JP2019086174A - アセチレン火口 - Google Patents

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知弘 野村
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弘樹 佐々
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Kazuya Kashimata
和也 柏俣
昭 古城
Akira Kojo
昭 古城
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【課題】複数の部品を組み立てて構成したアセチレン火口であって、加熱性能を向上させ且つ逆火を防ぐ。【解決手段】アセチレン火口Aは、酸素とアセチレンガスとの混合ガスが流出する流出孔13を有する胴中10と、胴中と一体的に構成されたノズル20と、胴中に嵌合しノズルの外周面との間に混合ガスが流通する流路41を構成するキャップ30と、流路の端部に構成され混合ガスを噴出する噴出孔40と、を有し、ノズルは、胴中側に形成され中心から外周面までの寸法が胴中に形成された流出孔13の該胴中の中心から該中心側の内縁までの寸法と等しいか小さい胴部21を有しており、キャップは、胴中と嵌合する胴中嵌合部31と、該胴中嵌合部と連続して形成され中心から内周面までの寸法が前記胴中の一方の端面に形成された流出孔の該胴中の中心から該中心から離隔した側の外縁までの寸法と等しいか大きい流路部32と、を有しており、噴出孔は、ノズルの胴部と連続して又はキャップの流路部と連続して形成されている。【選択図】 図1

Description

本発明は、アセチレンガスを燃料とする中圧火口であって、逆火を防止し得るようにすると共に予熱時間の短縮化をはかることを可能としたアセチレン火口に関するものである。
アセチレンガスと酸素との混合ガスを噴射して燃焼させることで、被加工材を加熱して目的の加工を行う火口が利用されている。アセチレンガスを燃料とする火口には、鋼板を切断するためのガス切断火口、或いは鋼板を曲げたり表面の除錆や塗装を除去するためのガス加熱火口などがある。更に、ガス切断火口としては、主として作業員が手持ち操作するハンドトーチで利用される低圧火口と、主として工場に設置したガス切断装置で利用される中圧火口がある。
一般的なアセチレンガス用の中圧火口の構成について説明する。この中圧火口は1本の素材に対し種々の加工を施すことで製造されている。即ち、素材の長さ方向の一端側に複数の段を有するテーパ状に形成されたシート部が構成されており、各段ごとに酸素、アセチレンガスが供給される複数の穴が形成されている。酸素が供給される穴とアセチレンガスが供給される穴は、中圧火口の内部で接続されており、長さ方向の他端側の端面に開口している。長さ方向に形成され、酸素とアセチレンガスが供給されると共に生成した混合ガスを端面から噴射する穴は、夫々が隣接する他の穴から独立して形成されている。
そして、シート部に形成された段毎の穴に酸素、アセチレンガスを供給すると、これらのガスは中圧火口に独立して形成された穴の内部で混合して混合ガスが生成し、端面の開口から噴出する。従って、この噴射した混合ガスを点火することで火炎を形成し、目的の加工を行うことが可能である。
上記の如き中圧火口では、製造に際し、1本の素材の長手方向に複数の細い穴を形成する作業や、形成された複数の穴を先細になるように絞る作業が必要となり、工程が複雑となるという問題を有している。
一方、燃料ガスとして例えば液化石油ガス(LPG)を利用する中圧火口では、LPGと酸素との混合ガスを生成するための胴中、胴中と一体的に構成され中心に切断酸素流路が形成されると共に先端に混合ガスを噴出させるスリットが形成されたノズル、胴中に嵌合してノズルと共に混合ガスの流路を構成すると共に先端がスリットと共同して混合ガスの噴出孔を構成するキャップ、の3つの部品によって構成されている。この中圧火口では、3つの部品を夫々異なるラインで同時に製作することが可能であり、アセチレンガス用の火口と比較して製造工程の合理化をはかることが可能となる。
