JP2019086351A - 信号処理システム、信号処理装置、信号処理方法および信号処理プログラム - Google Patents

信号処理システム、信号処理装置、信号処理方法および信号処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】識別でき同時に使える送信波形を増やすことにより、たくさんの物体や方向を検出すること。【解決手段】周波数が非反復的に変化する変調波を生成するため、周波数変調を行った送信波形を生成する送信波形生成部と、送信波形のスペクトログラムの相互相関が閾値以下となるよう、送信波形生成部による周波数変調を変化させる送信波形変更部と、スペクトログラムの相互相関が閾値以下となる送信波形を、時間軸と周波数軸とで分割された複数のタイルに配置する送信波形配置部と、を備える。なお、送信波形変更部は、かつ、送信波形のスペクトログラムの自己相関が閾値以下となるよう、送信波形生成部による周波数変調を変化させる。また、送信波形配置部は、各タイルの時間軸および周波数軸の位置に適切なスペクトログラムの送信波形を配置する。【選択図】 図1

Description

本発明は、信号処理システム、信号処理装置、信号処理方法および信号処理プログラムに関する。
上記技術分野において、非特許文献1では、送信を許される帯域内の一定の時間を、時間軸および周波数軸で複数の時間−周波数タイルに分割し、それぞれの時間−周波数タイルの中で、3種類の選択を行った波形を送信する。3種類の選択とは、その時間−周波数タイルで信号を発生させない場合、Up-sweep LFM(Linear Frequency Modulation)と呼ばれる周波数が上昇するFM波を発生させる場合、Down sweep LFMと呼ばれる周波数が下降するFM波を発生させる場合の3つである。この時間−周波数タイルのパターンが全体では異なることを利用し、同時に送信された多数の波形を区別して処理することができる。
Wen-Qin Wang, H. C. So, Longting Huang, Yuan Chen,"LOWPEAK-TO-AVERAGE RATIO OFDM CHIRP WAVEFORM DIVERSITY DESIGN,"2014 IEEE International Conference on Acoustic, Speech and Signal Processing. 横田康成 講義資料 信号処理 第三部 非定常信号解析・ケプストラム解析(http://www.ykt.info.gifu-u.ac.jp/sp3.pdf)
しかしながら、上記文献に記載の技術では、それぞれの時間−周波数タイル内の波形の選択肢が限られており、同時に区別して処理することが可能な送信波形の数が限られている。例えば、非特許文献1の8×8の64タイルよっても、送信波形の種類は最大3×64=192であり、各タイルの波形が隣接可能な波形であるか否かを考慮すると、送信波形の種類が減少する。その結果、識別でき同時に使える波形が制限されて、たくさんの物体や方向を検出できない。また、同時に使えるレーダをふやすには使用帯域幅を減らすなどの変更が必要であり、使用帯域幅を減らすと精度が低減する。
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る信号処理装置は、
周波数が非反復的に変化する変調波を生成するため、周波数変調を行った送信波形を生成する送信波形生成手段と、
前記送信波形のスペクトログラムの相互相関が閾値以下となるよう、前記送信波形生成手段による前記周波数変調を変化させる送信波形変更手段と、
スペクトログラムの相互相関が閾値以下となる送信波形を、時間軸と周波数軸とで分割された複数のタイルに配置する送信波形配置手段と、
を備える。
上記目的を達成するため、本発明に係る信号処理方法は、
周波数が非反復的に変化する変調波を生成するため、周波数変調を行った送信波形を生成する送信波形生成ステップと、
前記送信波形のスペクトログラムの相互相関が閾値以下となるよう、前記送信波形生成ステップにおける前記周波数変調を変化させる送信波形変更ステップと、
スペクトログラムの相互相関が閾値以下となる送信波形を、時間軸と周波数軸とで分割された複数のタイルに配置する送信波形配置ステップと、
を含む。
上記目的を達成するため、本発明に係る信号処理プログラムは、
周波数が非反復的に変化する変調波を生成するため、周波数変調を行った送信波形を生成する送信波形生成ステップと、
前記送信波形のスペクトログラムの相互相関が閾値以下となるよう、前記送信波形生成ステップにおける前記周波数変調を変化させる送信波形変更ステップと、
スペクトログラムの相互相関が閾値以下となる送信波形を、時間軸と周波数軸とで分割された複数のタイルに配置する送信波形配置ステップと、
をコンピュータに実行させる。
上記目的を達成するため、本発明に係る信号処理システムは、
送信機と受信機とを備え、
前記送信機は、
周波数が非反復的に変化する変調波を生成するため、周波数変調を行った送信波形を生成する送信波形生成手段と、
前記送信波形のスペクトログラムの相互相関が閾値以下となるよう、前記送信波形生成手段による前記周波数変調を変化させる送信波形変更手段と、
スペクトログラムの相互相関が閾値以下となる送信波形を、時間軸と周波数軸とで分割された複数のタイルに配置する送信波形配置手段と、
前記送信波形の信号を送信する送信手段と、
を有し、
前記受信機は、
前記送信波形の信号が対象物体により反射された反射信号を受信する受信手段と、
前記送信波形と前記反射信号の波形との相関関数を計算する相関計算手段と、
前記相関関数に基づいて、前記対象物体を検出する物体検出手段と、
を有する。
本発明によれば、識別でき同時に使える送信波形を増やすことにより、たくさんの物体や方向を検出することができる。
本発明の第1実施形態に係る信号処理装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る信号処理装置による信号処理の概要を示す図である。 前提技術に係る信号処理装置による信号処理の概要を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る信号処理装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る信号処理装置の周波数変更部および変調波設定部の機能構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る信号処理装置を含む信号処理システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る信号処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る時間−周波数タイルテーブルの構成を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る送信波形生成テーブルの構成を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る信号処理装置の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る信号処理装置の第1動作時の機能構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る信号処理装置の第1動作時の変調波設定部の機能構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る第1動作時の送信波形のスペクトログラムを示す図である。 