JP2019086519A - 試験プローブ及び試験プローブ・チップ - Google Patents

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F M Ullom Kathleen
チャールズ・エム・ハルトマン
M Hartmann Charles
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Abstract

【課題】試験プローブ・チップの特性を改善する。【解決手段】試験プローブ・チップでの利用に適した抵抗性要素のための抵抗性要素600は、一端部がチップ部品と電気機械的に結合され、他端部がプランジャ基部部品と電気機械的に結合される。抵抗性要素600の両端部には、金属レイヤ604a及び604bが夫々形成される。抵抗性要素600の構造部材602の外周表面から、金属レイヤ604a及び604bの表面の一部分にかけて、抵抗性レイヤ606が形成される。【選択図】図6

Description

本発明は、概して、試験プローブに関し、特に、試験プローブ用の試験プローブ・チップに関する。
今日のエンジニアは、高速シリアル・バスを備えるデバイスを試験しようと試みている。こうしたデバイスの多くは、限定されるものではないが、ダブル・データ・レート第2世代(DDR2)シンクロナス・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(SDRAM)、ダブル・データ・レート第4世代(DDR4)SDRAM、ペリフェラル・コンポーネント・インターコネクト・エクスプレス(PCIe)として特定されるものがあっても良い。小振幅の電圧が振動し、パルス周波数が非常に高く、シグナリングの複雑さのために、正確な電気的プロービングが必要となる。これらやその他のバスは、様々な種類のコンシューマ・ハードウェア・デイバイスにおいて、広く普及しつつある。これら製品のそれぞれにおいて、重要な試験ポイントが多数ある。
これら製品中の試験ポイントは、幾何学的配置(geometry)及びアクセスし易さの両方が非常に大きく変化し、通常、1又は2ポイントのコンタクトが必要となる。典型的には、コンタクトのポイントとしては、マイクロ・トレース、ビア、コンポーネント・パッド及びコネクタ・コンタクトがあり、これらは、高速信号との電気的な接触と、これによる高速信号へのアクセスとを提供する。しかし、これら試験ポイントは、常に同じ平面にあるわけでなく、もし2つのプローブ・コンタクトが同時に必要とされる(例えば、差動プローブの場合におけるような)と、適切な接触のためのプローブの位置決めを補助するために、チップのコンプライアンス(弾力性、追従性)が強く望まれる。コンタクトのポイントは、主成分分析(principal component analysis: PCA)ハードウェア上では、仮想的に垂直から水平までを含むあらゆる方向の角度で存在できる。こうした種々の状況において、プローブ・チップにコンプライアンスがあれば、試験ポイントへのアクセスが改善できる。
特開2013−3144号公報 特開2014−109449号公報 特開2016−126018号公報
「Micropenning(マイクロペニング)」の紹介サイト、米国 MicroPen Technologies Corporation の1部門である Ohmcraft、[online]、[2018年11月5日検索]、インターネット<https://www.ohmcraft.com/resources/micropenning>
これらポイントへのワイヤの半田付け又は導電性エポキシによる取り付けなど、これらアクセス・ポイントへのプローブ・コンタクトの半恒久的な装着形態が複数存在しているが、こうした解決手法は、接続中の被測定デバイス(DUT)へのダメージの可能性、長いセットアップ時間、そして、これら試験ポイントへのワイヤ半田付けのために非常に器用なスキルが要求されることを含めて、多数の欠点も存在する。また、半恒久的なコンタクトでは、素早くデバッグが行えない。半田付けプローブ・チップは、わずか2、3回の接続の後には摩滅する傾向にあり、よって、交換する必要が生じ、これは、極めて不経済なこととなり得る。最後に、特に高い信号周波数において、半田付けやエポキの品質と幾何学的配置が原因で、信号の忠実性が大きく変化する傾向にある。
したがって、試験プローブとの接続に使用する改善されたプローブ・チップへのニーズが残っている。
