JP2019086039A - 緩衝器 - Google Patents

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拓仁 森
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Abstract

【課題】 積載荷重に応じて減衰特性を変更できるとともに、搭載性の良好な緩衝器を提供する。【解決手段】 ピストンで区画される伸側室R1と圧側室とを連通する減衰通路と、ピストンロッド3に形成されて車体への積載荷重に応じて圧側室に連通されるロッド内通路30と、ピストンロッド3の外周に装着されるとともにピストンの伸側室R1側に設けられてロッド内通路30を伸側室R1へ連通するオリフィス52を有するオリフィス形成部材5とを備え、オリフィス形成部材5が、ピストンロッド3との間に軸方向の一方側へ開口する凹部50bが形成される第一部材50と、凹部50bの開口を塞ぐ第二部材51とを有し、ロッド内通路30とオリフィス52が凹部50bの内側に形成される連通隙間53を介して連通されており、オリフィス52は、連通隙間53と伸側室R1との間の液体の双方向流れを許容する。【選択図】 図2

Description

本発明は、緩衝器の改良に関する。
バン又はトラックといった人又は荷物の運搬を目的とする車両にあっては、積載荷重の変化が大きい。このような車両のサスペンションに利用される緩衝器では、減衰特性(ピストン速度に対する減衰力の特性)を一定にした場合、空荷時と満載時の両方で車両の操縦安定性を良好にするのが難しい。
なぜなら、例えば、空荷時等の積載荷重の小さい場合に車両の操縦安定性が最適になるように減衰特性を設定すると、満載時等の積載荷重の大きい場合に減衰力が不足して、車両の操縦安定性が悪化してしまう。そうかといって、積載荷重の大きい場合に車両の操縦安定性が最適になるように減衰特性を設定すると、今度は積載荷重の小さい場合に減衰力が過剰になって、やはり車両の操縦安定性が悪化してしまうためである。
このため、積載荷重の変化に応じて減衰特性を自動的に変化させる緩衝器が開発されている(例えば、特許文献1)。
特開平11−125295号公報
例えは、特開平11−125295号公報に記載の緩衝器は、図6に示すように、シリンダ100内にピストン200で区画された伸側室R1及び圧側室R2と、伸側室R1と圧側室R2とを連通する減衰通路201と、減衰通路201を迂回して伸側室R1と圧側室R2とを連通するバイパス路Bと、積載荷重に応じてバイパス路Bを開閉するシャッタ700とを備える。
そして、積載荷重が小さく、ピストン200が所定位置よりも上方を移動する場合には、シャッタ700がバイパス路Bを開放し、減衰通路201とバイパス路Bの両方を液体が流れて伸側室R1と圧側室R2との間を移動する。その一方、積載荷重が大きく、ピストン200が所定位置よりも下方を移動する場合には、シャッタ700がバイパス路Bを閉塞し、減衰通路201のみを液体が流れて伸側室R1と圧側室R2との間を移動する。
よって、積載荷重が小さい場合には、大きい場合と比較して減衰通路201を流れる液体の流量が減少するので、緩衝器D1の伸縮時に発生する減衰力が小さくなる。また、積載荷重が大きい場合には、小さい場合と比較して減衰通路201を流れる液体の流量が増加するので緩衝器D1の伸縮時に発生する減衰力が大きくなる。
さらに、従来の緩衝器D1は、ピストンロッド300の外周に装着されてピストン200の伸側室R1側に設けられる環状のディスク500を備える。そして、バイパス路Bがディスク500に形成されて伸側室R1に通じる孔501と、ピストンナット600に形成されて圧側室R2に通じる連通孔601と、ピストンロッド300に形成されて孔501と連通孔601とを連通するロッド内通路301とを有して構成されており、シャッタ700で連通孔601を開閉するようになっている。
また、ディスク500には、孔501を開閉するリーフバルブ510が積層されており、当該リーフバルブ510の外周部には、オリフィス511を形成するための切欠きが設けられている。
そして、シャッタ700が連通孔601を開いた状態で緩衝器D1が伸長する場合には、リーフバルブ510が閉弁し、バイパス路Bを伸側室R1から圧側室R2へ向かう液体の流れにオリフィス511により抵抗が付与される。反対に、シャッタ700が連通孔601を開いた状態で緩衝器D1が収縮する場合には、リーフバルブ510がその外周部を撓ませて開弁するのでオリフィス511が機能せず、液体がバイパス路Bを圧側室R2から伸側室R1へ向けて比較的抵抗なく流れる。
しかし、上記した構成では、バイパス路Bを開閉するリーフバルブ510にオリフィス511を形成しているので、リーフバルブ510の背面側に開弁スペースを確保したり、バルブストッパ520を設けたりする必要がある。このため、リーフバルブ510及びその関連部材を装着するための取付スペースを設ける分、ピストン200のストローク長(シリンダ100内でピストン200が軸方向に動ける距離)が狭められる。
また、上記した構成では、ディスク500が軸方向に長くなる。なぜなら、ロッド内通路301とオリフィス511をディスク500に形成した孔501で連通する都合上、孔501をディスク500の内周側へ開口させる必要がある。そして、ディスク500では、その内周部の上面、より詳しくは、ディスク500においてリーフバルブ510に積層される間座530と対向する面にピストンナット締付時の荷重が加わるようになっている。よって、当該部分の強度を確保するため、ディスク500の内周部を通る孔501の上側に厚みを持たせる必要があり、ディスク500が軸方向に長くなり、その分、ピストン200のストローク長が狭められる。
