JP2019091733A - 固体撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】広ダイナミックレンジを実現しつつ、画素レベルで空間的や時間的なズレを生じさせない撮像装置を実現する。【解決手段】半導体の厚さ方向に沿う方向に4層以上の光電変換層を積層して形成した光電変換部を備え、4層以上の前記光電変換層のうち、少なくとも1層が第1の分光特性を有し、少なくとも2層が前記第1の分光特性と異なる第2の分光特性を有し、少なくとも1層が前記第1の分光特性及び前記第2の分光特性と異なる第3の分光特性を有する、固体撮像装置。【選択図】図1

Description

本技術は、固体撮像装置及び電子機器に関する。
撮像装置においては、暗所でもきれいな撮像ができることが望まれており、そのためには、光電変換素子の高感度化や光電変換された電荷の蓄積時間の長時間化を実現するアプローチがある。ただし、これらアプローチを採用した場合、光電変換した電荷の蓄積可能量が十分に拡大できなければ、明所での撮像時に電荷が飽和して白飛びや色飽和が発生する可能性がある。白飛びや色飽和を防止する技術としては、蓄積時間の異なる画像を重ねて広ダイナミックレンジを実現する技術が、市販のデジタルカメラで広く使われている。
また、同一撮像装置内に、高感度画素と低感度画素を形成して広ダイナミックレンジを実現する技術が複数開示されている(特許文献1〜13参照)。
特許文献1,2には、同一撮像装置内に大きさの異なるフォトダイオードを形成して動く被写体の撮像でもダイナミックレンジの広い合成画像を得ることができる技術が開示されている。
特許文献3,4には、スイッチによりフォトダイオードの受光面積を切替可能に構成し、明るい被写体に対しては受光面積を小さくして感度を低くし、暗い被写体に対しては受光面積を大きくして感度を高くする技術が開示されている。
特許文献5〜8には、複数の画素を並設し、並設した画素の間でオンチップの集光率を異ならせて感度の異なる画素を実現する技術が開示されている。
特許文献9〜13には、複数の画素を並設し、並設した画素の間で減光層やフィルタ膜厚を異ならせて感度の異なる画素を実現する技術が開示されている。
特開2000−059687号公報 特開2014−175992号公報 特開平5−207376号公報 特開2006−86425号公報 特開2003−198952号公報 特開2010−080648号公報 特開2005−86082号公報 特開2005−86083号公報 特開2012−084814号公報 特開2003−198952号公報 特開2006−86425号公報 特開2014−075767号公報 特開2014−175553号公報
しかしながら、上述した蓄積時間の異なる画像は時間的に異なる情報を持つ画像であり、動体を撮影する場合には残像などの画質劣化が発生してしまう。このような画質劣化を改善するためには撮像後の信号処理が複雑化し、処理時間や消費電力が増大するため、撮像間隔が長くなったりバッテリ消費が早くなったりする問題が生じる。
また、上述した特許文献1〜13に記載のように同一撮像装置内に高感度画素と低感度画素を形成して広ダイナミックレンジを実現した場合、高感度画素と低感度画素を平面的に並べて配置することになり、高感度画素の受光と低感度画素の受光の間に微視的な空間的なずれを生じる。このため、補間などの方法で空間的な統一処理を行う必要があり、補間処理の精度によっては偽色などの画質劣化が発生する問題がある。
本技術は、前記課題に鑑みてなされたもので、固体撮像装置において広ダイナミックレンジを実現しつつ、画素レベルで空間的や時間的なズレを生じさせないことを目的とする。
本技術の態様の1つは、半導体の厚さ方向に沿う方向に4層以上の光電変換層を積層して形成した光電変換部を備え、4層以上の前記光電変換層は、少なくとも2層が略同等の第1の分光特性を有し、少なくとも1層が前記第1の分光特性と異なる第2の分光特性を有し、少なくとも1層が前記第1の分光特性及び前記第2の分光特性と異なる第3の分光特性を有する、固体撮像装置である。
なお、以上説明した固体撮像装置は、他の機器に組み込まれた状態で実施されたり他の方法とともに実施されたりする等の各種の態様を含む。また、本技術は前記固体撮像装置を備える撮像システムとしても実現可能である。
本技術によれば、固体撮像装置において広ダイナミックレンジを実現しつつ、画素レベルで空間的や時間的なズレを生じさせずに済む。なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また付加的な効果があってもよい。
第1の実施形態に係る固体撮像素子が備える光電変換部を説明する図である。 有機光電変換膜を用いた場合の光電変換層周辺の構造を示す図である。 高感度画素と低感度画素の出力切り替えを説明する図である。 第2の実施形態に係る固体撮像素子が備える光電変換部を説明する図である。 第3の実施形態に係る固体撮像素子が備える光電変換部を説明する図である。 第4の実施形態に係る固体撮像素子が備える光電変換部を説明する図である。 第5の実施形態に係る固体撮像素子が備える光電変換部を説明する図である。 固体撮像素子を備える撮像装置の構成を示すブロック図である。 固体撮像素子の構成を示すブロック図である。 画素の等価回路の一例を示す図である。 画素内の素子の配置の一例を示す図である。 電荷保持部、リセットトランジスタ、増幅トランジスタ及び選択トランジスタSELを共通化した画素の等価回路の一例を示す図である。 電荷保持部、リセットトランジスタ、増幅トランジスタ及び選択トランジスタSELを共通化した内の素子の配置の一例を示す図である。 ゲインを切り替える機能を有する画素の等価回路の一例を示す図である。 AD変換部の構成を示す図である。 固体撮像素子のAD変換動作を説明する図である。
以下、下記の順序に従って本技術を説明する。
(A)第1の実施形態:
(B)第2の実施形態:
(C)第3の実施形態:
(D)第4の実施形態:
(E)第5の実施形態:
(F)第6の実施形態:
(A)第1の実施形態:
図1は、本実施形態に係る固体撮像素子が備える光電変換部10を説明する図である。本実施形態に係る固体撮像素子は、例えばデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなどの電子機器に用いられるCMOSイメージセンサ等の固体撮像装置において1つの画素を構成するものである。
本実施形態に係る固体撮像素子は、厚さ方向に沿う方向に光電変換層11〜14を積層して形成した、いわゆる縦方向分光型の光電変換部10を備えている。光電変換部10の上層には、更にマイクロレンズアレイを形成して集光率を向上させてもよい。なお、本明細書では、光入射される側に近い側を上層、光入射される側から遠い側を下層と呼ぶ場合がある。
光電変換部10は、不図示の基板上に配置される。本実施形態においては、光電変換層11の側から光入射されるものとし、上層から下層に向けて光電変換層11,12,13,14の順に設けた場合を例に取り説明を行う。ただし、光電変換層11〜14の並び順は様々に変更可能である。
上述した基板は、基板の側から光入射を行う場合は、透明性の高いガラス、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリプロピレン等の材料を用いて形成することが好ましい。一方、基板の側から光入射しないときは、上記の各材料のほかさらにSi、Ge、GaAs等の材料を用いて形成することもできる。
光電変換層11は青色光を主に吸収する分光特性(第1の分光特性)を有し、主たる光電変換波長域が青光の波長域である。光電変換層12,13は緑色光を主に吸収する分光特性(第2の分光特性)を有し、主たる光電変換波長域が緑光の波長域である。光電変換層14は赤色光を主に吸収する分光特性(第3の分光特性)を有し、主たる光電変換波長域が赤光の波長域である。同じ第2の分光特性を有する光電変換層12,13は、同一材料で形成されてもよいし、略同等の分光特性を有する別種の材料で形成されてもよい。
より具体的には、光電変換層11は、少なくとも400nm以上500nm以下の光を吸収することができ、好ましくはその波長域でのピ−ク波長の吸収率が50%以上とする。光電変換層12,13は、少なくとも500nm以上600nm以下の光を吸収することができ、好ましくはその波長域でのピ−ク波長の吸収率が50%以上とする。光電変換層14は、少なくとも600nm以上700nm以下の光を吸収することができ、好ましくはその波長域でのピ−ク波長の吸収率が50%以上とする。
光電変換層11〜14は、上述した分光特性を有する限り、各種材料を特に限定なく用いることができる。一例を挙げると、Si系材料、GaAs系材料、Ge系材料、InAs系材料または有機系材料等を用いることができる。また、適宜選択した材料に上記の光吸収機能を有する色素を添加した構成としてもよい。
なお、光電変換層の層数は4層に限るものではなく、第1の分光特性を有する層が少なくとも1層、第2の分光特性を有する層が少なくとも2層、第3の分光特性を有する層が少なくとも1層含まれていれば様々に変更可能である。
このように複数の光電変換層を積層した構成においては、上層の光電変換層が下層の光電変換層の光フィルタとして機能する。従って、特に同じ第2の分光特性を持つ光電変換層12,13の間では、上層の光電変換層12が第2の分光特性で吸収した光の残りを下層の光電変換層13が同じく第2の分光特性で吸収することになり、これら2層の光電変換層が略同等の分光特性を有していれば、光電変換層13は光電変換層12よりも低感度になる。すなわち、上層の光電変換層12と下層の光電変換層13との間に感度の異なる状態を実現することができる。
以下、光電変換層として有機光電変換膜を用いる場合を説明する。図2は有機光電変換膜を用いた場合の光電変換層周辺の構造を示す図である。