以下では、本願発明の説明に有益な実施例を提示する。本発明の実施形態は、以下で記述する実施例の1つ以上か、これらの任意の組み合わせを含んでいても良い。
本発明の概念1は、試験プローブ・チップであって、
構造部材と、該構造部材の外周に形成された抵抗性レイヤとを有する抵抗性要素と、
該抵抗性要素と結合するよう構成されるチップ部品と
を具え、
上記抵抗性要素は、電気的及び機械的に上記チップ部品と結合され、絶縁被覆がなく(電気的特性上、外周は空気のみが好ましい)、上記試験プローブ・チップの構造コンポーネント(構成要素)となるよう構成される。
本発明の概念2は、上記概念1の試験プローブ・チップであって、上記抵抗性要素の上記構造部材としては、更に、ジルコニウム(zirconium)、石英(Quartz:水晶)又はこれらの組み合わせを有していても良い。
本発明の概念3は、上記概念1の試験プローブ・チップであって、上記抵抗性レイヤは、ルテニウム(ruthenium)、イリジウム(iridium)やレニウム(rhenium)の酸化物から構成されても良い。
本発明の概念4は、上記概念1の試験プローブ・チップであって、上記構造部材は、形状がほぼ円筒形である。
本発明の概念5は、上記概念1の試験プローブ・チップであって、上記抵抗性要素に結合された力偏向アセンブリを更に具えている。
本発明の概念6は、上記概念5の試験プローブ・チップであって、上記力偏向アセンブリは、上記試験プローブ・チップを試験プローブ本体に結合するよう構成される。
本発明の概念7は、上記概念5の試験プローブ・チップであって、上記力偏向アセンブリが、
上記抵抗性要素と結合するよう構成されるプランジャ(棒状ピストン)部品と、
該プランジャ部品を受けるよう構成される樽型部品と、
該樽型部品内に配置されるばね機構と
を有し、
上記プランジャ部品が上記樽型部品内で軸方向にスライドするよう構成され、上記プランジャ部品が上記樽型部品内で奥の方へスライドするのに応じて、上記ばね機構が上記プランジャ部品に対して作用するよう構成される。
本発明の概念8は、上記概念7の試験プローブ・チップであって、上記ばね機構は、上記プローブ・チップと被試験デバイス(DUT)上の試験ポイントの間に圧縮抵抗を生成するよう構成される。
本発明の概念9は、試験プローブであって、
試験測定装置と結合されるよう構成される試験プローブ本体と、
該試験プローブ本体と結合され、被試験デバイス(DUT)と結合されるよう構成される試験プローブ・チップと
を具え、
該試験プローブ・チップが、
構造部材と、該構造部材の外周に形成された抵抗性レイヤとを有する抵抗性要素と、
該抵抗性要素と結合するよう構成されるチップ部品と
を有し、
上記抵抗性要素は、電気的及び機械的に上記チップ部品と結合され、絶縁被覆が形成されず(電気的特性上、外周は空気のみが好ましい)、上記試験プローブ・チップの構造コンポーネント(構成要素)となるよう構成される。
本発明の概念10は、上記概念9の試験プローブであって、上記抵抗性要素の上記構造部材としては、更に、ジルコニウム(zirconium)、石英(Quartz:水晶)又はこれらの組み合わせを有していても良い。
本発明の概念11は、上記概念9の試験プローブであって、上記抵抗性レイヤは、ルテニウム(ruthenium)、イリジウム(iridium)やレニウム(rhenium)の酸化物から構成されても良い。
本発明の概念12は、上記概念9の試験プローブであって、上記構造部材は、形状がほぼ円筒形である。
本発明の概念13は、上記概念9の試験プローブであって、上記試験プローブ・チップが、上記抵抗性要素に結合された力偏向アセンブリを更に有している。
本発明の概念14は、上記概念13の試験プローブであって、上記力偏向アセンブリは、上記試験プローブ・チップを上記試験プローブ本体に結合するよう構成される。
本発明の概念15は、上記概念14の試験プローブであって、上記力偏向アセンブリが、
上記抵抗性要素と結合するよう構成されるプランジャ部品と、
該プランジャ部品を受けるよう構成される樽型部品と、
該樽型部品内に配置されるばね機構と
を有し、
上記プランジャ部品が上記樽型部品内で軸方向にスライドするよう構成され、上記プランジャ部品が上記樽型部品内で奥の方へスライドするのに応じて、上記ばね機構が上記プランジャ部品に対して作用するよう構成される。
本発明の概念16は、上記概念15の試験プローブであって、上記ばね機構は、上記プローブ・チップと被試験デバイス(DUT)上の試験ポイントの間に圧縮抵抗を生成するよう構成される。
