JP2019095219A - 計測装置、移動体、及び計測方法 - Google Patents

計測装置、移動体、及び計測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な構成で、構造物周辺における風に関する情報を精度よく計測すること。【解決手段】計測装置は、音波がスピーカーから出力されてから複数のマイクのそれぞれに到達するまでの反射時間を計測する音波反射時間計測部と、風速、風向、及び対象物との距離と、記反射時間との関係を示す音波反射時間モデルと、反射時間の計測値とに基づいて、風速、及び対象物との距離を推定する推定部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、計測装置、移動体、及び計測方法に関する。
小型の無人飛行体(例えば、ドローン)の運用機会が増加してきている。例えば、運送、災害情報収集、構造物や設備の点検等での運用が期待されている。しかしながら、ドローンは、軽量であるため、風によって機体姿勢が乱れやすく、また、それによって操縦ミス等のヒューマンエラーが重複しやすいといった懸念がある。そのため、強風や突風等の悪環境化でのロバスト性が求められている。
主に大型の航空機を対象としたものでは、風速遠隔計測センサから得られる事前情報を制御に利用することが検討されている。例えば、風速遠隔計測の手法としては、レーザー光を発射し空気中のエアロゾルで反射する散乱光を解析することで風速を計測する技術(例えば、非引用文献1、2)や、音波を利用して空気中の密度が異なる不連続面で反射する音波の散乱を解析して風向や風速を測定する技術(例えば、非引用文献3、4)が開示されている。
ドップラーライダーGalionの製品紹介(日本気象株式会社) https://n-kishou.com/offshorewind/galionlidar.html 航空機搭載型ドップラーライダーの高高度飛行実証、日本航空宇宙学会論文集 Vol.62(2014)No.6 p.198−203 風速鉛直分布測定装置(ドップラーソーダー) FASシリーズ(英弘精機株式会社) http://eko.co.jp/windpower/win_products/0322.html ミニドップラーソーダを用いた相関法による風況予測、第20回風工学シンポジウム論文集、2008
しかしながら、上述した非特許文献1〜4に記載された技術は、主に大型の航空機を対象としたものであり、装置のサイズ、重量、消費電力が大きいためドローンへの搭載が困難である。また、ドローンは、構造物付近(近傍)を飛行することがあるが、構造物の周辺では風が急激に変化しやすいため、風に関する事前情報の推定が重要となる。しかしながら、従来技術では、レーザー光や音波の散乱よりも構造物等からの反射光や反射波のレベルの方が大きくなり、正確な測定ができない可能性がある。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、簡易な構成で、風に関する情報を計測できる計測装置、移動体、及び計測方法を提供することを目的の一つとする。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、音波がスピーカーから出力されてから複数のマイクのそれぞれに到達するまでの反射時間を計測する音波反射時間計測部と、風速、風向、及び対象物との距離と、前記反射時間との関係を示す音波反射時間モデルと、前記反射時間の計測値とに基づいて、前記風速、及び前記対象物との距離を推定する推定部と、を備える計測装置である。
また、本発明の他の態様は、前記スピーカーと、前記複数のマイクと、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の計測装置と、を備える移動体である。
また、本発明の他の態様は、計測装置の計測方法であって、音波がスピーカーから出力されてから複数のマイクのそれぞれに到達するまでの反射時間を計測する音波反射時間計測ステップと、風速、風向、及び対象物との距離と、前記反射時間との関係を示す音波反射時間モデルと、前記反射時間の計測値とに基づいて、前記風速、及び前記対象物との距離を推定する推定ステップと、を有する計測方法である。
本発明によれば、簡易な構成で、構造物周辺における風に関する情報を精度よく計測できる。
第1の実施形態に係る風速遠隔計測手法の概念を示す図。 第1の実施形態に係る音波反射モデルを示す図。 スピーカーへの入力(印加電圧波形)を示す図。 マイクの出力(受信波形)を示す図。 スピーカーへの入力(途中で位相を変更した印加電圧波形)を示す図。 マイクの出力(途中で位相を変更した音波の受信波形)を示す図。 直接音波形と受信波形との相互相関関数の値の算出結果の一例を示す図。 第1の実施形態に係るドローンの構成の一例を示すブロック図。 第1の実施形態に係る制御部の構成の一例を示すブロック図。 第1の実施形態に係る風速遠隔計測処理の一例を示すフローチャート。 実験の概要を説明する図。 実験に用いたスピーカーとマイクの設置状態の写真。 実験に用いた風洞の写真。 実験条件を示す表。 実験システムの構成を示すブロック図。 実験結果を示す図。 第2の実施形態に係る音波反射モデルの一例を示す図。 第3の実施形態に係る音波反射モデルの一例を示す図。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。なお、各図において同一部分には同一符号を付している。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態について説明する。