このため、従来の緩衝器D1でストローク長を確保しようとすると、シリンダ100の軸方向長さが長くなり、緩衝器D1が軸方向に嵩張ってしまう。とはいうものの、積載荷重に応じて減衰特性を可変にしたいとの要望のある運搬用の車両では特に、緩衝器の搭載スペースを広くとれない場合があり、緩衝器のストローク長を長くするとともに、緩衝器の軸方向長さを短くしたいとの要望が強い。このため、従来の緩衝器D1では、このような要望に応えるのが難しく、運搬用の車両への搭載を断念せざるを得ないことがある。
そこで、本発明は、積載荷重に応じて減衰特性を変更できるとともに、車両への搭載性の良好な緩衝器の提供を目的とする。
上記課題を解決する緩衝器は、ピストンで区画された伸側室と圧側室とを連通する減衰通路と、ピストンロッドに形成されて車体への積載荷重に応じて圧側室に連通されるロッド内通路と、ピストンロッドの外周に装着されるとともにピストンの伸側室側に設けられてロッド内通路を伸側室へ連通するオリフィスを有するオリフィス形成部材とを備える。
そして、上記緩衝器において、オリフィス形成部材は、ピストンロッドとの間に軸方向の一方側へ開口する凹部が形成される第一部材と、第一部材に積層されて凹部の開口を塞ぐ第二部材とを有し、ロッド内通路とオリフィスは、凹部の内側に形成される連通隙間を介して連通されており、オリフィスは、連通隙間と伸側室との間の液体の双方向流れを許容する。
上記構成によれば、積載荷重に応じて減衰特性を変更できる。さらに、オリフィスを固定オリフィスにできるので、従来のようにバルブにオリフィスを形成する必要がなく、バルブ、及びそのバルブの開閉分を含むバルブの取付スペースが不要になり、その分、ストローク長を長くとれる。また、凹部により、第一部材の内周部には、ピストンナット締付時の荷重を受けない部分ができるので、その分、ストローク長を長くとれる。よって、ストローク長を確保しつつ緩衝器が軸方向に嵩張るのを抑制できるので、緩衝器の搭載性を良好にできる。
なお、上記緩衝器では、減衰通路がピストンに形成された伸側通路と圧側通路とを有して構成されており、伸側通路がピストンの圧側室側に積層された伸側リーフバルブで開閉されるとともに、圧側通路がピストンの伸側室側に積層された圧側リーフバルブで開閉されて、オリフィス形成部材が圧側リーフバルブのバルブストッパとして機能するとよい。
当該構成によれば、圧側リーフバルブのバルブストッパをオリフィス形成部材と別に設ける場合と比較して、バルブストッパを省略した分、ストローク長を長くとれるので、ストローク長を確保し易く、緩衝器の搭載性を一層良好にできる。
また、上記緩衝器では、凹部が第一部材の中心側から外周側へ向けて延びる一以上の径方向凹部を含んで構成されており、径方向凹部の深さが第一部材の外周へ向かうに従って浅くなり、径方向凹部の幅が第一部材の外周へ向かうに従って狭くなり、オリフィスが径方向凹部における第一凹部の外周側端に連なるとよい。当該構成によれば、連通隙間を通ってロッド内通路からオリフィスへ向かう液体が滞りなく流れやすい。
また、上記緩衝器では、凹部がピストンロッドとの間に環状隙間を形成し、径方向凹部に連なる環状凹部を含んで構成されているとよい。当該構成によれば、第一部材とピストンロッドとの周方向の位置合わせをしなくても、製品ごとの減衰力のバラツキを抑制できる。
本発明の緩衝器によれば、積載荷重に応じて減衰特性を変更できるとともに、車両への搭載性の良好にできる。
本発明の一実施の形態に係る緩衝器を示した縦断面図である。 図1の一部を拡大して示した部分拡大縦断面図である。 (a)は、本発明の一実施の形態に係る緩衝器のオリフィス形成部材における第一部材を示した平面図である。(b)は、(a)のX−X線断面図である。(c)は、(a)のY−Y線断面図である。 本発明の一実施の形態に係る緩衝器のオリフィス形成部材における第一部材を示した平面図であり、第一部材がピストンロッドに取り付けられた状態を示す。 本発明の一実施の形態に係る緩衝器の第一の変形例を示し、変更部を拡大して示した部分拡大縦断面図である。 従来の緩衝器を示した縦断面図である。
以下に本発明の実施の形態の緩衝器について、図面を参照しながら説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は、同じ部品か対応する部品を示す。
図1に示す本発明の一実施の形態に係る緩衝器Dは、バン又はトラックといった人又は荷物の運搬を目的とする車両のサスペンションに利用されている。以下の説明では、本実施の形態に係る緩衝器Dが車両に取り付けられた状態での上下を、単に緩衝器Dの「上」「下」という。
本実施の形態において、緩衝器Dは、図1に示すように、シリンダ1と、シリンダ1の外周に配置された外筒10と、外筒10の下端開口を塞ぐボトムキャップ11と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されるピストン2と、下端がピストン2に連結されて上端がシリンダ1外へ突出するピストンロッド3と、シリンダ1の上端に嵌合してシリンダ1と外筒10の上端開口を塞ぐとともにピストンロッド3を摺動自在に軸支する環状のヘッド部材12と、シリンダ1の下端に嵌合してシリンダ1とボトムキャップ11との間に挟まれて固定されるバルブケース4とを備える。
ボトムキャップ11には、車軸側取付部材(図示せず)が固定されており、シリンダ1がバルブケース4、ボトムキャップ11、及び車軸側取付部材を介して車輪の車軸に連結される。その一方、ピストンロッド3の上端部には、車体側取付部材(図示せず)が固定されており、ピストンロッド3が車体側取付部材を介して車体に連結される。そして、車両が凹凸のある路面を走行する等して車輪が上下に振動すると、ピストンロッド3がシリンダ1に出入りして緩衝器Dが伸縮し、ピストン2がシリンダ1内を上下に移動する。