このため、LPG用の火口と同様に3つの部品によって製造されたアセチレンガス用の中圧火口の開発がなされている。しかし、アセチレンガスと酸素との混合ガスの燃焼速度は、他の燃料ガスと酸素との混合ガスの燃焼速度よりも大きいという特徴があり、逆火が生じ易いという問題がある。
例えば、特許文献1に記載されたガス切断火口は、アセチレンガスに用いて効果を発揮し得るようにしたものである。このガス切断火口は、胴中とスピンドルとカバーの3部品によって構成されており、スピンドルの先端よりも胴中側の外周面に複数のスリット(27)を形成し、先端にカバーを嵌合することで予熱孔(30)を形成している。そして、スリットの総断面積を予熱孔の総断面積よりも小さくすることで、混合ガスがスリットを通過する際の流速を、燃焼速度よりも大きくすることで、逆火を防ぐようにしている。
特公昭54−3022号公報(特許第0970022号)
特許文献1に記載されたガス切断火口であっても全く問題がないわけではなく、幾つかの改良すべき点がある。その中で、スピンドルとカバーとによって構成された混合ガスの流路の構造がある。即ち、スリットが混合ガスの流路の途中に位置するため、該スリットの総断面積を予熱孔の総断面積よりも小さくするための加工が容易ではないという問題がある。
一般の火口に於いて、安定して逆火を防ぐためには、中圧火口からの混合ガスの噴出速度を燃焼速度と等しいか僅かに大きくすれば良いことは判明している。しかし、複数の部品を組み立てて構成した中圧火口では、火炎の鋼板表面からの反射熱、或いはヒューム、スパッタの付着などの影響によってカバーの温度上昇を避けることができず、逆火が生じ易くなる虞がある
また、1本の素材の長さ方向に貫通した穴を複数形成した従来の中圧火口では、前記複数の穴が互いに独立して形成されるため、隣接する穴との間隔が大きくならざるを得ず、この結果、加熱性能を大きくするには限界があるという問題がある。
本発明の目的は、複数の部品を組み立てて構成したアセチレン火口であって、加熱性能を向上させることが可能で、且つ逆火を防ぐことが可能なアセチレン火口を提供することにある。
本件発明者等は、アセチレンガスと酸素との混合ガスを燃焼させる中圧火口の加熱性能の向上についての研究開発を行っている。その結果、隣接する火炎の間隔を狭くすることで、加熱性能を向上させることができるということが判明している。
中圧火口の加熱性能を向上させるために、隣接する火炎の間隔を狭くすることは、前述した従来の1本の素材に複数の穴を形成したものでは実現できない。しかし、複数の部品を組み立てて構成した中圧火口であれば実現できるものの、逆火が生じ易いという問題が派生する。
このため、複数の部品を組み立てて構成した中圧火口であって、逆火が生じる虞を回避することができる構成について開発を進めた。即ち、図4に示すように、中圧火口である火口Aから混合ガスを噴出させて火炎Bを形成したとき、該火炎Bが火口Aの端面から距離Dだけ離隔してもブローアウトすることなく、安定した燃焼状態を保持し得る火口Aの開発を進めた。
その結果、火炎Bの火口Aからの離隔距離Dを略0.3mm程度に保持することで火口Aの加熱を減少させて逆火の虞を低減させることができること、離隔距離Dが略0、即ち、火炎Bが火口Aの端面から略直接形成されていても混合ガスの噴出速度が燃焼速度と等しければ逆火の虞を低減させることができること、との知見を得た。
そして、混合ガスの噴出速度を安定して燃焼速度と等しいか僅かに大きくなるように保持するには、中圧火口内部に於ける混合ガスの流れ安定させること、が必要であるとの結論に達した。更に、中圧火口内部に於ける混合ガスの流れを安定させるためには、混合ガスの流路から流れを乱す虞のある要素を排除することが必要であるとの結論に達した。
