JP2019086635A - 撮像装置及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 補助光を活用した焦点検出を行う際に、不要な補助光の発光を抑制しながら、高速且つ高精度に焦点検出を行えるようにすること。【解決手段】 フォーカスレンズを含む撮影光学系の互いに異なる瞳領域を通過した光束に基づいて、視差を有する一対の信号を含む画像信号を出力することが可能な撮像素子と、一対の信号の位相差に基づいて、デフォーカス量を検出する焦点検出手段と、焦点検出手段が検出可能なデフォーカス量の範囲を概算し、当該範囲に基づいてフォーカスレンズの初期位置を設定する設定手段と、閃光を発光する第1の発光手段の発光のタイミングを制御する制御手段と、第1の発光手段を発光させるか否かを判定する判定手段と、を有し、制御手段は、第1の発光手段を発光させる場合に、フォーカスレンズが初期位置へ駆動された後に、撮像素子の露光のタイミングに同期して前記第1の発光手段を発光させる。【選択図】 図8
Description
本発明は、焦点検出画素を含む撮像素子を備えた撮像装置及びその制御方法に関する。
撮影レンズの焦点状態を検出する方式の一つとして、各画素にマイクロレンズが形成された2次元の撮像素子を用いて瞳分割方式の焦点検出を行う装置が特許文献1に開示されている。この装置では、撮像素子を構成する各画素の光電変換部(PD)が複数に分割されており、分割されたPDがマイクロレンズを介して撮影レンズの瞳の異なる領域を通過した光束を受光するように構成されている。この撮影レンズの瞳の異なる領域を通過した光束を受光したPDの一対の出力信号に対して、ずれ量である位相差を算出するための相関演算を行い、その位相差からデフォーカス量を算出することができる。
また、特許文献2においては、同様に瞳分割方式の焦点検出ではあるが、2次結像光学系を有する焦点検出方法が開示されている。さらに、焦点検出が困難な場合に、焦点検出を補助する補助光を発光する方法が開示されている。
特許文献1の焦点検出方式は、特許文献2の2次結像光学系を有する焦点検出方法に対して、瞳分離性能が低く、基線長を長くとりにくい。そのため、検出可能なデフォーカス量が小さいという性質がある。
一方で、特許文献1の焦点検出方式でも、特許文献2のように焦点検出が困難な場合に、焦点検出を補助する補助光を活用することにより、焦点検出が可能な状況を拡大することが可能である。
しかしながら、特許文献1に記載のマイクロレンズによる瞳分割を行う焦点検出方法で、補助光を利用した焦点検出を行う場合に、以下のような課題がある。すなわち、補助光を利用した焦点検出を行う場合には、補助光を発光している場合のみ焦点検出が可能となる。そのため、ある条件で補助光を発光したにもかかわらず、焦点検出が不可能であった場合には、フォーカス状態を変更して、もしくは変更しながら、補助光を再度発光する必要がある。
また、上述したとおり、マイクロレンズによる瞳分割を行う焦点検出方法では、検出可能なデフォーカス量が小さいため、補助光使用時にも、焦点検出が不可能である頻度が高くなりやすい。このことは、補助光の発光回数が増え、必要な電力の増大や焦点調節の応答性を損ねることにつながってしまう。また、補助光の発光を行うたびに、発光量調整(調光)を行うことにより、更に、発光回数が増え、焦点調節の応答性を損ねてしまう。
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、補助光を活用した焦点検出を行う際に、不要な補助光の発光を抑制しながら、高速且つ高精度に焦点検出を行えるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、フォーカスレンズを含む撮影光学系の互いに異なる瞳領域を通過した光束に基づいて、視差を有する一対の信号を含む画像信号を出力することが可能な撮像素子と、前記一対の信号の位相差に基づいて、デフォーカス量を検出する焦点検出手段と、前記焦点検出手段が検出可能なデフォーカス量の範囲を概算し、当該範囲に基づいて前記フォーカスレンズの初期位置を設定する設定手段と、閃光を発光する第1の発光手段の発光のタイミングを制御する制御手段と、前記焦点検出手段で用いる前記一対の信号を取得するために、前記第1の発光手段を発光させるか否かを判定する判定手段と、を有し、前記制御手段は、前記判定手段が前記第1の発光手段を発光させると判定した場合に、前記フォーカスレンズが前記初期位置へ駆動された後に、前記撮像素子の露光のタイミングに同期して前記第1の発光手段を発光させるように制御する。
本発明によれば、補助光を活用した焦点検出を行う際に、不要な補助光の発光を抑制しながら、高速且つ高精度に焦点検出を行うことができる。
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態における撮像システムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施の形態の撮像システムは、主にカメラ本体100と、交換レンズタイプの撮影レンズ300(撮影光学系)により構成されている。カメラ本体100に装着可能な撮影レンズ300としては、例えば、同一種類のレンズでも製造番号が異なるレンズ、焦点距離や開放Fナンバーが異なるレンズ、ズーム機能を備えるレンズなどを含み、同種、異種のレンズに関わらず交換可能な構成を有する。
まず、カメラ本体100の構成について説明する。図1のカメラ本体100において、撮影レンズ300を通過した光束は、カメラマウント106を通過し、メインミラー130に入射する。メインミラー130は半透過性のハーフミラーで構成され、メインミラー130に入射する光束のうち、一部は上方へ反射されて光学ファインダ104に入射する。光学ファインダ104により、撮影者は被写体を光学像として観察しながら撮影できる。光学ファインダ104内には、表示部54の一部の機能、例えば、合焦表示、手振れ警告表示、絞り値表示、露出補正表示等の機能が組み込まれている。
また、メインミラー130に入射する光束のうち、一部はメインミラー130を通過してサブミラー131により下方へ反射されて焦点検出装置105へ入射する。焦点検出装置105は、2次結像光学系からなる位相差検出方式のAF機構を採用しており、得られた光学像を電気信号に変換して、オートフォーカス部(AF部)42へ送る。AF部42では、この電気信号を用いて、位相差検出演算を行う。そして、この演算結果に基づき、システム制御回路50が、撮影レンズ300の後述するフォーカス制御部342に対して、焦点調節処理などの制御を行う。本実施形態では、焦点検出結果の補正もAF部42で行う。
一方、撮影レンズ300の焦点調節処理が終了し、静止画撮影、電子ファインダ表示、動画撮影を行う場合には、不図示のクイックリターン機構によりメインミラー130とサブミラー131を撮影光路外に退避させる。こうして、撮影レンズ300を通過した光束は、露光量を制御するためのシャッター12を介して、光学像を電気信号に変換する撮像素子14に入射する。これらの撮影動作終了後には、メインミラー130とサブミラー131は、退避前の撮影光路内の位置に戻る。
撮像素子14にて光電変換された電気信号はA/D変換器16へ送られ、アナログ信号出力がデジタル信号(画像データ)に変換される。タイミング発生回路18は、撮像素子14、A/D変換器16、D/A変換器26にクロック信号や制御信号を供給し、メモリ制御回路22及びシステム制御回路50により制御される。画像処理回路20は、A/D変換器16からの画像データ或いはメモリ制御回路22からの画像データに対して、所定の画素補間処理や色変換処理を行う。画像処理回路20は、画像データを用いて所定の演算処理を行う。
また、撮像素子14は、後述するように、行列状に配列されたマイクロレンズそれぞれに対して、複数の光電変換部を有する画素を含む。この構成により、クイックリターン機構によりメインミラー130とサブミラー131が撮影光路外に退避した状態において、いわゆる撮像面位相差検出方式のAFを行うことができる。得られた画像データのうち、焦点検出に対応する視差を有する一対の画像データは、画像処理回路20で焦点検出用画像データに変換される。その後、システム制御回路50を介してAF部42へ送られ、位相差演算が行われた後、システム制御回路50が、この演算結果に基づいて、撮影レンズ300の焦点合わせを行う。なお、画像処理回路20による画像データのコントラストを演算した演算結果に基づき、システム制御回路50が、撮影レンズ300のフォーカス制御部342に対して焦点合わせを行う、所謂コントラスト方式のAFも可能な構成となっている。このように、電子ファインダ観察時や動画撮影時には、メインミラー130とサブミラー131が撮影光路外に退避するが、撮像素子14から得られる画像データを用いて、位相差検出方式のAFとコントラスト方式のAFの両方を行うことができる。特に、撮像面位相差検出方式のAFが可能であるため、高速な焦点合わせが可能である。
このように、本実施形態のカメラ本体100は、メインミラー130とサブミラー131が撮影光路内にある通常の静止画撮影では、焦点検出装置105による位相差検出方式のAFを用いる。また、メインミラー130とサブミラー131が撮影光路外へ退避する電子ファインダ観察時や動画撮影時には、撮像素子14を利用した位相差検出方式のAFとコントラスト方式のAFを用いる構成となっている。従って、静止画撮影、電子ファインダ、動画撮影のどの撮影においても、焦点調節が可能である。
メモリ制御回路22は、A/D変換器16、タイミング発生回路18、画像処理回路20、画像表示メモリ24、D/A変換器26、メモリ30、圧縮伸長回路32を制御する。そして、A/D変換器16のデータが画像処理回路20、メモリ制御回路22を介して、或いはA/D変換器16のデータが直接メモリ制御回路22を介して、画像表示メモリ24或いはメモリ30に書き込まれる。画像表示部28は液晶モニタ等から構成され、画像表示メモリ24に書き込まれた表示用の画像データを、D/A変換器26を介して画像表示部28により表示する。画像表示部28を用いて撮像した画像データを逐次表示することで、電子ファインダ機能を実現できる。画像表示部28は、システム制御回路50の指示により任意に表示をON/OFFすることが可能であり、表示をOFFにした場合には、カメラ本体100の電力消費を大幅に低減できる。
