JP2019086711A - 光デバイス、光トランシーバ、及び光デバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板と光素子との接続信頼性を高めることが可能な光デバイス、光トランシーバ、及び光デバイスの製造方法を提供すること。【解決手段】表面41aよりも低い位置に実装面41bを有すると共に、表面41aと実装面41bとを繋ぐ側面41cを有する基板41と、実装面41bに端子50を介して実装された光素子20と、表面41aの上に形成された導波路43aと、光素子20と導波路43aとの間に充填され、導波路43aを通る光に対して透明な透明樹脂55と、実装面41bと光素子20との間に充填され、透明樹脂55よりも弾性率が小さい充填樹脂53と、端子50と側面41cとの間の実装面41bに立設された凸部41xと、凸部41xと側面41cとの間に設けられ、充填樹脂53との濡れ性が、実装面41bに対する充填樹脂53の濡れ性よりも低い部材52とを有する光デバイスによる。【選択図】図9
Description
本発明は、光デバイス、光トランシーバ、及び光デバイスの製造方法に関する。
変調器や受光素子等の光素子を基板上に集積する技術としてシリコンフォトニクスがある。そのシリコンフォトニクスにおいては、シリコンの微細加工技術を利用して微細なシリコン導波路を基板に形成すると共に、その導波路に光学的に結合するように光素子を基板に実装する。
これにより、発光効率が低い間接遷移型のシリコンよりも発光効率が高い利得媒質を備えた光素子を用いることができるため、光デバイスにおける発光効率や受光効率を高めることができる。
しかしながら、シリコンフォトニクスにおいては、基板と光素子との接続信頼性を高めるという点で改善の余地がある。
本発明は、基板と光素子との接続信頼性を高めることが可能な光デバイス、光トランシーバ、及び光デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
1つの態様では、光デバイスは、表面よりも低い位置に実装面を有すると共に、前記表面と前記実装面とを繋ぐ側面を有する基板と、前記側面から間隔をおいた部分の前記実装面に端子を介して実装された光素子と、前記表面の上に形成され、かつ先端が前記光素子を向いた導波路と、前記光素子と前記導波路の前記先端との間に充填され、前記導波路を通る光に対して透明であり、前記光素子と前記導波路とを光学的に結合する透明樹脂と、前記実装面と前記光素子との間に充填され、前記透明樹脂よりも弾性率が低い充填樹脂と、前記端子と前記側面との間の前記実装面に立設された凸部と、前記凸部と前記側面との間に設けられ、前記充填樹脂との濡れ性が、前記実装面に対する前記充填樹脂の濡れ性よりも低い部材とを有する。
1つの側面として、光素子と実装面との間に充填する充填樹脂の弾性率が透明樹脂のそれよりも低いため、充填樹脂が熱膨張した際に充填樹脂から光素子に作用する応力が軽減され、その応力で端子が破断するのを抑制することができる。
しかも、その充填樹脂は、凸部と側面との間に設けられた部材に対して濡れ性が低いため、光素子と導波路との間を避けて充填樹脂を光素子の下に選択的に充填することもできる。
本実施形態の説明に先立ち、本願発明者が調査した事項について説明する。
図1は、その調査に使用した光デバイスの上面図である。
図1に示すように、この光デバイス1は、シリコン基板2とその上に実装された光素子3とを有する。
このうち、シリコン基板2の上には、光素子3に向かって延びる線状のシリコン導波路4が形成される。また、光素子3は、例えばSOA(Semiconductor Optical Amplifier)であって、シリコン導波路4と光学的に結合した活性層5を有する。
図2は、シリコン導波路4に沿った光デバイス1の断面図である。
図2に示すように、シリコン基板2の上には二酸化シリコン層6とシリコン導波路4とがこの順に形成されており、これらによってSOI(Silicon On Insulator)基板10が形成される。そのSOI基板10における二酸化シリコン層6はBOX(Buried Oxide)とも呼ばれ、シリコン導波路4の下部クラッド層として機能する。