まず、本発明の実施形態に係る風速遠隔計測手法の概要について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る風速遠隔計測手法の概要を示す図である。本実施形態に係る風速遠隔計測装置は、構造物等に対する音波の反射時間が風によって変化することを利用して計測する。具体的には、風速遠隔計測装置は、スピーカー15から音波(例えば、超音波)を出力させ、構造物等の壁面で反射した音波をマイク16で受信し、受信波形(受信音波波形)を計測する。また、風速遠隔計測装置は、この受信波形に基づいて音波反射時間判別手法を用いて音波の反射時間の判別を行い、音波の反射時間の計測値(音波反射時間計測値)を決定する。次に、風速遠隔計測装置は、風速、風向、構造物等の壁面との距離及び角度等と、音波の反射時間との関係を示す音波の反射時間モデル式(音波反射時間モデル式)と上記音波反射時間計測値とに基づいて、推定アルゴリズムを用いて、風速、風向、構造物等の壁面との距離または角度等を推定する(いわゆる逆問題)。なお、反射時間モデル式は、数式でなくてもよく、例えば値の集合であってもよい。
以下、上述の音波反射時間モデル式、音波反射時間計測値の判別手法、及び音波反射時間モデル式と音波反射時間計測値とに基づく推定アルゴリズムについて詳しく説明する。
(音波反射時間モデル式)
まず、本実施形態に係る音波反射時間モデル式について説明する。図2は、本実施形態に係る音波反射モデルを示す図である。この図は、2次元空間における音波反射モデルの例であり、xy座標で定義されている。また、ここでは、マイクが2個の場合の音波反射モデルを示している。図示する音波反射モデルにおいて、風速をV、風向(壁面に対する風向の角度)をΦとする。
スピーカー15の出力の中心をx軸とy軸との交点(原点)とし、2個のマイク16(16a、16b)がx軸上にスピーカー15を挟んで相対する位置にあるとする。マイク16aがマイク1、マイク16bがマイク2であり、マイクの後ろに付している「1」、「2」は、マイクを識別するためのマイク番号である。スピーカー15とマイク16との距離をdとする(iは、マイク番号)と、マイク16a(マイク1)のxy座標が(d、0)、マイク16b(マイク2)のxy座標が(−d、0)となる。また、スピーカー15の出力面に対して垂直方向(y軸方向)にスピーカー15から壁面までの距離をLとすると、壁面とy軸との交点のxy座標が(0、L)となる。また、壁面に対するセンサ角度(壁面に対するスピーカー15及びマイク16の角度、即ち、壁面とx軸との角度)をθとする。
また、スピーカー15から出力された音波がマイク番号iのマイク16に到達するまでの間に壁面に反射する位置のxy座標を(x、y)とし、スピーカー15から壁面のxy座標(x、y)の位置までの距離をlini、壁面のxy座標(x、y)の位置からマイク16までの距離をlreiとする。例えば、スピーカー15から出力された音波が壁面のxy座標(x、y)の位置で反射してマイク16a(マイク1)に到達するとした場合、スピーカー15から壁面のxy座標(x、y)の位置までの距離をlin1、壁面のxy座標(x、y)の位置からマイク16a(マイク1)までの距離をlre1とする。また、スピーカー15から壁面のxy座標(x、y)への線分とx軸との角度をθin1とする。一方、スピーカー15から出力された音波が壁面のxy座標(x、y)の位置で反射してマイク16b(マイク2)に到達するとした場合、スピーカー15から壁面のxy座標(x、y)の位置までの距離をlin2、壁面のxy座標(x、y)の位置からマイク16b(マイク2)までの距離をlre2とする。また、スピーカー15から壁面のxy座標(x、y)への線分とx軸との角度をθin2、とする。
上述した図2に示す音波反射モデルにおいて、音波反射時間計算値Tiを算出する音波反射時間モデル式は、以下に示す数式1となる。なお、Cは音速である。
上記数式1に示す音波反射時間モデル式を用いて、音波反射時間計算値を求めることができる。
(推定アルゴリズム)
次に、上記音波反射時間モデル式と音波反射時間計測値とに基づいて、風速、風向、壁面との距離または角度等を推定する推定アルゴリズムについて説明する。
風速V、風向Φ、壁面との距離L、及び壁面に対するセンサ角度θを最適化パラメータxとすると、音波反射時間モデル式は、以下の数式2のように表すことができる。
また、実際にスピーカー15から出力された音波が壁面で反射した反射波をマイク16で受信した受信結果に基づく音波反射時間計測値を以下のように表す。
そして、上述の音波反射時間モデル式及び音波反射時間計測値を用いて、風速、風向、壁面との距離や角度等を推定する推定アルゴリズムとして、評価関数Jを以下の数式3で表すことができる。
上記の数式3は、評価関数Jを最小化する最適化パラメータxを求めることを示している。評価関数Jを最小化する最適化パラメータxを求めることにより、風速V、風向Φ、壁面との距離L、及び壁面に対するセンサ角度θを推定することができる。
例えば、風向Φ、及び壁面に対するセンサ角度θを既知の値とし、図2に示す音波反射モデルで2個のマイク16を用いて風速V及び壁面との距離Lを推定する場合には、以下の数式4に示すように最適化パラメータxは、風速Vと、壁面との距離Lとの変数となる。
この場合、最適化パラメータxを用いて、音波反射時間モデル式は、以下の数式5のように表すことができる。