光電変換層11〜14それぞれの上面及び下面には上下一対の電極が配設される。具体的には、光電変換層11の上面及び下面には上電極11aと下電極11bが配設され、光電変換層12の上面及び下面には上電極12aと下電極12bが配設され、光電変換層13の上面及び下面には上電極13aと下電極13bが配設され、光電変換層14の上面及び下面には上電極14aと下電極14bが配設される。上電極11a〜14aには定電圧Vbが印加され、各下電極11b〜14bは光電変換層11〜14を貫通して基板20に接続する貫通電極により、基板20上に形成された高濃度不純物領域21を介して転送トランジスタ等の回路素子に接続されている。
上電極11a〜14a及び下電極11b〜14bは、透明電極が好ましく、このような電極の材料としては、例えばインジウムスズ酸化物、インジウム酸化物または酸化スズ等が例示される。或は、アルミニウム、バナジウム、金、銀、白金、鉄、コバルト、炭素、ニッケル、タングステン、パラジウム、マグネシウム、カルシウム、スズ、鉛、チタン、イットリウム、リチウム、ルテニウム、マンガン等の金属およびそれらの合金を用いて膜厚が20〜80nm程度の半透明電極を形成してもよい。さらにまた、ポリアセチレン系、ポリアニリン系、ポリピロール系、あるいはポリチオフェン系に代表される導電性高分子を用いて電極を形成してもよい。
互いに隣接する光電変換層の電極間には絶縁膜が設けられる。すなわち、光電変換層11の下電極11bと光電変換層12の上電極12aの間は絶縁膜15により絶縁され、光電変換層12の下電極12bと光電変換層13の上電極13aの間は絶縁膜16により絶縁され、光電変換層13の下電極13bと光電変換層14の上電極14aの間は絶縁膜17により絶縁される。
絶縁膜15,16,17は、ガラス、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリプロピレン等の透明性絶縁材料を用いて形成することができる。窒化珪素、酸化珪素等を用いてもよい。また、プラズマCVDで製膜した緻密性が高く透明性も良い窒化珪素を用いてもよい。
以上のように構成した光電変換部10は、各光電変換層11〜14の上下の電極の間にそれぞれ電圧を印加した状態において、光電変換層11〜14がその分光特性に応じて吸収する光により電荷が生成され、これにより光電流が生成される。
光電変換層11は光電変換部10への入射光を第1の分光特性で吸収した光量に応じた電荷を生成し、光電変換層12は光電変換層11の吸収分だけ減衰した入射光を第2の分光特性で吸収した光量に応じた電荷を生成し、光電変換層13は光電変換層11,12の吸収分だけ減衰した入射光を第2の分光特性で吸収した光量に応じた電荷を生成し、光電変換層14は光電変換層11,12,13,14の吸収分だけ減衰した入射光を第3の分光特性で吸収した光量に応じた電荷を生成する。
光電変換層12,13の受光感度は、光電変換層12,13の層厚によって変化する。本実施形態において光電変換層12,13は同厚で形成される。光電変換層12,13を薄くするほど光電変換層12,13は低感度化し、光電変換層12,13の間の感度差が小さくなる。一方、光電変換層12,13を厚くするほど光電変換層12が高感度化するとともに光電変換層13が低感度化し、光電変換層12,13の間の感度差が大きくなる。このように、同厚で形成される光電変換層12,13の感度の比率は、光電変換層12,13の層厚により調整することができる。
このように構成された光電変換層11〜14からの出力信号S11,S12,S13,S14は、例えば図3に示すように高感度画素である光電変換層12の出力信号S12と低感度画素である光電変換層13の出力信号S13とを切り替えて使用する。このような切替制御は、後述する画素PXL内に切替回路を設けて行ってもよいが、例えば、後述する第6の実施形態で説明する信号処理部727、DSP613、制御部619等で行う信号処理により実現してもよい。
具体的には、図3(a)に示すように入射光量が少ない場合は(低照度環境下での撮影等)、高感度画素である光電変換層12の出力信号S12と他の光電変換層11,14の出力信号S11,S14と用いて当該画素のRGB各色の信号とし、図3(b)に示すように入射光量が多い場合は(高照度環境下での撮影等)、低感度画素である光電変換層13の出力信号S13と他の光電変換層11,14の出力信号S11,S14と用いて当該画素のRGB各色の信号とする。
具体的には、光電変換層12,13の間の感度比に応じて定まる倍率情報を予め測定等して保持しておく。そして、入射光量が少ない場合は、高感度画素である光電変換層12の出力信号S12そのままと他の光電変換層11,14の出力信号S11,S14との組み合わせが当該画素のRGB各色の信号となる。一方、入射光量が多い場合は、低感度画素である光電変換層13の出力信号S13を倍率情報(x倍)に基づいて増幅し、増幅後の光電変換層13の出力信号xS13と他の光電変換層11,14の出力信号S11、S14との組み合わせが当該画素のRGB各色の信号となる。
入射光量の多寡の判定(撮影環境の明暗判定)は、別途に設けた照度センサ―等の出力に基づいて行ってもよいが、高感度画素である光電変換層12の出力信号S12の飽和/非飽和に基づいて判定することができる。具体的には、光電変換層12が飽和した状態での出力信号S12のレベル(飽和レベルSmax)を予め測定等して保持しておく。そして、光電変換層12からの出力信号S12が飽和レベルSmaxに達していない場合は、光電変換層12の出力信号S12を用いて当該画素のRGB各色の信号とし、光電変換層12からの出力信号S12が飽和レベルSmaxに達している場合は、光電変換層13の出力信号S13を増幅して当該画素のRGB各色の信号とする。なお、撮像素子を構成する複数の画素の中の何れの光電変換層12の出力信号S12に基づいて飽和レベルを判定するかは適宜選択可能であり、特定の画素の光電変換層12の出力信号S12に基づいて判断してもよいし、全画素又は適宜の選択基準で選択された複数の画素の光電変換層12の出力信号S12の平均に基づいて判断してもよい。
このように同じ第1の分光特性において感度差を持つ2層以上の光電変換層を積層状態に設けることで、広ダイナミックレンジを実現することができる。すなわち、光電変換層12の出力する光電流を用いれば高感度画素が実現され、光電変換層13の出力する光電流を用いれば低感度画素が実現される。しかも、光電変換層12,13は上下に積層された状態で同じ入射光を元に電荷を生成するため、高感度画素からの出力に基づく信号と低感度画素からの出力に基づく信号との間に空間的・時間的なズレが発生することがない。
以下、光電変換層の一例である有機光電変換膜について詳細に説明する。
光電変換層11〜14を実現する有機光電変換膜は、電磁波吸収部位、光電変換部位、電子輸送部位、正孔輸送部位、電子ブロッキング部位、正孔ブロッキング部位及び結晶化防止部位、等の積み重ねもしくは混合から形成される。
有機光電変換膜は、有機p型半導体(化合物)または有機n型半導体(化合物)を含有することが好ましい。有機光電変換膜が含有する有機p型半導体及び有機n型半導体はいかなるものでも良い。また、可視及び赤外域に吸収を有しも有さなくても良いが、好ましくは可視域に吸収を持っている化合物(有機色素)を少なくとも一つ用いる。更に、無色のp型半導体とn型半導体を用い、これらに有機色素を加えても良い。p型層/バルクへテロ接合層/n型層の3層構造にする場合、入射光側のp型、又はn型半導体は無色であることが好ましい。
有機p型半導体(化合物)は、ドナー性有機半導体(化合物)であり、主に正孔輸送性有機化合物に代表され、電子を供与しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは2つの有機材料を接触させて用いたときにイオン化ポテンシャルの小さい方の有機化合物をいう。したがって、ドナー性有機化合物は、電子供与性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。例えば、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物、ピラゾリン化合物、スチリルアミン化合物、ヒドラゾン化合物、トリフェニルメタン化合物、カルバゾール化合物、ポリシラン化合物、チオフェン化合物、フタロシアニン化合物、シアニン化合物、メロシアニン化合物、オキソノール化合物、ポリアミン化合物、インドール化合物、ピロール化合物、ピラゾール化合物、ポリアリーレン化合物、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体等を用いることができる。なお、これに限らず、上記したように、n型(アクセプター性)化合物として用いた有機化合物よりもイオン化ポテンシャルの小さい有機化合物であればドナー性有機半導体として用いてよい。
有機n型半導体(化合物)は、アクセプター性有機半導体(化合物)であり、主に電子輸送性有機化合物に代表され、電子を受容しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは2つの有機化合物を接触させて用いたときに電子親和力の大きい方の有機化合物をいう。したがって、アクセプター性有機化合物は、電子受容性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。例えば、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含有する5ないし7員のヘテロ環化合物(例えばピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、イソキノリン、プテリジン、アクリジン、フェナジン、フェナントロリン、テトラゾール、ピラゾール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、プリン、トリアゾロピリダジン、トリアゾロピリミジン、テトラザインデン、オキサジアゾール、イミダゾピリジン、ピラリジン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、ジベンズアゼピン、トリベンズアゼピン等)、ポリアリーレン化合物、フルオレン化合物、シクロペンタジエン化合物、シリル化合物、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体などが挙げられる。なお、これに限らず、上記したように、ドナー性有機化合物として用いた有機化合物よりも電子親和力の大きな有機化合物であればアクセプター性有機半導体として用いてよい。