そして、シリコン導波路4の上には、上部クラッド層として機能する二酸化シリコン層9がTEOS(Tetraethyl Ortho Silicate)ガスを使用するCVD(Chemical Vapor Deposition)法により形成される。
また、光素子3が実装される部分のシリコン基板2からは上記の二酸化シリコン層6、9が除去されており、光素子3に相対する側面12がこれらの二酸化シリコン層6、9に形成される。
光素子3は、シリコン基板2に形成された不図示の電極と端子11とを介して電気的に接続され、活性層5がシリコン導波路4と同じ高さになるようにシリコン基板2の上に実装される。なお、端子11としては、例えばAuSnはんだが使用される。
更に、光素子3とシリコン導波路4との間には透明樹脂13が充填される。その透明樹脂13の屈折率は空気のそれよりも高いため、二酸化シリコン層6、9と空気との屈折率差によって導波路4を伝搬する光が側面12で反射するのを防止できる。このような透明樹脂13としては、例えばエポキシ樹脂がある。
透明樹脂13は未硬化の液体の状態で光素子3と側面12との間に充填されるため、充填時には透明樹脂13が側面12を伝って光素子3の下側に周り込み、シリコン基板2と光素子3との間にも透明樹脂13が充填されることになる。そして、このように充填した後に、透明樹脂13を加熱して熱硬化させる。
その光デバイス1に対しては、試作段階で様々な試験が行われる。その試験の一つに熱サイクル試験がある。熱サイクル試験では、低温下や高温下で端子11の信頼性が評価される。
本願発明者の調査によれば、その熱サイクル試験によって光素子3とシリコン基板2との間の透明樹脂13が熱膨張し、これにより光素子3をシリコン基板2から剥がす方向の応力が発生して、端子11が破断することが明らかとなった。
特に、透明樹脂13として使用するエポキシ樹脂は弾性率が高いため、熱膨張時に透明樹脂13から光素子3に作用する応力が大きくなり、端子11が破断する可能性が高くなる。
このように端子11が破断すると、端子11を介してシリコン基板2と光素子3とを電気的に接続することができなくなり、シリコン基板2と光素子3との接続信頼性が低下してしまう。
以下に、基板と光素子との接続信頼性を高めることが可能な各実施形態について説明する。
(第1実施形態)
本実施形態に係る光デバイスについて、その製造工程を追いながら説明する。
本実施形態に係る光デバイスについて、その製造工程を追いながら説明する。
図3は、その光デバイスで使用する光素子20の断面図である。
この光素子20は、SOAであって、n型のInP基板21とその上に形成された下部クラッド層22とを有する。下部クラッド層22は、例えば厚さが2μm程度のn型のInP層であって、上面視でストライプ状のメサ部22aを有する。
そのメサ部22aの頂部には、活性層23、上部クラッド層24、及びコンタクト層25がこの順に形成される。
活性層23の構造は特に限定されないが、この例では厚さが0.2μm程度のGaInAsP系の多重量子井戸構造の活性層23を採用する。また、上部クラッド層24は厚さが1.5μm程度のp型のInP層であり、コンタクト層25は厚さが0.3μm程度のp型のInGaAsP層である。
また、メサ部22aの両側は電流狭窄層26で埋め込まれる。電流狭窄層26の材料は特に限定されないが、この例では電流狭窄層26として半絶縁性のInP層を形成する。
そして、その電流狭窄層26の上にはパッシベーション層27として窒化シリコン層が0.5μm程度の厚さに形成される。メサ部22aの上方のパッシベーション層27には開口27aが形成されており、開口27a内とその周囲のパッシベーション層27の上にはp側電極30が形成される。そのp側電極30として、この例では厚さが0.1μm程度のTiW層と厚さが2.1μm程度のAu層とをこの順に積層する。
一方、InP基板21の裏面は、光素子20の全体の厚さが150μm程度となるように研磨されており、当該裏面にはn側電極31としてAuGe層とAu層とがこの順に形成される。
このような光素子20によれば、間接遷移型のシリコンよりも発光効率が高いGaInAsP系の多重量子井戸構造を活性層23に採用しているため、活性層23内の光を効率的に増幅することができる。
次に、この光素子20を備えた本実施形態に係る光デバイスについて説明する。
