JP2019095124A - プレート式熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、第一流路及び第二流路の流路幅が最大となる範囲での熱交換効率を高めることのできるプレート式熱交換器を提供する。【解決手段】 本発明は、伝熱プレートの第一流路画定領域及び第二流路画定領域は、第一流体と第二流体とを熱交換させる伝熱領域を包含し、伝熱領域は、主伝熱領域から遠ざかるにつれて第三方向の寸法が小さくなる副伝熱領域とを含み、副伝熱領域は、第二方向で主伝熱領域に繋がる第一領域と、第二方向で第一領域に繋がる第二領域であって、第一領域から遠ざかるにつれて第三方向の寸法が小さくなる第二領域とを含み、第一流路及び第二流路において、第二領域と対応する範囲での流通抵抗よりも第一領域と対応する範囲での流通抵抗が大きく、且つ第一領域と対応する範囲での流通抵抗よりも主伝熱領域と対応する範囲での流通抵抗が大きくなるように構成される。【選択図】図2

Description

本発明は、重ね合わされた複数の伝熱プレートを備え、伝熱プレートを境にして、第一流体を流通させる第一流路と、第二流体を流通させる第二流路とが交互に形成されたプレート式熱交換器に関する。
従来から、第一流体と第二流体とを熱交換させる熱交換器の一つとして、プレート式熱交換器が公知である。
かかるプレート式熱交換器は、第一方向に重ね合わされた複数の伝熱プレートを備え、伝熱プレートを境にして、第一流体を流通させる第一流路と、第二流体を流通させる第二流路とが交互に形成されている(例えば、特許文献1参照)。
これを前提に、図12及び図13に示す如く、伝熱プレート100は、第一流路Raを画定する第一流路画定領域101を含む第一面Saと、該第一面Saの反対側の第二面Sbであって、第二流路Rbを画定する第二流路画定領域102を含む第二面Sbとを有する。また、伝熱プレート100は、それぞれが第一流路画定領域101内で第一方向に貫通した一対の第一貫通孔103であって、第一方向と直交する第二方向に間隔をあけて配置された一対の第一貫通孔103と、それぞれが第二流路画定領域102内で第一方向に貫通した一対の第二貫通孔104であって、第二方向に間隔をあけて配置された一対の第二貫通孔104とを有する。
一対の第一貫通孔103のうちの一方の第一貫通孔103は、一対の第二貫通孔104のうちの一方の第二貫通孔104に対して第一方向及び第二方向と直交する第三方向に間隔をあけて配置されている。これに対し、一対の第一貫通孔103のうちの他方の第一貫通孔103は、一対の第二貫通孔104のうちの他方の第二貫通孔104に対して第三方向に間隔をあけて配置されている。
これに伴い、第一流路画定領域101及び第二流路画定領域102は、第一流体と第二流体とを熱交換させる伝熱領域105,106であって、第一方向で互いに重なる伝熱領域105,106を含む。第一流路画定領域101及び第二流路画定領域102のそれぞれにおいて、伝熱領域105,106は、伝熱プレート100の第二方向に延びる縦中心線CL1と第三方向に延びる横中心線CL2との交点を含む主伝熱領域105a,106aと、第二方向で主伝熱領域105a,106aを挟む一対の副伝熱領域105b,106bであって、主伝熱領域105a,106aから遠ざかるにつれて第三方向の寸法が小さくなる一対の副伝熱領域105b,106bとを含む。
そして、第一流体と第二流体との熱交換効率を高めるべく、伝熱プレート100の第一面Sa及び第二面Sbのそれぞれの伝熱領域105,106(主伝熱領域105a,106a及び副伝熱領域105b,106b)は、凹凸面にされる。
具体的には、伝熱プレート100の第一面Sa及び第二面Sbのそれぞれにおいて、主伝熱領域105a,106aには、それぞれが所定方向に延びる凹条107a,108a及び凸条107b,108bが自身の延びる方向と直交する方向に交互に形成される。また、一対の副伝熱領域105b,106bには、それぞれが所定の方向に延びる凹条107a,108a及び凸条107b,108bが、自身の延びる方向と直交する方向に交互に形成される。
かかるプレート式熱交換器において、複数の伝熱プレート100のそれぞれは、第一面Saを第一方向の一方側で隣り合う伝熱プレート100の第一面Saと対向させるとともに、第二面Sbを第一方向の他方側で隣り合う伝熱プレート100の第二面Sbと対向させて配置される。この状態において、図14及び図15に示す如く、隣り合う伝熱プレート100の主伝熱領域105a,106aにある凸条107b,108b同士が互いに交差衝合するとともに、隣り合う伝熱プレート100の副伝熱領域105b,106bにある凸条107b,108b同士が互いに交差衝合する。
そして、第一面Sa同士を対向させた伝熱プレート100(隣り合う伝熱プレート100)の間が第一流路画定領域101の輪郭に沿って封止されるとともに、第二面Sb同士を対向させた伝熱プレート100(隣り合う伝熱プレート100)の間が第二流路画定領域102の輪郭に沿って封止される。
これより、プレート式熱交換器において、隣り合う伝熱プレート100の第一流路画定領域101間に第一流路Raが形成されるとともに、隣り合う伝熱プレート100の第二流路画定領域102間に第二流路Rbが形成される。また、第一流路画定領域101内にある第一貫通孔103が第一方向に連なって、第一流路Raのみに連通する一対の第一連通路Ra1,Ra2が形成されるとともに、第二流路画定領域102内にある第二貫通孔104が第一方向に連なって、第二流路Rbのみに連通する一対の第二連通路Rb1,Rb2が形成される。
かかるプレート式熱交換器では、一方の第一連通路Ra1に第一流体Aが供給されることで、第一流体Aは、一方の第一連通路Ra1から第一流路Raに流入し、第一流路Raにおいて他方の第一連通路Ra2に向けて流通する。これに対し、一方の第二連通路Rb1に第二流体Bが供給されることで、第二流体Bは、一方の第二連通路Rb1から第二流路Rbに流入し、第二流路Rbにおいて他方の第二連通路Rb2に向けて流通する。
このとき、第一流体A及び第二流体Bは、伝熱プレート100の伝熱領域105,106を介して熱交換を行う。そして、この種のプレート式熱交換器では、伝熱領域105,106(主伝熱領域105a,106a、副伝熱領域105b,106b)に複数の凹条107a,108a及び凸条107b,108bが存在するため、第一流路Raにおける第一流体Aの流れ及び第二流路Rbにおける第二流体Bの流れが乱され、高い熱伝達効率が得られる。
ところで、第一流路画定領域101の伝熱領域105に含まれる副伝熱領域105bは、第一流体Aを流出入させる第一連通路Ra1,Ra2(第一貫通孔103)を含む領域に対して直近で隣り合い、第二流路画定領域102の伝熱領域106に含まれる副伝熱領域106bは、第二流体Bを流出入させる第二連通路Rb1,Rb2(第二貫通孔104)を含む領域に対して直近で隣り合う。
これに伴い、第一流路Raに対する第一流体Aの流出入の効率性を高めるために、第一流路画定領域101の伝熱領域105に含まれる副伝熱領域105b全域にある凸条107b同士の間隔(単一の凹条107aを挟んで隣り合う凸条107b同士の間隔)が、第一流路画定領域101の伝熱領域105に含まれる主伝熱領域105a全域にある凸条107b同士の間隔(単一の凹条107aを挟んで隣り合う凸条107b同士の間隔)よりも広く設定され、第一流路Raの副伝熱領域105bと対応する範囲(第一流路Raの出入口となる第一連通路の周辺)での第一流体Aの流通抵抗が小さくされる。
また、第二流路Rbに対する第二流体Bの流出入の効率性を高めるために、第二流路画定領域102の伝熱領域106に含まれる副伝熱領域106b全域にある凸条108b同士の間隔(単一の凹条108aを挟んで隣り合う凸条108b同士の間隔)が、第二流路画定領域102の伝熱領域106に含まれる主伝熱領域106a全域にある凸条108b同士の間隔(単一の凹条108aを挟んで隣り合う凸条108b同士の間隔)よりも広く設定され、第二流路Rbの副伝熱領域106bと対応する範囲(第二流路Rbの出入口となる第二連通路の周辺)での第二流体Bの流通抵抗が小さくされる。
しかしながら、第一流路Raにおける副伝熱領域105bと対応する範囲の流通抵抗が小さいと、一方の第一連通路Ra1から第一流路Raに流入した第一流体Aは、第一流路Raにおける副伝熱領域105bと対応する範囲において、最短距離で主伝熱領域105aと対応する範囲に到達しようとする傾向にある。これに伴い、第一流路Raにおける主伝熱領域105aと対応する範囲に到達した第一流体Aは、該主伝熱領域105aと対応する範囲においても最短距離で出口(他方の第一連通路)に向けて流通する。そのため、第一流路Raにおいて、第一流体Aが主伝熱領域105aと対応する範囲全域に広がりにくくなる傾向にある。この点、第二流路Rbにおいても同様である。
従って、従来のプレート式熱交換器では、第一流路Ra及び第二流路Rbの流路幅が最大となる主伝熱領域105a,106aと対応する範囲での熱交換効率が低くなってしまう。
特開2012―122688号公報
そこで、本発明は、第一流路及び第二流路の流路幅が最大となる範囲での熱交換効率を高めることのできるプレート式熱交換器を提供することを課題とする。