本発明の実施形態の態様、特徴及び効果は、添付の図面を参照し、の実施形態の説明を読むことで明らかとなろう。
図1は、本発明の特定の実施形態によるプローブ・チップの例の分解図を示す。 図2は、本発明の特定の実施形態による図1に示されたプローブ・チップの組み立て図を示す。 図3は、本発明の特定の実施形態による単一チップ試験プローブの例を示す。 図4は、本発明の特定の実施形態による差動プローブの例を示す。 図5は、本発明の特定の実施形態による試験プローブ・チップに関する周波数応答プロットの例をグラフで表したものである。 図6は、本発明の種々の実施形態の中の1つによる例示的な円形ロッド型抵抗器を示す。 図7は、本発明の種々の実施形態の中のもう1つ別の例示的な円形ロッド型抵抗器を示す。
本発明の実施形態としては、概して、試験プローブと共に使用するのに適し、そして、例えば、被試験デバイス(DUT)上の試験ポイントに、正確で、高さ方向の追従性(height-compliant)があり、クイック(手早く)で、そして、軽い圧力での接触を提供するよう構成されるプローブ・チップがある。こうしたプローブ・チップは、実施形態によっては、DUTとのコンタクトのポイント近くに配置される抵抗性又はインピーダンス要素を含むばね式(スプリング)プローブとして構成されても良い。抵抗性又はインピーダンス要素は、むばね式プローブのスルー応答(through response)を大きく改善でき、また、DUTの負担を著しく低減でき、もって、高速な信号の取込みを可能にする。
本発明による試験プローブ及びプローブ・チップは、プローブ・チップの複数の部品間のコンタクト領域の物理的及び電気的なコントロールを効果的に改善でき、また、典型的にはコンタクトの長いセットアップ時間が受け入れられない素早いデバッグ環境に向いている。本発明による試験プローブ及びプローブ・チップは、接続場所に関して優れた視認性を効果的に提供でき、種々のクラスの製品、特にハンドヘルドや素早いプロービングにおいて、直感的な操作を提供できる。
図1は、本発明の特定の実施形態による試験プローブ・チップ100の例の分解図を示す。この例では、試験プローブ・チップ100には、オプションのコンプライアンス部材又は力偏向アセンブリと、これに結合されたチップ部品108とがある。
この例では、コンプライアンス部材又は力偏向アセンブリには、試験プローブと一体化されるか又は結合されるよう構成される樽型部品102がある。プローブ・チップ100には、抵抗性要素106(例えば、円形棒状抵抗器)と、抵抗性要素106の一端面と、例えば、電気機械的な接合(例えば、半田付け、導電性接着剤など)によって、結合されるプランジャ(棒状ピストン)基部部品104もある。以下の図6及び7では、例示的な抵抗性要素を図示している。
抵抗性要素106は、実施形態によっては、その外側周囲に配置された抵抗があるチューブ状の形状を有していても良い。例えば、抵抗性要素106が、チューブを覆う抵抗性コーティング又は抵抗性レイヤ(層)を含んでも良い。加えて、電気機械的な接合を可能にするため、抵抗性要素106が、その両端部に配置した金属化コンタクトを有していても良い。抵抗器のチューブ状構造によって、高帯域幅と、低い帯域幅負荷が可能になる。図示した抵抗性要素106の円筒形状によって、抵抗性要素106の断面耐力を効果的に最大化できる。なお、抵抗性要素106について、円筒形を図示しているが、他の適切な形状(例えば、八角形、三角形など)を利用しても実現できることが理解できよう。
この例では、チップ部品108は、抵抗性要素106の、プランジャ基部部品104と結合される端面と反対側の端面と、例えば、電気機械的接合によって、結合されるように構成される。本願で用いられるように、電気機械的接合は、電気的な接続に加えて、構造的/機械的なサポート(支持機構)を提供するものである。チップ部品108は、例えば、DUT上の1つ以上のコンタクト(接触)ポイントと、きめの細かい電気的な接続性を確立又は容易にするために、1つ以上のポイントを有していても良い。
ばね機構が、樽型部品102内に閉じ込められるか、さもなくば、配置されても良く、そして、プランジャ基部104は、樽型部品102内で軸方向にスライドするよう構成されても良く、その結果として、樽型部品102内に配置されたばね機構により、効果的に圧縮抵抗を生じるように作用を受ける。
