JP2019080900A - 歯科治療支援システム - Google Patents

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大原 茂之
Shigeyuki Ohara
茂之 大原
治郎 中島
Jiro Nakajima
治郎 中島
秀一 岩永
Shuichi Iwanaga
秀一 岩永
雄一郎 諏訪
Yuichiro Suwa
雄一郎 諏訪
真一 横田
Shinichi Yokota
真一 横田
山田 智史
Tomohito Yamada
智史 山田
仁志 細川
Hitoshi Hosokawa
仁志 細川
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Abstract

【課題】歯科医師が遂行する患者の病名の決定、治療方法の策定、治療順序の策定を支援する歯科治療支援システムを提供する。【解決手段】先ず、所見を病名導出AI推定処理部に読み込ませることで、患者の疾患を推定する。次に、病名と部位を治療導出AI推定処理部に読み込ませることで、患者の部位毎の治療候補を推定する。病名導出AI推定処理部と治療導出AI推定処理部の処理を、患者の口腔内の疾患を有する全ての部位に対して繰り返し実行することで、推定治療群テーブルを形成する。そして最後に、推定治療群テーブルを治療計画導出AI推定処理部に読み込ませることで、患者の治療計画を推定する。【選択図】図1

Description

本発明は、主に歯科治療において運用される、歯科治療支援システムに関する。
歯科医師は歯番ごとに作成した歯牙歯周の状態の所見に基づいて下記(1)〜(4)の準備を経て治療に入る。
(1)問題のある歯牙歯周の歯番ごとの病名を決定する。
(2)病名と所見から歯番ごとの治療方法を決定する。
(3)歯番全体の治療方法から歯番の治療順序を洗い出す。
(4)患者と相談して最適な治療順序を確定する。
なお、歯番とは患者を正面から見た口腔内を正中線の左上、左下、右上、右下ごとに分割し、前から後ろに向けて永久歯は1〜8、乳歯はA〜Eとした番号のことである。
特開2014−119863号公報
上述した病名の決定、治療方法の策定、治療順序の策定は単に規則的にできるものではなく、歯科医師が個々に積み上げてきた観察力、経験値あるいは直感力といった暗黙知が必要となる。例えば、患者の食事を妨げないように左右2カ所の同時治療を避けたり、抜歯をしないで済むように治療方法や治療順序を決めていくことなどである。すなわち、現状では歯科医師の経験等の差に依存して歯科治療の質が左右される状況である。
もし、病名の決定、治療方法の策定、治療順序の策定を情報技術を用いて補助することができるなら、経験の浅い歯科医師であっても良質の歯科治療を実現することが期待できる。
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、歯科医師が遂行する患者の病名の決定、治療方法の策定、治療順序の策定を支援する歯科治療支援システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の歯科治療支援システムは、患者の口腔内の疾患が発生している部位と、部位に発生している疾患の病名の組を複数入力されると、部位と病名の組に対応する1個以上の治療順序を記載した治療順序テーブルを複数個有する治療順序候補データベースを作成する治療順序策定部と、治療順序候補データベースに含まれている複数の治療順序テーブルに記載されている治療項目について、同日に実施できない治療項目の矛盾を解消した治療計画テーブルを作成し、治療計画テーブルを複数個有する治療計画候補データベースを作成する、治療計画生成処理部とを具備する。
本発明により、歯科医師が遂行する患者の病名の決定、治療方法の策定、治療順序の策定を支援する歯科治療支援システムを提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施形態に係る歯科治療支援システムの全体構成を示す概略図である。 端末装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 歯科治療支援サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。 歯科治療支援システムのソフトウェア機能の概略を示すブロック図である。 歯科治療支援サーバの病名導出AI学習処理部におけるソフトウェア機能を詳述するブロック図である。 歯科治療支援サーバの病名導出AI推定処理部におけるソフトウェア機能を詳述するブロック図である。 病名導出AI学習処理部に与える病名導出学習用データの一例を示す図である。 推定病名リストの一例を示す図である。 歯科治療支援サーバの治療導出AI学習処理部におけるソフトウェア機能を詳述するブロック図である。 歯科治療支援サーバの治療導出AI推定処理部におけるソフトウェア機能を詳述するブロック図である。 治療導出AI学習処理部に与える治療導出学習用データの一例を示す図である。 推定治療リストの一例を示す図である。 推定治療群テーブルを示す図である。 歯科治療支援サーバの治療計画導出AI学習処理部におけるソフトウェア機能を詳述するブロック図である。 歯科治療支援サーバの治療計画導出AI推定処理部におけるソフトウェア機能を詳述するブロック図である。 治療計画導出AI学習処理部に与える治療計画導出学習用データの一例を示す図である。 推定治療順リストの一例を示す図である。 歯科治療支援システムにおける、処理手順とデータの流れを示す概略図である。 本発明の第二の実施形態に係る歯科治療支援システムの全体構成及び歯科治療支援サーバのソフトウェア機能を示すブロック図である。 各種テーブルのフィールド構成を示す表である。 治療順序候補データベースの一例を示す表である。 治療順序候補データベースに含まれる治療順序テーブルの一例を示す表である。 治療計画候補データベースに含まれる治療計画テーブルの一例を示す表である。
本発明は歯科医師の経験等の差に依存して歯科治療の質が左右される状況を鑑みてなされたものである。
これより説明する実施形態は、第一の実施形態と第二の実施形態の、二種類がある。
第一の実施形態は、AIを利用する歯科治療支援システムである。予め、定評のある歯科医師の経験をAI(artificial intelligence:人工知能)に学習させる。そして、このAIに所見等を入力することにより、まだ経験値が低い歯科医師であっても、病名、治療方法、治療計画などを確定する時に、あたかも経験の深い歯科医師がアドバイスするかのように機能して、歯科治療を一定水準以上になるように支援するものである。
第二の実施形態は、AIを利用せず、データベースを用いる歯科治療支援システムである。歯科医師が所見に基づいて患者の部位と症状を入力すると、可能な治療計画が全て導出される。その中で、治療期間、費用等で歯科医師が患者と話し合った結果、最良の治療計画を決定する。
[第一の実施形態:歯科治療支援システム101:全体構成]
図1は、本発明の第一の実施形態に係る歯科治療支援システム101の全体構成を示す概略図である。
経験豊富な歯科医師102は、歯科治療に定評のある歯科医師である。この経験豊富な歯科医師102は、インターネット103を通じて、自身が所有する端末装置104aを歯科治療支援サーバ105に接続する。そして、端末装置104aを用いて経験豊富な歯科医師102自身の過去の治療情報(カルテ)を歯科治療支援サーバ105に入力する。歯科治療支援サーバ105は、端末装置104aから入力された治療情報を学習する。
経験の浅い歯科医師106は、歯科治療の経験の浅い歯科医師である。この経験の浅い歯科医師106は、インターネット103を通じて、自身が所有する端末装置104bを歯科治療支援サーバ105に接続する。そして、端末装置104bを用いてこれから診療を行おうとする患者107の所見等の情報(カルテ)を歯科治療支援サーバ105に入力する。歯科治療支援サーバ105は、端末装置104bから入力された所見等の情報に基づき、患者107の病名の推定、治療方法の推定、治療順序の推定を行い、その結果を端末装置104bへ出力する。