本発明に係るプレート式熱交換器は、第一方向に重ね合わされた複数の伝熱プレートを備え、複数の伝熱プレートのそれぞれは、第一流体を流通させる第一流路を画定する第一流路画定領域を含む第一面と、該第一面の反対側の第二面であって、第二流体を流通させる第二流路を画定する第二流路画定領域を含む第二面とを有するとともに、それぞれが第一流路画定領域内で第一方向に貫通し且つ第一方向と直交する第二方向に間隔をあけて配置された一対の第一貫通孔であって、それぞれが第一方向に延びて第一流路のみに連通する第一連通路を形成する一対の第一貫通孔と、それぞれが第二流路画定領域内で第一方向に貫通し且つ第二方向に間隔をあけて配置された一対の第二貫通孔であって、それぞれが第一方向に延びて第二流路のみに連通する第二連通路を形成する一対の第二貫通孔とを有し、第一流路画定領域及び第二流路画定領域は、第一流体と第二流体とを熱交換させる伝熱領域であって、第一方向で互いに重なる伝熱領域を含み、伝熱領域は、伝熱プレートの第二方向に延びる縦中心線と第一方向及び第二方向と直交する第三方向に延びる横中心線との交点を含む主伝熱領域と、第二方向で主伝熱領域を挟む一対の副伝熱領域であって、主伝熱領域から遠ざかるにつれて第三方向の寸法が小さくなる一対の副伝熱領域とを含み、一対の副伝熱領域のそれぞれは、第二方向で主伝熱領域に繋がる第一領域と、第二方向で第一領域に繋がる第二領域であって、第一領域から遠ざかるにつれて第三方向の寸法が小さくなる第二領域とを含み、第一流路及び第二流路のそれぞれにおいて、第二領域と対応する範囲での流通抵抗よりも第一領域と対応する範囲での流通抵抗が大きく、且つ第一領域と対応する範囲での流通抵抗よりも主伝熱領域と対応する範囲での流通抵抗が大きくなるように構成されることを特徴とする。
上記構成によれば、一対の第一連通路のうちの何れか一方の第一連通路から第一流路に流入した第一流体は、流通抵抗の小さな第二領域と対応した範囲を優先的に流通する。そして、第一流体は、第一領域の流通抵抗によって、最短ルートで第一領域に進入しにくくなるため、後続の第一流体は、第二方向に広がったり、最短ルートよりも距離が長い別ルートを通ったりすることになる結果、第一流路における第二領域と対応する範囲に充満し、第一領域と対応する範囲全域又は略全域に進入する。
そして、最短ルートを通る第一流体が、最短ルートよりも距離が長い別ルートを通る第一流体よりも先行していたとしても、先行して主伝熱領域と対応する範囲に到達した第一流体は、主伝熱領域と対応する範囲での流通抵抗により、そのまま最短ルートを通過して主伝熱領域に進入しにくくなる。
その結果、最短ルートよりも距離が長い別ルートを通った第一流体が、最短ルートを通る第一流体に対して追いついた或いは略追いついた状態になり、第一流路における第一領域と対応する範囲にある第一流体は、主伝熱領域と対応する範囲全域又は略全域に対してバランスをとった状態で進入した後、主伝熱領域と対応する範囲を第二方向に流通し、他方の副伝熱領域と対応した範囲を介して何れか他方の第一連通路に排出される。
また、一対の第二連通路のうちの何れか一方の第二連通路から第二流路に流入した第二流体は、流通抵抗の小さな第二領域と対応した範囲を優先的に流通する。そして、第二流体は、第二領域の流通抵抗によって、最短ルートで第二領域に進入しにくくなるため、後続の第二流体は、第二方向に広がったり、最短ルートよりも距離が長い別ルートを通ったりすることになる結果、第二流路における第二領域と対応する範囲に充満し、第二領域と対応する範囲全域又は略全域に進入する。
そして、最短ルートを通る第二流体が、最短ルートよりも距離が長い別ルートを通る第二流体よりも先行していたとしても、先行して主伝熱領域と対応する範囲に到達した第二流体は、主伝熱領域と対応する範囲での流通抵抗により、そのまま最短ルートを通過して主伝熱領域に進入しにくくなる。
その結果、最短ルートよりも距離が長い別ルートを通った第二流体が、最短ルートを通る第二流体に対して追いついた或いは略追いついた状態になり、第二流路における第二領域と対応する範囲にある第二流体は、主伝熱領域と対応する範囲全域又は略全域に対してバランスをとった状態で進入した後、主伝熱領域と対応する範囲を第二方向に流通し、他方の副伝熱領域と対応した範囲を介して何れか他方の第二連通路に排出される。
これにより、上記構成のプレート式熱交換器では、流路幅が最大となる範囲(主伝熱領域と対応する範囲)での熱交換効率を高めることができるという優れた効果を奏し得る。
本発明の一態様として、第一流路画定領域の伝熱領域には、複数の凹部及び凸部が形成されるとともに、第二流路画定領域の伝熱領域には、第一流路画定領域における伝熱領域の凹部と表裏の関係にある凸部及び第一流路画定領域における伝熱領域の凸部と表裏の関係にある凹部が形成され、第一流路画定領域及び第二流路画定領域のそれぞれの伝熱領域において、凹部と凸部とが所定方向で交互に配置され、第二領域内の凹部を挟んで隣り合う凸部同士の間隔が、第一領域内の凹部を挟んで隣り合う凸部同士の間隔よりも広く、第一領域内の凹部を挟んで隣り合う凸部同士の間隔が、主伝熱領域内の凹部を挟んで隣り合う凸部同士の間隔よりも広く設定されてもよい。
このようにすれは、第一流路及び第二流路のそれぞれにおいて、主伝熱領域及び副伝熱領域(第一領域及び第二領域)のそれぞれの領域と対応する範囲に対し、凸条同士の間隔と対応した流通抵抗を付与することができる。
この場合、主伝熱領域、副伝熱領域の第一領域、及び副伝熱領域の第二領域の少なくとも何れか一つの領域にある凹部及び凸部は、該凹部と該凸部とが交互に並ぶ所定方向と直交する方向に延びる凹条及び凸条であり、隣り合う伝熱プレートの前記何れか一つの領域にある凸条同士が交差衝合してもよい。
このようにすれば、第一流路で第一流体の流れが乱れるとともに、第二流路で第二流体の流れが乱れる。これにより、第一流体と第二流体との熱交換効率が高められる。
本発明の他態様として、一対の第一貫通孔と一対の第二貫通孔とは、第三方向に間隔をあけて配置され、第二領域は、第三方向で隣り合う第一貫通孔と第二貫通孔との間に配置され、第一領域は、第三方向で隣り合う第一貫通孔及び第二貫通孔と主伝熱領域との間に配置されることが好ましい。
このようにすれば、第一貫通孔から第一流路に流入した第一流体を、第一流路における上流域となる第二領域に向けて優先的に流通させることができ、最短ルートだけでなく最短ルートよりも距離の長い別のルートにも第一流体を流通させることができる。これにより、第一流路における第二領域と対応する範囲の全域又は略全域に第一流体を充満させ、この第一流体を下流側に流通させることができる。また、第二貫通孔から第二流路に流入した第二流体を、第二流路における上流域となる第二領域に向けて優先的に流通させることができ、最短ルートだけでなく最短ルートよりも距離の長い別のルートにも第二流体を流通させることができる。これにより、第二流路における第二領域と対応する範囲の全域又は略全域に第二流体を充満させ、この第二流体を下流側に流通させることができる。
本発明によれば、第一流路及び第二流路の流路幅が最大となる範囲での熱交換効率を高めることができるという優れた効果を奏し得る。
図1は、本発明の一実施形態に係るプレート式熱交換器の概略分解斜視図である。 図2は、同実施形態に係るプレート式熱交換器の伝熱プレート(第一伝熱プレート)を第一面側から見た図である。 図3は、同実施形態に係るプレート式熱交換器の伝熱プレート(第一伝熱プレート)を第二面側から見た図である。 図4は、同実施形態に係るプレート式熱交換器の伝熱プレート(第二伝熱プレート)を第一面側から見た図である。 図5は、同実施形態に係るプレート式熱交換器の伝熱プレート(第二伝熱プレート)を第二面側から見た図である。 図6は、図2のVI部の拡大図である。 図7は、図3のVII部の拡大図である。 図8は、図4のVIII部の拡大図である。 図9は、図5のIX部の拡大図である。 図10は、同実施形態に係るプレート式熱交換器の第一流路での第一流体の流れを説明するための図である。 図11は、同実施形態に係るプレート式熱交換器の第二流路での第二流体の流れを説明するための図である。 図12は、従来のプレート式熱交換器の伝熱プレートを第一面側から見た図である。 図13は、従来のプレート式熱交換器の伝熱プレートを第二面側から見た図である。 図14は、従来のプレート式熱交換器の第一流路での第一流体の流れを説明するための図である。 図15は、従来のプレート式熱交換器の第二流路での第二流体の流れを説明するための図である。
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1に示す如く、プレート式熱交換器1は、第一方向に重ね合わされた複数の伝熱プレート2,3を備える。本実施形態において、プレート式熱交換器1は、複数の伝熱プレート2,3に加え、第一方向で隣り合う伝熱プレート2,3間に介装されるガスケット4(4a,4b,4c,4d)と、重ね合わされた複数の伝熱プレート2,3を第一方向から挟み込む一対のエンドプレート5,6とを備える。
複数の伝熱プレート2,3のそれぞれは、図2乃至図5に示す如く、第一方向から見て四角形状に形成される。本実施形態において、伝熱プレート2,3は、第一方向と直交する第二方向の外寸が第一方向及び第二方向と直交する第三方向の外寸よりも大きく設定され、第二方向に長手の長方形状に形成される。
複数の伝熱プレート2,3のそれぞれは、第一流体Aを流通させる第一流路Ra(図1参照)を画定する第一流路画定領域20,30を含む第一面Saと、該第一面Saの反対側の第二面Sbであって、第二流体Bを流通させる第二流路Rb(図1参照)を画定する第二流路画定領域21,31を含む第二面Sbとを有する。また、複数の伝熱プレート2,3は、それぞれが第一流路画定領域20,30内で第一方向に貫通し且つ第二方向に間隔をあけて配置された一対の第一貫通孔22,32であって、それぞれが第一方向に延びて第一流路Raのみに連通する第一連通路Ra1,Ra2(図1参照)を形成する一対の第一貫通孔22,32と、それぞれが第二流路画定領域21,31内で第一方向に貫通し且つ第二方向に間隔をあけて配置された一対の第二貫通孔23,33であって、それぞれが第一方向に延びて第二流路Rbのみに連通する第二連通路Rb1,Rb2(図1参照)を形成する一対の第二貫通孔23,33とを有する。