シリンダ1内には、ピストン2で区画される伸側室R1と圧側室R2とが形成されている。伸側室R1と圧側室R2には、作動油等の液体が充填されている。伸側室R1とは、ピストン2で区画される二つの部屋のうち、緩衝器Dの伸長時にピストン2で圧縮される方の部屋のことであり、本実施の形態ではピストン2の上側に位置する。また、圧側室R2とは、ピストン2で区画される二つの部屋のうち、緩衝器Dの収縮時にピストン2で圧縮される方の部屋のことであり、本実施の形態ではピストン2の下側に位置する。
ピストン2には、伸側室R1と圧側室R2とを連通する減衰通路として伸側通路2aと圧側通路2bが形成されている。そして、ピストン2の下側には、伸側リーフバルブ20、間座22、及びバルブストッパ24がピストン2側からこの順に積層されている。その一方、ピストン2の上側には、圧側リーフバルブ21、間座23、及びオリフィス形成部材5がピストン2側からこの順に積層されている。
ピストン2と、ピストン2に積層される伸側リーフバルブ20、圧側リーフバルブ21、間座22,23、バルブストッパ24、及びオリフィス形成部材5を、以下、ピストン2等とする。これらピストン2等は、それぞれ環状に形成されており、ピストンロッド3の取付部3bの外周にピストンナット6で固定されている。
より詳しくは、ピストンロッド3は、ヘッド部材12で軸方向へ摺動自在に支持されるロッド本体3aと、シリンダ1内に挿入されたロッド本体3aの先端から下方へ突出する取付部3bとを有する。取付部3bの外径は、ロッド本体3aの外径よりも小さく、これらの境界に環状の段差3cが形成されている。また、取付部3bの先端部には、外周に螺子溝が形成された螺子部3dが設けられている。そして、ピストン2等の内周側にピストンロッド3の取付部3bを挿通し、ピストン2等から下方へ突出させた螺子部3dの外周にピストンナット6を螺合すると、ピストン2等がピストンナット6と段差3cとの間に挟まれて固定される。
伸側リーフバルブ20と圧側リーフバルブ21は、それぞれの内周部を間座22,23とピストン2との間に挟まれた状態でピストンロッド3の外周に固定され、間座22,23よりも外周側の撓みが許容されている。
伸側リーフバルブ20は、その外周部で伸側通路2aの出口を開閉するようになっており、伸側室R1の圧力が上昇すると、当該伸側室R1の圧力により撓んで伸側通路2aを開放し、伸側通路2aを伸側室R1から圧側室R2へ向かう液体の流れに抵抗を与える。しかし、圧側室R2の圧力が上昇しても伸側リーフバルブ20は開かず、伸側通路2aを閉塞した状態に維持される。
その一方、圧側リーフバルブ21は、その外周部で圧側通路2bの出口を開閉するようになっており、圧側室R2の圧力が上昇すると、当該圧側室R2の圧力により撓んで圧側通路2bを開放し、圧側通路2bを圧側室R2から伸側室R1へ向かう液体の流れに抵抗を与える。しかし、伸側室R1の圧力が上昇しても圧側リーフバルブ21は開かず、圧側通路2bを閉塞した状態に維持される。
つづいて、シリンダ1外には、外筒10との間にリザーバR3が形成されている。リザーバR3には、液体が貯留されるとともに、その液面上方に気体が封入されて気室Gが形成されている。リザーバR3は、シリンダ1の下端に嵌合するバルブケース4により圧側室R2と区画されている。
バルブケース4には、圧側室R2とリザーバR3とを連通する吸込通路4aと排出通路4bが形成されるとともに、吸込通路4aを開閉する吸込バルブ40と、排出通路4bを開閉するベースバルブ41が取り付けられている。吸込バルブ40は、チェックバルブであり、吸込通路4aをリザーバR3から圧側室R2へ向かう液体の流れを許容するとともに、その逆向きの流れを阻止する。その一方、ベースバルブ41は、排出通路4bを圧側室R2からリザーバR3へ向かう液体の流れに抵抗を与えるとともに、その逆向きの流れを阻止する。
上記構成によれば、ピストンロッド3がシリンダ1から退出する緩衝器Dの伸長時に、ピストン2がシリンダ1内を上方へ移動して伸側室R1が圧縮されると、当該伸側室R1の液体が伸側リーフバルブ20を押し開き、伸側通路2aを通って圧側室R2へ移動する。当該液体の流れに対しては、伸側リーフバルブ20によって抵抗が付与されるので、伸側室R1の圧力が上昇し、緩衝器Dが伸長作動を妨げる伸側減衰力を発揮する。
また、緩衝器Dの伸長時には、吸込バルブ40が開き、シリンダ1から退出したピストンロッド体積分の液体が吸込通路4aを通ってリザーバR3から圧側室R2へ供給される。このため、本実施の形態のように緩衝器Dが片ロッド型に設定されていて、緩衝器Dの伸長時にシリンダ1から退出したピストンロッド3の体積分シリンダ1内の容積が拡大しても、当該シリンダ内容積変化をリザーバR3で補償できる。
反対に、ピストンロッド3がシリンダ1内へ進入する緩衝器Dの収縮時に、ピストン2がシリンダ1内を下方へ移動して圧側室R2が圧縮されると、当該圧側室R2の液体が圧側リーフバルブ21とベースバルブ41を押し開き、圧側通路2bと排出通路4bを通って伸側室R1とリザーバR3へ移動する。これらの液体の流れに対しては、圧側リーフバルブ21とベースバルブ41によってそれぞれ抵抗が付与されるので、圧側室R2の圧力が上昇し、緩衝器Dが収縮作動を妨げる圧側減衰力を発揮する。