図2は、オプションのコンプライアンス部材又は力偏向アセンブリと、これに結合されたチップ部品を有する本発明の特定の実施形態による試験プローブ・チップ200の例の組み立て図を示す。この例では、樽型部品202がプランジャ基部204を受ける。プランジャ基部204は、抵抗性要素206の一端と、例えば、電気機械的結合によって結合される。プランジャ基部204を受ける。抵抗性要素206は、その外側の周囲上に抵抗があるチューブ状の形状を有してもよい。この例では、チップ部品208は、例えば、電気機械的接合によって、抵抗性要素206のプランジャ基部204と結合された端部と反対側の端部に結合される。
図1に示された試験プローブ・チップ100と同様に、ばね機構が、樽型部品202内に取り付けられるか、さもなくば、配置されても良く、そして、プランジャ基部204が、樽型部品202内で軸方向にスライドするよう構成されても良い。樽型部品202の中のばね機構によって、プランジャ基部204は、効果的に圧縮抵抗を生じるように作用を受ける。
図3は、本発明の特定の実施形態による単一チップ試験プローブ300の例を示す。この例では、試験プローブ300には、試験プローブ本体302と、図1及び2にそれぞれ示された試験プローブ・チップ100及び200のような試験プローブ・チップ304がある。ユーザは、試験プローブ・チップ304と、例えば、DUT上の高速信号アクセス・ポイントやその他の適切なポイントのような試験ポイントとの間に圧縮抵抗を形成するのに、試験プローブ300を使用しても良い。
図4は、本発明の特定の実施形態による差動プローブ400の例を示す。この例では、差動プローブ400には、プローブ本体402と、図1及び2にそれぞれ示された試験プローブ・チップ100及び200のような2つの試験プローブ・チップ404及び406がある。ユーザは、試験プローブ・チップ404及び406の一方又は両方と、例えば、DUT上の高速信号アクセス・ポイントやその他の適切なポイントのような1つ又は2つの試験ポイントとの間に圧縮抵抗を形成するのに、試験プローブ400を使用しても良い。
図5は、本発明の特定の実施形態による試験プローブ・チップに関する周波数応答プロット500の例をグラフで表したものである。抵抗の構造(例えば、棒状チューブの特性)及びDUTコンタクトのコンタクト・ポイントの直ぐ近くという構成は、DUT上の信号に対して極めてフラットな応答を生成し、DUTへの負荷を最小に維持しつつ、信号を高い忠実度で再現する。これは、負荷に影響されやすい信号バスを測定する上で重要である。もしチップ/プローブ入力構造が負荷をかける(例えば、信号のアイを減少又は変更させる)と、送信器−受信器間のシグナリングがじゃまされ、その被試験通信バスが正常に動作しなくなり、試験を台無しにしてしまう。本発明によるプローブ・チップは、効果的にこの問題を大幅に制限する。
図6は、本発明の種々の実施形態の中の1つによる例示的な抵抗性要素(抵抗器)600について、長さ方向の断面と、更に、2つの四角の囲みの中に、線608と610に沿った幅方向の2つの断面を描いたものである。図が示すように、抵抗器には、構造部材602と、構造部材602の両端部の外周付近に配置された金属レイヤ604a及び604bと、そして、円形ロッド抵抗器の外側表面に配置された抵抗性レイヤ606とがある。
構造部材602は、十分な構造的剛性と、壊れることなくプロービングの圧力に耐える十分な強度を提供する材料から構成される。このように、構造部材602によれば、抵抗を埋め込み材料中に組み込む必要をなくすことができる。これは、埋め込み材料(例えば、プラスチックなど)中に抵抗を埋め込むと、得られるプローブ・チップのフラットな周波数応答に悪い影響が出ることがあるので、有益である。周波数応答をフラットに維持するのに役立つように、抵抗器600の周りを囲む絶縁物質は空気だけとする(即ち、特別な絶縁被覆などを設けない)のが好ましく、これは、少なくとも一部分は、構造部材600によって可能になる。十分な構造的剛性と十分な強度を提供する材料は、プローブ・チップの意図する用途によって変わり得るが、こうした材料としては、ジルコニウム、石英(Quartz:水晶)又はこれらの任意の組み合わせであっても良い。なお、これら材料は、単に例示的に利用可能な材料という意味であって、当業者であれば、その他の利用可能な材料を容易に見つけられるであろう。加えて、構造部材602は、実際的には、おおよそ円筒形であるとして描いているが、本発明の趣旨から離れることなく、他の形状(例えば、八角形、三角形など)を利用できることが理解できよう。