なお、これ以降、端末装置104aと端末装置104bを区別しないときには、端末装置104と呼ぶ。
[端末装置104:ハードウェア構成]
図2は、端末装置104のハードウェア構成を示すブロック図である。
一般的なパソコンよりなる端末装置104は、バス201に接続された、CPU202、ROM203、RAM204、表示部205、操作部206、不揮発性ストレージ207、NIC208を備える。
なお、端末装置104の表示部205及び操作部206は、歯科治療支援サーバ105の表示部307及び操作部308の代わりに用いられることもある。
[歯科治療支援サーバ105:ハードウェア構成]
図3は、歯科治療支援サーバ105のハードウェア構成を示すブロック図である。
歯科治療支援サーバ105は、バス301に接続された、CPU302、ROM303、RAM304、不揮発性ストレージ305、NIC306を備える。
なお、歯科治療支援サーバ105はパソコンを流用することが可能である。その場合、表示部307と操作部308を有することがある。ここでは、表示部307と操作部308は歯科治療支援サーバ105に不可欠なものではないので、点線で示している。
[歯科治療支援システム101:ソフトウェア機能の概略]
図4は、歯科治療支援システム101のソフトウェア機能の概略を示すブロック図である。
歯科治療支援サーバ105は、AIの機能を有する。AIは学習フェーズと推定フェーズを有するため、学習フェーズと推定フェーズでブロック図を分けて説明する。
図4(a)(図4の上半分)は、学習フェーズにおける歯科治療支援システム101のソフトウェア機能の概略を示すブロック図である。
端末装置104aは、入出力制御部401に接続された表示部205と操作部206よりなる。経験豊富な歯科医師102が操作部206を操作することによって生成される情報は、入出力制御部401からインターネット103を通じて歯科治療支援サーバ105に送信される。また、インターネット103を通じて歯科治療支援サーバ105から入出力制御部401が受信した情報は、表示部205に表示される。
歯科治療支援サーバ105が端末装置104aから受信した情報は、歯科治療支援サーバ105の入出力制御部402を通じて、病名導出AI学習処理部403、治療導出AI学習処理部404、及び治療計画導出AI学習処理部405に、学習データとして与えられる。
病名導出AI学習処理部403の学習結果は病名導出用辞書データ406に蓄積される。
治療導出AI学習処理部404の学習結果は治療導出用辞書データ407に蓄積される。
治療計画導出AI学習処理部405の学習結果は治療計画導出用辞書データ408に蓄積される。
図4(b)(図4の下半分)は、推定フェーズにおける歯科治療支援システム101のソフトウェア機能の概略を示すブロック図である。
端末装置104bのソフトウェア機能ブロックは、経験豊富な歯科医師102の代わりに経験の浅い歯科医師106が操作する以外は図4(a)の端末装置104aと全く同一であるので、詳細な説明を省略する。
端末装置104bから受信した情報は、歯科治療支援サーバ105の入出力制御部402を通じて、病名導出AI推定処理部409、治療導出AI推定処理部410、治療計画導出AI推定処理部411に、推定データとして与えられる。
病名導出AI推定処理部409は病名導出用辞書データ406を読み込み、入力された情報に対応する病名を推定する。
治療導出AI推定処理部410は治療導出用辞書データ407を読み込み、入力された情報に対応する治療候補を推定する。
治療計画導出AI推定処理部411は治療計画導出用辞書データ408を読み込み、入力された情報に対応する治療計画を推定する。
[歯科治療支援サーバ105:病名導出AI学習処理部403]
図5は、歯科治療支援サーバ105の病名導出AI学習処理部403におけるソフトウェア機能を詳述するブロック図である。
歯科治療支援サーバ105の入出力制御部402は、端末装置104aから入力される情報を、入力データと、入力データを特徴付ける教師信号に分けて、病名導出AI学習処理部403に与える。入力データは「所見」であり、教師信号は「病名」である。この教師信号である病名は、病名マスタ501を参照して、病名に対応する病名IDが病名導出AI学習処理部403に入力される。
なお、この病名マスタ501の情報は、端末装置104aの表示部205に表示される。経験豊富な歯科医師102は表示部205に表示される病名の一覧から、所望の病名を選択することで、病名の入力ミスを防ぐことができる。
病名マスタ501は、病名IDフィールドと病名テキストフィールドを有するマスタテーブルである。
病名IDフィールドには、病名を一意に識別するID情報が格納される。ID情報は数値や、数値とアルファベットの組み合わせ等である。
病名テキストフィールドには、病名テキスト、すなわち病名の名称そのものが格納される。
病名の名称そのものを直接、病名導出AI学習処理部403に学習させてもよいが、病名は可変長のテキストデータであるので、固定長のID情報に変換する方が、情報処理技術の観点から好ましい。
図7は、病名導出AI学習処理部403に与える病名導出学習用データの一例を示す図である。
図7に示す病名導出学習用データテーブル701は、病名フィールドと所見フィールドを有する。
病名フィールドは、歯科疾患の略称である。実際の病名フィールドには病名IDが格納される。
所見フィールドには、経験豊富な歯科医師102が書いた所見、すなわち自然言語の文章が格納される。すなわち、所見とは可変長のテキストデータである。
病名導出AI学習処理部403は、このように可変長テキストデータを読み込み、学習を行う学習アルゴリズムである。この学習アルゴリズムは、一般的には、自然言語処理機能と推論結果を評価する機能を有するAIによって実現されるものである。一例として、米マイクロソフト社のクラウドサービス「AZURE」に形成されているLUIS(Language Understanding Intelligent Service)、あるいは米IBM社のNLC(Natural Language Classifier)などが挙げられる。
[歯科治療支援サーバ105:病名導出AI推定処理部409]
図6は、歯科治療支援サーバ105の病名導出AI推定処理部409におけるソフトウェア機能を詳述するブロック図である。
歯科治療支援サーバ105の入出力制御部402は、端末装置104aから入力される情報である「所見」を、病名導出AI推定処理部409に与える。すると、病名導出AI推定処理部409は、入力された所見から推定される病名と、当該病名の確信度を、推定病名リスト601に出力する。推定病名リスト601は入出力制御部401を通じて、端末装置104aの表示部205に表示される。その際、入出力制御部401は病名マスタ501を参照して、推定病名リスト601に記載されている病名IDを病名の名称に変換する。
推定病名リスト601の一例を図8に示す。
図8Aは、推定病名リスト601の一例を示す図である。
病名導出AI推定処理部409は、入力された所見の文章を処理する自然言語処理機能を有すると共に、推論結果を評価する機能を有するので、所見の文章に対応する病名と、その病名の確からしさを示す確信度を出力する。図8Aでは、入力された所見の文章から推定された結果として、推定第一候補は、病名が「C3急化Pul」、すなわち「う蝕症第3度の急性化膿性歯髄炎」の確信度が85%である。推定第二候補は、病名が「C3急化Per」、すなわち「う蝕症第3度の急性化膿性根尖性歯周炎」の確信度が15%である。この場合、推定第一候補と推定第二候補の確信度の差が70%であることから、患者107の所見に対応する病名を推定第一候補に確定してもほぼ問題ないと結論付けることができる。
図8Bは、推定病名リスト601の一例を示す図である。
図8Bでは、入力された所見の文章から推定された結果として、推定第一候補は、病名が「C2」、すなわち「う蝕症第2度」の確信度が60%である。推定第二候補は、病名が「P1」、すなわち「慢性歯周炎(軽度)」の確信度が40%である。この場合、推定第一候補と推定第二候補の確信度の差が20%であることから、患者107の所見に対応する病名を推定第一候補に確定するのは問題があると思われる。つまり、経験の浅い歯科医師106が端末装置104aを通じて歯科治療支援サーバ105に入力した所見の文章に不備があり、病名導出AI推定処理部409が正常に推定処理ができなかったと考えられる。