また、メモリ30は、撮影した静止画像や動画像を記憶するためのものであり、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像を記憶するのに十分な記憶容量を備えている。これにより、連射撮影やパノラマ撮影の場合にも、高速且つ大量の画像書き込みをメモリ30に対して行うことができる。また、メモリ30はシステム制御回路50の作業領域としても使用できる。圧縮伸長回路32は、適応離散コサイン変換(ADCT)等により画像データを圧縮伸長する機能を有し、メモリ30に記憶された画像を読み込んで圧縮処理或いは伸長処理を行い、処理を終えた画像データをメモリ30に書き込む。
シャッター制御部36は、測光部46からの測光情報に基づいて、撮影レンズ300側の絞り312を制御する絞り制御部344と連携しながら、シャッター12を制御する。インターフェース部38とコネクタ122は、カメラ本体100と撮影レンズ300とを電気的に接続する。これらは、カメラ本体100と撮影レンズ300との間で制御信号、状態信号、データ信号等を伝え合うと共に、各種電圧の電流を供給する機能も備えている。また、電気通信のみならず、光通信、音声通信等を伝達する構成としてもよい。測光部46は、AE処理を行う。撮影レンズ300を通過した光束を、カメラマウント106、ミラー130、そして不図示の測光用レンズを介して、測光部46に入射させることにより、画像の露出状態を測定できる。また、測光部46は、フラッシュ48と連携することで調光処理機能も有する。フラッシュ48は、画像記録時のフラッシュ調光機能としての発光手段としてだけでなく、間欠発光する第1の発光手段として焦点調節時の補助的な光源として機能する。フラッシュ48は、カメラ本体100に備え付けられたものであっても、カメラ本体100に着脱可能なものであっても、構わない。なお、画像処理回路20による撮像素子14の画像データを演算した演算結果に基づき、システム制御回路50が、シャッター制御部36と撮影レンズ300の絞り制御部344に対してAE制御を行うことも可能である。LEDランプ49は、連続点灯可能な第2の発光手段として、被写体の網膜の反射像が画像に写りこむ赤目現象の軽減措置やセルフタイマー時の撮影タイミング指標、焦点検出時の補助的な光源として機能する。
システム制御回路50は、カメラ本体100の全体を制御し、メモリ52はシステム制御回路50の動作用の定数、変数、プログラム等を記憶する。表示部54はシステム制御回路50でのプログラムの実行に応じて、文字、画像、音声等を用いて動作状態やメッセージ等を表示する液晶表示装置である。表示部54は、カメラ本体100の操作部近辺の視認し易い位置に単数或いは複数設置され、例えばLCDやLED等の組み合わせにより構成される。表示部54の表示内容のうち、LCD等に表示するものとしては、記録枚数や残撮影可能枚数等の撮影枚数に関する情報や、シャッタースピード、絞り値、露出補正、フラッシュ等の撮影条件に関する情報等がある。その他、電池残量や日付・時刻等も表示される。また、表示部54は、前述した様にその一部の機能が光学ファインダ104内に組み込まれている。
不揮発性メモリ56は、電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。60、62、64、66、68及び70は、システム制御回路50の各種の動作指示を入力するための操作部であり、スイッチやダイアル、タッチパネル、視線検知によるポインティング、音声認識装置等の単数或いは複数の組み合わせで構成される。
モードダイアルスイッチ60は、電源オフ、オート撮影モード、マニュアル撮影モード、再生モード、PC接続モード等の各機能モードを切り替え設定できる。シャッタースイッチSW1(62)は、不図示のシャッターボタンが半押しされるとONとなり、AF処理、AE処理、AWB処理、EF処理等の動作開始を指示する。シャッタースイッチSW2(64)は、シャッターボタンが全押しされるとONとなり、撮影に関する一連の処理の動作開始を指示する。撮影に関する一連の処理とは、露光処理、現像処理及び記録処理等のことである。露光処理では、撮像素子14から読み出した信号をA/D変換器16、メモリ制御回路22を介してメモリ30に画像データとして書き込む。現像処理では、メモリ30に書き込まれた画像データに対して、画像処理回路20やメモリ制御回路22での演算を用いた現像を行う。記録処理では、メモリ30から画像データを読み出し、圧縮伸長回路32で圧縮を行い、記録媒体250或いは260に画像データとして書き込む。
画像表示ON/OFFスイッチ66は、画像表示部28のON/OFFを設定できる。この機能により、光学ファインダ104を用いて撮影を行う際に、液晶モニタ等から成る画像表示部28への電流供給を遮断することにより、省電力を図ることができる。クイックレビューON/OFFスイッチ68は、撮影直後に撮影した画像データを自動再生するクイックレビュー機能を設定する。操作部70は、各種ボタンやタッチパネル等からなる。各種ボタンには、一例として、メニューボタン、フラッシュ設定ボタン、単写/連写/セルフタイマー切り替えボタン、露出補正ボタン等がある。
電源制御部80は、電池検出回路、DC/DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成されている。電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行い、検出結果及びシステム制御回路50の指示に基づいてDC/DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体を含む各部へ供給する。コネクタ82及び84は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、リチウムイオン電池等の二次電池、ACアダプタ等からなる電源部86をカメラ本体100と接続する。
インターフェース90及び94は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体との接続機能を有し、コネクタ92及び96は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体と物理的接続を行う。記録媒体着脱検知部98は、コネクタ92または96に記録媒体が装着されているかどうかを検知する。なお、本実施形態では、記録媒体を取り付けるインターフェース及びコネクタを2系統持つものとして説明しているが、インターフェース及びコネクタは、単数或いは複数、いずれの系統数を備える構成としても構わない。また、異なる規格のインターフェース及びコネクタを組み合わせて備える構成としても構わない。更に、インターフェース及びコネクタにLANカード等の各種通信カードを接続することで、コンピュータやプリンタ等の他の周辺機器との間で画像データや画像データに付属した管理情報を転送し合うことができる。
通信部110は、有線通信、無線通信等の各種通信機能を有する。コネクタ112は、通信部110によりカメラ本体100を他の機器と接続し、無線通信の場合はアンテナである。記録媒体250及び260は、メモリカードやハードディスク等である。記録媒体250及び260は、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される記録部252,262、カメラ本体100とのインターフェース254,264、カメラ本体100と接続を行うコネクタ256,266を備えている。
次に、撮影レンズ300側について説明する。撮影レンズ300は、カメラ本体100に着脱可能に構成される。レンズマウント306は、撮影レンズ300をカメラ本体100と機械的に結合し、カメラマウント106を介してカメラ本体100に交換可能に取り付けられる。カメラマウント106及びレンズマウント306内には、撮影レンズ300をカメラ本体100と電気的に接続するコネクタ122及びコネクタ322の機能が含まれている。レンズ311には被写体の焦点合わせを行うフォーカスレンズが含まれ、絞り312は撮影光束の光量を制御する。
コネクタ322及びインターフェース338は、撮影レンズ300をカメラ本体100のコネクタ122と電気的に接続する。そして、コネクタ322は、カメラ本体100と撮影レンズ300との間で制御信号、状態信号、データ信号等を伝え合うと共に、各種電圧の電流を供給される機能も備えている。コネクタ322は電気通信のみならず、光通信、音声通信等を伝達する構成としてもよい。ズーム制御部340はレンズ311のズーミングを制御し、フォーカス制御部342はレンズ311のフォーカスレンズの動作を制御する。撮影レンズ300がズーム機能を有さない単焦点レンズタイプであれば、ズーム制御部340は無くてもよい。絞り制御部344は、測光部46からの測光情報に基づいて、シャッター12を制御するシャッター制御部36と連携しながら、絞り312を制御する。
レンズシステム制御部346は、撮影レンズ300全体を制御する。そして、レンズシステム制御部346は、撮影レンズ300の動作用の定数、変数、プログラム等を記憶するメモリの機能を備えている。不揮発性メモリ348は、撮影レンズ300に固有の番号等の識別情報、管理情報、開放絞り値や最小絞り値、焦点距離等の機能情報、現在や過去の各設定値などを記憶する。本実施形態においては、撮影レンズ300の状態に応じたレンズ枠情報、デフォーカス関連情報も記憶されている。このレンズ枠情報は、撮影レンズを通過する光束を決定する枠開口の撮像素子14からの距離と、枠開口の半径の情報である。絞り312は、撮影レンズを通過する光束を決定する枠に含まれ、他にもレンズを保持するレンズ枠部品の開口などが枠に該当する。また、撮影レンズ300を通過する光束を決定する枠は、レンズ311のフォーカス位置やズーム位置によって異なるため、レンズ311のフォーカス位置やズーム位置に対応して複数用意されている。そして、カメラ本体100が、焦点検出を行う際には、レンズ311のフォーカス位置とズーム位置に対応した最適なレンズ枠情報が選択され、カメラ本体100にコネクタ322を通じて送られる構成となっている。
デフォーカス関連情報は、各被写体距離における無限端、至近端までのデフォーカス量で、フォーカスレンズの位置と対応付けられた被写体距離ごとに分割されて記憶している。以上が、カメラ本体100と撮影レンズ300からなるカメラシステムの構成である。
次に、撮像素子14を利用した焦点検出機能について詳細を説明する。この焦点検出機能は、焦点検出装置105と同様に位相差検出方式のAFを採用している。以下、その構成について説明する。
