JP2019095008A - 動力伝達装置の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動源の再始動に応じてクラッチを係合する際に、係合ショックの発生を抑制すると共に、クラッチの係合遅れを抑制して発進性を向上させる。【解決手段】動力伝達装置の制御装置は、無段変速機と、クラッチと、駆動源により駆動されるオイルポンプと、オイルポンプからの油を調圧する第1油圧供給系と第1油圧供給系側からの油圧を調圧バルブにより調圧してクラッチに供給する第2油圧供給系とを含む油圧制御装置と、を有する動力伝達装置を制御するものである。そして、駆動源の再始動に応じてクラッチを係合する際には、第2油圧供給系の状態を第1状態に設定し、第1油圧供給系の油路内の油圧を検出する油圧センサの検出値が所定値に達すると、第2油圧供給系の状態を調圧バルブの入力ポートと出力ポートとの連通量が第1状態よりも絞られた第2状態に設定するよう油圧制御装置を制御する。【選択図】図5

Description

本明細書は、停止と再始動とが可能なエンジンにより駆動されるオイルポンプや無段変速機を備える動力伝達装置の制御装置について開示する。
従来より、エンジンと駆動輪との間に介装されたベルト式の無段変速機と、当該無段変速機が介装された駆動系に設けられた発進クラッチと、エンジンにより駆動されて発進クラッチへ油圧を供給するメカオイルポンプと、メカオイルポンプから発進クラッチへの油路途中位置に設けられて発進クラッチへの油圧を制御するソレノイドバルブと、所定の開始条件が成立するとエンジンを停止させると共に所定の終了条件が成立するとエンジンを再始動させるエンジン停止制御手段と、を備える動力伝達装置において、エンジン停止制御が行なわれたとき、エンジンの再始動によりエンジン回転数が立ち上がる前に、メカオイルポンプから発進クラッチへの油路を予め開いておくものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この動力伝達装置では、エンジン停止制御が行なわれたとき、エンジン停止制御終了時点から所定値以上のライン圧が生成されるライン圧生成時点(時刻t5)まではストローク開始圧程度指示値をソレノイドバルブに出力し、ライン圧生成時点から発進クラッチへの油圧充填完了時点(時刻t6)までは油圧充填指示値をソレノイドバルブに出力する(図8参照)。
特開2015−113911号公報
上述した動力伝達装置では、エンジンが再始動される際に油圧回路の油路内にエアが混入等していると、エンジン回転速度の上昇に伴う油圧の応答に遅れが生じると共に応答の後の油圧の立ち上がりが急峻となり、瞬間的に高圧となるサージ圧が発生する。このとき、発進クラッチへの油路の連通状態によっては、発進クラッチが急係合し、大きな係合ショックが発生する虞がある。
本開示の動力伝達装置の制御装置は、駆動源の再始動に応じてクラッチを係合する際に、係合ショックの発生を抑制すると共に、クラッチの係合遅れを抑制して発進性を向上させることを主目的とする。
本開示の動力伝達装置の制御装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本開示の動力伝達装置の制御装置は、停止と再始動とが可能な駆動源を備える車両に搭載される動力伝達装置において、プライマリプーリ,セカンダリプーリ,前記プライマリプーリと前記セカンダリプーリとに巻き掛けられるベルト,前記プライマリプーリの溝幅を設定する第1油圧シリンダおよび前記セカンダリプーリの溝幅を設定する第2油圧シリンダを含む無段変速機と、前記無段変速機と前記駆動源または駆動輪とを連結するクラッチと、前記駆動源により駆動されるオイルポンプと、前記オイルポンプからの油を調圧して前記第1油圧シリンダおよび前記第2油圧シリンダ側に供給する第1油圧供給系と前記第1油圧供給系側からの油圧を調圧バルブにより調圧して前記クラッチに供給する第2油圧供給系とを含む油圧制御装置と、を有する動力伝達装置の制御装置であって、前記第1油圧供給系の油路内の油圧を検出する油圧センサと、前記駆動源の再始動に応じて前記クラッチを係合する際には、前記第2油圧供給系の状態を第1状態に設定し、前記油圧センサの検出値が所定値に達すると、前記第2油圧供給系の状態を前記調圧バルブの入力ポートと出力ポートとの連通量が前記第1状態よりも絞られた第2状態に設定するよう前記油圧制御装置を制御する係合制御部と、
を備えることを要旨とする。
この本開示の動力伝達装置の制御装置では、駆動源の再始動に応じてクラッチを係合する際には、第2油圧供給系の状態を第1状態に設定し、第1油圧供給系の油路内の油圧を検出する油圧センサの検出値が所定値に達すると、第2油圧供給系の状態を調圧バルブの入力ポートと出力ポートとの連通量が第1状態よりも絞られた第2状態に設定するよう油圧制御装置を制御する。第2油圧供給系は第1油圧供給系側からの油圧を調圧バルブにより調圧してクラッチに供給するように構成されているため、第1油圧供給系の油路内の油圧を検出する油圧センサを用いて第1油圧供給系の油路における油圧の立ち上がりを検出することで、瞬間的な高圧(サージ圧)が発生するタイミングでは、第2油圧供給系の状態を第2状態に設定することができる。この結果、駆動源の再始動に応じてクラッチを係合する際に、係合ショックの発生を良好に抑制することができる。また、駆動源の始動初期においては、第2油圧供給系の状態を第1状態に設定しているため、第2状態に切り替えられるまでクラッチへ向かう油路に油を充填しておくことができるので、クラッチの係合遅れを抑制して発進性を向上させることができる。
本実施形態の動力伝達装置を搭載した車両の概略構成図である。 本実施形態の動力伝達装置を示す概略構成図である。 本実施形態の動力伝達装置に含まれる油圧制御装置を示す系統図である。 本実施形態の動力伝達装置の制御ブロック図である。 本実施形態の動力伝達装置において実行されるクラッチ制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 本実施形態の動力伝達装置においてエンジンの再始動に応じてクラッチを係合する際の目標クラッチ圧Pc1*や実クラッチ圧Pc1,タービン回転速度Nt等の時間変化の様子を示す説明図である。 比較例の動力伝達装置においてエンジンの再始動に応じてクラッチを係合する際の目標クラッチ圧Pc1*や実クラッチ圧Pc1,タービン回転速度Nt等の時間変化の様子を示す説明図である。