p型有機色素、又はn型有機色素としては、いかなるものを用いても良いが、好ましくは、シアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、メロシアニン色素(ゼロメチンメロシアニン(シンプルメロシアニン)を含む)、3核メロシアニン色素、4核メロシアニン色素、ロダシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、アロポーラー色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素、スクアリウム色素、クロコニウム色素、アザメチン色素、クマリン色素、アリーリデン色素、アントラキノン色素、トリフェニルメタン色素、アゾ色素、アゾメチン色素、スピロ化合物、メタロセン色素、フルオレノン色素、フルギド色素、ペリレン色素、フェナジン色素、フェノチアジン色素、キノン色素、インジゴ色素、ジフェニルメタン色素、ポリエン色素、アクリジン色素、アクリジノン色素、ジフェニルアミン色素、キナクリドン色素、キノフタロン色素、フェノキサジン色素、フタロペリレン色素、ジケトピロロピロール色素、ジオキサン色素、ポルフィリン色素、クロロフィル色素、フタロシアニン色素、金属錯体色素、縮合芳香族炭素環系色素(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)が挙げられる。
p型有機色素、n型有機色素が形成する膜は、アモルファス状態、液晶状態、及び結晶状態のいずれでも良い。結晶状態で用いる場合は、顔料を用いることが好ましい。
次に金属錯体化合物について説明する。金属錯体化合物は金属に配位する少なくとも1つの窒素原子または酸素原子または硫黄原子を有する配位子をもつ金属錯体であり、金属錯体中の金属イオンは特に限定されないが、好ましくはベリリウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、亜鉛イオン、インジウムイオン、または錫イオンであり、より好ましくはベリリウムイオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、または亜鉛イオンであり、更に好ましくはアルミニウムイオン、または亜鉛イオンである。前記金属錯体中に含まれる配位子としては種々の公知の配位子が有るが、例えば、「Photochemistry and Photo physics of Coordination Compounds」Springer Verlag社H.Yersin著1987年発行、「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房社山本明夫著1982年発行等に記載の配位子が挙げられる。
前記配位子として、好ましくは含窒素ヘテロ環配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数3〜15であり、単座配位子であっても2座以上の配位子であっても良い。好ましくは2座配位子である。例えばピリジン配位子、ビピリジル配位子、キノリノール配位子、ヒドロキシフェニルアゾール配位子(ヒドロキシフェニルベンズイミダゾール、ヒドロキシフェニルベンズオキサゾール配位子、ヒドロキシフェニルイミダゾール配位子)などが挙げられる)、アルコキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ、2,4,6−トリメチルフェニルオキシ、4−ビフェニルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロアリールオキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アルキルチオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環置換チオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、またはシロキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数3〜25、特に好ましくは炭素数6〜20であり、例えば、トリフェニルシロキシ基、トリエトキシシロキシ基、トリイソプロピルシロキシ基などが挙げられる)であり、より好ましくは含窒素ヘテロ環配位子、アリールオキシ配位子、ヘテロアリールオキシ基、またはシロキシ配位子であり、更に好ましくは含窒素ヘテロ環配位子、アリールオキシ配位子、またはシロキシ配位子が挙げられる。
固体撮像素子をカラー撮像素子として実現するためには、吸収波長の調整の自由度の高い、シアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、メロシアニン色素、3核メロシアニン色素、4核メロシアニン色素、ロダシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、アロポーラー色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素、スクアリウム色素、クロコニウム色素、アザメチン色素などのメチン色素を好ましく用いることができる。さらに好ましくはメロシアニン色素、3核メロシアニン色素、4核メロシアニン色素であり、さらに好ましくはメロシアニン色素である。
これらのメチン色素の詳細については、下記の色素文献に記載されている。
[色素文献]
F.M.Harmer著「Heterocyclic Compounds−Cyanine Dyesand Related Compounds)」、John Wiley&Sons社−ニューヨーク、ロンドン、1964年刊、D.M.Sturmer著「Heterocyclic Compounds−Cyanine Dyesand Related Compounds」、第18章、第14節、第482から515頁、John Wiley&Sons社−ニューヨーク、ロンドン、1977年刊、「Rodd's Chemistry of Carbon Compounds」2nd.Ed.vol.IV,partB,1977刊、第15章、第369から422頁、Elsevier Science Publishing CompanyInc.社刊、ニューヨーク、など。
さらに説明を加えると、リサーチ・ディスクロージャ(RD)17643の23〜24頁、RD18716の648頁右欄〜649頁右欄、RD308119の996頁右欄〜998頁右欄、欧州特許第0565096A1号の第65頁7〜10行、に記載されているものを好ましく用いることができる。また、米国特許第5,747,236号(特に第30〜39頁)、米国特許第5,994,051号(特に第32〜43頁)、米国特許第5、340、694号(特に第21〜58頁、但し、(XI)、(XII)、(XIII)に示されている色素において、n12、n15、n17、n18の数は限定せず、0以上の整数(好ましくは4以下)とする。)に記載されている、一般式及び具体例で示された部分構造、又は構造を持つ色素も好ましく用いることができる。
光電変換膜の中間層中のp型有機半導体およびn型有機半導体の配合比率は、質量比で0.1:99.9〜99.9:0.1の範囲内において適宜設定することができる。
本技術の有機光電変換膜において、電子輸送性を有する有機材料(n型化合物)として、イオン化ポテンシャルが6.0eVよりも大きい場合が好ましく、さらに下記一般式(X)で表わされる場合が好ましい
一般式(X) L−(A)m
(式中、Aは二つ以上の芳香族へテロ環が縮合したヘテロ環基を表し、Aで表されるヘテロ環基は同一または異なってもよい。mは2以上の整数を表す。Lは連結基を表す。)なお、これらの電子輸送性を有する有機材料の詳細及び好ましい範囲については、特願2004−082002号において詳細に説明されている。これらの電子輸送性の有機材料を用いるとき、得られる有機光電変換膜の光電変換効率が著しく高くなる。
本技術においては、以下に記載の配向制御を適用できる。
本技術においては、有機化合物の配向がランダムな状態に比べて秩序を有していることが好ましい。ランダムでなければ秩序の程度は低くても高くても良いが、好ましくは高秩序の場合である。
1対の電極間にp型半導体の層、n型半導体の層、(好ましくは混合・分散(バルクヘテロ接合構造)層)を持つ有機光電変換膜において、p型半導体及びn型半導体のうちの少なくとも1方に配向制御された有機化合物を含むことを特徴とする有機光電変換膜の場合が好ましく、さらに好ましくは、p型半導体及びn型半導体の両方に配向制御された(可能な)有機化合物を含む場合である。
光電変換素子の有機光電変換膜に用いられる有機化合物としては、π共役電子を持つものが好ましく用いられるが、このπ電子平面が、基板(電極基板)に対して垂直ではなく、平行に近い角度で配向しているほど好ましい。基板に対する角度として好ましくは0°以上80°以下であり、さらに好ましくは0°以上60°以下であり、さらに好ましくは0°以上40°以下であり、さらに好ましくは0°以上20°以下であり、特に好ましくは0°以上10°以下であり、最も好ましくは0°(すなわち基板に対して平行)である。
上記のように、配向の制御された有機化合物の層は、有機光電変換膜全体に対して一部でも含めば良い。好ましくは、有機光電変換膜全体に対する配向の制御された部分の割合が10%以上の場合であり、さらに好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上、特に好ましくは90%以上、最も好ましくは100%である。このような状態は、有機光電変換膜において、有機光電変換膜の有機化合物の配向を制御することにより有機光電変換膜のキャリア拡散長が短いという欠点を補い、光電変換効率を向上させるものである。
