JP2019085355A - 医薬組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた小胞体ストレス抑制作用を有し、かつ低毒性であり、小胞体ストレスに起因する疾患の予防または治療剤、特に、特発性肺線維症(Idiopathic Pulmonary Fibrosis (IPF))、ウォルフラム症候群(Wolfram Syndrome)、ぶどう膜炎および網膜色素変性症などの予防または治療剤として有用な小胞体ストレス抑制剤を提供する。【解決手段】式:[式中の記号の意義は、明細書に記載の通りである]で表される化合物またはその塩を有効成分として含有する、小胞体ストレス抑制剤。【選択図】なし
Description
本発明は、新規な医薬組成物に関し、さらに詳しくは、特発性肺線維症(Idiopathic Pulmonary Fibrosis (IPF))、ウォルフラム症候群(Wolfram Syndrome)、ぶどう膜炎および網膜色素変性症等の小胞体ストレスに起因する疾患の予防または治療剤として有用な小胞体ストレス抑制剤に関する。
〔発明の背景〕
特発性肺線維症(Idiopathic Plumonary Fibrosis (IPF)は、肺胞上皮細胞の障害により、細胞外マトリックス成分の産生が過剰に継続される結果として、肺胞間質の線維化が進行し、呼吸機能が低下する致死性の疾患として知られている。斑状の線維化が見られ、線維芽細胞巣が多数認められ、高分解能断層撮影(HRCT)において、線維化し肥厚した隔壁は蜂巣肺として見られ、牽引性気管支拡張を伴う所見が得られる。症状として、乾性咳嗽や労作時息切れが発生し、呼吸困難をきたす。その初期診断からの予後は非常に悪く、5年後生存率はおよそ50%と言われている。ステロイドや免疫抑制薬では効果が無く、最近になってようやくピルフェニドン(pirfenidone)などの抗線維化薬が臨床で用いられるようになったが、その治療効果は限定的なレベルに止まっており、消化器に対する副作用や光毒性の問題も指摘されている。
IPFの原因としては様々なものがその可能性を指摘されているが、中でも小胞体ストレスがII型肺胞上皮細胞の障害を引き起こし、産生される様々なサイトカインなどの作用により、周辺組織の線維化をもたらすことが示唆されている。また、一方でそのような小胞体ストレス反応を遺伝子ノックアウトなどの手法により抑制することで、病態の進行を抑えられる可能性も最近示唆されている。しかしながら、小胞体ストレスを抑制する薬剤はいまだIPF治療薬として開発されておらず、有効な治療薬の発明は、患者にとって有益な新たな治療法を提供することが期待される。
特発性肺線維症(Idiopathic Plumonary Fibrosis (IPF)は、肺胞上皮細胞の障害により、細胞外マトリックス成分の産生が過剰に継続される結果として、肺胞間質の線維化が進行し、呼吸機能が低下する致死性の疾患として知られている。斑状の線維化が見られ、線維芽細胞巣が多数認められ、高分解能断層撮影(HRCT)において、線維化し肥厚した隔壁は蜂巣肺として見られ、牽引性気管支拡張を伴う所見が得られる。症状として、乾性咳嗽や労作時息切れが発生し、呼吸困難をきたす。その初期診断からの予後は非常に悪く、5年後生存率はおよそ50%と言われている。ステロイドや免疫抑制薬では効果が無く、最近になってようやくピルフェニドン(pirfenidone)などの抗線維化薬が臨床で用いられるようになったが、その治療効果は限定的なレベルに止まっており、消化器に対する副作用や光毒性の問題も指摘されている。
IPFの原因としては様々なものがその可能性を指摘されているが、中でも小胞体ストレスがII型肺胞上皮細胞の障害を引き起こし、産生される様々なサイトカインなどの作用により、周辺組織の線維化をもたらすことが示唆されている。また、一方でそのような小胞体ストレス反応を遺伝子ノックアウトなどの手法により抑制することで、病態の進行を抑えられる可能性も最近示唆されている。しかしながら、小胞体ストレスを抑制する薬剤はいまだIPF治療薬として開発されておらず、有効な治療薬の発明は、患者にとって有益な新たな治療法を提供することが期待される。
小胞体ストレスは、IPF以外の様々な疾患の原因としても位置づけられており、有効な小胞体ストレス抑制薬の発明は、そのような疾患の新たな治療法をも提供することが期待できる。
かかる疾患の一つに、ウォルフラム症候群(Wolfram Syndrome)が挙げられる。本疾患の主な原因として、WFS1 蛋白(wolframin)をコードする遺伝子の変異が同定されており、前記タンパク質を欠損する細胞は小胞体ストレスに脆弱であり、小胞体ストレスによる組織障害をもたらすと考えられている。
膵β細胞の障害による若年性のインスリン依存性糖尿病の発症や、視神経萎縮等視神経の変性による視覚異常などが、本疾患の特徴として診断の目安となっており、中枢性尿崩症や精神障害症状(抑うつ、双極性障害等)、神経障害症状(脳幹・小脳失調、けいれん)なども広範に出現する。現在、根本的な治療法は確立されておらず、インスリンの投与など、対症療法・支持療法のみが行われている。
かかる疾患の一つに、ウォルフラム症候群(Wolfram Syndrome)が挙げられる。本疾患の主な原因として、WFS1 蛋白(wolframin)をコードする遺伝子の変異が同定されており、前記タンパク質を欠損する細胞は小胞体ストレスに脆弱であり、小胞体ストレスによる組織障害をもたらすと考えられている。
膵β細胞の障害による若年性のインスリン依存性糖尿病の発症や、視神経萎縮等視神経の変性による視覚異常などが、本疾患の特徴として診断の目安となっており、中枢性尿崩症や精神障害症状(抑うつ、双極性障害等)、神経障害症状(脳幹・小脳失調、けいれん)なども広範に出現する。現在、根本的な治療法は確立されておらず、インスリンの投与など、対症療法・支持療法のみが行われている。
また、小胞体ストレスは網膜色素変性症等の眼科疾患についても、原因の一つとして位置づけられている。
網膜色素変性症では、さまざま要因により視細胞が傷害され、夜盲、視野狭窄、視力低下が徐々に進行し、時には失明にいたる。
一方、小胞体ストレスは様々な炎症性疾患の要因とも関連しており、中でも自然免疫応答(innate immune response) を担うTLR4(Toll-like receptor 4)の活性化、およびその結果として引き起こされる様々な生体応答と疾患に関わっている。TLR4は、内在性のリガンドあるいは細菌成分などエンドトキシンによって活性化され、様々な炎症応答や組織障害を引き起こすことが知られている。
網膜色素変性症では、さまざま要因により視細胞が傷害され、夜盲、視野狭窄、視力低下が徐々に進行し、時には失明にいたる。
一方、小胞体ストレスは様々な炎症性疾患の要因とも関連しており、中でも自然免疫応答(innate immune response) を担うTLR4(Toll-like receptor 4)の活性化、およびその結果として引き起こされる様々な生体応答と疾患に関わっている。TLR4は、内在性のリガンドあるいは細菌成分などエンドトキシンによって活性化され、様々な炎症応答や組織障害を引き起こすことが知られている。
小胞体ストレスとは、遺伝子変異、ウイルス感染、炎症、有害化学物質等により、正常な高次構造に折り畳まれなかったタンパク質(変性タンパク質)が小胞体に蓄積し、それにより細胞に悪影響が生じることをいう。細胞は、小胞体ストレスによる障害を回避し、恒常性を維持するため、小胞体ストレス応答という反応を行う。小胞体ストレスの強さが細胞の回避機能を超えると、アポトーシスが誘導され、神経変性疾患等の種々の疾患の原因となると考えられている。
たとえば、上記した通り、肺胞上皮細胞における小胞体ストレスは、肺胞上皮細胞のトランスフォーミング増殖因子(TGF)β1の産生、分泌を促進し、過酸化脂質による細胞傷害や肺胞の繊維化を進行させ、特発性肺線維症を誘発すると考えられている。
また、主に小胞体に存在するWFS1蛋白(wolframin)をコードする遺伝子の変異により、前記タンパク質を欠損する細胞は小胞体ストレスに脆弱であるため、上記したように、ウォルフラム症候群(Wolfram Syndrome)発症の原因となる。
さらに、ロドプシン遺伝子の変異は蛋白のミスフォールディングをもたらし、小胞体のストレス応答を引き起こして視細胞がそれに対応しきれなくなると、細胞死を誘導する。これが網膜色素変性症の原因となることが知られている。
有効な小胞体ストレス抑制薬の発明は、いまだに有効な治療法がなく、失明に至る上記疾患の治療法をも新たに提供することが期待できる。また、エンドトキシンが要因となって引き起こされる様々な炎症性疾患、中でも失明の原因となることが知られるぶどう膜炎などの治療に新たな選択肢をもたらすことが期待できる。
従って、特発性肺線維症、ウォルフラム症候群、ぶどう膜炎、網膜色素性変性症等の小胞体ストレスに起因する疾患の予防または治療剤として用い得る小胞体ストレスに対する抑制剤が求められている。
たとえば、上記した通り、肺胞上皮細胞における小胞体ストレスは、肺胞上皮細胞のトランスフォーミング増殖因子(TGF)β1の産生、分泌を促進し、過酸化脂質による細胞傷害や肺胞の繊維化を進行させ、特発性肺線維症を誘発すると考えられている。
また、主に小胞体に存在するWFS1蛋白(wolframin)をコードする遺伝子の変異により、前記タンパク質を欠損する細胞は小胞体ストレスに脆弱であるため、上記したように、ウォルフラム症候群(Wolfram Syndrome)発症の原因となる。
さらに、ロドプシン遺伝子の変異は蛋白のミスフォールディングをもたらし、小胞体のストレス応答を引き起こして視細胞がそれに対応しきれなくなると、細胞死を誘導する。これが網膜色素変性症の原因となることが知られている。
有効な小胞体ストレス抑制薬の発明は、いまだに有効な治療法がなく、失明に至る上記疾患の治療法をも新たに提供することが期待できる。また、エンドトキシンが要因となって引き起こされる様々な炎症性疾患、中でも失明の原因となることが知られるぶどう膜炎などの治療に新たな選択肢をもたらすことが期待できる。
従って、特発性肺線維症、ウォルフラム症候群、ぶどう膜炎、網膜色素性変性症等の小胞体ストレスに起因する疾患の予防または治療剤として用い得る小胞体ストレスに対する抑制剤が求められている。
各種治療用途に有用な5員芳香族複素環化合物が報告されており、たとえば、以下の化合物が報告されている。
(1)腎臓機能障害の治療に有用なアデノシンA1受容体アンタゴニストとして、式:
[式中、Aは芳香族環を;X、YおよびZはそれぞれ炭素、窒素、酸素または硫黄を;R1は置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリールを;R2、R3およびR4は同一または異なって水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニルなどを;R5およびR6は同一または異なって水素または低級アルキルを;Bは酸素または硫黄を;R7およびR8は同一または異なって水素、低級アルキル、低級アルコキシ、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、保護されていてもよいカルボキシアルキルなどを示す]で表される化合物が報告されている(特許文献1参照)。
(2)抗高脂血症剤および抗動脈硬化症剤として、式:
[式中、R1はC1−6アルキルを;R2およびR5はそれぞれ独立して水素、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ(t-ブトキシを除く)、トリフルオロメチル、フルオロ、クロロ、フェニル、フェノキシまたはベンジルオキシを;R3およびR6はそれぞれ独立して水素、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、トリフルオロメチル、フルオロ、クロロ、フェノキシまたはベンジルオキシを;R4およびR7はそれぞれ独立して水素、C1−3アルキル、C1−2アルコキシ、フルオロまたはクロロを;
Xは-(CH2)m-または-(CH2)qCH=CH(CH2)q- (mは0,1,2または3を、qは両方が0であるか、一方が0であり他方が1を示す);
Zは-CH(OH)-CH2-C(OH)R10-CH2-COOH (R10は水素またはC1−3アルキルを示す);
ただし、環AおよびBのそれぞれにトリフルオロメチル、フェノキシおよびベンジルオキシから選ばれる1個ずつのみが存在していてもよく、−X−Zはピラゾール環の4−または5−位、かつR1に対してオルト位に存在する]で表される化合物が報告されている(特許文献2参照)。
Xは-(CH2)m-または-(CH2)qCH=CH(CH2)q- (mは0,1,2または3を、qは両方が0であるか、一方が0であり他方が1を示す);
Zは-CH(OH)-CH2-C(OH)R10-CH2-COOH (R10は水素またはC1−3アルキルを示す);
ただし、環AおよびBのそれぞれにトリフルオロメチル、フェノキシおよびベンジルオキシから選ばれる1個ずつのみが存在していてもよく、−X−Zはピラゾール環の4−または5−位、かつR1に対してオルト位に存在する]で表される化合物が報告されている(特許文献2参照)。
(3)神経障害の予防または治療に有用なニューロトロフィン産生・分泌促進剤として、式:
[式中、R1はハロゲン原子、置換されていてもよい複素環基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいチオール基または置換されていてもよいアミノ基を、Aは置換されていてもよいアシル基、置換されていてもよい複素環基、置換されていてもよいヒドロキシ基またはエステル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシル基を、Bは置換されていてもよい芳香族基を、Xは酸素原子、硫黄原子または置換されていてもよい窒素原子を、Yは2価の炭化水素基または複素環基を示す]で表される化合物が報告されている(特許文献3参照)。
(4)糖尿病治療薬として有用なレチノイド関連受容体機能調節剤として、式:
[式中、R1は置換されていてもよい芳香族炭化水素基または置換されていてもよい芳香族複素環基を;R2は水素または置換されていてもよい炭化水素基を;XはO、Sまたは−NR4−(式中、R4は水素または置換されていてもよいアルキル基を示す)で示される基を;Aはそれぞれ置換されていてもよい芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を;R3は式:−OR5(式中、R5は水素または置換されていてもよい炭化水素基を示す)または−NR6R7(式中、R6、R7は同一または異なって、水素または置換されていてもよい炭化水素基を示し、R6、R7は隣接する窒素原子と共に環を形成していてもよい)で表される基を示す]で表される化合物が報告されている(特許文献4参照)。
しかし、上記したような5員芳香族複素環化合物について、小胞体ストレスに対する抑制作用は未だに報告されていない。
本発明の目的は、優れた小胞体ストレス抑制作用を有し、かつ低毒性であり、小胞体ストレスに起因する疾患の予防または治療剤、特に、特発性肺線維症(Idiopathic Pulmonary Fibrosis (IPF))、ウォルフラム症候群(Wolfram Syndrome)、ぶどう膜炎および網膜色素変性症等の予防または治療剤として有用な小胞体ストレス抑制剤を提供することである。
本発明者らは、式:
[式中、環Aはさらに置換基を有していてもよい、2個以上の窒素原子を含む5員芳香族複素環;
Bは置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基;
Xは2価の非環状炭化水素基;
Zは-O-、-S-、-NR2-、-CONR2-または-NR2CO-(R2は水素原子または置換されていてもよいアルキル基を示す);
YおよびY1は同一または異なって結合手または2価の非環状炭化水素基;
Dはさらに置換基を有していてもよい環;
R3は置換されていてもよいアシル基または置換されていてもよい複素環基を示す。]で表される化合物(以下、化合物(I)と表記することがある)またはその塩が、その特徴的な化学構造に基づいて、優れた小胞体ストレス抑制作用を有することを見出し、その作用に基づき、小胞体ストレスに起因する疾患の予防または治療剤、特に、特発性肺線維症(Idiopathic Pulmonary Fibrosis (IPF))、ウォルフラム症候群(Wolfram Syndrome)、ぶどう膜炎および網膜色素変性症の予防または治療剤として有用であることを見出した。
Bは置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基;
Xは2価の非環状炭化水素基;
Zは-O-、-S-、-NR2-、-CONR2-または-NR2CO-(R2は水素原子または置換されていてもよいアルキル基を示す);
YおよびY1は同一または異なって結合手または2価の非環状炭化水素基;
Dはさらに置換基を有していてもよい環;
R3は置換されていてもよいアシル基または置換されていてもよい複素環基を示す。]で表される化合物(以下、化合物(I)と表記することがある)またはその塩が、その特徴的な化学構造に基づいて、優れた小胞体ストレス抑制作用を有することを見出し、その作用に基づき、小胞体ストレスに起因する疾患の予防または治療剤、特に、特発性肺線維症(Idiopathic Pulmonary Fibrosis (IPF))、ウォルフラム症候群(Wolfram Syndrome)、ぶどう膜炎および網膜色素変性症の予防または治療剤として有用であることを見出した。
すなわち、本発明は、
〔1〕式:
〔1〕式:
[式中、環Aはさらに置換基を有していてもよい、2個以上の窒素原子を含む5員芳香族複素環;
Bは置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基;
Xは2価の非環状炭化水素基;
Zは-O-、-S-、-NR2-、-CONR2-または-NR2CO-(R2は水素原子または置換されていてもよいアルキル基を示す);
YおよびY1は同一または異なって結合手または2価の非環状炭化水素基;
Dはさらに置換基を有していてもよい環;
R3は置換されていてもよいアシル基または置換されていてもよい複素環基を示す。]で表される化合物またはその塩を含有してなる、小胞体ストレス抑制剤、
〔2〕小胞体ストレスに起因する疾患の予防または治療剤である、上記〔1〕記載の剤、
〔3〕小胞体ストレスに起因する疾患が、特発性肺線維症(Idiopathic Pulmonary Fibrosis)、ウォルフラム症候群(Wolfram Syndrome)、ぶどう膜炎および網膜色素変性症からなる群より選ばれる1種以上の疾患である、上記〔2〕記載の剤、
〔4〕[4−({(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]プロパ−2−エノイル}アミノ)ベンジル]ホスホン酸ジエチルまたはその塩を含有してなる、小胞体ストレス抑制剤、
などに関する。
Bは置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基;
Xは2価の非環状炭化水素基;
Zは-O-、-S-、-NR2-、-CONR2-または-NR2CO-(R2は水素原子または置換されていてもよいアルキル基を示す);
YおよびY1は同一または異なって結合手または2価の非環状炭化水素基;
Dはさらに置換基を有していてもよい環;
R3は置換されていてもよいアシル基または置換されていてもよい複素環基を示す。]で表される化合物またはその塩を含有してなる、小胞体ストレス抑制剤、
〔2〕小胞体ストレスに起因する疾患の予防または治療剤である、上記〔1〕記載の剤、
〔3〕小胞体ストレスに起因する疾患が、特発性肺線維症(Idiopathic Pulmonary Fibrosis)、ウォルフラム症候群(Wolfram Syndrome)、ぶどう膜炎および網膜色素変性症からなる群より選ばれる1種以上の疾患である、上記〔2〕記載の剤、
〔4〕[4−({(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]プロパ−2−エノイル}アミノ)ベンジル]ホスホン酸ジエチルまたはその塩を含有してなる、小胞体ストレス抑制剤、
などに関する。
化合物(I)またはその塩を含有してなる本発明の小胞体ストレス抑制剤は、優れた小胞体ストレス抑制作用を有し、かつ低毒性であり、小胞体ストレスに起因する疾患の予防または治療剤として、特に、特発性肺線維症(Idiopathic Pulmonary Fibrosis (IPF))、ウォルフラム症候群(Wolfram Syndrome)、ぶどう膜炎および網膜色素変性症などの予防または治療剤として有用である。
(発明の詳細な説明)
本発明の小胞ストレス抑制剤は、化合物(I)、すなわち、式:
本発明の小胞ストレス抑制剤は、化合物(I)、すなわち、式:
[式中、環Aはさらに置換基を有していてもよい、2個以上の窒素原子を含む5員芳香族複素環;
Bは置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基;
Xは2価の非環状炭化水素基;