次に、図面を参照しながら、本開示の発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本実施形態の動力伝達装置20を搭載した車両10の概略構成図である。図示するように、車両10は、車両前部に搭載されたエンジン(駆動源)12を有する前輪駆動車両であり、当該エンジン12からの動力を左右の駆動輪(前輪)DWに伝達する動力伝達装置20に加えて、エンジン12を制御するエンジン電子制御ユニット(以下、「EGECU」という)14と、図示しない電子制御式油圧ブレーキユニットを制御するブレーキ電子制御ユニット(以下、「ブレーキECU」という)16と、動力伝達装置20を制御する変速電子制御ユニット(以下、「TMECU」という)21とを含む。
EGECU14は、図示しないCPU,RAM,ROM等を有するマイクロコンピュータや各種駆動回路等を含み、エンジン12のクランクシャフトの回転位置を検出する図示しないクランクシャフトポジションセンサ、アクセルペダル91の踏み込み量(アクセル開度Acc)を検出するアクセルペダルポジションセンサ92、ブレーキペダル93の踏み込み量に応じたマスタシリンダ圧を検出するマスタシリンダ圧センサ94、車速センサ99といった各種センサ等からの信号、ブレーキECU16やTMECU21からの信号等を入力する。EGECU14は、これらの信号に基づいて何れも図示しない電子制御式のスロットルバルブや燃料噴射弁および点火プラグ等を制御する。また、EGECU14は、クランクシャフトポジションセンサの検出値に基づいてエンジン12の回転数Neを算出する。
更に、EGECU14は、車速Vが所定車速未満,アクセルオフ,ブレーキオンなど予め設定された自動停止条件の全てが成立したときにエンジン12の運転を停止させると共に、エンジン12の運転が停止しているときにブレーキオフ,アクセルオンなど予め設定された再始動条件が成立したときにエンジン12を再始動させるアイドルストップ制御を実行する。
ブレーキECU16も図示しないCPU,RAM,ROM等を有するマイクロコンピュータや各種駆動回路等を含み、マスタシリンダ圧センサ94や車速センサ99といった各種センサ等からの信号、EGECU14等からの信号等を入力する。ブレーキECU16は、これらの信号に基づいて図示しないブレーキアクチュエータ(油圧アクチュエータ)等を制御する。
TMECU21も図示しないCPU,RAM,ROM等を有するマイクロコンピュータや各種駆動回路等を含み、複数のシフトポジションの中から所望のシフトポジションを選択するためのシフトレバー95の操作位置を検出するシフトポジションセンサ96、アクセルペダルポジションセンサ92、車速センサ99といった各種センサ等からの信号、EGECU14やブレーキECU16からの信号等を入力する。TMECU21は、これらの信号に基づいて動力伝達装置20を制御する。
動力伝達装置20は、図2に示すように、エンジン12のクランクシャフトと図示しない駆動輪に接続される左右のドライブシャフト59とが略平行をなすように横置きに配置されたエンジン12に連結されるトランスアクスルとして構成されている。図1および図2に示すように、動力伝達装置20は、一体に結合されるハウジング(第1ケース)22a、トランスアクスルケース(第2ケース)22bおよびリヤケース(第3ケース)22cを含むトランスミッションケース22や、当該トランスミッションケース22の内部に収容される発進装置23、機械式のオイルポンプ30、前後進切換機構35、ベルト式の無段変速機(以下、「CVT」という)40、ギヤ機構50、デファレンシャルギヤ(差動機構)57、油圧制御装置70等を含む。
発進装置23は、ロックアップクラッチ付きの流体式発進装置として構成されており、ハウジング22aの内部に収容される。図2に示すように、発進装置23は、入力部材としてのフロントカバー23fを介してエンジン12のクランクシャフトに接続されるポンプインペラ23pや、CVT40のインプットシャフト41に常時連結されるタービンランナ23t、ポンプインペラ23pおよびタービンランナ23tの内側に配置されてタービンランナ23tからポンプインペラ23pへの作動油(ATF)の流れを整流するステータ23s、ステータ23sの回転方向を一方向に制限するワンウェイクラッチ23o、ダンパ機構24、ロックアップクラッチ25等を有する。ポンプインペラ23p、タービンランナ23tおよびステータ23sは、ポンプインペラ23pとタービンランナ23tとの回転速度差が大きいときにはステータ23sの作用によりトルクコンバータとして機能し、両者の回転速度差が小さくなると流体継手として機能する。ただし、発進装置23において、ステータ23sやワンウェイクラッチ23oを省略し、ポンプインペラ23pおよびタービンランナ23tを流体継手のみとして機能させてもよい。
ダンパ機構24は、例えば、ロックアップクラッチ25に連結される入力要素や、複数の第1弾性体を介して入力要素に連結される中間要素、複数の第2弾性体を介して中間要素に連結されると共にタービンハブに固定される出力要素等を有する。ロックアップクラッチ25は、ポンプインペラ23pとタービンランナ23t、すなわちフロントカバー23fとCVT40のインプットシャフト41とを機械的に(ダンパ機構24を介して)連結するロックアップおよび当該ロックアップの解除を選択的に実行するものである。なお、ロックアップクラッチ25は、図示するような油圧式の単板摩擦クラッチであってもよく、油圧式の多板摩擦クラッチであってもよい。
オイルポンプ30は、発進装置23と前後進切換機構35の間に配置されるポンプボディ31およびポンプカバー32とからなるポンプアッセンブリや、インナーロータ(外歯ギヤ)33、アウターロータ(内歯ギヤ)34等を有する、いわゆるギヤポンプである。ポンプボディ31およびポンプカバー32は、ハウジング22aやトランスアクスルケース22bに固定される。また、インナーロータ33は、ハブを介してポンプインペラ23pに連結される。これにより、エンジン12からの動力によりインナーロータ33が回転すれば、オイルポンプ30によってオイルパン(作動油貯留部)60内の作動油(ATF)がストレーナ65を介して吸引されると共に昇圧された作動油が油圧制御装置70に供給(吐出)される(図3参照)。