そして、推定アルゴリズムとして、評価関数Jを以下の数式6で表すことができる。
この数式5において、評価関数Jを最小化する最適化パラメータxを求めることにより、風速V及び壁面との距離Lを推定することができる。
(音波反射時間判別手法)
次に、スピーカー15から出力した音波の反射波をマイク16で受信した受信波形に基づいて音波反射時間計測値を決定する際の音波反射時間判別手法について説明する。
スピーカー15は、例えば、超音波を出力する超音波スピーカーである。理想的には音波の発信及び停止を急激に行うことができることが望ましいが、機械的な共振現象を利用しているため、それが難しい。
図3及び図4に、スピーカー15とマイク16とを10cmの距離で対向させ、スピーカー15への入力(印加電圧波形)と、該入力に応じてスピーカー15から出力される音波(超音波)を直接的に受信したときのマイク16の出力(受信波形)とを示す。図3は、スピーカー15への入力(印加電圧波形)を示す図であり、縦軸がスピーカー15への入力電圧、横軸が時間である。一方、図4は、マイク16の出力(受信波形)を示す図であり、縦軸がマイク16の出力電圧、横軸が音波の到達時刻からの時間である。図3及び図4を参照すると、スピーカー15への入力に対してマイク16の振幅の増加及び減少が遅いことが分かる。つまり、スピーカー15は、音波の発信及び停止を急激に行うことができないことが分かる。また、図4を参照すると、このマイク16の受信波形から音波の一波目を検出することは難しいことが分かる。よって、受信波形に基づいて音波反射時間計測値を決定する際においても、マイク16の受信波形から音波の反射波の一波目を検出することが難しく、反射時間の判別が困難である。また、スピーカー15への印加電圧波形とマイク16の受信波形との相互相関関数を求めることによる反射時間の判別が困難である。
また、スピーカー15の共振周波数と印加電圧波形の周波数とを一致させないと大きな音圧が得られないという問題もある。このため、周波数スイープした場合に、スピーカー15への印加電圧波形とマイク16の受信波形との相互相関関数を求めることが困難であり、反射時間の判別も困難である。
そこで、まずスピーカー15とマイク16とを対向させて、スピーカー15から出力される音波を直接的に計測した直接音波形(例えば、図4に示す受信波形)を事前に予め測定しておく。そして、この直接音波形と、実際に壁面に当たって反射した音波の受信波形との相互相関関数を求めることにより、音波反射時間を判別する。これにより、スピーカー15への入力(印加電圧波形)との相互相関関数を求めるよりは、正確に音波反射時間の計測値を決定することができる。
また、さらに特徴のある受信波形が得られるような印加電圧波形をスピーカー15への入力(印加)することにより、音波反射時間の判別精度を向上させてもよい。例えば、図5に示すように、測定の途中で位相を変更した印加電圧波形をスピーカー15への入力する。図5は、スピーカー15への入力(印加電圧波形)を示す図であり、測定の途中で位相を変更した印加電圧波形の一例を示す図である。この図において、縦軸がスピーカー15への入力電圧、横軸が時間である。図示する例では、途中で位相を180度変化させた40kHz矩形波信号がスピーカー15への入力されている。図6は、スピーカー15に対向するマイク16の出力(途中で位相を変更した音波の受信波形)を示す図であり、上記図5に示す印加電圧波形のときにスピーカー15から出力される音波(超音波)を直接的に受信したマイク16の出力(受信波形)の一例を示す図である。この図6に示すように、音圧を維持しつつ、途中で位相が変更されたことにより、特徴のある受信波形が得られるため、相互相関関数による音波反射時間の判別の精度を向上させることができる。
なお、上述したように、スピーカー15から出力される音波を直接的に計測した直接音波形と、実際に壁面に反射した音波の受信波形との相互相関関数を求めることにより、音波反射時間の判別精度を向上させることができるが、それでもなお、様々な計測誤差等により、直接音波形と比較して受信波形には反射の過程で変化が生じてしまうことがある。それにより、例えば、直接音波形と受信波形との相互相関関数による音波反射時間の判別結果が整数波長分ずれてしまうことがある。
図7は、直接音波形と受信波形との相互相関関数の算出結果の一例を示す図である。この図において、縦軸が相互相関関数の値であり、横軸が時間シフト量である。例えば、相互相関関数の値が最大となる時間シフトτを反射時間とするところ、上述したように、様々な計測誤差等により受信波形に変化が生じている場合、この時間シフトτが正しい反射時間とは限らない。
そこで、本実施形態では、相互相関関数の最大値を含む複数のピーク値に基づいて、音波反射時間計測値を決定する。例えば、図7に示すように、相互相関関数の最大値に加えて前後それぞれの2つのピーク値に対応する5つの時間シフトτ〜τを反射時間の候補とする。そして、マイク毎に時間シフトτ〜τを求める。例えば、マイク16a(マイク1)とマイク16b(マイク2)の2個のマイクを使用した場合には、2個のマイクのそれぞれで5つの時間シフトτ〜τを求める。そして、求めた全ての組み合わせに対して、前述した推定アルゴリズム(例えば、数式5参照)を適用し、解が得られた時間シフト量を音波反射時間計測値とする。これにより、様々な計測誤差等により、直接音波形と比較して受信波形に反射の過程で変化が生じてしまうことがあっても、相互相関関数による音波反射時間の判別精度をより向上させることができる。