また、緩衝器Dの収縮時には、前述のようにベースバルブ41が開き、シリンダ1内に進入したピストンロッド体積分の液体が排出通路4bを通って圧側室R2からリザーバR3へ排出される。このため、本実施の形態のように緩衝器Dが片ロッド型に設定されていて、緩衝器Dの収縮時にシリンダ1内へ進入したピストンロッド3の体積分シリンダ1内の容積が縮小しても、当該シリンダ内容積変化をリザーバR3で補償できる。
このように、本実施の形態に係る緩衝器Dは、伸縮作動に伴い減衰力を発揮するとともに、シリンダ1に出入りするピストンロッド体積分をリザーバR3で補償するようになっている。
そして、本実施の形態において緩衝器Dは複筒型であり、シリンダ1と外筒10とでリザーバR3のタンクを構成する。しかし、リザーバR3の構成は、適宜変更できる。例えば、外筒10を廃してシリンダ1とは別置き型のタンクを設け、当該タンクの内側にリザーバR3を形成してもよい。また、本実施の形態に係る緩衝器Dは、片ロッド型であるのでリザーバR3を備えているが、緩衝器Dを両ロッド型にしてもよい。
さらに、本実施の形態に係る緩衝器Dは、正立型であり、シリンダ1を車軸側に、ピストンロッド3を車体側に設けているが、緩衝器Dを倒立型にして、シリンダ1を車体側に、ピストンロッド3を車軸側に設けてもよい。また、緩衝器Dがバン、又はトラック以外の車両に利用されていてもよいのは勿論である。このように、緩衝器Dの様式及び用途は、適宜変更できる。
また、本実施の形態に係る緩衝器Dは、伸側室R1と圧側室R2とを連通する減衰通路として、伸側通路2aと圧側通路2bとを備える。そして、伸側リーフバルブ20と圧側リーフバルブ21は、減衰通路を通過する液体の流れに抵抗を与える減衰要素として機能する。
さらに、伸側リーフバルブ20の外周部、又は、当該外周部が離着座するピストン2の弁座には切欠き(図示せず)が形成されており、当該切欠きによってオリフィス又はチョークが形成されている。そして、伸側リーフバルブ20が伸側通路2aを閉じた状態であっても、伸側通路2aがオリフィス又はチョークを介して伸側室R1と圧側室R2とを連通し、伸側通路2aを通過する液体の流れにオリフィス又はチョークにより抵抗が付与される。
同様に、圧側リーフバルブ21の外周部、又は、当該外周部が離着座するピストン2の弁座には切欠き(図示せず)が形成されており、当該切欠きによってオリフィス又はチョークが形成されている。そして、圧側リーフバルブ21が閉じた状態であっても、圧側通路2bがオリフィス又はチョークを介して伸側室R1と圧側室R2とを連通し、圧側通路2bを通過する液体の流れにオリフィス又はチョークにより抵抗が付与される。
このため、緩衝器Dの伸縮時において、シリンダ1内を移動するピストン2の速度(ピストン速度)が低く、伸側リーフバルブ20と圧側リーフバルブ21が開弁しない低速域では、緩衝器Dの発生する減衰力の特性(減衰特性)がオリフィス又はチョーク特性となる。
また、伸側リーフバルブ20の撓み量は、ピストン速度の上昇に伴い大きくなるが、その撓み量がある程度大きくなると、伸側リーフバルブ20の外周部がバルブストッパ24に当接し、それ以上の撓みが阻止される。同様に、圧側リーフバルブ21の撓み量もピストン速度の上昇に伴い大きくなるが、その撓み量がある程度大きくなると、圧側リーフバルブ21の外周部がオリフィス形成部材5に当接し、それ以上の撓みが阻止される。このように、本実施の形態では、オリフィス形成部材5がバルブストッパとして機能する。
つづいて、ピストンロッド3には、ロッド内通路30が形成されている。ロッド内通路30は、ピストンロッド3の軸方向に沿って形成される縦穴3eと、ピストンロッド3の径方向に沿って形成されて縦穴3eに連なる上下の横孔3f,3gとを有して構成される。
上側の横孔3fは、取付部3bの側方であってオリフィス形成部材5の内周に対向する位置に開口し、オリフィス形成部材5に形成されたオリフィス52を通じて常に伸側室R1に連通される。その一方、下側の横孔3gは、取付部3bの側方であって螺子部3dの上側に開口し、ピストンナット6に形成された連通孔6aを通じて圧側室R2に連通される。
連通孔6aは、ピストンナット6に装着されたシャッタ7で開閉されるので、シャッタ7が連通孔6aを開くと、下側の横孔3gと圧側室R2が連通孔6aを介して連通されるが、シャッタ7が連通孔6aを閉じると、下側の横孔3gと圧側室R2との連通が遮断される。
オリフィス形成部材5は、本実施の形態において、第一部材50と、第一部材50の上側に積層される第二部材51とを有して構成される。第一部材50と第二部材51は、それぞれ環状に形成されており、それぞれの中心部にピストンロッド3の取付部3bの挿通を許容する挿通孔50a,51aが形成されている(図2)。
そして、第一部材50の中心部を貫通する孔のうち、その壁面が取付部3bの外周に摺接可能な部分を挿通孔50aとすると、当該挿通孔50aは、第一部材50の下部に形成されている。図3(a)−(c)に示すように、第一部材50において、挿通孔50aが形成される部分の上側には、挿通孔50aに連なる凹部50bが形成されている。さらに、第一部材50の上端部には、凹部50bの外周縁から第一部材50の外周端にかけて細い溝状の切欠き50cが形成されている。
凹部50bとは、第一部材50において第二部材51と接触する接触面50dを基準に、当該接触面50dよりも窪んだ部分のことである。凹部50bの底には、挿通孔50aの上縁が連なるものの、第一部材50がピストンロッド3の取付部3bの外周に装着されると、取付部3bが挿通孔50aを塞いで凹部50bの中心部に起立する(図2)。このため、ピストンロッド3に第一部材50が装着された状態では、凹部50bの底が塞がれて、凹部50bが上側にのみ開口する。