Zは-O-、-S-、-NR2-、-CONR2-または-NR2CO-(R2は水素原子または置換されていてもよいアルキル基を示す);
YおよびY1は同一または異なって結合手または2価の非環状炭化水素基;
Dはさらに置換基を有していてもよい環;
R3は置換されていてもよいアシル基または置換されていてもよい複素環基を示す。]で表される化合物、またはその塩を有効成分として含有する。
Bは置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基;
Xは2価の非環状炭化水素基;
Zは-O-、-S-、-NR2-、-CONR2-または-NR2CO-(R2は水素原子または置換されていてもよいアルキル基を示す);
YおよびY1は同一または異なって結合手または2価の非環状炭化水素基;
Dはさらに置換基を有していてもよい環;
R3は置換されていてもよいアシル基または置換されていてもよい複素環基を示す。]で表される化合物、またはその塩を有効成分として含有する。
以下に、本発明で有効成分として使用する化合物(I)またはその塩について詳述する。
環Aで示される「さらに置換基を有していてもよい、2個以上の窒素原子を含む5員芳香族複素環」において、「2個以上の窒素原子を含む5員芳香族複素環」としては、例えば環構成原子として炭素原子以外に2個以上の窒素原子を含み、さらに酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし2個含有していてもよい5員の芳香族複素環が挙げられる。
「2個以上の窒素原子を含む5員芳香族複素環」の具体例としては、イミダゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール環などが挙げられる。なかでも、ピラゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾールおよびテトラゾール環が好ましく、特にピラゾール環が好ましい。
該「2個以上の窒素原子を含む5員芳香族複素環」は、置換可能な位置に1ないし2個の置換基をさらに有していてもよい。このような置換基としては、例えばハロゲン原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいチオール基または置換されていてもよいアミノ基などが挙げられる。
「2個以上の窒素原子を含む5員芳香族複素環」の具体例としては、イミダゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール環などが挙げられる。なかでも、ピラゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾールおよびテトラゾール環が好ましく、特にピラゾール環が好ましい。
該「2個以上の窒素原子を含む5員芳香族複素環」は、置換可能な位置に1ないし2個の置換基をさらに有していてもよい。このような置換基としては、例えばハロゲン原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいチオール基または置換されていてもよいアミノ基などが挙げられる。
上記「2個以上の窒素原子を含む5員芳香族複素環」が有していてもよい置換基として例示される「ハロゲン原子」としては、例えばフッ素、塩素、臭素およびヨウ素原子が挙げられる。なかでもフッ素および塩素原子が好ましい。
上記「2個以上の窒素原子を含む5員芳香族複素環」が有していてもよい置換基として例示される「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」としては、例えば脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香脂肪族炭化水素基、脂環式脂肪族炭化水素基などが挙げられる。
脂肪族炭化水素基としては、例えば直鎖状または分枝状のC1−15脂肪族炭化水素基、具体的にはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。
アルキル基の好適な例としては、C1−10アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどが挙げられる。
アルケニル基の好適な例としては、C2−10アルケニル基、例えばエテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−ヘプテニル、1−オクテニルなどが挙げられる。
アルキニル基の好適な例としては、C2−10アルキニル基、例えばエチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル、1−ヘプチニル、1−オクチニルなどが挙げられる。
アルキル基の好適な例としては、C1−10アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどが挙げられる。
アルケニル基の好適な例としては、C2−10アルケニル基、例えばエテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−ヘプテニル、1−オクテニルなどが挙げられる。
アルキニル基の好適な例としては、C2−10アルキニル基、例えばエチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル、1−ヘプチニル、1−オクチニルなどが挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、例えば飽和または不飽和のC3−12脂環式炭化水素基、具体的にはシクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルカジエニル基などが挙げられる。
シクロアルキル基の好適な例としては、C3−10シクロアルキル基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[3.2.2]ノニル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[4.2.1]ノニル、ビシクロ[4.3.1]デシルなどが挙げられる。
シクロアルケニル基の好適な例としては、C3−10シクロアルケニル基、例えば2−シクロペンテン−1−イル、3−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イルなどが挙げられる。
シクロアルカジエニル基の好適な例としては、C4−10シクロアルカジエニル基、例えば2,4−シクロペンタジエン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエン−1−イル、2,5−シクロヘキサジエン−1−イルなどが挙げられる。
シクロアルキル基の好適な例としては、C3−10シクロアルキル基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[3.2.2]ノニル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[4.2.1]ノニル、ビシクロ[4.3.1]デシルなどが挙げられる。
シクロアルケニル基の好適な例としては、C3−10シクロアルケニル基、例えば2−シクロペンテン−1−イル、3−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イルなどが挙げられる。
シクロアルカジエニル基の好適な例としては、C4−10シクロアルカジエニル基、例えば2,4−シクロペンタジエン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエン−1−イル、2,5−シクロヘキサジエン−1−イルなどが挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、例えばC6−14アリール基などが挙げられる。該アリール基の好適な例としては、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アセナフチレニル、ビフェニリル、インデニルなどが挙げられる。なかでもフェニル、ナフチルなどが好ましい。該アリール基は、部分的に飽和されていてもよく、部分的に飽和されたアリール基としては、例えばジヒドロインデニルなどが挙げられる。
芳香脂肪族炭化水素基としては、例えばC7−13芳香脂肪族炭化水素基、具体的にはアラルキル基、アリールアルケニル基などが挙げられる。
アラルキル基の好適な例としては、C7−13アラルキル基、例えばベンジル、フェネチル、フェニルプロピル、ナフチルメチル、ベンズヒドリルなどが挙げられる。
アリールアルケニル基の好適な例としては、C8−13アリールアルケニル基、例えばスチリルなどが挙げられる。
アラルキル基の好適な例としては、C7−13アラルキル基、例えばベンジル、フェネチル、フェニルプロピル、ナフチルメチル、ベンズヒドリルなどが挙げられる。
アリールアルケニル基の好適な例としては、C8−13アリールアルケニル基、例えばスチリルなどが挙げられる。
脂環式脂肪族炭化水素基としては、例えばC4−13脂環式脂肪族炭化水素基、具体的にはシクロアルキルアルキル基、シクロアルキルアルケニル基などが挙げられる。
シクロアルキルアルキル基の好適な例としては、C4−13シクロアルキルアルキル基、例えばシクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロペンチルメチル、シクロペンチルエチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチルなどが挙げられる。
シクロアルキルアルケニル基の好適な例としては、C5−13シクロアルキルアルケニル基、例えばシクロプロピルエテニル、シクロペンチルエテニル、シクロヘキシルエテニルなどが挙げられる。
シクロアルキルアルキル基の好適な例としては、C4−13シクロアルキルアルキル基、例えばシクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロペンチルメチル、シクロペンチルエチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチルなどが挙げられる。
シクロアルキルアルケニル基の好適な例としては、C5−13シクロアルキルアルケニル基、例えばシクロプロピルエテニル、シクロペンチルエテニル、シクロヘキシルエテニルなどが挙げられる。
上記「置換されていてもよい炭化水素基」における置換基は、上記「炭化水素基」の置換可能な位置に、1ないし3個存在していてもよい。このような置換基としては、例えばハロゲン原子、ニトロ、オキソ、C1−3アルキレンジオキシ、置換されていてもよい芳香族複素環基、置換されていてもよい非芳香族複素環基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいチオール基、置換されていてもよいアシル基などが挙げられる。
ここで、上記「置換されていてもよい炭化水素基」における置換基として例示されるハロゲン原子としては、例えばフッ素、塩素、臭素およびヨウ素原子が挙げられる。なかでもフッ素および塩素原子が好ましい。
上記「置換されていてもよい炭化水素基」における置換基として例示されるC1−3アルキレンジオキシとしては、例えばメチレンジオキシ、エチレンジオキシなどが挙げられる。
上記「置換されていてもよい炭化水素基」における置換基として例示されるC1−3アルキレンジオキシとしては、例えばメチレンジオキシ、エチレンジオキシなどが挙げられる。
上記「置換されていてもよい炭化水素基」における置換基として例示される「置換されていてもよい芳香族複素環基」における「芳香族複素環基」としては、例えば環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する5ないし7員の単環式芳香族複素環基または縮合芳香族複素環基が挙げられる。該縮合芳香族複素環基としては、例えばこれら5ないし7員の単環式芳香族複素環基と、1ないし2個の窒素原子を含む6員環、ベンゼン環、または1個の硫黄原子を含む5員環とが縮合した基等が挙げられる。
上記「芳香族複素環基」の好適な例としては、フリル(例、2−フリル、3−フリル)、チエニル(例、2−チエニル、3−チエニル)、ピリジル(例、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)、ピリミジニル(例、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、6−ピリミジニル)、ピリダジニル(例、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル)、ピラジニル(例、2−ピラジニル)、ピロリル(例、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル)、イミダゾリル(例、1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル)、ピラゾリル(例、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル)、オキサゾリル(例、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル)、イソオキサゾリル、チアゾリル(例、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル)、イソチアゾリル、オキサジアゾリル(例、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)、チアジアゾリル(例、1,3,4−チアジアゾール−2−イル)、トリアゾリル(例、1,2,4−トリアゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,4−トリアゾール−5−イル、1,2,3−トリアゾール−1−イル、1,2,3−トリアゾール−2−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル)、テトラゾリル(例、テトラゾール−1−イル、テトラゾール−5−イル)、キノリル(例、2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル)、キナゾリル(例、2−キナゾリル、4−キナゾリル)、キノキサリル(例、2−キノキサリル)、ベンゾフリル(例、2−ベンゾフリル、3−ベンゾフリル)、ベンゾチエニル(例、2−ベンゾチエニル、3−ベンゾチエニル)、ベンゾオキサゾリル(例、2−ベンゾオキサゾリル)、ベンゾチアゾリル(例、2−ベンゾチアゾリル)、ベンゾイミダゾリル(例、ベンゾイミダゾール−1−イル、ベンゾイミダゾール−2−イル)、インドリル(例、インドール−1−イル、インドール−3−イル)、1H−インダゾリル(例、1H−インダゾール−3−イル)、1H−ピロロ[2,3-b]ピラジニル(例、1H−ピロロ[2,3-b]ピラジン−2−イル)、1H−ピロロピリジニル(例、1H−ピロロ[2,3-b]ピリジン−6−イル)、1H−イミダゾピリジニル(例、1H−イミダゾ[4,5-b]ピリジン−2−イル、1H−イミダゾ[4,5-c]ピリジン−2−イル)、1H−イミダゾピラジニル(例、1H−イミダゾ[4,5-b]ピラジン−2−イル)、トリアジニル、イソキノリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリルなどが挙げられる。
上記「置換されていてもよい炭化水素基」における置換基として例示される「置換されていてもよい非芳香族複素環基」における「非芳香族複素環基」としては、例えば環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する5ないし7員の単環式非芳香族複素環基または縮合非芳香族複素環基が挙げられる。該縮合非芳香族複素環基としては、例えばこれら5ないし7員の単環式非芳香族複素環基と、1ないし2個の窒素原子を含む6員環、ベンゼン環、または1個の硫黄原子を含む5員環とが縮合した基等が挙げられる。
上記「非芳香族複素環基」の好適な例としては、ピロリジニル(例、1−ピロリジニル)、ピペリジニル(例、1−ピペリジニル)、モルホリニル(例、4−モルホリニル)、チオモルホリニル(例、4−チオモルホリニル)、ピペラジニル(例、1−ピペラジニル)、ヘキサメチレンイミニル(例、ヘキサメチレンイミン−1−イル)、オキサゾリジニル(例、オキサゾリジン−3−イル)、チアゾリジニル(例、チアゾリジン−3−イル)、イミダゾリジニル(例、イミダゾリジン−3−イル)、イミダゾリニル(例、イミダゾリン−1−イル、イミダゾリン−2−イル)、オキサゾリニル(例、オキサゾリン−2−イル)、チアゾリニル(例、チアゾリン−2−イル)、オキサジニル(例、オキサジン−2−イル)、テトラヒドロフラニル、アゼパニル、テトラヒドロピリジニル(例、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル)、ジヒドロベンゾフラニル、ジオキソラニル、ジチオラニル、ジオキソチアゾリジニル、ジオキソオキサゾリジニルなどが挙げられる。
上記「置換されていてもよい芳香族複素環基」および「置換されていてもよい非芳香族複素環基」における「置換基」は、それぞれ「芳香族複素環基」および「非芳香族複素環基」の置換可能な位置に1ないし3個存在していてもよい。
このような置換基としては、例えばニトロ、ヒドロキシ、アミノ、オキソ、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)、1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)で置換されていてもよいC1-6アルキル(例、メチル、エチル)、1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)で置換されていてもよいC1-6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、C6-14アリール(例、フェニル)等が挙げられる。
このような置換基としては、例えばニトロ、ヒドロキシ、アミノ、オキソ、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)、1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)で置換されていてもよいC1-6アルキル(例、メチル、エチル)、1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)で置換されていてもよいC1-6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、C6-14アリール(例、フェニル)等が挙げられる。
上記「置換されていてもよい炭化水素基」における置換基として例示される「置換されていてもよいアミノ基」としては、例えばそれぞれ置換基を有していてもよいC1−10アルキル基、C2−10アルケニル基、C3−10シクロアルキル基、C3−10シクロアルケニル基、C6−14アリール基、C7−13アラルキル基、C1−13アシル基またはヘテロアリール基でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基が挙げられる。
ここで、C1−10アルキル基、C2−10アルケニル基、C3−10シクロアルキル基、C3−10シクロアルケニル基、C6−14アリール基およびC7−13アラルキル基としては、環Aにおける置換基として例示される「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」として例示されるものが挙げられる。
前記C1−13アシル基としては、後述の「置換されていてもよいアシル基」におけるアシル基として例示するものが挙げられる。該アシル基は、好ましくはホルミル、C1−10アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6−14アリール−カルボニル、C7−13アラルキル−カルボニル、5ないし6員芳香族複素環−カルボニル、5ないし6員非芳香族複素環−カルボニル等である。
ここで、C1−10アルキル−カルボニルの好適な例としては、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイルなどが挙げられる。
C1-6アルコキシ−カルボニルの好適な例としては、例えば、tert−ブトキシカルボニルなどが挙げられる。
C6−14アリール−カルボニルの好適な例としては、ベンゾイルなどが挙げられる。
C7−13アラルキル−カルボニルの好適な例としては、ベンジルカルボニル、フェネチルカルボニルなどが挙げられる。
5ないし6員芳香族複素環−カルボニルの好適な例としては、フリルカルボニル、ピロリルカルボニル、チエニルカルボニル、ピリジルカルボニルなどが挙げられる。
5ないし6員非芳香族複素環−カルボニルの好適な例としては、テトラヒドロフリルカルボニルなどが挙げられる。
C1-6アルコキシ−カルボニルの好適な例としては、例えば、tert−ブトキシカルボニルなどが挙げられる。
