブルにおける参照呈色反応色の各々と比較し、それぞれの参照呈色反応画像データとの間で反応色差分値の逆数(類似度)あるいは反応色差分値(相違度)を算出する。
この構成の場合、類似度算出部107は、検出用撮像画像データにおける比色反応領域の画像データと、予め参照画像記憶部111に記憶された参照呈色反応画像データの各々を順次参照し、類似度(あるいは相違度)を算出する。類似度算出部107は、これらの比色反応領域の画像データが画像変換部104によって正規化されているため、比色反応領域上の全ての画素についてテンプレートマッチングを行い、それにより得られたスコアを類似度とする。
そして、呈色反応検出部108は、類似度算出部107が算出した参照呈色反応画像データとの類似度の各々と、読み出した類似度閾値を比較して、類似度閾値以上の類似度を有する参照呈色反応画像データを抽出する。
また、呈色反応検出部108は、抽出した類似度閾値以上の参照呈色反応画像データから、類似度が最大である参照呈色反応画像データを選択する。呈色反応検出部108は、参照画像記憶部111の比色反応領域識別情報に対応する判定テーブルを参照し、選択した参照呈色反応画像データに対応する判定レベルを検査結果として抽出する。呈色反応検出部108は、抽出した判定レベルを検査結果記憶部112に対して、判定結果として書き込んで記憶させる。
したがって、類似度が類似度閾値を上回る参照呈色反応画像データは、参照呈色反応画像データ群において通常ただ一つである。しかしながら、呈色反応検出部108は、類似度閾値を上回る参照呈色反応画像データが複数あった場合、上述したように、その参照呈色反応画像データ中で最も類似度の高い参照呈色反応画像データを選択する。
検査結果テーブルは、レコード毎に、比色反応領域識別情報、検査項目名及び検査結果を備えている。比色反応領域識別情報は、比色反応領域の各々を識別する識別情報である。検査項目名は、比色反応領域の比色反応色の判定により検出する検出対象物質の名称を示している。検査結果は、呈色反応検出部108が検出した判定レベルを示している。
そして、撮像制御部103は、画像変換部104が推定した観察角度が角度範囲に入っている場合、撮像処理における角度条件を満たし、一方、推定された観察角度が角度範囲に入っていない場合、撮像処理における角度条件を満たさないとする表示を表示部109の表示画面に表示し、ユーザに対して角度範囲の観察角度に調整することを促す。このとき、撮像制御部103は、表示部109の表示画面に上下左右に少し動かすことを通知する表示を行う。あるいは、撮像制御部103は、撮像部101を撮像する際、表示部109に対して、表示画面に角度範囲に入る観察角度となるように、分析キット容器900の画像の形状に合わせた枠を表示する。
撮像制御部103は、輝度ヒストグラムの階調度の分布に基づき、照明の調整やシャッタースピードの変更が必要か否かの判定を行う。撮像制御部103は、黒つぶれが発生することが推定され、輝度ヒストグラムの分布を高階調度側にシフトさせる照明の調整もしくはシャッタースピードの変更が必要な場合、露光制御部102に対して撮像時における呈色反応領域902の照明を所定の強度で行わせるか(例えばフラッシュ光を撮像方向に照射させる)、またはシャッタースピードを長くして輝度値を調整する。また、撮像制御部103は、呈色反応検出システム1が露光制御部102及び照明を有していない場合、ユーザに対して必要な光強度の照明を呈色反応領域902に対して照射することを促す表示を表示部109の表示画面に表示する。
ステップS101:
撮像制御部103は、撮像部101における呈色反応検出対象である呈色反応領域の現在の撮像条件を検出、例えば観察角度、露光条件などを検出する。
撮像制御部103は、露光条件などの撮像条件の全てが、反応テーブルにおける画像参照呈色反応画像データ群における画像参照呈色反応画像データと比較することが可能な画質の撮像画像データを撮像できる撮像条件であるか否かの判定を行う。