所見の文章の不備とは、言い換えれば「言葉足らず」である。具体的には、患者107の症状を特徴付けるキーワードが不足していたものと考えられる。
このように、推定第一候補と推定第二候補との確信度の差が小さい場合には、患者107の症状を特徴付ける適切なキーワードを追加する等の、所見の見直しを行い、病名導出AI推定処理部409を再度稼働させる。そして、図8Aの様に、推定第一候補と推定第二候補の確信度の差が十分大きくなるようになるまで作業を繰り返す。
[歯科治療支援サーバ105:治療導出AI学習処理部404]
図9は、歯科治療支援サーバ105の治療導出AI学習処理部404におけるソフトウェア機能を詳述するブロック図である。
歯科治療支援サーバ105の入出力制御部402は、端末装置104aから入力される情報を、入力データと、入力データを特徴付ける教師信号に分けて、治療導出AI学習処理部404に与える。入力データは「病名」と「部位」であり、教師信号は「治療」である。この教師信号である治療は、治療マスタ901を参照して、治療に対応する治療IDが治療導出AI学習処理部404に入力される。また、入力データの病名は、図5にて説明した病名導出AI学習処理部403と同様に、病名マスタ501を参照して、病名に対応する病名IDが治療導出AI学習処理部404に入力される。
なお、この治療マスタ901及び病名マスタ501の情報は、端末装置104aの表示部205に表示される。経験豊富な歯科医師102は表示部205に表示される治療及び病名の一覧から、所望の治療及び病名を選択することで、治療及び病名の入力ミスを防ぐことができる。
また、治療内容の推定精度を高めるために、入力データに患者107の年齢や所見の文章を追加するようにしてもよい。
治療マスタ901は、治療IDフィールドと治療テキストフィールドを有するマスタテーブルである。
治療IDフィールドには、治療内容を一意に識別するID情報が格納される。ID情報としては、数値または数値とアルファベットの組み合わせ等が用いられる。
治療テキストフィールドには、治療内容テキスト、すなわち治療内容の名称そのものが格納される。
治療内容の名称そのものを直接、治療導出AI学習処理部404に学習させてもよいが、治療内容は可変長のテキストデータであるので、固定長のID情報に変換する方が、情報処理技術の観点から好ましい。
図11は、治療導出AI学習処理部404に与える治療導出学習用データの一例を示す図である。
図11に示す治療導出学習用データテーブル1101は、部位フィールドと病名フィールドと治療候補フィールドを有する。
部位フィールドには、基本的に歯番が格納される。しかし、フォーマットの異なるデータをコンバートする等、特別な場合には歯番に相当する情報として可変長テキストデータが入力されることもある。
病名フィールドは、図7で説明したものと同じ、歯科疾患の略称である。実際の病名フィールドには病名IDが格納される。
治療候補フィールドは、治療内容を示すテキストデータであり、実際の治療候補フィールドには治療IDが複数個格納される。
ある部位におけるある病名に対する治療内容は、単一であるとは限らない。例えば、保険適用の治療がある一方、保険適用外の治療もある。このため、図11に示すように、1個の病名に対し、複数の治療候補が対応する。すなわち、部位及び病名の組と治療内容は1対多の関係を有する。
治療導出AI学習処理部404を構成するAIは、部位フィールドに可変長テキストデータを受け入れたり、また入力データに所見を追加したりする場合には、可変長テキストデータを読み込んで学習する。このため、治療導出AI学習処理部404を構成するAIも、病名導出AI学習処理部403と同様に、自然言語処理機能と推論結果を評価する機能を有するAIが望ましい。
なお、仮に、部位フィールドが完全に歯番のみ入力され、入力データに所見が入らない場合には、治療導出AI学習処理部404を、AIを用いずにシンプルな関係データベースで構築することもできる。
[歯科治療支援サーバ105:治療導出AI推定処理部410]
図10は、歯科治療支援サーバ105の治療導出AI推定処理部410におけるソフトウェア機能を詳述するブロック図である。
歯科治療支援サーバ105の入出力制御部402は、端末装置104bから入力される情報である「病名」及び「部位」を、治療導出AI推定処理部410に与える。すると、治療導出AI推定処理部410は、入力された病名及び部位から推定される治療候補と、当該治療候補群の確信度を、推定治療リスト1001に出力する。推定治療リスト1001は入出力制御部401を通じて、端末装置104bの表示部205に表示される。その際、入出力制御部401は病名マスタ501と治療マスタ901を参照して、推定治療リスト1001に記載されている病名IDを病名の名称に、治療IDを治療内容の名称に、それぞれ変換する。
図12A及び図12Bは、推定治療リスト1001の一例を示す図である。
治療導出AI推定処理部410は、入力された部位及び病名に対応する治療候補と、その病名の確からしさを示す確信度を出力する。図12Aでは、入力された部位及び病名から推定された結果として、推定第一候補は、部位が「右上4」、病名が「C2」の確信度が100%である。確信度が100%であるということは、推定結果に疑問を挟む余地はないことを意味する。
図12Bでは、入力された部位及び病名から推定された結果として、推定第一候補は、部位が「右上小臼歯」、病名が「C2」の確信度が60%である。推定第二候補は、部位が「右上小臼歯」、病名が「C1」の確信度が40%である。
部位が歯番でない場合、推定処理の精度が低下し、図12Bに示すような結果を生じることがありうる。このような場合は、部位を明確にすることで、図12Aのような結果を得ることが期待できる。
図13は、推定治療リスト1001のテーブルである推定治療群テーブル1301を示す図である。
歯科医院に来院する患者107は、口腔内の一箇所だけに疾患があるとは限らない。多くの患者107は、口腔内の複数の歯に疾患を生じている。そこで、経験の浅い歯科医師106は、それら複数の歯に生じているそれぞれの疾患に対し、図6にて説明した病名導出AI推定処理部409で病名を推定し、図10にて説明した治療導出AI推定処理部410で治療候補を推定する。すると、図13に示すように、部位毎に病名と治療候補、そして確信度が得られる。
この推定治療群テーブル1301は、後述する治療計画導出AI推定処理部411にて、確信度を除いて入力データとして利用される。
[歯科治療支援サーバ105:治療計画導出AI学習処理部405]
図14は、歯科治療支援サーバ105の治療計画導出AI学習処理部405におけるソフトウェア機能を詳述するブロック図である。
歯科治療支援サーバ105の入出力制御部402は、端末装置104aから入力される情報を、入力データと、入力データを特徴付ける教師信号に分けて、治療計画導出AI学習処理部405に与える。入力データは「部位」と「病名」と「治療」であり、教師信号は「治療順」である。
入力データの病名は、図5にて説明した病名導出AI学習処理部403と同様に、病名マスタ501を参照して、病名に対応する病名IDが治療計画導出AI学習処理部405に入力される。同様に治療は、図9にて説明した治療導出AI学習処理部404と同様に、治療マスタ901を参照して、治療に対応する治療IDが治療計画導出AI学習処理部405に入力される。
図16Aは、治療計画導出AI学習処理部405に与える治療計画導出学習用データの一例を示す図である。
図16Aに示す治療計画導出学習用データテーブル1601は、部位フィールド、病名フィールド、治療フィールド、そして治療順番フィールドを有する。
部位フィールドには、歯番のみが格納される。図11に示した治療導出学習用データテーブル1101と基本的には同じであるが、治療導出学習用データテーブル1101とは異なり、推定精度を上げるため、可変長テキストデータの入力はなされない。
病名フィールドは、図7に示す病名導出学習用データテーブル701の同名フィールドと同じである。