従来の複数の部品を組み立てて構成した中圧火口(例えば特許文献1のガス切断火口)では、カバーの内周面に形成されている、胴中との嵌合部分と該嵌合部分と連続した予熱ガス通路(特許文献1の符号26)に対応する部分との接続部に段が形成されている。この段は、胴中から予熱ガス通路に流入した混合ガスを衝突させて混合を促進するためのものであり、カバーの予熱ガス通路に対応する部分の内径が、胴中に形成された混合ガスの流出孔のピッチ円の径と同等か僅かに大きく設定されている。このため、胴中から予熱ガス通路に流入した混合ガスは、段と衝突することで流れが乱れることとなる。
従って、本発明に係る代表的なアセチレン火口は、内部に構成された予熱酸素とアセチレンガスとの混合部と一方の端面に形成された予熱酸素とアセチレンガスの混合ガスが流出する流出孔を有する胴中と、前記胴中と一体的に構成されたノズルと、前記胴中に嵌合し前記ノズルの外周面との間に予熱酸素とアセチレンガスの混合ガスが流通する流路を構成するキャップと、前記ノズルと前記キャップとによって構成された流路の端部に構成され予熱酸素とアセチレンガスの混合ガスを噴出する噴出部と、を有し、前記ノズルは、前記胴中側に形成され中心から外周面までの寸法が前記胴中の一方の端面に形成された流出孔の該胴中の中心から該中心側の内縁までの寸法と等しいか小さい胴部を有しており、前記キャップは、前記胴中と嵌合する胴中嵌合部と、該胴中嵌合部と連続して形成され中心から内周面までの寸法が前記胴中の一方の端面に形成された流出孔の該胴中の中心から該中心から離隔した側の外縁までの寸法と等しいか大きい流路部と、を有しており、前記噴出部は、前記ノズルの胴部と連続して又は前記キャップの流路部と連続して形成された噴出孔を有しているものである。
本発明に係るアセチレン火口(以下単に「火口」という)では、ノズルの外周面とキャップの内周面とで構成された流路に混合ガスの流通を阻害する要素がなく、安定した流通を実現することができる。このため、流路の端部に構成された噴出孔から噴出する混合ガスは、混合ガスの燃焼速度と等しいか僅かに大きい噴出速度を安定して保持することができる。
即ち、ノズルは、胴中側に形成された胴部の中心から外周面までの寸法が、胴中の一方の端面に形成された流出孔の該胴中の中心から該中心側の内縁までの寸法と等しいか小さく形成されている。また、キャップは、胴中と嵌合する胴中嵌合部と、該胴中嵌合部と連続して形成され流路部の中心から内周面までの寸法が、胴中の一方の端面に形成された流出孔の該胴中の中心から該中心から離隔した側の外縁までの寸法と等しいか大きく形成されている。
このため、胴中にキャップを嵌合したとき、ノズルの胴部の外周面とキャップの内周面に形成された流路部とによって構成された混合ガスの流路には、胴中に形成された混合ガスの流出孔と対向して存在する要素がなく、混合ガスの流通を阻害することがない。
本実施例に係る火口の断面図である。 火口の要部を説明する拡大図である。 火口の先端部分の断面図と正面図である。 火口の外観と火炎との関係を説明する図である。
以下、本発明に係る火口について説明する。本発明に係る火口は、アセチレンガスと予熱酸素(以下単に「酸素」という)との混合ガスを燃焼させて目的の作業、例えば鋼板の切断、溶接或いは表面処理を行うようにしたものである。特に、先端に形成される火炎の間隔を狭くすることによって加熱性能を向上させ、内部に構成される混合ガスの流路に於ける混合ガスの流れを円滑にすることによって逆火を防ぐことを実現した火口である。
本発明の火口に於いて、火炎の間隔を狭くするための構造は特に限定するものではなく、火口に構成した流路から該流路の端部に設けた噴出部に対し均等な圧力で混合ガスを供給し得るように構成することが必要である。そして、混合ガスを噴出する噴出部を、キャップの先端に配置した壁に間隔を接近させて形成された複数の穴、或いはノズルの先端に形成された複数のスリットと該スリットに嵌合したキャップと共に構成した複数の穴、とすることで、複数の穴を互いに接近させることが可能である。