まず、図1に示す撮像素子14の構成を図2及び図3を用いて詳細に説明する。図2(a)は、撮像素子14内の画素200の構成を示す回路図である。画素200は、フォトダイオード(PD)201a,201b、転送スイッチ202a,202b、フローティングディフュージョン(FD)領域203、増幅部204、リセットスイッチ205及び選択スイッチ206を有する。なお、各スイッチはMOSトランジスタ等により構成され得る。以下の説明では、各スイッチは一例としてN型のMOSトランジスタであるものとするが、各スイッチはP型のMOSトランジスタであってもよく、その他のスイッチング素子であってもよい。
このように、本実施形態における撮像素子14は、1つの画素200内に、2つのPD201a,201bを有する。ただし、各画素200に設けられるフォトダイオードの個数は2つに限定されず、3つ以上(例えば、4つ)設けられてもよい。本実施形態においてPD201a,201bは、後述するように、焦点検出用画素として機能するとともに、撮像画素としても機能する。
PD201a,201bは、図2(b)に示す同一のマイクロレンズ236を通過した光を受光し、光電変換によりその受光量に応じた信号電荷を生成する光電変換部として機能する。PD201aにより得られる信号をA信号、PD201bにより得られる信号をB信号と呼ぶ。
転送スイッチ202aはPD201aとFD領域203との間に接続され、転送スイッチ202bはPD201bとFD領域203との間に接続される。転送スイッチ202a,202bは、それぞれPD201a,201bで発生した電荷を共通のFD領域203に転送する素子であり、それぞれ制御信号TX_A,TX_Bによって制御される。
FD領域203は、PD201a,201bから転送された電荷を一時的に保持するとともに、保持した電荷を電圧信号に変換する電荷電圧変換部として機能する。
増幅部204は、ソースフォロワMOSトランジスタである。増幅部204のゲートは、FD領域203に接続され、増幅部204のドレインは電源電位VDDを供給する共通電源208に接続される。増幅部204は、FD領域203に保持された電荷に基づく電圧信号を増幅して、画像信号として出力する。
リセットスイッチ205は、FD領域203と共通電源208との間に接続される。リセットスイッチ205は、制御信号RESによって制御され、FD領域203の電位を電源電位VDDにリセットする機能を有する。
選択スイッチ206は、増幅部204のソースと垂直出力線207の間に接続される。選択スイッチ206は、制御信号SELによって制御され、増幅部204で増幅された画像信号を垂直出力線207に出力する。
図2(b)は、撮像素子14の画素の配列を示す模式図であり、図2(a)に示す構成を有する画素が、水平方向にn画素、垂直方向にm画素並べられた状態を示している。なお、撮像素子を構成する配列や画素数はこれに限られるものではない。図2(b)に示すように、各画素のPD201a,201bは、1つのマイクロレンズ236に対応している。
図3は、撮像素子14の構成を示す図である。撮像素子14は、画素アレイ234、垂直走査回路209、電流源負荷240、読み出し回路235、共通出力線228,229、水平走査回路232及びデータ出力部233を有する。
画素アレイ234は、行列状に配置された複数の画素200を有する。図3には説明を簡略化するために、水平方向にn画素、垂直方向に4画素を示しているが、画素アレイ234における画素200の行数及び列数は任意である。また、各画素200には複数色のカラーフィルタのうちいずれか1つが設けられている。図3に示す例では、カラーフィルタの色は赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)とする。これらの各画素200はベイヤー配列に従って配置される。また、本実施形態における撮像素子14は画素アレイ234の一部が遮光層で遮光された領域(OB)を持つ。
垂直走査回路209は、行ごとに設けられた駆動信号線210を介して、各行の画素200に制御信号を出力する。なお、図3では駆動信号線210は、簡略化のため、行ごとに1本ずつ図示されているが、実際には行ごとに複数の駆動信号線が接続される。
同じ列の画素200は、列ごとに設けられた垂直出力線207に共通接続される。電流源負荷240は各列の垂直出力線207に接続される。各画素200から出力される信号は、この垂直出力線207を介して読み出し回路235に入力され、処理される。
水平走査回路232は、制御信号hsr(0)〜hsr(n−1)信号を出力することで、複数の読み出し回路235の中から信号を出力させる列を順次選択する。選択された行の読み出し回路235は、共通出力線228,229を介してデータ出力部233に処理した信号を出力する。
次に、読み出し回路235の具体的な回路構成を説明する。読み出し回路235は、クランプ容量211、フィードバック容量214〜216、オペアンプ213、基準電圧源212及びスイッチ217〜220を有する。また、比較器221、Latch_N222、Latch_S223、スイッチ226,227を有する。
垂直出力線207により読み出し回路235に入力される信号は、クランプ容量211を介してオペアンプ213の反転入力端子に入力される。オペアンプ213の非反転入力端子には、基準電圧源212から基準電圧Vrefが供給される。フィードバック容量214〜216はオペアンプ213の反転入力端子と出力端子の間に接続される。スイッチ217もオペアンプ213の反転入力端子と出力端子の間に接続され、フィードバック容量214〜216の両端をショートさせる機能を有する。スイッチ217は制御信号RES_Cにより制御される。また、スイッチ218〜220は制御信号GAIN0〜2で制御される。
比較器221には、オペアンプ213の出力端子と、ランプ信号発生器230から出力されるランプ信号224が接続される。Latch_N222は、ノイズレベル(N信号)を保持するための記憶素子であり、Latch_Sは、A信号の信号レベル(S信号)と、A信号とB信号が加算されたAB信号の信号レベル(S信号)を保持するための記憶素子である。比較器221の出力端子、カウンタ231から出力されるカウンタ値225がLatch_N222とLatch_S223に入力され、それぞれLATEN_N、LATEN_Sで制御される。Latch_N、Latch_Sの出力端子はスイッチ226,227を介してそれぞれ共通出力線228,229に接続される。共通出力線228,229はデータ出力部233に接続される。
スイッチ226,227は水平走査回路232からの制御信号hsr(h)信号で制御される。ここで、hは、制御信号線が接続されている読み出し回路235の列番号を示す。Latch_N222、Latch_S223に保持された信号は共通出力線228,229を介して出力され、データ出力部233から外部へ出力される。この動作を水平転送と呼ぶ。
なお、本実施形態の撮像素子は以下の2種類の読み出しモードを有する。1つは全画素読み出しモードと称するもので、高精細静止画を撮像するためのモードである。この場合は、全画素の信号が読み出される。
もう1つは間引き読み出しモードと称するもので、動画記録、もしくはプレビュー画像の表示のみを行なうためのモードである。この場合に必要な画素数は全画素よりも少ないため、画素群はX方向及びY方向ともに所定比率に間引いた画素のみ読み出す。また、高速に読み出す必要がある場合にも、同様に間引き読み出しモードを用いる。X方向に間引く際には、信号の加算を行いS/Nの改善を図り、Y方向に対する間引きは、間引かれる行の信号出力を無視する。
図4は、本実施形態の撮像装置において、撮影光学系の射出瞳面と、撮像素子14の像高ゼロ位置、すなわち像面中央近傍に配置された画素200のPD201a,201bに対応する光電変換部200a,200bとの共役関係を説明する図である。本実施形態では、「中央画素」と呼ぶ。光電変換部200a,200bと撮影光学系の射出瞳面は、オンチップマイクロレンズ236によって共役関係となるように設計される。そして撮影光学系の射出瞳は、一般的に光量調節用の虹彩絞りが置かれる面とほぼ一致する。一方、本実施形態の撮影光学系は変倍機能を有したズームレンズであるが、光学タイプによっては、変倍操作を行うと射出瞳の像面からの距離や大きさが変化する。図4における撮影光学系は、焦点距離が広角端と望遠端の中間、すなわちMiddleの状態を示している。これを標準的な射出瞳距離Zepと仮定して、オンチップマイクロレンズ236の形状や、像高(X、Y座標)に応じた偏心パラメータの最適設計がなされる。
図4(a)において、101はレンズ311を構成する第1レンズ群、101bは第1レンズ群を保持する鏡筒部材、103はレンズ311を構成する第3レンズ群、103bは第3レンズ群を保持する鏡筒部材である。312aは、絞り312の絞り開放時の開口径を規定する開口板、312bは、絞り312の絞り込み時の開口径を調節するための絞り羽根である。なお、撮影光学系を通過する光束の制限部材として作用する鏡筒部材101b、開口板312a、絞り羽根312bは、像面から観察した場合の光学的な虚像を示している。また、絞り312の近傍における合成開口をレンズの射出瞳と定義し、前述したように像面からの距離をZepとしている。
中央画素200は、最下層より、PD201a,201bに対応する光電変換部200a,200b、配線層200e〜200g、カラーフィルタ200h、及びオンチップマイクロレンズ236の各部材で構成される。そして2つの光電変換部200a,200bは、オンチップマイクロレンズ236によって撮影光学系の射出瞳面に投影される。また別の言い方をすれば、撮影光学系の射出瞳が、オンチップマイクロレンズ236を介して、光電変換部200a,200bの表面に投影されることになる。
図4(b)は、撮影光学系の射出瞳面上における、光電変換部200a,200bの投影像を示したもので、光電変換部200a及び200bに対する投影像は各々EP1a及びEP1bとなる。また本実施形態では、撮像素子14は、2つの光電変換部200aと200bのいずれか一方の出力と、両方の和の出力を得ることができる画素を有している。両方の和の出力は、撮影光学系のほぼ全瞳領域である投影像EP1a、EP1bの両方の領域を通過した光束を光電変換したものである。