金属レイヤ604a及び604bは、プランジャ基部104及びチップ部品108と電気的な接続を形成するのに適した任意の材料であって良い。こうした材料としては、銀、金、銅その他の適切な導電性材料、又は、これらの任意の組み合わせであっても良い。金属レイヤ604a及び604bは、マイクロペニング(micropenning)処理のような任意の適切な処理又は他の適切な処理を用いて取り付けられても良い。マイクロペニング処理は、ペンで文字を描くようにして必要な材料を配置するもので、このために、極めて細かく、正確な位置に適切に材料を配置可能である(非特許文献1参照)。これら金属レイヤは、キャップ(Cap:ふた)として形成でき、構造部材の両端部を露出したままとして形成しても良い。
抵抗性レイヤ606は、薄いフィルム抵抗性レイヤであっても良い。このフィルムは、マイクロペニング処理(例えば、オームクラフト(Ohmcraft)製の抵抗性インクを利用しても良い。非特許文献1参照)、フラット・スクリーン印刷、その他の適切な処理によって取り付けられても良い。抵抗性レイヤ606としては、例えば、ルテニウム(ruthenium)、イリジウム(iridium)やレニウム(rhenium)の酸化物、又はその他の適正な材料であっても良い。抵抗性レイヤ606は、コンタクト金属レイヤ604a及び604bの表面や、これら金属レイヤと構造部材602の間などにも形成又は塗布されても良い。加えて、抵抗性レイヤやその他の関係するレイヤは、更に正確な加工や抵抗器の抵抗値を調整するために、レーザ加工で不要な部分を切り出(例えば、抵抗性レイヤの一部分を除去するなど)しても良い。
図7は、本発明の種々の実施形態の中のもう1つ別の実施形態による例示的な抵抗性要素(抵抗器)700について、長さ方向の断面と、更に、2つの四角の囲みの中に、線708と710に沿った幅方向の2つの断面を描いたものである。図が示すように、抵抗器には、それぞれ半円筒形(semi-cylindrical)の構造部材702a及び702b、構造部材702の両端部の周りに配置される金属レイヤ704a及び704b、構造部材702a及び702bの間に配置される抵抗性レイヤ706がある。
構造部材702a及び702bは、十分な構造的剛性と、壊れることなくプロービングの圧力に耐える十分な強度を提供する材料から構成される。このように、構造部材702によれば、抵抗を埋め込み材料中に組み込む必要をなくすことができる。これは、埋め込み材料(例えば、プラスチックなど)中に抵抗を埋め込むと、得られるプローブ・チップのフラットな周波数応答に悪い影響が出ることがあるので、有益である。周波数応答をフラットに維持するのに役立つように、抵抗器700の周りを囲む絶縁物質は空気だけとする(即ち、特別な絶縁被覆などを設けない)のが好ましく、これは、少なくとも一部分は、構造部材702によって可能になる。十分な構造的剛性と十分な強度を提供する材料は、プローブ・チップの意図する用途によって変わり得るが、こうした材料としては、ジルコニウム、石英(Quartz:水晶)又はこれらの任意の組み合わせであっても良い。なお、これら材料は、単に例示的に利用可能な材料という意味であって、当業者であれば、その他の利用可能な材料を容易に見つけられるであろう。また、図7では、それぞれ半円筒形の構造部材702a及び702bと抵抗性レイヤ706とを組み合わせた構造部材702の全体としては、おおよそ円筒形であるとして描いているが、本発明の趣旨から離れることなく、他の形状(例えば、八角形といった多角形など)を利用できることが理解できよう。
金属レイヤ704a及び704bは、プランジャ基部104及びチップ部品108と電気的な接続を形成するのに適した任意の材料であって良い。こうした材料としては、銀、金、銅その他の適切な導電性材料、又は、これらの任意の組み合わせであっても良い。金属レイヤ704a及び704bは、マイクロペニング(micropenning)処理のような任意の適切な処理又は他の適切な処理を用いて取り付けられても良い。これら金属レイヤは、キャップ(Cap:ふた)として形成でき、構造部材の両端部を露出したままとして形成しても良い。
抵抗性レイヤ706は、薄いフィルム抵抗性レイヤであっても良い。このフィルムは、マイクロペニング処理(例えば、オームクラフト(Ohmcraft)製の抵抗性インクを利用しても良い。非特許文献1参照)、フラット・スクリーン印刷、その他の適切な処理によって取り付けられても良い。抵抗性レイヤ706としては、例えば、ルテニウム(ruthenium)、イリジウム(iridium)やレニウム(rhenium)の酸化物、又はその他の適正な材料であっても良い。更に、図6の抵抗性レイヤ06と同様にして、オプションの抵抗性レイヤ(図示せず)を、コンタクト金属レイヤ704a及び704bの表面や、これら金属レイヤと構造部材702の間などにも形成又は塗布しても良い。加えて、抵抗性レイヤやその他の関係するレイヤは、更に正確な加工や抵抗器の抵抗値を調整するために、レーザ加工で不要な部分を切り出(例えば、抵抗性レイヤの一部分を除去するなど)しても良い。