図4〜図9は、本実施形態に係る光デバイスの製造途中の断面図であり、図10〜図15はその平面図である。
まず、図4(a)及び図10(a)に示すように、シリコン基板41の表面41aの上に二酸化シリコン層42とシリコン層43とがこの順に形成されたSOI基板40を用意する。そのSOI基板40における二酸化シリコン層42は厚さが3μm程度のBOX層である。また、シリコン層43は、後で導波路となる部位であり、例えば220nm程度の厚さを有する。
次に、図4(b)及び図10(b)に示す工程について説明する。
まず、シリコン層43の上に不図示のハードマスクとして平面視でストライプ状の二酸化シリコン層を形成する。そして、その二酸化シリコン層をマスクにしてシリコン層43をドライエッチングすることにより、エッチングされずに残存するシリコン層43をストライプ状のシリコン導波路43aとする。そのドライエッチングで使用するエッチングガスは特に限定されないが、例えばHBrガスをそのエッチングガスとして使用し得る。
その後に、TEOSガスを使用するCVD法により、二酸化シリコン層42とシリコン導波路43aの各々の上に二酸化シリコン層44を1.5μm程度の厚さに形成する。
ここまでの工程により、クラッド層として機能する各二酸化シリコン層42、44によってシリコン導波路43aが囲まれた構造が完成する。
なお、前述の図4(b)は、シリコン導波路43aの延在方向に沿って図10(b)を切断した断面図である。これについては後述の図5(a)〜図9(b)においても同様である。
続いて、図5(a)及び図11(a)に示すように、二酸化シリコン層44の上にフォトレジストを塗布し、それを露光、現像して第1のレジスト層45とする。
その第1のレジスト層45は、後で光素子20(図3参照)が実装される実装領域Rには形成されず、実装領域Rを除いた二酸化シリコン層44の上のみに形成される。
そして、第1のレジスト層45をマスクにして各二酸化シリコン層42、44をドライエッチングすることにより、実装領域Rにおけるこれらの二酸化シリコン層42、44を除去し、実装領域Rにおけるシリコン基板41の表面41aを露出させる。
そのドライエッチングにおけるエッチングガスとしては、例えばCF4ガスがある。
その後に、図5(b)及び図11(b)に示すように、第1のレジスト層45を除去する。
次に、図6(a)及び図12(a)に示すように、シリコン基板41の上側全面に再びフォトレジストを塗布し、それを露光、現像することにより第2のレジスト層46を形成する。第2のレジスト層46は、二酸化シリコン層44を覆うように形成され、かつ、実装領域Rにおいてはストライプ状の平面形状を有する。
そして、エッチングガスとしてHBrガスを使用しながら、第2のレジスト層46で覆われていない部分のシリコン基板41を4.5μm程度の深さまでエッチングし、シリコン導波路43aの先のシリコン基板41に実装面41bを形成する。その実装面41bは、表面41aよりも低い位置に形成され、かつシリコン基板41の側面41cによって表面41aに繋げられる。
更に、第2のレジスト層46で覆われた部分のシリコン基板41はエッチングされずに凸部41xとして残存する。
その後に、図6(b)及び図12(b)に示すように、第2のレジスト層46を除去する。
図12(b)に示すように、凸部41xは、上面視において側面41cと平行なストライプ状となる。
次いで、図7(a)及び図13(a)に示すように、実装面41bの上にスパッタ法で金属層を形成し、更にリフトオフ法でその金属層をパターニングすることにより、側面41cと凸部41xの各々から間隔をおいた部分の実装面41bに電極48を形成する。その金属層として、例えば厚さが0.1μmのTi層、厚さが0.2μmのPt層、及び厚さが0.5μmのAu層をこの順に形成する。このうち、Ti層は、シリコン基板41と電極48との密着性を高める役割を担う。また、Pt層は、Au層や後で電極48の上に形成されるはんだがシリコン基板41に拡散するのを防止する拡散防止層として機能する。
続いて、図7(b)及び図13(b)に示すように、不図示のめっきレジストを使用して電極48の上にめっき法でAuSnはんだ層を1μm〜5μm程度の厚さに形成し、そのAuSnはんだ層を端子50とする。