C6−14アリール−カルボニルの好適な例としては、ベンゾイルなどが挙げられる。
C7−13アラルキル−カルボニルの好適な例としては、ベンジルカルボニル、フェネチルカルボニルなどが挙げられる。
5ないし6員芳香族複素環−カルボニルの好適な例としては、フリルカルボニル、ピロリルカルボニル、チエニルカルボニル、ピリジルカルボニルなどが挙げられる。
5ないし6員非芳香族複素環−カルボニルの好適な例としては、テトラヒドロフリルカルボニルなどが挙げられる。
前記ヘテロアリール基としては、例えば環Aにおける置換基として例示される「置換されていてもよい炭化水素基」における置換基として例示される芳香族複素環基が挙げられる。なかでも、ピリジル、イミダゾリル、トリアゾリル、ピリミジニルなどが好ましい。
これらC1−10アルキル基、C2−10アルケニル基、C3−10シクロアルキル基、C3−10シクロアルケニル基、C6−14アリール基、C7−13アラルキル基、C1−13アシル基およびヘテロアリール基は、それぞれ置換可能な位置に1〜6個、好ましくは1〜2個の置換基を有していてもよく、かかる置換基としては、例えばハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)、1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)で置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、トリフルオロメチル)、1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)で置換されていてもよいC1-6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、C1-6アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル)等が挙げられる。
なお、置換されたアミノ基としては、例えばモノ−またはジ−C1-10アルキルアミノ(例、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、エチルメチルアミノ、プロピルアミノ、ジブチルアミノ)、モノ−またはジ−C2-10アルケニルアミノ(例、ジアリルアミノ)、モノ−またはジ−C3-10シクロアルキルアミノ(例、シクロヘキシルアミノ)、モノ−またはジ−(C1−10アルキル−カルボニル)アミノ(例、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ)、モノ−またはジ−C6-14アリールアミノ(例、フェニルアミノ)、N−C1-10アルキル−N−C6-14アリールアミノ(例、N−メチル−N−フェニルアミノ)、N−C1-10アルキル−N−C7-13アラルキルアミノ(例、N−メチル−N−ベンジルアミノ)、モノ−またはジ−C1-6アルコキシ−カルボキサミド(例、tert−ブトキシカルボキサミド)、モノ−またはジ−C6-14アリール−カルボキサミド(例、フェニルカルボキサミド)、モノ−またはジ−C7−13アラルキル−カルボキサミド(例、ベンジルカルボキサミド、フェネチルカルボキサミド)、モノ−またはジ−5ないし6員芳香族複素環−カルボキサミド(例、フリルカルボキサミド、ピロリルカルボキサミド、チエニルカルボキサミド、ピリジルカルボキサミド)、モノ−またはジ−5ないし6員非芳香族複素環−カルボキサミド(例、テトラヒドロフリルカルボキサミド)などが挙げられる。
上記「置換されていてもよい炭化水素基」における置換基として例示される「置換されていてもよいヒドロキシ基」としては、例えばそれぞれ置換されていてもよいC1−10アルキル基、C2−10アルケニル基、C3−10シクロアルキル基、C3−10シクロアルケニル基、C6−14アリール基、C7−13アラルキル基、C1−13アシル基またはヘテロアリール基などで置換されていてもよいヒドロキシ基が挙げられる。
ここで、C1−10アルキル基、C2−10アルケニル基、C3−10シクロアルキル基、C3−10シクロアルケニル基、C6−14アリール基およびC7−13アラルキル基としては、環Aにおける置換基として例示される「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」として例示されるものが挙げられる。
C1−13アシル基としては、前記「置換されていてもよいアミノ基」における置換基として例示されるものが挙げられる。
ヘテロアリール基としては、例えば環Aにおける置換基として例示される「置換されていてもよい炭化水素基」における置換基として例示される「芳香族複素環基」が挙げられる。なかでも、ピリジル、イミダゾリル、トリアゾリル、ピリミジニルなどが好ましい。
ここで、C1−10アルキル基、C2−10アルケニル基、C3−10シクロアルキル基、C3−10シクロアルケニル基、C6−14アリール基およびC7−13アラルキル基としては、環Aにおける置換基として例示される「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」として例示されるものが挙げられる。
C1−13アシル基としては、前記「置換されていてもよいアミノ基」における置換基として例示されるものが挙げられる。
ヘテロアリール基としては、例えば環Aにおける置換基として例示される「置換されていてもよい炭化水素基」における置換基として例示される「芳香族複素環基」が挙げられる。なかでも、ピリジル、イミダゾリル、トリアゾリル、ピリミジニルなどが好ましい。
これらC1−10アルキル基、C2−10アルケニル基、C3−10シクロアルキル基、C3−10シクロアルケニル基、C6−14アリール基、C7−13アラルキル基、C1−13アシル基およびヘテロアリール基は、それぞれ置換可能な位置に1〜2個の置換基を有していてもよく、かかる置換基としては、例えばハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)、1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)で置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、トリフルオロメチル)、1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)で置換されていてもよいC1-6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、C1-6アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル)等が挙げられる。
なお、置換されたヒドロキシ基としては、例えばそれぞれ置換されていてもよいアルコキシ基、アルケニルオキシ基、シクロアルキルオキシ基、シクロアルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基、ヘテロアリールオキシ基等が挙げられる。
アルコキシ基の好適な例としては、C1−10アルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、ノニルオキシなどが挙げられる。
アルケニルオキシ基の好適な例としては、C2−10アルケニルオキシ基、例えばアリル(allyl)オキシ、クロチルオキシ、2−ペンテニルオキシ、3−ヘキセニルオキシなどが挙げられる。
シクロアルキルオキシ基の好適な例としては、C3−10シクロアルキルオキシ基、例えばシクロブトキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシなどが挙げられる。
シクロアルケニルオキシ基の好適な例としては、C3−10シクロアルケニルオキシ基、例えば2−シクロペンテニルオキシ、2−シクロヘキセニルオキシなどが挙げられる。
アリールオキシ基の好適な例としては、C6−14アリールオキシ基、例えばフェノキシ、ナフチルオキシ等が挙げられる。
アラルキルオキシ基の好適な例としては、C7−13アラルキルオキシ基、例えばベンジルオキシ、フェネチルオキシ、ナフチルメチルオキシ等が挙げられる。
アシルオキシ基の好適な例としては、C2−13アシルオキシ基、例えばC1−6アルキル−カルボニルオキシ基(例、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ)等が挙げられる。
ヘテロアリールオキシ基の好適な例としては、5ないし7員の単環式ヘテロアリールオキシ基、例えば2−ピリジルオキシ、3−ピリジルオキシ、2−イミダゾリルオキシ、2−ピリミジニルオキシ、1,2,4−トリアゾール−5−イルオキシ等が挙げられる。
アルケニルオキシ基の好適な例としては、C2−10アルケニルオキシ基、例えばアリル(allyl)オキシ、クロチルオキシ、2−ペンテニルオキシ、3−ヘキセニルオキシなどが挙げられる。
シクロアルキルオキシ基の好適な例としては、C3−10シクロアルキルオキシ基、例えばシクロブトキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシなどが挙げられる。
シクロアルケニルオキシ基の好適な例としては、C3−10シクロアルケニルオキシ基、例えば2−シクロペンテニルオキシ、2−シクロヘキセニルオキシなどが挙げられる。
アリールオキシ基の好適な例としては、C6−14アリールオキシ基、例えばフェノキシ、ナフチルオキシ等が挙げられる。
アラルキルオキシ基の好適な例としては、C7−13アラルキルオキシ基、例えばベンジルオキシ、フェネチルオキシ、ナフチルメチルオキシ等が挙げられる。
アシルオキシ基の好適な例としては、C2−13アシルオキシ基、例えばC1−6アルキル−カルボニルオキシ基(例、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ)等が挙げられる。
ヘテロアリールオキシ基の好適な例としては、5ないし7員の単環式ヘテロアリールオキシ基、例えば2−ピリジルオキシ、3−ピリジルオキシ、2−イミダゾリルオキシ、2−ピリミジニルオキシ、1,2,4−トリアゾール−5−イルオキシ等が挙げられる。
上記したアルコキシ基、アルケニルオキシ基、シクロアルキルオキシ基、シクロアルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基およびヘテロアリールオキシ基は、それぞれ置換可能な位置に1〜3個、好ましくは1ないし2個の置換基を有していてもよく、かかる置換基としては、例えばハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)、1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)で置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、トリフルオロメチル)、1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)で置換されていてもよいC1-6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、C1-6アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル)等が挙げられる。
上記「置換されていてもよい炭化水素基」における置換基として例示される「置換されていてもよいチオール基」としては、例えばそれぞれ置換されていてもよいC1−10アルキル基、C2−10アルケニル基、C3−10シクロアルキル基、C3−10シクロアルケニル基、C6−14アリール基、C7−13アラルキル基、C1−13アシル基またはヘテロアリール基などで置換されていてもよいチオール基が挙げられる。
ここで、C1−10アルキル基、C2−10アルケニル基、C3−10シクロアルキル基、C3−10シクロアルケニル基、C6−14アリール基、C7−13アラルキル基、C1−13アシル基およびヘテロアリール基としては、前記「置換されていてもよいヒドロキシ基」において例示されるものがそれぞれ挙げられる。これらは、それぞれ置換可能な位置に1〜2個の置換基を有していてもよく、かかる置換基としては、例えばハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)、1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)で置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、トリフルオロメチル)、1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)で置換されていてもよいC1-6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、C1-6アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル)、オキソ等が挙げられる。
なお、置換されたチオール基としては、例えばそれぞれ置換されていてもよいアルキルチオ基、アルケニルチオ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルケニルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、アシルチオ基、ヘテロアリールチオ基などが挙げられる。
アルキルチオ基の好適な例としては、C1−10アルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、ペンチルチオ、イソペンチルチオ、ネオペンチルチオ、ヘキシルチオ、ヘプチルチオ、ノニルチオ等が挙げられる。
アルケニルチオ基の好適な例としては、C2−10アルケニルチオ基、例えばアリル(allyl)チオ、クロチルチオ、2−ペンテニルチオ、3−ヘキセニルチオなどが挙げられる。
シクロアルキルチオ基の好適な例としては、C3−10シクロアルキルチオ基、例えばシクロブチルチオ、シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオ等が挙げられる。
シクロアルケニルチオ基の好適な例としては、C3−10シクロアルケニルチオ基、例えば2−シクロペンテニルチオ、2−シクロヘキセニルチオなどが挙げられる。
アリールチオ基の好適な例としては、C6−14アリールチオ基、例えばフェニルチオ、ナフチルチオ等が挙げられる。
アラルキルチオ基の好適な例としては、C7−13アラルキルチオ基、例えばベンジルチオ、フェネチルチオ、ナフチルメチルチオ等が挙げられる。
アシルチオ基の好適な例としては、C2−13アシルチオ基、例えばC1−6アルキル−カルボニルチオ基(例、アセチルチオ、プロピオニルチオ、ブチリルチオ、イソブチリルチオ)等が挙げられる。
ヘテロアリールチオ基の好適な例としては、5ないし7員の単環式ヘテロアリールチオ基、例えば2−ピリジルチオ、3−ピリジルチオ、2−イミダゾリルチオ、2−ピリミジニルチオ、1,2,4−トリアゾール−5−イルチオ等が挙げられる。
アルキルチオ基の好適な例としては、C1−10アルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、ペンチルチオ、イソペンチルチオ、ネオペンチルチオ、ヘキシルチオ、ヘプチルチオ、ノニルチオ等が挙げられる。
アルケニルチオ基の好適な例としては、C2−10アルケニルチオ基、例えばアリル(allyl)チオ、クロチルチオ、2−ペンテニルチオ、3−ヘキセニルチオなどが挙げられる。
シクロアルキルチオ基の好適な例としては、C3−10シクロアルキルチオ基、例えばシクロブチルチオ、シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオ等が挙げられる。
シクロアルケニルチオ基の好適な例としては、C3−10シクロアルケニルチオ基、例えば2−シクロペンテニルチオ、2−シクロヘキセニルチオなどが挙げられる。
アリールチオ基の好適な例としては、C6−14アリールチオ基、例えばフェニルチオ、ナフチルチオ等が挙げられる。
アラルキルチオ基の好適な例としては、C7−13アラルキルチオ基、例えばベンジルチオ、フェネチルチオ、ナフチルメチルチオ等が挙げられる。
アシルチオ基の好適な例としては、C2−13アシルチオ基、例えばC1−6アルキル−カルボニルチオ基(例、アセチルチオ、プロピオニルチオ、ブチリルチオ、イソブチリルチオ)等が挙げられる。
ヘテロアリールチオ基の好適な例としては、5ないし7員の単環式ヘテロアリールチオ基、例えば2−ピリジルチオ、3−ピリジルチオ、2−イミダゾリルチオ、2−ピリミジニルチオ、1,2,4−トリアゾール−5−イルチオ等が挙げられる。
上記したアルキルチオ基、アルケニルチオ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルケニルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、アシルチオ基およびヘテロアリールチオ基は、置換可能な位置に1ないし2個の置換基を有していてもよく、このような置換基としては、例えばハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)、1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)で置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、トリフルオロメチル)、1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)で置換されていてもよいC1-6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、C1-6アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル)、オキソ等が挙げられる。
上記「置換されていてもよい炭化水素基」における置換基として例示される「置換されていてもよいアシル基」におけるアシル基としては、例えば式:−COR4,−CO−OR4,−SO2R4,−SOR4,−PO3R4R5[即ち、-P(=O)(OR4)(OR5)],−CO−NR4aR5a,−CS−NR4aR5a, -SO2-NR4aR5a[式中、R4およびR5は、同一または異なって、水素原子、炭化水素基または複素環基を示す。また、R4およびR5は、隣接するオキソ置換リン原子および2個の酸素原子とともに複素環を形成していてもよい。R4aおよびR5aは、同一または異なって、水素原子、炭化水素基または複素環基を示すか、R4aおよびR5aは、隣接する窒素原子とともに含窒素複素環を形成していてもよい]で表される基などが挙げられる。
ここで、R4、R5、R4aまたはR5aで示される「炭化水素基」としては、環Aにおける置換基として例示される「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」として例示されるものが挙げられる。
該炭化水素基は、好ましくは、C1−10アルキル基(好ましくはメチル、エチル、プロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル、1−エチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル);C2−10アルキニル基(好ましくは2−プロピニル);ベンゼン環と縮合していてもよいC3−10シクロアルキル基(好ましくはシクロプロピル、シクロヘキシル);C3−10シクロアルカン(好ましくはシクロペンタン)と縮合していてもよいC6−14アリール基(好ましくはフェニル、ジヒドロインデニル、ビフェニリル);C7−13アラルキル基(好ましくはベンジル、フェネチル、フェニルプロピル、ナフチルメチル、ベンズヒドリル)などである。
ここで、R4、R5、R4aまたはR5aで示される「炭化水素基」としては、環Aにおける置換基として例示される「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」として例示されるものが挙げられる。
該炭化水素基は、好ましくは、C1−10アルキル基(好ましくはメチル、エチル、プロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル、1−エチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル);C2−10アルキニル基(好ましくは2−プロピニル);ベンゼン環と縮合していてもよいC3−10シクロアルキル基(好ましくはシクロプロピル、シクロヘキシル);C3−10シクロアルカン(好ましくはシクロペンタン)と縮合していてもよいC6−14アリール基(好ましくはフェニル、ジヒドロインデニル、ビフェニリル);C7−13アラルキル基(好ましくはベンジル、フェネチル、フェニルプロピル、ナフチルメチル、ベンズヒドリル)などである。