本発明の第2実施形態に係る第1動作時の送信波形の自己曖昧度関数を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る信号処理装置の第2動作時の変調波設定部の機能構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る第2動作時の送信波形のスペクトログラムの一例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る第2動作時の送信波形の自己曖昧度関数を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る第2動作時の送信波形のスペクトログラムの他例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る第2動作時の送信波形のスペクトログラムのさらに他例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る第2動作時の送信波形のスペクトログラムのさらに他例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る信号処理装置の第3動作時の変調波設定部の機能構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る第3動作時の送信波形のスペクトログラムの一例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る第3動作時の送信波形のスペクトログラムの他例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る信号処理装置の第4動作時の変調波設定部の機能構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る第4動作時の送信波形のスペクトログラムの一例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る第4動作時の送信波形のスペクトログラムの他例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る信号処理装置の第5動作時の変調波設定部の機能構成を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る信号処理装置による信号処理の概要を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る信号処理装置による信号処理を説明する図である。 本発明の第3実施形態に係る信号処理装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る時間−周波数タイルテーブルの構成を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る信号処理装置の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第4実施形態に係る信号処理装置による信号処理の概要を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る信号処理装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の第4実施形態に係る時間−周波数タイルテーブルの構成を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る信号処理装置の処理手順を示すフローチャートである。 本発明を利用可能な他の分野について示す図である。
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態について例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成要素は単なる例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としての信号処理装置100について、図1を用いて説明する。信号処理装置100は、物体を検出するための送信波形を生成する装置である。
図1に示すように、信号処理装置100は、送信波形生成部101と、送信波形変更部102と、送信波形配置部103と、を含む。送信波形生成部101は、周波数が非反復的に変化する変調波を生成するため、周波数変調を行った送信波形を生成する。送信波形変更部102は、送信波形のスペクトログラム110の相互相関が閾値Th以下となるよう、送信波形生成部101による周波数変調を変化させる。送信波形配置部103は、スペクトログラム110の相互相関が閾値Th以下となる送信波形を、時間軸と周波数軸とで分割した複数のタイル111に配置する。
本実施形態によれば、送信波形のスペクトログラムの相互相関が閾値以下となる送信波形を生成することで、識別でき同時に使える送信波形を増やすことにより、たくさんの物体や方向を検出することができる。また、精度を維持しながら同時に使えるレーダを増やすことができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る信号処理装置について説明する。本実施形態に係る信号処理装置は、周波数が反復的に変化する変調波形および周波数が非反復的に変化する変調波形を生成することにより、相互相関が閾値以下の送信波形の生成の制限を緩和する。ここで、周波数が非反復的に変化する変調波形には、変調波形の変調速度を変化させた波形や、中心周波数に加算する周波数の最大周波数に相当する変調波形の帯域幅を変化させた波形などが含まれる。かかる、周波数が非反復的に変化する変調波形は、自己相関においても閾値以下となる。さらに、生成された各送信波形は、送信を許される帯域内の一定の時間を、時間軸および周波数軸で分割した複数の時間−周波数タイルに配置され、送信波形の数が制限されないので、精度を維持しながら多様な物体の検出が可能になる。
《前提技術の説明》
本実施形態の信号処理装置を説明する前に、その特徴を明瞭とするため前提技術の概要とその問題点について説明する。
図3は、前提技術に係る信号処理装置による信号処理の概要300を示す図である。図3は、非特許文献1の図2(Fig. 2)に類似し、送信波形が、送信を許される帯域内の一定の時間を、時間軸および周波数軸で分割した複数の時間−周波数タイルに配置されている。なお、非特許文献1の図2では8×8の時間−周波数タイルが示されているが、図3では6×6の時間−周波数タイルを示している。
図3のように、非特許文献1においては、それぞれの時間−周波数タイルの中で、3種類の選択を行った波形を送信する。3種類の選択とは、その時間−周波数タイルで信号を発生させない場合、Up-sweep LFM(Linear Frequency Modulation)と呼ばれる周波数が上昇するFM波を発生させる場合、Down sweep LFMと呼ばれる周波数が下降するFM波を発生させる場合の3つである。したがって、8×8の64タイルでは、送信波形の種類は最大3×64=192であり、隣接可能な波形であるか否かを考慮すると、送信波形の数はさらに減少する。送信波形の数に制限がある。
本実施形態の信号処理によって、識別でき同時に使える送信波形の数を増加させ、多くの検出対象を検出可能とする。
《本実施形態の説明》
以下、上記前提技術の問題点を解決する本実施形態の構成および動作を説明する。
《信号処理の概要》
図2は、本実施形態に係る信号処理装置による信号処理の概要200を示す図である。図2は、6×6の時間−周波数タイルにおける送信波形のスペクトログラムが示されている。
図2は、図3と同じ6×6の時間−周波数タイルに、Up-sweep LFM201やDown sweep LFM202の他に、SFM(Sinusoidal Frequency Modulation)の送信波形203、SFMにおける変調速度を変えた送信波形204、SFMにおける帯域幅を変えた送信波形205、が配置されている。かかる送信波形の数や配置は、図2に限定されない。実際には、各タイルへ配置される送信波形は無数の種類が可能であり、さらに、相互相関が閾値以下であれば、同じタイルに複数の送信波形を重ねて配置しても、隣接したタイルにも配置可能である。
すなわち、6×6の時間−周波数タイルにおいては、6×6×(送信波形の種類)の数の、検出対象に基づき好適に選択される異なる波形が送信可能である。
《信号処理装置の機能構成》
図4Aは、本実施形態に係る信号処理装置400の機能構成を示すブロック図である。
信号処理装置400は、信号波形生成部401を備える。信号波形生成部401は、周波数変調波形生成部411と、初期位相指定部412と、周波数指定部403と、を備える。送信波形は周波数変調波形生成部411において生成される。周波数変調波形生成部411は、初期位相指定部412から初期位相の指定を受け、周波数指定部403からの周波数情報に基づき、送信波形を生成する。