このように、ピストンロッド3の外周に形成された凹部50bの上側開口は、第二部材51で塞がれる。より詳しくは、本実施の形態において、第二部材51は、ピストンロッド3の取付部3bの外周に第一部材50の上側に積層された状態で装着される。そして、ピストンナット6を締め付けると、取付部3bの末端に形成される段差3cと第二部材51との接触面、第二部材51と第一部材50との接触面、及び第一部材50と間座23との接触面に荷重がかかる。
第一部材50と第二部材51は、ピストンナット締付時の荷重を受けても大きく変形しない強度を有する。そして、当該荷重を受けると、第一部材50の接触面50dに第二部材51が押し付けられて、これらの間にピストンロッド3、第一部材50、及び第二部材51で囲われる連通隙間53が形成される(図2)。図4には、第一部材50の接触面50dに網掛けを記載している。図4からもわかるように、第一部材50の接触面50dは、ピストンロッド3の周りに形成された凹部50bの上側開口を、切欠き50c部分を除き、全周に亘って取り囲むように形成されている。
このため、ピストンロッド3に第一部材50と第二部材51を装着すると、第一部材50の凹部50bが第二部材51で蓋される。さらに、第一部材50に形成された切欠き50cにより、第一部材50と第二部材51との間に連通隙間53と伸側室R1とを連通するオリフィス52が形成される(図2)。
また、本実施の形態において、第一部材50の接触面50dの高さは、第一部材50の外周側が内周側より低くならないように配慮されている。具体的には、例えば、第一部材50の接触面50dは、第一部材50の外周へ向かうに従って高くなる(第二部材51側へ突出する)ように、若干の傾斜を持つように形成される。
このため、ピストンナット締付時の荷重を接触面50dで受けたとき、接触面50dの外周側が第二部材51へより強く押し付けられて、連通隙間53内の液体がオリフィス52以外の部分から伸側室R1へ漏れ出るのを防止できる。なお、第二部材51において第一部材50に接触する接触面の外周側の高さを若干高くした場合にも同様の効果を得られるので、そのようにしてもよい。
つづいて、凹部50bは、図3(a)−(c)に示すように、第一部材50の内周部に形成される環状凹部54と、環状凹部54から第一部材50の外周側へ放射状に延びる複数の径方向凹部55とを有する。図3(a)に示すように、環状凹部54の底54aは、環状であり、当該底54aの内周縁が挿通孔50aの上縁に連なる。そして、環状凹部54の底54aの外周縁から起立する周壁54bの径は、挿通孔50aの径よりも大きい。
このため、ピストンロッド3の取付部3bの外周に第一部材50を装着した状態で、取付部3bの外周に周方向に沿って環状の隙間ができる(図4)。また、取付部3bに形成された上側の横孔3fは、径方向視で環状凹部54と対向する位置に形成されている(図2)。よって、ピストンロッド3と第一部材50の周方向の位置合わせをしなくても、横孔3fを常に開いた状態に維持できる。
その一方、径方向凹部55は、図3(a)に示すように、環状凹部54から第一部材50の外周部にかけて第一部材50の半径方向に沿って形成されている。本実施の形態では、径方向凹部55は四本設けられており、これらが平面視で十字状に配置されている。径方向凹部55において、第一部材50の中心側端(環状凹部54側端)を末端、第一部材50の外周側端を先端とすると、径方向凹部55の深さは、先端へ向かうに従って浅くなり、径方向凹部55の幅は、先端へ向かうに従って狭くなる。
そして、各径方向凹部55の先端に連なるように切欠き50cが形成されている。このため、連通隙間53の流路面積がオリフィス52へ向かうに従って徐々に小さくなる。よって、ロッド内通路30からオリフィス52へ向けて液体が連通隙間53を滞りなく流れ、連通隙間53に液体の滞留が生じ難い。
さらに、第一部材50において、径方向凹部55の形成されない部分では、接触面50dが環状凹部54の周壁54bまで形成されており、当該部分で第二部材51の内周部を支えられる。よって、第一部材50と第二部材51の内周側に隙間があっても第二部材51の変形を抑制できるので、第二部材51の厚みを薄くできる。
また、径方向凹部55は、前述のように、第一部材50の外周へ向かうに従って、深さが浅く、幅が狭くなっている。このため、第一部材50の軸方向長さが短くても、第一部材50の強度を確保しやすい。
つづいて、ピストンナット6に形成される連通孔6aを開閉するシャッタ7は、図1に示すように、段付き筒状となっており、小径筒部7aと、小径筒部7aの下側に連なる大径筒部7bと、小径筒部7aと大径筒部7bの境界に形成される段差部7cとを有する。また、ピストンナット6は、下部内周が螺子部3dに螺合する筒部6bと、筒部6bの下端部から径方向外方へ突出する環状のストッパ6cとを有し、筒部6bの上部に連通孔6aが形成されている。
そして、ピストンナット6における筒部6bの外周にシャッタ7の小径筒部7aが摺接し、ストッパ6cの外周にシャッタ7の大径筒部7bが摺接する。また、シャッタ7の段差部7cとバルブストッパ24との間には、シャッタ7を常に下方へ附勢する附勢部材としてコイルばね8が介装されている。
そして、コイルばね8の附勢力に従ってシャッタ7が下方へ移動し、シャッタ7の段差部7cがピストンナット6のストッパ6cに当接すると、シャッタ7がそれ以上下方へ移動しなくなる。このように、シャッタ7が下限位置にある場合には、連通孔6aが開放されて、ロッド内通路30と圧側室R2が連通孔6aを介して連通する。
反対に、コイルばね8の附勢力に抗してシャッタ7が上方へ移動し、シャッタ7の上端がバルブストッパ24に当接すると、シャッタ7がそれ以上上方へ移動しなくなる。このように、シャッタ7が上限位置にある場合には、小径筒部7aが連通孔6aに被さり連通孔6aを閉じる。よって、ロッド内通路30と圧側室R2との連通が遮断される。