これに伴い、本実施形態に係る伝熱プレート2,3は、第一面Sa上で第一流路画定領域20,30の輪郭に沿った無端環状の第一シール予定領域24,34であって、ガスケット4(後述する第一ガスケット4a(図1参照))が配置される第一シール予定領域24,34と、第二面Sb上で第二流路画定領域21,31の輪郭に沿った無端環状の第二シール予定領域25,35であって、ガスケット4(後述する第二ガスケット4b(図1参照))が配置される第二シール予定領域25,35と、第一面Sa上で第一流路画定領域20,30から外れた二つの第二貫通孔23,33のそれぞれを取り囲む一対の第三シール予定領域26,36であって、それぞれにガスケット4(後述する第三ガスケット4c(図1参照))が配置される一対の第三シール予定領域26,36と、第二面Sb上で第二流路画定領域21,31から外れた二つの第一貫通孔22,32のそれぞれを取り囲む一対の第四シール予定領域27,37であって、それぞれにガスケット4(後述する第四ガスケット4d(図1参照))が配置される一対の第四シール予定領域27,37とを有する。
第一流路画定領域20,30及び第二流路画定領域21,31は、第一流体Aと第二流体Bとを熱交換させる伝熱領域200,210,300,310であって、第一方向で相互に重複した伝熱領域200,210,300,310を含む。
第一流路画定領域20,30の伝熱領域200,300は、第一貫通孔22,32を躱した領域であり、第二流路画定領域21,31の伝熱領域210,310は、第二貫通孔23,33を躱した領域である。
より詳しくは、第一流路画定領域20,30は、伝熱領域200,300と、第二方向で伝熱領域200,300を挟んで配置された二つの第一貫通孔形成領域201,301であって、それぞれが第一貫通孔22,32を有する二つの第一貫通孔形成領域201,301とを含む。これに対し、第二流路画定領域21,31は、伝熱領域210,310と、第二方向で伝熱領域210,310を挟んで配置された二つの第二貫通孔形成領域211,311であって、それぞれが第二貫通孔23,33を有する二つの第二貫通孔形成領域211,311とを含む。
伝熱領域200,210,300,310は、第二方向に延びる縦中心線CL1又は第三方向に延びる横中心線CL2を含む領域である。これに対し、第一貫通孔形成領域201,301及び第二貫通孔形成領域211,311のそれぞれは、縦中心線CL1及び横中心線CL2から外れた領域である。すなわち、第一貫通孔形成領域201,301は、伝熱プレート2,3を縦中心線CL1と横中心線CL2とによって区切った四つの領域のうちの二つの領域であって、第二方向に並ぶ二つの領域に配置され、第二貫通孔形成領域211,311は、伝熱プレート2,3を縦中心線CL1と横中心線CL2とによって区切った四つの領域のうちの第一貫通孔形成領域201,301の配置された領域とは異なる二つの領域であって、第二方向に並ぶ二つの領域に配置される。
本実施形態において、二つの第一貫通孔形成領域201,301(第一貫通孔22,32)は、伝熱プレート2,3を縦中心線CL1と横中心線CL2とによって区切った四つの領域のうち、第三方向において伝熱プレート2,3の縦中心線CL1よりも一端側にある二つの領域に配置され、二つの第二貫通孔形成領域211,311(第二貫通孔23,33)は、伝熱プレート2,3を縦中心線CL1と横中心線CL2とによって区切った四つの領域のうち、第三方向において伝熱プレート2,3の縦中心線CL1よりも他端側にある二つの領域に配置される。
本実施形態において、第一流路画定領域20,30の第二方向におけるサイズは、縦中心線CL1によって区切られた二つの領域のうちの自身が包含する第一貫通孔形成領域201,301(第一貫通孔22,32)の存在する一方の領域側から他方の領域に向うにつれて小さくなっている。
これに伴い、第一流路画定領域20,30は、台形状に形成される。すなわち、第一流路画定領域20,30は、第三方向の一端に沿った第一辺(第二方向に延びる第一辺)と、第三方向の他端に沿った第二辺(第二方向に延びる第二辺)であって、第二方向において第一辺よりも短い第二辺と、第一辺の両端と第二辺との両端とを繋ぐ一対の傾斜辺とによって画定される。
本実施形態において、第二流路画定領域21,31の第二方向におけるサイズは、縦中心線CL1によって区切られた二つの領域のうちの自身が包含する第二貫通孔形成領域211,311(第二貫通孔23,33)の存在する一方の領域側から他方の領域に向うにつれて小さくなっている。
これに伴い、第二流路画定領域21,31は、台形状に形成される。第三方向の他端に沿った第一辺(第二方向に延びる第一辺)と、第三方向の一端に沿った第二辺(第二方向に延びる第二辺)であって、第二方向において第一辺よりも短い第二辺と、第一辺の両端と第二辺との両端とを繋ぐ一対の傾斜辺とによって画定される。
第一流路画定領域20,30を画定する第一辺と、第二流路画定領域21,31を画定する第一辺とは、縦中心線CL1を基準に対称に配置され、第一流路画定領域20,30を画定する第二辺と、第二流路画定領域21,31を画定する第二辺とは、縦中心線CL1を基準に対称に配置される。すなわち、第一流路画定領域20,30と第二流路画定領域21,31とは、縦中心線CL1を基準に対称に配置され、第一流路画定領域20,30を画定する傾斜辺と第二流路画定領域21,31を画定する傾斜辺とは、第一方向から見て交差する。
これに伴い、第一流路画定領域20,30の伝熱領域200,300と、第二流路画定領域21,31の伝熱領域210,310とは、第一方向から見て重複する。すなわち、第一流路画定領域20,30の伝熱領域200,300と、第二流路画定領域21,31の伝熱領域210,310とは、第一方向から見て一致する。
第一流路画定領域20,30及び第二流路画定領域21,31のそれぞれにおいて、伝熱領域200,210,300,310は、伝熱プレート2,3の縦中心線CL1と横中心線CL2との交点を含む主伝熱領域202,212,302,312と、第二方向で主伝熱領域202,212,302,312を挟む一対の副伝熱領域203,213,303,313であって、主伝熱領域202,212,302,312から遠ざかるにつれて第三方向の寸法が小さくなる一対の副伝熱領域203,213,303,313とを含む。
本実施形態において、第一流路画定領域20,30及び第二流路画定領域21,31の伝熱領域200,210,300,310は、四角形状の主伝熱領域202,212,302,312と、それぞれが三角形状をなす一対の副伝熱領域203,213,303,313であって、主伝熱領域202,212,302,312を挟んで配置される一対の副伝熱領域203,213,303,313とを含む。これに伴い、本実施形態に係る伝熱領域200,210,300,310は、第一流路画定領域20,30及び第二流路画定領域21,31のそれぞれを画定する互いの第一辺と斜辺の一部によって画定される略六角状の領域とされる。これに伴い、本実施形態において、第一貫通孔形成領域201,301は、三角形状の副伝熱領域203,303を画定する二つの斜辺のうちの一方の斜辺に接続され、第二貫通孔形成領域211,311は、第三角形状の副伝熱領域213,313を画定する二つの斜辺のうちの他方の斜辺に接続されている。
一対の副伝熱領域203,213,303,313は、第二方向で主伝熱領域202,212,302,312に繋がる第一領域203a,213a,303a,313aと、第二方向で第一領域203a,213a,303a,313aに繋がる第二領域203b,213b,303b,313bであって、第一領域203a,213a,303a,313aから遠ざかるにつれて第三方向の寸法が小さくなる第二領域203b,213b,303b,313bとを含む。
図2乃至図9に示す如く、第一流路画定領域20,30の伝熱領域200,300には、第一流路Raを流通する第一流体Aに流通抵抗を付与するための複数の凹部204a,205a,206a,304a,305a,306a及び凸部204b,205b,206b,304b,305b,306bが形成され、第二流路画定領域21,31の伝熱領域210,310には、第二流路Rbを流通する第二流体Bに流通抵抗を付与するための複数の凹部214a,215a,216a,314a,315a,316a及び凸部214b,215b,216b,314b,315b,316bが形成される。
第一流路画定領域20,30の伝熱領域200,300及び第二流路画定領域21,31の伝熱領域210,310のそれぞれにおいて、凹部204a,205a,206a,214a,215a,216a,304a,305a,306a,314a,315a,316a及び凸部204b,205b,206b,214b,215b,216b,304b,305b,306b,314b,315b,316bは、所定方向に交互に配置される。
伝熱プレート2,3は、金属プレートをプレス成型したものである。これに伴い、第一流路画定領域20,30の伝熱領域200,300の凹部204a,205a,206a,304a,305a,306aと、第二流路画定領域21,31の伝熱領域210,310の凸部214b,215b,216b,314b,315b,316bとは、表裏の関係にある。また、第一流路画定領域20,30の伝熱領域200,300の凸部204b,205b,206b,304b,305b,306bと、第二流路画定領域21,31の伝熱領域210,310の凹部214a,215a,216a,314a,315a,316aとは表裏の関係にある。