前後進切換機構35は、トランスアクスルケース22bの内部に収容され、ダブルピニオン式の遊星歯車36と、油圧式摩擦係合要素としてのクラッチC1およびブレーキB1とを有する。遊星歯車36は、CVT40のインプットシャフト41に固定されるサンギヤと、リングギヤと、サンギヤに噛合するピニオンギヤおよびリングギヤに噛合するピニオンギヤを支持すると共にCVT40のプライマリシャフト42に連結されるキャリヤとを有する。クラッチC1は、遊星歯車36のキャリヤをインプットシャフト41(サンギヤ)に対して回転自在に解放すると共に、油圧制御装置70からの油圧が係合油室に供給された際に当該キャリヤをインプットシャフト41に接続する。また、ブレーキB1は、遊星歯車36のリングギヤをトランスアクスルケース22bに対して回転自在に解放すると共に、油圧制御装置70からの油圧が係合油室に供給された際に当該リングギヤをトランスアクスルケース22bに対して回転不能に固定する。
これにより、ブレーキB1を解放すると共にクラッチC1を係合させれば、インプットシャフト41に伝達された動力をそのままCVT40のプライマリシャフト42に伝達して車両を前進させることができる。また、ブレーキB1を係合させると共にクラッチC1を解放すれば、インプットシャフト41の回転を逆方向に変換してCVT40のプライマリシャフト42に伝達し、車両を後進させることが可能となる。更に、クラッチC1およびブレーキB1を解放すれば、インプットシャフト41とプライマリシャフト42との接続を解除することができる。
CVT40は、駆動側回転軸としてのプライマリシャフト(第1軸)42に設けられたプライマリプーリ43と、プライマリシャフト42と平行に配置された従動側回転軸としてのセカンダリシャフト(第2軸)44に設けられたセカンダリプーリ45と、プライマリプーリ43のプーリ溝とセカンダリプーリ45のプーリ溝とに巻き掛けられる伝動ベルト46と、プライマリプーリ43の溝幅を設定するための油圧式アクチュエータであるプライマリシリンダ(第1油圧シリンダ)47と、セカンダリプーリ45の溝幅を設定するための油圧式アクチュエータであるセカンダリシリンダ(第2油圧シリンダ)48とを有する。プライマリプーリ43は、プライマリシャフト42と一体に形成された固定シーブ43aと、プライマリシャフト42にボールスプラインを介して軸方向に摺動自在に支持される可動シーブ43bとを含む。また、セカンダリプーリ45は、セカンダリシャフト44と一体に形成された固定シーブ45aと、セカンダリシャフト44にボールスプラインを介して軸方向に摺動自在に支持されると共に圧縮ばねであるリターンスプリング49により軸方向に付勢される可動シーブ45bとを含む。
プライマリシリンダ47は、プライマリプーリ43の可動シーブ43bの背後に形成され、セカンダリシリンダ48は、セカンダリプーリ45の可動シーブ45bの背後に形成される。プライマリシリンダ47とセカンダリシリンダ48とには、プライマリプーリ43とセカンダリプーリ45との溝幅を設定するために油圧制御装置70から油圧が供給される。これにより、プライマリシリンダ47とセカンダリシリンダ48とに供給される油圧を制御することで、エンジン12から発進装置23および前後進切換機構35を介してプライマリシャフト42に伝達された動力を無段階に変速してセカンダリシャフト44に伝達することが可能となる。そして、セカンダリシャフト44に伝達された動力は、ギヤ機構50、デファレンシャルギヤ57およびドライブシャフトを介して左右の駆動輪に伝達されることになる。
ギヤ機構50は、セカンダリシャフト44と一体に回転するカウンタドライブギヤ51と、セカンダリシャフト44やドライブシャフト59と平行に延在すると共に軸受を介してトランスミッションケース22により回転自在に支持されるカウンタシャフト(第3軸)52と、当該カウンタシャフト52に固定されると共にカウンタドライブギヤ51に噛合するカウンタドリブンギヤ53と、カウンタシャフト52と一体に成形されるか、あるいはカウンタシャフト52に固定されたドライブピニオンギヤ(ファイナルドライブギヤ)54と、ドライブピニオンギヤ54に噛合すると共にデファレンシャルギヤ57に連結されるデフリングギヤ(ファイナルドリブンギヤ)55とを有する。
図3は、油圧制御装置70の系統図である。図示するように、油圧制御装置70は、エンジン12からの動力により駆動されてオイルパン60からストレーナ65を介して作動油を吸引して吐出する上述のオイルポンプ30に接続されるものである。油圧制御装置70は、図3に示すように、複数の油路が形成されたバルブボディ700や、プライマリレギュレータバルブ71、モジュレータバルブ72、調圧バルブ73、切替バルブ74、マニュアルバルブ75、リニアソレノイドバルブSLT、第1および第2デューティソレノイドバルブDS1,DS2、オンオフソレノイドバブル(信号圧出力バルブ)SR、プライマリシーブ圧制御バルブ76、セカンダリシーブ圧制御バルブ77等を含む。なお、プライマリレギュレータバルブ71,プライマリシーブ圧制御バルブ76およびセカンダリシーブ圧制御バルブ77を含みプライマリシリンダ47やセカンダリシリンダ48に油圧を供給する系が第1油圧供給系に相当し、モジュレータバルブ72,調圧バルブ73,切替バルブ74およびマニュアルバルブ75を含みクラッチC1やブレーキB1に油圧を供給する系が第2油圧供給系に相当する。
プライマリレギュレータバルブ71は、オイルポンプ30の吐出ポートに油路を介して接続されており、リニアソレノイドバルブSLTからの油圧を信号圧として用いてオイルポンプ30からの作動油を調圧することにより前後進切換機構35のクラッチC1、ブレーキB1、プライマリシリンダ47、セカンダリシリンダ48等に供給される油圧の元圧となるライン圧PLを生成する。モジュレータバルブ72は、プライマリレギュレータバルブ71からの作動油(ライン圧PL)を調圧(減圧)して略一定のモジュレータ圧Pmodを出力する。