次に、本実施形態に係る風速遠隔計測手法を適用した小型の無人飛行体の構成例を説明する。小型の無人飛行体とは、例えばドローンであり、遠隔操作や自動制御によって無人で飛行できる小型の航空機である。
図8は、本実施形態に係るドローンの構成の一例を示すブロック図である。図示するドローン10は、通信部11と、駆動部12と、記憶部13と、制御部14と、スピーカー15と、2個のマイク16(16a、16b)とを備えている。
通信部11は、ドローン10を遠隔から操縦するためのコントローラ(不図示)と無線通信を行う。例えば、通信部11は、ユーザ操作に基づいてコントローラ(不図示)から操縦内容を示す情報を受信する。また、通信部11は、必要に応じて、ドローン10の状態を示す情報をコントローラ(不図示)へ送信する。
なお、通信部11は、インターネット等の通信ネットワークを介してサーバ装置や他の機器と通信してもよい。
駆動部12は、複数のモータと、各モータのモータ軸の回転にそれぞれ連動する複数のプロペラとを含んで構成されている。駆動部12は、制御部14の制御に応じて各モータの回転を駆動し、プロペラを回転させることで揚力や推力を発生させ、ドローン10の飛行を可能にする。
なお、ドローン10は、本図では図示していないが、例えば、機体の動きや姿勢を検出するための加速度センサ、ジャイロセンサ、または方位センサや、各部に給電するバッテリー等を備えている。また、ドローン10は、上空から撮影が可能なカメラ等を備えていてもよい。
記憶部13は、ドローン10の各種の情報を記憶する。例えば、記憶部13は、制御部14による飛行制御に関する制御プログラムを記憶する。また、記憶部13は、前述した風速遠隔計測手法に関する音波反射時間モデルに関するパラメータ、音波反射時間モデル式、推定アルゴリズム等を記憶する。
制御部14は、CPU(Central Processing Unit)を備え、記憶部13に記憶されている制御プログラムを実行することにより、ドローン10を制御するための各種の処理を実行する。例えば、制御部14は、ユーザが操縦するコントローラ(不図示)から通信部11を介して受信する操縦内容を示す情報、及びドローン10の機体の動きや姿勢の検出結果等に基づいて、駆動部12の駆動を制御することによりドローン10の飛行を制御する。また、制御部14は、スピーカー15と、マイク16(16a、16b)とを用いて、前述した風速遠隔計測手法により、ドローン10の周辺の風に関する情報を推定し、ドローン10の飛行制御に利用する。
スピーカー15は、例えば、超音波を出力可能な超音波スピーカーである。マイク16(16a、16b)は、例えば、超音波を受信可能な超音波マイクである。スピーカー15及び2個のマイク16(16a、16b)は、ドローン10の機体の側面に設けられている。具体的には、図2に示すように、スピーカー15と2個のマイク16(16a、16b)とが直線上に、且つ2個のマイク16(16a、16b)がスピーカー15を挟んで相対する位置になるように、機体の側面に設置されている。例えば、スピーカー15と2個のマイク16(16a、16b)とは、飛行時の水平方向に対応する方向へ直線上に並べて機体の側面に設置されている。また、スピーカー15は、機体面に対面する方向に音波(超音波)を出力するように設置されている。2個のマイク16(16a、16b)のそれぞれは、スピーカー15から出力され音波(超音波)の反射波を受信可能なように、機体面に対面する方向に向けて設置されている。
なお、上述の説明では、スピーカー15及び複数のマイク16は、直線上に設置されている例を説明した。このように、スピーカー15及び複数のマイク16が一直線に並ぶことで、簡潔なモデル式とすることができ、それにより音波反射時間の算出を容易に行うことができる。なお、スピーカー15及び複数のマイク16は、直線上に設置されなくてもよく、直線上からずれた位置に設置されても音波反射時間の算出は可能である。また、スピーカー15及び2個のマイク16(16a、16b)は、ドローン10の機体の側面の一つに設置されてもよいし、複数の側面のそれぞれに設置されてもよい。例えば、機体の側面の一つに設置されている場合、該側面が進行方向を向くように操縦され、進行方向の風の情報を遠隔計測してもよい。また、機体の側面の全て(例えば、側面が4面ある場合には4面の全て)に設置することにより、機体の全周方向(例えば、4方向)の風の情報をまとめて遠隔計測してもよい。また、スピーカー15及び2個のマイク16(16a、16b)は、ドローン10の周辺に音波を出力し且つその音波の反射波を受信可能な位置あれば、機体の側面に限らず、機体の任意の場所に設置することができる。
次に、図9を参照して、制御部14の構成について詳しく説明する。ここでは、制御部14の構成のうち、風速遠隔計測手法によりドローン10の周辺の風に関する情報を推定する機能構成について説明する。図9は、本実施形態に係る制御部14の構成の一例を示すブロック図である。図示する制御部14は、前述した風速遠隔計測手法により、ドローン10の周辺の風に関する情報を推定する計測装置141と、その推定結果等に基づいて駆動部12の駆動を制御する駆動制御部142とを備えている。