次に、図8(a)及び図14(a)に示すように、光素子20のp側電極30を端子50に押し当てつつ、280℃程度の温度に端子50を加熱して溶融させることにより、端子50を介して実装面41bに光素子20を実装する。本工程は不図示のフリップチップボンダを用いて行われ、そのフリップチップボンダから光素子20に印加する圧力を調節することで、光素子20の活性層23をシリコン導波路43aと同じ高さにする。
また、図14(a)に示すように、上面視したときにシリコン導波路43aの先端43xは光素子20を向く。
次いで、図8(b)及び図14(b)に示すように、実装面41bに立設された凸部41xと側面41cとの間に、樹脂に対する濡れ性が低い部材52を収容する。
部材52の材料や形態は特に限定されない。本実施形態では、取扱いが容易な樹脂片を部材52として用いると共に、その部材52の材料として樹脂に対する濡れ性が低く樹脂を弾きやすいポリテトラフルオロエチレンや旭硝子株式会社製のサイトップ(登録商標)等のフッ素系樹脂を採用する。
また、この例では、図14(b)に示すように、凸部41xの延在方向Dに沿って部材52をスライドさせることにより、凸部41xと側面41cとの間に部材52を嵌め込む。
このとき、本実施形態では凸部41xを側面41cに平行なストライプ状としたため、凸部41xが部材52を案内するガイドとなり、凸部41xと側面41cとの間に部材52を嵌め込むのが容易となる。
次に、図9(a)及び図15(a)に示すように、光素子20と実装面41bとの間の空間を未硬化の液状の充填樹脂53で充填する。
充填樹脂53の材料は特に限定されないが、この例ではアクリル樹脂やシリコン樹脂を充填樹脂53として使用する。これらの樹脂は、部材52に対する濡れ性が、実装面41bに対する濡れ性より低い。そのため、部材52を避けて光素子20の下に選択的に充填樹脂53を供給することができ、光素子20とシリコン導波路43aとの間の空間Sが充填樹脂53で塞がれるのを防止できる。
しかも、凸部41xによって充填樹脂53と部材52とが互いに隔てられるため、濡れ性が低い部材52によって充填樹脂53の内部に空洞が発生するのが防止でき、光素子20と実装面41bとの間に充填樹脂53を隙間なく充填できる。
なお、本実施形態では、表面に対する樹脂の濡れ性を、その表面における樹脂の接触角の大小で定義する。この場合、部材52の表面における充填樹脂53の接触角は、実装面41bにおける充填樹脂53の接触角よりも小さいということになる。
この後に、充填樹脂53を70℃〜150℃程度の温度に加熱して熱硬化させる。
熱硬化後の充填樹脂53の弾性率は、その材料にもよるが、シリコン樹脂の場合には1MPa程度と低い。よって、本工程の後に熱サイクル試験を行っても、充填樹脂53の熱膨張に起因して充填樹脂53から光素子20に作用する応力は小さく、光素子20が下から持ち上げられて端子50が破断する可能性を低減できる。
また、この例では、図15(a)に示すように、上面視したときの部材52と凸部41xの各々の幅W1を光素子20の幅W2以上とする。
これにより、側面41cと光素子20との間の隙間に充填樹脂53が周り込もうとするのを凸部41xで防止することができ、シリコン導波路43aの先端43xと光素子20との間の空間が充填樹脂52で埋められてしまうのを防ぐことができる。
次いで、図9(b)及び図15(b)に示すように、シリコン導波路43aの先端43xと光素子20との間に透明樹脂55を充填し、その透明樹脂55でシリコン導波路43aと光素子20とを光学的に結合させる。このとき、実装面41bと光素子20との間の空間には既に充填樹脂53が充填されているため、当該空間が透明樹脂55で充填されることはない。
その後に、透明樹脂55を70℃〜150℃程度の温度に加熱して熱硬化させる。
透明樹脂55は、シリコン導波路43aを通る光に対して透明な樹脂であって、例えばエポキシ樹脂を透明樹脂55として使用し得る。この場合、熱硬化後の透明樹脂55の弾性率は700MPa程度であり、充填樹脂53の弾性率(1MPa程度)よりも高い。
このように弾性率が高くても、前述のように実装面41bと光素子20との間には透明樹脂55は充填されないため、光素子20を下から持ち上げる応力は透明樹脂55から光素子20に作用せず、端子50の接続信頼性は維持される。