このとき、撮像制御部103は、参照撮像画像データ群における画像参照呈色反応画像データと比較することが可能な画質の撮像画像データを撮像できる撮像条件である場合、処理をステップS103へ進める。一方、撮像制御部103は、参照撮像画像データ群における画像参照呈色反応画像データと比較することが可能な画質の撮像画像データを撮像できる撮像条件でない場合、処理をステップS104へ進める。
撮像制御部103は、撮像画像データにおける呈色反応領域902の撮像位置を抽出する。すなわち、撮像制御部103は、撮像部101の撮像範囲内における分析キット容器900(呈色反応検出対象)の3次元形状を得る。そして、撮像制御部103は、得られた分析キット容器900の3次元形状と、予め参照画像記憶部111に書き込まれて記憶されている参照用の分析キット容器900の3次元形状とを比較し、撮像部101の撮像範囲内における呈色反応領域902を抽出する。
撮像制御部103は、撮像条件において満たされていない条件を表示部109の表示画面に表示し、ユーザに対して撮像条件における満たされていない条件の調整を示唆する。
撮像制御部103は、撮像部101の撮像範囲における呈色反応領域902と、予め記憶されている分析キット容器900の3次元形状における呈色反応領域902とを比較する。そして、撮像制御部103は、呈色反応領域902全体が撮像画像データに含まれているか否か、すなわち観察領域内に呈色反応領域902全体が含まれているか否かの判定を行う。
このとき、撮像制御部103は、呈色反応領域902全体が撮像画像データに含まれている場合、処理をステップS106へ進め、一方、呈色反応領域902全体が撮像画像データに含まれていない場合、処理をステップS107へ進める。
撮像制御部103は、呈色反応領域902の撮像方向、すなわち観察角度の推定処理を画像変換部104に行わせる。
これにより、画像変換部104は、撮像部101の撮像範囲における撮像画像データから得られる分析キット容器900の3次元形状と、予め記憶されている3次元座標系における分析キット容器900の3次元形状とを比較することにより、呈色反応領域902の撮像方向に対する観察角度を推定する。ここで、画像変換部104は、上記比較により、撮像部101が分析キット容器900を撮像する撮像方向を求める。そして、画像変換部104は、3次元座標系における分析キット容器900の呈色反応領域902が添付されている面(分析キット容器900の上面あるいは下面の呈色反応領域902が添付されているいずれかの面)の法線と、撮像部101の撮像方向とのなす角度を観察角度として求め、撮像制御部103に対して出力する。
撮像制御部103は、撮像部101の撮像範囲内に呈色反応領域902の領域が全て含まれるように、撮像部101の撮像する撮像位置を調整することを表示部109の表示画面に表示し、ユーザに対して撮像位置の変更を示唆する。
撮像制御部103は、呈色反応領域902全体が撮像画像データを撮像する撮像方向、すなわち観察角度が予め設定された角度範囲に入っているか否かの判定を行う。
このとき、撮像制御部103は、撮像部101の観察角度が角度範囲内にある場合、処理をステップS109へ進め、一方、撮像部101の観察角度が角度範囲内にない場合、処理をステップS110へ進める。
撮像制御部103は、呈色反応領域902の撮像が可能であることを示す画像を、表示部109の表示画面に表示し、呈色反応領域902の撮像をユーザに対して促す。
そして、ユーザは、表示画面を確認して、呈色反応検出システム1の入力手段から、撮像指示を入力する。
これにより、撮像制御部103は、撮像部101に対して撮像処理を行わせて、撮像画像データを得る。
撮像制御部103は、撮像部101の観察角度が予め設定されている角度範囲以内に含まれるように、撮像部101の撮像する撮像方向を調整することを表示部109の表示画面に表示し、ユーザに対して撮像方向の変更を示唆する。
画像変換部104は、算出した撮像角度に基づき、撮像画像データの呈色反応領域902を、検査結果を判定する参照撮像画像データにおける呈色反応領域の面と平行かつ重なり合う検出用撮像画像データに変換する。すなわち、画像変換部104は、撮像画像データの撮像位置及び観察角度を変換して、検査結果を判定するラインの参照パターンが示された参照撮像画像データと同様の撮像位置及び観察角度とした検出用撮像画像データを生成する。