また、R4、R5、R4aまたはR5aで示される「複素環基」としては、環Aにおける置換基として例示される「置換されていてもよい炭化水素基」における置換基として例示される芳香族複素環基および非芳香族複素環基が挙げられる。
該複素環基は、好ましくは、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、キノリル、イソキノリル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルなどである。
該複素環基は、好ましくは、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、キノリル、イソキノリル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルなどである。
さらに、R4およびR5が隣接するオキソ置換リン原子および2個の酸素原子とともに形成する複素環としては、例えば環構成原子として炭素原子以外にオキソ置換リン原子および2個の酸素原子を含み、さらに酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし2個含有していてもよい4ないし7員の複素環などが挙げられる。このような複素環の具体例としては、2−オキシド−1,3,2−ジオキサホスフィナン;2−オキシド−1,3,2−ジオキサホスフォラン、2−オキシド−4,7−ジヒドロ−1,3,2−ジオキサホスフェピンなどが挙げられる。
R4aおよびR5aが隣接する窒素原子とともに形成する「含窒素複素環」としては、例えば環構成原子として炭素原子以外に少なくとも1個の窒素原子を含み、さらに酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし2個含有していてもよい5ないし7員の含窒素複素環が挙げられる。該含窒素複素環の好適な例としては、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリンなどが挙げられる。
R4aおよびR5aが隣接する窒素原子とともに形成する「含窒素複素環」としては、例えば環構成原子として炭素原子以外に少なくとも1個の窒素原子を含み、さらに酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし2個含有していてもよい5ないし7員の含窒素複素環が挙げられる。該含窒素複素環の好適な例としては、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリンなどが挙げられる。
上記「置換されていてもよいアシル基」における「置換基」は、上記アシル基の置換可能な位置に1〜3個存在していてもよい。かかる置換基としては、例えば1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)で置換されていてもよいC1-6アルキル(例、メチル、エチル)、1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)で置換されていてもよいC1-6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ)、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)、ニトロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル(例、メチル、エチル)でモノ−またはジ−置換されていてもよいアミノ等が挙げられる。
「置換されていてもよいアシル基」の好適な例としては、ホルミル、カルボキシル、カルバモイル、チオカルバモイル、C1−10アルキル−カルボニル(例、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル)、C2−10アルケニル−カルボニル(例、クロトノイル)、C3−10シクロアルキル−カルボニル(例、シクロブタンカルボニル、シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニル、シクロヘプタンカルボニル)、C3−10シクロアルケニル−カルボニル(例、2−シクロヘキセンカルボニル)、C6−14アリール−カルボニル(例、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイル)、C7−13アラルキル−カルボニル(例、ベンジルカルボニル、フェネチルカルボニル)、芳香族複素環カルボニル(例、ニコチノイル、イソニコチノイル)、非芳香族複素環カルボニル(例、ピロリジニルカルボニル、ピペリジノカルボニル)、C1−6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル)、C6−14アリールオキシ−カルボニル(例、フェニルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル)、C7−13アラルキルオキシ−カルボニル(例、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル)、モノ−またはジ−(ハロゲン原子およびC1−6アルコキシ−カルボニルから選ばれる1ないし3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル)−カルバモイル(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、エチルメチルカルバモイル、プロピルカルバモイル、トリフルオロエチルカルバモイル)、モノ−またはジ−(1ないし3個のハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルキル)−チオカルバモイル(例、メチルチオカルバモイル、エチルチオカルバモイル)、C6−14アリール−カルバモイル(例、フェニルカルバモイル)、C3−10シクロアルキル−カルバモイル(例、シクロプロピルカルバモイル)、C7−13アラルキル−カルバモイル(例、ベンジルカルバモイル)、C1−6アルコキシ−カルバモイル(例、メトキシカルバモイル)、C1−10アルキルスルフィニル(例、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル)、C1−10アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル、エチルスルホニル)、C6−14アリールスルホニル(例、フェニルスルホニル)、環を形成していてもよい(モノ−もしくはジ−C1−10アルキル)ホスホノ(例、ジメチルホスホノ;ジエチルホスホノ;ジイソプロピルホスホノ;ジブチルホスホノ;2−オキシド−1,3,2−ジオキサホスフィナニル)、モノ−またはジ−(1ないし3個のハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルキル)−スルファモイル(例、メチルスルファモイル、エチルスルファモイル)などが挙げられる。
環Aにおける置換基として例示される「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」は、好ましくはC1−10アルキル基、C6−14アリール基、C3−10シクロアルキル基、C7−13アラルキル基、C8−13アリールアルケニル基、C4−13シクロアルキルアルキル基などである。該炭化水素基は、さらに好ましくはC1−10アルキル基、C6−14アリール基などである。
該「置換されていてもよい炭化水素基」における置換基は、好ましくは1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)で置換されていてもよいC1-6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、C1−3アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ)等である。置換基の数は、例えば1ないし3個である。
該「置換されていてもよい炭化水素基」における置換基は、好ましくは1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)で置換されていてもよいC1-6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、C1−3アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ)等である。置換基の数は、例えば1ないし3個である。
また、環Aにおける置換基として例示される「置換されていてもよい複素環基」における「複素環基」としては、上記「置換されていてもよいアシル基」におけるアシル基について、R4で示される「複素環基」として例示されるものが挙げられる。
該複素環基は、好ましくはベンゼン環と縮合していてもよいアゾリル基(例えば、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル)などである。
該複素環基は、好ましくはベンゼン環と縮合していてもよいアゾリル基(例えば、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル)などである。
上記「置換されていてもよい複素環基」における「置換基」は、上記複素環基の置換可能な位置に1ないし3個存在していてもよい。かかる置換基としては、例えば置換されていてもよい脂肪族炭化水素基、置換されていてもよい脂環式炭化水素基、置換されていてもよい芳香族炭化水素基、置換されていてもよい芳香族複素環基、置換されていてもよい非芳香族複素環基、ハロゲン原子、ニトロ、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいチオール基、置換されていてもよいアシル基、C1−3アルキレンジオキシ、オキソなどが挙げられる。
ここで、「置換されていてもよい脂肪族炭化水素基」、「置換されていてもよい脂環式炭化水素基」および「置換されていてもよい芳香族炭化水素基」における「脂肪族炭化水素基」、「脂環式炭化水素基」および「芳香族炭化水素基」としては、それぞれ環Aにおける置換基として例示される「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」として例示されるものが挙げられる。
上記「置換されていてもよい脂肪族炭化水素基」、「置換されていてもよい脂環式炭化水素基」および「置換されていてもよい芳香族炭化水素基」の「置換基」としては、それぞれ環Aにおける置換基として例示される「置換されていてもよい炭化水素基」における「置換基」として例示されるものが挙げられる。置換基の置換位置および置換数は特に限定されない。なお、置換数は好ましくは1〜3である。
また、「置換されていてもよい芳香族複素環基」および「置換されていてもよい非芳香族複素環基」としては、それぞれ環Aにおける置換基として例示される「置換されていてもよい炭化水素基」における置換基として例示されるものが挙げられる。
さらに、「ハロゲン原子」、「置換されていてもよいアミノ基」、「置換されていてもよいヒドロキシ基」、「置換されていてもよいチオール基」、「置換されていてもよいアシル基」および「C1−3アルキレンジオキシ」としては、それぞれ環Aにおける置換基として例示される「置換されていてもよい炭化水素基」における置換基として例示されるものが挙げられる。
上記「置換されていてもよい脂肪族炭化水素基」、「置換されていてもよい脂環式炭化水素基」および「置換されていてもよい芳香族炭化水素基」の「置換基」としては、それぞれ環Aにおける置換基として例示される「置換されていてもよい炭化水素基」における「置換基」として例示されるものが挙げられる。置換基の置換位置および置換数は特に限定されない。なお、置換数は好ましくは1〜3である。
また、「置換されていてもよい芳香族複素環基」および「置換されていてもよい非芳香族複素環基」としては、それぞれ環Aにおける置換基として例示される「置換されていてもよい炭化水素基」における置換基として例示されるものが挙げられる。
さらに、「ハロゲン原子」、「置換されていてもよいアミノ基」、「置換されていてもよいヒドロキシ基」、「置換されていてもよいチオール基」、「置換されていてもよいアシル基」および「C1−3アルキレンジオキシ」としては、それぞれ環Aにおける置換基として例示される「置換されていてもよい炭化水素基」における置換基として例示されるものが挙げられる。
環Aにおける置換基として例示される「置換されていてもよいヒドロキシ基」、「置換されていてもよいチオール基」および「置換されていてもよいアミノ基」としては、それぞれ環Aにおける置換基として例示される「置換されていてもよい炭化水素基」における置換基として例示されるものが挙げられる。
環Aにおける置換基は、好ましくは置換されていてもよい炭化水素基であり、さらに好ましくはC1−10アルキル基、C6−14アリール基、C7−13アラルキル基などである。環Aにおける置換基は、特に好ましくはC1−6アルキル基(好ましくはメチルなど)である。
環Aは、好ましくはC1−10アルキル基、C6−14アリール基およびC7−13アラルキル基から選ばれる1ないし2個の置換基(好ましくはメチルなどのC1−6アルキル基)をそれぞれ有していてもよいイミダゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾールまたはテトラゾール環(好ましくはピラゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾールおよびテトラゾール環、より好ましくはピラゾール環)である。
環Aは、好ましくはC1−10アルキル基、C6−14アリール基およびC7−13アラルキル基から選ばれる1ないし2個の置換基(好ましくはメチルなどのC1−6アルキル基)をそれぞれ有していてもよいイミダゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾールまたはテトラゾール環(好ましくはピラゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾールおよびテトラゾール環、より好ましくはピラゾール環)である。
Bで示される「置換されていてもよい炭化水素基」および「置換されていてもよい複素環基」としては、それぞれ環Aにおける置換基として例示されるものが用いられる。
ここで、「置換されていてもよい炭化水素基」における炭化水素基は、好ましくは脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基である。また、「置換されていてもよい複素環基」における複素環基は、好ましくは芳香族複素環基である。
Bは、好ましくは、置換されていてもよい芳香族炭化水素基または置換されていてもよい芳香族複素環基である。
Bは、さらに好ましくは、置換されていてもよいC6−14アリール基、置換されていてもよい5ないし7員の単環式芳香族複素環基などである。
ここで、「置換されていてもよい炭化水素基」における炭化水素基は、好ましくは脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基である。また、「置換されていてもよい複素環基」における複素環基は、好ましくは芳香族複素環基である。
Bは、好ましくは、置換されていてもよい芳香族炭化水素基または置換されていてもよい芳香族複素環基である。
Bは、さらに好ましくは、置換されていてもよいC6−14アリール基、置換されていてもよい5ないし7員の単環式芳香族複素環基などである。
Bの好適な具体例としては、1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)で置換されていてもよいC1-6アルキル(例、メチル、エチル)、1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)で置換されていてもよいC1-6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ)、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)、ニトロ、ホルミルおよびC1-3アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ)から選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよいC6−14アリール基(好ましくはフェニル、ナフチル)または5ないし7員の単環式芳香族複素環基(好ましくはフリル、チエニル、ピリジル、ピリミジニル)が挙げられる。
なかでも、1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)で置換されていてもよいC1-6アルキル、1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)で置換されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン原子(好ましくはフッ素、塩素、臭素原子)から選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよいC6−14アリール基(好ましくはフェニル)、および5ないし7員の単環式芳香族複素環基(好ましくはフリル、チエニル、ピリジル、ピリミジニル)が好ましい。
Bは、特に好ましくはハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)を有していてもよいC6−14アリール基(好ましくはフェニル)である。
なかでも、1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)で置換されていてもよいC1-6アルキル、1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)で置換されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン原子(好ましくはフッ素、塩素、臭素原子)から選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよいC6−14アリール基(好ましくはフェニル)、および5ないし7員の単環式芳香族複素環基(好ましくはフリル、チエニル、ピリジル、ピリミジニル)が好ましい。
Bは、特に好ましくはハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)を有していてもよいC6−14アリール基(好ましくはフェニル)である。
Xで示される「2価の非環状炭化水素基」は、非環状の2価の炭化水素基であれば、直鎖状または分枝状のいずれでもよく、また飽和または不飽和のいずれであってもよい。
「2価の非環状炭化水素基」としては、例えば「2価の脂肪族炭化水素基」が挙げられ、なかでも以下に例示される2価のC1−8脂肪族炭化水素基が好ましい。
(1)C1-8アルキレン(例、−CH2−、−(CH2)2−、−(CH2)3−、−(CH2)4−、−(CH2)5−、−(CH2)6−、−(CH2)7−、−(CH2)8−、−CH(CH3)−、−C(CH3)2−、−(CH(CH3))2−、−(CH2)2C(CH3)2−、−(CH2)3C(CH3)2−など);
(2)C2-8アルケニレン(例、−CH=CH−、−CH2−CH=CH−、−C(CH3)2−CH=CH−、−CH2−CH=CH−CH2−、−CH2−CH2−CH=CH−、−CH=CH−CH=CH−、−CH=CH−CH2−CH2−CH2−など)など。
C2-8アルケニレンにはそのE体およびZ体のいずれもが包含される。
「2価の非環状炭化水素基」は、好ましくはC1-4アルキレン、C2-4アルケニレン、さらに好ましくは−CH2−、−(CH2)2−、−CH=CH−などである。Xは、特に好ましくは−CH=CH−などである。
「2価の非環状炭化水素基」としては、例えば「2価の脂肪族炭化水素基」が挙げられ、なかでも以下に例示される2価のC1−8脂肪族炭化水素基が好ましい。
(1)C1-8アルキレン(例、−CH2−、−(CH2)2−、−(CH2)3−、−(CH2)4−、−(CH2)5−、−(CH2)6−、−(CH2)7−、−(CH2)8−、−CH(CH3)−、−C(CH3)2−、−(CH(CH3))2−、−(CH2)2C(CH3)2−、−(CH2)3C(CH3)2−など);
(2)C2-8アルケニレン(例、−CH=CH−、−CH2−CH=CH−、−C(CH3)2−CH=CH−、−CH2−CH=CH−CH2−、−CH2−CH2−CH=CH−、−CH=CH−CH=CH−、−CH=CH−CH2−CH2−CH2−など)など。
C2-8アルケニレンにはそのE体およびZ体のいずれもが包含される。
「2価の非環状炭化水素基」は、好ましくはC1-4アルキレン、C2-4アルケニレン、さらに好ましくは−CH2−、−(CH2)2−、−CH=CH−などである。Xは、特に好ましくは−CH=CH−などである。
Zは-O-、-S-、-NR2-、-CONR2-または-NR2CO- (R2は水素原子または置換されていてもよいアルキル基を示す。)を示す。