また、シャッタ7の大径筒部7bとピストンナット6の筒部6bとの間であって、段差部7cとストッパ6cとの間には、液溜室R4が形成されている。液溜室R4は、シャッタ7の小径筒部7aとピストンナット6の筒部6bとの摺動隙間と、シャッタ7の小径筒部7aに形成された絞り通路7dを介して圧側室R2に連通されている。そして、シャッタ7が上下に動いて液溜室R4が拡縮するのに伴い、液溜室R4と圧側室R2との間を移動する液体の流れに摺動隙間と絞り通路7dで抵抗を与え、シャッタ7の急峻な変位を抑制するようになっている。
つづいて、シャッタ7の下側には、コントロールばね9が設けられている。コントロールばね9は、コイルばねであり、その上端部には、シリンダ1内に摺動自在に挿入される環状のガイドリング90が嵌合する。また、コントロールばね9の下端は、バルブケース4で支えられている。
そして、ピストン2がシリンダ1内を下方(圧側室R2側)へ移動して所定位置より下方へ移動すると、シャッタ7がガイドリング90に突き当たり、コントロールばね9がコイルばね8の附勢力に抗してシャッタ7を押し上げ、連通孔6aを閉塞させる。その一方、ピストン2が所定位置よりも上側(伸側室R1)に位置する場合には、シャッタ7がガイドリング90から離れるので、コイルばね8がシャッタ7を押し下げて連通孔6aを開放させる。
上記構成によれば、空積時等の車体への積載荷重が小さい場合であって、緩衝器Dの伸縮時にピストン2が所定位置よりも上方を移動する場合には、シャッタ7がガイドリング90から離れて連通孔6aを開放し、圧側室R2とロッド内通路30が連通される。
よって、車体への積載荷重が小さい場合において、緩衝器Dが伸長する場合には、伸側室R1の液体が伸側通路2aを通って圧側室R2へ移動するとともに、オリフィス52、連通隙間53、ロッド内通路30、及び連通孔6aをこの順に通って圧側室R2へ移動する。反対に、車体への積載荷重が小さい場合において、緩衝器Dが収縮する場合には、圧側室R2の液体が圧側通路2bを通って伸側室R1へ移動するとともに、連通孔6a、ロッド内通路30、連通隙間53、及びオリフィス52をこの順に通って伸側室R1へ移動する。
つまり、減衰通路である伸側通路2aと圧側通路2bを迂回して伸側室R1と圧側室R2とを連通する通路をバイパス路Bとすると、本実施の形態におけるバイパス路Bは、ピストンロッド3に形成されたロッド内通路30と、オリフィス形成部材5に形成された連通隙間53及びオリフィス52と、ピストンナット6に形成された連通孔6aを有して構成されている。そして、積載荷重が小さい場合には、シャッタ7がバイパス路Bを開き、緩衝器Dの伸縮時に伸側室R1と圧側室R2との間を行き来する液体が減衰通路とバイパス路Bの両方を通過できるようになる。
これに対して、満載時等の車体への積載荷重が大きい場合であって、緩衝器Dの伸縮時にピストン2が所定位置よりも下方へ移動し、シャッタ7がコントロールばね9で押し上げられて連通孔6aが閉塞を閉塞した場合には、圧側室R2とロッド内通路30との連通が遮断される。つまり、積載荷重が大きい場合には、シャッタ7がバイパス路Bを閉じるので、緩衝器Dの伸縮時に伸側室R1と圧側室R2との間を行き来する液体が減衰通路のみを通過するようになる。
よって、積載荷重が小さい場合には、大きい場合と比較して減衰通路を流れる液体の流量が減少するので緩衝器Dの伸縮時に発生する減衰力が小さくなる。換言すると、積載荷重が小さい場合の減衰特性を小さな減衰力を発揮する特性にできる。また、積載荷重が大きい場合には、小さい場合と比較して減衰通路を流れる液体の流量が増加するので緩衝器Dの伸縮時に発生する減衰力が大きくなる。換言すると、積載荷重が大きい場合の減衰特性を大きな減衰力を発生する特性にできる。
このように、本実施の形態に係る緩衝器Dでは、積載荷重に応じて減衰力の特性を変化させている。このため、空荷時に減衰力が過剰になったり、満載時に減衰力が不足したりすることが無く、積載荷重の大小によらず車両の操縦安定性を良好にできる。
以下、本実施の形態に係る緩衝器Dの作用効果について説明する。
本実施の形態において、緩衝器Dは、車両における車体と車軸との間に介装されており、シリンダ1と、シリンダ1内に軸方向へ移動可能に挿入されるピストンロッド3と、ピストンロッド3に連結されてシリンダ1内を伸側室R1と圧側室R2に区画するピストン2と、伸側室R1と圧側室R2とを連通する伸側通路(減衰通路)2a及び圧側通路(減衰通路)2bと、ピストンロッド3に形成されて車体への積載荷重に応じて圧側室R2に連通されるロッド内通路30と、ピストンロッド3の外周に装着されるとともにピストン2の上側(伸側室R1側)に設けられてロッド内通路30を伸側室R1へ連通するオリフィス52を有するオリフィス形成部材5とを備える。
さらに、本実施の形態において、オリフィス形成部材5は、ピストンロッド3との間に上方(ピストンロッド3の軸方向の一方側)へ開口する凹部50bが形成される第一部材50と、第一部材50に積層されて凹部50bの開口を塞ぐ第二部材51とを有する。そして、ロッド内通路30とオリフィス52は、凹部50bの内側に形成される連通隙間53を介して連通されており、オリフィス52は、連通隙間53と伸側室R1との間の液体の双方向流れを許容する。
上記構成によれば、ロッド内通路30、連通隙間53、及びオリフィス52により、減衰通路を迂回して伸側室R1と圧側室R2とを連通するバイパス路Bを構成できる。そして、積載荷重に応じてロッド内通路30と圧側室R2とを連通すると、伸側室R1と圧側室R2との間を行き来する液体が減衰通路とバイパス路Bの両方を通過できるようになって、減衰特性が変化する。