治療フィールドには、単一の治療IDが格納される。治療フィールドは図11に示した治療導出学習用データテーブル1101の治療候補フィールドと類似するが、治療導出学習用データテーブル1101の治療候補フィールドが治療IDを複数個格納するのとは異なり、この治療フィールドは単一の治療IDを格納の対象とする。
治療順番フィールドには、治療順番を示す番号、すなわち自然数が格納される。
図16Bは、治療計画導出AI学習処理部405に与える治療計画導出学習用データの一例を示す図である。図16Aの治療計画導出学習用データテーブル1601を、治療順番フィールドの値でソートしたものである。図16Aの形式、図16Bの形式の何れのテーブルを用いても、治療計画導出AI学習処理部405は学習処理が可能である。
[歯科治療支援サーバ105:治療計画導出AI推定処理部411]
図15は、歯科治療支援サーバ105の治療計画導出AI推定処理部411におけるソフトウェア機能を詳述するブロック図である。
歯科治療支援サーバ105の入出力制御部402は、端末装置104bから入力される情報である「部位」、「病名」及び「治療」を、治療計画導出AI推定処理部411に与える。すると、治療計画導出AI推定処理部411は、入力された部位、病名及び治療から推定される治療順候補と、当該治療順候補の確信度を、推定治療順リスト1501に出力する。推定治療順リスト1501は入出力制御部401を通じて、端末装置104bの表示部205に表示される。その際、入出力制御部401は病名マスタ501と治療マスタ901を参照して、推定治療順リスト1501に記載されている病名IDを病名の名称に、治療IDを治療内容の名称に、それぞれ変換する。
なお、病名導出AI推定処理部409及び治療導出AI推定処理部410は、入力されるデータの形式を1レコードのテーブルとして表すことができたが、治療計画導出AI推定処理部411は、入力されるデータを複数レコードのテーブルとして表すことになる。
図17は、推定治療順リスト1501の一例を示す図である。
治療導出AI推定処理部410は、入力された部位、病名及び治療に対応する治療順候補と、その治療順の確からしさを示す確信度を出力する。図17では、入力された部位及び病名から推定された結果として、推定第一候補は、確信度が90%である。なお、部位フィールド、病名フィールド、治療順フィールド、治療順番フィールドの値の形態は、図16Aまたは図16Bの治療計画導出学習用データテーブル1601と内容が同じものなので表示を省略している。
すなわち、治療計画導出AI推定処理部411は、図16Aまたは図16Bの治療計画導出学習用データテーブル1601に等しい形式のテーブルに、確信度を付加して、推定治療順リスト1501に出力する。
[歯科治療支援サーバ105:全体の処理手順とデータの流れ]
以上の説明を踏まえ、全体の処理手順とデータの流れを説明する。
図18は、歯科治療支援システムにおける、処理手順とデータの流れを示す概略図である。
先ず、経験の浅い歯科医師106は端末装置104bから所見を歯科治療支援サーバ105に入力する(S1801)。歯科治療支援サーバ105の病名導出AI推定処理部409は、入力された所見D1821から病名候補D1822を推定し、端末装置104bへ出力する(S1802)。経験の浅い歯科医師106は、端末装置104bに出力された病名候補D1822を見て、病名を確定する作業を行い(S1803)、病名D1823を確定する(S1804)。
経験の浅い歯科医師106は、ステップS1804で確定された病名D1823と、所見D1821から抽出された部位を、端末装置104bから歯科治療支援サーバ105に入力する(S1805)。歯科治療支援サーバ105の治療導出AI推定処理部410は、入力された病名D1823と部位から治療候補D1824を推定し、端末装置104bへ出力する(S1806)。経験の浅い歯科医師106は、端末装置104bに出力された治療候補D1824を見て、治療を確定する作業を行い(S1807)、当該部位に対する治療D1825を決定する(S1808)。
経験の浅い歯科医師106は、ステップS1801からS1808までの処理を、患者107の口腔内の疾患が発生している部位全てに対し、繰り返し実行する(S1809)。すると、治療D1825を集めることで、図13に示した推定治療群テーブル1301が完成する。
次に、経験の浅い歯科医師106は、ステップS1809で作成した推定治療群テーブル1301を、端末装置104bから歯科治療支援サーバ105に入力する(S1810)。歯科治療支援サーバ105の治療計画導出AI推定処理部411は、入力された推定治療群テーブル1301から治療計画を推定し、端末装置104bへ出力する(S1811)。経験の浅い歯科医師106は、端末装置104bに出力された治療計画候補D1826を見て、治療計画を確定する作業を行い(S1812)、患者107に適用する治療計画D1827を決定する(S1813)。
[第二の実施形態:歯科治療支援システム1901:全体構成及び歯科治療支援サーバのソフトウェア機能]
図19は、本発明の第二の実施形態に係る歯科治療支援システム1901の全体構成及び歯科治療支援サーバ1902のソフトウェア機能を示すブロック図である。なお、図19に示す歯科治療支援サーバ1902のブロック図は、歯科治療支援の処理手順も表している。
図19に示される歯科治療支援サーバ1902及び端末装置104のハードウェアの構成は、本発明の第一の実施形態に係る歯科治療支援システム101と同等であり、図2及び図3と何ら変わらない。故に、ハードウェア構成の説明は割愛する。
図19において図示しない歯科医師は、インターネット103を通じて、自身が所有する端末装置104を歯科治療支援サーバ1902に接続する。そして、端末装置104を用いてこれから診療を行おうとする図示しない患者107の部位と病名等の情報を歯科治療支援サーバ1902に入力する。
歯科治療支援サーバ1902は、端末装置104から入力された部位と病名等の情報に基づき、患者107の可能な治療手順の組み合わせを全て導き出し、それら組み合わせに基づいて可能なすべての治療計画候補を策定する。策定した治療計画候補は端末装置104の表示部205に表示するか、あるいは図示しないプリンタで印刷する等の手段にて、歯科医師から患者107に提示される。
そして歯科医師は患者107と相談して、治療に要する期間、他の部位よりも優先して治療したい部位、費用等の希望を聴取して、複数の治療計画候補から最良と考える治療計画を決定する。決定した治療計画は、患者107が所有するスマートフォン1903やパソコン等に電子メール等で送信する。
図19において歯科治療支援サーバ1902の入出力制御部1904は、webサーバプログラムの機能を有する。
病名データ生成処理部1905は、端末装置104の表示部205に所定の部位及び病名の入力画面を表示するHTML文書を生成する。すなわち、病名データ生成処理部1905は端末装置104に部位及び病名の入力画面を形成するGUI(Graphical User Interface)を実現する。
HTML文書を生成する際、病名データ生成処理部1905は患者マスタテーブル1906と病名マスタデータベース1907を参照する。生成されたHTML文書は、歯科治療支援サーバ1902の入出力制御部1904を通じて端末装置104に送信される。なお、図19及び後述する図20では、データベースを「DB」と、一部のテーブルを「T」と略している。
端末装置104の入出力制御部401は、webブラウザプログラムの機能を有する。端末装置104の入出力制御部401は、歯科治療支援サーバ1902からHTML文書を受信すると、表示部205に所定の部位及び病名の入力画面を表示する。
図示しない歯科医師は、インターネット103を通じて、自身が所有する端末装置104を歯科治療支援サーバ1902に接続する。そして歯科医師は、端末装置104の表示部205に表示された所定の部位及び病名の入力画面を通じて、操作部206を操作することで、これから診療を行おうとする患者107の患者ID、部位と病名等の情報を端末装置104に入力する。