R2で示される置換されていてもよいアルキル基において、アルキル基としては、例えばC1-6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル)が挙げられる。該アルキル基は、1ないし3個の置換基を有していてもよく、このような置換基としては、例えばハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)、1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)で置換されていてもよいC1-6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ)、ヒドロキシ、ニトロ、アミノなどが挙げられる。
R2は好ましくは水素原子またはC1-6アルキル基であり、さらに好ましくは水素原子である。
Zは好ましくは-CONR2- (R2は前記と同意義)であり、さらに好ましくは-CONH-である(ただし、本発明において、-CONR2-の炭素原子(C)がXと結合し、窒素原子(N)がYと結合する。)。
R2で示される置換されていてもよいアルキル基において、アルキル基としては、例えばC1-6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル)が挙げられる。該アルキル基は、1ないし3個の置換基を有していてもよく、このような置換基としては、例えばハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)、1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)で置換されていてもよいC1-6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ)、ヒドロキシ、ニトロ、アミノなどが挙げられる。
R2は好ましくは水素原子またはC1-6アルキル基であり、さらに好ましくは水素原子である。
Zは好ましくは-CONR2- (R2は前記と同意義)であり、さらに好ましくは-CONH-である(ただし、本発明において、-CONR2-の炭素原子(C)がXと結合し、窒素原子(N)がYと結合する。)。
YおよびY1は、同一または異なって、結合手または2価の非環状炭化水素基を示す。
YおよびY1で示される2価の非環状炭化水素基としては、前記Xとして例示したものが挙げられる。
Yは、好ましくは結合手またはC1-4アルキレン、さらに好ましくは結合手、−CH2−、−(CH2)2−、−(CH2)3−などである。Yは、特に好ましくは結合手である。
Y1は好ましくは、結合手またはC1-4アルキレン、さらに好ましくは結合手、−CH2−、−(CH2)2−、−(CH2)3−などである。
YおよびY1で示される2価の非環状炭化水素基としては、前記Xとして例示したものが挙げられる。
Yは、好ましくは結合手またはC1-4アルキレン、さらに好ましくは結合手、−CH2−、−(CH2)2−、−(CH2)3−などである。Yは、特に好ましくは結合手である。
Y1は好ましくは、結合手またはC1-4アルキレン、さらに好ましくは結合手、−CH2−、−(CH2)2−、−(CH2)3−などである。
Dで示される「さらに置換基を有していてもよい環」における環としては、例えば、芳香族炭化水素環、非芳香族炭化水素環、芳香族複素環、非芳香族複素環などが挙げられる。
ここで、「芳香族炭化水素環」としては、例えばC6−14アリール環などが挙げられる。該C6−14アリール環の好適な例としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、アセナフチレン、インデンなどが挙げられる。なかでもベンゼン、ナフタレンなどが好ましい。該C6−14アリール環は、部分的に飽和されていてもよく、部分的に飽和されたC6−14アリール環としては、例えばジヒドロインデンなどが挙げられる。
ここで、「非芳香族炭化水素環」としては、例えば飽和または不飽和のC3−12脂環式炭化水素、具体的にはシクロアルカン、シクロアルケンなどが挙げられる。
シクロアルカンの好適な例としては、C3−10シクロアルカン、例えばシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.1]オクタン、ビシクロ[3.2.2]ノナン、ビシクロ[3.3.1]ノナン、ビシクロ[4.2.1]ノナン、ビシクロ[4.3.1]デカンなどが挙げられる。
シクロアルケンの好適な例としては、C3−10シクロアルケン、例えばシクロペンテン、シクロヘキセンなどが挙げられる。
シクロアルカンの好適な例としては、C3−10シクロアルカン、例えばシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.1]オクタン、ビシクロ[3.2.2]ノナン、ビシクロ[3.3.1]ノナン、ビシクロ[4.2.1]ノナン、ビシクロ[4.3.1]デカンなどが挙げられる。
シクロアルケンの好適な例としては、C3−10シクロアルケン、例えばシクロペンテン、シクロヘキセンなどが挙げられる。
ここで、「芳香族複素環」としては、例えば環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する5ないし7員の単環式芳香族複素環または縮合芳香族複素環が挙げられる。該縮合芳香族複素環としては、例えばこれら5ないし7員の単環式芳香族複素環と、1ないし2個の窒素原子を含む6員環、ベンゼン環、または1個の硫黄原子を含む5員環とが縮合した環等が挙げられる。
「芳香族複素環」の好適な例としては、フラン、チオフェン、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ピロリン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、キノリン、キナゾリン、キノキサリン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイミダゾール、インドール、1H−インダゾール、1H−ピロロ[2,3-b]ピラジン、1H−ピロロピリジン、1H−イミダゾピリジン、1H−イミダゾピラジン、トリアジン、イソキノリン、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
「芳香族複素環」の好適な例としては、フラン、チオフェン、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ピロリン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、キノリン、キナゾリン、キノキサリン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイミダゾール、インドール、1H−インダゾール、1H−ピロロ[2,3-b]ピラジン、1H−ピロロピリジン、1H−イミダゾピリジン、1H−イミダゾピラジン、トリアジン、イソキノリン、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
ここで、「非芳香族複素環」としては、例えば環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する5ないし7員の単環式非芳香族複素環または縮合非芳香族複素環が挙げられる。該縮合非芳香族複素環としては、例えばこれら5ないし7員の単環式非芳香族複素環と、1ないし2個の窒素原子を含む6員環、ベンゼン環、または1個の硫黄原子を含む5員環とが縮合した環等が挙げられる。
「非芳香族複素環」の好適な例としては、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、ヘキサメチレンイミン、オキサゾリジン、チアゾリジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、オキサゾリン、チアゾリン、オキサジン、テトラヒドロフラン、アゼパン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロベンゾフラン、ジオキソラン、ジチオラン、ジオキソチアゾリジン、ジオキソオキサゾリジンなどが挙げられる。
「非芳香族複素環」の好適な例としては、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、ヘキサメチレンイミン、オキサゾリジン、チアゾリジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、オキサゾリン、チアゾリン、オキサジン、テトラヒドロフラン、アゼパン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロベンゾフラン、ジオキソラン、ジチオラン、ジオキソチアゾリジン、ジオキソオキサゾリジンなどが挙げられる。
Dで示される環は、好ましくは、部分的に飽和されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環(好ましくはベンゼン、ジヒドロインデン)、C3−10シクロアルカン(好ましくはシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン)、C3−10シクロアルケン(好ましくはシクロヘキセン)、ベンゼン環と縮合していてもよい5ないし6員芳香族複素環(好ましくはフラン、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、イソオキサゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、インドール、キノリン、イソキノリン、ベンゾチアジアゾール)、ベンゼン環と縮合していてもよい5ないし6員非芳香族複素環(好ましくはピロリジン、テトラヒドロフラン、チアゾリン、オキサゾリン、チアゾリジン、オキサゾリジン、ジオキソラン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、ジヒドロベンゾフラン、オキソジヒドロベンゾオキサゾール)などである。上記した環は、さらに好ましくはC6−14芳香族炭化水素環であり、なかでもベンゼンが好ましい。
Dで示される環は、置換可能な位置に1ないし3個の置換基を有していてもよく、かかる置換基としては、例えばハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)、1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)で置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、トリフルオロメチル)、1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)で置換されていてもよいC1-6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)などが挙げられる。
R3で示される「置換されていてもよいアシル基」としては、例えば環Aにおける置換基として例示される「置換されていてもよい炭化水素基」における置換基として例示されるものが挙げられ、R3で示される「置換されていてもよい複素環基」としては、例えば環Aにおける置換基として例示されるものが挙げられる。
R3で示される「置換されていてもよいアシル基」の好適な例としては、カルボキシル基;C1−6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル);環を形成していてもよい(モノ−もしくはジ−C1−10アルキル)ホスホノ基(例、ジメチルホスホノ;ジエチルホスホノ;ジイソプロピルホスホノ;ジブチルホスホノ;2−オキシド−1,3,2−ジオキサホスフィナニル);アミノで置換されていてもよいカルバモイル;ハロゲン原子、ヒドロキシおよびC1−6アルコキシ−カルボニルから選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいモノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、エチルメチルカルバモイル、プロピルカルバモイル、トリフルオロエチルカルバモイル、メトキシカルボニルエチルカルバモイル、2−ヒドロキシ−1−メトキシカルボニル−エチルカルバモイル、2−ヒドロキシ−1−メトキシカルボニル−プロピルカルバモイル);ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルおよびC1−6アルコキシから選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいモノ−またはジ−C6−14アリール−カルバモイル(例、フェニルカルバモイル、メトキシフェニルカルバモイル、トリフルオロメチルフェニルカルバモイル);C1−6アルキルでモノ−またはジ−置換されていてもよいアミノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、ヒドロキシおよびC1−6アルコキシ−カルボニルから選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいモノ−またはジ−C7−13アラルキル−カルバモイル(例、ベンジルカルバモイル、フェネチルカルバモイル、ジメチルアミノベンジルカルバモイル、メトキシカルボニルフェネチルカルバモイル、トリフルオロメチルベンジルカルバモイル);スルファモイル;ハロゲン化されていてもよいモノ−またはジ−C1−6アルキルスルファモイル(例、メチルスルファモイル、エチルスルファモイル);C1−6アルキルスルフィニル(例、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、tert−ブチルスルフィニル);C1−6アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル、エチルスルホニル、tert−ブチルスルホニル);C1−6アルキル−カルボニル(例、アセチル);C1−6アルキルで置換されていてもよい5ないし6員芳香族複素環スルフィニル(例、トリアゾリルスルフィニル、テトラゾリルスルフィニル);C6−14アリールスルホニル(例、フェニルスルホニル);C1−6アルキルで置換されていてもよい5ないし6員芳香族複素環スルホニル(例、トリアゾリルスルホニル、テトラゾリルスルホニル);などが挙げられる。
R3で示される「置換されていてもよいアシル基」としては、上記「置換されていてもよい炭化水素基」における置換基として例示される「置換されていてもよいアシル基」にとして例示される式:-SO2R4、−SOR4または-PO3R4R5で表される基がより好ましい。
R3で示される「置換されていてもよいアシル基」は、特に好ましくはC1−6アルキルスルホニル;および環を形成していてもよい(モノ−もしくはジ−C1−10アルキル)ホスホノ基(例、ジメチルホスホノ;ジエチルホスホノ;ジイソプロピルホスホノ;ジブチルホスホノ;2−オキシド−1,3,2−ジオキサホスフィナニル)である。
R3で示される「置換されていてもよいアシル基」は、特に好ましくはC1−6アルキルスルホニル;および環を形成していてもよい(モノ−もしくはジ−C1−10アルキル)ホスホノ基(例、ジメチルホスホノ;ジエチルホスホノ;ジイソプロピルホスホノ;ジブチルホスホノ;2−オキシド−1,3,2−ジオキサホスフィナニル)である。
R3で示される「置換されていてもよい複素環基」の好適な例としては、C1−6アルキル、ヒドロキシ−C1−6アルキル、カルボキシル、カルバモイルおよびC1−6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニル)から選ばれる1ないし3個の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、5ないし6員芳香族複素環基(例、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル);芳香族縮合複素環基(例、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾトリアゾリル、キノリル、インダゾリル);5ないし6員非芳香族複素環基(例、テトラヒドロフリル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペリジニル、ピロリジニル、ピペラジニル、ジオキソチアゾリジニル、ジオキソオキサゾリジニル、オキソジヒドロオキサジアゾリル、ジオキソイミダゾリジニル、ジオキソピペラジニル、ジオキシドチオモルホリニル);非芳香族縮合複素環基(例、オキソジヒドロベンゾオキサゾリル、テトラヒドロベンゾチアゾリル)が挙げられる。
これらのなかでも、C1−6アルキルでそれぞれ置換されていてもよい5ないし6員芳香族複素環基(例、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル)、芳香族縮合複素環基(例、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾトリアゾリル、キノリル、インダゾリル)、および5ないし6員非芳香族複素環基(例、テトラヒドロフラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペリジニル、ピロリジニル、ピペラジニル、ジオキソチアゾリジニル、ジオキソオキサゾリジニル、オキソジヒドロオキサジアゾリル、ジオキソイミダゾリジニル、ジオキソピペラジニル、ジオキシドチオモルホリニル)が好ましい。
これらのなかでも、C1−6アルキルでそれぞれ置換されていてもよい5ないし6員芳香族複素環基(例、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル)、芳香族縮合複素環基(例、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾトリアゾリル、キノリル、インダゾリル)、および5ないし6員非芳香族複素環基(例、テトラヒドロフラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペリジニル、ピロリジニル、ピペラジニル、ジオキソチアゾリジニル、ジオキソオキサゾリジニル、オキソジヒドロオキサジアゾリル、ジオキソイミダゾリジニル、ジオキソピペラジニル、ジオキシドチオモルホリニル)が好ましい。
化合物(I)としては、例えば、
[4−({(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]プロパ−2−エノイル}アミノ)ベンジル]ホスホン酸ジエチル(以下、化合物Aと表記することがある)、
(2E)−N−[4−(ジエチルホスホノメチル)フェニル]−3−[5−(2−フリル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−{4−[2−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)エチル]フェニル}アクリルアミド、
(2E)−3−{1−メチル−5−[4−(メチルチオ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル}−N−{4−[(メチルチオ)メチル]フェニル}アクリルアミド、
(2E)−N−[4−(ジメチルホスホノメチル)フェニル]−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]アクリルアミド、
(2E)−N−[4−(ジエチルホスホノメチル)フェニル]−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]アクリルアミド、
N−[4−(ジエチルホスホノメチル)フェニル]−3−[1−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−5−イル]プロピオンアミド、
(2E)−N−[4−(ジエチルホスホノメチル)フェニル]−3−[1−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−5−イル]アクリルアミド、
(2E)−N−[4−(ジメチルホスホノメチル)フェニル]−3−[1−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−5−イル]アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−(4−{[(4−プロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)メチル]チオ}フェニル)アクリルアミド、
(2E)−N−{4−[(2,6−ジオキソ−1−ピペリジニル)メチル]フェニル}−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−[4−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)フェニル]アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−[4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]アクリルアミド、