図示した実施形態を参照しながら、本発明の原理を記述し、説明してきたが、こうした原理から離れることなく、図示した実施形態の構成や細部を変更したり、望ましい形態に組み合わせても良いことが理解できよう。先の説明では、特定の実施形態に絞って説明しているが、別の構成も考えられる。
特に、「本発明の実施形態によると」といった表現を本願では用いているが、こうした言い回しは、大まかに言って実施形態として可能であることを意味し、特定の実施形態の構成に限定することを意図するものではない。本願で用いているように、これら用語は、別の実施形態に組み合わせ可能な同じ又は異なる実施形態に言及するものである。
従って、本願で説明した実施形態は、幅広い種々の組み替えの観点から、この詳細な説明や添付の資料は、単に説明の都合によるものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものと考えるべきではない。従って、本発明として請求するものは、添付の請求項とそれらに等価なものの範囲と要旨内に入るようなそうした変更したもの全てである。
100 試験プローブ・チップ
102 樽型部品
104 プランジャ基部部品
106 抵抗性要素
108 チップ部品
200 試験プローブ・チップ
202 樽型部品
204 プランジャ基部部品
206 抵抗性要素
208 チップ部品
300 単一チップ試験プローブ
302 試験プローブ本体
304 試験プローブ・チップ
400 差動プローブ
402 プローブ本体
404 試験プローブ・チップ
406 試験プローブ・チップ
600 抵抗性要素(抵抗器)
602 構造部材
604a 金属レイヤ
604b 金属レイヤ
606 抵抗性レイヤ
700 抵抗性要素(抵抗器)
702 構造部材
702a 第1構造部材
702b 第2構造部材
704a 金属レイヤ
704b 金属レイヤ
706 抵抗性レイヤ

Claims (5)

  1. 試験プローブ・チップであって、
    構造部材と、該構造部材の外周に形成された抵抗性レイヤとを有する抵抗性要素と、
    該抵抗性要素と結合するよう構成されるチップ部品と
    を具え、
    上記抵抗性要素は、電気的及び機械的に上記チップ部品と結合され、絶縁被覆がなく、上記試験プローブ・チップの構造コンポーネントとなるよう構成される試験プローブ・チップ。
  2. 上記抵抗性要素の上記構造部材が、ジルコニウム、石英又はこれらの組み合わせである請求項1に記載の試験プローブ・チップ。
  3. 上記抵抗性レイヤは、ルテニウム、イリジウム又はレニウムの酸化物から構成される請求項1又は2に記載の試験プローブ・チップ。
  4. 力偏向アセンブリを更に具える請求項1から3のいずれかに記載の試験プローブ・チップであって、
    上記力偏向アセンブリが、
    上記抵抗性要素と結合するよう構成されるプランジャ部品と、
    該プランジャ部品を受けるよう構成される樽型部品と、
    該樽型部品内に配置されるばね機構と
    を有し、
    上記プランジャ部品が上記樽型部品内で軸方向にスライドするよう構成され、上記プランジャ部品が上記樽型部品内で奥の方へスライドするのに応じて、上記ばね機構が上記プランジャ部品に対して作用するよう構成される請求項1から3のいずれかに記載の試験プローブ・チップ。
  5. 試験プローブであって、
    試験測定装置と結合されるよう構成される試験プローブ本体と、
    該試験プローブ本体と結合され、被試験デバイス(DUT)と結合されるよう構成される試験プローブ・チップと
    を具え、
    該試験プローブ・チップが、
    構造部材と、該構造部材の外周に形成された抵抗性レイヤとを有する抵抗性要素と、
    該抵抗性要素と結合するよう構成されるチップ部品と
    を有し、
    上記抵抗性要素は、電気的及び機械的に上記チップ部品と結合され、絶縁被覆がなく、上記試験プローブ・チップの構造コンポーネントとなるよう構成される試験プローブ。
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