即ち、噴出部を構成する穴は隣接する他の穴と共通の流路を介して流通した混合ガスを噴出させる。このため、各穴毎に独立した流路を有する必要がなく、隣接する穴どうしの間隔を接近させることが可能となる。
以下、本実施例に係る火口Aの構成について図を用いてにより説明する。本実施例に係る火口Aはガス切断火口として構成されており、図に示すように、胴中10と、胴中10と一体的に構成されたノズル20と、胴中10に嵌合するキャップ30とを有して構成されている。
胴中10の一方側はテーパ状に形成されており、該テーパ部分に形成された段部11a、11bが形成され、これらの段部11a、11bによってシート12a〜12cが形成されている。そして、段部11aから胴中10の長手方向に酸素孔13aが形成されており、段部11bから酸素孔13aに向けてアセチレンガス用のガス孔13bが形成されている。酸素孔13aとガス孔13bは胴中10の内部で交差して混合ガスを生成して流路41に流出させる流出孔13となり、胴中10の端面14に開口している。
流出孔13は同心円上に複数形成されている。以下の説明では、流出孔13の同心円の中心側の縁を結ぶ円を内接円といい、同心円の外側の縁を結ぶ円を外接円というものとする。
また、胴中10の中心には切断酸素の通路15が形成されている。更に、胴中10の他方側にはキャップ30の端部に形成された胴中嵌合部31が嵌合する筒部16が形成されている。
ノズル20は胴中10と一体的に構成されている。ここで、一体的とは必ずしも1本の素材から形成されていることに限定するものではなく、胴中10とは異なる部品として構成されて該胴中10に対し、ねじの締結による一体化、接着剤による一体化、ロウ付けによる一体化などの手段で一体化していれば良い。本実施例では、端部に形成したねじを介して胴中10に締結することで一体化している。
ノズル20は、該ノズル中心から外周面までの寸法が流出孔の該胴中の中心から該中心側の内縁までの寸法と等しいか小さい胴部、即ち、太さが複数の流出孔の内接円の径と等しいか小さい胴部21を有している。また、ノズル20の端部には胴部21に連続して噴出部を構成する複数のスリット22が形成されている。
そして、胴中10にキャップ30を嵌合したとき、ノズル20のスリット22にキャップ30のスリット嵌合部33が嵌合することで、幅寸法w、深さhの方形の噴出孔40が複数構成されている、
ノズル20のスリット22を形成した部位の外径dは、胴部21の直径よりも小さく形成されている。また、スリット22の条数は限定するものではないが、条数が多いほど隣接する噴出孔40の間隔を小さくすることが可能であり、加熱性能を向上することが可能となる。
また、ノズル20の中心には切断酸素の通路15が胴中10から連続して形成されている。
キャップ30は、胴中10と嵌合してノズル20の胴部21と共に混合ガスの流路41を構成し、該流路41の端部にノズル20のスリット22と共に噴出孔40を構成するものである。キャップ30は、一方の端部に形成された胴中嵌合部31と、胴中嵌合部31と連続して形成された流路部32と、流路部32と連続して他方の端部に形成されたスリット嵌合部33と、を有している。
キャップ30に形成された流路部32は、中心から内周面までの寸法が胴中の一方の端面に形成された流出孔の該胴中の中心から該中心から離隔した側の外縁までの寸法と等しいか大きい、即ち、流出孔13の外接円の径と等しいか大きく、胴中嵌合部31の径よりも小さく形成されている。このため、胴中嵌合部31と流路部32の接続部分にはテーパ状の段34が形成されており、流路部32とスリット嵌合部33の接続部分にはテーパ状の移行部35が形成されている。