有機化合物の配向は、基板の選択・蒸着条件の調整等により制御が可能である。例えば、基板表面にラビング処理を施し、その上に成長させる有機化合物に異方性を付与する方法等が挙げられる。但し、基板結晶に依存した構造は高々十数層の厚さにおいてのみ観察され、膜厚が厚くなるとバルクの結晶構造をとるようになる。本技術の光電変換素子では、光吸収率を高くするために、膜厚100nm以上(分子として100層以上)である場合が好ましく、このような場合、基板に加え有機化合物同士の相互作用を利用して配向を制御する必要がある。
有機化合物同士の相互作用の力としてはいかなるものでも良いが、例えば分子間力として、ファン・デル・ワールス(van der Waals)力(さらに細かくは、永久双極子−永久双極子間に働く配向力、永久双極子−誘起双極子間に働く誘起力、一時双極子−誘起双極子間に働く分散力に分けて表現できる。)、電荷移動力(CT)、クーロン力(静電力)、疎水結合力、水素結合力、配位結合力などが挙げられる。これらの結合力は、1つだけ利用することも、また任意のものを複数組み合わせて用いることもできる。
好ましくは、ファン・デル・ワールス力、電荷移動力、クーロン力、疎水結合力、水素結合力であり、さらに好ましくはファン・デル・ワールス力、クーロン力、水素結合力であり、特に好ましくはファン・デル・ワールス力、クーロン力であり、最も好ましくはファン・デル・ワールス力である。
本技術における有機化合物同士の相互作用の一つとして、共有結合、又は配位結合を用いることも可能であり、好ましくは共有結合で連結されている場合である(なお、配位結合については、分子間力の一つの配位結合力とみなすこともできる)。これらの場合において、共有結合、又は配位結合は予め形成されていても、有機光電変換膜を形成する過程で形成されていても良い。
上記の分子間力と共有結合のうち、好ましくは分子間力を用いて有機化合物の配向を制御した場合である。これらの分子間力の引力のエネルギーとして好ましくは15kJ/mol以上、さらに好ましくは20kJ/mol以上、特に好ましくは40kJ/mol以上の場合である。上限は特にないが、好ましくは5000kJ/mol以下、さらに好ましくは1000kJ/mol以下である。
また、有機化合物に誘電異方性や分極を付与しておき、成長中に電場を印加して分子を配向させる方法を用いることも可能である。
有機化合物の配向が制御されている場合において、さらに好ましくはヘテロ接合面(例えばpn接合面)が基板に対して平行ではない場合である。この場合、ヘテロ接合面が、基板(電極基板)に対して平行ではなく、垂直に近い角度で配向しているほど好ましい。基板に対する角度として好ましくは10°以上90°以下であり、さらに好ましくは30°以上90°以下であり、さらに好ましくは50°以上90°以下であり、さらに好ましくは70°以上90°以下であり、特に好ましくは80°以上90°以下であり、最も好ましくは90°(すなわち基板に対して垂直)である。
上記のような、ヘテロ接合面の制御された有機化合物の層は、有機光電変換膜全体に対して一部でも含めば良い。好ましくは、有機光電変換膜全体に対する配向の制御された部分の割合が10%以上の場合であり、さらに好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上、特に好ましくは90%以上、最も好ましくは100%である。このような場合、有機光電変換膜におけるヘテロ接合面の面積が増大し、界面で生成する電子、正孔、電子正孔ペア等のキャリア量が増大し、光電変換効率の向上が可能となる。
上記のヘテロ接合層(面)を持つ有機光電変換膜の具体的な図面の例は、特開2003−298152の図1〜図8に記載されているものが適用できる。
以上説明した有機化合物のヘテロ接合面とπ電子平面の両方の配向が制御された有機光電変換膜において特に光電変換効率の向上が可能であり好ましく、特にバルクへテロ構造をとる場合に好ましく用いることができる。
これらの有機化合物を含む層は、乾式成膜法あるいは湿式成膜法により成膜される。乾式成膜法の具体的な例としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、MBE法等の物理気相成長法あるいはプラズマ重合等のCVD法が挙げられる。湿式成膜法としては、キャスト法、スピンコート法、ディッピング法、LB法等が用いられる。
p型半導体(化合物)、又は、n型半導体(化合物)のうちの少なくとも一つとして高分子化合物を用いる場合は、作成の容易な湿式成膜法により成膜することが好ましい。蒸着等の乾式成膜法を用いた場合、高分子を用いることは分解のおそれがあるため難しく、代わりとしてそのオリゴマーを好ましく用いることができる。一方、本技術において、低分子を用いる場合は、乾式成膜法が好ましく用いられ、特に真空蒸着法が好ましく用いられる。真空蒸着法は抵抗加熱蒸着法、電子線加熱蒸着法等の化合物の加熱の方法、るつぼ、ボ−ト等の蒸着源の形状、真空度、蒸着温度、基盤温度、蒸着速度等が基本的なパラメ−タ−である。均一な蒸着を可能とするために基盤を回転させて蒸着することは好ましい。真空度は高い方が好ましく10-4Torr以下、好ましくは10-6Torr以下、特に好ましくは10-8Torr以下で真空蒸着が行われる。蒸着時のすべての工程は真空中で行われることが好ましく、基本的には化合物が直接、外気の酸素、水分と接触しないようにする。真空蒸着の上述した条件は有機膜の結晶性、アモルファス性、密度、緻密度等に影響するので厳密に制御する必要がある。水晶振動子、干渉計等の膜厚モニタ−を用いて蒸着速度をPIもしくはPID制御することは好ましく用いられる。2種以上の化合物を同時に蒸着する場合には共蒸着法、フラッシュ蒸着法等を好ましく用いることができる。
また、光電変換層を、有機光電変換膜とシリコン等の固体半導体材料で作製されたフォトダイオードとの組み合わせで実現する場合、例えば、特開2015−38931号公報に記載の構造を採用することができる。
すなわち、光電変換層11〜14のうち、上層側の1層以上を有機光電変換膜で構成し、下層側の残りの層を半導体基板に形成されるフォトダイオードによって構成する。フォトダイオードが設けられる半導体基板を挟んで有機光電変換膜と反対側には、各種トランジスタや配線等が形成された配線層が設けられる。配線層と有機光電変換膜との間は、半導体基板を表裏に貫通する貫通電極によって接続されており、この貫通電極は、有機光電変換膜の数に応じて設けられる。
また、光電変換層を、全てシリコン等の固体半導体材料で作成されたフォトダイオードで実現する場合、例えば、特表2004−510355号公報に記載の構造を採用することができる。なお、特表2004−510355号公報には、青色、緑色、赤色フォトダイオードセンサが半導体構造の表面の下方の異なる深さに形成された6層構造が開示されているが、本実施形態の場合、これを8層構造として青色、緑色、緑色、赤色フォトダイオードセンサを半導体構造の表面の下方の異なる深さに形成する。
(B)第2の実施形態:
図4は、本実施形態に係る固体撮像素子が備える光電変換部210を説明する図である。なお、本実施形態に係る固体撮像素子は、光電変換部を構成する光電変換層の層厚を除くと上述した第1の実施形態に係る固体撮像素子と同様であるため、共通する構成には同じ符号を付すこととし、詳細な説明は省略する。
本実施形態の光電変換部210は、光電変換層211〜214を有している。光電変換層211〜214の分光特性や材料等については、第1の実施形態に係る光電変換層11〜14と同様である。光電変換層211〜214の並び順は様々に変更可能であるが、光電変換層212,213については、光電変換層212が上層に、光電変換層213が下層に設けられるようにする。本実施形態では、上層から下層に向けて光電変換層211〜214の順で形成されている場合を例に取り説明する。
光電変換層212,213は、互いに異なる層厚を有し、特に上層の光電変換層212を下層の光電変換層213に比べて薄く形成する。また、光電変換層212は、当該層内を通過する入射光のうち光電変換層212の光電変換波長域に含まれる入射光の半分以下の割合で吸収して光電変換する厚みで形成される。すなわち、光電変換層212を通過する入射光のうち光電変換層212の光電変換波長域に含まれる入射光の半分以上が光電変換層212を通過して光電変換層213に入射する。
このとき、光電変換層212を薄くすること、光電変換層213を厚くすることの何れか又は双方により光電変換層212と光電変換層213の感度差を大きくすることができる。特に、光電変換層212が薄い程、光電変換層212と光電変換層213の感度差が顕著化する。すなわち、異なる層厚で形成される光電変換層212,213の感度の比率は、光電変換層212の薄さと光電変換層213の厚さにより調整することができる。
また、光電変換層212を薄くすることで、固体撮像装置を全体的に小型化できる。
また、光電変換層212を薄くすることで、光電変換層212と光電変換層213の波長特性のずれを抑制できる。すなわち、光電変換層212,213の吸光波長域がブロードな場合、上層で吸光する光電変換層212と、光電変換層212が吸光した後の入射光を吸光する光電変換層213とで、実際に吸光する波長特性が変化してしまう可能性がある。この波長特性のズレは上層である光電変換層212を薄くするほど発生しにくくなる。
(C)第3の実施形態:
図5は、本実施形態に係る固体撮像素子が備える光電変換部310を説明する図である。なお、本実施形態に係る固体撮像素子は、光電変換部を構成する光電変換層の層数を除くと上述した第1の実施形態に係る固体撮像素子と同様であるため、共通する構成には同じ符号を付すこととし、詳細な説明は省略する。
本実施形態の光電変換部310は、光電変換層311〜316を有している。