調圧バルブ73は、リニアソレノイドバルブSLTからの油圧を信号圧として用いてモジュレータバルブ72からのモジュレータ圧Pmodを調圧して出力するものである。調圧バルブ73は、バルブボディ700内に軸方向に移動自在に配置される図示しないスプールや、当該スプールを付勢するスプリング、モジュレータバルブ72の出力ポートに連通する入力ポート、リニアソレノイドバルブSLTの出力ポートに連通する信号圧入力ポート、出力ポート、ドレンポート等を有する。調圧バルブ73は、リニアソレノイドバルブSLTからの油圧に応じてスプリングの付勢力に抗してスプールを移動させ、入力ポートと出力ポートとの連通量を変化させることによりモジュレータ圧Pmodを調圧して出力する。また、調圧バルブ73の信号圧入力ポートにリニアソレノイドバルブSLTからの油圧が供給されなくなると、スプールがスプリングに付勢されることで、調圧バルブ73の出力ポートがドレンポートに連通するようになる。
切替バルブ74は、バルブボディ700内に軸方向に移動自在に配置される図示しないスプールや、当該スプールを付勢するスプリング、モジュレータ圧Pmodが供給される第1入力ポート、調圧バルブ73の出力ポートに連通する第2入力ポート、オンオフソレノイドバルブSRの出力ポートに連通する信号圧入力ポート、出力ポート等を有する。本実施形態において、切替バルブ74の初期状態は、スプリングにより付勢されたスプールにより第1入力ポートと出力ポートとが連通されると共に第2入力ポートと出力ポートとの連通が遮断される(図3における実線参照)。これにより、切替バルブ74の出力ポートからモジュレータ圧Pmodを出力することが可能となる。
また、切替バルブ74の信号圧入力ポートにオンオフソレノイドバルブSRからの信号圧が供給されると、スプリングの付勢力に抗してスプールが移動し、スプールにより第1入力ポートと出力ポートとの連通が遮断されると共に第2入力ポートと出力ポートとが連通される(図3における破線参照)。これにより、調圧バルブ73から供給された油圧を切替バルブ74の出力ポートから出力することができる。従って、クラッチC1やブレーキB1の係合や解放に際し、切替バルブ74の信号圧入力ポートに信号圧が供給されるようにオンオフソレノイドバブルSRを制御すると共にリニアソレノイドバルブSLTをアクセル開度Acc等とは無関係に制御することで、調圧バルブ73により調圧された油圧をクラッチC1等に供給することが可能となる。
マニュアルバルブ75は、シフトレバー95と連動して切替バルブ74からの油圧をシフトポジションSPに応じてクラッチC1およびブレーキB1の何れか一方に供給したり、両者に対する油圧の供給を遮断したりするスプールバルブである。マニュアルバルブ75は、切替バルブ74の出力ポートに連通する入力ポートと、前後進切換機構35のクラッチC1の作動油入口に連通する第1出力ポートと、前後進切換機構35のブレーキB1の作動油入口に連通する第2出力ポートと、ドレンポートとを有する。運転者によりシフトポジションとしてP(パーキング)ポジションやN(ニュートラル)ポジションが選択されると、マニュアルバルブ75のスプールにより入力ポートと第1および第2出力ポートとの連通が遮断される。また、運転者によりシフトポジションとしてDポジションやL(ロー)ポジションが選択されると、マニュアルバルブ75のスプールにより入力ポートが第1出力ポートのみと連通され、それにより前後進切換機構35のクラッチC1(前進用クラッチ)に切替バルブ74からの油圧すなわちモジュレータ圧Pmodまたは調圧バルブ73の出力圧を供給可能となる。更に、運転者によりシフトポジションとしてR(リバース)ポジションが選択されると、マニュアルバルブ75のスプールにより入力ポートが第2出力ポートのみと連通され、それにより前後進切換機構35のブレーキ(後進用クラッチ)B1に切替バルブ74からの油圧を供給可能となる。
リニアソレノイドバルブSLTは、常開式のソレノイドバルブであり、例えばモジュレータバルブ72(オイルポンプ30側)からの作動油を調圧して車両10のアクセル開度Accあるいはスロットルバルブの開度に応じた油圧Psltを出力する。第1デューティソレノイドバルブDS1は、例えばモジュレータバルブ72からのモジュレータ圧Pmodを調圧して信号圧としてのデューティソレノイド圧Pds1を生成する。第2デューティソレノイドバルブDS2は、例えばモジュレータバルブ72からのモジュレータ圧Pmodを調圧して信号圧としてのデューティソレノイド圧Pds2を生成する。オンオフソレノイドバブルSRは、常閉式のオンオフソレノイドバルブであり、当該オンオフソレノイドバブルSRの入力ポートは、モジュレータバルブ72の出力ポートに連通する。オンオフソレノイドバブルSRは、ソレノイド部への通電時に開弁してモジュレータバルブ72からのモジュレータ圧Pmodを信号圧として出力ポートから出力する。
プライマリシーブ圧制御バルブ76は、第1デューティソレノイドバルブDS1からのデューティソレノイド圧Pds1を信号圧として用いてライン圧PLを調圧し、プライマリプーリ43すなわちプライマリシリンダ47へのプライマリシーブ圧Ppを生成する。また、セカンダリシーブ圧制御バルブ77は、第2デューティソレノイドバルブDS2からのデューティソレノイド圧Pds2を信号圧として用いてライン圧PLを調圧し、セカンダリプーリ45すなわちセカンダリシリンダ48へのセカンダリシーブ圧Psを生成する。
上述のリニアソレノイドバルブSLT、第1、第2デューティソレノイドバルブDS1 ,DS2およびオンオフソレノイドバブルSRは、何れもTMECU21により制御される。すなわち、TMECU21のCPUは、図示しない補機バッテリから各バルブのソレノイド部に油圧指令値等に応じた電流が印加されるように、リニアソレノイドバルブSLT、第1、第2デューティソレノイドバルブDS1,DS2およびオンオフソレノイドバブルSRに対応した図示しない駆動回路を制御する。そして、TMECU21には、CPUやROM,RAMといったハードウエアと、ROMにインストールされた制御プログラムといったソフトウェアとの協働により、ライン圧制御部210、係合要素制御部211および変速制御部212が構築される。また、TMECU21には、図4に示すように、セカンダリシリンダ48に供給されるセカンダリシーブ圧Psを伝動ベルト46の挟圧として検出する挟圧センサ78と、発進装置23のタービンランナ23tの回転数(タービン回転数Nt)を検出するタービン回転数センサ98とが接続されている。