周波数指定部403は、加算部431と、周波数変更部432と、変調波設定部433と、時間−周波数タイルテーブル434と、を有する。加算部431は、中心周波数(fc(ti))に周波数変更部432からの周波数(alfa(ti))と変調波設定部433からの変調波(beta(ti))とを加算した変調周波数情報を、周波数変調波形生成部411へと送る。周波数変更部432は、送信波形をリニアに変調するため、中心周波数(fc(ti))に加算部431で加算される周波数(alfa(ti))を提供する。変調波設定部433は、送信波形を滑らかな波形(特に正弦波)で変調する場合、中心周波数(fc(ti))に加算部431で加算される帯域幅を有する変調波(beta(ti))を提供する。ここで、周波数(alfa(ti))は、送信波形をリニアに変調する成分であり、変調波(beta(ti))は、送信波形を変調する滑らかな波形の成分である。なお、周波数(alfa(ti))と変調波(beta(ti))とは、いずれかがゼロの場合にはゼロでない成分による送信波形の変調となる。時間−周波数タイルテーブル434は、送信を許される帯域内の一定の時間を、時間軸および周波数軸で複数の時間−周波数タイルに分割した場合の、各時間−周波数タイルに対応付けて使用する送信波形を記憶する。
(周波数変更部および変調波設定部)
図4Bは、本実施形態に係る信号処理装置400の周波数変更部432および変調波設定部433の機能構成を示すブロック図である。
信号処理装置400の周波数変更部432は、加算部451と、乗算部452と、を有する。加算部451は、各時間−周波数タイルの初期周波数f0と、リニアな変調周波数(傾きalfa0*時間ti)とを加算して、図4Aの加算部431へと送る。乗算部452は、傾きalfa0と時間tiとを乗算する。かかる変調周波数情報により、図2のUp-sweep LFM201やDown sweep LFM202の送信波形が生成できる。
信号処理装置400の変調波設定部433は、乗算部453と、変調波発生部454と、変調波発生部455と、を有する。変調波発生部454はSFMの変調を支配する正弦波を振幅“1”で生成し、変調波設定部の乗算部453に送る。乗算部453は、変調波発生部454から受けた正弦波に、変調波発生部455からの帯域幅beta1(ti)を乗じて、図4Aの加算部431へと送る。なお、帯域幅beta1(ti)が一定値beta_n(n=0…N)の場合には、変調波による変調帯域幅は一定となる。
《本実施形態の送信波形生成方法》
上記図4Aおよび図4Bの構成における本実施形態における送信波形の生成は、非特許文献1に示されたリニアな変調を施された送信波形の生成と、SFM送信波形の生成と、さらに、SFMの変調速度の変化やSFMの帯域幅の変化を施した送信波形の生成と、を適切に組み合わせたものである。
本実施形態において、変調に使用する周波数f1(ti)を生成する式を式(1)に、それにより波形を発生する擬似プログラムの例を式(2)に示す。ここで、*は乗算、tiはサンプル番号(つまり時間)を、f1は変調正弦波(送信信号)の周波数、fc(ti)は中心周波数、alfa(ti)は変調周波数のUp/Down、beta(ti)は帯域幅、piは円周率、Mは波形の長さの間に繰り返す変調正弦波変調の回数、lenは信号の長さをそれぞれ表す。sig(ti)は送信波形、phiは位相、fsはサンプリング周波数、1iは虚数単位、expは複素指数関数である。特に指定のない記号や変数については、他の数式や擬似プログラムでも同様である。
なお、式(1)において、alfa(ti)がゼロであり、beta1(ti)が一定値beta0の場合が、SFMである。SFMは、正弦波で正弦波を周波数変調した波形である。送信素子の共振周波数をキャリア周波数とし、キャリア周波数と比較して低い周波数の正弦波で周波数変調する。このキャリア周波数と比較して低い周波数の波形を、変調波と呼ぶ。SFMでは変調波は正弦波である。周波数変調の範囲は、送信素子の共振周波数を大きく外れないように設定する。このSFMで発生される波形は、キャリア送信素子への負担が少なく、信号の電力を大きくすることができる。
《信号処理システム》
図5は、本実施形態に係る信号処理装置400を含む信号処理システム500の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、信号処理システム500は、送信信号531を送信する送信機としての信号処理装置400と、送信信号531が対象物体530で反射することによって得られた反射信号532を受信する受信機550と、を備える。受信機550は、送信信号531と反射信号532との相関関係に基づいて、対象物体530の存在、および、対象物体530までの距離あるいは対象物体530の移動速度を検出する。
送信機としての信号処理装置400は、送信波形生成部401と、無線送信部501と、送信アンテナ502と、を備える。受信機550は、受信アンテナ552と、無線受信部553と、相関計算部554と、絶対値生成部555と、出力部556と、を含む。
送信波形生成部401は、送信波形を生成して無線送信部501へと送るとともに、相関計算部554へ、送信波形を送る。無線送信部501は送信波形に周波数変換などを行い、無線信号へと変換して、送信アンテナ502から送信する。無線受信部553は、送信信号531が対象物体530で反射することによって得られた反射信号532を、受信アンテナ552を経由して受信し、受信した無線信号の周波数変換などを行い、所望の周波数帯域の受信波形として相関計算部554へと送る。相関計算部554は、送信波形と受信波形との相互相関関数を計算し、絶対値生成部555へと送る。絶対値生成部555が出力部556から出力する相互相関関数に基づいて、対象物体530の存在、および、対象物体530までの距離や対象物体530の移動速度が検出される。
なお、本実施形態においては、送信機を信号処理装置としているが、送信機と受信機とが一体となった装置や、それらの一部の構成グループにより構成される装置を、信号処理装置としてもよい。
《信号処理装置のハードウェア構成》
図6は、本実施形態に係る信号処理装置400のハードウェア構成を示すブロック図である。
図6で、CPU(Central Processing Unit)610は演算制御用のプロセッサであり、プログラムを実行することで図4Aおよび図4Bの機能構成部を実現する。なお、CPU610は、それぞれの機能に対応して複数あってもよい。ROM(Read Only Memory)620は、初期データおよびプログラムなどの固定データおよびプログラムを記憶する。ネットワークインタフェース630は、ネットワークを介して、他の装置との通信を制御する。
RAM(Random Access Memory)640は、CPU610が一時記憶のワークエリアとして使用するランダムアクセスメモリである。RAM640には、本実施形態の実現に必要なデータを記憶する領域が確保されている。送信波形生成テーブル641は、本実施形態の送信波形を生成するために使用されるテーブルである。送信波形生成テーブル641には、送信波形の生成に使用される送信波形生成パラメータ642と、送信波形生成パラメータ642を用いて生成される変調周波数643と、送信波形生成パラメータ642と変調周波数643とにより生成される送信波形644と、を記憶する。送信選択タイル645は、時間−周波数タイルテーブル434に基づいて使用する時間−周波数タイルを記憶する。送信無線データ646は、送信波形644に対応して生成された送信無線用のためのデータである。入出力データ647は、入出力インタフェース660を介して、無線送信部501を含む入出力機器と入出力するデータである。送受信データ648は、ネットワークインタフェース630を介して、他の装置と送受信を行うデータである。
ストレージ650は、データベースや各種のパラメータ、あるいは本実施形態の実現に必要な以下のデータまたはプログラムが記憶されている。時間−周波数タイルテーブル434は、各時間−周波数タイルの送信波形を格納する。送信波形生成アルゴリズム651は、送信波形生成パラメータ642から送信波形を生成するアルゴリズムである。
ストレージ650には、以下のプログラムが格納される。信号処理装置制御プログラム652は、本実施形態の信号処理装置400の全体の処理を制御するプログラムである。タイル制御モジュール653は、時間−周波数タイルへの送信波形の割当を制御するモジュールである。送信波形生成モジュール654は、送信波形生成アルゴリズム651に従い、送信波形生成パラメータ642から送信波形を生成するモジュールである。無線送信モジュール655は、無線送信部501から送信波形信号の送信を制御するモジュールである。