本実施形態に係るプレート式熱交換器1は、第一流路Ra及び第二流路Rbのそれぞれにおいて、第一領域203a,213a,303a,313aと対応する範囲での流通抵抗よりも第二領域203b,213b,303b,313bと対応する範囲での流通抵抗が大きく、且つ第二領域203b,213b,303b,313bと対応する範囲での流通抵抗よりも主伝熱領域202,212,302,312と対応する範囲での流通抵抗が大きくなるように構成される。
具体的には、各伝熱プレート2,3において、第二領域203b,213b,303b,313b内で凹部205a,215a,305a,315aを挟んで隣り合う凸部205b,215b,305b,315b同士の間隔が、第一領域203a,213a,303a,313a内で凹部204a,214a,304a,314aを挟んで隣り合う凸部204b,214b,304b,314b同士の間隔よりも広く、第一領域203a,213a,303a,313a内で凹部204a,214a,304a,314aを挟んで隣り合う凸部204b,214b,304b,314b同士の間隔が、主伝熱領域202,212,302,312内で凹部206a,216a,306a,316aを挟んで隣り合う凸部206b,216b,306b,316b同士の間隔よりも広く設定されている。
本実施形態において、主伝熱領域202,212,302,312、第一領域203a,213a,303a,313a、及び第二領域203b,213b,303b,313bにある凹部204a,205a,206a,214a,215a,216a,304a,305a,306a,314a,315a,316a及び凸部204b,205b,206b,214b,215b,216b,304b,305b,306b,314b,315b,316bは、該凹部204a,205a,206a,214a,215a,216a,304a,305a,306a,314a,315a,316aと該凸部204b,205b,206b,214b,215b,216b,304b,305b,306b,314b,315b,316bとが交互に並ぶ所定方向と直交する方向に延びる凹条及び凸条である。
従って、第二領域203b,213b,303b,313b内で凹条205a,215a,305a,315aを挟んで隣り合う凸条205b,215b,305b,315b同士の間隔が、第一領域203a,213a,303a,313a内で凹条204a,214a,304a,314aを挟んで隣り合う凸条204b,214b,304b,314b同士の間隔よりも広く、第一領域203a,213a,303a,313a内で凹条204a,214a,304a,314aを挟んで隣り合う凸条204b,214b,304b,314b同士の間隔が、主伝熱領域202,212,302,312内で凹条206a,216a,306a,316aを挟んで隣り合う凸条206b,216b,306b,316b同士の間隔よりも広く設定されている。
主伝熱領域202,212,302,312、第一領域203a,213a,303a,313a、及び第二領域203b,213b,303b,313bにある凹条204a,205a,206a,214a,215a,216a,304a,305a,306a,314a,315a,316a及び凸条204b,205b,206b,214b,215b,216b,304b,305b,306b,314b,315b,316bは、縦中心線CL1及び横中心線CL2のそれぞれに対して交差する方向に延びている。これにより、隣り合う伝熱プレート2,3の主伝熱領域202,212,302,312及び副伝熱領域203,213,303,313(第一領域203a,213a,303a,313a、第二領域203b,213b,303b,313b)にある凸条204b,205b,206b,214b,215b,216b,304b,305b,306b,314b,315b,316b同士が交差衝合するようになっている。
本実施形態において、複数の伝熱プレート2,3には、伝熱領域200,210,300,310の凹部(凹条)204a,205a,206a,214a,215a,216a,304a,305a,306a,314a,315a,316a、及び凸部(凸条)204b,205b,206b,214b,215b,216b,304b,305b,306b,314b,315b,316bの形態(配置)を異にする二種類の伝熱プレート2,3が含まれる。
具体的には、複数の伝熱プレート2,3には、第一伝熱プレート2と、第一伝熱プレート2よりも熱交換性能の高い第二伝熱プレート3とが含まれる。
第一伝熱プレート2は、主伝熱領域202,212の凹条206a,216a及び凸条206b,216bの横中心線CL2に対する傾斜角度が、第二伝熱プレート3における主伝熱領域302,312の凹条306a,316a及び凸条306b,316bの横中心線CL2に対する傾斜角度よりも大きく設定されている。すなわち、熱交換性能の高い第二伝熱プレート3における主伝熱領域302,312の凹条306a,316a及び凸条306b,316bは、第一伝熱プレート2における主伝熱領域202,212の凹条206a,216a及び凸条206b,216bよりも流体の流れを遮るように配置される。
本実施形態において、主伝熱領域202,212,302,312は、第三方向において四つの領域に区画されている。すなわち、縦中心線CL1を境にした二つの領域のそれぞれが、さらに二つの領域に区画されている。これにより、主伝熱領域202,212,302,312は、縦中心線CL1を境にした二つの領域のそれぞれにおいて、縦中心線CL1側の中心側領域(採番しない)と、これよりも第三方向において外側にある外側領域(採番しない)とを含む。
主伝熱領域202,212,302,312内の四つの領域(中心側領域、外側領域)のそれぞれには、凹条206a,216a,306a,316a及び凸条206b,216b,306b,316bが縦中心線CL1に対して傾斜方向に延びている。
具体的には、主伝熱領域202,212,302,312内の縦中心線CL1を境にした二つの領域のそれぞれにおいて、中心側領域にある凹条206a,216a,306a,316a及び凸条206b,216b,306b,316bは、外側領域にある凹条206a,216a,306a,316a及び凸条206b,216b,306b,316bの傾斜方向に対して逆方向に傾斜している。
そして、主伝熱領域202,212,302,312内の縦中心線CL1を境にした二つの領域のそれぞれの凹条206a,216a,306a,316a及び凸条206b,216b,306b,316bは、縦中心線CL1を基準に対称に配置されている。
一方の副伝熱領域203,213,303,313の第一領域203a,213a,303a,313aの凹条204a,214a,304a,314a及び凸条204b,214b,304b,314bは、いずれも主伝熱領域202,212,302,312における縦中心線CL1を境にした一方の領域にある中心側領域の凹条206a,216a,306a,316a及び凸条206b,216b,306b,316bと同方向に延び、他方の副伝熱領域203,213,303,313の第一領域203a,213a,303a,313aの凹条204a,214a,304a,314a及び凸条204b,214b,304b,314bは、いずれも主伝熱領域202,212,302,312における縦中心線CL1を境にした他方の領域にある中心側領域の凹条206a,216a,306a,316a及び凸条206b,216b,306b,316bと同方向に延びている。
第一シール予定領域24,34は、第一面Sa上で第一流路画定領域20,30の輪郭に沿って形成される。すなわち、第一シール予定領域24,34は、第一流路画定領域20,30を画定する第一辺、第二辺、及び一対の傾斜辺に沿って形成される。これに対し、第二シール予定領域25,35は、第二面Sb上で第二流路画定領域21,31の輪郭に沿って形成される。すなわち、第二シール予定領域25,35は、第二流路画定領域21,31を画定する第一辺、第二辺、及び一対の傾斜辺に沿って形成される。本実施形態において、第二シール予定領域25,35は、第一シール予定領域24,34の形成される面とは反対側の面に形成されるが、第一方向に延びる仮想軸を基準にして、第一シール予定領域24,34に対して回転対称となるように形成される。すなわち、第一流路画定領域20,30と第二流路画定領域21,31は、第一方向に延びる仮想軸を基準に回転対称となる形状である。
第三シール予定領域26,36は、第一シール予定領域24,34と同一面上に形成され、第一シール予定領域24,34によって包囲される第一流路画定領域20,30から外れた第二貫通孔23,33の外周を包囲する。本実施形態において、第三シール予定領域26,36は、第一方向から見て、裏側にある第二シール予定領域25,35と部分的に重複して形成される。
第四シール予定領域27,37は、第二シール予定領域25,35と同一面上に形成され、第二シール予定領域25,35によって包囲される第二流路画定領域21,31から外れた第一貫通孔22,32の外周を包囲する。本実施形態において、第四シール予定領域27,37は、第一方向から見て、裏側にある第一シール予定領域24,34と部分的に重複して形成される。
本実施形態において、第一貫通孔22,32及び第二貫通孔23,33は、円形状に形成される。これに伴い、第三シール予定領域26,36及び第四シール予定領域27,37のそれぞれは、円環状に形成される。
第一シール予定領域24,34、第二シール予定領域25,35、第三シール予定領域26,36、及び第四シール予定領域27,37は、第一方向における第一流路画定領域20,30の伝熱領域200,210,300,310にある凸条204b,205b,206b,214b,215b,216b,304b,305b,306b,314b,315b,316bの頂部と第二流路画定領域21,31の伝熱領域200,210,300,310にある凸条204b,205b,206b,214b,215b,216b,304b,305b,306b,314b,315b,316bの頂部との中間位置にある中段部である。