滴下検出部105は、最初に記載された検出用撮像画像データにおける比色反応領域の初期呈色反応色と、その後に時系列に撮像される検出用撮像画像データにおける比色反応領域の呈色反応色との差分値を求める。
そして、滴下検出部105は、求めた差分値が滴下開始判定閾値以上であるか否かの判定を行う。このとき、滴下検出部105は、求めた差分値が滴下開始判定閾値以上である場合、被検溶液の滴下の検出が行われたとして、検出信号を経過時間計測部106に対して出力した後、処理をステップS113へ進める。一方、滴下検出部105は、求めた差分値が滴下開始判定閾値未満である場合、被検溶液の滴下の検出が行われていないとして、処理をステップS109へ進める。
経過時間計測部106は、滴下検出部105から検出信号が供給された場合、経過時間を計数するカウンタを「0」にリセットし、経過時間の計数の処理を開始する。
また、経過時間計測部106は、検出信号に付加されている比色反応領域識別情報を抽出し、抽出した比色反応領域識別情報に対応する検出時間を、参照画像記憶部111の検査キットテーブルから読み出す。
経過時間計測部106は、計数している経過時間が検出時間以上となったか否かの判定を行う。
このとき、経過時間計測部106は、経過時間が検出時間以上となった場合、呈色反応領域における被検溶液に基づく呈色反応色の解析を行うため、類似度算出部107に対して判定信号を出力し、処理をステップS115へ進める。一方、経過時間計測部106は、経過時間が検出時間未満である場合、呈色反応領域における被検溶液に基づく呈色反応色の解析を行う時間となっていないため、ステップS114の処理を繰り返す。
類似度算出部107は、判定信号から比色反応領域識別情報を抽出し、この比色反応領域識別情報に基づき、参照画像記憶部111における反応テーブルを参照する。
そして、類似度算出部107は、検出用撮像画像データにおける比色反応領域の画像データと、この比色反応領域における参照撮像画像データにおける比色反応領域の各々の画像参照呈色反応画像データとの類似度を算出する。
呈色反応検出部108は、参照画像記憶部111の検査キットテーブルから、比色反応領域の比色反応領域識別情報に対応する類似度閾値を読み出す。
そして、呈色反応検出部108は、参照撮像画像データにおける比色反応領域の画像参照呈色反応画像データの各々に対応する類似度と、読み出した類似度閾値とを比較する。このとき、呈色反応検出部108は、類似度閾値以上の類似度を有する画像参照呈色反応画像データが有る場合、類似度閾値以上の類似度を有する画像参照呈色反応画像データを抽出し、処理をステップS117へ進める。一方、呈色反応検出部108は、類似度閾値以上の類似度を有する画像参照呈色反応画像データが無い場合、処理をステップS118へ進める。
呈色反応検出部108は、抽出した類似度閾値以上の類似度を有する画像参照呈色反応画像データから、最大の類似度を有する画像参照呈色反応画像データを選択する。
そして、呈色反応検出部108は、選択した最大の類似度を有する参照画像データに対応する判定レベルを、反応テーブルから読み出す。呈色反応検出部108は、反応テーブルから読み出した判定レベルを、検査結果記憶部112の検査結果テーブルに書き込んで記憶させる。
呈色反応検出部108は、呈色反応領域902の撮像画像データにおける比色反応領域に対応する参照撮像画像データにおける比色反応領域の画像参照呈色反応画像データが、参照撮像画像データ群のなかの画像参照呈色反応画像データに無いと判定し、表示部109に呈色反応が検出できなかったことを表示して終了する。
呈色反応検出部108は、検査結果記憶部112の検査結果テーブルから、比色反応領域に対応した検査結果を読み出し、表示部109の表示画面にこの検査結果を表示して処理を終了する。
また、本実施形態においては、呈色反応領域に比色反応領域が一つである場合を説明したが、呈色反応領域に複数の比色反応領域が設けられている場合、ステップS109からステップS119までの処理を、呈色反応領域における比色反応領域毎に行う。