入出力インタフェース660は、入出力デバイスとのデータ入出力を制御するためのインタフェースを行なう。本実施形態においては、入出力インタフェース660には、送信アンテナ502への信号を送信する無線送信部501が接続される。なお、本信号処理装置400が反射信号の受信による対象物体の検出機能も有する装置の場合は、受信アンテナ552により反射信号を受信する無線受信部553を接続してもよい。入出力インタフェース660には、さらに、信号処理装置400の動作を監視し操作するため、表示部661と、操作部662と、が接続されてもよい。
なお、図6のRAM640やストレージ650には、信号処理装置400が有する汎用の機能や他の実現可能な機能に関連するプログラムやデータは図示されていない。
(時間−周波数タイルテーブル)
図7Aは、本実施形態に係る時間−周波数タイルテーブル434の構成を示す図である。時間−周波数タイルテーブル434は、各時間−周波数タイルに送信波形を割り当てるために使用される。
時間−周波数タイルテーブル434は、タイルID701に対応付けて、タイルの時間帯702と、周波数帯703と、割り当てられる送信波形704と、を記憶する。
(送信波形生成テーブル)
図7Bは、本実施形態に係る送信波形生成テーブル641の構成を示す図である。送信波形生成テーブル641は、本実施形態の送信波形を生成するために使用される。なお、図7Bにおいて、図6と同様の構成要素には同じ参照番号を付す。
送信波形生成テーブル641は、送信波形生成パラメータ642と、変調周波数643と、送信波形644と、を記憶する。送信波形生成パラメータ642は、中心波形fc(ti)と、変調傾き(alfa(ti))と、初期周波数(f0)と、帯域幅beta1(ti)と、繰り返し回数Mu(ti)と、信号長さ(len)と、初期位相(phi)と、を含む。また、帯域幅beta1(ti)を生成するためのパラメータ745である、帯域幅の最大値beta0と、帯域幅変更パラメータc1、C2と、を含む。
《信号処理装置の処理手順》
図8は、本実施形態に係る信号処理装置400の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、図6のCPU610がRAM640を使用して実行し、図4Aおよび図4Bの機能構成部を実現する。
信号処理装置400は、ステップS801において、時間軸および周波数軸で分割された複数の時間−周波数タイルから送信波形を生成するために使用するタイルを選択する。信号処理装置400は、ステップS803において、選択された各使用タイルにおける送信波形を指定する。
信号処理装置400は、ステップS805において、選択された複数のタイルから1つのタイルを選択する。そして、そのタイルの送信波形をリニアな変調と指定されたか、変調波による変調と指定されたかを判定する。リニアな変調と指定された場合、信号処理装置400は、ステップS809において、fc(ti)+alfa(ti)を変調周波数として変調を行う。
一方、変調波による変調と指定された場合、信号処理装置400は、ステップS811において、送信波形のスペクトログラムにおいて帯域幅を変化させるか否かを判定する。帯域幅を変化させる場合、信号処理装置400は、ステップS813において、beta1(ti)の変化する帯域幅によるbeta(ti)を変調周波数として変調を行う。また、帯域幅を変化させない場合、信号処理装置400は、ステップS815において、beta0の変化しない帯域幅によるbeta(ti)を変調周波数として変調を行う(これは、SFM送信波形に相当する)。
信号処理装置400は、ステップS817において、指定されたタイルについて送信波形の生成を完了したかを判定する。送信波形の生成を完了してない場合、信号処理装置400は、ステップS805から、次のタイルに対する送信波形を生成する。指定されたタイルについて送信波形の生成を完了した場合、信号処理装置400は、ステップS819において、各タイルにおいて生成された送信波形に基づいて無線送信処理を実行する。
《各送信波形の生成例》
以下、図9A乃至図17を参照して、本実施形態において生成される種々のタイル内の送信波形の一部を示す。
(第0動作)
図4Aの信号処理装置400において、変調波設定部433からの出力beta(ti)をゼロとした場合、周波数変更部432からのリニアな周波数alfa(ti)のみが変調周波数として周波数変調波形生成部411に提供される。この場合には、図4Bの傾きalfa0が正のとき、図2のUp-sweep LFM201が生成され、傾きalfa0が負のとき、図2のDown-sweep LFM202が生成される。
(第1動作)
図4Aの信号処理装置400において、周波数変更部432からの出力alfa(ti)をゼロとした場合、変調波設定部433からの変調波beta(ti)のみが変調周波数として周波数変調波形生成部411に提供される。本第1動作では、送信波形のスペクトログラムにおいて帯域幅が変化しない、いわゆる、図2のSFMの送信波形203の場合を示す。
本第1動作における変調周波数f1(ti)は、式(3)に従って生成される。
図9Aは、本実施形態に係る信号処理装置400の第1動作時の機能構成を示すブロック図である。図9Aにおいて、図4Aと同様の機能構成部には同じ参照番号を付して、重複する説明を省略する。第1動作時には、変調波設定部933からの変調波beta(ti)のみが変調周波数として、周波数指定部903から周波数変調波形生成部411に提供される。
図9Bは、本実施形態に係る信号処理装置400の第1動作時の変調波設定部933の機能構成を示すブロック図である。図9Bにおいて、図4Bと同様の機能構成部には同じ参照番号を付して、重複する説明を省略する。変調波設定部933の乗算部453には、一定値の帯域幅beta0が入力される。
図10Aは、本実施形態に係る第1動作時の送信波形のスペクトログラム1010を示す図である。ここでは、例示的に、中心周波数fcは1GHz、変調の帯域幅beta0はプラスマイナス5MHz、波形長は100μSec、繰り返し回数Mを16.5とした。サンプリング周波数fsは3GHzとした。波形長lenは300000サンプルになる。横軸は時間で縦軸は周波数である。スペクトログラム上で周波数が正弦波を描いていることが分かる。つまり、スペクトログラムは、送信信号の周波数の変化を表わすものである。
SFMは、相関関数に鋭いピークをもつため、位置の検出精度は高い。またドップラー検出能力も低くない。そのためレーダーなどで利用されている。ただし、周波数変調波形が似ている区間では相関をもつため、相関関数において、本当の相関のピーク以外にもサイドローブあるいはグレーティングローブと呼ばれるピークが発生する場合がある。このサイドローブとグレーティングローブを自己曖昧度関数(Auto ambiguity function)とよばれる表示で確認する。自己曖昧度関数は、例えば[非特許文献2]に記載されたように、式(4)で定義される。
ここでA(τ,v)は曖昧度関数、τは時間差、vは周波数偏移量(ドップラー効果)、U(t)は波形を時刻tについて表現したものである。*は複素共役、eは対数の底、iは虚数単位、πは円周率をそれぞれ表す。
図10Bは、本実施形態に係る第1動作時の送信波形の自己曖昧度関数1020を示す図である。図10Bにおいて、縦軸は周波数偏移(移動速度に対応)、横軸は時間差(距離に対応)、明るさが相関関数の値となる。原点を通る横軸上をたどると、その濃さは対象物体の移動速度“0”の際の相関関数になる。理想的には、中央部にのみ明るい(高い)部分があり、それ以外は低いことが望ましい。図10Bは中央部付近の領域だけを見ると理想に近いことが分かる。ただし、縦軸の原点以外にあるいくつかのピークがサイドローブである。ここでは問題になるほど高くない。
(第2動作)
本第2動作では、送信波形のスペクトログラムにおいて帯域幅が変化する、図2のSFMの送信波形205の場合を示す。すなわち、本第2動作では、SFMの変調正弦波の周波数の変化のさせ方をさらに変調している。変調正弦波の周波数の変化のさせ方として、滑らかな変化にしていくことが望ましい。滑らかな変化として、変調の帯域幅を徐々に狭くしたのちに広くする、徐々に広くしたのち狭くする、徐々に狭くしていく、徐々に広くしていく、帯域幅全体を徐々に高くする、帯域幅全体を徐々に低くする、帯域幅の広い狭いと高低の両方を徐々に変える、などの方法がある。本第2動作では、変調の帯域幅を徐々に狭くしたのちに広くする。
本第1動作における変調周波数f1(ti)は、式(5)に従って生成される。式(5)では、式(3)と比較して、周波数f1の帯域幅beta0が定数であったのに対し、{(c1+c2*cos(2*pi*ti/(len)))/(c1+c2)}の項によって時間的に変化する。波形全体での帯域幅の最大値はbeta0のまま変わらない。式(1)におけるMu(ti)を定数Mにした形になっている。