計測装置141は、音波反射時間計測部1411と、推定部1412とを備えている。音波反射時間計測部1411は、スピーカー15から出力した音波の壁面からの反射波を2個のマイク16(16a、16b)で受信した受信結果に基づいて、音波がスピーカー15から出力されてから2個のマイク16(16a、16b)のそれぞれに到達するまでの反射時間を計測する。例えば、音波反射時間計測部1411は、図5に示すように、スピーカー15から所定の周波数の音波(例えば、超音波)を出力させる。ここで、音波反射時間計測部1411は、位相を変更させた(ずらした)音波を出力させる。例えば、音波反射時間計測部1411は、途中で位相を180度変更する。なお、変更する位相の量は、180度に限られるものではなく、例えば90度等としてもよい。
また、音波反射時間計測部1411は、予め測定したスピーカー15から出力される音波を直接的に計測した直接音波形と、2個のマイク16(16a、16b)のそれぞれで受信した受信波形との相互相関関数を求めるとともに、該相互相関関数の最大値を含む複数のピーク値に基づいて、音波反射時間計測値を決定してもよい。例えば、音波反射時間計測部1411は、図7に示すように、直接音波形と受信波形との相互相関関数最大値に加えて前後それぞれの2つのピーク値に対応する5つの時間シフトτ〜τを反射時間の候補(音波反射時間計測値の候補)とし、マイク毎に時間シフトτ〜τを求める。
推定部1412は、スピーカー15または2個のマイク16(16a、16b)と壁面との距離、風速、及び風向と反射時間との関係を示す音波反射時間モデル式(図2及び数式1参照)と、音波反射時間計測部1411により計測された音波反射時間計測値とに基づいて、推定アルゴリズム(例えば、数式3、数式5参照)を用いて、風に関する情報を推定する。例えば、推定部1412は、風向Φ、及び壁面に対するセンサ角度θを既知の値として、5つの音波反射時間計測値の候補の全ての組み合わせに対して推定アルゴリズム(数式3、数式5参照)を適用し、評価関数Jを最小化する最適化パラメータxを求めることにより、ドローン10の周辺の風速及び壁面との距離を推定する。
駆動制御部143は、計測装置141による推定結果等に基づいて、駆動部12の駆動を制御する。例えば、駆動制御部143は、ユーザが操縦するコントローラ(不図示)から通信部11を介して受信する操縦内容を示す情報、及びドローン10の機体の動きや姿勢の検出結果等に基づいて駆動部12の駆動を制御するとともに、計測装置141による推定結果に基づいてドローン10の周辺の風に関する情報を加味して駆動部12の駆動を制御する。例えば、駆動制御部143は、計測装置141が遠隔計測した風の分布を利用して,風の影響を受けずに目的地まで移動する最適経路の生成や,風の影響を軽減する最適制御の生成を行い、それらに基づき駆動部12の駆動を制御することもできる。これにより、強風や突風等の悪環境化におけるドローン10の飛行のロバスト性を高め、安定的な飛行制御を可能とする。
次に、本実施形態に係る計測装置141が風速遠隔計測手法により風に関する情報を推定する風速遠隔計測処理について説明する。
図10は、本実施形態に係る風速遠隔計測処理の一例を示すフローチャートである。
(ステップS10)計測装置141は、スピーカー15から位相を変更させた音波(例えば、超音波)を出力させるとともに、出力させる音波の位相を計測の途中で変更する。例えば、計測装置141は、途中で位相を180度変更する(図5参照)。そして、ステップS12の処理に進む。
(ステップS12)計測装置141は、スピーカー15から出力した音波例えば、超音波)の壁面からの反射波を2個のマイク16(16a、16b)で受信した受信結果を取得する。そして、ステップS14の処理に進む。
(ステップS14)計測装置141は、予め測定したスピーカー15から出力される音波を直接的に計測した直接音波形(図6参照)と、ステップS12で取得した受信結果(2個のマイク16(16a、16b)のそれぞれで受信した受信波形)との相互相関関数を求めるとともに、該相互相関関数の最大値を含む複数のピーク値に基づいて、音波反射時間計測値を決定する。例えば、計測装置141は、直接音波形と受信波形との相互相関関数最大値に加えて前後それぞれの2つのピーク値に対応する5つの時間シフトτ〜τを音波反射時間計測値の候補とし、マイク毎に時間シフトτ〜τを求める(図7参照)。そして、ステップS16の処理に進む。
(ステップS16)計測装置141は、スピーカー15または2個のマイク16(16a、16b)と壁面との距離、風速、及び風向と反射時間との関係を示す音波反射時間モデル式(図2及び数式1参照)と、ステップS14において計測した音波反射時間計測値とに基づいて、推定アルゴリズム(数式3、数式5等参照)を用いて、風に関する情報を推定する。例えば、計測装置141は、風向Φ、及び壁面に対するセンサ角度θを既知の値として、5つの音波反射時間計測値の候補の全ての組み合わせに対して推定アルゴリズム(数式3、数式5参照)を適用し、評価関数Jを最小化する最適化パラメータxを求めることにより、ドローン10の周辺の風速V及び壁面との距離Lを推定する。
(風速遠隔計測手法の実験例)
次に、上記で説明した風速遠隔計測手法の妥当性を検証するための実験結果の一例を説明する。
図11は、実験の概要を説明する図である。実験では、風洞内に1個のスピーカーと2個のマイク(マイク1、マイク2)が設置されたものを使用した。風洞の内壁が壁面に相当し、基本的には図2に示す音波反射モデルの条件を再現した。図12は、実験に用いたスピーカーとマイクの設置状態の写真である。なお、この写真では、マイク1とマイク2のそれぞれに2個のマイクが設置されているが、本実験では、それぞれ1個のマイクのみ(合計2個のマイク)を実験に使用している。また、図13は、実験に用いた風洞の写真である。風洞は、金沢大学航空宇宙システム研究室所蔵の、流速:2〜25m/s、試験区間:200×200×500mmのものを使用した。