このように、上記構成によれば、緩衝器Dの減衰特性を積載荷重に応じて変更できるので、積載荷重が大きく変化する車両に緩衝器Dが利用される場合であっても、空荷時と満載時の両方で車両の操縦安定性を良好にできる。
さらに、上記構成によれば、オリフィス52の双方向流れが許容されており、オリフィス52が固定オリフィスとなっている。このため、本実施の形態に係る緩衝器Dでは、従来の緩衝器D1のようにリーフバルブ510にオリフィス511を形成する必要がなく、リーフバルブ510、リーフバルブ510の開閉スペース、及びバルブストッパ520等が不要になる分、部品数が減って組付性が良好になるとともに、シリンダ1内でピストン2が軸方向に動ける距離が長くなり、緩衝器Dのストローク長を長くとれる。
また、上記構成によれば、第一部材50に形成した凹部50bにより伸側室R1とロッド内通路30とを連通する連通隙間53を形成し、第一部材50の内周部上端面には、ピストンナット締付時の荷重を受けない部分ができる。このため、本実施の形態に係る緩衝器Dの第一部材50は、内周部上端面でピストンナット締付時の荷重を受ける従来の緩衝器D1のディスク500と比較して、軸方向長さを短くできるので、その分、緩衝器Dのストローク長を長くとれる。
このように、上記構成によれば、積載荷重に応じて減衰特性を変更する場合であっても、シリンダ1を長くせずにストローク長を確保できるので、ストローク長を確保しつつ緩衝器Dが軸方向に嵩張るのを抑制できる。よって、上記構成によれば、積載荷重に応じて減衰特性を変更できるとともに、緩衝器Dの車両への搭載性を良好にできる。
なお、本実施の形態では、第一部材50の上側(伸側室R1側)に第二部材51が積層されているが、これらの配置は逆であってもよく、その場合にも、同様の効果を得られる。
また、本実施の形態の緩衝器Dは、ピストンロッド3の先端部外周に螺合されてロッド内通路30を圧側室R2へ連通可能な連通孔6aが形成されたピストンナット6と、ピストンナット6の外周に装着されて連通孔6aを開閉するシャッタ7と、連通孔6aを開放する方向へシャッタ7を常に附勢するコイルばね(附勢部材)8と、ピストン2が所定位置よりも下方(圧側室R2側)へ移動した場合にコイルばね8の附勢力に抗してシャッタ7を押し上げて連通孔6aを閉塞させるコントロールばね9とを備えている。
上記構成によれば、積載荷重が小さい場合の減衰特性を小さな減衰力を発生する特性にできるとともに、積載荷重が大きい場合の減衰特性を大きな減衰力を発生する特性にできる。よって、空荷時に減衰力が過剰になったり、満載時に減衰力が不足したりすることが無く、積載荷重の大小によらず車両の操縦安定性を良好にできる。さらに、上記構成によれば、電気的な制御によらず、機械的に減衰特性を切り換えられるので、緩衝器Dを安価にできる。
しかし、積載荷重に応じてロッド内通路30と圧側室R2とを連通するための構成は、適宜変更できる。例えば、電気的な制御により積載荷重に応じてロッド内通路30と圧側室R2を連通してもよい。
また、本実施の形態において、伸側室R1と圧側室R2とを連通する減衰通路がピストン2に形成された伸側通路2aと圧側通路2bとを有して構成されている。そして、伸側通路2aは、ピストン2の下側(圧側室R2側)に積層された伸側リーフバルブ20で開閉される。その一方、圧側通路2bは、ピストン2の上側(伸側室R1側)に積層された圧側リーフバルブ21で開閉されるようになっており、オリフィス形成部材5が圧側リーフバルブ21のバルブストッパとして機能する。
伸側リーフバルブ20、及び圧側リーフバルブ21は、薄い環状板であるので、軸方向に嵩張らない。また、オリフィス形成部材5は、圧側リーフバルブ21のバルブストッパとして機能するので、バルブストッパをオリフィス形成部材5とは別に設ける必要がない。よって、上記構成によれば、ストローク長の確保がより容易であり、緩衝器Dの搭載性を一層良好にできる。
しかし、減衰通路に設けるバルブは、リーフバルブ以外のバルブであってもよく、オリフィス形成部材5とは別に圧側リーフバルブ21のバルブストッパを設けてもよい。そして、これらに変更は、第一部材50と第二部材51の配置、及び積載荷重に応じてロッド内通路30と圧側室R2とを連通するための構成によらず可能である。
また、本実施の形態において、凹部50bは、第一部材50の中心側から外周側へ向けて延びる一以上の径方向凹部55を含む。そして、径方向凹部55の深さは、第一部材50の外周へ向かうに従って浅くなり、径方向凹部55の幅は、第一部材50の外周へ向かうに従って狭くなり、当該径方向凹部55の先端(第一部材50の外周側端)にオリフィス52が連なる。
このため、ロッド内通路30の液体が連通隙間53をオリフィス52へ向けて流れやすい。さらに、本実施の形態では、第一部材50に形成した切欠き50cによりオリフィス52が形成されるので、オリフィス52と連通隙間53を連通するに当たり位置合わせが不要であり、オリフィス形成部材5の組付性が良好である。
しかし、オリフィス52の形成方法は、適宜変更できる。例えば、第二部材51の外周部に細い溝状のオリフィス52を形成するための切欠きを設け、当該切欠きが第一部材の径方向凹部55の先端と向かい合うように第一部材50と第二部材51の周方向の位置合わせをしてもよい。さらに、切欠きに替えて、第一部材50又は第二部材51に孔を設け、当該孔によりオリフィスを形成してもよい。