分析キット容器900は、図2に例示した通り、呈色反応領域902が平面上のものでもよいし、内部に検査薬などが充填された円柱状などのチューブ形状、あるいは呈色反応領域902の媒体として、pH(ピーエッチ)試験紙(リトマス試験紙を含む)、尿検査紙、酸化度測定紙(食用油検査用)などの簡易検査紙のような平面形状の紙のものでもよい。
また、平面上の呈色反応領域をもつ分析キットにおいて、呈色反応領域902における観察対象面901における呈色反応を示す呈色反応領域が図2に示す矩形状であっても良いし、ドット形状あるいはスポット形状でも良い。
また、分析キットの中にはスポイトのようなチューブ形状の呈色反応領域を有しているものもあり、被検出対象物質を分析キットの吸水部から吸入して、チューブにおける被検出対象物のチューブ内の充填物(検査薬など)中における浸漬に応じた呈色反応を見るものもある。本発明における分析キットは、そのいずれでも良いし、これらの組み合わせで構成されてもよい。
また、上述した分析キット容器900は、被検出対象物質が特定のDNA構造を抽出するために検出される核酸であってもよい。
さらに、上述した分析キット容器900は、被検出対象物質が、水質検査に混入された混入物質、油の劣化状態を検出する油酸化度を示す物質、あるいは食物に含まれる糖などの化学物質(例えば、果物におけるショ糖の含量による糖度の測定)であってもよい。
また、呈色反応検出システムは、分析キット容器900において、呈色反応領域902における蛍光や燐光を撮像し、この撮像画像における色変化(異なる種類の色に変化)を検知するものでもよいし、色の濃度変化(同一の色の濃度の変化)を検知するものでもよい。
また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
101…撮像部
101A…撮像方向
102…露光制御部
103…撮像制御部
104…画像変換部
105…滴下検出部
106…経過時間計測部
107…類似度算出部
108…呈色反応検出部
109…表示部
110…撮像画像記憶部
111…参照画像記憶部
112…検査結果記憶部
400…法線
900…分析キット容器
901…観察対象面
902…呈色反応領域
903,904,905,906,907,908…比色反応領域
1001,1002,1003…色補正用パッチ
Claims (12)
- 分析キットにおける検査項目に対応した呈色反応領域における呈色反応により検体の被検出対象物質を検出する呈色反応検出システムであり、
被検溶液が前記呈色反応領域に滴下が検出された検出時点からの経過時間を測定し、当該経過時間が前記呈色反応を観察する予め設定した設定検出時間と一致したか否か検出する経過時間計測部と、
前記設定検出時における前記呈色反応領域を撮像した撮像画像の呈色反応色と、検査の判定レベルを示す参照画像の各々との類似度を算出する類似度算出部と、
前記類似度が最大である前記参照画像を抽出する呈色反応検出部と
を備えることを特徴とする呈色反応検出システム。 - 前記被検溶液が前記呈色反応領域に滴下されたか否かの検出を行う滴下検出部をさらに備え、
前記経過時間計測部が、
前記滴下検出部が前記呈色反応領域に対する前記被検溶液の滴下を検出してから、前記経過時間の測定を開始する
ことを特徴とする請求項1における呈色反応検出システム。 - 前記滴下検出部が、時系列に撮像される撮像画像において、最初に撮像された撮像画像の呈色反応色である初期呈色反応色と以降に撮像された撮像画像の比較呈色反応色とを順次比較し、前記呈色反応色と前記比較呈色反応色との差分値を検出し、当該差分値が予め設定した滴下開始判定閾値以上の場合、前記被検溶液が前記呈色反応領域に滴下された前記検出時点を検出する
ことを特徴とする請求項2に記載の呈色反応検出システム。 - 前記滴下検出部が、時系列に撮像される撮像画像において、撮像された撮像画像の比較呈色領域画像と、予め設定された滴下後の呈色反応領域の状態を示す参照呈色領域画像とを順次比較し、類似度が滴下開始判定閾値以上の場合、前記被検溶液が前記呈色反応領域に滴下された前記検出時点を検出する