本実施形態において、プレート式熱交換器1は、ガスケット4として、図1、図10及び図11に示す如く、第一シール予定領域24,34に配置される無端環状の第一ガスケット4aと、第二シール予定領域25,35に配置される無端環状の第二ガスケット4bと、第三シール予定領域26,36に配置される無端環状の第三ガスケット4cと、第四シール予定領域27,37に配置される無端環状の第四ガスケット4dとを備える。
第一シール予定領域24,34と第三シール予定領域26,36は、同一面上に配置されるため、本実施形態において、第一ガスケット4aと第二ガスケット4bとは部分的に繋がって一体成型される。また、第二シール予定領域25,35と第四シール予定領域27,37は、同一面上に配置されるため、本実施形態において、第二ガスケット4bと第四ガスケット4dとは部分的に繋がって一体成型される。
図1に戻り、一対のエンドプレート5,6のうち、一方のエンドプレート5は、伝熱プレート2,3の第一貫通孔22,32及び第二貫通孔23,33と対応した位置に貫通孔(図示しない)を有するプレート本体50と、貫通孔に対応して設けられた筒状のノズル51であって、配管を接続可能にプレート本体50の外面から突出したノズル51とを有する。これに対し、一対のエンドプレート5,6のうちの他方のエンドプレート6は、貫通孔のないプレートで構成される。
プレート式熱交換器1において、上記構成の複数の伝熱プレート2,3が第一方向に重ね合わされことで、複数の伝熱プレート2,3は、自身の第一面Saを第一方向の一方側で隣り合う伝熱プレート2,3の第一面Saと対向させるとともに、自身の第二面Sbを第一方向の他方側で隣り合う伝熱プレート2,3の第二面Sbと対向させる。
本実施形態に係るプレート式熱交換器1において、第一伝熱プレート2と第二伝熱プレート3とが第一方向において交互に配置される。
これに伴い、第一ガスケット4a及び第二ガスケット4bは、伝熱プレート2,3を境にして第一方向で交互に配置される。また、第三ガスケット4c及び第四ガスケット4dも同様である。すなわち、図10及び図11に示す如く、隣り合う伝熱プレート2,3のうちの一方の伝熱プレート2の第一面Sa上にある第一シール予定領域24と他方の伝熱プレート3の第一面Sa上にある第一シール予定領域34との間に、第一ガスケット4aが配置され、隣り合う伝熱プレート2,3のうちの一方の伝熱プレート2の第二面Sb上にある第二シール予定領域25と他方の伝熱プレート3の第二面Sb上にある第二シール予定領域35との間に、第二ガスケット4bが配置される。
また、隣り合う伝熱プレート2,3のうちの一方の伝熱プレート2の第一面Sa上にある第三シール予定領域26と他方の伝熱プレート3の第一面Sa上にある第三シール予定領域36との間に、第三ガスケット4cが配置され、隣り合う伝熱プレート2,3のうちの一方の伝熱プレート2の第二面Sb上にある第四シール予定領域27,37と他方の伝熱プレート3の第二面Sb上にある第四シール予定領域37との間に、第四ガスケット4dが配置される。
これにより、本実施形態に係るプレート式熱交換器1において、図1に示す如く、第一流体Aを流通させる第一流路Raと、第二流体Bを流通させる第二流路Rbとが伝熱プレート2,3を境にして第一方向に交互に形成される。また、プレート式熱交換器1において、複数の伝熱プレート2,3の四つの貫通孔のそれぞれが第一方向に連なり、第一流路Raに第一流体Aを流出入させる一対の第一連通路Ra1,Ra2と、第二流路Rbに第一流体Aを流出入させる一対の第二連通路Rb1,Rb2とが形成される。
本実施形態に係るプレート式熱交換器1は、以上の通りであり、図10に示す如く、一方の第一連通路Ra1に第一流体Aが供給されると、第一流体Aは、第一流路Raに流入し、他方の第一連通路Ra2に向けて流通しようとする。
そうすると、従来であれば、第一流体Aは、一方の第一連通路Ra1から主伝熱領域202,302までの距離が最短距離となる最短ルートを通って主伝熱領域202,302と対応する範囲に到達し、主伝熱領域202,302と対応する範囲を流通することになるが、本実施形態に係るプレート式熱交換器1では、第一流路Raに流入した第一流体Aは、第二方向、第三方向、及び第二方向と第三方向との合成方向に広がり、第二方向における主伝熱領域202,302と対応する範囲全域に到達する。
具体的には、第一流路Raを画定する第一流路画定領域20,30の副伝熱領域203,303は、第一領域203a,303aと第二領域203b,303bとを含み、第一領域203a,303aと対応する範囲での流通抵抗が第二領域203b,303bと対応する範囲での流通抵抗よりも大きい。
そのため、第一流路Raに流入した第一流体Aは、流通抵抗の小さな第二領域203b,303bと対応した範囲を優先的に流通し、第二領域203b,303bと対応する範囲全域又は略全域に広がる。
特に、本実施形態において、第二領域203b,303bは、第二方向に間隔をあけて配置される第一貫通孔22,32と第二貫通孔23,33との間(第一連通路Ra1と第二連通路Rb2との間)にあるため、第一連通路Ra1から流入した第一流体Aは、第一連通路Ra1に対して第二方向側にある第一領域203a,303a(第二領域203b,303bと対応する範囲よりも流通抵抗の大きな第一領域203a,303aと対応する範囲)よりも、第一流路Raにおける第二領域203b,303bと対応する範囲(第三方向又は第二方向と第三方向との合成方向)に向けて優先的に流通する。
この場合においても、最短ルートを通ろうと第一流体Aも存在するが、本実施形態においては、第一領域203a,303aと対応する範囲での流通抵抗が第二領域203b,303bと対応する範囲での流通抵抗よりも大きいため、最先で第一領域203a,303aと対応する範囲に到達した第一流体Aは、第一流路Raの第一領域203a,303aと対応する範囲での流通抵抗を受ける。これにより、第一流体Aは、そのまま最短ルートを通過して第一領域203a,303aに進入しにくくなるため、後続の第一流体Aは、第二方向に広がったり、最短ルートよりも距離が長い別ルートを通ったりすることになる。
その結果、第一流体Aは、第一流路Raにおける第二領域203b,303bと対応する範囲に充満し、第一領域203a,303aと対応する範囲全域又は略全域に進入する。
この状態において、一方の第一連通路Ra1から主伝熱領域202,302までの距離が最短となる最短ルートを通る第一流体Aが、最短ルートよりも距離が長い別ルートを通る第一流体Aよりも先行していたとしても、本実施形態においては、主伝熱領域202,302と対応する範囲での流通抵抗が第一領域203a,303aと対応する範囲での流通抵抗よりも大きいため、先行して主伝熱領域202,302と対応する範囲に到達した第一流体Aは、第一流路Raの主伝熱領域202,302での流通抵抗を受け、そのまま最短ルートを通過して主伝熱領域202,302に進入しにくくなる。
これにより、最短ルートよりも距離が長い別ルートを通った第一流体Aが、最短ルートを通る第一流体Aに対して追いついた状態になり、第一流路Raにおける第一領域203a,303aと対応する範囲にある第一流体Aは、主伝熱領域202,302と対応する範囲全域又は略全域に対してバランスをとった状態で進入する。
そして、第一流体Aは、主伝熱領域202,302の対応する範囲で第二方向に流通し、他方の副伝熱領域203,303の第二領域203b,303bに到達する。上述の如く、第一領域203a,303aと対応する範囲の流通抵抗よりも主伝熱領域202,302と対応する範囲の流通抵抗の方が大きい(主伝熱領域202,302と対応する範囲の流通抵抗よりも第一領域203a,303aと対応する範囲の流通抵抗の方が小さい)ため、主伝熱領域202,302と対応する範囲を通過した第一流体Aは、他方の副伝熱領域203,303の第一領域203a,303aと対応する範囲を円滑に流通する。
また、第二領域203b,303bと対応する範囲の流通抵抗よりも第一領域203a,303aと対応する範囲の流通抵抗の方が大きい(第一領域203a,303aと対応する範囲の流通抵抗よりも第二領域203b,303bと対応する範囲の流通抵抗の方が小さい)ため、ここでも第一流体Aは、円滑に第二領域203b,303bと対応する範囲を通過して他方の第一連通路Ra2に流出する。
この点、第二流体Bにおいても同様である。具体的に説明すると、図11に示す如く、一方の第二連通路Rb1に第二流体Bが供給されると、第二流体Bは、第二流路Rbに流入し、他方の第二連通路Rb2に向けて流通しようとする。
そうすると、従来であれば、第二流体Bは、一方の第二連通路Rb1から主伝熱領域212,312までの距離が最短距離となる最短ルートを通って主伝熱領域212,312に到達し、主伝熱領域212,312を流通することになるが、本実施形態に係るプレート式熱交換器1では、第二流路Rbに流入した第二流体Bは、第二方向、第三方向、及び第二方向と第三方向との合成方向に広がり、第二方向における主伝熱領域212,312と対応する範囲全域に到達する。
具体的には、第二流路Rbを画定する第二流路画定領域21,31の副伝熱領域213,313は、第一領域213a,313aと第二領域213b,313bとを含み、第二領域213b,313bと対応する範囲での流通抵抗よりも第一領域213a,313aと対応する範囲での流通抵抗が大きい。
そのため、第二流路Rbに流入した第二流体Bは、流通抵抗の小さな第二領域213b,313bと対応した範囲を優先的に流通し、第二領域213b,313bと対応する範囲全域又は略全域に広がる。