図4(a)で、撮影光学系を通過する光束の最外部をLで示すと、光束Lは、絞りの開口板312aで規制されており、投影像EP1a及びEP1bは撮影光学系でケラレがほぼ発生していない。図4(b)では、図4(a)の光束Lを、TLで示している。TLで示す円の内部に、光電変換部の投影像EP1a、EP1bの大部分が含まれていることからも、ケラレがほぼ発生していないことがわかる。光束Lは、絞り312の開口板312aでのみ制限されているため、TLは、312aと言い換えることができる。この際、像面中央では、各投影像EP1a及びEP1bのケラレ状態は光軸に対して対称となり、各光電変換部200a及び200bが受光する光量は等しい。
以上、図2〜図4で説明した様に、撮像素子14は撮像のみの機能だけではなく焦点検出機能の一部を構成している。また、焦点検出方法としては、撮像素子14の画素は射出瞳を分割した光束を受光する焦点検出用画素として機能するため、位相差検出方式のAFを行うことが可能である。
図5は、撮影範囲400内における焦点検出領域401の一例を示す図で、この3つの焦点検出領域401内で撮像素子14による位相差検出方式のAFが行われる。焦点検出領域401内では、撮影範囲400内の水平方向のコントラスト差を用いて位相差検出を行う。
なお、上記説明では、撮像素子14の全画素200が、焦点検出用画素としての機能を有するものとして説明したが、本発明はこれに限るものではなく、少なくとも一部の画素に焦点検出用画素の機能を持たせれば良い。例えば、予め決められた焦点検出領域の画素にのみ、焦点検出用画素の機能を持たせるようにしても、離散的に焦点検出用画素の機能を持たせるようにしてもよい。
また、本実施形態では、撮像素子14上における撮影画素の1画素が、複数の光電変換部を持つように構成したが、焦点検出の実現方法は、これに限らない。例えば、撮像素子14が、互いに異なる一部を遮光された光電変換部を持つ画素が、焦点検出専用の画素として離散的に配置されるように構成してもよい。
図6は、本実施形態における一対の焦点検出信号430a,430bの一例を示す図である。一対の焦点検出信号430a、430bは、撮像素子14から得られた画素信号(A信号、B信号)に対して、画像処理回路20よる各種の画像処理(補正)が行われた信号である。一対の焦点検出信号430a、430bは、画像処理後、AF部42へ送られる。
図6において、横軸は連結された信号の画素位置、縦軸は信号の強度をそれぞれ示す。ここでは、撮影レンズ300が撮像素子14に対してデフォーカスした状態(非合焦状態)を表している。このため、焦点検出信号430aは左側にずれ、焦点検出信号430bは右側にずれている。AF部42は、焦点検出信号430a、430bのずれ量(相対ずれ量)を、周知の相関演算などを用いて算出する。これにより、撮影光学系のピント状態を示すデフォーカス量を求めることができる。
システム制御回路50は、レンズMPU117から送信されたフォーカスレンズの位置情報及びAF部42から得られるデフォーカス量に基づいて、フォーカスレンズの駆動量を算出する。その後、システム制御回路50は、レンズ311の位置情報に基づいて、レンズシステム制御部346及びフォーカス制御部342に対して、レンズ311を駆動するべき駆動量または位置情報を送信する。これにより、焦点調節を行うことが可能となる。
次に、本実施形態におけるカメラ本体100で行われる撮影処理について説明する。図7は、本実施形態におけるカメラ本体100の撮影処理を示すフローチャートであり、ライブビュー状態から撮影を行う際のメインフローを示している。図7における各処理は、主に、システム制御回路50の指令に基づいて実行される。
図7において、ライブビュー撮影が開始されると、まずS1において、システム制御回路50は、撮像素子14の撮像動作を開始して、撮像データ(画素信号)を取得する。続いてS2において、システム制御回路50は、S1にて得られた撮像データから、画像データ(撮影信号、すなわち撮影画像)及び焦点検出データ(焦点検出信号)を取得する。前述したように、本実施形態では、撮像素子14の1つの画素から、画像データ(撮影画像)を取得する際に用いられる撮影画素信号に加えて、焦点検出信号のデータを取得可能である。
続いてS3において、システム制御回路50は、S2にて得られた画像データに基づいて、プレビュー画像を画像表示部28に表示する、所謂ライブビュー(LV)表示を行う。撮影者は、このプレビュー画像を目視して撮影時の構図決定を行う。ここで行うライブビュー表示は、撮影者が撮影範囲や撮影条件の確認を行うために行われ、例えば、33.3ms(30fps)や16.6ms(60fps)などの、所定の時間間隔で更新される。なお、後述するAF補助光発光時のライブビュー表示は、状況に応じて、表示/非表示を切り替えればよい。例えば、閃光発光を用いたAF補助光の場合は、被写体の一部が飽和する場合などが想定され、高品位な表示ができない場合がある。そのため、閃光発光を用いたAF補助光の場合には、ライブビュー表示の更新を停止し、閃光発光完了後、ライブビュー表示の更新を再開すればよい。一方で、LED方式の補助光は常時点灯が可能で、測光部46からの測光情報などにより表示を適正な露出状態に保つことができるため、表示を停止する必要はない。また、閃光発光時に得られた信号でも、画面内の飽和領域が限定的であったり、発光量が小さいといった条件に応じて、表示の停止/継続を切り替えてもよい。
続いてS4において、システム制御回路50(AF部42)は、図5に示した3つの焦点検出領域401に対応する焦点検出信号を用いて焦点検出処理を行う。すなわちAF部42は、図6に示されるような焦点検出信号のずれ量に基づいて、デフォーカス量を算出するまでの処理を焦点検出処理として行う。
続いてS5において、システム制御回路50は、撮影準備開始を示すスイッチSW1(62)のオン/オフを検出する。S5にてスイッチSW1のオンが検出されない場合、S10に進む。
一方、S5にてスイッチSW1(62)のオンが検出されると、S6に進み、システム制御回路50は、焦点検出領域モードを取得する。焦点検出領域モードは、任意選択モード、自動選択モード、被写体検出モードなどから構成される。任意選択モードは、撮影者が指示する焦点検出領域に設定するモードである。自動選択モードは、カメラが、3つの焦点検出領域から自動的に選択するモードである。被写体検出モードは、人物の顔など特定の被写体を検出して焦点検出領域の位置を決定するモードである。S6では、事前に設定された焦点検出領域モード情報、被写体検出情報などを取得し、焦点検出領域の位置、配置、個数などを設定する。
次にS7において、システム制御回路50(AF部42)は、焦点調節処理を行う。なお、S7の焦点調節処理の詳細については後述する。S7の焦点調節処理が終了すると、S8に進む。
S8において、システム制御回路50は、撮影開始指示を示すスイッチSW2(64)のオン/オフを検出する。操作部70の一つであるレリーズ(撮影トリガ)スイッチは、そのスイッチの押し込み量に応じて、2段階のオン/オフを検出することが可能である。スイッチSW2(64)は、レリーズ(撮影トリガ)スイッチの2段階目のオン/オフで検出可能に構成されている。S8にてスイッチSW2(64)のオンが検出されない場合、スイッチSW2(64)のオンが検出されるまで、S8にて撮影待機状態を維持する。一方、S8にてスイッチSW2(64)のオンが検出されると、S9に進む。S9において、システム制御回路50は、撮影サブルーチンを実行する。S9の撮影サブルーチンの詳細については後述する。S9にて撮影サブルーチンが終了すると、S10に進む。
S10では、システム制御回路50は、メインスイッチがオフされたか否かを判定する。メインスイッチがオフされていない場合、S2に戻る。一方、メインスイッチがオフされた場合、本フローの一連の動作を終了する。
次に、図8を参照して、図7のS7で行われる焦点調節処理について説明する。図8は、焦点調節処理を示すフローチャートである。図8の各ステップは、主に、システム制御回路50の指令に基づいて実行される。
焦点調節処理が開始されると、S201において、システム制御回路50は、事前に行われた焦点検出結果の取得を行う。ここでは、図7のS4及びS6で設定された焦点検出領域のデフォーカス量を取得する。また、得られたデフォーカス量の信頼性が高いか否かを判定する。信頼性判定は、システム制御回路50が行う。S201では、信頼性判定として、周知の相関量の極小値の大きさと極小値近傍の相関量の差分の大きさを用いた判定などを行う。
相関量とは、一対の焦点検出信号の領域ごとの相関度合いを示すもので、相関が高いほど小さい値を示す。そのため、相関量の極小値の大きさについては、極小値が小さければ小さいほど信頼性が高いと判定する。理想的には、相関量の極小値は、一対の焦点検出信号が完全に同一形状である場合に0となる。しかしながら、実際には、一対の焦点検出信号は、被写体からの光の拡散特性や光量調整誤差や画素ごとに個別に生じるノイズの影響などの影響で、形状が異なる。そのため、相関量の極小値は、正の値となるのが一般的である。逆に、一対の焦点検出信号の形状が異なれば異なるほど、焦点検出精度が悪化し、結果的に極小値が大きくなる。ここで行う信頼性判定方法の1つは、予め決められた閾値Thr1よりも相関量の極小値が小さければ、信頼性が高いと判定する。
また、相関量が極小値を示す領域(シフト量)近傍で得られた相関量の差分DCORを用いた信頼性判定を行うこともできる。相関量の差分DCORは、大きければ大きいほど、シフト量を高精度に算出することができる。これは、相関量が誤差によりばらついた場合でも、相関量の差分が大きければ、シフト量の検出に与える影響が小さいためである。このことから、閾値Thr2より相関量の差分DCORが大きい場合に、信頼性が高いと判定することができる。S201では、上述したいずれかの信頼性判定を行っても良いし、または両方の信頼性判定を行い、その判定結果から総合的に信頼性を判定するようにしてもよい。
次に、S202で信頼性の高いデフォーカス量が、S6で設定された焦点検出領域401の全てにおいて、検出できているか否かを判定する。信頼性の高いデフォーカス量が検出できている場合には、S203に進み、検出したデフォーカス量が所定の閾値以下で、合焦状態にあるか否かを判定する。合焦状態ではないと判定された場合、S203でNoとなり、S204に進み、検出したデフォーカス量に基づいてフォーカスレンズの駆動を行って、S205に進む。