歯科医師の入力作業が完遂したら、端末装置104の入出力制御部401は、歯科治療支援サーバ1902に患者107の部位と病名等の情報を送信する。
歯科治療支援サーバ1902の入出力制御部1904は、端末装置104から受信した患者107の患者ID、部位と病名等の情報を、病名データ生成処理部1905に引き渡す。
病名データ生成処理部1905は、入出力制御部1904を通じて患者107の患者ID、部位と病名等の情報を受信すると、これら情報を部位病名データベース1908に記録する。そして、部位病名データベース1908は治療順序策定部1909に引き渡される。
治療順序策定部1909は、治療順序マスタデータベース1910を参照して、部位病名データベース1908から治療順序候補データベース1911を作成する。
治療順序とは、ある部位と病名の組が複数存在する場合に、取り得る治療の優先順位である。
例えば、部位「左上6」に病名「C3」、部位「左下7」に病名「C2」、部位「右下6」に病名「C2」という、3箇所の歯に疾患がある患者107を例に考える。この場合における治療順序は、
(1)左上6:C3→左下7:C2→右下6:C2
(2)左上6:C3→右下6:C2→左下7:C2
(3)左下7:C2→左上6:C3→右下6:C2
(4)左下7:C2→右下6:C2→左上6:C3
(5)右下6:C2→左上6:C3→左下7:C2
(6)右下6:C2→左下7:C2→左上6:C3
という、6通りが存在する。
更に、これら部位と病名の組に対し、対応する治療順序は複数存在するので、それらの組み合わせに対して全ての優先順位を導き出す必要がある。
この様に治療順序策定部1909は、部位病名データベース1908に存在する全ての部位と疾患の組から、得られる全ての治療の優先順位、すなわち順列(=n!/0! nは部位と病名の組の数)を作成し、更に各々の部位と病名の組が有する治療順序の数を乗算した数の治療順序テーブルを作成する。
例えば、「左上6:C3」が有する治療順序の数が2個、「左下7:C2」が有する治療順序の数が3個、「右下6:C2」が有する治療順序の数が4個である場合は、×2×3×4=6×24=144通りとなる。
各々の治療順序は治療順序テーブル(図22参照)を構成する。治療順序候補データベース1911は、治療順序テーブルの集合体である。
治療順序策定部1909が作成した治療順序候補データベース1911は、治療計画生成処理部1912に引き渡される。
治療計画生成処理部1912は、治療項目マスタテーブル1913を参照して、治療順序候補データベース1911に含まれる治療順序テーブルから治療計画テーブルを作成する。具体的には、治療順序テーブルに含まれている治療順序から、同日に実施できない治療行為を後日にずらし、治療行為の矛盾を除外した治療計画を作成する。治療計画生成処理部1912は、この作業を全ての治療順序テーブルに対して行い、治療順序候補データベース1911から治療計画テーブルの集合体である治療計画候補データベース1914を作成する。
治療計画生成処理部1912が作成した治療計画候補データベース1914は、治療計画選定処理部1915に引き渡される。
治療計画選定処理部1915は、入出力制御部1904を通じて端末装置104の表示部205に複数の治療計画候補(治療計画テーブル)を表示させるHTML文書を作成する。すなわち、治療計画選定処理部1915は端末装置104に複数の治療計画候補から1個の治療計画を選定するための入力画面を形成するGUI(Graphical User Interface)を実現する。治療計画選定処理部1915が生成したHTML文書は入出力制御部1904を通じて端末装置104に送信される。
端末装置104の入出力制御部401は、歯科治療支援サーバ1902からHTML文書を受信すると、表示部205に複数の治療計画候補及びそれら治療計画候補の選択画面を表示する。
歯科医師は、端末装置104の表示部205に表示された複数の治療計画候補を見ながら患者107と相談する。歯科医師は患者107から、治療に要する期間、他の部位よりも優先して治療したい部位、費用等の希望を聴取して、複数の治療計画候補から最良と考える治療計画を決定する。治療計画の決定結果は、端末装置104の操作部206から、端末装置104の入出力制御部401を通じて歯科治療支援サーバ1902へ送信される。
歯科治療支援サーバ1902の入出力制御部1904は、端末装置104から受信した治療計画の決定結果を治療計画選定処理部1915に引き渡す。治療計画選定処理部1915は、治療計画の決定結果を受けて、治療計画候補データベース1914に含まれている複数の治療計画候補(治療計画テーブル)から、歯科医師によって選択された1個の治療計画テーブル1916を選択して保存すると共に、患者107のスマートフォン1903やパソコン等に電子メール等にて送信する。
[第二の実施形態:歯科治療支援システム1901:各種テーブルのフィールド構成]
図20は、各種テーブルのフィールド構成を示す表である。
患者マスタテーブル1906は、患者IDフィールドと、患者107氏名フィールドと、患者107メールアドレスフィールドと、その他フィールドを有する。
患者IDフィールドには、患者107を一意に識別する患者IDが格納される。
患者107氏名フィールドには、患者107の氏名が格納される。
患者107メールアドレスフィールドには、患者107のメールアドレスが格納される。このメールアドレスは、患者107のスマートフォン1903及び/またはパソコン等に、電子メールにて治療計画を送信する為に使用される。
その他フィールドには、患者107の性別、生年月日、住所や電話番号等、患者107に関する必要な個人情報等が格納される。
病名マスタデータベース1907は、部位マスタテーブル2001と、病名マスタテーブル2002と、部位病名マスタテーブル2003を有する。
部位マスタテーブル2001は、部位IDフィールドと、部位名フィールドを有する。
部位IDフィールドには、部位を一意に識別する部位IDが格納される。
部位名フィールドには、部位の名称が格納される。
病名マスタテーブル2002は、病名IDフィールドと、病名フィールドを有する。
病名IDフィールドには、病名を一意に識別する病名IDが格納される。
病名フィールドには、病名の名称が格納される。なお、この病名フィールドに記載される病名とは、厚生労働省が定める、歯科における傷病名の略称である。(平成26年3月19日発行「歯科の診療録及び診療報酬明細書に使用できる略称について」 http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000040717.pdf )このためこの病名マスタテーブル2002は、厚生労働省の通知によって傷病名の略称に追加、削除または変更があれば、その都度更新が必要になる。
部位病名マスタテーブル2003は、部位IDフィールドと、病名IDフィールドを有する。
部位IDフィールドは、部位マスタテーブル2001の同名フィールドと同じである。
病名IDフィールドは、病名マスタテーブル2002の同名フィールドと同じである。
ある1個の部位に対し、当てはまる可能性のある病名は1個以上存在する。すなわち、部位IDと病名IDは、1対多の関係を有する。部位病名マスタテーブル2003は、この1対多の関係を示すテーブルである。
病名データ生成処理部1905は、端末装置104を通じて患者マスタテーブル1906と病名マスタデータベース1907の内容を歯科医師に見せる。そして、歯科医師による端末装置104の操作によって、患者IDの特定と、患者107の部位と病名の特定を行う。
部位病名データベース1908には、患者マスタテーブル1906から患者IDが複写(コピー&ペースト)されると共に、歯科医師が特定した部位と病名、すなわち部位病名マスタテーブル2003の中から合致するレコードが複写される。
治療順序マスタデータベース1910は、病名治療順序マスタテーブル2004と治療順序項目マスタテーブル2005を有する。
病名治療順序マスタテーブル2004は、部位IDフィールドと、病名IDフィールドと、治療順序IDフィールドを有する。
部位IDフィールドは、部位マスタテーブル2001及び部位病名マスタテーブル2003の同名フィールドと同じである。