[4−({(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]プロパ−2−エノイル}アミノ)フェニル]酢酸エチル、
(2E)−N−{4−[(2,4−ジオキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル)メチル]フェニル}−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−{4−[(2−イソプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]フェニル}アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−[4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)フェニル]アクリルアミド、
(2E)−N−{4−[(5−エチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)メチル]フェニル}−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]アクリルアミド、
(2E)−N−[4−(ジメチルホスホノメチル)フェニル]−3−[5−(2−フリル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−{4−[(メチルチオ)メチル]フェニル}アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−[4−(メトキシメチル)フェニル]アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−[4−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イルメチル)フェニル]アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−{4−[(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]フェニル}アクリルアミド、
(2E)−N−{4−[(2−エチル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]フェニル}−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]アクリルアミド、
2−[4−({(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]プロパ−2−エノイル}アミノ)ベンジル]−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−{4−[(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)メチル]フェニル}アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−{4−[(1,3−チアゾール−2−イル)メチル]フェニル}アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−{4−[(5−プロピル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)メチル]フェニル}アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−{4−[(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)メチル]フェニル}アクリルアミド、
(2E)−N−{4−[2−(5−エチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)エチル]フェニル}−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−{4−[2−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)エチル]フェニル}アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−[4−(1−ピロリジニルメチル)フェニル]アクリルアミド、
(2E)−N−{4−[(ジエチルホスホノ)(ヒドロキシ)メチル]フェニル}−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)フェニル]アクリルアミド、
(2E)−N−{4−[2−(ジエチルアミノ)−2−オキソエチル]フェニル}−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]アクリルアミド、
(2E)−N−{4−[(エチルスルフィニル)メチル]フェニル}−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]アクリルアミド、
(2E)−N−{4−[(エチルスルホニル)メチル]フェニル}−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−{4−[(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)メトキシ]フェニル}アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−[4−(メチルスルフィニル)フェニル]アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−(4−{[(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)チオ]メチル}フェニル)アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−[4−(2−オキソプロピル)フェニル]アクリルアミド、
(2E)−N−{4−[(1−エチル−1H−テトラゾール−5−イル)メチル]フェニル}−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−{4−[(4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)メチル]フェニル}アクリルアミド、
(2E)−N−[4−(アミノメチル)フェニル]−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−{4−[(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)メチル]フェニル}アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−(4−{[(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)スルホニル]メチル}フェニル)アクリルアミド
が好ましい化合物として挙げられる。
[4−({(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]プロパ−2−エノイル}アミノ)ベンジル]ホスホン酸ジエチル(以下、化合物Aと表記することがある)、
(2E)−N−[4−(ジエチルホスホノメチル)フェニル]−3−[5−(2−フリル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−{4−[2−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)エチル]フェニル}アクリルアミド、
(2E)−3−{1−メチル−5−[4−(メチルチオ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル}−N−{4−[(メチルチオ)メチル]フェニル}アクリルアミド、
(2E)−N−[4−(ジメチルホスホノメチル)フェニル]−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]アクリルアミド、
(2E)−N−[4−(ジエチルホスホノメチル)フェニル]−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]アクリルアミド、
N−[4−(ジエチルホスホノメチル)フェニル]−3−[1−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−5−イル]プロピオンアミド、
(2E)−N−[4−(ジエチルホスホノメチル)フェニル]−3−[1−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−5−イル]アクリルアミド、
(2E)−N−[4−(ジメチルホスホノメチル)フェニル]−3−[1−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−5−イル]アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−(4−{[(4−プロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)メチル]チオ}フェニル)アクリルアミド、
(2E)−N−{4−[(2,6−ジオキソ−1−ピペリジニル)メチル]フェニル}−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−[4−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)フェニル]アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−[4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]アクリルアミド、
[4−({(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]プロパ−2−エノイル}アミノ)フェニル]酢酸エチル、
(2E)−N−{4−[(2,4−ジオキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル)メチル]フェニル}−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−{4−[(2−イソプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]フェニル}アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−[4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)フェニル]アクリルアミド、
(2E)−N−{4−[(5−エチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)メチル]フェニル}−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]アクリルアミド、
(2E)−N−[4−(ジメチルホスホノメチル)フェニル]−3−[5−(2−フリル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−{4−[(メチルチオ)メチル]フェニル}アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−[4−(メトキシメチル)フェニル]アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−[4−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イルメチル)フェニル]アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−{4−[(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]フェニル}アクリルアミド、
(2E)−N−{4−[(2−エチル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]フェニル}−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]アクリルアミド、
2−[4−({(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]プロパ−2−エノイル}アミノ)ベンジル]−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−{4−[(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)メチル]フェニル}アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−{4−[(1,3−チアゾール−2−イル)メチル]フェニル}アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−{4−[(5−プロピル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)メチル]フェニル}アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−{4−[(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)メチル]フェニル}アクリルアミド、
(2E)−N−{4−[2−(5−エチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)エチル]フェニル}−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−{4−[2−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)エチル]フェニル}アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−[4−(1−ピロリジニルメチル)フェニル]アクリルアミド、
(2E)−N−{4−[(ジエチルホスホノ)(ヒドロキシ)メチル]フェニル}−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)フェニル]アクリルアミド、
(2E)−N−{4−[2−(ジエチルアミノ)−2−オキソエチル]フェニル}−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]アクリルアミド、
(2E)−N−{4−[(エチルスルフィニル)メチル]フェニル}−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]アクリルアミド、
(2E)−N−{4−[(エチルスルホニル)メチル]フェニル}−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−{4−[(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)メトキシ]フェニル}アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−[4−(メチルスルフィニル)フェニル]アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−(4−{[(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)チオ]メチル}フェニル)アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−[4−(2−オキソプロピル)フェニル]アクリルアミド、
(2E)−N−{4−[(1−エチル−1H−テトラゾール−5−イル)メチル]フェニル}−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−{4−[(4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)メチル]フェニル}アクリルアミド、
(2E)−N−[4−(アミノメチル)フェニル]−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−{4−[(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)メチル]フェニル}アクリルアミド、
(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−N−(4−{[(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)スルホニル]メチル}フェニル)アクリルアミド
が好ましい化合物として挙げられる。
また、国際公開第2012/008549号公報に記載されている(2E)−3−[4−(4−フルオロフェニル)ピリジン−3−イル]−N−{4−[2−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)エチル]フェニル}プロパ−2−エンアミド、(4−{[(2E)−3−(4−フェニルピリジン−3−イル)プロパ−2−エノイル]アミノ}ベンジル)ホスホン酸ジメチル、(2E)−3−[4−(4−フルオロフェニル)ピリジン−3−イル]−N−[4−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)フェニル]プロパ−2−エンアミドも同様の作用を有する化合物として挙げられる。
とりわけ、[4−({(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]プロパ−2−エノイル}アミノ)ベンジル]ホスホン酸ジエチル(化合物A)が好ましい。
とりわけ、[4−({(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]プロパ−2−エノイル}アミノ)ベンジル]ホスホン酸ジエチル(化合物A)が好ましい。
化合物(I)の塩としては、薬理学的に許容される塩が好ましく、このような塩としては、例えば無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。
無機塩基との塩の好適な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;ならびにアルミニウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられる。
酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
上記した塩の中でもナトリウム塩、カリウム塩、塩酸塩などが好ましい。
有機塩基との塩の好適な例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられる。
酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
上記した塩の中でもナトリウム塩、カリウム塩、塩酸塩などが好ましい。
化合物(I)またはその塩(以下、「本発明化合物」と称することがある)は、たとえば、国際公開第2004/039365号公報に記載された方法により、製造することができる。
本発明においては、本発明化合物のプロドラッグを用いることもできる。
本発明化合物のプロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応により本発明化合物に変換される化合物、すなわち酵素的に酸化、還元、加水分解等を受けて本発明化合物に変化する化合物、胃酸等により加水分解等されて本発明化合物に変化する化合物をいう。
本発明化合物のプロドラッグとしては、本発明化合物のアミノ基がアシル化、アルキル化、りん酸化された化合物(例、本発明化合物のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、tert−ブチル化された化合物など);本発明化合物の水酸基がアシル化、アルキル化、りん酸化、ほう酸化された化合物(例、本発明化合物の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物など);本発明化合物のカルボキシル基がエステル化、アミド化された化合物(例、本発明化合物のカルボキシル基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物など);等が挙げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって本発明化合物から製造することができる。