なお、S202で、設定された焦点検出領域401の全てで信頼性が高い場合のみS203に進むのは、焦点検出領域401のいくつかが後述するAF補助光の発光によって、信頼性が高くなる可能性があるためである。S203で、検出デフォーカス量が所定の閾値以下で、合焦状態にあると判定された場合(S203でYes)には、S205に進む。S205では、画像表示部28に、合焦表示を行う。例えば、焦点検出領域と対応した枠を、緑の色で表示したり、音を出力したりする。
一方で、S202で、設定された焦点検出領域401の全てで、信頼性の高いデフォーカス量が検出できていない場合、S206に進み、AF補助光の発光要否の判定処理を行う。発光要否判定処理の詳細は後述するが、ここでは、AF補助光として、LED補助光と閃光補助光の発光許可を判定する。本実施形態では、設定された焦点検出領域401の中で、信頼性が低い領域があった場合には、AF補助光を用いた焦点検出を試みる。但し、焦点検出領域の数が多い場合には、全ての焦点検出領域の信頼性が高い場合のみ、AF補助光を使用しないと判定する必要はない。例えば、複数の焦点検出領域のうち、像高が中央近傍の焦点検出領域のみ信頼性が高い場合に、AF補助光を使用しないと判定することも考えられる。
次に、S207で、S206で得られた判定結果に基づき、AF補助光の要否を判定する。AF補助光が不要と判定された場合には、S208に進み、サーチ駆動を開始し、レンズ駆動を行いながら、焦点検出処理を行う。なお、ここで行う焦点検出処理は、S4で行った処理と同様である。S208で焦点検出を行った結果、S209において設定された焦点検出領域401の全てで信頼性が高いデフォーカス量が得られたと判定された場合には、S203に進む。以後の処理は、上述の通りである。
一方、S209で、設定された焦点検出領域401の全てで、信頼性の高いデフォーカス量が検出できていない場合には、S210でレンズ駆動範囲の端部に到達しているかを判定する。レンズ駆動範囲の端部に到達していない場合には、S208に戻り、サーチ駆動と焦点検出処理を継続する。S210でレンズ駆動範囲の端部に到達している場合は、合焦可能な被写体は、レンズ駆動範囲内に存在しないと判定し、S211に進んで、非合焦表示を行う。
S207で、LED補助光もしくは閃光補助光によるAF補助光が必要と判定された場合には、S212に進み、レンズ初期位置の算出を行う。まず、システム制御回路50は、焦点検出情報の取得を行い、その情報に基づき焦点検出が可能と想定される焦点検出可能なデフォーカス量を算出する。また、システム制御回路50は、焦点検出可能なデフォーカス量と、撮影レンズ300の至近端の被写体距離情報から、至近端を含み、なるべく広い被写体距離範囲をカバーできるレンズ初期位置を算出する。図9は、焦点検出可能なデフォーカス範囲とレンズ初期位置について説明する図である。横軸は合焦する被写体距離と対応するフォーカスレンズ位置を示している。算出された焦点検出可能なデフォーカス量の範囲を矢印で示している。このように、検出可能なデフォーカス範囲に至近端を含み、縁側に焦点検出可能なデフォーカス範囲が広がるように、レンズ初期位置を設定する。
本実施形態で至近端を含むようにレンズ初期位置を設定するのは、AF補助光が到達し焦点検出が可能になる被写体距離は、比較的、近距離であるためである。従って、至近端に限らず、被写体の存在確率が高い距離として、焦点距離の定数倍や1mなどの距離を予め設定し、その距離を含むように、レンズ初期位置を算出してもよい。至近端ではなく、焦点距離の定数倍や1mなどの距離を設定した場合は、より至近側の被写体で焦点検出ができない場合が発生するが、遠距離側の被写体距離範囲を焦点検出可能な範囲にすることができる。また、AF補助光としての閃光補助光の到達距離を設定し、その距離を遠距離側の端として、レンズ初期位置を設定してもよい。
このように、焦点検出を行う被写体距離を限定することができるため、より適切で、マージンのあるレンズ初期位置の設定を行うことができる。
なお、焦点検出情報とは、焦点検出可能なデフォーカス量を概算するための情報で、撮影レンズのF値、枠情報、焦点検出領域の像高、焦点検出信号のコントラストなどの情報である。撮影レンズのF値、枠情報、焦点検出領域の像高の情報から、焦点検出を行う対の信号の基線長(対の瞳領域の重心間隔)、AF光束径が算出される。基線長が長いほど、単位デフォーカス量あたりの焦点検出信号のずれ量が大きくなるため、より精度良い焦点検出ができる。
また、AF光束径は小さいほど、デフォーカスに伴い焦点検出信号がボケにくく、大きくデフォーカスした状態でも焦点検出信号のずれ量の検出が可能になる。基線長はAF光束径が大きいほど長くなるため、精度の良い焦点検出と焦点検出可能なデフォーカス量の拡大は、トレードオフの関係にある。
また、焦点検出可能なデフォーカス量は、被写体のコントラストや空間周波数特性などによって異なる。より高い空間周波数の情報を多く有し、コントラストが大きい被写体は、より大きくデフォーカスした状態でも焦点検出が可能となる。被写体コントラスト情報としては、例えば、焦点検出信号の隣接信号の出力差の二乗和などを用いればよい。
本実施形態では、上述の焦点検出情報と対応した焦点検出可能なデフォーカス量の情報を、テーブルとして記憶している。図10に、焦点検出可能なデフォーカス量情報のテーブルの例を示す。上述のとおり、焦点検出情報として、AF光束径と被写体コントラストを算出し、テーブルから、焦点検出可能なデフォーカス量を取得する。
また、閃光補助光の到達距離も、上述のAF光束径に応じて変更してもよい。AF光束径が小さいほど、閃光補助光の到達距離は短くなる。これにより、より適切にレンズ初期位置を設定することができる。
S212でレンズ初期位置の算出を終えると、S213に進み、算出されたレンズ初期位置へフォーカスレンズの駆動を行う。次に、S214に進み、発光許可の判定がLED補助光のみであるかの判定を行う。本実施形態では、AF補助光を行う手段として、フラッシュ48とLEDランプ49を有している。いずれの発光手段も、システム制御回路50が発光制御を行う。本実施形態では、LED補助光のみ発光許可の場合には、LED補助光のみ用いたAF補助光を発光する。一方で、閃光補助光の発光が許可されている場合には、LED補助光及び閃光補助光の両方をAF補助光として用いた焦点調節を行う。閃光補助光が発光禁止の場合、すなわち、LEDランプのみを用いた焦点調節を行う場合にはS215に進み、LED補助光発光時の焦点調節処理を行う。一方で、閃光補助光の発光が許可されている場合には、S216に進み、LED補助光、及び、閃光補助光発光時の焦点調節処理を行う。いずれの焦点調節処理についても、詳細は後述する。S215もしくはS216を終えると、焦点調節処理のサブルーチンを終了する。
次に、図11を用いて、図7のS9で行われる撮影サブルーチンについて説明する。図11は、撮影サブルーチンを示すフローチャートである。図11の各ステップは、主に、システム制御回路50の指令に基づいて実行される。
まずS301において、システム制御回路50は、光量調節のため絞り312を駆動し、露光時間を規定するシャッター12の制御(絞り・シャッタ駆動)を行う。フラッシュ48を用いた撮影を行う場合には、発光タイミングに合わせて、シャッター12の制御を行う。続いてS302において、システム制御回路50は、高精細静止画撮影のための画像読み出し、すなわち全画素の読み出しを行う。続いてS303において、システム制御回路50(画像処理回路20)は、事前に記憶された欠陥画素の位置情報に基づき、読み出した画像信号の欠陥画素補間を行う。欠陥画素は、画素間の出力オフセットやゲインのバラつきが大きい画素や、個別に配置されている場合の専用の焦点検出画素などが含まれる。続いてS304において、画像信号に対してγ補正、色変換、エッジ強調などの画像処理を行い、撮影画像(画像処理後の画像信号)を得る。そしてS305において、システム制御回路50は、メモリ30に撮影画像を記録する。
続いてS306において、システム制御回路50は、S305にて記録した撮影画像に対応させて、カメラ本体100の特性情報をメモリ30及びシステム制御回路50内のメモリに記録する。カメラ本体100の特性情報は、露光時間情報、現像時の画像処理情報、撮像素子14の画素の受光感度分布情報、カメラ本体100内での撮影光束のケラレ情報を含む。また、カメラ本体100の特性情報は、カメラ本体100と撮影レンズ300との取り付け面から撮像素子14までの距離情報、製造誤差情報なども含む。撮像素子14の画素の受光感度分布情報は、オンチップマイクロレンズ236及びPD201a,201bにより決定されるため、これらの情報を記録してもよい。
続いてS307において、システム制御回路50は、S305にて記録された撮影画像に対応させて、撮影レンズ300の特性情報をメモリ30とシステム制御回路50内のメモリに記録する。撮影レンズ300の特性情報は、例えば、射出瞳の情報、枠情報、撮影時の焦点距離やFナンバー情報、収差情報、製造誤差情報を含む。続いてS308において、システム制御回路50は、撮影画像に関する画像関連情報をメモリ30及びシステム制御回路50内のメモリに記録する。画像関連情報とは、撮影前の焦点検出動作に関する情報や、被写体移動情報、焦点検出動作の精度に関わる情報などである。S308が終了すると、S9の撮影サブルーチンを終了し、メインルーチンのS10に進む。
次に、図12を用いて、図8のS206で行われるAF補助光の発光要否判定処理について説明する。図12は、AF補助光の発光要否判定処理を示すフローチャートである。図12の各ステップは、主に、システム制御回路50の指令に基づいて実行される。
まず、S401において、焦点検出領域の情報取得を行う。ここでは、図7のS6で設定された焦点検出領域モードに従って設定された焦点検出領域の配置、位置、個数などの情報を取得する。次に、S402で、焦点検出領域に対応した測光情報を取得する。ここでは、各焦点検出領域に対応した測光値と、全焦点検出領域を包含する領域の測光値の両方を取得する。
次に、S403で、LED補助光と、閃光補助光を発光の有無を判断するための閾値を設定する。LED補助光は、撮影範囲に占める照射範囲が狭い一方で、常時発光が可能なため、発光しながら焦点調節が行いやすい。フラッシュを用いた閃光補助光は、画像記録に用いる発光手段であるため、照射範囲が広い一方で、間欠的に発光するため、発光しながら焦点調節を行うと発光回数が増大し、記録画像撮影の際の発光量確保の懸念が生じる。そのため、S403では、LED補助光は発光し易く、閃光補助光は発光しにくいように閾値を設定する。但し、閾値の設定方法は、これに限らない。LED補助光が赤などの単色である場合の焦点検出誤差や、LEDランプ49が光軸近くに配置されることによる撮影レンズ300によるLED補助光のケラレを懸念し、閃光補助光の方が発光し易いように設定してもよい。