病名IDフィールドは、病名マスタテーブル2002及び部位病名マスタテーブル2003の同名フィールドと同じである。
治療順序IDフィールドには、治療順序を一意に識別する治療順序IDが格納される。
治療順序項目マスタテーブル2005は、治療順序IDフィールドと、治療項目IDフィールドと、治療項目順番フィールドを有する。
治療順序IDフィールドは、病名治療順序マスタテーブル2004の同名フィールドと同じである。
治療項目IDフィールドには、治療項目を一意に識別する治療項目IDが格納される。
治療項目順番フィールドは、上述の治療項目IDフィールドの治療項目を実施する順番を示す数値(自然数)が格納される。
治療項目マスタテーブル1913は、治療項目IDフィールドと、保険・自由識別フィールドと、算定条件フィールドと、保険点数フィールドと、金額フィールドと、想定診療時間フィールドを有する。
治療項目IDフィールドは、治療順序項目マスタテーブル2005の同名フィールドと同じである。
保険・自由識別フィールドには、治療項目IDフィールドで定義される治療項目の内容が、保険適用であるか、保険が適用されない自由診療であるのかを示す識別情報が格納される。
算定条件フィールドには、治療項目IDフィールドで定義される治療項目の内容が、他の部位と病名の組に係る他の治療項目と同日に実施できない場合と、同じ部位及び病名の組に係る直前の治療項目から所定の日数以上の経過を要する場合を示す、所定の条件式が格納される。
保険点数フィールドには、治療項目IDフィールドで定義される治療項目が保険適用である場合における、保険の点数が格納される。
金額フィールドには、治療項目IDフィールドで定義される治療項目を患者107に処置した場合に、患者107から請求する金額が格納される。
想定診療時間フィールドには、治療項目IDフィールドで定義される治療項目を患者107に処置した場合に想定される診療時間が格納される。
[第二の実施形態:歯科治療支援システム1901:治療順序候補データベース1911の一例]
図21は、治療順序候補データベース1911の一例を示す表である。表の1行目はフィールド名を記している。
ある部位1には、病名11と病名12が対応している。同様に、ある部位2には、病名21と病名22が対応している。
すなわち、部位と病名は1対多の関係を有する。この、部位と病名の関係を示すものが、部位病名マスタテーブル2003である。
ある部位1(欄C2101)のある病名11(欄C2102)には、治療順序111(欄C2103)と治療順序112(欄C2104)が対応している。つまり、ある部位1(欄C2101)のある病名11(欄C2102)を治療するには、治療順序111(欄C2103)を採用する以外に、治療順序112(欄C2104)を採用することも可能である。同様に、ある部位1(欄C2101)のある病名12(欄C2105)には、治療順序121(欄C2106)と治療順序122(欄C2107)が対応している。同様に、ある部位2(欄C2108)のある病名21(欄C2109)には、治療順序211(欄C2110)と治療順序212(欄C2111)が対応している。同様に、ある部位2(欄C2108)のある病名22(欄C2112)には、治療順序221(欄C2113)と治療順序222(欄C2114)が対応している。
すなわち、部位と治療の組に対する治療順序は、1対多の関係を有する。この、部位と治療の組に対する治療順序の関係を示すものが、病名治療順序マスタテーブル2004である。
ある治療順序111(欄C2103)には、治療項目1111(欄C2115)、治療項目1112(欄C2116)、治療項目1113(欄C2117)…が対応している。ある部位1(欄C2101)のある病名11(欄C2102)を治療する治療順序111(欄C2103)は、先ず治療項目1111(欄C2115)を実施し、次に治療項目1112(欄C2116)を実施し、次に治療項目1113(欄C2117)…を実施する。つまり、治療項目1111(欄C2115)は1番目の治療項目であり、治療項目1112(欄C2116)は2番目の治療項目であり、治療項目1113(欄C2117)は3番目の治療項目であり、以下同様に、治療順序111(欄C2103)に必要な治療項目が順番に列挙される。
すなわち、治療順序は1以上の治療項目を順番に実施することで完遂する。この、治療順序に対して実施を必要とする治療項目とその実施順番を示すものが、治療順序項目マスタテーブル2005である。
[第二の実施形態:歯科治療支援システム1901:治療順序テーブル2201と治療計画テーブル2301の一例]
図22は、治療順序候補データベース1911に含まれる治療順序テーブル2201の一例を示す表である。表の1行目はフィールド名を記している。なお、図22に示す治療順序テーブル2201の一例は、複数存在する治療順序候補のうちの1個のみを示す。
図23は、治療計画候補データベース1914に含まれる治療計画テーブル2301の一例を示す表である。表の1行目は部位、病名等の項目名と、来院の日程を記している。図23に示す表は、図22に示す治療順序テーブル2201が治療計画生成処理部1912によって治療計画テーブル2301に変換された状態を示す。
なお、図22及び図23において、治療項目の欄には治療行為の名称が記述されているが、実際には治療項目を一意に識別する治療項目IDが記述されている。同様に、部位の名称が記述されている箇所には、実際には部位IDが、病名の名称が記述されている箇所には、実際には病名IDが、それぞれ記述されている。
図22に示される治療順序テーブル2201は、
・部位「左上6」(欄C2202)の病名「C3急化Per」(欄C2203)が優先順位1番目の治療対象であり、
・部位「上顎7〜7、下顎7〜7」(欄C2204)の病名「P2」(欄C2205)が優先順位2番目の治療対象であり、
・部位「右下5」(欄C2206)の病名「C3処置歯」(欄C2207)が優先順位3番目の治療対象である。
図22に示す治療順序テーブル2201の一例は、各々の部位と病名の組について、1番目に実施する治療項目1、2番目に実施する治療項目2、3番目に実施する治療項目3、4番目に実施する治療項目4…が列挙されている。
[第二の実施形態:歯科治療支援システム1901:治療計画テーブル2301を作成する手順]
一方、図23に示す治療計画テーブル2301は、治療計画生成処理部1912が治療順序候補データベース1911から複数の治療計画候補を含む治療計画候補データベース1914を作成し、更に治療計画選定処理部1915によって1個の治療計画に絞られた結果の成果物である。以下、治療計画生成処理部1912が実行する、治療順序テーブルから治療計画テーブルを作成する手順を説明する。
(1)先ず、治療順序テーブルの優先順位1番目の部位と病名の組のレコードを、治療計画テーブルの第1レコードに複写する。すると、
・治療計画テーブルの項目「来院1日目」には治療順序テーブルの「治療項目1」フィールドの値が、
・治療計画テーブルの項目「来院2日目」には治療順序テーブルの「治療項目2」フィールドの値が、
・治療計画テーブルの項目「来院3日目」には治療順序テーブルの「治療項目3」フィールドの値が、…それぞれ複写される。
(2)次に、治療順序テーブルの優先順位2番目の部位と病名の組のレコードを、治療計画テーブルの第2レコードに複写する。
治療順序テーブルの優先順位2番目の部位と病名の組を治療計画テーブルの第2レコードに複写する際、治療順序テーブルにおける各々の治療項目が、治療計画テーブルの来院の項目に複写できるか否かを確認する。具体的には、治療項目マスタテーブル1913の該当する治療項目のレコードの、算定条件フィールドに記述されている条件式を見て、条件式の指示に従って確認を行う。
(3)上述の(2)を、治療順序テーブルの部位と病名の組がなくなるまで繰り返す。
(4)治療順序テーブルから部位と病名のレコードが全て複写されたら、各々のレコードの治療項目について、治療項目マスタテーブル1913を参照しながら、保険・自由識別フィールドの値、保険点数フィールドの値、金額フィールドの値を複写する。
(5)患者107の全ての部位と病名の治療にかかる送金額と総日数を計算して、治療計画テーブルに追記録する。