図14は、実験条件を示す表である。マイク1及びマイク2は、スピーカーを挟んで直線上に相対する位置にあり、スピーカーとの距離dを20cmとした。また、スピーカーと風洞の内壁との距離L(内壁から内壁面に対して垂直方向の距離)を、12.2cmとした。また、風向は0degとし、内壁に対するセンサ角度θを、−5、0、5degの3種類に変化させて測定した。また、風速Vを、0、2、4、6、8、10m/sの6種類に変化させて測定した。なお、サンプリング周期を2μs、音波の発信間隔を0.01sとした。
また、図15は、実験システムの構成を示すブロック図である。ファンクションジェネレータから出力されるスピーカー駆動信号がスピーカーアンプとデータロガーに入力される。スピーカーアンプは、スピーカー駆動信号を増幅してスピーカーへ出力する。マイクアンプは、マイクの出力信号を増幅した増幅信号をデータロガーへ出力する。データロガーは、マイクアンプから出力される増幅信号を、ファンクションジェネレータから出力されるスピーカー駆動信号に基づいてサンプリングして記録し、パーソナルコンピュータ(パソコン)へ出力する。なお、マイクアンプの数は、マイクの数に対応して備えられている。ここでは、2個のマイクに対応する2個のマイクアンプが備えられている。各マイクアンプは、それぞれに接続されているマイクの出力信号を増幅してデータロガーへ出力する。なお、この実験では、ファンクションジェネレータは、エヌエフ回路設計ブロック製DF1906を使用した。また、データロガーは、KEYENCE製NR-600を使用した。
図16は、実験結果を示す図である。ここでは、実験結果として、風速V及び壁面との距離Lの推定結果をグラフ化して示している。この図において、上段は、風速Vの推定結果を示しており、内壁に対するセンサ角度θを、−5、0、5degの3種類に変化させた場合の3種類のグラフを示している。一方、下段は、壁面との距離Lの推定結果を示しており、同様に内壁に対するセンサ角度θを、−5、0、5degの3種類に変化させた場合の3種類のグラフを示している。いずれのグラフも横軸は設定した風速(設定風速)である。これらのグラフにおいて、設定風速0、2、4、6、8、10m/sのそれぞれについての推定値と真値とを示している。これらのグラフを参照すると、推定結果と真値とに大きな差は無く、風速V及び壁面との距離Lを精度よく推定できていることが分かる。
以上説明したように、本実施形態に係る計測装置141は、音波反射時間計測部1411と、推定部1412とを備えている。音波反射時間計測部1411は、スピーカー15から出力した音波の壁面(対象物の一例)からの反射波を複数のマイクで受信した受信結果に基づいて、該音波がスピーカー15から出力されてから複数のマイクのそれぞれに到達するまでの反射時間(音波反射時間計測値)を計測する。推定部1412は、風速、風向、及びスピーカー15または複数のマイク16と壁面(対象物の一例)との距離と、上記反射時間との関係を示す音波反射時間モデル式と、音波反射時間計測部1411により計測された音波反射時間計測値とに基づいて、風速及び壁面(対象物の一例)との距離を推定する。
これにより、計測装置141は、例えば1個のスピーカー15と2個のマイク16(16a、16b)を用いた簡易な構成で、風に関する情報と壁面(対象物の一例)までの距離とをまとめて推定できるため、構造物周辺における風に関する情報(例えば、風速などの事前情報)を精度よく計測することができる。
例えば、音波反射時間計測部1411は、スピーカー15から位相を変更させた音波を出力(例えば、180度変更)してもよい。これにより、計測装置141は、音圧を維持しつつ、途中で位相が変更されたことにより、特徴のある受信波形が得られるため、相互相関関数による音波反射時間の判別の精度を向上させることができる。
また、音波反射時間計測部1411は、予め測定したスピーカー15から出力される音波を直接的に計測した直接音波形と、複数のマイク16のそれぞれで受信した受信波形との相互相関関数を求めるとともに、該相互相関関数の複数のピーク値に基づいて、音波反射時間計測値を決定する。例えば、音波反射時間計測部1411は、相互相関関数の最大値を含む複数のピーク値に基づいて、音波反射時間計測値を決定する。
これにより、計測装置141は、直接音波形と比較して受信波形に反射の過程で変化が生じてしまうことがあっても、相互相関関数による音波反射時間の判別精度をより向上させることができる。
なお、本実施形態では、図7に示すように、相互相関関数の最大値に加えて前後それぞれの2つのピーク値に基づいて音波反射時間計測値を決定する例を説明したが、これに限られるものではない。例えば、相互相関関数の最大値の前後で用いるピーク値の数は任意に決めることができる。また、相互相関関数の最大値以外の複数のピーク値を用いてもよい。
また、計測装置141を備えたドローン10は、ドローン10の周辺の風に関する情報を加味してドローン10の飛行を制御することができるため、強風や突風等の悪環境化におけるドローン10の飛行のロバスト性を高め、安定的な飛行制御を可能とする。例えば、ドローン10は、計測装置141が遠隔計測した風の分布を利用して,風の影響を受けずに目的地まで移動する最適経路の生成や,風の影響を軽減する最適制御の生成を行い、それらに基づき駆動部12の駆動を制御することもできる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、2個のマイクを使用して風速V及び壁面との距離Lを推定する例を説明したが、マイクを増設することにより、風向Φ、及び壁面に対するセンサ角度θについても推定が可能となる。本実施形態では、マイクを4個備える構成について説明する。