次に、S404で、S402で得られた測光値とS403で得られたLED補助光の発光閾値の比較を行う。ここで用いる測光値は、全焦点検出領域を包含する領域の測光値と各焦点検出領域の測光値である。いずれか1つの測光値がLED補助光の発光閾値より小さい場合には、S405に進み、LED発光判定をON(LED発光許可)に設定する。一方で、測光値がLED補助光の発光閾値以上の場合には、S406に進み、LED発光判定をOFF(LED発光禁止)に設定する。
次に、S407で、S404と同様に、S402で得られた測光値とS403で得られた閃光補助光の発光閾値の比較を行う。用いる測光値は、全焦点検出領域を包含する領域の測光値と各焦点検出領域の測光値である。いずれか1つの測光値が閃光補助光の発光閾値より小さい場合には、S408に進み、閃光発光判定をON(閃光発光許可)に設定する。一方で、測光値が閃光補助光の発光閾値以上の場合には、S409に進み、閃光発光判定をOFF(閃光発光禁止)に設定する。S408もしくはS409を終えると、AF補助光の発光要否判定処理を終了する。
次に、図13を用いて、図8のS215で行われるLED補助光発光時の焦点調節処理について説明する。図13は、LED補助光発光時の焦点調節処理を示すフローチャートである。図13の各ステップは、主に、システム制御回路50の指令に基づいて実行される。
S501で、LED補助光の発光を開始する。その後の焦点検出及び焦点調節の間、LED補助光は発光を継続する。LED補助光の発光を開始すると、以降の処理において、図8を参照して説明した、AF補助光の発光を行わない場合と同様に、焦点検出、焦点調節の処理を行う。ここでは、S502〜S510において、図8におけるS201〜S205及びS208〜S211で行う処理を行うため、説明を省略する。S506またはS510の処理が済むとS511に進み、S501で発光を開始したLED補助光を消灯し、LED補助光発光時の焦点調節処理を終了して、図8の処理に戻る。
次に、図14を用いて、図8のS216で行われるLED補助光及び閃光補助光発光時の焦点調節処理について説明する。図14は、LED補助光及び閃光補助光発光時の焦点調節処理を示すフローチャートである。図14の各ステップは、主に、システム制御回路50の指令に基づいて実行される。
S601において、S206で行われた発光要否判定で、閃光補助光のみ発光許可されているかを判定する。LED補助光は許可されておらず、閃光補助光のみ発光許可されている場合は、S605に進む。一方で、LED補助光も閃光補助光も発光許可されている場合は、S602に進む。
S602で被写体有無判定を行う。上述の通りLED補助光は、常時発光が可能な反面、照射範囲が狭いことや、撮影レンズ300によるケラレが生じやすいなどの欠点がある。そのため、S602でLED補助光が有効に機能する被写体が存在するかを判定する。詳細は後述する。S603で、LED補助光が有効な被写体が存在すると判定された場合には、S604に進み、LED補助光発光時の焦点調節処理を行う。なお、S604での処理内容は、図13を参照して説明した図8のS215の処理と同様のため、説明は割愛する。一方で、S603でLED補助光が有効な被写体が存在しないと判定された場合には、S605に進み、閃光補助光発光時の焦点調節処理を行う。なお、ここで行われる処理の詳細については後述する。S604もしくはS605の処理を終えると、LED補助光及び閃光補助光発光時の焦点調節処理を終了する。
次に、図15を用いて、図14のS602で行われる被写体有無判定について説明する。図15は、被写体有無判定処理を示すフローチャートである。図15の各ステップは、主に、システム制御回路50の指令に基づいて実行される。
まず、S701で、焦点検出領域の測光情報を取得する。ここでは事前に、図7のS6で設定された焦点検出領域に対応する測光情報を取得する。次に、S702でLED補助光の発光を行い、S703で、再度、焦点検出領域に対応する測光情報を取得する。S704で、LED補助光を消灯する。S705で、S701で得られたLED補助光発光前の測光情報と、S703で得られたLED発光中の測光情報の変化量を算出する。そして、LED補助光により照明可能な被写体が存在する場合には、測光情報に変化が現れることを利用して、S705では被写体有無の判定を行う。
これにより、被写体の位置が、LED照射範囲外だった場合や、撮影レンズ300のケラレによりLED補助光が被写体に照射されない場合、被写体距離が遠く、LED補助光が到達しない場合などといった状態を検出することができる。また、被写体有無の別の判定方法として、LED補助光発光中に焦点検出を行い、焦点検出が可能であれば、被写体が存在すると判定する方法も考えられる。しかしながら、この方法では、被写体が大きくデフォーカスしている場合に焦点検出が不可能になり、被写体が存在するにもかかわらず、存在しないと判定してしまう。従って、上述のように、LED補助光発光前後の測光情報を用いて判定を行うことにより、デフォーカス状態によらず、適切な被写体有無判定を行うことができる。
S705では、焦点検出領域と対応する測光情報の中で、LED補助光の発光前後で変化が、所定値以上あった場合に、LED補助光で照明可能な被写体が存在すると判定する。S705を終えると、被写体有無判定処理を終了する。
次に、図16及び図17を用いて、図14のS605で行われる閃光補助光発光時の焦点調節処理について説明する。図16は、閃光補助光発光時の典型的なフォーカスレンズの駆動方法と閃光補助光の発光タイミングを示すものである。図16において、横軸は時間、縦軸はフォーカスレンズ位置で、焦点調節開始位置から、合焦位置までフォーカスレンズを駆動した際の様子を示している。図16中の黒丸部は、閃光補助光を発光するタイミングを示している。まず、焦点調節開始位置で、閃光補助光を2回発光する(S1)。これは、焦点調節を始めるに当たり、デフォーカス量を得るために行うものである。フォーカスレンズを停止した状態で行う閃光補助光を、本実施形態では、「ステップ閃光発光」と呼ぶ。また、ステップ閃光発光時に行われる焦点検出を、「第1の焦点検出処理」と呼ぶ。2回の発光の詳細は、後述する。
S1の閃光補助光の発光により、デフォーカス量が検出されると、フォーカスレンズの駆動を開始する(T1)。フォーカスレンズ駆動後、合焦位置が近づいてきた場合に、フォーカスレンズ駆動を継続したまま、閃光補助光の発光を行う。フォーカスレンズ駆動中、常に、閃光補助光の発光を行うと、必要な電力が大きくなるため、フォーカスレンズ駆動前に得られたデフォーカス量を用いて決められた位置にフォーカスレンズが到達すると、発光を開始する。フォーカスレンズ駆動中に行う閃光補助光を、本実施形態では、「レンズ駆動中閃光発光」と呼ぶ。また、フォーカスレンズ駆動中閃光発光時に行われる焦点検出を、「第2の焦点検出処理」と呼ぶ。レンズ駆動中閃光発光時に得られたデフォーカス量に基づき、合焦位置でレンズを停止する。その後、再度ステップ閃光発光を行い、所定の合焦範囲内に停止しているか確認する。以上が、本実施形態の典型的な閃光補助光発光時の焦点調節動作である。なお、上述したレンズ駆動制御は、システム制御回路50の制御により行われる。
次に、図17を用いて、図14のS605で行われる閃光補助光発光時の焦点調節処理の流れについて詳細に説明する。図17は、閃光補助光発光時の焦点調節処理を示すフローチャートである。図17の各ステップは、主に、システム制御回路50の指令に基づいて実行される。
S801で、ステップ閃光発光回数の初期化を行う。本実施形態の閃光補助光発光時の焦点調節は、上述のとおり、ステップ閃光発光とレンズ駆動中閃光発光に分類される。それぞれの閃光発光について、発光回数に上限を設けることにより、不要に出力を消費することを防ぐことを目的として、ステップ閃光発光回数をカウントする。
次に、S802で、第1の焦点検出処理及び調光を行う。ここで、図19を参照して、S802で行われる処理について説明する。図18は、ステップ閃光発光時の第1の焦点検出処理及び調光処理のサブルーチンを示すフローチャートである。図18の各ステップは、主に、システム制御回路50の指令に基づいて実行される。
S901で、閃光発光を行わない状態で、図7のS6で設定された1つ以上の焦点検出領域で焦点検出、信頼性判定を行い、信頼性の高い焦点検出結果を記憶する。
S902で、第1の発光量(弱)で閃光発光を行い、同期して撮像した信号を用いて焦点検出、信頼性判定を行い、信頼性の高い焦点検出結果を記憶する。
S903で、第1の発光量より大きい第2の発光量(強)で閃光発光を行い、同期して撮像した信号を用いて焦点検出、信頼性判定を行い、信頼性の高い焦点検出結果を記憶する。
S904で、S901、S902、S903で得られた焦点検出結果から、焦点検出領域の選択を行う。選択方法は、例えば、最も至近側の被写体の存在を示す焦点検出領域を選択する。これは、撮影者が意図する主な被写体は近距離側にいる頻度が多いためであるが、焦点検出領域の選択方法はこれに限らない。焦点検出領域の選択時に、その焦点検出領域から得られた焦点検出結果も取得する。また、選択した焦点検出領域から得られた閃光発光量が異なる複数回の焦点検出結果に対して、平均化処理などを行ってもよい。
一般に、焦点検出信号はコントラストが大きい方が検出精度が高いが、信号が飽和している場合はその限りではない。そこで、S902、S903で得られた焦点検出信号の飽和を検出し、飽和信号から得られた焦点検出結果を用いないようにしてもよい。
次に、S905で、調光処理を行い、調光結果を取得する。調光処理は、S904で選択した焦点検出結果がS901で得られた結果である場合には行わない。また、以後の焦点検出の際も、AF補助光の発光は行わずに焦点検出を行う。一方で、S904で選択した焦点検出結果がS902もしくはS903で得られた結果である場合には、調光処理を行う。
調光処理では、選択した焦点検出領域の閃光発光を行わない状態における測光情報と、選択した焦点検出結果が得られた閃光発光量(第1の発光量もしくは第2の発光量)に対応する選択した焦点検出領域の測光情報を取得する。2つの測光情報の差分から、焦点検出を行うのに必要十分な発光量を算出する。