図11は、本実施形態に係る信号処理装置400の第2動作時の変調波設定部1133の機能構成を示すブロック図である。図11は、図4Bの変調波設定部433と同様であるので、重複する説明を省略する。
図12Aは、本実施形態に係る第2動作時の送信波形のスペクトログラム1210の一例を示す図である。スペクトログラム1210は、式(6)に従って発生した送信波形のスペクトログラムである。ここで、c1=2、c2=1とした。図12Aでは、SFMと同様に、スペクトログラム(周波数変化)に正弦波的な変調があるが、その周波数変化の帯域幅が次第に狭くなったのち広くなっていることがわかる。
図12Bは、本実施形態に係る第2動作時の送信波形の自己曖昧度関数1220を示す図である。図12Bは、図12Aのスペクトログラムの波形の自己曖昧度関数であり、曖昧度関数から本実施形態の効果を分析する。第2動作時の曖昧度関数は、原点付近が高く、それ以外の部分での相関係数が小さくなっていることが分かる。原点を通る横軸にしたがって相関関数を見ると、サイドローブやグレーティングローブがほとんど存在しないことが分かる。原点を通る縦軸に従って相関関数を見ても原点以外の相関関数が高い点が少ない。この曖昧度関数は、誤検出が少なくできるということを意味している。
すなわち、帯域幅を変調することによって、波形の相関が変化する。その結果、自己曖昧度関数に単独ピークを有する、すなわち、検知対象物体の速度や位置の精度を高めることができる。また、自己曖昧度関数において、グレーティングローブが低くなり、位置や速度の検知精度が高められるとい自己曖昧度関数が得られるという効果が得られる。また、任意関数の変更により、相互曖昧度関数(Cross ambiguity function)の小さい波形、すなわち相互相関の少ない波形を得ることが可能となり、時間−周波数タイルにおける波形の選択肢を増やすことができる。
図12Aの送信波形によれば、変調正弦波の周波数(f1(ti))を時間により変化させることにより、周波数変調の帯域幅を変えて相関関数の高さを抑えることにより、グレーティングローブの発生を抑制して精度よく物体を検出することができる。
つまり、式(5)に示したように、変調正弦波の振幅beta1(ti)を時間に対して変化させることで、図4Aのスペクトログラムに現われる変調の帯域幅を連続的に変化させることになり、この複雑な変化が曖昧度関数を望ましい方向に変化させている。
本第2動作の波形は、パラメータを若干変えるだけで他の波形と区別しやすい波形を作ることが容易であり、時間−周波数の枠内における波形の選択肢を多くするという効果がある。
このことを示すために、図12Aの波形が他の波形と区別しやすいかどうかを、次の式(6)であらわされる相互曖昧度関数と呼ばれる関数で評価し、十分に区別しやすいことを確認した。
ここで、U1(t)とU2(t)とは相互相関をとる波形である。U1(t)とU2(t)とが同一である場合が自己曖昧度関数である。曖昧度関数は、時間の軸(time)と周波数偏移量(doppler)の軸を有する。
式(4)と式(6)との差異は、Uとして別の関数U1とU2が用いられていることである。別の関数U1とU2の間の相互的な類似度を算出することに相当する。この値が全体に小さければ、U1とU2は、時間をずらした場合、ドップラー効果がある場合などでも、類似しない、すなわち区別できるということを意味している。
図12Aの波形と、LFMあるいはCW(continuous wave)とは、波形のスペクトログラムの形が大きく異なるので、相互曖昧度関数は、全ての場合で“0.1”を下回る。これは波形の区別が容易ということである。図12Aの波形を時間周波数の枠における選択肢の1つとすることが可能ということであり、選択肢が増えるということは、多くの波形を同時に受信する場合にも区別して処理することが可能になるという効果が得られるということである。また、図12Aの波形を使った場合には、時間周波数の枠がひとつしかない場合でも、相互相関関数による区別がしやすい。
図12Cは、本実施形態に係る第2動作時の送信波形のスペクトログラムの他例1230を示す図である。図12Cの例は、図12Aと同様に、変調正弦波の帯域幅を徐々に狭くしたのち広くするが、狭くするタイミングが異なる。タイミングを変えるための式を式(7)に示す。変調幅を決めるbeta(ti)において項(pi/4)によりタイミングがずれている。ずらすタイミングを決める量は(pi/4)に限る必要はない。
ここで、繰り返しの速さMは“11.5”とした。
図12Cの送信波形によれば、変調正弦波の帯域幅を徐々に狭くするタイミングを変えても、相関関数の高さを抑えることにより、グレーティングローブの発生を抑制して精度よく物体を検出することができる。
図12Dは、本実施形態に係る第2動作時の送信波形のスペクトログラムのさらに他例1240を示す図である。本例では、変調正弦波の帯域幅を徐々に広くしたのち狭くしていることに特徴がある。その波形を発生する式を式(8)に示す。式(5)と比較して、c2にかかる正負符号が異なっている。
ここでは、一例としてM=11.5、c1=2、c2=1とした。
図12Dの送信波形によれば、変調正弦波の帯域幅を徐々に広くしたのち狭くしても、相関関数の高さを抑えることにより、グレーティングローブの発生を抑制して精度よく物体を検出することができる。
図12Eの送信波形は、本実施形態に係る第2動作時の送信波形のスペクトログラムのさらに他例1250を示す図である。本例は、変調正弦波の速度をさらに速めたことを特徴とする。本実施形態の送信波形を発生する式を式(9)に示す。
この式(9)と式(5)とを比較すると、式(5)では、波形長の間の帯域幅の増減の回数が1回であったのに対して、式(9)では、波形長の間に帯域幅がR回増減する。ここでは、Mを“16.5”、Rを“3”にしており、図12Eのスペクトルグラムを見るとわかるように、変調正弦波の変調幅の増減回数が3回である。また、波形全体の帯域幅の最大値はプラスマイナス5MHzに保たれていることが分かる。
図12Eによれば、似ている波形が繰り返されても非対称なので、相関関数の高さを抑えることにより、グレーティングローブの発生を抑制して精度よく物体を検出することができる。
(第3動作)
図13は、本実施形態に係る信号処理装置400の第3動作時の変調波設定部1333、1334の機能構成を示すブロック図である。なお、図13において、図4Bまたは図9Bと同様の機能構成部には同じ参照番号を付して、重複する説明を省略する。
信号処理装置400の変調波設定部1333、1334は、さらに、変調速度生成部1356を有する。第3動作では、変調波発生部454における変調速度が、変調速度生成部1356が生成する変調速度Mu(ti)によって、さらに変調されていることである。本実施形態の第3動作では、変調正弦波の帯域幅を変化させるだけでなく、変調正弦波の変調速度も変化させることを特徴とする。
変調波設定部1333の構成においては、帯域幅が一定で変調速度が変化する。一方、変調波設定部1334の構成においては、帯域幅も変化し変調速度も変化する。以下、変調波設定部1334の構成により生成された送信波形について、そのスペクトログラムを示す。
図14Aは、本実施形態に係る第3動作時の送信波形のスペクトログラムの一例1410を示す図である。スペクトログラムの変調帯域幅が徐々に小さくなったあと大きくなるが、スペクトログラムの周波数変化を表わす正弦波の周波数が次第に大きくなっているのがわかる。
本例の送信波形を発生させる式を式(10)に示す。式(10)では、変調正弦波の速度を変化させるために、式(5)の定数Mを時変の関数Mu(ti)に変更している。ここでは、Mu(ti)はtiの3次多項式としたが、さらに高次の多項式や、指数関数、対数関数、三角関数など任意の関数を使うことができる。変調正弦波の速度変化の効果により、相互曖昧度関数を小さくする効果があり、さらにバリエーションが増える。
本実施形態における変調正弦波の周波数の変化のさせ方として、滑らかな変化にしていくことが望ましい。滑らかな変化として、徐々に速くしていく、徐々に遅くしていく、徐々に速くしたのち遅くする、徐々に遅くしたのち速くする、などの方法があるが、ここではまず、徐々に速くしていく場合を例に説明する。その一例として、M0=7、M1=2.5、M2=2、M3=0とした。
図14Bは、本実施形態に係る第3動作時の送信波形のスペクトログラムの他1420例を示す図である。スペクトログラムの変調帯域幅が徐々に大きくなったあと小さくなるが、スペクトログラムの周波数変化を表わす正弦波の周波数が次第に大きくなっているのがわかる。