光電変換層311,312は青色光を主に吸収する分光特性(第1の分光特性)を有し、主たる光電変換波長域が青光の波長域である。光電変換層313,314は緑色光を主に吸収する分光特性(第2の分光特性)を有し、主たる光電変換波長域が緑光の波長域である。光電変換層315,316は赤色光を主に吸収する分光特性(第2の分光特性)を有し、主たる光電変換波長域が赤光の波長域である。
第1の分光特性を有する光電変換層311,312は、同一材料で形成されてもよいし、略同等の分光特性を有する別種の材料で形成されてもよい。第2の分光特性を有する光電変換層313,314は、同一材料で形成されてもよいし、略同等の分光特性を有する別種の材料で形成されてもよい。第3の分光特性を有する光電変換層315,316は、同一材料で形成されてもよいし、略同等の分光特性を有する別種の材料で形成されてもよい。
光電変換層311〜316の分光特性や材料等については、第1の実施形態の光電変換層11〜14のうち同じ分光特性の光電変換層と同様である。
光電変換層311〜316の並び順は様々に変更可能であるが、光電変換層311,312については、光電変換層311が上層に、光電変換層312が下層に設けられるようにし、光電変換層313,314については、光電変換層313が上層に、光電変換層314が下層に設けられるようにし、光電変換層315,316については、光電変換層315が上層に、光電変換層316が下層に設けられるようにする。本実施形態では、上層から下層に向けて光電変換層311〜316の順で形成されている場合を例に取り説明する。
光電変換層311,312は互いに同厚で形成され、光電変換層313,314は互いに同厚で形成され、光電変換層315,316は互いに同厚で形成される。光電変換層311〜316の受光感度は、光電変換層311〜316の層厚によって変化する。光電変換層311〜316を薄くするほど光電変換層311〜316は高感度化し、光電変換層311,312の間の感度差、光電変換層313,314の間の感度差、及び、光電変換層315,316の間の感度差が小さくなる。一方、光電変換層311〜316を厚くするほど光電変換層311〜316は高感度化し、光電変換層311,312の間の感度差、光電変換層313,314の間の感度差、及び、光電変換層315,316の間の感度差が大きくなる。このように、それぞれ同厚で形成される光電変換層311,312、光電変換層313,314、及び、光電変換層315,316の感度の比率は、光電変換層の層厚により調整することができる。
なお、光電変換層の層数は6層に限るものではなく、第1の分光特性を有する層が少なくとも2層、第2の分光特性を有する層が少なくとも2層、第3の分光特性を有する層が少なくとも2層含まれていれば様々に変更可能である。
光電変換層311,312の受光感度は、光電変換層311,312の層厚によって変化し、光電変換層313,314の受光感度は、光電変換層313,314の層厚によって変化し、光電変換層315,316の受光感度は、光電変換層315,316の層厚によって変化する。これは、第1の実施形態に係る光電変換層12,13の場合と同様である。なお、光電変換層311,312、光電変換層313,314及び光電変換層315,316は、第2の実施形態のようにそれぞれ上層と下層とで厚みを異ならせてもよい。
このように、互いに異なる3種類の分光特性のそれぞれにおいて、感度差を持つ2層以上の光電変換層を積層状態に設けることで、互いに異なる3色について広ダイナミックレンジを実現することができる。すなわち、光電変換層311,313,315の出力する光電流を用いれば高感度画素が実現され、光電変換層312,314,316の出力する光電流を用いれば低感度画素が実現される。しかも、光電変換層311,312、光電変換層313,314及び光電変換層315,316はそれぞれ上下に積層された状態で同じ入射光を元に電荷を生成するため、高感度画素からの出力に基づく信号と低感度画素からの出力に基づく信号との間に空間的・時間的なズレが発生することがない。
(D)第4の実施形態:
図6は、本実施形態に係る固体撮像素子が備える光電変換部410を説明する図である。なお、本実施形態に係る固体撮像素子は、光電変換部を構成する光電変換層の積層順及び材質を除くと上述した第1の実施形態に係る固体撮像素子と同様であるため、共通する構成には同じ符号を付すこととし、詳細な説明は省略する。
本実施形態の光電変換部410は、光電変換層411〜414を有している。本実施形態においては、光電変換層411の側から光入射されるものとし、上層から下層に向けて光電変換層411,412,413,414の順に設けてある。光電変換層411〜414の並び順は、光電変換層411,412を上層に設け、光電変換層413,414を下層に設ける。なお、光電変換層413,414の並び順は入れ替えて設けてもよい。
光電変換層411,412は緑色光を主に吸収する分光特性(第2の分光特性)を有し、主たる光電変換波長域が緑光の波長域である。光電変換層413は青色光を主に吸収する分光特性(第1の分光特性)を有し、主たる光電変換波長域が青光の波長域である。光電変換層414は赤色光を主に吸収する分光特性(第3の分光特性)を有し、主たる光電変換波長域が赤光の波長域である。第2の分光特性を有する光電変換層411,412は、同一材料で形成されてもよいし、略同等の分光特性を有する別種の材料で形成されてもよい。
光電変換層411〜414のうち、緑色光を主に吸収する光電変換層411,412は有機光電変換膜で構成し、青色光を主に吸収する光電変換層413及び赤色光を主に吸収する光電変換層414はシリコン等の固体半導体材料で作製されたフォトダイオードで構成する。現在、緑色光については高い光電変換量子効率を有する有機光電変換材料が広く知られているが、青や赤に対して十分な光電変換量子効率を有する有機光電変換材料は一般的でない。このため、高感度層と低感度層の2層を設ける緑色光の光電変換層については有機光電変換膜を用い、青色光又は赤色光を吸収する光電変換層についてはシリコン等の固体半導体材料で作製されたフォトダイオードを用いる構成が現実的である。
以上説明した第4の実施形態の構成でも、互いに異なる3色について広ダイナミックレンジを実現することができる。すなわち、光電変換層411の出力する光電流を用いれば高感度画素が実現され、光電変換層412の出力する光電流を用いれば低感度画素が実現される。しかも、光電変換層411,412は上下に積層された状態で同じ入射光を元に電荷を生成するため、高感度画素からの出力に基づく信号と低感度画素からの出力に基づく信号との間に空間的・時間的なズレが発生することがない。
(E)第5の実施形態:
図7は、本実施形態に係る固体撮像素子が備える光電変換部510を説明する図である。なお、本実施形態に係る固体撮像素子は、光電変換部を構成する光電変換層の配置を除くと上述した第1の実施形態に係る固体撮像素子と同様であるため、共通する構成には同じ符号を付すこととし、詳細な説明は省略する。
本実施形態の光電変換部510は、光電変換層511〜516を有している。光電変換層511〜513と光電変換層514〜516は、厚さ方向と略垂直な方向(面方向)にオフセットした位置関係で隣接配設される。本実施形態においては、光電変換層511,514の側から光入射されるものとし、光電変換層511〜513については上層から下層に向けて光電変換層511,512,513の順に設けてあり、光電変換層514〜516についても上層から下層に向けて光電変換層514,515,516の順に設けてある。なお、光電変換層511〜513の並び順及び光電変換層514〜516の並び順は様々に変更可能である。
光電変換層511,514は緑色光を主に吸収する分光特性(第2の分光特性)を有し、主たる光電変換波長域が緑光の波長域である。光電変換層512,515は青色光を主に吸収する分光特性(第1の分光特性)を有し、主たる光電変換波長域が青光の波長域である。光電変換層513,516は赤色光を主に吸収する分光特性(第3の分光特性)を有し、主たる光電変換波長域が赤光の波長域である。分光特性が同じ光電変換層411,412、光電変換層512,515、光電変換層513,516は、それぞれ同一材料で形成されてもよいし、略同等の分光特性を有する別種の材料で形成されてもよい。
光電変換層511〜516は有機光電変換膜で構成する。
同じ分光特性を有する光電変換層511,514、光電変換層512,515及び光電変換層513,516は、それぞれ厚さ方向と略垂直な方向に延びる面において、同一サイズに形成されている。また、光電変換層511,514については、互いに異なる層厚を有する。このように構成された光電変換部510を用いても、光電変換層511,514の間、光電変換層512,515の間、及び、光電変換層513,516の間で空間的なずれは生じるものの、同じサイズの画素の二次元配列で高感度画素と低感度画素を実現することができる。なお、他の光電変換層512,515及び/又は光電変換層513,516についても、それぞれ互いに異なる層厚としてもよい。
(F)第6の実施形態:
本実施形態では、第1の実施形態に係る固体撮像素子を備える撮像装置600を例に取り、信号処理等について説明する。
図8は、固体撮像素子を備える撮像装置600の構成を示すブロック図である。同図に示す撮像装置600は、電子機器の一例である。
なお、本明細書において、撮像装置とは、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等の撮像装置や、撮像機能を有する携帯電話機などの携帯端末装置など、画像取込部(光電変換部)に固体撮像装置を用いる電子機器全般を指す。むろん、画像取込部に固体撮像装置を用いる電子機器には、画像読取部に固体撮像装置を用いる複写機も含まれる。また、撮像装置は、上述した電子機器に搭載するために固体撮像素子を含めてモジュール化されたモジュールであってもよい。
図8において、撮像装置600は、レンズ群を含む光学系611、固体撮像素子612、DSP613(Digital Signal Processor)、フレームメモリ614、表示装置615、記録装置616、操作系617、電源系618及び制御部619を備えている。