特に、本実施形態において、第一領域213a,313aは、第二方向に間隔をあけて配置される第一貫通孔22,32と第二貫通孔23,33との間(第一連通路Ra2と第二連通路Rb1との間)にあるため、第二連通路Rb1から流入した第二流体Bは、第二連通路Rb1に対して第二方向側にある第一領域213a,313a(第二領域213b,313bと対応する範囲よりも流通抵抗の大きな第一領域213a,313aと対応する範囲)よりも、第二流路Rbにおける第二領域213b,313bと対応する範囲(第三方向又は第二方向と第三方向との合成方向)に向けて優先的に流通する。
この場合においても、最短ルートを通ろうとする第二流体Bも存在するが、本実施形態においては、第一領域213a,313aと対応する範囲での流通抵抗が第二領域213b,313bと対応する範囲での流通抵抗よりも大きいため、最先で第一領域213a,313aと対応する範囲に到達した第二流体Bは、第二流路Rbの第一領域213a,313aでの流通抵抗を受ける。これにより、第二流体Bは、そのまま最短ルートを通過して第一領域213a,313aに進入しにくくなるため、後続の第二流体Bは、第二方向に広がったり、最短ルートよりも距離が長い別ルートを通ったりすることになる。
その結果、第二流体Bは、第二流路Rbにおける第二領域213b,313bと対応する範囲に充満し、第一領域213a,313aと対応する範囲全域又は略全域に進入する。
この状態において、一方の第二連通路Rb1から主伝熱領域212,312までの距離が最短となる最短ルートを通る第二流体Bが、最短ルートよりも距離が長い別ルートを通る第二流体Bよりも先行していたとしても、本実施形態においては、主伝熱領域212,312と対応する範囲での流通抵抗が第一領域213a,313aと対応する範囲での流通抵抗よりも大きいため、先行して主伝熱領域212,312と対応する範囲に到達した第二流体Bは、第二流路Rbの主伝熱領域212,312での流通抵抗を受け、そのまま最短ルートを通過して主伝熱領域212,312に進入しにくくなる。
これにより、最短ルートよりも距離が長い別ルートを通った第二流体Bが、最短ルートを通る第二流体Bに対して追いついた状態になり、第二流路Rbにおける第一領域213a,313aと対応する範囲にある第二流体Bは、主伝熱領域212,312と対応する範囲全域又は略全域に対してバランスをとった状態で進入する。
そして、第二流体Bは、主伝熱領域212,312と対応する範囲で第二方向に流通し、他方の副伝熱領域213,313の第一領域213a,313aに到達する。上述の如く、第一領域213a,313aと対応する範囲の流通抵抗よりも主伝熱領域212,312と対応する範囲の流通抵抗の方が大きい(主伝熱領域212,312と対応する範囲の流通抵抗よりも第一領域213a,313aと対応する範囲の流通抵抗の方が小さい)ため、主伝熱領域212,312と対応する範囲を通過した第二流体Bは、他方の副伝熱領域213,313の第一領域213a,313aと対応する範囲を円滑に流通する。
また、第二領域213b,313bと対応する範囲の流通抵抗よりも第一領域213a,313aと対応する範囲の流通抵抗の方が大きい(第一領域213a,313aと対応する範囲の流通抵抗よりも第二領域213b,313bと対応する範囲の流通抵抗の方が小さい)ため、ここでも第二流体Bは、円滑に第二領域213b,313bと対応する範囲を通過して他方の第二連通路Rb2に流出する。
このように、第一流路Raを流通する第一流体Aと、第二流路Rbを流通する第二流体Bとは、伝熱プレート2,3(伝熱領域200,210,300,310)を挟んで間接的に対向するため、伝熱プレート2,3(伝熱領域200,210,300,310)を介して互いに熱交換する。
本実施形態において、第一流路Raを画定する伝熱プレート2,3(第一面Sa同士を対向させて隣り合う伝熱プレート2,3)は、伝熱領域200,300全域で互いの凸条204b,205b,206b,304b,305b,306b同士を交差衝合させ、第二流路Rbを画定する伝熱プレート2,3(第二面Sb同士を対向させて隣り合う伝熱プレート2,3)は、伝熱領域210,310全域で互いの凸条214b,215b,216b,314b,315b,316b同士を交差衝合させる。
すなわち、第一流路Raを画定する伝熱プレート2,3(第一面Sa同士を対向させて隣り合う伝熱プレート2,3)は、伝熱領域200,300の主伝熱領域202,302の凸条206b,306b同士、副伝熱領域203,303の凸条204b,205b,304b,305b同士(第一領域203a,303aの凸条204b,304b同士、第二領域203b,303bの凸条205b,305b同士)を交差衝合させ、第二流路Rbを画定する伝熱プレート2,3(第二面Sb同士を対向させて隣り合う伝熱プレート2,3)は、伝熱領域210,310の主伝熱領域212,312の凸条216b,316b同士、副伝熱領域213,313の凸条214b,215b,314b,315b同士(第一領域213a,313aの凸条214b,314b同士、第二領域213b,313bの凸条215b,315b同士)を交差衝合させる。
これにより、第一流路Ra内を流通する第一流体Aの流れを伝熱領域200,300と対応する範囲全域で乱すとともに、第二流路Rb内を流通する第二流体Bの流れを伝熱領域210,310と対応する範囲全域で乱すことになり、第一流体Aと第二流体Bとの熱交換性能が高まる。
以上のように、プレート式熱交換器1は、第一方向に重ね合わされた複数の伝熱プレート2,3を備え、複数の伝熱プレート2,3のそれぞれは、第一流体Aを流通させる第一流路Raを画定する第一流路画定領域20,30を含む第一面Saと、該第一面Saの反対側の第二面Sbであって、第二流体Bを流通させる第二流路Rbを画定する第二流路画定領域21,31を含む第二面Sbとを有するとともに、それぞれが第一流路画定領域20,30内で第一方向に貫通し且つ第一方向と直交する第二方向に間隔をあけて配置された一対の第一貫通孔22,32であって、それぞれが第一方向に延びて第一流路Raのみ連通する第一連通路Ra1,Ra2を形成する一対の第一貫通孔22,32と、それぞれが第二流路画定領域21,31内で第一方向に貫通し且つ第二方向に間隔をあけて配置された一対の第二貫通孔23,33であって、それぞれが第一方向に延びて第二流路Rbのみ連通する第二連通路Rb1,Rb2を形成する一対の第二貫通孔23,33とを有し、第一流路画定領域20,30及び第二流路画定領域21,31は、第一流体Aと第二流体Bとを熱交換させる伝熱領域200,210,300,310であって、第一方向で互いに重なる伝熱領域200,210,300,310を含み、伝熱領域200,210,300,310は、伝熱プレート2,3の第二方向に延びる縦中心線CL1と第一方向及び第二方向と直交する第三方向に延びる横中心線CL2との交点を含む主伝熱領域202,212,302,312と、第二方向で主伝熱領域202,212,302,312を挟む一対の副伝熱領域203,213,303,313であって、主伝熱領域202,212,302,312から遠ざかるにつれて第三方向の寸法が小さくなる一対の副伝熱領域203,213,303,313とを含み、一対の副伝熱領域203,213,303,313のそれぞれは、第二方向で主伝熱領域202,212,302,312に繋がる第一領域203a,213a,303a,313aと、第二方向で第一領域203a,213a,303a,313aに繋がる第二領域203b,213b,303b,313bであって、第一領域203a,213a,303a,313aから遠ざかるにつれて第三方向の寸法が小さくなる第二領域203b,213b,303b,313bとを含み、第一流路Ra及び第二流路Rbのそれぞれにおいて、第二領域203b,213b,303b,313bと対応する範囲での流通抵抗よりも第一領域203a,213a,303a,313aと対応する範囲での流通抵抗が大きく、且つ第一領域203a,213a,303a,313aと対応する範囲での流通抵抗よりも主伝熱領域202,212,302,312と対応する範囲での流通抵抗が大きくなるように構成される。
上記構成によれば、一方の第一連通路Ra1から第一流路Raに流入した第一流体Aは、流通抵抗の小さな第二領域203b,303bと対応した範囲を優先的に流通し、第二領域203b,303bと対応する範囲全域又は略全域に広がる。そして、第一流体Aは、第一領域203a,303aの流通抵抗によって、最短ルートで第一領域203a,303aに進入しにくくなるため、後続の第一流体Aは、第二方向に広がったり、最短ルートよりも距離が長い別ルートを通ったりすることになる結果、第一流路Raにおける第二領域203b,303bと対応する範囲に充満し、第一領域203a,303aと対応する範囲全域又は略全域に流入する。
そして、最短ルートを通る第一流体Aが、最短ルートよりも距離が長い別ルートを通る第一流体Aよりも先行していたとしても、主伝熱領域202,302と対応する範囲での流通抵抗により、先行して主伝熱領域202,302と対応する範囲に到達した第一流体Aは、第一流路Raの主伝熱領域202,302での流通抵抗を受け、そのまま最短ルートを通過して主伝熱領域202,302と対応した範囲に流入しにくくなる。
その結果、最短ルートよりも距離が長い別ルートを通った第一流体Aが、最短ルートを通る第一流体Aに対して追いついた或いは略追いついた状態になり、第一流路Raにおける第一領域203a,303aと対応する範囲にある第一流体Aは、主伝熱領域202,302と対応する範囲全域又は略全域に対してバランスをとった状態で進入し、該主伝熱領域202,302と対応する範囲を第二方向に流通し、他方の副伝熱領域203,303と対応した範囲を介して他方の第一連通路Ra2に流出する。
