JP2019086800A - ブレ補正装置及び撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】正確な基準値補正が可能なブレ補正装置を提供する。【解決手段】撮影光学系による被写体像のブレを補正するブレ補正装置であって、振れを検出して信号を出力する検出部と、前記振れによる前記被写体像のブレを、前記撮影光学系の光軸と交差する方向に移動して補正する補正部と、前記検出部から出力された前記信号の基準値を演算する基準値演算部と、前記検出部から出力された前記信号と前記基準値とにより算出した前記補正部を移動させる位置を、前記補正部の移動範囲の内側に向かう方向に補正した目標位置を演算する目標位置演算部と、前記撮影光学系による被写体像を撮像して得られる複数の画像から算出した前記被写体像の動きと、前記目標位置とに基づいて、前記被写体像の動きを示す動きベクトルを算出する算出部と、前記動きベクトルを基に、前記基準値を補正する基準値補正部と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、ブレ補正装置及び撮像装置に関するものである。
角速度センサ(ジャイロ)の信号を基に、光学手ブレ補正を行う技術がある。この技術においては、角速度センサの基準値(0deg/s時のジャイロ出力値)を正確に求める必要があるが、角速度センサの基準値は、起動直後のドリフト特性や、温度特性等により変化するため、正確に求めるのは困難である。
そこで、角速度センサの出力信号をLPF(ローパスフィルタ)処理により算出し、更に、動きベクトル情報を用いて、基準値を補正する技術が提案されている(特許文献1参照)。
特許第4419466号公報
しかし、動きベクトルとして検出される撮像面上のブレは、基準値の誤差成分と、センタバイアス成分とを含んでいるが、特許文献1では、センタバイアス成分も含んだ動きベクトル情報を用いて基準値を補正しているため、正確な基準値補正を行うことができない。
本発明の課題は、正確な基準値補正が可能なブレ補正装置及び撮像装置を提供することである。
本開示の一態様は、撮影光学系による被写体像のブレを補正するブレ補正装置において、振れを検出して信号を出力する検出部と、前記振れによる前記被写体像のブレを、前記撮影光学系の光軸と交差する方向に移動して補正する補正部と、前記検出部から出力された前記信号の基準値を演算する基準値演算部と、前記検出部から出力された前記信号と前記基準値とにより算出した前記補正部を移動させる位置を、前記補正部の移動範囲の内側に向かう方向に補正した目標位置を演算する目標位置演算部と、前記撮影光学系による被写体像を撮像して得られる複数の画像から算出した前記被写体像の動きと、前記目標位置とに基づいて、前記被写体像の動きを示す動きベクトルを算出する算出部と、前記動きベクトルを基に、前記基準値を補正する基準値補正部と、を備える。
また、本開示の他の一態様は、上記ブレ補正装置を有する撮像装置である。
本発明によれば、正確な基準値補正が可能なブレ補正装置及び撮像装置を提供することができる。
第1実施形態のブレ補正装置を備えるカメラを模式的に示す断面図である。 第1実施形態のブレ補正装置のブロック図である。 第1実施形態のブレ補正装置の動作の流れを示したフローチャートである。 基準値演算部を説明する図であり、(a)は、基準値演算部、(b)は基準値演算部のLPFを示した図である。 基準値補正演算を示すフローチャートである。 (a)は、補正後の基準値を示すグラフであり、(b)は動きベクトルの方向を示すグラフである。 本実施形態の補正を行った場合(実線)と、補正を行わなかった場合(点線)とを比較したグラフであり、(a)は演算誤差を示し、(b)は像面ブレ量を示す。 露光中の像面ブレ量を比較したグラフである。 補正値に対するゲインの経時的変化を示したグラフである。 本発明の第3実施形態のブレ補正装置のブロック図である。
(第1実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態のブレ補正装置を備えるカメラ1を模式的に示す断面図である。
カメラ1は、デジタル一眼レフカメラであり、カメラ筐体1Aと、このカメラ筐体1Aに対して着脱自在に装着されるレンズ鏡筒(光学部材)1Bとを備えている。
カメラ筐体1Aは、カメラCPU2A、撮像素子3、記録媒体13、EEPROM14、信号処理回路15、AFセンサ16、レリーズスイッチ17、背面液晶18、ミラー19及びシャッタ20を備えている。
カメラCPU2Aは、カメラ1の全体の制御を行う中央処理装置であり、本実施形態のブレ補正装置の一部を構成する。