また、本発明化合物のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような、生理的条件で本発明化合物に変化するものであってもよい。
本発明化合物のプロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応により本発明化合物に変換される化合物、すなわち酵素的に酸化、還元、加水分解等を受けて本発明化合物に変化する化合物、胃酸等により加水分解等されて本発明化合物に変化する化合物をいう。
本発明化合物のプロドラッグとしては、本発明化合物のアミノ基がアシル化、アルキル化、りん酸化された化合物(例、本発明化合物のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、tert−ブチル化された化合物など);本発明化合物の水酸基がアシル化、アルキル化、りん酸化、ほう酸化された化合物(例、本発明化合物の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物など);本発明化合物のカルボキシル基がエステル化、アミド化された化合物(例、本発明化合物のカルボキシル基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物など);等が挙げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって本発明化合物から製造することができる。
また、本発明化合物のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような、生理的条件で本発明化合物に変化するものであってもよい。
また、本発明化合物は、放射性同位元素(例、3H, 14C, 35S, 125Iなど)などで標識されていてもよい。
さらに、本発明化合物は、無水物であっても、水和物であってもよい。
さらに、本発明化合物は、無水物であっても、水和物であってもよい。
本発明化合物およびそのプロドラッグは、毒性が低く、そのまま、または薬理学的に許容し得る担体などと混合して医薬組成物(以下、「本発明の医薬組成物」とも称する)とすることができる。
本発明の医薬組成物は、哺乳動物(例、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、サル等)に対して、小胞体ストレス抑制剤として有用であり、小胞体ストレスに起因する疾患の予防または治療剤として用いることができる。
本発明の医薬組成物は、哺乳動物(例、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、サル等)に対して、小胞体ストレス抑制剤として有用であり、小胞体ストレスに起因する疾患の予防または治療剤として用いることができる。
小胞体ストレスに起因する疾患としては、(1)異常なタンパク質の蓄積によって小胞体ストレス反応が亢進し、細胞機能障害や細胞死が生じることにより発症する疾患、たとえば、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋委縮性側索硬化症等の神経変性疾患、心筋症等;(2)小胞体ストレスによる細胞内情報伝達系の変化による機能不全による疾患、たとえば2型糖尿病、モルヒネ耐性形成等;(3)分泌細胞において、小胞体ストレスにより生理的な分泌需要の亢進の結果、代償不全による細胞分化阻害等による疾患、たとえば、1型糖尿病等;(4)酸化ストレスとあいまってミクログリア細胞の活性化と組織障害による疾患、例えば緑内障、加齢黄斑変性、糖尿病性網膜症、虚血性眼疾患等が挙げられる。
特に、肺胞上皮の傷害に対し、その修復のためコラーゲン等が増加し、異常な修復反応が起こる結果、線維化が進行する特発性肺線維症(Idiopathic Pulmonary Fibrosis (IPF))や、WFS1遺伝子の変異を原因として、若年で発症する1型糖尿病が初発症状となり、次いで視神経障害をきたすウォルフラム症候群(Wolfram Syndrome)、ロドプシン遺伝子の変異による蛋白のミスフォールディングが引き起こす小胞体のストレス応答により、視細胞の細胞死が誘導されて発症する網膜色素変性症、エンドトキシンや自己免疫応答などによる炎症により視覚機能が障害されるぶどう膜炎などの予防または治療剤などとして、有効に用いることができる。
特に、肺胞上皮の傷害に対し、その修復のためコラーゲン等が増加し、異常な修復反応が起こる結果、線維化が進行する特発性肺線維症(Idiopathic Pulmonary Fibrosis (IPF))や、WFS1遺伝子の変異を原因として、若年で発症する1型糖尿病が初発症状となり、次いで視神経障害をきたすウォルフラム症候群(Wolfram Syndrome)、ロドプシン遺伝子の変異による蛋白のミスフォールディングが引き起こす小胞体のストレス応答により、視細胞の細胞死が誘導されて発症する網膜色素変性症、エンドトキシンや自己免疫応答などによる炎症により視覚機能が障害されるぶどう膜炎などの予防または治療剤などとして、有効に用いることができる。
本発明の医薬組成物に用い得る薬理学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、基剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、安定剤、懸濁化剤、分散剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤などが挙げられる。また必要に応じて、防腐剤、保存剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤などの製剤の調製に汎用される添加剤を用いることもできる。
賦形剤の好適な例としては、乳糖、白糖、D−マンニトール、D−ソルビトール、デンプン、α化デンプン、デキストリン、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アラビアゴム、プルラン、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどが挙げられる。
滑沢剤の好適な例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカ、ポリエチレングリコール6000などが挙げられる。
結合剤の好適な例としては、α化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、トレハロース、デキストリン、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
崩壊剤の好適な例としては、乳糖、白糖、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、軽質無水ケイ酸、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。
基剤の好適な例としては、白色ワセリン、サラシミツロウ、ステアリルアルコール、セタノール、コレステロールなどが挙げられる。
滑沢剤の好適な例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカ、ポリエチレングリコール6000などが挙げられる。
結合剤の好適な例としては、α化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、トレハロース、デキストリン、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
崩壊剤の好適な例としては、乳糖、白糖、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、軽質無水ケイ酸、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。
基剤の好適な例としては、白色ワセリン、サラシミツロウ、ステアリルアルコール、セタノール、コレステロールなどが挙げられる。
溶剤の好適な例としては、注射用水、生理的食塩水、リンゲル液等の水性溶剤;イソプロパノール、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の水混和性有機溶剤;ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油、綿実油等の油性溶剤などが挙げられる。
溶解補助剤の好適な例としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、トレハロース、安息香酸ベンジル、エタノール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
安定剤の好適な例としては、エデト酸ナトリウム、キシリトール、ヒト血清アルブミンなどが挙げられる。
懸濁化剤および分散剤の好適な例としては、ステアリン酸トリエタノールアミン塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、モノステアリン酸グリセリン、ポリソルベート類(ポリソルベート80等)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60等)などの界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子;などが挙げられる。
等張化剤の好適な例としては、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトール、D−ソルビトール、ブドウ糖などが挙げられる。
緩衝剤の好適な例としては、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。
無痛化剤の好適な例としては、ベンジルアルコールなどが挙げられる。
防腐剤および保存剤の好適な例としては、パラオキシ安息香酸エステル類(例、メチルパラベン、プロピルパラベン)、クロロブタノール、フェノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、塩化ベンゼトニウム、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。
抗酸化剤の好適な例としては、亜硫酸塩、アスコルビン酸塩などが挙げられる。
着色剤の好適な例としては、水溶性食用タール色素(例、食用赤色2号および3号、食用黄色4号および5号、食用青色1号および2号などの食用色素)、水不溶性レーキ色素(例、前記水溶性食用タール色素のアルミニウム塩など)、天然色素(例、β−カロテン、クロロフィル、ベンガラなど)などが挙げられる。
甘味剤の好適な例としては、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、アスパルテーム、ステビアなどが挙げられる。
溶解補助剤の好適な例としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、トレハロース、安息香酸ベンジル、エタノール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
安定剤の好適な例としては、エデト酸ナトリウム、キシリトール、ヒト血清アルブミンなどが挙げられる。
懸濁化剤および分散剤の好適な例としては、ステアリン酸トリエタノールアミン塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、モノステアリン酸グリセリン、ポリソルベート類(ポリソルベート80等)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60等)などの界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子;などが挙げられる。
等張化剤の好適な例としては、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトール、D−ソルビトール、ブドウ糖などが挙げられる。
緩衝剤の好適な例としては、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。
無痛化剤の好適な例としては、ベンジルアルコールなどが挙げられる。
防腐剤および保存剤の好適な例としては、パラオキシ安息香酸エステル類(例、メチルパラベン、プロピルパラベン)、クロロブタノール、フェノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、塩化ベンゼトニウム、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。
抗酸化剤の好適な例としては、亜硫酸塩、アスコルビン酸塩などが挙げられる。
着色剤の好適な例としては、水溶性食用タール色素(例、食用赤色2号および3号、食用黄色4号および5号、食用青色1号および2号などの食用色素)、水不溶性レーキ色素(例、前記水溶性食用タール色素のアルミニウム塩など)、天然色素(例、β−カロテン、クロロフィル、ベンガラなど)などが挙げられる。
甘味剤の好適な例としては、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、アスパルテーム、ステビアなどが挙げられる。
本発明の医薬組成物の剤形としては、例えば錠剤(舌下錠、口腔内崩壊錠を含む)、カプセル剤(ソフトカプセル、マイクロカプセルを含む)、顆粒剤、散剤、トローチ剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤などの経口剤;および注射剤(例、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤、点滴剤など)、外用剤(例、経皮製剤、軟膏剤など)、坐剤(例、直腸坐剤、膣坐剤など)、点鼻剤、経肺剤(吸入剤)、点眼剤、点耳剤等の非経口剤などが挙げられ、これらはそれぞれ経口的あるいは非経口的に安全に投与できる。
これらの製剤は、速放性製剤または徐放性製剤などの放出制御製剤(例、徐放性マイクロカプセルなど)であってもよい。
これらの製剤は、速放性製剤または徐放性製剤などの放出制御製剤(例、徐放性マイクロカプセルなど)であってもよい。
本発明の医薬組成物中における本発明化合物の含量は、剤形、本発明化合物の投与量などにより異なるが、例えば約0.1〜100重量%である。
また、本発明の医薬組成物においては、本発明の特徴を損なわない範囲で、本発明化合物に加えて、小胞体ストレスに起因する疾患に対して対症療法的に用いられる薬物を併用することができる。
かかる薬物としては、特発性肺線維症に対して用いられるピルフェニドン、PDE5阻害薬であるシルデナフィル、ウォルフラム症候群に対して用いられるインスリン、デスモプレッシン等が挙げられる。
かかる薬物としては、特発性肺線維症に対して用いられるピルフェニドン、PDE5阻害薬であるシルデナフィル、ウォルフラム症候群に対して用いられるインスリン、デスモプレッシン等が挙げられる。
本発明の医薬組成物は、製剤技術分野において慣用の方法、例えば日本薬局方製剤総則の製剤各条等に記載の方法等により製造することができる。
以下に、製剤の具体的な製造法について詳述する。
固形状の経口剤、例えば錠剤は、有効成分である本発明化合物に、上記した賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤などを添加し、混合して圧縮成形し、次いで必要により、味のマスキング、腸溶性あるいは徐放性の付与を目的として、コーティング剤を用いて自体公知の方法でコーティングすることにより製造される。
固形状の経口剤、例えば錠剤は、有効成分である本発明化合物に、上記した賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤などを添加し、混合して圧縮成形し、次いで必要により、味のマスキング、腸溶性あるいは徐放性の付与を目的として、コーティング剤を用いて自体公知の方法でコーティングすることにより製造される。
該コーティング剤としては、例えば糖衣剤、水溶性フィルムコーティング剤、腸溶性フィルムコーティング剤、徐放性フィルムコーティング剤などが挙げられる。
糖衣剤としては、白糖が用いられ、さらに、タルク、沈降炭酸カルシウム、ゼラチン、アラビアゴム、プルラン、カルナウバロウなどから選ばれる1種または2種以上を併用してもよい。
水溶性フィルムコーティング剤としては、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース系高分子;ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE〔オイドラギットE(商品名)、ロームファルマ社〕、ポリビニルピロリドンなどの合成高分子;プルランなどの多糖類などが挙げられる。
腸溶性フィルムコーティング剤としては、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロースなどのセルロース系高分子;メタアクリル酸コポリマーL〔オイドラギットL(商品名)、ロームファルマ社〕、メタアクリル酸コポリマーLD〔オイドラギットL−30D55(商品名)、ロームファルマ社〕、メタアクリル酸コポリマーS〔オイドラギットS(商品名)、ロームファルマ社〕などのアクリル酸系高分子;セラックなどの天然物などが挙げられる。
徐放性フィルムコーティング剤としては、例えばエチルセルロースなどのセルロース系高分子;アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS〔オイドラギットRS(商品名)、ロームファルマ社〕、アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル共重合体懸濁液〔オイドラギットNE(商品名)、ロームファルマ社〕などのアクリル酸系高分子などが挙げられる。
水溶性フィルムコーティング剤としては、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース系高分子;ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE〔オイドラギットE(商品名)、ロームファルマ社〕、ポリビニルピロリドンなどの合成高分子;プルランなどの多糖類などが挙げられる。
腸溶性フィルムコーティング剤としては、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロースなどのセルロース系高分子;メタアクリル酸コポリマーL〔オイドラギットL(商品名)、ロームファルマ社〕、メタアクリル酸コポリマーLD〔オイドラギットL−30D55(商品名)、ロームファルマ社〕、メタアクリル酸コポリマーS〔オイドラギットS(商品名)、ロームファルマ社〕などのアクリル酸系高分子;セラックなどの天然物などが挙げられる。
徐放性フィルムコーティング剤としては、例えばエチルセルロースなどのセルロース系高分子;アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS〔オイドラギットRS(商品名)、ロームファルマ社〕、アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル共重合体懸濁液〔オイドラギットNE(商品名)、ロームファルマ社〕などのアクリル酸系高分子などが挙げられる。
上記したコーティング剤は、その1種を単独で用いてもよく、また2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。また、コーティングの際に、例えば酸化チタン、三二酸化鉄等のような遮光剤を用いてもよい。
液状の非経口剤、たとえば注射剤は、有効成分である本発明化合物を上記した分散剤、保存剤、等張化剤などと共に、上記した溶剤(水性溶剤、水混和性有機溶剤あるいは油性溶剤など)に溶解、懸濁あるいは乳化することにより製造される。この際、所望により、上記した溶解補助剤、安定剤、無痛化剤等の添加剤を用いてもよい。
本発明の医薬組成物の投与量は、投与対象の種別、性別、年齢、本発明の医薬組成物の剤形、投与ルート、対象疾患、症状などによっても異なるが、例えば特発性肺線維症(Idiopathic Pulmonary Fibrosis (IPF))の成人患者に経口投与する場合、本発明化合物の量として通常1回あたり約0.01〜100mg/kg体重、好ましくは0.05〜30mg/kg体重、さらに好ましくは1〜10mg/kg体重であり、この量を1日1回〜3回投与するのが望ましい。
以下に、試験例および実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
以下の実施例において、有効成分として用いる[4−({(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]プロパ−2−エノイル}アミノ)ベンジル]ホスホン酸ジエチル(化合物A)は、国際公開第2004/039365号公報に記載の方法により製造される。