また、一方の第二連通路Rb1から第二流路Rbに流入した第二流体Bは、流通抵抗の小さな第二領域213b,313bと対応した範囲を優先的に流通し、第二領域213b,313bと対応する範囲全域又は略全域に広がる。そして、第二流体Bは、第一領域213a,313aの流通抵抗によって、最短ルートで第一領域213a,313aに進入しにくくなるため、後続の第二流体Bは、第二方向に広がったり、最短ルートよりも距離が長い別ルートを通ったりすることになる結果、第二流路Rbにおける第二領域213b,313bと対応する範囲に充満し、第一領域213a,313aと対応する範囲全域又は略全域に流入する。
そして、最短ルートを通る第二流体Bが、最短ルートよりも距離が長い別ルートを通る第二流体Bよりも先行していたとしても、主伝熱領域212,312と対応する範囲での流通抵抗により、先行して主伝熱領域212,312と対応する範囲に到達した第二流体Bは、第二流路Rbの主伝熱領域212,312での流通抵抗を受け、そのまま最短ルートを通過して主伝熱領域212,312に流入しにくくなる。
その結果、最短ルートよりも距離が長い別ルートを通った第二流体Bが、最短ルートを通る第二流体Bに対して追いついた或いは略追いついた状態になり、第二流路Rbにおける第一領域213a,313aと対応する範囲にある第二流体Bは、主伝熱領域212,312と対応する範囲全域又は略全域に対してバランスをとった状態で進入し、該主伝熱領域212,312と対応する範囲を第二方向に流通し、他方の副伝熱領域213,313と対応した範囲を介して他方の第二連通路Rb2に流出する。
これにより、本実施形態に係るプレート式熱交換器1では、流路幅が最大となる範囲(主伝熱領域202,212,302,312と対応する範囲)での熱交換効率を高めることができるという優れた効果を奏し得る。
本実施形態において、第一流路画定領域20,30の伝熱領域200,300には、複数の凹部204a,205a,206a,304a,305a,306a及び凸部204b,205b,206b,304b,305b,306bが形成されるとともに、第二流路画定領域21,31の伝熱領域210,310には、第一流路画定領域20,30における伝熱領域200,300の凹部204a,205a,206a,304a,305a,306aと表裏の関係にある凸部214b,215b,216b,314b,315b,316b及び第一流路画定領域20,30における伝熱領域200,300の凸部204b,205b,206b,304b,305b,306bと表裏の関係にある凹部214a,215a,216a,314a,315a,316aが形成され、第一流路画定領域20,30及び第二流路画定領域21,31のそれぞれの伝熱領域200,210,300,310において、凹部204a,205a,206a,214a,215a,216a,304a,305a,306a,314a,315a,316aと凸部204b,205b,206b,214b,215b,216b,304b,305b,306b,314b,315b,316bとが所定方向で交互に配置され、第二領域203b,213b,303b,313b内の凹部205a,215a,305a,315aを挟んで隣り合う凸部205b,215b,305b,315b同士の間隔が、第一領域203a,213a,303a,313a内の凹部204a,214a,304a,314aを挟んで隣り合う凸部204b,214b,304b,314b同士の間隔よりも広く、第一領域203a,213a,303a,313a内の凹部204a,214a,304a,314aを挟んで隣り合う凸部204b,214b,304b,314b同士の間隔が、主伝熱領域202,212,302,312内の凹部206a,216a,306a,316aを挟んで隣り合う凸部206b,216b,306b,316b同士の間隔よりも広く設定されている。
これにより、第一流路Ra及び第二流路Rbのそれぞれにおいて、主伝熱領域202,212,302,312及び副伝熱領域203,213,303,313(第一領域203a,213a,303a,313a及び第二領域203b,213b,303b,313b)のそれぞれの領域と対応する範囲に対し、凸条204b,205b,206b,214b,215b,216b,304b,305b,306b,314b,315b,316b同士の間隔と対応した流通抵抗を付与することができる。
特に、本実施形態において、主伝熱領域202,212,302,312、副伝熱領域203,213,303,313の第一領域203a,213a,303a,313a、及び副伝熱領域203,213,303,313の第二領域203b,213b,303b,313bにある凹部204a,205a,206a,214a,215a,216a,304a,305a,306a,314a,315a,316a及び凸部204b,205b,206b,214b,215b,216b,304b,305b,306b,314b,315b,316bは、該凹部204a,205a,206a,214a,215a,216a,304a,305a,306a,314a,315a,316aと該凸部204b,205b,206b,214b,215b,216b,304b,305b,306b,314b,315b,316bとが交互に並ぶ所定方向と直交する方向に延びる凹条及び凸条であり、隣り合う伝熱プレート2,3の各領域にある凸条204b,205b,206b,214b,215b,216b,304b,305b,306b,314b,315b,316b同士が交差衝合しているため、第一流路Raで第一流体Aの流れが乱れるとともに、第二流路Rbで第二流体Bの流れが乱れる。これにより、第一流体Aと第二流体Bとの熱交換効率が高められる。
本実施形態において、一対の第一貫通孔22,32と一対の第二貫通孔23,33とは、第三方向に間隔をあけて配置され、第二領域203b,213b,303b,313bは、第三方向で隣り合う第一貫通孔22,32と第二貫通孔23,33との間に配置され、第一領域203a,213a,303a,313aは、第三方向で隣り合う第一貫通孔22,32及び第二貫通孔23,33と主伝熱領域202,212,302,312との間に配置される。
かかる構成によれば、第一貫通孔22,32(第一連通路Ra1)から第一流路Raに流入した第一流体Aを、第一流路Raにおける上流域となる第二領域203b,303bに向けて優先的に流通させることができ、最短ルートだけでなく最短ルートよりも距離の長い別のルートにも第一流体Aを流通させることができる。これにより、第一流路Raにおける第二領域203b,303bと対応する範囲に第一流体Aを充満させ、この第一流体Aを下流側に流通させることができる。また、第二貫通孔23,33(第二連通路Rb1)から第二流路Rbに流入した第二流体Bを、第二流路Rbにおける上流域となる第二領域213b,313bに向けて優先的に流通させることができ、最短ルートだけでなく最短ルートよりも距離の長い別のルートにも第二流体Bを流通させることができる。これにより、第二流路Rbにおける第二領域213b,313bの範囲に第二流体Bを充満させ、この第二流体Bを下流側に流通させることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更を加え得ることは勿論である。
上記実施形態において、複数の伝熱プレート2,3が凹条204a,205a,206a,214a,215a,216a,304a,305a,306a,314a,315a,316a及び凸条204b,205b,206b,214b,215b,216b,304b,305b,306b,314b,315b,316bの形態(傾斜角度)を異にする二種類の伝熱プレート2,3(第一伝熱プレート2及び第二伝熱プレート3)を含んだが、これに限定されない。例えば、複数の伝熱プレート2,3は、同一のもの(凹条204a,205a,206a,214a,215a,216a,304a,305a,306a,314a,315a,316a及び凸条204b,205b,206b,214b,215b,216b,304b,305b,306b,314b,315b,316bの形態(傾斜角度)が同一のもの)であってもよい。
上記実施形態において、第一流路画定領域20,30及び第二流路画定領域21,31のそれぞれに含まれる主伝熱領域202,212,302,312、副伝熱領域203,213,303,313の第一領域203a,213a,303a,313a、及び第二領域203b,213b,303b,313bのそれぞれの凹部204a,205a,206a,214a,215a,216a,304a,305a,306a,314a,315a,316a及び凸部204b,205b,206b,214b,215b,216b,304b,305b,306b,314b,315b,316bが所定方向に延びる凹条及び凸条とされたが、これに限定されない。主伝熱領域202,212,302,312、副伝熱領域203,213,303,313の第一領域203a,213a,303a,313a、及び第二領域203b,213b,303b,313bの少なくとも何れか一つの領域の凹部204a,205a,206a,214a,215a,216a,304a,305a,306a,314a,315a,316a及び凸部204b,205b,206b,214b,215b,216b,304b,305b,306b,314b,315b,316bが、所定方向に延びる凹条及び凸条であってもよい。