閃光発光を行わない状態における測光値をBV_n、閃光発光時の測光値をBV_af、焦点検出を行うのに必要十分な目標測光値をBV_Tとした場合に、基準となる発光量に対するゲインGは、下記の式(1)で算出される。なお、基準となる発光量とは、選択した焦点検出結果が得られた閃光発光量を示す。
G=(BV_T−BV_n)/(BV_af−BV_n) …(1)
G=(BV_T−BV_n)/(BV_af−BV_n) …(1)
式(1)では、測光値がリニアスケールの場合を示しているが、測光情報は、対数スケールである場合も多い。適宜、リニアスケールと対数スケール間の変換を記憶しているテーブルなどを用いて行いながら、ゲインGを算出すればよい。得られたゲインGと基準となる発光量(選択した焦点検出結果が得られた閃光発光量)から、以後の閃光補助光の発光量を設定する。これにより、適切な発光量を設定することができ、不要な電力消費を抑えたり、焦点検出信号が飽和することによる検出精度の低下などを抑制したりすることができる。
S905で調光結果の取得を終えると、S906に進み、ステップ閃光発光回数のインクリメントを行い、本サブルーチンを終了する。
S802では、このようにステップ閃光発光時に得た焦点検出信号を用いて焦点検出を行いながら、レンズ駆動中閃光発光の光量を設定するための調光を並行して行う。また、S802以降に焦点検出を行う焦点検出領域の選択も行う。
S803で、S802の処理の結果、信頼性の高い焦点検出結果が得られたか判定する。信頼性の高い焦点検出結果が得られなかった場合、S804に進み、所定の全レンズ位置でステップ閃光発光を終えたかを判定する。本実施形態では、上述のとおり、閃光発光を行うためにフォーカスレンズの初期駆動を行う。初期位置で焦点検出が不可能な場合に、無限遠側にレンズを駆動及び停止し、再びステップ閃光発光を行う。焦点検出が行えない場合のステップ閃光発光の試行回数は任意である。例えば上述のデフォーカス検出可能範囲ごとに、ステップ閃光発光を行うことが考えられる。この場合、比較的多くの回数の発光を行うことになる。一方で、初期位置で発光後、フォーカスレンズの無限端位置からデフォーカス検出可能範囲分至近側でステップ閃光発光を行ってもよい。その場合は、焦点検出が不可能な場合のステップ閃光発光回数は、最大2回となり、より高速に焦点調節可否を判断できる。
S804で、所定の全レンズ位置でステップ閃光発光を終えた場合、S820に進み、焦点調節不可能と判断し、S211と同様に非合焦判定表示を行う。一方で、S804で所定の全レンズ位置でステップ閃光発光を終えていない場合、S805で次の閃光発光位置へレンズ駆動を行い、S802に戻る。
S803で、信頼性の高い焦点検出結果が得られたと判定されると、S806に進み、レンズ駆動中閃光発光の各種条件の設定を行う。ここで、図19を用いて、S806で行われるレンズ駆動中閃光発光の条件設定処理について説明する。図19は、レンズ駆動中閃光発光の条件設定処理を示すフローチャートである。図19の各ステップは、主に、システム制御回路50の指令に基づいて実行される。
S1001で、レンズ駆動中に閃光発光を開始するデフォーカス量の設定を行う。図16で説明した通り、消費電力の低減のため、合焦位置に近づいてから、閃光発光を開始する。その際に、図8のS212で説明した焦点検出可能なデフォーカス量の情報を用いる。焦点検出信号は、デフォーカス量が大きくなると、ボケにより対の信号の形状の類似度が下がり、検出誤差が発生する。そのため、焦点検出可能なデフォーカス量の範囲内であっても、デフォーカス量が小さい状態で得た焦点検出結果の方が高精度である。本実施形態では、焦点検出可能なデフォーカス量に対して、係数α(たとえば、0.5)を乗じた値を、閃光発光を開始するデフォーカス量の第1の閾値として設定する。第1の閾値は、現在のフォーカスレンズ位置情報と合わせて、発光開始レンズ位置に変換される。
次に、S1002では、レンズ駆動速度の設定を行う。S1001で設定した発光開始デフォーカス量の範囲で、所定回数の閃光発光を行うためのレンズ駆動速度設定を行う。例えば、60fpsの焦点検出信号の取得レートで、発光開始レンズ位置と焦点検出可能なデフォーカス量に対応するレンズ位置との距離である発光開始デフォーカス量D(mm)の範囲内で5回の閃光発光を行うことを仮定する。この場合、フォーカスレンズ駆動速度をD/5×60(mm/s)に設定する。この方法により、発光開始デフォーカス量と焦点検出信号の取得レートに応じて、適切にフォーカスレンズの駆動速度を設定することができる。
次に、S1003で、事前の調光結果を用いて、システム制御回路50は、レンズ駆動中の発光量調整もしくは撮像信号のゲイン設定を行う。発光量調整とゲイン設定は、いずれも焦点検出信号に所定のコントラストを発生させるために有効であるが、被写体が人・動物などの場合の眩しさや消費電力、焦点検出信号のS/N比を鑑みて、適切に、発光量調整、ゲイン設定を行う。例えば、焦点検出信号に、より大きいコントラストを生じさせるために、被写体が人の場合は、ゲイン設定で対応し、人ではない場合は発光量で対応するなどが考えられる。S1003を終えると、本サブルーチンを終了する。
次に、設定された条件に基づいて、S807でフォーカスレンズ駆動を開始する。S808で、S806で設定された条件の一つである発光開始レンズ位置を通過したか否かを判定する。通過していない場合は、レンズ駆動を継続した状態で、S808を繰り返し判定する。
S808で発光開始レンズ位置を通過した場合には、S809に進み、第2の焦点検出処理を行う。ここで図20を用いて、S809で行われるレンズ駆動中閃光発光時の第2の焦点検出処理について説明する。図20は、レンズ駆動中閃光発光時の第2の焦点検出処理を示すフローチャートである。図20の各ステップは、主に、システム制御回路50の指令に基づいて実行される。
まず、S1101では、システム制御回路50は、フレームレートを高速化(第2のフレームレート)する。例えば、30fpsから60fpsにする。閃光発光は、発光時間が非常に短いため、撮像素子14の露光時間を長くする必要がない。また、撮像素子14の全行が露光しているタイミングに同期して閃光発光を行えば良い。これにより、閃光発光の照射範囲が十分に広ければ、撮像素子14から得られる画面全体で焦点検出信号のコントラストを確保することができる。一方で、AF補助光を使用しない場合やLED補助光使用時には、撮像素子14の露光時間が長ければ長いほど、焦点検出信号のコントラストを確保することができる。そのため、本実施形態では、AF補助光を使用しない場合やLED補助光使用時のフレームレート(第1のフレームレート)に対して、閃光補助光使用時にはフレームレート(第2のフレームレート)を高速化する。これにより、閃光補助光使用時の焦点調節の高速化を実現することができる。
また、本実施形態では、フレームレートの高速化を、レンズ駆動中の閃光発光時のみ行う。ステップ閃光発光時の焦点検出は、上述のとおり、閃光発光を行わない場合の焦点検出結果も用いる。そのため、同様にフレームレートの高速化を行うと、閃光発光前後で、フレームレート変更を行う必要が生じ、3回の焦点検出間のタイムラグが拡大する。上述のとおり、閃光発光無、第1の発光量、第2の発光量の閃光発光時の焦点検出結果を比較して、選択するため、なるべく同じ被写体条件で焦点検出することが望ましい。そのため、本実施形態では、レンズ駆動中の閃光発光時のみ、フレームレートの高速化を行う。但し、フレームレートの切替に必要な時間が、短い場合にはこれに限らない。閃光発光無の時と閃光発光時で適宜フレームレートを切り替えて、ステップ閃光発光時の焦点検出を行えば良い。
また、上述のとおり、レンズ駆動中閃光発光時には、信頼性の高い焦点検出結果が得られていることが前提である。得られたデフォーカス量から算出されるレンズ駆動量が小さい場合には、焦点調節の高速化の効果が小さいため、フレームレートの高速化は省略してもよい。
また、レンズ駆動中閃光発光時に、焦点検出領域が絞り込まれておらず、閃光発光時と閃光発光無時の両方で、信頼性の高い焦点検出結果が得られる場合には、フレームレートの高速化は行わなくてもよい。これにより、閃光補助光の届かない遠距離の被写体と、閃光補助光が届く近距離の被写体が混在するような状況でも、適切に焦点調節を行うことができる。
次に、S1102において、S802で設定された発光量での閃光発光及び、S802で選択された焦点検出領域から得られる信号を用いて、焦点検出を行う。そして、閃光発光により得られた焦点検出信号を用いて焦点検出を行い、デフォーカス量を算出する。そして、S1103で、算出されたデフォーカス量に基づき、レンズ駆動量の更新を行う。レンズ駆動中の閃光発光及び焦点検出では、検出されるデフォーカス量が小さくなればなるほど検出誤差が小さい。そのため、上述のように、レンズ駆動量、言い換えるとレンズ駆動の目標位置を更新することにより、高精度な焦点調節を行うことができる。
次に、S810で、レンズ駆動中閃光発光の回数が所定値以内であるかを判定し、所定値を超えた場合には、S820に進む。これは、レンズ駆動開始前に検出した被写体を、被写体の移動や撮影者のフレーミング動作などにより、見失ったと判断し、不要な発光を防ぐために行う判定である。
S810で、レンズ駆動中閃光発光の回数が所定値以内の場合、S811に進み、得られた検出デフォーカス量が、所定値以内であるかどうかを判定する。検出デフォーカス量が所定値よりも大きい場合は、S809に戻り処理を継続する。
S811において、検出されたデフォーカス量が所定値以内と判定されると、S812に進み、フォーカスレンズの駆動を停止する。そして、S813において、S802と同様にして、ステップ閃光発光時の第1の焦点検出処理及び調光を行う。合焦位置近傍で、再度、調光処理を行う理由は、デフォーカス状態の変化により、信号出力に飽和が生じ、飽和した焦点検出信号で、焦点検出を行うことを回避するためである。特に被写体が細い線などを含む場合に、ボケ状態から合焦状態になるにつれ、ボケが小さくなり輝度信号レベルが上がり飽和することが懸念される。飽和した焦点検出信号は、検出誤差の一因となるため、合焦位置近傍で調光処理を行う。
S813を終えると、S814で検出デフォーカス量が、合焦判定用の閾値より小さいか否かを判定する。小さい場合は、S815に進み、S205と同様にして合焦判定処理を行い、本サブルーチンを終了する。