ライン圧制御部210(CPU)は、車両10のアクセル開度Accあるいはスロットルバルブの開度に基づいて油圧指令値Pslt*を設定し、油圧指令値Pslt*に応じた電流が印加されるようにリニアソレノイドバルブSLTの図示しない駆動回路を制御する。これにより、プライマリレギュレータバルブ71によって、ライン圧PLを車両10のアクセル開度Acc等に応じた値に調圧することが可能となる。また、係合要素制御部211は、前後進切換機構35のクラッチC1やブレーキBを係合または解放させる際に、オンオフソレノイドバブルSRをオンして開弁させると共に、調圧バルブ73の出力圧が別途設定される目標圧になるように油圧指令値Pslt*を設定し、油圧指令値Pslt*に応じた電流が印加されるようにリニアソレノイドバルブSLTの図示しない駆動回路を制御する。
変速制御部212は、アクセル開度Accと車速Vとエンジン12の回転数Neとに応じて定まるCVT40の目標変速比に応じたプライマリシーブ圧Ppの目標圧Pptagを設定すると共に当該目標圧Pptagに基づいて油圧指令値Pds1*を設定し、油圧指令値Pds1*に応じた電流が印加されるように第1デューティソレノイドバルブDS1の図示しない駆動回路を制御する。更に、変速制御部212は、インプットシャフト41に伝達されるトルク(エンジントルク)に基づいてセカンダリシーブ圧PsによりCVT40の伝動ベルト46の滑りが抑制されるように当該セカンダリシーブ圧Psの目標圧Pstagを設定すると共に目標圧Pstagに基づいて油圧指令値Pds2*を設定し、油圧指令値Pds2*に応じた電流が印加されるように第2デューティソレノイドバルブDS2の図示しない駆動回路を制御する。
続いて、図5を参照しながら、車両10において上述のアイドルストップ制御が実行された際の動力伝達装置20における前後進切換機構35のクラッチC1の制御手順について説明する。図5は、TMECU21の係合要素制御部211により実行されるクラッチ制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、シフトレバー95がドライブ(D)ポジションにセットされ且つエンジン12の運転が停止されているときに実行される。
図5のクラッチ制御ルーチンが実行されると、TMECU21の係合要素制御部211(CPU)は、まず、エンジン12の上記再始動条件が成立するのを待つ(S100)。再始動条件の成立によりエンジン22が再始動されると、エンジン22の回転数Neの上昇に伴ってオイルポンプ30が駆動され、オイルポンプ30からの作動油がプライマリレギュレータバルブ71により調圧されてライン圧PLが生成される。ライン圧PLが生成されると、ライン圧PLがCVT40の目標変速比に応じたプライマリシーブ圧Ppの目標圧Pptagとなるようにプライマリシーブ圧制御バルブ76により調圧されてプライマリシリンダ47に供給されると共に、ライン圧PLがエンジントルクに応じたセカンダリシーブ圧Psの目標圧Pstagとなるようにセカンダリシーブ圧制御バルブ77により調圧されてセカンダリシリンダ48に供給される。また、ライン圧PLがモジュレータバルブ72により調圧されてモジュレータ圧Pmodが生成される。
再始動条件が成立したと判定すると、切替バルブ74の信号圧入力ポートに信号圧が供給されるようにオンオフソレノイドバルブSRをオンする(S110)。これにより、切替バルブ74は、クラッチC1に調圧バルブ73の出力圧を供給可能な状態となる。そして、調圧バルブ73が高圧モードで動作するようにリニアソレノイドバルブSLTを制御する(S120)。高圧モードは、モジュレータ圧Pmodがそのまま調圧バルブ73からクラッチC1へ出力されるように、即ち当該調圧バルブ74の入力ポートと出力ポートとの連通量が最大となるようにクラッチC1への目標圧である目標クラッチ圧Pc1*を設定し、目標クラッチ圧Pc1*に応じた油圧指令値Pslt*を設定してリニアソレノイドバルブSLTを制御するモードである。これにより、ライン圧PLの生成に伴い、ライン圧PLから生成されるモジュレータ圧Pmodにより調圧バルブ73の出力ポートから作動油が出力され、調圧バルブ73からクラッチC1までの油路内に作動油を素早く充填することができる。なお、高圧モードは、調圧バルブ74の入力ポートと出力ポートとの連通量が最大とするものに限られず、後述する低圧モードよりも大きな連通量であれば、最大よりも絞った連通量とされてもよい。
続いて、ベルト挟圧センサ78からのベルト挟圧Pbcを入力し(S130)、入力したベルト挟圧Pbcが予め定められた閾値Pref以上の状態が予め定められた第1所定時間Tref1以上継続しているか否かを判定する(S140)。ベルト挟圧Pbcが閾値Pref未満と判定したり、ベルト挟圧Pbcが閾値Pref以上であっても第1所定時間Tref1以上継続していないと判定すると、S130に戻り、ベルト挟圧Pbcが閾値Pref以上の状態が第1所定時間Tref1以上継続していると判定すると、調圧バルブ73が低圧モードで動作するようにリニアソレノイドバルブSLTを制御する(S150)。閾値Prefは、ライン圧PL(モジュレータ圧Pmod)に瞬間的な高圧(サージ圧)が発生するのを予測するための閾値である。低圧モードは、モジュレータ圧Pmodが減圧されて調圧バルブ74の出力ポートから出力されるように、即ち当該調圧バルブ74の入力ポートと出力ポートとの連通量が絞られるように目標クラッチ圧Pc1*を設定し、目標クラッチ圧Pc1*に応じた油圧指令値Pslt*を設定してリニアソレノイドバルブSLTを制御するモードである。本実施形態では、低圧モードにおいては、クラッチC1のピストンがストロークエンドに達してトルク容量を持ち始める程度の油圧を目標クラッチ圧Pc1*として油圧指令値Pslt*を設定するものとした。なお、低圧モードでは、クラッチC1のピストンがストローク可能な程度の油圧を目標クラッチ圧Pc1*として油圧指令値Pslt*を設定してもよい。また、低圧モードでは、油圧指令値Pslt*は、一定値が設定されてもよいし、比較的小さな上昇勾配で時間の経過と共に徐々に上昇(スイープアップ)されるように設定されてもよい。