更に、空気よりも屈折率が高い透明樹脂55を使用することで、透明樹脂55がない場合と比較して二酸化シリコン層44の側面44aでの光の反射が抑制され、シリコン導波路43aと活性層23とを光学的に良好に結合させることができる。
以上により、本実施形態に係る光デバイス60の基本構造が完成する。
その光デバイス60によれば、充填樹脂53の弾性率が透明樹脂55のそれよりも低いため、熱サイクル試験等の際に充填樹脂53が熱膨張しても、充填樹脂53から光素子20に作用する応力を低減でき、端子50が破断するのを抑制できる。
しかも、充填樹脂53の部材52に対する濡れ性は、充填樹脂53の実装面41bに対する濡れ性よりも低い。そのため、図9(b)の工程で充填樹脂53を充填するときに、濡れ性が低い部材52を避けて実装面41bに充填樹脂53が濡れ広がるようになり、光素子20の下のみに選択的に充填樹脂53を充填できる。
更に、充填樹脂53の充填の後に透明樹脂55の充填を行うため、実装面41bと光素子20との間に透明樹脂55が充填される余地がなくなり、実装面41bから光素子20を引き剥がす方向の応力が弾性率の高い充填樹脂53によって生じない。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態で説明した光素子20を備えた光トランシーバについて説明する。
本実施形態では、第1実施形態で説明した光素子20を備えた光トランシーバについて説明する。
図16は、その光トランシーバで使用される波長可変光源の上面図である。
なお、図16において、第1実施形態で説明したのと同じ要素には第1実施形態におけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
図16に示すように、この可変波長光源70は、シリコン基板41と、その実装面41bに実装された光素子20、71とを備える。
光素子71は、第1実施形態で説明した光素子20(図3参照)と同じ断面構造を有しており、その端面71aには導波路23内の光を反射するための高反射膜72が形成される。また、各光素子20、71と実装面41bとの間の空間には、シリコン樹脂やアクリル樹脂等の充填樹脂53が充填される。
更に、シリコン基板41の側面41cに相対するように凸部41xが形成され、その凸部41xと側面41cとの間にはポリテトラフルオロエチレン等の部材52が収容される。
そして、各光素子20、71と側面41cとの間には、光学的に透明なエポキシ樹脂が透明樹脂55として充填される。
一方、実装面41bの横のシリコン基板41の上には、第1実施形態で説明したシリコン導波路43aの他に、シリコン導波路43aと同じ工程で形成されたシリコン導波路43b、43cも設けられる。
このうち、シリコン導波路43aは光素子20と光学的に結合され、シリコン導波路43cは光素子71と光学的に結合される。
また、各シリコン導波路43a、43cの各々には、バーニア型の可変波長フィルタ79が光学的に結合される。可変波長フィルタ79は、リング直径が僅かに異なるリング導波路43d、43eとこれらに光学的に結合したシリコン導波路43bとを備えており、各リング導波路43d、43eの共振波長に等しい波長の光のみを透過する。また、各リング導波路43d、43eの共振波長を変えるために、これらの各リング導波路43d、43eの各々の上にはヒータ73、74が設けられる。
更に、シリコン導波路43aの途中には、部分反射ミラー75と位相調整用ヒータ76が設けられる。
部分反射ミラー75は、シリコン導波路43aを伝搬する光の一部を反射するループミラーである。また、位相調整用ヒータ76は、シリコン導波路43aを加熱してその等価屈折率を制御する。
このような可変波長光源70においては、光素子71の端面71aと部分反射ミラー75との間の光路にファブリ・ペロー共振器が形成され、光素子71の活性層23がレーザの利得媒質となる。そして、可変波長フィルタ79を透過する光のうち、ファブリ・ペロー共振器の共振モードと一致する波長でレーザ発振が起きる。なお、その共振モードの波長は、位相調整用ヒータ76により制御することができる。