撮像素子3は、撮影レンズ(4,5,6)により形成された被写体像を撮像する素子であり、被写体光を露光して電気的な画像信号に変換し、信号処理回路15へ出力する。撮像素子3は、例えばCCD、CMOSなどの素子により構成されている。
記録媒体13は、撮像された画像データを記録するための媒体であり、SDカード、CFカード等が使用される。
EEPROM14は、角速度センサ12のゲイン値などの調整値情報、レンズ鏡筒固有の情報等を記憶するメモリであって、CPU2に出力する。
信号処理回路15は、撮像素子3からの出力を受けて、ノイズ処理やA/D変換等の処理を行う回路である。
AFセンサ16は、AF(自動焦点調節)を行うためのセンサであって、CCD等を用いることができる。
レリーズスイッチ17は、カメラ1の撮影操作を行う部材であって、シャッタ駆動のタイミング等を操作するスイッチである。
背面液晶18は、カメラ1のカメラ筐体1Aの背面に設けられ、撮像素子3で撮影した被写体像(再生画像、ライブビュー画像)や操作に関連した情報(メニュー)などを表示するカラー液晶ディスプレイである。
シャッタ20は、ミラー19の後方に配置されている。シャッタ20には、ミラー19が上へ回転して撮影可能状態となったときに、被写体光が入射される。シャッタ20は、レリーズスイッチ17などによる撮影指示に応じてシャッタ幕を走行させ、撮像素子3に入射する被写体光を制御する。
レンズ鏡筒1Bは、ズームレンズ群4、フォーカスレンズ群5、ブレ補正レンズ群(光学素子)6、ズームレンズ群駆動機構7、フォーカスレンズ群駆動機構8、ブレ補正レンズ群駆動機構(光学素子駆動部)9、絞り10、絞り駆動機構11、角速度センサ12、及びレンズCPU2Bを備える。
レンズCPU2Bは、ズームレンズ群4、フォーカスレンズ群5、ブレ補正レンズ群6等のレンズ群の移動量演算を行う。ズームレンズ群駆動機構7、フォーカスレンズ群駆動機構8、ブレ補正レンズ群駆動機構9、及び絞り駆動機構11に移動量を指示してズームレンズ群4、フォーカスレンズ群5、ブレ補正レンズ群6を移動させる。
ズームレンズ群4は、ズームレンズ群駆動機構7により駆動され、光軸方向に沿って移動することにより、像の倍率を連続的に変化させるレンズ群である。
フォーカスレンズ群5は、フォーカスレンズ群駆動機構8により駆動され、光軸方向に移動して、焦点を合わせるレンズ群である。
ブレ補正レンズ群6(光学素子)は、VCM等のブレ補正レンズ群駆動機構9により光学的にブレ補正駆動され、光軸に垂直な面上で可動なレンズ群である。
絞り10は、絞り駆動機構11に駆動され、撮影レンズ(4,5,6)を通過する被写体光の光量を制御する機構である。
角速度センサ12は、それぞれセンサユニットに生じる振れの角速度を検出するセンサである。
図2は、本実施形態のブレ補正装置100のブロック図である。
ブレ補正装置100は、カメラCPU2A、レンズCPU2B、角速度センサ12、ブレ補正レンズ群駆動機構(レンズ駆動部)9、レンズ位置検出部21、及びブレ補正レンズ群6を備える。
カメラCPU2Aは、撮像素子3、信号処理部40及び動きベクトル演算部41を備える。
レンズCPU2Bは、増幅部31と、第1A/D変換部32、第2A/D変換部33、基準値演算部34、基準値補正量演算部35、積分部を内部に含む目標位置演算部36、センタバイアス演算部37、センタバイアス除去部38、駆動量演算部39を備える。
角速度センサ12は、レンズ鏡筒1BのX軸回り(Pitch)、Y軸回り(Yaw)、Z軸回り(Roll)の角速度を検出する振動ジャイロ等のセンサである。
増幅部31は、角速度センサ12の出力を増幅する。
第1A/D変換部32は、増幅部31の出力をA/D変換する。
基準値演算部34は、角速度センサ12から得られた振動検出信号(第1A/D変換部32の出力)の基準値を演算する。
そして、基準値演算部34において演算された基準値を、第1A/D変換部32の出力から減算部43において減算する。
目標位置演算部36は、減算部43において基準値が減算された後の角速度センサ12の出力を基に、ブレ補正レンズ群6の目標位置を演算する。
センタバイアス演算部37は、目標位置演算部36によって算出された像振れ補正レンズ6の目標位置に基づいて、像振れ補正レンズ6を、その可動範囲の中心に向かって移動させるための向心力をバイアス量として演算する。
そして、像振れ補正レンズ6の目標位置から、算出したバイアス量を減算することにより像振れ補正レンズ6の制御位置を算出する。
このようにセンタリングバイアス処理を行うことで、像振れ補正レンズ6がハードリミットに衝突することを有効に防止することができ、さらには、撮影画像の見栄えを向上させることができる。