キャップ10を上記の如く構成することによって、キャップ30の胴中嵌合部31を胴中10の筒部16に嵌合したとき、段34は流出孔13と対向することがなく、流路41を流通する混合ガスの流れを阻害することはない。従って、胴中10の端面14から移行部35までの間に断面の形状が一定で流れを乱す虞のある障害のない流路41が構成されることとなる。
スリット嵌合部33の長さLは、ノズル20に於けるスリット22を形成した部位の周長π・dと略等しい長さを有している。このような長さを有することで、スリット22とスリット嵌合部33とによって構成された噴出孔40に於ける混合ガスの流れを安定させることが可能である。
上記の如く構成された火口Aでは、流路41に胴中10に形成された流出孔13から流出して流通する混合ガスの流れの障害となる要素がない。このため、混合ガスは安定した状態で円滑に噴出孔40に流通することが可能となる。
特に、火口Aを、胴中10、ノズル20、キャップ30の3部品によって構成したことによって、夫々の部品を異なる工程で同時に並行して製作することが可能となり、加工工程の合理化をはかることが可能である。
次に、上記の如く構成された火口Aを用いて幾つかの実験を行った結果について説明する。
ノズル20の胴部21の外径とキャップ30の流路部32とで構成された流路41の断面積を50.25mmとした。スリット22の幅寸法(噴出孔40の幅寸法)wを0.5mmとし、深さhを変化させると共に、条数を8、10、12とすることで、噴出孔40の断面積を、サンプル1;1.5mm、サンプル2;2mm、サンプル3;2.5mm、サンプル4;3mm、サンプル5;4.2mm、サンプル6;5mm、を作成した。
サンプル1では流路41の断面積と噴出孔40の総断面積の比は約33:1である。同様にサンプル2では約25:1、サンプル3では約20:1、サンプル4では約17:1、サンプル5では約12:1、サンプル6では約10:1である。
各サンプルに対し、アセチレンガスを毎時300リットル(l/h)供給し、混合比が1.1〜1.5となるように酸素を供給して混合ガスを生成させ、噴出孔40から噴出させて火炎Bを形成した。
火口Aに火炎Bを形成した状態を目視により、火炎Bの形状の良否、火炎Bがブローアウトするか否か、を観察した。また、円周に鋸刃状の突起を形成した回転板の上部に火炎Bを形成した火口Aを固定し、この状態で回転板を回転させて耐逆火性を確認した。通常の耐逆火試験では、回転板を10回転させて逆火がなければ耐逆火性能を満足する、として判定している。
サンプル1では、火口Aから噴出した混合ガスに点火してもブローアウトしてしまい、安定した火炎Bを形成することができなかった。このため、耐逆火性能の確認をすることができなかった。
サンプル2では、火口Aから噴出した混合ガスに点火して形成した火炎Bは、火炎の形状は良好であるものの、ブローアウトし易く充分に安定した火炎Bとはいえなかった。また、耐逆火性は全ての混合比で形成した火炎Bで充分に満足した。
サンプル3では、火口Aから噴出した混合ガスに点火して形成した火炎Bは、火炎の形状は良好であり、ブローアウトし難く充分に安定した火炎Bといえる。また、耐逆火性は全ての混合比で形成した火炎Bで充分に満足した。
サンプル4では、火口Aから噴出した混合ガスに点火して形成した火炎Bは、火炎の形状は良好であり、ブローアウトし難く充分に安定した火炎Bといえる。また、耐逆火性は、混合比1:1.1〜1:1.4で形成した火炎Bでは逆火を生じることがなかった。しかし、混合比が1:1.5で形成した火炎Bでは、回転板が10回転したときに逆火が生じた。混合比が1:1.5という強酸化炎の火炎は通常状態で形成することはないため、耐逆火性能を略満足したといえる。
サンプル5では、火口Aから噴出した混合ガスに点火して形成した火炎Bは、火炎の形状は良好であり、ブローアウトし難く充分に安定した火炎Bといえる。また、耐逆火性は、混合比1:1.1〜1:1.4で形成した火炎Bでは逆火を生じることがなかった。しかし、混合比が1:1.5で形成した火炎Bでは、回転板が8回転したときに逆火が生じた。混合比が1:1.5という強酸化炎の火炎は通常状態で形成することはないものの、耐逆火性能を充分に満足したとはいえない。