本例の送信波形を発生させる式を式(11)に示す。式(11)では、変調正弦波の速度を変化させるために、第5実施形態の式(8)の定数Mを時変の関数Mu(ti)に変更している。ここでは、Mu(ti)はtiの3次多項式としたが、さらに高次の多項式や、指数関数、対数関数、三角関数など任意の関数を使うことができる。変調正弦波の速度変化の効果により、相互曖昧度関数を小さくする効果があり、さらにバリエーションが増える。
本例においても、徐々に速くしていく場合を例に説明する。その一例として、M0=7、M1=2.5、M2=2、M3=0とした。
なお、本例では、変調速度を徐々に速くしていく例を示したが、徐々に遅くしていく、徐々に速くしたのち遅くする、徐々に遅くしたのち速くする、などの方法においても、同様の効果を奏する。
第3動作によれば、変調幅の変化に加えて変調速度も変えることにより、相関関数の高さをさらに抑えることにより、グレーティングローブの発生を抑制して精度よく物体を検出することができる。
つまり、式(10)や式(11)に示したように、正弦波の周波数変調f1を表わす角周波数を時間ti/lenに対して高次関数で変化させる。スペクトログラムに現われる変調の周波数を連続的かつ一方向(ここでは周波数が大きくなる方向)に変化させることにより、曖昧度関数を望ましい方向に変化させている。
(第4動作)
図15は、本実施形態に係る信号処理装置400の第4動作時の変調波設定部1533、1534の機能構成を示すブロック図である。なお、図15において、図4Bと同様の機能構成部には同じ参照番号を付して、重複する説明を省略する。
図15の図4Aおよび図4Bとの差異は、変調波設定部1533、1534において、図4Aの加算部431が4入力の加算部に置換され、そこに変調波発生部1554で生成された変調波に乗算部1553で帯域幅beta2を乗じられた変調波が新たに入力されている。これにより、新たな変調が加えられている。
図16Aは、本実施形態に係る第4動作時の送信波形のスペクトログラムの一例1610を示す図である。ここで、beta1=10/3[MHz]、beta2 = 5/3[MHz]、M2 = 1/2とした。波形全体の帯域幅の最大値は、プラスマイナス5MHzに保たれていることが分かる。SFMと同様に、スペクトログラム(周波数変化)に正弦波的な変調があるが、その周波数変化を表わす正弦波の帯域幅全体が徐々に低くなっているのがわかる。変調正弦波がさらに変調されているため、変調正弦波の曲線が一致している部分が少ない。これが相互相関を小さくしている。
本例に係る信号発生方式は、SFMの変調の帯域の中心が移動することを特徴とする。本例の送信波形を発生するための周波数を表す式を式(12)に示す。その他は、これまでの式と同様であるため、同じ記号および変数については詳しい説明を省略する。
この式(12)は、式(1)と比較して、変調の帯域幅をbeta0からbeta1に変更し、さらに“beta2*cos(2*pi*M2*ti/(len))”による新たな変調を加えた形である。M2は新たに加えた変調の回数である。beta1+beta2 = beta0とすることで、波形全体での帯域幅の最大値はbeta0に保つことができる。
図16Aの送信波形によれば、変調幅を変えなくても変調幅の中心を移動することにより、相関関数の高さを抑えることができ、グレーティングローブの発生を抑制して精度よく物体を検出することができる。
図16Bは、本実施形態に係る第4動作時の送信波形のスペクトログラムの他例1620を示す図である。図16Bのスペクトルグラムを見るとわかるように、変調正弦波の変調幅と中心の両方にさらに変調を加えた形になっている。また波形全体の帯域幅の最大値はプラスマイナス5MHzに保たれていることが分かる。
本例は、変調正弦波の変調幅と中心の両方にさらに変調を加えた形になっている。本例の波形を発生する式を式(13)に示す。
(第5動作)
図17は、本実施形態に係る信号処理装置400の第5動作時の変調波設定部1733の機能構成を示すブロック図である。なお、図17において、図4Bまたは図13と同様の機能構成部には同じ参照番号を付して、重複する説明を省略する。
図17と図4Aおよび図4Bとの差異は、加算部431が複数入力の加算部に置換され多数の入力を加算されるようになったことである。かつ、変調波発生部454、変調波発生部455、変調速度生成部1356、乗算部453を、それぞれ含む変調ブロックを複数有し、加算部へと変調情報を送っていることである。この差異により、複雑な変調を施すことが可能となり、その結果、自己曖昧度関数をより望ましい波形を生成する、あるいは、相互曖昧度関数の小さい波形の候補をより多く生成することが可能となる。
すなわち、式(14)のように、項数を増やして変調を複雑にすることも可能である。
周波数変調が高速である場合には、スペクトルが広がり、変調の帯域幅を超える周波数成分が少なくない。スペクトルの広がりが送信素子の負担になる場合や、許容される帯域を超える周波数成分が発生し、他の機器を妨害する場合があるので注意が必要である。スペクトルの広がりを抑えるためには、波形開始時、終了時や変調波形の急変部などにおけるスペクトル広がりを抑えるためには窓がけ(テーパー処理、Raised Cosine処理とも呼ばれる)だけでなく、帯域制限フィルタを通してもよい。
図17の構成によれば、種々の変調波形を組み合わせて変調幅を変えることによっても、相関関数の高さを抑えることにより、グレーティングローブの発生を抑制して精度よく物体を検出することができる。
本実施形態によれば、変調速度を変化させた送信波形や帯域幅を変化させた送信波形を生成することで、識別でき同時に使える送信波形を増やすことにより、たくさんの物体や方向を検出することができる。また、精度を維持しながら同時に使えるレーダを増やすことができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る信号処理装置について説明する。本実施形態に係る信号処理装置は、上記第2実施形態と比べると、隣接する時間−周波数タイル間でのスペクトルグラムがスムースに繋がるように送信波形を周波数変調する点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
《信号処理の概要》
図18Aは、本実施形態に係る信号処理装置による信号処理の概要1800を示す図である。図18Aは、6×6の時間−周波数タイルにおける送信波形のスペクトログラムが示されている。
図18Aは、図2や図3と同じ6×6の時間−周波数タイルに、Up-sweep LFM201やDown sweep LFM202の他に、SFM(Sinusoidal Frequency Modulation)の送信波形203、SFMにおける変調速度を変えた送信波形204、SFMにおける帯域幅を変えた送信波形205、が配置されている。それに加えて、例えば、Up-sweep LFM1801、Down sweep LFM1802、その他の送信波形1803〜1805のように、隣接する時間−周波数タイル間でテーパー処理を利用してスムースに接続されている。隣接する時間−周波数タイル間でテーパー処理を利用してスムースに接続される送信波形は、図18Aに限定されない。実際には、各タイルへ配置される送信波形は無数の種類が可能であり、さらに、相互相関が閾値以下であれば、同じタイルに複数の送信波形を重ねて配置しても、隣接したタイルにも配置可能である。
すなわち、6×6の時間−周波数タイルにおいては、6×6×(送信波形の種類)×(隣接タイル間のスペクトログラムの接続種類)の、検出対象に基づき好適に選択される異なる波形が送信可能である。
図18Bは、本実施形態に係る信号処理装置による信号処理を説明する図である。図18Bにおいて、左方1810が普通のテーバー処理、右方1820が本実施形態の重なったテーバー処理を示している。
テーパー処理は、図18Bの左方1810に示すように、波形の最初では徐々に振幅が大きくし、波形の最後では振幅を徐々に小さくすることにより、波形の最初と最後、すなわち、時間−周波数タイルの接続部分において発生する広帯域な成分を低減する処理である。テーパー処理では波形の最初と最後で振幅が小さくなっているので、図18Bの右方1820に示すように、この時間区間を重ねることにより、時間方向に時間−周波数タイルを詰めることができる。その結果、同じ時間内に、より多くの時間−周波数タイルを設けることにより、区別可能な送信波形をさらに増やすことが可能になる。