そして、レーザ発振により光素子71で発生した送信光Soutが光素子20で更に増幅され、光素子20の端面20aから外部に送信光Soutが出力される。なお、端面20aにおける送信光Soutの反射を防止するために、端面20aには反射防止膜77が形成される。
図17は、この可変波長光源70を備えた光トランシーバ80の構成図である。
図17に示すように、光トランシーバ80は、可変波長光源70、変調部81、及び受光部82を有する。
このうち、変調部81は、可変波長光源70から出力された送信光Soutを電気信号S1に基づいて変調する偏波多重4値位相変調(DP-QPSK)方式の変調器である。
一方、受光部82は、外部から受信した受光光Sinを電気信号S2に変換するコヒーレントレシーバである。
以上説明した本実施形態によれば、図16に示したように、透明樹脂55よりも弾性率が低い充填樹脂53を各光素子20、71の下に充填する。これにより、第1実施形態で説明したように、熱サイクル試験等の際に充填樹脂53が熱膨張しても、その充填樹脂53から各光素子20、71に作用する応力が弱くなる。そのため、基板41から各光素子30、71が剥離し難くなり、光トランシーバ80の信頼性を高めることが可能となる。
以上説明した各実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 表面よりも低い位置に実装面を有すると共に、前記表面と前記実装面とを繋ぐ側面を有する基板と、
前記側面から間隔をおいた部分の前記実装面に端子を介して実装された光素子と、
前記表面の上に形成され、かつ先端が前記光素子を向いた導波路と、
前記光素子と前記導波路の前記先端との間に充填され、前記導波路を通る光に対して透明であり、前記光素子と前記導波路とを光学的に結合する透明樹脂と、
前記実装面と前記光素子との間に充填され、前記透明樹脂よりも弾性率が低い充填樹脂と、
前記端子と前記側面との間の前記実装面に立設された凸部と、
前記凸部と前記側面との間に設けられ、前記充填樹脂との濡れ性が、前記実装面に対する前記充填樹脂の濡れ性よりも低い部材と、
を有する光デバイス。
前記側面から間隔をおいた部分の前記実装面に端子を介して実装された光素子と、
前記表面の上に形成され、かつ先端が前記光素子を向いた導波路と、
前記光素子と前記導波路の前記先端との間に充填され、前記導波路を通る光に対して透明であり、前記光素子と前記導波路とを光学的に結合する透明樹脂と、
前記実装面と前記光素子との間に充填され、前記透明樹脂よりも弾性率が低い充填樹脂と、
前記端子と前記側面との間の前記実装面に立設された凸部と、
前記凸部と前記側面との間に設けられ、前記充填樹脂との濡れ性が、前記実装面に対する前記充填樹脂の濡れ性よりも低い部材と、
を有する光デバイス。
(付記2) 上面視したときの前記凸部の幅が、前記光素子の幅以上であることを特徴とする付記1に記載の光デバイス。
(付記3) 前記部材は、前記凸部と前記側面との間に収容された樹脂片であることを特徴とする付記1に記載の光デバイス。
(付記4) 平面視したときに、前記凸部は、前記側面に平行なストライプ状であることを特徴とする付記1に記載の光デバイス。
(付記5) 前記部材の材料はフッ素系樹脂であることを特徴とする付記1に記載の光デバイス。
(付記6) 基板の表面に導波路を形成する工程と、
前記導波路の先の前記基板に、前記表面よりも位置が低い実装面と、前記実装面と前記表面とを繋ぐ側面とを形成する工程と、
前記側面寄りの前記実装面に凸部を立設する工程と、
前記側面と前記凸部の各々から間隔をおいた部分の前記実装面に端子を形成する工程と、
前記端子を介して前記実装面に光素子を実装する工程と、
前記側面と前記凸部との間に部材を設ける工程と、
前記実装面と前記光素子との間に、前記部材に対する濡れ性が前記実装面に対する濡れ性よりも低い充填樹脂を充填する工程と、
前記充填樹脂を充填する工程の後に、前記導波路を通る光に対して透明な透明樹脂であって、前記充填樹脂の弾性率が前記透明樹脂の弾性率よりも低くなるような樹脂を前記光素子と前記導波路の先端との間に充填し、前記光素子と前記導波路とを前記透明樹脂で光学的に結合させる工程と、
を有する光デバイスの製造方法。
前記導波路の先の前記基板に、前記表面よりも位置が低い実装面と、前記実装面と前記表面とを繋ぐ側面とを形成する工程と、