駆動量演算部39は、目標位置演算部36からの目標位置と、レンズ位置検出部21により検出され、第2A/D変換部33によりA/D変換された値から求められたブレ補正レンズ群6の現在位置から、ブレ補正レンズ群駆動機構9の駆動量を演算する。
撮像素子3は、撮影光学系の予定焦点面に設けられている。撮像素子3はCCDやCMOSなどのデバイスから構成され、入力される被写体像を光電変換してアナログ画像信号を生成する。
信号処理部40は、撮像素子3により生成された画像信号について、所定の処理を行なう。
動きベクトル演算部41は、信号処理部40により処理された撮影された画像から、像の動き(動き方向、動き量)を示す動きベクトル(第1動きベクトル)を演算する。
具体的には、動きベクトル演算部41は、撮像素子3により撮像された連続する2つのフレーム画像データに含まれる輝度情報を比較することで、像の動き方向および動き量を検出し、第1動きベクトルを演算する。
センタバイアス除去部38は、動きベクトル演算部41の出力である第1動きベクトル(MV1)から、センタバイアス演算部37において演算された(像振れ補正レンズ6の目標位置から減算された)バイアス量を減算する。
基準値補正量演算部(基準値補正部)35は、センタバイアス除去部35においてセンタバイアス量が除去された第2動きベクトル(MV2)をもとに、基準値補正量を演算する。
そして、減算部(基準値補正部)42は、基準値演算部34の出力から、基準値補正量演算部35により求めた基準値補正量を減算する。
次に、本実施形態のブレ補正装置100の動作の流れについて説明する。
図3は、本実施形態のブレ補正装置100の動作の流れを示したフローチャートである。
カメラ1の電源がONにされた後、ブレ補正装置100は光学防振の為の演算を開始する。カメラによっては、半押しスイッチ45が押された場合、ブレ補正装置100が光学防振の為の演算を開始する(ステップS001)。
角速度センサ12の出力を、増幅部31で増幅した後、第1A/D変換部32によりA/D変換する(ステップS002)。
基準値演算部34は、角速度センサ12の出力のA/D変換後の信号を基に、演算上の角速度の基準値(ゼロdeg/s相当の値)を算出する。角速度の基準値は、温度特性や、起動直後のドリフト特性等により変化するため、例えば、工場出荷時における角速度センサ12の静止時出力を基準値に用いることはできない。
基準値を算出方法について、所定時間の移動平均を演算する方法や、LPF処理により演算する方法が知られている。本実施形態では、LPF処理による基準値演算を用いることとする。
図4は基準値演算部34を説明する図であり、図4(a)は、基準値演算部34(HPF)、図4(b)は基準値演算部34のLPF34aを示した図である。
LPF34のカットオフ周波数fcは、0.1[Hz]程度の低い周波数に設定するのが一般的である。これは、手ブレは1〜10[Hz程度の周波数が支配的であることに起因する。0.1[Hz]のfcであれば、手ブレ成分に与える影響は少なく、良好なブレ補正を行うことができる。
しかしながら、実際の撮影時には、構図の微調整(パンニング検出できないレベルの)等、低周波の動きが加わるため、ω0演算結果に誤差を持ってしまうこともある。また、fcが低い(時定数が大きい)為に、一端誤差が大きくなってしまった場合、真値に収束するまでに時間を要してしまうという課題がある。本実施形態は、このω0の誤差を補正するものである。
図3に戻り、第1動きベクトルMV1の情報が更新された場合(S004,YES)、S005へ進み、更新されていない場合(S004,NO)は、S006へ進む。なお、このS004〜S005の説明については後に詳述する。
また、露光中は第1動きベクトルMV1の情報が得られないため、このステップは、露光直前までの実施となる。
基準値減算後の角速度センサ12の出力を積算し、焦点距離、被写体距離、撮影倍率、ブレ補正レンズ特性情報を基に、ブレ補正レンズ群6の目標位置を演算する(S006)。
ブレ補正レンズ群6が可動端へ到達することを防ぐため、センタバイアス処理を行う(S007)。
センタバイアス処理の方法については、目標位置情報に応じてバイアス量を設定する方法や、HPF処理、不完全積分処理(S006にて)等、種々あるが、ここでは方法は問わない。
センタバイアス成分を加味した目標位置情報と、ブレ補正レンズ位置情報の差分から、レンズ駆動量を演算する(S008)。
ブレ補正レンズ群6を目標位置まで駆動させ(S009)、S002へ戻る。
次に、基準値補正(S004〜S005、S011〜S016)について説明する。図5は、基準値補正演算を示すフローチャートである。