一方、S814において、検出したデフォーカス量が、合焦判定用の閾値より大きいと判定されると、S816に進み、デフォーカス量に基づき、フォーカスレンズの駆動を行う。S817では、ステップ閃光発光回数が所定回数以下であるかどうかを判定する。なお、ステップ閃光発光は、レンズ駆動開始前にも行っているため、合計回数で判定する。S817でステップ閃光発光回数が所定回数を超えた場合には、S820に進む。
S817でステップ閃光発光回数が所定回数以下の場合には、S818に進み、事前の調光結果に基づいて、発光量が設定された閃光発光補助光の発光と焦点検出を行う。S818では、S813からのデフォーカス状態の変化が、比較的小さいことが想定されるため、改めて調光を行わずに、S813で得られた調光結果を用いて焦点検出を行う。これにより、不要な発光を行わずに精度の高い焦点検出を実現することができる。なお、S813で得られたデフォーカス量が大きく、S818と大きくデフォーカス状態が異なる場合は、改めて、S813と同様の処理を行ってもよい。次に、S819でステップ閃光発光回数をインクリメントし、S814に戻る。
本実施形態では、レンズ駆動を停止し、閃光補助光を用いた第1の焦点検出処理とレンズ駆動中に閃光補助光を用いた第2の焦点検出処理を、信頼性の高い焦点検出結果が得られているか否かで切り替えている。これにより、焦点検出結果が得られていない場合の不要な補助光の発光を抑制しながら、高速な焦点調節を実現することができる。
本実施形態では、S809で行う焦点検出結果を信頼して、焦点調節を行った。但し、事前のステップ閃光発光時の焦点検出結果から所定量レンズを駆動した状態として想定されるデフォーカス量と、レンズ駆動中に得られたデフォーカス量の乖離から信頼性判定を行ってもよい。2つのデフォーカス量の乖離が大きい場合には、レンズ駆動開始前と開始後で被写体の大きな移動、手振れなどにより撮像装置の向きの変化などが想定される。このような場合には、レンズ駆動及び焦点検出を中断してもよい。これにより、不要に信頼性の保証されていない焦点検出結果を用いた焦点調節を早期に完了させることができる。撮影者は、必要に応じて、再度焦点調節を開始させることで、意図する被写体への焦点調節時間を短縮することができる。
また、S810で言及したレンズ駆動中の閃光発光の許容回数は、事前のステップ閃光発光回数に応じて、可変としてもよい。上述のとおり、消費電力の節減や、焦点調節後の撮影時の発光量確保の観点で、適切に、レンズ駆動中の閃光発光回数を設定すればよい。また、閃光発光回数を多くする場合には、発光開始デフォーカス量を大きくすることにより、レンズ駆動中の被写体移動の影響を抑制し、より確実に、焦点検出を行うことができる。
本実施形態では、予め決められた発光量の異なる閃光発光を行い、そこで得られた焦点検出信号を用いて、焦点検出領域の選択やデフォーカス量の算出を行った。また、選択した焦点検出結果が得られた発光量を基準として、以後の発光量の調整(調光処理)を行った。これにより、焦点検出を行う前に、調光処理を行う必要がないため、迅速な焦点調節を行うことができる。また、ステップ閃光発光時に調光を行うことにより、1回の閃光発光で信頼性の高い焦点検出結果を得ることができる。そのため、レンズ駆動中閃光発光や、以後のステップ閃光発光回数の低減などを実現することができる。
また、本実施形態では、焦点検出信号のコントラストの調整を主に発光量を調整することにより実現した。しかしながら、撮像素子14から読みだす信号のゲイン調整により実現してもよい。発光量による調整では、被写体の反射率や距離などにより、より近く、反射率の高い被写体のコントラストの調整に効果が大きく、焦点検出信号のS/N比が改善される。一方で、ゲイン調整によるコントラストの調整では、焦点検出信号のS/N比は改善されないが、被写体の距離や反射率によらず、より容易にコントラストの調整を行うことができる。
また、本実施形態では、レンズ駆動中閃光発光を行う前に、焦点検出領域が決定している場合について説明した。上述の自動選択モードなど信頼性の高い焦点検出結果が得られたものの焦点検出領域を絞り込まない場合には、個々の焦点検出領域に対応した発光量の調整は行えない。そのため、第1の発光量、第2の発光量、発光無のいずれかから、選択すればよい。例えば、より多くの信頼性の高い焦点検出結果が得られた信号やより距離の近い被写体の存在を示す焦点検出結果が得られた信号と対応する発光量を選択すればよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
14:撮像素子、20:画像処理回路、42:AF部、46:測光部、48:フラッシュ、49:LEDランプ、50:システム制御回路、300:撮影レンズ、311:レンズ、342:フォーカス制御部、346:レンズシステム制御部
Claims (11)
- フォーカスレンズを含む撮影光学系の互いに異なる瞳領域を通過した光束に基づいて、視差を有する一対の信号を含む画像信号を出力することが可能な撮像素子と、
前記一対の信号の位相差に基づいて、デフォーカス量を検出する焦点検出手段と、
前記焦点検出手段が検出可能なデフォーカス量の範囲を概算し、当該範囲に基づいて前記フォーカスレンズの初期位置を設定する設定手段と、
閃光を発光する第1の発光手段の発光のタイミングを制御する制御手段と、
前記焦点検出手段で用いる前記一対の信号を取得するために、前記第1の発光手段を発光させるか否かを判定する判定手段と、を有し、
前記制御手段は、前記判定手段が前記第1の発光手段を発光させると判定した場合に、前記フォーカスレンズが前記初期位置へ駆動された後に、前記撮像素子の露光のタイミングに同期して前記第1の発光手段を発光させるように制御することを特徴とする撮像装置。 - 前記判定手段は、前記撮像素子から出力された画像信号から得られた測光値が予め決められた第1の閾値よりも小さく、且つ、当該画像信号から被写体を検出できなかった場合に、前記第1の発光手段を発光させると判定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記フォーカスレンズの駆動を制御するレンズ駆動制御手段をさらに有し、
前記制御手段は、前記フォーカスレンズが前記初期位置に駆動された後に、前記フォーカスレンズを動かさずに、前記第1の発光手段を異なる発光量で複数回、発光させ、それぞれの発光に対して前記撮像素子から出力された画像信号、及び前記第1の発光手段を発光させずに前記撮像素子から出力された画像信号に基づいて、次の発光時に用いる前記第1の発光手段の発光量を設定することを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。 - 前記レンズ駆動制御手段は前記第1の発光手段の発光量を設定したのち、予め決められた駆動速度で前記フォーカスレンズを駆動し、
前記制御手段は、前記検出可能なデフォーカス量の範囲と、前記初期位置とに基づいて、前記第1の発光手段の発光を開始する発光開始レンズ位置を設定し、前記フォーカスレンズが前記発光開始レンズ位置を通過したことに応じて、予め決められた回数を上限として、前記設定された発光量で前記第1の発光手段を発光させ、
前記レンズ駆動制御手段は、前記予め決められた回数と、前記撮像素子から信号を読み出す際の読み出しレートとから、前記フォーカスレンズを駆動する駆動速度を設定する
ことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。 - 前記制御手段は、さらに、連続点灯可能な第2の発光手段の発光を制御し、
前記判定手段は、さらに、前記焦点検出手段によりデフォーカス量を検出する際に、前記第2の発光手段を発光させるか否かを判定し、
前記制御手段は、前記判定手段が前記第2の発光手段を発光させると判定した場合に、前記撮像素子を露光する前に前記第2の発光手段の点灯を開始するように制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。 - 前記判定手段は、前記撮像素子から出力された信号から得られた測光値が予め決められた第2の閾値よりも小さく、且つ、前記第2の閾値よりも小さい予め決められた第3の閾値以上の場合、または、前記測光値が前記第3の閾値よりも小さく、且つ、前記撮像素子から出力された信号から被写体を検出できた場合に、前記第2の発光手段を発光させると判定することを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
- 前記設定手段は、前記撮影光学系のF値、枠情報、焦点検出領域の像高、前記一対の信号のコントラストの少なくとも1つの情報に基づいて、前記焦点検出手段が検出可能なデフォーカス量の範囲を概算することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記設定手段は、前記第1の発光手段の閃光の到達距離、被写体の存在確率が高い距離、前記撮影光学系のフォーカスレンズの駆動範囲の少なくとも1つを用いて、前記フォーカスレンズの初期位置を設定することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記第1の発光手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記第1の発光手段が着脱可能であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 焦点検出手段が、フォーカスレンズを含む撮影光学系の互いに異なる瞳領域を通過した光束に基づいて、視差を有する一対の信号を含む画像信号を出力することが可能な撮像素子から出力された、前記一対の信号の位相差に基づいて、デフォーカス量を検出する焦点検出工程と、
設定手段が、前記焦点検出手段が検出可能なデフォーカス量の範囲を概算し、当該範囲に基づいて前記フォーカスレンズの初期位置を設定する設定工程と、
判定手段が、前記焦点検出手段で用いる前記一対の信号を取得するために、閃光を発光する第1の発光手段を発光させるか否かを判定する判定工程と、
制御手段が、前記判定工程で前記第1の発光手段を発光させると判定した場合に、前記フォーカスレンズが前記初期位置へ駆動された後に、前記撮像素子の露光のタイミングに同期して前記第1の発光手段を発光させるように制御する制御工程と、
を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
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