前記側面寄りの前記実装面に凸部を立設する工程と、
前記側面と前記凸部の各々から間隔をおいた部分の前記実装面に端子を形成する工程と、
前記端子を介して前記実装面に光素子を実装する工程と、
前記側面と前記凸部との間に部材を設ける工程と、
前記実装面と前記光素子との間に、前記部材に対する濡れ性が前記実装面に対する濡れ性よりも低い充填樹脂を充填する工程と、
前記充填樹脂を充填する工程の後に、前記導波路を通る光に対して透明な透明樹脂であって、前記充填樹脂の弾性率が前記透明樹脂の弾性率よりも低くなるような樹脂を前記光素子と前記導波路の先端との間に充填し、前記光素子と前記導波路とを前記透明樹脂で光学的に結合させる工程と、
を有する光デバイスの製造方法。
(付記7) 上面視したときの前記凸部の幅が、前記光素子の幅以上であることを特徴とする付記6に記載の光デバイスの製造方法。
(付記8) 前記部材を設ける工程において、前記凸部と前記側面との間に前記部材として樹脂片を収容することを特徴とする付記6に記載の光デバイスの製造方法。
(付記9) 送信光を生成する光デバイスと、
受信光を受信する受信部とを備え、
前記光デバイスは、
表面よりも低い位置に実装面を有すると共に、前記表面と前記実装面とを繋ぐ側面を有する基板と、
前記側面から間隔をおいた部分の前記実装面に端子を介して実装され、前記送信光を生成する光素子と、
前記表面の上に形成され、かつ先端が前記光素子を向いた導波路と、
前記光素子と前記導波路の前記先端との間に充填され、前記送信光に対して透明であり、前記光素子と前記導波路とを光学的に結合する透明樹脂と、
前記実装面と前記光素子との間に充填され、前記透明樹脂よりも弾性率が低い充填樹脂と、
前記端子と前記側面との間の前記実装面に立設された凸部と、
前記凸部と前記側面との間に設けられ、前記充填樹脂との濡れ性が、前記実装面に対する前記充填樹脂の濡れ性よりも低い部材と、
を有する光トランシーバ。
受信光を受信する受信部とを備え、
前記光デバイスは、
表面よりも低い位置に実装面を有すると共に、前記表面と前記実装面とを繋ぐ側面を有する基板と、
前記側面から間隔をおいた部分の前記実装面に端子を介して実装され、前記送信光を生成する光素子と、
前記表面の上に形成され、かつ先端が前記光素子を向いた導波路と、
前記光素子と前記導波路の前記先端との間に充填され、前記送信光に対して透明であり、前記光素子と前記導波路とを光学的に結合する透明樹脂と、
前記実装面と前記光素子との間に充填され、前記透明樹脂よりも弾性率が低い充填樹脂と、
前記端子と前記側面との間の前記実装面に立設された凸部と、
前記凸部と前記側面との間に設けられ、前記充填樹脂との濡れ性が、前記実装面に対する前記充填樹脂の濡れ性よりも低い部材と、
を有する光トランシーバ。
1…光デバイス、2…シリコン基板、3…光素子、4…シリコン導波路、5…活性層、6、9…二酸化シリコン層、10…SOI基板、11…端子、12…側面、13…透明樹脂、20…光素子、20a…端面、21…InP基板、22…下部クラッド層、22a…メサ部、23…活性層、24…上部クラッド層、25…コンタクト層、26…電流狭窄層、27…パッシベーション層、27a…開口、30…p側電極、40…SOI基板、41…シリコン基板、41a…表面、41b…実装面、41c…側面、41x…凸部、42…二酸化シリコン層、43…シリコン層、43a〜43c…シリコン導波路、43d、43e…リング導波路、44…二酸化シリコン層、45…第1のレジスト層、46…第2のレジスト層、48…電極、50…端子、52…部材、53…充填樹脂、55…透明樹脂、60…光デバイス、70…可変波長光源、71…光素子、71a…端面、72…高反射膜、73、74…ヒータ、75…部分反射ミラー、76…位相調整用ヒータ、77…反射防止膜、79…可変波長フィルタ、80…光トランシーバ、81…変調部、82…受光部。
Claims (5)
- 表面よりも低い位置に実装面を有すると共に、前記表面と前記実装面とを繋ぐ側面を有する基板と、
前記側面から間隔をおいた部分の前記実装面に端子を介して実装された光素子と、
前記表面の上に形成され、かつ先端が前記光素子を向いた導波路と、
前記光素子と前記導波路の前記先端との間に充填され、前記導波路を通る光に対して透明であり、前記光素子と前記導波路とを光学的に結合する透明樹脂と、