上述のように、第1動きベクトルMV1の情報が更新された場合(S004)、S005へ進む。更新されていない場合は、S006へ進む。
光学ブレ補正の制御周期は、MV1の更新周期に対して十分早い為、MV1が更新されるまでは、通常の防振と同様の演算処理を行う。ここでは、光学ブレ補正の制御周期1[ms]、第1動きベクトルMV1の更新周期:33[ms](=30[fps])とする。第1動きベクトルMV1の演算方法については、公知技術を用いる。
受信した第1動きベクトルMV1を全て合計する(S011)。
S007にて演算したセンタバイアス成分を、第1動きベクトルMV1と同一スケールに換算する(S012)。
換算方法は、焦点距離、被写体距離、撮影倍率、第1動きベクトルMV1の分解能情報を基に演算する。
Bias_MV=Bias_θ*f1+β/MV_pitch

Bias_MV:センタバイアス成分(動きベクトル同一スケール)
Bias_θ:センタバイアス成分(角度)
f:焦点距離
β:撮影倍率
MV_pitch:MV1ピッチサイズ
また、第1動きベクトルMV1は検出するまでに遅れ時間が発生するため、センタバイアス成分も、第1動きベクトルMV1と同等の遅れ時間を持たせることが好ましい。例えば、30[fps]で、3フレーム分の遅れ時間を持っている場合、約100[ms]遅れることになる。このため、100[ms]前のバイアス情報を用いることで、より正確に第1動きベクトルMV1に含まれる、センタバイアス成分が演算できる。
S012で演算したセンタバイアス成分を第1動きベクトルMV1から減算する(S013)。これにより、基準値誤差による第2動きベクトルMV2の情報を取得することができる。
最新の第2動きベクトルMV2(n)と1フレーム前の第2動きベクトルMV2(n−1)の差分:MV_diffを取得(S014)。
MV_diffを基に、基準値を補正する量を設定する。基準値は、以下の考えにより、補正量を設定する(S015)。

MV_diff>0:ω0_comp=−ω0_comp_def
MV_diff<0:ω0_comp=+ω0_comp_def
MV_diff=0:ω0_comp=0

ω0_comp :基準値補正量
ω0_comp_def:基準値補正常数
S015にて演算したω0_compをS003にて演算した基準値から減算する(S016)。具体的には、図4(b)中の、V4’の値を補正する。
図6(a)は、図4(b)中の、V4’の値を補正した基準値を示したグラフである。図中点線は本実施形態による補正しなかった場合の基準値を示し、図中実線は、本実施形態により補正した場合の基準値を示す。
図6(b)は第2動きベクトルMV2の方向を示したグラフである。例えば、図6(b)の時刻t1のように、第2動きベクトルMV2がプラス方向の場合、(a)に示すように基準値はマイナスに補正する。
その後、時刻t3まで基準値は、基準値演算部34で演算される値に従い変化する。
時刻t3において、第2動きベクトルMV2がプラス方向に確認されると、また基準値をマイナスに補正する。本実施形態では、このときの補正量は時刻t1のときと一定とする。
その後も、第2動きベクトルMV2が確認される時刻と時刻の間、基準値は、基準値演算部34で演算される値に従い変化する。
また、第2動きベクトルMV2がプラス方向に確認されると、基準値を一定量マイナスに補正する。
また、図中の時刻t22やt25のように第2動きベクトルMV2がマイナス方向に確認されると、基準値を一定量プラスに補正する。
以上のように基準値を補正することにより、図6(a)に示すように、補正値は、真値に近い値をとることができる。
図7は本実施形態の基準値に対する補正を行った場合(実線)と、基準値に対する補正を行わなかった場合(点線)とを比較したグラフである。(a)は演算誤差を示し、(b)は像面ブレ量を示す。図示するように本実施形態によると、真値に対する演算誤差は小さくなる。そして、基準値に対する補正を行わなかった場合に比べ、基準値に対する補正を行った場合、像面ブレ量は低減する。
図8は露光中の像面ブレ量を比較したグラフである。図中、ブレ補正を行わなかった場合を破線で示し、本実施形態による補正を行った場合を一点差線で示す。なお、実線は、後述の第2実施形態である。
なお、第2動きベクトルMV2を用いて基準値を補正することは、露光準備期間(半押し防振中、動画撮影時)のみであり、露光中は通常の基準値演算を実施する。