サンプル6では、火口Aから噴出した混合ガスに点火して形成した火炎Bは、火炎の形状は良好であり、ブローアウトし難く充分に安定した火炎Bといえる。また、耐逆火性は、混合比1:1.1〜1:1.4で形成した火炎Bでは逆火を生じることがなかった。しかし、混合比が1:1.5で形成した火炎Bでは、回転板が7回転したときに逆火が生じた。混合比が1:1.5という強酸化炎の火炎は通常状態で形成することはないものの、耐逆火性能を満足しているとはいえない。
上記実験の結果、流路41の断面積と噴出孔40の総断面積の比が大きくなると、火炎Bはブローアウトし易くなり、逆火はし難くなること、前記比が小さくなると、火炎はブローアウトし難くなり、逆火はし易くなること、がいえる。そして、流路41の断面積と噴出孔40の総断面積の比は、噴出孔40の総断面積を1としたとき、流路41の断面積が12倍〜25倍の範囲であることが好ましく、17倍〜20倍の範囲であることがより好ましく、20倍であると最も好ましい。
本発明に係る火口は、アセチレンガスを燃料とする切断火口、溶接火口、加熱火口などに利用することが可能である。
A 火口
B 火炎
10 胴中
20 ノズル
30 キャップ
11a、11b 段部
12a〜12c シート
13a 酸素孔
13b ガス孔
13 流出孔
14 端面
15 通路
16 筒部
21 胴部
22 スリット
31 胴中嵌合部
32 流路部
33 スリット嵌合部
34 段
35 移行部
40 噴出孔
41 流路

Claims (4)

  1. 内部に構成された予熱酸素とアセチレンガスとの混合部と一方の端面に形成された予熱酸素とアセチレンガスの混合ガスが流出する流出孔を有する胴中と、
    前記胴中と一体的に構成されたノズルと、
    前記胴中に嵌合し前記ノズルの外周面との間に予熱酸素とアセチレンガスの混合ガスが流通する流路を構成するキャップと、
    前記ノズルと前記キャップとによって構成された流路の端部に構成され予熱酸素とアセチレンガスの混合ガスを噴出する噴出部と、を有し、
    前記ノズルは、前記胴中側に形成され中心から外周面までの寸法が前記胴中の一方の端面に形成された流出孔の該胴中の中心から該中心側の内縁までの寸法と等しいか小さい胴部を有しており、
    前記キャップは、前記胴中と嵌合する胴中嵌合部と、該胴中嵌合部と連続して形成され中心から内周面までの寸法が前記胴中の一方の端面に形成された流出孔の該胴中の中心から該中心から離隔した側の外縁までの寸法と等しいか大きい流路部と、を有しており、
    前記噴出部は、前記ノズルの胴部と連続して又は前記キャップの流路部と連続して形成された噴出孔を有していることを特徴とするアセチレンガス火口。
  2. 前記ノズルの外周面と前記キャップの内周面の間に構成された流路の断面積が、前記ノズルの胴部と連続して又は前記キャップの流路部と連続して形成された噴出孔の断面積の12倍乃至25倍の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載したアセチレン火口。
  3. 前記噴出部は、前記ノズルの端部に形成された複数のスリットと、前記キャップの前記ノズルに形成された複数のスリットと対応する位置に形成されたスリット嵌合部と、を有して構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載したアセチレン火口。
  4. 前記噴出部を構成する複数のスリットが形成されたノズルの円周の長さと、前記キャップに形成されたスリット嵌合部の軸方向の長さとが略等しいことを特徴とする請求項3に記載したアセチレン火口。
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