DSP613、フレームメモリ614、表示装置615、記録装置616、操作系617、電源系618及び制御部619は、通信バスを介して、互いにデータや信号を送受信できるように接続されている。
光学系611は、被写体からの入射光(像光)を取り込んで固体撮像素子612の撮像面上に結像する。固体撮像素子612は、光学系611によって撮像面上に結像された入射光の受光量に応じた電気信号を画素単位で生成し、画素信号として出力する。この画素信号はDSP613に入力され、適宜に各種の画像処理を行った後、フレームメモリ614に記憶されたり、記録装置616の記録媒体に記録されたり、表示装置615に出力されたりする。
表示装置615は、液晶表示装置や有機EL(electro luminescence)表示装置等のパネル型表示装置からなり、固体撮像素子612によって撮像された動画や静止画、その他の情報を表示する。記録装置616は、固体撮像素子612によって撮像された動画や静止画を、DVD(Digital Versatile Disk)やHD(Hard Disk)、半導体メモリ等の記録媒体に記録する。
操作系617は、ユーザから各種の操作を受け付けるものであり、ユーザの操作に応じた操作命令を通信バスを介して各部613,614,615,616,618,619へ送信する。電源系618は、駆動電源となる各種の電源電圧を生成して供給対象(各部612,613,614,615,616,617,619)へ適宜に供給する。
制御部619は、演算処理を行うCPUや撮像装置600の制御プログラムを記憶するROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM、等を備えている。制御部619は、RAMをワークエアリアとして利用しつつROMに記憶されている制御プログラムをCPUが実行することにより、通信バスを介して各部613,614,615,616,617,618を制御する。また、制御部619は、不図示のタイミングジェネレータを制御して各種のタイミング信号を生成させ、各部へ供給する制御を行ったりする。
図9は、固体撮像素子612の構成を示すブロック図である。本実施形態では、固体撮像素子として、X−Yアドレス型固体撮像素子の一種であるCMOSイメージセンサを例にとり説明を行う。
以下、図9を参照しつつ、固体撮像素子の具体的な一例について説明する。図9において、固体撮像素子612は、画素部721、垂直駆動部722、アナログデジタル変換部723(AD変換部723)、参照信号生成部724、水平駆動部725、通信・タイミング制御部726及び信号処理部727を備えている。
画素部721には、光電変換素子としてのフォトダイオードを含む複数の画素PXLが二次元マトリクス状(本実施形態では、m列×n行のマトリクス)に配置されている。各画素の受光面側には色フィルタアレイを設けない。なお、画素PXLの具体的な回路構成については、後に詳述する。
画素部721には、4n本(光電変換層の数×n本)の画素駆動線HSLy(y=1,2,・・・,4n)とm本の垂直信号線VSLx(x=1,2,・・・,m)が配線されている。画素駆動線HSLyは、図の左右方向(画素行の画素配列方向/水平方向)に沿って配線され、図の上下方向に等間隔で配置されている。画素駆動線HSLyは、1画素の光電変換層の数である4本ずつ各行に配線されている。垂直信号線VSLxは、図の上下方向(画素列の画素配列方向/垂直方向)に沿って配線され、図の左右方向に等間隔で配置されている。垂直信号線VSLxは、各列に1本ずつ配線されている。
画素駆動線HSLyは、対応する行に配設された画素PXLにそれぞれ接続されており、その一端は、垂直駆動部722の各行に対応した出力端子に接続されている。垂直信号線VSLxは対応する列に配設された画素PXLにそれぞれ接続されており、その一端はAD変換部723に接続されている。
垂直駆動部722や水平駆動部725は、通信・タイミング制御部726の制御の下、画素部721を構成する各画素PXLからアナログ信号を順次に読み出す制御を行う。なお、各画素PXLに対する画素駆動線HSLyと垂直信号線VSLxの具体的な接続については、画素PXLの説明とともに後述する。
通信・タイミング制御部726は、例えば、タイミングジェネレータと通信インターフェースとを備える。タイミングジェネレータは、外部から入力されるクロック(マスタークロック)に基づいて、各種のクロック信号を生成する。通信インターフェースは、固体撮像素子612の外部から与えられる動作モードを指令するデータなどを受け取り、固体撮像素子612の内部情報を含むデータを外部へ出力する。
通信・タイミング制御部726は、マスタークロックに基づいて、マスタークロックと同じ周波数のクロック、それを2分周したクロック、より分周した低速のクロック、等を生成し、デバイス内の各部(垂直駆動部722、水平駆動部725、AD変換部723、参照信号生成部724、信号処理部727、等)に供給する。
垂直駆動部722は、例えば、シフトレジスタやアドレスデコーダ等によって構成されている。垂直駆動部722は、外部から入力される映像信号をデコードした信号に基づいて、行アドレスを制御するための垂直アドレス設定部や行走査を制御するための行走査制御部を備えている。
垂直駆動部722は、読み出し走査と掃き出し走査が可能である。読み出し走査とは、信号を読み出す単位画素を順に選択する走査である。読み出し走査は、基本的には行単位で順に行われる。掃き出し走査とは、読み出し走査にて読み出しを行う行又は画素組み合わせに対し、この読み出し走査よりもシャッタースピードの時間分だけ先行して、読み出しを行う行又は画素組み合わせに属する単位画素をリセットさせる走査である。
水平駆動部725は、通信・タイミング制御部726の出力するクロックに同期してAD変換部723を構成する各ADC回路を順番に選択する。AD変換部723は、垂直信号線VSLxごとに設けられたADC回路(m=1,2,・・・)を備え、各垂直信号線VSLxから出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換し、水平駆動部725の制御に従って水平信号線Ltrfに出力する。
水平駆動部725は、例えば、水平アドレス設定部や水平走査部を備えており、水平アドレス設定部が規定した水平方向の読み出し列に対応するAD変換部723の個々のADC回路を選択することにより、選択されたADC回路において生成されたデジタル信号を水平信号線Ltrfに導く。
このようにしてAD変換部723から出力されたデジタル信号は、水平信号線Ltrfを介して信号処理部727へ入力される。信号処理部727は、画素部721からAD変換部723を経由して出力される信号を、演算処理にて画素配列に対応した画像信号に変換する処理を行う。
また、信号処理部727は、必要に応じて、水平方向や垂直方向の画素信号を加算や加算平均等により間引く処理を行う。このようにして生成された画像信号は、固体撮像素子612の外部に出力される。
参照信号生成部724は、DAC(Digtal Analog Converter)を備えており、通信・タイミング制御部726から供給されるカウントクロックに同期して、参照信号Vramp(後述の図16等参照)を生成する。参照信号Vrampは、通信・タイミング制御部726から供給される初期値から階段状に時間変化する鋸歯状波(ランプ波形)である。この参照信号Vrampは、AD変換部723の個々のADC回路に供給される。
AD変換部723は、複数のADC回路を備えている。ADC回路は、各画素PXLから出力されるアナログ電圧をAD変換するにあたり、所定のAD変換期間(後述するP相期間やD相期間)に参照信号Vrampと垂直信号線VSLxの電圧とを比較器にて比較し、参照信号Vrampと垂直信号線VSLxの電圧の電圧(画素電圧)との大小関係が反転する前後いずれかの時間をカウンタにてカウントする。これにより、アナログの画素電圧に応じたデジタル信号を生成することができる。なお、AD変換部723の具体例については後述する。
図10は、画素PXLの等価回路の一例を示す図、図11は画素内の素子の配置の一例を示す図である。
画素PXLの等価回路は、図10に示されるように、光電変換層11〜14がそれぞれ転送トランジスタTG1〜TG4を介して電荷保持部FD1〜FD4に接続された構成を有する。
画素PXLは、光電変換部と転送トランジスタを各色光についてそれぞれ有し、それ以外の構成要素については各色光で共有する構成となっている。具体的には、画素PXLは、光電変換層11〜14、転送トランジスタTG1〜TG4、電荷保持部FD1〜FD4、リセットトランジスタRST1〜RST4、増幅トランジスタAMP1〜AMP4、及び、選択トランジスタSEL1〜SEL4を有する。
転送トランジスタTG1は、そのゲートに垂直駆動部722から供給される転送信号によりオンされたとき、光電変換層11で生成された信号電荷を電荷保持部FD1に転送する。転送トランジスタTG2は、そのゲートに垂直駆動部722から供給される転送信号によりオンされたとき、光電変換層12で生成された信号電荷を電荷保持部FD2に転送する。転送トランジスタTG3は、そのゲートに垂直駆動部722から供給される転送信号によりオンされたとき、光電変換層13で生成された信号電荷を電荷保持部FD3に転送する。転送トランジスタTG4は、そのゲートに垂直駆動部722から供給される転送信号によりオンされたとき、光電変換層14で生成された信号電荷を電荷保持部FD4に転送する。
電荷保持部FD1〜FD4は、いわゆるフローティングディフュージョンと同様の機能を有し、電荷保持部FD1は光電変換層11から転送された信号電荷を保持し、電荷保持部FD2は光電変換層11から転送された信号電荷を保持し、電荷保持部FD3は光電変換層11から転送された信号電荷を保持し、電荷保持部FD4は光電変換層11から転送された信号電荷を保持する。
リセットトランジスタRST1〜RST4は、ゲートに垂直駆動部722から供給されるリセット信号によりオンされる。