《信号処理装置の機能構成》
図19は、本実施形態に係る信号処理装置1900の機能構成を示すブロック図である。図19において、図4Aと同様の機能構成部には同じ参照番号を付して、重複する説明を省略する。
時間−周波数タイルテーブル1934は、本実施形態における隣接する時間−周波数タイルの各タイルに対する処理を格納する。タイル間接続部1935は、指定された隣接する時間−周波数タイル間のスペクトログラムを、テーバー処理によってスムースに連結する。
(時間−周波数タイルテーブル)
図20は、本実施形態に係る時間−周波数タイルテーブル1934の構成を示す図である。時間−周波数タイルテーブル1934は、各時間−周波数タイルに送信波形を割り当てると共に、隣接する時間−周波数タイルのスペクトログラムを接続するために使用される。なお、図20において、図7Aと同様の構成要素には同じ参照番号を付して、重複する説明を省略する。
時間−周波数タイルテーブル1934は、タイルID701に対応付けて、そのタイル内の送信波形のスペクトログラムを隣接するタイル内の送信波形のスペクトログラムと接続するか否かのフラグ2005を記憶する。
《信号処理装置の処理手順》
図21は、本実施形態に係る信号処理装置1900の処理手順を示すフローチャートである。図21において、図8と同様のステップには同じステップ番号を付して、重複する説明を省略する。
信号処理装置1900は、ステップS2105において、隣接する時間−周波数タイルに送信波形が配置されているか否かを判定する。隣接する時間−周波数タイルに送信波形が配置されている場合、信号処理装置1900は、ステップS2106において、テーパー処理によってスペクトログラム間を接続するよう指示する。
本実施形態によれば、時間区間を重ねることにより、時間方向に時間−周波数タイルを詰めることができる。その結果、同じ時間内に、より多くの時間−周波数タイルを設けることにより、区別可能な送信波形をさらに増やすことが可能になる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る信号処理装置について説明する。本実施形態に係る信号処理装置は、上記第2実施形態および第3実施形態と比べると、スペクトルグラムをスムースに繋がる一筆書きとするため、複数の時間−周波数タイルを選定して隣接する時間−周波数タイル間でスペクトルグラムがスムースに繋がるように送信波形を周波数変調する点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態または第3実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
《信号処理の概要》
図22は、本実施形態に係る信号処理装置による信号処理の概要2200を示す図である。
本実施形態では、時間−周波数タイルが隣接しており、時間−周波数タイル内の波形において、タイル内の時間における最後の周波数が、次の時間−周波数タイルの最初の周波数と同一になることに特徴がある。図22のスペクトルグラム2201では、周波数がなめらかに接続されており、急な振幅の変化もないので、時間−周波数タイルの接続部分で広帯域な成分は発生しにくい。時間−周波数タイル内の波形にテーパーをかけなくてもよい。時間−周波数タイルの組み合わせが限定されるが、テーパーをかけなくてよいため電力を大きく送信できる。
本実施形態における時間−周波数タイルの送信波形は、隣接する時間−周波数タイルと周波数が滑らかに接続できるような制約を設けて設計する。なお、時間−周波数タイルの重なりを許せるのであれば、単純に接続するだけでいいので簡単に設計することもできる。
《信号処理装置の機能構成》
図23は、本実施形態に係る信号処理装置2300の機能構成を示すブロック図である。図23において、図4Aおよび図19と同様の機能構成部には同じ参照番号を付して、重複する説明を省略する。
信号処理装置2300は、さらに、タイル指定部2336を備える。タイル指定部2336は、スペクトルグラムをスムースに繋がる一筆書きとするための時間−周波数タイルを選択して、タイル間接続部1935に通知する。
(時間−周波数タイルテーブル)
図24は、本実施形態に係る時間−周波数タイルテーブル2334の構成を示す図である。時間−周波数タイルテーブル2334は、各時間−周波数タイルに送信波形を割り当てると共に、スペクトルグラムをスムースに繋がる一筆書きとするための時間−周波数タイルを選択し、隣接する時間−周波数タイルのスペクトログラムを接続するために使用される。なお、図24において、図7Aと同様の構成要素には同じ参照番号を付して、重複する説明を省略する。
時間−周波数タイルテーブル2334は、タイルID701に対応付けて、スペクトルグラムをスムースに繋がる一筆書きとするための時間−周波数タイルの選択順序2405と、そのタイル内の送信波形のスペクトログラムを接続する接続先のタイルID2406とを記憶する。
《信号処理装置の処理手順》
図25は、本実施形態に係る信号処理装置2300の処理手順を示すフローチャートである。図25において、図8および図21と同様のステップには同じステップ番号を付して、重複する説明を省略する。
信号処理装置2300は、ステップS2500において、図22のようにスペクトログラムを連続して接続するか否かを判定する。スペクトログラムを連続して接続する場合、信号処理装置2300は、ステップS2501において、スペクトログラムが一筆書きとなるように時間−周波数タイルを選択する。
本実施形態によれば、急な振幅の変化もないので、時間−周波数タイルの接続部分で広帯域な成分は発生しにくく、時間−周波数タイル内の波形にテーパーをかけなくてもよいので、大きな電力を送信できる。
[他の実施形態]
なお、本実施形態の送信波形を生成することで、これまでの送信波形を重畳することが可能である。それぞれの送信波形は区別が容易な波形であるから、重畳してもその分離は容易である。重畳の組み合わせ方で、区別しやすさを適切に設計することも可能である。特に、変調の方向を逆にした波形を重畳した場合には、本発明の効果に加えて、曖昧度関数が速度0(ゼロ)の軸について、速度方向に対称となり、相関関数を合成することにより、特定の速度に対する感度を低くするなどの処理が容易になるという効果が発生する。 また、上記実施形態においては、帯域幅を変える送信波形としてSFM波形が使用されたが、これら波形に限定されない。その他の位相変調信号が使用されてもよい。
また、図26は、本発明を利用可能な他の分野について示す図である。図26に示したように、以上に説明した物体検出方法は、ロボット同士がぶつからずにすれ違うための技術2610や、車両の衝突回避技術2620、人工衛星の衝突回避技術や地球上の観測技術2630に利用することができる。しかし、本発明はこれらに限定されるものではなく、オフィスなどでの侵入者の監視や、体育館での人の動きの検出などにも用いることが可能である。本発明は、空中の電波による物体検出方式にも、空中や水中の音波による物体検出方式にも利用できるが、送信波の周波数などから音波による物体検出により適している。港湾など水中の監視におけるアクティブソーナー(Active Sonar)と呼ばれる音波を利用した、距離検出方式の原理に本発明を適用できる。したがって、音波に適した中心周波数(キャリア周波数)、波形時間長、変調波周波数、周波数補正量などを適切に設定すれば、本発明の効果は同様に得られる。以上説明してきたように、距離検出において本発明を用いることにより、移動物体に対しても、距離測定における誤差が少ない検出が可能となる。
また、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の範疇に含まれる。すなわち、上記各実施形態の帯域幅の変化を任意に組み合わせても、同様の効果が得られる。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用されてもよいし、単体の装置に適用されてもよい。さらに、本発明は、実施形態の機能を実現する信号処理プログラムが、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給される場合にも適用可能である。したがって、本発明の機能をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラム、あるいはそのプログラムを格納した媒体、そのプログラムをダウンロードさせるWWW(World Wide Web)サーバも、本発明の範疇に含まれる。特に、少なくとも、上述した実施形態に含まれる処理ステップをコンピュータに実行させるプログラムを格納した非一時的コンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)は本発明の範疇に含まれる。