図示するように、本実施形態によると、露光準備期間のみの基準値補正であるが、露光直前の基準値が、より真値に近い状態で露光を開始することが可能となるため、露光中においても、良好なブレ補正が可能となる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態の図5のS015において、基準値を補正する所定値を、基準値の演算時間に応じて変更する。その他の処理については、第1実施形態と同様であるのでその説明は省略する。
本実施形態において、ブレ補正開始直後は、図9に示すようにゲインを大きくして、補正量を大きくする。そして、ブレ補正演算開始から時間が経過するに従い、小さくし、一定時間経過した後は、補正量を一定量とする。これは、ω0は演算開始時において大きいからである。MV_diffを基に、基準値を補正する量を設定する。基準値は、以下の考えにより、補正量を設定する。
MV_diff>0:
ω0_comp=−ω0_comp_def*gain(t)
MV_diff<0:
ω0_comp=+ω0_comp_def*gain(t)

ω0_comp:基準値補正量
ω0_comp_def:基準値補正常数
gain(t):補正値ゲイン
基準値補正量を時間と共に可変とすることで、図8の実線で示すように、基準値の収束性を早めることが可能となる。
(第3実施形態)
図10は、本発明の第3実施形態のブレ補正装置200のブロック図である。第3実施形態は、図2に示す第1実施形態に、基準値補正の実施/非実施の判定部44を設け、切換えスイッチ45を設けたものである。
判定部44は、光学情報を基に、基準値補正の実施/非実施を判定する(図8)。具体的には、フォーカス非合焦時、及び、撮影倍率が所定値よりも大きい場合は、動きベクトルを用いた基準値補正を実施しない。
センタバイアス除去部38においては、距離エンコーダ情報から得られる被写体距離情報を基に、センタバイアス成分を動きベクトルと同一スケールに変換している。フォーカスが非合焦時では、正確な被写体距離情報が得られないため、センタバイアス成分の除去が正確に行えないという問題がある。
また、撮影倍率が所定値よりも大きい場合においては、平行ブレの影響が大きくなるため、検出される動きベクトル情報に、平行ブレ成分も含まれることになる。基準値誤差と平行ブレを切り分けることが困難な為、撮影倍率が大きい場合には、基準値補正を行えないという問題もある。
以上より、フォーカス非合焦時、及び、撮影倍率が所定値よりも大きい場合は、動きベクトルを用いた基準値補正を実施しない。
以上、本実施形態によると、以下の効果を有する。
(1)動きベクトル情報を用いて角速度センサの基準値を補正するにあたり、動きベクトル情報に含まれるセンタバイアス成分を除去する。
この際、レンズの焦点距離、被写体距離、動きベクトル検出時間遅れ、動きベクトル分解能等を考慮し、動きベクトルと同一スケールに換算することにより、センタバイアス成分を、より正確に除去できる。
この動きベクトル情報を用い、1フレーム前の値に対して、プラス側に変化していれば、ジャイロ基準値を所定値マイナス側にオフセットさせ、同様に、マイナス側に変化していれば、基準値を所定値プラスさせる。
この処理により、センタバイアス成分の影響を受けることなく基準値を補正することが可能となる。また、動きベクトルの精度が悪化した場合においても、基準値補正に与える悪影響は少ないため、従来の防振精度に対して悪化するという問題も低減される。
(変形形態)
以上、説明した実施形態に限定されることなく、以下に示すような種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の範囲内である。
例えば、第3実施形態と同様の考えにより、以下の条件において基準値補正を実施しないこととしてもよい。
(1)ブレ補正レンズが可動端(演算上のリミット値)を超えた場合
これは、動きベクトル情報に手ブレ成分が加わるため、基準値補正を行うことができない為である。
(2)動きベクトル情報に被写体ブレが含まれていると判定した場合
これは、基準値誤差と被写体ブレの切り分けができない為である。
(3)動きベクトル情報の信頼性が低いと判定された場合
なお、信頼性判定については、公知技術の為、説明は割愛する。
(4)構図変更判定中
(5)三脚判定中
なお、実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施形態によって限定されることはない。