リセットトランジスタRST1がオンされると電荷保持部FD1が定電圧源Vddに接続されて電荷保持部FD1の電位がリセットされる。リセットトランジスタRST2がオンされると電荷保持部FD2が定電圧源Vddに接続されて電荷保持部FD2の電位がリセットされる。リセットトランジスタRST3がオンされると電荷保持部FD3が定電圧源Vddに接続されて電荷保持部FD3の電位がリセットされる。リセットトランジスタRST4がオンされると電荷保持部FD4が定電圧源Vddに接続されて電荷保持部FD4の電位がリセットされる。
増幅トランジスタAMP1は、ゲートを電荷保持部FD1に接続され、ドレインを定電圧源Vddに接続され、ソースを選択トランジスタSEL1のドレインに接続されている。増幅トランジスタAMP2は、ゲートを電荷保持部FD2に接続され、ドレインを定電圧源Vddに接続され、ソースを選択トランジスタSEL2のドレインに接続されている。増幅トランジスタAMP3は、ゲートを電荷保持部FD3に接続され、ドレインを定電圧源Vddに接続され、ソースを選択トランジスタSEL3のドレインに接続されている。増幅トランジスタAMP4は、ゲートを電荷保持部FD4に接続され、ドレインを定電圧源Vddに接続され、ソースを選択トランジスタSEL4のドレインに接続されている。
増幅トランジスタAMP1は、電荷保持部FD1の電位を増幅した電位をソースに発生する。増幅トランジスタAMP2は、電荷保持部FD2の電位を増幅した電位をソースに発生する。増幅トランジスタAMP3は、電荷保持部FD3の電位を増幅した電位をソースに発生する。増幅トランジスタAMP4は、電荷保持部FD4の電位を増幅した電位をソースに発生する。
選択トランジスタSEL1は、ドレインを増幅トランジスタAMP1のソースに接続され、ソースを垂直信号線VSLに接続されている。選択トランジスタSEL1は、ゲートに垂直駆動部722から供給される選択信号によりオンされ、増幅トランジスタAMP1のソースに発生する電位を、画素信号として垂直信号線VSLを介してAD変換部723へ出力する。
選択トランジスタSEL2は、ドレインを増幅トランジスタAMP2のソースに接続され、ソースを垂直信号線VSLに接続されている。選択トランジスタSEL2は、ゲートに垂直駆動部722から供給される選択信号によりオンされ、増幅トランジスタAMP2のソースに発生する電位を、画素信号として垂直信号線VSLを介してAD変換部723へ出力する。
選択トランジスタSEL3は、ドレインを増幅トランジスタAMP3のソースに接続され、ソースを垂直信号線VSLに接続されている。選択トランジスタSEL3は、ゲートに垂直駆動部722から供給される選択信号によりオンされ、増幅トランジスタAMP3のソースに発生する電位を、画素信号として垂直信号線VSLを介してAD変換部723へ出力する。
選択トランジスタSEL4は、ドレインを増幅トランジスタAMP4のソースに接続され、ソースを垂直信号線VSLに接続されている。選択トランジスタSEL4は、ゲートに垂直駆動部722から供給される選択信号によりオンされ、増幅トランジスタAMP4のソースに発生する電位を、画素信号として垂直信号線VSLを介してAD変換部723へ出力する。
なお、画素内の素子は、図12,図13に示すように、電荷保持部FD、リセットトランジスタRST、増幅トランジスタAMP及び選択トランジスタSELを共通化してもよい。
また、画素PXLは、図14に示すように、光電変換層11〜13の出力について、FD転送トランジスタFDGを介して電荷保持部FDに接続される構成とし、光電変換層11〜13の各転送トランジスタTG1〜TG3とFD転送トランジスタFDGとの間にキャパシタCを接続し、FD転送トランジスタFDGをオフした状態で転送トランジスタTG1〜TG3の何れかをオンすることで光電変換層11〜13の出力を一定時間キャパシタCに蓄積した後にオンされていた転送トランジスタをオフするとともにFD転送トランジスタFDGをオンして、キャパシタCに蓄積された電荷を電荷保持部FDへ転送する構成としてもよい。これにより、光電変換層11〜14の出力についてゲインを切り替えることができる。
図15は、AD変換部723の構成を示す図である。同図に示すように、AD変換部723を構成する各ADC回路は、垂直信号線VSLx毎に設けられた比較器723aやカウンタ723bと、ラッチ723cを備えている。
比較器723aは、2つの入力端子T1,T2と1つの出力端子T3を備えている。一方の入力端子T1は、参照信号生成部724から参照信号Vrampを入力され、他方の入力端子T2は、画素から垂直信号線VSLを通して出力されるアナログの画素信号(以下、画素信号Vvslと記載する。)を入力されている。
比較器723aは、これら参照信号Vrampと画素信号Vvslを比較する。比較器723aは、参照信号Vrampと画素信号Vvslとの大小関係に応じてハイレベルもしくはローレベルの信号を出力するようになっており、参照信号Vrampと画素信号Vvslの大小関係が入れ替わると、出力端子T3の出力が、ハイレベルとローレベルの間で反転する。
カウンタ723bは、通信・タイミング制御部726からクロックを供給されており、当該クロックを利用してAD変換の開始から終了までの時間をカウントしている。AD変換の開始と終了のタイミングは、通信・タイミング制御部726の出力する制御信号(例えば、クロック信号CLKの入力有無等)と比較器723aの出力反転とに基づいて特定する。
また、カウンタ723bは、いわゆる相関2重サンプリング(CDS)により、画素信号をA/D変換する。具体的には、カウンタ723bは、通信・タイミング制御部726の制御に従い、垂直信号線VSLxからリセット成分に相当するアナログ信号が出力されている間(後述するP相期間に対応)はダウンカウントを行う。そして、このダウンカウントにより得られたカウント値を初期値とし、垂直信号線VSLxから画素信号に相当するアナログ信号が出力されている間(後述するD相期間に対応)にアップカウントを行う。
このようにして生成されるカウント値は、信号成分とリセット成分の差分に相当するデジタル値となる。すなわち、垂直信号線VSLxを通して画素からAD変換部723へ入力されたアナログの画素信号に相当するデジタル値を、リセット成分にて較正した値となる。
カウンタ723bが生成したデジタル値は、ラッチ723cに記憶され、水平走査部の制御に従って順次にラッチ723cから出力され、水平信号線Ltrfを介して信号処理部727へ出力される。
次に、図16を参照しつつ、固体撮像素子のAD変換動作について説明する。同図に示すAD変換動作は、複数の画素の画素信号を順次に読み出す間に繰り返し実行されている。同図に示す画素の読み出し動作は、主として、リセット動作、AZ動作、リセットレベル取得動作、画素信号レベル取得動作、により構成される。
リセット動作は、図16に示すリセット期間(t0〜t1)において実行され、リセットレベル取得動作は、図16に示すP相期間(t3〜t4)において実行され、画素信号レベル取得動作は、図16に示すD相期間(t5〜t6)において実行される。リセット期間とP相期間の間には、比較器723aの入力端子T1,T2の間の電位差を解消するためのAZ期間(t1〜t2)が設けられる。
P相期間の直前にはP相準備期間(t2〜t3)が設けられ、D相期間の直前にはD相準備期間(t4〜t5)が設けられる。これらP相準備期間やD相準備期間においては、参照信号Vrampを初期値に戻す等といったP相期間やD相期間に行うAD変換動作の準備が行われる。以下、順に各期間について説明する。
なお、図16においては、P相準備期間が開始されるt2やD相準備期間が開始されるt4において参照信号Vrampが鋭角に立ち上がっているように記載しているが、実際には、後述する配線容量があるため、配線容量に応じた所定の時定数で徐々に立ち上がることになる。
リセット期間においては、電荷保持部FD1〜FD4に蓄積されている電荷を掃き出して所定の基準電圧にリセットする。具体的には、処理対象の画素のリセットトランジスタRST1〜RST4に対して上述したリセットオン電圧に相当するリセットパルスを印加する。すると、リセットトランジスタRST1〜RST4がオン状態となり、電荷保持部FD1〜FD4が定電圧源Vddと電気的に接続され、電荷保持部FD1〜FD4が所定のレベルにリセットされる。
リセット期間が終了すると、次に、AZ期間、P相準備期間を経て、P相期間となる。P相期間においては、リセットされた画素に蓄積されている電荷量に応じたアナログ電圧をデジタル値に変換するリセットレベル取得動作が実行される。
具体的には、処理対象画素のリセットトランジスタRST1〜RST4と転送トランジスタTG1〜TG4に、それぞれ、上述したリセットオフ電圧に相当するリセットパルス、上述した転送オフ電圧に相当する転送パルス、を印加する。一方、選択トランジスタSEL1〜SEL4に対しては、上述した選択オン電圧に相当する選択パルスを印加する。
これにより、処理対象の画素のリセットトランジスタRST1〜RST4と転送トランジスタTG1〜TG4はオフ状態となり、選択トランジスタSEL1〜SEL4はオン状態となる。このとき、画素信号Vvslは、リセットされた直後の電荷保持部FD1〜FD4における電圧を、増幅トランジスタAMP1〜AMP4にて増幅した電圧となる。
このとき、比較器723aは、参照信号Vrampと画素信号Vvslとを入力され、参照信号Vrampと画素信号Vvslとの大小関係に応じた比較出力Vcoを出力する。画素信号Vvslは、AD変換の対象画素に接続されている垂直信号線VSLの電圧であり、参照信号Vrampは、所定の基準値を初期値として、AD変換が開始から終了までの一定期間に時間の経過と共に初期値から徐々に変化する電圧である。
比較出力Vcoは、参照信号Vrampと画素信号Vvslとが交差して大小関係が反転すると、ハイレベルとローレベルの間で変化する。図16に示す例では、比較出力Vcoは、参照信号Vrampが画素信号Vvslに比べて大きい場合はハイレベルの電圧となり、参照信号Vrampが画素信号Vvslに比べて小さい場合はローレベルの電圧となる。このようにして生成される比較出力Vcoは、カウンタ723bに入力される。