図17は、本実施形態に係るマイクが4個の場合の音波反射モデルの一例を示す図である。この図に示す音波反射モデルは、図2に示す音波反射モデルに対してマイクの個数が異なる。スピーカー15を挟んでマイク16a(マイク1)及びマイク16c(マイク3)とマイク16b(マイク2)及びマイク16d(マイク4)とが相対する位置にある。マイクが4個の場合も、音波の反射時間の計算値Tiを算出する音波反射時間モデル式は、前述した数式1で表すことができる。
最適化パラメータxは、以下の数式7に示すように風速V、風向Φ、壁面との距離L、及び壁面に対するセンサ角度θの変数となる。
また、音波反射時間モデル式は、最適化パラメータxを用いて以下の数式8のように表すことができる。
また、音波反射時間計測値は、第1の実施形態と同様に以下のように表す。
そして、風速V、風向Φ、壁面との距離L、及び壁面に対するセンサ角度θを推定する推定アルゴリズムとして、評価関数Jを以下の数式9のように表すことができる。
この数式9において、評価関数Jを最小化する最適化パラメータxを求めることにより、風速V、風向Φ、壁面との距離L、及び壁面に対するセンサ角度θを推定することができる。
このように、本実施形態では、計測装置141は、4個のマイク16を備えている。そして、推定部1412は、音波反射時間モデル式と、音波反射時間計測部1411により計測された音波反射時間計測値とに基づいて、風速、風向、壁面(対象物の一例)との距離、及び壁面(対象物の一例)に対するスピーカー15及びマイク16の角度を推定する。
これにより、計測装置141は、例えば1個のスピーカー15と4個のマイク16(16a、16b)を用いた簡易な構成で、風速と壁面(対象物の一例)までの距離とに加えて、風向、及び壁面に対するセンサ角度についても推定が可能となるため、構造物周辺におけるより多くの風に関する情報を計測することができる。
なお、設置するマイクの数は、少なくとも4個以上であればよく、例えば、5個または6個等であってもよい。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第1及び第2の実施形態では、2次元空間における風速、風向、壁面との距離、または壁面に対するセンサ角度等を推定する例を説明したが、本実施形態では3次元空間に拡張した例を説明する。
図18は、本実施形態に係る3次元空間での音波反射モデルの一例を示す図である。この図に示す音波反射モデルは、図2に示す音波反射モデルが2次元空間をxy座標で定義していたのに対して、3次元空間をxyz座標で定義している。ここでは、ドローン10等の機体(センシングシステム(測定装置)筐体)に固定した座標軸を、x軸、y軸、及びz軸と定義している。スピーカー15の出力の中心をx軸、y軸、及びz軸の交点(原点)とし、ドローン10等の機体(センシングシステム(測定装置)筐体)に、スピーカー15と、少なくとも3個以上のマイクが設けられているとする。図示する例では、スピーカー15を中心として、放射方向にマイク16a(マイク1)、マイク16b(マイク2)、及びマイク16i(マイクi)がそれぞれ配置されており、スピーカー15から各マイク16までの距離ベクトルをd(iはマイク番号)とする。
また、図2の例と同様に、スピーカー15の出力面に対して垂直方向にスピーカー15から壁面までの距離をLとし、スピーカー15から出力された音波が壁面で反射してマイク16a(マイク1)に到達する経路において、スピーカー15から壁面までの距離をlin1、壁面からマイク16a(マイク1)までの距離をlre1とする。また、スピーカー15から出力された音波が壁面で反射してマイク16b(マイク2)に到達する経路において、スピーカー15から壁面までの距離をlin2、壁面からマイク16b(マイク2)までの距離をlre2とする。また、スピーカー15から出力された音波が壁面で反射してマイク16i(マイクi)に到達する経路において、スピーカー15から壁面までの距離をlini、壁面からマイク16b(マイク2)までの距離をlreiとする。
また、壁面に対する機体又はセンサ姿勢角度(壁面に対するスピーカー15及びマイク16の角度)をθ、θとし、風速ベクトルをV、音速をCとすると、音波の反射時間の計算値Tiを算出する音波反射時間モデル式は、以下に示す数式10で表すことができる。
最適化パラメータxは、以下の数式11に示すように風速ベクトルV、壁面との距離L、及び壁面に対するセンサ姿勢角度θ、θの変数となる。
また、音波反射時間モデル式は、最適化パラメータxを用いて以下の数式12のように表すことができる。
また、音波反射時間計測値は、第1の実施形態と同様に以下のように表す。
そして、推定アルゴリズムとして、評価関数Jを以下の数式13のように表すことができる。
このように、3次元空間に対応した音波反射モデルを用いて、上記数式13において、評価関数Jを最小化する最適化パラメータxを求めることにより、3次元空間における風速ベクトルV及び壁面との距離Lを推定することができる。また、スピーカーをさらに増設することにより、3次元空間における風速ベクトルV、壁面との距離Lに加えて、壁面に対するセンサ姿勢角度θ、θの推定の可能となる。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。例えば、上述の第1から第3の実施形態において説明した各構成は、任意に組み合わせることができる。