ここで、プライマリレギュレータバルブ71とプライマリシーブ圧制御バルブ76,セカンダリシーブ圧制御バルブ77との間の油路にエアが混入していると、当該油路内のライン圧PLの立ち上がりに遅れが生じると共に、その後のライン圧PLの立ち上がりが急峻となり、ライン圧PLが瞬間的に大きく上昇するサージ圧が発生する。このとき、調圧バルブ73が高圧モードで動作し、入力ポートと出力ポートとの連通量が最大となっていると、サージ圧がそのまま調圧バルブ73を介してクラッチC1に供給され、クラッチC1が急係合してしまう。本実施形態では、ベルト挟圧Pbcに基づいてサージ圧の発生を予測し、サージ圧の発生が予測されるときに調圧バルブ73の動作モードを高圧モードから低圧モードに変更して当該調圧バルブ73の入力ポートと出力ポートとの連通量を絞ることにより、クラッチC1にサージ圧がそのまま供給されるのを回避することができる。この結果、クラッチC1の急係合を抑制し、係合ショックの発生を抑制することができる。
そして、ベルト挟圧センサ78からのベルト挟圧Pbcを入力し(S160)、入力したベルト挟圧Pbcが閾値Pref以上の状態が予め定められた第2所定時間Tref2以上継続しているか否かを判定する(S170)。この処理は、サージ圧の発生が終了したか否かを判定するための処理である。ベルト挟圧Pbcが閾値Pref未満と判定したり、ベルト挟圧Pbcが閾値Pref以上であっても第2所定時間Tref2以上継続していないと判定すると、S160に戻り、ベルト挟圧Pbcが閾値Pref以上の状態が第2所定時間Tref2以上継続していると判定すると、調圧バルブ73がスイープモードで動作するようにリニアソレノイドバルブSLTを制御する(S180)。スイープモードは、低圧モードで設定した目標クラッチ圧から当該低圧モードよりも大きな上昇勾配をもって時間の経過と共に徐々に昇圧(スイープアップ)されるように目標クラッチ圧Pc1*を設定し、目標クラッチ圧Pc1*に応じた油圧指令値Pslt*を設定してリニアソレノイドバルブSLTを制御するモードである。クラッチC1の係合が開始されて当該クラッチC1がトルク容量を持ち始めると、CVT40のプライマリシャフト42の回転数(インプット回転数Ni)に向かってタービン回転数Ntが徐々に低下していく。そして、タービン回転数Ntが低下していくにつれて、発進装置23の特性(トルクコンバータ特性)から、速度比(タービン回転数Nt/エンジン回転数Ne)が小さくなると共にトルク比(クラッチC1への入力トルク/エンジントルク)が大きくなっていく。本実施形態では、発進装置23のトルク比が大きくなるのに合わせてトルク容量が大きくなるように、スイープモードにおける目標クラッチ圧Pc1*の上昇勾配が定められる。
次に、インプット回転数Niとタービン回転数センサ98からのタービン回転数Ntとを入力し(S190)、入力したインプット回転数Niとタービン回転数Ntとの回転差(Ni−Nt)の絶対値が閾値Nref未満か否かを判定する(S200)。インプット回転数Niは、例えば、車速センサ99からの車速VとCVT40の変速比とに基づいて算出することができる。閾値Nrefは、クラッチC1の係合が完了したか否かを判定するための閾値であり、例えば、100rpmや200rpm,300rpmなどのように定められる。回転差(Ni−Nt)の絶対値が閾値Nref未満でなく閾値Nref以上と判定すると、クラッチC1の係合が完了していないと判断してS190に戻り、回転差(Ni−Nt)の絶対値が閾値Nref未満と判定すると、クラッチC1の係合が完了したと判断して本ルーチンを終了する。
図6および図7は、エンジンの再始動に応じてクラッチを係合する際の目標クラッチ圧Pc1*や実クラッチ圧Pc1,タービン回転速度Nt等の時間変化の様子を示す説明図である。本実施形態においては、図6に示すように、エンジン12の再始動が要求されると(時刻T1)、目標クラッチ圧Pc1*に最大圧(高圧モード)を設定し、ベルト挟圧Pbc(セカンダリシーブ圧Ps)が閾値Pref以上となってからそれが第1所定時間Tref1以上継続すると(時刻T2)、目標クラッチ圧Pc1*に低圧(低圧モード)を設定する。そして、ベルト挟圧Pbcが閾値Pref以上の状態で第2所定時間Tref2以上継続すると(時刻T3)、目標クラッチ圧Pc1*を低圧から時間の経過と共に徐々に昇圧させてクラッチC1の係合を完了させる(時刻T4)。一方、比較例においては、図7に示すように、エンジン12の再始動が要求されると(時刻T1)、クラッチC1の係合が完了するまで目標クラッチ圧Pc1*を最大圧(高圧モード)で保持する。この場合、エンジン12の再始動に伴って発生するサージ圧がそのままクラッチC1に供給され、クラッチC1が急係合し、大きな変速ショックが生じることになる。
このように、本実施形態の動力伝達装置20では、挟圧センサ78によりベルト挟圧(セカンダリシーブ圧Ps)を検出し、ベルト挟圧Pbcに基づいてエンジン12の再始動に伴うサージ圧の発生を予測して調圧バルブ74の動作モードを高圧モードから低圧モードに切り替えることで、サージ圧によってクラッチC1が急係合し、係合ショックが発生するのを抑制することができる。また、エンジン12の再始動が要求されると、最初は、調圧バルブ74の動作モードを高圧モードとすることで、エンジン12の回転数Neの上昇に伴って生成されるライン圧PLを元圧とするモジュレータ圧Pmodにより調圧バルブ73からクラッチC1までの油路内に作動油を素早く充填することができ、クラッチC1の係合遅れを抑制することが可能となる。
また、動力伝達装置20において、調圧バルブ73の動作モードを低圧モードとした後、サージ圧の発生の終了に応じて低圧モードからスイープモードに切り替えることで、クラッチC1にその入力トルクに応じたトルク容量を持たせて当該クラッチC1をスムーズに係合させることが可能となる。
更に、動力伝達装置20において、挟圧センサ78により検出されるベルト挟圧Pbc(セカンダリシーブ圧Ps)を用いてサージ圧の発生や終了を予測するため、サージ圧の発生等を予測するための専用のセンサを設ける必要がなく、装置の大型化を抑制すると共にコスト増を抑制することが可能となる。