[第二の実施形態:歯科治療支援システム1901:治療計画テーブル2301を作成する手順と条件式]
ここで改めて図22の治療順序テーブル2201と図23の治療計画テーブル2301を参照して、上述の(2)及び(3)の処理を説明する。
治療計画テーブル2301の、優先順位2番目の部位「上顎7〜7、下顎7〜7」(欄C2302)の病名「P2」(欄C2303)のレコードを見ると、項目「来院1日目」(行F2304)には、治療順序テーブル2201における第1番目の治療項目である治療項目1「歯周検査1回目」(欄C2206)が複写されている(欄C2305)。これは、治療項目1「歯周検査1回目」(欄C2303)が、優先順位1番目の部位「左上6」(欄C2306)の病名「C3急化Per」(欄C2307)のレコードにある第一番目の治療項目「投薬」(欄C2308)と、同日に実施が可能であることを示す。以下同様に、優先順位2番目の「上顎7〜7、下顎7〜7」(欄C2302)の病名「P2」(欄C2303)のレコードは、項目「来院2日目」(行F2304)、「来院3日目」(行F2309)…「来院7日目」(行F2310)までの全ての治療項目(破線枠内のデータ群D2311)が、優先順位1番目のレコードの各治療項目(破線枠内のデータ群D2312)と同日に実施が可能であることを示す。
対して、治療計画テーブル2301の優先順位3番目の部位「右下5」(欄C2313)の病名「C3処置歯」(欄C2314)のレコードを見ると、項目「来院1日目」(行F2304)から「来院6日目」(行F2315)まで空欄(破線内の領域A2317)であり、「来院7日目」(行F2310)になって漸く治療順序テーブル2201における第1番目の治療項目である治療項目1「生・失 PZ(CAD/CAM冠)imp BT」(欄C2208)が複写されている(欄C2316)。この治療項目1「生・失 PZ(CAD/CAM冠)imp BT」は、優先順位1番目の治療項目1から治療項目6まで(破線枠内のデータ群D2312から行F2310の欄を除いたデータ群)、または2番目の治療項目1から治療項目6まで(破線枠内のデータ群D2311から行F2310の欄を除いたデータ群)と、同日に実施が不可能であるので、複写ができなかったことを示す。
治療計画生成処理部1912は、治療順序テーブル2201の部位「右下5」(欄C2206)の病名「C3処置歯」(欄C2207)のレコードにおける「治療項目1」フィールドの値(欄C2208)を治療計画テーブル2301に複写するに当たり、先ず、治療項目マスタテーブル1913を、部位「右下5」の病名「C3処置歯」のレコードの「治療項目1」フィールドの値、すなわち治療項目IDで検索し、治療項目マスタテーブル1913のレコードを特定する。次に、治療項目マスタテーブル1913の当該レコードの算定条件フィールドに記述されている値である条件式を取得する。
治療計画生成処理部1912は次に、条件式を解釈実行して、治療計画テーブル2301の「来院1日目」フィールドに既に複写されている、既に入力が済んでいるレコードの「来院1日目」フィールドの値が条件式に合致するか否かを確認する。
治療計画テーブル2301の第1番目のレコード、すなわち治療の優先順位1番目の「左上6」(欄C2306)の病名「C3急化Per」(欄C2307)のレコードの「来院1日目」フィールド(行F2304)を見ると、「投薬」と記されている(欄C2308)。病名「C3急化Per」は、「う蝕症第3度(C3)」及び「急性化膿性根尖性歯周炎(急化Per)」を意味する。病名「C3急化Per」において、最初に実施する治療は根管治療であり、図23では「来院1日目」フィールド(行F2304)の「投薬」(欄C2308)から「来院6日目」フィールド(行F2315)の「コアimp」(欄C2318)までが根管治療に相当する。この根管治療が完了するまでは、当該部位の反対側に存在する部位の治療はできない。病名「C3急化Per」の部位は「左上6」であるので、反対側である右側の虫歯の治療は、「左上6」の根管治療が完了するまでできない。
治療計画生成処理部1912は、治療順序テーブル2201の部位「右下5」(欄C2206)の病名「C3処置歯」(欄C2207)のレコードにおける「治療項目1」フィールドの値(欄C2208)を治療計画テーブル2301に複写する際、治療項目マスタテーブル1913から算定条件フィールドに記述されている条件式を実行して、上記のような治療行為の矛盾を解消する処理を行う。そしてその結果として、既に入力済みのレコードの、所定の治療行為が完了した日の次の日に、目的の治療項目を複写する。こうして、治療順序テーブル2201の部位「右下5」(欄C2206)の病名「C3処置歯」(欄C2207)の治療項目1「生・失 PZ(CAD/CAM冠)imp BT」(欄C2208)は、治療計画テーブル2301の「来院7日目」フィールド(行F2310)に複写される(欄C2316)。
治療項目マスタテーブル1913の算定条件フィールドには、以下に示す禁止ルールを実行する条件式が記述される。
(a)物理的に、特定の他の部位における特定の治療項目と同日に治療する行為を禁止するルール。
例えば上述の様に、奥歯の反対側の奥歯における虫歯や根管治療等の治療項目が、これに該当する。
(b)保険適用の都合上、他の部位における特定の治療項目と同日に治療する行為を禁止するルール。
(c)特定のある部位における特定のある治療項目から、次の治療項目を実施するまで日数を待つ必要があるルール。
例えば、虫歯治療で詰め物(歯科補綴物)の型を取った(印象)後、歯科医師が歯科技工士に歯科補綴物の作成を依頼し、歯科補綴物が完成するまでにおよそ1週間を必要とする。
上記ルールのうち(a)と(b)は、優先順位が高い他の部位の病名のレコードに記述されている治療項目を参照する。図23の治療計画テーブル2301においては、ある来院何日目のフィールドに治療項目を複写できるか否かは、異なるレコードの同日のフィールド、すなわちテーブルの上側のフィールドに記述されている治療項目の内容を参照して判断する。
上記ルールのうち(c)は、同じ部位の病名のレコードに記述されている治療項目を参照する。図23の治療計画テーブル2301においては、ある来院何日目のフィールドに治療項目を複写できるか否かは、同じレコードの直前のフィールド、すなわちテーブルの左側のフィールドに記述されている治療項目の内容を参照して判断する。
以上の説明で明らかなように、治療計画生成処理部1912が生成する治療計画テーブルは、治療順序から同日に診療できない治療項目の重複を避ける等の矛盾を解消した治療計画が記述される。この治療計画テーブルには、前述の治療順序テーブルから治療計画テーブルを作成する手順の(4)にて説明したように、治療項目マスタテーブル1913から治療項目毎に保険点数と金額が複写される。そして手順の(5)にて説明したように、通院総日数(欄C2319)と費用(欄C2320)が記述される。
如何にベテランの歯科医師であっても、治療順序を異ならせた複数の治療計画と、その治療計画によって掛かる通院総日数と費用を、瞬時かつ正確に、患者107に提示することは不可能である。本発明の第二の実施形態に係る歯科治療支援システム1901は、この不可能を可能にする。患者107は歯科医師から複数の治療計画を提示され、その説明を受けて、治療計画を選定する相談を行う。こうして、歯科医師と患者107の信頼関係を築き上げ、患者107が納得して歯科治療を受けることを可能にする。勿論、この第二の実施形態に係る歯科治療支援システム1901においても、第一の実施形態と同様に、矛盾のない治療計画が作成されるため、歯科医師のスキルが不足していても誤った治療計画に基づく治療を行うことで生じる事故を極限まで減らすことができる。
第一の実施形態に係る歯科治療支援システム101では、図18にて説明したように、所見を入力すると(D1821)、病名の候補が複数提示され(D1822)、歯科医師106は提示された病名候補から1個に絞り込むことで(S1803)、病名を確定する(D1823)、という作業を行っていた。そして、図18を見て判るように、所見を入力した(D1821)後、歯科医師106が介在する作業は、病名確定作業S1803、治療決定作業S1807、治療計画確定作業S1812の3手順であった。