すなわち、主伝熱領域202,212,302,312、副伝熱領域203,213,303,313の第一領域203a,213a,303a,313a、及び第二領域203b,213b,303b,313bの何れかの凹部204a,205a,206a,214a,215a,216a,304a,305a,306a,314a,315a,316a及び凸部204b,205b,206b,214b,215b,216b,304b,305b,306b,314b,315b,316bが、所定方向の長さを有さない(所定方向に延びていない)窪み及び突起であってもよいし、主伝熱領域202,212,302,312、副伝熱領域203,213,303,313の第一領域203a,213a,303a,313a、及び第二領域203b,213b,303b,313bのそれぞれの凹部204a,205a,206a,214a,215a,216a,304a,305a,306a,314a,315a,316a及び凸部204b,205b,206b,214b,215b,216b,304b,305b,306b,314b,315b,316bが、所定方向の長さを有さない(所定方向に延びていない)窪み及び突起であってもよい。
これらの何れの場合においても、第一流路Ra及び第二流路Rbのそれぞれにおいて、上記実施形態と同様に、各領域と対応する範囲での流通抵抗を異ならせるために、第二領域203b,213b,303b,313bにある凹部205a,215a,305a,315aを挟んで隣り合う凸部205b,215b,305b,315b同士の間隔が、第一領域203a,213a,303a,313aにある凹部204a,214a,304a,314aを挟んで隣り合う凸部204b,214b,304b,314b同士の間隔よりも広く、第一領域203a,213a,303a,313aにある凹部204a,214a,304a,314aを挟んで隣り合う凸部204b,214b,304b,314b同士の間隔が、主伝熱領域202,212,302,312内にある凹部206a,216a,306a,316aを挟んで隣り合う凸部206b,216b,306b,316b同士の間隔よりも広く設定されることは勿論である。
上記実施形態において、第一流路Ra及び第二流路Rbのそれぞれにおいて、各領域と対応する範囲での流通抵抗を異ならせるために、伝熱プレート2,3の伝熱領域200,210,300,310に含まれる主伝熱領域202,212,302,312、副伝熱領域203,213,303,313(第一領域203a,213a,303a,313a、第二領域203b,213b,303b,313b)に複数の凹部(凹条)204a,205a,206a,214a,215a,216a,304a,305a,306a,314a,315a,316a及び複数の凸部(凸条)204b,205b,206b,214b,215b,216b,304b,305b,306b,314b,315b,316bが形成されたが、これに限定されない。例えば、隣り合う伝熱プレート2,3の各領域同士の間隔(主伝熱領域202,212,302,312同士の間隔、第一領域203a,213a,303a,313a同士の間隔、第二領域203b,213b,303b,313b同士の間隔)を異ならせ、第一流路Ra及び第二流路Rbのそれぞれにおいて、各領域と対応する範囲での流通抵抗を異ならしてもよい。また、各領域間に流体の流通抵抗を付与する抵抗部材を配置してもよい。
上記実施形態において、第三方向の一端側に一対の第一連通路Ra1,Ra2を形成し、第三方向の他端側に一対の第二連通路Rb1,Rb2を形成することで、第一流路Ra及び第二流路Rbのそれぞれにおいて流体(第一流体A、第二流体B)の流れを台形流にしたが、これに限定されない。例えば、四角形状の伝熱プレート2,3の対角位置に一対の第一貫通孔22,32(第一連通路Ra1,Ra2となる貫通孔)を形成し、該伝熱プレート2,3の異なる対角位置に一対の第二貫通孔23,33(第二連通路Rb1,Rb2となる貫通孔)を形成することで、第一流路Ra及び第二流路Rbのそれぞれにおいて流体(第一流体A、第二流体B)の流れを斜交流にしてもよい。
上記実施形態において、隣り合う伝熱プレート2,3間にガスケット4を配置することで、伝熱プレート2,3間を封止し、第一流路Ra、第二流路Rb、第一連通路Ra1,Ra2、及び第二連通路Rb1,Rb2を形成したが、これに限定されない。例えば、隣り合う伝熱プレート2,3間をロウ付け或いは溶接によって封止し、第一流路Ra、第二流路Rb、第一連通路Ra1,Ra2、及び第二連通路Rb1,Rb2を形成してもよい。
上記実施形態において、一対の第一貫通孔22,32と一対の第二貫通孔23,33とが第三方向に間隔をあけて配置され、その間に副伝熱領域203,213,303,313の第二領域203b,213b,303b,313bが配置されたが、これに限定されない。例えば、一対の第一貫通孔22,32と一対の第二貫通孔23,33とが第三方向に間隔が狭い場合には、副伝熱領域203,213,303,313全域(第一領域203a,213a,303a,313a及び第二領域203b,213b,303b,313b)が第三方向に並ぶ第一貫通孔22,32と第二貫通孔23,33に対して第三方向で並ぶように配置されてもよい。
1…プレート式熱交換器、2…第一伝熱プレート(伝熱プレート)、3…第二伝熱プレート(伝熱プレート)、4…ガスケット、4a…第一ガスケット、4b…第二ガスケット、4c…第三ガスケット、4d…第四ガスケット、5,6…エンドプレート、20,30…第一流路画定領域、21,31…第二流路画定領域、22,32…第一貫通孔、23,33…第二貫通孔、24,34…第一シール予定領域、25,35…第二シール予定領域、26,36…第三シール予定領域、27,37…第四シール予定領域、50…プレート本体、51…ノズル、200,210,300,310…伝熱領域、201,301…第一貫通孔形成領域、202,212,302,312…主伝熱領域、203,213,303,313…副伝熱領域、203a,213a,303a,313a…第一領域、203b,213b,303b,313b…第二領域、204a,205a,206a,214a,215a,216a,304a,305a,306a,314a,315a,316a…凹条(凹部)、204b,205b,206b,214b,215b,216b,304b,305b,306b,314b,315b,316b…凸条(凸部)、211,311…第二貫通孔形成領域、A…第一流体、B…第二流体、CL1…縦中心線、CL2…横中心線、Ra…第一流路、Ra1,Ra2…第一連通路、Rb…第二流路、Rb1,Rb2…第二連通路、Sa…第一面、Sb…第二面

Claims (4)

  1. 第一方向に重ね合わされた複数の伝熱プレートを備え、複数の伝熱プレートのそれぞれは、第一流体を流通させる第一流路を画定する第一流路画定領域を含む第一面と、該第一面の反対側の第二面であって、第二流体を流通させる第二流路を画定する第二流路画定領域を含む第二面とを有するとともに、それぞれが第一流路画定領域内で第一方向に貫通し且つ第一方向と直交する第二方向に間隔をあけて配置された一対の第一貫通孔であって、それぞれが第一方向に延びて第一流路のみに連通する第一連通路を形成する一対の第一貫通孔と、それぞれが第二流路画定領域内で第一方向に貫通し且つ第二方向に間隔をあけて配置された一対の第二貫通孔であって、それぞれが第一方向に延びて第二流路のみに連通する第二連通路を形成する一対の第二貫通孔とを有し、第一流路画定領域及び第二流路画定領域は、第一流体と第二流体とを熱交換させる伝熱領域であって、第一方向で互いに重なる伝熱領域を含み、伝熱領域は、伝熱プレートの第二方向に延びる縦中心線と第一方向及び第二方向と直交する第三方向に延びる横中心線との交点を含む主伝熱領域と、第二方向で主伝熱領域を挟む一対の副伝熱領域であって、主伝熱領域から遠ざかるにつれて第三方向の寸法が小さくなる一対の副伝熱領域とを含み、一対の副伝熱領域のそれぞれは、第二方向で主伝熱領域に繋がる第一領域と、第二方向で第一領域に繋がる第二領域であって、第一領域から遠ざかるにつれて第三方向の寸法が小さくなる第二領域とを含み、第一流路及び第二流路のそれぞれにおいて、第二領域と対応する範囲での流通抵抗よりも第一領域と対応する範囲での流通抵抗が大きく、且つ第一領域と対応する範囲での流通抵抗よりも主伝熱領域と対応する範囲での流通抵抗が大きくなるように構成されることを特徴とするプレート式熱交換器。
  2. 第一流路画定領域の伝熱領域には、複数の凹部及び凸部が形成されるとともに、第二流路画定領域の伝熱領域には、第一流路画定領域における伝熱領域の凹部と表裏の関係にある凸部及び第一流路画定領域における伝熱領域の凸部と表裏の関係にある凹部が形成され、第一流路画定領域及び第二流路画定領域のそれぞれの伝熱領域において、凹部と凸部とが所定方向で交互に配置され、第二領域内の凹部を挟んで隣り合う凸部同士の間隔が、第一領域内の凹部を挟んで隣り合う凸部同士の間隔よりも広く、第一領域内の凹部を挟んで隣り合う凸部同士の間隔が、主伝熱領域内の凹部を挟んで隣り合う凸部同士の間隔よりも広く設定されている請求項1に記載のプレート式熱交換器。
  3. 主伝熱領域、副伝熱領域の第一領域、及び副伝熱領域の第二領域の少なくとも何れか一つの領域にある凹部及び凸部は、該凹部と該凸部とが交互に並ぶ所定方向と直交する方向に延びる凹条及び凸条であり、隣り合う伝熱プレートの前記何れか一つの領域にある凸条同士が交差衝合している請求項2に記載のプレート式熱交換器。
  4. 一対の第一貫通孔と一対の第二貫通孔とは、第三方向に間隔をあけて配置され、第二領域は、第三方向で隣り合う第一貫通孔と第二貫通孔との間に配置され、第一領域は、第三方向で隣り合う第一貫通孔及び第二貫通孔と主伝熱領域との間に配置される請求項1乃至3の何れか1項に記載のプレート式熱交換器。
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