カウンタ723bは、参照信号Vrampと画素信号Vvslとが交差して大小関係が反転するまでの期間にカウントを行う。すなわち、本実施形態において、カウンタ723bは、P相期間において比較出力Vcoがハイレベルとなる期間においてカウントを行い、比較出力Vcoがローレベルの場合にはカウントを行わない。
これにより、カウンタ723bは、P相期間のAD変換を開始してから、比較出力Vcoと参照信号Vrampとが交差する前までの時間をカウントすることができる。このカウント値は、リセット状態の画素に蓄積された電荷に相当するデジタル値となる。なお、上述したように、P相期間において、カウンタ723bはダウンカウントを行う。
P相期間が終了すると、参照信号Vrampを初期値に戻す等のためのD相準備期間を経た後、D相期間において、光電変換層11〜14が受光量に応じて生成する電荷量に応じた電圧(アナログ電圧)をデジタル値に変換する画素信号レベル取得動作が実行される。
具体的には、処理対象の画素のリセットトランジスタRST1〜RST4に、上述したリセットオフ電圧に相当するリセットパルスを印加する。さらに、転送トランジスタTG1〜TG4には上述した転送オン電圧に相当する転送パルスを印加し、選択トランジスタSEL1〜SEL4には上述した選択オン電圧に相当する選択パルスを印加する。
これにより、処理対象の画素のリセットトランジスタRST1〜RST4はオフ状態となり、転送トランジスタTG1〜TG4と選択トランジスタSEL1〜SEL4が順にオン状態に切り替わる。このとき、電荷保持部FD1〜FD4には、光電変換層11〜14が受光量に応じて生成した電荷が転送され、画素信号Vvslとして、この電荷保持部FD1〜FD4の電圧を増幅トランジスタAMP1〜AMP4が増幅した電圧が順次に出力される。
このとき、比較器723aは、上述したP相期間と同様に、参照信号Vrampと画素信号Vvslとを入力されている。比較器723aは、参照信号Vrampと画素信号Vvslとの大小関係に応じた電圧を出力する。比較出力Vcoは、参照信号Vrampと画素信号Vvslとがクロスして大小関係が反転すると、ハイレベルとローレベルの間で変化する。
カウンタ723bは、P相期間と同様に、参照信号Vrampと画素信号Vvslとが交差して大小関係が反転するまでの期間にカウントを行う。すなわち、本実施形態において、カウンタ723bは、D相期間において比較出力Vcoがハイレベルとなる期間においてカウントを行い、比較出力Vcoがローレベルの場合にはカウントを行わない。
これにより、カウンタ723bは、D相期間のAD変換を開始してから比較出力Vcoと参照信号Vrampとが交差する前までの時間をカウントすることができる。このときのカウント値は、光電変換層11〜14が受光量に応じて生成する電荷量に相当するデジタル値である。なお、上述したように、D相期間において、カウンタ723bはP相期間と逆のアップカウントを行う。
また、カウンタ723bは、D相期間においては、P相期間のカウント結果を初期値としてカウントを行う。これにより、D相期間の終了時にカウンタ723bが保持するカウント値は、光電変換層11〜14が受光量に応じて生成する電荷に応じた電圧に相当するカウント値から、リセット状態の画素に蓄積された電荷に応じた電圧に相当するカウント値を差し引いたデジタル値となる。すなわち、カウンタ723bの保持する値は、いわゆる相関2重サンプリングによって固定ノイズ成分を除去された値になる。
このようにしてカウンタ723bに生成されたデジタル値は、通信・タイミング制御部726の制御によりラッチ723cに転送され、比較器723aやカウンタ723bにおいて次の画素値をAD変換している間に、水平駆動部725によって水平信号線Ltrfを介して順次に信号処理部727へ出力される。
その後、図16に示す例では、次の画素値のAD変換期間のリセット期間において水平駆動部725から転送指示Stが入力され、P相期間やD相期間を実行している間にデータ転送が行われる。
なお、本技術は上述した各実施形態に限られず、上述した各実施形態の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した各実施形態の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も含まれる。また,本技術の技術的範囲は上述した実施形態に限定されず,特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
そして、本技術は、以下のような構成を取ることができる。
(1)
半導体の厚さ方向に沿う方向に4層以上の光電変換層を積層して形成した光電変換部を備え、
4層以上の前記光電変換層のうち、少なくとも1層が第1の分光特性を有し、少なくとも2層が前記第1の分光特性と異なる第2の分光特性を有し、少なくとも1層が前記第1の分光特性及び前記第2の分光特性と異なる第3の分光特性を有する、固体撮像装置。
(2)
前記第2の分光特性を有する材料は同一材料である、
前記(1)に記載の固体撮像装置。
(3)
前記第2の分光特性を有する材料で形成された少なくとも2層の前記光電変換層は層厚が略同一である、
前記(1)又前記(2)に記載の固体撮像装置。
(4)
前記第2の分光特性を有する材料で形成された少なくとも2層の前記光電変換層は層厚が互いに異なる、
前記(1)又前記(2)に記載の固体撮像装置。
(5)
前記第1の分光特性を有する材料で形成された光電変換層は主たる光電変換波長域が青光の波長域であり、
前記第2の分光特性を有する材料で形成された光電変換層は主たる光電変換波長域が緑光の波長域であり、
前記第3の分光特性を有する材料で形成された光電変換層は主たる光電変換波長域が赤光の波長域である、
前記(2)〜前記(4)の何れか1つに記載の固体撮像装置。
(6)
前記光電変換部は少なくとも6層以上の前記光電変換層を積層して構成され、
6層以上の前記光電変換層は、少なくとも2層が前記第1の分光特性を有し、少なくとも2層が前記第2の分光特性を有し、少なくとも2層が前記第3の分光特性を有する、
前記(1)〜前記(5)の何れか1つに記載の固体撮像装置。
(7)
前記光電変換層の少なくとも1層は、有機光電変換膜により構成される、
前記(1)〜前記(6)の何れか1つに記載の固体撮像装置。
(8)
前記第2の分光特性を有する少なくとも2層の前記光電変換層のうち高感度な光電変換層の出力信号が飽和レベルに達している場合に、前記第2の分光特性を有する少なくとも2層の前記光電変換層のうち低感度な光電変換層の出力信号を画素信号とする、
前記(1)〜前記(7)の何れか1つに記載の固体撮像装置。
10…光電変換部、11〜14…光電変換層、11a〜14a…上電極、11b〜14b…下電極、15…絶縁膜、16…絶縁膜、17…絶縁膜、210…光電変換部、211〜214…光電変換層、310…光電変換部、311〜316…光電変換層、410…光電変換部、411〜414…光電変換層、510…光電変換部、511〜516…光電変換層、600…撮像装置、611…光学系、612…固体撮像素子、613…DSP、614…フレームメモリ、615…表示装置、616…記録装置、617…操作系、618…電源系、619…制御部、721…画素部、722…垂直駆動部、723…アナログデジタル変換部(AD変換部)、723a…比較器、723b…カウンタ、723c…ラッチ、724…参照信号生成部、725…水平駆動部、726…タイミング制御部、727…信号処理部、AMP,AMP1〜AMP4…増幅トランジスタ、FD,FD1〜FD4…電荷保持部、PXL…画素、RST,RST1〜RST4…リセットトランジスタ、
St…転送指示、SEL,SEL1〜SEL4…選択トランジスタ、T1…入力端子、T2…入力端子、T3…出力端子、TG1〜TG4…転送トランジスタ、Vdd…定電圧源、VSL,VSLx…垂直信号線

Claims (8)

  1. 半導体の厚さ方向に沿う方向に4層以上の光電変換層を積層して形成した光電変換部を備え、
    4層以上の前記光電変換層のうち、少なくとも1層が第1の分光特性を有し、少なくとも2層が前記第1の分光特性と異なる第2の分光特性を有し、少なくとも1層が前記第1の分光特性及び前記第2の分光特性と異なる第3の分光特性を有する、固体撮像装置。
  2. 前記第2の分光特性を有する材料は同一材料である、
    請求項1に記載の固体撮像装置。
  3. 前記第2の分光特性を有する材料で形成された少なくとも2層の前記光電変換層は層厚が略同一である、
    請求項1に記載の固体撮像装置。
  4. 前記第2の分光特性を有する材料で形成された少なくとも2層の前記光電変換層は層厚が互いに異なる、
    請求項1に記載の固体撮像装置。
  5. 前記第1の分光特性を有する材料で形成された光電変換層は主たる光電変換波長域が青光の波長域であり、
    前記第2の分光特性を有する材料で形成された光電変換層は主たる光電変換波長域が緑光の波長域であり、
    前記第3の分光特性を有する材料で形成された光電変換層は主たる光電変換波長域が赤光の波長域である、
    請求項1に記載の固体撮像装置。
  6. 前記光電変換部は少なくとも6層以上の前記光電変換層を積層して構成され、
    6層以上の前記光電変換層は、少なくとも2層が前記第1の分光特性を有し、少なくとも2層が前記第2の分光特性を有し、少なくとも2層が前記第3の分光特性を有する、
    請求項1に記載の固体撮像装置。
  7. 前記光電変換層の少なくとも1層は、有機光電変換膜により構成される、
    請求項1に記載の固体撮像装置。
  8. 前記第2の分光特性を有する少なくとも2層の前記光電変換層のうち高感度な光電変換層の出力信号が飽和レベルに達している場合に、前記第2の分光特性を有する少なくとも2層の前記光電変換層のうち低感度な光電変換層の出力信号を画素信号とする、
    請求項1に記載の固体撮像装置。
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