これに対し、第二の実施形態に係る歯科治療支援システム1901では、歯科医師が自ら患者107の部位と病名を入力する。そして、部位と病名を入力後は、歯科治療支援サーバ1902は歯科医師が介在することなく、複数の治療計画候補を出力する。すなわち、第一の実施形態における病名確定作業S1803と治療決定作業S1807が省略されている。
以上に説明した本発明の実施形態は、以下の様な変形例が可能である。
(1)第一の実施形態において、病名導出AI学習処理部403及び病名導出AI推定処理部409は、入力データに部位を追加することが可能である。部位を追加することで、口腔内の部位毎に発生する疾患の傾向に合った学習が行われ、推定精度が向上することが期待できる。
(2)歯科治療支援サーバ105は、単一のサーバで運用する他、クラウドサービスで運用することも可能である。
(3)所見の入力は、インターネットアンケート等で周知の、webブラウザ上で複数の定型文を選択する形式のフォームを形成すると、所見の文章のパターンが固定化され、推定の精度が向上することが期待できる。
(4)第一の実施形態において、病名導出AI学習処理部403、治療導出AI学習処理部404及び治療計画導出AI学習処理部405、そして病名導出AI推定処理部409、治療導出AI推定処理部410及び治療計画導出AI推定処理部411は、全てAIを使用することを前提に説明したが、学習アルゴリズムに基づく情報処理機能であれば、必ずしもAIでなくてもよい。この場合、病名導出AI学習処理部403は病名導出学習処理部に、治療導出AI学習処理部404は治療導出学習処理部に、治療計画導出AI学習処理部405は治療計画導出学習処理部に、病名導出AI推定処理部409は病名導出推定処理部に、治療導出AI推定処理部410は治療導出推定処理部に、治療計画導出AI推定処理部411は治療計画導出推定処理部に、それぞれ読み替えることができる。
(5)第二の実施形態において、病名データ生成処理部1905による、所定の部位及び病名を直接入力する作業に代えて、第一の実施形態の病名導出AI推定処理部による、所見から病名を推定する処理を採用してもよい。
本発明の実施形態においては、歯科治療支援システムを開示した。
本発明の第一の実施形態に係る歯科治療支援システム101は、先ず、所見を病名導出AI推定処理部409に読み込ませることで、患者107の疾患を推定する。次に、病名と部位を治療導出AI推定処理部410に読み込ませることで、患者107の部位毎の治療候補を推定する。病名導出AI推定処理部409と治療導出AI推定処理部410の処理を、患者107の口腔内の疾患を有する全ての部位に対して繰り返し実行することで、推定治療群テーブル1301を形成する。そして最後に、推定治療群テーブル1301を治療計画導出AI推定処理部411に読み込ませることで、患者107の治療計画を推定する。
すなわち、AIが経験豊富な歯科医師102に代わり、経験の浅い歯科医師106に病名、治療方法、治療計画の策定のアドバイスを行うことができる。
更に、複数の経験豊富な歯科医師102から得られる膨大なカルテデータを学習することで、歯科治療支援サーバ105が出力する推定結果の精度を大幅に向上させることも期待できる。この歯科治療支援サーバ105は、機械化かつ最適化された歯科治療の集合知とも言える。
本発明の第二の実施形態に係る歯科治療支援システム1901は、端末装置104を通じて疾患を有する部位と病名を歯科治療支援サーバ1902に入力すると、治療順序策定部1909が全ての治療の優先順位(順列)を作成する。そして、治療計画生成処理部1912は治療順序から同日に診療できない治療項目の重複を避ける等の矛盾を解消した治療計画を作成する。歯科医師は歯科治療支援システム1901が作成した複数の治療計画を患者107に提示して、治療計画を選定する相談を行うことで、歯科医師と患者107の信頼関係を築き上げ、患者107が納得して歯科治療を受けることを可能にする。
また、この第二の実施形態に係る歯科治療支援システム1901においても、第一の実施形態と同様に矛盾のない治療計画が作成されるため、歯科医師のスキルが不足していても誤った治療計画に基づく治療を行うことで生じる事故を極限まで減らすことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、他の変形例、応用例を含む。
101…歯科治療支援システム、102…経験豊富な歯科医師、103…インターネット、104a、104b…端末装置、105…歯科治療支援サーバ、106…経験の浅い歯科医師、107…患者、201…バス、202…CPU、203…ROM、204…RAM、205…表示部、206…操作部、207…不揮発性ストレージ、208…NIC、301…バス、302…CPU、303…ROM、304…RAM、305…不揮発性ストレージ、306…NIC、307…表示部、308…操作部、401…入出力制御部、402…入出力制御部、403…病名導出AI学習処理部、404…治療導出AI学習処理部、405…治療計画導出AI学習処理部、406…病名導出用辞書データ、407…治療導出用辞書データ、408…治療計画導出用辞書データ、409…病名導出AI推定処理部、410…治療導出AI推定処理部、411…治療計画導出AI推定処理部、501…病名マスタ、601…推定病名リスト、701…病名導出学習用データテーブル、901…治療マスタ、1001…推定治療リスト、1101…治療導出学習用データテーブル、1301…推定治療群テーブル、1501…推定治療順リスト、1601…治療計画導出学習用データテーブル、1901…歯科治療支援システム、1902…歯科治療支援サーバ、1903…スマートフォン、1904…入出力制御部、1905…病名データ生成処理部、1906…患者マスタテーブル、1907…病名マスタデータベース、1908…部位病名データベース、1909…治療順序策定部、1910…治療順序マスタデータベース、1911…治療順序候補データベース、1912…治療計画生成処理部、1913…治療項目マスタテーブル、1914…治療計画候補データベース、1915…治療計画選定処理部、1916…治療計画テーブル、2001…部位マスタテーブル、2002…病名マスタテーブル、2003…部位病名マスタテーブル、2004…病名治療順序マスタテーブル、2005…治療順序項目マスタテーブル、2201…治療順序テーブル、2301…治療計画テーブル

Claims (4)

  1. 患者の口腔内の疾患が発生している部位と、前記部位に発生している疾患の病名の組を複数入力されると、前記部位と病名の組に対応する1個以上の治療順序を記載した治療順序テーブルを複数個有する治療順序候補データベースを作成する治療順序策定部と、
    前記治療順序候補データベースに含まれている複数の前記治療順序テーブルに記載されている治療項目について、同日に実施できない治療項目の矛盾を解消した治療計画テーブルを作成し、前記治療計画テーブルを複数個有する治療計画候補データベースを作成する、治療計画生成処理部と
    を具備する、歯科治療支援システム。
  2. 前記治療計画生成処理部は更に、前記治療計画テーブルに記載されている前記治療項目について、保険適用の有無と、保険点数と、料金を記載した上で、前記治療計画テーブルに記載されている全ての料金を合算して送金額を明示すると共に、前記治療計画テーブルにおいて必要となる治療の総日数を合算して明示する、請求項1に記載の歯科治療支援システム。
  3. 患者の口腔内の疾患が発生している部位と、前記部位に発生している疾患の病名と、前記疾患に対応する治療の組を複数レコード入力されると、学習アルゴリズムに基づいて前記複数レコードに対する治療順番を推定して出力する、治療計画導出推定処理部と
    を具備する、歯科治療支援システム。
  4. 更に、
    前記患者の前記口腔内の疾患が発生している部位を診察した所見の文章を入力されると、学習アルゴリズムに基づいて前記所見の文章から疾患の病名を推定して出力する、病名導出推定処理部と
    を具備する、請求項3に記載の歯科治療支援システム。
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