前記実装面と前記光素子との間に充填され、前記透明樹脂よりも弾性率が低い充填樹脂と、
前記端子と前記側面との間の前記実装面に立設された凸部と、
前記凸部と前記側面との間に設けられ、前記充填樹脂との濡れ性が、前記実装面に対する前記充填樹脂の濡れ性よりも低い部材と、
を有する光デバイス。 - 上面視したときの前記凸部の幅が、前記光素子の幅以上であることを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
- 前記部材は、前記凸部と前記側面との間に収容された樹脂片であることを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
- 基板の表面に導波路を形成する工程と、
前記導波路の先の前記基板に、前記表面よりも位置が低い実装面と、前記実装面と前記表面とを繋ぐ側面とを形成する工程と、
前記側面寄りの前記実装面に凸部を立設する工程と、
前記側面と前記凸部の各々から間隔をおいた部分の前記実装面に端子を形成する工程と、
前記端子を介して前記実装面に光素子を実装する工程と、
前記側面と前記凸部との間に部材を設ける工程と、
前記実装面と前記光素子との間に、前記部材に対する濡れ性が前記実装面に対する濡れ性よりも低い充填樹脂を充填する工程と、
前記充填樹脂を充填する工程の後に、前記導波路を通る光に対して透明な透明樹脂であって、前記充填樹脂の弾性率が前記透明樹脂の弾性率よりも低くなるような樹脂を前記光素子と前記導波路の先端との間に充填し、前記光素子と前記導波路とを前記透明樹脂で光学的に結合させる工程と、
を有する光デバイスの製造方法。 - 送信光を生成する光デバイスと、
受信光を受信する受信部とを備え、
前記光デバイスは、
表面よりも低い位置に実装面を有すると共に、前記表面と前記実装面とを繋ぐ側面を有する基板と、
前記側面から間隔をおいた部分の前記実装面に端子を介して実装され、前記送信光を生成する光素子と、
前記表面の上に形成され、かつ先端が前記光素子を向いた導波路と、
前記光素子と前記導波路の前記先端との間に充填され、前記送信光に対して透明であり、前記光素子と前記導波路とを光学的に結合する透明樹脂と、
前記実装面と前記光素子との間に充填され、前記透明樹脂よりも弾性率が低い充填樹脂と、
前記端子と前記側面との間の前記実装面に立設された凸部と、
前記凸部と前記側面との間に設けられ、前記充填樹脂との濡れ性が、前記実装面に対する前記充填樹脂の濡れ性よりも低い部材と、
を有する光トランシーバ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017216267A JP2019086711A (ja) | 2017-11-09 | 2017-11-09 | 光デバイス、光トランシーバ、及び光デバイスの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017216267A JP2019086711A (ja) | 2017-11-09 | 2017-11-09 | 光デバイス、光トランシーバ、及び光デバイスの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019086711A true JP2019086711A (ja) | 2019-06-06 |
Family
ID=66762977
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017216267A Pending JP2019086711A (ja) | 2017-11-09 | 2017-11-09 | 光デバイス、光トランシーバ、及び光デバイスの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019086711A (ja) |
-
2017
- 2017-11-09 JP JP2017216267A patent/JP2019086711A/ja active Pending
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