また、上述した実施形態では、マイク16の数が2個の場合、または少なくとも4個以上の場合等、複数個設置される例について説明したが、スピーカー15の数も1個に限られるものではなく、複数個としてもよい。また、スピーカー15は、フェーズドアレイスピーカーとしてもよい。
また、上述した実施形態では、音波が反射する対象物が構造物等の壁面である例を説明したが、対象物は、音波が反射する物であれば、どのようなものであってもよい。
また、計測装置141は、計測した風に関する情報(風速、風向、壁面との距離、または壁面に対するセンサ角度等)を、通信部11を介して他の装置に送ってもよい。送信先は、通信ネットワークを介して接続されるサーバ装置であってもよいし、ドローン10を遠隔から操縦するためのコントローラであってもよい。これにより、ドローン10の周辺の風に関する情報を、ドローン10から離れた場所でも確認または利用することができる。
なお、上述した実施形態における制御部14の一部または全部をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御部14の一部または全部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、ドローン10に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
また、上述した実施形態における制御部14の一部または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。また、例えば、制御部14の一部または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
また、上述した実施形態では、計測装置141がドローン10に備えられている構成を説明したが、計測装置141は、ドローン10とは異なる装置に備えられてもよい。例えば、計測装置141は、ドローン10を遠隔から操縦するためのコントローラに備えられてもよいし、或いは、通信ネットワークを介して接続されるサーバ装置に備えられてもよい。これらの場合、ドローン10は、マイク16が受信した受信結果を、上記コントローラ或いはサーバ装置へ送信することにより、上記コントローラ或いはサーバ装置で風に関する情報を推定し、推定結果がドローン10へフィードバックされてもよい。なお、このとき、スピーカー15の出力は、ドローン10が自律的に制御してもよいし、上記コントローラ或いはサーバ装置から制御信号をドローン10へ送信することにより、該制御信号に基づいてドローン10が制御してもよい。
また、上述した実施形態では、計測装置141をドローン10に適用する例を説明したが、ドローン10に限らず、いずれの飛行体に適用してもよいし、また飛行する物に限らず、車等の移動体に適用してもよい。
10 ドローン、11 通信部、12 駆動部、13 記憶部、14 制御部、15 スピーカー、16 マイク、141 計測装置、1411 音波反射時間計測部、1412 推定部、142 駆動制御部

Claims (6)

  1. 音波がスピーカーから出力されてから複数のマイクのそれぞれに到達するまでの反射時間を計測する音波反射時間計測部と、
    風速、風向、及び対象物との距離と、前記反射時間との関係を示す音波反射時間モデルと、前記反射時間の計測値とに基づいて、前記風速、及び前記対象物との距離を推定する推定部と、
    を備える計測装置。
  2. 前記複数のマイクは、少なくとも4以上のマイクであり、
    前記推定部は、
    前記音波反射時間モデルと、前記音波反射時間計測部により計測された前記反射時間の計測値とに基づいて、前記風速、前記風向、前記対象物との距離、及び前記対象物に対する角度を推定する、
    請求項1に記載の計測装置。
  3. 前記音波反射時間計測部は、
    予め測定した前記スピーカーから出力される音波を直接的に計測した直接音波形と、前記複数のマイクのそれぞれで受信した受信波形との相互相関関数を求めるとともに、該相互相関関数の複数のピーク値と前記音波反射時間モデルに基づいて、前記反射時間の計測値を決定する、
    請求項1または請求項2に記載の計測装置。
  4. 前記音波反射時間計測部は、
    前記スピーカーから位相をずらした音波を出力させる、
    を備える請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の計測装置。
  5. 前記スピーカーと、
    前記複数のマイクと、
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の計測装置と、
    を備える移動体。
  6. 計測装置の計測方法であって、
    音波がスピーカーから出力されてから複数のマイクのそれぞれに到達するまでの反射時間を計測する音波反射時間計測ステップと、
    風速、風向、及び対象物との距離と、前記反射時間との関係を示す音波反射時間モデルと、前記反射時間の計測値とに基づいて、前記風速、及び前記対象物との距離を推定する推定ステップと、
    を有する計測方法。
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