ことを特徴とする請求項2に記載の呈色反応検出システム。 - 前記分析キットの前記呈色反応領域を含む観察対象面を撮像した撮像画像から、前記呈色反応領域が予め設定された画像座標に位置するように前記撮像画像を検出用撮像画像に変換する画像変換部をさらに備え、
前記類似度算出部が前記撮像画像として前記検出用撮像画像を用いる
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の呈色反応検出システム。 - 前記画像変換部が、
前記分析キットの前記呈色反応領域を含む観察対象面を撮像した前記撮像画像により、当該撮像画像が撮像された撮像方向と、観察対象面の基準線との成す観察角度を求め、前記撮像画像の前記観察角度を変換し、検査結果を判定する標準撮像角度で撮像した参照撮像画像と同様の観察角度における検出用撮像画像を生成すること
を特徴とする請求項5に記載の呈色反応検出システム。 - 前記画像変換部が、
前記分析キットの前記呈色反応領域を含む観察対象面を撮像した撮像画像おいて複数の座標を求め、これら複数の座標を用いた射影変換を行うことにより、検査結果を判定する標準撮像角度で撮像した参照撮像画像と同様の観察角度における検出用撮像画像を生成すること
を特徴とする請求項5に記載の呈色反応検出システム。 - 前記撮像画像の撮像角度が予め設定の撮像角度範囲内に含まれるか否かの判定を行い、前記撮像角度が前記撮像角度範囲内に含まれていない場合、再度、撮像角度を変えて撮像画像を撮像することを促す通知を行う撮像制御部をさらに備えること
を特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の呈色反応検出システム。 - 前記撮像制御部が、前記参照画像における所定の参照領域における輝度値である参照輝度値と、前記撮像画像における前記参照画像の前記参照領域の位置と同一の位置の輝度値とを比較し、当該輝度値と前記参照輝度値とが同様となるように前記撮像画像の輝度値を補正すること
を特徴とする請求項8に記載の呈色反応検出システム。 - 前記分析キットの前記呈色反応領域が、被検出対象物質の呈色反応により検体の検出を行う媒体として、少なくともpH(ピーエッチ)試験紙、尿検査紙、酸化度測定紙の簡易検査紙が用いられていること
を特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の呈色反応検出システム。 - 分析キットにおける検査項目に対応した呈色反応領域における呈色反応により検体の被検出対象物質を検出する呈色反応検出方法であり、
経過時間計測部が、被検溶液が前記呈色反応領域に滴下が検出された検出時点からの経過時間を測定し、当該経過時間が前記呈色反応を観察する予め設定した設定検出時間と一致したか否か検出する経過時間計測過程と、
類似度算出部が、前記設定検出時における前記呈色反応領域を撮像した撮像画像の呈色反応色と、検査の判定レベルを示す参照画像の各々との類似度を算出する類似度算出過程と、
呈色反応検出部が、前記類似度が最大である前記参照画像を抽出する呈色反応検出過程と
を含むことを特徴とする呈色反応検出方法。 - 分析キットにおける検査項目に対応した呈色反応領域における呈色反応により検体の被検出対象物質を検出する呈色反応検出システムの機能をコンピュータに実行させるプログラムであり、
前記コンピュータを、
被検溶液が前記呈色反応領域に滴下が検出された検出時点からの経過時間を測定し、当該経過時間が前記呈色反応を観察する予め設定した設定検出時間と一致したか否か検出する経過時間計測手段、
前記設定検出時における前記呈色反応領域を撮像した撮像画像の呈色反応色と、検査の判定レベルを示す参照画像の各々との類似度を算出する類似度算出手段、
前記類似度が最大である前記参照画像を抽出する呈色反応検出手段
として機能させるためのプログラム。
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