なお、動力伝達装置20において、前後進切換機構35すなわち油圧係合要素としてのクラッチC1(およびブレーキB1)は、エンジン12(発進装置23)とCVT40(プライマリプーリ43)との間に配置されるが、前後進切換機構35すなわちクラッチC1等は、CVT40のセカンダリプーリ45とドライブシャフト59(駆動輪DW)との間に配置されてもよい。また、動力伝達装置20の油圧制御装置70では、リニアソレノイドバルブSLTと調圧バルブ73とによってクラッチC1やブレーキB1への油圧が調圧されるが、調圧バルブ73の代わりにクラッチC1等への油圧を調圧する専用のリニアソレノイドバルブ等が設けられてもよい。更に、油圧制御装置70において、第1デューティソレノイドバルブDS1およびプライマリシーブ圧制御バルブ76がリニアソレノイドバルブで置き換えられてもよく、第2デューティソレノイドバルブDS2およびセカンダリシーブ圧制御バルブ77がリニアソレノイドバルブで置き換えられてもよい。また、挟圧センサ78により検出されるベルト挟圧Pbc(セカンダリシーブ圧Ps)に基づいてサージ圧の発生が予測されるが、ライン圧PLを検出するための専用の圧力センサが設けられてもよい。
以上説明したように、本開示の動力伝達装置の制御装置は、停止と再始動とが可能なエンジン(12)を備える車両(10)に搭載される動力伝達装置(20)において、プライマリプーリ(43),セカンダリプーリ(45),前記プライマリプーリ(43)と前記セカンダリプーリ(45)とに巻き掛けられるベルト(46),前記プライマリプーリ(43)の溝幅を設定する第1油圧シリンダ(47)および前記セカンダリプーリ(45)の溝幅を設定する第2油圧シリンダ(48)を含む無段変速機(40)と、前記無段変速機(40)と前記エンジン(12)または駆動輪(DW)とを連結するクラッチ(C1)と、前記エンジン(12)により駆動されるオイルポンプ(30)と、前記オイルポンプ(30)からの油を調圧して前記第1油圧シリンダ(47)および前記第2油圧シリンダ(48)側に供給する第1油圧供給系と前記第1油圧供給系側からの油圧を調圧バルブ(73)により調圧して前記クラッチ(C1)に供給する第2油圧供給系とを含む油圧制御装置(70)と、を有する動力伝達装置の制御装置(21)であって、前記第1油圧供給系の油路内の油圧を検出する油圧センサ(78)と、前記エンジン(12)の再始動に応じて前記クラッチ(C1)を係合する際には、前記第2油圧供給系の状態を第1状態に設定し、前記油圧センサ(78)の検出値が所定値に達すると、前記第2油圧供給系の状態を前記調圧バルブ(73)の入力ポートと出力ポートとの連通量が前記第1状態よりも絞られた第2状態に設定するよう前記油圧制御装置(70)を制御する係合制御部(211)と、を備えることを要旨とする。
この本開示の動力伝達装置の制御装置では、駆動源の再始動に応じてクラッチを係合する際には、第2油圧供給系の状態を第1状態に設定し、第1油圧供給系の油路内の油圧を検出する油圧センサの検出値が所定値に達すると、第2油圧供給系の状態を調圧バルブの入力ポートと出力ポートとの連通量が第1状態よりも絞られた第2状態に設定するよう油圧制御装置を制御する。第2油圧供給系は第1油圧供給系側からの油圧を調圧バルブにより調圧してクラッチに供給するように構成されているため、第1油圧供給系の油路内の油圧を検出する油圧センサを用いて第1油圧供給系の油路における油圧の立ち上がりを検出することで、瞬間的な高圧(サージ圧)が発生するタイミングでは、第2油圧供給系の状態を第2状態に設定することができる。この結果、駆動源の再始動に応じてクラッチを係合する際に、係合ショックの発生を良好に抑制することができる。また、駆動源の始動初期においては、第2油圧供給系の状態を第1状態に設定しているため、第2状態に切り替えられるまでクラッチへ向かう油路に油を充填しておくことができるので、クラッチの係合遅れを抑制して発進性を向上させることができる。
こうした本開示の動力伝達装置の制御装置において、前記第2状態は、前記クラッチ(C1)がピストンストロークに必要な程度あるいはトルク容量を持ち始めるのに必要な程度に前記調圧バルブ(73)の入力ポートと出力ポートとの連通量を絞った状態であり、前記第1状態は、前記調圧バルブ(73)の入力ポートと出力ポートとの連通量を前記第2状態よりも広げた状態であるものとしてもよい。こうすれば、サージ圧によりクラッチを急係合させることなく当該クラッチへ向かう油路に油を充填させることができる。この場合、前記第1状態は、前記調圧バルブ(73)の入力ポートと出力ポートとの連通量を最大とした状態であるものとしてもよい。
また、本開示の動力伝達装置の制御装置において、前記制御装置は、前記第2油圧供給系の状態を前記第2状態に設定した後、前記クラッチ(C1)へ供給可能な油圧を徐々に昇圧させるものとしてもよい。こうすれば、クラッチにその入力トルクに応じたトルク容量を持たせることが可能となり、クラッチをよりスムーズに係合させることが可能となる。
更に、本開示の動力伝達装置の制御装置において、前記油圧センサ(78)は、前記第2油圧シリンダ(48)による前記ベルト(46)の挟圧を検出する挟圧センサであるものとしてもよい。こうすれば、サージ圧の発生等を予測するための専用のセンサを設ける必要がなく、装置の大型化を抑制すると共にコスト増を抑制することが可能となる。
また、本開示の動力伝達装置の制御装置において、前記第1油圧供給系は、前記オイルポンプ(30)からの油を調圧して元圧を生成するレギュレータバルブ(71)と、前記元圧を調圧して前記第1油圧シリンダ(47)への油圧を生成する第1シリンダ圧制御バルブ(76)と、前記元圧を調圧して前記第2油圧シリンダ(48)への油圧を生成する第2シリンダ圧制御バルブ(77)と、を有し、前記第2油圧供給系は、前記レギュレータバルブ(71)側からの油圧を調圧して前記クラッチ(C1)への油圧を生成する調圧バルブ(73)と、信号圧を出力する信号圧出力バルブ(SR)と、前記信号圧出力バルブ(SR)による前記信号圧の出力状態に応じて前記クラッチ(C1)に対する前記レギュレータバルブ(71)側からの油圧の供給を許容する状態と前記クラッチ(C1)に対する前記調圧バルブ(73)から油圧の供給を許容する状態とを切り替える切替バルブ(74)と、を有し、前記係合制御部(211)は、前記エンジン(12)の再始動に応じて前記クラッチ(C1)を係合させる際に、前記切替バルブ(74)が前記クラッチ(C1)に対する前記調圧バルブ(73)から油圧の供給を許容する状態となるように前記信号圧出力バルブ(SR)を制御すると共に、前記クラッチ(C1)に油圧が供給されるように前記調圧バルブ(73)を制御するものとしてもよい。