[実施形態の他の表現]
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
周波数が非反復的に変化する変調波を生成するため、周波数変調を行った送信波形を生成する送信波形生成手段と、
前記送信波形のスペクトログラムの相互相関が閾値以下となるよう、前記送信波形生成手段による前記周波数変調を変化させる送信波形変更手段と、
スペクトログラムの相互相関が閾値以下となる送信波形を、時間軸と周波数軸とで分割された複数のタイルに配置する送信波形配置手段と、
を備える信号処理装置。
(付記2)
前記送信波形変更手段は、かつ、前記送信波形のスペクトログラムの自己相関が閾値以下となるよう、前記送信波形生成手段による前記周波数変調を変化させる付記1に記載の信号処理装置。
(付記3)
前記送信波形配置手段は、各タイルの時間軸および周波数軸の位置に適切なスペクトログラムの送信波形を配置する付記1または2に記載の信号処理装置。
(付記4)
前記送信波形変更手段は、隣接するタイル間においてスペクトログラムをスムースに連結するテーパー処理を行う付記1乃至3のいずれか1項に記載の信号処理装置。
(付記5)
前記送信波形配置手段は、スペクトログラムが一筆書きとなるように隣接するタイルを順に選択する付記1乃至4のいずれか1項に記載の信号処理装置。
(付記6)
前記送信波形変更手段は、前記送信波形生成手段において前記周波数変調の帯域幅を変える付記1乃至5のいずれか1項に記載の信号処理装置。
(付記7)
前記送信波形生成手段が、正弦波で周波数変調を行ったSFM(Sinusoidal Frequency Modulation)波形を生成する場合に、前記送信波形変更手段により前記SFM波形をさらに変調する付記6に記載の信号処理装置。
(付記8)
前記周波数変調の帯域幅を、滑らかに変化する波形で変調して変え、前記滑らかに変化する波形として正弦波を含む付記6または7に記載の信号処理装置。
(付記9)
前記周波数変調の帯域幅を狭くしたのち広くするように変調する、または、前記周波数変調の帯域幅を広くしたのち狭くするように変調する付記6乃至8のいずれか1項に記載の信号処理装置。
(付記10)
前記周波数変調の帯域幅の中心が移動するように変調する付記6乃至9のいずれか1項に記載の信号処理装置。
(付記11)
前記周波数変調の帯域幅の変化するタイミングを移動させる付記6乃至10のいずれか1項に記載の信号処理装置。
(付記12)
前記送信波形変更手段は、前記送信波形生成手段において前記周波数変調の変調速度を変える付記1乃至11のいずれか1項に記載の信号処理装置。
(付記13)
周波数が非反復的に変化する変調波を生成するため、周波数変調を行った送信波形を生成する送信波形生成ステップと、
前記送信波形のスペクトログラムの相互相関が閾値以下となるよう、前記送信波形生成ステップにおける前記周波数変調を変化させる送信波形変更ステップと、
スペクトログラムの相互相関が閾値以下となる送信波形を、時間軸と周波数軸とで分割された複数のタイルに配置する送信波形配置ステップと、
を含む信号処理方法。
(付記14)
周波数が非反復的に変化する変調波を生成するため、周波数変調を行った送信波形を生成する送信波形生成ステップと、
前記送信波形のスペクトログラムの相互相関が閾値以下となるよう、前記送信波形生成ステップにおける前記周波数変調を変化させる送信波形変更ステップと、
スペクトログラムの相互相関が閾値以下となる送信波形を、時間軸と周波数軸とで分割された複数のタイルに配置する送信波形配置ステップと、
をコンピュータに実行させる信号処理プログラム。
(付記15)
送信機と受信機とを備え、
前記送信機は、
周波数が非反復的に変化する変調波を生成するため、周波数変調を行った送信波形を生成する送信波形生成手段と、
前記送信波形のスペクトログラムの相互相関が閾値以下となるよう、前記送信波形生成手段による前記周波数変調を変化させる送信波形変更手段と、
スペクトログラムの相互相関が閾値以下となる送信波形を、時間軸と周波数軸とで分割された複数のタイルに配置する送信波形配置手段と、
前記送信波形の信号を送信する送信手段と、
を有し、
前記受信機は、
前記送信波形の信号が対象物体により反射された反射信号を受信する受信手段と、
前記送信波形と前記反射信号の波形との相関関数を計算する相関計算手段と、
前記相関関数に基づいて、前記対象物体を検出する物体検出手段と、
を有する信号処理システム。

Claims (10)

  1. 周波数が非反復的に変化する変調波を生成するため、周波数変調を行った送信波形を生成する送信波形生成手段と、
    前記送信波形のスペクトログラムの相互相関が閾値以下となるよう、前記送信波形生成手段による前記周波数変調を変化させる送信波形変更手段と、
    スペクトログラムの相互相関が閾値以下となる送信波形を、時間軸と周波数軸とで分割された複数のタイルに配置する送信波形配置手段と、
    を備える信号処理装置。
  2. 前記送信波形変更手段は、かつ、前記送信波形のスペクトログラムの自己相関が閾値以下となるよう、前記送信波形生成手段による前記周波数変調を変化させる請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 前記送信波形配置手段は、各タイルの時間軸および周波数軸の位置に適切なスペクトログラムの送信波形を配置する請求項1または2に記載の信号処理装置。
  4. 前記送信波形変更手段は、隣接するタイル間においてスペクトログラムをスムースに連結するテーパー処理を行う請求項1乃至3のいずれか1項に記載の信号処理装置。
  5. 前記送信波形配置手段は、スペクトログラムが一筆書きとなるように隣接するタイルを順に選択する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の信号処理装置。
  6. 前記送信波形変更手段は、前記送信波形生成手段において前記周波数変調の帯域幅を変える請求項1乃至5のいずれか1項に記載の信号処理装置。
  7. 前記送信波形変更手段は、前記送信波形生成手段において前記周波数変調の変調速度を変える請求項1乃至6のいずれか1項に記載の信号処理装置。
  8. 周波数が非反復的に変化する変調波を生成するため、周波数変調を行った送信波形を生成する送信波形生成ステップと、
    前記送信波形のスペクトログラムの相互相関が閾値以下となるよう、前記送信波形生成ステップにおける前記周波数変調を変化させる送信波形変更ステップと、
    スペクトログラムの相互相関が閾値以下となる送信波形を、時間軸と周波数軸とで分割された複数のタイルに配置する送信波形配置ステップと、
    を含む信号処理方法。
  9. 周波数が非反復的に変化する変調波を生成するため、周波数変調を行った送信波形を生成する送信波形生成ステップと、
    前記送信波形のスペクトログラムの相互相関が閾値以下となるよう、前記送信波形生成ステップにおける前記周波数変調を変化させる送信波形変更ステップと、
    スペクトログラムの相互相関が閾値以下となる送信波形を、時間軸と周波数軸とで分割された複数のタイルに配置する送信波形配置ステップと、
    をコンピュータに実行させる信号処理プログラム。
  10. 送信機と受信機とを備え、
    前記送信機は、
    周波数が非反復的に変化する変調波を生成するため、周波数変調を行った送信波形を生成する送信波形生成手段と、
    前記送信波形のスペクトログラムの相互相関が閾値以下となるよう、前記送信波形生成手段による前記周波数変調を変化させる送信波形変更手段と、
    スペクトログラムの相互相関が閾値以下となる送信波形を、時間軸と周波数軸とで分割された複数のタイルに配置する送信波形配置手段と、
    前記送信波形の信号を送信する送信手段と、
    を有し、
    前記受信機は、
    前記送信波形の信号が対象物体により反射された反射信号を受信する受信手段と、
    前記送信波形と前記反射信号の波形との相関関数を計算する相関計算手段と、
    前記相関関数に基づいて、前記対象物体を検出する物体検出手段と、
    を有する信号処理システム。
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