また、図5に示すオリフィス形成部材5Aのように、第一部材50と第二部材51との間に、薄いプレート状の第三部材56を介装し、当該第三部材56の外周部にオリフィス52を形成するための切欠き56aを設け、当該切欠き56aが第一部材50の径方向凹部55の先端と向かい合うように第一部材50と第三部材56の周方向の位置合わせをしてもよい。
そして、前述のようなオリフィス52の変更は、第一部材50と第二部材51の配置、積載荷重に応じてロッド内通路30と圧側室R2とを連通するための構成、減衰通路に設けるバルブの構成、及び第一部材50がバルブストッパとして機能するか否かによらず可能である。
さらに、本実施の形態では、先端へ向かうに従って、深く、狭くなる径方向凹部55が四本設けられ、これらが平面視で十字状に配置されている。このため、径方向凹部55部分の流路面積を確保しつつ、隣り合う径方向凹部55,55の間に形成される接触面50dの面積を広くできる。よって、第一部材50と第二部材51の軸方向長さが短くても、これらの強度を確保しやすい。つまり、上記構成によれば、オリフィス形成部材5の軸方向長さを一層短くして、その分ストローク長を長くできるので、ストローク長を一層確保し易い。よって、緩衝器Dの搭載性を一層良好にできる。
また、本実施の形態において、凹部50bは、ピストンロッド3との間に環状隙間を形成し、径方向凹部55に連なる環状凹部54を含む。このため、ロッド内通路30と径方向凹部55の内側が環状凹部54により形成される筒状隙間を介して連通される。よって、第一部材50とピストンロッド3の周方向の位置合わせをしなくても、ロッド内通路30の上側の横孔3fを常に全開にできる。よって、バイパス路B連通時における製品ごとの減衰力のバラツキを抑制できる。
しかし、凹部50bの構成は、適宜変更できる。例えば、径方向凹部55の深さ及び幅を一定にしてもよい。また、径方向凹部55の数は適宜変更できるのは勿論、径方向凹部55を廃し、環状凹部54の内側とオリフィスを直接連通してもよい。また、凹部50bが径方向凹部55を有する場合には、環状凹部54を廃するとしてもよい。この場合、減衰力のバラツキを抑制する上では、ピストンロッド3の外周に沿って環状溝を形成するか、ピストンロッド3と第一部材50の周方向の位置合わせをするのが好ましい。
そして、前述のような凹部50bの変更は、第一部材50と第二部材51の配置、積載荷重に応じてロッド内通路30と圧側室R2とを連通するための構成、減衰通路に設けるバルブの構成、第一部材50がバルブストッパとして機能するか否か、及びオリフィス52の構成によらず可能である。
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱しない限り、改造、変形及び変更が可能である。
D・・・緩衝器、R1・・・伸側室、R2・・・圧側室、1・・・シリンダ、2・・・ピストン、2a・・・伸側通路(減衰通路)、2b・・・圧側通路(減衰通路)、3・・・ピストンロッド、5・・・オリフィス形成部材、20・・・伸側リーフバルブ、21・・・圧側リーフバルブ、30・・・ロッド内通路、50・・・第一部材、50b・・・凹部、51・・・第二部材、52・・・オリフィス、53・・・連通隙間、54・・・環状凹部、55・・・径方向凹部

Claims (4)

  1. 車両における車体と車軸との間に介装される緩衝器であって、
    シリンダと、
    前記シリンダ内に軸方向へ移動可能に挿入されるピストンロッドと、
    前記ピストンロッドに連結されて前記シリンダ内を伸側室と圧側室に区画するピストンと、
    前記伸側室と前記圧側室とを連通する減衰通路と、
    前記ピストンロッドに形成されて前記車体への積載荷重に応じて前記圧側室に連通されるロッド内通路と、
    前記ピストンロッドの外周に装着されるとともに前記ピストンの伸側室側に設けられて前記ロッド内通路を前記伸側室へ連通するオリフィスを有するオリフィス形成部材とを備え、
    前記オリフィス形成部材は、前記ピストンロッドとの間に軸方向の一方側へ開口する凹部が形成される第一部材と、前記第一部材に積層されて前記凹部の開口を塞ぐ第二部材とを有し、
    前記ロッド内通路と前記オリフィスは、前記凹部の内側に形成される連通隙間を介して連通されており、
    前記オリフィスは、前記連通隙間と前記伸側室との間の液体の双方向流れを許容する
    ことを特徴とする緩衝器。
  2. 前記減衰通路は、前記ピストンに形成された伸側通路と圧側通路とを有して構成されており、
    前記伸側通路は、前記ピストンの圧側室側に積層された伸側リーフバルブで開閉され、
    前記圧側通路は、前記ピストンの伸側室側に積層された圧側リーフバルブで開閉され、
    前記オリフィス形成部材は、前記圧側リーフバルブのバルブストッパとして機能する
    ことを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
  3. 前記凹部は、前記第一部材の中心側から外周側へ向けて延びる一以上の径方向凹部を含み、
    前記径方向凹部の深さは、前記第一部材の外周へ向かうに従って浅くなり、
    前記径方向凹部の幅は、前記第一部材の外周へ向かうに従って狭くなり、
    前記オリフィスは、前記径方向凹部における前記第一部材の外周側端に連なる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の緩衝器。
  4. 前記凹部は、前記ピストンロッドとの間に環状隙間を形成し、前記径方向凹部に連なる環状凹部を含む
    ことを特徴とする請求項3に記載の緩衝器。
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