そして、本開示の発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の外延の範囲内において様々な変更をなし得ることはいうまでもない。更に、上記実施形態は、あくまで発明の概要の欄に記載された発明の具体的な一形態に過ぎず、発明の概要の欄に記載された発明の要素を限定するものではない。
本開示の発明は、無段変速機を含む動力伝達装置の製造産業等において利用可能である。
10 車両、12 エンジン、14 エンジン電子制御ユニット(EGECU)、16 ブレーキ電子制御ユニットブレーキ(ブレーキECU)、20 動力伝達装置、21 変速電子制御ユニット(TMECU)、22 トランスミッションケース、22a ハウジング、22b トランスアクスルケース、22c リヤケース、23 発進装置、23b タービンランナ、23f フロントカバー、23o ワンウェイクラッチ、23p ポンプインペラ、23s ステータ、23t タービンランナ、24 ダンパ機構、25 ロックアップクラッチ、30 オイルポンプ、31 ポンプボディ、32 ポンプカバー、33 インナーロータ、34 アウターロータ、35 前後進切換機構、36 遊星歯車、40 無段変速機(CVT)、41 インプットシャフト、42 プライマリシャフト、43 プライマリプーリ、43a 固定シーブ、43b 可動シーブ、44 セカンダリシャフト、45 セカンダリプーリ、45a 固定シーブ、45b 可動シーブ、46 伝動ベルト、47 プライマリシリンダ、48 セカンダリシリンダ、49 リターンスプリング、50 ギヤ機構、51 カウンタドライブギヤ、52 カウンタシャフト、53 カウンタドリブンギヤ、54 ドライブピニオンギヤ、55 デフリングギヤ、57 デファレンシャルギヤ、59 ドライブシャフト、60 オイルパン、65 ストレーナ、70 油圧制御装置、71 プライマリレギュレータバルブ、72 モジュレータバルブ、73 調圧バルブ、74 切替バルブ、75 マニュアルバルブ、76 プライマリシーブ圧制御バルブ、77 セカンダリシーブ圧制御バルブ、78 挟圧センサ、91 アクセルペダル、92 アクセルペダルポジションセンサ、93 ブレーキペダル、94 マスタシリンダ圧センサ、95 シフトレバー、96 シフトポジションセンサ、98 タービン回転数センサ、99 車速センサ、210 ライン圧制御部、211 係合要素制御部、212 変速制御部、700 バルブボディ、B1 ブレーキ、C1 クラッチ、DS1 第1デューティソレノイドバルブ、DS2 第2デューティソレノイドバルブ、SLT リニアソレノイドバルブ、SR オンオフソレノイドバブル。

Claims (6)

  1. 停止と再始動とが可能な駆動源を備える車両に搭載される動力伝達装置において、プライマリプーリ,セカンダリプーリ,前記プライマリプーリと前記セカンダリプーリとに巻き掛けられるベルト,前記プライマリプーリの溝幅を設定する第1油圧シリンダおよび前記セカンダリプーリの溝幅を設定する第2油圧シリンダを含む無段変速機と、前記無段変速機と前記駆動源または駆動輪とを連結するクラッチと、前記駆動源により駆動されるオイルポンプと、前記オイルポンプからの油を調圧して前記第1油圧シリンダおよび前記第2油圧シリンダ側に供給する第1油圧供給系と前記第1油圧供給系側からの油圧を調圧バルブにより調圧して前記クラッチに供給する第2油圧供給系とを含む油圧制御装置と、を有する動力伝達装置の制御装置であって、
    前記第1油圧供給系の油路内の油圧を検出する油圧センサと、
    前記駆動源の再始動に応じて前記クラッチを係合する際には、前記第2油圧供給系の状態を第1状態に設定し、前記油圧センサの検出値が所定値に達すると、前記第2油圧供給系の状態を前記調圧バルブの入力ポートと出力ポートとの連通量が前記第1状態よりも絞られた第2状態に設定するよう前記油圧制御装置を制御する係合制御部と、
    を備える動力伝達装置の制御装置。
  2. 請求項1に記載の動力伝達装置の制御装置であって、
    前記第2状態は、前記クラッチがピストンストロークに必要な程度あるいはトルク容量を持ち始めるのに必要な程度に前記調圧バルブの入力ポートと出力ポートとの連通量を絞った状態であり、
    前記第1状態は、前記調圧バルブの入力ポートと出力ポートとの連通量を前記第2状態よりも広げた状態である、
    動力伝達装置の制御装置。
  3. 請求項2に記載の動力伝達装置の制御装置であって、
    前記第1状態は、前記調圧バルブの入力ポートと出力ポートとの連通量を最大とした状態である、
    動力伝達装置の制御装置。
  4. 請求項1ないし3いずれか1項に記載の動力伝達装置の制御装置であって、
    前記制御装置は、前記第2油圧供給系の状態を前記第2状態に設定した後、前記クラッチへ供給可能な油圧を徐々に昇圧させる、
    動力伝達装置の制御装置。
  5. 請求項1ないし4いずれか1項に記載の動力伝達装置の制御装置であって、
    前記油圧センサは、前記第2油圧シリンダによる前記ベルトの挟圧を検出する挟圧センサである、
    動力伝達装置の制御装置。
  6. 請求項1ないし5いずれか1項に記載の動力伝達装置の制御装置であって、
    前記第1油圧供給系は、前記オイルポンプからの油を調圧して元圧を生成するレギュレータバルブと、前記元圧を調圧して前記第1油圧シリンダへの油圧を生成する第1シリンダ圧制御バルブと、前記元圧を調圧して前記第2油圧シリンダへの油圧を生成する第2シリンダ圧制御バルブと、を有し、
    前記第2油圧供給系は、前記レギュレータバルブ側からの油圧を調圧して前記クラッチへの油圧を生成する調圧バルブと、信号圧を出力する信号圧出力バルブと、前記信号圧出力バルブによる前記信号圧の出力状態に応じて前記クラッチに対する前記レギュレータバルブ側からの油圧の供給を許容する状態と前記クラッチに対する前記調圧バルブから油圧の供給を許容する状態とを切り替える切替バルブと、を有し、
    前記係合制御部は、前記駆動源の再始動に応じて前記クラッチを係合させる際に、前記切替バルブが前記クラッチに対する前記調圧バルブから油圧の供給を許容する状態となるように前記信号圧出力バルブを制御すると共に、前記クラッチに油圧が供給されるように前記調圧バルブを制御する、
    動力伝達装置の制御装置。
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