以下の実施例において、有効成分として用いる[4−({(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]プロパ−2−エノイル}アミノ)ベンジル]ホスホン酸ジエチル(化合物A)は、国際公開第2004/039365号公報に記載の方法により製造される。
[試験例1]
ヒトII型肺胞上皮細胞株A549における小胞体ストレス抑制作用:
A549細胞を50,000 cells/wellとなるように播種した後、100 ng/mLのツニカマイシン(Tunicamycin)と各濃度(1×10-5Mから1×10-10Mまで10倍ずつ段階的に希釈)の化合物Aを添加して、Ham's F-12K培地にて24時間培養後、immunoglobulin binding protein(BiP)遺伝子およびC/EBP homologous protein(CHOP)遺伝子の発現量を定量PCR法によって測定した。その際、Tunicamycinおよび化合物Aの双方を添加せずに同様に培養したものを対照(control)とした。測定結果を図1に示した。
ヒトII型肺胞上皮細胞株A549における小胞体ストレス抑制作用:
A549細胞を50,000 cells/wellとなるように播種した後、100 ng/mLのツニカマイシン(Tunicamycin)と各濃度(1×10-5Mから1×10-10Mまで10倍ずつ段階的に希釈)の化合物Aを添加して、Ham's F-12K培地にて24時間培養後、immunoglobulin binding protein(BiP)遺伝子およびC/EBP homologous protein(CHOP)遺伝子の発現量を定量PCR法によって測定した。その際、Tunicamycinおよび化合物Aの双方を添加せずに同様に培養したものを対照(control)とした。測定結果を図1に示した。
図1に示されるように、対照に比べて、Tunicamycinにより、BiP、CHOPの両遺伝子の顕著な発現の増加が認められた。化合物Aは、Tunicamycinにより増加する両遺伝子の発現を濃度依存的に抑制した(n=3, +SD)。
[試験例2]
Tunicamycin処理による細胞死の抑制作用:
INS-1 832/13細胞を96穴プレートに20,000 cells/wellとなるように播種し一夜培養した後、100 ng/mLのTunicamycinおよび各濃度(0.1μM、0.3μM、1μM、3μM、10μM)の化合物Aを添加して、3日間培養後に20% アラマーブルー(Alamar blue)を添加し、6時間反応させて、570nmにおける吸光度と595nmにおける蛍光を測定し、細胞の生存率を算出した。細胞の生存率は、Tunicamycin未処理の細胞群(control)を100%として評価した。結果を図2に示した。
Tunicamycin処理による細胞死の抑制作用:
INS-1 832/13細胞を96穴プレートに20,000 cells/wellとなるように播種し一夜培養した後、100 ng/mLのTunicamycinおよび各濃度(0.1μM、0.3μM、1μM、3μM、10μM)の化合物Aを添加して、3日間培養後に20% アラマーブルー(Alamar blue)を添加し、6時間反応させて、570nmにおける吸光度と595nmにおける蛍光を測定し、細胞の生存率を算出した。細胞の生存率は、Tunicamycin未処理の細胞群(control)を100%として評価した。結果を図2に示した。
図2に示されるように、Tunicamycin処理により、細胞生存率は40%代にまで低下したが、化合物Aは、Tunicamycinによって誘導された前記細胞死を濃度依存的に抑制した(n=2)。
[試験例3]
自然発症糖尿病モデル(Zucker diabetic fatty (ZDF)rat)における膵β細胞保護作用:
ZDFラット(日本チャールズリバー)を7週齢で4群に群分けし、8週齢から化合物Aを0.003重量%、0.01重量%、0.03重量%の混餌により11週間投与した。Control群には、化合物Aを添加しない飼料を与えて飼育した。また、非糖尿病モデルの対照ラットとして、Zucker lean (ZL)rat(日本チャールズリバー)を飼育した。
各群のラットについて、7週齢、11週齢、16週齢および19週齢にて、血漿中のグルコース濃度およびインスリン値を定量し、7週齢、11週齢および16週齢にて血漿中のグリコヘモグロビン濃度を定量した。定量結果については、ZDFラットの各濃度の化合物A投与群およびZLラットのそれぞれと、ZDFラットのcontrol群との間で、#:ウイリアムズの片側検定(one-tailed Williams' test)、§:シャーリー=ウイリアムズの片側検定(one-tailed Shirley-Williams test)、 * および**: アスピン=ウェルチ検定(Aspin-Welch test)、または ¶:スチューデントのt検定(Student's t-test)を実施した。結果を図3に示した。
また、11週間投与後における各群のラットについて、膵β細胞の抗インスリン抗体染色を行った結果を図4A〜Eに示し、β細胞の面積の割合を算出した結果を図4Fに示した。β細胞の面積の割合については、ZDFラットの各濃度の化合物A投与群およびZLラットのそれぞれと、ZDFラットのcontrol群との間で、シャーリー=ウイリアムズの片側検定(one-tailed Shirley-Williams test)を実施した。
自然発症糖尿病モデル(Zucker diabetic fatty (ZDF)rat)における膵β細胞保護作用:
ZDFラット(日本チャールズリバー)を7週齢で4群に群分けし、8週齢から化合物Aを0.003重量%、0.01重量%、0.03重量%の混餌により11週間投与した。Control群には、化合物Aを添加しない飼料を与えて飼育した。また、非糖尿病モデルの対照ラットとして、Zucker lean (ZL)rat(日本チャールズリバー)を飼育した。
各群のラットについて、7週齢、11週齢、16週齢および19週齢にて、血漿中のグルコース濃度およびインスリン値を定量し、7週齢、11週齢および16週齢にて血漿中のグリコヘモグロビン濃度を定量した。定量結果については、ZDFラットの各濃度の化合物A投与群およびZLラットのそれぞれと、ZDFラットのcontrol群との間で、#:ウイリアムズの片側検定(one-tailed Williams' test)、§:シャーリー=ウイリアムズの片側検定(one-tailed Shirley-Williams test)、 * および**: アスピン=ウェルチ検定(Aspin-Welch test)、または ¶:スチューデントのt検定(Student's t-test)を実施した。結果を図3に示した。
また、11週間投与後における各群のラットについて、膵β細胞の抗インスリン抗体染色を行った結果を図4A〜Eに示し、β細胞の面積の割合を算出した結果を図4Fに示した。β細胞の面積の割合については、ZDFラットの各濃度の化合物A投与群およびZLラットのそれぞれと、ZDFラットのcontrol群との間で、シャーリー=ウイリアムズの片側検定(one-tailed Shirley-Williams test)を実施した。
図3AおよびCに示されるように、ZDFラットのcontrol群は、ZLラットに比べて顕著に高い血漿中グルコース濃度およびグリコヘモグロビン濃度を示した。ZDFラットの化合物A投与群では、化合物Aの濃度に応じて血漿中グルコース濃度およびグリコヘモグロビン濃度の低下が認められた。
また、図3Bに示されるように、ZDFラットのcontrol群では、血漿中インスリン値の顕著な低下が認められるが、化合物A投与群では、化合物Aの用量依存的に血漿中インスリン値の低下が抑制された。
従って、化合物Aは、ZDFラットにて発症した糖尿病を軽減することが示唆された。
また、図3Bに示されるように、ZDFラットのcontrol群では、血漿中インスリン値の顕著な低下が認められるが、化合物A投与群では、化合物Aの用量依存的に血漿中インスリン値の低下が抑制された。
従って、化合物Aは、ZDFラットにて発症した糖尿病を軽減することが示唆された。
また、図4に示されるように、高用量(0.03重量%)の化合物Aを投与した群では、抗インスリン抗体染色によって示唆される膵β細胞数も保持されていることが示された(P<0.025にて有意)。
[試験例4]
Akitaマウス糖尿病モデルにおける抗糖尿病作用:
Akitaマウスは、膵β細胞における小胞体ストレスにより糖尿病を発症するモデルとして汎用されている。雄性 AKITA/Slc 8週齢を次の通り4群に分け、薬剤投与群にはそれぞれの薬剤を2週間投与した(C:Control、n=6;T:化合物A 0.1重量 % 混餌、n=6;P:ピオグリタゾン(Pioglitazone)0.03 重量%混餌、n=6;E:エキセナチド(Exenatide)10μg/kg 皮下注、n=7)。薬剤の投与開始前および2週間の投与後に血漿中のグリコヘモグロビン量および膵臓のインスリン含量を測定し、結果を図5に示した。測定結果については、control群との間で、ダネットの検定(Dunnett's test)を実施した。
Akitaマウス糖尿病モデルにおける抗糖尿病作用:
Akitaマウスは、膵β細胞における小胞体ストレスにより糖尿病を発症するモデルとして汎用されている。雄性 AKITA/Slc 8週齢を次の通り4群に分け、薬剤投与群にはそれぞれの薬剤を2週間投与した(C:Control、n=6;T:化合物A 0.1重量 % 混餌、n=6;P:ピオグリタゾン(Pioglitazone)0.03 重量%混餌、n=6;E:エキセナチド(Exenatide)10μg/kg 皮下注、n=7)。薬剤の投与開始前および2週間の投与後に血漿中のグリコヘモグロビン量および膵臓のインスリン含量を測定し、結果を図5に示した。測定結果については、control群との間で、ダネットの検定(Dunnett's test)を実施した。
図5に示されるように、化合物A投与群(T)において有意な(P<0.01)グリコヘモグロビン量の低下が見られ、膵臓のインスリン含量も有意に(P<0.01)増加した。図5に示す結果から、化合物Aのみが有意な抗糖尿病作用を示すことが示唆された。
[試験例5]
Blue light誘導網膜変性モデルにおける効果:
Blue light誘導網膜変性モデルは、網膜色素変性症などの網膜変性のモデルとして知られている。雄性SDラットに化合物Aを経口投与で1日2回、30mg/kgを与えた(n=10)。薬物投与を5日間行った後、400-500nmの光照射を行い、2日後に網膜電位応答を測定した。また、光照射の5日後に、光干渉断層計(OCT)により視細胞層の厚さを測定した。薬物投与は光照射後2日間継続した。比較のため、vehicleのみを投与した群について、同様に処理した。結果を図6に示した。
Blue light誘導網膜変性モデルにおける効果:
Blue light誘導網膜変性モデルは、網膜色素変性症などの網膜変性のモデルとして知られている。雄性SDラットに化合物Aを経口投与で1日2回、30mg/kgを与えた(n=10)。薬物投与を5日間行った後、400-500nmの光照射を行い、2日後に網膜電位応答を測定した。また、光照射の5日後に、光干渉断層計(OCT)により視細胞層の厚さを測定した。薬物投与は光照射後2日間継続した。比較のため、vehicleのみを投与した群について、同様に処理した。結果を図6に示した。
図6に示されるように、vehicleのみを投与した群では、光照射により視細胞の顕著な萎縮が観察され、網膜電位応答の減弱が認められたが、化合物A投与群では、光照射による視細胞の萎縮が抑制され、それに応じて、網膜電位応答の減弱が抑制された。
[試験例6]
エンドトキシン誘導ぶどう膜炎モデルにおける効果:
試験には、固形CE-2飼料で群飼育した6週齢の雄性C57BL/6J Jclマウス(日本クレア)を用いた。化合物Aを0.5重量%メチルセルロース(MC)水溶液に懸濁して、経口投与用の薬液を調製した。化合物Aの投与量は、30mg/10mL/kgおよび100mg/10mL/kgとした。LPS処理前の2日間に、前記各投与量の化合物Aを含む薬液を1日2回、経口投与した。LPS非処理群および対照群には0.5重量%MC水溶液を経口投与した。その後、エンドトキシンとして、リポ多糖(lipopolysaccharide (LPS))による処理を行う1時間前、LPSによる処理を行った日の午後、およびLPS処理を行った日の翌日の朝に経口投与し、解剖までに合計で7回、薬液を投与した。LPS処理は、処理の直前にLPSをリン酸緩衝液(PBS)に溶解し、0.1mg/6mL/kgの用量で腹腔内投与して行った。LPS非処理群にはPBSを同量投与した。
LPS処理の24時間後に、各群のマウスの眼球から、脈絡膜と網膜を含む後眼部を摘出した後、ドライアイス上で急速凍結した。後眼部1つあたり、200μLのCell Extraction Buffer(サーモフィッシャー サイエンティフィック(Thermo Fisher Scientific)、カタログNo.:FNN0011)を添加し、ジルコニアビーズとTissueLyser II(キアゲン(Qiagen))を用いて破砕、懸濁した。4℃、15,000 rpmで15分間遠心分離し、組織抽出液を採取した。後眼部の組織抽出液中の単球遊走因子-1(MCP-1)量を、Mouse/Rat CCL2/JE/MCP-1 Immunoassay Kit(R&D システムズ(R&D Systems))を用いて測定した。なお、各群n=6〜12で行った。
結果を図7に示した。MCP-1の測定結果については、LPS非処理群と対照群(0.5 重量%MC水溶液投与+LPS処理群)との間で、アスピン=ウェルチ検定(Aspin-Welch test)を実施した。さらに、対照群と化合物A投与群との間で、シャーリー=ウィリアムズの片側検定(one-tailed Shirley-Williams' test)を実施した。
エンドトキシン誘導ぶどう膜炎モデルにおける効果:
試験には、固形CE-2飼料で群飼育した6週齢の雄性C57BL/6J Jclマウス(日本クレア)を用いた。化合物Aを0.5重量%メチルセルロース(MC)水溶液に懸濁して、経口投与用の薬液を調製した。化合物Aの投与量は、30mg/10mL/kgおよび100mg/10mL/kgとした。LPS処理前の2日間に、前記各投与量の化合物Aを含む薬液を1日2回、経口投与した。LPS非処理群および対照群には0.5重量%MC水溶液を経口投与した。その後、エンドトキシンとして、リポ多糖(lipopolysaccharide (LPS))による処理を行う1時間前、LPSによる処理を行った日の午後、およびLPS処理を行った日の翌日の朝に経口投与し、解剖までに合計で7回、薬液を投与した。LPS処理は、処理の直前にLPSをリン酸緩衝液(PBS)に溶解し、0.1mg/6mL/kgの用量で腹腔内投与して行った。LPS非処理群にはPBSを同量投与した。
LPS処理の24時間後に、各群のマウスの眼球から、脈絡膜と網膜を含む後眼部を摘出した後、ドライアイス上で急速凍結した。後眼部1つあたり、200μLのCell Extraction Buffer(サーモフィッシャー サイエンティフィック(Thermo Fisher Scientific)、カタログNo.:FNN0011)を添加し、ジルコニアビーズとTissueLyser II(キアゲン(Qiagen))を用いて破砕、懸濁した。4℃、15,000 rpmで15分間遠心分離し、組織抽出液を採取した。後眼部の組織抽出液中の単球遊走因子-1(MCP-1)量を、Mouse/Rat CCL2/JE/MCP-1 Immunoassay Kit(R&D システムズ(R&D Systems))を用いて測定した。なお、各群n=6〜12で行った。
結果を図7に示した。MCP-1の測定結果については、LPS非処理群と対照群(0.5 重量%MC水溶液投与+LPS処理群)との間で、アスピン=ウェルチ検定(Aspin-Welch test)を実施した。さらに、対照群と化合物A投与群との間で、シャーリー=ウィリアムズの片側検定(one-tailed Shirley-Williams' test)を実施した。
図7に示されるように、化合物A投与群では、対照群に比べて、LPS処理により誘導されたMCP-1の産生が有意に(P≦0.0005)抑制された。
[実施例1](カプセル剤)
1)化合物A 30 mg
2)微粉末セルロース 10 mg
3)乳糖 19 mg
4)ステアリン酸マグネシウム 1 mg
計 60 mg
1)、2)、3)および4)を混合して、ゼラチンカプセルに充填する。
1)化合物A 30 mg
2)微粉末セルロース 10 mg
3)乳糖 19 mg
4)ステアリン酸マグネシウム 1 mg
計 60 mg
1)、2)、3)および4)を混合して、ゼラチンカプセルに充填する。
[実施例2](錠剤)
1)化合物A 30 g
2)乳糖 50 g
3)トウモロコシデンプン 15 g
4)カルボキシメチルセルロースカルシウム 44 g
5)ステアリン酸マグネシウム 1 g
1000錠 計 140 g
1)、2)、3)の全量および30gの4)を水で練合し、真空乾燥後、整粒を行う。
この整粒末に14gの4)および5)を混合し、打錠機により打錠する。このようにして、1錠あたり化合物A30mgを含有する錠剤1000錠を得る。
1)化合物A 30 g
2)乳糖 50 g
3)トウモロコシデンプン 15 g
4)カルボキシメチルセルロースカルシウム 44 g
5)ステアリン酸マグネシウム 1 g
1000錠 計 140 g
1)、2)、3)の全量および30gの4)を水で練合し、真空乾燥後、整粒を行う。
この整粒末に14gの4)および5)を混合し、打錠機により打錠する。このようにして、1錠あたり化合物A30mgを含有する錠剤1000錠を得る。
本発明化合物を含有する本発明の小胞体ストレス抑制剤は、優れた小胞体ストレス抑制作用を有し、小胞体ストレスに起因する疾患の予防または治療剤として、特に、特発性肺線維症(Idiopathic Pulmonary Fibrosis (IPF))、ウォルフラム症候群(Wolfram Syndrome)、ぶどう膜炎および網膜色素変性症などの予防または治療剤として有用である。
Claims (4)
- 式:
[式中、環Aはさらに置換基を有していてもよい、2個以上の窒素原子を含む5員芳香族複素環;
Bは置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基;
Xは2価の非環状炭化水素基;
Zは-O-、-S-、-NR2-、-CONR2-または-NR2CO-(R2は水素原子または置換されていてもよいアルキル基を示す);
YおよびY1は同一または異なって結合手または2価の非環状炭化水素基;
Dはさらに置換基を有していてもよい環;
R3は置換されていてもよいアシル基または置換されていてもよい複素環基を示す。]で表される化合物またはその塩を含有してなる、小胞体ストレス抑制剤。 - 小胞体ストレスに起因する疾患の予防または治療剤である、請求項1記載の剤。
- 小胞体ストレスに起因する疾患が、特発性肺線維症(Idiopathic Pulmonary Fibrosis)、ウォルフラム症候群(Wolfram Syndrome)、ぶどう膜炎および網膜色素変性症からなる群より選択される1種以上の疾患である、請求項2記載の剤。
- [4−({(2E)−3−[5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]プロパ−2−エノイル}アミノ)ベンジル]ホスホン酸ジエチルまたはその塩を含有してなる、小胞体ストレス抑制剤。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017213180A JP2019085355A (ja) | 2017-11-02 | 2017-11-02 | 医薬組成物 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022059736A1 (ja) * | 2020-09-17 | 2022-03-24 | 株式会社レストアビジョン | 小胞体ストレスまたはオールトランスレチナールに関連する疾患、障害または症状を治療または予防するため、または網膜厚を保護し、または網膜厚の萎縮もしくは萎縮進行を抑制するための組成物。 |
-
2017
- 2017-11-02 JP JP2017213180A patent/JP2019085355A/ja active Pending
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WO2022059736A1 (ja) * | 2020-09-17 | 2022-03-24 | 株式会社レストアビジョン | 小胞体ストレスまたはオールトランスレチナールに関連する疾患、障害または症状を治療または予防するため、または網膜厚を保護し、または網膜厚の萎縮もしくは萎縮進行を抑制するための組成物。 |
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