1:カメラ、1A:カメラ筐体、1B:レンズ鏡筒、2A:カメラCPU、2B:レンズCPU、3:撮像素子、4:ズームレンズ群、5:フォーカスレンズ群、6:ブレ補正レンズ群、7:ズームレンズ群駆動機構、8:フォーカスレンズ群駆動機構、9:ブレ補正レンズ群駆動機構、12:角速度センサ、21:レンズ位置検出部、31:増幅部、32:第1A/D変換部、33:第2A/D変換部、34:基準値演算部、35:センタバイアス除去部、35:基準値補正量演算部、36:目標位置演算部、37:センタバイアス演算部、38:センタバイアス除去部、39:駆動量演算部、40:信号処理部、41:ベクトル演算部、42:基準値補正部、43:減算部、100,200:ブレ補正装置

Claims (12)

  1. 撮影光学系による被写体像のブレを補正するブレ補正装置において、
    振れを検出して信号を出力する検出部と、
    前記振れによる前記被写体像のブレを、前記撮影光学系の光軸と交差する方向に移動して補正する補正部と、
    前記検出部から出力された前記信号の基準値を演算する基準値演算部と、
    前記検出部から出力された前記信号と前記基準値とにより算出した前記補正部を移動させる位置を、前記補正部の移動範囲の内側に向かう方向に補正した目標位置を演算する目標位置演算部と、
    前記撮影光学系による被写体像を撮像して得られる複数の画像から算出した前記被写体像の動きと、前記目標位置とに基づいて、前記被写体像の動きを示す動きベクトルを算出する算出部と、
    前記動きベクトルを基に、前記基準値を補正する基準値補正部と、
    を備えるブレ補正装置。
  2. 請求項1に記載のブレ補正装置において、
    前記算出部は、前記目標位置の算出における、前記検出部から出力された前記信号と前記基準値とにより算出した前記補正部を移動させる位置を、前記補正部の移動範囲の内側に向かう方向に補正した量に基づいて、前記被写体像の動きを示す動きベクトルを算出するブレ補正装置。
  3. 請求項1または2に記載のブレ補正装置において、
    前記補正部を前記目標位置に移動させる駆動部と、
    前記算出部は、前記駆動部により前記補正部を移動させて前記被写体像を撮像した前記画像に基づいて前記動きベクトルを算出するブレ補正装置。
  4. 請求項3に記載のブレ補正装置において、
    前記算出部は、前記被写体像の動きを算出した前記画像を得る撮像を行った時刻に関する情報を用いて、前記動きベクトルを算出するブレ補正装置。
  5. 請求項4に記載のブレ補正装置において、
    前記算出部は、前記撮像を行った時刻における前記目標位置に基づいて前記動きベクトルを算出するブレ補正装置。
  6. 請求項5に記載のブレ補正装置において、
    前記算出部は、前記目標位置の算出において、前記検出部から出力された前記信号と前記基準値とにより算出した前記補正部を移動させる位置を、前記補正部の移動範囲の内側に向かう方向に補正した量に基づいて前記動きベクトルを算出するブレ補正装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載のブレ補正装置において、
    前記目標位置は、前記検出部から出力された前記信号と前記基準値とにより算出した前記補正部を移動させる位置に応じた量を前記補正部の移動範囲の内側に向かう方向に補正するブレ補正装置。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載のブレ補正装置において、
    前記基準値補正部は、前記動きベクトルの方向と、前記基準値の演算を開始してからの時間とに応じた補正量と、に基づいて前記基準値を補正するブレ補正装置。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載のブレ補正装置において、
    前記基準値補正部が補正する前記基準値の補正量は、前記基準値の演算を開始してからの時間が長いほど小さいブレ補正装置。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載のブレ補正装置において、
    前記基準値補正部は、前記基準値の演算を開始してからの時間が第1の時間であると前記基準値を第1の量で補正し、前記基準値の演算を開始してからの時間が第1の時間より長い第2の時間であると前記基準値を第1の量より小さい第2の量で補正し、前記基準値の演算を開始してからの時間が第2の時間より長い第3の時間であると前記基準値を第2の量で補正する補正装置。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載のブレ補正装置において、
    前記補正部は、前記撮影光学系の一部であるブレ補正装置。
  12. 請求項1から11のいずれか1項に記載のブレ補正装置を有する撮像装置。
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